説明

1,3−ジオール類の殺生物剤としての使用

【化1】


本発明は殺生物物質としてのジオールの使用を開示する。本発明は、該使用が、式(I)[式中、R1およびR2は、互いに独立して、それぞれ少なくとも1個のC原子を有する有機基を表し、または、R1およびR2は、一緒になって、少なくとも4個のC原子からなる環系(必要ならば置換されていてもよい)を形成する]のジオール(これ以後、単に1,3-ジオールと呼ばれる)に関することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジオールの殺生物活性成分としての使用に関する。ここで、ジオールは、式I
【化1】

【0002】
[式中、R1およびR2は、互いに独立して、それぞれ少なくとも1個の炭素原子を有する有機基であり、または、R1およびR2は、一緒になって、少なくとも4個の炭素原子を有する環系(場合により置換されていてもよい)を形成する]
のうちの1つである(以下では、略して1,3-ジオールと呼ばれる)。
【背景技術】
【0003】
殺生物活性成分は、細菌、真菌、酵母、藻類またはウイルスなどの微生物を死滅させるか、または少なくともそれらの生殖および/または成長を妨げる。
【0004】
非常に多様な基材について、殺生物仕上げ(biocidal finish)が望まれており、またしばしばその必要性も存在する。これらは、例えば、医療用途の基材、保健または衛生部門で利用される基材、食品部門、特に食品包装に利用される基材、または多様な工業用途の基材(特に、空調システムのためのフィルター等)である。
【0005】
殺生物剤は保存剤としても使用される。ここで特に重要なのは、医療、衛生、化粧品または皮膚科の目的に使用される液体調製物のための保存剤としての使用である。
【0006】
さまざまな化学化合物について殺生物効果が確立されている。アルコールに関しては、1,2-アルカンジオール類が良好な殺生物効果を有することが知られており、例えば、Gerhard Schmaus, Antje Pfeiffer, Sabine Lange and Aurelie Trunet in Cosmetics & Toiletries, vol. 123, No. 10, October 2008, pages 53〜64にも記載されている。
【0007】
殺生物活性成分の多様な用途のために、代替の解決策が常に求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Gerhard Schmaus, Antje Pfeiffer, Sabine Lange and Aurelie Trunet in Cosmetics & Toiletries, vol. 123, No. 10, October 2008, pages 53〜64
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、可能な限り多くの微生物に対して良好な殺生物効果を有し、取り扱いが容易であり、多様な方法で使用することができる殺有害生物活性成分であった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その結果、冒頭に定義した使用が見いだされた。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明により使用されるジオールは、式I
【化2】

【0012】
のジオールである。式Iのジオールは、以下に1,3-ジオールまたは1,3-ジオール類とも呼ばれる。
【0013】
式Iにおいて、R1およびR2は、互いに独立して、それぞれ少なくとも1個の炭素原子を有する有機基であり(第1の選択肢)、さらに、R1およびR2は、一緒になって、少なくとも4個の炭素原子を有する環系(場合により置換されていてもよい)を形成し得る(第2の選択肢)。
【0014】
第1の選択肢の1つの好ましい実施形態において、R1およびR2は、互いに独立して、1〜12個の炭素原子を有する炭化水素基である。これらは脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素基であってよい。好適な脂肪族炭化水素基は、特にアルキル基であり、好適な脂環式炭化水素基は、例えばシクロヘキシル基であり、好適な芳香族炭化水素基は、特にフェニル基である。
【0015】
特に好ましくは、R1およびR2は、互いに独立して、C1〜C12-アルキル基、特に好ましくは、C1〜C10アルキル基である。2つのアルキル基は、互いに独立して、直鎖または分枝鎖であり得る。好ましくはR1およびR2における炭素原子の合計は16個以下、特に12個以下である。
【0016】
第2の選択肢の1つの好ましい実施形態において、R1およびR2は、一緒になって、脂環式環系を形成する。環系はさらなる有機基、例えばアルキル基により置換されていてもよい。環系は、特に好ましくは無置換の脂環式環系である。脂環式環系は、場合により1または2個の二重結合を含んでもよい。環系は、好ましくは12個以下の炭素原子からなる(R1およびR2が結合している炭素原子を含む、R1およびR2におけるすべての炭素原子の合計)。
【0017】
好適な1,3-ジオール類を下に明記する。
【0018】
芳香族または脂環式基を有する第1の選択肢の1,3-ジオール類:
2-メチル-2-フェニルプロパン-1,3-ジオール(MPPD)
2-シクロヘキシル-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(CHMPD)
R1およびR2としてアルキル基のみを有する第1の選択肢の1,3-ジオール類:
2-エチル-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(EMPD)
2-ブチル-2-エチルプロパン-1,3-ジオール(BEPD)
2-ペンチル-2-プロピルプロパン-1,3-ジオール(PPPD)
2-(2-メチルブチル)-2-プロピルプロパン-1,3-ジオール(MBPPD)
2-イソプロピル-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(IMPD)
2-イソプロピル-2-(3-メチルブチル)プロパン-1,3-ジオール(IMBPD)
2-オクチル-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(OMPD)。
【0019】
第2の選択肢の1,3-ジオール類:
1,1-ジメチロールシクロペンタン(DMCP)
1,1-ジメチロールシクロヘキサン(DMCH)
1,1-ジメチロールシクロオクト-4-エン(DMCOE)
1,1-ジメチロールシクロオクタン(DMCO)
1,1-ジメチロールシクロドデカン(DMCD)
2,2-ジメチロールノルボルナン(2,2-DMNB)。
【0020】
前記の1,3-ジオール類およびそれらの調製法は公知である。
【0021】
概要として、前記のジオール類の構造式および関連するCAS番号を下の表に記載する。
【表1】


【0022】
PPPDおよびMBPPDの調製は、例えばPCT/EP 2009/057133(PF 60933)にも記載されている。そこに記載されている好ましい方法によれば、PPPDおよびMPPPDの混合物が生成し、これは本発明において使用することができる。
【0023】
基R1またはR2がイソプロピル基である第1の選択肢の1,3-ジオール類の調製は、PCT/EP2009/059326(PF 61057)にも記載されている。
【0024】
R1またはR2がフェニル基または脂環式基である第1の選択肢の1,3-ジオール類の調製は、PCT/EP(後)(PF 61188)にも記載されている。
【0025】
上記のジオール類の混合物も、本発明の使用に特に適している。上記の1,3-ジオール類は、当然ながら、他の殺生物剤と組み合わせて使用してもよい(表1参照)。
【0026】
使用
本発明に記載される化合物は、例えば、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して、酵母およびカビに対して、有意な抗微生物効果を有する。そのため、それらは非常に多様な表面および物体の消毒に、表面および物体ならびに体のさまざまな領域の消臭に、ならびに皮膚および粘膜、工業材料の一般的な抗微生物処理に好適である。
【0027】
1,3-ジオール類は、成型物の殺生物仕上げに好適である。
【0028】
1,3-ジオール類は、そのままで、または液体調製物の形態で、成型物に適用することができる。1,3-ジオール類を含む液体調製物を使用することにより、一般に表面上への1,3-ジオール類のより良好な分布を達成することが可能である。
【0029】
好適な液体調製物は、1,3-ジオール類の溶媒中の溶液またはエマルションである。好適な溶媒は水または有機溶媒、例えばアルコールおよびエーテルである。液体調製物は、R. Gaechter, H. Mueller in Taschenbuch der Kunststoffadditive, 3rd Edition, 1990, ISBN 3-446-15627-5にも記載されるような、さらなる殺生物剤または他の添加剤を含んでもよい。さらなる殺生物剤は、特に、Chapter 15 “Biostabilizers”, 823 ffに明記されている。
【0030】
殺生物仕上げを施した成型物は、1,3-ジオールまたはその溶液もしくはエマルションにより所望の成型物をコーティング、含浸または他の方法で処理することにより得ることができる。溶液またはエマルションによる処理は室温でおこなうことができ、乾燥後に成型物は対応する殺生物仕上げを有する。
【0031】
ここでの1,3-ジオールの量は、殺生物剤により仕上げ処理される成型物表面の平方メートルあたり、例えば0.001〜1000 mg、特に好ましくは0.1〜10 mgの1,3-ジオールであり得る。
【0032】
成型物という用語は、ここでは、液体または気体とは異なる一定の形状で存在する任意の所望の物体を意味すると理解されるべきである。
【0033】
例えば、天然または合成素材の織物を挙げることができる。これらの材料は、着色されても着色されなくても、または捺染されてもよく、また、例えば、絹、羊毛、ポリアミド、ポリウレタン、または任意のタイプのセルロース繊維から構成され得る。このような繊維は、例えば、綿、亜麻、ジュートまたは麻である。
【0034】
不織材料(不織布)、例えば、おむつ、生理用ナプキン、または医療、衛生もしくは家庭部門の衣類品目などに、本発明の意味に含まれるジオール類により抗微生物仕上げを施すことができる。
【0035】
本発明の抗微生物物質は、プラスチック製成型物、例えばプラスチック製フィルムまたは容器、他のプラスチック包装材、紙、ボール紙、金属製成型物または異なる材料の組合せから作られた成型物の処理(特に抗微生物仕上げ)または保存のために使用することも可能である。それらの例は、床被覆材、プラスチック被覆材、プラスチック容器および包装材料、台所および浴室用器具、医療用プラスチック製品、例えば摂食材料、注射器、カテーテルまたは手袋、保健衛生部門における利用のためのプラスチック製品、食品の包装または貯蔵のためのプラスチック製品、または工業目的のプラスチック製品、例えば空調システムにおけるフィルターである。
