説明

電話機ハンズフリーシステムを較正するための方法および装置

【課題】電話機ハンズフリーシステムを較正するための方法および装置を提供すること。
【解決手段】較正装置によって電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための方法であって、該ハンズフリーシステムを介して出力される受信された電話信号を処理するための信号処理手段が提供され、該較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が該較正装置に接続可能なように構成され、該方法は、該第1の電話機に、電話接続を介して該第2の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるステップと、受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するステップであって、該受信されたテスト信号は、該第2の電話機によって受信されており、該ハンズフリーシステムに伝えられる、ステップと、該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるステップとを包含する、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、電話機ハンズフリーシステムを較正するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
一般に電話機ハンズフリーシステムは、例えば、車両の運転席に備えられ得、ユーザによって携帯電話機は、ハンズフリーシステムに接続される。この接続は、例えば、ブルートゥース接続を介するワイヤレスであり得、または携帯電話機用のプラグコネクタを備えるクレードルに、携帯電話機を載せることなどによる有線方式であり得る。そのようなハンズフリーシステムによって、携帯電話機によって受信された電話信号が、ハンズフリーシステムに伝えられることにより、遠方の話者からの電話信号は、ハンズフリーシステムに接続されたスピーカを介して出力される。そのようなスピーカは、車両の運転席に固定して搭載され得る。近傍の話者(例えば、車両ドライバ)からの音声は、これもまた車両の運転席に固定して搭載され得る、マイクロホンによって受信される。これらのマイクロホン信号は、ハンズフリーシステムから携帯電話機に伝えられ、それから、携帯電話機は、電話接続を介して遠方の話者の電話に信号を送信する。
【0003】
多くの携帯電話機において、電話信号のデジタル処理は、特に、内部のマイクロホンまたはスピーカに起因する信号歪みを補償するように実行される。このことを考慮して、一部の従来技術のハンズフリーシステムは、携帯電話機内のこのデジタル処理を補償するために等化ユニットを装備される。このデジタル処理は、その他の場合には、例えば、異なるスピーカパラメータに起因する、ハンズフリーシステムのスピーカによって出力される歪んだ信号をもたらし得る。
【0004】
これらの従来技術のシステムにおいて、一旦接続されると、ハンズフリーシステムによって携帯電話機のタイプが識別される。この情報に基づいて、ハンズフリーシステムは、このタイプの携帯電話機のための対応する等化パラメータをロードし、これらのパラメータは、ハンズフリーシステムの対応する等化ユニットにおいて用いられる。この目的のために、様々なタイプの携帯電話機に対して、適切な等化パラメータが事前に決定されて、ハンズフリーシステム内に格納されてきた。
【0005】
この従来技術は、第1に、所与の携帯電話機のタイプに対して単に全体的な等化のみが実行され得るという、欠点を有する。しかし、同じタイプの異なる携帯電話機は、(例えば、製品の許容誤差に起因する)異なる特性を示し得るので、この方法はなお、望ましくない障害をもたらし得る。第2に、(例えば、ファームウェアアップデートに起因して)携帯電話機の特性が変更される場合、この変更は考慮されない。第3に、対応するパラメータが既知であり、かつハンズフリーシステム内に格納されている、携帯電話機のみが等化のために用いられ得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
上記を考慮して、本発明の目的は、これらの欠点の一部またはすべてを克服することと、より柔軟かつ信頼できる方式において電話機ハンズフリーシステムを較正するための方法および装置を提供することとである。この問題は、請求項1に記載の方法および請求項17に記載の装置によって解決される。
【0007】
例えば、本発明は、以下のことを提供する。
【0008】
(項目1) 較正装置によって電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための方法であって、該ハンズフリーシステムを介して出力される受信された電話信号を処理するための信号処理手段が、提供され、該較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が該較正装置に接続可能なように構成され、該方法は、
該第1の電話機に、電話接続を介して該第2の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるステップと、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するステップであって、該受信されたテスト信号は、該第2の電話機によって受信されており、該ハンズフリーシステムに伝えられる、ステップと、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるステップと
を包含する、方法。
【0009】
(項目2) 上記第1の電話機は、上記ハンズフリーシステムに組み込まれる、項目1に記載の方法。
【0010】
(項目3) 上記テスト信号および/または上記基準信号は、上記較正装置および/または上記ハンズフリーシステムに格納される、項目1〜項目2のうちの1項に記載の方法。
【0011】
(項目4) 上記テスト信号は、時間変化する信号であり、特に、非定常信号である、項目1〜項目3のうちの1項に記載の方法。
【0012】
