説明

高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器のガスリサイクル方法

本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置は、高圧の二酸化炭素を使用して基板を処理する高圧処理器と、前記高圧処理器で使用された二酸化炭素を排出する排出管から各々二酸化炭素を分岐する第1及び第2分岐ラインと、前記第1分岐ラインを通じて供給される二酸化炭素から添加剤を分離し、前記二酸化炭素を凝縮させ、且つ、その凝縮に冷却部の冷媒が通過する冷媒循環管と共に前記第2分岐ラインを通じて供給される二酸化炭素の断熱膨脹による温度下降が関与されるようにするリサイクル部と、前記リサイクル部または二酸化炭素供給部の液体二酸化炭素を高圧でポンピングする高圧ポンプと、前記高圧ポンプを通じて昇圧された二酸化炭素を段階的に加熱し、前記高圧処理器に供給するバッファーの役目をする第1及び第2加熱バッファー部と、を含む。このような構成を有する本発明は、集約化した単一構造のリサイクル部を構成し、洗浄または乾燥に使用された二酸化炭素から添加剤を分離し、凝縮過程を処理し、設備の体積を減少させ、フットプリントを低減し、点検項目の数を減らすことができるという効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器のガスリサイクル方法に関し、特に洗浄または乾燥に使用された二酸化炭素の再使用のための処理においてエネルギーの使用量を減少し、フットプリントを低減することができる高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器のガスリサイクル方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の中には、半導体基板上に存在する有機または無機材の異物を除去する洗浄工程が必要である。
【0003】
このような洗浄工程は、大きく、湿式洗浄と乾式洗浄とに分けられ、これらのうち湿式洗浄は、高い縦横比、洗浄液による微細構造内の濡れ、ウォーターマークの形成、洗浄薬液の純度を高めるための精製費用の増加など多くの問題点を有している。
【0004】
また、乾式洗浄は、プラズマ、ガス相または超臨界乾式洗浄技術が開発されているが、プラズマによる乾式洗浄工程は、基板が酸素プラズマにより損傷されることができるおそれがあると共に、汚染物の完全な除去が容易でなく、追加的に湿式洗浄工程が要求されるという問題点がある。
【0005】
また、乾式洗浄の他の例として、超臨界状態の二酸化炭素と様々な共溶媒とを混合し、これを使用して基板を洗浄する超臨界洗浄工程が提案されたことがある。
【0006】
しかし、超臨界状態の非極性二酸化炭素に単に極性共溶媒を混合すれば、均質の透明相を形成しないため、従来の湿式洗浄の問題点を解決することができない。また、洗浄効率が低く、均質の透明相の超臨界状態を形成するとしても、100℃以上の超高温と300bar以上の超高圧を必要するので、費用が高いという問題点がある。これを解決するために、界面活性剤を導入する場合にも、超臨界状態の均質透明相を形成するためには、別途のミキサー(mixer)または超音波装置などが必要であり、時間も長くかかるという問題点がある。
【0007】
このような問題点を解決するための超臨界基板処理装置が特許文献1に開示されている。その主要な記載内容を添付の図面を参照して以下に詳しく説明する。
【0008】
図1は、特許文献1に開示された従来の基板処理装置の構成図である。
図1を参照すれば、従来の基板処理装置は、高圧処理器60と、高圧処理器60に連結される気体二酸化炭素供給源20及び液体二酸化炭素供給源21と、二酸化炭素を高圧で送出するための高圧ポンプ24と、洗浄用添加剤を供給する洗浄用添加剤供給源25と、リンス用添加剤を供給するリンス用添加剤供給源26と、二酸化炭素及び添加剤を加熱するために供給管L2、L3、L4上に設置される加熱器31、32、33と、超臨界状態の均質透明相の混合物を形成しながら一定量の洗浄用添加剤を供給するための均質透明相混合器70と、高圧処理器60に連結され、一定の圧力を維持するための圧力調節弁54と、高圧処理器60に連結され、高圧処理器60から排出される混合物を気体相の二酸化炭素と液体相添加剤に分離する分離器61と、分離した気体相の二酸化炭素を精製するための気体洗浄カラム63及び吸着カラム64と、精製された気体を凝縮し、再使用するための二酸化炭素凝縮容器23と、オン−オフ自動弁1〜12とを備える。
