ACライン電圧の調節器および制御器
【課題】本発明の目的は、誘導電動機などのAC負荷に提供されるAC電力を調整し、調節し、制御するデバイスを提供することである。
【解決手段】電圧および電力の調節・制御デバイスが、ACライン電源(11、12)および単相誘導電動機などの無効負荷(13)と直列に使用され得る。本デバイスは、AC負荷によって反射される電力の一部を吸収し、印加電力のレベルおよび位相を補足し、補正するための合成電力波を生成するように動作する。本デバイスは、1対の電力用コンデンサ(C1、C2)、およびそれぞれダイオード(D1、D2)と並列な1対の電子スイッチデバイス(Q1、Q2)を用いる。ライン電圧およびタイミング(例えばゼロ交差)に基づいて、ゲート信号またはコマンド信号(図2A、2B、2C)が生成される。コマンド信号の位相またはタイミングは、標準モードもしくは非昇圧モード、電圧昇圧モード、または電圧低下モードについて選択される。コンデンサは負荷と直列とみなされ、負荷に対する力率を改善する。このデバイスの一変形は、太陽電池アレイまたは他のローカル電源と併用され得る。
【解決手段】電圧および電力の調節・制御デバイスが、ACライン電源(11、12)および単相誘導電動機などの無効負荷(13)と直列に使用され得る。本デバイスは、AC負荷によって反射される電力の一部を吸収し、印加電力のレベルおよび位相を補足し、補正するための合成電力波を生成するように動作する。本デバイスは、1対の電力用コンデンサ(C1、C2)、およびそれぞれダイオード(D1、D2)と並列な1対の電子スイッチデバイス(Q1、Q2)を用いる。ライン電圧およびタイミング(例えばゼロ交差)に基づいて、ゲート信号またはコマンド信号(図2A、2B、2C)が生成される。コマンド信号の位相またはタイミングは、標準モードもしくは非昇圧モード、電圧昇圧モード、または電圧低下モードについて選択される。コンデンサは負荷と直列とみなされ、負荷に対する力率を改善する。このデバイスの一変形は、太陽電池アレイまたは他のローカル電源と併用され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、誘導電動機などのAC負荷に提供されるAC電力を調整し、調節し、制御するデバイスに関する。本発明は、より具体的には、ACライン電力の品質の低下を補償するために、AC負荷に印加されるAC電力の波形および電圧レベル、ならびに力率および周波数を調整することのできるAC電力調節デバイスを対象とする。本発明の電力調節デバイスは、分数馬力から数馬力以上までの電動機と共に、電動機にかかるねじり荷重が外部要因に応じて変動し得る場合、およびライン電力の品質が低下し得る、すなわち、(北米における)公称117VACから100VAC未満になり得る状況において使用され得る。またデバイスは、HVAC用途または冷凍庫において圧縮機を駆動するのに使用され得る単相AC誘導電動機など、使用中に変動し得るACまたは誘導性負荷についての力率を制御するのにも用いられ得る。
【背景技術】
【0002】
背景技術
AC電動機では、利用可能な電動機トルクは、ACライン電力の条件または品質に依存し得る。出力トルクは入力電圧の二乗に比例する。多くのピーク需要時に、ACライン電力の品質は、ライン電圧の変化およびライン周波数の変化につれて大きく変動し得る。ライン電圧が117VACから100VACまで降下すると(約14.5%の降下)、結果として約27%のトルクの低下になる。典型的には、電動機設計者は、期待される入力条件の範囲を超える負荷要件を満足させるために、電動機を過剰設計するように強いられる。電動機電機子は、基本的に誘導性負荷であり、好ましくない力率に直面せざるを得なくなる可能性があり、これは、実際の印加電圧、すなわち、複素AC電圧の実数成分が容認できないほど低くなる可能性があることを意味する。したがって、不都合なライン条件の下でさえも電動機が最適に動作するようにライン電圧のRMS値を調整することが望ましい。
【0003】
また、あらゆる用途に定格が±10%の所与の電圧範囲を上回る電動機を使用することも通例になっている。これは、システムが低電圧において全負荷要件を満たすように過剰設計される必要があることを意味する。そうではなく、所与のAC誘導電動機について、入力電圧が10%低い、すなわち、V=90%V標準である場合には、出力トルクTはT=81%T標準まで低下する。これは、一般的慣習によれば、電動機は少なくとも19%過剰設計される必要があることを意味する。したがって、正常または高いライン条件においては、電気エネルギーの20%超が浪費され、または発電所に向けて反射される。
【0004】
電動機制御のための一手法は、電動機速度を制御することを目的とした、パルス制御インバータを用いる可変周波数ドライブ(VFD)であった。VFDでは、入力AC電力を整流して一定のDC「レール」レベルを生成し、次いでインバータがパルス幅変調(PWM)を使ってDC電力をAC駆動波に変換する。この技法は、平均電流波が正弦波を近似し得るように非常に高速で電源をオン・オフにすることにより、インバータによって生成される方形波の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを修正する。これらのVFDは、ライン電圧で直接に誘導電動機を動作させる際の問題のいくつかを克服し、ある範囲の速度制御を可能にする。しかし、PWMの使用は、電動機電機子における巻線絶縁の破損および高いスイッチング損失を含む、他の問題につながり得る。その上、PWM VFD機器は、それ自体では電圧を昇圧しない。
【0005】
多くの場合、必要とされるのは、単に実効RMS電圧を昇圧する(または調整する)ことである。これにより、修正されないライン電力が電動機に直接印加される場合に推奨される電動機よりも定格の小さい電動機を使用することが可能になる。
【0006】
これらの問題のいくつかに対処する位相検波力率制御回路の一例が特許文献1で論じられている。特許文献1では、印加された電力波の形状をサイリスタ(トライアック)を使用して変更し、位相角または力率を最適化するように様々な位相角においてサイリスタをオン・オフにすることにより、実効印加電力を低減する能動力率変換器が論じられている。別の力率制御器が特許文献2で論じられている。特許文献2に記載されているデバイスは、力率補正を備え、電源オン時にAC負荷に対して漸増する電圧を印加するためのソフトスタート機能も備える能動力率制御器である。これらは、負荷に渡されるAC入力電力の量を調整するように印加電力を切り換えることによって達成される。これらは実効印加電圧を低減し得るが、負荷に印加される電力(すなわち電圧)を昇圧するものではない。
【0007】
力率(位相角)補正は、AC電力の消費者と商業的提供者の両方にとっての問題である。通例は、(電動機電機子などの誘導性デバイスの場合には)負荷と並列に一つまたは複数のコンデンサが配置される。コンデンサのサイズは、ライン条件および負荷条件と共に変化し得る電動機インピーダンスに適合するように選択される必要がある。これは、いくつかのコンデンサが並列に配置され、条件が変化するにつれて回路に出し入れされる必要があることを意味する。この技法は、大きくて高価な高容量のACデバイスを必要とする。
【0008】
