説明

3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド化合物および腫瘍処置におけるそれらの使用

本発明は、式Iの化合物、その生理学的に許容し得る塩、ならびに式Iの化合物の生理学的に許容し得る溶媒和物およびその塩に関する。
【化49】


式中、R,RおよびRは明細書中に定義されている。
式Iの化合物は腫瘍の処置に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−(インドリル)−または3−(アザインドリル)−4−アリールマレイミド化合物、それらを含有する薬剤組成物、および腫瘍処置におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
脈管形成は、既存の毛細血管の内皮細胞から新しい血管の生成に関する形態発生プロセスである。人体における多くの病理学的事象は、脈管形成に関連があることがわかってきた。脈管形成プロセスは、病理学的に中でもリウマチ性関節炎、乾癬、虚血および悪性病に責任がある。脈管形成は、腫瘍の発生、増殖および進行において重要な役目を果す。腫瘍が約3mmの寸法に達した時、それらの増殖はこのプロセスに完全に依存する。一般に脈管形成因子、例えばVEGF,bFGF,マトリックスメタロプロテイナーゼおよびセリンプロテアーゼの高い発現と、そして脈管形成の阻害剤、例えばトロンボスポンジンおよびメタロプロテイナーゼ阻害剤の低いレベルを有する腫瘍は、この脈管形成表現型を持たない腫瘍よりも、高い微小血管密度を有し、局所的に一層進行し、一層攻撃的挙動を示し、そして一層頻繁に転移生成する。
【0003】
それ故脈管形成阻害剤は、気管支癌、乳癌、前立腺癌、膠芽腫、カルポシ肉腫、黒色腫、リンパ腫および多発性骨髄腫のような、これまで効果的治療が知られていない固形腫瘍の処置において強力な治療剤として企図されている。
【0004】
最近、腫瘍増殖および転移は、キータンパク質中のチロシン、スレオニンおよびセリン残基のホスフォリル化によって細胞内信号形質導入を引金し、それ故細胞増殖、アポプトーシス抵抗および生存を規制するタンパクキナーゼ(PK)の過剰発現に高度に関係していることが認められている。受容体チロシンキナーゼのターゲット化は癌処置において効果的な戦略であることが証明された。
【0005】
現在研究室における研究および臨床開発下にあるタンパクキナーゼのいくつかの小分子阻害剤(イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ソラフェニブおよびスニチニブ)は、有望な有効性と許容し得る毒性を示した。これら最初の成功にもかかわらず多数の腫瘍はなお処置抵抗性である。
【0006】
WO02/38561は下記のキナーゼ阻害剤を開示する。
【化1】

式中、Rはヒドロキシ置換フェニルのようなアリール基である。
【0007】
類似の構造を有し、匹敵する効果または他の薬理学的活性を有する化合物は、EP328026A,WO02/10158,WO03/057202,WO03/095492,WO03/103663,WO95/07910,WO00/38675,WO97/34890,WO91/13071,EP384349A,EP540956,EP1224932A,WO00/02197,およびBioorganic & Medicinal Chemistry Letters14(2004),3245−3250に開示されている。
【0008】
WO2006/061212は、式I:
【化2】

の化合物、その生理学的に許容し得る塩、および式Iの化合物の溶媒和物を開示する。
式中、
は、H,C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキルまたはフェニルであり;
は、2個または3個のC−C−アルコキシ基で置換されたフェニル基であり;
は、C−Cアルキル、C−C−アルコキシ、フェニル、OH、ハロゲン、NH、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、O,N,およびSから独立に選ばれた1個または2個のヘテロ原子を含んでいる5または6環原子を有するヘテロアリール、そして、O,N,およびSから独立に選ばれた1個または2個のヘテロ原子を含んでいる5または6環原子を有するヘテロサイクリルから独立に選ばれた1個または2個の置換基を持つことができるインドリルまたはアザインドリルおよびこれらの生理学的に許容し得る塩と、式Iの化合物の溶媒和物と、その生理学的に許容し得る塩である。これら化合物は脈管形成阻害剤として有用である。J.Med.Chem.2006,49,1271−1281およびJ.Med.Chem.2006,49,7549−7553は、脈管形成阻害剤としての、3,4−ジアリールマレイミドのデザイン、合成および評価に関する。
【0009】
本発明は、式Iの化合物、その生理学的に許容し得る塩、ならびに式Iの化合物の溶媒和物およびその塩に関する。
【化3】

式中、
は、H、C−C−アルキル、フェニル−C−C−アルキルまたはフェニル;
は3個のC−C−アルコキシ基で置換されたフェニル基、および
は、
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

から選ばれ、ここで
はHまたはC−C−アルキル、
はC−C−アルキル−R10であって、R10は、
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、
c)ジ−C−C−アルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、
e)C−C−アルコキシ、
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた1個または2個の追加のヘテロ原子を含んでいる5または6個の環原子を有する飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキル基と結合し、そして1,2,3または4個のC−C−アルキル置換基を担持し得る飽和ヘテロサイクリル;
g)フェノキシ、
h)ベンジルオキシ、
i)R11CONR12−、
j)NR1212CO―、
k)C−C−アルキル−NHCONH−、
l)C−C−アルキル−NHCOO−、
m)C−C−アルキル−OCONH−、
n)R12−OSOO−、
o)R11SOO−、
p)R12−OSO−、
q)R11SO−、
r)(R12O)P(O)O−、
s)(R12O)P(O)−、および
t)(R12O)R11P(O)O−、
であり、
は、H、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、OH,またはハロゲン;
11は、C−C−アルキル;
12は、HまたはC−C―アルキルである。
【0010】
術語「アルキル」、「アルコキシ」、「アルキルアミノ」「アルキレン」等は、1ないし6個および好ましくは1ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルまたはアルキレン基を含む。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルである。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシである。アルキレン基の例は、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン等である。
【0011】
ハロゲンはF,Cl,BrおよびI,好ましくは、FおよびClを意味する。
【0012】
ヘテロサイクリルの例は、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、モリホリニル、チオモルホリニルおよびピペラジニルである。特定の具体例において、ヘテロサイクリルはピペリジニル、モルホリニルとピペラジニルである。ヘテロサイクリルが置換される場合は、置換基は炭素原子または追加の窒素ヘテロ原子上に存在し得る。置換されたヘテロサイクリルの例は4−メチルピペラジニルまたは2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルである。
【0013】
式Iの化合物の生理学的に許容し得る塩は、塩酸、硫酸またはリン酸のような無機酸との付加塩または酢酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、マレイン酸、アミグダリン酸、アスコルビン酸、フマル酸、グルコン酸のようなカルボキシル酸、またはメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびトルエンスルホン酸のようなスルホン酸との有機酸付加塩を含む。
【0014】
式Iの化合物の生理学的に許容し得る塩は、また、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウムまたは水酸化カルシウムのようなアルカリ土類金属水酸化物のような無機塩基との塩基付加塩、アンモニウム塩、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、トリ(ヒドロキシエチル)アミン、リジン、アルギニンまたはグルタミン酸のような有機塩基との塩を含む。
【0015】
生理的に許容し得る溶媒和物は特に水和物である。
【0016】
本発明の一具体例は、Rが式
【化9】

を有する式(I)の化合物を含む。ここでR、RおよびRはC−C−アルコキシである。
【0017】
インドリルまたはアザインドリル基、例えば(a)ないし(e)の基は、好ましくはインドリルまたはアザインドリル基の3位を介してマレイミド基へ結合する。
【0018】
一具体例によれば、本発明は式(Ia)の化合物に関する。
【化10】

式中、RおよびRないしRは先に与えた意味を有する。
【0019】
さらなる一具体例によれば、本発明は式(Ib)の化合物に関する。
【化11】

式中、RおよびRないしRは先に与えた意味を有する。
【0020】
さらなる一具体例によれば、本発明は式(Ic)の化合物に関する。
【化12】

式中、RおよびRないしRは先に与えた意味を有する。
【0021】
さらなる一具体例によれば、本発明は式(Id)の化合物に関する。
【化13】

式中、RおよびRないしRは先に与えた意味を有する。
【0022】
さらなる一具体例によれば、本発明は式(Ie)の化合物に関する。
【化14】

式中、RおよびRないしRは先に与えた意味を有する。
【0023】
さらなる一具体例によれば、RおよびRは互いに独立してHまたはC−C−アルキル、そして特にHである。
【0024】
さらなる一具体例によれば、Rは、H、C−C−アルキルまたはハロゲン、そして特にHである。
【0025】
さらなる一具体例によれば、R10
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、
c)ジ−C−C―アルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、
e)C−C−アルコキシ、および
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた1個または2個の追加のヘテロ原子を含んでいる環原子5個または6個の飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキル基へ結合し、そして炭素原子または窒素原子上に追加のC−C−アルキル置換基を持つことができるヘテロサイクリル、
から選ばれる。
【0026】
さらなる一具体例によれば、R10は、
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、
c)ジ−C−C−アルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、および
e)C−C−アルコキシ
から選ばれる。
【0027】
さらなる一具体例によれば、R10は、
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、および
c)ジ−C−C−アルキルアミノ
から選ばれる。
【0028】
さらなる一具体例によれば、R10は、
d)ヒドロキシ、および
e)C−C−アルコキシ
から選ばれる。
【0029】
さらなる一具体例によれば、R10は、
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた1個または2個の追加のヘテロ原子を含んでいる環原子5個または6個の飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキル基へ結合し、そして炭素原子または窒素原子において追加のC−C−アルキル置換基を持つことができるヘテロサイクリル、
である。
【0030】
さらなる一具体例によれば、R10は、
g)フェノキシ、および
h)ベンジルオキシ
から選ばれる。
【0031】
さらなる一具体例によれば、R10は、
i)R11CONR12−、および
j)NR1212CO−
から選ばれる。
【0032】
さらなる一具体例によれば、R10は、
k)C−C−アルキル−NHCONH−、
l)C−C−アルキル−NHCOO−、および
m)C−C−アルキル−OCONH−
から選ばれる。
【0033】
さらなる一具体例によれば、R10は、
n)R12−OSOO−、
o)R11SOO−、
p)R12−OSO−、および
q)R11SO
から選ばれる。
【0034】
さらなる一具体例によれば、R10は、
r)(R12O)P(O)O−、
s)(R12O)P(O)−、および
t)(R12O)R11P(O)O−
から選ばれる。
【0035】
さらなる一具体例によれば、本発明の化合物は式II,式IIIまたは式IVの化合物である。
【化15】

