説明

電源装置および照明器具

【課題】実装面積を抑制しつつ電界効果トランジスタのスイッチングにより生じるノイズをより効果的に抑制できる放電ランプ点灯装置を提供する。
【解決手段】電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより発生するノイズを抑制するチップコンデンサC4を力率改善回路12の出力側に配置する。フィルムコンデンサなどを用いる場合と比較して、チップコンデンサC4を電界効果トランジスタQ1などに、より近接させて配置できるので実装面積を抑制できる。電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより発生する高周波電流が流れる箇所を最短に短縮できるので、電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより生じるノイズをより効果的に抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのスイッチング素子を備え、交流の入力電源を直流電源に変換して負荷側へと出力する変換回路を有する電源装置およびこれを備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば負荷としての放電ランプに接続される電源装置は、スイッチング素子を有し電源部からの入力電圧を昇圧した直流電圧に変換する力率改善回路と、この力率改善回路から出力される直流電圧を高周波電圧に変換して放電ランプを点灯させるインバータ回路およびこのインバータ回路と放電ランプとの間に電気的に接続されインバータ回路から供給される電力を制御するLC共振回路などを有する電力変換回路などとを備えている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−152168号公報(第7−10頁、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の構成においては、力率改善回路のスイッチング素子のスイッチングに伴う高周波ノイズを抑制するために、例えばフィルムコンデンサを用い、このフィルムコンデンサをスイッチング素子に近接して配置している。
【0005】
しかしながら、フィルムコンデンサは、その形状が大きいため、配置に制限があり、ノイズ源となるスイッチング素子に近接して配置できないことがあるだけでなく、そのリード線によりインダクタンス成分が生じ、ノイズの低減が充分でないおそれがあるという問題点を有している。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、実装面積を抑制しつつスイッチング素子のスイッチングにより生じるノイズをより効果的に抑制できる電源装置およびこれを備えた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の電源装置は、少なくとも1つのスイッチング素子を備え、交流の入力電源を直流電源に変換して負荷側へと出力する変換回路と;この変換回路の出力側に配置され、スイッチング素子のスイッチングにより発生するノイズを抑制するチップコンデンサと;を具備しているものである。
【0008】
変換回路は、例えば、昇圧チョッパ回路などの力率改善回路である。
【0009】
スイッチング素子は、例えば電界効果トランジスタが好適に用いられる。
【0010】
負荷としては、例えば放電ランプなどが好適に用いられる。
【0011】
チップコンデンサは、例えばC0G特性、あるいはU2J特性を有するセラミックチップコンデンサなどが用いられる。
【0012】
請求項2記載の電源装置は、請求項1記載の電源装置において、チップコンデンサは、変換回路のスイッチング素子に近接して配置されているものである。
【0013】
請求項3記載の電源装置は、請求項1記載の電源装置において、少なくとも1つのスイッチング素子を備え、変換回路から出力された直流電源を変換して負荷に供給する電力変換回路を具備し、チップコンデンサは、電力変換回路のスイッチング素子に近接して配置されているものである。
【0014】
電力変換回路は、例えば、インバータ回路および共振回路などを備えている。
【0015】
請求項4記載の電源装置は、請求項1記載の電源装置において、変換回路は、出力側に平滑コンデンサを備え、チップコンデンサは、平滑コンデンサに近接して配置されているものである。
【0016】
平滑コンデンサは、例えば電解コンデンサなどが用いられる。
【0017】
請求項5記載の照明器具は、請求項1ないし4いずれか一記載の電源装置と;負荷としての放電ランプが取り付けられる器具本体と;を具備しているものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の電源装置によれば、スイッチング素子のスイッチングにより発生するノイズを抑制するチップコンデンサを変換回路の出力側に配置することにより、チップコンデンサをスイッチング素子などに近接させて配置でき、実装面積を抑制できるとともに、スイッチング素子のスイッチングにより発生する高周波電流が流れる箇所を短縮でき、スイッチング素子のスイッチングにより生じるノイズをより効果的に抑制できる。
【0019】
