説明

電磁波遮蔽膜付き透明基材およびその製造方法

【課題】高い導電性と優れた透明性を有し、しかも、短工程かつ安価な製造プロセスにて高精度のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材とその製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材10は、柔軟性を有する透明基材1と、透明基材1上に形成されたプライマー層2と、プライマー層2上に形成され、所定のパターンを有する第一の金属層3と、第一の金属層3上に形成された第二の金属層4とが一体化された電磁波遮蔽膜付き透明基材10であって、第一の金属層3は、グラビア印刷用の版胴上の導電性ペーストに、透明基材1上のプライマー層を押圧させることにより、導電性ペーストをプライマー層2上に転写してなり、第二の金属層4は、電解メッキにより形成してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁波遮蔽膜付き透明基材およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの各種フラットパネルディスプレイ(FDP)に好適に用いられ、高い導電性と優れた透明性を有し、しかも短工程かつ安価な製造プロセスにて高精度のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、CRTなどのディスプレイに使用されている電磁波遮蔽膜付き透明基材としては、ボリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの透明基材上にスパツタ法などにより電磁波シールド膜が形成されたものが挙げられる。
この電磁波シールド膜としては、スズ添加酸化インジウム(Indium TinOxide:ITO)薄膜や銀薄膜などのスパツタ膜が用いられている。また、最近注目されている大型ディスプレイであるプラズマディスプレイパネル(PDP)などの各種フラットパネルディスプレイ(FPD)においては、より高い電磁波遮蔽能が必要とされているため、主として透明フィルム上に形成された銅箔をフォトリソグラフイにより格子状としたエッチングメッシュ膜が使用されている。
【0003】
ところで、従来のエッチングメッシュ膜では、表面、両側面、裏面の4面、特に側面を黒色化することが難しく、ディスプレイに搭載した際に画像のコントラストに悪影響を及ぼすという問題点があった。そこで、エッチングメッシュ膜の銅表面を酸化させて黒色化する方法が主に用いられているが、この方法では、エッチングメッシュ膜の表面抵抗が高くなるなどの問題点があった。
また、エッチングメッシュ膜は製造工程が多く、エッチング条件の管理が難しいため歩留まりが悪いなどの理由から、コストが高いという問題点があった。特に、プラズマディスプレパネル(PDP)などの各種フラットパネルディスプレ(FPD)を民生用として普及させるためには、製造コストを含めたトータル的なコストダウンが要求されており、電磁波遮蔽膜においても低価格化が要求されている。
【0004】
そこで、高導電率および高透過率を有する電磁波遮蔽膜を比較的低コストで得る方法として、透明フィルム上に、スクリーン印刷法により貴金属触媒を含有せしめたペーストを印刷して微細パターンの下地層とし、この下地層上に銅を無電解メッキする方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平11−170420号公報
【特許文献2】特開2003−145709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のスクリーン印刷法では、比較的容易にかつ低コストで電磁波遮蔽膜を得ることができるものの、スクリーン印刷法自体が枚葉印刷であるために、印刷速度に限界があり、さらなる生産性の向上を図ることが難しいという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、高い導電性と優れた透明性を有し、しかも、短工程かつ安価な製造プロセスにて高精度のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材とその製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、短工程かつ安価であり、しかも、高精度のパターニングが可能な電磁波遮蔽膜付き透明基材について鋭意検討した結果、印刷法としてグラビア印刷法を採用し、グラビア印刷用の版胴上の導電性ペーストに透明基材上のプライマー層を所定の時間押圧させれば、透明基材上に高精度にパターニングされた電磁波遮蔽膜を低コストで安価に形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材は、柔軟性を有する透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に形成され、所定のパターンを有する第一の金属層と、該第一の金属層上に形成された第二の金属層とが一体化された電磁波遮蔽膜付き透明基材であって、前記第一の金属層は、グラビア印刷用の版胴上の導電性ペーストに、前記透明基材上のプライマー層を押圧させることにより、前記導電性ペーストを前記プライマー層上に転写してなり、前記第二の金属層は、電解メッキにより形成してなることを特徴とする。
