説明

電源装置の制御回路および電源装置の制御方法

【課題】二次電池と機器とが出力に並列接続されている電源装置において、二次電池の過充電を防止すると共に、二次電池から機器へ電力を供給することが可能である電源装置の制御回路および電源装置の制御方法を提供すること。
【解決手段】DC−DCコンバータ1Gには、機器5Gと二次電池2Gとが互いに並列接続される。よってDC−DCコンバータ1Gからの電力と二次電池2Gからの電力の両方から機器5Gの電力が供給される。二次電池2Gが非充電状態の際には、オフセット回路15Gは、充電禁止信号CASに応じて、検出信号Vx1Gと基準電圧e1Gとの差電圧が縮小するような正のオフセットを基準電圧e1Gに対して付与する。誤差増幅器ERA1Gは、充電電流CCGがオフセット値分だけ余計に流れていると認識する結果、実際に流れている充電電流CCGをオフセット分だけ減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源制御装置及び電源制御方法に関し、特に二次電池と機器とが出力に並列接続されている電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコン用の汎用インターフェイスバスとして使用されるUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)やIEEE1394などは、インターフェイス手段だけでなく電力供給ラインも含んでいる。しかし、電力供給ラインからの供給電力には制限がある。例えばUSBインタフェースで供給される電源は、5V・500mAという電流制限がある。そして制限値を超える電力を機器側が要求すると、保護回路が動作することにより、機器への電源供給が遮断される設定となっている。しかし、インターフェイスバスに接続される機器の中には、ハードディスク装置やDVD装置などの、モータの起動時など短時間、過渡的に大きな消費電流を必要とするような機器がある。
【0003】
このような機器を安定動作させるために、二次電池と機器とが出力に並列接続された電源装置がある。このような電源装置では、インターフェイスバスから供給可能な電力に余裕があるときに、当該余剰電力によって二次電池が充電される。そして機器が使用する電力がインターフェイスバスの電力供給能力を超えるときには、二次電池から不足する電力が機器に供給される。
【0004】
尚、上記の関連技術として特許文献1ないし6が開示されている。
【特許文献1】特開2004−288537号公報
【特許文献2】特開2005−12889号公報
【特許文献3】特開2005−275611号公報
【特許文献4】特開平10−323026号公報
【特許文献5】特開2000−29544号公報
【特許文献6】特開平8−182219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、二次電池と機器とを並列接続すると、二次電池に常時電圧が印加され充電状態が続くことになる。すると二次電池には、満充電になった以後も充電電流が流入し過充電状態となるため、電池寿命が短くなるなどの性能劣化や、二次電池の破裂・発火などの障害が発生するため問題である。
【0006】
本発明は前記背景技術の課題の少なくとも1つを解消するためになされたものであり、二次電池の過充電を防止することができると共に、二次電池から機器へ電力を供給することが可能である電源装置の制御回路および電源装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明における電源装置の制御回路では、二次電池および負荷に電力を供給する電源装置において、二次電池の充電停止指令に応じて、二次電池への充電電流がゼロとなるように出力電圧を制御する充電制御回路を備えることを特徴とする。
【0008】
また本発明における電源装置では、 二次電池および負荷に電力を供給する電源装置において、二次電池の充電停止指令に応じて、二次電池への充電電流がゼロとなるように出力電圧を制御する充電制御回路を備えることを特徴とする。
【0009】
また本発明における電源装置の制御方法では、二次電池および負荷に電力を供給する電源装置において、二次電池の充電停止指令に応じて、二次電池への充電電流がゼロとなるように出力電圧を制御することを特徴とする。
【0010】
電源装置からは、負荷と二次電池とに対して電力が供給される。ここで、電源装置の電力供給能力以上の電力を負荷が使用するときは、電源装置からの電力と二次電池からの電力の両方で負荷の電力をまかなう形態とすることができる。ここで電源装置は、二次電池の充電器として用いられてもよいし、各種機器への電源供給装置として用いられてもよい。
【0011】
充電停止指令は、二次電池の充電が満充電となったことを報知する指令信号である。充電停止指令は、CPU等に代表される、二次電池の充電量監視回路によって行われる。充電量監視回路において、二次電池が満充電であることが検出されると、その旨を報知する充電停止指令が充電量監視回路から出力される。充電制御回路は、充電停止指令に応じて、二次電池への充電電流がゼロとなるように、出力電圧を制御する。よって二次電池への充電が停止される。