【0036】
1,3-ジオールによる仕上げを施される成型物は、特に、医療用途の成型物、保健衛生部門で利用される成型物、食品の包装または貯蔵のための成形物、または工業目的の成型物(例えば空調システムにおけるフィルター)である。
【0037】
1,3-ジオール類は、液体調製物、気体調製物、スプレー、泡またはゲルにおける保存剤としても好適である。
【0038】
本発明の抗微生物物質は、工業用製剤、例えばペンキ、ラッカーまたは塗料などの処理(特に抗微生物仕上げ)または保存に使用することも可能である。
【0039】
抗微生物仕上げをされた製剤が塗料である場合、それは、液体、溶液もしくは懸濁液、ペースト、ゲルもしくは油、または固体の形態(例えば粉末)とすることができ、それを次にUV光照射、熱または他の方法により硬化させる。
【0040】
衛生の目的に使用される紙にも本発明の抗微生物特性を付与することができる。
【0041】
本発明の抗微生物物質は、洗剤またはクリーナー製剤、例えば液体または粉末の洗剤または柔軟剤に使用することも可能である。
【0042】
本発明の物質は、表面の清掃および/または消毒のための家庭用および汎用クリーナーに使用することも可能である。
【0043】
同様に、本発明のジオール類は、木もしくは皮革の抗微生物処理または皮革の保存または皮革の抗微生物仕上げのために使用することも可能である。
【0044】
本明細書に記載される物質は、化粧品調製物、医薬品または家庭用品を微生物による損傷から保護するために使用することも可能である。
【0045】
本発明の抗微生物物質は、作物保護において、農場もしくは森林の植物、植物の一部または種子材料を病害または腐敗から保護するために使用することも可能である。対応する組成物は少なくとも1種の本発明のジオール類からなる。組成物は、苗、種子または土壌に施用することができる。
【0046】
化粧品
本発明には、1種以上の前記ジオール類を、単独で、または非イオン性界面活性剤および/またはアニオン性界面活性剤および/またはカチオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤と組み合わせて含む、パーソナルケア組成物が含まれる。ここで、ジオール類は、組成物を保存するのに有効な濃度および/または施用された表面に抗微生物効果を与えるのに有効な濃度で使用される。
【0047】
非常に多様な化粧品調製物が抗微生物活性成分を含む。例えば、以下の調製物は、この観点で特に考慮されるものである。
【0048】
- スキンケア製品、例えば、固形石鹸、液体石鹸、石鹸成分の入っていない製品の形態の皮膚洗浄および清浄用製品、
- 浴用製品、例えば、液体シャワー/浴用製品(浴用フォーム、ミルク、シャワージェル)または固体製品、例えば固形石鹸またはバスソルト
- スキンケア製品、例えば、乳剤、多層乳剤またはオイル
- 化粧品、例えば、デイクリームまたはパウダークリームの形態の顔用メイクアップ、おしろい、頬紅またはクリームメイクアップ、アイケア製品、例えばアイシャドウ、マスカラ、アイライナー、唇ケア製品、例えば口紅、リップグロス、爪ケア製品、例えばマニキュア液、マニキュア除去液、爪硬化剤
- フットケア製品、例えば、フットバス、足用パウダー、足用クリーム、足用バルサム、特に消臭剤および制汗剤
- 光保護調製物、例えば、サンミルク、ローション、クリームまたはオイル、セルフタンニング製品またはアフターサン製品
- 防虫組成物、例えば、オイル、ローション、スプレーまたはスティック
- 消臭剤、例えば、スプレー、消臭エアロゾル、ポンプスプレー、消臭ゲル、スティックまたはロールオン、ならびに無水消臭エアロゾルまたはスティック
- 制汗剤、例えば、制汗スティック、クリーム、ロールオン(無水制汗スティックまたはエアロゾルを含む)
- 清浄化用製品およびケア製品、例えば、スクラブおよびマスク
- 化学的形態の毛髪除去製品、例えば、粉末または液体調製物、クリームまたはペーストまたはゲルまたはエアロゾルフォーム
- ひげそり用製品、例えば、ひげそり用石鹸、泡状シェービングクリーム、非泡状シェービングクリーム、フォームまたはゲル、濡らさずにひげを剃るためのプレシェーブ製品、アフターシェーブまたはアフターシェーブローション
- 香水製品、例えば香油または香水クリーム
- 美容ヘアケア製品、例えば、シャンプーまたはコンディショナーの形態の洗髪製品、ヘアケア製品、例えばヘアトニック、整髪クリーム、整髪ゲル、ポマード、ヘアリンス、ヘアトリートメント、巻き毛を作るためおよびケアするための製品、髪を滑らかにするための製品、泡状セット組成物、ヘアスプレー、ヘアカラー、毛髪染料
- シャンプー、コンディショナー、ヘアトニック、整髪クリームもしくはゲル、またはヘアトリートメントの形態のフケ防止製品。
【0049】
対応する化粧品調製物は、非常に多様な形態であってよく、例えば、
- 液体調製物の形態、例えばW/O、O/W、O/W/O、W/O/WまたはPITエマルション、すべてのタイプのマイクロエマルションの形態
- ゲルの形態
- オイル、クリーム、ミルクまたはローションの形態
- 粉末、ニス、メイクアップの形態、
- スティックの形態
- スプレー(ポンプスプレーまたは噴射剤ガスによるスプレーとして)またはエアロゾルの形態
- 泡の形態、または
- ペーストの形態
であってよい。
【0050】
化粧品または医薬品調製物は、例えば、クリーム、ゲル、ローション、アルコール溶液もしくは水/アルコール溶液、ワックス/脂肪製品、スティック、粉末または軟膏として存在することができる。
【0051】
水および油を含有するエマルションとして、例えば、W/O、O/W、O/W/OおよびW/O/WエマルションもしくはマイクロエマルションまたはPITエマルションが存在する。これらの調製物は、例えば0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%の抗微生物活性成分を含む。それらは、製剤の総重量に対して、0〜30重量%、特に1〜30重量%、特に好ましくは4〜20重量%の少なくとも1種の油成分を含む。また、これらの調製物は、10〜90重量%、特に30〜90重量%の少なくとも1種の乳化剤、0〜88.9重量%、特に1〜50重量%の水、ならびに化粧品として許容されるさらなる添加剤を含む。
【0052】
本明細書中で言及されるパーソナルケア製品は、生理的に許容される媒体中のジオールを含む。これは、製剤が、無毒で、刺激性がなく、人体の表面との接触に適していることを意味する。このような表面としては、毛髪、皮膚、粘膜、歯が挙げられる。組成物が生理的に許容されるかどうかは、先行技術による試験を用いて決定することができる。
【0053】
家庭用品および工業製品
用語「家庭用品」は、典型的に人の近傍で使用される組成物を意味する。これらの製品は、一般に無毒である。「家庭用品」カテゴリーの調製物は、界面活性剤またはアルコールに加えて、少なくとも1種のさらなる成分を含み得る。これらの添加剤は、可溶性であっても不溶性であってもよい。これらは、例えば、さらなる抗微生物活性成分、酵素、漂白剤、増白剤、色保護物質、柔軟剤、色移り防止剤、錯化剤、エアロゾル噴射剤ガスであってよく、それらは界面活性剤またはさらなるアルコールを含んでもよい。「家庭用製品」カテゴリーの調製物は、例えば水相、非水相または油相などの非常に多様な形態で存在し得る。また、それらは、乳化剤、ならびにゲル化剤または増粘剤を含んでもよい。これらの調製物は、液体、ペースト、ゲル、棒状、錠剤、スプレー、泡、粉末または顆粒の形態であってよい。
【0054】
さらなる抗微生物活性成分
本明細書に記載されるジオール類は、単独で存在することも、または1種以上の他の抗微生物活性成分および/または殺生物剤と組み合わせて存在することも可能であり、例えば瓶保存(pot preservation)または化粧品もしくは医薬品の保存、パーソナルケア製品(例えば化粧品、口腔ケア製品)の保存、家庭用製品(例えば汎用クリーナー、洗剤または柔軟剤)および保存により微生物による腐敗の結果から保護しなくてはならない相当の水の割合を有するその他の製品の保存のために使用することができる。
【0055】
「抗微生物活性成分」は、抗微生物効果をもたらすことができる物質である。本発明は、静細菌、殺細菌、殺ウイルス、静ウイルス、静真菌または殺真菌活性を有する抗微生物活性成分を含む。
【0056】
本発明の物質はまた、生物起源の活性成分と一緒に使用することも可能である。これらは、例えば、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、精油、植物抽出物およびビタミンである。
【0057】
本明細書中に記載される本発明の物質に関連して使用される「さらなる抗微生物活性成分」の例は、ピリチオン類、特に亜鉛錯体(ZPT);Octopirox(登録商標);Climbazol(登録商標)、硫化セレン、ジメチルジメチロールヒダントイン(Glydant(登録商標));メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン(Kathon CG(登録商標));亜硫酸ナトリウム;亜硫酸水素ナトリウム;イミダゾリジニル尿素(Germall 115(登録商標))、ジアゾリジニル尿素(Germaill II(登録商標));ベンジルアルコール;2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール(Bronopol(登録商標));ホルマリン(ホルムアルデヒド);ヨードプロペニルブチルカルバメート(Polyphase P100(登録商標));クロロアセトアミド;メタンアミン;メチルジブロモニトリルグルタロニトリル(1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタンまたはTektamer(登録商標));グルタルアルデヒド;5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン(Bronidox(登録商標));フェネチルアルコール;o-フェニルフェノール/o-フェニルフェノールナトリウム;ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム(Suttocide A(登録商標));ポリメトキシ二環オキサゾリジン(Nuosept