【0009】
この電磁波遮蔽膜付き透明基材では、第一の金属層を、グラビア印刷用の版胴上の導電性ペーストに、透明基材上のプライマー層を所定の時間押圧させてプライマー層上に転写したことにより、第一の金属層が高精度のパターンを有するものとなる。
また、グラビア印刷用の版胴上の導電性ペーストを、透明基材上のプライマー層に転写したことにより、電磁波遮蔽膜のパターン精度が高精度となる。
【0010】
本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法は、柔軟性を有する透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に形成され、所定のパターンを有する第一の金属層と、該第一の金属層上に形成された第二の金属層とが一体化された電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法であって、グラビア印刷用の版胴上に、導電性粒子、バインダー樹脂および溶媒を少なくとも含有する導電性ペーストを所定のパターンに塗布し、次いで、この版胴上の導電性ペーストと、前記透明基材上に形成されたプライマー層とを押圧させて所定の時間保持し、次いで、前記透明基材と前記版胴とを離間させて前記版胴上の導電性ペーストを、前記透明基材上のプライマー層上に転写し、次いで、前記導電性ペーストのパターンを熱処理して第一の金属層を形成し、該第一の金属層に電解メッキを施して前記第二の金属層を形成することを特徴とする。
【0011】
本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法では、所定のパターンに塗布された版胴上の導電性ペーストと、透明基材上に形成されたプライマー層とを押圧させて所定の時間保持し、次いで、前記透明基材と前記版胴とを離問させて前記版胴上の導電性ペーストを前記透明基材のプライマー層上に転写することにより、短工程かつ安価な製造プロセスにて電磁波遮蔽膜の高精度のパターニングが可能になる。
これにより、高い導電性と優れた透明性および高精度のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材を、短工程かつ安価な製造プロセスにて製造することができる。
【0012】
前記保持時間は、0.5秒以上かつ10秒以下であることが好ましい。
前記プライマー層を、酸化物微粒子、バインダー樹脂および溶媒を含有し、かつ、前記酸化物微粒子の吸油量が0.5ml/g以上かつ比表面積が50m/g以上であるプライマー形成用塗料を用いて形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材によれば、柔軟性を有する透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に形成され、所定のパターンを有する第一の金属層と、該第一の金属層上に形成された第二の金属層とが一体化された電磁波遮蔽膜付き透明基材であって、前記第一の金属層は、グラビア印刷用の版胴上の導電性ペーストに、前記透明基材上のプライマー層を押圧させることにより、前記導電性ペーストを前記プライマー層上に転写してなり、前記第二の金属層は、電解メッキにより形成してなるので、導電性ペーストからなる第一の金属層のパターンを高精度とすることができ、電磁波遮蔽膜のパターン精度を高精度とすることができる。
したがって、高い導電性と優れた透明性、および高精度のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材を容易に実現することができる。
【0014】
本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法によれば、柔軟性を有する透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に形成され、所定のパターンを有する第一の金属層と、該第一の金属層上に形成された第二の金属層とが一体化された電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法であって、グラビア印刷用の版胴上に、導電性粒子、バインダー樹脂および溶媒を少なくとも含有する導電性ペーストを所定のパターンに塗布し、次いで、この版胴上の導電性ペーストと、前記透明基材上に形成されたプライマー層とを押圧させて所定の時間保持し、次いで、前記透明基材と前記版胴とを離間させて前記版胴上の導電性ペーストを、前記透明基材上のプライマー層上に転写し、次いで、前記導電性ペーストのパターンを熱処理して第一の金属層を形成し、該第一の金属層に電解メッキを施して前記第二の金属層を形成するので、短工程かつ安価な製造プロセスにて、電磁波遮蔽膜の高精度のパターニングを行うことができる。