【0012】
満充電後においても二次電池の充電状態が続くと、二次電池には充電電流が流入し過充電状態となる。例えば二次電池を充電完了後長期間放置すると、電池内部での自己放電により充電残量が減少し、電池電圧が低下するため、トリクル充電が発生する。すると、電池寿命が短くなるなどの性能劣化や、二次電池の破裂・発火などの障害が発生するおそれがある。しかし本発明により、充電停止指令に応じて二次電池への充電電流をゼロとし、充電制御を停止することで、満充電後においては二次電池に充電が行われることを防止することができる。これにより、二次電池の過充電を防止することができるため、二次電池の劣化を防止できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電源装置の制御回路、電源装置、および電源装置の制御方法によれば、二次電池の過充電を防止することができると共に、機器の消費電力が電源装置からの電力供給能力以上の値になる場合には、二次電池から機器へ電力を供給することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の原理図を図1に示す。DC−DCコンバータ1Gは、制御回路3G、電力供給回路PS、電流測定回路RS2Gを備える。また制御回路3Gは、誤差増幅器ERA1G、オフセット回路15G、基準電圧設定部e1RGを備える。またDC−DCコンバータ1Gから出力される充電電流CCGおよび負荷電流LCGは、それぞれ、二次電池2Gおよび機器5Gに入力される。電流測定回路RS2Gから出力される検出信号Vx1Gは、二次電池2Gへ充電される充電電流CCGに応じた信号である。基準電圧設定部e1RGから出力される基準電圧e1Gは、充電電流CCGの制限値を設定する信号である。
【0015】
DC−DCコンバータ1Gには、機器5Gと二次電池2Gとが互いに並列接続されるため、DC−DCコンバータ1Gの電力供給能力以上の電力を機器5Gが使用するときは、DC−DCコンバータ1Gからの電力と二次電池2Gからの電力の両方で機器5Gの電力をまかなうことができる。
【0016】
オフセット回路15Gは、二次電池2Gが充電状態であるか非充電状態であるかに応じてオフセット値を変更する回路である。二次電池2Gがまだ充電未完了である場合には、二次電池2Gは充電状態とされる。一方、二次電池2Gが満充電状態である場合には、二次電池2Gは非充電状態とされる。
【0017】
充電状態の際における、制御回路3Gの作用を説明する。充電状態の際においては、二次電池2Gは、基準電圧e1Gにより設定される制限値を超えない充電電流CCGで充電される。これにより、機器5Gの負荷電流LCGがゼロとなり、DC−DCコンバータ1Gから供給される全ての電力が二次電池2Gに供給できる状態であっても、二次電池2Gの許容能力以上の電流で二次電池2Gが充電されることを防止することができる。
【0018】
また非充電状態の際における、制御回路3Gの作用を説明する。充電電流CCGが基準電圧e1Gで設定される制限値に未達である場合には、検出信号Vx1Gは基準電圧e1Gよりも低くなる。そしてオフセット回路15Gは、充電禁止信号CASに応じて、検出信号Vx1Gまたは基準電圧e1Gに対して、オフセット値を付与する動作を行う。
【0019】
オフセット回路15により、検出信号Vx1Gに対してオフセット値が付与される場合を説明する。この場合、検出信号Vx1Gには、検出信号Vx1Gと基準電圧e1Gとの差電圧が縮小するような正のオフセットが付与される。そしてオフセット回路15Gは、オフセット付与後の信号を検出信号Ve4Gとして誤差増幅器ERA1Gに対して出力する。すると誤差増幅器ERA1Gは、充電電流CCがオフセット値分だけ多く流れていると認識して、充電電流CCG量を電流制限値に応じて制御する動作を行う。その結果、実際に流れている充電電流CCGをオフセット分だけ減少させることができる。そして、オフセット値を基準電圧e1Gの値と等しく設定すれば、誤差増幅器ERA1Gが行う「充電電流CCGを制限値以下に維持する制御」は、「実際の充電電流CCGをゼロ以下に維持する制御」と等価になるため、充電電流CCGをゼロにすることができる。
【0020】
一方、オフセット回路15により、基準電圧e1Gに対してオフセット値が付与される場合を説明する。この場合、基準電圧e1Gには、検出信号Vx1Gと基準電圧e1Gとの差電圧が縮小するような負のオフセットが付与される。そしてオフセット回路15Gは、オフセット付与後の信号を検出信号Ve5Gとして誤差増幅器ERA1Gに対して出力する。すると誤差増幅器ERA1Gの制限値が低下する。そして誤差増幅器ERA1Gは、低下後の制限値に応じて充電電流CCGを制御する動作を行う。その結果、充電電流CCGをオフセット分だけ減少させることができる。そして、検出信号Ve5Gの値がゼロとなるように設定すれば、誤差増幅器ERA1Gによって充電電流CCGをゼロにする制御が行われるため、充電電流CCGをゼロにすることができる。
【0021】
