説明

高純度トランス−ルテインエステル組成物及びその作製方法

本発明は、高含量のキサントフィルエステルを有する組成物であって、前記組成物のキサントフィルエステル成分が高い割合でトランス-ルテインエステルを含む組成物に関する。本発明は、その様な組成物の作製及び使用の方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、それらの内容の全体を参照として本明細書に援用する、2004年7月22日に出願の米国仮特許出願第60/589,799、及び2004年11月12日に出願の米国特許出願第10/986,049の出願日の利益を主張する。
【0002】
本発明は、高含量のキサントフィルエステルを有する組成物であって、前記組成物のキサントフィルエステル成分が高い割合でトランス-ルテインエステルを含む組成物に関する。本発明は、その様な組成物の作製及び使用の方法も提供する。
【背景技術】
【0003】
マリーゴールドの花(Tagetes erecta)のキサントフィルは、脂肪酸によってアシル化が生じる(Alam et al., 1968; Phillip and Berry, 1975)。これらのキサントフィルエステルは、カロテノイドとして知られている天然化合物の群に属し、天然に広く分布している。キサントフィルエステルは、主にルテイン及びゼアキサンチンのようなカロテノイドの脂肪酸エステル[例えば、パルミチン酸エステル及びミリスチン酸エステル:J. of Food Sci., 51 [4] 1093 (1986)]である。マリーゴールドの花は、天然で見られるトランス-ルテインエステルの最も豊富な供給源である。乾燥及び粉末のマリーゴールドの花は、1966年からは動物の餌の着色剤として市販されており、1969年からはマリーゴールド抽出物の製造のための出発物質として使用されている。
【0004】
ルテインエステルは、主要なキサントフィル色素であり、オレンジ、桃、パパイヤなどの果実の黄/橙色に関与している。キサントフィルエステルは、トランス-キサントフィル異性体として天然に一般的に認められる。
【0005】
最近の科学研究によって、ルテインエステルを含有するマリーゴールド抽出物を栄養サプリメントとして使用して良いことが示されている。栄養物及び医薬における他の可能性のある使用の中では、ルテインエステルがあるタイプのガンの治療及び予防、並びにヒトの眼における加齢黄斑変性症(MAD)として知られている疾患の治療において特に有利であることが示されている(「The effect of Dietary Lutein on growth of mammary tumor BALB/c Mice」The FASEB Journal 11 2586(1997);International Journal of Cancer 63 18-23 (1995)参照)。ルテイン及びゼアキサンチンの摂取は、熟年者のMAD発症のリスクを40%まで低減することが報告されている(Seddon et al., J. Med. Assoc. 272 [18] 1439-1441 (1994))。幾つかの指標となる研究は、ルテインエステルが黄斑の色素密度を増大し、そのバイオアベイラビリティーが有利のルテインよりも非常に良好になることを明らかにしている(Herbst S, Bowen P, Hussain E, Stacewicz-Sapuntzakis M, Damayanti B, Burns J., Evaluation of the bioavailability of Lutein(L) and Lutein ester (LD) in humans, The FASEB, Journal, 1997; 11: 2587(Abtstr.))。
【0006】
ヒトによる摂取のためにルテインエステルを使用する際には、製品において可能な限り高い濃度を有することが好ましく、及び可能な限り高いトランス-ルテイン含有量を有することが好ましい。このことは、栄養補助食品業界、特に油製剤の錠剤化または製造において特に重要である。
【0007】
幾つかの試みでは、高含量のトランス-ルテインを有する高濃度のキサントフィルエステルを達成しており、例えば、Phillipに対する米国特許第4,048,203は、75℃でイソプロピルアルコールを使用するキサントフィルエステルの精製方法を記載している。しかしながら、この熱処理は、より低いバイオアベイラビリティーを有するシス-ルテイン異性体を望ましくないような高い割合で生じさせ、約309.25 g/kg(約56重量%のキサントフィルエステル)の低い濃度のペースト及びHPLCによる88%のトランス-ルテイン含有量を生じさせる。更に、結果として得られたペーストは粘着性であり、扱いにくい。
【0008】
Levyに対する米国特許第6,191,293は、20℃でイソプロピルアルコールを使用するオレオレジンの処理を示している。結果としてこの方法で得られる製造物は、高い濃度を有するとされているが(50重量%のキサントフィルエステル)、この方法に必要とされるマリーゴールドの花弁のオレオレジンはありふれた物ではないという不利な点を有し、結果として得られるキサントフィルエステルの含量は最も上手くいってもまだ低い(69重量%のキサントフィルエステル)。
【0009】
花弁に代わって、花全体に由来する通常のオレオレジンを使用して、米国特許第6,191,293によって示されている方法を実施する際は、結果として得られるペーストは、234 g/kg(約42重量%のキサントフィルエステル)及びHPLCによる84.61%のトランス-ルテイン含有量を有する。
【0010】
Kumerに対する米国特許第6,737,535は、キサントフィルエステル濃縮物を得るために2-プロパノンの使用を示している。この方法は、279 g/kg(約51重量%のキサントフィルエステル)の濃度及びHPLCによる93.4%のトランス-ルテインのプロフィールを有する製造物を生じさせる。
【0011】
この濃縮物におけるプロフィールは米国特許第6,191,293よりも良好ではあるが、本発明と比較して(以下に記載のように、80重量%より大きいキサントフィルエステル)、製造物の濃度は依然として低い(80重量%未満のキサントフィルエステル)。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/589,799
