説明

非接触式ICタグ付シュリンクフィルム及び非接触式ICタグ付物品

【課題】ICタグインレットを装着した熱収縮性フィルム及びそれを用いた商品であって商品本体や商品を包装する包装体に対してICタグインレットを容易に装着することができる熱収縮性フィルム及びその熱収縮性フィルムを用いた商品を提供することにある。
【解決手段】小片状に型抜きした一軸方向延伸フィルム又は二軸方向延伸フィルムによる熱収縮性フィルム層1の裏面に感圧接着性層2が設けられ、該感圧接着性層2を介して、ICタグインレット3が取り付け配置されているか、又は前記熱収縮性フィルム層1と感圧接着性層2との層間にICタグインレット3が取り付け配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙、プラスチック等のフィルム、シート、ラベル等の支持シートに対して、情報データを記録し読み出しできる非接触式ICモジュールを搭載した非接触式ICタグ付シュリンクフィルム及び非接触式ICタグ付物品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、製造・販売者側が、顧客や消費者に対して、各種商品に関する商品名や商品情報、あるいは商品製造情報や販売情報や製造・販売者情報等の情報、あるいは、キャンペーン時の景品等の当たりはずれ情報、キャンペーン応募情報等の情報を提供しようとする場合は、それらの情報を掲載したラベルや情報提供用小冊子やサービスシートや情報カード等を、商品本体や包装体等の商品に添付することが行われている。
【0003】
しかしながら、通常の用紙等のシート面に、上記の商品情報や、商品情報以外のキャンペン情報等を印刷により表示した情報提供ラベルやサービスシート等は、シート面への印刷表示やデザイン表示において、シートスペースの制約を受けるとともに、顧客が、その情報提供ラベルやサービスシートを用いてキャンペーン等に応募する際においては、そのシートの応募券部の切り取りや、応募券シール部の剥がし取り、あるいは応募券の収集、応募シート台紙への添付や応募券やシールの郵送等の手間が掛かる。
【0004】
また、現状のように景品等の当たりはずれ情報、キャンペーン時の応募券マーク、シール等の商品情報以外の情報が、情報提供サービスシートへの印刷により提示されている場合には、当たり券や応募券や応募シール等のコピーや偽造、あるいは不正使用等のトラブルが発生したり、また、その発生が見過ごされてしまう危険性もある。
【0005】
また、商品の販売キャンペーンを実施する製造業者や販売業者にとっても、多数の顧客から応募されてくる応募データのデータ集計処理やデータ処理後の対応に手間が掛かるとともに、応募により入手した顧客情報データ等が、旨く活用され難いといった不都合もある。
【0006】
近年は、商品情報や、商品情報以外の当たりはずれ情報、応募券マーク、応募シール等の情報等を電子データとして書き込み記録可能なICタグインレット(ICモジュール、アンテナ付きICチップ)や、ICタグインレットを装着した商品ラベルや、サービスシート等を製造する技術が開発されてきており、例えば、特開2001−195556、特開2002−342728、特開2003−11914、特開2004−202894などがある。
【0007】
そこで、これらの商品情報や商品情報以外の情報を電子データとして記録し、専用の読取手段によって読み出しできるICチップとアンテナからなるICモジュール(又はICチップ、又はICチップとアンテナからなる1単位のICモジュールを小片支持シートに搭載したICモジュール)を搭載したICタグインレットや、該ICタグインレットを装着したICタグシートなどを添付した商品や包装体等が市販されるようになっている。
【0008】
以下に、従来公知の特許文献を記載する。
【特許文献1】特開2001−195556号公報
【特許文献2】特開2002−342728号公報
【特許文献3】特開2003−11914号公報
【特許文献4】特開2004−202894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、ICタグインレットを装着した熱収縮性フィルム及びそれを用いた商品であって、商品本体や商品を包装する包装体に対して、ICタグインレットを容易に装着することができる熱収縮性フィルム及びその熱収縮性フィルムを用いた商品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る発明は、小片状に型抜きした一軸方向延伸フィルム又は二軸方向延伸フィルムによる熱収縮性フィルム層1の裏面に感圧接着性層2が設けられ、該感圧接着性層2を介して、偏平小片状のアンテナ付きICチップからなる1単位のICモジュールをフィルム基材に装着したICタグインレット3が取り付け配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルムである。
【0011】
本発明の請求項2に係る発明は、小片状に型抜きした一軸方向延伸フィルム又は二軸方向延伸フィルムによる熱収縮性フィルム層1の裏面に感圧接着性層2が設けられ、前記熱収縮性フィルム層1と感圧接着性層2との層間に偏平小片状のアンテナ付きICチップからなる1単位のICモジュールをフィルム基材に装着したICタグインレット3が取り付け配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルムである。
