説明

電熱装置およびそれを用いた管路ライニング工法

【課題】短絡する恐れがなく、効果的に発熱して熱硬化性樹脂を加温硬化させることができる電熱装置、およびこの電熱装置を用いて管路をライニングする管路ライニング工法を提供する。
【解決手段】面状発熱体1に3本の電極11、12、13を設け、この面状発熱体を円筒状にしてバルーン2に取り付ける。端部の2つ電極11、12の電位は同じにされ、中央電極13と端部電極11、12の間に電圧が印加される。端部の電極を接近または重合しても、電極の短絡を防止できる電熱バルーン3が得られる。この電熱バルーンを用いて管路に施されたライニング材の熱硬化性樹脂が加熱、硬化される。エネルギー効率が格段高く、工程が簡素になるライニングを施すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路ライニング材に含浸された熱硬化性樹脂を加熱、硬化するための電熱装置およびこの電熱装置を用いて管路をライニングする管路ライニング工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地中に埋設された下水道管などは老朽化した場合に、その内面にライニングを施して管路を補修する管路補修工法が実施されている。即ち、熱硬化性樹脂を含浸したライニング材を管路内に挿入し蒸気、温水などの熱媒体を注入して硬化させることで、強靭なファイバー増強プラスチックの内張り管を形成させる。
【0003】
熱硬化性樹脂を含浸した材料は、熱媒体との熱交換により間接的に加熱されるため、多くの機材、例えばボイラー、ポンプ、給水車などを必要とし、作業性が悪いと、大量の熱媒体を加熱するエネルギーを要するためエネルギー効率が悪いという問題がある。
【0004】
従来のライニング工法で作業能率を高めるために、通電加熱方法が提案された。例えば、下記に示す特許文献1に、導電性を有する帯状の樹脂吸収材の長さ方向に該樹脂吸収材よりも導電性の高い導体を取り付け、該樹脂吸収材の両端部を絶縁した後、これを管状に成形し、当該樹脂吸収材に熱硬化性樹脂を含浸してなる導電性ライニング材が示されている。
【0005】
この特許文献1に提案されているカーボン繊維を混合したポリエステル不織布からなる導電性樹脂吸収層は、電気抵抗が大きく、導体の間に印加する電圧を高くしなければならないため、下水道管内のように多湿環境では作業者が感電する恐れがある、という問題がある。
【0006】
印加電圧を低くするために、カーボン繊維を混合した不織布の代わりに平織りカーボン織布シートの適用が提案されている。例えば、特許文献2に、導電性平織りカーボン織布シートと非導電性フェルトシートとの二層構造で形成された内張り材が示されている。当該内張り材を、段違いに張り合わせ金属からなる電極を平行に仮止めして、パーカーに巻き回して、補修部に移動し加圧拡径して、通電し、熱硬化性樹脂を硬化する方法が示されている。
【特許文献1】特開平2−155719号公報
【特許文献2】特開平10−166446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来では、銅線、銅帯またアルミニューム帯のような金属導体を導電性フェルトまたは平織りカーボンシートのような導電シートに押し付けるだけで、両者間の接触面積が限られ、接触抵抗が押圧に左右される。そのため、発熱の均一性が確保しにくいという問題がある。
【0008】
また、従来では、金属導体からなる電極は平行し近接するため、絶縁距離を取れず、短絡の危険性が存在するという問題がある。
【0009】
さらに、従来では、内張り材の製造、挿入工程において、発熱体、電極、接続端子に樹脂または溶剤の浸透による抵抗の増加、物理的な損傷などを与える問題もある。
【0010】
従って、本発明の課題は、このような問題点を解決するためになされたもので、短絡する恐れがなく、効果的に発熱して熱硬化性樹脂を加温硬化させることができる電熱装置、およびこの電熱装置を用いて管路をライニングする管路ライニング工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの課題を解決するために、本発明では、3本の電極を配置することを特徴とする面状発熱体が提案されている。
【0012】