(項目5) 上記テスト信号は、複合源信号、人工の音声信号または擬似ノイズシーケンスである、項目1〜項目4のうちの1項に記載の方法。
【0013】
(項目6) 上記テスト信号および上記基準信号は、同一である、項目1〜項目5のうちの1項に記載の方法。
【0014】
(項目7) 上記比較するステップは、上記受信されたテスト信号と上記基準信号とに基づいて相関分析を実行することを包含する、項目1〜項目6のうちの1項に記載の方法。
【0015】
(項目8) 上記信号処理手段は、等化手段を備え、上記適応させるステップは、該等化手段を適応させることを包含する、項目1〜項目7のうちの1項に記載の方法。
【0016】
(項目9) 上記適応させるステップは、上記信号処理手段のレベル制御パラメータを適応させることを包含する、項目1〜項目8のうちの1項に記載の方法。
【0017】
(項目10) 上記適応させるステップは、上記信号処理手段の周波数応答を適応させることを包含する、項目1〜項目9のうちの1項に記載の方法。
【0018】
(項目11) 上記適応させるステップは、上記信号処理手段の自動的な増幅制御を適応させることを包含する、項目1〜項目10のうちの1項に記載の方法。
【0019】
(項目12) 上記適応させるステップは、上記信号処理手段のリミッタまたはノイズ抑制手段を適応させることを包含する、項目1〜項目11のうちの1項に記載の方法。
【0020】
(項目13) 受信された電話信号の帯域幅拡張を実行するステップを包含する、項目1〜項目12のうちの1項に記載の方法。
【0021】
(項目14) 上記第1の電話機および/または上記第2の電話機は、上記ハンズフリーシステムにワイヤレス方式または有線方式で接続される、項目1〜項目13のうちの1項に記載の方法。
【0022】
(項目15) 特に、較正装置によって電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための方法であって、該較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が該較正装置に接続可能なように構成され、該ハンズフリーシステムを介して入力され、該第2の電話機によって電話により送信される、音声信号を処理するための信号処理手段が、提供され、該方法は、
該第2の電話機に、電話接続を介して該第1の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるステップと、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するステップであって、該受信されたテスト信号は、該第1の電話機によって受信されている、ステップと、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるステップと
を包含する、項目1〜項目14のうちの1項に記載の方法。
【0023】
(項目16) コンピュータプログラム製品であって、該コンピュータプログラム製品は、コンピュータ上で実行されるときに、項目1〜項目15のうちの1項に記載の方法のステップを実行するための、コンピュータ実行可能な命令を有する1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体を備える、コンピュータプログラム製品。
【0024】
(項目17) 電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための較正装置であって、該ハンズフリーシステムを介して出力される受信された電話信号を処理するための信号処理手段が、提供され、該較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が該較正装置に接続可能なように構成され、該較正装置は、
該第1の電話機に、電話接続を介して該第2の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるための起動手段と、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するための比較手段であって、該受信されたテスト信号は、該第2の電話機によって受信されており、該ハンズフリーシステムに伝えられる、比較手段と、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるための適応手段と
を備える、較正装置。
【0025】
(項目18) 特に、較正装置によって電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための較正装置であって、該較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が該較正装置に接続可能なように構成され、該ハンズフリーシステムを介して入力され、該第2の電話機によって電話により送信される、音声信号を処理するための信号処理手段が、提供され、該較正装置は、
該第2の電話機に、電話接続を介して該第1の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるための起動手段と、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するための比較手段であって、該受信されたテスト信号は、該第1の電話機によって受信されている、比較手段と、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるための適応手段と
を備える、項目1〜項目17のうちの1項に記載の較正装置。
【0026】
(項目19) 項目17または項目18に記載の較正装置を備える、電話機ハンズフリーシステム。
【0027】
(項目20) 上記第1の電話機は、上記ハンズフリーシステムに組み込まれる、項目19に記載の電話機ハンズフリーシステム。
【0028】
従って、較正装置によって電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正する方法が提供され、ハンズフリーシステムを介して出力される受信された電話信号を処理するための信号処理手段が提供され、較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が較正装置に接続可能なように構成され、この方法は、