以上より、機器5Gと並列接続された二次電池2Gの過充電を防止することが可能となると共に、機器5Gの消費電力がDC−DCコンバータ1Gからの電力供給能力以上になるときは、二次電池2Gから機器5Gへ電力を供給することでDC−DCコンバータ1Gの供給能力を超える分を補うことが可能となる。
【0022】
本発明に係る実施形態を、図2を用いて説明する。図2に、本実施形態に係る充電器用のDC−DCコンバータ1を示す。DC−DCコンバータ1は、機器5に電力を供給するとともに、二次電池2を充電する動作をするコンバータである。DC−DCコンバータ1の入力端子は、不図示の汎用インターフェイスバス(USBなど)に接続され、入力電圧Vinが入力される。またDC−DCコンバータ1の出力端子は、二次電池2および機器5に接続される。二次電池2および機器5には、それぞれ出力電圧Vout1およびVout2が供給される。DC−DCコンバータ1は、制御回路3、パワー回路4、電流測定抵抗RS1およびRS2を備える。入力電圧Vinは、電流測定抵抗RS1の入力端子及び制御回路3の入力端子CS1に接続される。そして電流測定抵抗RS2の出力端子は、二次電池2の入力端子に接続されると共に、制御回路3の入力端子FB2に接続される。
【0023】
パワー回路4の構成を説明する。パワー回路4は、チョークコイルL1、平滑コンデンサC1を備える。チョークコイルL1の出力端子は、電流測定抵抗RS2の入力端子、グランドとの間の平滑コンデンサC1、制御回路3の入力端子CS2、および機器5に接続される。
【0024】
制御回路3の構成を説明する。制御回路3は、メインスイッチングトランジスタであるトランジスタFET1、同期整流スイッチ回路であるトランジスタFET2、入力電流監視回路11、出力電流監視回路12,出力電圧監視回路13、充電残量監視回路14、PWM比較器PWM1を備える。トランジスタFET1は、ドレイン・ドレイン・ゲート・バックゲートの4極構造を備えるMOSトランジスタである。トランジスタFET1の入力端子には電流測定抵抗RS1の出力端子が接続され、出力端子にはチョークコイルL1の入力端子が接続される。またトランジスタFET1の制御端子にはPWM比較器PWM1の非反転出力端子Q1が接続され、PWM比較器PWM1によりオン/オフされる。トランジスタFET2の入力端子はグランドに接地され、出力端子はチョークコイルL1の入力端子に接続される。またトランジスタFET2の制御端子にはPWM比較器PWM1の反転出力端子*Q1が接続される。
【0025】
ここで、トランジスタFET1を、制御回路3と同一のLSIに形成するいわゆるオンチップ構造にすれば、バックゲート端子の設計の自由度が高まるため、バックゲートを接地する構成をより容易に実現することができる。なおトランジスタFET1を、独立した素子であるディスクリート素子として、制御回路3と別途に構成する形態とすることができることは言うまでもない。また同様に、トランジスタFET2もディスクリートのパワー素子で構成されてもよいことは言うまでもない。
【0026】
入力電流監視回路11は、電圧増幅器AMP2、誤差増幅器ERA3および基準電圧設定部e3Rを備える。電圧増幅器AMP2の非反転入力端子には入力端子CS1が接続され、反転入力端子には入力端子FB1が接続され、出力電圧Vx2が出力される。誤差増幅器ERA3の反転入力には出力電圧Vx2が入力され、非反転入力にはグランドからの基準電圧e3が入力される。誤差増幅器ERA3の出力電圧Vop3は、PWM比較器PWM1の第1の非反転入力に入力される。
【0027】
出力電流監視回路12は、電圧増幅器AMP1、誤差増幅器ERA1、オフセット回路15、基準電圧設定部e1Rを備える。オフセット回路15は、スイッチ回路SW1およびオフセット電圧設定部e4Rを備える。電圧増幅器AMP1の反転入力端子には入力端子FB2が接続され、非反転入力端子には入力端子CS2が接続され、出力電圧Vx1が出力される。スイッチ回路SW1には充電禁止信号CASが入力され、電圧増幅器AMP1の出力端子を、オフセット電圧設定部e4Rまたは誤差増幅器ERA1の非反転入力端子の何れか一方に接続する。誤差増幅器ERA1の反転入力には、出力電圧Vx1または出力電圧Vx1にオフセット電圧設定部e4Rの出力電圧Ve4を加えた電圧が入力され、非反転入力にはグランドからの基準電圧e1が入力される。誤差増幅器ERA1の出力電圧Vop1は、PWM比較器PWM1の第2の非反転入力に入力される。
【0028】
図2に於いて、充電禁止信号CASは充電器回路が二次電池2の充電を行うか禁止するかを指定する制御信号であり、Lowレベルを出力しているとき二次電池2の充電を許可し、Highレベルを出力しているとき二次電池2の充電が禁止される。スイッチ回路SW1は、充電禁止信号CASに応じて、二次電池2の充電電流を切り換えるスイッチ回路である。
【0029】
出力電圧監視回路13は、入力抵抗R1、接地抵抗R2、誤差増幅器ERA2および基準電圧設定部e2Rを備える。入力端子CS2とグランド間に直列接続される入力抵抗R1と接地抵抗R2との回路により、出力電圧Vout2は分圧電圧DVへ分圧された上で、誤差増幅器ERA2の反転入力に入力される。また誤差増幅器ERA2の非反転入力には、グランドからの基準電圧e2が入力される。誤差増幅器ERA2の出力電圧Vop2は、PWM比較器PWM1の第3の非反転入力に入力される。
