説明

高圧電源装置および画像形成装置

【課題】複数の圧電トランスを近接させて併設した場合であっても、安定した高電圧出力を得る。
【解決手段】圧電セラミックスに一次電極および二次電極を形成し、前記一次電極に一次電圧を供給し、前記二次電極から二次電圧を発生する圧電トランスを複数備えた高圧電源装置において、前記それぞれの圧電トランスを駆動する複数のスイッチング素子を有し、前記圧電トランスの前記二次電極から前記二次電圧を発生させる際、前記それぞれのスイッチング素子を駆動して前記複数の圧電トランスのそれぞれの前記一次電極に一次電圧を供給する一次電圧供給手段を備え、前記一次電圧供給手段は、前記それぞれのスイッチング素子を同一の周波数で駆動して前記複数の圧電トランスのそれぞれの前記一次電極に一次電圧を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスを用いて低電圧を昇圧することにより高電圧を得る高圧電源装置およびその高圧電源装置を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置に用いられる高圧電源装置は、デジタル制御方式の圧電トランスをブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の転写ローラ毎に設け、高圧のDC電圧を各色の転写ローラに印加するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−107608号公報(段落「0020」〜段落「0023」、図1、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、低電圧を昇圧して高電圧を得る圧電トランスをひとつの基板上で近接させて複数併設した場合、その圧電トランス間で駆動パルス周波数が異なると、二次側の高電圧出力が互いに干渉し合い、高電圧出力にリップルが現れる等の不具合が生じ、高電圧出力が不安定になるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、複数の圧電トランスを近接させて併設した場合であっても、安定した高電圧出力を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、圧電セラミックスに一次電極および二次電極を形成し、前記一次電極に一次電圧を供給し、前記二次電極から二次電圧を発生する圧電トランスを複数備えた高圧電源装置において、前記それぞれの圧電トランスを駆動する複数のスイッチング素子を有し、前記圧電トランスの前記二次電極から前記二次電圧を発生させる際、前記それぞれのスイッチング素子を駆動して前記複数の圧電トランスのそれぞれの前記一次電極に一次電圧を供給する一次電圧供給手段を備え、前記一次電圧供給手段は、前記それぞれのスイッチング素子を同一の周波数で駆動して前記複数の圧電トランスのそれぞれの前記一次電極に一次電圧を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、複数の圧電トランスを近接させて併設した場合であっても、安定した高電圧出力を得ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施例における高圧電源装置の構成を示すブロック図
【図2】第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側面図
【図3】第1の実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図
【図4】第1の実施例における高圧電源装置の回路構成を示す説明図
【図5】第1の実施例における圧電トランス駆動電圧回路の構成を示す説明図
【図6】第1の実施例における高圧制御部ASICの回路構成を示すブロック図
【図7】第1の実施例における駆動パルスと圧電トランス一次側入力波形を示す説明図
【図8】第1の実施例における圧電トランスの入出力特性を示すグラフ
【図9】第1の実施例における出力フィードバック電圧と圧電トランス入力電圧との関係を示す説明図
【図10】第1の実施例における出力電圧と反転増幅器の入出力およびDAC設定値との対応表
【図11】第1の実施例における圧電トランス一次側入力電圧とADC8ビットの対応表
【図12】第1の実施例における誤差保持レジスタ、加算器(+1)および分周比セレクタの動作を示すフローチャート
【図13】第1の実施例における比較器の動作を示すフローチャート
【図14】第2の実施例における高圧電源装置の構成を示すブロック図
【図15】第2の実施例における高圧制御部ASICの回路構成を示すブロック図
【図16】第2の実施例における駆動パルスと圧電トランス一次側入力波形を示す説明図
【図17】第2の実施例における圧電トランス一次側FETのドレイン電流の波形を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による高圧電源装置および画像形成装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図2は第1の実施例における画像形成装置の構成を示す概略側面図である。
図2において、101は、高圧電源装置を備え、カラー印刷を行う画像形成装置であり、例えば電子写真方式のカラープリンタ、カラー複写機等であるが、本実施例では電子写真方式のカラープリンタとして説明する。なお、図中のKはブラック色、Yはイエロー色、Mはマゼンタ色、Cはシアン色を表し、画像形成装置101は、この4色のトナーを用いてカラー印刷を行う。
【0010】
現像器102K、102Y、102M、102C内の感光体ドラム109K、109Y、109M、109Cは、それぞれの感光体ドラム109K、109Y、109M、109Cに接した帯電ローラ105K、105Y、105M、105Cによって一様に帯電される。
【0011】
帯電された感光体ドラム109K、109Y、109M、109Cは、ブラックLED(Light Emitting Diode)ヘッド103K、イエローLEDヘッド103Y、マゼンタLEDヘッド103M、シアンLEDヘッド103Cの発光によって静電潜像が形成され、現像器102K、102Y、102M、102C内の供給ローラ106K、106Y、106M、106Cが現像ローラ107K、107Y、107M、107Cにトナーを供給し、現像ブレード108K、108Y、108M、108Cにより現像ローラ107K、107Y、107M、107Cの表面に一様にトナー層が形成され、その現像ローラ107K、107Y、107M、107C表面のトナーにより感光体ドラム109K、109Y、109M、109C上にトナー像が現像される。
【0012】
クリーニングブレード110K、110Y、110M、110Cは、用紙にトナー像を転写した後の感光体ドラム109K、109Y、109M、109C上の残トナーをクリーニングする機構である。
ブラックトナーカートリッジ104K、イエロートナーカートリッジ104Y、マゼンタトナーカートリッジ104M、シアントナーカートリッジ104Cは、現像器102K、102Y、102M、102Cに着脱可能に取り付けられている。
【0013】
ブラック転写ローラ111K、イエロー転写ローラ111Y、マゼンタ転写ローラ111M、シアン転写ローラ111Cは、転写ベルト114を介して感光体ドラム109K、109Y、109M、109Cに接触するように配置され、感光体ドラム109K、109Y、109M、109C上のトナー像を用紙に転写する転写部を形成し、図示しない高圧電源装置によりバイアス電圧が印加可能になっている。
【0014】
転写ベルト駆動ローラ112および従動ローラ113は、無端状の転写ベルト114を張架し、その転写ベルト駆動ローラ112の駆動で転写ベルト114を回転させ、用紙を搬送することができるようになっている。
転写ベルトクリーニングブレード115は、転写ベルト114上に残留したトナーを掻き落とせるように転写ベルト114の表面に接触して配置され、転写ベルトクリーナー容器116には、転写ベルトクリーニングブレード115により掻き落とされたトナーが収容される。
