高周波増幅器
【課題】従来の高周波増幅器ではショートスタブと使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路とで出力整合回路を構成するが、使用周波数の中心周波数以外ではインピーダンス整合がとれず、出力整合回路が狭帯域となる。
【解決手段】入力整合回路からの信号を増幅する、出力インピーダンスが50Ωより低く、容量性領域にある高周波トランジスタの出力側に直列接続された直列インダクタと、この直列インダクタの出力側に高周波トランジスタと並列に接続された並列インダクタと、直列インダクタの出力側に高周波トランジスタと直列に接続された使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路とで出力整合回路を構成し、並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンス値が高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるようにされる。
【解決手段】入力整合回路からの信号を増幅する、出力インピーダンスが50Ωより低く、容量性領域にある高周波トランジスタの出力側に直列接続された直列インダクタと、この直列インダクタの出力側に高周波トランジスタと並列に接続された並列インダクタと、直列インダクタの出力側に高周波トランジスタと直列に接続された使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路とで出力整合回路を構成し、並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンス値が高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるようにされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は高周波増幅器に関し、特に高周波トランジスタの出力インピーダンスのもつ周波数特性の影響も加味して広帯域な特性を得るための出力整合回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の高周波増幅器では、高周波トランジスタの出力側にショートスタブを設置する構成が用いられており、このような回路構成は特開2007-158648号公報にて開示されている。図1に従来の回路構成による回路図を示す。図1において1は高周波トランジスタ、2はショートスタブ、3はショートスタブ2を高周波短絡するための高周波短絡キャパシタ、4は使用する周波数の中心周波数の1/4波長程度の長さの線路、5は入力整合回路であり、ショートスタブ2と、使用周波数の中心周波数の1/4波長程度の長さの線路4とで出力整合回路を構成する。
このような回路構成において、高周波トランジスタ1の出力インピーダンスは容量性にあり、並列のショートスタブ2にて実軸上に変成された後に1/4波長程度の長さの線路4にて50Ωへと変換される。図2に、高周波トランジスタ1の出力インピーダンス(Zout1)、ショートスタブ2により実軸に変換したインピーダンス(Zout3)、50Ω負荷(ZoutA)、1/4波長程度の長さの線路4により50Ωからインピーダンス変成された後のインピーダンス(ZoutB)の、それぞれのインピーダンスの軌跡を示す。矢印先端位置が高域端でのインピーダンスを示す。図2から分かるように、ショートスタブ2と1/4波長程度の長さの線路4により構成される従来の出力整合回路は50Ωへのインピーダンス整合を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-158648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1に示す従来の高周波増幅器における出力整合回路においてZout3、ZoutBに注目する。このZout3、ZoutBが共役の関係にあるとき、インピーダンス整合が最もとれている。しかし従来の回路構成では、図2から分かるようにZout3の周波数特性に対してZoutBの周波数特性が小さい。そのため、中心周波数以外ではインピーダンス整合がとれず、出力整合回路が狭帯域となる。
【0005】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、高周波トランジスタの出力インピーダンスの周波数特性を考慮して、広帯域にわたって良好なインピーダンス整合を与える出力整合回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る高周波増幅器は、入力整合回路からの高周波信号を増幅する出力インピーダンスが50Ωより低く,容量性の領域にある高周波トランジスタの出力側に高周波トランジスタと直列接続された直列インダクタと、この直列インダクタの出力側に前記高周波トランジスタと並列になるよう接続された並列インダクタと、前記直列インダクタの出力側に高周波トランジスタと直列になるよう接続された使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路とで構成される出力整合回路を備え、前記並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンス値が高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるように構成される。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る高周波増幅器によれば、入力整合回路からの高周波信号を増幅する高周波トランジスタの出力側に直列インダクタと、並列インダクタと、使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路からなる出力整合回路が形成され、並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンス値を高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるように構成されるので、出力整合回路の整合が広帯域となるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来の高周波増幅器の構成を示す回路図である。
【図2】従来の高周波増幅器の各構成要素出力部インピーダンスの軌跡の説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1における高周波増幅器の構成を示す回路図である。
【図4】この発明の実施の形態1における各構成要素出力部インピーダンスの軌跡の説明図である。
【図5】従来の高周波増幅器とこの発明の実施の形態1における高周波増幅器の出力VSWR特性図である。
【図6】実施の形態1において最大広帯域となる計算結果を示す図である。
【図7】実施の形態1で直列インダクタのインダクタンスに対し、出力VSWRが1.1および1.22となる比帯域の計算結果図である。
【図8】この発明の実施の形態2における高周波増幅器の構成を示す回路図である。
【図9】この発明の実施の形態3における高周波増幅器の構成を示す回路図である。
【図10】この発明の実施の形態4における高周波増幅器の構成を示す回路図である。
【図11】この発明の実施の形態5による高周波増幅器の回路構成図である。
【図12】実施形態5で用いられるHPFの構成を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態6による高周波増幅器の回路構成図である。