C(登録商標));ジメトキサン(dimethoxane);チオメルサール(thiomersal);ジクロロベンジルアルコール;キャプタン(captan);クロルフェネシン(chlorphenesin);ジクロロフェン(dichlorophene);クロロブタノール;ラウリン酸グリセリル;ハロゲン化ジフェニルエーテル;2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(Triclosan(登録商標)またはTCS);2,2’-ジヒドロキシ-5,5’-ジブロモジフェニルエーテル;フェノール性物質;フェノール;2-メチルフェノール;3-メチルフェノール;4-メチルフェノール;4-エチルフェノール;2,4-ジメチルフェノール;2,5-ジメチルフェノール;3,4-ジメチルフェノール;2,6-ジメチルフェノール;4-n-プロピルフェノール;4-n-ブチルフェノール;4-n-アミルフェノール;4-tert-アミルフェノール;4-n-ヘキシルフェノール;4-n-ヘプチルフェノール;モノおよびポリアルキルならびに芳香族ハロフェノール;p-クロロフェノール;メチルp-クロロフェノール;エチルp-クロロフェノール;n-プロピルp-クロロフェノール;n-ブチルp-クロロフェノール;n-アミルp-クロロフェノール;sec-アミルp-クロロフェノール;シクロヘキシルp-クロロフェノール;n-ヘプチルp-クロロフェノール;n-オクチルp-クロロフェノール;o-クロロフェノール;メチルo-クロロフェノール;エチルo-クロロフェノール;n-プロピルo-クロロフェノール;n-ブチルo-クロロフェノール;n-アミルo-クロロフェノール;tert-アミルo-クロロフェノール;n-ヘキシルo-クロロフェノール;n-ヘプチルo-クロロフェノール;o-ベンジルp-クロロフェノール;o-ベンジル-m-メチルp-クロロフェノール、o-ベンジル-m,m-ジメチルp-クロロフェノール;o-フェニルエチルp-クロロフェノール;o-フェニルエチル-m-メチルp-クロロフェノール;3-メチルp-クロロフェノール;3,5-ジメチルp-クロロフェノール;6-エチル-3-メチルp-クロロフェノール;6-n-プロピル-3-メチルp-クロロフェノール;6-イソプロピル-3-メチルp-クロロフェノール;2-エチル-3,5-ジメチルp-クロロフェノール;6-sec-ブチル-3-メチルp-クロロフェノール;2-イソ-プロピル-3,5-ジメチルp-クロロフェノール;6-ジエチルメチル-3-メチルp-クロロフェノール;6-イソプロピル-2-エチル-3-メチルp-クロロフェノール;2-sec-アミル-3,5-ジメチルp-クロロフェノール;2-ジエチル-メチル-3,5-ジメチルp-クロロフェノール;6-sec-オクチル-3-メチルp-クロロフェノール;p-クロロ-m-クレゾール、p-ブロモフェノール;メチルp-ブロモフェノール;エチルp-ブロモフェノール;n-プロピルp-ブロモフェノール;n-ブチルp-ブロモフェノール;n-アミルp-ブロモフェノール;sec-アミルp-ブロモフェノール;n-ヘキシルp-ブロモフェノール;シクロヘキシルp-ブロモフェノール;o-ブロモフェノール;tert-アミルo-ブロモフェノール;n-ヘキシルo-ブロモフェノール;n-プロピル-m,m-ジメチルo-ブロモフェノール;2-フェニルフェノール;4-クロロ-2-メチルフェノール;4-クロロ-3-メチルフェノール;4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール;2,4-ジクロロ-3,5-ジメチルフェノール;3,4,5,6-テトラブロモ-2-メチルフェノール;5-メチル-2-ペンチルフェノール;4-イソプロピル-3-メチルフェノール;パラ-クロロメタキシレノール(PCMX);クロロチモール;フェノキシエタノール;フェノキシイソプロパノール;5-クロロ-2-ヒドロキシジフェニル-メタン;レゾルシノールおよびその誘導体;レゾルシノール;メチルレゾルシノール;エチルレゾルシノール;n-プロピルレゾルシノール;n-ブチルレゾルシノール;n-アミルレゾルシノール;n-ヘキシルレゾルシノール;n-ヘプチルレゾルシノール;n-オクチルレゾルシノール;n-ノニルレゾルシノール;フェニルレゾルシノール;ベンジルレゾルシノール;フェニルエチルレゾルシノール;フェニルプロピルレゾルシノール;p-クロロベンジルレゾルシノール;5-クロロ-2,4-ジヒドロキシジフェニルメタン;4’-クロロ-2,4-ジヒドロキシジフェニルメタン;5-ブロモ-2,4-ジヒドロキシジフェニルメタン;4’-ブロモ-2,4-ジヒドロキシジフェニルメタン;ビスフェノール性化合物;2,2’-メチレンビス(4-クロロフェノール);2,2’-メチレンビス(3,4,6-トリクロロ-フェノール);2,2’-メチレンビス(4-クロロ-6-ブロモフェノール);ビス(2-ヒドロキシ-3,5-ジクロロ-フェニル)スルフィド;ビス(2-ヒドロキシ-5-クロロベンジル)スルフィド;安息香酸エステル(パラベン);メチルパラベン;プロピルパラベン;ブチルパラベン;エチルパラベン;イソプロピルパラベン;イソブチルパラベン;ベンジルパラベン;メチルパラベンナトリウム;プロピルパラベンナトリウム;ハロゲン化カルバニリド;3,4,4’-トリクロロカルバニリド類(Triclocarban(登録商標)またはTCC);3-トリフルオロメチル-4,4’-ジクロロカルバニリド;3,3’,4-トリクロロカルバニリド;クロロヘキシジン(chlorohexidine)およびその二グルコン酸塩;二酢酸塩および二塩酸塩;ウンデカン酸;チアベンダ
ゾール(thiabendazole)、ヘキセチジン(hexetidine);ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)塩酸塩(Cosmocil(登録商標));銀成分、例えば有機または無機銀塩、塩化銀を含む製剤(例えば、JM Acticare(登録商標))、および微粒化銀粒子または溶解した銀塩(例えば、TinosanSDC(登録商標))である。特に、さらなる抗微生物活性成分の混合物も好適である。
【0058】
化粧品、医薬品、家庭用品および工業製品を保存する目的には、本明細書に記載されるジオールと「他の抗微生物保存剤」との組合せが特に高い活性を示す。これらは、Annex V of the European Cosmetics Ordinanceに明記されているもの:ホルムアルデヒド;パラホルムアルデヒド;ヒドロキシビフェニル類および対応する塩、例えばオルトフェニル-フェノール;ピリチオン亜鉛;クロロブタノール;ヒドロキシ安息香酸およびその塩およびエステル、例えばメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン;ジブロモヘキサミジンおよびその塩、例えばイセチオン酸(4,4’-ヘキサメチレンジオキシビス(3-ブロモ-ベンズアミジン)および4,4’-ヘキサメチレンジオキシビス(3-ブロモベンズアミジニウム2-ヒドロキシ-エタンスルホネート);水銀,(アセト-O)フェニル(すなわち、酢酸フェニル水銀)および第二水銀(2-),(オルトボレート(orthoboate)(3-)-O)フェニル,二水素(すなわち、ホウ酸フェニル水銀);1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-ヘキサヒドロ-5-メチル-5-ピリミジン(ヘキセチジン(hexetidine));5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール;2,4-ジクロロベンジルアルコール;3,4,4’-トリクロロカルバニリド(トリクロロカルバン(trichlorocarban));p-クロロ-m-クレゾール;2,4,4’-トリクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン(triclosan));4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル;4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール(クロロキシレノール(chloroxylenol));イミダゾリジニル尿素;ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)塩酸塩;2-フェノキシエタノール(フェノキシエタノール);ヘキサメチレンテトラミン(メテナミン(methenamine));1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニアアダマンタンクロリド(クオタニウム15(quaternium 15));1-(4-クロロフェノキシ)-1-(1-イミダゾリル)3,3-ジメチル-2-ブタノン(クリンバゾール(climbazole));1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン(DMDMヒダントイン);ベンジルアルコール;1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン;2,2’-メチレンビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)(ブロモクロロフェン(bromochlorophene));メチルクロロイソチアゾロン、メチルイソチアゾロン、オクチルイソチアゾロン、ベンジルイソチアゾロン;2-ベンジル-4-クロロフェノール(クロロフェノン(chlorophenone));クロロアセトアミド;クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン;1-フェノキシ-プロパン-2-オール(フェノキシイソプロパノール);4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン(ジメチルオキサゾリジン);ジアゾリジニル尿素;4,4’-ヘキサメチレンジオキシビスベンズアミジンおよび4,4’-ヘキサメチレンジオキシビス(ベンズアミジニウム-2-ヒドロキシエタンスルホネート);グルタルアルデヒド(1,5-ペンタンジアール);7-エチルビシクロオキサゾリジン;3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール(クロルフェネシン(chlorphenesin));フェニルメトキシメタノールおよび((フェニルメトキシ)メトキシ)メタノール(ベンジルヘミホルマール);N-アルキル(C12〜C22)トリメチルアンモニウムブロミドおよびクロリド(臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム);ベンジルジメチル(4-(2-(4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノキシ)エトキシ)エチル)アンモニウムクロリド(塩化ベンゼトニウム);アルキル(C8〜C18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ブロミドおよびサッカリン酸塩;(塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、サッカリン酸ベンザルコニウム);安息香酸およびその塩およびエステル;プロピオン酸およびその塩;サリチル酸およびその塩、ソルビン酸およびその塩、ヨウ化ナトリウム;無機亜硫酸塩および亜硫酸水素塩、例えば亜硫酸ナトリウム;デヒドロ酢酸;ギ酸;マーキュレート(1-エチル)2-メルカプトベンゾエート(2-)-O,S-,水素(チオメルサール(thiomersal)またはチオメロサール(thiomerosal));10-ウンデシル酸および
