説明

1−テトラデセンに基づく低粘度PAO

本明細書では、テトラデセン及び特に1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、及び1−テトラデセンから成る混合物と、アルコール及びエステルを含むプロモーター系を用いて、低粘度及び優れた低温特性を有するPAOの生成方法について開示する。実施例において、当該生成物は、1−デセン単独の供給体を用いて得られた生成物と同様の特性を有していた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、アルコールとエステルとを含むプロモーター系及び1−テトラデセンを含む混合物を用いた、低粘度で、低いノアク揮発度、及び優れた低温特性を有するPAOの生成方法に関する。
【0002】
発明の背景
ポリα−オレフィン(ポリアルファオレフィン又はPAO)は、潤滑油市場でその重要性が確立されてきた炭化水素性潤滑剤の一分類から成る。これらの物質は通常、AlCl、BF、又はBF複合体等の触媒存在下でα−オレフィンの重合を用いて生成される。PAOの製造に用いられる通常のα−オレフィンは、1−オクテンから1−ドデセンの範囲に及ぶ。高分子を構成する際は、WO99/38938に記載されているような1−テトラデセン等のより高級なオレフィンや、米国特許第4,956,122号に記載されているようなエチレンとより高級なオレフィンの共重合体を含め、エチレンやプロピレン等のより低級なオレフィンを用いることが知られている。オリゴマー化は通常、所望の生成物スレートを得るために、分画(fractionation)及び水素化の工程が続き、不飽和の部分が除去される。水素化の過程により、不飽和量は通常90%を超えて削減される。
【0003】
PAOは一般に、おおよその粘度を示す、100℃におけるPAOのセンチストーク(cSt)の数値によって分類される。得られたPAOの生成物は、100℃で約2cStの公称粘度を有する高い流動性の流体から、より高分子量の、100℃で100cStを超える粘度を有する粘性物質まで変化に富む広範囲の粘度を有する。本明細書で用いられる粘度は、特定されない限り、ASTM D−445を用いて100℃で決定される運動学的粘度を示す。本明細書で用いられる「公称」の語は、数値が1桁の有効数字になるよう端数を切り捨てられたことを意味する。
【0004】
PAOはまた、粘度以外の最終用途に応じた重要な特性により特徴付けることが出来る。例えば、乗用車エンジンオイルの用途の主要な傾向は、オイル・ドレインの間隔を延長することにある。エンジンオイルの性能の強化のため、改善された物理学的特性を有する低粘度PAO生成物が必要とされる。前記改善された物理学的特性は例えば、ノアク揮発度等を用いて測定された蒸発減や流動点又はコールド・クランク・シミュレータ(CCS)試験等を用いて測定された優れた冷水性能である。ノアク揮発度は通常、ASTM D5800に従って決定される。流動点は通常、ASTM D97に従って決定される。また、CCSは、ASTM D5293を用いて得られる。
【0005】
PAOは通常、直鎖アルファオレフィン(LAO)の陽イオン性オリゴマー化を経て生成される。低粘度PAOは長年の間、1−デセンに基づき、BF触媒作用を受けたオリゴマー化により生成されてきた。PAO潤滑剤の生成方法は、本明細書で引用される他の特許文献に加えて、米国特許第3,149,178;3,382,291;3,742,082;3,780,128;4,045,507;4,172,855号、さらに最近では、米国特許第5,693,598;6,303,548;6,313,077号;米国出願第2002/0137636;2003/0119682;2004/0129603;2004/0154957;及び2004/0154958号等の多数の特許の主題とされてきた。PAOは、潤滑の基礎(Lubrication Fundamentals)、J.G.Wills、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker Inc.)、(ニューヨーク州、1980年)や、合成潤滑剤及び高性能機能流体(Synthetic Lubricants and High Performance Functional Fluids)、第2版、Rudnick及びShubkin、マーセル・デッカー社、(ニューヨーク州、1999年)等の多数の教材の主題として含まれている。
【0006】
PAOの特定等級の特性は、前記生成物を構成するのに用いられるα−オレフィンや使用される触媒及びその他の方法の詳細によって大部分が決められる。一般に、α−オレフィンの炭素数がより多ければ、生成物のノアク揮発度はより低く、またその流動点はより高くなる。100℃で4cStの公称粘度を有するPAOは通常、1−デセンから成り、ノアク揮発度が13−14%で、流動点が−60℃未満である。100℃で6cStの公称粘度を有するPAOは通常、1−デセン又はα−オレフィンの配合剤から調製され、ノアク揮発度が約7.0%で、流動点が約−57℃である。1−デセンより多い分子量を有するLAOから成るPAOは通常、低温でより低い粘度とより高い流動点を有する。これらの効果は通常、オリゴマー化された分子のワックス性(waxiness)により生じる。1−ヘキセン等の極めて低い分子量のLAOから成るPAOは、低温で高い粘度とまた高い流動点を有する。これらの効果は、粘度増加と合わせて分枝分子の形成が原因とされ得る。従来、LAO混合物のオリゴマー化の際、高い分子量や低い分子量のLAO混合物は通常、その特性を補正する試みで用いられ、10炭素数ベースのオリゴマーと特性でおおよそ同様のPAOに達成される。