【0030】
充電残量監視回路14は、電圧比較器COMP1および基準電圧設定部e5Rを備える。電圧比較器COMP1の反転入力には分圧電圧DVが入力され、非反転入力には基準電圧e5が入力される。電圧比較器COMP1から出力される出力電圧Vc1は、出力端子CREQから出力される。
【0031】
PWM比較器PWM1の反転入力端子には、三角波発振器OSC1の出力端子が接続される。PWM比較器PWM1の非反転出力端子Q1はトランジスタFET1の制御端子に接続され、反転出力端子*Q1はトランジスタFET2の制御端子に接続される。
【0032】
DC−DCコンバータ1の動作を説明する。DC−DCコンバータ1は、出力電圧Vout2により機器5を動作させるとともに、出力電圧Vout2により二次電池2を充電する充電器である。そして、USBなどのインターフェイスバス規格により定まる入力電力の制限値を、機器5の消費電力が超える場合には、制限値を超える電力を二次電池2から機器5へ供給することができる充電器である。
【0033】
DC−DCコンバータ1の動作には、二次電池2の充電中の動作と、充電完了後の動作との2種類がある。まず、充電中の動作について説明する。充電動作中においては、不図示の制御回路(CPUなど)から出力されるローレベルの充電禁止信号CASが、スイッチ回路SW1に入力される。スイッチ回路SW1は、充電禁止信号CASに応じて、電圧増幅器AMP1の出力端子と誤差増幅器ERA1の反転入力とを接続する。これにより二次電池2は充電状態とされる。
【0034】
図2のDC−DCコンバータ1において、出力電圧Vout2は次式(1)で与えられる。
Vout2=Ton/(Ton+Toff)×Vin・・・式(1)
ここでオン時間TonはトランジスタFET1が導通状態とされている時間であり、オフ時間ToffはトランジスタFET1が非導通状態とされている時間である。式(1)より、デューティサイクルの制御によって、出力電圧Vout2を制御可能であることが分かる。また充電電流CCは出力電圧Vout2によって制御できるため、デューティサイクルの制御によって充電電流CCを制御することも可能である。
【0035】
また、チョークコイルL1に流れる電流は、トランジスタFET1がオンの間は入力電圧VinからトランジスタFET1を介して供給され、トランジスタFET1がオフの間はトランジスタFET2を介して供給される。従って入力電流ICの平均値は、出力電流OCの平均値とトランジスタFET1のオンデューティとの積に等しいため、以下の式(2)で表される。
IC=Ton/(Ton+Toff)×OC・・・式(2)
式(2)より、入力電流ICの平均値の値は、トランジスタFET1のオンデューティの制御によって制御可能であることが分かる。
【0036】
PWM比較器PWM1は3つの非反転入力と1つの反転入力を持つ電圧比較器であり、3つの非反転入力に入力される出力電圧Vop1ないしVop3のうちの最も低い入力電圧と反転入力の電圧を比較する。そして非反転入力に入力される誤差増幅器の電圧の方が、反転入力に入力される三角波の電圧よりも高いときにパルスを出力する電圧パルス幅変換器である。
【0037】
出力電流監視回路12により、DC−DCコンバータ1が制御される場合を説明する。すなわち、出力電圧Vop1ないしVop3のうち、出力電圧Vop1が最も低い場合である。出力電流監視回路12の電圧増幅器AMP1は、電流測定抵抗RS2の両端に発生する電圧降下を増幅することで、充電電流CCに応じた電圧を出力する電圧増幅器である。また誤差増幅器ERA1は、電圧増幅器AMP1の出力電圧Vx1と基準電圧e1の差を増幅して出力電圧Vop1を出力する増幅器である。またPWM比較器PWM1は、出力電圧Vop1ないしVop3のうちの最も低い電圧である出力電圧Vop1を選択し、出力電圧Vop1が三角波発振器OSC1の出力電圧よりも高いときにパルスを出力する。電流測定抵抗RS2を流れる充電電流CC(充電器から電池へ流れる向きを正とする)が増加すると、電流測定抵抗RS2の両端に発生する電圧降下が大きくなるため、出力電圧Vx1は上昇する。すると出力電圧Vx1と基準電圧e1との差が小さくなるので、誤差増幅器ERA1の出力電圧Vop1が下がる。その結果、PWM比較器PWM1の出力パルス幅は狭くなり、トランジスタFET1のオンデューティが小さくなるので、出力電圧Vout2が低下する。よって二次電池2の充電電流CCが低下する。これにより出力電流監視回路12によって、基準電圧e1で定められる許容電流以上の電流で、二次電池2が充電される事態を防止することができる。
【0038】