対応する塩;オクトピロックス(octopirox)(ピロクトンオラミン(piroctone olamine));ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム(ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム);銀成分、例えば、JM ActiCareにおける銀成分または銀錯体、例えば、Tinosan SDC(登録商標)およびその他のもの(WO-A-99/18790、EP1041879B1);ならびに3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメートである。特に、上記の抗微生物保存剤の混合物も好適である。
【0059】
また、本発明には、他の「天然抗微生物活性成分」を含む組成物も含まれる。これらは、タンパク質、対応するペプチド(それら自体でまたは互いに組み合わせて)、天然の精油またはそれらの誘導体であり得る。抗菌活性を有する多くの天然の油としては、アニス、ライム、オレンジ、ローズマリー、タイム、ラベンダー、チャノキ、レモン、コムギ、レモングラス、ヒマラヤスギ、シナモン、ユーカリ、ペパーミント、バジル、ウイキョウ、メントール、オクメア・オリガヌム(ocmea origanum)、ヒダスチス・カラデンシス(Hydastis carradensis)、ベルベリダセアエ・ダセアエ(Berberidaceae daceae)、ラタニア(Ratanhiae)およびウコン(Curcuma Ionga)の油が挙げられる。特に、上記の抗微生物保存剤の混合物も好適である。
【0060】
可能な限り広い活性スペクトル、より優れた製剤可能性、または家庭用品もしくはパーソナルケア製品の製造者のためのより優れた取り扱いを達成するために、保存剤または抗微生物活性物質として使用されて最終製品に特有の抗微生物特性を与えるための異なる抗微生物活性成分の混合物が供給される。
【0061】
このために、先に「さらなる抗微生物活性成分」および/または「他の抗微生物保存剤」と記載した殺生物物質の濃縮混合物を、家庭用品またはパーソナルケア製品の製剤において使用することができる原料を得るための比で共に混合する。
【0062】
殺生物剤(BIOCIDE)の組合せ(混合物)における個々の殺生物物質の濃度は、1%〜99%の間、特に10%〜90%の間である。家庭用品およびパーソナルケア製品におけるこれらの殺生物剤(BIOCIDE)の組合せの使用濃度は、典型的には0.05%〜5%の範囲、特に0.05%〜2%の範囲である。
【0063】
さらなる殺生物剤の組合せは、例えば、以下の通りである。
【0064】
先に挙げたすべての殺生物剤(BIOCIDE)の組合せ(混合物)において、2種の殺生物剤の組合せにおける殺生物剤の重量比は、1:1または1:2または1:3または1:4または1:5または1:6または1:7または1:8または1:9または1:10または2:1または3:1または4:1または5:1または6:1または7:1または8:1または9:1または10:1である。いくつかの場合には、前記比は、さらに1:10〜1:100の間、または10:1〜100:1の間であってもよい。
【0065】
以下のものが製剤中に存在してもよい:
表「1,3-ジオール類」中に記載される「ジオール」は、さらなる殺生物剤と組み合わせて使用され得る。
【0066】
「殺生物剤(BIOCIDE)」は(表1に示すように)、BIOCIDE 1、またはBIOCIDE 2、またはBIOCIDE 3、またはBIOCIDE 4、またはBIOCIDE 5、またはBIOCIDE 6、またはBIOCIDE 7、またはBIOCIDE 8、またはBIOCIDE 9、またはBIOCIDE 10、またはBIOCIDE 11、またはBIOCIDE 12、またはBIOCIDE 13、またはBIOCIDE 14、またはBIOCIDE 15、またはBIOCIDE 16、またはBIOCIDE 17、またはBIOCIDE 18、またはBIOCIDE 19、またはBIOCIDE 20、またはBIOCIDE 21、またはBIOCIDE 22、またはBIOCIDE 23、またはBIOCIDE 24、またはBIOCIDE 25、またはBIOCIDE 26、またはBIOCIDE 27、またはBIOCIDE 28、またはBIOCIDE 29、またはBIOCIDE 30、またはBIOCIDE 31、またはBIOCIDE 32、またはBIOCIDE 33、またはBIOCIDE 34、またはBIOCIDE 35、またはBIOCIDE 36、またはBIOCIDE 37、またはBIOCIDE 38、またはBIOCIDE 39、またはBIOCIDE 40、またはBIOCIDE 41、またはBIOCIDE 42、またはBIOCIDE 43、またはBIOCIDE 44、またはBIOCIDE 45、またはBIOCIDE 46、またはBIOCIDE 47、またはBIOCIDE 48、またはBIOCIDE 49、またはBIOCIDE 50、またはBIOCIDE 51、またはBIOCIDE 52、またはBIOCIDE 53、またはBIOCIDE 54、またはBIOCIDE 55、またはBIOCIDE 56、またはBIOCIDE 57、またはBIOCIDE 58、またはBIOCIDE 59、またはBIOCIDE 60、またはBIOCIDE 61、またはBIOCIDE 62、またはBIOCIDE 63、またはBIOCIDE 64、またはBIOCIDE 65、またはBIOCIDE 66、またはBIOCIDE 67、またはBIOCIDE 68、またはBIOCIDE 69、またはBIOCIDE 70、またはBIOCIDE 71、またはBIOCIDE 72、またはBIOCIDE 73、またはBIOCIDE 74、またはBIOCIDE 75、またはBIOCIDE 76、またはBIOCIDE 77、またはBIOCIDE 78、またはBIOCIDE 79、またはBIOCIDE 80、またはBIOCIDE 81、またはBIOCIDE 82、またはBIOCIDE 83、またはBIOCIDE 84、またはBIOCIDE 85、またはBIOCIDE 86、またはBIOCIDE 87、またはBIOCIDE 88、またはBIOCIDE 89、またはBIOCIDE 90、またはBIOCIDE 91、またはBIOCIDE 92、またはBIOCIDE 93、またはBIOCIDE 94、またはBIOCIDE 95、またはBIOCIDE 96、またはBIOCIDE 97、またはBIOCIDE 98、またはBIOCIDE 99、またはBIOCIDE 100、またはBIOCIDE 101、またはBIOCIDE 102、またはBIOCIDE 103、またはBIOCIDE 104、またはBIOCIDE 105、またはBIOCIDE 106、またはBIOCIDE 107、またはBIOCIDE 108、またはBIOCIDE 109、またはBIOCIDE 110、またはBIOCIDE 111、またはBIOCIDE 112、またはBIOCIDE 113、またはBIOCIDE 114、またはBIOCIDE 115、またはBIOCIDE 116、またはBIOCIDE 117、またはBIOCIDE 118、またはBIOCIDE 119、またはBIOCIDE120、またはBIOCIDE 121、またはBIOCIDE 122、またはBIOCIDE 123、またはBIOCIDE 124、またはBIOCIDE 125、またはBIOCIDE 126、またはBIOCIDE 127、またはBIOCIDE 128、またはBIOCIDE 129、またはBIOCIDE 130、またはBIOCIDE 131、またはBIOCIDE 132、またはBIOCIDE 133、またはBIOCIDE 134、またはBIOCIDE 135、またはBIOCIDE 136、またはBIOCIDE 137、またはBIOCIDE 138、またはBIOCIDE 139、またはBIOCIDE 140、またはBIOCIDE 141、またはBIOCIDE 142、またはBIOCIDE 143、またはBIOCIDE 144、またはBIOCIDE 145、またはBIOCIDE 146、またはBIOCIDE 147、またはBIOCIDE 148、またはBIOCIDE 149、またはBIOCIDE 150、またはBIOCIDE 151、またはBIOCIDE 152、またはBIOCIDE 153、またはBIOCIDE 154、またはBIOCIDE 155、またはBIOCIDE 156、またはBIOCIDE 157、またはBIOCIDE 158、またはBIOCIDE 159、またはBIOCIDE 160、またはBIOCIDE 161、またはBIOCIDE 162、またはBIOCIDE 163、またはBIOCIDE 164、またはBIOCIDE 165、またはBIOCIDE 166、またはBIOCIDE 167、またはBIOCIDE 168、またはBIOCIDE 169、またはBIOCIDE 170、またはBIOCIDE 171、またはBIOCIDE 172、またはBIOCIDE 173、またはBIOCIDE 174、またはBIOCIDE 175、またはBIOCIDE 176、またはBIOCIDE 177、またはBIOCIDE 178、またはBIOCIDE 179、またはBIOCIDE 180、またはBIOCIDE 181、またはBIOCIDE 182、またはBIOCIDE 183、またはBIOCIDE 184、またはBIOCIDE 185、またはBIOCIDE 186、またはBIOCIDE 187、またはBIOCIDE 188、またはBIOCIDE 189、またはBIOCIDE 190、またはBIOCIDE 191、またはBIOCIDE 192、またはBIOCIDE 193、またはBIOCIDE 194、またはBIOCIDE 195、またはBIOCIDE 196、またはBIOCIDE 197、またはBIOCIDE 198、またはBIOCIDE 199、またはBIOCIDE 200、またはBIOCIDE 201、またはBIOCIDE 202、またはBIOCIDE 203、またはBIOCIDE 204、またはBIOCIDE 205、またはBIOCIDE 206、またはBIOCIDE 207、またはBIOCIDE 208、またはBIOCIDE 209、またはBIOCIDE 210、またはBIOCIDE 211、またはBIOCIDE 212、またはBIOCIDE 213、またはBIOCIDE 214、またはBIOCIDE 215、またはBIOCIDE 216、またはBIOCIDE 217、またはBIOCIDE 218、またはBIOCIDE 219、またはBIOCIDE 220、またはBIOCIDE 221、またはBIOCIDE 222、またはBIOCIDE 223、またはBIOCIDE 224、またはBIOCIDE 