したがって、高い導電性と優れた透明性、および高精度のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材を、短工程かつ安価な製造プロセスにて製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材およびその製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
【0016】
「電磁波遮蔽膜付き透明基材」
図1は、本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材の一実施形態を示す平面図である。図2は、図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
図1、2中、符号1は透明基材、2はプライマー層(下地層)、3は第一の金属層(下部金属層)、4は第二の金属層(上部金属層)、5は電磁波遮蔽用パターン、10は電磁波遮蔽膜付き透明基材を、それぞれ示している。
【0017】
この実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明基材10は、透明基材1と、透明基材1の一主面1a全面に形成されたプライマー層2と、プライマー層2上に形成され、所定のパターンを有する第一の金属層3と、第一の金属層3上に形成された第二の金属層4とから概略構成されており、透明基材1、プライマー層2、第一の金属層3および第二の金属層4が一体化されている。
また、第一の金属層3および第二の金属層4が、所定パターンの電磁波遮蔽膜5を形成している。
【0018】
また、第一の金属層3は、グラビア印刷用の版胴上の導電性ペーストに、透明基材1上のプライマー層2を所定時間押圧させることにより、その導電性ペーストをプライマー層2上に転写し、熱処理したものである。
また、第二の金属層4は、第一の金属層3上に、電解メッキにより形成してなるものである。
これらの第一の金属層3および第二の金属層4は、例えば、線幅Lが5μm〜200μm、線間隔Sが150μm〜500μm格子状となっている。
【0019】
透明基材1としては、透明かつ柔軟性を有するフィルム状またはシート状の樹脂基材が用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、ポリアミド系樹脂基材、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系樹脂基材、アクリル系樹脂基材などが挙げられる。
【0020】
プライマー層2は、酸化物微粒子およびバインダー樹脂を含む複合材料により構成されている。
酸化物微粒子としては、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの金属酸化物、あるいは、シリカなどの無機酸化物が挙げられ、これら2種以上を混合してもよい。
バインダー樹脂としては、第一の金属層3を電解メッキする際のメッキ浴に対して耐性を有する樹脂、例えば、耐熱温度が40〜80℃で耐薬品性に優れた樹脂であれば使用でき、エチルセルロース、プロピルセルロースなどのセルロース誘導体、ボリビニルブチラール、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ロジンエステル樹脂などが挙げられ、これら2種類以上を混合してもよい。
【0021】
特に、ポリウレタン樹脂などの柔軟性を有する樹脂を使用すれば、プライマー層2自体が柔軟性を有することとなり、グラビア印刷法にて導電性ペーストが胴版からプライマー層2上に転写される際、プライマー層2が胴版のパターン溝に追従して接触し、かつパターン溝に押し込められることで、転写性も良好となるので好ましい。
【0022】
これら酸化物微粒子(M)と、バインダー樹脂(R)との比率(M/R)は、重量比で90/10〜10/90が好ましく、より好ましくは60/40〜40/60である。
酸化物微粒子の比率が上記の範囲よりも低いと、プライマー層2と透明基材1との密着強度が弱くなるに加えて、グラビア印刷法により第一の金属層3を形成する際の受容層としての効果が小さく、印刷した導電性ペーストに垂れ、滲みを生じるおそれがあるからであり、一方、酸化物微粒子の比率が上記の範囲よりも高いと、プライマー層2と透明基材1との密着強度が弱くなり、得られた電磁波遮蔽膜付き透明基材10自体の透過率が低下し、へーズが高くなるからである。
【0023】
また、このプライマー層2の厚みは、0.5μm〜10μmが好ましく、より好ましくは1μm〜3μmである。