該第1の電話機に、電話接続を介して該第2の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるステップと、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するステップであって、該受信されたテスト信号は、該第2の電話機によって受信されており、該ハンズフリーシステムに伝えられる、ステップと、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるステップと
を包含する。
【0029】
この方法は、ここで、較正装置によって自動的に実行されるので、ハンズフリーシステムにおいて電話信号のいかなる等化を達成するために、いかなる等化パラメータをも事前に格納する(これは依然として行われ得るけれども)必要が全くない。さらに、個々の携帯電話機へのハンズフリーシステムの適応は、携帯電話機のタイプがハンズフリーシステムにすでに知られているか否かに関係無く、実行され得る。従って、この方法によって、電話機ハンズフリーシステムは、入力電話信号に関して自動的に較正される。
【0030】
第1の電話機および第2の電話機は、ワイヤレス方式(すなわちコードレス方式)または有線方式などにおいて較正装置に直接接続可能である。しかし、電話接続は、この意味における直接接続ではない。従って、電話機とハンズフリーシステムとの間の接続は、特に、ブルートゥース、Wi−FiまたはIrDAなどのワイヤレスネットワーク接続(例えば、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)接続)であり得る。代替において、接続は、例えば、プラグコネクタを介する有線方式で取得され得る。
【0031】
電話機ハンズフリーシステムは、第1の電話機および/または第2の電話機に接続可能な入力を介して電話信号を受信し、特にスピーカまたはヘッドセットを介して、対応する出力信号を(可能性としては、なんらかの信号処理の後に)出力する。信号処理手段は、電話機から電話信号を受信するための入力と、出力音声信号を(例えば、スピーカまたはヘッドセットへ)出力するための出力との間の、電話機ハンズフリーシステム内の信号経路に配置され得る。
【0032】
テスト信号および/または基準信号は、音声信号であり得る。テスト信号および/または基準信号は、デジタル信号であり得る。
【0033】
特に、信号処理手段は、ハンズフリーシステムの一部分および/または較正装置の一部分であり得、換言すると、ハンズフリーシステムおよび/または較正装置は、信号処理手段を含み得る。ハンズフリーシステムは、較正装置を含み得る。
【0034】
原則として、第1の電話機および/または第2の電話機は、携帯電話機であり得る。代替としては、第1の電話機および/または第2の電話機は、ハンズフリーシステムに組み込まれ得るか、または埋め込まれ得る。この場合に、組み込まれた電話機は、GSMモジュールまたはUMTSモジュールなどの対応する電話モジュールの形式において提供され得る。ネットワークアクセスデバイス(NAD)の形式において提供され得る、組み込まれた電話機または埋め込まれた電話機は、利点を有する。その利点は、対応する内部の信号処理および/または伝送パラメータが知られており、較正方法のための基準パラメータとして用いられ得ることである。代替として、第1の電話機(基準電話機として用いられ得る)は、携帯電話機の形式において提供され得、その内部の信号処理パラメータは、電話機ハンズフリーシステムに知られている。
【0035】
テスト信号および/または基準信号は、較正装置内および/またはハンズフリーシステム内に格納され得る。そのような局所的に格納されたテスト信号および/または基準信号は、処理のためにこれらの信号に迅速にアクセスすることを可能にする。そのような場合、特に較正装置は、ハンズフリーシステムの一部分であり得る。
【0036】
代替としては、テスト信号および/または基準信号は、それぞれ第1の電話機内または第2の電話機内に格納され得る。
【0037】
テスト信号は、時間変化する信号、特に非定常信号であり得る。原則として、ホワイトノイズなどの他のテスト信号も用いられ得る。しかし、そのような場合に、携帯電話機によって採用された一部のコーディングスキーム(coding scheme)は、望ましくない障害としてこれらの信号を抑制し得る。従って、非定常信号を用いることは、特にそのような携帯電話機に対して有利である。
【0038】
特に、テスト信号は、複合源(composite source)信号、人工の音声信号または擬似ノイズシーケンスであり得る。後者の場合、付加された、時間変化減衰器は、時間変化する信号を取得するために用いられ得る。
【0039】
原則として、基準信号は、様々な方式においてテスト信号に基づき得る。特に、テスト信号および基準信号は、同一であり得、このことが方法の実装を非常に単純にする。
【0040】
上記された方法において、適応させるステップは、所定の判定基準に従って、偏差が低減されるように、特に、偏差が最小になるように実行され得る。この目的のために、互いからの信号の偏差を決定するための適切に選択された距離尺度(distance measure)が用いられ得る。
【0041】
比較するステップは、受信されたテスト信号および基準信号に基づく相関分析を実行することを包含し得る。このように、受信されたテスト信号および基準信号の遅延時間は、補償され得る。この場合、上記方法は、受信されたテスト信号および基準信号の遅延時間を補償することをさらに包含し得る。
【0042】
電話機ハンズフリーシステムおよび/または較正装置は、信号処理手段を含み得る。従って、信号処理手段は、第2の携帯電話機内における信号処理および/または信号改変を補償することを可能にする。特に、受信された電話信号の歪みは補償され得る。
【0043】
上記された方法において、信号処理手段は、等化手段を含み得、適応させるステップは、等化手段を適応させることを包含し得る。このように、ハンズフリーシステムの周波数応答は、最適化され得る。特に、等化手段は、所定の判定基準に従って、偏差が低減されるように、特に、最小になるように適応され得る。等化手段を適応させることは、等化手段の調整または較正パラメータを適応させることを含み得る。