【0007】
米国特許第6,071,863号は、炭素数12及び14のアルファオレフィンを混合し、BF−n−ブタノールの触媒を用いたオリゴマー化により生成されるPAOを開示する。前記生成物の生分解性が商業用潤滑剤と比較して改善された旨の報告がされる一方で、その流動点は、商業用潤滑剤より高かった。
【0008】
米国特許第6,646,174号では、約10から40重量%の1−デセンと約60から90重量%の1−ドデセンとの混合物は、アルコールプロモーターの存在下でコオリゴマー化される。好ましくは、1−デセンは1−ドデセン及び加圧された三フッ化ホウ素の雰囲気を含む単一オリゴマー化反応器に少量ずつ添加される。生成物は、塔頂から採取され、種々の分画は、水素化され、100℃で約4から約6cStの運動学的粘度、約4%から約9%のノアク重量損失、約130から約145の粘度指数、及び約−60℃から約−50℃の範囲に及ぶ流動点で特徴付けられるPAOが得られる。
【0009】
米国特許第6,824,671号では、約50から80重量%の1−デセンと約20から50重量%の1−ドデセンとの混合物は、BFとエタノール:エチル酢酸プロモーターを用いて順次2つの連続攪拌槽反応器でコオリゴマー化される。単量体及び二量体は、塔頂から採取され、塔底生成物は、水素化され、三量体及びそれより高級なオリゴマーが飽和され、5cStのPAOが作成される。前記生成物は、さらに蒸留され、その蒸留分画の配合により、主に三量体及び四量体を含む4cStPAOと三量体、四量体及び五量体を含む6cStPAOが生成される。それにより得られた潤滑剤は、約4%から12%のノアク揮発度及び約−40℃から−65℃の流動点により特徴付けられる。米国特許第6,949,688号も参照にされる。(本願明細書で用いられる「二量体」は、供給体から起こり得る全ての二量体の組み合わせ、例えば、炭素数10及び12から成る供給体では、「二量体」は、炭素数20、22、及び24を含むオリゴマーの混合物から成るか、もしくは、「炭素数20から24の分画」と示されることに留意されたい)。
【0010】
米国特許出願第2004/0033908号は、低い流動点でより高いノアク揮発度を示す混合されたオレフィン供給体により調製されるPAOを含む、完全調合された潤滑剤に関する。前記PAOは、BF触媒とアルコール及びアルキル酢酸から成る二重プロモーターとを併用した方法により調製され、生成物は分画の配合により得られる。
【0011】
米国特許出願番号第11/338231号は、少なくとも1つの連続攪拌反応器中、オリゴマー化条件下でアルコール及びそれらから形成されたエステルから成るBFプロモーターと共に、少なくとも1つのα−オレフィンから成る供給体とBFから成る触媒とを接触させることを含む方法により生成される、三量体の豊富なオリゴマーを開示する。三量体より軽量な生成物は、重合後に最終反応器から蒸留により分離され、その塔底生成物は、水素化される。前記水素化生成物は、その後蒸留され、三量体の豊富な生成物が得られる。好ましい実施形態において、前記供給体は、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、及び1−テトラデセンから選択される少なくとも2種類を含む。
【0012】
「次世代ポリアルファオレフィン−合成炭化水素性流体における展開の次のステップ(”Next Generation Polyalphaolefins−the next step in the evolution of synthetic hydrocarbon fluids”)」で題される文献(Moore他、Innovene USA LLC、11/22/05改訂;www.innovene.comの11/22/05に掲示されている(2006年3月1日最終閲覧))では、炭素数10のPAO及び炭素数12/14のPAOに基づくPAOについて検討している。
【0013】
業界では、10炭素数ベースのPAOと同様の特性を有する潤滑化原料を求める需要に追いついていくことは、より困難となってきている。そのような原料の作成に用いられ得る直鎖アルファオレフィンの範囲が拡張できれば、特に有益となるであろう。本願発明の発明者は、驚くべきことに、適切な条件下で、1−ヘキセンから成る組成物のオリゴマー化により、好ましい実施形態で1−デセン−ベースのPAOと同様の特性を有する有用な原料が得られることを見つけた。
【0014】
発明の概要
本発明は、1−テトラデセン、好ましい実施形態では、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、及び1−テトラデセンを含むアルファオレフィンの混合物を、アルファオレフィンオリゴマー化触媒及びアルコール及びエステルプロモーターから成る二重プロモータと接触させ、前記混合物をオリゴマー化し、生成物を回収することから成る低粘度PAOの作成方法に関する。好ましい実施形態において、前記生成物は、100℃で約4から約12cSt、又は約4cStから約8cSt、又は約4cStから約6cStの粘度により特徴付けられる。
【0015】
実施形態において、前記反応は、単一攪拌槽反応器を用いてセミバッチモードで行うことが出来る。他の実施形態において、前記反応は、連続的に1つの連続攪拌槽反応器又は一連の少なくとも2つの連続攪拌槽反応器で行うことが出来る。
【0016】
好ましい前記触媒/二重プロモーターは、BFと直鎖アルコール及び酢酸エステルの混合物を共触媒とするBFとの混合物である。
【0017】
実施形態において、本願発明に係る方法による生成物は、−60℃未満の流動点を有する4cStPAO(100℃)として特徴付けられる。
