説明

風力発電装置、風力発電プログラム、及び情報記録媒体

【課題】始動抵抗の減少とともに自己始動性の向上を図り、低風速及び中風速時の動力損失を伴わずに、風速域に応じた発電機のみを駆動することができ、さらには、各発電機の延命を図ることができるようにする。
【解決手段】本発明は、風力に従って回転するブレードと、発電機M1,M2と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ発電機M1,M2とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構とを有するものであり、各発電機とブレードとを各別に接離するための基準となる接離用データを取得するための接離用データ取得手段C1と、上記取得した接離用データに基づいて、発電機M1,M2とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離手段C4とを設けたことを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力によってブレードを回転させることにより発電を行う風力発電装置、風力発電プログラム、及び情報記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所謂揚力型風車は定格風速域において高出力が得られる反面、始動時のトルクが小さいため、特に低風速時にスムーズに回転上昇しにくい欠点があり、この欠点を解決しようとした、例えば特許文献1に記載の構成からなる風力発電装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の風力発電装置は、風車出力回転軸に遠心クラッチを設けて、微風時には風車のみを空転させて回転エネルギを蓄積させておき、風車が所定の回転数に達した時に遠心クラッチに働く遠心力によって風車の出力軸を発電機入力軸に接続させることにより、その際に風車の慣性力で発電機起動時のコギング抵抗トルクを克服して自己始動を可能にしようとしたものである。
【0004】
しかし、上記した遠心クラッチは回転速度が遅い場合には回転速度の2乗に比例する遠心力が非常に小さくなるため、回転数や直径制限等によっては目的を確実に果たすことが難しい。
また、ダリウス型風車は、例えば特許文献2に開示されているように、特に始動時の発生トルクが微弱であるために自己始動能力が低く、このために、低速でも発生トルクの大きな抗力型ブレードを設けて最初の始動を図り、回転上昇後はクラッチ機能によって揚力型ブレードに発生した回転トルクを発電機に伝達する技術が知られている。
【0005】
上記の技術では、回転軸を内外二重構造にして、始動時にまず抗力型ブレードの回転軸トルクを一方向クラッチで発電機入力軸に連結し、揚力型ブレードによって回転速度が上昇して前記運転速度に追いついた瞬間に前記抗力型ブレードの回転軸が離脱して回転が遅れ始め、揚力型ブレードの回転軸のみに発電機入力軸が連結した状態となる。
しかし、この一方向クラッチは、風車出力回転軸を二重構造にしなければならず構造が複雑になることに加え、抗力型ブレードが大きく風車性能に影響するので全体的な風車性能の低下を招き、製造コスト及び性能の両面で得策でない。
【特許文献1】特開2002−327678号公報
【特許文献2】特開平9−287549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その他の解決策として、トルク伝達カップリングの次の位置に電磁クラッチか摩擦クラッチを使うことも可能であるが、この方法ではトルク伝達カップリング自体にトルク抵抗がある場合はこれを消すことができない。また、クラッチ自体が常時出カロスを発生する場合が多いという間題がある。
【0007】
一方、強風が吹いたときの貴重な風力エネルギを回収すべく発電機の定格出力を発生頻度の少ない高風速に対応した大きさにすると、始動トルクが増大してますます白己始動が困難になるとともに、運転の大部分を占める中風速・低風速において常に大きな動力損失を伴うのでかえって年間発電量が減って不利になりかねない。このためもあって、風力発電装置の発電機定格出力は小型風力発電装置においては普通20(m/sec)近くにもなる強風時の発電出力には対応していない。
【0008】
そこで本発明は、始動抵抗の減少とともに自己始動性の向上を図り、低風速及び中風速時の動力損失を伴わずに、風速域に応じた発電機のみを駆動することができ、さらには、各発電機の延命を図ることができる風力発電装置、風力発電プログラム、及び風力発電プログラムを記録した情報記録媒体の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の構成は、次のとおりである。
請求項1に記載の風力発電装置は、風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構とを有するものであり、各発電機とブレードとを各別に接離するための接離用データを取得するための接離用データ取得手段と、上記取得した接離用データに基づいて、各発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離手段とを設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の風力発電装置は、請求項1に記載したブレードの回転数を検出するための回転数検出センサと、風速計とが設けられており、接離用データ取得手段は、回転数検出センサから出力されたブレードの回転数を取得しかつ風速計から出力された風速値を取得するとともに、上記取得した風速値と回転数とによって、ブレードの周速比を算出する周速比算出手段が設けられており、発電機接離手段は、上記算出した周速比に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を行うことを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の風力発電装置は、請求項1に記載した風力発電装置に風速計が設けられており、接離用データ取得手段は、風速計から出力された風速値を取得するとともに、発電機接離手段は、上記取得した風速値に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を行うことを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の風力発電装置は、請求項1〜3のいずれかに記載した風力発電装置に、各発電機の出力値を計測する出力計が設けられており、接離用データ取得手段は出力計から出力された出力値を取得するとともに、発電機接離手段は、2台目以降の発電機とブレードとの接離を、上記取得した発電機の出力値に基づいて行うことを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載の風力発電装置は、請求項1〜3のいずれかに記載した風力発電装置に、各発電機に流れる電流値を計測する電流計が設けられており、接離用データ取得手段は電流計から出力された電流値を取得するとともに、発電機接離手段は、2台目以降の発電機とブレードとの接離を、上記取得した各発電機に流れる電流値に基づいて行うことを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の風力発電装置は、請求項1〜5のいずれかに記載した風力発電装置に、1台目の発電機をブレードに接離させるための第一の閾値と、2台目以降の発電機をブレードに接離させるための第二の閾値を記憶した記憶部と、上記第一の閾値と接離用データとに基づいて、1台目の発電機をブレードに接離するか否かを判定する第一の判定手段と、上記第二の閾値と接離用データとに基づいて、2台目以降の発電機をブレードに接離するか否かを判定する第二の判定手段とを設けているとともに、発電機接離手段は、第一,第二の判定手段の判定結果に従って、各発電機とブレードとを接離することを特徴としている。
【0015】
請求項7に記載の風力発電装置は、請求項1〜6のいずれかに記載した風力発電装置において、複数の発電機は、予め設定された各接離基準領域毎に適した定格出力を有していることを特徴としている。