【0044】
上記された方法において、適応させるステップは、信号処理手段のレベル制御パラメータを適応させることを包含し得る。従って、レベル補正は達成される。信号処理手段のレベル制御パラメータは、受信されたテスト信号などの受信された電話信号のレベルを制御(例えば、増大または減少)することを可能にする。比較するステップは、受信されたテスト信号のパワーを所定のターゲットレベルと比較することを包含し得る。レベル制御パラメータの適応は、パワーを比較するステップに基づき得る。
【0045】
上記された方法において、適応させるステップは、信号処理手段の周波数応答を適応させることを包含し得る。比較するステップは、受信されたテスト信号のパワー密度スペクトルを決定することを包含し得る。周波数応答の適応は、決定されたパワー密度スペクトルに基づき得る。パワー密度スペクトルを決定することは、短時間(short time)スペクトルを決定することか、またはLPC分析を実行することを包含し得る。周波数応答を適応させるステップは、パラメトリック法、例えば、好適には低次のFIRフィルタまたはIIRフィルタを用いて、実行され得る。周波数応答を適応させるステップにおいて、最大の減衰および/または最大の増幅は制限され得る。
【0046】
信号処理手段の周波数応答を適応させるステップは、特に、信号処理手段のレベル制御パラメータを適応させた後に、実行され得る。
【0047】
上記された方法において、適応させるステップは、信号処理手段の自動的な増幅制御を適応させることを包含し得る。比較するステップは、第2の電話機が自動的な増幅制御を提供するか否かを決定することを包含し得る。それから、適応させるステップは、比較するステップの結果に基づき得る。特に、自動的な増幅制御が第2の電話機に対して検出される場合、信号処理手段の自動的な増幅制御は、オフに切換えられ得るか、または非活性化され得る。この場合に対して、好都合には、変化する信号レベルを示すテスト信号が用いられ得る。
【0048】
上記された方法において、適応させるステップは、信号処理手段のリミッタまたはノイズ抑制手段を適応させることを包含し得る。比較するステップは、第2の電話機がリミッタまたはノイズ抑制手段を提供するか否かを決定することを包含し得る。それから、適応させるステップは、比較するステップの結果に基づき得る。特に、リミッタまたはノイズ抑制手段が、第2の電話機に対して検出され、信号処理手段によって提供されるリミッタまたはノイズ抑制手段は、オフに切換えられ得るか、または非活性化され得るか、または代替として、状況に応じて適応され得る。両方の場合に対して、適切なテスト信号が選択され得る。例えば、リミッタを検出するために、第2の電話機の過負荷レベルに対応する振幅を有するテスト信号が選択され得る。ノイズ抑制手段を検出するために、所定のノイズレベルを有するテスト信号は好適である。
【0049】
上記された方法は、受信された電話信号の帯域幅拡張を実行するステップを包含し得る。上記の方法は、受信された電話信号の帯域幅拡張を実行する方法に対して用いられ得る。帯域幅拡張を実行することは、上位の閾値周波数より高い周波数および/または下位の閾値周波数より低い周波数に対する拡張信号を決定することを包含し得る。
【0050】
本発明はまた、較正装置によって電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための方法を提供し、較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が較正装置に接続可能なように構成され、ハンズフリーシステムを介して入力され、第2の電話機によって電話により送信される、音声信号を処理するための信号処理手段が提供され、この方法は、
該第2の電話機に、電話接続を介して該第1の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるステップと、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するステップであって、該受信されたテスト信号は、該第1の電話機によって受信されている、ステップと、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるステップと
を包含する。
【0051】
この方法によって、好都合には、電話機ハンズフリーシステムは、出力電話信号に関して較正される。本方法は、入力信号に関して電話機ハンズフリーシステムを較正するための上記された方法と組み合わされ得る。そのような場合に、例えば、上記された方法の第1の電話機および第2の電話機は、本方法の第1の電話機および第2の電話機に相当し得る。
【0052】
出力信号に関して電話機ハンズフリーシステムを較正するための本方法は、入力信号に関して電話機ハンズフリーシステムを較正するための方法に対して、上で概説されたように構成され得る。例えば、出力信号に関して較正するための方法に対する、テスト信号および/または基準信号は、較正装置内に格納され得る。さらに、両方の方法のテスト信号および/または基準信号は、同一であり得る。さらなる例示として、出力信号に関して較正するための方法の比較するステップおよび適応させるステップは、入力信号に関して較正するための方法の背景において、上で概説されたように構成され得る。しかし、両方の方法が共に実装されるにしても、それぞれの構成は、同じである必要がない。
【0053】
上記された方法において、信号処理手段は、受信された電話信号および/または送信される電話信号の、線形処理および/または非線形処理、特に、等化することを実行するように構成され得る。
【0054】
本発明はまた、コンピュータ上で実行されるときに、上記された方法のステップを実行するための、コンピュータ実行可能な命令を有する1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体を備える、コンピュータプログラム製品を提供する。
【0055】