出力電圧監視回路13により、DC−DCコンバータ1が制御される場合を説明する。すなわち、出力電圧Vop1ないしVop3のうち、出力電圧Vop2が最も低い場合である。誤差増幅器ERA2は、DC−DCコンバータの出力電圧Vout2の分圧電圧DVと基準電圧e2の差を増幅して、出力電圧Vop2を出力する。またPWM比較器PWM1は、出力電圧Vop2をパルス信号に変換する。出力電圧Vout2が上昇すると、分圧電圧DVは上昇するため、誤差増幅器ERA2の出力電圧Vop2が低下する。その結果、PWM比較器PWM1の出力パルス幅は狭くなり、トランジスタFET1のオンデューティが小さくなるので、出力電圧Vout2が低下する。これにより出力電圧監視回路13によって、出力電圧Vout2が、基準電圧e2で定められる二次電池2の充電時の最大電圧値を超えないように制御される。
【0039】
入力電流監視回路11により、DC−DCコンバータ1が制御される場合を説明する。すなわち、出力電圧Vop1ないしVop3のうち、出力電圧Vop3が最も低い場合である。入力電流監視回路11の電圧増幅器AMP2は、電流測定抵抗RS1の両端に発生する電圧降下を増幅する。誤差増幅器ERA3は、電圧増幅器AMP2の出力電圧Vx2と基準電圧e3の差を増幅して出力電圧Vop3を出力する。そしてPWM比較器PWM1は、出力電圧Vop3の大きさに応じたパルス幅のパルスを出力する。
【0040】
出力電流OCが増加すると、式(2)より、電流測定抵抗RS1を流れる入力電流ICが増加する。入力電流ICの増加に伴い、電流測定抵抗RS1の両端に発生する電圧降下が大きくなるため、出力電圧Vx2が高くなる。すると出力電圧Vx2と基準電圧e3との差が小さくなるので、誤差増幅器ERA3の出力電圧Vop3が低下する。その結果、PWM比較器PWM1の出力パルス幅は狭くなり、トランジスタFET1のオンデューティが小さくなるため、出力電圧Vout2が低下する。すると、出力電流OCも低下するため、式(2)より、入力電流ICも低下する。これにより、入力電流監視回路11によって、出力電流OCを制御することで入力電流ICを制御することにより、入力電流ICが、基準電圧e3で定められる最大電流値(500(mA))を超えないように制御することが可能となる。
【0041】
以上により、入力電流監視回路11によって、機器5の消費電流が増加すると二次電池2の充電電流が減少し、機器5の消費電流が減少すると二次電池2の充電電流が増加するので、USB等の外部電源からの電力が供給能力を超えないように二次電池2の充電電流CCが制御される。また出力電流監視回路12によって、機器5の負荷電流LCが零となり外部から供給される全ての電力が二次電池2に供給できる状態で有っても、二次電池2の許容能力以上の電流で充電される事態を防止することができる。従って、二次電池2の充電電流CCは、USBインタフェースから供給可能な最大電流(500mA)から機器5が所要する電流を減じた値と、二次電池2が許容できる最大電流値とのうちの小さい方の値になるように制御される。また出力電圧監視回路13によって、出力電圧Vout2が、二次電池2の充電時の最大電圧値を超えないように制御される。よって入力電流ICと、充電電流CCと、Vout2の各々の制限値の全てを守るように、DC−DCコンバータ1が動作する。これにより、定電圧・定電流による充電が可能となるため、二次電池2の性能が劣化することを防止することができる。さらに、USBなどのインターフェイスバス規格により定まる入力電力の制限値を、機器5の消費電力が超える場合には、制限値を超える電力を二次電池2から機器5へ供給することができる。
【0042】
次に、二次電池の充電が完了したときの動作に付いて説明する。不図示の制御回路(CPUなど)により、二次電池2が満充電状態になったことが検知されると、当該制御回路からは二次電池2の充電を禁止する旨のハイレベルの充電禁止信号CASが出力され、制御回路3に入力される。ハイレベルの充電禁止信号CASが入力されると、スイッチ回路SW1は、電圧増幅器AMP1の出力端子とオフセット電圧設定部e4Rとを接続する。するとオフセット電圧設定部e4Rから出力される出力電圧Ve4の値は、電圧増幅器AMP1の出力電圧Vx1にオフセット電圧e4が加算された値となる。これにより誤差増幅器ERA1は、充電電流CCが正の方向にオフセット電圧e4分だけ多く流れていると認識して、充電電流CCを基準電圧e1に応じて制御する動作を行う。その結果、実際の充電電流CC量を、オフセット分だけ減少させることができる。
【0043】
そして、オフセット電圧e4の値を基準電圧e1の値と等しくすれば、基準電圧e1により定まる電流分だけ多く流れていると認識されている充電電流CCを、基準電圧e1により定まる電流値以下にする制御が行われることになる。すると、実際の充電電流CCをゼロ以下にする制御が行われることと等価になる。これにより、二次電池2の非充電状態の際において、充電電流CCをゼロ以下にする制御を行うことが可能となる。
【0044】
また、オフセット電圧e4の値を基準電圧e1よりも大きい値とすれば、基準電圧e1により定まる電流よりも多く流れている充電電流CCを、基準電圧e1により定まる電流値にする制御が行われることになる。すると、実際の充電電流CCを負(二次電池2から電流が流出する方向)にする制御が行われることと等価になる。すなわち、充電電流CCを負の定電流に制御する動作が行われる。この状態では二次電池2の充電が発生しないので、二次電池2の過充電を防止することができる。
【0045】