【特許文献2】米国特許出願第10/986,049
【特許文献3】米国特許第4,048,203
【特許文献4】米国特許第6,191,293
【特許文献5】米国特許第6,737,535
【非特許文献1】Alam et al., 1968; Phillip and Berry, 1975
【非特許文献2】J. of Food Sci., 51 [4] 1093 (1986)
【非特許文献3】The FASEB Journal 11 2586(1997)
【非特許文献4】International Journal of Cancer 63 18-23 (1995)
【非特許文献5】Seddon et al., J. Med. Assoc. 272 [18] 1439-1441 (1994)
【非特許文献6】Herbst S, Bowen P, Hussain E, Stacewicz-Sapuntzakis M, Damayanti B, Burns J., Evaluation of the bioavailability of Lutein(L) and Lutein ester (LD) in humans The FASEB, Journal, 1997; 11: 2587(Abtstr.)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述を鑑みて、より高い濃度及びより良好なクロマトグラフィーのプロフィール、すなわちより高い割合でトランス-ルテインエステルを有する、更に良好な製造物を得られ得ることが明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
高含量のキサントフィルエステルを有する組成物であって、前記組成物のキサントフィルエステル成分が高い割合でトランス-ルテインエステルを含む組成物を提供することを主題とする。
【0014】
高含量のキサントフィルエステルを有する組成物であって、前記組成物のキサントフィルエステル成分が高い割合でトランス-ルテインエステルを含む組成物の作製方法を提供することは、本発明の他の主題である。
【0015】
高含量のキサントフィルエステルを含有する健康食品及び栄養食品組成物であって、前記組成物のキサントフィルエステル成分が高い割合でトランス-ルテインエステルを含む組成物を提供することは、本発明の他の主題である。
【0016】
高含量のキサントフィルエステルを有する組成物であって、前記組成物のキサントフィルエステル成分が高い割合でトランス-ルテインエステルを含む組成物を利用する方法を提供することは、本発明の更なる他の主題である。
【0017】
より具体的には、0.1%から1%のシス-ルテインエステル及び3%から5%のトランス-ゼアキサンチンエステルと共に、94%から96%のトランス-ルテインエステルの最小のクロマトグラフィープロフィールを有する、450 g/kg(81重量%のキサントフィルエステル)から560 g/kg(100重量%のキサントフィルエステル)の自由流動性乾燥キサントフィルエステル、特に530 g/kg(96重量%のキサントフィルエステル)含有する組成物を得ることが、本発明の主題である。その様な製造物は以下の利点を有する:非常に高い濃度、少なくとも450 g/kg(81重量%のキサントフィルエステル)を有する、非常に精製されたクロマトグラフィープロフィール、94-96%のトランス-ルテインエステルを有する、マリーゴールドの花弁のオレオレジンを必要とせずに任意のマリーゴールドの花のオレオレジンより得られ得る、並びに完全に自由流動性の乾燥製造物である。
【0018】
本発明の更なる他の主題は、5℃から30℃、特に18℃から22℃、更に特には19℃の温度で、特定の割合でジエチルエーテル、石油エーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、より好ましくはn-ヘキサンのような脂肪族の非極性溶媒を主に使用する、キサントフィルエステルの精製方法である。
【0019】
本発明の主題及び他の主題は、組成物の総重量に基づいて少なくとも81重量%のキサントフィルエステルを含む組成物であって、前記キサントフィルエステルが少なくとも94%のトランス-ルテインエステルを含む組成物によって達成されて良い。
【0020】
本発明の主題は、
粗マリーゴールドオレオレジンと非極性溶媒とを混合して、前記溶媒中に懸濁された固形物を製造する工程;
前記固形物から前記溶媒を除去する工程;及び
前記固形物を非極性溶媒で洗浄する工程
を含む、トランス-ルテインエステル含量が豊富な物質を製造する方法で達成されても良い。
【0021】
本発明の主題は、
粗マリーゴールドオレオレジンと非極性溶媒とを混合して、前記溶媒中に懸濁された固形物を製造する工程;
前記固形物から前記溶媒を除去する工程;及び
前記固形物をアルコールで洗浄する工程
を含む、トランス-ルテインエステル含量が豊富な物質を製造する方法で達成されても良い。
【0022】
本発明の主題は、上述の組成物を含む食品または食餌サプリメントで達成されても良い。
【0023】
本発明の主題は、健康食品または食餌サプリメントに上述の組成物を組み込む工程を含む、健康食品または食餌サプリメントを作製する方法で達成されても良い。
【0024】
本発明の主題は、有効量の上述の組成物を眼の疾患の治療を必要とする対象に投与する工程を含む、眼の疾患を治療する方法で達成されても良い。
【0025】
本発明の主題は、有効量の上述の組成物を癌の治療を必要とする対象に投与する工程を含む、癌を治療する方法で達成されても良い。
【0026】
本発明の主題は、有効量の上述の組成物を心臓血管の病気の治療を必要とする対象に投与する工程を含む、心臓血管の病気を治療する方法で達成されても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
