説明

駆動装置、表示装置、駆動装置複合物及び集積回路装置

【課題】 小型かつ簡素な構成の駆動装置や、当該駆動装置を備える表示装置、複数の当該駆動装置から成る駆動装置複合物、当該駆動装置に備えられる集積回路装置を提供する。
【解決手段】 駆動装置1は、表示部に出力する出力信号を生成する集積回路部10と、集積回路部10と電気的に接続する配線部20と、を備える。集積回路部10は、出力信号を生成する複数の出力回路を備える。配線部20は、一端部が出力回路に電気的に接続する複数の出力配線24−1〜24−3と、出力配線24−1〜24−3の他端部に電気的に接続するとともに駆動装置1の外部に出力信号を出力する複数の出力部23−1〜23−3と、を備える。出力部23−1〜23−3は、所定方向(X方向)に沿って配置され、複数の出力部23−1〜23−3で出力部群G1〜G3が構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部に対して出力信号を出力する駆動装置や、当該駆動装置を備える表示装置に関する。また、複数の当該駆動装置が一体化して成る駆動装置複合物や、当該駆動装置が備える集積回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置などに代表される表示装置において、製造方法の簡易化や狭額縁化が求められている。具体的に例えば、特許文献1では、ソースドライバに備えられる集積回路部を、表示パネルの端辺に沿って伸びた細長い形状にすることで、狭額縁化を図るとともに、ソースドライバを折り曲げずに表示装置に対して簡易に実装することが、提案されている。
【0003】
また、図9〜図11を参照して、上記の細長い形状の集積回路部を備えるソースドライバの構成例について説明する。図9は、従来のソースドライバの構成の一例について示すブロック図である。図10は、従来のソースドライバの構成の別例について示すブロック図である。また、図11は、従来のソースドライバの出荷時における形態を示す模式図である。
【0004】
図9に示すように、ソースドライバ100は、集積回路部110と、配線部120と、集積回路部110及び配線部120が設けられるテープ基材130と、を備える。集積回路部110は、入力信号を処理する入力回路111と、入力回路111から入力される信号に応じて出力信号を生成する出力回路112と、集積回路部110の動作を制御する制御回路113と、入力回路111と電気的に接続して集積回路部110の外部から入力信号が入力される入力端子114と、出力回路112と電気的に接続して集積回路部110の外部に出力信号を出力する出力端子115と、を備える。また、配線部120は、ソースドライバ100の外部から入力信号が入力される入力部121と、入力部121と入力端子114とを電気的に接続する入力配線122と、ソースドライバ100の外部に出力信号を出力する出力部123と、出力部123と出力端子115とを電気的に接続する出力配線124と、を備える。
【0005】
図10に示すソースドライバ200も同様である。ソースドライバ200は、集積回路部210と、配線部220と、集積回路部210及び配線部220が設けられるテープ基材230と、を備える。集積回路部210は、入力信号を処理する入力回路211と、入力回路211から入力される信号に応じて出力信号を生成する出力回路212と、集積回路部210の動作を制御する制御回路213と、入力回路211と電気的に接続して集積回路部210の外部から入力信号が入力される入力端子214と、出力回路212と電気的に接続して集積回路部210の外部に出力信号を出力する出力端子215と、を備える。また、配線部220は、ソースドライバ200の外部から入力信号が入力される入力部221と、入力部221と入力端子214とを電気的に接続する入力配線222と、ソースドライバ200の外部に出力信号を出力する出力部223と、出力部223と出力端子215とを電気的に接続する出力配線224と、を備える。
【0006】
ただし、図9に示すソースドライバ100は、集積回路部110内の出力回路112が、集積回路部110の長手方向(図中の上下方向)に沿って一列に並ぶ構成である。一方、図10に示すソースドライバ200は、集積回路部220内の出力回路212が、集積回路部210の長手方向(図中の上下方向)に沿って二列に並ぶ構成である。
【0007】
また、図11に示すように、ソースドライバ300は、複数のソースドライバ300を有するソースドライバ複合物340をリール350に巻き取った状態で、出荷される。ソースドライバ複合物340は、当該複数のソースドライバ300に共通するテープ基材330に、それぞれのソースドライバ300の集積回路部310及び配線部320を設けたものである。また、ソースドライバ複合物340の全体では、複数のソースドライバ300が、テープ基材330の長手方向に沿って一列に並ぶように設けられている。
【0008】
また、ソースドライバ複合物340は、テープ基材330の長手方向を巻き取り方向として、リール350に巻き取られる。このとき、それぞれのソースドライバ300の集積回路部310は、その長手方向がテープ基材330の長手方向に対して垂直になるように、テープ基材330に設けられている。そのため、リール350にソースドライバ複合物340が巻き取られたとしても、集積回路部310が受ける応力は低減される。
【0009】
