説明

音声出力制御装置および音声出力制御方法

【課題】携帯情報機器から送信された音声データに基づく音声を適切に出力することが可能な音声出力制御装置を提供する。
【解決手段】無線通信により携帯情報機器と接続し、当該携帯情報機器から送信された音声データを受信する通信手段40と、音声データと、音声出力装置21から出力される音声を調整するための出力情報とを音声出力装置に出力する出力手段と、通信手段40により携帯情報機器と無線通信を開始した時に用いる初期出力情報を、携帯情報機器ごとに対応させて記憶する初期出力情報記憶手段と、を有し、出力手段は、携帯情報機器と無線通信を開始した時に、携帯情報機器に対応させて記憶した初期出力情報に基づいて出力情報を設定することを特徴とする音声出力制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、携帯オーディオ機などの携帯情報機器と無線通信により接続し、当該携帯情報機器から送信された音声データに基づく音声の出力を制御する音声出力制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機および携帯オーディオ機などの異なる複数の携帯情報機器と無線通信により接続し、これら異なる携帯情報機器から送信された音声データに基づいて音声を出力する通信制御装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−352522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、各携帯情報機器ごとに車載装置から出力される音声の音量、音質は、各携帯情報機器ごとに決められた初期値に基づいて出力されるため、携帯情報機器と車載装置とを接続する度に、ユーザは、車載装置から出力される音声の音量、音質などの出力情報を設定する必要があり、ユーザにとって煩雑となっていた。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、携帯情報機器から送信された音声データに基づく音声を適切に出力することが可能な音声出力制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、携帯情報機器と無線通信し、当該携帯情報機器から送信された音声データと、音声出力装置から出力される音声を調整するための出力情報とを前記音声出力装置に出力する際に、前記携帯情報機器と無線通信を開始した際における、前記出力情報を、前記携帯情報機器に対応させて予め記憶した初期出力情報に基づいて決定することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、携帯情報機器から送信された音声データに基づく音声を適切に出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態に係る音声出力制御システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態に係る車載装置100と携帯電話機200との接続までの手順の一例を示す図面である。
【図4】第1実施形態に係る車載装置100と携帯電話機200、および車載装置100と携帯オーディオ機300との接続の関係を説明するための図である。
【図5】携帯電話機200に対応させて設定される初期音量および初期音質の一例と、携帯オーディオ機300に対応させて設定される初期音量および初期音質の一例とを示す図である。
【図6】第1実施形態に係る携帯電話機200の初期設定登録の手順の一例であり、車載装置100における手順を説明するための図面である。
【図7】第1実施形態に係る携帯電話機200の初期設定登録の手順の一例であり、携帯電話機200における手順を説明するための図面である。
【図8】第2実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態に係る平均値の算出方法を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
≪第1実施形態≫
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態においては、車両に搭載される音声出力制御システムを例示して説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る音声出力制御システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態において例示する音声出力制御システムは、車両に搭載される車載装置100とユーザが携帯可能な携帯電話機200とにより構築される。また、本実施形態に係る音声出力制御システムは、車載装置100とユーザが携帯可能な携帯オーディオ機300とによっても構築される。車載装置100と携帯電話機200、または車載装置100と携帯オーディオ機300とは無線通信、例えば、Bluetooth(登録商標)通信で接続され、相互に音声データ(通話音声データ、楽曲データを含む)の授受を行う。
【0010】
携帯電話機200は、一般に携帯電話機が有する通話機能に加えて、携帯電話機200の内部メモリ、または外部メモリに記憶された音声データ(楽曲データ)を再生する機能をも有する。また、携帯オーディオ機300は、内部メモリ、または外部メモリに記憶された音声データ(楽曲データ)を再生する機能を有する。さらに、携帯電話機200や携帯オーディオ機300は、図示しないBluetoothモジュールを備え、Bluetooth通信により車載装置100と接続することにより、音声データを車載装置100に送信することができる。
【0011】
