説明

駐車位置案内システム

【課題】適切な駐車位置をドライバが見つけることをより容易にするとともに、ユーザにとっての快適性をより損ないにくい駐車位置案内システムを提供する。
【解決手段】通信範囲が駐車場の入口ゲート周辺の所定範囲に限定されたDSRC通信によって車載器6が駐車場サーバ2へのアクセス情報を取得した場合に、このアクセス情報を用いて自動的に車載器6と駐車場サーバ2とを接続し、当該DSRC通信よりも通信範囲の広い携帯電話網通信で駐車場サーバ2から車載器6が空きスペースの位置を示す空きスペース位置情報を受信できるようにする。そして、当該携帯電話網通信が可能となった後は、駐車場サーバ2から送信される空きスペース情報の受信を車載器6が逐次行うとともに、当該空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場内の駐車位置の案内を行う駐車位置案内システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、駐車場の入口/出口ゲートに設置されたアンテナとDSRC(Dedicated Short RangeCommunication)車載器とのDSRC通信により、駐車場の入退出管理や料金決済を行うことが検討されている。また、近年では、駐車場への入庫時に、上記DSRC通信によって駐車場内の地図(マップ)や空きスペースの情報をDSRC車載器が取得できるようにすることによって駐車位置の案内を行うことも検討されている。
【0003】
他にも、駐車位置の案内を行う技術として、特許文献1には、駐車場のゲートに設置され、駐車場内の空きスペースの情報管理するゲート装置によって駐車位置等の情報が書き込まれるカードをドライバに配布し、駐車場内に複数設置されている誘導装置により当該カードとの通信を行うことによって駐車位置への誘導を行う技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、駐車場管理装置から受信した駐車場の駐車スペース毎の空き状況情報(つまり、空きスペース情報)を参照するとともに、カーナビ等の移動体装置の位置情報と駐車場の位置とを比較することによって、移動体装置の位置に近い駐車場から優先的に、空いている駐車スペースを選択し、空きスペース情報を移動体装置へ送信することによって駐車位置への誘導を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−213292号公報
【特許文献2】特開2003−288421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、大型駐車場などでは駐車場内での移動に時間がかかるため、移動中の間にも駐車場内の空きスペースの状況が刻々と変化し、入庫時に取得した空きスペースの情報が示す空きスペースの状況と実際の空きスペースの状況とが食い違ってしまい、適切な駐車位置をユーザが見つけることが困難になってしまうという問題点が生じる。
【0007】
例えば、DSRC通信によって空きスペースの情報をDSRC車載器が取得する技術では、DSRC通信が通信範囲の狭い狭域通信であるため、駐車場の入口ゲート付近でしか空きスペースの情報をDSRC車載器が取得することができない。よって、入庫後に新たな空きスペースの情報を取得することが難しく、上記問題点を解決できない。
【0008】
また、特許文献1に開示の技術でも、空きスペースの情報は駐車場のゲートに設置されるゲート装置でカードに書き込まれるので、入庫後に新たな空きスペースの情報を取得することができず、上記問題点を解決できない。さらに、特許文献1に開示の技術では、駐車場の出入口でカードの受け渡しが必要となるため、駐車場の出入口で渋滞が生じ、ユーザにとっての快適性を損なう虞があった。
【0009】
さらに、特許文献2に開示の技術でも、空きスペースの情報は駐車場への入庫前に受信することしか想定されていないので、入庫後に新たな空きスペースの情報を取得することができず、上記問題点を解決できない。また、特許文献2に開示の技術では、移動体装置の位置に近い駐車場から優先的に駐車スペースを選択し、空きスペース情報を送信するので、ユーザが入庫するつもりのない駐車場についての空きスペース情報まで送信されてユーザが煩わしさを感じ、ユーザにとっての快適性を損なう虞があった。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、適切な駐車位置をドライバが見つけることをより容易にするとともに、ユーザにとっての快適性をより損ないにくい駐車位置案内システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の駐車位置案内システムによれば、通信範囲が駐車場の入口ゲート周辺の所定範囲に限定された狭域通信が車載器と管理装置とで確立した場合に管理装置から送信される許可情報を車載器で受信することになる。これによれば、車両が駐車場に入庫するときに管理装置から上記許可情報を車載器が受信することになる。また、請求項1の構成によれば、車載器が上記許可情報を受信すると自動的に、上記狭域通信よりも通信範囲が広い広域通信によって管理装置から空きスペース情報(つまり、駐車場内の駐車区画の空きスペースの位置を示す情報)を車載器が受信できるようになる。よって、以上の構成によれば、車両が駐車場に入庫するときに自動的に、広域通信によって管理装置から空きスペース情報を車載器が受信できるようになる。
【0012】
以上の構成によれば、駐車場の入口ゲートに止まって処理を待つ必要がないので、駐車場入口での渋滞が生じにくい。また、以上の構成によれば、車両が駐車場に入庫しようとして入口ゲートに近づかなければ、広域通信によって管理装置から空きスペース情報を車載器が受信できるようにならないので、ユーザが入庫するつもりのない駐車場についての空きスペース情報まで送信されてユーザが煩わしさを感じることがない。従って、以上の構成によれば、ユーザにとっての快適性をより損ないにくくすることができる。
【0013】
また、請求項1の構成によれば、車載器が広域通信によって管理装置から空きスペース情報を受信できるようになった後は、空きスペース情報を逐次収集して管理する管理部で管理する空きスペース情報を逐次受信し、受信した空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内を行うことになる。よって、以上の構成によれば、駐車場に入庫後にも車載器が新たな空きスペースの情報を取得することができ、刻々と変化する駐車場内の空きスペースの状況に応じた適切な駐車位置をユーザが見つけることをより容易にする。
【0014】
その結果、請求項1の構成によれば、適切な駐車位置をドライバが見つけることをより容易にするとともに、ユーザにとっての快適性をより損ないにくい駐車位置案内システムを提供することが可能になる。
【0015】
また、請求項2の構成によれば、予め駐車場内の空きスペース情報を受信開始しておくことができるため、許可情報の受信後に駐車場内の空きスペース情報を取得完了するまでの通信時間を省略することができる。つまり、以上の構成によれば、予め受信済みの空きスペース情報に基づいて、駐車位置の案内を迅速に開始することが可能になる。
【0016】
また、請求項3の構成によれば、車載器の駐車位置入力手段で車両の駐車位置として指定する入力(つまり、提示手段で提示された空きスペース情報が示す空きスペースのうちから車両の駐車位置を指定するユーザからの入力)を受け付けた空きスペースを特定する情報と車両情報(つまり、車両を特定する情報)とを車載器から管理装置に送信し、管理装置で当該空きスペースを特定する情報が示す空きスペースを、当該車両情報が示す車両の駐車位置として予約することになる。よって、提示手段で提示された空きスペース情報が示す空きスペースのうちのユーザが所望する空きスペースを予約することができ、本発明の車載器を搭載した他の車両に優先してその空きスペースに駐車を行うことが可能になる。
【0017】
さらに、請求項3の構成によれば、予約した空きスペースである予約スペースの空きスペース情報を管理装置から車載器に送信するので、予約スペースの空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内が行われることになる。よって、予約した空きスペースについて駐車位置の案内をユーザが受けることが可能になる。従って、以上の構成によれば、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0018】
また、請求項4の構成によれば、車載器の条件設定手段でユーザから設定を受け付けた優先条件の情報(つまり、車両を駐車させる駐車位置についての優先条件の情報)を車載器から管理装置に送信し、管理装置において、上記優先条件の情報および管理部で管理する空きスペース情報をもとに、駐車場内の空きスペースのうちで上記優先条件に最も合致した空きスペースを検索することになる。よって、ユーザが所望する優先条件に最も合致した空きスペースが検索されることになる。
【0019】
そして、請求項4の構成によれば、上記検索で得られた空きスペースの空きスペース情報を管理装置から車載器に送信するので、ユーザが所望する優先条件に最も合致した空きスペースの空きスペース情報が提示手段で提示されたり、ユーザが所望する優先条件に最も合致した空きスペースの空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内が行われたりする。従って、ユーザにとっての快適性を向上することが可能になる。
【0020】
さらに、請求項4の構成によれば、ユーザが所望する優先条件に最も合致した空きスペースの空きスペース情報が提示手段で提示されるので、車載器の駐車位置入力手段を介して、ユーザが所望する優先条件に最も合致した空きスペースを予約することが可能になる。よって、この点でも、ユーザにとっての快適性を向上することが可能になる。
【0021】
また、請求項5の構成によれば、上記検索を逐次行い、上記優先条件に最も合致した空きスペースが新たに得られた場合には、新たに得られた空きスペースの空きスペース情報を管理側広域通信部から送信するので、ユーザが所望する優先条件にさらに合致した空きスペースが見つかった場合に、この空きスペースの空きスペース情報を提示手段で提示したり、この空きスペースの空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内を行ったりすることが可能になる。よって、刻々と変化する駐車場内の空きスペースの状況に応じた適切な駐車位置をユーザが見つけることをさらに容易にする。
【0022】
また、請求項6の構成によれば、管理装置において、車載器の位置情報取得部で取得した車両の現在位置の情報および管理部で管理する空きスペース情報をもとに、駐車場内の空きスペースのうちで車両情報が示す車両の現在位置から最も近い空きスペースを検索することになる。よって、ユーザにとって駐車に便利な、車両の現在位置から最も近い空きスペースが検索されることになる。
【0023】
そして、請求項6の構成によれば、上記検索で得られた空きスペースの空きスペース情報を管理装置から車載器に送信するので、車両の現在位置から最も近い空きスペースの空きスペース情報を提示手段で提示されたり、車両の現在位置から最も近い空きスペースの空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内が行われたりする。従って、ユーザにとっての快適性を向上することが可能になる。