ライン電力が低すぎ、または高すぎる可能性のある場合に必要とされるのは、誘導電動機または他のAC負荷デバイスの動作を最適化するために、必要に応じて、AC電圧を増加させ、または印加AC電圧を減少させることのできる単純で信頼性の高い電力調節器である。また、電動機への損傷をもたらす可能性があり、著しいRFエネルギーを生み出す可能性のある、前述のような、電力スイッチング構成要素の高速スイッチングを回避することも求められ得る。
【0009】
ブラウンアウト保護における(すなわち、AC誘導電動機を低ライン電圧状況における焼損から保護するための)これまでの取り組みは、典型的には、損傷を防止するために単に電動機への電源を切断することだけを伴うものであった。これは電動機を保護するが、電動機が駆動するように設計されているシステムにとっての重大な問題を引き起こすおそれがある。例えば、業務用冷凍用途においては、冷凍肉、アイスクリーム、または別の食品などの冷凍食品の貯蔵に冷凍システムが使用され得る。いわゆるブラウンアウトの間、動作ライン電圧が安全閾値を下回って降下する(例えば120ボルトRMSから95ボルトRMS未満まで低下する)ときには、圧縮機電動機は単に遮断され、冷凍が行われなくなる。ブラウンアウトが1時間以上の期間にわたって続く場合、肉が傷み始め、あるいはアイスクリームが融けるおそれもある。ブラウンアウトの間も冷凍システムを動作させ続けることが、すなわち、たとえ一部の速度でも設備を動かすのに十分なようにAC電力波を修正することが望ましいであろう。しかし、それは既存の電力制御回路では不可能であった。
【0010】
商用電源があまり確実ではなく、ライン電力が1日の間に著しく上下に変動し得る地域がある。そのような区域では、従来の手法は、電圧を上げるための可変変圧器、および/または信頼できる電力のために過剰設計されているが故障せずにACライン電圧の著しい降下に耐えることができる超高性能電動機を伴うものであった。これらの手法は大量の電力を浪費する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】Nda米国特許第4,459,528号
【特許文献2】Bach米国特許出願公開第2003/0122433号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
技術的課題
本発明の一目的は、電動機電機子などのAC負荷に電力を提供し、駆動波形および電圧を、前述のような先行技術の欠点を回避するやり方で調整し、制御することである。
【0013】
本発明の一目的は、電気エネルギーの浪費を回避するために力率補正によって印加電力を最適化することである。
【0014】
別の目的は、ライン電圧の品質が著しく変動し得る条件の下で、電圧調整によって、圧縮機電動機または他の非線形負荷もしくは無効負荷の効率のよい動作を実現する電力調節デバイスを提供することである。
【0015】
別の目的は、ソフトスタート、ハードスタート、±30%以上の電圧調整、および力率補正の機構または機能を有するAC電力調節デバイスを提供することである。
【0016】
別の目的は、様々な条件の下での最適な電動機動作のために、電圧調整と組み合わせたソフトスタートならびにハードスタート(トルク増強)のための機能を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、既存の、または新しい設備の電圧動作範囲をACラインの公称電圧の上下に拡大することである。
【0018】
本発明の別の目的は、低部品数、低損失、および低コスト設計の回路を提供することである。
【0019】
別の目的には、最大電力伝送を達成するためのソースおよび/または負荷インピーダンスマッチング;動作の経済性を達成するためのボルト数、アンペア数、電力、力率、およびワット時の計測のための機能;プログラム可能なエネルギー管理システムの円滑化;さらには、(三相系における)相損失、相回転または相補正を修正または調整するための電動機制御機能;電圧不均衡の補正;不足電圧および過電圧の保護;プログラム可能な過負荷保護;ならびにオフピーク価格設定差などについての電力提供者との通信が含まれる。
【0020】
別の目的には、可変電圧による電動機速度制御および可変周波数による電動機速度制御が含まれる(ライン周波数および印加電力周波数は同じでなくてもよい)。
【0021】
別の目的は、(いわゆるグリッド・タイ・インバータ・システムの代わりに使用すべき)太陽光電源または他の電源につなぐことを含む、DC電源と共に使用するためのインバータ機能を提供し、「グリーン・エネルギー・システム」を提供することである。
【0022】
別の目的は、アーク遮断機能および漏電遮断機能である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
課題に対する解決策
本発明の一局面によれば、キャパシタンスを用いて、電力波の激しいチョッピングも電流システムに特有の関連RF放射も生じずに、電動機の印加電圧を増大または低下させるよう力率を補正することができる。
【0024】
IGBT、MOSFET、パワートランジスタなどであってもよい個々のスイッチング素子に、コマンド信号が印加される。他の可能なスイッチング構成要素は、SCR、トライアック、またはシリコン双方向スイッチ(Silicon Bilateral Switch)であってもよい。コマンド信号は、論理構成要素(例えば演算増幅器、差動増幅器など)またはマイクロプロセッサから送られてもよく、これらの信号は、関連する電力スイッチング構成要素に直接的または間接的に(例えば光アイソレータを用いて)伝えられてもよい。構成要素によっては、ゲートが不要とされる場合もある。
【0025】
本発明の一態様によれば、直列電圧調整回路デバイスは、調整されたAC電圧レベルで二端子単相誘導電動機または他のAC負荷デバイスに印加される単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じることができる。電圧調整回路は、そのような単相ACライン電源に接続するための設備を有し、この電源は第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する。2入力ライン電圧調整器は、第1および第2のAC電源端子を有し、第1のAC電源端子は第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子は負荷の第1のAC電源端子に接続されており、負荷の第2のAC端子は第2のAC電源導体に接続されている。関連する制御信号発生器はAC電源と結合された一つまたは複数のセンサ入力を備えることができ、AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出し、ACライン電力のゼロ交差および極性を検出するための設備を有し、第1および第2のコマンド信号をライン電圧調整器に提供するための出力を有する。これらのコマンド信号は、電力スイッチング構成要素の時限ゲート制御に用いられる。2ライン電圧調整器は、好ましくは、それぞれ第1の電極および第2の電極を有する第1および第2の電力用コンデンサを含み、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極はそれぞれ電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている。第1および第2の電子スイッチングデバイスはそれぞれ第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートを有し、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極はそれぞれ電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されている。第1の電力用コンデンサの第2の電極は第1のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極は第2のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている。制御信号発生器の第1および第2の出力はそれぞれ、第1および第2の電子スイッチングデバイスのゲートに結合されている。これは、変圧器結合、光結合、またはデバイスをゲート制御する他の適切な手段であってもよい。パワーダイオードは、好ましくは、第1および第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続されている。パワーダイオードはそれぞれ関連するスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されたアノード、および関連するスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されたカソードを有し得る。
【0026】
電力用コンデンサは負荷と直列であるとみなされ、負荷は、往々にして、誘導性負荷、すなわち電動機巻線である。すなわち、一方のコンデンサは正の半サイクルの間に、他方のコンデンサは負の半サイクルの間に、負荷(電動機巻線)と直列回路関係にある。この構成は、電動機に固有の位相遅れを補正しようとする傾向にあり、回路の力率を改善する。調整回路と関連するスイッチングデバイス(例えばトランジスタ)がこれらのコンデンサの充電および時限放電を制御するため、負荷角補正の量は、動作の間に常に力率補正を最適化するように負荷の変化と共に自動的に変動する。
【0027】
例示の態様は単相システムにおいて用いられるが、これらの構成の複数を、多相(例えば三相)のAC電力システムの各相で用いることもできる。デルタ構成の場合には、三相のうち二相のみがこれらのデバイスを備えれば十分である場合もある。
【0028】
ライン電力条件によっては、制御信号発生器は、第1および第2の制御信号を、それぞれ、第1および第2のコマンド信号が、一例として、位相角0〜π(180°)および位相角π〜2π(360°)の間に交互にオンになる標準モードで、または、第1および第2の制御信号がそれぞれ交互に、0〜π/2(90°)の位相遅れおよびπ〜3π/2(270°)の位相遅れで始まってオンになる電圧昇圧モードで提供するように動作する。好ましいモードでは、コマンド信号は第1のスイッチ(例えばQ1)を、0°から90°まで(0からπ/2まで)についてはオンにゲート制御し、90°から180°まで(π/2からπまで)についてはオフになるであろう。第2のスイッチ(例えばQ2)は、180°から270°まで(πから3π/2まで)はオンに、270°から360°まで(3π/2から2πまで)はオフにゲート制御されるであろう。スイッチQ1およびQ2についてのコマンド信号は、半サイクルごとにただ一つの制御パルスではなく、個々の半サイクルのそれぞれにおいて複数のオン信号およびオフ信号を提供することができるであろう。コマンド信号についてのオンおよびオフの時間は、最適な電動機性能を達成するようにライン条件および負荷条件に合わせて調整することができる。すなわち、コマンド信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジのタイミングは、所望の電力波形を生じるように入力電力波の位相に対して制御することができる。
【0029】
加えて、制御信号発生器は、第1および第2のコマンド信号がそれぞれ約π/2〜πおよび約3π/2〜2πの位相遅れで始まって交互にオンになる電圧低下モードでコマンド信号を提供するようにも動作する。この回路素子はソフトスタート機能を有することができ、低下した電圧が電動機動作の開始直後の短期間にわたって印加される。
【0030】
さらに、位相角が減少した昇圧電圧は、位相角の遅れが原因で失われた電圧を補償するために、増大されたトルクでのソフトスタートを可能にする。
【0031】
代替の構成では、電圧調整回路は、単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じることができ、また、根本的に抵抗性であるかまたは抵抗性であり得るAC負荷デバイスに印加されるAC電圧レベルを調整するために電力を調節するようにも動作する。ライン電圧調整器は第1および第2のAC電源端子を有する。第1のAC電源端子はACライン電源の第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子は負荷の第1のAC電源端子に接続されており、負荷の第2のAC端子は第2のAC電源導体に接続されている。前述の態様の場合と同様に、制御信号発生器はAC電源に結合されたセンサ入力を有し、AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出し、ACライン電力のゼロ交差(電圧または電流いずれかのゼロ交差)を検出するように動作する。制御信号発生器は第1および第2の制御信号を提供する。
【0032】
この態様では、電圧調整器は、それぞれ第1の電極および第2の電極を有する第1および第2の電力用コンデンサを有し、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極はそれぞれ、電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている。それぞれ第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートを有する第1および第2の電子スイッチングデバイスがあり、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極はそれぞれ、電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されている。また、それぞれ第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートを有する第3および第4の電子スイッチングデバイスもあり、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極はそれぞれ、第2のAC電源導体に接続されている。第1の電力用コンデンサの第2の電極は第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極は第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている。制御信号発生器は、第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲートと、第2および第3の電子スイッチングデバイスへのゲートとにそれぞれ結合されている。