車載装置100は、例えば、車載ナビゲーション装置や車載オーディオ装置などの車両に搭載される機器であって、ユーザの操作に基づいて、ラジオ、CD再生、ハンズフリー通話、またはBluetoothオーディオ再生などを行うことができる。ここで、Bluetoothオーディオ再生とは、Bluetooth通信により携帯電話機200または携帯オーディオ機300から送信された音声データを車載装置100において再生することをいう。
【0012】
車載装置100は、コントローラ10と、出力装置20と、入力装置30と、送受信装置40とから構成される。車載装置100を構成するコントローラ10、出力装置20、入力装置30、および送受信装置40は、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行う。
【0013】
出力装置20は、音声を出力するスピーカ21と、文字情報、画像情報を出力するディスプレイ22とを有する。スピーカ21は、コントローラ10から、音声データと、音声の音量・音質を決定するための音量情報・音質情報とを受信し、これらの情報に基づいて音声を出力する。また、ディスプレイ22は、例えば、後述する初期設定登録(ペアリング)の操作画面などを表示することで各種情報をユーザに提示する。
【0014】
入力装置30は、ユーザから音声の入力を受け付けるマイクロフォン31と、ユーザの入力指令を受け付けるタッチパネル32と、スピーカ21から出力される音声の音量を変更する音量調整SW33と、スピーカ21から出力される音声の音質を変更する音質調整SW34とを含む。マイクロフォン31は、ユーザから入力された音声に基づいて音声信号を生成し、その音声信号をコントローラ10に送信する。また、タッチパネル32は、例えば、後述する初期設定登録(ペアリング)の操作などの各種操作を行うためのものである。なお、タッチパネル32は、ディスプレイ22上に配置されてもよいし、ディスプレイ22とは別に設置してもよい。さらに、入力装置30は各種スイッチを有し、ユーザは、例えば、音量調整SW33、および音質調整SW34を用いて、スピーカ21から出力される音声の音量や音声の音質を、ユーザが望む音量、音質に適宜変更することができる。
【0015】
送受信装置40はBluetoothモジュール42を内蔵し、送受信装置40に備えるアンテナ41を介して、同じくBluetoothモジュールを備える携帯電話機200または携帯オーディオ機300とBluetooth無線通信を行う。これにより、送受信装置40は、携帯電話機200、または携帯オーディオ機300から音声データ(楽曲データ、通話音声データを含む)を受信し、この受信した音声データをコントローラ10に送信する。また、送受信装置40は、ユーザにより入力された音声に基づいてマイクロフォン31で生成された音声信号をコントローラ10から受信し、その音声信号を、送受信装置40に備えるアンテナ41を介して、携帯電話機200に送信する。
【0016】
加えて、送受信装置40は、携帯電話機200と車載装置100との間にデータの授受が可能な接続状態が確立していない場合、または携帯オーディオ機300と車載装置100との間にデータの授受が可能な接続状態が確立していない場合に、アンテナ41を介して、所定の接続可能エリアに存在するBluetooth対応の携帯電話機200または携帯オーディオ機300を探索する。
【0017】
次に、コントローラ10について説明する。コントローラ10は、携帯電話機200または携帯オーディオ機300から受信した音声データに基づく音声の出力を制御するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)11と、このROM11に格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)12と、音声の音量・音質を記憶し、またアクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13とから構成される。なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)12に代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0018】
本実施形態のコントローラ10は、携帯電話機200または携帯オーディオ機300に対応させて初期音量・初期音質を記憶する初期出力情報記憶機能と、携帯電話機200または携帯オーディオ機300から送信された音声データ、およびスピーカ21から音声を出力する際の音声の音量・音質を決定するための音量情報・音質情報をスピーカ21に出力する出力機能とを備える。そして、各機能を実現するためのソフトウェアと、上述したコントローラ10を含むハードウェアの協働により各機能を実行する。
【0019】
以下に、上述したコントローラ10が備える各機能についてそれぞれ詳細に説明する。
【0020】
まず、コントローラ10の出力機能について説明する。出力機能は、携帯電話機200または携帯オーディオ機300から送信された音声データと、スピーカ21から音声を出力する際の音声の音量・音質を決定するための音量情報・音質情報とをスピーカ21に出力する。ここで、音量情報とは、音声の音量に関する情報であり、例えば、音声の音量の大きさ(音量レベル)が挙げられる。また、音質情報とは、音声の音質に関する情報であり、例えば、トレブル(高音域)やバス(低音域)などの音質の情報が挙げられる。なお、音量情報には、例えば、携帯電話機200の場合であれば、着信音音量レベルや受話音音量レベルなど各種音量レベルが含まれる。また、音量情報および音質情報は、音量レベル、トレブル(高音域)、およびバス(低音域)に限られず、バランスや、フェダーなど、スピーカ21から出力される音声を調整するために用いられる全ての情報を含めることができる。
