説明

音声出力装置

【課題】応答性の低下を抑制しつつ、音声データを記憶する記憶部を小型化することができる音声出力装置を提供すること。
【解決手段】案内機能処理部111は、地図データ入力器30からのデータに基づいて、案内経路G上における発声地点を予め検出して、検出された発声地点に関連付けられたIDの音声データの発声準備を音声出力機能処理部112に対して要求する(ステップS10〜ステップS12)。次に、音声出力機能処理部112は、そのIDの音声データをHDD70からロードするようにHDDデータ管理部113に対して依頼する(ステップS13)。HDDデータ管理部113は、そのIDの音声データをHDD70からロードする(ステップS15)。そして、音声データデコード部114は、HDD70からロードした音声データをデコードして、そのデコードされた音声データをRAM12に記憶しておく(ステップS16)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内経路上における案内音声の発声地点に到達すると、その案内音声を発声する音声出力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、案内経路上における案内音声の発声地点に到達すると(例えば、交差点に接近したとき)案内音声を発声する音声出力装置の一例として、特許文献1に示されるナビゲーション装置がある。
【0003】
このナビゲーション装置は、現在地から目的地までの経路を探索し、経路データを作成する。そして、走行予定の距離分の経路データをセンターに送信する。すると、センター側では、この経路データに関する交差点名称群を探索し、音声データとして車両に送信する。
【0004】
ナビゲーション装置は、この音声データを受信すると、音声データ記憶部にて、交差点名称群の音声データを記憶する。そして、必要に応じて音声データ記憶部から交差点名称を読み出して経路案内を行う。
【0005】
このようにすることによって、音声データ記憶部の記憶容量を小さく抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−6743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示されるナビゲーション装置は、音声データを取得するために、センターとの通信が必要となる。
【0008】
一方、音声データを所定の形式で圧縮して、予め記憶部に記憶しておくこともある。そして、案内音声を発声させる際には、その音声データをデコードして、スピーカから案内音声を発声する。
【0009】
このように、音声データを所定の形式で圧縮して記憶部に記憶しておく場合、圧縮率が高い形式で圧縮することによって、記憶部の記憶容量を削減でき、記憶部を小型化することができる。しかしながら、圧縮率が高くなるほどデコードに要する時間が長くなるので、応答性が低下する可能性がある。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、応答性の低下を抑制しつつ、音声データを記憶する記憶部を小型化することができる音声出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために請求項1に記載の音声出力装置は、車両に搭載されるものであり、案内経路上における案内音声の発声地点に到達すると、その案内音声を発声する音声出力装置であって、
発声地点で発声する案内音声の音声データが発声地点と関連付けられて、圧縮された状態で記憶される第1記憶手段と、
案内経路上における車両が通過する予定の発声地点を検出する発声地点検出手段と、
発声地点検出手段にて検出された発声地点と関連付けられた音声データを第1記憶手段から取得してデコードするデコード手段と、
デコード手段にてデコードされた音声データが発声地点と関連付けられて記憶される第2記憶手段と、
車両が案内経路上における発声地点に到達したか否かを判定する判定手段と、
判定手段にて車両が発声地点に到達したと判定された場合に、第2記憶手段に記憶されている発声地点と関連付けられた音声データに基づいて案内音声を発声する出力手段と備えることを特徴とするものである。
【0012】
このようにすることによって、実際に車両が発声地点に到達したときに、その発声地点で発声させる圧縮された音声データをデコードする必要はない。従って、音声データの圧縮率を上げた場合であっても、車両が発声地点に到達したことを検出してから、案内音声を発声するまでの応答性を低下させることを抑制できる。また、応答性の低下を抑制しつつ音声データの圧縮率を上げることができるので、第1記憶手段に記憶される圧縮された音声データのデータ量を少なくすることができ、第1記憶手段を小型化することができる。
【0013】
また、請求項2に示すように、発声地点検出手段は、案内経路上における車両の現在位置から所定距離先の発声地点を検出するようにしてもよい。
【0014】
このようにすることによって、案内経路上の全ての発声地点を検出する場合に比べて、検出する発声地点を少なくすることができる。したがって、デコードされた音声データを記憶する第2記憶手段の記憶容量も少なくすることができるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】案内経路と音声の発声地点を説明するイメージ図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるナビコア部の音声準備処理動作時の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の音声準備処理動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態におけるナビコア部の発声処理動作時の概略構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるナビゲーション装置の発声処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0017】