プライマー層2の厚みが上記の範囲よりも薄いと、グラビア印刷法により第一の金属層3を形成する際の受容層としての効果が小さくなるからであり、一方、厚みが上記の範囲よりも厚いと、印刷した第一の金属層3に割れなどが生じるおそれがあるからである。
【0024】
第一の金属層3は、導電性粒子と、有機高分子樹脂と、必要に応じて添加された黒色顔料や揺変性付与剤とを含む複合材料から構成されている。
導電性粒子は、第一の金属層3に電解メッキが可能となるような導電性を付与するために添加されるものである。
このような導電性粒子としては、例えば銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、ルテニウム(Ru)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)の群から選ばれた元素を含む金属または合金、あるいは酸化物などの微粒子が挙げられる。これらの導電性粒子は、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0025】
導電性粒子の平均粒径は、0.001μm〜5μmが好ましく、より好ましくは0.001μm〜2μmである。
導電性粒子の平均粒径が0.001μm未満では、十分な導電性が得られず、一方、平均粒径が5μmを超えると、第一の金属層3が微細な線を形成しなくなるおそれがある。
【0026】
有機高分子樹脂としては、グラビア印刷に適正があり、電解メッキ液に対して耐性を有する樹脂であればよく、エチルセルロース、ロジンエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0027】
また、導電性粒子(NM)と、有機高分子樹脂(R)との比率(NM/R)は、重量比で40/60〜80/20が好ましく、より好ましくは60/40〜70/30である。
導電性粒子の比率が上記の範囲よりも低いと、導電性粒子が有機高分子樹脂でほとんど覆われてしまい、電解メッキが可能となる表面抵抗値(50Ω/□以下)が得られないからであり、一方、導電性粒子の比率が上記の範囲よりも高いと、印刷性が悪くなり、かつ有機高分子樹脂による印刷膜の硬化が不足し、第一の金属層3とプライマー層2との密着性が得られなくなるからである。
【0028】
黒色顔料は、コントラスト向上のため、所定パターンの電磁波遮蔽膜5の底面を黒色化するために必要に応じて添加されるものである。
このような黒色顔料としては、カーボンブラックなどが挙げられる。
上記の複合材料において、この黒色顔料の含有量は、0.03重量%〜3.0重量%が好ましく、より好ましくは0.1重量%〜1.0重量%である。
黒色顔料の含有量が0.03重量%未満では、印刷膜裏面のメッシュの黒色度が不足し、PDPなどのディスプレイの表示面に搭載した場合、良好なコントラストが得られないからであり、一方、含有量が3.0重量%を超えると、印刷膜裏面のメッシュの黒色度が良好となり、良好なコントラストも得られるが、印刷性が悪くなるからである。
【0029】
また、揺変性付与剤は、導電性ペーストの印刷性を改善するために添加されるものである。
このような揺変性付与剤としては、吸油量の大きい酸化物微粒子;有機溶媒可溶性のベントナイト、スメクタイトなどの粘土鉱物;有機系の揺変性付与剤などを例示することができる。
ここで、吸油量とは、酸化物微粒子を含有させる導電ペースト中の溶剤を使用し、JIS K5101「顔料試験方法」に準拠して測定した値である。
吸油量の大きい酸化物微粒子としては、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、ジルコニア、チタニアなどの金属酸化物微粒子や、シリカなどの無機酸化物微粒子が挙げられる。これらの金属酸化物微粒子は、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0030】
第二の金属層4は、電磁波遮蔽膜5に電磁波を遮蔽するに必要な導電性を付与するためのものであり、例えば、電解銅メッキ層または電解ニッケルメッキ層からなる1層構造のもの、または、電気銅メッキ層上に、例えば、黒色ニッケルメッキ層、黒色クロムメッキ層、ニッケル−スズ合金メッキ層などの黒色メッキ層を形成した2層構造のものが挙げられる。特に、低抵抗の電磁波遮蔽膜5を得たい場合には、2層構造のものが好ましい。この黒色メッキ層は、第二の金属層4(電磁波遮蔽膜5)の表面および両側面を同時に黒色化することが可能であり、しかも導電性を低下させることがない。
【0031】
次に、本実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法について説明する。
「プライマー層の形成」
まず、グラビア印刷法、バーコート印刷法、オフセット印刷法などの印刷法により、透明基材1上にプライマー層形成用塗料を塗工し、その後乾燥させることにより、プライマー層2を形成する。
【0032】
プライマー層形成用塗料としては、上記の酸化物微粒子と、上記のバインダー樹脂と、有機溶媒を含む塗料が好適に用いられる。