【図14】実施の形態6で用いられるLPFの構成を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態7による高周波増幅器の回路構成図である。
【図16】この発明の実施の形態8による高周波増幅器の回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図3はこの発明の実施の形態1における広帯域な高周波増幅器を示す回路図である。図3において、1は出力インピーダンスが50Ωより低く,容量性の領域にある高周波トランジスタ、6は高周波トランジスタ1の出力側に直列接続された直列インダクタ、7は高周波トランジスタ1と直列インダクタ6を合計したインピーダンスに対して使用する周波数の中心周波数で並列共振するインダクタンスに設定された並列インダクタ、3は並列インダクタ7を高周波短絡するための高周波短絡キャパシタ、4は高周波トランジスタ1と直列インダクタ6と並列インダクタ7を足し合わせたインピーダンスを50Ωへと変成するように特性インピーダンスの値を選んだ使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路(以下1/4波長線路という)であり、直列インダクタ6、並列インダクタ7および1/4波長線路4とで出力整合回路を構成する。5は高周波トランジスタ1の前段に設けられ、入力端子からの高周波信号のインピーダンス整合をする入力整合回路である。
【0010】
図3の動作について説明する。図4は高周波トランジスタ1の出力インピーダンス(Zout1)、直列インダクタ6の後のインピーダンス(Zout2)、並列インダクタ7により使用周波数の中心周波数にて並列共振を形成したあとのインピーダンス(Zout3)、50Ω負荷(ZoutA)、1/4波長線路4により50Ωからインピーダンス変成された後のインピーダンス(言い換えると、1/4波長線路4によりインピーダンス変成された後のインピーダンスが50Ωとなるインピーダンス)(ZoutB)についてそれぞれのインピーダンスの軌跡を示したものである。矢印先端位置が高域端でのインピーダンスを示す。ここでは、並列インダクタ7で並列共振後のインピーダンスの軌跡Zout3と1/4波長線路4でインピーダンス変成された後のインピーダンスの軌跡ZoutBとの間の関係に注目する。
【0011】
従来の高周波増幅器の出力整合回路においては、図2に示したようにショートスタブ2により実軸に変換したインピーダンスの軌跡(周波数特性)Zout3に対して、1/4波長線路4により50Ωからインピーダンス変成された後のインピーダンスの軌跡(周波数特性)ZoutBは短い(周波数特性が小さい)。そのため、中心周波数以外ではインピーダンスの共役整合がとれず、出力整合回路が狭帯域である。ZoutBのインピーダンスの軌跡を長く(周波数特性を大きく)して、Zout3とZoutBのインピーダンスの軌跡の長さ(周波数特性の大きさ)を同じにすることが、広帯域にインピーダンス整合を実現するために必要である。ZoutBの周波数特性は、1/4波長線路4のインピーダンス変成比により決まるため、このインピーダンス変成比を大きくすることで、ZoutBの周波数特性が大きくでき、Zout3とZoutBの周波数特性の大きさを同じにすることができる。1/4波長線路4のインピーダンス変成比を大きくするためには、中心周波数におけるZoutBを低くする必要がある。中心周波数におけるZoutBは、中心周波数におけるZout3と等しく実軸上となる。
【0012】
ここで、従来の回路構成での中心周波数におけるZout3を、中間インピーダンスZa(以降はZaとする)として図2に示す。この発明の実施の形態1における高周波増幅器の出力整合回路での中心周波数におけるZout3を、中間インピーダンスZa'(以降はZa'とする)として、図4に示す。この発明の高周波増幅器の出力整合回路では、図2のZaから図4のZa'へと小さくする必要がある。図4に示すように直列インダクタ6を挿入することによってZa'を小さくすることができる。これにより、1/4波長線路4のインピーダンス変成比が大きくすることができ、Zout3とZoutBの周波数特性の大きさを同じにできる。その結果、広帯域なインピーダンス整合を実現できる。
【0013】
図5は出力VSWR(Voltage Standing Wave Ratio :電圧定在波比)について、従来の回路構成による高周波増幅器の場合とこの発明の高周波増幅器の場合を示す。このとき、高周波トランジスタ1の出力インピーダンスの容量成分を1pF、抵抗成分を20Ω、従来回路のショートスタブ2を0.253nH、1/4波長線路4の特性インピーダンスを31.6Ω、この発明の増幅器の直列インダクタ6を0.04nH、並列インダクタ7を0.247nH、1/4波長線路4の特性インピーダンスを26.9Ωとした。従来の回路構成では出力VSWRが1.1となる比帯域は16%であったが、直列インダクタ6を付加したこの発明の高周波増幅器では比帯域が24%となり、1.5倍の広帯域にわたって良好なインピーダンス整合を実現している。したがって、この発明の高周波増幅器の出力整合回路は広帯域に50Ωへの整合を実現できる。
【0014】
次に、直列インダクタ6の適切なインダクタンスの値の範囲について述べる。この発明の高周波増幅器では、直列インダクタ6の後のインピーダンスZout2が容量性にあることが条件となる。なぜなら、直列インダクタ6によりZout2が中心周波数にて実軸をこえると、Zout3は並列インダクタ7により実軸へと変換できないためである。また、直列インダクタ6のインダクタンスL1の上限を以下の式(1)に示す。
【0015】
【数1】
【0016】
ここで、Coutは高周波トランジスタ1の出力インピーダンスの容量成分、R1は高周波トランジスタ1の出力インピーダンスの抵抗成分であり、L1が直列インダクタ6のインダクタンスである。また、aを式(2)のように定義する。
【0017】
【数2】
【0018】
ここで、ωcは中心角周波数である。このように直列インダクタ6のインダクタンスL1の上限を与えることで、図3に示すこの発明の実施の形態1における高周波増幅器の出力整合回路で広帯域に50Ωへの整合を実現できる。
【0019】
次に、もっとも広帯域となる直列インダクタ6のインダクタンスL1の値について述べる。図4に示すようにZout3とZoutBが、その中心周波数でのインピーダンスが等しく、インピーダンスの周波数特性の向きが逆で大きさが等しいとき、図3に示すこの発明の実施の形態1における高周波増幅器の出力整合回路が最も広帯域となる。これまでに述べたように、図4のZa'は実軸上のインピーダンスである。また、Zout3、ZoutBの周波数特性についてリアクタンス成分の周波数特性が支配的である。そのため、中心周波数におけるZout3の虚部の微分値とZoutBの虚部の微分値とが、互いに符号が逆で大きさが等しくなるとき、図3に示すこの発明の高周波増幅器の出力整合回路が最も広帯域となる。Zout3とZoutBを微分した結果を式(3)、(4)に、もっとも広帯域となる条件を求める式を式(5)に示す。
【0020】
【数3】
【0021】
なお、Coutが高周波トランジスタ1の出力インピーダンスの容量成分、R1が高周波トランジスタ1の出力インピーダンスの抵抗成分、ωcが中心角周波数、L1が直列インダクタ6のインダクタンス、L2が並列インダクタ7のインダクタンスを示している。並列インダクタ7のインダクタンスL2は、中心周波数でZout3が実軸へと変換する値となる。並列インダクタ7のインダクタンスL2は直列インダクタ6のインダクタンスL1により式(6)を用いて一意に決定される。