【0009】
上記のように、特許文献1に開示された発明は、高圧処理器60を利用して超臨界状態の二酸化炭素及び添加剤で洗浄対象物としての半導体基板を洗浄した後、オン−オフ自動弁11を利用して、使用された二酸化炭素及び添加剤を外部に排出するか、または分離器61、気体洗浄カラム63、吸着カラム64及び凝縮容器23を通じて前記使用済みの二酸化炭素を洗浄工程に再使用するための処理を行う。
【0010】
しかしながら、各々独立的に設けられた分離器61、気体洗浄カラム63、吸着カラム64及び凝縮容器23は、体積が大きく、フットプリントの増加を誘発し、点検対象項目の増加をもたらすという新しい問題点が発生した。
【0011】
また、二酸化炭素の再使用のための凝縮過程で冷媒の使用量が多いため、維持管理費用が増加するという問題点があった。
【0012】
また、高圧処理器60で洗浄が行われた後、使用された二酸化炭素を排出した後、さらに高圧処理器60の圧力を上昇させるのに時間が多く所要され、工程時間が遅延され、そのため、生産性が低下するという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国特許登録第753493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、二酸化炭素の再使用のための装置を集約化することができる高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器のガスリサイクル方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、二酸化炭素のリサイクルに必要なエネルギーの使用量を減少することができる高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器のガスリサイクル方法を提供することにある。
【0016】
また、本発明のさらに他の目的は、二酸化炭素を加熱する加熱部を二元化し、各加熱部を二酸化炭素の供給バッファーとして使用することによって、高圧処理器の圧力を工程圧力に高めるのに必要な時間を短縮し、生産性を向上させることができる高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器のガスリサイクル方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置は、高圧の二酸化炭素を使用して基板を処理する高圧処理器と、前記高圧処理器で使用された二酸化炭素を排出する排出管から各々二酸化炭素を分岐する第1及び第2分岐ラインと、前記第1分岐ラインを通じて供給される二酸化炭素から添加剤を分離し、該二酸化炭素を凝縮させ、且つ、その凝縮に冷却部の冷媒が通過する冷媒循環管とともに前記第2分岐ラインを通じて供給される二酸化炭素の断熱膨脹による温度下降が関与されるようにするリサイクル部と、前記リサイクル部または二酸化炭素供給部の液体二酸化炭素を高圧でポンピングする高圧ポンプと、前記高圧ポンプを通じて昇圧された二酸化炭素を段階的に加熱し、前記高圧処理器に供給するバッファーの役目をする第1及び第2加熱バッファー部と、を含む。
【0018】
また、本発明による高圧処理器のガスリサイクル方法は、高圧処理器でリサイクルすべき気体を分岐し、分岐した気体の一部を断熱膨脹させ、前記気体の他の一部を前記断熱膨脹される一部の気体を利用して凝縮させてリサイクルすることによって、リサイクル効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器の気体リサイクル方法は、集約化した単一構造のリサイクル部を構成し、洗浄または乾燥に使用された二酸化炭素から添加剤を分離し、凝縮過程を処理し、設備の体積を減少させ、フットプリントを低減し、点検項目の数を減らすことができるという効果がある。
【0020】
また、本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器の気体リサイクル方法は、使用された二酸化炭素の一部を外部に直接排出せず、リサイクルされる二酸化炭素の凝縮に使用することによって、当該二酸化炭素のリサイクルを目的に使用する冷媒の使用量を減少し、費用を節減することができるという効果がある。