本実施の形態では、本発明の音声出力装置をナビゲーション装置に適用した例を採用して説明する。図1に示すナビゲーション装置100は、車両に搭載されるものであり、位置検出器20、地図データ入力器30、操作スイッチ群40、表示装置50、音声出力装置60、ハードディスク70、およびこれらに接続された制御装置10を備えている。
【0018】
位置検出器20は、人工衛星からの電波に基づいて車両の現在位置を検出するGPSのためのGPS受信機21、車両の鉛直方向周りの角速度を検出するジャイロスコープ22、各転動輪の回転速度から速度を検出する車速センサ23、および地磁気を検出する地磁気センサ24を有しており、車両の現在位置および進行方向の検出を行う。これらの各センサ21〜24は、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、各センサの精度によっては位置検出器20を上述した内の一部で構成してもよいし、さらに、図示しないステアリングの回転センサ、車両の移動距離を検出する距離センサ等を用いる構成としてもよい。
【0019】
地図データ入力器30は、記憶媒体が装着され、その記憶媒体に格納されている位置検出の精度向上のための所謂マップマッチング用データ、地図データ、および目印データを含む各種データを入力するための装置である。地図データには、道路を示すリンクデータとノードデータとが含まれる。なお、リンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割したときのノード間を結ぶものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端及び終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、および制限速度等の各データから構成される。
【0020】
一方、ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、および交差点種類等の各データから構成される。
【0021】
また、上記記憶媒体には、各種施設の種類、名称、住所のデータなども記憶されており、それらのデータは経路探索の際の目的地設定などに用いられる。さらに、記憶媒体には、音声案内の発声地点となるデータとして、上述のノードデータのほかに、カーブ、踏み切りなどに関するデータも記憶されている。この発声地点を示す各データは、後ほど説明する音声データのIDと関連付けて記憶されている。なお、上記記憶媒体としては、例えば、ハードディスク70、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカード等を用いることができる。
【0022】
操作スイッチ群40は、例えば、表示装置50と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により制御装置10へ各種機能(例えば、地図縮尺変更、メニュー表示選択、目的地設定、経路探索、経路案内開始、現在位置修正、表示画面変更、音声案内設定、音量調整、ナビゲーション画面表示、ディスプレイ格納、ディスプレイ排出等)の操作指示を行う。また、操作スイッチ群40は、出発地および目的地を設定するためのスイッチを含んでいる。そのスイッチを操作することによって、ユーザ(つまり、車両の乗員)は、予め登録しておいた地点、施設名、電話番号、住所などから、出発地および目的地を設定することができる。
【0023】
表示装置50は、車両の走行を案内するための地図および目的地選択画面等を表示するナビゲーション画面表示などを行うものであって、フルカラー表示が可能なものであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて構成することができる。
【0024】
音声出力装置60は、スピーカ等から構成され、制御装置10の指示(制御装置10から出力されたデコードされた音声データ)に基づいて、経路案内時の案内音声などを発声する。
【0025】
ハードディスク70(以下の説明、及び図面においてはHDDとも称する)は、書き込み可能な記憶装置である。HDD70にはデータや電源をOFFしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図データ入力器30からコピーして利用したりする等の用途もある。また、HDD70は、比較的記憶容量の小さいリムーバブルなメモリであってもよい。
【0026】
さらに、このHDD70には、交差点、カーブ、踏み切りなどの発声地点で音声出力装置60から発声する案内音声のデータであり、所定の形式で圧縮された複数の音声データが記憶されている。なお、各音声データは、発声地点を示す各データと関連付けられたIDが付与されてHDD70に記憶されている。
【0027】
一般的にナビゲーション装置100における音声データは、ADPCM(適応的差分パルス符号変調、adaptive differential pulse code modulation)形式が採用されている。しかしながら、音声データのデータ容量の削減のために、例えば、ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding、登録商標)やACC(Advanced Audio Coding、登録商標)などのADPCMに比べて圧縮率の高い形式を採用することが望ましい。このように、ADPCMと比べて圧縮率の高い形式を採用することによって、音声データを記憶する記憶媒体(ここでは、HDD70)を小型化することができる。つまり、本実施の形態においてはHDD70を用いる例を採用しているが、メモリカードなど比較的記憶容量の小さいリムーバブルなメモリを採用することもできる。このように、音声データを記憶する媒体を小型化することによって、ナビゲーション装置100の体格も小型化できるので好ましい。