【0022】
【数4】
【0023】
また、bは式(7)のように定義される。
【0024】
【数5】
【0025】
1/4波長線路4の特性インピーダンスZcは、中心周波数にてZa'から50Ωへとインピーダンス変成を行うため一意に決定される。そのため、1/4波長線路4の特性インピーダンスZcは直列インダクタ6のインダクタンスL1により次の式(8)を用いて与えられる。なお、R2=50Ωとする。
【0026】
【数6】
【0027】
これまでに説明したように、並列インダクタ7のインダクタンスL2および1/4波長線路4の特性インピーダンスZcは直列インダクタ6のインダクタンスL1の値により一意に与えられるため、微分の式(3)、(4)の変数は直列インダクタ6のインダクタンスL1のみとなる。そのため、条件式(5)を満たす最適な直列インダクタ6のインダクタンスL1が存在する。この発明の実施の形態1における高周波増幅器では、出力整合回路に直列インダクタ6を挿入し、この直列インダクタ6のインダクタンスL1の値を条件式(5)を満たすように決定することで、広帯域に50Ωへの整合を実現している。
【0028】
図6は、直列インダクタ6のインダクタンスL1を変数としたときの中心周波数におけるZout3の虚数部の角周波数微分値とZoutBの虚数部の角周波数微分値の和を示している。なお、図6で用いた高周波トランジスタ1の初期値は図5の検討で用いた値と同じである。図6の中で、中心周波数におけるZout3の虚数部の角周波数微分値とZoutBの虚数部の角周波数微分値の和が0付近となるような直列インダクタ6のインダクタンスL1の値において、この発明の高周波増幅器の出力整合回路で広帯域に50Ωへの整合を実現している。
【0029】
図7は直列インダクタ6のインダクタンスL1を変数として、この発明の実施の形態1における高周波増幅器の出力整合回路で出力VSWR=1.1もしくは出力VSWR=1.22となる比帯域をそれぞれ計算した結果である。なお、図7で用いた高周波トランジスタ1の初期値は図5の検討で用いた値と同じである。どちらの出力VSWRの結果でも、直列インダクタ6のインダクタンスL1が0.04nH程度の値のときに最も広帯域となる。この直列インダクタ6のインダクタンスL1の値は図6より得られた最適値と一致しているため、式(5)で示した条件式が正しいといえる。また出力VSWRの条件を1.1と1.22で比較すると、広い比帯域が得られる直列インダクタ6のインダクタンスL1の最適値は若干異なる。また、直列インダクタ6のインダクタンスL1の最適値が式(5)で得られる値と完全に一致しなくても、比較的広い範囲の値で直列インダクタ6が無い従来の回路と比較して広帯域な特性が得られている。
【0030】
ここでは、高周波トランジスタ1の小信号時の出力インピーダンスに対してインピーダンス整合を行った場合について述べたが、高周波トランジスタ1の大信号時の効率、出力電力などに対する最適負荷インピーダンスに対しても同様に広帯域整合をすることができる。また、図3の回路を利用することで、従来回路と比較して並列インダクタ7を短くできるため、従来回路より回路の小型化が可能となる。
【0031】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2による高周波増幅器の回路構成図である。図8において、5は入力整合回路、1および1'は入力整合回路5の出力側に並列接続された高周波トランジスタ、6および6'は直列インダクタ、7は高周波トランジスタ1と直列インダクタ6を足し合わせたインピーダンスに対して使用する周波数の中心周波数で並列共振するインダクタンスに設定された並列インダクタ、7'は高周波トランジスタ1'と直列インダクタ6'を足し合わせたインピーダンスに対して使用する周波数の中心周波数で並列共振するインダクタンスに設定された並列インダクタ、3および3'は並列インダクタ7および7'を高周波短絡するための高周波短絡キャパシタ、4は高周波トランジスタの並列数をnとした時に高周波トランジスタ1、直列インダクタ6、並列インダクタ7を足し合わせたインピーダンスより(50/n)Ωへと変成するように特性インピーダンスの値を選んだ1/4波長線路、4'は高周波トランジスタの並列数をnとした時に高周波トランジスタ1'、直列インダクタ6'、並列インダクタ7'を足し合わせたインピーダンスより(50/n)Ωへと変成するように特性インピーダンスの値を選んだ1/4波長線路である。この実施の形態2は、実施の形態1の構成を示す図3と比較して、高周波トランジスタ、直列インダクタ、並列インダクタ、高周波短絡キャパシタ、1/4波長線路からなる回路構成は同じであり、1/4波長線路後の出力を並列合成する構成されている点が異なり、図3の実施の形態1による高周波増幅器と同様の効果を有する。さらに高周波トランジスタを並列合成する事で、実施の形態1の高周波増幅器に比べて大きな出力電力を得られる利点がある。
【0032】
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3による高周波増幅器の回路構成図である。図9において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、並列インダクタ7及び高周波トランジスタ1'、高周波短絡キャパシタ3'、直列インダクタ6'、並列インダクタ7'はそれぞれ実施の形態2による高周波増幅器を示す図8の説明と同じである。4は、高周波トランジスタ1、直列インダクタ6、並列インダクタ7、高周波トランジスタ1'、直列インダクタ6'、並列インダクタ7'を全て足し合わせたインピーダンスより50Ωへと変成するように特性インピーダンスの値を選んだ1/4波長線路である。実施の形態2の構成を示す図8と比較して回路構成は略同じであり、出力整合回路の合成する位置が異なり、1/4波長線路4を共用する構成になっている。この実施の形態3は実施の形態2と同様に図3に示す実施の形態1の高周波増幅器と同様の効果を有し、さらに高周波トランジスタを並列合成する事で、実施の形態1の高周波増幅器に比べて大きな出力電力を得られる利点がある。
【0033】
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4による高周波増幅器の回路構成図である。図10において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、高周波トランジスタ1'、直列インダクタ6'はそれぞれ図9に示す実施の形態3の説明と同じである。7は高周波トランジスタ1、直列インダクタ6、高周波トランジスタ1'、直列インダクタ6'を全て足し合わせたインピーダンスに対して中心周波数で並列共振するインダクタンスに設定された並列インダクタ、4は高周波トランジスタ1、直列インダクタ6、並列インダクタ7、高周波トランジスタ1'、直列インダクタ6'を全て足し合わせたインピーダンスより50Ωへと変成するように特性インピーダンスの値を選んだ1/4波長線路である。実施の形態3を示す図9と比較して回路構成は略同じであるが、出力整合回路の合成する位置が異なり、並列インダクタ7と1/4波長線路4を共用する構成になっている。しかし、実施の形態3と同様に図3に示す実施の形態1の高周波増幅器と同様の効果を有する。さらに高周波トランジスタを並列合成する事で、実施の形態1の高周波増幅器に比べて大きな出力電力を得られる利点がある。
【0034】
実施の形態5.