【0033】
第1および第2のダイオードは第1および上記第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続されていてもよく、第3および第4のダイオードは第3および第4の電子スイッチングデバイスとそれぞれ並列に接続されていてもよい。
【0034】
別の態様によれば、本発明の電圧調整回路構成は、ACライン電流を増大させ、補足するために、ACライン電流を、負荷とのみならず、太陽電池パネルの発電機やシステムなどの補助電源とも接続するのに使用され得る。これは、ユーザによって実際に消費されるACライン電力のワット時数を低下させ、したがって顧客への電力請求額を低減するのに役立ち得る。加えて、過剰電力を同相かつ適正に調節された状態でグリッドネットワーク上または電力ネットワーク上に配置することもできる。
【0035】
ライン調節器は、第1および第2のAC電源端子を有し、第1のAC電源端子は第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子は負荷の第1のAC電源端子に接続されており、負荷の第2のAC端子は第2のAC電源導体に接続されている。太陽電池パネルなどのDC電源に接続された第1および第2の入力DC電力入力がある。制御信号発生器は、AC電源に結合されたセンサ入力を有し、ACライン電力のAC電圧レベルおよびゼロ交差を検出するように動作し、ライン電圧調整器に第1および第2のコマンド信号を提供する。この場合、電圧調整器は、それぞれ第1の電極および第2の電極を有する第1および第2の電力用コンデンサを含み、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極はそれぞれ電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている。第1および第2の電子スイッチングデバイスはそれぞれ、第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲート(実施態様によっては任意選択)を有し、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極はそれぞれ電圧調節器の第2のAC電源端子に接続されている。第3および第4の電子スイッチングデバイスはそれぞれ、第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲート(実施態様によっては任意選択)を有し、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極はそれぞれ第2のAC電源導体に接続されている。第1の電力用コンデンサの第2の電極は第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極は第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている。
【0036】
第1および第2のDC電力入力はそれぞれ第1の電源端子および第2の電源端子を有する。第1のDC電力入力の第1の電源端子および第2のDC電力入力の第2の電源端子は第1のAC電源端子と接続する。第5および第6の電子スイッチはそれぞれ1対の電源端子およびゲート(任意選択)を有し、第5の電子スイッチの電源端子は第1の電力用コンデンサと第1のDC電源とに接続し、第6の電子スイッチの電源端子は第2の電力用コンデンサおよび第2のDC電源に接続する。両方の電子スイッチのどちらもDC電源および関連する電力用コンデンサと直列の様々な場所に位置することができるであろう。あるいは、必要な場合には、所与の実施態様においてガルバニック絶縁を用いることもできる。
【0037】
本発明の電圧または電力の調整回路は、一方のプレートまたは電極が一方のAC電源端子および第2の電極に結合され、他方のプレートまたは電極がスイッチドブリッジの正または負の側につながっている第1および第2の電力用コンデンサを有するものとみなすことができる。スイッチドブリッジは第1、第2、第3および第4の電子スイッチングトランジスタを有し、第1および第2のトランジスタはそれぞれ、他方のAC電源端子および第2の電源電極に接続された第1の電源電極(すなわちアノードまたはカソード、ソースまたはドレイン)を有し、第3および第4のスイッチングデバイス(例えばトランジスタ)はそれぞれ、上記第1および第2の電力用コンデンサそれぞれの第2のプレートまたは電極に接続された第1の電源電極を有する。第1および第3のトランジスタの第2の電源電極は第1のAC負荷端子に連結されおり、第2および第4のトランジスタの第2の電源電極は第2のAC負荷端子に連結されている。一つまたは複数のDC電源(すなわち、太陽電池アレイ、風車など)は、少なくとも一つの正のDC出力および負のDC出力を有し、例示の態様では、正と負の出力間に中性端子または接地端子を有する。調整回路はさらに、正のDC出力と第1の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第5の電子スイッチングデバイス、および上記負のDC出力と第2の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第6の電子スイッチングデバイスを用いる。第5および第6のデバイスは好ましくはFETとして実装され、制御信号発生器からの個々のコマンド信号によってゲート制御され得る。しかし、場合によっては、ダイオードが、AC電力波の電圧ゼロ交差の時刻付近において個々の電力用コンデンサの充電の機能を果たすこともできる。
【0038】
中性DC端子は、2つの電力用コンデンサの第1の電極に結合され得る。
【0039】
この構成は、ACライン電力の正の半サイクルを正のDC出力レベル上に重畳し、ACライン電力の負の半サイクルを上記負のDC出力レベル上に重畳するための機構として使用される。よってこの構造は、各半サイクルで、電力波のベースにDCレベルを配置することにより、AC電力波の総電圧および総電流を上げることができる。ライン品質が低い、すなわち、低電圧条件であるときには、これにより、事実上、電力が負荷に印加される前に適正な電圧まで上がる。負荷からの需要が低く、過剰電力がDC電源(すなわち、太陽電池アレイまたは風力発電機)上で発生しているときに、昇圧された電力波は実際には、AC入力ラインにおいて上流にフィードバックされることができる。いずれにせよ、これにより、通常のグリッド・タイ・インバータに取って代わる構成が可能になり、そのため、複雑で高価な設備であるグリッド・タイ・インバータを用いずに同じ機能が実現される。
【0040】
コマンド信号は、制御信号発生器から、それぞれ、第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲート(またはその均等物)と、第2および第3の電子スイッチングデバイスとに提供され、第5および第6のスイッチングデバイスのゲートにはタイミング出力信号が結合され得る。
【0041】