【0015】
用紙カセット117は、画像形成装置101に着脱可能に取り付けられ、その内部に転写媒体である用紙が積載されて収容される。給紙ローラ118は、収容された用紙を用紙カセット117から給紙し、用紙ガイド119に沿って搬送する。
レジストローラ120および121は、回転が停止した状態で搬送された用紙が突き当てられ、スキューを補正した後に、所定のタイミングで駆動され、その用紙を転写ベルト114に搬送する。このとき、用紙検出センサ122は、搬送される用紙に接触または非接触でその用紙を検出する。
【0016】
定着器123は、加熱および加圧部材としての熱定着ローラ124および125により転写部で用紙上に転写されたトナー像を熱と圧力によって用紙に定着させる。
排出ローラ126および127は、用紙ガイド128に沿ってトナー像が定着された用紙を搬送し、排紙トレー129に印刷面を下にして排出する。
【0017】
図3は第1の実施例における画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
図3において、ホストインタフェース部201は、通信回線等で接続された図示しないホストコンピュータ等の上位装置から受信したデータをコマンド/画像処理部202へ通知する。
コマンド/画像処理部202は、ホストインタフェース部201から受信したデータに基づいて画像データを生成し、その画像データをLEDヘッドインタフェース部203へ出力する。
【0018】
LEDヘッドインタフェース部203は、プリンタエンジン制御部204によってヘッド駆動パルス等が制御され、LEDヘッド103K、103Y,103M、103Cを発光させる。
プリンタエンジン制御部204は、高圧制御部206に帯電バイアス、現像バイアス、転写バイアス等の制御値を出力し、高圧制御部206は入力した制御値に基づいて帯電バイアス発生部207、現像/供給バイアス発生部208、転写バイアス発生部209に信号を出力する。
【0019】
帯電バイアス発生部207、現像/供給バイアス発生部208は、それぞれブラック現像器102K、イエロー現像器102Y、マゼンタ現像器102M、シアン現像器102Cの帯電ローラ105K、105Y、105M、105C、供給ローラ106K、106Y、106M、106C、および現像ローラ107K、107Y、107M、107Cにバイアス電圧を印加する。また、転写バイアス発生部209は、転写ローラ111K、111Y、111M、111Cにバイアス電圧を印加する。
用紙検出センサ122は、転写バイアス発生部209が転写ローラ111K、111Y、111M、111Cにバイアス電圧を印加するタイミング、およびプリンタエンジン制御部204がLEDヘッド103K、103Y,103M、103Cを発光させるタイミングを調整するために用いられる。
【0020】
プリンタエンジン制御部204は、給紙ローラを回転駆動する給紙モータ210、レジストローラ等を回転駆動する搬送モータ211、転写ベルト駆動ローラを回転駆動する転写ベルト駆動モータ212、定着ローラを回転駆動する定着器駆動モータ213、各感光体ドラムを回転駆動する感光体ドラム駆動モータ(K、Y、M、Cにそれぞれ1個ずつ配置)214を所定のタイミングで駆動する。
定着器123の定着器ヒータ217は、サーミスタ216の検出値に応じてプリンタエンジン制御部204によって温度制御される。
【0021】
図1は第1の実施例における高圧電源装置の構成を示すブロック図である。
図1において、高圧電源装置301は、図3に示す帯電バイアス発生部207に相当する。なお、図中のK、Y、M、Cは高圧出力のチャネルを示し、以下特別に記載しない場合、4チャネル同様の構成であるので、1チャネル分の説明とし、K、Y、M、Cの符号を省略する。
【0022】
高圧電源装置301は、プリンタエンジン制御部204に接続され、そのプリンタエンジン制御部204から出力された信号に従って圧電トランス制御信号を出力する高圧制御部ASIC(Application Specific Integrated Circuit)206を備えている。本実施例では、この高圧制御部ASIC206を高圧電源装置301内に備えたものとして説明するが、高圧制御部ASIC206をプリンタエンジン制御部204のLSI(Large Scale Integration)内に備えた構成としても良い。また、本実施例においてASICという呼称を用いるが、ASICに限られることなく、マイクロプロセッサ等のCPU(Central Processing Unit)を内蔵したものでも良く、またFPGA(Field Programmable Gate Array)等であっても良い。
【0023】
305はセラミック等の圧電振動子の共振現象を利用して昇圧を行う圧電トランス(Piezoelectronic Transformer:PZT)であり、302は各チャネル共通のDC電源、303はDC電源302から圧電トランス305の一次側に入力する電圧を生成する圧電トランス駆動電圧回路、304はスイッチング素子を用いた圧電トランス駆動回路、306は圧電トランス305の二次側から出力される高圧の交流出力を負極性の直流出力に変換する整流回路である。
このように高圧電源装置301は、圧電セラミックスに一次電極および二次電極を形成し、その一次電極に一次電圧を供給し、二次電極から二次電圧を発生する圧電トランス305を複数備えている。
【0024】
307は帯電手段に相当する出力負荷であり、308は圧電トランス305の二次側出力である負電圧(高電圧)を0〜3.3Vに変換する出力電圧変換手段である。
310は圧電トランス305の二次側出力の電圧値に相当する8bitのデータをプリンタエンジン制御部204から高圧制御部ASIC206に出力するDATA信号である。
【0025】
311は高圧制御部ASIC206を初期化するRESET信号、309は高圧制御部ASIC206にバイアス電圧を出力させるON信号、314は圧電トランス駆動回路304C、M、Y、Kを駆動するOUT信号、312はDATA310に対応して0〜3.3Vを出力するデジタル−アナログコンバータとしてのDAC(出力ポート)、313は圧電トランス駆動電圧回路303C、M、Y、Kから出力された圧電トランス入力電圧を入力するアナログ−デジタルコンバータとしてのADC(入力ポート)である。
【0026】
図8は第1の実施例における圧電トランスの入出力特性を示すグラフであり、圧電トランス305の入力駆動信号周波数〔kHz〕と出力〔−V〕の関係を示している。図8中のfrは圧電トランス305の共振周波数を示している。なお、図8における出力電圧値は一例であり、圧電トランス駆動回路304の回路定数の変更により異なる出力電圧値が得られるものであり、また負荷の大小によっても変化するものである。
【0027】
図4は第1の実施例における高圧電源装置の回路構成を示す説明図である。なお、K、Y、M、Cの4チャネルは同様の構成であるので、1チャネル分の説明とし、K、Y、M、Cの符号を省略する。また、図中において図1に示したものと同じものは図1の符号と同一の符号を付している。
図4において、301は高圧電源装置、305は圧電トランスであり、図中305Aで示した部位が一次側の入力端子である。この入力端子305Aに圧電トランス駆動信号を印加することにより、昇圧された出力を図中305Bで示した二次側の出力端子より出力する。
【0028】
306は圧電トランス305の二次交流出力を負極性の直流出力に変換する整流回路である。302は24VのDC電源であり、図示しない低圧電源装置によって商用電源AC100Vから変圧整流することによって供給されるものである。303は圧電トランス駆動電圧回路であり、詳細は後述する。
304は圧電トランス305を駆動する一次電圧供給手段としての圧電トランス駆動回路、403は高圧制御部ASIC206の基準クロック50MHzを出力する発振器(OSC)、204はプリンタエンジン制御部である。308は整流回路306からの出力を分圧、極性反転する出力電圧変換手段である。