図11はこの発明の実施の形態5による高周波増幅器の回路構成図である。図11において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、並列インダクタ7は実施の形態1による高周波増幅器を示す図3の記号の説明と同じであり説明を省略する。8は実施の形態1〜4の1/4波長線路4に相当する部分で、インピーダンス変成器として1/4波長線路4の代わりに高域通過型フィルタ(以降HPFとする)を用いている。このHPFの回路構成例を図12(a)、(b)、(c)に示す。図12(a)ははしご形HPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図12(b)はT形HPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図12(c)はπ形HPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図12(a)〜(c)のHPFは、1/4波長線路4とほぼ同じ特性を示すので、図11に示す高周波増幅器は、図3に示す実施の形態1の高周波増幅器と同様の効果を有する。1/4波長線路4をHPFの集中定数素子に置き換えることで、実施の形態1に比べて回路を小さくできる利点がある。また、回路を小さくする事により回路の損失を小さくできる利点がある。
【0035】
実施の形態6.
図13はこの発明の実施の形態6による高周波増幅器の回路構成図である。図13において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、並列インダクタ7は実施の形態1による高周波増幅器を示す図3の記号の説明と同じであり説明を省略する。9は実施の形態1〜4の1/4波長線路4に相当する部分で、インピーダンス変成器として1/4波長線路4の代わりに低域通過型フィルタ(以降LPFとする)を用いている。このLPFの回路構成例を図14(a)、(b)、(c)、(d)に示す。図14(a)ははしご形LPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図14(b)はT形LPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図14(c)はπ形LPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図14(d)は分布定数線路にてLPFを構成しインピーダンス変成器としたものである。図14(a)〜(d)のLPFは、1/4波長線路4とほぼ同じ特性を示すので、図13に示す高周波増幅器は、図3に示す実施の形態1の高周波増幅器と同様の効果を有する。1/4波長線路4をLPFの集中定数素子に置き換えることで、実施の形態1に比べて回路を小さくできる利点がある。また、回路を小さくする事により回路の損失を小さくできる利点がある。
【0036】
実施の形態7.
図15はこの発明の実施の形態7による高周波増幅器の回路構成図である。図15において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、並列インダクタ7は実施の形態1による高周波増幅器を示す図3の記号の説明と同じであり説明を省略する。10は実施形態1〜6の直列インダクタ6に相当する部分で、インダクタンスとして直列インダクタ6の代わりに直列線路を用いる。図15の直列線路は、直列インダクタ6とほぼ同じ特性を示すので、図3に示す実施の形態1の増幅器と同様の効果を有する。直列インダクタ6の代わりに直列線路10を用いることで、実施の形態1に比べて製造再現性に優れるという利点がある。
【0037】
実施の形態8.
図16はこの発明の実施の形態8による高周波増幅器の回路構成図である。図16において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、直列線路10は実施の形態7による高周波増幅器を示す図15の記号の説明と同じであり説明を省略する。2は実施の形態1〜7の並列インダクタ7に相当する部分で、インダクタンスとして並列インダクタ7の代わりにショートスタブを用いる。図16のショートスタブ2は、並列インダクタ7とほぼ同じ特性を示すので、図3に示す実施の形態1の高周波増幅器と同様の効果を有する。並列インダクタ7の代わりにショートスタブ2を用いることで、実施の形態1に比べて製造再現性に優れるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明による高周波増幅器は、広帯域にわたって良好な出力インピーダンス整合が得られ、衛星通信、地上波マイクロ波通信、移動体通信等に使用される高周波増幅器に適用される可能性がある。
【符号の説明】
【0039】
1、1';高周波トランジスタ、2;ショートスタブ、3、3';高周波短絡キャパシタ、4、4';1/4波長線路、5;入力整合回路、6、6';直列インダクタ、7、7';並列インダクタ、8;高域通過型フィルタ、9;低域通過型フィルタ、10;直列線路。
【技術分野】
【0001】
この発明は高周波増幅器に関し、特に高周波トランジスタの出力インピーダンスのもつ周波数特性の影響も加味して広帯域な特性を得るための出力整合回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の高周波増幅器では、高周波トランジスタの出力側にショートスタブを設置する構成が用いられており、このような回路構成は特開2007-158648号公報にて開示されている。図1に従来の回路構成による回路図を示す。図1において1は高周波トランジスタ、2はショートスタブ、3はショートスタブ2を高周波短絡するための高周波短絡キャパシタ、4は使用する周波数の中心周波数の1/4波長程度の長さの線路、5は入力整合回路であり、ショートスタブ2と、使用周波数の中心周波数の1/4波長程度の長さの線路4とで出力整合回路を構成する。
このような回路構成において、高周波トランジスタ1の出力インピーダンスは容量性にあり、並列のショートスタブ2にて実軸上に変成された後に1/4波長程度の長さの線路4にて50Ωへと変換される。図2に、高周波トランジスタ1の出力インピーダンス(Zout1)、ショートスタブ2により実軸に変換したインピーダンス(Zout3)、50Ω負荷(ZoutA)、1/4波長程度の長さの線路4により50Ωからインピーダンス変成された後のインピーダンス(ZoutB)の、それぞれのインピーダンスの軌跡を示す。矢印先端位置が高域端でのインピーダンスを示す。図2から分かるように、ショートスタブ2と1/4波長程度の長さの線路4により構成される従来の出力整合回路は50Ωへのインピーダンス整合を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-158648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1に示す従来の高周波増幅器における出力整合回路においてZout3、ZoutBに注目する。このZout3、ZoutBが共役の関係にあるとき、インピーダンス整合が最もとれている。しかし従来の回路構成では、図2から分かるようにZout3の周波数特性に対してZoutBの周波数特性が小さい。そのため、中心周波数以外ではインピーダンス整合がとれず、出力整合回路が狭帯域となる。