【0021】
また、本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器の気体リサイクル方法は、液体二酸化炭素を超臨界状態に加熱する加熱部を二元化し、段階的な温度の上昇が可能にし、各加熱部を二酸化炭素の供給バッファーとして使用することによって、高圧処理器内の圧力低下を防止することができると共に、工程時間を短縮することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来の基板処理装置の構成図である。
【図2】本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置の構成図である。
【図3】本発明による高圧処理器に使用されるリサイクル部の断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器の気体リサイクル方法の好ましい実施例を添付の図面を参照して詳しく説明する。
【0024】
図2は、本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置の構成図である。
図2を参照すれば、本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置は、供給された超臨界二酸化炭素及び添加剤で基板を洗浄、リンスまたは乾燥処理する高圧処理器100と、液体二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給部400と、前記高圧処理器100で洗浄に使用された二酸化炭素及び添加剤を排出する排出ラインL1と、前記排出ラインL1を通じて排出される二酸化炭素及び添加剤を分岐する第1及び第2分岐ラインL2、L3と、前記第1分岐ラインL2を通じて供給される前記二酸化炭素と添加剤とを分離し、分離した二酸化炭素を浄化処理し、冷却部300の冷媒と前記第2分岐ラインL3を通じて供給される二酸化炭素を利用して前記浄化した二酸化炭素を凝縮すると共に、前記二酸化炭素供給部400から供給される二酸化炭素が気化しないように凝縮させるリサイクル部200と、前記リサイクル部200の二酸化炭素またはリサイクルされる二酸化炭素を高圧で供給する高圧ポンプ500と、前記高圧ポンプ500から供給された二酸化炭素を貯蔵及び加熱する第1加熱バッファー部610と、前記第1加熱バッファー610で加熱された二酸化炭素を供給されて貯蔵すると共に、工程温度に再加熱し、前記高圧処理器100に供給する第2加熱バッファー620と、前記供給される二酸化炭素に各々選択的に洗浄添加剤及びリンス添加剤を供給する洗浄添加剤供給部700及びリンス添加剤供給部800とで構成される。
【0025】
以下、上記のように構成される本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置の構成及び作用をさらに詳しく説明する。
【0026】
まず、最初の洗浄工程の進行時には、弁V4を通じて二酸化炭素供給部400の二酸化炭素が供給され、この液体相態の二酸化炭素が気化しないように前記リサイクル部200を通じて高圧ポンプ500により高圧で第1加熱バッファー部610に供給される。
【0027】
前記二酸化炭素供給部400の液体二酸化炭素は、ラインを通じて移動中にも気化することができ、このように気化した二酸化炭素を直接液体ポンプである高圧ポンプ500を通じてポンピングする場合には、該高圧ポンプ500が空回しすることができる。
【0028】
これを防止するために、二酸化炭素供給部400は、リサイクルされる二酸化炭素を凝縮させる機能を含むリサイクル部200に連結されるラインL4を通じてリサイクル部200で凝縮された後、液体二酸化炭素が前記高圧ポンプ500により二酸化炭素をポンピングするようにする。
【0029】
次に、前記第1加熱バッファー部610に供給された二酸化炭素の圧力は、約150〜300barであることが好ましく、温度が35〜100℃となるように加熱する。
【0030】
また、前記第1加熱バッファー部610で加熱された二酸化炭素は、さらに第2加熱バッファー部620に供給される。第2加熱バッファー部620は、約150〜300barの圧力で二酸化炭素の温度を約50〜100℃まで加熱する。
【0031】