さらに、本発明は、電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための較正装置を提供し、ハンズフリーシステムを介して出力される受信された電話信号を処理するための信号処理手段が提供され、較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が較正装置に接続可能なように構成され、この較正装置は、
該第1の電話機に、電話接続を介して該第2の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるための起動手段と、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するための比較手段であって、該受信されたテスト信号は、該第2の電話機によって受信されており、該ハンズフリーシステムに伝えられる、比較手段と、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるための適応手段と
を備える。
【0056】
較正装置は、上記で明らかにされた1つ以上の方法を実行するような方式において構成され得る。例えば、較正装置は、テスト信号および/または基準信号を格納するための格納手段を備え得る。別の例示として、比較手段は、受信されたテスト信号と基準信号との相関分析を実行するように構成され得る。
【0057】
上記された方法におけるように、偏差を決定することは、所定の距離尺度のような所定の判定基準に基づき得る。
【0058】
上記された方法におけるように、信号処理手段は、受信された電話信号および/または送信される電話信号の、線形処理および/または非線形処理、特に、等化することを実行するように構成され得る。
【0059】
本発明はまた、較正装置によって電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための較正装置を提供し、較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が較正装置に接続可能なように構成され、ハンズフリーシステムを介して入力され、第2の電話機によって電話により送信される、音声信号を処理するための信号処理手段が提供され、この較正装置は、
該第2の電話機に、電話接続を介して該第1の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるための起動手段と、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するための比較手段であって、該受信されたテスト信号は、該第1の電話機によって受信されている、比較手段と、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるための適応手段と
を備える。
【0060】
この場合においても、較正装置は、上記された方法のステップの一部またはすべてが実行され得るように構成され得る。
【0061】
さらに、上記された較正装置の1つを備える電話機ハンズフリーシステムが提供される。特に、電話機ハンズフリーシステムは、上記で明らかにされた信号処理手段を備え得る。さらに、第1の電話機は、ハンズフリーシステムに組み込まれ得るか、または埋め込まれ得る。
【0062】
本発明のさらなる特徴および局面は、例示および図面を参照して以下において説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
(発明の詳細な説明)
図1において、入力信号および出力(outcoming)信号を処理することを可能にする、例示的なハンズフリーシステムの一般的な構造が、概略的に例示される。図1で示されるシステムにおいて、入力電話信号101は、携帯電話機102によって受信される。信号処理手段103は、ユーザに対して出力される受信された電話信号を処理するために提供される。部品104は、スピーカ105を介するハンズフリーシステム出力とマイクロホン106を介して受信された音響信号入力とを制御する能力がある。従来技術のシステムにおいて、電話機ハンズフリーシステムは、本質的に部品104を備え得る。
【0064】
マイクロホン106を介して受信された音響信号は、携帯電話機102に関して適応または等化をも提供し得る信号処理手段107を介して伝えられ、信号処理手段107を介して対応する音声信号108は、出力され電話によって送信される。
【0065】
一般の携帯電話機において、デジタル補償フィルタは、補正するために、例えば、携帯電話機のスピーカのサイズに起因する低周波数の減衰を補正するために提供され得る。図1中で例示されるように、そのような携帯電話機が、ハンズフリーシステムにおいて用いられる場合、および携帯電話機のそのような補正フィルタが非活性化されない場合、スピーカ105によって出力される信号は、より低い周波数において耐え難くなる。この効果を補償するために、信号処理手段103は、適切な方式で適応され得る。
【0066】
同様に、信号処理手段107は、携帯電話機のマイクロホンの周波数応答と、ハンズフリーシステムのマイクロホン106の周波数応答との違いを補償する能力がある。
【0067】
原則として、信号処理手段103および107によって実行される信号処理は、線形または非線形であり得る。従来技術のシステムによれば、等化するための信号処理によって用いられるパラメータは、様々なタイプの携帯電話機に対して事前に格納されてきた。
【0068】
個々の携帯電話機に関して、電話機ハンズフリーシステムを較正することを可能にする、較正システムの例が、図2において例示される。例示されるシステムにおいて、較正装置201が提供される。さらに、較正装置201に接続される第1の電話機202および第2の電話機203はまた提供される。原則として、較正装置201は、ハンズフリーシステムの一部分であり得ることにより、電話機202および203は、ハンズフリーシステム自身に接続され得る。この接続は、ワイヤレス方式または有線方式で提供され得る。例えば、この接続は、ブルートゥース接続を介してか、または携帯電話機用クレードルのプラグコネクタを介して達成され得る。いかなる場合でも、電話機は、較正装置およびハンズフリーシステムに直接接続される。
【0069】