また、テープ基材330の長手方向に対して垂直な方向の両端部には、一列に並ぶ複数のソースドライバ300を挟むように、テープ基材330の長手方向に沿った複数の穴341の列が、一列ずつ設けられている。この穴341に、例えばスプロケット等の歯を嵌合させて回転させることで、ソースドライバ複合物340が送出される。例えば、ソースドライバ複合物340からソースドライバ300を切り抜く際や、ソースドライバ300の動作をテストする際に、当該送出が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平4−242945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、昨今の表示装置は、表示パネルの画素数が多くなってきているが、回路規模やコストの増大を抑制するためには、1つの表示装置に備えるソースドライバの数を低減する(特に、集積回路部を1つにする)必要がある。換言すると、図9や図10に示す出力部123,223、出力配線124,224及び出力端子115,215を、ソースドライバ100,200及び集積回路部110,210に多数備える必要がある。具体的に例えば、表示パネルの画素数が768×1368(行方向の画素数×列方向の画素数)であり、行方向に並ぶ3つ(R、G、B)の表示素子によって一つの画素が構成される場合、ソースドライバ100,200及び集積回路部110,210は、1368×3=4104個もの出力部123,223、出力配線124,224及び出力端子115,215を備える必要がある。
【0012】
ここで、出力端子115,215のピッチを25μmと仮定すると、図9に示すソースドライバ100における集積回路部110の長手方向の長さは、102.6mmとなる。一方、図10に示すソースドライバ200における集積回路部210の長手方向の長さは、仮に出力端子215を集積回路部210の対向する2辺に1/2ずつ並べることができたとしても、51.3mmとなる。
【0013】
このような大型の集積回路部110,210は、通常の製造装置で製造可能な集積回路部の大きさ(20mm程度)を大きく上回るものであり、製造に際して特殊な装置が必要になる。したがって、集積回路部110,210の製造の煩雑化や、集積回路部110,210の高コスト化を招来するため、問題となる。また、集積回路部110,210の長手方向の長さが大きくなる(アスペクト比が大きくなる)と、集積回路部110,210の強度低下を招来するため、問題となる。
【0014】
さらに、図10に示すように、集積回路部210の対向する2辺に出力端子215を配置すると、集積回路部210の長手方向の長さを短くすることは可能になるが、出力配線224(特に、集積回路部210の出力部223から遠い端辺に配置されている出力端子215に接続される出力配線224)の引き回しが大きくなることで、配線部220及びテープ基材部230の面積が大きくなる。したがって、ソースドライバ200の大型化や、当該ソースドライバ200を備える表示装置(特に、額縁領域)の大型化、ソースドライバ200の高コスト化などを招来するため、問題となる。
【0015】
本発明は、上記の問題点に鑑み、小型かつ簡素な構成の駆動装置や、当該駆動装置を備える表示装置、複数の当該駆動装置から成る駆動装置複合物、当該駆動装置に備えられる集積回路装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明は、表示部に出力する出力信号を生成する集積回路部と、前記集積回路部と電気的に接続する配線部と、を備える駆動装置であって、
前記集積回路部が、前記出力信号を生成する複数の出力回路を備えるとともに、
前記配線部が、一端部が前記出力回路に電気的に接続する複数の出力配線と、前記出力配線の他端部に電気的に接続するとともに前記駆動装置の外部に前記出力信号を出力する複数の出力部と、を備え、
前記出力部が所定方向に沿って配置されるとともに、複数の前記出力部で構成される出力部群が複数備えられ、
隣接する前記出力部群の前記所定方向における離間距離が、前記出力部群内で隣接する前記出力部の前記所定方向における離間距離よりも大きいことを特徴とする駆動装置を提供する。
【0017】
さらに、上記特徴の駆動装置は、2つの前記駆動装置について、一方の前記駆動装置が備える少なくとも1つの前記出力部群を、他方の前記駆動装置が備える前記出力部群の間に配置するとき、当該他方の前記駆動装置が備える少なくとも1つの前記出力部群が、一方の前記駆動装置が備える前記出力部群の間に配置されるように、
前記配線部が形成されていると、好ましい。
【0018】
さらに、上記特徴の駆動装置は、隣接する前記出力部群の前記所定方向におけるそれぞれの離間距離が、それぞれの前記出力部群の前記所定方向における長さ以上であると、好ましい。
【0019】
さらに、上記特徴の駆動装置は、2つの前記駆動装置について、一方の前記駆動装置が備えるそれぞれの前記出力部群と、他方の前記駆動装置が備えるそれぞれの前記出力部群と、が互い違いに配置されるように、
前記配線部が形成されていると、好ましい。
【0020】
さらに、上記特徴の駆動装置は、前記集積回路部が平面視矩形状であり、
第1出力部群、第2出力部群及び第3出力部群の3つの前記出力部群のそれぞれを構成する前記出力部が、前記集積回路部の第1端辺に対して平行な方向に沿って配置され、
前記集積回路部の前記第1端辺に沿って配置される前記出力回路と、前記第1出力部群を構成する前記出力部とを、前記第1端辺に対して垂直な方向に延伸する前記出力配線が電気的に接続し、
前記集積回路部の前記第1端辺と隣接する第2端辺に沿って配置される前記出力回路と、前記第2出力部群を構成する前記出力部とを、前記第2端辺に対して垂直な方向に延伸して屈曲する前記出力配線が電気的に接続し、
前記集積回路部の前記第1端辺と隣接するとともに前記第2端辺と対向する第3端辺に沿って配置される前記出力回路と、前記第3出力部群を構成する前記出力部とを、前記第3端辺に対して垂直な方向に延伸して屈曲する前記出力配線が電気的に接続すると、好ましい。
【0021】
さらに、上記特徴の駆動装置は、前記集積回路部が、入力信号を処理して前記出力回路に出力する複数の入力回路をさらに備えるとともに、
前記配線部が、一端部が前記入力回路に電気的に接続する複数の入力配線と、前記入力配線の他端部に電気的に接続するとともに前記駆動装置の外部から前記入力信号が入力される複数の入力部と、をさらに備え、
前記入力部が、前記集積回路部の第1端辺に対して平行な方向に沿って配置され、