【0021】
加えて、出力機能は、携帯電話機200と車載装置100との接続が開始した際、または携帯オーディオ機300と車載装置100との接続が開始した際に、後述する初期音量を参照して、現在設定されている音量を設定する。また、同様に、出力機能は、携帯電話機200と車載装置100との接続が開始した際、または携帯オーディオ機300と車載装置100との接続が開始した際に、後述する初期音質を参照して、現在設定されている音質を設定する。
【0022】
次に、コントローラ10の初期出力情報記憶機能について説明する。初期出力情報記憶機能は、携帯電話機200や携帯オーディオ機300のデバイスアドレスに対応させて初期音量および初期音質をコントローラ10のRAM13に記憶する。ここで、初期音量とは、車載装置100と携帯電話機200、または車載装置100と携帯オーディオ機300との間で接続が開始した際に、コントローラ10に設定される音量の初期値となる音量である。また、初期音質とは、車載装置100と携帯電話機200、または車載装置100と携帯オーディオ機300との間で接続が開始した際に、コントローラ10に設定される音質の初期値となる音質である。初期出力情報記憶機能は、後述する初期設定登録(ペアリング)の際に、現在設定されている音量を初期音量として記憶し、また現在設定されている音質を初期音質として記憶する。
【0023】
さらに、初期出力情報記憶機能は、ハンズフリー通話時またはBluetoothオーディオ再生時に、所定の間隔で、現在設定されている音量・音質を参照して、携帯電話機200または携帯オーディオ機300に対応させて記憶した初期音量・初期音質を更新する。ここで、携帯電話機200または携帯オーディオ機300から送信される音声データに基づく音声が、ユーザが望む音量、音質となるように、ユーザは、音量調整SW33や音質調整SW34を操作して、現在設定されている音量・音質を適宜変更する場合がある。このような場合に、所定の間隔で、初期音量・初期音質を変更後の音量・音質に更新することで、これら初期音量および初期音質に基づいて出力される音声を、ユーザが望む音量、音質で出力することができる。
【0024】
続いて、図2に示すフローチャートに基づいて、本実施形態に係る音声出力制御処理について説明する。ここで、図2は本実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。以下の説明においては、車載装置100と携帯電話機200との間における音声出力制御処理を例示して説明する。なお、この音声出力制御処理は、コントローラ10が図示しない車両コントローラからイグニッションオンの信号を受信することで開始される。
【0025】
まず、ステップS101では、送受信装置40が接続可能エリアに存在するBluetooth対応の携帯電話機200を探索する。ここで、図3は、車載装置100と携帯電話機200との接続までの手順の一例を示す図面である。車載装置100を構成するコントローラ10は、送受信装置40のBluetoothモジュール42に命令し、図3の左図に示すように、車両内の接続可能エリアにIQパケットを間欠的に送信させる。そして、図3の右図に示すように、ユーザにより持ち込まれた携帯電話機200が車内の接続可能エリアに入った際に、携帯電話機200は送受信装置40から送信されたIQパケットを受信する。そして、携帯電話機200は、この携帯電話機200の識別情報であるデバイスアドレスを含むFHSパケットを車載装置100に送信する。コントローラ10は、携帯電話機200からFHSパケットを受信し、次のステップS102に進む。一方、コントローラ10がIQパケットに対するFHSパケットを携帯電話機200から受信しない場合(ステップS101=NO)は、ステップS101に戻り、Bluetooth対応の携帯情報機器の探索を繰り返す。
【0026】
次に、ステップS102では、ステップS101で検出された携帯電話機200が初期設定登録(ペアリング)されているかを判断する。ここで、初期設定登録(ペアリング)とは、コントローラ10が、車載装置100と接続している携帯電話機200または携帯オーディオ機300を認識することができるように、コントローラ10に備えるRAM13に、これら携帯電話機200または携帯オーディオ機300に固有のデバイスアドレスを登録することをいう。すなわち、初期設定登録(ペアリング)がされた携帯電話機200は、この携帯電話機200のデバイスアドレスがコントローラ10のRAM13に記憶されているため、コントローラ10は、携帯電話機200のデバイスアドレスを照会することで、この携帯電話機200が初期設定登録されているか判断できる。そこで、ステップS102では、コントローラ10は、ステップS101で取得したFHSパケットに含まれるこの携帯電話機200のデバイスアドレスを用いて、この携帯電話機200のデバイスアドレスを照会する。そして、この携帯電話機200のデバイスアドレスを照会できた場合は、コントローラ10は、この携帯電話機200は初期設定登録されていると判断し、車載装置100と携帯電話機200との間でデータの授受が可能な接続状態を確立し、ステップS103に進む。一方、コントローラ10が携帯電話機200のデバイスアドレスを照会できない場合は、コントローラ10は、この携帯電話機200は初期設定登録がされていないものと判断し、ユーザにこの携帯電話機200について初期設定登録を促すため、ステップS109に進む。
【0027】