【0012】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2に係る非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記ICタグインレット3が、一軸方向延伸フィルムによる前記熱収縮性フィルム層1の延伸方向に対して略直交する方向を長手方向として取り付け配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルムである。
【0013】
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1又は2に係る非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記ICタグインレット3が、二軸方向延伸フィルムによる前記熱収縮性フィルム層1のいずれか一方の延伸方向に対して略直交する方向を長手方向として取り付け配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルムである。
【0014】
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至4のいずれか1項に係る非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記ICタグインレット3のフィルム基材の端部に、前記熱収縮性フィルム層1のいずれか一方の延伸方向に対して平行な、1乃至複数本の刻切線が設けられていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルムである。
【0015】
本発明の請求項6に係る発明は、上記請求項1乃至5のいずれか1項に係る非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記感圧接着性層2が、前記熱収縮性フィルム層1のいずれか一方の延伸方向の一端部又は両端部にベタ状又はドット状又はストライプ状等のパータン状に設けられていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルムである。
【0016】
本発明の請求項7に係る発明は、上記請求項1乃至5のいずれか1項に係る非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記感圧接着性層2が、前記熱収縮性フィルム層
1の全面にベタ状又はドット状又はストライプ状等のパータン状に設けられていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルムである。
【0017】
本発明の請求項8に係る発明は、上記請求項1乃至5のいずれか1項に係る非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記感圧接着性層2が、前記熱収縮性フィルム層1に用いる熱収縮性フィルムに対して感熱接着性を備えることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルムである。
【0018】
本発明の請求項9に係る発明は、上記請求項1乃至8のいずれか1項に係る非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記各々ICタグ付シュリンクフィルムAに1枚ずつ配置されたICタグインレット3が、該シュリンクフィルムAの領域における規則的にずれた異なる位置に配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルムである。
【0019】
本発明の請求項10に係る発明は、上記請求項9に係る非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記各々ICタグ付シュリンクフィルムAに1枚ずつ配置されたICタグインレット3が、該シュリンクフィルムAの領域における一次元方向に規則的にずれた異なる位置にオーバーラップ又は隣接するように配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルムである。
【0020】
本発明の請求項11に係る発明は、上記請求項1乃至10のいずれか1項に係る非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記各々ICタグ付シュリンクフィルムAに1枚ずつ配置されたICタグインレット3が、該シュリンクフィルムAの領域における二次元方向に規則的にずれた異なる位置にオーバーラップ又は隣接するように配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルムである。
【0021】