【0024】
さらに、請求項6の構成によれば、車両の現在位置から最も近い空きスペースの空きスペース情報が提示手段で提示されるので、車載器の駐車位置入力手段を介して、車両の現在位置から最も近い空きスペースを予約することが可能になる。よって、この点でも、ユーザにとっての快適性を向上することが可能になる。
【0025】
また、請求項7の構成によれば、上記検索を逐次行い、車両の現在位置から最も近い空きスペースが新たに得られた場合には、新たに得られた空きスペースの空きスペース情報を管理側広域通信部から送信するので、車両の現在位置からさらに近い空きスペースが見つかった場合に、この空きスペースの空きスペース情報を提示手段で提示したり、この空きスペースの空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内を行ったりすることが可能になる。よって、刻々と変化する駐車場内の空きスペースの状況に応じた適切な駐車位置をユーザが見つけることをさらに容易にする。
【0026】
また、請求項8の構成によれば、例えば本発明の車載器を搭載していない他車両が空きスペースの予約を知らずに先に駐車してしまった場合など、予約スペースが埋まってしまったことを検出した場合に、当該予約スペースの空きスペース情報および管理部で管理している空きスペース情報をもとに、当該予約スペースから所定範囲内にある空きスペースを抽出部で抽出することになる。よって、当該予約スペースの近辺の空きスペースを抽出することが可能になる。
【0027】
そして、請求項8の構成によれば、抽出部で抽出した当該予約スペースの近辺の空きスペースの空きスペース情報を管理装置から車載器に送信することが可能になるので、当該予約スペースの近辺の空きスペースの空きスペース情報を提示手段で提示したり、当該予約スペースの近辺の空きスペースの空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内を行ったりすることが可能になる。なお、予約スペースが埋まってしまった場合であっても、当該予約スペースの近辺の空きスペースを提示したり、案内したりすることができれば、車両の駐車位置の変更をより小さく抑えることができる。従って、以上の構成によれば、予約スペースが埋まってしまった場合であっても、車両の駐車位置の変更をより小さく抑え、適切な駐車位置をドライバが見つけることをより容易にすることが可能になる。
【0028】
また、請求項9の構成によれば、車載器の条件設定手段でユーザから設定を受け付けた優先条件の情報(つまり、車両を駐車させる駐車位置についての優先条件の情報)を車載器から管理装置に送信し、管理装置において、上記優先条件の情報および管理部で管理する空きスペース情報をもとに、駐車場内の空きスペースのうちで上記優先条件に最も合致した空きスペースを検索し、検索によって得られた空きスペースを当該車両の駐車位置として予約することになる。よって、ユーザが所望する優先条件に最も合致した空きスペースを管理装置において自動的に予約することが可能になる。さらに、以上の構成によれば、空きスペースを管理装置において自動的に予約するので、ユーザの手間を軽減することが可能となる。
【0029】
また、請求項10の構成によれば、入口側狭域通信部で車両情報を受信したときに、管理部で管理している空きスペース情報をもとに、車両情報が示す車両の駐車位置となる空きスペースがないことを検出した場合には、管理部で逐次収集して管理している空きスペース情報をもとに、車両情報が示す車両の駐車位置となる空きスペースがあることを検出した時点で、検出した空きスペースを当該車両の駐車位置として空きスペース予約部で予約することになる。つまり、車両が駐車場に入庫するときに空きスペースがなかった場合には、空きスペースができた時点でその空きスペースを空きスペース予約部で予約することになる。これによれば、空きスペースができた時点でその空きスペースの予約を行うことができ、ユーザにとっての利便性をさらに向上させることができる。
【0030】
また、請求項11のように、車両側広域通信部で予約スペースの空きスペース情報を受信した場合に、当該予約スペースの空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内を行う態様とすればよい。
【0031】
また、請求項12の構成によれば、車載器の位置情報取得部で取得した車両の現在位置の情報と車両側広域通信部で受信した予約スペースの空きスペース情報および駐車場内の地図情報とをもとに、当該車両の現在位置から当該予約スペースまでの経路案内を行うので、ユーザが予約スペースまでより容易に到達することが可能となる。従って、以上の構成によれば、ユーザにとっての利便性をさらに向上させることができる。
【0032】
また、請求項13の構成によれば、車両が予約スペースに駐車したと判定した場合に、駐車位置の案内を停止するので、駐車位置の案内が不要になった後も駐車位置の案内を受けずに済み、ユーザに煩わしさを感じさせる状況を生じにくくすることができる。
【0033】
また、請求項14の構成によれば、通信範囲が駐車場の出口ゲート周辺の所定範囲に限定された狭域通信が車載器と管理装置とで確立した場合に、車載器が自動的に管理側広域通信部との広域通信を停止することになる。これによれば、車両が駐車場から出庫するときに自動的に管理側広域通信部との広域通信を停止することになる。よって、以上の構成によれば、車両が駐車場から出庫後には、不必要な空きスペース情報を受信せずに済む。さらに、以上の構成によれば、駐車場の出口ゲートに止まって処理を待つ必要がないので、駐車場出口での渋滞が生じにくい。
【0034】
また、請求項15の構成によれば、車両が駐車場から出庫するときに、車載器が駐車場内で逐次検出した駐車場内の各部における、管理側広域通信部から送信される情報の車両側広域通信部での受信レベルの情報を、車載器から管理装置に送信することになる。よって、管理側広域通信部から送信される情報の車両側広域通信部での受信レベルをもとに、駐車場の管理者が管理側広域通信部の故障判断や配置の変更等の検討を行うことが可能になる。
【0035】
また、請求項16の構成によれば、駐車場内の管理側広域通信部から送信される情報の通信状態の悪い領域を駐車場の管理者側で早期に発見できるため、駐車場の管理者は、駐車管理装置1の点検や修理の対応を早期に実施することが可能になる。
【0036】
また、請求項17のように、管理側広域通信部での広域通信の通信範囲として設定される範囲は、少なくとも駐車場の範囲を含む態様としてもよい。これによれば、駐車場内のどの場所でも、車載器が新たな空きスペースの情報を取得できるようにすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】駐車位置案内システム100の概略的な構成を示すブロック図である。
【図2】駐車場サーバ2の概略的な構成を示すブロック図である。
【図3】車載器6の概略的な構成について説明を行う。
【図4】駐車位置案内システム100での動作フローを示すフローチャートである。
【図5】入口通信制御処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【図6】出口通信制御処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【図7】駐車位置案内システム100での動作フローの他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明が適用された駐車位置案内システム100の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示す駐車位置案内システム100は、駐車管理装置1および車載器6を含んでいる。なお、車両周辺監視システム1を搭載している車両を以降では自車両と呼ぶ。なお、本実施形態では、請求項の車載器として、自動車等の車両に搭載されるナビゲーション装置を適用した場合を例に挙げて説明を行う。また、駐車管理装置1が請求項の管理装置に相当する。
【0039】
駐車管理装置1は、駐車場に設置されるものであって、図1に示すように駐車場サーバ2、入口ゲート側DSRCアンテナ3、出口ゲート側DSRCアンテナ4、および駐車区画監視センサ5を備えている。
【0040】
入口ゲート側DSRCアンテナ3は、駐車場の入口ゲートに設けられたDSRC(Dedicated ShortRange Communication)用のアンテナである。また、出口ゲート側DSRCアンテナ4は、駐車場の出口ゲートに設けられたDSRC用のアンテナである。なお、DSRCとは、例えば狭い範囲(数m〜100m程度)を対象とする5.8GHz帯を利用した双方向の無線通信方式である。また、以降では、このDSRCによる通信をDSRC通信と呼ぶ。
【0041】
駐車区画監視センサ5は、駐車場内に複数設けられている駐車区画ごとに設置されるものであって、各駐車区画における車両の駐車の有無を検出するセンサである。例えば駐車区画監視センサ5としては、ミリ波レーダや超音波ソナーや赤外線センサ等の障害物センサを利用する構成とすればよい。なお、障害物センサを利用する場合には、例えば駐車区画において車両に相当する大きさの障害物を検出しているか否かによって車両の駐車の有無を検出する構成とすればよい。また、CCDカメラ等の撮像装置からなるカメラセンサを利用する構成としてもよい。なお、カメラセンサを利用する場合には、例えば駐車区画において車両が撮像されているか否かによって車両の駐車の有無を検出する構成とすればよい。
【0042】
駐車場サーバ2は、入口ゲート側DSRCアンテナ3や出口ゲート側DSRCアンテナ4を介して、車両に搭載される車載器6との間でDSRC通信を行ったり、携帯電話網等のネットワーク(つまり、通信網)を介して、車両に搭載される車載器6との間で通信を行ったり、駐車区画監視センサ5での検出結果をもとに駐車場内の駐車区画の空きスペースの位置を示す情報である空きスペース情報を管理したりなどする。
【0043】
ここで、図2を用いて、駐車場サーバ2の概略的な構成について説明を行う。図2は、駐車場サーバ2の概略的な構成を示すブロック図である。駐車場サーバ2は、図2に示すように、入口側狭域通信部21、出口側狭域通信部22、サーバ側広域通信部23、駐車区画情報収集部24、空きスペースデータベース(DB)25、駐車場地図情報記憶部26、およびサーバ側制御装置27を備えている。
【0044】
入口側狭域通信部21は、入口ゲート側DSRCアンテナ3を介して、車載器6との間でDSRC通信を行うことが可能なものである。また、入口側狭域通信部21は、入口ゲート側DSRCアンテナ3からのDSRC通信の通信範囲を駐車場の入口ゲート周辺の所定範囲に限定している。また、入口側狭域通信部21は、受信した情報をサーバ側制御装置27に送ったり、サーバ側制御装置27から送られてくる情報をサーバ側制御装置27の指示に従って送信したりする。
なお、入口側狭域通信部21および入口ゲート側DSRCアンテナ3が請求項の入口側狭域通信部に相当する。
【0045】