個々の電力スイッチング構成要素のためのコマンド信号は、様々な発生源、すなわち、論理ゲートからマイクロプロセッサ制御までのいずれかから提供することができる。制御信号発生器については多くの設計が可能である。制御信号発生器には入力ライン電源から給電されてもよく、ライン電源以外の電源から給電されてもよい。ユーザによる出力AC駆動電流の調整を可能にするユーザインターフェースがあってもよく、ボルト数、アンペア数、消費電力、ワット数、力率、印加周波数などの視覚表示があってもよい。また表示は、直接ライン電源を使用した場合に対して電力補正モードで動作した場合に節約された電力の表示を示すこともできる。電圧、電力、位相などの測定値を、情報がビルオートメーション負荷管理システムに伝えられるように、無線を含む任意の適切な通信プロトコルによって入手し、報告することもできる。
【0042】
本発明の制御回路は、本来的にコンパクトで、信頼性が高く、比較的安価であると同時にエネルギーの浪費を回避するものであるという要件を満たす、単純明快な設計のものとすることができる。
【0043】
「電子スイッチ」または「電子スイッチングデバイス」という用語は、発生し得る電圧および電流レベルを扱うことのできる広範囲のデバイスを幅広く対象として含むためのものであり、「ゲート」という用語は、本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、(例えば光デバイスの場合の感光性入力を含む)任意の制御電極または制御入力を指し示すためのものである。「ダイオード」は、全波ブリッジ整流器を含む任意の一方向性デバイスを含むことができ、あるいは、MOSFET、IGBT、SCR、トライアック、SIDACなどを含んでいてもよい。
【0044】
より具体的には、本発明は、以下に関する。
〔1〕AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷デバイスに印加することのできる直列電圧調整回路であって、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続するための手段と、
第1および第2のAC電源端子を有する2入力ライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、該2入力ライン電圧調整器と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器と、
該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力と
を含む、直列電圧調整回路。
〔2〕2入力ライン電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極がそれぞれ該電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ該電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されており、第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
制御信号発生器の第1および第2の出力をそれぞれ第1および第2の電子スイッチングデバイスの該ゲートに結合する回路と
を含む、〔1〕記載の直列電圧調整回路。
〔3〕第1および第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続された第1および第2のダイオードを含む、〔2〕記載の直列電圧調整回路。
〔4〕第1および第2のダイオードがそれぞれ、関連するスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されたアノードと、関連するスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されたカソードとを有する、〔3〕記載の直列電圧調整回路。
〔5〕第2のAC電源導体と第1の電力用コンデンサの第2の電極との間に接続された第3のダイオード、および第2のAC電源導体と第2の電力用コンデンサの第1の電極との間に接続された第4のダイオードとをさらに含む、〔3〕記載の直列電圧調整回路。
〔6〕制御信号発生器が、第1および第2の制御信号を、第1および第2の制御信号が位相角0〜πの間および位相角π〜2πの間で交互にオンになる標準モードと、第1および第2の制御信号がそれぞれ位相幅π/2〜πの間に課されるオフ位相およびπ〜3π/2の間の位相遅れを有する電圧昇圧モードとで提供するように動作する、〔1〕記載の直列電圧調整回路。
〔7〕制御信号発生器が、第1および第2の制御信号を、第1および第2の制御信号がそれぞれ約π/2〜πの間および約3π/2〜2πの間の位相遅れで始まってオンになる電圧低下モードで提供するように動作する、〔6〕記載の直列電圧調整回路。
〔8〕AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、第1および第2のAC負荷端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせるように、または該AC入力ライン電力の電圧を昇圧させるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
正のDC電力出力および負のDC電力出力を有するDC電源を含み、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有するACライン電源に接続する回路と、
第1のAC電源導体に接続された第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサ、第2のAC電源導体に接続された電力入力を有する電子スイッチアレイ、第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ結合された電源電極、ならびに第1および第2のAC負荷端子にそれぞれ接続された出力端子を有する調整段と、
該DC電源の正および負の電力出力に接続された正および負のDC導体と、
入力ライン電力の電圧が所定の電圧レベルを下回るときに該電力用コンデンサをそれぞれ充電するために、正および負のDC導体ならびに第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ接続された回路と
を含む、電力および電圧の調整回路。
〔9〕DC電源が、正の電力出力における電圧と負の電力出力における電圧の間の電圧を有する中性電源端子を含み、該中性電源端子を第1および第2の電力用コンデンサの第1の電極に接続する回路デバイスをさらに含む、〔8〕記載の電力および電圧の調整回路。
〔10〕単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷デバイスに印加することのできる電圧調整回路であって、
該電圧調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器、該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力とを含み、
該電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極がそれぞれ該電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ該電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第3および第4の電子スイッチングデバイスであって、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ第2のAC電源導体に接続されている、第3および第4の電子スイッチングデバイスと、