図4は、車載装置100と携帯電話機200、および車載装置100と携帯オーディオ機300との接続の関係を説明するための図である。図4の左図に示すように、車載装置100は、携帯電話機200および携帯オーディオ機300などの異なる機器とそれぞれ無線通信により接続することができる。例えば、携帯電話機200について初期設定登録(ペアリング)が行われていれば、携帯電話機200がユーザにより接続可能エリアに持ち込まれると、図4の右上図に示すように、携帯電話機200と車載装置100との間で自動的にデータの授受が可能な接続状態が確立される。また、同様に、携帯オーディオ機300においても、初期設定登録が行われていれば、ユーザにより携帯オーディオ機300が接続可能エリアに持ち込まれると、図4の右下図に示すように、携帯オーディオ機300と車載装置100との間で自動的にデータの授受が可能な接続状態が確立される。
【0028】
ステップS103では、コントローラ10の出力機能は、この携帯電話機200のデバイスアドレスに対応させて記憶した初期音量および初期音質を参照して、現在設定されている音量・音質を設定する。すなわち、現在設定されている音量・音質を、携帯電話機200に対応させて記憶した初期音量および初期音質に設定する。
【0029】
図5は携帯電話機200に対応させて記憶した初期音量・初期音質の一例、および携帯オーディオ機300に対応させて記憶した初期音量・初期音質の一例を示す図である。この携帯電話機200のデバイスアドレスに対応させて記憶した初期音量・初期音質は、この携帯電話機200のデバイスアドレスに関連付けてコントローラ10のRAM13に記憶されており、出力機能は、ステップS101で取得した携帯電話機200のデバイスアドレスを用いて、この携帯電話機200の初期音量・初期音質をRAM13から読み込むことで、この携帯電話機200に対応させて記憶した初期音量・初期音質を取得する。図5の左図に示すように、携帯電話機200が車両内に持ち込まれ、図5の右上図に示すように、携帯電話機200と車載装置100との間で接続が開始した際に、携帯電話機200のデバイスアドレス、例えば、11:11:11:11に関連付けて記憶した初期音量・初期音質が、音量レベル13、トレブル(高音域)+1、バス(低音域)+2である場合、出力機能は、まず、この携帯電話機200のデバイスアドレス11:11:11:11を用いて、この携帯電話機200に対応させて記憶した初期音量および初期音質である音量レベル13、トレブル(高音域)+1、バス(低音域)+2を取得する。そして、現在設定されている音量・音質を、初期音量・初期音質である音量レベル13、トレブル(高音域)+1、バス(低音域)+2に設定する。一方、図5の左図に示すように、携帯オーディオ機300が車両内に持ち込まれ、図5の右下図に示すように、携帯オーディオ機300と車載装置100との間で接続が開始した際に、携帯オーディオ機300のデバイスアドレス、例えば、22:22:22:22に関連付けて記憶した初期音量・初期音質が、音量レベル8、トレブル(高音域)+3、バス(低音域)+4である場合、出力機能は、まず、この携帯オーディオ機300のデバイスアドレス22:22:22:22を用いて、この携帯オーディオ機300に対応して記憶した初期音量・初期音質である音量レベル8、トレブル(高音域)+3、バス(低音域)+4を取得する。そして、現在設定されている音量・音質を、初期音量・初期音質である音量レベル8、トレブル(高音域)+3、バス(低音域)+4に設定する。
【0030】
次に、ステップS104では、コントローラ10の出力機能は、ユーザの操作に基づき、車載装置100において、ハンズフリー通話、またはBluetoothオーディオ再生が選択されているか否かを判定する。ハンズフリー通話、またはBluetoothオーディオ再生が選択されている場合は(ステップS104=YES)、ステップS105に進む。一方、車載装置100において、ハンズフリー通話、またはBluetoothオーディオ再生が選択されていない場合(ステップS104=NO)は、ステップS110に進む。以下においては、ユーザにより、Bluetoothオーディオ再生が選択されており、ステップS105に進んだ場合について説明する。
【0031】
続く、ステップS105においては、Bluetoothオーディオ再生が車載装置100で選択されていることから、コントローラ10の出力機能は、Bluetoothオーディオ再生のために携帯電話機200から送信されてきた音声データと、スピーカ21から出力される音声を現在設定されている音量・音質とする音量情報・音質情報とをスピーカ21に出力する。これにより、スピーカ21は、携帯電話機200から送信されてきた音声データに基づく音声を、現在設定されている音量・音質で出力する。なお、ステップS105の間に、ユーザにより、現在設定されている音量または音質が変更された場合は、出力機能は、携帯電話機200から送信された音声データと、スピーカ21から出力される音声を変更後の音量・音質とする音量情報・音質情報とをスピーカ21に出力する。
【0032】
次のステップS106では、コントローラ10の初期出力情報記憶機能が、現在設定されている音量・音質を検出する。車載装置100に接続している携帯電話機200は、その携帯電話機200に固有の音量送出レベルや、その携帯電話機200において設定された音質に関する情報を有している。そのため、携帯電話機200から送信された音声データに基づく音声をユーザが望む音量、音質とするために、ユーザは音量調整SW33や音質調整SW34を操作し、現在設定されている音量・音質を適宜変更する場合がある。例えば、ステップS105において音量レベルが2に設定されているため、ユーザが携帯電話機200から送信される音声データに基づく音声を小さいと感じ、ユーザが音量レベルを2から13に変更した場合、ステップS106では、初期出力情報記憶機能が、ユーザにより変更されたこの音量レベル13を検出することができる。なお、ステップS106は、ステップS105においてハンズフリー通話による通話、またはBluetoothオーディオ再生による再生が行われている場合に、所定の時間、例えば、5分間毎に行われる。ステップS106で現在設定されている音量・音質を検出した後は、ステップS107に進む。