また、ここで言うところの所定範囲とは、駐車場の入口ゲートを通過する車両の車載器6との間でDSRC通信が可能となる程度の任意の範囲であって、例えば入口ゲート周辺の数メートル〜10メートル程度の範囲である。なお、入口側狭域通信部21と車載器6との間でのDSRC通信は、車載器6を搭載する車両が入口ゲート側DSRCアンテナ3の通信範囲に入り、車載器6との通信が確立した場合に行われる。
【0046】
出口側狭域通信部22は、出口ゲート側DSRCアンテナ4を介して、車載器6との間で狭域通信を行うことが可能なものである。また、出口側狭域通信部22は、出口ゲート側DSRCアンテナ4からのDSRC通信の通信範囲を駐車場の出口ゲート周辺の所定範囲に限定している。また、出口側狭域通信部22は、受信した情報をサーバ側制御装置27に送ったり、サーバ側制御装置27から送られてくる情報をサーバ側制御装置27の指示に従って送信したりする。なお、出口側狭域通信部22および出口ゲート側DSRCアンテナ4が請求項の出口側狭域通信部に相当する。
【0047】
また、ここで言うところの所定範囲とは、駐車場の出口ゲートを通過する車両の車載器6との間でDSRC通信が可能となる程度の任意の範囲であって、例えば出口ゲート周辺の数メートル〜10メートル程度の範囲である。なお、出口側狭域通信部22と車載器6との間でのDSRC通信は、車載器6を搭載する車両が出口ゲート側DSRCアンテナ4の通信範囲に入り、車載器6との通信が確立した場合に行われる。
【0048】
以下では、DSRC通信の通信範囲は、入口・出口のそれぞれのゲート周辺の数メートル〜10メートル程度の範囲であるものとして説明を続ける。また、入口・出口のそれぞれのゲート周辺の所定範囲に通信範囲が限定されたDSRC通信が請求項の狭域通信に相当する。
【0049】
なお、本実施形態では、請求項の狭域通信として、DSRC通信を用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、通信距離が10数mくらいまでの赤外線通信やBluetooth(登録商標)通信等の近距離無線通信を狭域通信として用いる構成としてもよい。
【0050】
サーバ側広域通信部23は、携帯電話網等のネットワーク(つまり、通信網)を介して、車載器6(詳しくは、後述の車両側広域通信部75)との間で通信を行うことが可能なものである。また、サーバ側広域通信部23は、受信した情報をサーバ側制御装置27に送ったり、サーバ側制御装置27から送られてくる情報をサーバ側制御装置27の指示に従って送信したりする。なお、以降では、サーバ側広域通信部23と車両側広域通信部75とは、携帯電話網を介して通信を行うものとし、この携帯電話網を介した通信を携帯電話網通信と呼ぶものとする。また、携帯電話網通信は、前述したDSRC通信の通信範囲よりも広いものとする。なお、携帯電話網通信が請求項の広域通信に相当し、サーバ側広域通信部23が請求項の管理側広域通信部に相当する。
【0051】
また、本実施形態では、請求項の広域通信として、携帯電話網等のネットワークを介したサーバ側広域通信部23と車両側広域通信部75との間での通信を用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、ネットワークを介さないサーバ側広域通信部23と車両側広域通信部75との間での無線通信を請求項の広域通信として用いる構成としてもよい。
【0052】
なお、広域通信(本実施形態の例では携帯電話網通信)の通信範囲は狭域通信(本実施形態の例ではDSRC通信)の通信範囲よりも広い範囲であればよく、任意に設定可能な範囲である。例えば駐車場の入口ゲートの周辺の100m以上の範囲としてもよいし、少なくとも駐車場の全体(つまり、駐車場の範囲)を含む範囲としてもよい。以下では、携帯電話網通信の通信範囲は、少なくとも駐車場の全体を含む範囲であるものとして説明を続ける。
【0053】
駐車区画情報収集部24は、駐車区画監視センサ5で検出した各駐車区画における車両の駐車の有無の情報(以下、駐車区画情報)を逐次収集し、サーバ側制御装置27に送る。なお、駐車区画情報には例えば駐車区画を特定する情報と駐車区画における車両の駐車の有無の情報とが含まれる構成とすればよい。
【0054】
空きスペースDB25は、駐車場内の駐車区画の空きスペースの位置を示す情報である空きスペース情報が格納されるものである。なお、空きスペースDB25は、サーバ側制御装置27で新たな空きスペース情報が得られるたびに更新され、刻々と変化する駐車場内の空きスペースの状況に応じた空きスペース情報が格納されるものとする。
【0055】
駐車場地図情報記憶部26は、駐車場内の地図情報(以下、駐車場地図情報)を記憶するものである。よって、駐車場地図情報記憶部26が請求項の地図情報格納部に相当する。駐車場地図情報は、駐車場内の各駐車区画の位置および駐車場内の通路といった駐車場マップを表示させるための表示用データであってもよいし、駐車場内の各駐車区画の位置および駐車場内の通路を後述する地図データのように示した経路案内用データであってもよい。
【0056】
サーバ側制御装置27は、通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROMやEEPROMやRAMなどのメモリ、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)が備えられている。サーバ側制御装置27は、入口側狭域通信部21、出口側狭域通信部22、サーバ側広域通信部23、駐車区画情報収集部24、空きスペースDB25、駐車場地図情報記憶部26から入力された各種情報に基づき、各種の処理を実行する。
【0057】
例えば、サーバ側制御装置27は、駐車区画情報収集部24で逐次収集した駐車区画情報をもとに、駐車場内の駐車区画の空きスペースを抽出し、抽出したその空きスペースの位置を示す情報(以下、空きスペース情報)を空きスペースDB25に逐次格納することによって空きスペース情報を管理する。よって、駐車区画情報収集部24およびサーバ側制御装置27が請求項の管理部に相当する。なお、サーバ側制御装置27は、駐車区画情報収集部24から新たな駐車区画情報を得るたびに、その新たな駐車区画情報をもとに、駐車場内の駐車区画の空きスペースを新たに抽出するものとする。
【0058】
また、サーバ側制御装置27は、後述するアドレス情報を用いて車載器6が駐車場サーバ2に接続された場合には、空きスペースDB25に格納している空きスペース情報や駐車場地図情報記憶部26に記憶している駐車場地図情報をサーバ側広域通信部23から車載器6の車両側広域通信部75に送信する。なお、空きスペース情報や駐車場地図情報については、車載器6側から要求があるたびに逐次送信する構成であってもよいし、駐車場サーバ2側から自発的に逐次送信する構成であってもよい。また、サーバ側制御装置27での他の処理の詳細については後述する。
【0059】
図1に戻って、車載器6は、車両に搭載されるものであって、入口ゲート側DSRCアンテナ3や出口ゲート側DSRCアンテナ4を介して、駐車場サーバ2との間でDSRC通信を行ったり、携帯電話網を介して、駐車場サーバ2との間で携帯電話網通信を行ったり、駐車場サーバ2から得た空きスペース情報をもとに駐車位置の案内を行ったりなどする。
【0060】
ここで、図3を用いて、車載器6の概略的な構成について説明を行う。図3は、車載器6の概略的な構成を示すブロック図である。車載器6は、図3に示すように、位置検出器61、地図データ入力器66、記憶媒体67、外部メモリ68、表示装置69、音声出力装置70、操作スイッチ群71、リモートコントロール端末(以下、リモコン)72、リモコンセンサ73、車両側狭域通信部74、車両側広域通信部75、および車両側制御装置76を備えている。
【0061】
位置検出器61は、自車両の加速度を検出する加速度センサ62、自車両の鉛直方向周りの角速度を検出するジャイロスコープ63、各転動輪の回転速度から自車両の速度を検出する車輪速センサ64、および人工衛星からの電波に基づいて自車両の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機65を有しており、定期的に自車両の現在位置および進行方向の検出を行う。
【0062】
また、これらの各センサ62〜65は、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、各センサの精度によっては位置検出器61を上述した内の一部で構成してもよく、さらに、図示しない地磁気センサ、ステアリングの回転センサ、車速センサ等を用いてもよい。
【0063】
なお、以降では、ジャイロスコープ63等の方位センサの測定値と加速度センサ62や車輪速センサ64の測定値とから求めた推定現在位置および推定進行方向とをもとに自車両の現在位置を決定する航法を自律航法と呼ぶ。また、複数の人工衛星からの電波に基づいてGPS受信機15で自車両の推定現在位置を求め、この推定現在位置をもとに自車両の現在位置を決定する航法を電波航法と呼ぶ。なお、車載器6では、例えば駐車場外の道路を走行中は自律航法と電波航法とを組み合わせたハイブリッド航法によって自車両の現在位置を検出しているものとする。
【0064】
地図データ入力器66は、記憶媒体67が装着され、その記憶媒体67に格納されている位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ、および目印データを含む各種データを入力するための装置である。なお、地図データには、道路データ、背景データ、および文字データなどが含まれるものとする。また、記憶媒体67としては、CD−ROMまたはDVD−ROM、メモリカード、HDD等が用いられる。
【0065】
道路データには、道路を示すリンクデータとノードデータとが含まれる。なお、リンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割したときのノード間を結ぶものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。
【0066】
リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの形状情報、セグメントの長さを示すセグメント長、リンクの始端および終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、および制限速度等の各データから構成される。
【0067】
一方、ノードデータは、地図上のノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、および交差点種類等の各データから構成される。
【0068】
また、背景データは、地図上の各施設や地形等と、それに対応する地図上の座標とを関連付けたデータである。なお、施設に関しては、各種施設の種類、名称、住所のデータなども含まれる。また、文字データは、地名、施設名、道路名等を地図上に表示するためのデータであって、その表示すべき位置に対応する座標データと関連付けられている。
【0069】
外部メモリ68は、書き込み可能なHDD等の大容量記憶装置である。外部メモリ68には大量のデータや電源をオフしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図データ入力器66からコピーして利用したりする等の用途がある。なお、外部メモリ68は、比較的記憶容量の小さいリムーバブルなメモリであってもよい。