【0028】
制御装置10は、通常のマイコンとして構成されており、内部には周知のCPU、ROMやRAM12などのメモリ、I/O、およびこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)が備えられている。制御装置10は、図3などに示すように、案内機能処理部111、音声出力機能処理部112、HDDデータ管理部113、音声データデコード部114、音声用ドライバ部115などの複数のタスクを含むナビコア部11を備える。なお、ナビコア部11に関しては後ほど説明する。また、RAM12には、デコードされた音声データがIDと共に一時的に記憶される。
【0029】
また、制御装置10は、位置検出器20、地図データ入力器30、操作スイッチ群40、HDD70から入力された各種情報に基づき、ナビゲーション機能としての処理(例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内処理、音声案内処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理等)を実行する。例えば、経路探索実行処理においては、制御装置10は、操作スイッチ群40から出発地および目的地が入力されると、距離優先、時間優先等の予め設定された条件を満たす複数の移動経路を、公知のダイクストラ法を用いて案内経路を探索する。そして、経路案内処理では、経路探索実行処理において探索した移動経路を電子地図上に示して表示装置50で画像表示し、ユーザへの経路案内を行う。また、音声案内処理では、経路案内時に車両が案内音声の発声地点に達すると、音声出力装置60から案内音声を出力(発声)することによって音声での経路案内(音声案内)を行う。例えば、図2に示すように、案内経路G上に発声地点X1〜X3がある場合、車両Mが各発声地点X1〜X3に到達すると、発声地点毎に設定された案内音声を音声出力装置60から出力する。
【0030】
ナビゲーション装置100(ナビコア部11)は、音声出力装置60から案内音声を発声する音声案内処理では音声準備処理及び発声処理を実施する。ここで、ナビゲーション装置100(ナビコア部11)の音声準備処理動作及び発声処理動作に関して説明する。
【0031】
まず、図3、図4に基づいて、音声準備処理動作に関して説明する。なお、図4に示す処理は、経路案内及び音声案内を開始するとスタートするものである。
【0032】
ステップS10では、ナビコア部11の案内機能処理部111は、地図データ入力器30からのデータに基づいて、案内経路G上における車両Mの現在位置から所定距離先(予め設定された距離)までに存在する発声地点(音声案内における音声を出力する地点)を予め検出する。つまり、車両Mが到達したときに案内音声を発声する地点である案内音声の発声予定地点を予め検出する。換言すると、車両Mがこれから通過する予定の発声地点を検出する。
【0033】
ステップS11では、ナビコア部11の案内機能処理部111は、発声地点が有るか否かを判定し、発声地点が有ると判定した場合ステップS12へ進み、発声地点が有ると判定しない場合はステップS10へ戻る。なお、本実施の形態においては、一例として、図2に示すように、案内経路G上において、車両Mの現在位置から所定距離先までに3つの発声地点X1〜X3がある場合を用いて説明する。なお、このように予め発声地点を検出するのは、車両Mが発声地点に達したらすぐに音声を出力できるように、HDD70に圧縮されて記憶された音声データを予めデコードしておくためである。
【0034】
ステップS12では、ナビコア部11の案内機能処理部111は、検出された発声地点に関連付けられたID(音声データのID)を含む発声準備要求を示す信号(準備要求信号)を音声出力機能処理部112に対して出力する。つまり、検出された発声地点に関連付けられたIDの音声データに基づいた案内音声の発声を準備するように要求する。発声準備とは、HDD70に圧縮されて記憶された音声データを予めデコードしてRAM12に記憶しておくことである。
【0035】
このように、案内経路G上における車両Mの現在位置から所定距離先までに存在する発声地点を予め検出して、その発声地点に関連する圧縮された音声データをデコードして、RAM12に記憶することによって、案内経路上の全ての発声地点を検出する場合に比べて、検出する発声地点を少なくすることができる。したがって、デコードされた音声データを記憶するRAM12の記憶容量を少なくすることができるので好ましい。
【0036】
ただし、本発明はこれに限定されるものではない。案内経路上の全ての発声地点を予め検出して、その発声地点に関連する圧縮された音声データをデコードして、RAM12に記憶するようにしてもよい。
【0037】
ステップS13では、ナビコア部11の音声出力機能処理部112は、準備要求信号が入力されると、準備要求信号に含まれるID(検出された発声地点に関連付けられたID)の音声データをHDD70からロードするように依頼することを示す信号(ロード依頼信号)をHDDデータ管理部113に対して出力する。つまり、HDDデータ管理部113に対して、入力されたIDの音声データをHDD70からロードするように依頼する。
【0038】
ステップS14では、ナビコア部11のHDDデータ管理部113は、ロード依頼信号が入力されると、ロード信号に含まれるID(検出された発声地点に関連付けられたID)の音声データをHDD70からロードする。さらに、ステップS15では、ナビコア部11のHDDデータ管理部113は、ロード依頼信号が入力されると、HDD70からロードした音声データのデコードの依頼を示す信号(デコード依頼信号)を音声データデコード部114に対して出力する。つまり、音声データデコード部114に対して、HDD70からロードした音声データをデコードするように依頼する。
【0039】