【0033】
ステップS107では、コントローラ10の初期出力情報記憶機能は、ステップS106で検出した音量・音質を参照して、この携帯電話機200に対応させて記憶した初期音量・初期音質を、ステップS106で検出した音量・音質に更新する。例えば、ステップS106において、初期出力情報記憶機能が、音量レベル13、トレブル(高音域)+1、およびバス(低音域)+2を検出した場合、ステップS107において、初期出力情報記憶機能は、この携帯電話機200のデバイスアドレス11:11:11:11に対応させて記憶した初期音量・初期音質を、音量レベル13、トレブル(高音域)+1、バス(低音域)+2に更新する。
【0034】
このように、この携帯電話機200に対応させて記憶した初期音量・初期音質を、変更後の音量レベル13、トレブル(高音域)+1、およびバス(低音域)+2に更新することで、次回、この携帯電話機200と車載装置100とが接続を開始した場合に、ステップS103において、現在設定されている音量・音質を、更新した初期音量・初期音質である音量レベル13、トレブル(高音域)+1、およびバス(低音域)+2に自動的に設定することができる。
【0035】
ステップS108では、コントローラ10の出力機能は、イグニッションオフの信号を図示しない車両コントローラから受信したかを判断する。イグニッションオフの信号を受信した場合(ステップS108=YES)は、この音声出力制御処理を終了する。一方、イグニッションオフの信号を受信していない場合(ステップS108=NO)は、ステップS104に戻る。すなわち、イグニッションがオンであり、車載装置100においてハンズフリー通話、またはBluetoothオーディオ再生が続いている場合には、テップS104からステップS108の処理は所定の間隔で繰り返し行われることになる。
【0036】
また、ステップS104において、ハンズフリー通話、またはBluetoothオーディオ再生が選択されなかった場合(ステップS104=NO)は、ステップS110に進む。ハンズフリー通話、またはBluetoothオーディオ再生が選択されなかった場合とは、例えば、車載装置100において、ラジオ、またはCD再生が選択されている場合が挙げられる。このような場合は、ラジオ、またはCD再生の音声データと、スピーカ21から出力される音声を現在設定されている音量・音質とする音量情報・音質情報とをスピーカ21に出力し、ステップS108に進む。
【0037】
さらに、ステップS102において、コントローラ10が携帯電話機200のデバイスアドレスを照会できない場合(ステップS102=NO)は、携帯電話機200について初期設定登録(ペアリング)がされていないものと判断して、ステップS109に進む。ステップS109では、ユーザに初期設定登録(ペアリング)を促す画面を、ディスプレイ22に備える画面上に表示する。ここで、図6および図7を用いて、携帯電話機200の初期設定登録の手順について説明する。図6は、携帯電話機200の初期設定登録の手順の一例を示し、車載装置100における登録手順を説明するための図面である。また、図7は、携帯電話機200の初期設定登録の手順の一例を示し、携帯電話機200における手順を説明するための図面である。車載装置100における初期設定登録は、車載されるタッチパネル32などの入力装置30を介して行われる。まず、図6に示すように、車載装置100において、操作A1「“設定スイッチ”を押す」を行うことにより、ディスプレイ22の画面上に設定メニューを起動させる。設定メニュー上で、操作A2「“電話”を選択」を行い、操作A3「“Bluetooth設定”を選択」を行い、操作A4「“電話機の登録”を選択」を行う。そして、操作A5「“会社(種別)”を選択」を行い、携帯電話機200の通信サービスを提供する通信事業者を選択することで、図6に示す待機画面に表示されるように、車載装置100を、携帯電話機200からの探索を待ち受ける状態とさせる。
【0038】
一方、図7に示すように、携帯電話機200において、操作B1「“メニューボタン”を押す」を行い、操作B2「“Bluetooth”を選択」、操作B3「“新規機器登録”を選択」を行うことで、携帯電話機200においてBluetooth接続が可能な車載装置100を探索する(サーチ画面)。車載装置100が探索されると、結果が操作B4に示す画面に表示される。操作B4「“決定ボタン”を押す」を行い、操作B5「“パスキー”を入力」を行うことで、携帯電話機200は車載装置100に初期設定登録(ペアリング)される。これにより、コントローラ10のRAM13に、この携帯電話機200のデバイスアドレスが記憶され、また、この携帯電話機200のデバイスアドレスに対応させて、現在設定されている音量・音質を初期音量・初期音質として記憶する。ステップS109において初期設定登録を行った後は、ステップS103に進み、上述したように、ステップS103以降の処理を行う。
【0039】
次に、車載装置100と携帯電話機200との間の音声出力制御処理が終了し、その後、携帯電話機200に代えて、携帯オーディオ機300が車内に持ち込まれ、車載装置100と携帯オーディオ機300との間で、図2に示す音声出力制御処理が開始された場面例について説明する。なお、携帯オーディオ機300は既に初期設定登録(ペアリング)がされており、また、図5の右下図に示すように、携帯オーディオ機300から送信される音声データに基づく音声を出力するために適した初期音量・初期音質、すなわち、音量レベル8、トレブル(高音域)+3、バス(低音域)+4がこの携帯オーディオ機300に対応させて記憶されているものとする。
【0040】