【0070】
表示装置69は、駐車場外の道路における経路案内を行うための画面、目的地選択画面、駐車場内の地図、駐車場の空きスペースの位置、駐車場内の空きスペースまでの経路案内を行うための画面等を表示するものであって、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて構成することができる。また、音声出力装置70は、スピーカ等から構成され、車両側制御装置76の指示に基づいて、経路案内時の案内音声等を出力する。
【0071】
操作スイッチ群71は、例えば表示装置69と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により車両側制御装置76へ各種機能の操作指示を行う。リモコン72には複数の操作スイッチ(図示せず)が設けられ、スイッチ操作によりリモコンセンサ73を介して各種指令信号を車両側制御装置76に入力することにより、操作スイッチ群71と同じ機能を車両側制御装置76に対して実行させることが可能である。
【0072】
車両側狭域通信部74は、車載器6を搭載する車両が入口ゲート側DSRCアンテナ3や出口ゲート側DSRCアンテナ4の通信範囲に入り、入口側狭域通信部21や出口側狭域通信部22との通信が確立した場合にDSRC通信を行うものである。例えば車両側狭域通信部74は、車載のDSRCユニットを介してDSRC通信を行う構成としてもよい。また、車両側狭域通信部74は、受信した情報を車両側制御装置76に送ったり、車両側制御装置76から送られてくる情報を車両側制御装置76の指示に従って送信したりする。
【0073】
車両側広域通信部75は、携帯電話網を介して駐車場サーバ2との間で携帯電話網通信を行うことが可能なものである。なお、車両側広域通信部75は、無線通信を介して携帯電話網に接続するものとする。例えば車両側広域通信部75は、通信モジュールを介して携帯電話網に接続する構成としてもよい。ここで言うところの通信モジュールとしては、例えば車両に搭載されるDCM(data communication module)等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュールや例えばBluetooth(登録商標)等で接続した携帯電話機等がある。
【0074】
また、車両側広域通信部75は、車両側狭域通信部74で駐車場サーバ2から後述する駐車場サーバ2へのアクセス情報を取得した場合に、駐車場サーバ2との間での携帯電話網通信を行うことが可能となるものである。なお、車両側広域通信部75は、受信した情報を車両側制御装置76に送ったり、車両側制御装置76から送られてくる情報を車両側制御装置76の指示に従って送信したりする。
【0075】
車両側制御装置76は通常のコンピュータとして構成されており、内部には周知のCPU、ROMやEEPROMやRAMなどのメモリ、I/O及びこれらの構成を接続するバスライン(いずれも図示せず)が備えられている。車両側制御装置76は、位置検出器61、地図データ入力器66、外部メモリ68、操作スイッチ群71、リモコンセンサ73、車両側狭域通信部74、車両側広域通信部75から入力された各種情報に基づき、ナビゲーション機能としての処理(例えば、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、マップマッチング処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理、コスト決定処理等)や駐車場への入庫時の通信制御に関連する処理、駐車場からの出庫時の通信制御に関連する処理、駐車場内での駐車位置案内に関連する処理等を実行する。
【0076】
例えば、経路探索実行処理においては、車両側制御装置76は、操作スイッチ群71、リモコンセンサ73から目的地が入力されると、距離優先、時間優先等の予め設定された条件を満たす適切な移動経路(以下、案内経路と呼ぶ)を、公知のダイクストラ法を用いて探索する。
【0077】
また、経路案内処理においては、車両側制御装置76は、経路探索実行処理で探索された案内経路を表示装置69に表示させる。また、車両側制御装置76は、案内経路を辿って目的地まで向かうことができるような案内画面を表示装置69に表示させたり、案内音声を音声出力装置70に出力させたりする。なお、車両側制御装置76での他の処理の詳細については後述する。
【0078】
次に、図4を用いて、駐車位置案内システム100での動作フローの一例についての説明を行う。図4は、駐車位置案内システム100での動作フローの一例を示すフローチャートである。なお、本フローは、例えば自車両のアクセサリスイッチやイグニッションスイッチがオンされ、車載器6の電源がオンになったときに開始される。
【0079】
まず、ステップS1では、車載器6を搭載した車両(以下、車載器搭載車両)の車載器6が入口通信制御処理を実行し、ステップS2に移る。ここで、図5を用いて、入口通信制御処理についての説明を行う。図5は、入口通信制御処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【0080】
まず、ステップS11では、車載器6の車両側制御装置76が、駐車場サーバ2とのDSRC通信が開始されたか否かを判定する。詳しくは、車載器6の車両側狭域通信部74と駐車場サーバ2の入口側狭域通信部21との間で通信が確立されたか否かに応じて、DSRC通信開始か否かを車両側制御装置76が判定する。そして、DSRC通信開始と判定した場合(ステップS11でYES)には、ステップS12に移る。また、DSRC通信開始と判定しなかった場合(ステップS11でNO)には、ステップS11のフローを繰り返す。
【0081】
ステップS12では、車載器6の車両側制御装置76が、当該車載器6を搭載する車載器搭載車両を特定する情報(以下、車両情報)を車両側狭域通信部74からDSRC通信によって駐車場サーバ2の入口側狭域通信部21に送信し、ステップS13に移る。なお、ここで言うところの車両情報は、例えば車両登録番号(ナンバー)であるものとする。また、車両情報は、車載器6の車両側制御装置76のEEPROMや外部メモリ68等のメモリに予め格納しておき、このメモリから車両側制御装置76が読み出す構成とすればよい。
【0082】
また、入口側狭域通信部21で車両情報を受信した場合に、駐車場サーバ2のサーバ側制御装置27では、サーバ側広域通信部23からの空きスペース情報の受信を可能にする情報(以下、アクセス情報)を入口側狭域通信部21からDSRC通信によって車両側狭域通信部74に送信するものとする。
【0083】
なお、ここで言うところのアクセス情報は、例えば駐車場サーバ2のアドレスであったり、駐車場サーバ2へのアクセス(つまり、接続)を許可するための認証用のコードであったりするものとする。また、アクセス情報は、サーバ側制御装置27のROMやEEPROM等のメモリに予め格納しておき、このメモリからサーバ側制御装置27が読み出す構成とすればよい。なお、アクセス情報が請求項の許可情報に相当する。
【0084】
ステップS13では、入口側狭域通信部21からDSRC通信で送信されてくるアクセス情報を車両側狭域通信部74で受信して車両側制御装置76に送ることによって、車両側制御装置76がアクセス情報を取得し、ステップS14に移る。
【0085】
なお、車両側狭域通信部74と入口側狭域通信部21との間での通信は、前述したように、車載器6を搭載する車両が入口ゲート側DSRCアンテナ3の通信範囲に入ったときに確立することになるので、車載器搭載車両が駐車場に入庫するときに、車載器6でのアクセス情報の取得が行われることになる。
【0086】
また、入口側狭域通信部21で受信した車両情報はサーバ側制御装置27に送られ、その車両情報はサーバ側制御装置27で入庫時刻と紐付けられて、例えばサーバ側制御装置27のEEPROM等のメモリに記憶される。なお、入庫時刻は、駐車場サーバ2に備えられた図示しない計時手段で計測したものを用いる構成とすればよい。
【0087】
そして、ステップS14では、車載器搭載車両が駐車場に入庫したものとしてDSRC通信終了処理を行い、ステップS2に移る。ここでのDSRC通信終了処理では、車両側狭域通信部74と入口側狭域通信部21との間の通信の解消が行われる。
【0088】
図4に戻って、ステップS2では、取得したアクセス情報を用いて車両側制御装置76が車両側広域通信部75とサーバ側広域通信部23とを介して駐車場サーバ2に接続することで、車両側広域通信部75とサーバ側広域通信部23との通信が確立し、携帯電話網通信が開始され、ステップS3に移る。
【0089】
ステップS3では、駐車場サーバ2で管理している空きスペース情報や駐車場地図情報を、携帯電話網通信によって車両側広域通信部75がサーバ側広域通信部23から受信して車両側制御装置76に送ることによって、車載器6が空きスペース情報や駐車場地図情報を取得し、ステップS4に移る。なお、ここで言うところの空きスペース情報は、例えば駐車場内の全空きスペースについての空きスペース情報であるものとする。また、ここで言うところの駐車場地図情報は、前述の駐車場マップを表示させるための表示データであるものとする。
【0090】
ステップS4では、ステップS3で取得した空きスペース情報や駐車場地図情報をもとに、車両側制御装置76が駐車位置案内処理を行い、ステップS5に移る。駐車位置案内処理では、車両側制御装置76が、空きスペース情報をもとに表示装置69に全空きスペースの位置を示す表示を行わせたり、駐車場地図情報をもとに、表示装置69に駐車場マップの表示を行わせたりすることによって駐車位置の案内を行う。なお、車両側制御装置76は、空きスペース情報と駐車場地図情報とをもとに、駐車場マップ中に空きスペースの位置を示す表示を行わせることによって駐車位置の案内を行う構成とすればよい。また、表示装置69が請求項の提示手段に相当する。
【0091】
また、携帯電話網通信が開始された後は、携帯電話網通信によってサーバ側広域通信部23から送信される空きスペース情報の受信を車両側広域通信部75が逐次行って車両側制御装置76に送ることによって、車両側制御装置76が空きスペース情報を逐次取得することになる。つまり、車載器6を搭載する車両が駐車場に入庫した後は、携帯電話網通信によって空きスペース情報を車載器6が逐次取得することになる。なお、駐車場地図情報については、車両側広域通信部75で逐次受信する構成としなくてもよい。
【0092】
ステップS5では、車載器搭載車両の車載器6が出口通信制御処理を実行し、ステップS6に移る。ここで、図6を用いて、出口通信制御処理についての説明を行う。図6は、出口通信制御処理のフローの一例を示すフローチャートである。
【0093】
まず、ステップS51では、車載器6の車両側制御装置76が、駐車場サーバ2とのDSRC通信が開始されたか否かを判定する。詳しくは、車載器6の車両側狭域通信部74と駐車場サーバ2の出口側狭域通信部22との間で通信が確立されたか否かに応じて、DSRC通信開始か否かを車両側制御装置76が判定する。そして、DSRC通信開始と判定した場合(ステップS51でYES)には、ステップS52に移る。また、DSRC通信開始と判定しなかった場合(ステップS51でNO)には、ステップS51のフローを繰り返す。
【0094】