【0005】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、高周波トランジスタの出力インピーダンスの周波数特性を考慮して、広帯域にわたって良好なインピーダンス整合を与える出力整合回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る高周波増幅器は、入力整合回路からの高周波信号を増幅する出力インピーダンスが50Ωより低く,容量性の領域にある高周波トランジスタの出力側に高周波トランジスタと直列接続された直列インダクタと、この直列インダクタの出力側に前記高周波トランジスタと並列になるよう接続された並列インダクタと、前記直列インダクタの出力側に高周波トランジスタと直列になるよう接続された使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路とで構成される出力整合回路を備え、前記並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンス値が高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるように構成される。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る高周波増幅器によれば、入力整合回路からの高周波信号を増幅する高周波トランジスタの出力側に直列インダクタと、並列インダクタと、使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路からなる出力整合回路が形成され、並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンス値を高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるように構成されるので、出力整合回路の整合が広帯域となるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来の高周波増幅器の構成を示す回路図である。
【図2】従来の高周波増幅器の各構成要素出力部インピーダンスの軌跡の説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1における高周波増幅器の構成を示す回路図である。
【図4】この発明の実施の形態1における各構成要素出力部インピーダンスの軌跡の説明図である。
【図5】従来の高周波増幅器とこの発明の実施の形態1における高周波増幅器の出力VSWR特性図である。
【図6】実施の形態1において最大広帯域となる計算結果を示す図である。
【図7】実施の形態1で直列インダクタのインダクタンスに対し、出力VSWRが1.1および1.22となる比帯域の計算結果図である。
【図8】この発明の実施の形態2における高周波増幅器の構成を示す回路図である。
【図9】この発明の実施の形態3における高周波増幅器の構成を示す回路図である。
【図10】この発明の実施の形態4における高周波増幅器の構成を示す回路図である。
【図11】この発明の実施の形態5による高周波増幅器の回路構成図である。
【図12】実施形態5で用いられるHPFの構成を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態6による高周波増幅器の回路構成図である。
【図14】実施の形態6で用いられるLPFの構成を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態7による高周波増幅器の回路構成図である。
【図16】この発明の実施の形態8による高周波増幅器の回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図3はこの発明の実施の形態1における広帯域な高周波増幅器を示す回路図である。図3において、1は出力インピーダンスが50Ωより低く,容量性の領域にある高周波トランジスタ、6は高周波トランジスタ1の出力側に直列接続された直列インダクタ、7は高周波トランジスタ1と直列インダクタ6を合計したインピーダンスに対して使用する周波数の中心周波数で並列共振するインダクタンスに設定された並列インダクタ、3は並列インダクタ7を高周波短絡するための高周波短絡キャパシタ、4は高周波トランジスタ1と直列インダクタ6と並列インダクタ7を足し合わせたインピーダンスを50Ωへと変成するように特性インピーダンスの値を選んだ使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路(以下1/4波長線路という)であり、直列インダクタ6、並列インダクタ7および1/4波長線路4とで出力整合回路を構成する。5は高周波トランジスタ1の前段に設けられ、入力端子からの高周波信号のインピーダンス整合をする入力整合回路である。
【0010】
図3の動作について説明する。図4は高周波トランジスタ1の出力インピーダンス(Zout1)、直列インダクタ6の後のインピーダンス(Zout2)、並列インダクタ7により使用周波数の中心周波数にて並列共振を形成したあとのインピーダンス(Zout3)、50Ω負荷(ZoutA)、1/4波長線路4により50Ωからインピーダンス変成された後のインピーダンス(言い換えると、1/4波長線路4によりインピーダンス変成された後のインピーダンスが50Ωとなるインピーダンス)(ZoutB)についてそれぞれのインピーダンスの軌跡を示したものである。矢印先端位置が高域端でのインピーダンスを示す。ここでは、並列インダクタ7で並列共振後のインピーダンスの軌跡Zout3と1/4波長線路4でインピーダンス変成された後のインピーダンスの軌跡ZoutBとの間の関係に注目する。
【0011】
従来の高周波増幅器の出力整合回路においては、図2に示したようにショートスタブ2により実軸に変換したインピーダンスの軌跡(周波数特性)Zout3に対して、1/4波長線路4により50Ωからインピーダンス変成された後のインピーダンスの軌跡(周波数特性)ZoutBは短い(周波数特性が小さい)。そのため、中心周波数以外ではインピーダンスの共役整合がとれず、出力整合回路が狭帯域である。ZoutBのインピーダンスの軌跡を長く(周波数特性を大きく)して、Zout3とZoutBのインピーダンスの軌跡の長さ(周波数特性の大きさ)を同じにすることが、広帯域にインピーダンス整合を実現するために必要である。ZoutBの周波数特性は、1/4波長線路4のインピーダンス変成比により決まるため、このインピーダンス変成比を大きくすることで、ZoutBの周波数特性が大きくでき、Zout3とZoutBの周波数特性の大きさを同じにすることができる。1/4波長線路4のインピーダンス変成比を大きくするためには、中心周波数におけるZoutBを低くする必要がある。中心周波数におけるZoutBは、中心周波数におけるZout3と等しく実軸上となる。
【0012】
ここで、従来の回路構成での中心周波数におけるZout3を、中間インピーダンスZa(以降はZaとする)として図2に示す。この発明の実施の形態1における高周波増幅器の出力整合回路での中心周波数におけるZout3を、中間インピーダンスZa'(以降はZa'とする)として、図4に示す。この発明の高周波増幅器の出力整合回路では、図2のZaから図4のZa'へと小さくする必要がある。図4に示すように直列インダクタ6を挿入することによってZa'を小さくすることができる。これにより、1/4波長線路4のインピーダンス変成比が大きくすることができ、Zout3とZoutBの周波数特性の大きさを同じにできる。その結果、広帯域なインピーダンス整合を実現できる。
【0013】
図5は出力VSWR(Voltage Standing Wave Ratio :電圧定在波比)について、従来の回路構成による高周波増幅器の場合とこの発明の高周波増幅器の場合を示す。このとき、高周波トランジスタ1の出力インピーダンスの容量成分を1pF、抵抗成分を20Ω、従来回路のショートスタブ2を0.253nH、1/4波長線路4の特性インピーダンスを31.6Ω、この発明の増幅器の直列インダクタ6を0.04nH、並列インダクタ7を0.247nH、1/4波長線路4の特性インピーダンスを26.9Ωとした。従来の回路構成では出力VSWRが1.1となる比帯域は16%であったが、直列インダクタ6を付加したこの発明の高周波増幅器では比帯域が24%となり、1.5倍の広帯域にわたって良好なインピーダンス整合を実現している。したがって、この発明の高周波増幅器の出力整合回路は広帯域に50Ωへの整合を実現できる。