ここで、前回の音声出力制御処理、すなわち、携帯電話機200における音声出力制御処理が終了した時点においては、携帯電話機200から送信される音声データに基づく音声を、ユーザが望む音量、音質とするために、コントローラ10に設定されている音量・音質には、図5の右上図に示すように、音量レベル13、トレブル(高音域)+1、バス(低音域)+2が設定されている。しかし、今回、携帯オーディオ機300と車載装置100との接続が開始された際に、携帯オーディオ機300に対応させて記憶した初期音量・初期音質、すなわち、図5の右下図に示す携帯オーディオ機300に適した音量レベル8、トレブル(高音域)+3、バス(低音域)+4が、現在設定されている音量・音質に自動的に設定される(ステップS103)。このように、ユーザ自らが、音量調整SW33や音質調整SW34を操作して、現在設定されている音量・音質を変更することなく、この携帯オーディオ機300から送信される音声データに基づく音声を、ユーザが望む音量、音質において、スピーカ21から出力させることができる。
【0041】
携帯電話機200や携帯オーディオ機300などの携帯情報機器はそれぞれ固有の音量送出レベルを有し、また、音質を音質スペクトラムレベルで自由に設定できる携帯電話機200や携帯オーディオ機300もあれば、プリセットされた音質にのみ設定できる携帯電話機200や携帯オーディオ機300もあり、それぞれの携帯電話機200や携帯オーディオ機300において設定できる音質の程度も異なる場合がある。さらに、車載装置100においても音質を調整することができるため、車載装置100を介して出力される音声は、携帯電話機200や携帯オーディオ機300において設定した音質と異なる場合がある。このように、携帯電話機200や携帯オーディオ機300から送信される音声データに基づく音声の音量、音質は、それぞれの携帯電話機200や携帯オーディオ機300ごとに異なるため、これら携帯電話機200や携帯オーディオ機300から送信される音声データに基づく音声をユーザが望む音量、音質で出力させるためには、ユーザは、音量調整SW33や音質調整SW34などを操作して、現在設定されている音量・音質を変更する必要があり、ユーザにとって煩雑な作業となっていた。さらに、例えば、携帯電話機200の着信音音量や受話音音量を調整する場合においては、ユーザは、着信音音量や受話音音量の調整と、調整後の音声の確認とを繰り返し行う必要があり、ユーザにとって煩雑な作業となっていた。
【0042】
これに対して、本実施形態では、携帯電話機200や携帯オーディオ機300に対応させて記憶した初期音量・初期音質を、携帯電話機200または携帯オーディオ機300が車載装置100と接続している際にユーザにより設定された音量・音質に更新する。そのため、例えば、車両のイグニッションをオフにして、この携帯電話機200または携帯オーディオ機300における音声出力制御処理を終了した後においても、次回、同一の携帯電話機200または携帯オーディオ機300が車載装置100と再度接続を開始する際には、現在設定されている音量・音質を、この携帯電話機200または携帯オーディオ機300に対応させて記憶した初期音量・初期音質に自動的に変更することができる。その結果、ユーザが携帯電話機200または携帯オーディオ機300ごとに現在設定されている音量・音質をそれぞれ設定することなく、この携帯電話機200または携帯オーディオ機300から送信された音声データに基づく音声を、ユーザが望む音量、音質で出力させることができる。つまり、本実施形態においては、携帯電話機200または携帯オーディオ機300ごとに携帯電話機200や携帯オーディオ機300から送信された音声データに基づく音声をユーザが望む音量、音質とするために、ユーザは現在設定されている音量・音質を設定し直す必要はなくなり、ユーザの煩雑さを解消することができる。例えば、従来、携帯電話器200の着信音音量や受話音音量を変更するために複数の手順が必要となっていたところ、第1実施形態によれば、携帯電話器200の着信音音量や受話音音量を自動的に設定することができるため、ユーザの煩雑さは解消される。
【0043】
≪第2実施形態≫
続いて、第2実施形態に係る音声出力制御処理について説明する。図8は、第2実施形態に係る音声出力制御処理を示すフローチャートである。図9は、第2実施形態における平均値の算出方法を説明するための図面である。第2実施形態では、以下に説明するとおり、図8に示すフローチャートに従って音声出力制御処理が行われる。第2実施形態に係る音声出力制御処理は、ステップS201が追加され、またステップS107に代えてステップS107’が行われること以外は、第1実施形態の音声出力制御処理と同様である。なお、第2実施形態においても、車載装置100と携帯電話機200との間における音声出力制御処理を例示して説明する。
【0044】
まず、第1実施形態と同様に、まず、ステップS101で、送受信装置40が、アンテナ41を介して、接続可能エリア内に存在するBluetooth対応の携帯情報機器を探索し、携帯電話機200を発見する。そして、ステップS102では、探索された携帯電話機200が初期設定登録(ペアリング)されているかを判定する。携帯電話機200が初期設定登録されている場合(ステップS102=YES)は、ステップS103に進む。
【0045】
ステップS103では、コントローラ10の出力機能が、この携帯電話機200に対応させて記憶した初期音量・初期音質を参照して、現在設定されている音量・音質を、この初期音量・初期音質に設定する。これにより、携帯電話機200から送信される音声データに基づく音声は、この携帯電話機200に対応させて記憶した初期音量・初期音質に基づいて出力されることになる。次に、ステップS104に進み、ユーザの操作に基づき、ハンズフリー通話、あるいは、Bluetoothオーディオ再生が選択されているか否かを判定する。ハンズフリー通話、あるいは、Bluetoothオーディオ再生が選択されている場合(ステップS104=YES)は、ステップS105に進む。ステップS105では、第1実施形態と同様に、携帯電話機200から送信された音声データ、および現在設定されている音量・音質に対応する音量情報・音質情報をスピーカ21に出力する。