【0016】
請求項8に記載の風力発電装置は、請求項1〜7のいずれかに記載した風力発電装置において、複数の発電機のうち、2台目以降の発電機の全部又は一部が他励磁式のものであり、上記他励磁方式の発電機を、ブレードに接続されている他の発電機によって励磁する励磁手段を有することを特徴としている。
【0017】
請求項9に記載の風力発電装置は、請求項1〜8のいずれかに記載した風力発電装置において、回転力伝達機構が、電磁力を介して回転力を各発電機に個別に伝達する電磁カップリングであることを特徴としている。
【0018】
請求項10に記載した風力発電装置は、請求項1〜9のいずれかに記載した風力発電装置において、回転力伝達機構が、ブレードの回転数を増加させて発電機に伝達する増速機構を有していることを特徴としている。
【0019】
請求項11に記載した風力発電装置は、請求項1〜10のいずれかに記載の回転伝達機構に、発電機の昇降をガイドする昇降ガイド部を設けていることを特徴としている。
【0020】
請求項12に記載した風力発電プログラムは、風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構とを有する風力発電装置に用いるものであり、各発電機とブレードとを各別に接離するための接離用データを取得するための接離用データ取得機能と、上記取得した接離用データに基づいて、各発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させることを特徴としている。
【0021】
請求項13に記載の風力発電プログラムは、風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構と、ブレードの回転数を検出するための回転数検出センサと、風速計とを有する風力発電装置に用いるものであり、回転数検出センサから出力されたブレードの回転数を取得しかつ風速計から出力された風速値を取得する接離用データ取得機能と、接離用データ取得手段で取得したブレードの回転数及び風速値により、ブレードの周速比を算出する周速比算出機能と、算出されたブレードの周速比に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させることを特徴としている。
【0022】
請求項14に記載の風力発電プログラムは、風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構と、風速計とを有する風力発電装置に用いるものであり、風速計から出力された風速値を取得する接離用データ取得機能と、接離用データ取得手段で取得した風速値に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させることを特徴としている。
【0023】
請求項15に記載の風力発電プログラムは、風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構と、各発電機の出力値を計測する出力計とを有する風力発電装置に用いるものであり、出力計から出力された出力値を取得する接離用データ取得機能と、上記取得した発電機の出力値に基づいて、2台目以降の発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させることを特徴としている。
【0024】
請求項16に記載の風力発電プログラムは、風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構と、各発電機に流れる電流値を計測する電流計とを有する風力発電装置に用いるものであり、電流計から出力された電流値を取得する接離用データ取得機能と、上記取得した電流値に基づいて、2台目以降の発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させることを特徴としている。
【0025】
請求項17に記載の情報記録媒体は、請求項11〜15のいずれかに記載の発電機接離プログラムを記録していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載した発明によれば、始動抵抗の減少とともに自己始動性の向上を図り、低風速及び中風速時の動力損失を伴わずに、風速域に応じた発電機のみを駆動することができ、さらには、各発電機の延命を図ることができる。
【0027】
請求項1に記載の発明で得られる効果に加え、各請求項に記載した発明によれば次の各効果を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、回転数検出センサから出力されたブレードの回転数を取得しかつ風速計から出力された風速値を取得しておき、この取得した風速値と回転数とによって、ブレードの周速比を算出し、この算出した周速比に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を行うようにしているので、1台目の発電機とブレードとの接離を発電効率のよい最適なタイミングで行うことができる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、風速計から出力された風速値を取得して、この取得した風速値に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を行うので、1台目の発電機とブレードとの接離を発電効率のよい最適なタイミングで行うことができる。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、出力計から出力された出力値を取得して、2台目以降の発電機とブレードとの接離を、上記取得した発電機の出力値に基づいて行うので、効率よく2台目以降の発電機の接離を行うことができ、また、各発電機に過負荷がかかることを防止できる。
【0030】
請求項5に記載の発明によれば、電流計から出力された電流値を取得して、2台目以降の発電機とブレードとの接離を上記取得した各発電機に流れる電流値に基づいて行うので、2台目以降の発電機の接離を効率よく行うことができ、また、各発電機に過電流が流れることによる焼損を防止できる。
【0031】
請求項6に記載の発明によれば、第一の閾値と接離用データとに基づいて、1台目の発電機をブレードに接離するか否かを判定するとともに、上記第二の閾値と接離用データとに基づいて、2台目以降の発電機をブレードに接離するか否かを判定し、それら第一,第二の判定手段の判定結果に従って、各発電機とブレードとを接離しているので、各発電機の接離を的確に行うことができる。
【0032】
請求項7に記載の発明によれば、複数の発電機は、予め設定された各接離基準領域毎に適した定格出力を有しているので、効率のよい発電を行うことができる。
【0033】
請求項8に記載の発明によれば、他励磁方式の発電機を、ブレードに接続されている他の発電機によって励磁しているので、安価な他励磁方式の発電機を採用することができる。
【0034】
請求項9に記載の発明によれば、回転力伝達機構として、電磁力を介して回転力を各発電機に個別に伝達する電磁カップリングを採用しているので、始動性を向上させることができる。
【0035】
請求項10に記載の発明によれば、回転力伝達機構が、ブレードの回転数を増加させて発電機に伝達する増速機構を有しているので、回転力伝達機構とは別に増速機構を設ける必要がなく、小型化を図ることができる。
【0036】
請求項11に記載の発明によれば、発電機の昇降を昇降ガイド部によりガイドしているので、発電機を昇降させる際、水平方向での振れを低減させることができる。従って、発電機を昇降させる際、発電機を簡易な構造のアクチュエータで昇降動作させても、発電機の軸の水平方向位置を確実に高精度に維持することができ、その結果入力軸結合部の芯ずれによる振動問題を防ぐことができる。
【0037】
請求項12に記載の発明によれば、始動抵抗の減少とともに自己始動性の向上を図り、低風速及び中風速時の動力損失を伴わずに、風速域に応じた発電機のみを駆動することができ、さらには、各発電機の延命を図ることができる。
【0038】