ステップS52では、車載器6の車両側制御装置76が、車両情報を車両側狭域通信部74からDSRC通信によって駐車場サーバ2の出口側狭域通信部22に送信し、ステップS53に移る。
【0095】
なお、車両側狭域通信部74と出口側狭域通信部22との間での通信は、前述したように、車載器6を搭載する車両が出口ゲート側DSRCアンテナ4の通信範囲に入ったときに確立することになるので、車載器搭載車両が駐車場から出庫するときに、車載器6から駐車場サーバ2への車両情報の送信が行われることになる。
【0096】
ステップS53では、駐車料金課金処理を行って、ステップS54に移る。駐車料金課金処理では、サーバ側制御装置27が、駐車場サーバ2に備えられた前述の計時手段で計測した現時点の時刻を出庫時刻として取得するとともに、車両側狭域通信部74からDSRC通信によって送信された車両情報をもとに、サーバ側制御装置27が当該車両情報に紐付けられた入庫時刻を前述のメモリから読み出し、駐車時間を算出する。また、サーバ側制御装置27は、駐車時間に応じた駐車料金を算出し、駐車料金の課金を行う。例えば駐車料金の課金は、駐車場の出口ゲートにおいて現金の支払いを行わせるものであってもよいし、車載器6からユーザのカード情報を受信し、そのカード情報をもとにユーザの口座から駐車料金を引き落とすものであってもよい。
【0097】
そして、ステップS54では、車載器搭載車両が駐車場から出庫したものとしてDSRC通信終了処理を行い、ステップS6に移る。ここでのDSRC通信終了処理では、車両側狭域通信部74と出口側狭域通信部22との間の通信の解消が行われる。
【0098】
図4に戻って、ステップS6では、車両側制御装置76と車両側広域通信部75とを介した車載器6と駐車場サーバ2との接続が解除され、携帯電話網通信が終了し、フローが終了する。なお、携帯電話網通信が終了することで、車両側広域通信部75での空きスペース情報の受信が停止するため、車両側制御装置76での空きスペース情報の取得も停止され、空きスペースの位置の表示も停止する。
【0099】
以上の構成によれば、車載器搭載車両が駐車場に入庫するときに自動的に、携帯電話網通信によって駐車管理装置1の駐車場サーバ2から空きスペース情報を車載器6が受信できるようになる。また、以上の構成によれば、駐車場の入口ゲートに止まって処理を待つ必要がないので、駐車場入口での渋滞が生じにくい。また、以上の構成によれば、車両が駐車場に入庫しようとして入口ゲートに近づかなければ、携帯電話網通信によって駐車場サーバ2から空きスペース情報を車載器6が受信できるようにならないので、ユーザが入庫するつもりのない駐車場についての空きスペース情報まで送信されてユーザが煩わしさを感じることがない。従って、以上の構成によれば、ユーザにとっての快適性をより損ないにくくすることができる。
【0100】
また、以上の構成によれば、車載器6が携帯電話網通信によって駐車管理装置1の駐車場サーバ2から空きスペース情報を受信できるようになった後は、駐車場サーバ2で逐次更新されている空きスペース情報を逐次受信し、受信した空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内を行うことになる。よって、以上の構成によれば、駐車場に入庫後にも車載器6が新たな空きスペースの情報を取得することができ、刻々と変化する駐車場内の空きスペースの状況に応じた適切な駐車位置をユーザが見つけることをより容易にする。
【0101】
その結果、以上の構成によれば、適切な駐車位置をドライバが見つけることをより容易にするとともに、ユーザにとっての快適性をより損ないにくい駐車位置案内システム100を提供することができる。
【0102】
また、以上の構成によれば、携帯電話網通信の通信範囲は、少なくとも駐車場の全体を含む範囲であるので、駐車場内のどの場所でも、車載器6が新たな空きスペースの情報を取得できるようにすることができる。
【0103】
なお、本実施形態では、車両側狭域通信部74からDSRC通信によって車両情報を駐車場サーバ2に送信した後に、車載器6がアクセス情報を取得する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車両側狭域通信部74と入口側狭域通信部21との間で通信が確立されたときに、この通信の確立をトリガにして駐車場サーバ2からDSRC通信によってアクセス情報を車載器6に送信することによって車載器6がアクセス情報を取得する構成としてもよい。なお、この場合、車載器6から駐車場サーバ2への車両情報の送信は、DSRC通信を終了する前にDSRC通信によって行う構成としてもよいし、携帯電話網通信が開始された後に携帯電話網通信によって行う構成としてもよい。
【0104】
また、本実施形態では、車載器6がアクセス情報を取得した後に、サーバ側広域通信部23から携帯電話網通信によって送信される空きスペース情報や駐車場地図情報を取得する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車載器6がアクセス情報を取得する前に、サーバ側広域通信部23から携帯電話網通信によって送信される空きスペース情報や駐車場地図情報を予め取得する構成としてもよい。
【0105】
この場合には、例えば車載器搭載車両が駐車場の入口ゲートに近付いたときに、車両側広域通信部75が一時的にアクセス情報(この場合は、例えば前述の認証コードとする)によらずに、サーバ側広域通信部23から携帯電話網通信によって送信される空きスペース情報や駐車場地図情報を取得可能となるものとすればよい。よって、車両側広域通信部75が請求項の準備受信部に相当する。なお、車載器搭載車両が駐車場の入口ゲートに近付いたことは、例えば車載器6の車両側狭域通信部74と駐車場サーバ2の入口側狭域通信部21との間で通信が確立されたことをもって判別する構成とすればよい。
【0106】
また、車載器搭載車両が駐車場の入口ゲートに近付いたときに、一時的にアクセス情報によらずに、サーバ側広域通信部23から携帯電話網通信によって送信される空きスペース情報や駐車場地図情報を取得可能となる車両側広域通信部75以外の図示しない通信部を、車載器6が備える構成としてもよい。
【0107】
そして、車載器6がアクセス情報を取得した後に、車両側広域通信部75で予め受信しておいた空きスペース情報や駐車場地図情報に基づいて駐車位置の案内を行う構成とすればよい。
【0108】
これによれば、予め駐車場内の空きスペース情報や駐車場地図情報を受信開始しておくことができるため、アクセス情報の受信後に駐車場内の空きスペース情報や駐車場地図情報を取得完了するまでの通信時間を省略することができる。つまり、これによれば、予め受信済みの空きスペース情報や駐車場地図情報に基づいて、駐車位置の案内を迅速に開始することが可能になる。
【0109】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。以下では、この次の実施形態について図7を用いて説明を行う。図7は、駐車位置案内システム100での動作フローの他の一例を示すフローチャートである。なお、本フローは、例えば自車両のアクセサリスイッチやイグニッションスイッチがオンされ、車載器6の電源がオンになったときに開始される。
【0110】
まず、ステップS101〜ステップS102までは、ステップS1〜ステップS2までと同様にして行うものとする。ステップS103では、駐車場サーバ2で管理している空きスペース情報や駐車場地図情報を、携帯電話網通信によって車両側広域通信部75がサーバ側広域通信部23から受信して車両側制御装置76に送ることによって、車載器6が空きスペース情報や駐車場地図情報を取得し、ステップS104に移る。なお、ここで言うところの空きスペース情報は、例えば駐車場内の全空きスペースについての空きスペース情報であって、各空きスペースを特定する情報(ここでは例えば区画番号とする)も含んでいるものとする。また、ここで言うところの駐車場地図情報は、前述の駐車場マップを表示させるための表示データであるものとする。
【0111】
ステップS104では、ステップS103で取得した空きスペース情報や駐車場地図情報をもとに、車両側制御装置76が駐車位置案内処理を行い、ステップS105に移る。ここでの駐車位置案内処理では、車両側制御装置76が、空きスペース情報をもとに表示装置69に全空きスペースの位置を示す表示を行わせたり、駐車場地図情報をもとに、表示装置69に駐車場マップの表示を行わせたりすることによって駐車位置の案内を行う。なお、車両側制御装置76は、空きスペース情報と駐車場地図情報とをもとに、駐車場マップ中に空きスペースの位置を示す表示を行わせることによって駐車位置の案内を行う構成とすればよい。
【0112】
ステップS105では、駐車位置予約処理を行い、ステップS106に移る。駐車位置予約処理では、まず、表示装置69に表示された空きスペースのうちから自車両の駐車位置を指定するユーザからの入力を操作スイッチ群71やリモコン72で受け付ける。続いて、受信していた空きスペース情報をもとに、指定された空きスペースの区画番号を車両情報とともに携帯電話網通信によって車載器6から駐車場サーバ2に送信する。よって、操作スイッチ群71やリモコン72が請求項の駐車位置入力手段に相当する。
【0113】
なお、一例としては、操作スイッチ群71が表示装置69と一体になったタッチスイッチを採用し、表示装置69に表示した駐車場マップ中の空きスペースの中からユーザが所望する空きスペースに触れることによって自車両の駐車位置を指定できる構成とすればよい。
【0114】
また、駐車位置予約処理では、携帯電話網通信によって車載器6から送信されてきた区画番号および車両情報をもとに、駐車場サーバ2のサーバ側制御装置27が、空きスペースDB25に格納されている空きスペース情報が示す空きスペースの中からその区画番号が示す空きスペースを特定するとともに、車両情報が示す車載器搭載車両の駐車位置としてその区画番号に対応する空きスペースの予約を行う。
【0115】
なお、ここで言うところの予約とは、空きスペースへの駐車を特定の車両に対してのみ制限することを示す。例えば、予約が行われると、予約を行った車載器搭載車両以外の車載器搭載車両は、予約が行われた空きスペースの予約を行うことができなくなる。また、以降では、予約が行われた空きスペースを予約スペースと呼ぶ。よって、サーバ側制御装置27が請求項の空きスペース予約部に相当する。なお、車両情報については、必ずしも区画番号とともに携帯電話網通信によって車載器6から送信する必要はなく、予めDSRC通信で受信していた車両情報を用いる構成としてもよい。
【0116】
また、本実施形態では、表示装置69に全空きスペースの位置を示す表示を行わせ、全空きスペースのうちからユーザが所望する空きスペースを指定させる構成を示したが、必ずしもこれに限らず、ユーザが空きスペースを選択する手間を軽減するために、表示装置69に表示する空きスペースの数を絞り込む構成としてもよい。
【0117】
例えば、車載器搭載車両を駐車させる駐車位置についての優先条件の設定をユーザから受け付け、その優先条件により合致する空きスペースのみをユーザに提示する構成としてもよい。以下でこの構成の詳細を説明する。なお、優先条件としては、例えば駐車場が複数の階層に分かれている場合には優先階数、複数の店舗に繋がった駐車場の場合にはどの店舗の付近を優先するかの優先店舗、駐車場出口付近優先等の条件がある。