本発明の電熱装置は、両端部にそれぞれ設けられた互いに平行に延びる端部電極と、端部電極間の中央部に設けられ端部電極と平行に延びる中央電極と、それぞれ端部電極と中央電極に交差する方向に延びる所定間隔を隔てて配置された複数の発熱糸とを布状に織り込んで作られた面状発熱体を、気密性並びに弾性を有し膨張可能なバルーンの外周面に巻き付け、中央電極と端部電極間を通電させることにより、前記複数の発熱糸に給電を行い発熱糸を発熱させることを特徴とする。
【0013】
端部の2つ電極は同じ電位で中央電極と端部電極の間に電圧を印加するため、面状発熱体を円筒状にする際には、端部の電極を接近または重合しても、電極の短絡を防止することができる。
【0014】
また、本発明では、複数の電極糸がハニカム状に織り込まれて長手方向に延びる電極が構成される。絶縁糸と電極糸より抵抗の高い発熱糸と所定間隔で配置した横糸と織り込むことで、電極と発熱体とを密着させ、接触抵抗を低減させることができる。
【0015】
本発明では、面状発熱体を気密性、保温性、弾力性を兼備する袋状のバルーンの外周面に巻き付けることで電熱バルーンが提供される。バルーンはあらゆる流体圧により拡張、膨張させることができ、エネルギー効率よくライニング材に含浸された熱硬化性樹脂を加熱することができる。
【0016】
さらに、本発明では、熱硬化性樹脂を含浸したライニング材および本発明の電熱バルーンを老朽管に挿入して、流体圧により老朽管に張り付けて、電力を印加することにより熱硬化性樹脂を硬化させ、管路をライニングすることができる。ライニング材の製造工程と電熱バルーンの製造工程とを独立するため、発熱体、電極、接続端子に悪影響がでないという特徴がある。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、面状発熱体に3本の電極を設け、端部電極を同じ電位にして中央電極と端部電極間に電圧を印加することができるので、端部の電極を接近または重合(接触)しても、電極の短絡を防止することができる。この新しい機構を有する電熱バルーンを用いると、電気短絡の恐れのない安全施工を実現することができる。
【0018】
また、本発明の電熱バルーンを用いた老朽管のライニング工法は、一般的に用いられている温水、蒸気などの間接加熱方法に比べると、自身の熱容量がはるかに少ないためエネルギー効率が格段高く、給水車、ボイラー、循環ポンプなどは必要としないこともあって、機材がコンパクトでライニング工程が簡素になるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて説明する。しかし、本発明は多様な他の形に変形でき、ここに示す実施例は本発明を説明するために提供されるものであり、本発明の範囲が後述する実施例によって限定されるものと解釈されてはならない。また、図面における要素の形状などはより明確な説明を強調するために誇張されたものであり、本発明の要素の仕様、寸法を限定されるものと解釈されてはならない。
【実施例】
【0020】
図1は面状発熱体1を概略的に示す図面である。面状発熱体1には、図でみて縦方向の両端部に横方向(長手方向)に延びる電極11、12が平行に設けられており、これらの端部電極11、12の中央部には、電極11、12に平行に延びる中央電極13が設けられている。面状発熱体1は、横方向に延びる複数の絶縁糸16と、これらの絶縁糸16並びに電極11、12、13と交差する縦方向に延びる複数の発熱糸(電熱糸)14(太い実線で図示)と、これらの発熱糸14を絶縁する縦方向に延びる複数の絶縁糸15とで織物とした布状の形状にされる。
【0021】
面状発熱体1は判りやすくするために、平織りの織物を示しているが、朱子織、綾織、模沙織、からみ織、たて編みなども適する。
【0022】
電極11、12、13は、1本又は複数本の電極糸からなるが、2本から20本までが好ましい。図1では、各電極11、12、13は、3本の電極糸11a〜11c、12a〜12c、13a〜13cから構成されている。各電極11、12、13の電極糸の本数は少ないほど発熱糸との接触面積が小さいので、接触抵抗が高いし、電極の電気容量が制限される。また、電極糸の本数は多いほどこれらの問題が解消できるが、発熱しない面積の割合が増大する。また、各電極11、12、13の本数は同じと限らず、中央電極13の電極糸の本数は端部電極11、12の電極糸の本数の2倍にすることが好ましい。