本発明の請求項12に係る発明は、商品本体又は商品を包装する包装体本体等の物品の周囲表面に、上記請求項1乃至11のいずれか1項に係る非接触式ICタグ付シュリンクフィルムAが、その感圧接着性層2及びICタグインレット3を内面にして加熱収縮により密着して巻き付けられていることを特徴とする非接触式ICタグ付物品である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムAは、パッケージ等の分野におけるシュリンク包装材料や、プラスチックボトル、ガラス瓶等の容器の周囲にタイトに巻き付けるシュリンクフィルムとして使用することが可能であって、加熱により収縮する小片状に型抜きした熱収縮性フィルム層1の裏面に、アンテナ付きICチップからなる1単位のICモジュールをフィルム基材に装着した非接触式ICタグインレット3と、感圧接着性層2とが設けられているシュリンクフィルムAであり、例えば、シュリンク包装材料として使用する際には、該シュリンクフィルムを、前記感圧接着性層2によって、容器本体や商品本体等の物品の表面に仮貼着や仮止めすることが可能であり、シュリンクフィルムの位置決めが容易であり、その位置決め後に該シュリンクフィルムを巻き付け、その両端部のフィルム同士を重ね合わせて重ね合わせフィルム面のみをシール加熱加圧にて溶融して、ヒートシール接着した後に、巻き付けられたシュリンクフィルムの全体をシュリンク加熱して、容器本体や商品本体等の表面にタイトに巻き付けることができ、非接触式ICタグ付きの容器、商品等の物品を容易に製造することが可能となる。
【0023】
また、本発明の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムAは、各々非接触式ICタグ付シュリンクフィルムAのICタグインレット3を、熱収縮性フィルム層1の裏面領域における規則的にずれた異なる位置に配置することにより、例えば、各々ICタグ付シュリンクフィルムAの一次元方向又は二次元方向に、規則的にずれた異なる位置にオーバーラッ
プ又は隣接して配置することにより、非接触式ICタグ付シュリンクフィルムAを、その裏面に離型シート(セパレータ)を介在させて積載した際に、厚さのあるICタグインレット3の部分が他の部分より高く盛り上がることがなく、平坦且つ均一に積載することができ、そのためにICタグシートに搭載したICチップやアンテナは、面的又は形状的に湾曲したり変形を起こさず、ICタグインレット1aの性能や耐久性に対する悪影響を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の非接触式IC付シュリンクフィルムの実施の形態を以下に詳細に説明すれば、本発明のシュリンクフィルムは、図1(a)のX−X側断面図、図1(b)の全体平面図に示すように小片状に型抜きした一軸(M軸)方向延伸フィルム又は二軸(M軸、N軸)方向延伸フィルムによる熱収縮性フィルム層1を基材層として、その裏面に感圧接着性層2が設けられている。
【0025】
そして、前記熱収縮性フィルム層1の裏面には、前記感圧接着性層2を介して、偏平小片状のICチップ3aに、例えば、図示するようなコイル線状、又は直線状等の適宜形状のアンテナ3bを備えた1単位のICモジュールをフィルム基材に装着したICタグインレット3が取り付け配置されているものである。
【0026】
また、本発明のシュリンクフィルムAの他の実施の形態としては、図2(a)のX−X側断面図、図2(b)の全体平面図に示すように、小片状に型抜きした一軸(M軸)方向延伸フィルム又は二軸(M軸、N軸)方向延伸フィルムによる熱収縮性フィルム層1を基材層として、その裏面に感圧接着性層2が設けられている。
【0027】
そして、前記熱収縮性フィルム層1と感圧接着性層2との層間に、偏平小片状のICチップ3aにアンテナ3bを備えた1単位のICモジュールをフィルム基材に装着したICタグインレット3が取り付け配置されているものである。
【0028】
前記熱収縮性フィルム層1としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等の一軸(M軸)方向延伸フィルム又は二軸(M軸、N軸)方向延伸フィルム(成膜後のフィルムの再加熱延伸による延伸フィルム)が使用でき、感熱接着性層2としては、熱収縮性フィルム層1のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルムに対して接着性のある高分子材料を用いた感圧接着性の公知の粘着剤が使用でき、また、必要に応じて、感圧接着性(粘着剤による粘着性)と、前記熱収縮性フィルム層1に用いる熱収縮性フィルムに対して感熱接着性(加熱による粘着性を形成する粘着剤中の不揮発性溶媒の揮発と熱可塑性合成樹脂溶質の溶融接着性)とを兼ね備えた粘着剤を使用することができる。
【0029】
本発明の非接触式IC付シュリンクフィルムAにおける前記感圧接着性層2は、該シュリンクフィルムAを、該感圧接着性層2によって容器本体や商品本体等の物品の表面に仮貼着や仮止めすることが可能な程度の接着力(粘着力)があれば良い。
【0030】
また、該シュリンクフィルムAを物品の表面に筒状に巻き付けて、そのフィルム両端部を重ね合わせ、重ね合わせフィルム面をシール加熱加圧して溶融した際に、熱収縮性フィルム層1を構成するフィルム同士が互いに直接に接触してヒートシール接着(感熱接着)が可能な程度に、また、シュリンクフィルムAを物品の表面に筒状に巻き付けた後の加熱による延伸方向(M軸方向、N軸方向)へのフィルムAの収縮における該シュリンクフィルムAの物品界面におけるスライド移動が円滑に行われるように、その感圧接着性層2の層厚は比較的薄く、粘着力が弱いことが適当である。