【0118】
まず、優先条件を設定するユーザからの入力を操作スイッチ群71やリモコン72で予め受け付け、車両側制御装置76がこの優先条件の設定を車両側制御装置76のEEPROM等のメモリ等に格納する。よって、操作スイッチ群71やリモコン72が請求項の条件設定手段に相当する。なお、優先条件の設定は駐車場の入庫前に行われる構成であってもよいし、入庫後に行われる構成であってもよい。続いて、車載器搭載車両が駐車場に入庫したときに、車両側制御装置76がメモリから優先条件の情報を読み出し、読み出した優先条件の情報をDSRC通信もしくは携帯電話網通信によって駐車場サーバ2に送信させる。
【0119】
また、優先条件の情報を受信した駐車場サーバ2では、受信した優先条件の情報と空きスペースDB25に格納されている空きスペース情報とをもとに、駐車場内の空きスペースのうちで当該優先条件に最も合致した空きスペースをサーバ側制御装置27が検索する。よって、サーバ側制御装置27が請求項の検索部に相当する。続いて、サーバ側制御装置27が、上記検索で得られた空きスペースの空きスペース情報を、携帯電話網通信によってサーバ側広域通信部23から車載器6に送信させる。
【0120】
そして、上記検索で得られた空きスペースの空きスペース情報を受信した車載器6では、車両側制御装置76が、当該空きスペース情報をもとに表示装置69に上記検索で得られた空きスペースの位置を示す表示を行わせることによって駐車位置の案内を行う。
【0121】
以上の構成によれば、ユーザが所望する優先条件に最も合致した空きスペースの位置を示す表示に絞り込むことができるので、ユーザが空きスペースを選択する手間を軽減し、ユーザにとっての快適性を向上することができる。
【0122】
なお、ここでは、優先条件に最も合致した空きスペースを検索し、上記検索で得られた空きスペースの位置を示す表示を表示装置69に行わせる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、優先条件に最も合致した空きスペースを含んでさえいれば、優先条件に最も合致した空きスペースに順ずる空きスペースも検索する構成としてもよく、優先条件に最も合致した空きスペースの位置とともに、優先条件に最も合致した空きスペースに順ずる空きスペースの位置を示す表示を表示装置69に行わせる構成としてもよい。
【0123】
また、サーバ側制御装置27が、受信済みの優先条件の情報と空きスペースDB25に格納されている空きスペース情報とをもとに、上記検索を逐次行い、検索によって当該優先条件に最も合致した空きスペースが新たに得られた場合には、新たに得られた空きスペースの空きスペース情報を携帯電話網通信によってサーバ側広域通信部23から車載器6に送信させる構成とすることが好ましい。
【0124】
これによれば、ユーザが所望する優先条件にさらに合致した空きスペースが見つかった場合に、この空きスペースの位置を示す表示を表示装置69に行わせることが可能になるので、刻々と変化する駐車場内の空きスペースの状況に応じた適切な駐車位置をユーザが見つけることをさらに容易にする。
【0125】
また、例えば、車載器搭載車両の現在位置に近い空きスペースのみをユーザに提示する構成としてもよい。以下でこの構成の詳細を説明する。まず、車両側制御装置76が、位置検出器61で逐次検出している車載器搭載車両の現在位置の情報を取得する。なお、車両側制御装置76が、請求項の位置情報取得部に相当する。続いて、車両側制御装置76が位置検出器61から取得した車載器搭載車両の現在位置の情報をDSRC通信もしくは携帯電話網通信によって駐車場サーバ2に送信させる。
【0126】
また、当該現在位置の情報を受信した駐車場サーバ2では、受信した現在位置の情報と空きスペースDB25に格納されている空きスペース情報とをもとに、駐車場内の空きスペースのうちで車載器搭載車両の現在位置から最も近い空きスペースを検索する。続いて、サーバ側制御装置27が、上記検索で得られた空きスペースの空きスペース情報を、携帯電話網通信によってサーバ側広域通信部23から車載器6に送信させる。
【0127】
そして、上記検索で得られた空きスペースの空きスペース情報を受信した車載器6では、車両側制御装置76が、当該空きスペース情報をもとに表示装置69に上記検索で得られた空きスペースの位置を示す表示を行わせることによって駐車位置の案内を行う。
【0128】
以上の構成によれば、車載器搭載車両の現在位置から最も近い空きスペースの位置を示す表示に絞り込むことができるので、ユーザが空きスペースを選択する手間を軽減し、ユーザにとっての快適性を向上することができる。
【0129】
なお、ここでは、車載器搭載車両の現在位置から最も近い空きスペースを検索し、上記検索で得られた空きスペースの位置を示す表示を表示装置69に行わせる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車載器搭載車両の現在位置から最も近い空きスペースを含んでさえいれば、車載器搭載車両の現在位置から最も近い空きスペースに順ずる近さの空きスペースも検索する構成としてもよく、車載器搭載車両の現在位置から最も近い空きスペースの位置とともに、車載器搭載車両の現在位置から最も近い空きスペースに順ずる近さの空きスペースの位置を示す表示を表示装置69に行わせる構成としてもよい。
【0130】
また、サーバ側制御装置27が、位置検出器61から逐次取得する現在位置の情報と空きスペースDB25に格納されている空きスペース情報とをもとに、上記検索を逐次行い、検索によって車載器搭載車両の現在位置から最も近い空きスペースが新たに得られた場合には、新たに得られた空きスペースの空きスペース情報を携帯電話網通信によってサーバ側広域通信部23から車載器6に送信させる構成とすることが好ましい。
【0131】
これによれば、車載器搭載車両の現在位置からさらに近い空きスペースが見つかった場合に、この空きスペースの位置を示す表示を表示装置69に行わせることが可能になるので、刻々と変化する駐車場内の空きスペースの状況に応じた適切な駐車位置をユーザが見つけることをさらに容易にする。
【0132】
また、前述した優先条件で絞り込んだ空きスペースのみをユーザに提示するモードと車載器搭載車両の現在位置から近い空きスペースのみをユーザに提示するモードとの両方を車載器6が備え、操作スイッチ群71やリモコン72などへのユーザからの入力に応じてこれらのモードを切り替えられる構成としてもよい。
【0133】
なお、前述の実施形態では、空きスペースのうちから自車両の駐車位置を指定するユーザからの入力を操作スイッチ群71やリモコン72で受け付けることによって駐車位置の予約を行う構成、つまり、手動で駐車位置を予約する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自動で駐車位置を予約する構成としてもよい。
【0134】
例えば、車載器搭載車両を駐車させる駐車位置についての優先条件の設定をユーザから受け付け、その優先条件に最も合致する空きスペースを駐車位置として自動で予約する構成としてもよい。なお、この場合には、優先条件の設定および優先条件に最も合致した空きスペースの検索については、前述したのと同様にして行う構成とすればよい。そして、サーバ側制御装置27が、検索で得られた優先条件に最も合致した空きスペースを、車両情報が示す車載器搭載車両の駐車位置として予約を行う構成とすればよい。
【0135】
また、例えば、車載器搭載車両の現在位置から最も近い空きスペースを駐車位置として自動で予約する構成としてもよい。なお、この場合には、車載器搭載車両の現在位置から最も近い空きスペースの検索については、前述したのと同様にして行う構成とすればよい。そして、サーバ側制御装置27が、検索で得られた車載器搭載車両の現在位置から最も近い空きスペースを、車両情報が示す車載器搭載車両の駐車位置として予約を行う構成とすればよい。
【0136】
以上の構成によれば、空きスペースを駐車管理装置1において自動的に予約するので、ユーザの手間を軽減することが可能となる。なお、前述した手動で駐車位置を予約するモードと自動で駐車位置を予約するモードとの両方を車載器6が備え、操作スイッチ群71やリモコン72などへのユーザからの入力に応じてこれらのモードを切り替えられる構成としてもよい。
【0137】
また、車載器搭載車両の駐車場への入庫時に満車で空きスペースがなかった場合に、空きスペースが生じたときにその空きスペースを自動的に予約する構成としてもよい。例えば、入庫時に駐車場が満車であることは、駐車場サーバ2がDSRC通信で車両情報を受信したときに、サーバ側制御装置27が空きスペースDB25に格納されている空きスペース情報を参照し、空きスペースがないことを検出したことをもって判断すればよい。また、入庫時に駐車場が満車であると判断した場合には、サーバ側制御装置27が、空きスペースDB25に格納されている空きスペース情報を逐次参照し続け、空きスペースがあることを検出した時点で、その空きスペースを、車両情報が示す車載器搭載車両の駐車位置として予約を行う構成とすればよい。
【0138】
ステップS106では、予約された空きスペース(つまり、予約スペース)の空きスペース情報や駐車場地図情報を、携帯電話網通信によって車両側広域通信部75がサーバ側広域通信部23から受信して車両側制御装置76に送ることによって、車載器6が予約スペースの空きスペース情報や駐車場地図情報を取得し、ステップS107に移る。なお、ここで言うところの駐車場地図情報は、前述の経路案内用データであるものとする。
【0139】
ステップS107では、経路案内処理を行い、ステップS108に移る。経路案内処理では、車両側制御装置76が、ステップS106で受信した経路案内用データとしての駐車場地図情報および予約スペースの空きスペース情報と位置検出器61から取得する車載器搭載車両の現在位置の情報とをもとに、現在位置から予約スペースまでの経路案内を行う。
【0140】
なお、経路案内については、前述した経路探索実行処理と同様に、現在位置から予約スペースまでの例えば最短距離の移動経路を公知のダイクストラ法を用いて探索し、探索した移動経路を辿って予約スペースまで向かうことができるような案内画面を表示装置69に表示させたり、案内音声を音声出力装置70に出力させたりする。また、駐車場の範囲が狭く、電波航法で自車両の現在位置を決定することが困難である場合には、自律航法で決定した現在位置の情報のみを用いて経路案内を行う構成とすればよい。
【0141】
また、本実施形態では、経路案内用データとしての駐車場地図情報を駐車場サーバ2から携帯電話網通信で車載器6の車両側制御装置76が取得する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、記憶媒体67に予め経路案内用データとしての駐車場地図情報が格納されている場合には、この駐車場地図情報を、地図データ入力器66を介して車両側制御装置76が取得する構成としてもよい。
【0142】
なお、例えば車載器6を搭載していない車両が空きスペースの予約を知らずに先に駐車してしまった場合など、車載器搭載車両が予約スペースに向かう途中にその予約スペースが埋まってしまった場合に、新たな予約スペースの候補となる空きスペースをユーザに提示する構成としてもよい。
【0143】