【0023】
また、電極糸の材質に制限しないが、金属、金属化合物、導電性高分子、導電性カーボン繊維またはこれらの複合物からなる糸が好ましい。その電気抵抗は低いほどよく、電気抵抗は5Ω/cm以下が好ましい。
【0024】
発熱糸14は、電極糸よりも電気抵抗の高い導電糸からなるが、その電気抵抗は電極糸の電気抵抗の500倍以上が好ましい。
【0025】
発熱糸14の材質に制限しないが、金属、金属化合物、導電性高分子、導電性カーボン繊維またはこれらの複合物からなる糸や、非導電性糸に導電体を被覆した糸などが好ましい。
【0026】
縦方向に延びる絶縁糸15および横方向に延びる絶縁糸16は、合成繊維、天然繊維、セラミック繊維からなる。
【0027】
発熱糸14と絶縁糸15の本数およびこれらの糸14、15の配列は、発熱体の発熱容量により設計することができる。例えば、発熱体の容量から計算した本数の発熱糸14が等間隔に配置されるようにし、近隣する2本の発熱糸14の間に絶縁糸15が位置するように配置する。絶縁糸15の太さと発熱糸14を絶縁するための必要距離からの発熱糸14と絶縁糸15の本数を計算する。
【0028】
長手方向に延びる絶縁糸16の本数は、発熱体1の発熱容量から計算した電極間距離と絶縁糸16の太さから計算することができる。中央電極13は両端部電極11、12のほぼ中間に来るようにすることが好ましい。
【0029】
なお、図1では、煩雑さを避けるために、発熱糸14と絶縁糸15、16はその一部しか図示されていないが、同様な配列で発熱体全面に渡って設けられる。
【0030】
また、図1には、発熱糸14と絶縁糸15、16は、むき出しになって露出しているが、これらの糸14、15、16のすべてを全面に渡って被覆する絶縁被覆層を表面、あるいは裏面、あるいは両面に設けるようにしてもよい。
【0031】
図1では、具体的には、面状発熱体1は、縦方向に延びる発熱糸14と絶縁糸15を交互に一定間隔で平行にし、これらを縦糸とし、また横方向に延びる電極11、12、13の各電極糸11a〜11c、12a〜12c、13a〜13cと絶縁糸16を平行して、これらを横糸とした平織により作成される。絶縁糸15、16はポリエステル繊維からなり、発熱糸14は導電性カーボンを被覆したポリエステル繊維からなる導電糸とされる。電極糸11a〜11c、12a〜12c、13a〜13cはスズを被覆した銅線から構成される。
【0032】
図2には、中央電極13付近の平織りされた面状発熱体1の各糸の配置を、側面的に見たときの状態が模式的に図示されている。
【0033】
電極11、12、13の各電極糸11a〜11c、12a〜12c、13a〜13cは、図1に示したように、単に平行に束ねて配置するのではなく、図3に示すように、ハニカム状に織り込まれる複数の(3本の)電極糸から構成することもできる。なお、図3では、図1の縦方向が横方向に図示されており、代表して電極13の電極糸が示されているが、他の電極11、12の電極糸も同様にハニカム状に織り込まれる。
【0034】
このように、複数の電極糸を、ハニカム状に織り込むことにより、電極と発熱糸との密着が良好になり接触抵抗を低減させることができる。
【0035】
図4は、長さLの面状発熱体1を円筒状のバルーン2に巻き付けた電熱バルーン3を概略的に示している。図4では、面状発熱体1の長手方向(横方向)とバルーン2の軸方向を平行にし、面状発熱体1をバルーン2に巻きつけ、端部電極11、12を接触ないし近接させた状態が示されている。端部電極11、12と中央電極13は、図4に示したように、それぞれ平行に長手方向に延び、バルーン2の断面が円形とすると、端部電極11、12は中央電極13に対して径方向に対向する位置にくる。
【0036】
なお、図4では、面状発熱体1を一枚巻きつけたイメージを示しているが、バルーン2の直径に併せ、複数枚の面状発熱体1を巻き付けることができる。
【0037】