前記集積回路部の前記第1端辺と対向する第4端辺に沿って配置される前記入力回路と、前記入力部とを、前記第4端辺に対して垂直な方向に延伸する前記入力配線が電気的に接続すると、好ましい。
【0022】
さらに、上記特徴の駆動装置は、前記出力配線が屈曲する部分の少なくとも1つに、応力緩和構造を備えると、好ましい。
【0023】
さらに、上記特徴の駆動装置の前記応力緩和構造は、前記出力配線がその延伸方向に垂直な方向に対して局所的に突出するように屈曲した構造であると、好ましい。
【0024】
また、本発明は、上記特徴の駆動装置と、
表示素子がマトリクス状に配置され、列方向に並ぶ所定数の前記表示素子が1つの画素を構成する前記表示部と、
を備え、
前記駆動装置が備える1つの前記出力回路は、前記表示部の少なくとも1列に配置される前記表示素子に対して前記出力信号を出力するものであり、
前記表示部が、一行分の前記画素の表示を行うとき、前記駆動装置は、当該画素を構成する所定数の前記表示素子に対応する前記出力信号を、順次出力することを特徴とする表示装置を提供する。
【0025】
さらに、上記特徴の表示装置は、少なくとも1つの前記出力部群に対して、当該出力部群に接続される前記表示部上の配線の長さに対応した駆動能力を有する出力バッファを備えると、好ましい。
【0026】
また、本発明は、上記特徴の少なくとも2つの駆動装置と、
少なくとも前記駆動装置のそれぞれの前記出力配線及び前記出力部が同一面上に形成され、長手方向が前記所定方向と平行である長尺状の基材部と、
を備え、
一方の前記駆動装置が備える少なくとも1つの前記出力部群が、他方の前記駆動装置が備える隣接する2つの前記出力部群の間に配置されることを特徴とする駆動装置複合物を提供する。
【0027】
また、本発明は、表示部に出力する出力信号を生成する複数の出力回路を備える平面視矩形状の集積回路装置であって、
前記出力回路のそれぞれは、前記集積回路装置の3つの端辺に沿って、対応する前記端辺に対してそれぞれの長手方向が垂直になるように配置され、
少なくとも当該3つの端辺に、前記出力回路と電気的に接続するとともに前記集積回路装置の外部に前記出力信号を出力する出力端子が配置されることを特徴とする集積回路装置を提供する。
【0028】
さらに、上記特徴の集積回路装置は、入力信号を処理して前記出力回路に出力する入力回路をさらに備え、
前記入力回路は、前記3つの端辺以外の1つの端辺に沿って配置され、
少なくとも当該1つの端辺に、前記入力回路と電気的に接続するとともに前記集積回路装置の外部から前記入力信号が入力される入力端子が配置されると、好ましい。
【発明の効果】
【0029】
上記特徴の駆動装置では、出力部群が離間して配置される。そのため、出力配線を無理に大きく引き回すことなく、出力部群を構成する出力部と集積回路部の出力回路とを電気的に接続することが可能になる。したがって、駆動装置の小型化及び簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る集積回路装置の一例を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態に係る駆動装置の一例を示す模式的な平面図
【図3】本発明の実施形態に係る駆動装置複合物の一例を示す模式図
【図4】本発明の実施形態に係る表示装置の一例を示す模式的な平面図
【図5】図4に示す表示部の構成の一例を示す回路図
【図6】本発明の実施形態に係る集積回路装置の変形例を示すブロック図
【図7】本発明の実施形態に係る駆動装置の変形例の要部を示す模式的な平面図
【図8】本発明の実施形態に係る表示装置の変形例を示す模式的な平面図
【図9】従来のソースドライバの構成の一例について示すブロック図である。
【図10】従来のソースドライバの構成の別例について示すブロック図である。
【図11】従来のソースドライバの出荷時における形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態に係る集積回路装置や駆動装置、駆動装置複合物、表示装置のそれぞれについて、以下図面を参照して説明する。なお、以下では説明の具体化のため、本実施形態に係る駆動装置が、液晶表示装置のソースドライバに適用される場合について例示するが、本発明の駆動装置は、液晶表示装置のソースドライバ以外にも適用可能である。
【0032】
<集積回路装置>
最初に、本発明の実施形態に係る集積回路装置の一例について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る集積回路装置の一例を示すブロック図である。
【0033】
図1に示すように、集積回路装置10は、入力信号を処理する入力回路11と、入力回路11から入力される信号に応じて出力信号を生成する出力回路12−1〜12−3と、集積回路装置10の動作を制御する制御回路13と、入力回路11と電気的に接続して集積回路装置10の外部から入力信号が入力される入力端子14と、出力回路12と電気的に接続して集積回路装置10の外部に出力信号を出力する出力端子15−1〜15−3と、入力回路11から入力される信号に応じて同期信号を生成するタイミングコントローラ16と、を備える。
【0034】
入力回路11は、入力端子14を介して入力される入力信号(例えば、映像信号)を処理して、出力回路12−1〜12−3とタイミングコントローラ16とに所定の信号を入力する。例えば、入力回路11は、表示装置で表示されるべき画像を示す信号を、出力回路12−1〜12−3のそれぞれに分配して出力する。また例えば、入力回路11は、表示装置の動作タイミングを示す信号を、タイミングコントローラ16に出力する。
【0035】
出力回路12−1〜12−3は、入力回路11から入力される上記の信号に応じて、表示部の各画素に与える出力信号を生成する。そして、出力回路12−1〜12−3が生成する出力信号は、出力端子15−1〜15−3を介して、集積回路装置10の外部に出力される。
【0036】