【0031】
前記感圧接着性層2は、図1(b)に示すように、熱収縮性フィルム層1のいずれか一方の延伸方向(M軸方向又はN軸方向)の一端部1a又は両端部1a、1aに、ベタ状、又はドット状、又はストライプ状等のパータン状に設けられていてもよいし、熱収縮性フィルム層1の全面に、ベタ状、又はドット状、又はストライプ状等のパータン状に設けられていてもよい。
【0032】
本発明の非接触式IC付シュリンクフィルムAの前記ICタグインレット3は、熱収縮性フィルム層1の裏面に前記感圧接着性層2を介して該接着性層2により接着固定されていてもよいし、あるいは前記熱収縮性フィルム層1の裏面に前記感圧接着性層2とは別の感圧接着剤(粘着剤)又は感熱接着剤を用いて接着固定されていてもよい。
【0033】
前記熱収縮性フィルム層1の領域内におけるICタグインレット3の取り付け位置は、該熱収縮性フィルム層1裏面の領域内のいずれの位置に取り付け配置されていてもよい。
【0034】
例えば、ICタグインレット3は、図1(b)に示すように、一軸方向延伸フィルムによる前記熱収縮性フィルム層1の延伸方向(M軸方向)に対して、略直交する方向を長手方向として取り付け配置されていることが適当であり、また、二軸方向延伸フィルムによる前記熱収縮性フィルム層1のいずれか一方の延伸方向(M軸方向又はN軸方向)に対して、略直交する方向を長手方向として取り付け配置されていることが適当である。
【0035】
また、本発明の非接触式IC付シュリンクフィルムAにおいては、前記ICタグインレット3のフィルム基材の端部には、図1(b)の平面図に示すように、必要に応じて、前記熱収縮性フィルム層1のいずれか一方の延伸方向に対して平行に、1乃至複数本の刻切線3cが設けられていて、例えば、非接触式ICタグ付シュリンクフィルムを延伸方向に沿って引き裂いた時に、同時にICタグインレット3も、そのアンテナ3b部分を引き裂き破断することができ、ICタグインレット3と読み取り手段との間の交信(プロトコル)を遮断することができるようになる。
【0036】
また、本発明の非接触式IC付シュリンクフィルムAにおいては、1枚ずつ配置された前記ICタグインレット3を、該シュリンクフィルムAの領域における規則的にずれた異なる位置、図示しないが、例えば該シュリンクフィルムAの領域における一次元方向に規則的にずれた異なる位置、あるいは二次元方向に規則的にずれた異なる位置にオーバーラップ又は隣接するように配置するようにしてもよい。
【0037】
また、本発明の非接触式IC付シュリンクフィルムAにおいては、図3(a)又は図4(a)に示すように、本発明の非接触式IC付シュリンクフィルムAにおける一軸方向延伸フィルムによる熱収縮性フィルム層1の延伸方向(M軸方向)の他端部1aに、プルタブ4を突起状に延設することができ、図3(b)又は図4(b)に示すように、このプルタブ4の熱収縮性フィルム層1には、感圧接着性層2(粘着剤層)を設けても設けなくてもいずれでもよい。なお、図4に示すように、熱収縮性フィルム層1にはプルタブ4に連続して、そのフィルム延伸方向(M軸方向)に沿って、所定の幅(例えばプルタブ4の幅)に切り離し線4a、4a(ミシン目、ハーフカット)を刻切するようにしてもよい。
【0038】
本発明の非接触式IC付シュリンクフィルムAは、シュリンク包装材料として使用することができ、商品本体又は商品を包装する包装体本体等の物品の周囲表面に、感圧接着性層2及びICタグインレット3を内面にして、該感圧接着性層2により位置決め固定して巻き付けた該シュリンクフィルムAを、加熱により収縮させて、物品の周囲表面に密着させて巻き付けることができ、非接触式ICタグ付きの物品を製造することができる。
【0039】
本発明の非接触式IC付シュリンクフィルムA両端部のヒートシール接着に必要なシー
ル加熱温度と、該シュリンクフィルムAの熱収縮に必要なシュリンク加熱温度(フィルム融点以下の加熱温度)は、それぞれ熱収縮性フィルム層1に使用するフィルムの種類と加熱継続時間により異なるが、例えば、ポリプロピレンフィルムによるシュリンクフィルムAの場合は、シール加熱温度120〜145℃、シュリンク加熱温度120〜150℃、ポリエチレンフィルムによるシュリンクフィルムAの場合は、シール加熱温度150〜180℃、シュリンク加熱温度130〜180℃、ポリ塩化ビニルフィルムによるシュリンクフィルムAの場合は、シール加熱温度160〜200℃、シュリンク加熱温度90〜110℃程度である。
【0040】
商品本体や商品を包装する包装体本体等の物品としては、例えば、図5に示すように液体を充填したガラス瓶等の容器本体Bがあり、その注出口部B1 (ネック部)の先端注出口は、密閉蓋部B2 のコルク栓B3 により密閉状態に閉栓されている。
【0041】