前記第1加熱バッファー部610及び第2加熱バッファー部620の圧力は、前記加圧処理器100の工程圧力である120〜250barに比べてさらに大きい圧力であり、これは、二酸化炭素の供給で圧力が損失されることを考慮するだけでなく、加圧処理器100で洗浄が完了した後、二酸化炭素及び添加剤が排出された後に低くなった圧力をさらに工程圧力に迅速に上昇させる作用をするようになる。
【0032】
次に、前記第2加熱バッファー部620を通じて加熱及び圧力が調整された二酸化炭素は、洗浄またはリンス工程によってその経路を異にして高圧処理器100に供給される。
【0033】
すなわち、洗浄工程を進行する時には、洗浄添加剤混合部700を通過することができるように弁V6、V8、V10を通じて通過し、前記洗浄添加剤混合部700にあらかじめ流入されている洗浄添加剤と高圧の雰囲気で混合され、前記高圧処理器100に供給される。
【0034】
これとは異なって、リンス工程を進行するためには、前記弁V8、V10が閉じた状態になり、弁V9、V11を通じてリンス添加剤混合部800を加熱された二酸化炭素が通過しながら、該リンス添加剤混合部800にあらかじめ供給されていたリンス添加剤と混合される。
【0035】
この際、弁V12は、リンス工程中に前記洗浄添加剤混合部700を経て供給されることができるし、このような処理を通じて、前記洗浄添加剤混合部700内の雰囲気を二酸化炭素雰囲気に作ることができる。
【0036】
また、前記二酸化炭素は、十分な圧力で供給されるため、前記洗浄添加剤供給部700及びリンス添加剤供給部800で添加剤の高圧供給のために別途のポンプを使用する必要がなく、したがって、設備がさらに単純化され、費用も節減することができる。
【0037】
前記供給された超臨界状態の二酸化炭素とこの二酸化炭素に添加された洗浄添加剤またはリンス添加剤は、前記加圧処理器100に供給され、多数の基板を同時に洗浄処理する。
【0038】
また、使用された添加剤によってマイクロ電子機械システム(MEMS)の乾燥装置に使用されることができる。これは、超臨界状態の流体がマイクロ電子機械システムの構造物を損傷させることなく乾燥させることができるからである。
【0039】
前記洗浄、リンスまたは乾燥処理後の二酸化炭素及び添加剤は、排出管L1を通じて排出され、該排出管L1は、第1分岐ラインL2と第2分岐ラインL3により分岐される。
【0040】
前記第1分岐ラインL2は、二酸化炭素のリサイクルのためのものであり、第2分岐ラインL3は、前記リサイクルされる二酸化炭素をさらに凝縮する時に使用される。
【0041】
前記第1分岐ラインL2と第2分岐ラインL3は、前記リサイクル部200に連結されている。
【0042】
図3は、本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置のリサイクル部の断面構成図である。
【0043】
図3を参照すれば、前記リサイクル部200は、中央に前記第2分岐ラインL3が連結され、断熱膨脹するバンドルチューブ210と、前記バンドルチューブ210の周辺に前記冷却部300の冷媒が流れるようにする冷媒循環管220と、前記冷媒循環管220から所定の距離だけ離隔し、リサイクルされる液体二酸化炭素と添加剤を分離する隔壁230と、前記隔壁230と外壁240との間で水平方向に順次設置されるリング形状の気液分離管250と、前記外壁240の上部側で下向きに配置され、前記第1分岐ラインL2を通じて供給される気体二酸化炭素を加熱し、二酸化炭素の液化を防止するヒーター270とを備えて構成される。
【0044】
また、ラインL4は、前記二酸化炭素供給部400を通じて供給される液体二酸化炭素の気化を防止するために、高圧ポンプ500の前段で二酸化炭素が凝縮されることができるようにする。
【0045】
以下、上記のように構成される本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置のリサイクル部200の構成と作用をさらに詳しく説明する。
【0046】
まず、リサイクル部200の外壁240の側面には、前記第1分岐ラインL1が連結されていて、該外壁240から所定の距離だけ離隔する位置に隔壁230が設置されている。
【0047】
前記隔壁230は、その上部側が外壁240の上部側から離隔し、気体二酸化炭素が通過することができる通路が設けられている。
【0048】