【0018】
実施形態において、本願発明に係る方法による生成物は、−50℃未満の流動点を有する6cStPAO(100℃)として特徴付けられる。
【0019】
これら及び他の対象物、特徴、利点は、下記の発明の詳細な説明、好ましい実施形態、実施例、及び付記された請求項を参照することにより明白となるだろう。
【0020】
発明の詳細な説明
本願発明に係る好ましい実施形態において、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、及び1−テトラデセンから成るアルファオレフィンの混合物は、アルファオレフィンオリゴマー化触媒とアルコール及びエステルプロモーターから成る二重プロモーターの存在下でオリゴマー化され、100℃で約4から約12cStの粘度により特徴付けられる生成物が供給される。
【0021】
実施形態において、前記反応は、単一攪拌槽反応器を用いてセミバッチモード又は連続モードで行うことが出来る。他の実施形態において、前記反応は、連続的に一連の少なくとも2つの連続攪拌槽反応器で行うことが出来る。
【0022】
好ましい触媒/二重プロモーターは、BF及び直鎖アルコールと酢酸エステルとの混合物を共触媒とするBFの混合物である。
【0023】
好ましい実施形態において、前記反応は、少なくとも2つの連続攪拌槽反応器で行われる。各反応器での滞留時間、温度、及び圧力は、当業者が決定することが出来るが、一応のめどとして、前記滞留時間は、約0.1から約4時間、より一般的に0.75から約2.5時間で、前記温度は、約22℃±5℃で、圧力は、約7psig±5psigの範囲とすることが出来る。前記第一の反応器における前記滞留時間は、第二の反応器での滞留時間より、より短いか同等、もしくはより長くすることができる。前記生成物は、反応混合物が当業者により決定され得る安定化状態に達したときに最終反応器から取り出されることが好ましい。最終反応器からの反応混合物は蒸留され、未反応の単量体、プロモーター、及び二量体は、全て回収され、好ましい実施形態で再利用されることが出来る。その塔底生成物は、その後水素化され、オリゴマーが飽和される。当該最終生成物は、水素化塔底からその後蒸留され、ある実施形態において、低粘度PAOの異なる等級を生成する。また、当該低粘度PAOは、蒸留後さらに塔底生成物と混合され、さらに追加の生成物を得ることが出来る。
【0024】
一つの実施形態において、前記生成物は、狭い分画(narrow cut)(狭い分子量)、低粘度PAOである。本明細書で用いられるように、当該「狭い分画」の語は、狭い分子量の範囲を意味する。当該「狭い分子量の範囲」の語の意味は、上記の内容を考慮して当業者により理解される。
【0025】
(前記複数反応器の場合の第一の反応器又は前記セミバッチモードの場合の単一反応器)への供給体は、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセンの混合物から成る。全割合に対して、例えば、約1重量%から約90重量%の1−ヘキセン、約1重量%から約90重量%の1−デセン、約1重量%から約90重量%の1−ドデセン、及び約1重量%から約90重量%のテトラデセンが混合物に使用される。好ましい実施形態において、1−ヘキセンは、約1重量%又は2重量%又は3重量%又は4重量%又は5重量%から約10重量%又は20重量%の量で使用され、1−デセンは、約25重量%又は30重量%、又は40重量%、又は50重量%から約60重量%又は70重量%又は75重量%の量で使用され、1−ドデセンは、約10重量%又は20重量%又は25重量%又は30重量%又は40重量%から約45重量%又は50重量%又は60重量%の量で使用され、及び1−テトラデセンは、1重量%又は2重量%又は3重量%又は4重量%又は5重量%又は10重量%又は15重量%又は20重量%又は25重量%から約30重量%又は40重量%又は50重量%の量で使用される。ここで開示される任意の下限及び上限の範囲は、例えば以下のように意図される。すなわち、約3重量%から約10重量%の1−ヘキセン又は約2重量%から約20重量%の1−ヘキセン、約25重量%から約70重量%の1−デセン又は約40重量%から約70重量%の1−デセン、約10重量%から約45重量%の1−ドデセン又は約25重量%から約50重量%の1−ドデセン、及び約5重量%から約30重量%の1−テトラデセン又は約15重量%から約50重量%の1−テトラデセンである。これらの例で特定される範囲からプラス又はマイナス5℃(±5℃)のように多数の他の範囲も意図される。
【0026】
1−オクテン等の他の直鎖アルファオレフィン(LAO)が、若干の割合で存在する一方、好ましい実施形態において、前記供給体(又は、前記オリゴマー化触媒及びプロモーターと接触しているアルファオレフィンの混合物)は基本的に1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセンから成り、前記「基本的に〜から成る」(もしくは「基本的に〜から成っている」等)の語句は、その通常の意味であり、従って、本願発明に係る基本的及び新規特徴に影響を与える他のLAOが存在しない(又は特定の事項については、他に何も存在しない)。さらに別の好ましい実施形態において、前記供給体(又はアルファオレフィンの混合物)は、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセンから成り、(不可避の不純物を考慮する余地を残し、)他のオレフィンが存在しないことを意味する。
【0027】