該制御信号発生器の第1および第2の出力を、それぞれ第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲート、ならびに第2および第3の電子スイッチングデバイスに結合する回路とを含み、
第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている、
電圧調整回路。
〔11〕第1および第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続された第1および第2のダイオード、ならびに第3および第4の電子スイッチングデバイスと並列に接続されたダイオードをそれぞれ含む、〔10〕記載の電圧調整回路。
〔12〕ACライン電源とDC電源とを組み合わせて、第1および第2のAC端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせることのできる電力調整回路であって、
該電力調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を含むACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源導体にそれぞれ接続された第1および第2のAC電源端子を有する調整回路と、
該ACライン電源に結合された少なくとも一つのセンサ入力を含みかつ第1、第2、第3および第4のスイッチングデバイスのゲート端子に結合されたコマンド信号出力を有する制御信号発生器とを含み、
該調整回路が、
第1のAC電源端子に結合された第1の電極、および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサと、
第1、第2、第3および第4の電子スイッチングデバイスを含むスイッチドブリッジであって、第1および第2のスイッチングデバイスが第2のAC電源端子に接続された第1の電源電極および第2の電源電極をそれぞれ有し、第3および第4の電子スイッチングデバイスが第1および第2の電力用コンデンサそれぞれの第2の電極に接続された第1の電源電極をそれぞれ有し、第1および第3の電子スイッチングデバイスの第2の電源電極が該負荷の第1のAC端子に連結されており、第2および第4の電子スイッチングデバイスの第2の電源電極が該負荷の第2のAC端子に連結されている、該スイッチドブリッジとを含み、
該DC電源が正のDC出力および負のDC出力を含み、
該調整回路が、
正のDC出力と第1の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第5の電子スイッチングデバイス、ならびに負のDC出力と第2の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第6の電子スイッチングデバイスをさらに含む、
電力調整回路。
〔13〕DC電源が、第1および第2の電力用コンデンサの第1の電極に結合された中性DC出力を含む、〔12〕記載の電力調整回路。
〔14〕制御信号発生器が、第5および第6の電子スイッチングデバイスのゲート端子に結合されたコマンド信号出力を有する、〔12〕記載の電力調整回路。
〔15〕ACライン電力の正の半サイクルをDC電源からの正のDC出力に重畳し、該ACライン電力の負の半サイクルを該DC電源からの負のDC出力に重畳するための手段を含む、〔12〕記載の電力調整回路。
〔16〕単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷に印加することのできる電圧調整回路であって、
該電圧調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続するための回路と、
第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、該ライン電圧調整器と、
第1および第2の入力DC電源と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器、該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力とを含み、
該電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極が該電圧調整器の第1のAC電源端子にそれぞれ接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極が該電圧調整器の第2のAC電源端子にそれぞれ接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第3および第4の電子スイッチングデバイスであって、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極が第2のAC電源導体にそれぞれ接続されている、第3および第4の電子スイッチングデバイスと、
該制御信号発生器の第1および第2の出力を、それぞれ、第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲート、ならびに第2および第3の電子スイッチングデバイスに結合する回路と、
該制御信号発生器のタイミング出力を第5および第6のスイッチングデバイスのゲートに結合する回路とを含み、
第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されており、
第1および第2のDC電源が第1の電源端子および第2の電源端子をそれぞれ有し、第1のDC電源の第1の電源端子および第2のDC電源の第2の電源端子が第1のAC電源端子と接続されており、第5および第6の電子スイッチが1対の電源端子およびゲートをそれぞれ有し、第5の電子スイッチの電源端子が第1の電力用コンデンサを第1のDC電源に接続し、第6の電子スイッチが第2の電力用コンデンサを第2のDC電源に接続する、
電圧調整回路。
〔17〕第1および第2のDC入力電源のそれぞれが太陽電池アレイを含む、〔16〕記載の電圧調整回路。
〔18〕第1および第2のDC入力電源のそれぞれが、自然環境から電力を抽出するデバイスを含む、〔16〕記載の電圧調整回路。
〔19〕AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、第1および第2のAC負荷端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせるか、または該AC入力ライン電力の電圧を昇圧させるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
正のDC電力出力および負のDC電力出力を有するDC電源を含み、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有するACライン電源に接続する回路と、