例えば、予約スペースが埋まってしまったことは、サーバ側制御装置27が、空きスペースDB25に格納されている空きスペース情報を逐次参照し続け、予約スペースに該当する空きスペースがなくなったことを検出したことをもって判断すればよい。また、サーバ側制御装置27は、予約スペースが埋まってしまったときには、空きスペースDB25に格納されている空きスペース情報と当該予約スペースの空きスペース情報とをもとに、当該予約スペースから所定範囲内にある空きスペースを抽出する。よって、サーバ側制御装置27が請求項の抽出部に相当する。なお、ここで言うところの所定範囲とは、例えば十数メートル等の近辺と言える程度の範囲であって、任意に設定可能な範囲である。
【0144】
続いて、サーバ側制御装置27が、上記抽出で得られた空きスペースの空きスペース情報を、携帯電話網通信によってサーバ側広域通信部23から車載器6に送信させる。そして、上記抽出で得られた空きスペースの空きスペース情報を受信した車載器6では、車両側制御装置76が、当該空きスペース情報をもとに表示装置69に上記抽出で得られた空きスペースの位置を示す表示を行わせることによって駐車位置の案内を行う。なお、上記抽出で得られた空きスペースの位置を示す表示をもとにユーザが自車両の新たな駐車位置を指定する入力を操作スイッチ群71やリモコン72に行うと、前述の駐車位置予約処理と同様の処理が行われ、新たな空きスペースが予約される。
【0145】
以上の構成によれば、予約スペースが埋まってしまった場合であっても、当該予約スペースの近辺の空きスペースを提示したり、案内したりすることができるので、車載器搭載車両の駐車位置の変更をより小さく抑えることができる。従って、以上の構成によれば、予約スペースが埋まってしまった場合であっても、車載器搭載車両の駐車位置の変更をより小さく抑え、適切な駐車位置をドライバが見つけることをより容易にすることが可能になる。
【0146】
ステップS108では、車両側制御装置76が、車載器搭載車両が予約スペースに駐車したか否かを判定する。よって、車両側制御装置76が請求項の予約スペース駐車判定部に相当する。なお、車載器搭載車両が予約スペースに駐車したことは、ステップS106で受信した予約スペースの空きスペース情報と位置検出器61から取得する車載器搭載車両の現在位置の情報とをもとに、車載器搭載車両が予約スペースに到達したことを検出するとともに、駐車操作を検出したことをもって車両側制御装置76が判定する構成とすればよい。
【0147】
なお、駐車操作の検出は、例えばシフトポジションセンサのセンサ信号をもとに、シフト位置が駐車位置「P」となったことを車両側制御装置76が検知したことをもって検出する構成としてもよいし、パーキングブレーキスイッチの信号をもとに、パーキングブレーキが使用中となったことを車両側制御装置76が検知したことをもって検出する構成としてもよい。
【0148】
また、例えば駐車区画監視センサ5がカメラセンサの場合に、予約スペースに設けられたカメラセンサから得られる画像をもとに、その予約スペースを予約した車載器搭載車両の車両登録番号をサーバ側制御装置27で公知の画像認識によって検出し、駐車場サーバ2から車載器6に予約スペースに駐車したことを示す情報を送信することによって、車両側制御装置76が、車載器搭載車両が予約スペースに駐車したか否かを判定できるようにする構成としてもよい。もちろん、さらに他の方法によって、車載器搭載車両が予約スペースに駐車したか否かを判定できるようにする構成としてもよい。
【0149】
そして、車載器搭載車両が予約スペースに駐車したと車両側制御装置76が判定した場合(ステップS108でYES)には、ステップS109に移る。また、車載器搭載車両が予約スペースに駐車したと車両側制御装置76が判定しなかった場合(ステップS108でNO)には、ステップS107に戻ってフローを繰り返す。
【0150】
ステップS109では、車載器搭載車両の車載器6が出口通信制御処理を実行し、ステップS110に移る。そして、ステップS110では、車両側制御装置76と車両側広域通信部75とを介した車載器6と駐車場サーバ2との接続が解除され、携帯電話網通信が終了し、フローが終了する。なお、携帯電話網通信が終了することで、車両側広域通信部75での空きスペース情報の受信が停止するため、車両側制御装置76での空きスペース情報の取得も停止され、空きスペースの位置の表示も停止する。
【0151】
以上の構成によれば、ユーザが所望する空きスペースを予約することができ、自車両以外の車載器搭載車両に優先して予約スペースに駐車を行うことが可能になる。また、予約スペースについて駐車位置の案内をユーザが受けることができるので、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
【0152】
なお、車両側制御装置76が、駐車場内を走行中に、サーバ側広域通信部23から送信される情報の車両側広域通信部75での受信レベルを逐次検出し、位置検出器61から逐次取得する車載器搭載車両の現在位置の情報と紐付けて例えば外部メモリ68や車両側制御装置76のEEPROM等のメモリに記憶しておく構成としてもよい。つまり、駐車場内の各部における携帯電話網通信での受信レベルの情報を記憶しておくことになる。なお、車両側制御装置76が請求項の受信レベル検出部に相当し、外部メモリ68や車両側制御装置76のメモリが請求項の受信レベル記憶部に相当する。
【0153】
そして、車両側狭域通信部74と出口側狭域通信部22とのDSRC通信が確立した場合、つまり、車載器搭載車両の出庫時に、外部メモリ68や車両側制御装置76のメモリに記憶しておいた駐車場内の各部における携帯電話網通信での受信レベルの情報を、車両側狭域通信部74から出口側狭域通信部22に送信する構成としてもよい。
【0154】
これによれば、サーバ側広域通信部23から携帯電話網通信で送信される情報の車両側広域通信部75での受信レベルをもとに、駐車場の管理者がサーバ側広域通信部23の故障判断や配置の変更等の検討を行うことが可能になる。
【0155】
さらに、車両側制御装置76が、駐車場内を走行中に、サーバ側広域通信部23から送信される情報の車両側広域通信部75での受信レベルを逐次検出するとともに、位置検出器61から車載器搭載車両の現在位置の情報を逐次取得し、この受信レベルの情報と現在位置の情報とをもとに、受信レベルが所定の閾値以下である駐車場内の領域(以下、通信不良領域)を判別して、通信不良領域の情報を例えば外部メモリ68や車両側制御装置76のEEPROM等のメモリに記憶しておく構成としてもよい。なお、ここで言うところの所定の閾値とは、サーバ側広域通信部23から送信される情報の受信が良好に行うことができない程度の受信レベルに相当する値であって、任意に設定可能な値である。また、外部メモリ68や車両側制御装置76のメモリが請求項の通信不良領域記憶部に相当する。
【0156】
そして、車両側狭域通信部74と出口側狭域通信部22とのDSRC通信が確立した場合、つまり、車載器搭載車両の出庫時に、外部メモリ68や車両側制御装置76のメモリに記憶しておいた通信不良領域の情報を、車両側狭域通信部74から出口側狭域通信部22に送信する構成としてもよい。
【0157】
これによれば、通信不良領域の情報をもとに、駐車場内の通信状態の悪い領域を駐車場の管理者側で早期に発見できるため、駐車場の管理者は、駐車管理装置1の点検や修理の対応を早期に実施することが可能になる。
【0158】
また、前述の実施形態では、請求項の車載器として、自動車等の車両に搭載されるナビゲーション装置を適用した場合を例に挙げて説明を行ったが、必ずしもこれに限らない。位置検出器61の情報を利用可能であって、狭域通信(例えばDSRC通信)と広域通信(例えば携帯電話網通信)とが可能な機器であれば、請求項の車載器としてナビゲーション装置以外の機器に本発明を適用してもよい。
【0159】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0160】
1 駐車管理装置(管理装置)、2 駐車場サーバ、3 入口ゲート側DSRCアンテナ(入口側狭域通信部)、4 出口ゲート側DSRCアンテナ(出口側狭域通信部)、5 駐車区画監視センサ、6 車載器、21 入口側狭域通信部(入口側狭域通信部)、22 出口側狭域通信部(出口側狭域通信部)、23 サーバ側広域通信部(管理側広域通信部)、24 駐車区画情報収集部(管理部)、25 空きスペースDB、26 駐車場マップ記憶部(地図情報格納部)、27 サーバ側制御装置(管理部、空きスペース予約部、検索部、抽出部、予約スペース駐車判定部、受信レベル検出部、受信レベル記憶部)、61 位置検出器、68 外部メモリ(受信レベル記憶部)、69 表示装置(提示手段)、70 音声出力装置、71 操作スイッチ群(駐車位置入力手段、条件設定手段)、72 リモコン(駐車位置入力手段、条件設定手段)、73 リモコンセンサ、74 車両側狭域通信部、75 車両側広域通信部(準備受信部)、76 車両側制御装置(位置情報取得部)、100 駐車位置案内システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に設置されるとともに、
前記駐車場内の駐車区画の空きスペースの位置を示す情報である空きスペース情報を逐次収集して管理する管理部と、
通信範囲が前記駐車場の入口ゲート周辺の所定範囲に限定された狭域通信によって情報の送受信を行う入口側狭域通信部と、を備える管理装置と、
車両に搭載されるとともに、
前記入口側狭域通信部との通信が確立した場合に前記入口側狭域通信部から送信される情報を受信する車両側狭域通信部を備える車載器と、を含む駐車位置案内システムであって、
前記管理装置は、
通信範囲が前記狭域通信よりも広い広域通信によって、前記管理部で管理する空きスペース情報の送信を行うことが可能な管理側広域通信部を備えるとともに、
前記入口側狭域通信部での狭域通信によって、前記管理側広域通信部からの空きスペース情報の受信を可能にする情報である許可情報を送信し、
前記車載器は、
前記入口側狭域通信部から送信される許可情報を前記車両側狭域通信部で受信した場合に、自動的に前記管理側広域通信部との広域通信が可能となる車両側広域通信部を備え、
前記管理側広域通信部との広域通信が可能となった後は、前記管理側広域通信部から送信される空きスペース情報の受信を逐次行うとともに、
前記車両側広域通信部で受信した空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内を行うことを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記車載器は、
前記入口側狭域通信部から送信される許可情報を前記車両側狭域通信部で受信する前にも、前記管理側広域通信部から送信される空きスペース情報の受信を予め行うことが可能な準備受信部を備えており、
前記許可情報を前記車両側狭域通信部で受信した後に、前記準備受信部で予め受信しておいた空きスペース情報に基づいて駐車位置の案内を行うことを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記車載器は、
前記車両側広域通信部で受信した空きスペース情報を提示する提示手段と、
前記提示手段で提示された空きスペース情報が示す空きスペースのうちから前記車両の駐車位置を指定するユーザからの入力を受け付ける駐車位置入力手段と、を備え、