制御回路13は、タイミングコントローラ16が生成する同期信号を参照して、集積回路装置10の動作を制御する。例えば、出力端子15−1〜15−3から出力信号が出力されるタイミングを制御する。
【0037】
また、図1に例示する集積回路装置10は、平面視矩形状である。出力回路12−1〜12−3は、集積回路装置10の3つの端辺に沿って配置される。また、出力回路12−1〜12−3のそれぞれの長手方向は、対応する集積回路装置10の端辺に対して垂直になる。また、少なくとも当該3つの端辺には、出力回路12−1に電気的に接続される出力端子15−1と、出力回路12−2に電気的に接続される出力端子15−2と、出力回路12−3に電気的に接続される出力端子15−3と、が配置される。
【0038】
入力回路11は、集積回路装置10の上記3つの端辺以外の1つの端辺に沿って配置される。また、少なくとも当該1つの端辺には、入力回路11に電気的に接続される入力端子14が配置される。
【0039】
具体的に図1に示す例では、集積回路装置10の、入力回路11及び入力端子14が配置される端辺(図中下側の端辺)に対向する端辺(図中上側の端辺)に、出力回路12−1及び出力端子15−1が配置される。また、集積回路装置10の、出力回路12−1及び出力端子15−1が配置される端辺(図中上側の端辺)に隣接する一方の端辺(図中左側の端辺)に、出力回路12−2及び出力端子15−2が配置される。また、集積回路装置10の、出力回路12−1及び出力端子15−1が配置される端辺(図中上側の端辺)に隣接するとともに、出力回路12−2及び出力端子15−2が配置される端辺(図中左側の端辺)に対向する端辺(図中右側の端辺)に、出力回路12−3及び出力端子15−3が配置される。
【0040】
制御回路13及びタイミングコントローラ16は、集積回路装置10内の空いた領域に配置される。図1に示す例では、タイミングコントローラ16が、出力回路12−2及び出力回路12−3に挟まれた領域に配置されている。また、出力回路12−1〜12−3及びタイミングコントローラ16が配置されていない領域に、制御回路13が配置されている。
【0041】
本実施形態の集積回路装置10によれば、3つの端辺に沿って、出力回路12−1〜12−3及び出力端子15−1〜15−3が配置される。そのため、集積回路装置10が備える出力回路12−1〜12−3の数が多数になる場合に、集積回路装置10の形状を、従来のような細長い形状(図9及び図10参照)から、正方形に近づける(アスペクト比を小さくする)ことが可能になる。したがって、集積回路装置10を、応力に耐性のある形状にすることができる。
【0042】
また、本実施形態の集積回路装置10によれば、集積回路装置10内に、タイミングコントローラ16を配置することが可能になる。そのため、タイミングコントローラ16から集積回路装置10に信号を伝達するための構成を、不要にすることができる。したがって、駆動装置の小型化及び簡素化を図ることができる。
【0043】
<駆動装置>
次に、本発明の実施形態に係る駆動装置の一例について、図面を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態に係る駆動装置の一例を示す模式的な平面図である。
【0044】
図2に示すように、駆動装置1は、上述の集積回路装置である集積回路部10と、配線部20と、集積回路部10及び配線部20が設けられる基材部30と、を備える。配線部20は、駆動装置1の外部から入力信号が入力される入力部21と、入力部21と集積回路部10の入力端子14とを電気的に接続する入力配線22と、駆動装置1の外部に出力信号を出力する出力部23−1〜23−3と、出力部23−1〜23−3と集積回路部10の出力端子15−1〜15−3とを電気的に接続する出力配線24−1〜24−3と、を備える。
【0045】
出力部23−1〜23−3は、同一の方向(以下、X方向とする)に沿って整列するとともに、複数の出力部23−1〜23−3が出力部群G1〜G3を構成する。例えば、図2に示す駆動装置1では、出力部23−1が出力部群G1を構成し、出力部23−2が出力部群G2を構成し、出力部23−3が出力部群G3を構成している。また、隣接する出力部群G1〜G3のX方向における離間距離は、出力部群G1〜G3内で隣接する出力部23−1〜23−3のX方向における離間距離よりも大きい。即ち、出力部群G1〜G3は、離間して配置されている。
【0046】
具体的に、図2に示す例では、出力部群G1〜G3のそれぞれを構成する出力部23−1〜23−3が、集積回路部10の出力端子15−1が配置される端辺(図中上側の端辺)に対して平行な方向(X方向)に沿って整列配置する。さらに、当該端辺に対して垂直な方向(Y方向)に延伸する出力配線24−1が、出力部群G1を構成する出力部23−1と集積回路部10の出力端子15−1とを電気的に接続する。
【0047】
また、集積回路部10の出力端子15−2が配置される端辺(図中左側の端辺)に対して垂直な方向(X方向)に延伸した後、屈曲して最終的に当該方向に対して垂直な方向(Y方向)に延伸する出力配線24−2が、出力部群G2を構成する出力部23−2と集積回路部10の出力端子15−2とを電気的に接続する。また、集積回路部10の出力端子15−3が配置される端辺(図中右側の端辺)に対して垂直な方向(X方向)に延伸した後、屈曲して最終的に当該方向に対して垂直な方向(Y方向)に延伸する出力配線24−3が、出力部群G3を構成する出力部23−3と集積回路部10の出力端子15−3とを電気的に接続する。
【0048】
また、集積回路部10の入力端子14が配置される端辺(図中下側の端辺)に対して垂直な方向(Y方向)に延伸する入力配線22が、入力部21と集積回路部10の入力端子14とを電気的に接続する。
【0049】
また、図2に示す駆動装置1では、出力配線24−1〜24−3の間隔が、集積回路部10側では狭く、出力部23−1〜23−3側では広くなっている。同様に、入力配線222の間隔が、集積回路部10側では狭く、入力部21側では広くなっている。