プライマー層形成用塗料中における固形分量は、特に制限されるものではなく、例えば、10〜90重量%が塗工性の観点から好ましい。
【0033】
酸化物微粒子は、吸油量が0.5ml/g以上かつ比表面積が50m/g以上であるものが好ましい。
ここで、吸油量とは、酸化物微粒子を含有させる導電ペースト中の溶剤を使用し、JIS K5101「顔料試験方法」に準拠して測定した値である。このような酸化物微粒子を含有させることにより、第一の金属層3の印刷時に、溶剤吸収による乾燥収縮を助長させることができ、これにより粒子間接触を強固のものとし、結果として、第一の金属層3の導電性を向上させることができる。
また、酸化物微粒子の吸油量が0.5ml/g未満では、乾燥収縮効果が発揮されず、第一の金属層3の幅が大きくなる。また、酸化物微粒子の吸油量に格別上限はないが、一般に、入手し易さ、取扱性からみて吸油量が5ml/g以下のものが好ましく用いられる。
【0034】
また、酸化物微粒子の比表面積は50m/g以上であることが好ましく、より好ましくは100m/g以上である。
酸化物微粒子の比表面積が50m/g未満では、乾燥収縮効果が小さく、第一の金属層3の幅が大きくなる。また、酸化物微粒子の比表面積に格別上限はないが、一般に、入手し易さ、取扱性からみて比表面積が1000m/g以下のものが好ましく用いられる。
また、使用される酸化物微粒子の粒径は格別重要ではないが、概して、吸油量および比表面積と関連を有し、吸油量が0.5ml/g以上かつ比表面積が50m/g以上の酸化物微粒子としては、通常、一次粒子径0.1μm以下のものが多い。酸化物微粒子の好ましい一次粒子径は、0.01μm〜0.1μmの範囲である。
【0035】
有機溶媒としては、酸化物微粒子の分散が可能で、しかもバインダー樹脂を溶解または分散させることが可能であればよく、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサノンなどの環化脂肪族炭化水素;メチルエチルケトン(MEK)などのケトン類;イソプロピルアルコールなどのアルコール類が好適に用いられる。
この有機溶媒に、酸化物微粒子の分散をし易くするために、リン酸エステル系等の分散剤等を添加しても良い。
【0036】
プライマー層形成用塗料の塗布後の乾燥条件は、特に制限されるものではないが、通常の熱風乾燥において80℃〜160℃の温度下で数分間乾燥し、塗膜中の有機溶媒を十分に揮発することが望ましい。
【0037】
「第一の金属層の形成」
次いで、上記のプライマー層2上に、グラビア印刷法により導電性ペーストを所定のパターンにて塗布し、その後熱処理することにより、第一の金属層3を形成する。
【0038】
導電性ペーストとしては、上記の導電性粒子と、有機高分子樹脂と、有機溶媒と、必要に応じて添加された黒色顔料や揺変性付与剤とを含むペーストが好適に用いられる。
導電性ペースト中における固形分量は、特に制限されるものではなく、例えば、30〜90重量%が塗工性の観点から好ましい。
【0039】
有機溶媒としては、有機高分子樹脂を溶解または分散させることが可能で、しかもグラビア印刷に適正があればよく、例えば、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、α−テルピネオールなどが挙げられる。
【0040】
この導電性ペーストの粘度は、0.5Pa・s〜500Pa・sであることが好ましく、より好ましくは50Pa・s〜200Pa・sである。
導電性ペーストの粘度が0.5Pa・s未満では、導電性ペーストのチクソトロピー性がなくなり、糸引きなどの不具合が生じて良好な印刷形状が得られないからであり、一方、粘度が500Pa・sを超えると、グラビア印刷の際に導電性ペーストを供給することができず、印刷ムラが生じるからである。
【0041】
プライマー層2上への第一の金属層3の形成は、図3に示す装置を用いて行う。
図3は、本実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法に用いられる電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造装置の一例を示す概略構成図である。
図3中、符号11は円筒形状のグラビア印刷用の版胴、12は版銅11の表面に形成されたパターン溝、13は版胴11の表面に導電性ペーストCを塗布するディスペンサ、14は塗布された導電性ペーストCのうちパターン溝12以外の余剰部分を除去するブレード、15,16は透明基材1の一主面にプライマー層2が形成されたグラビア印刷用透明基材Fを版胴11に所定時間押圧させるバックアップロールである。
【0042】
まず、版胴11に、透明基材Fを押圧させて所定の時間保持させるために、バックアップロール16を印刷速度に合わせて一定の保持時間が得られるように位置調整する。この保持時間は、0.5以上かつ10秒以下が好ましく、より好ましくは1秒以上かつ5秒以下である。