【0029】
上述したDC電源302と、圧電トランス駆動電圧回路303と、圧電トランス駆動回路304と、圧電トランス305と、整流回路306と、出力電圧変換手段308とを合わせた回路を帯電高圧回路401とする。
負荷307は帯電手段の出力負荷であり、抵抗421を介して帯電負荷である帯電ローラ425に接続されている。DAC312およびOUT314は高圧制御部ASIC206の出力ポート、ADC313は高圧制御部ASIC206のアナログ入力ポート、ON309、DATA310、RESET311はプリンタエンジン制御部204からの入力ポートである。
【0030】
発振器403は、3.3V電源402から電源が供給され、VDD404および出力イネーブル端子OE405に電圧が印加される。GND407端子は接地され、CLK_OUT406端子は抵抗408を介して高圧制御部ASIC206のCLK_IN端子409に接続され、50MHzのクロック信号を供給する。
高圧制御部ASIC206は、CLK_IN端子409から入力されたクロック信号に同期して動作する。OUT314は圧電トランス駆動パルスを圧電トランス駆動回路304へ出力する出力ポートである。
【0031】
高圧制御部ASIC206は、プリンタエンジン制御部204と3種の信号線、RESET311、ON309、DATA310で接続されている。
圧電トランス駆動回路304は、抵抗410、411と、インダクタ412と、スイッチング素子としてのNチャンネルパワーMOSFET413(以下、「FET413」とする。)と、コンデンサ414とによって構成される。圧電トランス駆動パルスOUT314は、FET413のゲートに入力される。
【0032】
インダクタ412とコンデンサ414はLC共振回路を構成し、圧電トランス305の一次側(入力側)305Aに正弦半波を印加する。入力される正弦半波のピーク値は圧電トランス駆動電圧回路303の出力によるが、目標電圧出力時にはピーク電圧が100V程度になるように回路定数を調整する。
圧電トランス305の二次側305BにはFET413のスイッチング周波数、すなわちOUT314の周波数に応じた昇圧比の出力が得られる。この圧電トランス305の二次側305Bの出力特性は図8に示すようにOUT314の駆動信号周波数によって変動し、FET413のスイッチング周波数と負荷の組み合わせにより昇圧比が決定される。
【0033】
圧電トランス305の出力制御は、高い周波数で駆動を開始し、そこから駆動信号周波数を下げていくことにより出力を上昇させていき、目標電圧付近、すなわち駆動信号周波数が共振周波数付近に到達したところで駆動信号周波数を固定し、以降は圧電トランス駆動電圧回路303の動作によって定電圧制御される。
整流回路306は、ダイオード415、416と、コンデンサ417とにより構成され、圧電トランス305から出力される交流高圧出力を負極性の直流高圧出力に変換する。
【0034】
出力電圧変換手段308は、抵抗426と抵抗427によって高圧出力を分圧し、分圧した負電圧を抵抗428、429と、図示しない24VのDC電源に接続されたオペアンプ430からなる反復増幅器によって0〜3.3Vに変換し、圧電トランス駆動電圧回路303に入力される。ここでは、一例として抵抗426を100MΩ、抵抗427を100kΩ、抵抗428を100kΩ、抵抗429を330kΩとする。
【0035】
図5は第1の実施例における圧電トランス駆動電圧回路の構成を示す説明図である。
図5において、圧電トランス駆動電圧回路303の入力は、24VのDC電源302、高圧制御部ASIC206のDAC312の出力、および出力電圧変換手段308の出力(二次電圧の出力)であり、また圧電トランス駆動電圧回路303の出力は、圧電トランス駆動回路304への入力および高圧制御部ASIC206のADC313への入力である。したがって、圧電トランス駆動電圧回路303は二次電圧の出力を検出する電圧検出手段を有するものである。
【0036】
この圧電トランス駆動電圧回路303は、ドロッパ回路になっており、NPNトランジスタ501と、抵抗502、503と、コンデンサ504と、図示しない24VのDC電源に接続されたオペアンプ505とにより構成されている。
【0037】
図6は第1の実施例における高圧制御部ASICの回路構成を示すブロック図である。
図6において、単一の周波数設定手段としての高圧制御部ASIC206の回路は、論理記述言語等により記述され、ASIC化されている。なお、図中で4色の4チャネル分設ける必要がある部分はブロックを4段重ねにして表示している。
【0038】
311は、図4に示すプリンタエンジン制御部204からのRESET信号であり、409は、図4に示す発振器403からのクロック信号CLK_INである。309は、図4に示すプリンタエンジン制御部204からの高圧出力ON信号であり、303aは、圧電トランス駆動電圧回路303から出力される圧電トランス一次側入力電圧であり、310は、高圧出力の目標電圧値であり、それぞれ8bit値である。314は、パルス出力であり、圧電トランス駆動回路304に出力する圧電トランス駆動パルス信号である。
【0039】
ADC313は、圧電トランス一次側入力電圧303a(0〜24V)を8bitのデジタル値に変換するアナログ−デジタルコンバータであり、図1に示すように、圧電トランス駆動電圧回路303C、303M、303Y、303Kからの出力電圧をそれぞれADC313のADC_C、ADC_M、ADC_Y、ADC_Kに入力し、該ADC_C、ADC_M、ADC_Y、ADC_Kに入力された各圧電トランス駆動電圧をデジタル変換した後に各デジタル値の平均を算出して8bitのデジタル値として出力する。
また、601は8bit出力のインバータであり、入力データの「1」と「0」を反転して出力する。
【0040】
タイマ604は、制御周期値605に記憶された値7000(1B58h(16進数、以下同じ))を参照し、内部の13bitカウンタを制御周期値605に記憶された値(1B58h)から始めて、1B58h、1B57h、1B56h、・・・0003h、0002h、0001h、0000hと減算し、値が0000hになると初期値の1B58hをロードし、上記減算を繰り返して行う。このようにタイマ604は、制御周期値605に記憶された値を減算してCLK_IN409(50MHzであるので20ns周期のクロック)をカウントし、140μs周期のパルスを出力する。
【0041】
出力されたパルスは、演算器603および8bitADC313に入力され、演算およびAD変換開始のトリガ信号となる。駆動周波数固定閾値としての周波数固定閾値606には、高圧出力が目標値付近に到達したことを示す閾値として予め記憶されており、その閾値は比較器602でインバータ601の4チャンネル分のそれぞれの出力と比較される。
【0042】
圧電トランス補正値607は、個々の圧電トランスの製造バラツキを補正する値であり、本実施例における画像形成装置の製造出荷時に書き込まれ、保存される値である。演算器603は、比較器602から入力される2bit値に応じて演算を行い、19bitレジスタ611の値を以下のように更新する。
【0043】
(1)比較器602の出力が00b(2進数、以下同じ)の場合、19bitレジスタ611の値に「1」を加算する。
(2)比較器602の出力が01bの場合、19bitレジスタ611の値を更新しない。
(3)比較器602の出力が10bの場合、19bitレジスタ611の値に「1」を減算する。
【0044】
比較器602の詳細な動作については後述するが、比較器602は、8bitADC313の出力値をインバータ601で反転させた値と周波数固定閾値606とを比較して、00b、01b、10bのいずれかを出力する。なお、高圧出力ON信号309がLowレベルの場合には10bを出力する。
【0045】
RESET信号311が入力されたときは、19bitレジスタ611の値を、上位9bitを分周比カウンタ下限値608、下位10bitを000hとして初期化する。