図5には、面状発熱体1をバルーン2の円周面に所定ピッチで螺旋状に巻き付けた電熱バルーン3が図示されている。面状発熱体1は、一方の端部電極11が他方の端部電極12と近接ないし接触するように螺旋状に巻き付けられる。図4のように、面状発熱体1をバルーン2に円筒状にして巻き付ける場合には、バルーンの直径ならびに長さに応じて面状発熱体1の幅Wと長さLを設定する必要があるが、図5のように螺旋状に巻き付ける場合には、面状発熱体1の幅Wならびに長さLを変えなくても、任意の直径と長さを有するバルーンに巻きつけることが可能である。
【0038】
バルーン2は、流体圧によって拡張し、老朽化した管路の内面を内張り材(ライニング材)で補修するとき、発熱体1を管路の内壁に押し付ける役割をするので、気密性、弾力性のある素材が好ましい。特に制限しないが、ゴム、織物、不織布、プラスチック薄膜、または、これらの積層物が好ましい。
【0039】
図4、図5に示す電熱バルーン3は、具体的には、面状発熱体1をポリエチレン−ナイロンの複合フィルムに被覆したポリエステルフェルトからなるバルーン2に巻きつけ、図示されていないが、更にコーティングが施される。面状発熱体の2本の端部電極11、12は、隣接していて、電極11、12に接続されたリード線21、22を短絡させることで同電位にすることができ、また中央電極13には、独立してリード線23が接続される。
【0040】
電熱バルーン3のエンド端は、熱で被覆したポリエチレン−ナイロンフィルムを融着させて、気密性を持たせる。更に連結ベルトを取り付ける。
【0041】
また、図に示していないが、バルーン2には、バルーンを膨張させるための流体の注入口、その排出口なども設けられる。
【0042】
図6は本発明の電熱バルーン3を用いた管路補修を概略的に示す図面である。ライニング材5および電熱バルーン3を老朽化した管路4に挿入して、圧力ポンプ8により電熱バルーン3を膨らませライニング材5を管路4の内壁に圧着させる。そして、電源6から電力を印加し電熱バルーン3を発熱させて、ライニング材5に含浸した熱硬化性樹脂を硬化させて、強靭な内張りを施した更生管を形成させる。図6には、電熱バルーンの流体の温度を検知する温度センサー7が設けられている。なお、図6には図示されていないが、流体の圧力を検知する圧力センサーなどが設けられる。
【0043】
ライニング材5および電熱バルーン3を老朽化した管路4に挿入する方法として、ライニング材5を反転しながら、ライニング材5のエンドに連結された電熱バルーン3を老朽化した管路4に引き込む方法、あるいはライニング材5と電熱バルーン3を一緒に老朽化した管路4に引き込む方法が用いられる。
【0044】
圧力ポンプ8は、空気圧、ガス圧、または、水圧を加える装置であり、エアーコンプレサー、ガスボンベ、水揚げポンプなどから選択される。
【0045】
電源6は、電力を供給する装置であり、発電機、商用電源、電池などから選択される。
【0046】
ライニング材5に含浸した熱硬化性樹脂は、水酸化アルミ、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどのいずれからなる充填剤と熱分解してラジカルを生成する硬化剤を主に添加した不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、または、エポキシ樹脂のコンパウンドで構成される。
【0047】
ライニング材5は、エンド側に連結ベルトを取付けたポリエチレン−ナイロンの複合フィルムに被覆したポリエステルフェルトからなるライナーに、硬化剤、充填剤を均一に分散した不飽和ポリエステル樹脂のコンパウンドを含浸させたものである。老朽管の呼び径、長さ、更生管の設計強度に併せて、設計される。
【0048】
このような構成で、管路の補修は以下のようにして行われる。
【0049】
まず、ライニング材5と電熱バルーン3を連結させ、反転機(不図示)に収納する。ライニング材5のスタート端を反転ノズルに取付けて、空気圧によりライニング材5を老朽管4内に反転させ、そして、電熱バルーン3をライニング材5内に引き込ませる。
【0050】
電熱バルーンのスタート端に、エアー導入口、温度センサー7を有するカラーを取付て、電源コードと電極11、12、13のリード線を電源6に接続する。
【0051】
圧力ポンプ8を駆動して圧縮空気を管路4に導入して電熱バルーン3を膨らませ、面状発熱体1をライニング材5に密着させるとともに、ライニング材5を管路4の内壁に圧着させる。このとき、空気圧は、ライニング材5の厚み、浸入水の水頭圧から計算するようにする。