【0050】
本実施形態の駆動装置1によれば、出力部群G1〜G3が離間して配置される。そのため、出力配線24−1〜24−3を無理に大きく引き回すことなく、出力部群G1〜G3を構成する出力部23−1〜23−3と集積回路部10の出力端子15−1〜15−3(出力回路12−1〜12−3)とを電気的に接続することが可能になる。したがって、駆動装置1の小型化及び簡素化を図ることができる。
【0051】
<駆動装置複合物>
次に、本発明の実施形態に係る駆動装置複合物の一例について、図面を参照して説明する。図3は、本発明の実施形態に係る駆動装置複合物の一例を示す模式図である。なお、図3に示す駆動装置複合物40は、例えば、上述の駆動装置1の出荷時における形態である。
【0052】
図3に示すように、駆動装置複合物40は、上述の駆動装置1を少なくとも2つ備える。駆動装置複合物40は、駆動装置1の出力部23−1〜23−3が整列する方向(図2のX方向)に対して長手方向が平行である長尺状の基材部30の同一面上に、少なくとも駆動装置1の集積回路部10及び配線部20が設けられたものである。また、駆動装置複合物40は、基材部30の長手方向(図2のX方向)を巻き取り方向として、リール50に巻き取られる。
【0053】
また、基材部30の長手方向に対して垂直な幅方向(図2のY方向に相当)の両端部には、複数の駆動装置1を挟むように、基材部30の長手方向に沿った複数の穴41の列が、一列ずつ設けられている。この穴41に、例えばスプロケット等の歯を嵌合させて回転させることで、駆動装置複合物40が送出される。例えば、駆動装置複合物40から駆動装置1を切り抜く際や、駆動装置1の動作をテストする際に、当該送出が行われる。
【0054】
また、駆動装置複合物40において、一方の駆動装置1が備える少なくとも1つの出力部群G1〜G3は、他方の駆動装置1が備える隣接した出力部群G1〜G3の間に配置される。
【0055】
具体的に、図3に示す例では、一方の駆動装置1が備える出力部群G1が、他方の駆動装置1が備える隣接した出力部群G1,G3の間に配置されている。さらに、一方の駆動装置1が備える出力部群G3が、他方の駆動装置1が備える隣接した出力部群G1,G2の間に配置されている。即ち、一方の駆動装置1が備える出力部群G1〜G3と、他方の駆動装置1が備える出力部群G1〜G3と、が互い違いに配置されている。例えば、このような配置は、図2に示す駆動装置1において、隣接する出力部群G1〜G3のX方向におけるそれぞれの離間距離が、それぞれの出力部群G1〜G3のX方向における長さ以上であれば、可能である。
【0056】
また、図3に示す駆動装置複合物40は、上記のように出力部群G1〜G3が嵌合した駆動装置1が、基材部30の長手方向に沿って2列に並んで成る。
【0057】
本実施形態の駆動装置複合物40によれば、一方の駆動装置1が備える少なくとも1つの出力部群G1〜G3が、他方の駆動装置1が備える出力部群G1〜G3の間に配置される。そのため、これらの2つの駆動装置1が、基材部30の幅方向において、近接して配置される。したがって、基材部30の幅方向の長さを小さくすることが可能になる。
【0058】
なお、図3において、駆動装置複合物40が、リール50に巻き取られるものとして説明したが、リール50に巻き取られないものとしても良い。例えば、駆動装置複合物40が、出力部群G1〜G3が嵌合した少なくとも2つの駆動装置1を有した短冊状であっても良い。
【0059】
<表示装置>
次に、本発明の実施形態に係る表示装置の一例について、図面を参照して説明する。図4は、本発明の実施形態に係る表示装置の一例を示す模式的な平面図である。図5は、図4に示す表示部の構成の一例を示す回路図である。
【0060】
図4に示すように、表示装置60は、上述の駆動装置1と、駆動装置1の入力端子14と電気的に接続するとともに駆動装置1に入力信号を入力する信号線70と、画像を表示する表示部80と、表示部80に駆動信号を印加するゲートドライバ91,92と、を備える。ゲートドライバ91は、表示部80上のゲートドライバ接続配線81によって駆動装置1(特に、タイミングコントローラ16)と電気的に接続される。また、ゲートドライバ92は、表示部80上のゲートドライバ接続配線82によって、ゲートドライバ91と電気的に接続される。
【0061】
また、図5に示すように、表示部80は、列方向(図4及び図5の上下方向)に延伸するそれぞれ平行な複数のソースラインSLと、ソースラインSLが延伸する方向に対して垂直な方向(行方向、図4及び図5の左右方向)に延伸するそれぞれ平行な複数のゲートラインGLr,GLg,GLbと、1つのソースラインSL及び1つのゲートラインGLr,GLg,GLbに接続する表示素子Eと、を備える。駆動装置1が出力する出力信号は、ソースラインSLに印加される。一方、ゲートドライバ91,92が出力する駆動信号は、ゲートラインGLr,GLg,GLbに印加される。
【0062】
表示素子Eは、液晶素子Lと、トランジスタ素子(例えば、TFT:Thin Film Transistor)Tと、を備える。トランジスタ素子Tは、ゲートラインGLr,GLg,GLbに制御端子が接続し、ソースラインSLに第1端子が接続する。液晶素子Lは、トランジスタ素子Tの第2端子に一端が接続され、共通信号が印加される共通電極に他端が接続される。また、同じソースラインSLに接続されるとともに、異なるゲートラインGLr,GLg,GLbに接続されて列方向に並ぶ複数(本例では3つ)の表示素子Eが、1つの画素Pを構成する。
【0063】
上述のように、駆動装置1の出力回路12−1〜12−3は、信号線70を介して入力される入力信号に応じて、出力信号を生成する。また、駆動装置1のタイミングコントローラ16は、入力信号に応じて同期信号を生成する。この同期信号は、ゲートドライバ接続配線81,82を介して、ゲートドライバ91,92に入力される。
【0064】