図示された例示において、ハンズフリーシステムの較正は、携帯電話機であり得る第2の電話機203に関して行われる。第1の電話機は、ハンズフリーシステムおよび/または較正装置内に組み込まれ得る。例えば、第1の電話機は、内部のNAD(network access device)か、内部の信号伝送パラメータおよび/または内部の処理パラメータであり得、それらのパラメータは、既知または所定のパラメータであり得る。この第1の電話機は、組み込まれたGSMモジュール(もちろん、UMTSなどの他のプロトコルも用いられ得る)を備え得る。代替的には、第1の電話機202は、所定または既知の、内部の信号伝送パラメータおよび/または内部の処理パラメータを有する携帯電話機であり得る。いかなる場合でも、第1の電話機202は、基準電話機として用いられる。
【0070】
以下でより詳細に記述される較正方法は、第2の電話機203がハンズフリーシステムに接続されるたびに、自動的に実行され得る。代替的には、第2の電話機203が接続される場合、ユーザは、ハンズフリーシステムを自動的に較正することを望むか否かを通知され、促され得る。
【0071】
較正装置201において、メモリ204が提供され、その中にテスト信号が格納される。較正装置は、第1の電話機202に、電話接続を介して第2の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるための起動手段を備える、制御部分205を含む。好適には、広帯域で、かつ時間変化する信号が用いられ得る。GSMまたはCDMAなどの種々のコーディングスキームによって用いられ得る、テスト信号を採用することは特に有用である。
【0072】
原則として、可能性のあるテスト信号は、ホワイトノイズである。しかし、一部のコーディングスキームは、そのような信号をバックグラウンドノイズとして解釈し、対応する減衰を実行する。この理由により、複合源信号(例えば、ITU−T勧告P.501:Test Signals for use in Telephonometry,Geneva,Switzerland,2000、において記述された信号)または人工の音声信号(例えば、ITU−T勧告P.50:Artificial Voice,Geneva,Switzerland,1999、において記述された信号)などの非定常信号は、テスト信号を形成し得る。
【0073】
例示的な人工の音声信号は、図3において例示される。この図3の上側の部分で、この信号の時間における変化が示され、一方、下側の部分で、時間/周波数分析が描かれる。
【0074】
上記した信号の代替として、フィードバックシフトレジスタを用いて得られるような、いわゆる擬似ノイズシーケンスが用いられ得る。このタイプの信号は、制限されたメモリの場合に特に有用である。そのような信号の時間変化は、次の、時間変化減衰器を用いて、取得され得る。
【0075】
電話信号が第2の電話機203によって受信された後に、比較は、分析部分206で実行される。分析部分206は、受信されたテスト信号を基準信号と比較するための比較手段を備える。特に、図2においても例示されるように、テスト信号および基準信号は、同一であり得る。
【0076】
最初のステップで、受信されたテスト信号および基準信号は、遅延時間に関して互いに適応され得、例えば、相関分析が用いられる。その後、受信されたテスト信号および基準信号は、信号処理手段207のための1つ以上の処理パラメータまたは等化パラメータを決定するために比較される。
【0077】
受信信号経路(信号処理手段207を介する経路)における適切な補償または等化のために、最初に、レベル補正が実行され得る。この目的のために、受信された信号のレベル(入力レベル)は、(可能性としては、時間に対する平均化をした後に)所定のターゲットレベルと比較され得る。レベルの差は、それから、対応するレベル制御パラメータを用いてレベル等化によって補正される。
【0078】
そのようなレベル補正の後に、受信周波数応答の等化が実行され得る。これは、受信された電話信号のパワー密度スペクトルを決定することによってなされ得る。そのようなパワー密度スペクトルは、短時間DFTスペクトルの一時的な平均化(いわゆる、ピリオドグラム(periodogram)平均化、例えば、K.D.Kammeyer他の、「Digitale Signalverarbeitung」Teubner−Verlag,1998、を参照)によって、またはLPC分析(例えば、M.H.Hayes、「Statistical Digital Processing and Modeling」,Wiley 1996、を参照)を介して、取得され得る。特に、後者の場合、等化は、0次のFIRフィルタまたはIIRフィルタを用いて、パラメトリック法を介して実行され得る。
【0079】
両方の代替において、好適には、最大限の減衰および最大限の増幅は、制限されるべきである。例えば、低周波数における第2の電話機の強い減衰が、減衰の制限をともなわずに補正される場合、システムの内部雑音は増大し得、不十分な音声品質をもたらし得る。
【0080】
さらに、較正装置は、第2の電話機が受信経路において自動的な増幅制御を用いるか否かを決定し得る。この目的のために、数dB変化するレベルを有する適切なテスト信号が用いられ得る。このレベル変化がなんらかの同調フェーズの後で補償される場合、これは第2の電話機203における自動的な増幅制御を示す。そのような場合に、ハンズフリーシステムにおける対応する自動的な増幅制御は、オフに切換えられ得る。
【0081】
さらに、較正装置はまた、リミッタが第2の電話機203内で活性化されるか否かを検出し得る。この目的のために、過負荷レベルに近い大きな振幅を有するテスト信号が採用され得る。受信されたテスト信号および基準信号の信号対雑音比を比較することによって、リミッタおよび対応する最大限の減衰が存在するか否かを決定し得る。この比較の結果に依存して、信号処理手段207におけるリミッタは、それに応じて適応し得る。例えば、12dBの最大限の減衰が所望されて、第2の電話機203に対して8dBの減衰が検出される場合、信号処理手段207内に存在するリミッタは、4dBの最大限の減衰に適応し得る。
【0082】
同様に、所定のノイズレベルを有するテスト信号を用いて、第2の電話機203内のノイズ低減手段の存在が検出され得、信号処理手段の対応する適応は実行され得る。