【0052】
続いて、電熱バルーン3に電力を供給して、面状発熱体1を発熱させ、ライニング材5に含浸された熱硬化性樹脂を硬化させる。温度センサー7により界面温度の変化を追跡して、印加電力、印加時間は現場状況により調整するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に用いられる面状発熱体を概略的に示す平面図である。
【図2】面状発熱体の各種糸の織り込み状態を模式的に示した説明図である。
【図3】面状発熱体にハニカム状に織り込まれる電極糸を示した説明図である。
【図4】本発明の面状発熱体をバルーンに円筒状に巻き付けた電熱バルーンの斜視図である。
【図5】本発明の面状発熱体をバルーンに螺旋状に巻き付けた電熱バルーンの斜視図である。
【図6】電熱バルーンを用いて管路を修復するライニング工法を示した説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 面状発熱体
2 バルーン
3 電熱バルーン
4 管路
5 ライニング材
6 電源
7 温度センサー
8 圧力ポンプ
11、12 端部電極
13 中央電極
14 発熱糸
15、16 絶縁糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3本の電極を平行に織り込んだ面状発熱体を、気密性、弾性を有するバルーンに巻き付けたことを特徴とする電熱装置。
【請求項2】
両端部にそれぞれ設けられた互いに平行に延びる端部電極と、端部電極間の中央部に設けられ端部電極と平行に延びる中央電極と、それぞれ端部電極と中央電極に交差する方向に延びる所定間隔を隔てて配置された複数の発熱糸とを布状に織り込んで作られた面状発熱体を、気密性並びに弾性を有し膨張可能なバルーンの外周面に巻き付け、中央電極と端部電極間を通電させることにより、前記複数の発熱糸に給電を行い発熱糸を発熱させることを特徴とする電熱装置。
【請求項3】
前記面状発熱体は、両端部電極が互いに接触ないし近接し、各端部電極が中央電極に対して径方向に対向する位置にくるように、バルーンの外周面に円筒状になるように周回させて巻き付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の電熱装置。
【請求項4】
前記面状発熱体は、バルーンの外周面に所定ピッチで螺旋状に巻き付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の電熱装置。
【請求項5】
各発熱糸間に、発熱糸を絶縁するための絶縁糸が織り込まれることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電熱装置。
【請求項6】
各発熱糸を横切る方向に延びる複数の絶縁糸が織り込まれることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電熱装置。
【請求項7】
端部電極あるいは中央電極は、ハニカム状に織り込まれた複数の電極糸から構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電熱装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の電熱装置を、管路を補修する熱硬化性樹脂を含浸したライニング材内に配置し、バルーンを膨張させることにより、バルーンをライニング材を介して管路内壁に圧着し、2本の電極とその間の電極の間に電力を印加し、バルーンに巻き付けられている面状発熱体を発熱させ、ライニング材に含浸されている熱硬化性樹脂を硬化させて、管路をライニングすることを特徴とする管路ライニング工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−238657(P2008−238657A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−84009(P2007−84009)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(592057385)株式会社湘南合成樹脂製作所 (61)
【Fターム(参考)】