【化16】

【化17】

【0036】
本発明の化合物は、公知の方法に従って、例えばWO02/38561,EP328026,WO03/095452,WO03/103663およびWO2006/061212に開示された方法に従って製造することができる。本発明の目的のため、Tetrahedron Letters(1999)40:1109−1112に報告されている修飾された操作が特に効率的であることが証明された。この操作は以下の反応系列によって示すことができる。
【化18】

【0037】
インドールグリオキシルエステルが、強塩基の存在下不活性溶媒中フェニルアセタミド誘導体とワンポット反応において反応させられる。好ましくは、テトラヒドロフランまたはジオキサンのようなエーテルが不活性溶媒として使用される。塩基として例えばカリウムt−ブトキサイドを使用することができる。反応の間生成する水は、例えば分子ふるいの使用によって除去される。
【0038】
出発物質として使用されるフェニルアセタミドは、酸クロライドへ変換され、そしてアンモニアで加水分解される対応する酢酸から容易に得られる。インドールグリオキシルエステル(R=メチル、エチル)は、対応するインドール誘導体のメチルまたはエチルオキサリルクロライドによるフリーデルクラフト型アシル化によって合成された。Tetrahedron 1999,55(43),12577−12594参照。対応するアザインドールグリオキシルエステルは、J.Org.Chem.2002,67,6226−6227に報告されている方法に従うか、またはアルミニウムクロライドの存在下フリーデルクラフトアシル化によって製造することができる。Organic Letters(2000)vol.2,no.10,1485−1487参照。4−および6−アザインドール出発化合物は、2−クロロ−3−ニトロピリジンまたは3−ニトロ−4−クロロピリジンをビニルマグネシウムブロマイドと反応させ、7−クロロ置換4−または6−アザインドールを得ることによって製造することができる。クロロ置換分は次に接触水素化によって除去される。この反応はJ.Org.Chem.67,2345−2347(2002),およびJ.Heterocycl.Chem.29,359−363(1992)に記載されているように実施される。4−アザインドール出発化合物は、Org.Biomol.Chem.3,20,3701−3706(2005)に開示された操作に従って合成することもできる。
【0039】
5−および7−アザインドール出発化合物は、2−または4−アミノピリジンをジ−t−ブチル−ジ−カーボネートと反応させて2−または4−t−ブトシキカルボニルアミノピリジンとし、これをt−ブチルリチウムの存在下ヨウ化メチルおよびジメチルホルムアミドと反応させることによって製造することができる。得られた生成物は次に強酸と反応させ、5−または7−アザインドールを得る。この反応はSynthesis 7,877−882(1996)に記載されている。
【0040】
本発明の化合物は抗新生物活性を有し、それ故腫瘍、特に星状細胞腫、膀胱癌、骨癌、脳腫瘍、乳癌、気管支癌、頚癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胆のう癌、胃腸支質腫瘍、胚芽細胞腫瘍、神経膠腫、頭頚癌、肝臓癌、リンパ腫、肉腫、肺癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、甲状腺癌、神経芽腫、前立腺癌、腎臓癌、皮膚癌、落屑性頚癌、胃癌、睾丸癌のような固形腫瘍の処置または予防のために使用することができる。本発明の化合物は、頚部癌、結腸直腸癌、胃腸支質腫瘍、肝臓癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、胃癌、および膵臓癌の処置または予防に特に有効である。
【0041】
さらなる一具体例によれば、本発明の化合物は白血病の処置または予防に使用することができる。本発明に従った白血病は、特に急性リンパ球白血病(急性リンパ芽球白血病またはALLとしても知られる)、急性骨髄形成白血病(急性骨髄性白血病またはAMLとしても知られる)、慢性リンパ球白血病(CLL),混合系統白血病および慢性骨髄性白血病を含む。これらの白血病およびこれらの白血病のさらなるサブタイプは、当業者に良く知られた形態学的、組織化学的および免疫学的技術によって定義される。
【0042】
さらなる一具体例において、本発明はAMLまたはALLの処置に関する。
【0043】
本発明のさらなる一具体例によれば、白血病はFLT3の発現に対し陽性である白血病細胞によって特徴付けられる。本発明の特定具体例において、白血病は同じ細胞タイプの非悪性細胞に比較して、FLT3の高い発現を示す白血病細胞によって特徴付けられる。
【0044】
本発明のさらなる一具体例は、本発明の化合物と、下に例を与えた抗腫瘍剤、多剤抵抗逆転剤、生物学的応答修飾剤およびそれらの組合わせを含む化学療法剤との組合わせである。
【0045】
好適な抗腫瘍剤は、DNAの完全性および合成に影響する化合物、例えば、トポイソメラーゼI阻害剤;アルキル化剤;インターカレーティング剤またはDNA−結合抗生物質;タキサン類のような抗有糸分裂化合物;ビンカアルカロイドまたはコルヒチン誘導体;タンパクキナーゼ阻害剤のような標的化癌療法のための化合物;細胞膜受容体および可溶性デコイ受容体へ結合する抗体;細胞代謝に影響する化合物、例えばファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、プリンもしくはピリミジンアナログよりなる群から選ぶことができる。
【0046】
抗腫瘍剤の例は、アフリベルセプト、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、クラドリビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エトポシド、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イフオスファミド、イリノテカン、ロムスチン、メクロレサミン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトキサントロン、ペントスタチン、プロカルバジン、6−チオグアニン、トポテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、レチノ酸、オキサリプラチン、シスプラチン、カルボプラチン、5−FU(5−フロロウラシル)、テニポシド、アマサクリン、ドセタキセル、パクリタキセル、ビノレルビン、ボルテゾミブ、クロファラビン、カペシタビン、アクチノマイシンD、エピルビシン、ビンデシン、メトトレキセート、チオグアニン(6−チオグアニン)、ティピファルニブである。
【0047】
タンパクキナーゼ阻害剤である抗腫瘍剤の例は、イマチニブ、エルロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ラパチニブ、ゲフィニチブ、テムシロリムス、エベロリムス、ラパマイシン、ボスニチブ、プゾパニブ、アキシチニブ、ネラチニブ、バタラニブ、パゾパニブ、ミドスタウリンおよびエンザスタウリンを含む。
【0048】
抗体である抗腫瘍剤の例は、トラスツズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、ベバシズマブ、マパツムマブ、コナツムマブ、レキサツムマブ等を含む。
【0049】
多剤抵抗性逆転剤の例は、PSC833、P−グリコタンパクによって仲介される抗腫瘍剤の流出の強力な阻害剤である。
【0050】
好適な生物学的応答修飾剤は、モノクローナル抗体、およびインターフェロン、インターロイキンおよびコロニー刺激因子のようなサイトカイン、例えばリツキサン、CMA−676、組換えインターフェロンアルファ、インターロイキン−2、インターロイキン−3、エリスロポエチン、エポエチン、G−CSF,GM−CSF,フィルグラスチム、サルグラモスチムおよびトロンボポイエチンよりなる群から選ぶことができる。
【0051】
特定具体例によれば、さらなる化学療法剤はトポイソメラーゼI阻害剤、そして特にPommier,Y.(2006),Nature Reviews Cancer6:789−802によって記載されたようなカムプトセチンまたはその誘導体である。トポイソメラーゼI阻害剤の例は、イリノテカン(特にイリノテカン塩酸塩)、トポテカン(特にトポテカン塩酸塩)、ルビテカン、エキサテカン(特にエキサテカンメシレート)、ルールトテカン、ギマテカン、プロセカン、カレニテシン、ベロテカン(特にベロテカン塩酸塩)、シラテカンまたはジフロモテカンおよびそれらの塩を含む。
【0052】
本発明の化合物のこれら化学療法剤に対する重量比は5:1ないし1:500、特に3:1ないし1:200である。本発明のこの組合わせは増強された抗腫瘍活性を示す。
【0053】
本発明のさらなる具体例は、式I,II,IIIまたはIVの化合物、または上で規定した追加の化学療法剤とのそれらの組合わせを含む薬剤組成物である。一般に、薬剤組成物は式I,II,IIIまたはIVの化合物、または上で規定した組合わせの腫瘍処置有効量を含む。
【0054】
本発明のさらなる具体例は、腫瘍処置方法に使用のための式I,II,IIIまたはIVの化合物である。さらなる具体例によれば、前記方法は追加の治療剤(式I,II,IIIまたはIVの化合物以外)の使用を含む。追加の治療剤は上で規定した治療剤でよい。
【0055】
使用のため本発明の化合物または組合わせは標準的薬剤投与形に組込むことができる。例えば、化合物または組合わせは全身的また局所的に経口または非経口的に投与する時有用であり、この目的のため通常の薬剤補助剤、希釈剤およびアジュバント、例えば水、ゼラチン、乳糖、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ガム類、ポリアルキレングリコール等のような有機および無機不活性担体材料と混合される。これらの製剤は固体形、例えば錠剤、カプセル、そして特に哺乳類に適した味の良い食品添加物と共に、または混合して使用することができ、またはそれらは液体形、例えば、溶液またはエリキサーとして投与することができる。添加することができる薬剤補助剤およびアジュバントは、保存剤、抗酸化剤、抗微生物剤および他の安定化剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、固結防止化合物、芳香および着色添加物、圧縮性を改善する、または活性成分の遅延、持続または制御放出を創出する組成物、および製剤の浸透圧を変更する、もしく緩衝剤として作用する種々の塩類を含む。