上述したように、本発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて少なくとも81重量%のキサントフィルエステルを含む。本発明の組成物は、81重量%から100重量%のキサントフィルエステルを含有して良い。この範囲は、いかなる特定の値及びその中の部分的な範囲、例えば82重量%、85重量%、88重量%、90重量%、92重量%、95重量%、96重量%、98重量%、及び99重量%も含む。
【0028】
次に、キサントフィルエステルは少なくとも94%のトランス-ルテインエステルを含む。好ましい実施態様では、前記キサントフィルエステルは、94から96%のトランス-ルテインエステル、0.1から1%のシス-ルテインエステル、及び3から5%のゼアキサンチンエステルを含む。それらの範囲は、いかなる特定の値及びその間の部分的な範囲も含む。
【0029】
本発明によれば、トランス-キサントフィルエステルの自由流動性乾燥キサントフィルエステルは、マリーゴールドの花のオレオレジンから得られて良い。得られる製造物は、参照によって本明細書に援用されるAOAC Official Manual of Analysis, Carotenes and Xanthophylls in Dried Plant Materials and Mixed Feed Spectrophotometric Analysis, 970.64, 1990に記載の分析方法によって測定して、450 g/kg(81重量%のキサントフィルエステル)から560 g/kg(100重量%のキサントフィルエステル)の総キサントフィルエステル濃度、より好ましくは530 g/kg(96重量%のキサントフィルエステル)の濃度を有する。
【0030】
本発明の特に好ましい実施態様では、本発明の方法によって得られるキサントフィル製造物は、94.0から96.0%のトランス-ルテインエステル、0.1から1.0%のシス-ルテインエステル、及び3から5%のゼアキサンチンエステルのクロマトグラフィープロフィール、82から83℃の融点、0.35から0.40 g/cm3のかさ密度、並びに33.5°の製造物の静止角度(rest angle)を有する。
【0031】
濃度におけるキサントフィルエステルの実際の定量に関しては、一般的な概算として受け入れられており、2.0を乗じる分光学的方法によって測定するルテインを推定する方法は、エステルの実際の総重量%の非常に良好な概算を与える(米国特許第6,737,535参照)。ある市販の製造物では(Cognis Xangold Esters)、1.85から2.0の因数が、実際の値を概算することを目的として脂肪酸分析に基づいて使用されるが、この概算はまだ不正確である。
【0032】
キサントフィルエステルの純度の割合を概算するために2.0を乗じることを特定する上述の方法、または1.85から2.0の因数を使用する市販の製造物において使用される方法は、低い濃度の値を有するキサントフィルエステル製造物に使うと良いが(80重量%未満のキサントフィルエステル)、本発明には適さない。なぜならば、本明細書に記載の新規な製造物は、非常に高いキサントフィルエステル濃度を有するためである(80重量%より高いキサントフィルエステル)。
【0033】
本発明では、上述のキサントフィルのための分光学的方法を使用して、キサントフィルエステルの濃度が測定され、この値を「エステルのキサントフィル濃度」と称する。この方法で得られる値は、キサントフィルのg/kgで表わされ、この方法がキサントフィルエステルのキサントフィル濃度を評価するのに最も正確な信頼できる方法であることが認められた。
【0034】
キサントフィルエステルの重量%に相当する概算値として、及び他のキサントフィル濃縮物に対する本発明の利点のより良好な理解のために、本発明では、参照によって本明細書に援用されるJ. of Food Sci., 51 [4] 1093 (1986)に記載される組成物データより得られる1.8097の因数を使用するであろう。この値は、他の研究で使用された2.0または1.875の因数よりも、マリーゴールドの花におけるキサントフィルエステルの脂肪酸組成物のための更に正確な値(精密な値ではない)と解される。米国特許第6,737,535に記載の2.00の因数、または市販の製造物において使用されている1.875の因数を使用すると、本発明の製造物のキサントフィルエステルの濃度は100%の純度をはるかに超えるであろう。
【0035】
HPLC-Agilent 1100
検出器:Visible検出器(447nm)
カラム:Adsorbosphere HS silica 5 microns 250 mm X 4.6 mm (Altech 28937)
移動相:ヘキサン:酢酸エチル:イソプロピルアルコール (70:30:1.5 v/v)
流速:1.5 ml/分
の構成を使用して、本発明のキサントフィルエステルのクロマトグラフィープロフィールがHPLCによって得られ、総キサントフィル組成物の割合として表わされる。
【0036】
本発明によれば、キサントフィルエステルを含有するマリーゴールドの花に由来する植物物質を脱水し、挽き、脂肪族炭化水素溶媒を使用して抽出する。抽出後に、真空条件下で蒸発させて溶媒を除去し、トランス:シスキサントフィルエステルが豊富なオレオレジンを得る。このオレオレジンが本発明の出発物質である。
【0037】
上述のように、本発明は、
粗マリーゴールドオレオレジンと非極性溶媒とを混合して、前記溶媒中に懸濁された固形物を製造する工程;
前記固形物から前記溶媒を除去する工程;及び
前記固形物を非極性溶媒で洗浄する工程
を含む、トランス-ルテインエステル含量が豊富な物質を製造する方法を提供する。
【0038】
好ましい実施態様では、本発明は、5℃から30℃、特に18℃から22℃、より好ましくは19℃の温度で、特定の割合でジエチルエーテル、石油エーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、より好ましくはn-ヘキサンのような脂肪族非極性溶媒を使用するキサントフィルエステルの精製、それに続いて、濾過、遠心分離、デカンテーション、または固体-液体相を分離する任意の他の方法のような任意の既知の物理的な方法によって沈殿させたトランス-キサントフィルエステルの分離、更に続いて結果として得られた精製トランス-キサントフィルエステル製造物の溶媒相の蒸発及び乾燥を伴う精製方法にも関する。