【0046】
さらに、上述した19bitレジスタ611の加減算で19bitレジスタ611を更新するときには、分周比カウンタ下限値608および分周比上限値609との比較を行い、
(1)19bitレジスタ611<{上位9bitが分周比カウンタ下限値608の9bit、下位10bitが000h}の場合、19bitレジスタ611の更新値を{上位9bitが分周比カウンタ下限値608の9bit、下位10bitが000h}とし、
(2)19bitレジスタ611>{上位9bitが分周比カウンタ上限値609の9bit、下位10bitが000h}の場合、19bitレジスタ611の更新値を{上位9bitが分周比カウンタ上限値609の9bit、下位10bitが000h}とする。
【0047】
19bitレジスタ611は、演算器603により値が更新され、分周比値を保持するレジスタである。上位9bit(bit18〜10)が分周比の整数値を示し、下位10bit(bit9〜0)が「値/1024」に相当する小数値を示す。
19bitレジスタ611の下位10bitは誤差保持レジスタ612に出力され、上位9bitは加算器(+1)613および分周比セレクタ614に出力される。
【0048】
誤差保持レジスタ612は、19bitレジスタ611の下位10bitが入力され、分周器615から出力される圧電トランス駆動パルスの対上がり毎に、前記下位10bit値をレジスタに保持された10bit値に加算し、レジスタに保持された値を更新する。
誤差保持レジスタ612は、この加算時に、レジスタのオーバーフローが発生した場合、分周比セレクタ614にHigh信号を出力し、一方オーバーフローが発生しない場合、分周比セレクタ614にLow信号を出力する。
【0049】
加算器(+1)613は、19bitレジスタ611から入力された9bit値に「1」を加算した9bit値を分周比セレクタ614に出力する。分周比セレクタ614は、19bitレジスタ611の下位9bitと加算器(+1)613の9bit値が入力され、誤差保持レジスタ612から出力されるSelect(オーバーフロー)信号がHighの場合には、加算器613からの入力を分周器615へ出力し、一方前記Select(オーバーフロー)信号がLowの場合には、19bitレジスタ611からの入力を分周器615へ出力する。
【0050】
分周器615は、分周比セレクタ614から入力された9bit値をカウントし、9bit×10ns周期(CLK_IN信号409の周期)でONデューティー30%のパルスを出力セレクタ616に出力する。なお、ONデューティー30%の値は、分周比セレクタ614から入力された9bit値の(1/4)値、(1/32)値、(1/64)値の和、すなわち分周比セレクタ614の9bit出力をそれぞれ2bit右シフト、5bit右シフト、6bit右シフトした値の和による。
【0051】
二値パルス出力生成部610は、19bitレジスタ611と、誤差保持レジスタ612と、加算器(+1)613と、分周比セレクタ614と、分周器615と、出力セレクタ616とから構成され、圧電トランス駆動回路に出力する圧電トランス駆動パルスの周波数を同一の周波数として設定し、その圧電トランス駆動パルスを出力セレクタ616から出力する。
【0052】
上述した構成の作用について説明する。
まず、画像形成装置全体の動作を図2および図3に基づいて説明する。
画像形成装置101は、図示しない外部機器からホストインタフェース部201を介してPDL(PageDescription Language:ページ記述言語)等で記述された印刷データが入力される。
【0053】
入力された印刷データはコマンド/画像処理部202によってビットマップデータに変換される。画像形成装置101は、定着器123の熱定着ローラ124および125を、サーミスタ216の検出値に応じて定着器ヒータ217を制御することにより所定温度にした後、印刷動作を開始する。
給紙カセット117に収容された用紙を給紙モータ210で駆動する給紙ローラ118で給紙する。用紙ガイド119に沿って用紙を搬送し、停止状態のレジストローラ対120、121に用紙を突き当て、スキューを補正した後、以下に説明する画像形成動作に同期したタイミングで搬送モータ211を駆動開始し、レジストローラ120および121によって用紙は転写ベルト114上に搬送される。
【0054】
現像器102K、102Y、102M、102Cは電子写真プロセスにより現像器内の感光体ドラム109K、109Y、109M、109Cにトナー像を形成する。このとき、コマンド/画像処理部202によって生成されたビットマップデータに応じてLEDヘッド103K、103Y、103M、103Cが点灯される。現像器102K、102Y、102M、102Cによって現像されたトナー像は、転写ベルト114上を搬送される用紙に転写ローラ111K、111Y、111M、111Cに印加された転写バイアス電圧により転写される。
【0055】
用紙上に4色のトナー像を転写した後、定着器123により用紙上のトナー像を熱と圧力で定着し、その用紙を排出ローラ126および127により用紙ガイド128に沿って搬送し、排紙する。なお、トナーカートリッジ104K、104Y、104M、104Cは現像器102K、102Y、102M、102Cに着脱可能で、内部のトナーを現像器102に供給可能な構造になっている。
【0056】
次に、高圧電源装置301の動作を図1に基づいて図3を参照しながら説明する。
プリンタエンジン制御部204は、感光体ドラム駆動モータ214により図2に示す感光体ドラム109が回転駆動され、所定の回転速度に達したと同時に帯電バイアス電圧の印加を開始する。
帯電バイアス電圧の印加は、画像形成装置101による印刷動作が終了して感光体ドラム109の回転が停止するまで維持する。帯電バイアス電圧の印加にあたっては、プリンタエンジン制御部204は高圧制御部ASIC206へLowレベルのRESET信号311を出力し、高圧制御部ASIC206内の各設定を初期化する。
【0057】
次に、プリンタエンジン制御部204は、高圧出力の目標電圧値に相当する8bit値をDATA310の信号ラインから出力する。このDATA310の8bit値と出力電圧の関係は図10に示す「DAC設定値8bit」と「出力電圧」で示される値となり、設定範囲であるマイナス800V〜マイナス1200Vの出力に対してDAC設定値8bit値は65h〜98hとなる。
【0058】
プリンタエンジン制御部204は、目標電圧値のDATA310を出力した後、帯電バイアス電圧を印加するタイミングでON信号309をLowからHighとする。高圧制御部ASIC206はON信号309の入力がHighになると、直ちにOUT314の出力ポートから圧電トランス駆動パルスを圧電トランス駆動回路304へ出力する。
【0059】
圧電トランス駆動回路304は、圧電トランス駆動電圧回路303から供給されるDC電圧をスイッチングして圧電トランス305の一次側に正弦半波電圧を印加する。図7は第1の実施例における駆動パルスと圧電トランス一次側入力波形を示す説明図であり、目標電圧出力時の高圧制御部ASIC206の出力パルスOUT314と圧電トランス駆動回路304の出力(圧電トランス一次側入力)の波形を示している。
圧電トランス305は、一次側に圧電トランス駆動回路304の出力が入力され、二次側に駆動周波数に応じて昇圧した電圧を出力する。整流回路306は、ダイオードとコンデンサにより構成され、負極性のバイアス電圧を出力する。
【0060】
出力電圧変換手段308は、整流回路306の出力であるDC高電圧を0〜3.3Vの範囲の電圧に変換し、圧電トランス駆動電圧回路303に出力する。ADC313は圧電トランス駆動回路304の入力電圧である0〜24Vの電圧を8bitのデジタル値に変換するアナログ−デジタルコンバータであり、変換された値は、例えば16〜24Vの電圧の場合、図11に示すようになる。
【0061】
続いて、高圧電源装置301の動作を図4に基づいて詳細に説明する。