第1のAC電源導体に接続された第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサを有し、第2のAC電源導体に接続された電力入力、第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ結合された電源電極、ならびに第1および第2のAC負荷端子にそれぞれ接続された出力端子を有する電子スイッチアレイを有する、調整段と、
該DC電源の正および負の電力出力に接続された正および負のDC導体と、
該入力ライン電力の電圧が所定の電圧レベルを下回るときに該AC負荷に補助エネルギーを加えるために、正および負のDC導体ならびに第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ接続された回路構成と
を含む、電力および電圧の調整回路。
〔20〕AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、抵抗性素子、誘導性素子、および容量性素子を有しかつAC負荷端子を有する複素無効AC負荷に印加される調整されたAC電力波を、該負荷端子に印加される入力AC電力の少なくとも一部を該AC負荷が反射するように生じさせるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する、該ACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源導体の一つと該AC負荷端子の対応する一つとの間に挿入されるように該複素AC負荷と直列に挿入された合成AC電力波源であって、該複素AC負荷から反射されるAC電力の少なくとも一部を吸収し、該複素AC源に印加されるAC電力の位相および電圧レベルを最適化するために該AC入力ライン電力に加えられる補助電圧波を生成するための手段を含む、該合成AC電力波源と
を含む、電力および電圧の調整回路。
〔21〕合成AC電力波源が、第1および第2のAC電源導体の一つとAC負荷端子の対応する一つとの間に挿入されたリアクタンス素子を含む、〔20〕記載の電力および電圧の調整回路。
〔22〕リアクタンス素子がACコンデンサとして形成されている、〔21〕記載の電力および電圧の調整回路。
〔23〕電力および電圧の調整回路が、AC電源導体およびAC負荷端子に接続された入力ならびに合成AC電力波源に結合された一つまたは複数の出力を有する制御信号発生器を含み、該合成AC電力波源が、リアクタンス素子と、該AC負荷を有する回路に対する該リアクタンス素子のオンとオフとを制御可能に切り替えるように該制御信号発生器によって制御されるスイッチング手段とを含む、〔20〕記載の電力および電圧の調整回路。
【発明の効果】
【0045】
電圧/電力調整回路は、電動機巻線などの無効負荷デバイス、すなわち誘導性負荷デバイスと共に使用される場合の有効な力率補正デバイスである。調整デバイスは、1対のコンデンサをラインおよび負荷と直列の関係にて配置し、実効キャパシタンス、すなわち位相補正の量は、関連する電子スイッチングデバイスに印加されるコマンド信号のタイミングに対応する。本発明のデバイスは、負荷変動またはライン電圧変動に応じて、力率を自動的に補正する。加えて、2つのコンデンサが一方向の電流の流れに対して逆並列に配置される(すなわち一つのコンデンサは正であり、一つのコンデンサは負である)ため、より低コストで嵩張らないDCコンデンサをうまく用いることができる。
【0046】
本発明の上記および他の多くの目的、特徴、および利点は、添付の図面と併せて読まれるべき後続の好ましい態様の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】好ましい一態様による、標準モードまたは非昇圧モードで用いられたものとして示された、単相誘導電動機の電機子などの誘導性AC負荷と関連するAC電圧調整器回路を示す回路図である。
【図1B】電圧昇圧モードで用いられたものとして示されたこの態様の調整器回路を示す回路図である。
【図1C】電圧昇圧モードで用いられたものとして示されたこの態様の調整器回路を示す回路図である。
【図1D】電圧低下モードで用いられたものとして示されたこの態様の調整器回路を示す回路図である。
【図2A】標準モードでこの態様に用いられるゲート信号またはコマンド信号を示す波形図である。
【図2B】昇圧モードでこの態様に用いられるゲート信号またはコマンド信号を示す波形図である。
【図2C】低下モードでこの態様に用いられるゲート信号またはコマンド信号を示す波形図である。
【図3】標準モードの本発明の動作を説明するための、AC負荷に印加される関連する電圧の波形を示す図である。
【図4A】電圧昇圧モードの本発明の動作を説明するための、AC負荷に印加される負荷電圧を示す波形図である。
【図4B】電圧低下モードの本発明の動作を説明するために、AC負荷に印加される負荷電圧を示す波形図である。
【図5A】代替の態様によるAC電圧調整器回路を示す回路図である。
【図5B】代替の態様によるAC電圧調整器回路を示す回路図である。
【図5C】代替の態様によるAC電圧調整器回路を示す回路図である。
【図6】図5Bおよび/または5Cの態様で用いられる入力電圧およびゲート信号またはコマンド信号の波形を示すグラフである。
【図7】別の好ましい態様による、AC負荷、および電池または太陽電池アレイなどのDCエネルギー源の両方を示すAC電圧調整器回路の回路図である。
【図8A】図1Bおよび図1Cの態様に関して、AC負荷に印加されるACライン電圧、コマンド信号、および負荷電圧を示す電圧波形グラフである。
【図8B】図1Bおよび図1Cの態様に関して、AC負荷に印加されるACライン電圧、コマンド信号、および負荷電圧を示す電圧波形グラフである。
【図9】本発明の各態様において用いられ得る制御信号発生器回路構成要素を示すブロック回路図である。
【図10】別の態様を示す簡略化した図である。
【図11】さらに別の態様を示す図である。
【図12】代替の態様を示す図である。
【図12A】図12の態様の動作を説明するための波形図である。
【図13】多相の態様を示す図である。
【図14】本発明の概念を説明するための概略図である。
【図15】本発明の概念を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
態様の説明
図面を参照すると、図1Aは、本発明の一般的概念を用いた、電源から商用単相ACライン電力を受け取り、次いでその電力を調節し、負荷に印加するように適合された電動機電圧調整回路10の一態様の回路図である。図において、電圧調整回路10はAC電力入力11および12を有する。電力入力11は「通電状態の(hot)」入力または通電線(black-wire)入力とみなされ、電力入力12は「中性」端子または中性線(white wire)端子とみなされ、図では大地電位にあるものとして示されている。これらは図に波記号で表すACライン電源に接続されている。これは北米における公称117VACの電源とすることもでき、北米または欧州における220VACとすることもできる。AC負荷デバイス13、例えば単相誘導電動機は、1対のリード14および15を有し、一方のリード14はAC電源端子12に接続されている。他方のリード15は調整回路10の端子16に接続されている。「通電状態の」電力入力11は別の電源端子17に接続されている。図示のように、電源端子17は、第1および第2の電力用コンデンサC1およびC2のリードに接続されている。図の左側には、第1および第2の電子スイッチングデバイスQ1およびQ2がある。これらはそれぞれ端子16に接続された一つの電源電極と、コンデンサC1およびC2の個々の外側のリードに接続された別の電源電極とを有する。各スイッチングデバイスはダイオードD1、D2を有し、それらは、関連するスイッチングデバイスQ1、Q2の一方の電源電極においてアノードと、他方の電源電極においてカソードと接続されている。各デバイスQ1、Q2はゲートを有し、該ゲートは配線ゲート端子とすることもでき、図のように、関連する光アイソレータA、Bからの光信号(例えば赤外線)に応答する光端子とすることもできる。光端子は、後述する、様々な設計のいずれかのものとすることのできる制御信号発生器回路によって発生するコマンド信号により照光される。