【0014】
次に、直列インダクタ6の適切なインダクタンスの値の範囲について述べる。この発明の高周波増幅器では、直列インダクタ6の後のインピーダンスZout2が容量性にあることが条件となる。なぜなら、直列インダクタ6によりZout2が中心周波数にて実軸をこえると、Zout3は並列インダクタ7により実軸へと変換できないためである。また、直列インダクタ6のインダクタンスL1の上限を以下の式(1)に示す。
【0015】
【数1】
【0016】
ここで、Coutは高周波トランジスタ1の出力インピーダンスの容量成分、R1は高周波トランジスタ1の出力インピーダンスの抵抗成分であり、L1が直列インダクタ6のインダクタンスである。また、aを式(2)のように定義する。
【0017】
【数2】
【0018】
ここで、ωcは中心角周波数である。このように直列インダクタ6のインダクタンスL1の上限を与えることで、図3に示すこの発明の実施の形態1における高周波増幅器の出力整合回路で広帯域に50Ωへの整合を実現できる。
【0019】
次に、もっとも広帯域となる直列インダクタ6のインダクタンスL1の値について述べる。図4に示すようにZout3とZoutBが、その中心周波数でのインピーダンスが等しく、インピーダンスの周波数特性の向きが逆で大きさが等しいとき、図3に示すこの発明の実施の形態1における高周波増幅器の出力整合回路が最も広帯域となる。これまでに述べたように、図4のZa'は実軸上のインピーダンスである。また、Zout3、ZoutBの周波数特性についてリアクタンス成分の周波数特性が支配的である。そのため、中心周波数におけるZout3の虚部の微分値とZoutBの虚部の微分値とが、互いに符号が逆で大きさが等しくなるとき、図3に示すこの発明の高周波増幅器の出力整合回路が最も広帯域となる。Zout3とZoutBを微分した結果を式(3)、(4)に、もっとも広帯域となる条件を求める式を式(5)に示す。
【0020】
【数3】
【0021】
なお、Coutが高周波トランジスタ1の出力インピーダンスの容量成分、R1が高周波トランジスタ1の出力インピーダンスの抵抗成分、ωcが中心角周波数、L1が直列インダクタ6のインダクタンス、L2が並列インダクタ7のインダクタンスを示している。並列インダクタ7のインダクタンスL2は、中心周波数でZout3が実軸へと変換する値となる。並列インダクタ7のインダクタンスL2は直列インダクタ6のインダクタンスL1により式(6)を用いて一意に決定される。
【0022】
【数4】
【0023】
また、bは式(7)のように定義される。
【0024】
【数5】
【0025】
1/4波長線路4の特性インピーダンスZcは、中心周波数にてZa'から50Ωへとインピーダンス変成を行うため一意に決定される。そのため、1/4波長線路4の特性インピーダンスZcは直列インダクタ6のインダクタンスL1により次の式(8)を用いて与えられる。なお、R2=50Ωとする。
【0026】
【数6】
【0027】
これまでに説明したように、並列インダクタ7のインダクタンスL2および1/4波長線路4の特性インピーダンスZcは直列インダクタ6のインダクタンスL1の値により一意に与えられるため、微分の式(3)、(4)の変数は直列インダクタ6のインダクタンスL1のみとなる。そのため、条件式(5)を満たす最適な直列インダクタ6のインダクタンスL1が存在する。この発明の実施の形態1における高周波増幅器では、出力整合回路に直列インダクタ6を挿入し、この直列インダクタ6のインダクタンスL1の値を条件式(5)を満たすように決定することで、広帯域に50Ωへの整合を実現している。
【0028】
図6は、直列インダクタ6のインダクタンスL1を変数としたときの中心周波数におけるZout3の虚数部の角周波数微分値とZoutBの虚数部の角周波数微分値の和を示している。なお、図6で用いた高周波トランジスタ1の初期値は図5の検討で用いた値と同じである。図6の中で、中心周波数におけるZout3の虚数部の角周波数微分値とZoutBの虚数部の角周波数微分値の和が0付近となるような直列インダクタ6のインダクタンスL1の値において、この発明の高周波増幅器の出力整合回路で広帯域に50Ωへの整合を実現している。
【0029】
図7は直列インダクタ6のインダクタンスL1を変数として、この発明の実施の形態1における高周波増幅器の出力整合回路で出力VSWR=1.1もしくは出力VSWR=1.22となる比帯域をそれぞれ計算した結果である。なお、図7で用いた高周波トランジスタ1の初期値は図5の検討で用いた値と同じである。どちらの出力VSWRの結果でも、直列インダクタ6のインダクタンスL1が0.04nH程度の値のときに最も広帯域となる。この直列インダクタ6のインダクタンスL1の値は図6より得られた最適値と一致しているため、式(5)で示した条件式が正しいといえる。また出力VSWRの条件を1.1と1.22で比較すると、広い比帯域が得られる直列インダクタ6のインダクタンスL1の最適値は若干異なる。また、直列インダクタ6のインダクタンスL1の最適値が式(5)で得られる値と完全に一致しなくても、比較的広い範囲の値で直列インダクタ6が無い従来の回路と比較して広帯域な特性が得られている。
【0030】
ここでは、高周波トランジスタ1の小信号時の出力インピーダンスに対してインピーダンス整合を行った場合について述べたが、高周波トランジスタ1の大信号時の効率、出力電力などに対する最適負荷インピーダンスに対しても同様に広帯域整合をすることができる。また、図3の回路を利用することで、従来回路と比較して並列インダクタ7を短くできるため、従来回路より回路の小型化が可能となる。
【0031】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2による高周波増幅器の回路構成図である。図8において、5は入力整合回路、1および1'は入力整合回路5の出力側に並列接続された高周波トランジスタ、6および6'は直列インダクタ、7は高周波トランジスタ1と直列インダクタ6を足し合わせたインピーダンスに対して使用する周波数の中心周波数で並列共振するインダクタンスに設定された並列インダクタ、7'は高周波トランジスタ1'と直列インダクタ6'を足し合わせたインピーダンスに対して使用する周波数の中心周波数で並列共振するインダクタンスに設定された並列インダクタ、3および3'は並列インダクタ7および7'を高周波短絡するための高周波短絡キャパシタ、4は高周波トランジスタの並列数をnとした時に高周波トランジスタ1、直列インダクタ6、並列インダクタ7を足し合わせたインピーダンスより(50/n)Ωへと変成するように特性インピーダンスの値を選んだ1/4波長線路、4'は高周波トランジスタの並列数をnとした時に高周波トランジスタ1'、直列インダクタ6'、並列インダクタ7'を足し合わせたインピーダンスより(50/n)Ωへと変成するように特性インピーダンスの値を選んだ1/4波長線路である。この実施の形態2は、実施の形態1の構成を示す図3と比較して、高周波トランジスタ、直列インダクタ、並列インダクタ、高周波短絡キャパシタ、1/4波長線路からなる回路構成は同じであり、1/4波長線路後の出力を並列合成する構成されている点が異なり、図3の実施の形態1による高周波増幅器と同様の効果を有する。さらに高周波トランジスタを並列合成する事で、実施の形態1の高周波増幅器に比べて大きな出力電力を得られる利点がある。
【0032】
実施の形態3.