前記第1分岐ラインL1を通じて供給される再使用されるべき二酸化炭素は、液相の添加剤を含んでいて、これは、外壁240と隔壁230が成す空間に移動して分離され、特に気液分離管250によって分離され、純度の高い二酸化炭素をリサイクルすることができる。
【0049】
前記気液分離管250は、多孔板または吸着板であることができる。
【0050】
前記添加剤とともに洗浄またはリンス時に除去される汚染物も、一緒に前記外壁240と隔壁230が成す空間に落下し、収集される。
【0051】
前記第1分岐ラインL2の終端では、二酸化炭素の断熱膨脹が生じ、気体二酸化炭素が液体に相変化するおそれがあるので、ヒーター270を使用して断熱膨脹による潜熱損失を補償し、気体状態を維持し、気体状態が維持される二酸化炭素が隔壁230と外壁240の上部側の間を通過し、前記バンドルチューブ210の外側まで容易に移動することができるようにする。
【0052】
前記バンドルチューブ210は、体積が大きいため、熱交換が生じやすく、したがって、減圧による二酸化炭素の円滑な排出を図ることができると共に、再使用される気体二酸化炭素をさらに効果的に凝縮させることができる。
【0053】
次に、前記添加剤が分離され、浄化した気体二酸化炭素は、冷媒循環管220により凝縮され、液体二酸化炭素となり、これは、その下部のドレインラインを通じて前記高圧ポンプ500側に排出される。
【0054】
この際、前記バンドルチューブ210には、前記第2分岐ラインL3を通じて供給される気体二酸化炭素が通過するようになる。この際、バンドルチューブ210は、前記第2分岐ラインL3に各々の終端が連結される多数の管を含むものであり、多数の管の断面積の和は、前記第2分岐ラインL3に比べてさらに大きくして、前記バンドルチューブ210の内部で気体または液体二酸化炭素が断熱膨脹し、熱交換による気体二酸化炭素への円滑な排出と同時に温度が低くなるようにする。
【0055】
このように温度が低くなった二酸化炭素により、前記バンドルチューブ210は、前記冷媒循環管220と共に前記気体二酸化炭素を凝縮させる役目をする。
【0056】
これは、従来、外部に単純に排出した洗浄に使用された二酸化炭素を、冷媒の役目をすることができるようにリサイクルに一部を利用することによって、前記冷媒循環管220に循環される冷却部300の冷媒使用量またはエネルギー使用量を減らすことができる。
【0057】
前記バンドルチューブ210を通過した二酸化炭素は、外部に排出され、前記凝縮された二酸化炭素は、必要に応じて排出し、前記高圧ポンプ500、第1加熱バッファー部610及び第2加熱バッファー部620を通じて高圧処理器100に供給され、洗浄に再使用することができる。
【0058】
このように前記リサイクル部200は、従来、各々分離され、工程室内に設置された設備を1つの装置で実現し、且つ、その体積を最小化することができる構造で具現することによって、フットプリントを低減し、設備の点検項目の数を減らすことができる。
【0059】
また、冷媒と共に外部に排出される気体二酸化炭素の断熱膨脹時に発生する潜熱損失を、再使用する二酸化炭素の凝縮に寄与するようにすることによって、エネルギー使用を減らすことができる。
【0060】
前記リサイクル部200で凝縮された液体二酸化炭素は、選択的に高圧処理器100に供給され、洗浄にさらに使用される。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器の気体リサイクル方法は、集約化した単一構造のリサイクル部を構成し、洗浄または乾燥に使用された二酸化炭素から添加剤を分離し、凝縮過程を処理し、設備の体積を減少させ、フットプリントを低減し、点検項目の数を減らすことができ、産業上の利用可能性がある。
【0062】
また、本発明による高圧処理器を利用した基板処理装置及び高圧処理器の気体リサイクル方法は、使用された二酸化炭素の一部を外部に直接排出せず、リサイクルされる二酸化炭素の凝縮に使用することによって、二酸化炭素のリサイクルを目的に使用する冷媒の使用量を低減し、費用を節減することができ、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0063】
100 高圧処理器
200 リサイクル部
210 バンドルチューブ
220 冷媒循環管
230 隔壁
240 外壁
250 気液分離管
260 吸着板
270 ヒーター