請求項2記載の電源装置によれば、請求項1記載の電源装置の効果に加えて、チップコンデンサを、変換回路のスイッチング素子に近接して配置することにより、変換回路のスイッチング素子の周囲のスペースを有効に利用して実装面積を抑制しつつ、変換回路のスイッチング素子のスイッチングにより発生するノイズを、より効果的に抑制できる。
【0020】
請求項3記載の電源装置によれば、請求項1記載の電源装置の効果に加えて、チップコンデンサを、電力変換回路のスイッチング素子に近接して配置することにより、電力変換回路のスイッチング素子の周囲のスペースを有効に利用して実装面積を抑制しつつ、実装面積を抑制しつつ変換回路のスイッチング素子のスイッチングにより発生するノイズを、より効果的に抑制できる。
【0021】
請求項4記載の電源装置によれば、請求項1記載の電源装置の効果に加えて、チップコンデンサを、変換回路の出力側の平滑コンデンサに近接して配置することにより、平滑コンデンサの周囲のスペースを有効に利用して実装面積を抑制しつつ、実装面積を抑制しつつ変換回路のスイッチング素子のスイッチングにより発生するノイズを、より効果的に抑制できる。
【0022】
請求項5記載の照明器具によれば、請求項1ないし4いずれか一記載の電源装置を備えることで、それぞれの効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す電源装置の回路図である。
【図2】同上電源装置の基板の一主面側を模式的に示す斜視図である。
【図3】同上基板の裏面側を模式的に示す平面図である。
【図4】同上電源装置を備えた照明器具の斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す電源装置の回路図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す電源装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0025】
図1ないし図4に第1の実施の形態を示し、図1は電源装置の回路図、図2は電源装置の基板の一主面側を模式的に示す斜視図、図3は基板の裏面側を模式的に示す平面図、図4は電源装置を備えた照明器具の斜視図である。
【0026】
図1に示すように、電源装置すなわち電子安定器としての熱陰極形放電ランプ点灯装置である放電ランプ点灯装置10は、電源部11の出力側に、この電源部11からの直流出力(直流電圧)を昇圧する変換回路としての力率改善(PFC)回路12が電気的に接続され、この力率改善回路12の出力側に、この力率改善回路12からの直流出力(直流電圧)を高周波交流電圧に変換して出力するインバータ回路13が電気的に接続され、このインバータ回路13の出力側に、このインバータ回路13の出力周波数に応じた電圧を出力する共振回路14が電気的に接続され、この共振回路14の出力側に負荷としての例えば熱陰極形蛍光ランプなどの放電ランプFLが着脱可能に装着される。また、この放電ランプ点灯装置10は、力率改善回路12、インバータ回路13および共振回路14を制御する制御素子16を備え、この制御素子16には、インバータ回路13の駆動用のドライバ部であるドライブ素子17が電気的に接続されている。そして、この放電ランプ点灯装置10は、図2および図3に示す長尺状の基板Bにそれぞれ実装されている。
【0027】
図1に示す電源部11は、例えば100V〜242Vなどの交流の電源eに対して、過電流保護用のヒューズFUとノイズフィルタ回路18とが接続され、このノイズフィルタ回路18の出力側にブリッジダイオードなどの整流用の全波整流素子RECが接続されて構成されている。
【0028】
ノイズフィルタ回路18は、コンデンサC1、コモンモードチョークL1およびコンデンサC2によって構成されたラインフィルタである。このノイズフィルタ回路18は、力率改善回路12およびインバータ回路13などから発生する高周波ノイズを電源e側へと出力させないためのものである。
【0029】
コンデンサC1,C2およびコモンモードチョークL1は、図2に示すように、基板Bの一主面である表面Baにて、基板Bの長手方向の一端側寄りにそれぞれ実装されている。
【0030】
図1に示す全波整流素子RECは、例えば整流素子である4つのダイオードD1〜D4によるブリッジ回路であり、例えば図3に示すように、コモンモードチョークL1の背面側である基板Bの他主面すなわち裏面Bbに表面実装されている。
【0031】
また、図1に示す力率改善回路12は、例えば昇圧チョッパ回路であり、この力率改善回路12は、全波整流素子RECの出力側に、インバータ回路13との間に昇圧用のトランスであるチョッパチョークL2と逆阻止用のダイオードD5との直列回路が電気的に接続されているとともに、チョッパチョークL2と全波整流素子RECとの接続点に、コンデンサC3が電気的に並列に接続され、チョッパチョークL2とダイオードD5のアノードとの接続点にスイッチング素子としての第1スイッチング素子、すなわちチョッピング用スイッチング素子である電界効果トランジスタ(FET)Q1が電気的に並列に接続されている。また、この力率改善回路12の出力側であるダイオードD5のカソード側には、ノイズ抑制用のチップコンデンサC4と平滑コンデンサである電解コンデンサC5との並列回路が電気的に接続されている。
【0032】
チョッパチョークL2は、一次巻線が全波整流素子RECの出力側とダイオードD5のアノードとの間に電気的に接続されているとともに、二次巻線の一端側がグランド電位に電気的に接続され、他端側が制御素子16に電気的に接続されている。したがって、制御素子16には、チョーク電圧が入力されている。このチョッパチョークL2は、図2に示すように、基板Bの表面Baの一端側寄りの位置に実装されている。