【0039】
好ましい実施態様では、前記製造物を作製する方法は、洗浄した固形物を乾燥する工程も含む。前記固形物を乾燥する工程は、乾燥して、自由流動性の製造物を生じさせる。乾燥工程は、窒素気流を使用してオーブン中で好ましく達成される。
【0040】
前記自由流動性の乾燥キサントフィルエステルは、かくして、ヒトの摂取に適しており、非常に高い濃度、高い純度、及び優れた流動性を有する。
【0041】
本発明によれば、上述の方法で得られるオレオレジンは、5℃から30℃、特に18℃から22℃、より好ましくは19℃の温度で、1:1から1:10、好ましくは1:1.25 w/vの割合でジエチルエーテル、石油エーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、またはn-ヘプタン、好ましくはn-ヘキサンのような脂肪族非極性溶媒と混合され、その混合物はオレオレジン全体を均質にし、トランス-キサントフィルエステルの沈殿を誘導するために穏やかに攪拌される。この後に、前記混合物を放置し、結果として得られた沈殿物を、デカンテーション、遠心分離、濾過のような液体-固体分離ための任意の既知の物理的方法によって分離する。前記沈殿物は、次いで、5℃から30℃の間、更に好ましくは19℃の温度で1:0.5 w/vから1:8、好ましくは1:0.65 w/vの適切な割合でジエチルエーテル、石油エーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、好ましくはn-ヘキサンのような脂肪族非極性溶媒で4回洗浄されて良い。この操作の後に、沈殿物を真空条件下で濾過して、過剰な溶媒を除去し、ストーブに移して、窒素気流条件下で残存する溶媒を完全に蒸発させる。
【0042】
洗浄時間は特に制限されない。かくして、前記オレオレジンは1から30分の時間で接触が続けられて良い。好ましい時間は、5、10、または15分である。
【0043】
この方法によって得られる製造物は、橙色の乾燥製造物、トランス-キサントフィルエステルからなる、上述の分析方法で測定されるように450 g/kg(81重量%のキサントフィルエステル)から560 g/kg(100重量%のキサントフィルエステル)のキサントフィル濃度、より好ましくは530 g/kg(96重量%のキサントフィルエステル)の濃度を有する製造物であると共に、高いキサントフィル濃度及び高いトランス-ルテインエステル含量を有する橙色の自由流動性乾燥キサントフィルエステルである。
【0044】
本発明の他の実施態様では、粗マリーゴールドオレオレジンと非極性溶媒とを混合する工程によって得られる固形物を、アルコール溶媒、好ましくはエタノールで処理して良い。大多数の場合では、オレオレジンを非極性溶媒と接触させる工程は、精製された製造物を得るのに十分である。それにもかかわらず、天然のオレオレジンは、オレオレジンが非極性溶媒で処理された後にアルコール(好ましくはエタノール)で更に洗浄する工程によって精製される必要がある、更なる不純物を含有する場合がある。この実施態様では、前記オレオレジンは非極性溶媒で少なくとも一回洗浄され、得られた製造物は典型的に280 g/kg(50重量%のキサントフィルエステル)であろう。この物質は、次いで、アルコールで少なくとも一回、好ましくは4回洗浄され、例えば約480 g/kg(86重量%のキサントフィルエステル)の精製されたトランスキサントフィルエステル製造物を得る。アルコールを使用する洗浄の特定の詳細は、上述の非極性溶媒と同様であって良い。
【0045】
本発明で使用されるオレオレジンを製造するために使用する方法は制限されない。オレオレジンを製造するための適切な方法は、当該技術分野でよく知られており、例えば米国特許第6,191,293及び4,048,203、並びに文献J. Food Sci. 41:23, 1976に記載されている。一般的には、マリーゴールドオレオレジンは、乾燥した粉末のマリーゴールドの花が、ヘキサンまたは石油エーテルのような炭化水素溶媒で抽出され、前記溶媒が抽出物から除去される際に得られる。例えば、植物物質は、ミセルを形成する適切な量のヘキサンで抽出され、その中でルテインエステルはヘキサンに可溶性である。次いで、例えば流下膜式真空エバポレーターを使用して前記ヘキサンを除去し、3から5%のヘキサンを含有するオレオレジンを製造する。この時点で、前記ヘキサンの温度は約50から60℃の温度であり、そこで、ヘキサンは流動体でありルテインは融解される。オレオレジンを冷却するにつれて、粘度が増大し、ルテインエステルが冷却されたオレオレジン混合物に沈殿する。次いで、この物質を本発明によって更に精製することが可能である。
【0046】
本発明によって提供される製造物はヒトの摂取に適しており、食用組成物において添加物として使用されて良い。本発明の製造物は、局所的な使用、すなわち皮膚への適用が意図される組成物に組み込まれても良い。その様な組成物は、食品または飲料品であって良い。好ましい実施態様では、本発明の組成物は、健康食品及び栄養サプリメントに組み込まれても良い。更に、トランス-ルテインエステルは、白内障及び加齢黄斑変性症のような眼の疾患を予防することが研究されており;癌及び心臓血管の病気のような特定の疾患の治療についても研究されている。従って、本発明の組成物は、その様な状態を治療するために使用されて良い。ヒトは、その様な治療のための好ましい対象である。これらの使用はよく知られており、例えば、参照によって本明細書に援用される米国特許第6,787,147;6,787,151;6,716,451;6,686,340;及び6,660,297に記載されている。
【実施例】
【0047】
(実施例1)
112.22 g/kgの濃度を有する200 gのマリーゴールドオレオレジンを、1000mlの沈殿管において19℃の温度で250mlのn-ヘキサンと混合した。均質な懸濁物となるまで、その混合物を穏やかに攪拌した。結果として得られた混合物を10分間静置し、次いで、上層をデカントし、結果として得られた沈殿物(すなわち、固形物)を125mlのn-ヘキサンで洗浄して、上層を再びデカントした。この洗浄-デカント操作を、各々125mlのn-ヘキサンを常に使用して4回繰り返した。