別の好ましい実施形態において、前記オレフィン供給体は基本的に、1−デセンから成り、さらに別の好ましい実施形態において、前記オレフィン供給体は基本的に、1−デセン及び1−ドデセンから成り、さらに別の好ましい実施形態において、前記オレフィン供給体は基本的に、1−ドデセン及び1−テトラデセンから成り、またさらに別の好ましい実施形態において、前記供給体は基本的に、1−ドデセンから成る。
【0028】
一つの実施形態において、前記供給体に用いられるオレフィンは、反応器に同時に供給される。別の実施形態において、前記オレフィンは、反応器に別々に供給される。いずれかの場合において、前記触媒/プロモーターもまた、両者相互に及び前記LAOの種々に関して別々に又は同時に供給される。
【0029】
従来のBFオリゴマー化触媒の使用に加えて、少なくとも2つの異なるプロモーター(又は共触媒)が使用される。本願発明において、当該2つの異なるプロモーターは、(i)アルコール類及び(ii)エステル類から選択され、少なくとも1のアルコール及び少なくとも1のエステルを用いる。
【0030】
本願発明に係る方法で有用なアルコール類は、炭素数1から10のアルコール類、より好ましくは炭素数1から6のアルコール類から選択される。それらは、直鎖又は分枝アルコール類とすることが出来る。好ましいアルコール類は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、及びそれらの混合物である。
【0031】
本願発明に係る方法において有用なエステル類は、少なくとも1のアルコール及び1の酸の反応生成物から選択される。本願発明におけるエステル類を構成する有用なアルコール類は、上述と同様のアルコール類から選択されることが好ましいが、前記(ii)のプロモーターに用いられる前記エステルを構成するアルコールは、(i)でプロモーターとして用いられるアルコールとは異なる、又は同じアルコールとすることが出来る。前記の好ましい酸は、酢酸であるが、ギ酸、プロピオン酸等のいずれの低分子量単塩基性カルボン酸とすることも出来る。
【0032】
(ii)で使用されるアルコールが(i)で使用されるアルコールと異なる場合、(ii)のエステルの解離が有り得るので、アルコール及びエステルのどの種類が的確かを厳密に言うことは困難となり得ることが当業者に理解される。さらに、(i)及び/又は(ii)は、別々に又は同時に添加され、また1以上のオレフィン供給体と別々に又は同時に添加される。BF及び酸/エステルが、1以上のアルファオレフィンと同時に供給体に添加されることが好ましい。
【0033】
従って、前記の記載は、配合の性質に従って読み取られるべきである。
【0034】
本願の方法では、共触媒のグループ(i)と共触媒のグループ(ii)の割合(すなわち、(i):(ii))が、約0.2:1から15:1、好ましくは0.5:1から7:1の範囲であることが好ましい。
【0035】
前記三フッ化ホウ素に関しては、共触媒及びオレフィン供給体と同時に反応器に添加されることが好ましい。順次連結された1つ以上の連続攪拌反応器の場合において、BF、共触媒及びオレフィン供給体が第一の反応器のみに添加され、より好ましくは同時に添加されることが好ましい。前記反応域が、過度の三フッ化ホウ素を含み、前記三フッ化ホウ素の圧力及び部分的圧力により制御されていることがさらに好ましい。この点で三フッ化ホウ素は、前記反応域が約2から約500psig、好ましくは約2から50psig(1psi=703kg/m)の圧力で維持されていることが好ましい。或いは、三フッ化ホウ素を前記反応混合物に散布することができ、また三フッ化ホウ素を前記反応域に添加することで知られている他の方法をとることも出来る。
【0036】
前記反応に適した温度は、慣習が考慮され、約−20℃から約90℃、好ましくは、約15℃から70℃の範囲で変化することが出来る。各反応器の適切な滞留時間及び他の方法上の更なる詳細は、本願発明の開示を理解する当業者であれば判断することが容易である。
【0037】
一つの実施形態において、最終反応器で安定化状態に達した後、最終又は最後の反応器からの生成物は、第一の蒸留カラムに移され、未反応の単量体、二量体及びプロモーターは、蒸留により分離される。或いは、前記二量体は、第二の蒸留カラムで抜き取られる。その塔底生成物は、その後水素化され、三量体及びそれより高級な種類のオリゴマーが飽和される。当該水素化生成物は、その後蒸留により4cStの公称粘度(100℃)を有する塔頂生成物及び6cStの公称粘度(100℃)を有する塔底生成物が得られる別の蒸留カラムに移される。本明細書で用いられる「公称」の語は、実験的に決定された数値が近似の整数になるよう端数を切り捨てられたことを意味する。約12cSt以下の粘度を有する塔底生成物は、より重量のある生成物を反応器で重合し、及び/又は当該第三の蒸留カラムでより深く(例えば、より高い真空度及び/又はより高温を用いて)蒸留することにより第三のカラム中で生成される。
【0038】
先行技術から知られ、前述の米国特許出願番号第11/338231号で報告されているように、前記最終生成物の粘度は、アルコールとエステルの割合により調整することが出来る。その際、より高いアルコール:エステル率を有することでより高い粘度が達成される。重合の度合はまた、アルコール及びエステルの濃度を調整することで、より精細に軽減される。これについてはまた、本願発明の開示を理解する当業者であれば判断することが容易である。
【0039】
下記の実施例は、本願発明に係る実施形態の具体化を意味し、多数の修飾及び変化が可能とされることが本願発明の開示の範囲における当業者に理解されるだろう。従って、付記される請求項の範囲内で、前記発明は、本明細書で特に記載されている以外の別の方法で実行されえることが理解される。