【0033】
図1に示す電界効果トランジスタQ1は、ドレイン端子がチョッパチョークL2とダイオードD5のアノードとの接続点に電気的に接続されているとともに、出力側であるソース端子がグランド電位に電気的に接続され、かつ、制御端子であるゲート端子が制御素子16に電気的に接続されている。また、この電界効果トランジスタQ1は、図2に示すように、基板Bの表面Baにて、この基板Bの長手方向の中心よりも一端側寄りの位置に、放熱板HSに熱的に接続された状態で実装されている。
【0034】
図1に示すチップコンデンサC4は、例えばセラミックチップコンデンサなどが用いられ、電界効果トランジスタQ1に近接させた位置に実装されている。なお、チップコンデンサC4の実装に際しては、ダイオードD5のカソード側と電界効果トランジスタQ1の出力側であるドレイン端子とに可能な限り近接させて、すなわちこれら端子からチップコンデンサC4へと引き出す配線を短くした状態で接続することが好ましい。
【0035】
また、このチップコンデンサC4は、例えばEIA規格に定めるC0G特性、あるいはU2J特性のものが好適に用いられる。ここで、C0G特性とは、温度範囲−55℃〜125℃における静電容量の変化率の補償範囲が0±30ppm/℃である特性をいい、U2J特性とは、温度範囲−25℃〜85℃における静電容量の変化率の補償範囲が−750±120ppm/℃である特性をいう。
【0036】
また、インバータ回路13は、スイッチング素子としての第2スイッチング素子、すなわちインバータ用のスイッチング素子である電界効果トランジスタQ2,Q3が電気的に直列に接続された、いわゆるハーフブリッジ型のものである。
【0037】
電界効果トランジスタQ2,Q3は、制御端子であるゲート端子がドライブ素子17に電気的に接続されており、このドライブ素子17から供給される信号によってオンオフが制御される。
【0038】
また、共振回路14は、電界効果トランジスタQ3の両端に電気的に接続された直流カット用のコンデンサC6と、インダクタとしてのバラストチョークである共振インダクタンスL3の一次巻線との直列回路を備えるとともに、この共振インダクタンスL3の一次巻線の出力側に、放電ランプFLと並列にコンデンサである共振コンデンサC7が電気的に接続されている。そして、これら共振回路14およびインバータ回路13などにより、電力変換回路21が構成されている。
【0039】
共振インダクタンスL3は、図2に示すように、基板Bの表面Baにて、この基板Bの長手方向の他端寄りの位置に実装されている。
【0040】
また、図1に示す放電ランプFLは、各フィラメントFLa,FLbに対して、図示しない予熱回路が電気的に接続されている。この予熱回路は、例えば共振インダクタンスL3の二次巻線と電気的に接続されている。
【0041】
そして、制御素子16は、例えば表面実装型のいわゆるIC(集積回路)であり、力率改善回路12と電気的に接続される力率改善制御部23、負荷電圧(負荷電流)である放電ランプ電圧(放電ランプ電流)を検出することでインバータ回路13および共振回路14などの電力変換回路21の動作状態を検出する状態検出部24、および、この状態検出部24により検出した動作状態に基づいてインバータ回路13の電界効果トランジスタQ2,Q3の動作制御用の周波数信号Pを生成してドライブ素子17へと出力する発振制御部25などを内部に一体に備えている。
【0042】
なお、制御素子16が各部23,24,25などを一体に備えるとは、これらが制御素子16において集積化していることをいう。
【0043】
力率改善制御部23は、電源部11側の入力電圧、直流出力電圧、チョーク電圧および電界効果トランジスタQ1に流れるスイッチング電流などの所定の信号に基づいて、電界効果トランジスタQ1のスイッチングパルスであるチョッピング用周波数信号PCを生成して出力する機能を有している。
【0044】
状態検出部24は、検出した放電ランプ電流(放電ランプ電圧)に基づく放電ランプFLの状態(電力変換回路21の状態)に応じて、発振制御部25を介してドライブ素子17を制御可能に構成されている。
【0045】
また、発振制御部25は、状態検出部24により検出した放電ランプFLの点灯状態に基づいて、所定の周波数を有する周波数信号Pを生成する機能を有している。
【0046】
そして、これら状態検出部24および発振制御部25などにより、電力変換回路21の動作を制御する変換制御部27が構成されている。すなわち、この変換制御部27により、インバータ回路13の制御、放電ランプFLの始動シーケンスおよび回路保護などの電力変換回路21の全体の制御が可能となる。
【0047】
また、ドライブ素子17は、制御素子16の発振制御部25から供給される調光用の周波数信号Pに応じて、数十kHz〜200kHz程度の周波数、例えば50kHz以上で電界効果トランジスタQ2,Q3を交互にオンオフする(スイッチング駆動する)ことで、電界効果トランジスタQ3のドレイン−ソース間に所定の高周波交流を発生させるものである。
【0048】
そして、図4に示すように、このように構成された放電ランプ点灯装置10は、電気機器としての照明器具に適用できる。この照明器具は、放電ランプ点灯装置10が配置された器具本体31、この器具本体31の両端に直管形の放電ランプFLが装着されるソケット32などを備えている。