【0048】
結果として得られた洗浄された沈殿物を真空濾過器において、沈殿物に残存する溶媒を抽出した。次いで、濾過された沈殿物をオーブンに移し、3時間、窒素気流条件下、45℃で乾燥させた。
【0049】
結果として得られた乾燥製造物は8.36 g(4.18% w/w)の重量であり、522 g/kg(出発のキサントフィル全体の19.48%の収率) のトランス-キサントフィルエステル濃度、94.64重量%のトランス-キサントフィルエステルの濃度、及びHPLCによる95.01%のトランス-ルテインのクロマトグラフィープロフィールであった。
【0050】
(実施例2)
114.58 g/kgの濃度の10 kgのマリーゴールドオレオレジンを、19℃の温度で12.5 lのn-ヘキサンと混合した。均質な懸濁物が得られるまで、その混合物を5分間穏やかに攪拌した。結果として得られた混合物を#80シーブのメッシュを通して濾過し、保持された沈殿物をケトルに戻し、6.5 lのn-ヘキサンを使用して洗浄して、#80シーブのメッシュに通して再び濾過した。この洗浄操作を、各々6.5 lのn-ヘキサンを使用して3回繰り返した。この操作の後に、結果として得られた沈殿物を真空濾過器に移して、過剰なn-ヘキサンを除去し、次いでその沈殿物をオーブンに移して、窒素気流条件下で3時間乾燥させた。
【0051】
結果として得られた乾燥製造物は、0.246 kg(2.49% w/w)の重量であり、535.0 g/kg(出発のキサントフィル全体の11.63%の収率)のトランス-キサントフィルエステル濃度、96.81重量%のトランス-キサントフィルエステル、及びHPLCによる94.56%のトランス-ルテインのクロマトグラフィープロフィールであった。
【0052】
(実施例3)
169.49 g/kgの濃度の20 kgのマリーゴールドオレオレジンを、ステンレススチール容器において19℃の温度で30 lのn-ヘキサンと混合した。均質な混合物が得られるまで、その混合物を穏やかに攪拌した。結果として得られた懸濁物を遠心分離器に移して、10分間500 rpmで遠心分離した。結果として得られたペーストをステンレススチール容器に再び移し、15 lのエチルアルコールで洗浄して、再び遠心分離した。この操作を、各洗浄で15 lのエチルアルコールを常に使用して更に3回繰り返した。
【0053】
結果として得られた洗浄されたトランス-キサントフィルエステルのペーストをオーブンに移して、窒素気流条件下、45℃の温度で3時間乾燥させた。結果として得られた乾燥した製造物は、529.66 g/kg(出発のキサントフィル全体の25.64%の収率)の濃度、95.85重量%のトランス-キサントフィルエステル、及びHPLCによる95.07%のトランス-ルテインのクロマトグラフィープロフィールを有する、1.64 kg(収率8.21 w/w)の橙色の自由流動性製造物であった。
【0054】
(実施例4)
122.8 g/kgのキサントフィル濃度の15 kgのマリーゴールドオレオレジンを、ステンレススチールケトルに19℃の温度で18.75 lのn-ヘキサンと共に入れた。均質な懸濁物が得られるまで、その混合物を穏やかに攪拌した。結果として得られた混合物を15分間静置した;結果として得られたヘキサンの上の相を沈殿物から排出して、更なる9.4 lのn-ヘキサンをその沈殿物に添加し、ヘキサンの上の相を沈殿物から再び排出した。n-ヘキサンを使用する洗浄操作を、常に9.41 lのn-ヘキサンを使用して、更に3回繰り返した。
【0055】
結果として得られた洗浄されたペーストを500 rpmで10分間遠心分離した。結果として得られた沈殿物を窒素気流条件下、45℃で3時間、オーブン中で乾燥させて、0.8325 kgの乾燥橙色自由流動性製造物(収率5.5 % w/w)、及び530 g/kg(出発のキサントフィル全体の23.94%の収率)、95.91重量%のトランス-キサントフィルエステル、HPLCによる94.68%のトランス-ルテインのクロマトグラフィープロフィールを得た。
【0056】
(実施例5)
120.0 g/kgのキサントフィル濃度の16 kgのマリーゴールドオレオレジンを、ステンレススチール容器に19℃の温度で20.0 lのn-ヘキサンと共に入れた。均質な懸濁物が得られるまで、その混合物を穏やかに攪拌した。結果として得られた混合物を15分間静置した;結果として得られたヘキサンの上の相を沈殿物から排出して、更なる10.4 lのn-ヘキサンをその沈殿物に添加し、ヘキサンの上の相を沈殿物から再び排出した。n-ヘキサンを使用する洗浄操作を、10.4 lのn-ヘキサンを常に使用して、更に3回繰り返した。
【0057】
結果として得られた洗浄されたペーストを震動性のフィルターで濾過して、4 lのn-ヘキサンを使用して洗浄した。
【0058】
結果として得られた沈殿物を窒素気流条件下、45℃で2.5時間、オーブンで乾燥させて、0.75 kgの乾燥橙色自由流動性製造物(収率4.68 % w/w)、及び560.15 g/kg(出発のキサントフィル全体の21.88%の収率)、101.3重量%のトランス-キサントフィルエステル、HPLCによる96.19%のトランス-ルテインのクロマトグラフィープロフィールを得た。
【0059】
(実施例6)
125.3 g/kgのキサントフィル濃度の15 kgのマリーゴールドオレオレジンを、ステンレススチールケトルに19℃の温度で18.75 lのn-ヘキサンと共に入れた。均質な懸濁物が得られるまで、その混合物を穏やかに攪拌した。結果として得られた混合物を#80シーブメッシュで濾過し、その沈殿物をケトルに戻して9.75 lのn-ヘキサンで洗浄して、#80シーブメッシュで再び濾過した。この操作を、各洗浄に9.75 lのn-ヘキサンを常に使用して更に3回実施した。結果として得られた沈殿物を窒素気流条件下、45℃で3時間、オーブン中で乾燥して、0.78 kgの乾燥橙色自由流動性製造物(収率5.2 % w/w)、及び535 g/kg(出発のキサントフィル全体の22.20%の収率)、96.8重量%のトランス-キサントフィルエステル、HPLCによる94.10%のトランス-ルテインのクロマトグラフィープロフィールを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の総重量に基づいて少なくとも81重量%のキサントフィルエステルを含む組成物であって、前記キサントフィルエステルが少なくとも94%のトランス-ルテインエステルを含む組成物。