また充電残量監視回路14の作用を説明する。二次電池2は、充電完了後長期間放置すると、電池内部での自己放電により充電残量が減少し、電池電圧が低下する。そしてDC−DCコンバータ1では充電電流CCがゼロ以下となるように制御しているので、二次電池2の充電残量の減少による出力電圧Vout1の低下と共に、出力電圧Vout2も低下する。すると二次電池2の充電残量が減少しても、二次電池2は充電状態とならないため、充電完了後の二次電池2の電池電圧の低下を防止することができない。そこで充電残量監視回路14が必要となる。
【0046】
充電残量監視回路14は、充電完了後、所定期間経過した場合に動作する回路である。充電残量監視回路14の電圧比較器COMP1は、出力電圧Vout2の分圧電圧DVが基準電圧e5よりも高いときにはローレベルの出力電圧Vc1を出力端子CREQに出力し、分圧電圧DVが基準電圧e5よりも低いときにはハイレベルの出力電圧Vc1を出力端子CREQに出力する。すなわち充電残量監視回路14により、出力電圧Vout2を監視することで、二次電池2の残量が所定の値より減少したことを出力電圧Vc1により不図示の制御回路などへ報知することができる。そして報知を受けた制御回路は、二次電池2の残量が減少したことに応じて、二次電池2の充電を開始する旨のローレベルの充電禁止信号CASを出力する。そしてDC−DCコンバータ1は、ローレベルの充電禁止信号CASに応じて二次電池2に対して充電を開始する。これにより、二次電池2の電池電圧の低下を防止することができる。
【0047】
また本実施形態に係るトランジスタFET1について説明する。トランジスタFET1は、ドレイン・ドレイン・ゲート・バックゲートの4極構造のMOSFETであり、バックゲートが接地される構成を有する。
【0048】
従来は、大電力用のパワートランジスタとしてN型DMOSやP型DMOSのトランジスタが使用されていた。これらのトランジスタは、素子の断面縦方向(バルク方向)に電流が流れる特性を有するトランジスタである。しかし、N型DMOSはソースからドレイン方向に寄生ダイオードが存在し、P型DMOSではドレインからソース方向に寄生ダイオードが存在するため、スイッチ動作は片方にしか動作しない。するとパソコンなどのインターフェイスバスとDC−DCコンバータ1とを物理的に接続した状態でインタフェースバスからの電力供給が遮断されると、二次電池2からインターフェイスバスに対して、メイントランジスタの寄生ダイオードを介して電流漏洩が発生する問題があった。よって従来は、電流漏洩の防止のためにDMOSトランジスタを互いに逆向きに直列接続して使用するか、ダイオードを挿入する必要があったため、回路規模増大や部品点数の増加の問題があった。
【0049】
しかし本実施形態に係るDC−DCコンバータ1では、パワートランジスタとして、ドレイン・ドレイン・ゲート・バックゲートの4極構造を備え、バックゲートが接地されるN型のMOSFETであるトランジスタFET1を用いている。トランジスタFET1は、素子の断面横方向に電流が流れる特性を有するトランジスタである。よってバックゲートを接地することで、ドレイン・ドレイン間に互いに逆向きの寄生ダイオードを2つ形成することができる。これにより、別途トランジスタやダイオード等を用いることなく、トランジスタFET1のみによって電流漏洩の発生を防止することできるため、回路規模の縮小化や部品点数の削減などを図ることが可能となる。
【0050】
以上詳細に説明したとおり、本実施形態に係るDC−DCコンバータ1では、充電状態時には二次電池2に定電圧・定電流充電を行い、非充電状態時には充電電流CCがゼロ以下となるように、充電状態を制御することが可能となる。これにより、二次電池2と機器5とを並列接続した充電器において、二次電池2の過充電を防止することができるため、二次電池2の劣化を防止できる。そして機器5の消費電力がDC−DCコンバータ1からの電力供給能力以上の値になる際には、機器5と並列接続された二次電池2から機器5へ電力を供給することができる。
【0051】
また充電残量監視回路14によって出力電圧Vout2を監視することにより、二次電池2の自己放電による電池電圧低下を検出することができる。よって、二次電池2の電池電圧の低下を防止することができる。
【0052】
またメインスイッチングトランジスタとして、ドレイン・ドレイン・ゲート・バックゲートの4極構造のMOSFETであり、バックゲートが接地されるトランジスタFET1が用いられる。バックゲートを接地することで、ドレイン・ドレイン間に互いに逆向きの寄生ダイオードを2つ形成することができる。これにより電流漏洩を防止することができるため、別途トランジスタやダイオード等を用いることなく、二次電池2からの外部電源への電流の漏洩を防止することが可能となる。
【0053】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは言うまでもない。図2のオフセット回路15では、電圧増幅器AMP1の出力電圧Vx1にオフセット電圧e4を付与することにより、充電電流CCがゼロ以下となるように制御したが、この形態に限られない。図3に示すDC−DCコンバータ1aに備えられる出力電流監視回路12aのように、基準電圧e1にオフセットを付与する形態でもよい。