【0040】
LAOの混合物は、BFと、直鎖アルコール及び酢酸の混合物を共触媒とするBFとを使用し、セミバッチ又は単一攪拌槽反応器の連続モード又は一連の攪拌槽反応器の連続モードのいずれかにより重合される。当該反応混合物は、蒸留され、未反応単量体及び二量体は除去される。結果として得られた生成物は、水素化され、オリゴマーが飽和される。水素化生成物は、低粘度PAOである。その粘度に応じて、さらに蒸留及び/又は配合され、異なる等級の低粘度PAOが生成される。
【0041】
以下の実施例は、低粘度生成物の低温特性の変化と比較に用いたオレフィン供給体混合物の組成の変化を具体化している。
【0042】
実施例1.55重量%の1−C10及び45重量%の1−C12を含む1−C10及び1−C12の混合物を、BF及びBFを共触媒とするブタノール−ブチル酢酸の混合物を用いて、22℃及び5psigの順次2つの連続攪拌槽反応器でオリゴマー化した。ブタノール対ブチル酢酸のモル割合は、3対1とした。第一及び第二反応器の滞留時間は、それぞれ1.4時間及び0.85時間とした。安定化状態に達してから、試料を第二反応器から取り出した。試料を蒸留し、未反応単量体及び二量体を除去した。その塔底ストリームを水素化し、三量体+のオリゴマーを飽和した。その水素化生成物は、100℃で5cStの公称粘度を有していた。当該水素化生成物の試料を蒸留し、6cStの100℃における公称粘度を有した塔底生成物を得た。当該塔頂生成物をいくつかの5cStPAOと配合し、4cStの100℃における公称粘度を有した生成物を構成した。表1は前記4cStの100℃における公称粘度を有する生成物の特性であり、表2は6cStの100℃における公称粘度を有する共生成物PAOの特性である。供給体におけるC12の追加により、4cSt及び6cSt生成物の−40℃での粘度及び粘度指数(VI)は改善され、近年の商業用生成物より優れていた(表1の4cStに対する参考例A及び表2の6cStに対する参考例B及びC)。両生成物の流動点は増加したが、許容範囲内である。
【0043】
実施例2.オレフィン供給体混合物が50重量%の1−C6及び50重量%の1−C14を有したこと、プロモーター系内のブタノール対ブチル酢酸のモル割合が3.5対1であったこと及び温度が24℃であったこと以外は、実施例1と同様である。表1及び2で示されるように、このオレフィン供給体混合物からの4cSt及び6cStの両方の生成物は、対応する参考例より非常に高い低温特性を有していた。
【0044】
実施例3.オレフィン供給体混合物が10重量%の1−C8、60重量%の1−C10及び30重量%の1−C12を有したこと、第二反応器の滞留時間が1時間であったこと及び重合温度が24℃であったこと以外は、実施例1と同様である。当該4cStPAOの特性は、表1で示され、C10ベースの商業用生成物より優れていた。6cSt共生成物の特性は、表2に示され、商業用C8/C10/C12ベースの生成物の特性と比較が可能である(参考例C)。商業用生成物の構成に使用される方法は、本実験に使用される方法と異なる。
【0045】
実施例4.オレフィン供給体混合物が10重量%の1−C6、60重量%の1‐C10及び30重量%の1−C12を有したこと以外は、実施例1と同様である。4cSt生成物の特性は、実施例3のもの程優れていないが、それでも許容範囲内である。しかしながら、当該6cSt共生成物の−40℃での粘度は、高すぎであった。
【0046】
実施例5.オレフィン供給体混合物が5重量%の1−C6、60重量%の1−C10、30重量%の1−C12及び5重量%の1−C14を有したこと及び重合温度が20℃であったこと以外は、実施例1と同様である。4cSt及び6cStの両方の生成物は優れた低温特性を有していた。
【0047】
実施例6.70重量%の1−C10及び30重量%の1−C14を含む1−C10及び1−C14の混合物を、BF及びBFを共触媒とするブタノール−ブチル酢酸の混合物を用いて、23℃及び5psigの連続攪拌槽反応器のセミバッチモードでオリゴマー化した。ブタノール対ブチル酢酸のモル割合は、2.5対1とした。添加時間及び保持時間は、それぞれ4時間及び2時間とした。2時間の保持時間の後、反応器からの混合物を、5%の苛性溶液を用いて中性化し、水で洗浄した。試料を蒸留し、未反応単量体及び二量体を除去した。水素化生成物は、100℃で5cStの公称粘度を有していた。当該水素化生成物の試料を蒸留し、6cStの100℃における公称粘度を有した塔底生成物を得た。当該塔頂生成物は、軽い4cStPAOであり、表1にその特性を示した。表2は、6cStの共生成物の特性である。4cStの流動点は、優れていた。しかし、6cSt生成物の流動点は、かなり高かった。
【0048】
実施例7.オレフィン供給体混合物が80重量%の1−C10及び20重量%の1−C14を有したこと以外は実施例6と同様である。表1及び2で示されるように、4及び6cStの生成物の流動点は、供給体混合物の1−C10の増加により改善された。
【0049】
実施例8.オレフィン供給体混合物は、60重量%の1−C10、20重量%の1−C12及び20重量%の1−C14を有したこと、ブタノール対ブチル酢酸のモル割合が1.5対1であったこと及び添加時間が5時間であったこと以外は、実施例6と同様である。水素化生成物は、軽い5cStPAOであり、その特性は表2に示されている。近年の商業用5cStPAO(表2で示される参考D)と比較し、当該水素化生成物はより優れたVIを有していた。しかし、その流動は、わずかに高かった。