前記車両側狭域通信部での狭域通信および前記車両側広域通信部での広域通信のうちのいずれかによって、前記車両を特定する情報である車両情報を送信するとともに、前記車両側広域通信部での広域通信によって、前記駐車位置入力手段で前記車両の駐車位置として指定する入力を受け付けた空きスペースを特定する情報を送信し、
前記管理装置は、
前記車両情報および前記空きスペースを特定する情報を受信した場合に、当該空きスペースを特定する情報が示す空きスペースを当該車両情報が示す車両の駐車位置として予約する空きスペース予約部を備えるとともに、
前記空きスペース予約部で予約した空きスペースである予約スペースの空きスペース情報を前記管理側広域通信部から前記車両側広域通信部に送信することを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記車載器は、
前記車両を駐車させる駐車位置についての優先条件の設定をユーザから受け付ける条件設定手段を備えるとともに、
前記車両側狭域通信部での狭域通信および前記車両側広域通信部での広域通信のうちのいずれかによって、前記条件設定手段で設定を受け付けた優先条件の情報を送信し、
前記管理装置は、
前記入口側狭域通信部および前記管理側広域通信部のうちのいずれかで受信した前記優先条件の情報ならびに前記管理部で管理する空きスペース情報をもとに、前記駐車場内の空きスペースのうちで前記優先条件に最も合致した空きスペースを検索する検索部を備えるとともに、
前記管理側広域通信部は、前記検索部での検索で得られた空きスペースの空きスペース情報の送信を行うことを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項5】
請求項4において、
前記管理装置の検索部は、
前記入口側狭域通信部および前記管理側広域通信部のうちのいずれかで受信した前記優先条件の情報ならびに前記管理部で逐次収集して管理している空きスペース情報をもとに、前記駐車場内の空きスペースのうちで前記優先条件に最も合致した空きスペースの検索を逐次行い、
前記管理装置は、
前記検索部での検索によって前記車両情報が示す車両の駐車位置となる前記優先条件に最も合致した空きスペースが新たに得られた場合には、新たに得られた空きスペースの空きスペース情報を前記管理側広域通信部から送信することを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項6】
請求項3において、
前記車載器は、
前記車両の現在位置の情報を逐次取得する位置情報取得部を備えるとともに、
前記車両側広域通信部での広域通信によって、前記現在位置の情報を送信し、
前記管理装置は、
前記管理側広域通信部で受信した前記現在位置の情報および前記管理部で管理する空きスペース情報をもとに、前記駐車場内の空きスペースのうちで前記車両情報が示す車両の現在位置から最も近い空きスペースを検索する検索部を備えるとともに、
前記管理側広域通信部は、前記検索部での検索で得られた空きスペースの空きスペース情報の送信を行うことを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項7】
請求項6において、
前記管理装置の検索部は、
前記管理側広域通信部で受信した前記現在位置の情報および前記管理部で逐次収集して管理している空きスペース情報をもとに、前記駐車場内の空きスペースのうちで前記車両情報が示す車両の現在位置から最も近い空きスペースの検索を逐次行い、
前記管理装置は、
前記検索部での検索によって前記駐車場内の空きスペースのうちで前記車両情報が示す車両の現在位置から最も近い空きスペースが新たに得られた場合には、新たに得られた空きスペースの空きスペース情報を前記管理側広域通信部から送信することを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか1項において、
前記管理装置は、
前記管理部で逐次収集して管理している空きスペース情報をもとに、前記予約スペースが埋まってしまったことを検出した場合に、当該予約スペースの空きスペース情報および前記管理部で管理している空きスペース情報をもとに、当該予約スペースから所定範囲内にある空きスペースを抽出する抽出部を備え、
前記抽出部で抽出した空きスペースの空きスペース情報を前記管理側広域通信部から前記車両側広域通信部に送信することを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項9】
請求項1または2において、
前記車載器は、
前記車両を駐車させる駐車位置についての優先条件の設定をユーザから受け付ける条件設定手段を備えるとともに、
前記車両側狭域通信部での狭域通信および前記車両側広域通信部での広域通信のうちのいずれかによって、前記車両を特定する情報を少なくとも含む情報である車両情報および前記条件設定手段で設定を受け付けた優先条件の情報を送信し、
前記管理装置は、
前記入口側狭域通信部および前記管理側広域通信部のうちのいずれかで前記車両情報ならびに前記優先条件の情報を受信した場合に、前記管理部で管理する空きスペース情報、前記車両情報、および前記優先条件の情報をもとに、前記駐車場内の空きスペースのうちで前記車両情報が示す車両の駐車位置として前記優先条件に最も合致した空きスペースを検索する検索部と、
前記検索部での検索によって当該車両の駐車位置となる空きスペースが得られた場合には、得られた空きスペースを当該車両の駐車位置として予約する空きスペース予約部と、を備えるとともに、
前記空きスペース予約部で予約した空きスペースである予約スペースの空きスペース情報を前記管理側広域通信部から前記車両側広域通信部に送信することを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項10】
請求項3〜9のいずれか1項において、
前記車載器は、
少なくとも前記車両側狭域通信部での狭域通信によって前記車両情報を送信するものであって、
前記管理装置は、
前記入口側狭域通信部で前記車両情報を受信したときに、前記管理部で管理している空きスペース情報をもとに、前記車両情報が示す車両の駐車位置となる空きスペースがないことを検出した場合には、
前記管理部で逐次収集して管理している空きスペース情報をもとに、前記車両情報が示す車両の駐車位置となる空きスペースがあることを検出した時点で、検出した空きスペースを当該車両の駐車位置として前記空きスペース予約部で予約するとともに、
前記空きスペース予約部で予約した予約スペースの空きスペース情報を前記管理側広域通信部から前記車両側広域通信部に送信することを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項11】
請求項3〜10のいずれか1項において、
前記車載器は、
前記車両側広域通信部で前記予約スペースの空きスペース情報を受信した場合に、当該予約スペースの空きスペース情報に基づいて前記駐車位置の案内を行うことを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項12】
請求項11において、
前記管理装置は、
前記駐車場内の地図情報を格納している地図情報格納部を備え、
前記予約スペースの空きスペース情報を前記管理側広域通信部から前記車両側広域通信部に送信する場合に、前記地図情報格納部に格納している前記駐車場内の地図情報も前記管理側広域通信部から前記車両側広域通信部に送信し、
前記車載器は、
前記車両の現在位置の情報を逐次取得する位置情報取得部を備えるとともに、
前記管理側広域通信部から送信される前記予約スペースの空きスペース情報および前記地図情報を前記車両側広域通信部で受信するものであって、
前記位置情報取得部で取得した前記車両の現在位置の情報と前記車両側広域通信部で受信した予約スペースの空きスペース情報および前記地図情報とをもとに、当該車両の現在位置から当該予約スペースまでの経路案内を行うことによって前記駐車位置の案内を行うことを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項13】
請求項3〜11のいずれか1項において、
前記車載器は、
前記車両が前記予約スペースに駐車したか否かを判定する予約スペース駐車判定部を備え、
前記予約スペース駐車判定部で前記車両が前記予約スペースに駐車したと判定した場合に、前記駐車位置の案内を停止することを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項において、
前記管理装置は、
通信範囲が前記駐車場の出口ゲート周辺の所定範囲に限定された狭域通信によって情報の送受信を行う出口側狭域通信部を備え、
前記車載器は、
前記車両側狭域通信部と前記出口側狭域通信部との通信が確立した場合に、自動的に前記管理側広域通信部との広域通信を停止することを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項15】
請求項14において、
前記車載器は、
前記車両の現在位置の情報を逐次取得する位置情報取得部を備えるものであって、
前記管理側広域通信部から送信される情報の前記車両側広域通信部での受信レベルを逐次検出する受信レベル検出部と、
前記位置情報取得部で逐次取得した前記車両の現在位置の情報と前記受信レベル検出部で逐次検出した受信レベルの情報とをもとに、前記駐車場内の各部における前記受信レベルの情報を記憶する受信レベル記憶部と、を備え、
前記車両側狭域通信部と前記出口側狭域通信部との通信が確立した場合に、前記受信レベル記憶部に記憶しておいた前記駐車場内の各部における前記受信レベルの情報を、前記車両側狭域通信部から前記出口側狭域通信部に送信することを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項16】
請求項14において、
前記車載器は、
前記車両の現在位置の情報を逐次取得する位置情報取得部を備えるものであって、
前記管理側広域通信部から送信される情報の前記車両側広域通信部での受信レベルを逐次検出する受信レベル検出部と、
前記位置情報取得部で逐次取得した前記車両の現在位置の情報と前記受信レベル検出部で逐次検出した受信レベルの情報とをもとに、前記受信レベルが所定の閾値以下である駐車場内の領域の情報を記憶する通信不良領域記憶部と、を備え、
前記車両側狭域通信部と前記出口側狭域通信部との通信が確立した場合に、前記通信不良領域記憶部に記憶しておいた前記受信レベルが所定の閾値以下である駐車場内の領域の情報を、前記車両側狭域通信部から前記出口側狭域通信部に送信することを特徴とする駐車位置案内システム。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項において、
前記管理側広域通信部での広域通信の通信範囲として設定される範囲は、少なくとも前記駐車場の範囲を含むことを特徴とする駐車位置案内システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−216016(P2011−216016A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85328(P2010−85328)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】