【0056】
式I,II,IIIまたはIVの化合物、または上で規定した組合わせの治療有効量は、哺乳類へ全身投与することができ、この全身投与は、(1)前記化合物または組合わせの動脈内、皮内また経皮(皮下を含む)および最も普通には筋肉内または静脈内送達のための、またはそれらの送達のための貯蔵庫として役立つ水溶液、乳化液または懸濁液のような適当な液体形において前記化合物または組合わせを含んでいる薬剤組成物の適当な体組織またはキャビティー中への注射または注入と、(2)例えば式I,II,IIIまたはIVの化合物または組合わせの粉末が遅延、持続または制御放出のための固形インプラント組成物として役立つためその中に分散された生両立性および生分解性材料のマトリックスを含む適当な固体形中の前記化合物または組合わせを含んでいる薬剤組成物の適当な体組織または空洞中への滴下、または(3)経皮放出のための適当な固体または液体形、例えば経皮パッチまたは皮下インプラント中の前記化合物または組合わせを含んでいる薬剤組成物の摂取または投与を含む。
【0057】
ここに記載した投与形は、この投与形から活性成分の制御、持続および/または遅延放出を提供するように処方することができる。
【0058】
全身投与のための好ましい経口投与形は、固体、例えば速溶性ウェーファー、錠剤、カプセル、カプレット等と、そして液体、例えば溶液、懸濁液、エマルジョン等である。哺乳類へ経口投与に適した特別のタイプの薬剤組成物を使用することができ、そして限定なしで処置される哺乳類の舌の裏へ送達される口内ペーストのような製剤、哺乳類の食物へ添加することによって送達される顆粒形または食し得る成分と共に活性成分が消費される噛むことができる形、または処置される哺乳類による咀嚼の間、消費されない成分からの浸出によって活性成分が送達される噛むことができる形を含む。錠剤およびカプセルが好ましい投与形態である。
【0059】
式I,II,IIIまたはIVの化合物または上で規定した組合わせの治療有効量は、前記哺乳類へ局所的に投与することもでき、この局所投与は、(1)前記化合物または組合わせの局所部位への遅延放出、制御放出および/または持続性放出を提供する成分を含んでいる送達のための適当な液体形中に前記化合物または組合わせを含んでいる薬剤組成物、または前記化合物または組合わせの貯蔵庫として役立ち、その後その遅延、持続および/または制御放出を提供する薬剤組成物の異常な脈管形成および/または脈管機能不全を生じている局所部位への注射または注入、または(2)放出のため固体インプラントとして役立つための適当な固体形にある前記化合物または組合わせを含んでおり、任意に前記化合物または組合わせの局所部位への遅延、持続および/または制御放出を提供する薬剤組成物の滴下を含む。
【0060】
式I,II,IIIまたはIVの化合物の治療的に有効な量は、処置すべき哺乳類へ、前記哺乳類の体表面mあたり1日あたりのミリグラム数で表した量、mg/m/日において投与される。投与量、すなわち式I,II,IIIまたはIVの治療有効量は、通常約0.2mg/m/日ないし約2000mg/m/日、好ましくは約0.5mg/m/日ないし約1500mg/m/日、もっと好ましくは約1.0mg/m/日ないし約1000mg/m/日の範囲であろう。式Iの化合物と抗癌剤のような化学治療法剤との組合わせの場合、投与は同時、例えば合剤として、または別々に、または逐次的に与えることができる。式I,II,IIIまたはIVの化合物の投与量は通常上に与えたとおりであるが、化学治療剤の投与量は、約0.2mg/m/日ないし約2000mg/m/日、好ましくは約0.5mg/m/日ないし約1500mg/m/日、もっと好ましくは約1.0mg/m/日ないし約1000mg/m/日の範囲であろう。
【0061】
当業者は、好ましい投与ルートおよび対応する投与形態および量を決定するばかりでなく、投与療法、すなわち投与頻度を決定する必要がある。一般的に、選択は、1日1回投与(s.i.d.)または1日2回投与(b.i.d.)の可能性であり、前者は一層速いそして深長な療法を提供し、後者は深長でないがもっと持続的な療法を提供するであろう。
【0062】
本発明の化合物または組合わせの抗腫瘍活性は以下のアッセイによって決定された。
【0063】
抗増殖効果の評価(MTTアッセイ)
テスト化合物の抗増殖活性は、以前記載されたように(Mosmann,T.et al.(1983)J.Immunol.Methods65,55−63),3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド(MTT)アッセイによって決定された。指数増殖期にある細胞が96ウェル平底プレートへ移された。10,000個の生存細胞を含んでいる細胞懸濁液(200μl)が各ウェルへプレートされ、異なる濃度の化合物の100μlと共に37℃において5%COと共に3日インキュベートされた。時点(3日)の終りに,MTTストック溶液(5mg/ml)(Biomol,ドイツ)の10μl/ウェルが加えられた。細胞は次に37℃において5%COと共に4時間インキュベートされた。可溶化溶液(0.01M HCl中10%SDS)100μlが加えられ、そして細胞は37℃において5%COと共に一夜インキュベートされた。プレートがELISA−リーダーELX800(BIO−TEKソフトウェアKC4)上で562nm吸光度において読まれた。各実験は3回実施された。
【0064】
細胞サイクル分析によるNicolettiアポプトシスアッセイ
癌細胞が12ウェル平底プレートへ移された。1.5×10個生存細胞を含んでいる細胞懸濁液(1ml)が各ウェルへプレートされ、そして種々濃度の剤へ暴露前に一夜インキュベートされた。細胞は次に単独で適用された剤、イリノテカン単独、または剤とイリノテカンまたはトポテカンとの組合わせの種々の濃度を有する媒体中で37℃において5%COと共にインキュベートされた。インキュベーション後、細胞はPBSで洗浄され、トリプシン化およびペレット化され、そしてヨウ化プロピジウムバッファー(0.1%クエン酸ナトリウム、0.1%トリトンX−100,50mg/mlヨウ化プロピジウムを含有)と混合され、4℃で1時間インキュベートされた。細胞サイクルサブ−G1−分画分析は、FACSサイトメーター(BD FACS CaliburTM,BD Bioscience,Heidelberg,ドイツ)を用いて以前記載されたとおりに実施された。各実験は3回実施された。
【0065】
GSK−3β、VEGFR−2,FLT−3,CHK1キナーゼアッセイ
IC50値はMillipore UK Ltd.,Gemini Crescent;Dundee Technology Park;Dendee DD2 1SW;UK(IC50Profiler)において実施された。
http:www.millipore.com/drugdiscovery/svp3/kpservices
各アッセイプロトロールの詳細はMilliporeのウェブサイト上で見ることができる。
www.millipore.com/drugdiscovery/dd3/assayprotocols.
他のキナーゼアッセイデータは、ProQinase GmbH,Freiburg,ドイツによって実施された、Peiferet al.J.Med.Chem.2006,49,7549−7553からのものである。
【0066】
薬物
DMSO中テスト化合物の26mmol/l作業溶液が調製され、そして部分標本で−20℃において貯蔵された。イリノテカンおよびトポテカンはマインツ大学病院の薬局から得た。ストック溶液はイリノテカンについては29.6mmol/lに、トロテカンについては、4.75mmol/lに調製され、部分標本として4℃において貯蔵された。薬物は使用直前所望の濃度を得るため培養培地中に希釈された。
【0067】
細胞ライン
ヒト結腸癌細胞ラインHCT−116,HT−29,Caco−2,SW480,および胃癌細胞ラインMKN−45は、DSMZ,ドイツから得た。HCT−116,HT−29およびSW480細胞は10%FCSを補給したRPMI 1640中で、MKN−45は20%FCSを補給したRPMI 1640中で、そしてCaco−2細胞は80%MEM(Erle’s塩添加)+20%FCS+非必須アミノ酸中で日常的に培養された。すべての細胞は5%COを含む雰囲気のもとインキュベーター中37℃に保たれた。インキュベーション後、細胞はPBSで洗浄され、トリプシン化され、ペレット化され、そしてPIバッファー(0.1%クエン酸ナトリウム、0.1%トリトンX−100,50mg/mlヨウ化プロピジウム含有)と混合され、4℃で1時間インキュベートされた。細胞サイクルサブ−Gl分画分析はフローサイトメーター(BD FACS Calibu TM,BD Bioscience,Heiderberg ドイツ)を用いて以前記載されたように(Nicoletti,I.et al.,(1991)J.Immunol.Methods 139,271−279)実施された。各実験は3回実施された。
同じ分析はHUVEC細胞を使って実施された。1.5×10細胞が各ウェルへプレートされ、そしてテスト化合物で4日間処理された。
【0068】
本発明の化合物の抗腫瘍性のインビボ研究
本発明の化合物の抗腫瘍有効性はHT−29ヒト結腸腺癌細胞に対して調べられた。テストした化合物は、低いマイクロモル範囲までの濃度で使用される時、初期投与量依存性細胞毒性を示した(表1)。WO2006/061212の実施例1の化合物が比較化合物として使用された。
【0069】
表1:MTTアッセイにより検出された、3日間本発明の化合物で処理したHT−29結腸癌細胞の生存率(%)
【表1】