【請求項2】
前記キサントフィルエステルが、94から96%のトランス-ルテインエステル、0.1から1%のシス-ルテインエステル、及び3から5%のゼアキサンチンエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組成物の総重量に基づいて少なくとも85重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
組成物の総重量に基づいて少なくとも90重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
組成物の総重量に基づいて少なくとも95重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
組成物の総重量に基づいて少なくとも96重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
組成物の総重量に基づいて少なくとも98重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
組成物の総重量に基づいて少なくとも99重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
組成物の総重量に基づいて100重量%のキサントフィルエステルを含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
組成物の総重量に基づいて96重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
固体の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記キサントフィルエステルが、95から96%のトランス-ルテインエステルを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
乾燥して自由流動性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
82から83℃の融点、0.35から0.40 g/cm3のかさ密度、及び33.5°の静止角度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記キサントフィルエステルが、94から96%のトランス-ルテインエステル、0.1から1%のシス-ルテインエステル、及び3から5%のゼアキサンチンエステルを含み、前記組成物が乾燥して自由流動性であり、82から83℃の融点、0.35から0.40 g/cm3のかさ密度、及び33.5°の静止角度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1に記載の組成物を含む、健康食品または食餌サプリメント。
【請求項17】
請求項1に記載の組成物を含む、食品または飲料品。
【請求項18】
粗マリーゴールドオレオレジンと非極性溶媒を混合して、前記溶媒中に懸濁されている固形物を製造する工程;
前記固形物から前記溶媒を除去する工程;及び
前記固形物を非極性溶媒で洗浄する工程
を含む、トランス-ルテインエステル含量が豊富な物質の製造方法。
【請求項19】
洗浄された固形物を乾燥する工程を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記洗浄された固形物を窒素雰囲気下においてオーブン中で乾燥させる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記粗マリーゴールドオレオレジンが、マリーゴールド粉末からキサントフィルエステルを抽出することによって得られる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記粗マリーゴールドオレオレジンが、脂肪族炭化水素溶媒を使用してマリーゴールドの花全体から抽出することによって得られる、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記非極性溶媒が脂肪族非極性溶媒である、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記非極性溶媒が脂肪族炭化水素である、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記非極性溶媒が、ジエチルエーテル、石油エーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、及びn-ヘプタンからなる群より選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記非極性溶媒がn-ヘキサンである、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記非極性溶媒が、ジエチルエーテル及び石油エーテルの少なくとも1つを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記粗マリーゴールドオレオレジンと前記非極性溶媒とが5から30℃の温度で混合される、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記粗マリーゴールドオレオレジンと前記非極性溶媒とが18から22℃の温度で混合される、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記粗マリーゴールドオレオレジンと前記非極性溶媒とが19℃の温度で混合される、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記非極性溶媒に対する前記粗マリーゴールドオレオレジンの比率が、1:1から1:10 w/vである、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