【0050】
実施例9.オレフィン供給体混合物は、40重量%の1−C10、40重量%の1−C12及び20重量%の1−C14を有したこと、プロモーター系におけるブタノール対ブチル酢酸のモル割合が3.5対1であったこと以外は、実施例8と同様である。結果として得られた水素化生成物は、表2に示された6cstPAOである。流動点は、近年の商業用生成物(参考例B及びC)より低いが、−40℃での粘度及びVIは、前記参考例より非常に優れていた。
【表1】

【表2】

【0051】
少なくとも1のC8、C10、C12、C14、及びC16から選択されるアルファオレフィンから成る供給体を用いた方法の利点は、以前に米国特許出願番号第11/338231号で記載されている。極めて驚くべきことに、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、及び1−テトラデセンから成る供給体を用いた本願発明に係る方法は、1−デセン単独により達成される場合と同様の特性が可能である。
【0052】
本明細書で用いられる運動学的粘度(K.V.)は、特定されない限りASTM D445に従って指定された温度(例えば、100℃又は−40℃)で測定された。温度が示されていない場合は、従来に習って、100℃と仮定する。
【0053】
粘度指数(VI)は、ASTM D−2270に従って決定された。
【0054】
本明細書で用いられるノアク揮発度は、特定されない限りASTM D5800の方法に従って決定された。しかし、本願発明に係る組成物に報告されるノアク揮発度は、年に二度ではなく年に一度、温度計のキャリブレーションを行った以外、ASTM D5800に従って決定された。
【0055】
ASTM D5950に従って、流動点は決定された。
【0056】
オリゴマーの分布は、フレームイオン化検出器(FID)及びキャピラリーカラムを備えたヒューレット・パッカード(HP)の5890シリーズII Plus GCを用いて決定された。
【0057】
本願発明に従って作成された前記低粘度PAOは、潤滑剤又は機能的流体として、又は多様な従来の添加物と混合して有用に使用さ得る。それら低粘度PAOは、APIグループI−III及びV等の他の原料、又は他の従来のPAO(APIグループIV)及びイソパラフィン、直鎖パラフィン等の他の炭化水素性流体とも配合され得る。驚くべきことに本願発明によるPAOは、グループIII原料のかなりの量と共に、SAEグレード0Wマルチグレードエンジンオイル配合剤の特性的要求を満たす潤滑剤組成物に有利に配合出来ることがわかった。グループIII原料自体は、0W30及び0W40エンジンオイル配合剤に要求される必要な粘性を有しない。そのような配合剤は、譲受人共通の同時係属米国出願シリアル番号第11/338,456号(代理人整理番号第2005B032/2号)に記載されている。
【0058】
全ての特許及び特許出願、試験進行(ASTMの方法等)、及び他の本明細書で引用される文献は、当該開示が本願発明と矛盾せず、またその矛盾が許可される全ての管轄で参照によって完全に組み込まれる。
【0059】
本明細書で複数の数値下限及び数値上限が記載されている場合、任意の下限から任意の上限の組み合わせの範囲も考慮される。本願発明に係る具体的な実施形態が詳細に開示される一方、多様な他の修飾が明白であり、それらは本願発明の趣旨及び範囲からそれることなく、当業者に容易に作られ得ることが理解されよう。従って、実施例及び本明細書で説明される記載の範囲で、付記される請求項の範囲が制限されることを意図しない。本願発明は、多数の実施形態及び具体的な実施例を参照し上述されてきた。上記詳細な説明を踏まえて、多数の変化が当業者に提案されるであろう。それら全ての明白な変化は、付記された請求項の最大限に目的とされる範囲に含まれるが、特に好ましい実施形態は以下を含む。アルファオレフィンのオリゴマー化の方法であって、(a)オリゴマー化の条件の下、少なくとも1の連続攪拌反応器を用いて、1−テトラデセンと、随意に、1−ヘキセン、1−デセン、及び1−ドデセンから選択される1以上のアルファオレフィンとを、より好ましくは1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、及び1−テトラデセンから成るアルファオレフィンの混合物、アルファオレフィンオリゴマー化触媒、アルコールプロモーター、及びエステルプロモーターとを、反応混合物が安定化状態に達するまで接触させる工程、(b)前記混合物の未反応アルファオレフィン及び二量体を蒸留により分離(distilling off)し、三量体及びそれより高級なオリゴマーを含む塔底生成物を得る工程、(c)前記塔底生成物を水素化し、水素化塔底生成物を得る工程、及びその後(d)前記水素化塔底生成物を分画し、塔頂生成物、及び前記水素化塔底生成物と異なり、実施形態によりさらに好ましく特徴付けられる塔底生成物を得る工程、前記方法が順次連結された少なくとも2つの連続攪拌反応器で行われる。工程(d)における前記塔頂生成物は、4cStの公称粘度(100℃)を有し(またさらにより好ましくは、−60℃未満の流動点により特徴付けられる)及び前記水素化塔底生成物とは異なる塔底生成物は、6cStの公称粘度(100℃)を有する(またさらにより好ましくは、−50℃未満の流動点により特徴付けられる)。工程(d)はさらに、7から12cStの公称粘度を有する塔底生成物を得ることを含む。