ゲートドライバ91,92は、入力される同期信号に応じて、ゲートラインGLr,GLg,GLbに駆動信号を順次印加する。この駆動信号が印加されたゲートラインGLr,GLg,GLbに制御端子が接続されるトランジスタ素子Tは、ONになる。すると、駆動装置1によってソースラインSLに印加されている出力信号が、ONになったトランジスタ素子Tを介して液晶素子Lに入力され、液晶素子Lが当該出力信号を保持する。そして、表示部80が、液晶素子Lが保持する出力信号に応じた画像を表示する。
【0065】
図5に示すように、列方向に並ぶ所定数(本例では3つ)の表示素子Eによって1つの画素Pが構成される場合、表示部80が1行分の画素Pを表示するときに、駆動装置1は、画素Pを構成する所定数(本例では3つ)の表示素子Eに対応する出力信号を、順次出力する。同様に、ゲートドライバ91,92も、画素Pを構成する所定数(本例では3つ)の表示素子Eに対応する駆動信号を、順次出力する。
【0066】
本実施形態の表示装置60によれば、駆動装置1が出力信号を印加するソースラインSLに沿って隣接する複数の表示装置Eが、1つの画素Pを構成する。そのため、駆動装置1が備える出力部23−1〜23−3、出力配線24−1〜24−3及び出力端子15−1〜15−3の数を、低減することができる。
【0067】
具体的に例えば、表示部80の画素数が768×1368(列方向の画素数×行方向の画素数)であり、列方向に並ぶ3つ(R、G、B)の表示素子Eによって一つの画素Pが構成される場合、駆動装置1及び集積回路部10は、1368個の出力部23−1〜23−3、出力配線24−1〜24−3及び出力端子15−1〜15−3を備えれば良いことになる。
【0068】
さらに、出力部23−1〜23−3、出力配線24−1〜24−3及び出力端子15−1〜15−3は、複数(例えば3つ)の箇所に分けて配置される。そのため、1つの箇所に配置される出力部23−1〜23−3、出力配線24−1〜24−3及び出力端子15−1〜15−3は、さらに少なくなる(例えば、1つの箇所当たり456)。したがって、駆動装置1及び集積回路部10を、小型化することが可能になる。
【0069】
また、本実施形態の表示装置60によれば、駆動装置1の出力部23−1〜23−3が、離間して配置されている。そのため、絞り込み部(駆動装置1の出力部23−1〜23−3とソースラインSLとを接続する接続用配線が設けられる表示部80上の領域)における接続用配線の密度が、出力部を離間させない駆動装置を適用する場合よりも小さくなる。したがって、この絞り込み部の接続用配線の密度が下がる分だけ、当該絞り込み部を狭くする(特に、列方向に対して狭くする)ことが可能になる。
【0070】
なお、図4及び図5では、列方向に隣接した所定数(上記例では3つ)の表示素子Eによって1つの画素Pが構成される表示装置60について例示したが、行方向に隣接した所定数の表示素子によって1つの画素が構成される表示装置にも、上述の駆動装置1を適用することができる。ただし、後者の表示装置に上述の駆動装置1を適用する場合、前者の表示装置に適用する場合と比較して、所定数倍(上記例では3倍)の出力部、出力配線及び出力端子が必要になる。また、直線状に隣接した所定数の表示素子によって1つの画素が構成される表示装置に限られず、平面状に隣接する(例えば、行方向に2個、列方向に2個隣接する)表示素子によって1つの画素が構成される表示装置などにも、上述の駆動装置1を適用することができる。
【0071】
<変形例>
[1] 図1に例示する集積回路装置10は、出力端子15−1〜15−3のそれぞれが、集積回路装置10の対応する端辺にそれぞれ配置される構造であるが、隣接する複数の端辺にわたって配置される構造であっても良い。この具体例について、図6を参照して説明する。図6は、本発明の実施形態に係る集積回路装置の変形例を示すブロック図である。なお、図6に示す集積回路装置10aにおいて、図1に示す集積回路装置10と同様となる部分については、同じ符号を付している。また、以下では、図6に示す集積回路装置10aについて、図1に示す集積回路装置10と異なる部分を中心に説明する。
【0072】
図6に示す集積回路装置10aは、出力端子15−1aが、出力回路12−1が沿う端辺(図中上側の端辺)だけでなく、出力回路12−2が沿う端辺(図中左側の端辺)や出力回路12−3が沿う端辺(図中右側の端辺)にも配置される。また、出力端子15−2aが、出力回路12−2が沿う端辺(図中左側の端辺)だけでなく、入力回路11が沿う端辺(図中下側の端辺)にも配置される。また、出力端子15−3が、出力回路12−3が沿う端辺(図中右側の端辺)だけでなく、入力回路11が沿う端辺(図中下側の端辺)にも配置される。
【0073】
このように構成すると、駆動装置1が備える出力配線24−1〜24−3の引き回しが大きくなることを抑制しつつ、出力端子15−1a〜15−3aの配置の自由度を高めることができる。そのため、集積回路装置10aの小型化や簡素化を図ることができる。なお、必ずしも全ての出力端子15−1a〜15a−3aを、上記のように隣接する複数の端辺にわたって配置する必要はない。即ち、出力端子15−1a〜15a−3aの少なくとも1つを、図1の集積回路装置10と同様に1つの端辺に配置されるようにしても良い。
【0074】
[2] 図2に例示する駆動装置1は、出力配線24−2,24−3のそれぞれが出力部23−2,23−3に向かって垂直に屈曲する構造であるが、この屈曲する部分に、応力を緩和する構造(応力緩和構造)を設けても良い。この具体例について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の実施形態に係る駆動装置の変形例の要部を示す模式的な平面図である。なお、図7に示す駆動装置1aにおいて、図2に示す駆動装置1と同様の部分については、同じ符号を付している。また、以下では、図7に示す駆動装置1aについて、図2に示す駆動装置1と異なる部分を中心に説明する。
【0075】