【0070】
追加の研究において、イリノテカンと組合わせた式Iのいくつかの化合物(実施例1ないし9)の効果が決定された。結果は表2に示される。
【0071】
表2:式Iの化合物をイリノテカンと組合わせることによるヒトHT−29癌細胞のアポプトシスの増強
【表2】

以下の実施例は限定なしで本発明を例証する。
【実施例】
【0072】
赤外スペクトルは、Thermo Nicolet Avatar 330FT−IR分光光度計上で記録された。1H(300MHz,デジタル解像度0.3768Hz)および13C(75MHz,デジタル解像度1.1299Hz)NMRはBruker AC300上に記録され、そしてデータは以下のように報告される。外部標準としてMeSiからの化学的シフトppm、多重およびカップリング定数(Hz)。EI−質量スペクトルはVarian MAT44S(80eV)上に、そしてFD−質量スペクトルはFinnegan MAT7(5kV)上に記録された。明確性のみのため、FD−質量スペクトルに対しては最高測定信号が与えられる。元素分析はHaereus CHN急速、Carlo Erba機器1106で実施された。燃焼分析は特記しない限り計算値と±0.4と一致した。融点/分解温度はDr.Tottoliに従ったBuchi装置上で決定され、補正しなかった。適切な場合、テスト化合物のためのカラムクロマトグラフィ−はメルクシリカゲル(0.015−0.040mm)と共にMPLC−システムB−680(Buchi)を用いて実施された。反応の進行はメルクシリカゲル60F−254プレートで実施される薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニターされた。必要な場合、反応は4オングストローム分子ふるいを用いて窒素雰囲気中で実施された。すべての試薬および溶媒は商業ソースから取得し、そして受取った状態で使用された。
【0073】
N−1置換インドール−3−グリオキシル酸エチルの調製のための一般的操作1
Faulet al.,J.of Organic Chemistry 1998,63,6,1961−1973およびZhang et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,2004,14,12,3245−3250の修飾操作が使用された。インドール−3−グリオキシル酸エチルと、CsCOまたはKCO(1.3当量)と、そして対応する脂肪族ブロモーまたはクロモー置換剤のDMF中の撹拌懸濁液を窒素下75〜80℃へ8時間加熱した。反応物を室温へ冷却し、酢酸エチル(40ml)で希釈し、セライト(登録商標)上で濾過した。混合物を水(4×40ml)で洗った。有機相をNaSO上で乾燥し、濃縮し、カラムフロマトグラフィーにより精製した。
【0074】
3−フェニル−4−インドリルマレイミドの調製のための一般的操作2
Peifer et al.,WO2006/061212およびJ.Med.Chem.2006,49,4,1271−1281の操作を3−フェニル−4−インドリルマレイミドを製造するために用いた。
【0075】
実施例1
3−(1−[2−アンモニオエチル]−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミドクロライド
【化19】

2−ブロモエチルカルバミン酸t−ブチルエステルの製造のため、Wescott et al.,J.Org.Chem.2003,68,26,10058−10066の修飾した方法が使用された。水80ml中のNaHCO(24.4mmol;2.0g)の溶液と、水50ml中のジ−t−ブチルジカーボネート(24.4mmol;5.33g)とが、クロロホルム100ml中の2−ブロモエチルアンモニウムブロマイド(24.4mmol;5.0g)の撹拌懸濁液へ添加された。反応は5時間還流させた。室温へ冷却後、有機相を分離し、そして水相をクロロホルムで抽出した。合併した有機層はNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーにより精製された。2−ブロモエチルカルバミン酸t−ブチルエステル(6.86mmol;28.2%)が無色オイルとして得られた。H−NMR(300MHz,CDCl)4.98(bs,1H,NH);3.52(dd,J=5.3Hz,J=11.0Hz,2H,CHN);3.44(t,J=5.3Hz,2H;CHBr);1.43(s,9H,C(CH
【0076】
次に上の生成物(6.68mmol,1.54g),2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6.68mmol,1.45g),およびCsCO(9.82mmol,3.20g)を用いて、一般的操作1が追従された。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジエチルアミン=5:4:1)によって達成され、2−(1−{2−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(4.54mmol,68%)が白色結晶として得られた。mp114−115℃;IR[cm−1]=3357,2977,1727,1686,1638,1518;EI−MS(m/z)=360(7.59%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.44(m,1H,インドール−H);8.34(s,1H,インドール−H);7.42(m,1H,インドール−H);7.35(m,1H,インドール−H);4.63(bs,1H,NH);4.37(m,4H,OCHCH,インドール−CH);3.54(q,J=6.2Hz,2H,CH−N);1.43(t,3H,J=7.1Hz,OCHCH);1.43(s,9H,C(CH
【0077】
次に2−(1−{2−[t−ブトキシカルボニル]アミノ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(2mmol,0.77g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(1.8mmol,0.41g)と、1M t−BuOK(6mmol,6ml)を使用して、一般的操作2が追従された。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:6)によって達成され、3−(1−{2−[t−ブトキシカルボニル]アミノ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(0.8mmol,43%)がオレンジ色結晶として得られた。mp 97−98℃;IR[cm−1]=3330,2987,1698;EI−MSm/z(相対強度)=521(91.98%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)7.92(s,1H,インドール−H);7.36(m.1H,インドール−H);7.35(bs,1H,イミド−NH);7.17(t,J=7.2Hz,1H,インドール−H);6.86(t,J=7.2Hz,1H,インドール−H);6.78(s,2H,2×Ar−H);6.46(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.63(bs,1H,NH);4.36(t,J=5.78Hz,2H,インドール−CH);3.86(s,3H,OCH);3.55(m,2H,CHN);3.49(s,6H,2×OCH);1.44(s,9H,C(CH
【0078】
エタノール50mlおよび2.3Mエタノール性HCl(3.42mmol,1.5ml)中の3−(1−{2−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(0.8mmol,0.4g)の撹拌溶液を80℃へ3時間過熱した。沈澱を濾過し、エタノールで洗い、赤色結晶として標題化合物(0.66mmol,86%)を得た。mp=277.1℃;IR[cm−1]3151,2977,1698;FD−MSm/z(相対強度)=423.5(1.2%,M),H−NMR(300MHz,CDCl)11.12(bs,1H,イミド−NH);8.14(bs,3H,NH);8.10(s,1H,インドール−H);7.63(d,J=8.2Hz,1H,インドール−H);7.18(t,J=7.3Hz,1H,インドール−H);6.82(t,J=7.3Hz,1H,インドール−H);6.73(s,2H,2×Ar−H);6.38(d,J=8.2Hz,1H,インドール−H);4.55(t,J=6.6Hz,2H,インドール−CH);3.66(s,3H,OCH);3.38(s,6H,2×OCH);3.25(m,2H,CHN);元素分析C2324ClN;計算値C,60.33;H,5.28;N,9.18;実験値C,60,36;H,5.29;N,9.09
【0079】
実施例2
3−(1−[3−アンモニオプロピル]−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミドクロライド
【化20】

実施例1と同じ操作を用いてt−ブチル−(3−ブロモプロピル)カーバメート(7.14mmol,78%)を合成した。H−NMR(300MHz,CDCl)4.73(bs,1H,NH);3.41(t,J=6.5Hz,2H,CHBr);3.24(m,2H,CHN);2.02(quint,J=6.5Hz,2H,CHCHCH);1.41(s,9H,C(CH
【0080】
次に上の生成物(7.14mmol,1.7g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(4.6mmol,1.0g)と、CCO(9.21mmol,3.0g)を使用して一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によって達成され、2−(1−{3−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(5.3mmol,74%)が淡黄色結晶として得られた。mp89−90℃;IR[cm−1]=3392,2977,2936,1727,1698,1619,1515;EI−MSm/z(相対強度)=374(8.9%,M);
H−NMR(300MHz,CDCl)8.45(m,2H,インドール−H);7.35(m,3H,インドール−H);4.63(bs,1H,NH);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.24(t,J=7.1Hz,2H,インドール−CH);3.18(q,J=6.1Hz,2H,CHN);2.09(m,2H,CHCHCH),1.44(s,9H,C(CH));1,43(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH
【0081】
次に2−(1−{3−[t−ブトキシカルボニル]アミノ]プロピル}−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6.8mmol,2.5g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(6.8mmol,1.5g)と、1M t−BuOK(14.4mmol,14.4ml)を使用し、一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によって達成された。3−(1−{3−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(2.5mmol,36.8%)がオレンジ色結晶として得られた。mp178−179℃;IR[cm−1]=3408、1714,1689,1613,1515;FD−MSm/z(相対強度)=535.5(100%);H−NMR(300MHz,CDCl)7.95(s,1H,インドール−H);7.60(bs,1H,イミド−NH);7.32(d,J=8.2Hz,1H,インドール−H);7.16(t,J=7.2Hz,1H,インドール−H);6.85(t,J=7.2Hz,1H,インドール−H);6.79(s,2H,2×Ar−H);6.47(d,J=8.2Hz,1H,インドール−H);4.65(bs,1H,NH);4.26(t,J=7.10Hz,2H,インドール−CH);3.85(s、3H,OCH);3.49(s、6H,2×OCH);3.16(m,2H,CHN);2.11(m,2H,CHCHCH);1.44(s,9H,C(CH
【0082】
エタノール150mlおよび2.3Mエタノール性HCl(11.25mmol,4.9ml)中の3−(1−{3−[(t−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−(1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(2.5mmol,1.32g)の撹拌溶液を80℃に3時間加熱した。沈澱を濾過し、エタノールで洗い、標題化合物をオレンジ色結晶として得た。mp274−275℃;IR[cm−1=3145,2958,1761,1708,1597,1499;EI−MSm/z(相対強度)=438(5.6%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)11.11(s,1H,イミド−NH);8.07(s,1H,インドール−H);7.96(bs,3H,NH);7.62(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.16(t,J=7.7Hz,1H,インドール−H);6.80(t,J=7.7Hz,1H,インドール−H);6.72(s,2H,2×Ar−H);6.36(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.42(t,J=6.7Hz,2H,インドール−CH);3.65(s,3H,OCH);3.36(s,6H,2×OCH);2.75(dd,2H,J=6.7Hz,J=12.3Hz,CHN);2.07(m,2H,CHCHCH):元素分析C2426ClNに対する計算値C,61.08;H,5.55;N,8.90;実験値C,60.96;H,5.35;N,8.88
【0083】
実施例3
3−(1−[2−ヒドロキシエチル]−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化21】