保持時間が0.5秒未満では、プライマー層2への導電性ペーストCに含まれる有機溶媒の吸収が不十分となり、版胴11のパターン溝12に充填された導電性ペーストCの粘度が高くならず、糸引きなどの不具合が発生して良好な印刷パターンが得られないからであり、一方、保持時間が10秒を超えると、導電性ペーストCに含まれる有機溶媒が、プライマー層2に吸収され過ぎて導電性ペーストCの粘度が高くなり過ぎてしまい、透明基材Fへの転写が困難となるからである。
【0043】
次いで、ディスペンサ13により版胴11の表面に導電性ペーストCを塗布し、ブレード14により、塗布された導電性ペーストCのうちパターン溝12以外の余剰部分を除去する。
次いで、透明基材Fをバックアップロール15、16より版胴11に押圧させつつ版胴11に沿って回転移動させることにより、版胴11上の導電性ペーストCと、透明基材Fのプライマー層2とを押圧させて、上記のように所定の時間保持する。
次いで、バックアップロール16により透明基材Fを引き出し、この透明基材Fを版胴11から離間させることにより、版胴11上の導電性ペーストCを透明基材Fのプライマー層2上に転写する。
【0044】
次いで、乾燥器などを用いて熱処理し、第一の金属層3とする。この熱処理は、透明基材Fの耐熱性と導電性ペーストCの転写膜の乾燥割れを考慮して、180℃以下で行うことが好ましい。
以上により、透明基材Fのプライマー層2上に、グラビア印刷法により所定のパターンの第一の金属層3を形成することができる。
【0045】
このように、上記の組成のプライマー層形成用塗料および導電性ペーストを用いることにより、透明基材Fへの転写性と転写率に優れ、さらに転写シート(ブランケット)を使用することなく、版胴11から直接、透明基材Fへ導電性ペーストCを転写する「グラビア直刷り法」が可能となる。
【0046】
また、このグラビア直刷り法によりブランケットが不要となり、円筒形状の版胴11を用いることにより、シリンダー版によるエンドレス版が可能となった。
また、この版胴11を用いることによって、マスクレスの直描で版胴11を作製することができる。また、版胴11のパターン溝12の深度を調整することによって、ブランケットを使用するグラビア印刷に比べて、より厚みのある膜の印刷が可能となる。したがって、導電性ペーストの厚みにより表面抵抗が50Ω/□以下となり、電解メッキの析出を容易にすることができる。
【0047】
また、透明基材Fを版胴11に所定時間押圧させることにより、パターン溝12に充填された導電性ペースト中の溶剤が受容層であるプライマー層2中に吸収されるので、導電性ペーストの粘度が急激に高くなり、パターン溝12に充填された導電性ペーストを版の画像形状をそのまま維持した状態で透明基材F側に転写させることができる。
また、プライマー層2に吸収された溶剤は、一旦プライマー層2表面の樹脂を溶解し、導電性ペーストと界面で相溶するので、乾燥後の透明基材Fと第一の金属層3との密着強度が強くなる。このように、線幅Lが5μm〜20μm程度のファインパターンを10m/分前後の高速で、設計された画像形状を維持したまま印刷することが可能となる。
【0048】
「第二の金属層の形成」
次いで、第一の金属層3が形成された透明基材Fを、電解銅メッキ浴または電解ニッケルメッキ浴中に浸漬し、第一の金属層3上に金属を析出させることにより、第二の金属層4を形成する。
さらに、必要に応じて、黒色メッキを行う。黒色メッキは、第二の金属層4の導電性を劣化させないことが好ましく、黒色ニッケルメッキ、黒色クロムメッキ、ニッケル−スズ合金メッキなどが挙げられる。
【0049】
この黒色メッキは、メッシュ膜(第二の金属層4、電磁波遮蔽膜5)の表面と両側面の3面を同時に黒色化することができ、かつ導電性を劣化させることもない。
一方、第一の金属層3の裏面側のメッシュ部も導電性ペースト中の黒色顔料により良好な黒色を呈しているので、メッシュ膜の表面、両側面、裏面の4面の黒色化が可能であり、ディスプレイに搭載しても良好なコントラストを得ることができる。
以上により、高い導電性と優れた透明性を有し、しかも網目状のパターンの黒色性に優れた電磁波遮蔽膜付き透明基材を、短工程かつ安価な製造プロセスにて製造することができる。
【0050】
図4は、本実施形態の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法に用いられる電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造装置の変形例を示す概略構成図である。
図4に示す電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造装置が、図3に示す電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造装置と異なる点は、ブレード14の下流側に、このブレード14と平行に(第2の)ブレード21が設けられ、ブレード14により、導電性ペーストCのうちパターン溝12以外の余剰部分を除去した後、ブレード21により、導電性ペーストCの余剰部分をさらに除去する構成を有する点である。