図7に示す駆動装置1aでは、出力配線24−2の屈曲する部分(例えば、出力部23−2側)に、出力配線24−2がその延伸方向に垂直な方向に対して局所的に突出するように屈曲する突出部25が、設けられている。この出力配線24−2の屈曲する部分は、例えば、駆動装置1aの表示装置への実装や、実装後の基材部30の収縮等によって、応力を受け易い。しかし、当該部分に突出部25を設けることで、当該応力を緩和することが可能になる。そのため、出力配線24−2に断線等が生じることを、抑制することが可能になる。
【0076】
なお、出力配線24−3の屈曲する部分にも、図7の突出部25と同様の突出部を設けると、好ましい。また、図7に示すように、少なくとも、基材部30の長手方向と平行な方向に突出する突出部25を、出力配線24−2,24−3の出力部23−2,23−3側にそれぞれ設けると、好ましい。
【0077】
また、応力緩和構造として、上述した突出部25以外の構造を採用しても良い。例えば、出力配線24−2の延伸方向に垂直な方向に対して局所的に窪む切り欠き部を、応力緩和構造として採用しても良い。また、図7において、1本の出力配線に対して1つの突出部25を設ける場合について例示したが、1本の出力配線に対して複数の突出部25を、設けても良い。さらにこの場合、1本の出力配線に対して、異なる複数の応力緩和構造を設けても良い。
【0078】
[3] 図4に示す表示装置60のように、表示部80の行方向における中央位置に駆動装置1を配置すると、出力部23−2,23−3に接続される表示部80上の配線(例えば、絞り込み部の接続用配線やソースラインSLなど。以下、表示部配線とする。)の長さが、出力部23−1に接続される表示部配線の長さよりも、全体的に長くなる。これにより、出力部23−2,23−3に接続される表示部配線の負荷容量が、出力部23−1に接続される表示部配線の負荷容量よりも大きくなることで、出力部23−2,23−3に接続される表示部配線への駆動信号の印加が遅れる場合がある。例えば、列方向に隣接した所定数の表示素子Eによって1つの画素Pが構成される場合や、表示装置が大型である場合には、この問題が生じる可能性が高くなる。
【0079】
そこで、例えば、出力回路12−1に含まれる出力バッファの駆動能力と、出力回路12−2,12−3に含まれる出力バッファの駆動能力とを、それぞれ表示部配線の長さに応じたものにする(後者の出力バッファの駆動能力が前者の出力バッファの駆動能力よりも大きくなるようにする)。これにより、出力部23−2,23−3に接続される表示部配線に対する駆動信号の印加の遅れを、解消することが可能になる。
【0080】
なお、上記のように出力バッファの駆動能力を調整すると、出力回路12−1〜12−3の大きさが相対的に変動し得る。しかし、それぞれの出力回路12−1〜12−3は、集積回路部10のそれぞれの端辺に沿って配置されているため、集積回路部10内に無駄なスペースが生じることは抑制される。
【0081】
また、この問題の別の解決方法について、図面を参照して説明する。図8は、本発明の実施形態に係る表示装置の変形例を示す模式的な平面図である。なお、図8に示す表示装置60aにおいて、図4に示す表示装置60と同様となる部分については、同じ符号を付している。また、以下では、図8に示す表示装置60aについて、図4に示す表示装置60と異なる部分を中心に説明する。
【0082】
図8に示す表示装置60aは、表示部配線の長さに応じた駆動能力を有する出力バッファB1〜B3を備える。出力バッファB1は、駆動装置1の出力部23−1と表示部配線との間に配置され、出力バッファB2は、駆動装置1の出力部23−2と表示部配線との間に配置され、出力バッファB3は、駆動装置1の出力部23−3と表示部配線との間に配置される。また、出力バッファB2,B3の駆動能力は、出力バッファB1の駆動能力よりも大きいものである。
【0083】
このように構成すると、出力バッファB1〜B3を別途備えることで、部品点数は増加するが、出力部23−2,23−3に接続される表示部配線に対する駆動信号の印加の遅れを解消することが可能になる。さらにこの場合、上記のような出力回路12−1〜12−3の変更を、不要にすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、液晶表示装置に代表される表示装置や、当該表示装置が備える表示部に対して出力信号を出力する駆動装置、当該駆動装置に備えられる集積回路装置に、利用可能である。また、複数の駆動装置が一体化して成る駆動装置複合物に、利用可能である。
【符号の説明】
【0085】
1,1a : 駆動装置(ソースドライバ)
10,10a : 集積回路装置(集積回路部)
11: 入力回路
12−1〜12−3: 出力回路
13: 制御回路
14: 入力端子
15−1〜15−3,15−1a〜15−3a: 出力端子
16 : タイミングコントローラ
20 : 配線部
21 : 入力部
22 : 入力配線
23−1〜23−3 : 出力部
24−1〜24−3 : 出力配線
25 : 突出部
30 : 基材部
40 : 駆動装置複合物
41 : 穴
50 : リール
60,60a : 表示装置
70 : 信号線
80 : 表示部
81,82 : ゲートドライバ接続配線
91,92 : ゲートドライバ
B1〜B3 : バッファ
E : 表示素子
P : 画素
ソースライン : SL
ゲートライン : GLr,GLg,GLb

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に出力する出力信号を生成する集積回路部と、前記集積回路部と電気的に接続する配線部と、を備える駆動装置であって、
前記集積回路部が、前記出力信号を生成する複数の出力回路を備えるとともに、
前記配線部が、一端部が前記出力回路に電気的に接続する複数の出力配線と、前記出力配線の他端部に電気的に接続するとともに前記駆動装置の外部に前記出力信号を出力する複数の出力部と、を備え、
前記出力部が所定方向に沿って配置されるとともに、複数の前記出力部で構成される出力部群が複数備えられ、