発振器403は、高圧制御部ASIC206のCLK_IN409に基準クロックである50MHzのクロック信号を入力する。高圧制御部ASIC206は、プリンタエンジン制御部204から入力されるRESET信号311がLowになったときに各設定を初期化する。
【0062】
次に、高圧制御部ASIC206は、プリンタエンジン制御部204から出力される高圧出力ON信号309がLowからHighになるとOUT314の出力ポートから初期値の圧電トランス駆動周波数のパルス(ONデューティ30%)を出力する。この圧電トランス駆動周波数の初期値は130kHzである。
【0063】
OUT314から出力されたパルスは、圧電トランス駆動回路304のFET413のゲートに印加される。FET413のゲートをON/OFFすることにより、圧電トランス駆動電圧回路303の出力、インダクタ412、コンデンサ414、および圧電トランス305で構成される共振回路が駆動され、圧電トランス305の一次側端子305Aに図7に示すような正弦半波電圧が印加される。
【0064】
圧電トランス305の二次側の端子305BのAC出力は、整流回路306のダイオード415、416、コンデンサ417により負極性バイアス電圧に整流される。出力されたバイアス電圧は、出力負荷307の抵抗421を介して帯電負荷425に出力され、その抵抗421は帯電負荷425に対して金属接点を介して接続される。
負荷となる図2に示す現像器102が画像形成装置101に装着されていない状態においては、抵抗421の先で負荷解放状態となるが、この状態では印刷動作が行えないので画像形成装置101は図示しない操作パネル等にエラー表示する。
【0065】
出力変換手段308は、100MΩの抵抗426と100kΩの抵抗427、428によって高圧出力(図4におけるC点の電圧)を2000分の1に分圧し、これを抵抗428と330kΩの抵抗429およびオペアンプ430で構成される反転増幅器で3.3倍に増幅して出力する。図4におけるC点の電圧とオペアンプ430の出力の関係は図10に示す「出力電圧」と「反転増幅器出力電圧」の関係となる。
【0066】
プリンタエンジン制御部204は、DATA310の信号8bitを高圧出力の目標電圧値に対応した値に設定する。このDATA310の8bit値は図10に示す「DAC設定値8bit」に示す65h〜98hであり、目標電圧値の設定範囲はマイナス800V〜マイナス1200Vとする。本実施例においては、マイナス1100V、すなわちDAC設定値8bitは8Chとする。
【0067】
高圧制御部ASIC206は、ON信号309の入力がHighとなった時点で、OUT314の出力ポートから圧電トランス駆動パルスを圧電トランス駆動回路304へ出力する。圧電トランス305の駆動周波数は、高い周波数から徐々に低い周波数にシフトさせる。高圧制御部ASIC206は、出力電圧が目標電圧付近になって、圧電トランス駆動電圧回路303からの入力電圧が図6に示す周波数固定閾値606以下になったら駆動周波数を固定する。
【0068】
次に、圧電トランス駆動電圧回路303の動作を図5に基づいて説明する。なお、この圧電トランス駆動電圧回路303は、ドロッパ回路であり、基本動作は公知であるので簡単な説明を行うこととする。
圧電トランス駆動電圧回路303に対する入力は、目標電圧である図4に示すDATA310をDAC312でデジタル−アナログ変換した電圧と出力電圧変換手段308からの出力電圧である。
【0069】
図9は第1の実施例における出力フィードバック電圧と圧電トランス入力電圧との関係を示す説明図であり、図9(b)における実線は圧電トランス駆動電圧回路303の入力である出力電圧変換手段308からの出力電圧(出力フィードバック電圧)、破線はDAC312からの出力(目標値)、図9(a)における実線は圧電トランス駆動電圧回路303の出力である圧電トランス駆動電圧、破線は圧電トランス駆動周波数固定閾値(図6に示す周波数固定閾値606)を示している。なお、図9(a)および(b)における横軸は時間(t)を示している。
【0070】
図9において、電圧出力当初はドロッパ回路が動作しないので、圧電トランス駆動回路304に対する出力は22V強となるが、目標電圧(例えば、目標電圧の−5%である1045)付近に到達、すなわちDAC312の出力と出力変換手段308の出力(二次電圧の出力)が近づくとドロッパ回路が動作し、圧電トランス駆動回路304に対する出力は20V以下となる。後述するが、本実施例においては20Vを圧電トランス305の図6に示す周波数固定閾値606とし、この値を図11の対応表によりデジタル値8bitの2Bhとする。
【0071】
図6に示す周波数固定閾値606とドロッパ回路の出力、すなわち圧電トランス駆動電圧回路303の出力をアナログ−デジタル変換したADC313の出力8bitは、図6に示す比較器602で比較される。
次に、高圧制御部ASIC206の動作を図6に基づいて説明する。本実施例の画像形成装置はブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色構成になっており、図6において各色につき1つのユニットで構成される部分は4段重ねのブロックで示し、4色共通で使用されるユニットは1段のブロックで示している。
【0072】
高圧制御部ASIC206の内部回路は、50MHzのCLK_IN信号409に同期して動作する。高圧出力ON信号309がLowからHighになると、出力セレクタ616から圧電トランス駆動パルス(OUT)314が出力される。
【0073】
圧電トランス駆動パルス(OUT)314の周波数は、はじめ分周比カウンタ下限値608に予め設定された初期値の駆動周波数として130kHzとする。以降、圧電トランス駆動周波数が固定されるまで、演算器603は19bitレジスタ611の値を増加させていく(駆動周波数を下げていく)。さらに、二値パルス出力生成部610により、19bitレジスタ611で保持されている値{上位9bit+(下位10bit値/1024)}の平均分周値となるように分周器615からパルスが出力される。なお、演算器603で計算される19bitレジスタ611値は、その上限を分周比カウンタ上限値609から読み込まれる値に制限する。
【0074】
ここで、演算器603は、圧電トランスの製造バラツキ等を補正する値を圧電トランス補正値607から読み込み、これを演算結果に反映させる。なお、本実施例では、説明の簡略化のため圧電トランス補正値607はゼロとする。
以下に高圧制御部ASIC206の動作を詳細に説明する。
【0075】
図4に示すプリンタエンジン制御部204は、RESET信号311を高圧制御部ASIC206にLowとして出力する。RESET信号311がLowとして出力されると、演算器603は、まず圧電トランス305における分周比カウンタ下限値608に設定された9bit値を上位9bitとし、また下位10bitをすべて0とした19bit値を19bitレジスタ611にセットする。
【0076】
圧電トランス駆動パルス周波数の初期値を130kHzとする場合、分周比カウンタ下限値608は180h(CLK_IN信号409の周波数は50MHzであるため、(1/((1/50MHz)×180h))≒130kHz)となり、19bitレジスタ611の値は、上位9bitを180h、下位10bitを00h、すなわち60000hとなる。
【0077】
誤差保持レジスタ612は、10bitすべて0にクリアされる。高圧出力前においては、高圧出力ON信号313はLowとなっており、出力セレクタ616はLowのSelect信号が入力されることにより、常にLow信号を出力しているので圧電トランスは駆動されない。比較器602は、高圧出力ON信号309のLow入力により10bを出力する。
【0078】