本発明の非接触式IC付シュリンクフィルムAは、図5に示すように、その感圧接着性層2及びICタグインレット3を内面にして、前記容器本体Bの注出口部B1 及び密閉蓋部B2 を覆うように周囲表面に、該シュリンクフィルムAの一端部1aをその感圧接着性層2(粘着性層)により仮貼着して位置決めし、該シュリンクフィルムAの一端部1a上に他端部1aを重ね合わせて巻き付けた後、図6に示すように、そのシュリンクフィルムAの重ね合わせた両端部1a、1aのシュリンクフィルムA同士を、シール加熱部1c(斜線部)にてシール加熱加圧し溶融してヒートシール接着する。
【0042】
そして、筒状に巻き付け固定されたシュリンクフィルムAは、その後、前記シール加熱温度と同じ程度の温度若しくはその前後の温度、又はそのシール加熱温度よりも低い温度にて、そのシュリンクフィルムA全体を加熱して熱収縮させ、容器本体Bの注出口部B1 及び密閉蓋部B2 の表面にタイトに巻き付けることができ、非接触式ICタグ付きの容器等の物品を製造することが可能となる。なおタイトに巻き付けられたシュリンクフィルムAは、その延伸方向(M軸方向)に沿って引き裂くことができ、容易に除去したり開封したりすることができる。
【0043】
図3、図4に示した一端部にプルタブ4を設けた非接触式IC付シュリンクフィルムAを用いて、容器本体Bの注出口部B1 及び密閉蓋部B2 を覆うように周囲表面にタイトに巻き付ける場合は、図7に示すように、シュリンクフィルムAを、その感圧接着性層2及びICタグインレット3を内面にして、前記容器本体Bの注出口部B1 及び密閉蓋部B2 を覆うように周囲表面に、該シュリンクフィルムAの他端部1aのプルタブ4と対向する一端部1aを、その感圧接着性層2(粘着性層)により仮貼着して位置決めし、該シュリンクフィルムAの一端部1a上に、プルタブ4のある他端部1aを重ね合わせて巻き付けた後、図8に示すように、そのシュリンクフィルムAの重ね合わせた両端部1a、1aのシュリンクフィルムA同士を、シール加熱部1c(斜線部)にてシール加熱加圧し溶融してヒートシール接着する。なお、その際にはプルタブ4領域は、シール加熱してもしなくてもいずれでもよく、その際の他端部1aのプルタブ4の内面は、シール加熱しない場合はシュリンクフィルムAの一端部1a面に対して、非接着状態か又は感圧接着性層2(粘着性層)により仮接着状態となっており、またシール加熱した場合はシュリンクフィルムAの一端部1a面に対して、非接着状態か又は感圧接着性層2(粘着性層)により仮接着状態又は剥離可能に接着されていることが適当である。
【0044】
そして、筒状に巻き付け固定されたシュリンクフィルムAは、その後、前記シール加熱温度と同じ程度の温度若しくはその前後の温度、又はそのシール加熱温度よりも低い温度にて、そのシュリンクフィルムA全体を加熱して熱収縮させ、容器本体Bの注出口部B1 及び密閉蓋部B2 のそれぞれ表面にタイトに巻き付けることができ、シュリンクフィルム開封用のプルタブ4を備えた非接触式ICタグ付きの容器等の物品を製造することが可能
となる。なお、タイトに巻き付けられたプルタブ付きのシュリンクフィルムAは、プルタブ4を手指に持って、その延伸方向(M軸方向)に沿って引き裂くことができ、容易に除去したり開封したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(a)は本発明の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムの一実施の形態を説明するX−X側断面図、(b)はその平面図。
【図2】(a)は本発明の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムの他の実施の形態を説明するX−X側断面図、(b)はその平面図。
【図3】(a)は本発明の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムの他の実施の形態を説明するX−X側断面図、(b)はその平面図。
【図4】(a)は本発明の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムの他の実施の形態を説明するX−X側断面図、(b)はその平面図。
【図5】本発明の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムを用いた非接触式ICタグ付物品の製造を説明する部分側面図。
【図6】本発明の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムを用いて製造される非接触式ICタグ付物品を説明する部分側面図。
【図7】本発明の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムを用いた非接触式ICタグ付物品の製造を説明する部分側面図。
【図8】本発明の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムを用いて製造される非接触式ICタグ付物品を説明する部分側面図。
【符号の説明】
【0046】
A…非接触式ICタグ付シュリンクフィルム
B…物品
1…熱収縮性フィルム層
2…感圧接着性層
3…ICタグインレット