225、またはBIOCIDE 226、またはBIOCIDE 227、またはBIOCIDE 228、またはBIOCIDE 229、またはBIOCIDE 230、またはBIOCIDE 231、またはBIOCIDE 232、またはBIOCIDE 233、またはBIOCIDE 234、またはBIOCIDE 235、またはBIOCIDE 236、またはBIOCIDE 237、またはBIOCIDE 238、またはBIOCIDE 239、またはBIOCIDE 240、またはBIOCIDE 241、またはBIOCIDE 242、またはBIOCIDE 243、またはBIOCIDE 244、またはBIOCIDE 245、またはBIOCIDE 246、またはBIOCIDE 247、またはBIOCIDE 248、またはBIOCIDE 249、またはBIOCIDE 250、またはBIOCIDE 251、またはBIOCIDE 252、またはBIOCIDE 253、またはBIOCIDE 254、またはBIOCIDE 255、またはBIOCIDE 256、またはBIOCIDE 257、またはBIOCIDE 258、またはBIOCIDE 259、またはBIOCIDE 260、またはBIOCIDE 261、またはBIOCIDE 262、またはBIOCIDE 263、またはBIOCIDE 264、またはBIOCIDE 265、またはBIOCIDE 266、またはBIOCIDE 267、またはBIOCIDE 268、またはBIOCIDE 269、またはBIOCIDE 270、またはBIOCIDE 271、またはBIOCIDE 272、またはBIOCIDE 273、またはBIOCIDE 274、またはBIOCIDE 275、またはBIOCIDE 276、またはBIOCIDE 277、またはBIOCIDE 278、またはBIOCIDE 279、またはBIOCIDE 280、またはBIOCIDE 281、またはBIOCIDE 282、またはBIOCIDE 283、またはBIOCIDE 284、またはBIOCIDE 285、またはBIOCIDE 286、またはBIOCIDE 287、またはBIOCIDE 289、またはBIOCIDE 290、またはBIOCIDE 291、またはBIOCIDE 292、またはBIOCIDE 293、またはBIOCIDE 294、またはBIOCIDE 295、またはBIOCIDE 296、またはBIOCIDE 297、またはBIOCIDE 298、またはBIOCIDE 299、またはBIOCIDE 300、またはBIOCIDE 301、またはBIOCIDE 302、またはBIOCIDE 303、またはBIOCIDE 304、またはBIOCIDE 305、またはBIOCIDE 306、またはBIOCIDE 307、またはBIOCIDE 308、またはBIOCIDE 309、またはBIOCIDE 310、またはBIOCIDE 311、またはBIOCIDE 312、またはBIOCIDE 313、またはBIOCIDE 314、またはBIOCIDE 315、またはBIOCIDE 316、またはBIOCIDE 317、またはBIOCIDE 318、またはBIOCIDE 319、またはBIOCIDE 320、またはBIOCIDE 321、またはBIOCIDE 322、またはBIOCIDE 323、またはBIOCIDE 324、またはBIOCIDE 325、またはBIOCIDE 326、またはBIOCIDE 327、またはBIOCIDE 328、またはBIOCIDE 329、またはBIOCIDE 330、またはBIOCIDE 331、またはBIOCIDE 332、またはBIOCIDE 333、またはBIOCIDE 334、またはBIOCIDE 335、またはBIOCIDE 336、またはBIOCIDE 337、またはBIOCIDE 338、またはBIOCIDE 339、またはBIOCIDE 340、またはBIOCIDE 341、またはBIOCIDE 342、またはBIOCIDE 343、またはBIOCIDE 344、またはBIOCIDE 345、またはBIOCIDE 346、またはBIOCIDE 347、またはBIOCIDE 348、またはBIOCIDE 349、またはBIOCIDE 350、またはBIOCIDE 351、またはBIOCIDE 352、またはBIOCIDE 353、またはBIOCIDE 354、またはBIOCIDE 355、またはBIOCIDE 356、またはBIOCIDE 357、またはBIOCIDE 358、またはBIOCIDE 359、またはBIOCIDE 360、またはBIOCIDE 361、またはBIOCIDE 362、またはBIOCIDE 363、またはBIOCIDE 364、またはBIOCIDE 365、またはBIOCIDE 366、またはBIOCIDE 367、またはBIOCIDE 368、またはBIOCIDE 369、またはBIOCIDE 370、またはBIOCIDE 371、またはBIOCIDE 372、またはBIOCIDE 373、またはBIOCIDE 374、またはBIOCIDE 375、またはBIOCIDE 376、またはBIOCIDE 377、またはBIOCIDE 378、またはBIOCIDE 379、またはBIOCIDE 380、またはBIOCIDE 381、またはBIOCIDE 382、またはBIOCIDE 383、またはBIOCIDE 384、またはBIOCIDE 385、またはBIOCIDE 386、またはBIOCIDE 387、またはBIOCIDE 388、またはBIOCIDE 389、またはBIOCIDE 390、またはBIOCIDE 391、またはBIOCIDE 392、またはBIOCIDE 393、またはBIOCIDE 394、またはBIOCIDE 395、またはBIOCIDE 396、またはBIOCIDE 397、またはBIOCIDE 398、またはBIOCIDE 399、またはBIOCIDE 400、またはBIOCIDE 401、またはBIOCIDE 402、またはBIOCIDE 403、またはBIOCIDE 404、またはBIOCIDE 405、またはBIOCIDE 406、またはBIOCIDE 407、またはBIOCIDE 408、またはBIOCIDE 409、またはBIOCIDE 410、またはBIOCIDE 411、またはBIOCIDE 412、またはBIOCIDE 413、またはBIOCIDE 414、またはBIOCIDE 415、またはBIOCIDE 416、またはBIOCIDE 417、またはBIOCIDE 418、またはBIOCIDE 419、またはBIOCIDE 420、またはBIOCIDE 421、またはBIOCIDE 422、またはBIOCIDE 423、またはBIOCIDE 424、またはBIOCIDE 425、またはBIOCIDE 426、またはBIOCIDE 427、またはBIOCIDE 428、またはBIOCIDE 429、またはBIOCIDE 430、またはBIOCIDE 431、またはBIOCIDE 432、またはBIOCIDE 433、またはBIOCIDE 434、またはBIOCIDE 435、またはBIOCIDE 436、またはBIOCIDE 437、またはBIOCIDE 438、またはBIOCIDE 439、またはBIOCIDE 440、またはBIOCIDE 441、またはBIOCIDE 442、またはBIOCIDE 443、またはBIOCIDE 444、またはBIOCIDE 445、またはBIOCIDE 446、またはBIOCIDE 447、またはBIOCIDE 448、またはBIOCIDE 449、またはBIOCIDE 450、またはBIOCIDE 451、またはBIOCIDE 452、またはBIOCIDE 453であり得る。
【0067】
特に、有機化合物を含む水性調製物はしばしば微生物にとっての良い栄養媒体であり、殺生物剤を加えることにより保存しなければならない。
【0068】
液体調製物は、一般に、少なくとも1種の溶媒および少なくとも1種のさらなる化学化合物を含み、該化学化合物は有機化合物(例えば、ポリマーを含む)または無機化合物のいずれかである。一般に、このタイプの調製物は、調製物の特定の意図される用途のために望まれるまたは必要とされる多くのさらなる異なる化合物を含む。
【0069】
好適な溶媒は、水もしくは有機溶媒または水および有機溶媒(例えばアルコール)の混合物である。後者の場合、それらは均質な混合物または有機溶媒中に水を含むエマルションもしくはその逆のエマルションであってよい(油中水型エマルションまたは水中油型エマルション)。調製物のさらなる成分は、溶媒中に溶解、乳化または分散されている。
【0070】
ジオールは、1種以上の保存ブースター、例えば、エチルヘキシルグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、PEG 40-水素化ひまし油、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、4-メチル-4-フェニル-2-ペンタノールを含むパーソナルケア製品または家庭用品に製剤することもできる。
【0071】
液体調製物は、例えば、ポリマー分散物またはポリマー溶液であってよく、場合によりさらなる添加剤、例えば顔料、染料、安定剤、増粘剤、流動助剤、乳化剤および共乳化剤、界面活性剤、油、他の保存剤、香油、美容ケア物質および活性成分、例えば、AHA酸、フルーツ酸、セラミド、フィタントリオール、コラーゲン、ビタミンおよびプロビタミン、例えばビタミンA、EおよびC、レチノール、ビサボロール、パンテノール、天然および合成光保護剤、天然物質、乳白剤、溶解促進剤、忌避剤、漂白剤、色素、着染剤、日焼け剤(例えばジヒドロキシアセトン)、酸化チタンまたは酸化亜鉛などの微細顔料、過脂肪剤、真珠光沢ワックス、可溶化剤、錯化剤、脂肪、ワックス、シリコーン化合物、ヒドロトロープ、染料、pH調節剤、反射剤、タンパク質およびタンパク質加水分解物、塩、ゲル化剤、さらなる稠度調節剤、シリコーン、保水剤、再脂肪化(refatting)剤、UV光保護フィルター、抗酸化剤、消泡剤、帯電防止剤、皮膚軟化剤、軟化剤、過酸化物等を含む。
【0072】
調製物は抗菌金属塩を含むこともできる。この群には、3b〜7b族、8族および3a〜5a族の金属塩が含まれる。アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、金、銀および銅の塩が特に有用である。
【0073】
さらに、調製物は、錯化剤、例えばEDTA、EDETA、キトサン誘導体またはNTAを含むことができる。このような錯化剤は、本明細書に記載されるジオールと共に付加的効果または相乗効果を生じさせることができる。
【0074】
ジオールは、ヘアケア製剤に組み入れることも可能であり、またはフケに対して活性な外用薬を構成することも可能である。これは、特に他の抗微生物剤、例えば、亜鉛ピリチオン、オクトピロックス(octopirox)、クリンバゾール(climbazole)、硫黄、イミダゾール誘導体、サリチル酸誘導体またはタンパク質もしくはペプチド(例えば、WO 2009 080306 A1に記載されるもの)と組み合わせた場合に当てはまる。