Galka et al.,J.Lab.Comp.Rad.2005,48,11,797−809の修飾操作を使用した。2−ブロモエタノール(6.6mmol,0.83g=0.47ml)と、t−ブチルジメチルシリルクロライド(6.6mmol,1.0g)と、イミダゾール(7.3mmol,0.5g)の混合物を窒素雰囲気下室温で3時間撹拌した。水を加えて反応を止め、ジエチルエーテルで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥し、濃縮した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル)によって達成され、(2−ブロモエトキシ)(t−ブチル)ジメチルシラン(6.4mmol,96%)を得た。H−NMR(300MHz,CDCl)3.91(t,J=6.5Hz,2H,OCH);3.41(t,J=6.5Hz,2H,CHBr);0.93(s,9H,C(CH);0.11(s,6H,2×CH
【0084】
上の生成物(6.4mmol,1.53g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(5.99mmol,1.3g)と、CsCO(8.1mmol,2.63g)を用いて一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=7:3)によって達成し、淡黄色オイルとして2−(1−{2−[{1−(t−ブチル)−1,1−ジメチルシリル}オキシ}−エチル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(4.37mmol,73%)を得た。IR[cm−1]=2958,2923,2857,1736,1635,1514,1461;EI−MSm/z(相対強度)375(6.0%、M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.45(m,1H,インドール−H);8.42(s,1H,インドール−H);7.37(m,3H,インドール−H);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.29(t,J=5.1Hz,2H,インドール−CHCHO);3.95(t,J=5.1Hz,2H,インドール−CHCHO);1,43(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH);0.80(s,9H,C(CH);−0.17(s,6H,2×CH
【0085】
2−(1−{2−[{1−(t−ブチル)1,1−ジメチルシリル}オキシ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(1.8mmol,0.69g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(1.6mmol,0.36g)と、1M t−BuOK(6mmol,6ml)を用いて一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=7:3)によって達成され、3−(1−{2−[{1−(t−ブチル)1,1−ジメチルシリル}オキシ]エチル}−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)マレイミド(0.7mmol,39%)をオレンジ色オイルとして得た。IR[cm−1]=3186,2980,2930,2879,1692;EI−MSm/z(相対強度)=536(68%、M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.06(s,1H,インドール−H);7.34(d,J=8.1Hz,2H,インドール−H);7.29(bs,1H,イミド−NH);7.15(t,J=7.5Hz,1H,インドール−H);6.84(t,J=7.5Hz,1H,インドール−H);6.77(s,2H,Ar−H);6.42(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.31(t,J=5.2Hz,2H,インドール−CHCHO);3.98(t,J=5.2Hz,2H,インドール−CHCHO);3.86(s,3H,OCH);3.50(s,6H,2×OCH);0.82(s,9H,C(CH);−0.13(s,6H,Si(CH
【0086】
Csuk et al.,Z.Naturforsch.,2003,58b,67−105の修飾操作を使用した。THF10ml中の上の生成物の撹拌溶液へテトラブチルアンモニウムフルオライド(0.79mmol,0.25g)を加えた。反応終了後(TLC制御)濃縮した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:メタノール=2:7:1)によって達成され、3−(1−[2−ヒドロキシエチル]−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)マレイミド(0.4mmol,58%)が、暗赤色結晶として得られた。mp195−196℃;IR[cm−1]=3221,1746,1705;EI−MSm/z(相対強度)=422(100%、M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.02(s,1H,インドール−H);7.37(d,J=7.9Hz,インドール−H);7.32(s,1H,イミド−NH);7.17(t,J=7.7Hz,1H,インドール−H);6.87(t,J=7.7Hz,1H,インドール−H);6.79(s,2H,Ar−H);6.50(d,J=7.9Hz,1H,インドール−H);4.37(t,J=5.2Hz,2H,インドール−CH);4.06(q,J=5.0Hz,2H,CHO);3.86(s,3H,OCH);3.50(s,6H,2×OCH);元素分析C2322:計算値C,65.39;H,5.25;N,6.63;実験値C,65.35;H,5.33;N,6.70
【0087】
実施例4
3−(1−[3−ヒドロキシプロピル]−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化22】

実施例3と同じ操作を用いて(3−ブロモプロピル)−t−ブチルジメチルシラン(36.4mmol,93%)を合成した。H−NMR(300MHz,CDCl)3.73(t,J=5.7Hz,2H,CHO);3.51(t,J=6.4Hz,2H,CHBr);2.02(q,J=5.7Hz,J=6.4Hz,2H,CHCHCH);0.89(s,9H,C(CH);0.06(s,6H,2×CH
【0088】
次に上の生成物(7.9mmol,2g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(7.4mmol,1.61g)と、CsCO(10mmol,3.25g)を用いて一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=9:1)によって達成され、2−(1−{3−[{1−(t−ブチル)−1,1−ジメチルシリル}オキシ]プロピル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6.7mmol,91%)を淡黄色結晶として得た。mp51−52℃;IR[cm−1]=3142,2958,2924,2867,1727,1638;EI−MSm/z(相対強度)=389(5.2%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.46(m,1H,インドール−H);8.37(s,1H,インドール−H);7.43(m,1H,インドール−H);7.34(m,1H,インドール−H);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.33(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CH);3.58(t,J=5.5Hz,2H,CHO);2.06(m,2H,インドール−CHCHCHO);1.43(t,J=7.1Hz,3H,OCHCHCH);0.94(s,9H);0.07(s,6H)
【0089】
2−(1−{3−[{1−(t−ブチル)−1,1−ジメチルシリル]オキシ]プロピル}−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6.7mmol,2.64g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(6.04mmol,1.36g)と、1M t−BuOK(18mmol,18ml)とを用いて、一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=7:3)によって達成され、3−(1−{3−[{1−(t−ブチル)−1,1−ジメチルシリル}オキシ]プロピル}−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(3.0mmol,45%)を黄色結晶として得た。mp99−100℃;IR[cm−1]=3201,3066,2955,2923,2854,1771,1701;EI−MSm/z(相対強度)=551(86.49%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.30(bs,1H,イミドール−NH);7.98(s,1H,インドール−H);7.38(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.15(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.85(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.80(s,2H,Ar−H);6.47(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.34(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHCHO);3.86(s,3H,OCH);3.60(t,J=5.5Hz,2H,インドール−CHCHCHO);3.49(s,6H,2×OCH);2.08(m,2H,インドール−CHCHCHO);0.94(s,9H,SiC(CH);0.07(s,6H,Si(CH
【0090】
実施例3と同じ操作を用いて3−(1−[3−ヒドロキシプロピル]−1H−インドル−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(2.25mml,75%)を合成した。mp160℃;IR[cm−1]=3367,2980,2882,1708;EI−MSm/z(rel.int.)=437(100%;M);H−NMR(300MHz,CDCl)7.97(s,1H;インドール−N);7.38(m;2H;インドール−H+イミド−NH);7.17(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.86(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.79(s,2H,Ar−H);6.49(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.39(t,J=6.79Hz,2H,インドール−CHCHCHO);3.86(s,3H,OCH);3.65(t,J=5.67Hz,2H,インドール−CHCHCHO);3.50(s,6H,2xOCH);2.13(m,2H,インドール−CHCHCHO);元素分析C2424;計算値C,66.04;H,5.54;N,6.42;実験値:C,65.93;H,5.63;N,6.34
【0091】
実施例5
3−{1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化23】

1−クロロ−2−ジメチルアミノエタン(6mmol,0.65g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6mmol,1.3g)と、CsCO(6.6mmol,2.15g)を用いて一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジエチルアミン=6:3:1)によって達成され、2−{1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ酢酸エチル(3.7mmol,62%)を淡黄色結晶として得た。mp71−72℃;IR[cm−1]=3139,3044,2977,2946,2797,2772,1727,1641;EI−MSm/z(rel.int.)=288(19.15%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.45(m,2H,インドール−H);7.37(m,3H,インドール−H);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.26(t,J=6.9Hz,2H,インドール−CHCHN);2.76(t,J=6.9Hz,2H,インドール−CHCHN);2.31(s,6H);1.44(t,3H,J=7.1Hz,OCHCH
【0092】
次に上の生成物(3.7mmol,1.07g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(3.7mmol,0.83g)と,1M t−BuOK(10mmol,10ml)を用いて一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって達成され、黄色結晶として3−{1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(1.34mmol,36%)を得た。mp184−185℃;IR[cm−1]=2980,2920,1701;EI−MSm/z(相対強度)=449(100%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.04(s,1H,インドール−H);7.97(bs,1H,NH);7.34(d,J=8.2Hz,1H,インドール−H));7.16(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.85(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.75(s,2H,Ar−H);6.45(d,J=8.2Hz,1H,インドール−);4.32(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHN);3.84(s,3H,OCH);3.47(s,6H,2×OCH);2.80(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHN);2.32(s,6H,N(CH);元素分析C2527:計算値C,66.8;H,6.05;N,9.35;実験値C,66.91;H,6.05;N,9.29
【0093】
実施例6
3−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5)トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化24】