演算器603は、比較器602の出力が10bであるので19bitレジスタ611の値から「1」を減算するが、減算結果は初期設定値(下限値)未満となる。演算器603は、減算結果の上位9bitと分周比カウンタ下限値608の9bitを比較し、分周比カウンタ下限値608未満であれば19bitレジスタ611の値を{分周比カウンタ下限値608の9bit、下位10bitを000h}とするので、結果的に高圧出力ON信号309がLowの間は、19bitレジスタ611の値は分周比カウンタ下限値608のまま保持される。
二値パルス出力生成部610で19bitレジスタ611の上位9bit、すなわち分周比値の整数値、およびそれを加算器(+1)613で「1」を加算した値を分周比セレクタ614に入力する。
【0079】
このようにして分周比セレクタ614には、19bitレジスタ611の上位9bitの値、例えばこれをNとすると、NとN+1の値が入力される。この二つの値を誤差保持レジスタ612から出力される信号で選択し、分周器615の出力パルスが1024パルス周期でN分周をM回、N+1分周を(1024−M)回、出力することにより、
{N×M+(N+1)×(1024−M)}/1024
=19bitレジスタ611の上位9bitの値+(下位10bitの値/1024)
となるように制御する。
【0080】
19bitレジスタ611の値が変化しなければ上述したとおりであるが、変化する場合には、それに追随して1024パルス周期未満にて値が変化していく。それでも単位時間当たりの上記式の左辺と右辺の平均値は略等しくなる。
【0081】
ここで、19bitレジスタ611の下位10bitを入力される誤差保持レジスタ612、加算器(+1)613、および分周比セレクタ614の動作を図12の第1の実施例における誤差保持レジスタ、加算器(+1)および分周比セレクタの動作を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図6を参照しながら説明する。なお、ここでは説明の簡略化のためにフローチャートを用いて説明するが、実際の回路ではハードウェアで実現される。
【0082】
高圧制御部ASIC206の誤差保持レジスタ612、加算器(+1)613、および分周比セレクタ614は動作を開始する。
S1201:誤差保持レジスタ612が分周器615から出力される信号の立ち上がりエッジを検出したか否かを判定し、検出した場合、処理をS1202へ移行し、検出していない場合は、処理をS1201のままとし、信号の立ち上がりエッジの検出判定を継続する。
【0083】
S1202:信号の立ち上がりエッジを検出した誤差保持レジスタ612は、19bitレジスタ611の下位10bit値(A00〜09)と、誤差保持レジスタ612の10bit値(G00〜09)とを加算した11bit値が3FFhより大きいか否かの判定、すなわちオーバーフローが発生したか否かを判定し、オーバーフローが発生したと判定すると処理をS1203へ移行し、オーバーフローが発生していないと判定すると処理をS1204へ移行する。
【0084】
S1203:オーバーフローが発生したと判定した誤差保持レジスタ612は、Select信号をHighとして出力し、そのSelect信号が入力された分周比セレクタ614は加算器(+1)613から入力される9bit値(「1」を加算した値を選択)を分周器615へ出力して処理をS1205へ移行する。
S1204:オーバーフローが発生していないと判定した誤差保持レジスタ612は、Select信号をLowとして出力し、そのSelect信号が入力された分周比セレクタ614は19bitレジスタ611から入力される9bit値(「1」を加算した値を選択)を分周器615へ出力して処理をS1205へ移行する。
【0085】
S1205:誤差保持レジスタ612は、誤差保持レジスタ612の10bit値(G00〜09)に19bitレジスタ611の下位10bit値(A00〜09)を加算して誤差保持レジスタ612の10bit値(G00〜09)を更新し、処理をS1201へ移行する。
このように誤差保持レジスタ612、加算器(+1)613、および分周比セレクタ614は動作する。
【0086】
図6の説明に戻り、分周器615は、初期状態では分周比カウンタ下限値608の9bit値が入力され、ONデューティー30%のパルスを出力する。このとき、ON信号313がLowであるため分周器615の出力は誤差保持レジスタ612に出力されるのみである。この場合、誤差保持レジスタ612は、10bit値として000hを保持する。
また、図4に示す出力電圧変換手段308は、高出力OFF状態において、出力は略0Vであり、このとき、圧電トランス駆動電圧回路303の出力は22V強(ドロッパ回路非動作時)となる。
【0087】
次に、図4に示すプリンタエンジン制御部204は、DATA310に、目標電圧に相当する8bit値を出力する。この目標電圧と8bit値の対応は図10の対応表で示される。本実施例における目標電圧であるマイナス1100Vに対応する8bit値(DAC設定値)は8Chとなる。
続いて、帯電バイアス電圧を印加するタイミングで高圧出力ON信号309がLowからHighとなる。高圧出力ON信号309がLowからHighになると、出力セレクタ616にSelect信号がHighとして入力され、直ちに図4に示す圧電トランス305の駆動パルス周波数初期値130kHzの圧電トランス駆動パルス314が出力される。
【0088】
また、比較器602は、高圧出力ON信号309がLowからHighになることにより、8bitADC313の検出値を反転したインバータ601の出力8bitと、圧電トランス駆動パルスの周波数固定閾値606の8bitとが入力される。前述したように本実施例における周波数固定閾値606は20Vであり、図11に示す対応表により、8bit値は2Bhとなる。
圧電トランス駆動開始直後の出力は、0〜100V程度と考えてよく、このときの圧電トランス駆動電圧回路303の出力は4チャンネルとも22V強となる。したがって、図11の対応表により、比較器602は以下の条件を満たす。
【0089】
インバータ601の出力(16h)<周波数固定閾値606(2Bh)
ここで、比較器602の動作を図13の第1の実施例における比較器の動作を示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図6を参照しながら説明する。なお、ここでは説明の簡略化のためにフローチャートを用いて説明するが、実際の回路ではハードウェアで実現される。また、図13では、図1に示す画像形成装置101における現像器102Kからフィードバック電圧が入力されるインバータ601K、以下同様に現像器102Yに対してインバータ601Y、現像器102Mに対してインバータ601M、現像器102Cに対してインバータ601Cと示す。
【0090】
比較器602は動作を開始する。
S1301:比較器602は、インバータ601Kの出力が周波数固定閾値606未満であるか否かを判定し、周波数固定閾値606未満である場合、処理をS1309へ移行し、周波数固定閾値606以上である場合、処理をS1302へ移行する。
【0091】
S1302:比較器602は、インバータ601Yの出力が周波数固定閾値606未満であるか否かを判定し、周波数固定閾値606未満である場合、処理をS1309へ移行し、周波数固定閾値606以上である場合、処理をS1303へ移行する。
S1303:比較器602は、インバータ601Mの出力が周波数固定閾値606未満であるか否かを判定し、周波数固定閾値606未満である場合、処理をS1309へ移行し、周波数固定閾値606以上である場合、処理をS1304へ移行する。
【0092】
S1304:比較器602は、インバータ601Cの出力が周波数固定閾値606未満であるか否かを判定し、周波数固定閾値606未満である場合、処理をS1309へ移行し、周波数固定閾値606以上である場合、処理をS1305へ移行する。
S1305:比較器602は、インバータ601Kの出力が周波数固定閾値606より大きいか否かを判定し、周波数固定閾値606より大きい場合、処理をS1306へ移行し、周波数固定閾値606と等しい場合、処理をS1310へ移行する。
【0093】