前記非極性溶媒に対する前記粗マリーゴールドオレオレジンの比率が、1:1から1:1.25 w/vである、請求項18に記載の方法。
【請求項33】
前記粗マリーゴールドオレオレジンと混合される非極性溶媒が、前記固形物を洗浄するために使用される非極性溶媒と同一または異なる、請求項18に記載の方法。
【請求項34】
前記洗浄する工程において前記非極性溶媒に対する前記固形物の比率が、1:0.5から1:8 w/vである、請求項18に記載の方法。
【請求項35】
前記洗浄する工程において前記非極性溶媒に対する前記固形物の比率が、1:0.5から1:0.65 w/vである、請求項18に記載の方法。
【請求項36】
前記洗浄する工程が5から30℃の温度で実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項37】
前記洗浄する工程が18から22℃の温度で実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項38】
前記洗浄する工程が19℃の温度で実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項39】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも81重量%のキサントフィルエステルを含み、前記キサントフィルエステルが少なくとも94%のトランス-ルテインエステルを含む、請求項18に記載の方法
【請求項40】
前記キサントフィルエステルが、94から96%のトランス-ルテインエステル、0.1から1%のシス-ルテインエステル、及び3から5%のゼアキサンチンエステルを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも85重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも90重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも95重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも96重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも98重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも99重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて100重量%のキサントフィルエステルを含有する、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて96重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項49】
前記組成物が固体の形態である、請求項39に記載の方法。
【請求項50】
前記キサントフィルエステルが95から96%のトランス-ルテインエステルを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項51】
前記組成物が乾燥して自由流動性である、請求項39に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物が、82から83℃の融点、0.35から0.40 g/cm3のかさ密度、及び33.5°の静止角度を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項53】
前記キサントフィルエステルが、94から96%のトランス-ルテインエステル、0.1から1%のシス-ルテインエステル、及び3から5%のゼアキサンチンエステルを含み、前記組成物が乾燥して自由流動性であり、82から83℃の融点、0.35から0.40 g/cm3のかさ密度、及び33.5°の静止角度を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項54】
粗マリーゴールドオレオレジンと非極性溶媒とを混合して、前記溶媒に懸濁されている固形物を製造する工程;
前記固形物から前記溶媒を除去する工程;及び
前記固形物をアルコールで洗浄する工程
を含む、トランス-ルテインエステル含量が豊富な物質の製造方法。
【請求項55】
前記アルコールがエタノールである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
洗浄された固形物を乾燥する工程を更に含む、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記洗浄された固形物が、窒素雰囲気下においてオーブン中で乾燥される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記粗マリーゴールドオレオレジンが、マリーゴールド粉末からキサントフィルエステルを抽出することによって得られる、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記粗マリーゴールドオレオレジンが、マリーゴールドの花全体を脂肪族炭化水素溶媒で抽出することによって得られる、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
前記非極性溶媒が脂肪族非極性溶媒である、請求項54に記載の方法。
【請求項61】
前記非極性溶媒が脂肪族炭化水素である、請求項54に記載の方法。
【請求項62】
前記非極性溶媒が、ジエチルエーテル、石油エーテル、n-ペンタン、n-ヘキサン、及びn-ヘプタンからなる群より選択される少なくとも1つの要素を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項63】
前記非極性溶媒がn-ヘキサンである、請求項54に記載の方法。
【請求項64】