又は、前記供給体もしくはアルファオレフィンの混合物に関する多様な好ましい実施形態は、例えば、約1重量%から約90重量%の1−ヘキセン、約1重量%から約90重量%の1−デセン、約1重量%から約90重量%の1−ドデセン、及び約1重量%から約90重量%の1−テトラデセンから成るアルファオレフィンの混合物、又は約1重量%から約10重量%の1−ヘキセン、約50重量%から約70重量%の1−デセン、約20重量%から約40重量%の1−ドデセン、及び約1重量%から約10重量%の1−テトラデセンから成るアルファオレフィンの混合物、又は約1重量%から約10重量%の1−ヘキセン、約50重量%から約70重量%の1−デセン、約20重量%から約40重量%の1−ドデセン、及び約1重量%から約10重量%の1−テトラデセンから成るアルファオレフィンの混合物、又は約1重量%から約10重量%の1−ヘキセン、約50重量%から約70重量%の1−デセン、約20重量%から約40重量%の1−ドデセン、及び約1重量%から約10重量%の1−テトラデセンから基本的に成るアルファオレフィンの混合物、又は約1重量%から約10重量%の1−ヘキセン、約50重量%から約70重量%の1−デセン、約20重量%から約40重量%の1−ドデセン、及び約1重量%から約10重量%の1−テトラデセンから成るアルファオレフィンの混合物、又は約2重量%から約20重量%の1−ヘキセン、約40重量%から約80重量%の1−デセン、約10重量%から約50重量%の1−ドデセン、及び約2重量%から約20重量%の1−テトラデセンから成るアルファオレフィンの混合物、又は約3重量%から約30重量%の1−ヘキセン、約40重量%から約65重量%の1−デセン、約10重量%から約50重量%の1−ドデセン、及び約3重量%から約30重量%の1−テトラデセンから成るアルファオレフィンの混合物である。前記エステルが、アルキル酢酸エステル、さらにより好ましくは、前記エステルは、酢酸とメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、及びn−ヘキサノールから選択される少なくとも1のアルコールとのエステル反応生成物である。前記アルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、及びそれらの混合物から選択される。前記アルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、及びそれらの混合物から選択され、前記エステルは、少なくとも1のアルキル酢酸エステルであり、アルコール対エステルの割合は、約0.2:1から約15:1の範囲である。前記アルファオレフィンオリゴマー化触媒は、三フッ化ホウ素である。又は、前記多様な含有物の添加における本明細書で記載されている多様な方法による。例えば、前記方法は、前記三フッ化ホウ素を前記アルコールとエステルとの共触媒及び前記オレフィンと同時に第一の反応器に供給することによりさらに特徴付けられる。本願発明に係る当該分野の当業者は明らかに、これらの様々な実施形態が多様な方法によって組み合わされることが理解されよう。本願発明に係る他の好ましい実施形態は、請求項1に記載の方法を用いて作られる少なくとも1のPAOから成る組成物、又は請求項1に記載の方法を用いて得られる少なくとも1のPAOから成る組成物を含む。また特に、本願発明に係る方法を用いて作られ、4cStの公称粘度(100℃)及び−60℃未満の流動点を有するPAO及び/又は本願発明に係る方法を用いて作られ、6cStの公称粘度(100℃)及び−50℃未満の流動点を有するPAOを含む。
【0060】
また、好ましい実施形態は、潤滑剤組成物及び水力流体、賦形剤等の他の機能的流体において、(本願の開示の範囲における当業者により理解される)上記のいずれか又は上記の組み合わせによる用途である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルファオレフィンのオリゴマー化の方法であって、
(a)オリゴマー化の条件の下、少なくとも1の連続攪拌反応器を用いて、1−ヘキセン、1−デセン、1−ドデセン、及び1−テトラデセンから成るアルファオレフィン混合物と、アルファオレフィンオリゴマー化触媒、アルコールプロモーター、及びエステルプロモーターとを、反応混合物が安定化状態に達するまで接触させる工程、
(b)前記混合物の未反応アルファオレフィン及び二量体を蒸留により分離し、三量体及びそれより高級なオリゴマーを含む塔底生成物を得る工程、
(c)前記塔底生成物を水素化し、水素化塔底生成物を得る工程、及びその後
(d)前記水素化塔底生成物を分画し、塔頂生成物、及び前記水素化塔底生成物と異なる塔底生成物を得る工程
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記方法が、連結された少なくとも2つの連続攪拌反応器で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(d)における前記塔頂生成物が、100℃で4cStの公称粘度を有し、前記水素化塔底生成物と異なる塔底生成物が、100℃で6cStの公称粘度を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程(d)における前記塔頂生成物が、さらに−60℃未満の流動点により特徴付けられる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記水素化塔底生成物と異なる塔底生成物が、さらに−50℃未満の流動点により特徴付けられる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