【0075】
ジオールは、パーソナルケアおよび家庭用製品(例えば脇の下用消臭剤、脇の下用制汗剤(perspirant)/消臭剤、エアフレッシュニングエアロゾルとして)の消臭活性成分として使用することも可能である。本発明には、特に、トリクロサン(triclosan)、トリクロカルバン(triclocarban)、有機酸、例えば安息香酸、ソルビン酸、銀化合物、例えばチノサンSDC (tinosan SDC)、または本明細書に記載されるジオールより選択される1種以上の代表例と組み合わせたパーソナルケアおよび家庭用消臭剤が含まれる。本発明には、さらに、1種の消臭活性成分および1種以上の制汗活性成分(例えばアルミニウムクロロハイドレート、ジルコニウムクロロハイドレートおよび他のアルミニウム、亜鉛またはジルコニウムの塩、アルコール、錯化剤または抗酸化剤)を含むパーソナルケア組成物が含まれる。
【0076】
エステラーゼ阻害剤もさらなる消臭活性成分として前記調製物に加えることができる。該阻害剤は、特に、クエン酸トリアルキル、例えばクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチルおよび特にクエン酸トリエチル(Hydagen CAT, Henkel)である。それらは酵素活性を阻害し、それにより体臭の形成を減少させる。さらに、硫酸ステロールまたはリン酸ステロール、例えば、ラノステロール、コレステロール、ジカルボン酸およびそのエステルもエステラーゼ阻害剤として使用することができる。いくつかの調製物において、このような成分は本明細書に記載されるジオールの抗微生物効果を増強することまたは量的に変化させることができる。
【0077】
ジオールは、単独でまたは混合物として、ざ瘡の治療に使用することができる。例えば、本明細書に記載されるジオールと他の物質、例えばフェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、塩化ベンザルコニウム、臭化セトリモニウム、塩化ベンゼトニウムまたはサリチル酸との組合せを使用することが可能である。ざ瘡ができている皮膚の領域に混合物を適用すると、該混合物は抗ざ瘡効果を発揮するであろう。
【0078】
本発明の代表例において、非常にさまざまなアニオン性界面活性剤が有用である。アニオン性界面活性剤の非限定的な例は、アルキルスルフェートおよびアルキルエーテルスルフェートの群より、またはスルホン化モノグリセリド、スルホン化オレフィン、アルキルアリールスルホネート、第一級または第二級アルカンスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、スルホン化メチルエステル、スルホン化脂肪酸、アルキルホスフェート、アシルグルタメート、アシルサルコシネート、アルキルスルホアセテート、アシル化ペプチド、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルラクチレート、アニオン性フルオロ界面活性剤およびそれらの混合物からなる群より選択され得る。アニオン性界面活性剤は、本発明のいくつかの代表例において有効に使用することができる。
【0079】
本発明は、1種以上の非イオン性界面活性剤からなるパーソナルケアおよび家庭用製品を含む。いくつかの非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシドと反応性水素原子および長い疎水性鎖(C12〜C20)を有する全く異なる構成要素との縮合生成物である。このような生成物(エトキサマー)は、例えばポリ(エチレンオキシド)と脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪アミド、多価アルコールおよびポリプロピレンオキシドとの縮合生成物のような長い親水性ポリオキシエチレンサブユニットを含む。
【0080】
ポリオキサマーは、例えば、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロックコポリマーを含み、その平均分子量は3000〜5000であり、好ましい平均分子量は3500〜4000である。それらは、ブロックコポリマーの重量に対して約10〜80%の親水性ポリオキシエチレン基を含む(例えば、Pluronic F127)。他の非イオン性界面活性剤は、例えば、アルキルポリグルコシド、アルカノールアミド、脂肪酸とエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとのエーテル、アミンオキシド(例えばコカミドプロピルアミンオキシド)である。
【0081】
本発明はまた、1種以上の両性界面活性剤を含む、パーソナルケアおよび家庭用製品の部門に属する調製物を含む。両性界面活性剤の非限定的な例として、第二級または第三級脂肪族アミン誘導体(ここで、少なくとも8〜22個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖脂肪族鎖およびアニオン基、例えばカルボキシレート、スルホネート、スルフェート、ホスフェートまたはホスホネート)、アシル/ジアルキルエチレンジアミン、アシルアンホアセテート、アシルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、アシルアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、アシルアンホ酢酸二ナトリウム、アシルアンホプロピオン酸ナトリウム(ここで、アシル基はアルキル基またはアルケニル基のいずれかを有する)、N-アルキルアミノ酸またはN-アルキルイミノ酸、例えばアミノプロピルアルキルグルタミド、アルキルアミノプロピオン酸、アルキルイミノプロピオン酸ナトリウム、アルキルグリシネートおよびカルボキシグリシネートまたはココグリシン酸ナトリウム、C8〜C18-ベタイン、C8〜C18-スルホベタイン、C8〜C24-アルキルアミド-C1〜C4-アルキレンベタイン、イミダゾリンカルボキシレート、アルキルアンホカルボキシカルボン酸、アルキルアンホカルボン酸(例えば、ラウロアンホグリシネート)およびN-アルキル-β-アミノプロピオネートまたはN-アルキル-β-イミノジプロピオネートが挙げられる。
【0082】
特定の代表例において、両性界面活性剤は、C10〜C20-アルキルアミド-C1〜C4-アルキレンベタインおよび/またはココナッツ脂肪酸アミドプロピルベタインを含む。
【0083】
本発明は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤の組合せからなる、パーソナルケアおよび家庭用製品の部門に属する調製物を含む。
【0084】
ジオールはまた、パーソナルケアまたは家庭用製品において「マイルドさを高める」薬剤と一緒に製剤することができる。このような「マイルドさを高める」薬剤は、例えば、カチオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマー、共界面活性剤、保湿物質またはそれらの混合物であり得る。
【0085】
記載された製剤において、多くの場合に、ストレス安定性および貯蔵安定性を改善するために安定剤も組み入れられる。いくつかの代表例において、ヒドロキシ基を含む安定剤、例えば、12-ヒドロキシステアリン酸、9,10-ジヒドロキシステアリン酸、トリ-9,10-ジヒドロキシステアリンおよびトリ-12-ヒドロキシステアリン(主としてトリ-12-ヒドロキシステアリンからなる水素化ひまし油)を使用することが好ましい。いくつかの代表例において、抗微生物調製物に加えられる安定剤は、ポリマー増粘剤からなる。増粘剤は、液体調製物の粘度を増大させることができる物質である。増粘剤は2つのグループ、すなわち、水を基剤とする製剤において最良の効果を発揮するものと、油を基剤とする製剤において最良の効果を発揮するものとに分けられる。
【0086】
増粘剤は、その起源によっても分類することができ(例えば、合成ポリマー、天然ポリマーおよびそれらの誘導体、鉱物ポリマー)、またはそれらのイオン特性(アニオン性、カチオン性、非イオン性または両性増粘剤)によっても分類することができる。
【0087】
本発明のいくつかの抗微生物調製物中に存在し得る別のクラスの安定剤には、分散アモルファスシリカ、例えば、蒸発シリカ(evaporated silica)、沈殿シリカおよびそれらの混合物が含まれる。用語「分散アモルファスシリカ」は、シリカ凝集体の平均粒径が100ミクロン未満である微細に粉砕された非結晶シリカを指す。
【0088】
安定剤としてアモルファスシリカを使用するいくつかの代表例において、アモルファスシリカを、0.1〜10%の範囲、好ましくは0.25〜8%の範囲、特に好ましくは0.5〜5%の範囲で加える。
【0089】
本発明の抗微生物調製物に使用される別のクラスの安定剤は、ベントナイトおよびヘクトライトの群に属する分散粘土含有土(分散されたスメクタイト(smectide)粘土)およびそれらの混合物である。ベントナイトは、コロイド硫酸アルミニウムを含有するロームである。ヘクトライトは、ナトリウム、マグネシウム、リチウム、ケイ素、酸素、水素およびフッ素からなるロームである。清浄化組成物に分散粘土含有土を使用する場合には、それらは、通常、製剤中に0.1〜10%、好ましくは0.25〜8%、特に好ましくは0.5〜5%組み入れられる。
【0090】
本発明の代表例において、安定化のために、不動態化剤、例えば、ヘクトライト、ベントナイト、モンモリロナイト(montmorollonite)、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、バイデライト、アレバダイト、イライト、ハロイサイト、アタパルガイト、セピオライトおよび/またはタルクも使用することができる。これらの物質は、消臭製品、エアロゾルまたはスティックにおいて、溶液中に存在する制汗剤を維持するためにしばしば使用される。
【0091】
さらなる安定剤、例えば脂肪酸または脂肪アルコールも同様に、本明細書中で言及される多くの製剤において使用することができる。
【0092】
その他にも、ジオールに加えてさらに別の成分が抗微生物調製物中に存在してもよい。これらの成分は、とりわけ、以下の機能クラス:研磨剤、抗ざ瘡活性成分、抗ケーキング活性成分、抗酸化剤、結合剤、生物学的添加剤、増量剤、錯化剤、化学的添加剤、染料、化粧用収斂薬、化粧用殺生物薬、変性剤、乳化剤、皮膚軟化薬、薄膜形成剤、香料、保水剤、不透明顔料、保存剤、噴射剤、還元剤、皮膚漂白物質、スキンケア剤、皮膚保護剤、しわ防止活性成分、アジュバント、溶媒、泡ブースター、ハイドロトロープ剤、溶解促進剤、分散剤、ゲル形成剤、日焼け防止剤、UV光フィルター、粘性ブースターまたは減少剤、抗生物膜活性成分、抗歯垢活性成分、抗歯肉炎活性成分、抗歯周炎活性成分、香味料、甘味料、フッ素化剤、酵素、ペプチドに分類することができる。
【0093】