【0049】
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
【0050】
図1に示す放電ランプ点灯装置10を起動させると、力率改善回路12の電解コンデンサC5の高圧側から制御素子16へと電力が供給され、制御素子16が起動する。
【0051】
そして、制御素子16が力率改善制御部23によりチョッピング用周波数信号PCを生成して電界効果トランジスタQ1をスイッチング動作させることにより、電源部11で整流された入力電圧の位相を、力率改善回路12で入力電流の位相と合わせて力率を改善する。
【0052】
具体的に、電界効果トランジスタQ1がオンされると、チョッパチョークL2(ダイオードD5)に直線的に増加する電流が流れることで、このチョッパチョークL2の二次巻線にチョーク電流が流れ、チョッパチョークL2に電磁的エネルギが蓄積される。力率改善制御部23は、検出したスイッチング電流が所定値になると、オフのチョッピング用周波数信号PCを電界効果トランジスタQ1のゲート端子に出力してこの電界効果トランジスタQ1をオフする。この結果、チョッパチョークL2に蓄積された電磁的エネルギが放出され、チョッパチョークL2(ダイオードD5)に直線的に減少する電流が流れる。力率改善回路12からの出力電流はチップコンデンサC4に流れ、このチップコンデンサC4がバイパスコンデンサとして作用し、出力電流に重畳された電界効果トランジスタQ1のスイッチングノイズがグランド電位へとバイパスされる。
【0053】
力率改善回路12から出力された出力電圧は、電解コンデンサC5によって平滑されて直流電圧となり、電力変換回路21のインバータ回路13へと入力する。このインバータ回路13では、制御素子16の発振制御部25により生成された周波数信号Pによってドライブ素子17が駆動されることにより、電界効果トランジスタQ2,Q3が、例えば50kHzなどの所定の周波数でオンオフ動作するため、入力された直流電圧が高周波交流電圧に変換される。
【0054】
この高周波交流電圧により、共振回路14が共振して共振電流が流れ、また、予熱回路により放電ランプFLのフィラメントFLa,FLbが予熱される。
【0055】
そして、フィラメントFLa,FLbの予熱によりフィラメントFLa,FLb間に所定の始動電圧が印加されて放電ランプFLが点灯(始動)し、この放電ランプFLが定常点灯される。
【0056】
このとき、電力変換回路21では、状態検出部24により検出された放電ランプ電流(放電ランプ電圧)などに基づき、発振制御部25からドライブ素子17へと供給される周波数信号Pを生成することにより、インバータ回路13の駆動周波数を可変させ、放電ランプ電流(放電ランプ電圧、放電ランプ電力)が所定の目標値となるようにフィードバック制御がなされる。
【0057】
上述したように、上記第1の実施の形態によれば、電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより発生するノイズを抑制するチップコンデンサC4を力率改善回路12の出力側に配置することにより、例えばフィルムコンデンサなどを用いる場合と比較して、チップコンデンサC4を電界効果トランジスタQ1などに、より近接させて配置でき、実装面積を抑制できるとともに電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより発生する高周波電流が流れる箇所を最短に短縮でき、電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより生じるノイズをより効果的に抑制できる。
【0058】
特に、チップコンデンサC4は、フィルムコンデンサなどのようにリードを有していないため、このリードにより発生するインダクタンス成分を極端に小さくすることができるので、電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより発生する高周波ノイズに対して、インダクタンス成分によるインピーダンスの増加を抑制でき、電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより生じるノイズを、より効果的に抑制できる。
【0059】
しかも、チップコンデンサC4を電界効果トランジスタQ1に近接させて配置することにより、この電界効果トランジスタQ1の周囲のスペースを有効に利用して実装面積を抑制しつつ、電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより発生するノイズを、より効果的に抑制できる。
【0060】
さらに、チップコンデンサC4として、C0G特性、あるいはU2J特性のものを用いることにより、例えばチップコンデンサとしてX7R特性(温度範囲−55℃〜125℃における静電容量の変化率の補償範囲が±15%の特性)などのものを用いる場合と比較して、温度依存性が少ないだけでなく、誘電正接(tanδ)が小さいとともに、高周波インピーダンス成分を抑制でき、ノイズを低減できる。
【0061】
次に、図5に第2の実施の形態を示し、図5は電源装置を示す回路図である。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0062】