1−クロロ−3−ジメチルアミノプロパン(7mmol,0.75g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(6mmol,1.3g)と、CsCO(6.6mmol,2.15g)を使用して一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジュチルアミン=6:3:1)によって行い、2−{1−[2−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ酢酸エチル(3.8mmol,63%)を淡黄色オイルとして得た。IR[cm−1]=3023、2962,2917,1732,1630;EI−MSm/z(相対強度)=302(8.21%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.43(m,1H,インドール−H);8.39(s,1H,インドール−H);7.33(m,3H,インドール−H);4.40(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.27(t,J=6.8MHz,2H,インドール−CHCHCHN);2.22(s,6H,N(CH);2.20(m,2H,インドール−CHCHCHN);2.00(quint,J=6.7Hz,2H,インドール−CHCHCHN);1.42(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH
【0094】
上の生成物(3.8mmol,1.15g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(3.8mmol,0.83g)と、1M t−BuOK(10mmol,10ml)を用いて一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=8:2)によって行い、3−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(0.73mmol,19%)をオレンジ色結晶として得た。mp187−188℃;IR[cm−1]=2939、1705,1613,1578;EI−MSm/z(相対強度)=463(36.77%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.01(s,1H,インドール−H);7.78(bs,1H,イミド−NH);7.37(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.16(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.85(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.79(s,2H,Ar−H);6.46(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.31(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHN);3.85(s,3H,OCH);3.49(s,6H,2×OCH);2.28(m,8H,インドール−CHCHCHN+N(CH);2.06(m,2H,インドール−CHCHCHN);元素分析C2629(×2/3HO);計算値C,65.67;H,6.43;N,8.84;実験値C,65.46;H,6.13;N,8.62
【0095】
実施例7
3−{1−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化25】

1−(2−クロロエチル)ピペリジン(10mmol,1.5g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(7mmol,1.5g)と、KCO(10.9mmol,1.5g)を用いて一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジエチルアミン=8:1:1)によって行い、2−{1−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−3−イル}−2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ酢酸エチル(4.6mmol,66%)を淡黄色オイルとして得た。IR[cm−1]=2936,2857,1730,1638;EI−MSm/z(相対強度)=328(18.99%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.43(m,2H,インドール−H);7.35(m,3H,インドール−H);4.40(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.25(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHN);2.72(t,J=6.8Hz,2H,インドール−CHCHN);2.43(m,4H,ピペリジン−CH(C−2+6));1.57(m,4H,ピペリジン−CH(C−3+5));1.43(m,5H,ピペリジン−CH(C−4)+OCHCH
【0096】
上の生成物(4.6mmol,1.51g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(4.6mmol,1.04g)と、1M t−BuOK(14mmol,14ml)を用いて一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって行い、3−{1−[2−(ピペリジン−1−イル)エチル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(1.6mmol,35%)を黄色結晶として得た。mp179−180℃;IR[cm−1]=3132,2939,2829,1704,1629;EI−MSm/z(相対強度)=491(31.97%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.18(bs,1H,イミド−NH);8.12(s,1H,インドール−H);7.35(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.16(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.85(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.77(s,2H,Ar−H);6.44(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.34(t,J=7.0Hz,2H,インドール−CHCHN);3.85(s,3H,OCH);3.48(s,6H,2×OCH);2.80(t,J=7.0Hz,2H,インドール−CHCHN));2.49(m,4H,ピペリジン−CH(C−2+6));1.62(m,4H−ピペリジン−CH(C−3+5));1.46(m,2H,ピペリジン−CH(C4));元素分析C2831(xHO)計算値C,66.26;H,6.55;N,8.28;実験値C,66.50;H,6.57;N,7.83
【0097】
実施例8
3−{1−(2−モリホリノエチル)−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化26】

1−(2−クロロエチル)モルホリン(10mmol,1.5g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(7mmol,1.5g)と、KCO(10.9mmol,1.5g)を用いて一般的操作を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジェチルアミン=5:5:1)によって行い、2−[1−(2−モルホリノエチル)−1H−インドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチル(3.8mmol,55%)を淡黄色結晶として得た。mp99−100℃;IR[cm−1]=3164,2955,2822,1717,1625;EI−MSm/z(相対強度)=330(19.60%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.45(m,2H,インドール−H);7.37(m,3H,インドール−H);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.27(t,J=6.5Hz,2H,インドール−CHCHN));3.71(m,4H,モルホリン−CH(C3+5));2.79(t,2H,J=6.5Hz,インドール−CHCHN));2.49(m,4H,モルホリン−CH(C2+6));1.44(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH
【0098】
上の生成物(3.8mmol,1.25g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(3.8mmol,0.85g)と、1M t−BuOK(12mmol,12ml)を用いて一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=9:1)によって行い、3−{1−(2−モルホリノエチル)−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(1mmol,27%)をオレンジ色結晶として得た。mp238−239℃;IR[cm−1]=3145,2955,1857,1698,1616;EI−MSm/z(相対強度)=492(44.94%,M);H−NMR(300MHz,DMSO)11.04(bs,1H,イミド−NH);8.07(s,1H,インドール−H);7.56(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.13(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.78(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.72(s,2H,Ar−H);6.36(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.40(t,J=6.0Hz,2H,インドール−CHCHN);3.66(s,3H,OCH);3.52(m,4H,モルホリン−CH(C3+5));3.37(s,6H,2×OCH);2.68(t,J=6.0Hz,2H,インドール−CHCHN);2.40(m,4H,モルホリン−CH(C2+6));元素分析C2729(×1/2HO)計算値C,64.79;H,6.04;N,8.39;実験値C,64.63;H,6.03;N,8.23
【0099】
実施例9
3−{1−[3−(4−メチルヘキサヒドロ−1−ピラジンジイウム)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミドジクロライド
【化27】

Mahesh et al.,Phamazie,2005,60,6,411−414の修飾操作を用いた。アセトン100ml中のN−メチルピペラジン(50mmol,5.55ml)の撹拌溶液を0℃へ冷却した後、25%NaOH水溶液10mlと、1−ブロモ−3−クロロプロパン(50mmol,7.87g=4.92ml)とを注意深く加えた。反応物を室温で24時間撹拌した。減圧下混合物を濃縮後、残渣を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。集めた有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をエタノールで希釈し、そして2.3Mエタノール性HClを添加した後、1−(3−クロロプロピル)−4−メチルピペラジン塩酸塩が白色結晶(12.5mmol,25%)として結晶化した。mp=257℃;H−NMR(300MHz,DMSO)3.74(t,2H,J=6.4Hz,NCHCHCHCl);3.37(m,12H,NCHCHCHCl+4×ピペラジン−CH+2×NH);2.81(s,3H,CH);2.19(d,2H,J=6.8Hz,NCHCHCHCl)
【0100】
1−(3−クロロプロピル)−4−メチルピペラジン(12.5mmol,2.2g)と、2−(1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(10mmol,2.17mg)と、KCO(10.8mmol,1.5g)を使用し、一般的操作1を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:ジェチルアミン=5:5:1)によって実施し、2−{1−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ酢酸エチル(5.3mmol,42%)を得た。IR[cm−1]=2936,2790,1727,1638;FD−MSm/z(rel.int.)=359.9(2.05%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.40(m,2H,インドール−H);7.36(m,3H,インドール−H);4.38(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);4.25(t,J=6.5Hz,2H,インドール−CHCHCHN);2.44(m,8H,4×ピペラジン−CH);2.30(s,3H,CH);2.26(t,J=6.5Hz,2H,インドール−CHCHCHN);2.00(m,2H)
【0101】
上の生成物(5.3mmol,1.9g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(5.3mmol,1.2g)と、1M t−BuOK(15mmol,15ml)を使用し、一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=8:2)によって行った。生成物をエタノールで希釈し、2.3Mエタノール性HClを加えた後、3−{1−[3−(4−メチルヘキサヒドロ−1−ピラジンジイミル)プロピル]−1H−インドール−3−イル}−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミドジクロライド(0.93mmol,29%)をオレンジ色結晶として結晶化した。mp225−226℃;IR[cm−1]=3088、2996,2958,1695;EI−MSm/z(相対強度)=520(27.12%,M);H−NMR(300MHz,DMSO)11.11(bs,1H,イミド−NH);8.09(s,1H,インドール−H);7.64(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);7.15(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.80(t,J=7.6Hz,1H,インドール−H);6.73(s,2H,Ar−H);6.35(d,J=8.1Hz,1H,インドール−H);4.43(m,2H,インドール−CHCHCHN);3.70(m,12H,4×ピペラジン−CH+2×NH+インドール−CHCHCHN);3.65(s,3H,OCH);3.37(s,6H,2×OCH);2.80(s,3H,CH);2.24(m,2H,インドール−CHCHCHN);元素分析C2936Cl(×2HCl×HO)計算値C,57.14;H,6.28;N,9.19;実験値C,57.10;H,6.30;N,8.68
【0102】
実施例10
3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化28】