【0051】
この製造装置においても、図3に示す製造装置と同様の効果を奏することができる。
しかも、ブレード14、21を用いて塗布された導電性ペーストCのうちパターン溝12以外の余剰部分を除去するので、プライマー層2上に転写される導電性ペーストCのパターンの精度をさらに向上させることができる。
【実施例】
【0052】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0053】
「実施例1」
「プライマー層形成用塗料の調製およびプライマー層の形成」
アルミナ超微粒子(Al−C、平均粒径:13nm、吸油量:1.32ml/g、比表面積:100m/g、日本エアロジル社製)240g、リン酸エステル系分散剤28gをトルエン1332gに投入し、サンドミルを用いて分散させ、アルミナ分散液を作製した。
次いで、エチルセルロース240gをトルエン1808gに溶解させ、この溶液に、上記のアルミナ分散液とシクロヘキサノン552gとメチルエチルケトン(MEK)1800gを加え、ホモジナイザーで混合し、プライマー層形成用塗料を作製した。
次いで、このプライマー層形成用塗料を、厚み125μm、幅1500mm、全長1200mのPETフィルム上にグラビア印刷により塗工し、その後乾燥して、透明フィルムを得た。得られたプライマー層の膜厚は2μmであった。
【0054】
「導電性ペーストの調製および第一の金属層の形成」
銀粉(Ag−1S、平均粒径:0.9μm、形状:粒状、同和ハイテック社製)67.0重量部と、テルピネオール28.5重量部に、エチルセルロース(EC(100cP)、日新化成社製)4.5重量部を溶解した樹脂溶液を配合し、予備混錬した後、三本ロールミルにより、粒ゲージによる最大粒径が5μm以下となるよう十分に粉砕混錬して、導電性ペーストを作製した。
【0055】
次いで、この導電性ペーストおよび上記の透明フィルムを用い、図3に示す製造装置により、10m/分の速度で透明フィルム上に、L/S=20/280μmのグラビア版によりメッシュパターンをグラビア印刷し、120℃にて3分間、乾燥し、印刷メッシュフィルムを得た。
得られたメッシュパターンは、L/S=16/284μm、膜厚は2μmであり、形状は直線的であり、外観上の問題は無かった。また、メッシュパターンの表面抵抗は10Ω/□であった。
【0056】
「第二の金属層の形成」
上記の印刷メッシュフィルムを、25℃の電解銅メッキ液(トップルチナSF、奥野製薬社製)中に浸漬させ、陽極に含リン銅を用い、陰極を上記のメッシュパターン付きPETフィルムとして、0.3A/mの直流電流を10分間印加して、メッシュパターン上に銅を析出させ、膜厚2μmの電解銅メッキ被膜を形成した。
その後、膜厚0.3μmのニッケル/スズの合金メッキを施し、メッシュパターンの表面を黒色化させた。
得られた金属メッシュ膜は、L/S=20/280μmであり、表面抵抗は0.1Ω/□、全光線透過率は84%であった。また、その大きさは、幅1500mm、全長1000mに渡り良好な外観を有していた。
【0057】
「比較例1」
「プライマー層形成用塗料の調製およびプライマー層の形成」
実施例1と同様にして、PETフィルム上にプライマー層を形成し、透明フィルムを作製した。
「導電性ペーストの調製および第一の金属層の形成」
実施例1と同様にして、導電性ペーストを作製した。
次いで、この導電性ペーストおよび上記の透明フィルムを用いて、密着時間を設けない通常のグラビア印刷により、10m/分の速度で透明フィルム上に、L/S=20/280μmのグラビア版によりメッシュパターンをグラビア印刷し、120℃にて3分間、乾燥し、印刷メッシュフィルムを得た。
得られたメッシュパターンは、部分的に滲みや欠けが多く、直線性を欠いた外観上の不具合が生じた。また、このメッシュパターンは、L/S=30/270μm、膜厚は1.0μmであり、表面抵抗は100Ω/□であった。
【0058】
「第二の金属層の形成」
上記の印刷メッシュフィルムに、実施例1と同様にして、電解銅メッキ被膜を形成しようとしたが、銅の析出性が悪く、電解メッキを施すことができなかった。
【0059】
「比較例2」
「プライマー層形成用塗料の調製およびプライマー層の形成」
実施例1と同様にして、PETフィルム上にプライマー層を形成し、透明フィルムを作製した。
「導電性ペーストの調製および第一の金属層の形成」
実施例1と同様にして、導電性ペーストを作製した。
次いで、この導電性ペーストおよび上記の透明フィルムを用いて、特開2003−145709号公報に開示されているスクリーン印刷法により、幾つかの印刷速度で透明フィルム上に、L/S=30/270μmのスクリーン版によりメッシュパターンをスクリーン印刷し、120℃にて3分間、乾燥し、印刷メッシュフィルムを得た。