【0046】
次のステップS201において、コントローラ10の初期出力情報記憶機能は、現在設定されている音量または音質が、ユーザにより変更されたか否かを判断する。ここで、図9に示すように、コントローラ10は、この携帯電話機200に対応させた音量・音質のデータを複数記憶している。後述するように、第2実施形態においては、コントローラ10は、ユーザにより音量または音質が変更された場合に、現在設定されている音量・音質をRAM13に順次記憶するためである。例えば、図9中のAは、1回前に記憶された音量・音質のデータであり、図9中のAは、2回前に記憶された音量・音質のデータである。同様に、図9中のA〜Aは、それぞれ3回〜6回前に記憶された音量・音質のデータである。そこで、ステップS201においては、現在設定されている音量・音質と、1回前に記憶されたAの音量・音質のデータとを比較することで、現在設定されている音量または音質が、ユーザにより変更されたか否かを判断する。図9に示す例においては、現在設定されている音量レベルは2であり、1回前に記憶されたAの音量レベルは13であることから、コントローラ10の初期出力情報記憶機能は、現在設定されている音量は、ユーザにより変更されたものと判断する。
【0047】
初期出力情報記憶機能が、現在設定されている音量・音質と、1回前に記憶されたAの音量・音質のデータとが異なるため、現在設定されている音量または音質はユーザにより変更されたものと判断した場合(ステップS201=YES)は、ステップS106に進む。一方、初期出力情報記憶機能が、現在設定されている音量・音質と、1回前に記憶されたAの音量・音質のデータと同じため、現在設定されている音量および音質はユーザにより変更されていないものと判断した場合(ステップS201=NO)は、ステップS108に進む。このように、ユーザが現在設定されている音量・音質を変更した場合に限り、ステップS106以降の処理に進み、後述するステップS107’の平均値算出処理を行うようにすることで、平均値算出処理によるCPU12の負担を軽減することができる。
【0048】
続くステップS106では、第1実施形態と同様に、コントローラ10の出力機能が、現在設定されている音量・音質を検出する。そして、続くステップS107’に進む。
【0049】
ステップS107’では、コントローラ10の初期出力情報記憶機能は、まず、現在設定されている音量・音質およびこの携帯電話機200に対応させて記憶した音量・音質のデータに基づいて平均値を算出する。ここで、図9に示す例において、初期出力情報記憶機能は、現在設定されている音量・音質およびこの携帯電話機200に対応させて記憶した音量・音質のデータ、すなわち、図9中のAからAまでの音量レベル、トレブル(高音域)、バス(低音域)についてそれぞれ平均値を算出する。図9に示す例においては、音量レベルの平均値である11、トレブル(高音域)の平均値である+1、バス(低音域)の平均値である+2をそれぞれ算出する。なお、平均値の算出方法は、相加平均法に限定されず、加重平均、重心などの平均値を算出するために用いられている算出方法で行って良い。また、図9に示した例は、あくまでも平均値を算出するための一例であり、現在設定されている音量・音質およびAからAまでの音量・音質のデータを合わせた7回分のデータに基づいて平均値を算出することに限られず、適宜変更してよい。さらに、算出した平均値における小数点以下の値は、四捨五入してもよく、また、現在設定されている音量・音質やAからAまでの音量・音質のデータに基づいて切り上げ、または切り捨てを選択してもよい。
【0050】
そして、ステップS107’では、コントローラ10の初期出力情報記憶機能は、平均値を算出した後に、初期音量・初期音質を算出された平均値、すなわち、音量レベル11、トレブル(高音域)+1、バス(低音域)+2に更新する。そして、コントローラ10の初期出力情報記憶機能は、現在設定されている音量・音質を1回前に記憶した音量・音質、すなわち、図9に示すAの音量・音質のデータとして記憶する。これにより、Aに記憶されていた音量・音質のデータは、2回前に記憶した音量・音質、すなわちAの音量・音質のデータとして繰り下がり、同様に、A〜Aまでに記憶されていた音量・音質のデータも1ずつ繰り下がることになる。なお、6回前に記憶した音量・音質、すなわちAに記憶されていた音量・音質のデータは消去される。
【0051】
次に、ステップS108では、第1実施形態と同様に、コントローラ10の出力機能が、図示しない車両コントローラからイグニッションオフの信号を受信したかを判断し、第1実施形態と同様に、イグニッションオフの信号を受信していない場合(ステップS108=NO)は、ステップS104に戻り、ステップS104以降の音声出力制御処理を繰り返し行う。なお、ステップS102において、携帯電話機200が初期設定登録(ペアリング)されていない場合、およびステップS104において、ハンズフリー通話、Bluetoothオーディオ再生が選択されなかった場合も、第1実施形態と同様の処理が行われる。
【0052】