請求項13に記載の発明によれば、回転数検出センサから出力されたブレードの回転数を取得しかつ風速計から出力された風速値を取得しておき、この取得した風速値と回転数とによって、ブレードの周速比を算出し、この算出した周速比に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を行うようにしているので、1台目の発電機とブレードとの接離を発電効率のよい最適なタイミングで行うことができる。
【0039】
請求項14に記載の発明によれば、風速計から出力された風速値を取得して、この取得した風速値に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を行うので、1台目の発電機とブレードとの接離を発電効率のよい最適なタイミングで行うことができる。
【0040】
請求項15に記載の発明によれば、出力計から出力された出力値を取得して、2台目以降の発電機とブレードとの接離を、上記取得した発電機の出力値に基づいて行うので、効率よく2台目以降の発電機の接離を行うことができ、また、各発電機に過負荷がかかることを防止できる。
【0041】
請求項16に記載の発明によれば、電流計から出力された電流値を取得して、2台目以降の発電機とブレードとの接離を上記取得した各発電機に流れる電流値に基づいて行うので、2台目以降の発電機の接離を効率よく行うことができ、また、各発電機に過電流が流れることによる焼損を防止できる。
【0042】
請求項17に記載の発明によれば、第一の閾値と接離用データとに基づいて、1台目の発電機をブレードに接離するか否かを判定するとともに、上記第二の閾値と接離用データとに基づいて、2台目以降の発電機をブレードに接離するか否かを判定し、それら第一,第二の判定手段の判定結果に従って、各発電機とブレードとを接離しているので、各発電機の接離を的確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る風力発電システムの全体構成を示すブロック図、図2は、風車本体の一部を断面にして示す正面図、図3は、その風車本体の平面図、図4は、一例に係る回転力伝達機構を模式的に示すものであり、(A)は平面図、(B)は、2つのピニオンのうちの一方のものを噛合い位置に移動させた状態の正面図である。
【0044】
本発明の一実施形態に係る風力発電装置Aは、2つの発電機M1,M2、電磁カップリングD、2つのアクチュエータ11,12を基体10に組み込んだ風車本体Bと、これを制御するコントローラCとからなる。
【0045】
基体10は、電柱その他の円柱状ポール13に装着するための装着部14を下端部に配設されているとともに、上端部に発電機M1,M2を配設した中空固定柱15と、この中空固定柱15を中心として回転自在な回転体16とを有して構成されている。
【0046】
装着部14は、円柱状ポール13に冠装できる内径にし、かつ、下端面を開口した円筒形に形成されており、これにより、基体10を円柱状ポール13上にしっかりと固定できるようにしている。
【0047】
中空固定柱15は上下端面ともに開口した円筒形にして形成されており、側壁15aの下端部近傍には、発電機M1,M2、電磁カップリングDから延出した配線17を外部に導出するための導出孔15bが形成されている。
中空固定柱15の上端には、詳細を後述する発電機M1,M2を載置するための平面視円形の載置台18が固定されており、この載置台18の中心には、配線17用の導出孔18aが形成されている。
【0048】
回転体16は、中空固定柱15よりもやや短い全長からなる円筒形に形成されているとともに、軸受19,20,21を介して中空固定柱15に回転自在に環装された中空回転柱22と、この中空回転柱22の上下端部のそれぞれに、平面視において90(°)の角度間隔で突設されかつ流線形断面にした上下段の支持アーム23…,24…と、各対応する上段の支持アーム23…と下段の支持アーム24…により支持されているとともに、風速を揚力に変換して回転トルク(回転力)を生じる4枚のブレード25…とを有するものである。
【0049】
なお、回転体16の中空回転柱22は、風圧中心位置Gを跨いだ上側の軸受19,20と下側の軸受21の上下2箇所でラジアル方向の力を支えているので、回転体16の歪みを小さくすることができ、また、固有振動数も高くすることができるため、振れ回り等による大振動を起こす可能性を低減させられる。
また、本実施形態においては、片持構造の中空固定柱15を回転体16の上方に突設させられるので、中空固定柱15の上端に発電機M1,M2と詳細を後述する電磁カップリングDとを無理なく配置することができる。
【0050】
回転体16の上部にはトルク伝達筒26が配設されている。
トルク伝達筒26は、載置台18と、これに載置されている電動機M1,M2とを収容できる内容量にしているとともに、下端を開口しかつ上端を閉じた円筒形のものであり、開口26aを上段の支持アーム23…に固定している。
【0051】
トルク伝達筒26の上壁26b下面には、ブレード25…の回転トルク(回転力)を各発電機M1,M2に各別に伝達するための電磁カップリングDの一部をなすギヤ27が配設されているとともに、発電機M1,M2の出力軸28,29には、上記ギヤ27と磁気的に噛み合うピニオン30,31が固定されている。
【0052】
電磁カップリングDは、上記したギヤ27とピニオン30,31とからなり、それらギヤ27とピニオン30,31とが磁気的に噛み合うものである。なお、電磁カップリングは、磁気歯車装置ともいう。
【0053】
ギヤ27は、載置台18とほぼ同じ外径にした環状にして形成されており、ピニオン30,31との対向面に、図4に符号32で示す「S極」と「N極」33とが一定の角度間隔で交互に形成されている。
ピニオン30(31)は、ギヤ27の外径の略半分の外径にした環状にして形成されており、上記ギヤ27との対向面に「S極」32と「N極」33とが一定の角度間隔で交互に形成されている。
ギヤ27とピニオン30(31)とは、ギヤ27の一部とピニオン30(31)の一部とを互いに対向させて配設している。換言すると、所定の噛み合い領域を形成するようにして対向させている。
【0054】
本実施形態においては、上記したギヤ27とピニオン30,31が、ブレード25の回転数を増加させて発電機M1,M2に伝達する増速機構としての機能を兼備している。
増速比は、上記したギヤ27とピニオン30,31のS極32とN極33の数を増減調整することにより変更できる。
【0055】
発電機M1,M2は交流式のものであり、予め設定された各風速域毎に適した定格出力を有しているものである。
具体的には、1台目の発電機M1は、2台目の発電機M2の定格出力よりも小さいもの、従ってまた始動性の良好なものであり、また、本実施形態においては、2台目の発電機M2を他励磁式のものを採用しているとともに、1台目の発電機M1によって2台目の他励磁方式の発電機M2を励磁するようにしている。すなわち、安価な他励磁式の発電機を採用できるので、製造コストの低減を図ることができる。
【0056】
上記した発電機M1,M2は、アクチュエータ11,12を介して載置台18上に固定されており、アクチュエータ11,12を伸縮制御することにより、ピニオン30,31のそれぞれを、ギヤ27に磁気的に噛み合わせた噛合位置(イ)と、磁気的な噛み合わせを解除した非噛合位置(ロ)とに移動できるようにしている。
本実施形態においては、ギヤ27とピニオン30,31からなる電磁カップリングDと、アクチュエータ11,12により、ブレード25…の回転力を各発電機M1,M2に伝達しかつ各発電機M1,M2とブレード25…とを各別に接離可能な回転力伝達機構Eを構成している。
【0057】
本実施形態において「接離」とは、ピニオン30,31をギヤ27に接近させることにより両者を磁気的に噛み合わせ、ブレード25の回転トルクを発電機M1,M2に伝達させる状態と、ピニオン30,31をギヤ27から離反させて磁気的な噛み合わせを解除して、ブレード25…の回転トルクを発電機M1,M2に伝達させない状態とをいう。
【0058】
次に、コントローラCについて説明する。