工程(d)が、さらに7から12cStの公称粘度を有する塔底生成物を得ることを含む、請求項1から請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記アルファオレフィンの混合物が、約1重量%から約90重量%の1−ヘキセン、約1重量%から約90重量%の1−デセン、約1重量%から約90重量%の1−ドデセン、及び約1重量%から約90重量%の1−テトラデセンから成る、請求項1から請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アルファオレフィンの混合物が、約1重量%から約10重量%の1−ヘキセン、約50重量%から約70重量%の1−デセン、約20重量%から約40重量%の1−ドデセン、及び約1重量%から約10重量%の1−テトラデセンから成る、請求項1から請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記アルファオレフィンの混合物が、約1重量%から約10重量%の1−ヘキセン、約50重量%から約70重量%の1−デセン、約20重量%から約40重量%の1−ドデセン、及び約1重量%から約10重量%の1−テトラデセンから成る、請求項1から請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記アルファオレフィンの混合物が基本的に、約1重量%から約10重量%の1−ヘキセン、約50重量%から約70重量%の1−デセン、約20重量%から約40重量%の1−ドデセン、及び約1重量%から約10重量%の1−テトラデセンから成る、請求項1から請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記アルファオレフィンの混合物が、約1重量%から約10重量%の1−ヘキセン、約50重量%から約70重量%の1−デセン、約20重量%から約40重量%の1−ドデセン、及び約1重量%から約10重量%の1−テトラデセンから成る、請求項1から請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記アルファオレフィンの混合物が、約2重量%から約20重量%の1−ヘキセン、約40重量%から約80重量%の1−デセン、約10重量%から約50重量%の1−ドデセン、及び約2重量%から約20重量%の1−テトラデセンから成る、請求項1から請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記アルファオレフィンの混合物が、約3重量%から約30重量%の1−ヘキセン、約40重量%から約65重量%の1−デセン、約10重量%から約50重量%の1−ドデセン、及び約3重量%から約30重量%の1−テトラデセンから成る、請求項1から請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記エステルプロモーターが、アルキル酢酸エステルである、請求項1から請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記エステルプロモーターが、酢酸とメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、及びn−ヘキサノールから選択される少なくとも1のアルコールとのエステル反応生成物である、請求項1から請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アルコールプロモーターが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、及びそれらの混合物から選択される、請求項1から請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記アルコールプロモーターが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、及びそれらの混合物から選択され、前記エステルプロモーターが、少なくとも1のアルキル酢酸エステルであり、アルコール対エステルの割合が、約0.2:1から約15:1の範囲である、請求項1から請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記アルファオレフィンオリゴマー化触媒が、三フッ化ホウ素である、請求項1から請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、前記三フッ化ホウ素を前記アルコールプロモーターとエステルプロモーター及び前記オレフィンと同時に第一の反応器に供給することによりさらに特徴付けられる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1から請求項19のいずれか1項に記載された方法により作られた少なくとも1のPAOを含む組成物。
【請求項21】
請求項1から請求項19のいずれか1項に記載された方法により得ることが出来る少なくとも1のPAOを含む組成物。
【請求項22】
請求項4の方法により作成されたPAO。
【請求項23】
請求項5の方法により作成されたPAO。

【公表番号】特表2009−531517(P2009−531517A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502773(P2009−502773)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/002135
【国際公開番号】WO2007/111773
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】