以上のように、第2実施形態では、ユーザによって現在設定されている音量・音質が変更された場合に、現在設定されている音量・音質およびこの携帯電話機200に対応させて記憶した音量・音質のデータに基づいて平均値を算出し、この平均値を参照して、これら携帯電話機200や携帯オーディオ機300に対応させて記憶した初期音量・初期音質を更新する。そして、これら携帯電話機200と車載装置100とが接続を開始した場合には、更新した初期音量・初期音質を参照して、現在設定されている音量・音質を自動的に設定する。これにより、第2実施形態においては、第1実施形態の効果に加えて、例えば図9に示すように、携帯電話機200と車載装置100とが接続している際に、同乗者への配慮などから、ユーザが音量レベルを13から2に一時的に変更したまま、車両のイグニッションをオフにし、この携帯電話機200における音声出力制御処理を終了した場合であっても、次回、ユーザが、この携帯電話機200を車両内に持ち込んで、この携帯電話機200と車載装置100との接続を開始する際に、前回、この携帯電話機200において一時的に変更した音量レベル2ではなく、この携帯電話機200に対応させて記憶した音量のデータに基づいて算出した平均値、すなわち音量レベル11を、現在の音量として自動的に設定することができる。このように、第2実施形態では、ユーザが現在設定されている音量・音質を一時的に変更した場合であっても、この携帯電話機200から送信される音声データに基づく音声を適切に出力させることができる。
【0053】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0054】
例えば、第1実施形態において、所定の間隔で初期音量・初期音質を更新するのではなく、第2実施形態と同様に、ユーザにより現在設定されている音量・音質が変更された場合に、初期音量・初期音質を変更後の音量・音質に更新するようにしてもよい。反対に、第2実施形態において、現在設定されている音量・音質と記憶した複数の音量・音質のデータとに基づいて平均値を算出し、この平均値を参照して、初期音量・初期音質を更新することを、第1実施形態と同様に、所定の間隔で行うようにしてもよい。
【0055】
なお、上述した実施形態の送受信装置40は本発明の通信手段に、コントローラ10の初期出力情報記憶機能は本発明の初期出力情報記憶手段に、コントローラ10の出力機能は本発明の出力手段に、スピーカ21は本発明の音声出力装置にそれぞれ相当する。
【符号の説明】
【0056】
100…車載装置
10…コントローラ
11…ROM
12…CPU
13…RAM
20…出力装置
21…スピーカ
22…ディスプレイ
30…入力装置
31…マイクロフォン
32…タッチパネル
33…音量調整SW
34…音質調整SW
40…送受信装置
41…アンテナ
42…Bluetoothモジュール
200…携帯電話機
300…携帯オーディオ機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信により携帯情報機器と接続し、当該携帯情報機器から送信された音声データを受信する通信手段と、
前記音声データと、音声出力装置から出力される音声を調整するための出力情報とを前記音声出力装置に出力する出力手段と、
前記通信手段により前記携帯情報機器と無線通信を開始した時に用いる出力情報を、初期出力情報として、前記携帯情報機器ごとに対応させて記憶する初期出力情報記憶手段と、を有し、
前記出力手段は、前記携帯情報機器との無線通信の開始時における出力情報を、前記携帯情報機器に対応させて記憶した前記初期出力情報に基づいて設定することを特徴とする音声出力制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音声出力制御装置であって、
前記出力情報は、前記音声出力装置から出力される音声の音量の情報および/または音声の音質の情報であることを特徴とする音声出力制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の音声出力制御装置であって、
前記初期出力情報記憶手段は、現在の出力情報に基づいて、前記初期出力情報を所定の間隔で更新することを特徴とする音声出力制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の音声出力制御装置であって、
前記初期出力情報記憶手段は、前記出力情報がユーザにより変更されたかを判断し、前記出力情報がユーザにより変更された場合に、前記出力情報の変更に基づいて、前記初期出力情報を更新することを特徴とする音声出力制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の音声出力制御装置であって、
前記初期出力情報記憶手段は、前記初期出力情報を、現在の出力情報に更新することを特徴とする音声出力制御装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の音声出力制御装置であって、
前記初期出力情報記憶手段は、ユーザにより設定された前記出力情報を複数記憶し、前記記憶した複数の出力情報に基づいて平均値を算出し、前記携帯情報機器に対応させて記憶した前記初期出力情報を、前記平均値に基づいて更新することを特徴とする音声出力制御装置。
【請求項7】
携帯情報機器と無線通信し、当該携帯情報機器から送信された音声データと、音声出力装置から出力される音声を調整するための出力情報とを前記音声出力装置に出力する音声出力制御方法であって、
前記携帯情報機器と無線通信を開始した際における、前記出力情報を、前記携帯情報機器に対応させて予め記憶した初期出力情報に基づいて決定することを特徴とする音声出力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−166303(P2010−166303A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6583(P2009−6583)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】