コントローラCの入力側には、出力計8,9、風速計36、回転数検出センサ37が、また、出力側にバッテリ38、外部メモリ39、モニタ40、メカニカルブレーキユニット41、上述した風車本体Bの発電機M1,M2、アクチュエータ11,12等がそれぞれ接続されている。
【0059】
出力計8,9は、各発電機M1,M2の出力値を計測するものであり、出力計8が発電機M1に、また、出力計9が発電機M2に対応している。
【0060】
風速計36は風車本体Bの近傍に配置されており、また、回転数検出センサ37は、上記したブレード25(回転体16)…の回転数を検出するものである。
【0061】
モニタ40は、上記した風車本体Bから出力されるデータを表示するためのものであり、これにより、風車本体Bの発電状態をチェックできるようにしている。
【0062】
外部メモリ39はROM,RAMやハードディスク等からなる記憶部であり、それには所要の各種データが記憶されているとともに、1台目の発電機M1をブレード25…に接離させるための第一の閾値L1と、2台目以降の発電機M2…をブレード25…に接離させるための第二の閾値L2…を記憶している。図5は、閾値を説明するための説明図である。
同図において横軸は風速(m/sec)、縦軸は発電機の出力軸の軸端出力及びブレード25の周速比を示している。また、発電機の軸端出力を実線で示し、ブレード25の周速比を一点鎖線で示している。
また、本実施形態においては2台の発電機M1,M2を用いた例について説明しているが、同図には3台目の発電機M3を用いた場合についても示している。
【0063】
第一の閾値L1は、1台目の発電機M1とブレード25…との接離を行うための周速比であり、1台目の発電機とブレードとを接続するための平均周速比λ=1.2、及び1台目の発電機とブレードとを離反するための平均周速比λ=0.8である。
第二の閾値L2は、2台目の発電機M2とブレード25…との接離を行うための出力値であり、1台目の発電機M1の定格出力W1(Kw)、2台目の発電機M2とブレード25…とを離反するための1台目の発電機M1の定格出力W1×0.8(Kw)である。
「発電機をブレード25…(回転体26)に接続する」という文言は、電磁カップリングDを介してブレード25…(回転体26)に発電機を磁気的に噛み合わせて、ブレード25の回転トルクを発電機M1,M2に伝達させる意味である。
【0064】
コントローラCはCPU、メインメモリ、及びインターフェース回路等(いずれも図示していない)を有して構成されており、後述する所要のプログラムを実行することにより次の各機能を発揮するようになっている。
(1)各発電機M1,M2とブレード25…とを各別に接離するための基準となる接離用データを取得するための接離用データ取得機能。以下、この機能を接離用データ取得手段C1という。
本実施形態においては、接離用データとして、回転数検出センサ37からブレード25…(回転体26)の回転数を取得するとともに、風速計36から風速値を取得している。
【0065】
(2)取得した風速値と回転数とによって、周速比を算出する周速比算出機能。以下、この機能を周速比算出手段C2という。
周速比は、上記回転数によって算出される周速値を風速値で除することにより得ることができる。具体的には、60(sec)間の平均風速値を用い、10(sec)間の平均周速比を算出している。なお平均値を算出する時間は適宜に長短設定することができる。
【0066】
(3)上記第一の閾値L1と接離用データとに基づいて、1台目の発電機M1をブレード25…に接離するか否かを判定する機能。これを、第一の判定手段C3という。
本実施形態においては、第一の閾値L1として、上記した1台目の発電機とブレードとを接続するための平均周速比λ=1.2と、1台目の発電機とブレードとを離反するための平均周速比λ=0.8とからなる。
1台目の発電機M1がブレード25…に接続していないときには、10(sec)間の平均周速比と周速比λ=1.2とを比較し、当該平均周速比が周速比λ=1.2を超えているか否かを判定し、また、1台目の発電機M1がブレード25…に接続しているときには、10(sec)間の平均周速比が周速比λ=0.8とを比較し、当該平均周速比が周速比λ=0.8を下回っているか否かを判定している。
【0067】
(4)第二の閾値L2と接離用データとに基づいて、2台目以降の発電機をブレードに接離するか否かを判定する機能。これを、第二の判定手段C6という。
本実施形態においては、第二の閾値L2は、1台目の発電機M1の定格出力W1(Kw)と、2台目の発電機M2とブレード25…とを離反するための1台目の発電機M1の定格出力W1×0.8(Kw)とからなる。
【0068】
2台目の発電機M2がブレード25…に接続されていないときには、1台目の発電機M1の出力と定格出力W1(Kw)とを比較し、発電機M1の出力が定格出力W1(Kw)を超えているか否かを判定し、また、2台目の発電機M2がブレード25…に接続されているときには、1台目の発電機M1の出力と2台目の発電機M2の出力とを合算値と定格出力0.8×W1(Kw)とを比較し、当該合算値が定格出力0.8×W1(Kw)を超えているか否かを判定している。
【0069】
(5)上記取得した接離用データに基づいて、各発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構Eを介して行わせる発電機接離機能。以下、この機能を発電機接離手段C4という。
本実施形態においては、1台目の発電機M1がブレード25…に接続していないときには、第一の判定手段C3によって、10(sec)間の平均周速比と周速比λ=1.2とを比較することにより、当該平均周速比が周速比λ=1.2を超えていると判定された場合、発電機M1をブレード25…(回転体)に接続する。
また、1台目の発電機M1がブレード25…から離反しているときには、10(sec)間の平均周速比と周速比λ=0.8とを比較することにより、当該平均周速比が周速比λ=0.8を下回っていると判定された場合、発電機M1をブレード25…(回転体)から離反する。
【0070】
一方、2台目の発電機M2がブレード25…に接続されていないときに、1台目の発電機M1の出力と定格出力W1(Kw)とを比較することにより、発電機M1の出力が定格出力W1(Kw)を超えていると判定された場合、発電機M2をブレード25…(回転体)に接続する。
また、2台目の発電機M2がブレード25…に接続されているときに、1台目の発電機M1の出力と2台目の発電機M2の出力とを合算値と定格出力0.8×W1(Kw)とを比較することにより、当該合算値が定格出力0.8×W1(Kw)を下回っていると判定した場合、発電機M2をブレード25…(回転体)から離反する。
【0071】
(6)2台目以降の他励磁方式の発電機を、ブレードに接続されている他の発電機によって励磁する励磁機能。以下、この機能を励磁手段C5という。
具体的には、2台目以降の他励磁方式の発電機を、ブレードに接続されている他の発電機によって充電状態が保障されているバッテリ38によって励磁するようにしている。
本実施形態においては、1台目の発電機にM1によって、2台目の発電機M2を励磁している。
【0072】
本発明の一実施形態に係る風力発電プログラムは、風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構とを有する風力発電装置に用いるものであり、各発電機とブレードとを各別に接離するための接離用データを取得するための接離用データ取得機能と、上記取得した接離用データに基づいて、各発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させることを基本的な特徴としている。
【0073】
具体的には、回転数検出センサから出力されたブレードの回転数を取得しかつ風速計から出力された風速値を取得する接離用データ取得機能と、接離用データ取得手段で取得したブレードの回転数及び風速値により、ブレードの周速比を算出する周速比算出機能と、算出されたブレードの周速比に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させている。
【0074】
また、出力計から出力された出力値を取得する接離用データ取得機能と、上記取得した発電機の出力値に基づいて、2台目以降の発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させている。