図9はこの発明の実施の形態3による高周波増幅器の回路構成図である。図9において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、並列インダクタ7及び高周波トランジスタ1'、高周波短絡キャパシタ3'、直列インダクタ6'、並列インダクタ7'はそれぞれ実施の形態2による高周波増幅器を示す図8の説明と同じである。4は、高周波トランジスタ1、直列インダクタ6、並列インダクタ7、高周波トランジスタ1'、直列インダクタ6'、並列インダクタ7'を全て足し合わせたインピーダンスより50Ωへと変成するように特性インピーダンスの値を選んだ1/4波長線路である。実施の形態2の構成を示す図8と比較して回路構成は略同じであり、出力整合回路の合成する位置が異なり、1/4波長線路4を共用する構成になっている。この実施の形態3は実施の形態2と同様に図3に示す実施の形態1の高周波増幅器と同様の効果を有し、さらに高周波トランジスタを並列合成する事で、実施の形態1の高周波増幅器に比べて大きな出力電力を得られる利点がある。
【0033】
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4による高周波増幅器の回路構成図である。図10において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、高周波トランジスタ1'、直列インダクタ6'はそれぞれ図9に示す実施の形態3の説明と同じである。7は高周波トランジスタ1、直列インダクタ6、高周波トランジスタ1'、直列インダクタ6'を全て足し合わせたインピーダンスに対して中心周波数で並列共振するインダクタンスに設定された並列インダクタ、4は高周波トランジスタ1、直列インダクタ6、並列インダクタ7、高周波トランジスタ1'、直列インダクタ6'を全て足し合わせたインピーダンスより50Ωへと変成するように特性インピーダンスの値を選んだ1/4波長線路である。実施の形態3を示す図9と比較して回路構成は略同じであるが、出力整合回路の合成する位置が異なり、並列インダクタ7と1/4波長線路4を共用する構成になっている。しかし、実施の形態3と同様に図3に示す実施の形態1の高周波増幅器と同様の効果を有する。さらに高周波トランジスタを並列合成する事で、実施の形態1の高周波増幅器に比べて大きな出力電力を得られる利点がある。
【0034】
実施の形態5.
図11はこの発明の実施の形態5による高周波増幅器の回路構成図である。図11において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、並列インダクタ7は実施の形態1による高周波増幅器を示す図3の記号の説明と同じであり説明を省略する。8は実施の形態1〜4の1/4波長線路4に相当する部分で、インピーダンス変成器として1/4波長線路4の代わりに高域通過型フィルタ(以降HPFとする)を用いている。このHPFの回路構成例を図12(a)、(b)、(c)に示す。図12(a)ははしご形HPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図12(b)はT形HPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図12(c)はπ形HPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図12(a)〜(c)のHPFは、1/4波長線路4とほぼ同じ特性を示すので、図11に示す高周波増幅器は、図3に示す実施の形態1の高周波増幅器と同様の効果を有する。1/4波長線路4をHPFの集中定数素子に置き換えることで、実施の形態1に比べて回路を小さくできる利点がある。また、回路を小さくする事により回路の損失を小さくできる利点がある。
【0035】
実施の形態6.
図13はこの発明の実施の形態6による高周波増幅器の回路構成図である。図13において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、並列インダクタ7は実施の形態1による高周波増幅器を示す図3の記号の説明と同じであり説明を省略する。9は実施の形態1〜4の1/4波長線路4に相当する部分で、インピーダンス変成器として1/4波長線路4の代わりに低域通過型フィルタ(以降LPFとする)を用いている。このLPFの回路構成例を図14(a)、(b)、(c)、(d)に示す。図14(a)ははしご形LPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図14(b)はT形LPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図14(c)はπ形LPFにてインピーダンス変成器を構成したものである。図14(d)は分布定数線路にてLPFを構成しインピーダンス変成器としたものである。図14(a)〜(d)のLPFは、1/4波長線路4とほぼ同じ特性を示すので、図13に示す高周波増幅器は、図3に示す実施の形態1の高周波増幅器と同様の効果を有する。1/4波長線路4をLPFの集中定数素子に置き換えることで、実施の形態1に比べて回路を小さくできる利点がある。また、回路を小さくする事により回路の損失を小さくできる利点がある。
【0036】
実施の形態7.
図15はこの発明の実施の形態7による高周波増幅器の回路構成図である。図15において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、並列インダクタ7は実施の形態1による高周波増幅器を示す図3の記号の説明と同じであり説明を省略する。10は実施形態1〜6の直列インダクタ6に相当する部分で、インダクタンスとして直列インダクタ6の代わりに直列線路を用いる。図15の直列線路は、直列インダクタ6とほぼ同じ特性を示すので、図3に示す実施の形態1の増幅器と同様の効果を有する。直列インダクタ6の代わりに直列線路10を用いることで、実施の形態1に比べて製造再現性に優れるという利点がある。
【0037】
実施の形態8.