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態のチップコンデンサC4が、電力変換回路21の電界効果トランジスタQ2,Q3に近接した位置に実装されているものである。
【0063】
すなわち、チップコンデンサC4は、電界効果トランジスタQ2,Q3の直列回路に対して電気的に並列に接続されている。なお、チップコンデンサC4の実装に際しては、電界効果トランジスタQ2の入力側であるソース端子と、電界効果トランジスタQ3の出力側であるドレイン端子とに可能な限り近接させて、すなわちこれら端子からチップコンデンサC4へと引き出す配線を短くした状態で接続することが好ましい。
【0064】
そして、電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより発生するノイズを抑制するチップコンデンサC4を力率改善回路12の出力側に配置するなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0065】
また、チップコンデンサC4を電界効果トランジスタQ2,Q3に近接させて配置することにより、電界効果トランジスタQ2,Q3の周囲のスペースを有効に利用して実装面積を抑制しつつ、力率改善回路12の電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより発生するノイズを、より効果的に抑制できる。
【0066】
次に、図6に第3の実施の形態を示し、図6は電源装置を示す回路図である。なお、上記各実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0067】
この第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態のチップコンデンサC4が、電解コンデンサC5に近接して実装されているものである。
【0068】
すなわち、チップコンデンサC4は、電解コンデンサC5の両リード間に電気的に接続されている。なお、チップコンデンサC4の実装に際しては、電解コンデンサC5の両端子に可能な限り近接させて、すなわちこれら端子からチップコンデンサC4へと引き出す配線を短くした状態で接続することが好ましい。
【0069】
そして、電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより発生するノイズを抑制するチップコンデンサC4を力率改善回路12の出力側に配置するなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0070】
また、チップコンデンサC4を電解コンデンサC5に近接させて配置することにより、電解コンデンサC5の周囲のスペースを有効に利用して実装面積を抑制しつつ、力率改善回路12の電界効果トランジスタQ1のスイッチングにより発生するノイズを、より効果的に抑制できる。
【0071】
なお、上記各実施の形態において、電源部11、インバータ回路13および共振回路14などのそれぞれの細部の構成は、上記構成および制御に限定されるものではない。
【0072】
また、負荷としては、放電ランプだけでなく、他の様々な負荷を用いることができる。
【符号の説明】
【0073】
10 電源装置としての放電ランプ点灯装置
12 変換回路としての力率改善回路
21 電力変換回路
31 器具本体
C4 チップコンデンサ
C5 平滑コンデンサである電解コンデンサ
FL 負荷としての放電ランプ
Q1,Q2,Q3 スイッチング素子としての電界効果トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのスイッチング素子を備え、交流の入力電源を直流電源に変換して負荷側へと出力する変換回路と;
この変換回路の出力側に配置され、スイッチング素子のスイッチングにより発生するノイズを抑制するチップコンデンサと;
を具備していることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
チップコンデンサは、変換回路のスイッチング素子に近接して配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
少なくとも1つのスイッチング素子を備え、変換回路から出力された直流電源を変換して負荷に供給する電力変換回路を具備し、
チップコンデンサは、電力変換回路のスイッチング素子に近接して配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項4】
変換回路は、出力側に平滑コンデンサを備え、
チップコンデンサは、平滑コンデンサに近接して配置されている
ことを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか一記載の電源装置と;
負荷としての放電ランプが取り付けられる器具本体と;
を具備していることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−30310(P2011−30310A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171552(P2009−171552)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】