前記非極性溶媒が、ジエチルエーテル及び石油エーテルの少なくとも1つを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項65】
前記粗マリーゴールドオレオレジンと前記非極性溶媒とが5から30℃の温度で混合される、請求項54に記載の方法。
【請求項66】
前記粗マリーゴールドオレオレジンと前記非極性溶媒とが18から22℃の温度で混合される、請求項54に記載の方法。
【請求項67】
前記粗マリーゴールドオレオレジンと前記非極性溶媒とが19℃の温度で混合される、請求項54に記載の方法。
【請求項68】
前記非極性溶媒に対する前記粗マリーゴールドオレオレジンの比率が1:1から1:10 w/vである、請求項54に記載の方法。
【請求項69】
前記非極性溶媒に対する前記粗マリーゴールドオレオレジンの比率が1:1から1:1.25 w/vである、請求項54に記載の方法。
【請求項70】
前記洗浄する工程が5から30℃の温度で実施される、請求項54に記載の方法。
【請求項71】
前記洗浄する工程が18℃から22℃の温度で実施される、請求項54に記載の方法。
【請求項72】
前記洗浄する工程が19℃の温度で実施される、請求項54に記載の方法。
【請求項73】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも81重量%のキサントフィルエステルを含み、前記キサントフィルエステルが少なくとも94%のトランス-ルテインエステルを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項74】
前記キサントフィルエステルが、94から96%のトランス-ルテインエステル、0.1から1%のシス-ルテインエステル、及び3から5%のゼアキサンチンエステルを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも85重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも90重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも95重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項78】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも96重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項79】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも98重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項80】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて少なくとも99重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項81】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて100重量%のキサントフィルエステルを含有する、請求項73に記載の方法。
【請求項82】
前記組成物が、組成物の総重量に基づいて96重量%のキサントフィルエステルを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項83】
前記組成物が固体の形態である、請求項73に記載の方法。
【請求項84】
前記キサントフィルエステルが95から96%のトランス-ルテインエステルを含む、請求項73に記載の方法。
【請求項85】
前記組成物が乾燥して自由流動性である、請求項73に記載の方法。
【請求項86】
前記組成物が、82から83℃の融点、0.35から0.40 g/cm3のかさ密度、及び33.5°の静止角度を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項87】
前記キサントフィルエステルが、94から96%のトランス-ルテインエステル、0.1から1%のシス-ルテインエステル、及び3から5%のゼアキサンチンエステルを含み、前記組成物が乾燥して自由流動性であり、82から83℃の融点、0.35から0.40 g/cm3のかさ密度、及び33.5°の静止角度を有する、請求項73に記載の方法。
【請求項88】
請求項18に記載の方法によって得られる、トランス-ルテインエステル含量が豊富な物質。
【請求項89】
請求項54に記載の方法によって得られる、トランス-ルテインエステル含量が豊富な物質。
【請求項90】
請求項1に記載の組成物を健康食品または食餌サプリメントに組み込む工程を含む、健康食品または食餌サプリメントの作製方法。
【請求項91】
請求項1に記載の組成物を食品または飲料品に組み込む工程を含む、食品または飲料品の作製方法。
【請求項92】
有効量の請求項1に記載の組成物を、眼の疾患の治療を必要とする対象に投与する工程を含む、眼の疾患の治療方法。
【請求項93】
前記眼の疾患が白内障または加齢黄斑変性症である、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
有効量の請求項1に記載の組成物を、癌の治療を必要とする対象に投与する工程を含む、癌の治療方法。
【請求項95】
有効量の請求項1に記載の組成物を、心臓血管の病気の治療とする必要とする対象に投与する工程を含む、心臓血管の病気の治療方法。

【公表番号】特表2008−507514(P2008−507514A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522506(P2007−522506)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/021196
【国際公開番号】WO2006/019483
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(507020118)バイオ・ラット・エスエー・ディーイー・シーブイ (1)
【Fターム(参考)】