図16はこの発明の実施の形態8による高周波増幅器の回路構成図である。図16において、高周波トランジスタ1、高周波短絡キャパシタ3、入力整合回路5、直列インダクタ6、直列線路10は実施の形態7による高周波増幅器を示す図15の記号の説明と同じであり説明を省略する。2は実施の形態1〜7の並列インダクタ7に相当する部分で、インダクタンスとして並列インダクタ7の代わりにショートスタブを用いる。図16のショートスタブ2は、並列インダクタ7とほぼ同じ特性を示すので、図3に示す実施の形態1の高周波増幅器と同様の効果を有する。並列インダクタ7の代わりにショートスタブ2を用いることで、実施の形態1に比べて製造再現性に優れるという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明による高周波増幅器は、広帯域にわたって良好な出力インピーダンス整合が得られ、衛星通信、地上波マイクロ波通信、移動体通信等に使用される高周波増幅器に適用される可能性がある。
【符号の説明】
【0039】
1、1';高周波トランジスタ、2;ショートスタブ、3、3';高周波短絡キャパシタ、4、4';1/4波長線路、5;入力整合回路、6、6';直列インダクタ、7、7';並列インダクタ、8;高域通過型フィルタ、9;低域通過型フィルタ、10;直列線路。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力インピーダンスが50Ωより低く,容量性の領域にある高周波トランジスタを用い、入力整合回路からの高周波信号を増幅する高周波増幅器であり、高周波トランジスタの出力側に高周波トランジスタと直列接続された直列インダクタと、この直列インダクタの出力側に前記高周波トランジスタと並列になるよう接続された並列インダクタと、前記直列インダクタの出力側に高周波トランジスタと直列になるよう接続された使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路とで出力整合回路が構成され、前記並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンス値が高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるように構成されたことを特徴とする高周波増幅器。
【請求項2】
前記直列インダクタのインダクタンスを、出力整合回路の整合が広帯域となるように、並列インダクタによる並列共振形成後のインピーダンスと、1/4波長程度の長さの線路により50Ωからインピーダンス変成された後のインピーダンスとの関係から決定することを特徴とする請求項1記載の高周波増幅器。
【請求項3】
入力整合回路に、高周波トランジスタと、高周波トランジスタの出力側に高周波トランジスタと直列接続された直列インダクタと、この直列インダクタの出力側に前記高周波トランジスタと並列になるよう接続された並列インダクタと、前記直列インダクタの出力側に高周波トランジスタと直列になるよう接続された使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路とから構成される出力整合回路を備えた高周波増幅回路を並列にn個接続し、各高周波増幅回路の出力を並列合成する高周波増幅器であり、各並列インダクタと各1/4波長程度の長さの線路との間の各インピーダンス値が,各高周波トランジスタの出力インピーダンスと(50/n)Ωの間となるように構成されたことを特徴とする高周波増幅器。
【請求項4】
入力整合回路に、高周波トランジスタと、高周波トランジスタの出力側に高周波トランジスタと直列接続された直列インダクタと、この直列インダクタの出力側に前記高周波トランジスタと並列になるよう接続された並列インダクタとの高周波増幅回路を並列にn個接続し、各高周波増幅回路の出力を並列合成して、使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路に入力し、1/4波長程度の長さの線路でインピーダンス変成される出力整合回路を備える高周波増幅器であり、各並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンスが高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるように構成されたことを特徴とする高周波増幅器。
【請求項5】
入力整合回路に、高周波トランジスタと、高周波トランジスタの出力側に高周波トランジスタと直列接続された直列インダクタとの高周波増幅回路を並列にn個接続し、各高周波増幅回路の出力を並列合成し、この並列合成点に前記各高周波トランジスタと並列になるよう接続された並列インダクタと、同じく前記並列合成点に接続された使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路で構成される出力整合回路を備える高周波増幅器であり、並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンスが高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるように構成されたことを特徴とする高周波増幅器。
【請求項6】
1/4波長程度の長さの線路の代わりに,高域通過フィルタ型の整合回路を用いたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の高周波増幅器。
【請求項7】
1/4波長程度の長さの線路の代わりに,低域通過フィルタ型の整合回路を用いたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の高周波増幅器。
【請求項8】
直列インダクタの代わりに,直列線路を用いたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の高周波増幅器。
【請求項9】
並列インダクタの代わりに,ショートスタブを用いたことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の高周波増幅器。
【請求項1】
出力インピーダンスが50Ωより低く,容量性の領域にある高周波トランジスタを用い、入力整合回路からの高周波信号を増幅する高周波増幅器であり、高周波トランジスタの出力側に高周波トランジスタと直列接続された直列インダクタと、この直列インダクタの出力側に前記高周波トランジスタと並列になるよう接続された並列インダクタと、前記直列インダクタの出力側に高周波トランジスタと直列になるよう接続された使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路とで出力整合回路が構成され、前記並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンス値が高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるように構成されたことを特徴とする高周波増幅器。
【請求項2】
前記直列インダクタのインダクタンスを、出力整合回路の整合が広帯域となるように、並列インダクタによる並列共振形成後のインピーダンスと、1/4波長程度の長さの線路により50Ωからインピーダンス変成された後のインピーダンスとの関係から決定することを特徴とする請求項1記載の高周波増幅器。
【請求項3】
入力整合回路に、高周波トランジスタと、高周波トランジスタの出力側に高周波トランジスタと直列接続された直列インダクタと、この直列インダクタの出力側に前記高周波トランジスタと並列になるよう接続された並列インダクタと、前記直列インダクタの出力側に高周波トランジスタと直列になるよう接続された使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路とから構成される出力整合回路を備えた高周波増幅回路を並列にn個接続し、各高周波増幅回路の出力を並列合成する高周波増幅器であり、各並列インダクタと各1/4波長程度の長さの線路との間の各インピーダンス値が,各高周波トランジスタの出力インピーダンスと(50/n)Ωの間となるように構成されたことを特徴とする高周波増幅器。
【請求項4】
入力整合回路に、高周波トランジスタと、高周波トランジスタの出力側に高周波トランジスタと直列接続された直列インダクタと、この直列インダクタの出力側に前記高周波トランジスタと並列になるよう接続された並列インダクタとの高周波増幅回路を並列にn個接続し、各高周波増幅回路の出力を並列合成して、使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路に入力し、1/4波長程度の長さの線路でインピーダンス変成される出力整合回路を備える高周波増幅器であり、各並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンスが高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるように構成されたことを特徴とする高周波増幅器。
【請求項5】
入力整合回路に、高周波トランジスタと、高周波トランジスタの出力側に高周波トランジスタと直列接続された直列インダクタとの高周波増幅回路を並列にn個接続し、各高周波増幅回路の出力を並列合成し、この並列合成点に前記各高周波トランジスタと並列になるよう接続された並列インダクタと、同じく前記並列合成点に接続された使用周波数における中心周波数の1/4波長程度の長さの線路で構成される出力整合回路を備える高周波増幅器であり、並列インダクタと1/4波長程度の長さの線路との間のインピーダンスが高周波トランジスタの出力インピーダンスと50Ωの間となるように構成されたことを特徴とする高周波増幅器。
【請求項6】
1/4波長程度の長さの線路の代わりに,高域通過フィルタ型の整合回路を用いたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の高周波増幅器。
【請求項7】
1/4波長程度の長さの線路の代わりに,低域通過フィルタ型の整合回路を用いたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の高周波増幅器。
【請求項8】
直列インダクタの代わりに,直列線路を用いたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の高周波増幅器。
【請求項9】
並列インダクタの代わりに,ショートスタブを用いたことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の高周波増幅器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−199874(P2010−199874A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−41258(P2009−41258)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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