メッシュパターンの外観上の不良が認められず、印刷メッシュの良好な形状が得られる限界の印刷速度は1m/分であり、生産性が低いものであった。
印刷速度が1m/分で得られた印刷メッシュは、L/S=25/275μm、膜厚は5μmであり、表面抵抗値は5Ω/□であった。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材は、柔軟性を有する透明基材の一主面上に、グラビア印刷用の版胴上の導電性ペーストに、透明基材上のプライマー層を押圧させることにより、導電性ペーストをプライマー層上に転写してなる網目状パターンを有する第一の金属層と、この第一の金属層上に電解メッキにより形成した第二の金属層とからなる網目状パターンを有する電磁波遮蔽層を積層したことにより、優れた透明性を有し、ヘーズ値が小さく、高精度かつ薄膜状のパターンを有する電磁波遮蔽膜付き透明基材を容易に実現することができたものであるから、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの各種フラットパネルディスプレイ(FPD)はもちろんのこと、その他の表示装置や、建材用途などへも適用可能であり、その工業的価値は極めて大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図3】本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法に用いられる電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法に用いられる電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造装置の変形例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0062】
1 透明基材
2 プライマー層(下地層)
3 第一の金属層(下部金属層)
4 第二の金属層(上部金属層)
5 電磁波遮蔽用パターン
10 電磁波遮蔽膜付き透明基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性を有する透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に形成され、所定のパターンを有する第一の金属層と、該第一の金属層上に形成された第二の金属層とが一体化された電磁波遮蔽膜付き透明基材であって、
前記第一の金属層は、グラビア印刷用の版胴上の導電性ペーストに、前記透明基材上のプライマー層を押圧させることにより、前記導電性ペーストを前記プライマー層上に転写してなり、
前記第二の金属層は、電解メッキにより形成してなることを特徴とする電磁波遮蔽膜付き透明基材。
【請求項2】
柔軟性を有する透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に形成され、所定のパターンを有する第一の金属層と、該第一の金属層上に形成された第二の金属層とが一体化された電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法であって、
グラビア印刷用の版胴上に、導電性粒子、バインダー樹脂および溶媒を少なくとも含有する導電性ペーストを所定のパターンに塗布し、
次いで、この版胴上の導電性ペーストと、前記透明基材上に形成されたプライマー層とを押圧させて所定の時間保持し、
次いで、前記透明基材と前記版胴とを離間させて前記版胴上の導電性ペーストを、前記透明基材上のプライマー層上に転写し、
次いで、前記導電性ペーストのパターンを熱処理して第一の金属層を形成し、該第一の金属層に電解メッキを施して前記第二の金属層を形成することを特徴とする電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法。
【請求項3】
前記保持時間を、0.5秒以上かつ10秒以下とすることを特徴とする請求項2に記載の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法。
【請求項4】
前記プライマー層を、酸化物微粒子、バインダー樹脂および溶媒を含有し、かつ、前記酸化物微粒子の吸油量が0.5ml/g以上かつ比表面積が50m/g以上であるプライマー形成用塗料を用いて形成することを特徴とする請求項2または3に記載の電磁波遮蔽膜付き透明基材の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−4617(P2009−4617A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165044(P2007−165044)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000183266)住友大阪セメント株式会社 (1,342)
【Fターム(参考)】