4…プルタブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小片状に型抜きした一軸方向延伸フィルム又は二軸方向延伸フィルムによる熱収縮性フィルム層1の裏面に感圧接着性層2が設けられ、該感圧接着性層2を介して、偏平小片状のアンテナ付きICチップからなる1単位のICモジュールをフィルム基材に装着したICタグインレット3が取り付け配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルム。
【請求項2】
小片状に型抜きした一軸方向延伸フィルム又は二軸方向延伸フィルムによる熱収縮性フィルム層1の裏面に感圧接着性層2が設けられ、前記熱収縮性フィルム層1と感圧接着性層2との層間に偏平小片状のアンテナ付きICチップからなる1単位のICモジュールをフィルム基材に装着したICタグインレット3が取り付け配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記ICタグインレット3が、一軸方向延伸フィルムによる前記熱収縮性フィルム層1の延伸方向に対して略直交する方向を長手方向として取り付け配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルム。
【請求項4】
請求項1又は2記載の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記ICタグインレット3が、二軸方向延伸フィルムによる前記熱収縮性フィルム層1のいずれか一方の延伸方向に対して略直交する方向を長手方向として取り付け配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記ICタグインレット3のフィルム基材の端部に、前記熱収縮性フィルム層1のいずれか一方の延伸方向に対して平行な1乃至複数本の刻切線が設けられていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記感圧接着性層2が、前記熱収縮性フィルム層1のいずれか一方の延伸方向の一端部又は両端部にベタ状又はドット状又はストライプ状等のパータン状に設けられていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルム。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記感圧接着性層2が、前記熱収縮性フィルム層1の全面にベタ状又はドット状又はストライプ状等のパータン状に設けられていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルム。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記感圧接着性層2が、前記熱収縮性フィルム層1に用いる熱収縮性フィルムに対して感熱接着性を備えることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項記載の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記各々ICタグ付シュリンクフィルムAに1枚ずつ配置されたICタグインレット3が、該シュリンクフィルムAの領域における規則的にずれた異なる位置に配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルム。
【請求項10】
請求項9記載の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記各々ICタグ付シュリンクフィルムAに1枚ずつ配置されたICタグインレット3が、該シュリンクフィ
ルムAの領域における一次元方向に規則的にずれた異なる位置にオーバーラップ又は隣接するように配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルム。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項記載の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムにおいて、前記各々ICタグ付シュリンクフィルムAに1枚ずつ配置されたICタグインレット3が、該シュリンクフィルムAの領域における二次元方向に規則的にずれた異なる位置にオーバーラップ又は隣接するように配置されていることを特徴とする非接触式ICタグ付シュリンクフィルム。
【請求項12】
商品本体又は商品を包装する包装体本体等の物品の周囲表面に、上記請求項1乃至11のいずれか1項記載の非接触式ICタグ付シュリンクフィルムAが、その感圧接着性層2及びICタグインレット3を内面にして加熱収縮により密着して巻き付けられていることを特徴とする非接触式ICタグ付物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−305860(P2006−305860A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131167(P2005−131167)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(591186888)トッパンレーベル株式会社 (46)
【Fターム(参考)】