ステップS16では、ナビコア部11の音声データデコード部114は、デコード依頼信号が入力されると、HDD70からロードした音声データをデコードして、そのデコードされた音声データをRAM12に記憶する。このとき、デコードされた音声データは、元のデータ(圧縮された状態の音声データ)に付与されていたIDが付与されてRAM12に記憶される。従って、どの発声地点に対する音声データがRMA12に記憶されているかを判定することができる。
【0040】
次に、図5、図6に基づいて、発声処理動作に関して説明する。なお、図6に示す処理は、経路案内及び音声案内を開始するとスタートするものである。
【0041】
ステップS20では、ナビコア部11の案内機能処理部111は、位置検出器20からの信号に基づいて車両Mの現在位置を検出すると共に、地図データ入力器30からのデータに基づいて発声地点(音声案内における音声を出力する地点)を検出する。
【0042】
ステップS21では、ナビコア部11の案内機能処理部111は、車両Mの現在位置が発声地点(音声案内における音声を出力する地点)に到達したか否かを判定し、到達と判定した場合はステップS22へ進み、到達と判定してない場合はステップS20へ戻る。
【0043】
ステップS22では、ナビコア部11の案内機能処理部111は、検出された発声地点に関連付けられたID(音声データのID)を含む発声要求を示す信号(発声要求信号)を音声出力機能処理部112に対して出力する。発声要求とは、予めデコードされてRAM12に記憶された音声データを音声出力装置60に出力して、音声出力装置60から案内音声を発声するように要求することである。
【0044】
ステップS23では、ナビコア部11の音声出力機能処理部112は、発声要求信号が入力されると、検出された発声地点に対応するデコード済みの音声データがRAM12に記憶されていることを確認する。これは、発声地点に関連付けられた音声データ(圧縮)のIDと、RAM12に記憶されたデコード済みの音声データのIDとを比較することによって行なう。そして、ナビコア部11の音声出力機能処理部112は、検出された発声地点に対応するデコード済みの音声データがRAM12に記憶されていることを確認したら、その音声データのIDを含む出力依頼を示す信号(出力依頼信号)を音声用ドライバ部115に対して出力する。なお、検出された発声地点に対応するデコード済みの音声データがRAM12に記憶されていない場合はステップS20へ戻る。
【0045】
ステップS24では、ナビコア部11の音声用ドライバ部115は、出力依頼信号が入力されると、RAM12にアクセスして、出力依頼信号に含まれるIDに対応するデコード済みの音声データを出力する。このデコード済みの音声データは、音声出力装置60に入力されて、音声出力装置60から案内音声が発声される。
【0046】
このように、案内経路G上における車両Mの現在位置から所定距離先までに存在する発声地点を予め(車両Mが発声地点に到達する前に)検出しておき、その検出した発声地点に関連付けられた圧縮された音声データをデコードしておく。そして、実際に車両Mがその発声地点に到達したときに、予めデコードしておいた音声データを音声出力装置60に出力して案内音声を発声させるので、実際に車両Mがその発声地点に到達したときに、その発声地点で発声させる圧縮された音声データをデコードする必要はない。
【0047】
従って、音声データの圧縮率を上げた場合であっても、車両Mが発声地点に到達したことを検出してから、案内音声を発声するまでの応答性を低下させることを抑制できる。また、音声データの圧縮率を上げることができるので、圧縮された音声データのデータ量を少なくすることができ、音声データを記憶する記憶部を小型化することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 制御装置、20 位置検出器、30 地図データ入力器、40 操作スイッチ群、50 表示装置、60 音声出力装置、70 ハードディスク、100 ナビゲーション装置、111 案内機能処理部、112 音声出力機能処理部、113 HDDデータ管理部、114 音声データデコード部、115 音声用ドライバ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるものであり、案内経路上における案内音声の発声地点に到達すると、その案内音声を発声する音声出力装置であって、
前記発声地点で発声する案内音声の音声データが当該発声地点と関連付けられて、圧縮された状態で記憶される第1記憶手段と、
前記案内経路上における前記車両が通過する予定の前記発声地点を検出する発声地点検出手段と、
前記発声地点検出手段にて検出された前記発声地点と関連付けられた前記音声データを前記第1記憶手段から取得してデコードするデコード手段と、
前記デコード手段にてデコードされた音声データが前記発声地点と関連付けられて記憶される第2記憶手段と、
前記車両が前記案内経路上における前記発声地点に到達したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段にて前記車両が前記発声地点に到達したと判定された場合に、前記第2記憶手段に記憶されている当該発声地点と関連付けられた前記音声データに基づいて案内音声を発声する出力手段と、
を備えることを特徴とする音声出力装置。
【請求項2】
前記発声地点検出手段は、前記案内経路上における前記車両の現在位置から所定距離先の前記発声地点を検出することを特徴とする請求項1に記載の音声出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−204570(P2010−204570A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52456(P2009−52456)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】