2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチルを製造するため、Catarzi et al.,Arch.Pharm.(Weinheim)1997,330,12,383−386の修飾操作を使用した。ジェチルエーテル30ml中の5−フルオロインドール(7.4mmol,1.0g)と、ピリジン(0.8ml)の撹拌溶液を0℃へ冷却した。エチルオキサリルクロライド(8.9mmol,1.21g=1.5ml)を注意深く20分にわたって加えた。反応物を0℃において1時間、そして室温で4時間撹拌した。沈澱を濾過し、冷ジェチルエーテルおよび水で洗い、2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(8mmol,64.8%)を淡黄色結晶として得た。集めた有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:1)によって精製した。IR[cm−1]=3158,2978,1724,1614;EI−MSm/z(相対強度)=235(9.64%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)9.22(bs,1H,イミド−NH);8.53(d,J=3.3Hz,1H,インドール−H);8.11(dd,J=2.5Hz,J=9.0Hz,1H,インドール−H);7.41(dd,J=4.3Hz,J=9.0Hz,1H,インドール−H);7.06(dt,J=2.5Hz,J=9.0Hz,1H,インドール−H);4.41(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);1.43(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH
【0103】
2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチルを製造するため、Basel et al.,J.Org.Chem.,2000,65,20,6368−6380の修飾操作を使用した。ジクロロメタン30ml中の上の2−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(4.8mmol,1.1g)およびジ−t−ブチルカーボネート(4.8mmol,1.05g)の撹拌懸濁液へDMAP(ジメチルアミノピリジン)の触媒量を加えた。DMAPの添加により懸濁液は透明溶液になった。反応物を一夜撹拌し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)によって精製し、2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−5−フルオロ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチル(4.6mmol,95.8%)を白色結晶として得た。mp137−138℃;IR[cm−1]=2974,1753,1736,1663;EI−MSm/z(相対強度)=335(10.61%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.83(s,1H,インドール−H);8.12(dd,J=4.7Hz,1H,インドール−H);8.08(dd,J=2.7Hz,J=9.2Hz,1H,インドール−H);7.14(dt,J=2.7Hz,J=9.2Hz,1H,インドール−H);4.44(q,J=7.2Hz,2H,OCHCH);1.70(s,9H,C(CH);1.45(t,J=7.2Hz,3H,OCHCH
【0104】
上の生成物(4.5mmol,1.5g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(4.5mmol,1.0g)と、1M t−BuOK(13.5mmol,13.5ml)を用い、一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:メタノール=4.75:4.75:0.5)によって行い、3−(5−フルオロ−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(1.7mmol,39%)を黄色結晶として得た。mp232−233℃;IR[cm−1]=3289,1716,1577;FD−MSm/z(相対強度)=398.1(1.71%,M);H−NMR(300MHz,DMSO)11.99(bs,1H,インドール−NH);11.07(bs,1H,イミド−NH);8.06(d,J=2.6Hz,1H,インドール−H);7.44(dd,J=4.7Hz,J=8.8Hz,1H,インドール−H);6.94(dt,J=2.3Hz,J=9.1Hz,1H,インドール−H);6.7(s,2H,Ar−H);5.91(dd,J=2.1Hz,J=10.7Hz,1H,インドール−H);3.67(s,3H,OCH);3.43(s,6H,2×OCH);元素分析C2117FN 計算値C,63.63;H,4.32;N,7.07;実験値C,63.44;H,4.45;N,6.86
【0105】
実施例11
3−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド
【化29】

実施例10と同じ操作を用いて2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチルを製造した。以下の量を用いた。5−ブロモインドール(6.6mmol,1.29g);
エチルオキザリルクロライド(7.5mmol,1.02g=0.83ml);ピリジン(0.7ml);ジエチルエーテル(30ml)
2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(3.5mmol,53%)が淡黄色結晶として得られた。mp182−183℃;IR[cm−1]=3224,1720,1618;EI−MSm/z(相対強度)=297(100%,M);H−NMR(300MHz,CDCl+DMSO)11.79(bs,1H,NH);8.09(d,J=1.1Hz,1H,インドール−H);8.01(d,J=3.3Hz,1H,インドール−H);7.01(m,2H,インドール−H);4.04(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);1.07(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH
【0106】
実施例10と同じ操作を用いて2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−5−ブロモ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチルを製造した。以下の量を用いた。2−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(3.5mmol,1.05g);ジ−t−ブチルジカーボネート(4mmol,0.8g);DMPA;ジクロロメタン(30ml)
2−{1−(t−ブトキシカルボニル)−5−ブロモ−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ酢酸エチルが白色結晶(2.6mmol,74,3%)として得られた。mp159−160℃;IR[cm−1]=2962,1751,1732,1663;EI−MSm/z(相対強度)=397(12.17%,M);H−NMR(300MHz,CDCl)8.78(s,1H,インドール−H);8.56(d,J=2.0Hz,インドール−H);8.05(d,J=8.9Hz,1H,インドール−H);7.52(dd,J=2.0Hz,J=8.9Hz,1H,インドール−H);4.44(q,J=7.1Hz,2H,OCHCH);1.70(s,9H,C(CH);1.45(t,J=7.1Hz,3H,OCHCH
【0107】
上の生成物(2.6mmol,1.02g)と、3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(2.7mmol,0.6g)と、1M t−BuOK(8mmol,8ml)を用い、一般的操作2を追従した。精製はカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル:メタノール=4.5:4.5:1)によって行い、3−(5−ブロモ−1H−インドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミド(0.68mmol,26%)をオレンジ色結晶として得た。mp259−262℃;IR[cm−1]=3342,1708,1614;FD−MS m/z(相対強度)=458.1(38.24%,M);H−NMR(300MHz,DMSO)12.07(bs,1H,インドール−NH);11.08(bs,1H イミド−NH);8.05(d,J=2.7Hz,1H,インドール−H);7.40(d,J=8.6Hz,インドール−H);7.20(dd,J=1.6Hz,J=8.6Hz,1H,インドール−H);6.68(s,2H,Ar−H);6.38(s,1H,インドール−H);3.71(s,3H,OCH);3.43(s,6H,2×OCH);元素分析C2117BrN;計算値C,55.16;H,3.75;N,6.13;実験値C,55.06;H,3.87;N,6.01
【0108】
実施例12
3−(4−アザインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロロ−2,5−ジオン
【化30】

【0109】
(a)ジメチル−2−(3−ニトピリジン−2−イル)マロネート
【化31】

Cash et al.(Org. Biomol.Chem.2005,3,3701−3706)の修飾操作を用いた。2−クロロ−3−ニトロピリジン(2g,12.5mmmol)を窒素下乾燥DMF20ml中のNaH(0.5g,12.5mmol,60% NaH鉱油の混合物)の撹拌懸濁液へ加えた。マロン酸ジメチルエステル(1.43ml,1.65g,12.5mmol)を注意深く滴下した。室温で5時間撹拌した後、溶液を水で希釈した。ジエチルエーテルを加えた後、DMFを除去するため混合物を飽和NaCl溶液で4回洗った。有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=2:1)によって精製した。ジメチル−2−(3−ニトロピリジン−2−イル)マロネードが淡褐色オイル(1.4g,5.5mmol,44%)として得られた。H−NMR(300MHz,CDCl)8.83(pdd, J=1.3Hz,J=4.7Hz,1H,H−6);8.49(pdd,J=1.3Hz,J=8.3Hz,1H,H−4);7.54(ppd,J=4.7Hz,J=8.3Hz,1H,H−5);5.56(s,1H,CH);3.83(s,6H,OCH
【0110】
(b)2−メチル−3−ニトロピリジン
【化32】

Cash et al.(Org. Biomol.Chem.2005,3,3701−3706)の修飾操作を使用した。ジメチル−2−(3−ニトロピリジン−2−イル)マロネート(1.4g,5.5mmol)を6M HCl 70ml中に溶解し、8時間還流した。飽和NaCO溶液で中和後、溶液をジクロロメタンで3回抽出した。合併した有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮し、バルブチューブ蒸留(0.35ミリバール,70−80℃)によって精製した。2−メチル−3−ニトロピリジン(0.7g,5.1mmol,92%)が淡黄色オイルとして得られた。H−NMR(300MHz,CDCl)8.72(pdd, J=1.2Hz,J=4.7Hz,1H,H−6);8.27(ppd,J=1.2Hz,J=8.2Hz,Hz,1H,H−4);7.35(pdd,J=4.7Hz,J=8.2Hz,1H,H−5);2.86(s,3H,CH
【0111】
(c)(E)−N,N−ジメチル−2−(3−ニトロピリジン−2−イル)エテンアミン
【化33】

Cash et al.(Org. Biomol.Chem.2005,3,3701−3706)の修飾操作を使用した。2−メチル−3−ニトロピリジン(0.7g,5.1mmol)を乾燥DMF15mlに溶かし、窒素下撹拌した。ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)(1.35ml,1.22g,10.2mmol)を滴下した。反応物を90℃へ40時間加熱した。約15分後濃い赤色が出現した。溶媒を蒸発後、(E)−N,N−ジメチル−2−(3−ニトロピリジン−2−イル)エテンアミンが赤色オイル(0.16g,0.8mmol,73%)として得られた。このものはさらに精製することなく使用できる。H−NMR(300MHz,CDCl)8.40(ppd, J=1.7Hz,J=4.4Hz,1H,H−6);8.16(ppd,J=1.7Hz,J=8.3Hz,Hz,1H,H−4);8.04(d,AX=12.5Hz,1H,H−8);6.76(d,J=4.4Hz,J=8.3Hz,1H,H−5);6.15(d,AX=12.5Hz,1H,H−7);3.01(s,6H,CH
【0112】
(d)4−アザインドール
【化34】