【0054】
出力電流監視回路12aは、図2のオフセット回路15に代えて、オフセット回路15aを備える。オフセット回路15aに備えられるスイッチ回路SW1aは、接地電位と基準電圧設定部e1Rとを、充電禁止信号CASに応じて択一に選択して、誤差増幅器ERA1の非反転入力端子へ入力する。
【0055】
二次電池2の充電状態時においては、二次電池2の充電を許可する旨のローレベルの充電禁止信号CASがスイッチ回路SW1aに入力される。スイッチ回路SW1aは、充電禁止信号CASに応じて、基準電圧設定部e1Rと誤差増幅器ERA1の非反転入力とを接続する。よって充電電流CCの制限値は基準電圧e1に応じた値となる。
【0056】
一方、二次電池2の非充電状態時においては、二次電池の充電を禁止する旨のハイレベルの充電禁止信号CASがスイッチ回路SW1aに入力される。スイッチ回路SW1aは、充電禁止信号CASに応じて、接地電位と誤差増幅器ERA1の非反転入力とを接続する。すると充電電流CCの制限値がゼロとなるため、誤差増幅器ERA1は充電電流CCをゼロ以下にする制御を行う。以上によりオフセット回路15aを用いることにより、二次電池2の非充電状態の際において充電電流CCをゼロ以下に制御することが可能となる。
【0057】
また本実施形態では、図2に示すDC−DCコンバータ1はスイッチング方式のDC−DCコンバータであるとしたが、この形態に限られない。図4に示すように、ドライバ回路20を備える制御回路3bを有したリニアレギュレータ方式のDC−DCコンバータ1bであっても良いことは言うまでもない。
【0058】
また本実施形態では、電圧モード型のDC−DCコンバータについて説明した。ここで本発明のポイントは、二次電池2の非充電状態の際には充電電流CCをゼロ以下になるように制御することにある。具体的には、オフセット回路15において、充電状態に応じてオフセット値を切り替えることが特徴である。よって、電圧モード型のみならず、電流モード型のDC−DCコンバータにおいても本発明を適用することができることは言うまでもない。
【0059】
なお、出力電圧Vx1にオフセット電圧を与える場合(図2)と、基準電圧e1にオフセット電圧を与える場合(図3)とを別々に説明したが、この形態に限られない。出力電圧Vx1と基準電圧e1との両方にオフセット与える形態であってもよいことは言うまでもない。
【0060】
また本実施形態の制御回路3は、単一または複数の半導体チップなどにより構成してもよい。またDC−DCコンバータ1を単一または複数の半導体チップにより構成してもよい。またDC−DCコンバータ1および制御回路3は、モジュールとして構成してもよい。またDC−DCコンバータ1を、補助電力を備えた電源装置として用いる形態としてもよい。この場合、二次電池2はDC−DCコンバータ1に備えられる。そして必要に応じて二次電池2には充電が行われる。またDC−DCコンバータ1を、充電器として用いる形態としてもよい。この場合、二次電池2は機器5側に備えられる。
【0061】
なお、充電禁止信号CASは充電停止指令の一例、誤差増幅器ERA1は第1誤差増幅器の一例、出力電圧Vx1は検出信号の一例、基準電圧e1は基準信号のそれぞれ一例である。
【0062】
ここで、本発明の技術思想により、背景技術における課題を解決するための手段を以下に列記する。
(付記1)
二次電池および負荷に電力を供給する電源装置において、前記二次電池の充電停止指令に応じて、前記二次電池への充電電流がゼロとなるように出力電圧を制御する充電制御回路を備えることを特徴とする電源装置の制御回路。
(付記2)
前記充電制御回路は、前記充電電流に応じた検出信号と前記充電電流の目標値を設定する基準信号との差分を増幅する第1誤差増幅器と、前記充電停止指令に応じて、前記差分のうち前記充電電流が前記目標値に未達であることを示す前記差分を縮小するオフセット値を、前記検出信号または/および前記基準信号に付与するオフセット回路とを備えることを特徴とする付記1に記載の電源装置の制御回路。
(付記3)
前記オフセット回路は、前記検出信号の伝送経路上に備えられ、前記充電停止指令がされていない際には前記検出信号を出力し、前記充電停止指令に応じて前記検出信号の電圧値の絶対値を大きくする前記オフセット値を前記検出信号に加えて出力することを特徴とする付記2に記載の電源装置の制御回路。
(付記4)
前記オフセット値は、前記基準信号以上の値とされることを特徴とする付記3に記載の電源装置の制御回路。
(付記5)
前記オフセット回路は、前記基準信号の伝送経路上に備えられ、前記充電停止指令がされていない際には前記基準信号を出力し、前記充電停止指令に応じて接地電圧を出力することを特徴とする付記2に記載の電源装置の制御回路。
(付記6)
前記二次電池が非充電状態の際に、前記二次電池の出力電圧と予め定められる設定電圧とを比較する比較器を備えることを特徴とする付記1に記載の電源装置の制御回路。
(付記7)
前記負荷と前記二次電池とは、前記電源装置に対して並列に接続されることを特徴とする付記1に記載の電源装置の制御回路。