【0075】
上述した風力発電プログラムは、ROM,RAMやハードディスク等からなる上記外部メモリ39に記憶されている他、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、可搬型のハードディスク等からなる携帯型の情報記録媒体に記録しておくことができる。
【0076】
次に、図6,7を参照して本装置の詳細な接離動作について説明する。図6,7は、2台の発電機を設けた場合の接離動作を示すフローチャートである。
まず、図示しないシステム電源をオフにしている状態では、風速計36による風速値、及びブレード25…の回転数のみを計測する運転待機モードになっている。
【0077】
ステップ1(図中「S1」で示す。以下、同様。):60(sec)間の平均風速値を算出して、ステップ2に進む。
ステップ2:60(sec)間の平均風速値が1(m/sec)よりも大きいか否かを判定し、大きいと判定すればステップ3に進み、そうでなければステップ4に進む。
【0078】
ステップ3:風速値及びブレード25の回転数に基づいて、10(sec)間の平均周速比を算出して、ステップ5に進む。
このステップ3以降、計測された風速値とブレードの回転数から、60(sec)間の平均風速値と、10(sec)間の平均周速比を算出することを内容とする運転モードになる。
【0079】
ステップ4:平均風速値が0.5(m/sec)よりも大きいか否かを判定し、大きいと判定されればステップ2に戻り、そうでなければステップ1に戻る。
ステップ5:10(sec)間の平均周速比が1.2よりも大きいか否かを判定し、大きいと判定されればステップ6に進み、そうでなければ当該ステップ5を繰り返し実行する。
ステップ6:1台目の発電機M1をブレード25…に接続してステップ7に進む。
【0080】
ステップ7:10(sec)間の平均周速比が0.8よりも大きいか否かを判定し、平均周速比が0.8よりも大きいと判定されればステップ10に進み、そうでなければステップ8に進む。
ステップ8:1台目の発電機M1をブレード25…から離反させてステップ9に進む。
ステップ9:60(sec)間の平均風速値が0.5(m/sec)よりも大きいか否かを判定し、大きいと判定されればステップ5に戻り、そうでなければステップ1に戻る。この間運転モードが継続される。
ステップ10:1台目の発電機M1の出力が閾値L1よりも大きいか否かを判定し、大きいと判定されればステップ11に進み、そうでなければステップ8に戻る。
「閾値L1」は、本実施形態においては発電機M1の定格出力であるが、これに限るものではなく、当該定格出力を中心とした上下数パーセントの範囲に設定してもよく、また、最大出力としてもよい。
ステップ11:2台目の発電機M2をブレード25…に接続して、ステップ12に進む。
【0081】
ステップ12:1台目と2台目の発電機M1,M2の合算出力が、1台目の発電機M1の閾値L1に0.8を乗じた値以上であるか否かを判定し、1台目の発電機M1の閾値L1に0.8を乗じた値以上であると判定されれば、ステップ13に進み、そうでなければステップ16に進む。
ステップ13:バッテリ電圧が上限電圧を超えているか否かを判定し、バッテリ電圧が上限電圧を超えていればステップ14に進み、そうでなければステップ15に進む。
【0082】
ステップ14:メカニカルブレーキユニット41によりブレード25…の運転を停止して処理を終了する。
ステップ15:10(sec)間の平均周速比が0.8よりも大きいか否かを判定し、平均周速比が0.8よりも大きいと判定されればステップ12に戻り、そうでなければステップ16に進む。
【0083】
ステップ16:2台目の発電機M2をブレード25…から離反させて、ステップ17に進む。
【0084】
ステップ17:10(sec)間の平均周速比が0.8よりも大きいか否かを判定し、平均周速比が0.8よりも大きいと判定されればステップ11に戻り、そうでなければステップ8に戻る。
【0085】
次に、他例に係る風車本体について説明する。図8は、他例に係る風車本体の一部を断面にした正面図である。
他例に係る風車本体B′は、基体50、2つの発電機M1,M2、2つのアクチュエータ11,12を有して構成されている。なお、風車本体B′を制御するコントローラC、発電機M1,M2、アクチュエータ11,12、電磁カップリングD、回転力伝達機構Eについては、前述した実施形態と同等のものであるので、それらに同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
基体50は、架台51に下端部に固定した中空固定柱52と、この中空固定柱52に同軸的に配設され、中空固定柱52に対して回転自在な回転支持軸53と、この回転支持軸53と一体的に回転自在な回転体54とを有して構成されている。
【0087】
架台51は、前述した電動機M1,M2を収容できる内容量にしかつ上下面を閉じた円筒形のものであり、上壁55の中心には回転支持軸53を遊挿するための遊挿孔55aが形成されているとともに、遊挿孔55aに遊挿されている回転支持軸53の下端部を支持するための軸受57が配設されている。
【0088】
架台51の下壁56には、前述したアクチュエータ11,12を介して発電機M1,M2が配設されているとともに、それら発電機M1,M2の出力軸28,29には、上記ギヤ27と磁気的に噛み合うピニオン30,31が固定されている。
【0089】
中空固定柱52は、上下面を開口した円筒形にして形成されており、下端を上壁55に固定している。
【0090】
回転支持軸53は、軸受57を介して架台51に回転自在に支持されており、下端部には、ブレード25…の回転トルク(回転力)を各発電機M1,M2に各別に伝達するための電磁カップリングDの一部をなすギヤ27が配設されている。
上端部の上壁58には、フレキシブル継手59を介して回転体54の一部をなす外装筒60が固定されている。
【0091】
回転体54は、外装筒60の上下端部のそれぞれに、平面視において90(°)の角度間隔で突設した流線形断面にした上中下段の支持アーム23…,61…,24…と、各対応する上中下段の支持アーム23…,61…,24…により支持されているとともに、風速を揚力に変換して回転トルク(回転力)を生じる4枚のブレード25…とを有するものである。
【0092】
外装筒60は、中空固定柱52よりもやや短い全長にしかつ上面を閉じた円筒形のものであり、軸受19,20,21を介して中空固定柱52に回転自在に環装されている。
【0093】
この他例に係る風車本体によれば、発電機M1,M2を基礎の上に直接設置することができ、また、回転体54真下の自由なスペースに発電機M1,M2を配設できるので、大きさとレイアウトを自由に設計することが可能になる。
さらに、振動を容易に抑制でき発電機M1,M2の大型化が容易になるとともに自由度の高い意匠デザインを実現する可能性が広がるとともに、風圧中心位置を跨いだ位置、例えば上下に軸受19,20,21を配しているので、回転支持軸53を下方へ長く伸ばす必要がなく、また、回転支持軸53を振動させる荷重と曲げモーメントの小さな安定した運転を容易に維持することができる。
【0094】
次に、図9を参照して、3台の発電機を設けた場合における接離動作について説明する。図9は、3台の発電機を設けた場合の接離動作の一部を示すフローチャートである。なお、図9に示すフローチャートは、図7に示すステップ15からの続きである。
図7に示すステップ15において、10(sec)間の平均周速比が0.8よりも大きいか否かを判定し、平均周速比が0.8よりも大きいと判定されればステップ18に進み、そうでなければステップ16に進む。
【0095】
ステップ18:1台目と2台目の発電機M1,M2の合算出力が、1台目の発電機M1の閾値L2以上であるか否かを判定し、1台目と2台目の発電機M1,M2の合算出力が閾値L2以上であると判定されればステップ19に進み、そうでなければステップ15に戻る。
「閾値L2」は、本実施形態においては発電機M2の定格出力であるが、これに限るものではなく、当該定格出力を中心とした上下数パーセントの範囲に設定してもよく、また、最大出力としてもよい。