液体調製物、特に溶媒として水を含む調製物において保存剤としてジオールを使用するためには、水が単独の溶媒であるか他の溶媒との混合物であるかが重要である。
【0094】
液体調製物は、低粘度から高粘度までの調製物であってよい。特に、有機化合物を含む水性調製物はしばしば微生物にとっての良い栄養媒体となるので、殺生物剤を加えることにより保存しなければならない。
【0095】
液体調製物は一般に、少なくとも1種の溶媒および少なくとも1種のさらなる化学化合物を含む。さらなる化学化合物は、有機化合物(例えばポリマーを含む)または無機化合物のいずれかである。一般に、このタイプの調製物は、調製物の特定の意図される用途のために望まれるまたは必要とされる多くのさらなる異なる化合物を含む。
【0096】
好適な溶媒は、水もしくは有機溶媒または水と有機溶媒(例えばアルコール)との混合物である。後者の場合、それらは均質な混合物または有機溶媒中に水を含むエマルションもしくその逆のエマルションであってよい(油中水型エマルションまたは水中油型エマルション)。調製物のさらなる成分は溶媒中に溶解、乳化または分散されている。
【0097】
液体調製物は、例えば、ポリマー分散液またはポリマー溶液であって、場合によりさらなる添加剤、例えば、顔料、染料、安定剤、増粘剤、流動補助剤、乳化剤および共乳化剤、界面活性剤、油、他の保存剤、香油、化粧品ケア物質および活性成分、例えば、AHA酸、フルーツ酸、セラミド、フィタントリオール、コラーゲン、ビタミンおよびプロビタミン、例えばビタミンA、EおよびC、レチノール、ビサボロール、パンテノール、天然および合成光保護剤、天然物質、乳白剤、溶解促進剤、忌避剤、漂白剤、色素、着染剤、日焼け剤(例えばジヒドロキシアセトン)、酸化チタンまたは酸化亜鉛などの微細顔料、過脂肪剤、真珠光沢ワックス、可溶化剤、錯化剤、脂肪、ワックス、シリコーン化合物、ハイドロトロープ剤、染料、pH調節剤、反射剤、タンパク質およびタンパク質加水分解物、塩、ゲル化剤、さらなる稠度調節剤、シリコーン、保水剤、再脂肪化(refatting)剤、UV光保護フィルター、抗酸化剤、消泡剤、帯電防止剤、皮膚軟化剤、軟化剤、過酸化物等を含む。
【0098】
液体調製物、特に溶媒として水を含む調製物において保存剤として1,3-ジオール類を使用するためには、水が単独の溶媒であるか他の溶媒との混合物であるかが重要である。
【0099】
液体調製物は、低粘度から高粘度の調製物であってよい。
【0100】
高粘度の調製物は、特に、軟膏、クリームまたはゲルでもある。
【0101】
気体調製物は、特に、スプレー、例えばエアロゾルまたはポンプスプレーである。
【0102】
調製物として、さらに、固体の安定化された製剤、スティック製剤、PIT製剤を挙げることができ、それらは、クリーム、泡、スプレー(ポンプスプレーまたはエアロゾル)、ゲル、ゲルスプレー、ローション、オイル、オイルゲルまたはムースの形態であり得る。
【0103】
液体調製物(軟膏またはクリームなどの高粘度の調製物を含む)、気体調製物、スプレー、泡またはゲルは、例えば、医療、衛生、化粧品または皮膚科の目的のものであってよく、洗剤またはクリーナーも意図される。
【0104】
調製物中の1,3-ジオール類の含有量は、調製物100重量部あたり、好ましくは0.001重量部以上、特に好ましくは0.01重量部以上、非常に好ましくは0.05重量部以上の1,3-ジオールであるべきである。意図される効果のために、100重量部の調製物あたり2重量部よりも多い、または1重量部よりも多い1,3-ジオールを使用することは、一般にあまり意味がない。
【0105】
殺生物剤として1,3-ジオール類を使用する場合、前記の調製物中に使用する場合であっても、成型物の殺生物仕上げに使用する場合であっても、ある1種の1,3-ジオールを使用することも、複数種の1,3-ジオール類の混合物を使用することも可能である。特に、1,3-ジオール類は常に他の殺生物剤と組み合わせて使用することも可能であり、それにより他の殺生物剤の効果を支援する。
【0106】
殺生物剤として、1,3-ジオール類は、ウイルス、酵母、真菌、藻類などの微生物に対して、および特に細菌(グラム陰性菌またはグラム陽性菌のいずれも)に対して、優れた効果を有する。したがって、それらは、成型物の殺生物仕上げのために好適であり、また、液体調製物、スプレー、泡またはゲルを保存するために好適であり、これらを非常に多様な微生物の攻撃および成長に対して保護することができる。
【0107】
本発明は、式(1)のジオール類の、抗微生物処理のための使用、抗微生物仕上げのための使用、皮膚、粘膜、歯の表面、爪の表面および毛髪の消臭および消毒のための使用を含む。
【0108】
本発明は、ヘアケア製品中のふけ防止剤としての式(1)のジオール類の使用を含む。
【0109】
本発明は、皮膚の感染および粘膜の感染および爪の治療のための、抗微生物活性物質としての式(1)のジオール類の使用を含む。
【0110】
本発明は、皮膚および粘膜に対する損傷を治療するための式(1)のジオール類の使用を含む。
【0111】
本発明は、医療用材料の活性物質としての式(1)のジオール類の使用を含む。
【0112】
本発明は、無生物表面および無生物材料の保存、安定化、抗微生物処理、消毒および消臭のための式(1)のジオール類の使用を含む。
【0113】
本発明は、織物の抗微生物処理のための式(1)のジオール類の使用を含む。
【0114】
本発明は、家庭用品、化粧品および医薬品を保存するための式(1)のジオール類の使用を含む。
【0115】
本発明は、洗剤およびクリーナー製剤における式(1)のジオール類の使用を含む。
【0116】
本発明は、プラスチック製品、紙製品、不織布材料、木および皮革の抗菌仕上げおよび保存のための式(1)のジオール類の使用を含む。
【0117】
本発明は、工業製品の抗微生物仕上げおよび保存のための式(1)のジオール類の使用を含む。
【0118】
本発明は、工業プロセスにおける殺生物剤としての式(1)のジオール類の使用を含む。
【0119】
本発明は、
a) 式(1)を有する請求項1に定義された物質を含む製剤の総質量に対して0.01〜15重量%
b) 化粧品として許容される成分
を含むパーソナルケア製品を含む。
【0120】
本発明は、
a) 式(1)を有する請求項1に定義された物質を含む製剤の総質量に対して0.01〜15重量%
b) 口腔に入れることが許容される成分
を含む口腔ケア製品を含む。
【0121】
本発明は、
a) 式(1)を有する請求項1に定義された物質を含む製剤の総質量に対して0.01〜15重量%
b) 製薬上許容される成分
を含む医薬品を含む。
【0122】
本発明は、生物膜を阻害するおよび/または生物膜を破壊するおよび/または生物膜を形成することができる微生物を阻害するまたは死滅させるための、式(1)のジオール類の使用を含む。
【実施例】
【0123】
ジオール類の抗微生物活性を評価するためにさまざまな試験をおこなった。まず、静微生物(microstatic)活性をプロピレングリコールと比較して研究した。さらに、選択されたジオール類をさまざまな化粧品製剤に、これらの製剤を保存する目的で組み入れた。ここでも、ジオール類の有効性を、保存を目的とする他の同等の市販品の保存活性と比較した。
【0124】
静微生物活性
1,3-ジオール類を殺生物剤として試験して、プロピレングリコール(溶媒として使用した)、1,2-ペンタンジオール(高い殺生物効果が知られている)および2,4-ペンタンジオール(低い殺生物効果)と比較した。
【0125】
このために、いずれの場合にも、40重量%強度のジオールのプロピレングリコール中の溶液を60℃で調製した。
【0126】
この溶液を、栄養媒体である2倍強度ダイズ溶液(2倍強度トリプトンダイズブロス)により、1:1の体積比で希釈した。ダイズ溶液によりさらに希釈して、以下の濃度の溶液を製造した。
【0127】
400,000 ppm(40%)、200,000 ppm(20%)、100,000 ppm(10%)、50,000 ppm(5%)、25,000 ppm(2.5%)、12,500 ppm(1.25%)、6250 ppm(0.625%)、3125 ppm(0.3125%)。
【0128】
さまざまな細菌および真菌に対する殺生物効果を試験するために、以下の微生物を使用した。
【0129】
細菌:
P. aeruginosa NCIMB 10421
S. aureus NCIMB 9578
E. coli NCIMB 8545
P. vulgaris NCIMB 4175
真菌:
C. albicans NCPF 3179
A. niger IMI 149007
純粋なダイズ溶液を負の対照として使用した。使用した正の対照は、0.1 mlのそれぞれの微生物により処理した5 mlのダイズ溶液の溶液であった。試験溶液は、5 mlの上記の特定の濃度を有するジオール類のダイズ溶液を0.1 mlのそれぞれの微生物と混合したものから構成された。
【0130】
サンプルおよび対照を、細菌の場合には30℃で48時間、真菌の場合には25℃で5日間インキュベートした。
【0131】
いずれの場合にも、MIC(最低阻害濃度)値を決定した。この値は、それよりも高い濃度では、ジオールを加えない対応するサンプルと比較して微生物の成長が目に見えて妨げられた最低濃度を示す。
【0132】
MIC値が低いほど、殺生物効果が大きい。
【0133】
視覚による評価の後に試験溶液が正の対照と同等である場合、試験は正であると判定された。例えば、これは混濁の発生または目に見える微生物の成長から明白であった。試験溶液が負の対照と同一の外観を有した場合には試験は負であると判定された。
【0134】
述べられたMIC値は、正の試験のすぐ上の濃度と、最初の負の試験と同一の濃度および/またはそれよりも低い濃度との間の範囲である。
【0135】
以下の表のそれぞれの最後の行に、「最大」値を示す。この値は、それぞれの場合において一連の試験された微生物から測定された最も高いMIC値を示す。
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【0136】
殺微生物活性
本発明の物質の殺菌活性を、欧州標準EN 1040に相当する懸濁液試験により試験し、従来の市販品の活性と比較した。このために、比較的小さい修正のみをおこなった。
【0137】
本明細書に記載される1,3-ジオール類から選択したものを、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して、ならびに酵母およびカビに対して試験した。選択された結果を表2に示す。
【0138】
式(1)の物質を水またはエタノールに溶解して1%強度の保存溶液を作った。
【0139】
殺細菌活性を測定するために、水溶液中に1000 ppmの活性物質が存在するように試験混合物を選択した。方法は比較サンプルと同じであった。
【0140】
表2に示した結果を得るために、試験混合物を以下の細菌株により、記載された菌密度が試験混合物中に存在するように接種した。
【0141】
E. coli ATCC 10536 1〜2×107 CFU/ml
S. aureus ATCC 6538 1〜2×107 CFU/ml