Cash et al.(Org. Biomol.Chem.2005,3,3701−3706)の修飾操作を使用した。メタノール中の8.8%ギ酸の混合物10mlを注意深く加える前に、10%Pd/Cの0.2gを窒素でフラッシュした。赤色オイルとして得られた粗製(E)−N,N−ジメチル−2−(3−ニトロピリジン−2−イル)エテンアミン(0.69g,3.6mmol)をメタノール中の8.8%ギ酸の混合物10mlに溶解し、反応へ加えた。赤色が完全に消えるまで反応物を4時間撹拌した。Pd触媒をセライト(登録商標)を通して濾過することによって除去し、濾液を濃縮した一夜撹拌後、生成物、4−アザインドール(0.21g,1.8mmol,71%)が晶出した。H−NMR(300MHz,CDCl)9.00(bs,1H,NH);8.48(ppd, J=1Hz,J=4.6Hz,1H,H−5);7.70(pdd,J=1Hz,J=8.2Hz,1H,H−7);7.48(pt,J=2.9Hz,1H,H−2);7.12(ppd,J=4.6Hz,J=8.2Hz,1H,H−6);6.76(m,1H,H−3)
【0113】
(e)2−(4−アザインドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル
【化35】

塩化アルミニウム(3.1g,23mmol)と、4−アザインドール(0.38g,4,6mmol)とを100ml乾燥ジクロロメタン中窒素雰囲気下室温で撹拌した。30分後エトキザリルクロライド(2.5ml,3.0g,23mmol)を滴下した。反応混合物を一夜撹拌し、次にエタノール/氷で注意深く加水分解した。ジクロロメタンを添加後、有機相を分離し、NaHCO溶液で洗い、NaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。一夜静置後、2−(4−アザインドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチル(0.5g,2.3mmol,50%)が淡黄色粉末として結晶化した。H−NMR(300MHz,CDCl)12.21(bs,1H,NH);8.58(s,1H,H−2);8.49(ppd, J=4.6Hz,J=1.3Hz,1H,H−5);7.93(ppd,J=8.2Hz,J=1.3Hz,1H,H−7);7.27(ppd,J=8.2Hz,J=4.6Hz,1H,H−6);4.37(q,J=7.1Hz,2H,CH);1.31(t,J=7.1Hz,3H,CH
【0114】
(f)2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−4−アザインドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチル
【化36】

ジクロロメタン10ml中の2−(4−アザインドール−3−イル)−2−オキソ酢酸エチルの撹拌溶液へジ−t−ブチルジカーボネート(0.48g,2.2mmol)と触媒量のDMAPを添加した。2時間後溶媒を蒸発し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製し、2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−4−アザインドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチル(0.6g,1.9mmol,86%)を淡黄色結晶として得た。H−NMR(300MHz,CDCl)8.86(s,1H,H−2);8.72(pdd,J=1.4Hz,J=4.7Hz,1H,H−5);8.42(ppd,J=1.4Hz,J=8.4Hz,1H,H−7);7.32(ppd,J=4.7Hz,J=8.4Hz,1H,H−6);4.45(q,J=7.1Hz,2H,CH);1.70(s,9H,C(CH);1.43(t,J=7.1Hz,3H,CH
【0115】
(g)3−(4−アザインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン
分子ふるい(4オングストローム)15gを含有する乾燥THF中の3,4,5−トリメトキシフェニルアセタミド(0.38g,1.7mmol)と、2−[1−(t−ブトキシカルボニル)−4−アザインドール−3−イル]−2−オキソ酢酸エチル(0.54g,1.7mmol)の撹拌溶液を窒素下0℃へ冷却した。この温度において10M t−BuOK(3.7ml,3.62mmol)を隔膜を通って添加し、混合物が室温へ昇温するのを許容した。一夜撹拌後、反応物を再び0℃へ冷却し、飽和NHCl溶液で反応停止した。残渣を濾過し、酢酸エチルで抽出し、合併した有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:エタノール=9:1)によって精製した。3−(4−アザインドール−3−イル)−4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−マレイミドが黄色結晶(0.17g,0.45mmol,26%)として得られた。mp274−275℃;IR[cm−1]=3338,2946,1716;EI−MS m/z(相対強度)=380.75(1.37%,M);379.79(25.54%),378.79(71.14%);H−NMR(300MHz,DMSO)11.98(bs,1H,アザインドール−NH);11.14(bs,1H イミド−NH);8.12(ppd,J=1.0Hz,J=4.6Hz,1H,H−5);8.04(pd,J=2.7Hz,1H,H−2);7.83(pdd,J=1.0Hz,J=8.2Hz,1H,H−7);7.09(pdd,J=4.6Hz,J=8.2Hz,1H,H−6);6.87(s,2H,Ar−H);3.62(s,3H,OCH);3.32(s,6H,OCH

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの3−(インドリル)−および3−(アザインドリル)−4−フェニルマレイミド化合物、その生理学的に許容し得る塩、並びに式Iの化合物の溶媒和物およびその塩:
【化37】

式中、
は、H、C−Cアルキル、フェニル−C−Cアルキルまたはフェニル;
は3個のC−Cアルコキシ基で置換されたフェニル基;および
は、
【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

から選ばれ、ここで
はHまたはC−Cアルキル、
はC−Cアルキル−R10であって、R10は、
a)アミノ、
b)C−Cアルキルアミノ、
c)ジ−C−Cアルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、
e)C−Cアルコキシ、
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた1個または2個の追加のヘテロ原子を含んでいる5または6個の環原子を有する飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキル基へ結合し、そして追加のC−Cアルキル基を炭素原子または窒素原子上に担持し得;
g)フェノキシ、
h)ベンジルオキシ、
i)R11CONR12−、
j)NR1212CO−、
k)C−C−アルキル−NHCONH−、
l)C−C−アルキル−NHCOO−、
m)C−C−アルキル−OCONH−、
n)R12−OSOO−、
o)R11SOO−、
p)R12−OSO−、
q)R11SO−、
r)(R12O)P(O)O−、
s)(R12O)P(O)−、および
t)(R12O)R11P(O)O−、
であり、
はH、C−C−アルキル,C−C−アルコキシ,OH,またはハロゲン;
11はC−C−アルキル;
12はHまたはC−C−アルキルである。
【請求項2】
は,式
【化43】

の基であり、式中R,RおよびRはC−C−アルコシキ基である請求項1の化合物。
【請求項3】
(1)式Ia:
【化44】

(2)式Ib:
【化45】

(3)式Ic:
【化46】

(4)式Id:
【化47】

,または
(5)式Ie:
【化48】

を有し、式中RおよびRないしRは請求項1において定義したとおりであり、R,RおよびRはC−C−アルコシキ基である請求項1の化合物。
【請求項4】
,RおよびRはHである請求項1ないし3のいずれかの化合物。
【請求項5】
10は、
a)アミノ、
b)C−C−アルキルアミノ、
c)ジ−C−C−アルキルアミノ、
d)ヒドロキシ、
e)C−C−アルコキシ、および
f)1個の窒素ヘテロ原子と、任意にO,NおよびSから独立に選ばれた1個または2個の追加のヘテロ原子を含んでいる環原子5個または6個の飽和ヘテロサイクリルであって、窒素原子を介してC−C−アルキル基へ結合し、そして炭素原子または窒素原子上に追加のC−C−アルキル置換基を持つことができるヘテロサイクリルから選ばれる、請求項1ないし4のいずれかの化合物。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに従った少なくとも1つの式Iの化合物と薬学的に許容し得る補助剤を含み、任意に化学療法剤をさらに含んでいる医薬品組成物。
【請求項7】
化学療法剤は抗腫瘍剤、多剤抵抗逆転剤、生物学的応答修飾剤、およびそれらの組合わせから選ばれる請求項6の組成物。
【請求項8】
化学療法剤は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、エクサテカン、ルールトテカン、ギマテカン、プロセカン、カレニテシン、ベロテカン、シラテカン、ジフロモテカンおよびそれらの塩から選ばれたトポイソメラーゼI阻害剤である請求項6の組成物。
【請求項9】
トポイソメラーゼI阻害剤は、イリノテカンまたはトポテカンである請求項8の組成物。
【請求項10】
任意に追加化学療法剤の使用を含む、腫瘍処置に使用するための請求項1ないし5のいずれかに従った式Iの化合物。
【請求項11】
追加の化学療法剤は、抗腫瘍剤、多剤抵抗逆転剤、生物学的応答修飾剤およびそれらの組合わせから選ばれる請求項10に従った使用のための化合物。
【請求項12】
追加の化学療法剤は、トポイソメラーゼI阻害剤である請求項10に従った使用のための化合物。
【請求項13】
トポイソメラーゼI阻害剤は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、エキサテカン、ルールトテカン、ギマテカン、プロセカン、カルニテシン、ベロテカン、シラテカン、ジフロモテカンおよびそれらの塩から選ばれる請求項12に従った使用のための化合物。
【請求項14】
トポイソメラーゼI阻害剤は、イリノテカンまたはトポテカンである請求項12に従った使用のための化合物。
【請求項15】
腫瘍処置を必要とする哺乳類へ請求項1ないし5のいずれかの式Iの化合物の有効量を投与することを含む、哺乳類の腫瘍処置方法。
【請求項16】
さらなる化学療法剤の投与を含む請求項15の方法。
【請求項17】
化学療法剤は、抗腫瘍剤、多剤抵抗逆転剤、生物学的応答修飾剤およびそれらの組合わせから選ばれる請求項16の方法。
【請求項18】
さらなる化学療法剤は、トポイソメラーゼI阻害剤である請求項15の方法。
【請求項19】
トポイソメラーゼI阻害剤は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、エキサテカン、ルールトテカン、ギマテカン、プロセカン、カルニテシン、ベロテカン、シラテカン、ジフロモテカンおよびそれらの塩から選ばれる請求項18の方法。
【請求項20】
トポイソメラーゼI阻害剤は、イリノテカンまたはトポテカンである請求項18の方法。

【公表番号】特表2013−514295(P2013−514295A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543626(P2012−543626)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069352
【国際公開番号】WO2011/073092
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(312016078)ヨハネス、グーテンベルク−ウニフェルジテート、マインツ (2)
【Fターム(参考)】