(付記8)
バックゲートが接地電圧に接続される4極構造のMOSトランジスタからなる出力トランジスタを備えることを特徴とする付記1に記載の電源装置の制御回路。
(付記9)
二次電池および負荷に電力を供給する電源装置において、前記二次電池の充電停止指令に応じて、前記二次電池への充電電流がゼロとなるように出力電圧を制御する充電制御回路を備えることを特徴とする電源装置。
(付記10)
二次電池および負荷に電力を供給する電源装置において、前記二次電池の充電停止指令に応じて、前記二次電池への充電電流がゼロとなるように出力電圧を制御することを特徴とする電源装置の制御方法。
(付記11)
前記充電電流に応じた検出信号と前記充電電流の目標値を設定する基準信号との差分を増幅するステップと、前記充電停止指令に応じて、前記差分のうち前記充電電流が前記目標値に未達であることを示す前記差分を縮小するオフセット値を、前記検出信号または/および前記基準信号に付与するステップとを備えることを特徴とする付記10に記載の電源装置の制御方法。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の原理図
【図2】DC−DCコンバータ1の回路図
【図3】DC−DCコンバータ1aの回路図
【図4】リニアレギュレータ方式のDC−DCコンバータ1bの回路図
【符号の説明】
【0064】
2 二次電池
3 制御回路
5 機器
12 出力電流監視回路
13 出力電圧監視回路
14 充電残量監視回路
15 オフセット回路
AMP1、AMP2 電圧増幅器
CAS 充電禁止信号
CC 充電電流
ERA1ないしERA3 誤差増幅器
FET1、FET2 トランジスタ
LC 負荷電流
OC 出力電流
SW1 スイッチ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池および負荷に電力を供給する電源装置において、
前記二次電池の充電停止指令に応じて、前記二次電池への充電電流がゼロとなるように出力電圧を制御する充電制御回路を備えることを特徴とする電源装置の制御回路。
【請求項2】
前記充電制御回路は、
前記充電電流に応じた検出信号と前記充電電流の目標値を設定する基準信号との差分を増幅する第1誤差増幅器と、
前記充電停止指令に応じて、前記差分のうち前記充電電流が前記目標値に未達であることを示す前記差分を縮小するオフセット値を、前記検出信号または/および前記基準信号に付与するオフセット回路と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電源装置の制御回路。
【請求項3】
前記オフセット回路は、前記検出信号の伝送経路上に備えられ、
前記充電停止指令がされていない際には前記検出信号を出力し、
前記充電停止指令に応じて前記検出信号の電圧値の絶対値を大きくする前記オフセット値を前記検出信号に加えて出力することを特徴とする請求項2に記載の電源装置の制御回路。
【請求項4】
前記オフセット値は、前記基準信号以上の値とされることを特徴とする請求項3に記載の電源装置の制御回路。
【請求項5】
前記オフセット回路は、前記基準信号の伝送経路上に備えられ、前記充電停止指令がされていない際には前記基準信号を出力し、前記充電停止指令に応じて接地電圧を出力することを特徴とする請求項2に記載の電源装置の制御回路。
【請求項6】
前記負荷と前記二次電池とは、前記電源装置に対して並列に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電源装置の制御回路。
【請求項7】
バックゲートが接地電圧に接続される4極構造のMOSトランジスタからなる出力トランジスタを備えることを特徴とする請求項1に記載の電源装置の制御回路。
【請求項8】
二次電池および負荷に電力を供給する電源装置において、
前記二次電池の充電停止指令に応じて、前記二次電池への充電電流がゼロとなるように出力電圧を制御する充電制御回路を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項9】
二次電池および負荷に電力を供給する電源装置において、
前記二次電池の充電停止指令に応じて、前記二次電池への充電電流がゼロとなるように出力電圧を制御することを特徴とする電源装置の制御方法。
【請求項10】
前記充電電流に応じた検出信号と前記充電電流の目標値を設定する基準信号との差分を増幅するステップと、
前記充電停止指令に応じて、前記差分のうち前記充電電流が前記目標値に未達であることを示す前記差分を縮小するオフセット値を、前記検出信号または/および前記基準信号に付与するステップと
を備えることを特徴とする請求項9に記載の電源装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−274748(P2007−274748A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93574(P2006−93574)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】