【0096】
ステップ19:3台目の発電機M3をブレード25…に接続してステップ20に進む。
ステップ20:1台目と2台目の発電機M1,M2の合算出力が、2台目の発電機M2の閾値L2に0.8を乗じた値以上であるか否かを判定し、2台目の発電機M2の閾値L2に0.8を乗じた値以上であると判定されればステップ21に進み、そうでなければステップ24に進む。
【0097】
ステップ21:バッテリ電圧が上限電圧を超えているか否かを判定し、バッテリ電圧が上限電圧を超えていればステップ22に進み、そうでなければステップ23に進む。
ステップ22:メカニカルブレーキユニット41によりブレード25…の運転を停止して処理を終了する。
ステップ23:10(sec)間の平均周速比が0.8よりも大きいか否かを判定し、平均周速比が0.8よりも大きいと判定されればステップ20に戻り、そうでなければステップ24に進む。
【0098】
ステップ24:3台目の発電機M3をブレード25…から離反させて、ステップ25に進む。
ステップ25:10(sec)間の平均周速比が0.8よりも大きいか否かを判定し、平均周速比が0.8よりも大きいと判定されればステップ18に戻り、そうでなければステップ16に戻る。
【0099】
図10を参照して他例に係る回転力伝達機構について説明する。図10は、他例に係る回転力伝達機構の一部を断面にして示す正面図である。
他例に係る回転力伝達機構Gは、図8に示す他例に係る風車本体B′に適用するものであり、それは、回転支持軸53の下端に固定されたギヤ100、発電機M1,M2の出力軸28,29に固定されたクラッチ機構101,102、それらクラッチ機構101,102を介して発電機M1,M2の出力軸28,29に連結されるピニオン103,104を有して構成されている。
【0100】
本実施形態においては、上記したギヤ100とピニオン103,104が、ブレード25の回転数を増加させて発電機M1,M2に伝達する増速機構としての機能を兼備している。
増速比は、上記したギヤ100とピニオン103,104の歯車数を増減調整することにより変更できる。
【0101】
上記した発電機M1,M2は、クラッチ101,102をコントローラCにより制御することにより、ピニオン30,31の回転力を発電機M1,M2に伝達し、また、伝達を解除するようになっている。
【0102】
図11〜図13を参照して、一例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構について説明する。図11は、一例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構の断面図、図12は、図11に示す一例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構の動作を示す説明図、図13は図11に示すX−X線に沿う断面図である。
なお、前述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0103】
一例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構(以下、単に「回転力伝達機構」という)Hは、前述した図2に示すような揚力形の直線翼型垂直軸風車を採用した比較的小規模の風力発電システムに用いられるものである。
【0104】
回転力伝達機構Hは、支持枠体200、スライド枠体201、アクチュエータであるベローズタンク251、及び発電機M1,M2を有して構成されている。なお、以下には、回転力伝達機構Hを発電機M1に適用した例について説明するが、発電機M2について同様であるので説明を省略する。
【0105】
支持枠体200は前述した載置台18上に固定されており、平面視略方形枠を構成するように起立した4枚の側板202…,これら側板202…の上端部間に固定された平面視方形の天板203,側板202…の下端部間に固定された底板204によりやや縦長の四角筒形になっている。
【0106】
側板202は、後述するスライド枠体201の側板205よりも上下長が長く形成されており、スライド枠体201の側板205の外側面に摺接するようになっている。
この側板202の内面であって中央部には、スライド枠体201の側板205に形成したガイド突起205aに対応した上下端面間にわたり上下方向に延びるガイド溝202aが設けられている。
天板203の中央には、発電機M1の出力軸28を突出させるための円形の開口203aが形成されている。
【0107】
スライド枠体201は、平面視略方形枠を構成するように起立した4枚の側板205…,これら側板205…の上端部に固定された平面視方形の天板206、側板205…の上端部に固定された底板207によりやや縦長の四角筒形に形成されており、この中に発電機M1が収容されている。
側板205の外面であって中央部には、これの上下端面間にわたり上下方向に延びるガイド突起205aが形成されており、上記したガイド溝202aに摺動自在に嵌合されている。
天板206の中央には、発電機M1の出力軸28を突出させるための円形の開口206aが形成されている。
底板207は、発電機M1の下端部との間にスライド駆動機構250の一部を収容するスペースを形成している。
本例においては、側板202のガイド溝202aと、側板205のガイド突起205aとにより、発電機M1の昇降をガイドする昇降ガイド部300を構成している。
【0108】
この昇降ガイド部300を設けることにより、スライド枠体201のガイド突起205aが、発電機M1を支持した支持枠体200のガイド溝202aに摺動自在に嵌合していることにより、発電機M1を昇降させる際の水平方向での振れを低減させることができる。これにより、ベローズタンク251のような簡易な構造のアクチュエータを採用することができ、コスト低減に寄与できる。
【0109】
支持枠体200の底板204とスライド枠体201の底板207との間には、復帰バネ208が介設されている。
復帰バネ208は例えばコイルスプリングからなるものであり、スライド枠体201を上方に向けて弾性的に付勢している。換言すると、スライド枠体201を電磁カップリングD方向に弾性的に付勢している。
【0110】
スライド駆動機構250は、ベローズタンク251,送排気パイプ252を有しており、送気ポンプP(図11参照)による空気圧力を利用してスライド枠体201を上下方向でスライド(摺動)する機能を有している。
【0111】
ベローズタンク251は、内部の空気圧の増減に従って上下方向で弾性的に変形できるように、周壁を蛇腹形に成型した円筒体形にして形成されており、下端面251aを底板207に当接させてスライド枠体201の内部に収容されている。
【0112】
送排気パイプ252は、前述の載置台18に内設されており、支持枠体200の底板204とスライド枠体201の底板207とを貫通して、一端部がベローズタンク251に接続され、また、他端部が送気ポンプPに接続されている。これにより、ベローズタンク251の内部に対して空気を送気,排気することができるようにしている。
なお、送気ポンプPは、前述した載置台18付近の地上等に設置されて、ベローズタンク251に対する空気の送気,排気を行うようになっている。
【0113】
ベローズタンク251は、取付枠253によってスライド枠体201の内部で規制されている。
取付枠253はコ字形に形成されており、スライド枠体201の側板205と支持枠体200の側板202との下端部寄りに嵌合されて、一部がスライド枠体201の内部に突出した基枠254と、基枠254に固定されてベローズタンク251の上端面に当接する座板255とからなる。
上記の構成によれば、電磁カップリングD付近に特別な部材が配置されないため、直線翼型垂直軸風車、発電機M1(M2)の設置間隔の短縮化が阻害されることはない。
【0114】
上記した発電機M1(M2)は、送気ポンプPをコントローラCにより制御することにより、ピニオン30(31)の回転力を発電機M1(M2)に伝達し、また、伝達を解除するようになっている。
【0115】
電磁カップリングDのピニオン30を非噛合位置(ロ)に移動するには、図11に示すように、スライド駆動機構250の送気ポンプPを駆動して送排気パイプ252から空気をベローズタンク251に送気する。