【0083】
受信信号の伝送経路に沿った周波数応答に関する知識もまた、第2の電話機203によって受信されるような、電話帯域に制限された信号の帯域幅を拡張するときに、用いられ得る。そのような帯域幅の拡張を実行するときに、下位の閾値(下方の電話帯域周波数、例えば、200Hzなど)より低い周波数範囲および/または上位の閾値(上方の電話帯域周波数、例えば、3400Hzなど)より高い周波数範囲に対する拡張信号は、生成され、受信された電話信号に追加される(例えば、P.Jax;「Bandwidth Extension for Speech」、E.Larsen他における、Audio Bandwidth Extension,Wiley,2004、171〜235頁を参照)。欠落したスペクトルの構成要素の推定をより良く機能させるために、第2の電話機の周波数応答を知ることは有利である。それから、帯域幅は補正され得ることにより、帯域幅拡張の根底にあるスピーチモデルは、いかなる入力データにもより良く整合する。
【0084】
受信信号経路における補償または等化に対する代替または追加として、図4中の例示において例示されるように、送信信号経路の補償または等化が実行され得る。このシステムの機能は、図2の場合に類似している。
【0085】
特に、第1の電話機402および第2の電話機403は、ハンズフリーシステムの較正装置401に接続される。較正装置401は、第2の電話機403に、電話接続を介してテスト信号を第1の電話機402に対して送らせるか、または送信させる。
【0086】
それから、第1の電話機402によって受信されたテスト信号は、分析部分408において基準信号と比較される。テスト信号および基準信号は、同一であり得、メモリ404内に格納され得る。この分析または比較の結果は、分析手段406を介して信号処理手段407を適応させるために用いられる。制御手段405は、例えば、第2の電話機に、テスト信号を送信させるように用いられる。
【0087】
信号処理手段407によって実行される補償または等化の手順は、上記した手順に類似し得る。特に、レベル補正もしくはレベル等化および/または周波数応答の等化は、実行され得る。さらに、自動的な増幅制御、リミッタまたはノイズ低減手段は検出され得、信号処理手段407の対応する適応が実行され得る。
【0088】
ハンズフリーシステムによって用いられる第2の電話機に関する較正に加えて、個々の携帯電話機ネットワークに関する較正または補償も実行され得る。この場合に、上記された方法のステップは、特定の携帯電話機ネットワークに対して実行される。受信信号経路および/または送信信号経路における信号処理手段に対してもたらされるパラメータは、用いられた携帯電話機ネットワークの識別とともに格納される。そして、較正されたハンズフリーシステムの使用中に、信号処理手段は、実際に使用されている携帯電話機ネットワークに対して決定された信号処理パラメータを用い得る。例えば、種々の信号処理パラメータは、UMTSおよびGSMネットワークに対して利用可能であり得る。
【0089】
種々の装置およびシステムの上記された機能が、様々な方式で組み合わされ得ることは、理解されるべきである。さらに、上記された実施形態は、例示のみであると解釈されるべきである。
【0090】
(要約)
本発明は、較正装置によって電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための方法に向けられる。本発明では、ハンズフリーシステムを介して出力される、受信された電話信号を処理するための信号処理手段が提供され、第1の電話機および第2の電話機が較正装置に接続可能なように、較正装置は構成される。上記の方法は、第1の電話機に、電話接続を介して第2の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるステップと、受信されたテスト信号が第2の電話機によって受信されて、ハンズフリーシステムに伝えられ、受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、受信されたテスト信号を所定の基準信号と比較するステップと、決定された偏差に基づいて信号処理手段を適応させるステップとを包含する。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は、例示的なハンズフリーシステムの一般的な構造を概略的に例示する。
【図2】図2は、較正装置を備える例示的なハンズフリーシステムを概略的に例示する。
【図3】図3は、例示的なテスト信号を例示する。
【図4】図4は、較正装置を備える例示的なハンズフリーシステムを概略的に例示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
較正装置によって電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための方法であって、該ハンズフリーシステムを介して出力される受信された電話信号を処理するための信号処理手段が、提供され、該較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が該較正装置に接続可能なように構成され、該方法は、
該第1の電話機に、電話接続を介して該第2の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるステップと、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するステップであって、該受信されたテスト信号は、該第2の電話機によって受信されており、該ハンズフリーシステムに伝えられる、ステップと、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるステップと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記第1の電話機は、前記ハンズフリーシステムに組み込まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記テスト信号および/または前記基準信号は、前記較正装置および/または前記ハンズフリーシステムに格納される、請求項1〜請求項2のうちの1項に記載の方法。