S1306:比較器602は、インバータ601Yの出力が周波数固定閾値606より大きいか否かを判定し、周波数固定閾値606より大きい場合、処理をS1307へ移行し、周波数固定閾値606と等しい場合、処理をS1310へ移行する。
S1307:比較器602は、インバータ601Mの出力が周波数固定閾値606より大きいか否かを判定し、周波数固定閾値606より大きい場合、処理をS1308へ移行し、周波数固定閾値606と等しい場合、処理をS1310へ移行する。
【0094】
S1308:比較器602は、インバータ601Cの出力が周波数固定閾値606より大きいか否かを判定し、周波数固定閾値606より大きい場合、処理をS1311へ移行し、周波数固定閾値606と等しい場合、処理をS1310へ移行する。
S1309:比較器602は、2bitの出力として00bを出力して終了する。
S1310:比較器602は、2bitの出力として01bを出力して終了する。
S1311:比較器602は、2bitの出力として10bを出力して終了する。
【0095】
図6の説明に戻り、上述した比較器602の動作により、前述した、インバータ601の出力(16h)<周波数固定閾値606(2Bh)、の条件においては、比較器602は2bit出力として00bを演算器603へ出力する。これにより、前述したように演算器603は、19bitレジスタ611の値60000hに「1」を加算して60001hに更新する。その結果、圧電トランス駆動パルス周波数を下げる方向に制御される。
【0096】
以降、比較器602の2bit出力が01bとなるまで、すなわちインバータ601の4チャンネルの出力のうち、少なくとも1チャンネルが周波数固定閾値606と等しく、かつ4チャンネルのすべての出力が周波数固定閾値606以上となるまで19bitレジスタ611の値を加算し、更新する。なお、更新周期は、タイマ604の出力パルス周期の140μsである。
【0097】
前述したように圧電トランス駆動パルス周波数の低下に伴い、高圧出力電圧が上昇していき、目標電圧付近になったところで圧電トランス駆動電圧回路303のドロッパ回路が動作を開始し、それによって8bitADC313の検出値が減少し、インバータ601の出力が増加する。
なお、19bitレジスタ611の加算更新時、演算器603は加算結果の19bit値の上位9bitを分周比カウンタ上限値609の9bit値と比較し、その値を超えないように制御する。すなわち、19bitレジスタ611の19bit値の上位9bit値が分周比カウンタ上限値609の9bit値を超えた場合は、19bitレジスタ611の更新値を分周比カウンタ上限値609に制限する。
【0098】
このように、一次電圧供給手段としての圧電トランス駆動回路304が複数の圧電トランスの一次電極側に印加(供給)する圧電トランス駆動パルス周波数を同一の周波数にすることにより、近接して配置された圧電トランスの駆動周波数が互いに異なることによって二次側の高電圧出力が干渉することがなくなり、高電圧出力にリップルが現れる等の不具合を防ぐことができる。
【0099】
なお、本実施例の高圧電源装置301では、定電圧制御の出力電圧(カラー画像形成装置における帯電バイアス電圧の目標値)をマイナス1100V、圧電トランスの周波数固定閾値606を20Vとして説明したが、それは一例であってその値に限られるものではない。また、複数のチャンネルで異なる出力電圧としても良い。
さらに、本実施例で用いた圧電トランスとは別の圧電トランスを用いることによって周波数特性が変化したとしても、それに対応して周辺回路の定数を変更することで本発明を実現することができる。
【0100】
またさらに、本実施例では、説明の簡略化のため、出力負荷は固定として説明しているが、感光体ドラムの状態による負荷変動、また他の高圧バイアス源に適用した場合の負荷変動にも対応可能である。
また、本実施例では、カラー4色構成の画像形成装置として説明したが、2色もしくは3色、または4色より多い構成の画像形成装置としても良い。
【0101】
以上説明したように、第1の実施例では、複数の圧電トランスの一次側に印加する圧電トランス駆動パルス周波数を同一の周波数にすることができ、このことにより、近接して配置された圧電トランスの駆動周波数が互いに異なることによって二次側の高電圧出力が干渉することがなくなり、高電圧出力にリップルが現れる等の不具合を防ぐことができ、安定した高電圧出力を得ることができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0102】
第2の実施例の構成は、高圧電源装置の高圧制御部ASICの構成が第1の実施例の構成と異なっている。その第2の実施例の構成を図14および図15に基づいて以下に説明する。なお、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0103】
図14は第2の実施例における高圧電源装置の構成を示すブロック図である。
図14において、高圧電源装置1401は、単一の周波数設定手段としての高圧制御部ASIC1406を有し、その高圧制御部ASIC1406は、圧電トランス駆動パルスを出力するOUTポートが4チャンネル分の4個の出力ポートとして、圧電トランス駆動回路304Cに圧電トランス駆動パルスを出力するOUT1414C、圧電トランス駆動回路304Mに圧電トランス駆動パルスを出力するOUT1414M、圧電トランス駆動回路304Yに圧電トランス駆動パルスを出力するOUT1414Y、および圧電トランス駆動回路304Kに圧電トランス駆動パルスを出力するOUT1414Kを備えている。
【0104】
このOUT1414C、OUT1414M、OUT1414Y、およびOUT1414Kは、それぞれの圧電トランス駆動回路304C、圧電トランス駆動回路304M、圧電トランス駆動回路304Y、および圧電トランス駆動回路304Kに入力されている。
圧電トランス駆動回路304C、圧電トランス駆動回路304M、圧電トランス駆動回路304Y、および圧電トランス駆動回路304Kの駆動により各チャンネルの圧電トランス305において入力の低電圧が高電圧に昇圧されて高圧出力として出力される。高圧出力は整流回路306で直流に整流された後、出力負荷307に出力および出力電圧変換手段308にフィードバックされる。
【0105】
図15は第2の実施例における高圧制御部ASICの回路構成を示すブロック図である。
図15において、圧電トランス駆動パルスの位相をずらす位相制御手段としての二値パルス出力生成部1501は、図6に示す第1の実施例の構成に加え、除算器(1/4)1502、遅延回路1503、1504、1505、出力セレクタ1506を備えている。
【0106】
除算器(1/4)1502は、分周比セレクタ614から出力された分周比値を4分の1にして、遅延回路1503、1504、1505に入力する。遅延回路1503、1504、1505は、分周比セレクタ614から入力された分周比値の(4分の1)分だけ、入力した信号を遅延させて出力する。したがって、遅延回路1503は、分周器615から入力した信号を分周比値の(4分の1)分だけ遅延させて出力し、遅延回路1504は、遅延回路1503から入力した信号を分周比値の(4分の1)分だけ遅延させて出力し、遅延回路1505は、遅延回路1504から入力した信号を分周比値の(4分の1)分だけ遅延させて出力する。
【0107】
出力セレクタ1506は、高圧出力ON時に分周器615の出力、遅延回路1503、1504、1505の出力をそれぞれOUT1414C、OUT1414M、OUT1414Y、OUT1414Kに出力する。
上述した構成の作用について説明する。なお、第1の実施例と異なる部分を以下に説明するものとし、第1の実施例と同様の作用については、その説明を省略する。
【0108】
まず、高圧制御部ASIC206の動作を図15に基づいて説明する。本実施例の画像形成装置はブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色構成になっており、図15において各色につき1つのユニットで構成される部分は4段重ねのブロックで示し、4色共通で使用されるユニットは1段のブロックで示している。