空気が送気されたベローズタンク251は、上下方向に伸張して支持枠体200の内部でスライド枠体201を下方に摺動させる。この結果、スライド枠体201に収容されている発電機M1が下降して、電磁カップリングDのピニオン30を非噛合位置(ロ)に移動する。
【0116】
他方、電磁カップリングDを噛合位置(イ)に移動させるには、図12に示すように、送気ポンプPの駆動を停止してベローズタンク251の空気を送排気パイプ252から排気する。
空気が排気されたベローズタンク251は、上下方向に収縮して、支持枠体200の内部でスライド枠体201を上方に摺動させる。この結果、スライド枠体201に収容されている発電機M1が上昇して、電磁カップリングDのピニオン30を噛合位置(イ)に移動する。
なお、スライド枠体201の上昇は、復帰バネ208によって助勢される。従って、ベローズタンク251から空気を積極的に吸引排気しなくても、高速に電磁カップリングDのピニオン30を噛合位置(イ)に移動することができる。
【0117】
この構成では、スライド駆動機構250によりスライド枠体201とともに発電機M1自体を摺動させているため、全体が特に径方向(図面の横方向)で複雑化,大型化するのを避けることができ、従って、直線翼型垂直軸風車を採用した風力発電システムに適するように簡素化,小型化されることになる。
【0118】
なお、相対的に時間の長い電磁カップリングDの接続時に送気ポンプPの駆動を停止するようにしているため、電磁カップリングDの断続のためのスライド駆動機構250の駆動エネルギが低減され、例えばより小さい容量の送気ポンプPを採用することができる。
また、非接触式の電磁カップリングDを採用しているので断続の動作域が短く、このため、電磁カップリングDの断続を高速に行うことができるとともに、スライド駆動機構250の駆動エネルギの低減にも役立つ。
さらに、空気圧力を利用したベローズタンク251を採用しているので、機械的摩擦が生じないため、発電機M1周りでの無用の熱,静電気の発生を防止することができる。
【0119】
図14,図15は、他例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構を示すものであり、図14は、他例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構の断面図、図15は、図14に示す他例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構の動作を示す説明図である。なお、図11〜13に示すものと同等とのものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
【0120】
他例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構は、図11〜13に示す取付枠253を省略し、スライド枠体201の天板206と支持枠体200の天板203との間に復帰バネ208を介装して、スライド枠体201を弾圧して電磁カップリングDとは逆の方向に付勢した構成のものである。
【0121】
電磁カップリングDのピニオン30を非噛合位置(ロ)に移動するには、図15に示すように、スライド駆動機構250の送気ポンプPの駆動を停止してベローズタンク251の空気を送排気パイプ252から排気する。
空気が排気されたベローズタンク251は、上下方向で収縮して、支持枠体200の内部でスライド枠体201をスライド降下させる。この結果、スライド枠体201に収容されている発電機M1が降下して、電磁カップリングDのピニオン30を非噛合位置(ロ)に移動する。
なお、スライド枠体201のスライド降下は、復帰バネ208によって助勢される。従って、スライド駆動機構250のベローズタンク251から空気を積極的に吸引排気しなくても、電磁カップリングDを高速に切断することができる。
【0122】
他方、電磁カップリングDを噛合位置(イ)に移動させるには、図14に示すように、送気ポンプPを駆動して送排気パイプ252からベローズタンク251に空気を送気する。
空気が送気されたベローズタンク251は、上下方向に伸張して、支持枠体200の内部でスライド枠体201をスライド上昇させる。この結果、スライド枠体201に収容されている発電機M1が上昇して、電磁カップリングDのピニオン30を噛合位置(イ)に移動する。
図11〜13において説明した一例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構よりも、全体の構造をより簡素化,小型化することができる。また、図示した各例の他に、スライド駆動機構250に油圧力を利用することも可能である。
【0123】
なお、本発明は前述した実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
a)前述した実施形態においては、発電機接離手段が、算出した周速比に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を行う例について説明したが、接離用データ取得手段により、風速計から出力された風速値を取得するとともに、発電機接離手段が、上記取得した風速値に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を行うようにしてもよい。
【0124】
b)前述した風力発電装置に、各発電機に流れる電流値を計測する電流計を設けておき、接離用データ取得手段が電流計から出力された電流値を取得するとともに、発電機接離手段が、2台目以降の発電機の発電機とブレードとの接離を、上記取得した各発電機に流れる電流値に基づいて行うようにしてもよい。
【0125】
c)上述した実施形態においては、2台目の発電機M2を他励磁式のものを採用しているとともに、1台目の発電機M1により2台目の当該発電機M2を励磁するようにした例について説明したが、3台以上の発電機を設けている場合、2台目以降の他励磁方式の発電機を、ブレードに接続されている他の発電機によって励磁すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明の一実施形態に係る風力発電システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】風車本体の一部を断面にして示す正面図である。
【図3】同上の風車本体の平面図である。
【図4】一例に係る回転力伝達機構を模式的に示すものであり、(A)は平面図、(B)は、2つのピニオンのうちの一方のものを噛合い位置に移動させた状態の正面図である。
【図5】閾値を説明するための説明図である。
【図6】2台の発電機を設けた場合の動作を示すフローチャートである。
【図7】2台の発電機を設けた場合の動作を示すフローチャートである。
【図8】他例に係る風車本体の一部を断面にした正面図である。
【図9】3台の発電機を設けた場合の接離動作の一部を示すフローチャートである。
【図10】他例に係る回転力伝達機構の一部を断面にして示す正面図である。
【図11】一例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構の断面図である。
【図12】図11に示す一例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構の動作を示す説明図である。
【図13】図13は図11に示すX−X線に沿う断面図である。
【図14】他例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構の断面図である。
【図15】図14に示す他例に係る昇降ガイド部を備えた回転力伝達機構の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0127】
25 ブレード
36 風速計
37 回転数検出センサ
39 記憶部(外部メモリ)
C1 接離用データ取得手段
C2 周速比算出手段
C3 第一の判定手段
C4 発電機接離手段
C5 励磁手段
C6 第二の判定手段
D 電磁カップリング
E,G,H 回転力伝達機構