【請求項4】
前記テスト信号は、時間変化する信号であり、特に、非定常信号である、請求項1〜請求項3のうちの1項に記載の方法。
【請求項5】
前記テスト信号は、複合源信号、人工の音声信号または擬似ノイズシーケンスである、請求項1〜請求項4のうちの1項に記載の方法。
【請求項6】
前記テスト信号および前記基準信号は、同一である、請求項1〜請求項5のうちの1項に記載の方法。
【請求項7】
前記比較するステップは、前記受信されたテスト信号と前記基準信号とに基づいて相関分析を実行することを包含する、請求項1〜請求項6のうちの1項に記載の方法。
【請求項8】
前記信号処理手段は、等化手段を備え、前記適応させるステップは、該等化手段を適応させることを包含する、請求項1〜請求項7のうちの1項に記載の方法。
【請求項9】
前記適応させるステップは、前記信号処理手段のレベル制御パラメータを適応させることを包含する、請求項1〜請求項8のうちの1項に記載の方法。
【請求項10】
前記適応させるステップは、前記信号処理手段の周波数応答を適応させることを包含する、請求項1〜請求項9のうちの1項に記載の方法。
【請求項11】
前記適応させるステップは、前記信号処理手段の自動的な増幅制御を適応させることを包含する、請求項1〜請求項10のうちの1項に記載の方法。
【請求項12】
前記適応させるステップは、前記信号処理手段のリミッタまたはノイズ抑制手段を適応させることを包含する、請求項1〜請求項11のうちの1項に記載の方法。
【請求項13】
受信された電話信号の帯域幅拡張を実行するステップを包含する、請求項1〜請求項12のうちの1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の電話機および/または前記第2の電話機は、前記ハンズフリーシステムにワイヤレス方式または有線方式で接続される、請求項1〜請求項13のうちの1項に記載の方法。
【請求項15】
特に、較正装置によって電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための方法であって、該較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が該較正装置に接続可能なように構成され、該ハンズフリーシステムを介して入力され、該第2の電話機によって電話により送信される、音声信号を処理するための信号処理手段が、提供され、該方法は、
該第2の電話機に、電話接続を介して該第1の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるステップと、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するステップであって、該受信されたテスト信号は、該第1の電話機によって受信されている、ステップと、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるステップと
を包含する、請求項1〜請求項14のうちの1項に記載の方法。
【請求項16】
コンピュータプログラム製品であって、該コンピュータプログラム製品は、コンピュータ上で実行されるときに、請求項1〜請求項15のうちの1項に記載の方法のステップを実行するための、コンピュータ実行可能な命令を有する1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体を備える、コンピュータプログラム製品。
【請求項17】
電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための較正装置であって、該ハンズフリーシステムを介して出力される受信された電話信号を処理するための信号処理手段が、提供され、該較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が該較正装置に接続可能なように構成され、該較正装置は、
該第1の電話機に、電話接続を介して該第2の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるための起動手段と、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するための比較手段であって、該受信されたテスト信号は、該第2の電話機によって受信されており、該ハンズフリーシステムに伝えられる、比較手段と、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるための適応手段と
を備える、較正装置。
【請求項18】
特に、較正装置によって電話機ハンズフリーシステムを自動的に較正するための較正装置であって、該較正装置は、第1の電話機および第2の電話機が該較正装置に接続可能なように構成され、該ハンズフリーシステムを介して入力され、該第2の電話機によって電話により送信される、音声信号を処理するための信号処理手段が、提供され、該較正装置は、
該第2の電話機に、電話接続を介して該第1の電話機に対して所定のテスト信号を送信させるための起動手段と、
受信されたテスト信号の所定の基準信号からの偏差を決定するために、該受信されたテスト信号を該基準信号と比較するための比較手段であって、該受信されたテスト信号は、該第1の電話機によって受信されている、比較手段と、
該決定された偏差に基づいて該信号処理手段を適応させるための適応手段と
を備える、請求項1〜請求項17のうちの1項に記載の較正装置。
【請求項19】
請求項17または請求項18に記載の較正装置を備える、電話機ハンズフリーシステム。
【請求項20】
前記第1の電話機は、前記ハンズフリーシステムに組み込まれる、請求項19に記載の電話機ハンズフリーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−60614(P2009−60614A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−222901(P2008−222901)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】