P. aeruginosa ATCC 15442 1〜2×107 CFU/ml
試験混合物を室温(22℃±2℃)でインキュベートした。一定の接触時間の後、1 mlのアリコートを取り、生存している菌数を測定した。ジオール類の殺微生物活性の不活性化のために、アリコートを10% Tween、3%レシチン、0.1%ヒスチジンおよび0.5%チオ硫酸ナトリウムを含むTSブロスの溶液により1:10希釈段階で希釈し、10-2および10-3希釈段階を生存菌数の測定に使用した。この目的で、対応するアリコートを阻害剤(Merck)を含むCaso培地上に蒔き、37℃で24時間インキュベートした。
【0142】
殺真菌活性を、欧州標準EN 1275に従って測定し、従来の市販品の活性と比較した(わずかな修正のみをおこなった)。
【0143】
式(1)の物質を水またはエタノールに溶解して1%強度の保存溶液を作った。
【0144】
ジオール類の酵母に対する殺微生物活性を測定するために、水溶液中に1000 ppmの活性物質が存在するように試験混合物を選択した。
【0145】
カビに対する殺菌効果を測定するために、試験において1%の活性物質濃度を選択した。方法は比較サンプルと同じであった。
【0146】
表2に示した結果を得るために、試験混合物を以下の酵母およびカビ株により、記載された菌密度が試験混合物中に存在するように接種した。
【0147】
C. albicans ATCC 10231 1〜2×106 CFU/ml
A. niger ATCC 16404 1〜2.5×105 CFU/ml
試験混合物を室温(22℃±2℃)でインキュベートした。一定の接触時間の後、1 mlのアリコートを取り、生存している菌数を測定した。ジオール類の殺微生物活性の不活性化のために、アリコートを10% Tween、3%レシチン、0.1%ヒスチジンおよび0.5%チオ硫酸ナトリウムを含むSabouraud培地の溶液により1:10希釈段階で希釈し、10-2、10-3および10-4希釈段階を生存菌数の測定に使用した。このために、対応するアリコートを阻害剤を含むSabouraud培地上に蒔き、30℃で2日間インキュベートした。
【0148】
確認された生存菌数を、いずれの場合にも、水を含有する混合物(水の対照)を基準として生存菌数における対数減少を決定することにより、水の対照と比較した。
【0149】
試験結果の抜粋を表2に示す。
【0150】
表2:ジオール類の殺微生物活性をさまざまな市販品と比較するために実施した懸濁液試験の結果
【表16】

【0151】
ジオール類の保存活性
ジオール類の保存活性を測定するために保存ストレス試験(PST)をおこなった。
【0152】
この方法は、化粧品および家庭用品などの工業製品ならびに工業用原料(染料、液体石鹸、シャンプー、乳液、クリーム等)における十分な保存を確認するのに役立つ。
【0153】
使用に際しては、製品は、貯蔵され、おそらく何度か蓋を開けられ、詰め替えられるなどの扱いを受ける。これにより、微生物による汚染が起こる可能性がある。
【0154】
保存ストレス試験において、これを人工的な微生物負荷によりシミュレートする。微生物は混合された集団として接種しても、互いに独立した混合物として個々に接種してもよい。接種された製品サンプルを所定の条件下でインキュベートし、所定の時間の後、サンプルを取って、菌負荷を測定する。十分な保存の場合には、例えばPh. Eur. 6.0に特定される要求を満たすためには、微生物の数は、そのタイプに依存して、減少するか一定数を維持するかのいずれかでなければならない。
【0155】
ジオール類の保存効果を研究するために、典型的な適用量のジオール類を、製剤例に組み入れた。存在するジオール類によるこれらの製剤の保存を、同じ濃度のさまざまな同等の参考製品による製剤の保存と比較した。
【0156】
製剤例1:標準エマルションO/W
【表17】

【0157】
製剤例2:ロールオン消臭製剤
【表18】

【0158】
これらの製剤例を使用して、それぞれ1%の活性物質を含む、またはプラセボ混合物として活性物質の代わりに水を含むさまざまな混合物を調製した。
【0159】
これらの混合物に、いずれの場合にも、試験混合物中に105〜106 CFU/gの菌負荷が存在するように、試験する微生物を接種した。細菌は、個々に接種に使用するか、混合培養として使用した。
【0160】
開始時の菌数を測定するために、接種の直後にアリコートを取り、希釈培地(1% Tween 80 + 0.3%ダイズレシチンを加えたリン酸緩衝液、0.07モル、pH7.4(±0.2))により希釈し、10-1〜10-3の希釈段階で生存菌数を測定した。
【0161】
次に、接種された製品サンプルを20〜25℃で合計28日間インキュベートした。2日後、7日後、14日後および28日後にアリコートを取り、希釈培地(1% Tween 80 + 0.3%ダイズレシチンを加えたリン酸緩衝液、0.07モル、pH7.4(±0.2))により希釈した。10-1〜10-4の希釈段階で生存菌数を測定した。菌数の減少を決定するために取った基準点は、それぞれのサンプルの開始時の値であった。結果を対数減少として得た。
【0162】
以下の株を試験に使用した。
【0163】
E. coli ATCC 10536
S. aureus ATCC 6538
P. aeruginosa ATCC 15442
C. albicans ATCC 10231
A. niger ATCC 16404
製剤例1および2による保存ストレス試験の結果を以下の表に示す。
【0164】
表2.1:製剤例1(標準エマルションO/W)におけるPSTの結果、参照製品
【表19】

【0165】
表2.1:製剤例1(標準エマルションO/W)におけるPSTの結果、ジオール類
【表20】

【0166】
表2.2:製剤例2(ロールオン消臭剤)におけるPSTの結果
【表21】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺生物活性成分としてのジオールの使用であって、ジオールが、式I
【化1】

[式中、R1およびR2は、互いに独立して、それぞれ少なくとも1個の炭素原子を有する有機基であり、または、R1およびR2は、一緒になって、少なくとも4個の炭素原子を有する、場合により置換されていてもよい環系を形成する]
のジオール(以下では、略して1,3-ジオールと呼ばれる)である、前記使用。
【請求項2】
R1およびR2が、互いに独立して、1〜12個の炭素原子を有する炭化水素基であるか、または、R1およびR2が、一緒になって、脂環式環系を形成する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
R1およびR2が、互いに独立して、C1〜C12-アルキル基であり、R1およびR2における炭素原子の合計が16個以下である、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
R1およびR2が、互いに独立して、C1〜C10-アルキル基であり、R1およびR2における炭素原子の合計が12個以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
R1およびR2が、合計で12個以下の炭素原子を有し、かつ、場合により環系の中に二重結合を有する脂環式環系を形成する、請求項1または2に記載の使用。
【請求項6】
1,3-ジオールが、
2-メチル-2-フェニルプロパン-1,3-ジオール(MPPD)、
2-シクロヘキシル-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(CHMPD)、
2-エチル-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(EMPD)、
2-ブチル-2-エチルプロパン-1,3-ジオール(BEPD)、
2-ペンチル-2-プロピルプロパン-1,3-ジオール(PPPD)、
2-(2-メチルブチル)-2-プロピルプロパン-1,3-ジオール(MBPPD)、
2-イソプロピル-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(IMPD)、
2-イソプロピル-2-(3-メチルブチル)プロパン-1,3-ジオール(IMBPD)、
2-オクチル-2-メチルプロパン-1,3-ジオール(OMPD)、
1,1-ジメチロールシクロペンタン(DMCP)、
1,1-ジメチロールシクロヘキサン(DMCH)、
1,1-ジメチロールシクロオクト-4-エン(DMCOE)、
1,1-ジメチロールシクロオクタン(DMCO)、
1,1-ジメチロールシクロドデカン(DMCD)、もしくは
2,2-ジメチロールノルボルナン(2,2-DMNB)
またはそれらの混合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
成型物の殺生物仕上げのための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の1,3-ジオール類の使用。
【請求項8】
1,3-ジオール類または1,3-ジオール類を含む溶液もしくはエマルションを成型物の表面に適用する、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
成型物が、医療用途の成型物、保健衛生部門で利用される成型物、食品の包装または貯蔵のための成型物、または工業目的の成型物、例えば、空調システムにおけるフィルターである、請求項7または8に記載の使用。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか1項による使用により得ることができる殺生物仕上げを施した成型物。
【請求項11】
液体調製物、気体調製物、スプレー、泡またはゲルにおける保存剤としての、請求項1〜6のいずれか1項に記載の1,3-ジオール類の使用。
【請求項12】
それらが有機化合物を含む水性調製物である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
それらがポリマー分散液またはポリマー溶液である、請求項11または12に記載の使用。
【請求項14】
それらが医薬品調製物、衛生用調製物、化粧品調製物もしくは皮膚科用調製物または洗剤もしくはクリーナーである、請求項11〜13のいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の1,3-ジオールおよび少なくとも1種のポリマーを含む液体調製物。

【公表番号】特表2013−503123(P2013−503123A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525995(P2012−525995)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061897
【国際公開番号】WO2011/023582
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】