300 冷却部
400 二酸化炭素供給部
500 高圧ポンプ
610 第1加熱バッファー部
620 第2加熱バッファー部
700 洗浄添加剤混合部
800 リンス添加剤混合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧処理器でリサイクルする気体を分岐し、分岐した気体の一部を断熱膨脹させ、前記気体の他の一部を前記断熱膨脹される一部の気体を利用して凝縮させてリサイクルし、リサイクル効率を高めることができる高圧処理処置の処理ガスリサイクル方法。
【請求項2】
前記他の一部の気体は、凝縮前に添加剤が除去されたものであり、該添加剤の除去と前記凝縮が同一の空間内で行われるようにし、小型の空間内で処理が可能にすることを特徴とする請求項1に記載の高圧処理処置の処理ガスリサイクル方法。
【請求項3】
高圧の二酸化炭素を使用して基板を処理する高圧処理器と、
前記高圧処理器で使用された二酸化炭素を排出する排出管から各々二酸化炭素を分岐する第1及び第2分岐ラインと、
前記第1分岐ラインを通じて供給される二酸化炭素から添加剤を分離し、前記二酸化炭素を凝縮させ、且つ、その凝縮に冷却部の冷媒が通過する冷媒循環管と共に前記第2分岐ラインを通じて供給される二酸化炭素の断熱膨脹による温度下降が関与されるようにするリサイクル部と、
前記リサイクル部または二酸化炭素供給部の液体二酸化炭素を高圧でポンピングする高圧ポンプと、
前記高圧ポンプを通じて昇圧された二酸化炭素を段階的に加熱し、前記高圧処理器に供給するバッファーの役目をする第1及び第2加熱バッファー部と、を含む高圧処理器を利用した基板処理装置。
【請求項4】
前記リサイクル部は、
前記第2分岐ラインが連結され、洗浄に使用された二酸化炭素を断熱膨脹させるバンドルチューブと、
前記バンドルチューブの周辺に前記冷却部の冷媒が流れるようにする冷媒循環管と、
前記冷媒循環管から所定の距離だけ離隔して配設され、収集された液体二酸化炭素と添加剤を分離する隔壁と、
前記隔壁と外壁との間で水平方向に順次設置されるリング形状の気液分離管と、
前記外壁の上部側で下向きに配置され、前記第1分岐ラインを通じて供給される気体二酸化炭素を加熱し、二酸化炭素の液化を防止するヒーターと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の高圧処理器を利用した基板処理装置。
【請求項5】
前記バンドルチューブは、
一側が前記第2分岐ラインに連結される多数の管を含み、且つ、該多数の管の断面積の和は、前記第2分岐ラインの断面積より大きいことを特徴とする請求項4に記載の高圧処理器を利用した基板処理装置。
【請求項6】
前記第1及び第2加熱バッファー部は、
前記高圧処理器で洗浄に使用された前記二酸化炭素が前記排出管を通じて排出され、圧力が低くなった場合、さらに迅速に前記高圧処理器の圧力を工程圧力に上昇させることができるように、工程圧力以上の圧力を維持することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の高圧処理器を利用した基板処理装置。
【請求項7】
前記第2加熱バッファー部を通じて前記高圧処理器に供給される二酸化炭素に洗浄添加剤またはリンス添加剤を選択的に混合供給することができる洗浄添加剤供給部及びリンス添加剤混合部をさらに含み、且つ、前記洗浄添加剤またはリンス添加剤の供給のための別途のポンプを使用しないように、高圧の前記二酸化炭素が直接前記洗浄添加剤供給部またはリンス添加剤混合部を通過することを特徴とする請求項6に記載の高圧処理器を利用した基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−519978(P2012−519978A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553926(P2011−553926)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002527
【国際公開番号】WO2010/104238
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(511212284)エーエヌディ コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】