M1,M2,M3 発電機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構とを有する風力発電装置であって、
各発電機とブレードとを各別に接離するための接離用データを取得するための接離用データ取得手段と、
上記取得した接離用データに基づいて、各発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離手段とを設けたことを特徴とする風力発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の風力発電装置に、ブレードの回転数を検出するための回転数検出センサと、風速計とが設けられており、
接離用データ取得手段は、回転数検出センサから出力されたブレードの回転数を取得しかつ風速計から出力された風速値を取得するとともに、
上記取得した風速値と回転数とによって、ブレードの周速比を算出する周速比算出手段が設けられており、
発電機接離手段は、上記算出した周速比に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を行うことを特徴とする風力発電装置。
【請求項3】
請求項1に記載の風力発電装置に風速計が設けられており、
接離用データ取得手段は、風速計から出力された風速値を取得するとともに、
発電機接離手段は、上記取得した風速値に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を行うことを特徴とする請求項1に記載の風力発電装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の風力発電装置に、各発電機の出力値を計測する出力計が設けられており、
接離用データ取得手段は出力計から出力された出力値を取得するとともに、
発電機接離手段は、2台目以降の発電機とブレードとの接離を、上記取得した発電機の出力値に基づいて行うことを特徴とする風力発電装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の風力発電装置に、各発電機に流れる電流値を計測する電流計が設けられており、
接離用データ取得手段は電流計から出力された電流値を取得するとともに、発電機接離手段は、2台目以降の発電機とブレードとの接離を、上記取得した各発電機に流れる電流値に基づいて行うことを特徴とする風力発電装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の風力発電装置に、1台目の発電機をブレードに接離させるための第一の閾値と、2台目以降の発電機をブレードに接離させるための第二の閾値を記憶した記憶部と、
上記第一の閾値と接離用データとに基づいて、1台目の発電機をブレードに接離するか否かを判定する第一の判定手段と、
上記第二の閾値と接離用データとに基づいて、2台目以降の発電機をブレードに接離するか否かを判定する第二の判定手段とを設けているとともに、
発電機接離手段は、第一,第二の判定手段の判定結果に従って、各発電機とブレードとを接離することを特徴とする風力発電装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の風力発電装置において、複数の発電機は、風速域毎に適した定格出力を有していることを特徴とする風力発電装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の風力発電装置において、複数の発電機のうち、2台目以降の発電機の全部又は一部が他励磁式のものであり、
上記他励磁方式の発電機を、ブレードに接続されている他の発電機によって励磁する励磁手段を有することを特徴とする風力発電装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の風力発電装置において、回転力伝達機構が、電磁力を介して回転力を各発電機に個別に伝達する電磁カップリングであることを特徴とする風力発電装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の風力発電装置において、回転力伝達機構が、ブレードの回転数を増加させて発電機に伝達する増速機構を有していることを特徴とする風力発電装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の風力発電装置において、回転伝達機構には、発電機の昇降をガイドする昇降ガイド部を設けていることを特徴とする風力発電装置。
【請求項12】
風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構とを有する風力発電装置に用いる風力発電プログラムであって、
各発電機とブレードとを各別に接離するための接離用データを取得するための接離用データ取得機能と、
上記取得した接離用データに基づいて、各発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させることを特徴とする風力発電装置に用いる風力発電プログラム。
【請求項13】
風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構と、ブレードの回転数を検出するための回転数検出センサと、風速計とを有する風力発電装置に用いる風力発電プログラムであって、
回転数検出センサから出力されたブレードの回転数を取得しかつ風速計から出力された風速値を取得する接離用データ取得機能と、
接離用データ取得手段で取得したブレードの回転数及び風速値により、ブレードの周速比を算出する周速比算出機能と、
算出されたブレードの周速比に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させることを特徴とする風力発電装置に用いる風力発電プログラム。
【請求項14】
風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構と、風速計とを有する風力発電装置に用いる風力発電プログラムであって、
風速計から出力された風速値を取得する接離用データ取得機能と、
接離用データ取得手段で取得した風速値に基づいて、1台目の発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させることを特徴とする風力発電装置に用いる風力発電プログラム。
【請求項15】
風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構と、各発電機の出力値を計測する出力計とを有する風力発電装置に用いる風力発電プログラムであって、
出力計から出力された出力値を取得する接離用データ取得機能と、
上記取得した発電機の出力値に基づいて、2台目以降の発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させることを特徴とする風力発電装置に用いる風力発電プログラム。
【請求項16】
風力に従って回転するブレードと、複数の発電機と、ブレードの回転力を各発電機に伝達しかつ各発電機とブレードとを各別に接離可能な回転力伝達機構と、各発電機に流れる電流値を計測する電流計とを有する風力発電装置に用いる風力発電プログラムであって、 電流計から出力された電流値を取得する接離用データ取得機能と、
上記取得した電流値に基づいて、2台目以降の発電機とブレードとの接離を回転力伝達機構を介して行わせる発電機接離機能とを実現させることを特徴とする風力発電装置に用いる風力発電プログラム。
【請求項17】
請求項12〜16のいずれかに記載の発電機接離プログラムを記録していることを特徴とする情報記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−163745(P2008−163745A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−350503(P2006−350503)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(502037638)株式会社アイ・ピー・ビー (28)
【Fターム(参考)】