隣接する前記出力部群の前記所定方向における離間距離が、前記出力部群内で隣接する前記出力部の前記所定方向における離間距離よりも大きいことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
2つの前記駆動装置について、一方の前記駆動装置が備える少なくとも1つの前記出力部群を、他方の前記駆動装置が備える前記出力部群の間に配置するとき、当該他方の前記駆動装置が備える少なくとも1つの前記出力部群が、一方の前記駆動装置が備える前記出力部群の間に配置されるように、
前記配線部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
隣接する前記出力部群の前記所定方向におけるそれぞれの離間距離が、それぞれの前記出力部群の前記所定方向における長さ以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項4】
2つの前記駆動装置について、一方の前記駆動装置が備えるそれぞれの前記出力部群と、他方の前記駆動装置が備えるそれぞれの前記出力部群と、が互い違いに配置されるように、
前記配線部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記集積回路部が平面視矩形状であり、
第1出力部群、第2出力部群及び第3出力部群の3つの前記出力部群のそれぞれを構成する前記出力部が、前記集積回路部の第1端辺に対して平行な方向に沿って配置され、
前記集積回路部の前記第1端辺に沿って配置される前記出力回路と、前記第1出力部群を構成する前記出力部とを、前記第1端辺に対して垂直な方向に延伸する前記出力配線が電気的に接続し、
前記集積回路部の前記第1端辺と隣接する第2端辺に沿って配置される前記出力回路と、前記第2出力部群を構成する前記出力部とを、前記第2端辺に対して垂直な方向に延伸して屈曲する前記出力配線が電気的に接続し、
前記集積回路部の前記第1端辺と隣接するとともに前記第2端辺と対向する第3端辺に沿って配置される前記出力回路と、前記第3出力部群を構成する前記出力部とを、前記第3端辺に対して垂直な方向に延伸して屈曲する前記出力配線が電気的に接続する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記集積回路部が、入力信号を処理して前記出力回路に出力する複数の入力回路をさらに備えるとともに、
前記配線部が、一端部が前記入力回路に電気的に接続する複数の入力配線と、前記入力配線の他端部に電気的に接続するとともに前記駆動装置の外部から前記入力信号が入力される複数の入力部と、をさらに備え、
前記入力部が、前記集積回路部の第1端辺に対して平行な方向に沿って配置され、
前記集積回路部の前記第1端辺と対向する第4端辺に沿って配置される前記入力回路と、前記入力部とを、前記第4端辺に対して垂直な方向に延伸する前記入力配線が電気的に接続する
ことを特徴とする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記出力配線が屈曲する部分の少なくとも1つに、応力緩和構造を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記応力緩和構造は、前記出力配線がその延伸方向に垂直な方向に対して局所的に突出するように屈曲した構造であることを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の駆動装置と、
表示素子がマトリクス状に配置され、列方向に並ぶ所定数の前記表示素子が1つの画素を構成する前記表示部と、
を備え、
前記駆動装置が備える1つの前記出力回路は、前記表示部の少なくとも1列に配置される前記表示素子に対して前記出力信号を出力するものであり、
前記表示部が、一行分の前記画素の表示を行うとき、前記駆動装置は、当該画素を構成する所定数の前記表示素子に対応する前記出力信号を、順次出力することを特徴とする表示装置。
【請求項10】
少なくとも1つの前記出力部群に対して、当該出力部群に接続される前記表示部上の配線の長さに対応した駆動能力を有する出力バッファを備えることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか1項に記載の少なくとも2つの前記駆動装置と、
少なくとも前記駆動装置のそれぞれの前記出力配線及び前記出力部が同一面上に形成され、長手方向が前記所定方向と平行である長尺状の基材部と、
を備え、
一方の前記駆動装置が備える少なくとも1つの前記出力部群が、他方の前記駆動装置が備える隣接する2つの前記出力部群の間に配置されることを特徴とする駆動装置複合物。
【請求項12】
表示部に出力する出力信号を生成する複数の出力回路を備える平面視矩形状の集積回路装置であって、
前記出力回路のそれぞれは、前記集積回路装置の3つの端辺に沿って、対応する前記端辺に対してそれぞれの長手方向が垂直になるように配置され、
少なくとも当該3つの端辺に、前記出力回路と電気的に接続するとともに前記集積回路装置の外部に前記出力信号を出力する出力端子が配置されることを特徴とする集積回路装置。
【請求項13】
入力信号を処理して前記出力回路に出力する入力回路をさらに備え、
前記入力回路は、前記3つの端辺以外の1つの端辺に沿って配置され、
少なくとも当該1つの端辺に、前記入力回路と電気的に接続するとともに前記集積回路装置の外部から前記入力信号が入力される入力端子が配置されることを特徴とする請求項12に記載の集積回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−242778(P2012−242778A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115755(P2011−115755)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】