分周比セレクタ614の出力値は除算器(1/4)1502に入力され、除算器(1/4)1502は、分周比セレクタ614の出力値、すなわち分周比値を4分の1にし、遅延回路1503、1504、1505に出力する。なお、遅延回路そのものの動作は公知であるので、ここではその説明を省略する。
【0109】
遅延回路1503は分周器615の出力に対して、遅延回路1504は遅延回路1503の出力に対して、遅延回路1505は遅延回路1504の出力に対して、上述した分周比値を4分の1の値に相当する時間、立ち上がりタイミングを遅延させたパルスを出力セレクタ1506に出力する。なお、パルスのONデューティーは分周器615の出力も、各遅延回路の出力も同様に30%とする。
【0110】
出力セレクタ1506は、高圧出力ON信号309がHighのとき、分周器615の出力をOUT1414C、遅延回路1503の出力をOUT1414M、遅延回路1504の出力をOUT1414Y、遅延回路1505の出力をOUT1414Kに圧電トランス駆動パルスとして出力する。
【0111】
図14において、OUT1414Cの出力パルスは圧電トランス駆動回路304Cに、OUT1414Mの出力パルスは圧電トランス駆動回路304Mに、OUT1414Yの出力パルスは圧電トランス駆動回路304Yに、OUT1414Kの出力パルスは圧電トランス駆動回路304Kに入力されるが、各圧電トランス駆動回路304の動作は第1の実施例において図4を用いて説明した動作と同様なのでその説明を省略する。
【0112】
上述したOUT1414C(分周器615)、OUT1414M(遅延回路1503)、OUT1414Y(遅延回路1504)、OUT1414K(遅延回路1505)の出力パルスおよび圧電トランス駆動回路304C、304M、304Y、304Kの出力を図16に示し、また遅延回路を用いた場合と遅延回路を用いない場合の圧電トランス305の一次側の図4に示すFET413のドレイン電流の模式図を図17に示す。
【0113】
図16に示すように、遅延回路1503、1504、1505により、4分の1分周ずつ位相をずらして圧電トランス駆動パルスを圧電トランス駆動回路304C、304M、304Y、304Kに出力することにより、圧電トランス駆動回路304C、304M、304Y、304Kの出力も4分の1分周ずつ位相がずれて出力される。
【0114】
このように、4分の1分周ずつ位相をずらして圧電トランス駆動パルスを圧電トランス駆動回路304C、304M、304Y、304Kに出力することにより、図17(b)に示すように、図17(a)の位相をずらさないで圧電トランス駆動パルスを出力したときと比較してFET413のドレイン電流のピークが小さくなる。したがって、圧電トランス駆動回路304(一次側)のピーク電流を低減することができる。
【0115】
なお、本実施例の高圧電源装置1401では、定電圧制御の出力電圧(カラー画像形成装置における帯電バイアス電圧の目標値)をマイナス1100V、圧電トランスの周波数固定閾値606を20Vとして説明したが、それは一例であってその値に限られるものではない。また、複数のチャンネルで異なる出力電圧としても良い。
さらに、本実施例で用いた圧電トランスとは別の圧電トランスを用いることによって周波数特性が変化したとしても、それに対応して周辺回路の定数を変更することで本発明を実現することができる。
【0116】
またさらに、本実施例では、説明の簡略化のため、出力負荷は固定として説明しているが、感光体ドラムの状態による負荷変動、また他の高圧バイアス源に適用した場合の負荷変動にも対応可能である。
また、本実施例では、カラー4色構成の画像形成装置として説明したが、2色もしくは3色、または4色より多い構成の画像形成装置としても良い。
【0117】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、複数個の圧電トランス駆動パルスの立ち上がりタイミングをずらして出力するようにしたことにより、圧電トランス駆動回路(一次側)のピーク電流を低減させることができるという効果が得られる。
なお、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成装置を電子写真方式のカラープリンタとして説明したが、それに限られることなく、画像形成装置はカラー複写機、ファクシミリ、またはそれらの機能を併せ持つカラー複合機等で有っても良い。
【符号の説明】
【0118】
101 画像形成装置
204 プリンタエンジン制御部
206、1406 高圧制御部ASIC
301、1401 高圧電源装置
302 DC電源
303 圧電トランス駆動電圧回路
304 圧電トランス駆動回路
305 圧電トランス
306 整流回路
307 出力負荷
308 出力電圧変換手段
602 比較器
603 演算器
604 タイマ
607 圧電トランス補正値
608 分周比カウンタ下限値
609 分周比カウンタ上限値
610、1501 二値パルス出力生成部
611 19bitレジスタ
612 誤差保持レジスタ
613 加算器(+1)
614 分周比セレクタ
615 分周器
616、1506 出力セレクタ
1502 除算器(1/4)
1503、1504、1505 遅延回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電セラミックスに一次電極および二次電極を形成し、前記一次電極に一次電圧を供給し、前記二次電極から二次電圧を発生する圧電トランスを複数備えた高圧電源装置において、
前記それぞれの圧電トランスを駆動する複数のスイッチング素子を有し、
前記圧電トランスの前記二次電極から前記二次電圧を発生させる際、前記それぞれのスイッチング素子を駆動して前記複数の圧電トランスのそれぞれの前記一次電極に一次電圧を供給する一次電圧供給手段を備え、
前記一次電圧供給手段は、前記それぞれのスイッチング素子を同一の周波数で駆動して前記複数の圧電トランスのそれぞれの前記一次電極に一次電圧を供給することを特徴とする高圧電源装置。
【請求項2】
請求項1の高圧電源装置において、
前記二次電圧の出力を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段で検出された検出電圧および目標電圧を入力するドロッパ回路とを有し、
前記電圧検出手段で検出された電圧が前記目標電圧に到達したとき、前記ドロッパ回路が動作することを特徴とする高圧電源装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2の高圧電源装置において、
前記それぞれのスイッチング素子を駆動する周波数を設定する単一の周波数設定手段を有し、
前記周波数設定手段は、前記それぞれのスイッチング素子に対して同一の周波数を設定することを特徴とする高圧電源装置。
【請求項4】
請求項3の高圧電源装置において、
前記周波数設定手段は、駆動周波数固定閾値を有し、
前記周波数設定手段は、前記一次電圧供給手段の出力と前記駆動周波数固定閾値とを比較して前記周波数を固定するか否かを判定することを特徴とする高圧電源装置。
【請求項5】
請求項4の高圧電源装置において、
前記周波数設定手段は、前記それぞれのスイッチング素子を駆動するパルスの位相をずらす位相制御手段を有することを特徴とする高圧電源装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項の高圧電源装置を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−191834(P2012−191834A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−19370(P2012−19370)
【出願日】平成24年1月31日(2012.1.31)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】