【0049】
標準モード、すなわち、AC電力波に対する調整が行われず、ACライン電圧が公称ライン電圧またはその付近にあるときには、制御信号aおよびbは図2Aに示すように提供され得る。第1のコマンド信号aおよび第2のコマンド信号bは交互に発生し、第1のコマンド信号aは1電力波サイクルのおおよそ半分の間オンであり(位相0から位相πまで、すなわち、0°から180°まで発生するものとして示されている)、第2のコマンド信号bは電力波サイクルの後半、すなわち、位相πから位相2πまで(すなわち、180°から360°まで)の間オンである。競合を回避するために、0、π、2πなどの付近で、両方のコマンド信号がオフである短い期間が生じ得る。タイミングは、電圧波または電流波のどちらかのゼロ交差の時刻および極性を感知することによって制御され得る。
【0050】
標準(非昇圧)モードでは、第1の半サイクルの間、スイッチデバイスQ1がオンになり、ACライン電流がコンデンサC1およびスイッチデバイスQ1を通って電動機電機子または他の負荷デバイス13に入る。次いで、第2の半サイクルにおいて、スイッチデバイスQ1がオフになり、スイッチデバイスQ2がオンになる。次いでACライン電流は負荷デバイスからスイッチデバイスQ2およびコンデンサC2を通ってAC端子11に至る。標準モードでは、負荷に印加される電力波はライン電力波と実質的に同じであり、これは図3に示されている。作動中に負荷において電圧に適度な昇圧が加えられるが、後述するような始動時の大きな昇圧は生じない。
【0051】
電力増大モードを、図1Bおよび1Cを参照して例示する。関連する図2Bに、ACライン電圧が低く、負荷デバイス13をその設計電圧において動作させるために電圧昇圧が必要とされるときに、スイッチングデバイスQ1およびQ2をそれぞれゲート制御するために印加されるコマンド信号aおよびbの波形を示す。またこのモードは、逆EMFが低いために負荷がおおむね抵抗性であるように見える始動時に電圧昇圧を提供することもできる。
【0052】
昇圧モードでは、図2Bに示すように、正の半サイクルの間、時刻または位相θまでの期間、コマンド信号aはオンであり続いてオフに保持(90°と180°の間またはπ/2とπの間として図示されている)され、よって、スイッチングデバイスQ1は表示される期間にわたってオンになり、正の半サイクルの間、コマンド信号bはオフである。図1Bに示すように、デバイスQ1がオンに保持される、正の半サイクルの0からθまでの部分において、電流は、コンデンサC1とデバイスQ1の両方を通って負荷13まで流れる。次いで、θの後、コマンド信号aがLowになると、スイッチングデバイスQ1は通電するのをやめ、電力は、半サイクルの残りの間コンデンサC2およびダイオードD2を通って流れ、負荷13を介してコンデンサC2を充電する。ここでは信号aはAC半サイクル当たり1パルスとして示されているが、出力駆動波形を形成するために、複数回のオン・オフスイッチングを行うこともできるであろう。
【0053】
次の、または負の半サイクルでは、図2Bのコマンド信号bにつき、図1Cに示すように、πからπ+θまでの位相θまでの初期のオン期間の間、スイッチングデバイスQ2はオンに保持され、次いで、位相θにおいて、スイッチングデバイスQ1およびQ2両方がオフになり、電流はデバイス13からダイオードD1およびコンデンサC1を通って端子11に至る(負荷13を介してコンデンサC1を充電する)。
【0054】
0からθまで、およびπからπ+θまでのオフ期間の間のコンデンサおよびダイオードを通る電流の流れは、正の半サイクルでコンデンサC2を事前充電し、負の半サイクルの間にコンデンサC1を事前充電するのに使用される。この期間の持続時間、および正または負の半サイクルの間のオフ時刻θの位置により、スイッチングデバイスQ1、Q2が後続の半サイクルで通電するときにこれらのコンデンサのそれぞれに残る事前充電電圧Δが決定される。次いでこの電圧は、印加AC電圧をその量だけ、すなわち、AC電圧VからAC電圧V+Δまで昇圧する。この機構は、コンデンサC1およびC2が、(大量の回転子スリップに対応する)高い機械的負荷の時間においてより高いレベルのΔまで充電されることを可能にする。回転子スリップが高い、すなわち始動時にある場合、低インピーダンスの負荷13はおおむね抵抗性であるように見え、すなわち、非常に低い逆EMFが生じる。これは、正の半サイクルの間にコンデンサC2を迅速に充電することを可能にし、後続の負の半サイクルの間に他方のコンデンサC1を迅速に充電することを可能にする。次いで、コマンド信号aがHighであり、上側スイッチングデバイスQ1がオンであるときに、電流はC1およびQ1を通る上側の経路をたどり、次の半サイクルの間、コンデンサC2が充電されたままになる。後続の半サイクルで、電動機電流は、コンデンサC2およびスイッチングデバイスQ2を通る下側の経路をたどる。これにより、図4Aに示すように、負の半サイクルの間、印加電圧が昇圧される。次いで、後続の正の半サイクルで、コンデンサC1は事前充電されており、印加AC電圧は昇圧された印加電圧V+Δになる。信号aおよびbのタイミングは、ライン電圧の品質などの条件に応じて、目標AC印加電圧を達成するように変動させることができる。この構成における電圧昇圧/電力増大は、誘導性負荷または無効負荷の寄与に依存する。電力用コンデンサC1およびC2は負荷13を介して充電される。回転子が低速であり、スリップが高く、インピーダンスが低く、逆EMFが低い場合、コンデンサはより迅速に充電され、これにより大幅な電圧昇圧が生じる。回転子が高速であり、スリップが低く、インピーダンスが高く、逆EMFが高い場合には、コンデンサC1およびC2は、より低い値のΔまでしか充電されない。すなわち、より低速で充電され、より小幅な昇圧が提供される。
【0055】
電力低下モードは、図1D、図2Cのコマンド信号波図、および図4Bに示す印加電圧波形を参照して説明されるように、この同じ電圧および電力調整回路10を用いて実現することができる。図2Cに示すように、コマンド信号aおよびbは、関連するゼロ交差の後に続く90°と180°の間の位相角の後で(すなわち、それぞれ、π/2とπの間および3π/2と2πの間に)発生するように生成される。コマンド信号aおよびbは、個々の半サイクルの後半部分の最後の部分の間、スイッチングデバイスQ1およびQ2をオンにする。コマンド信号がオフである時間において、個々のコンデンサC1およびC2は、ピーク電圧を十分下回る電圧まで一部充電される。次いで、関連するスイッチングデバイスQ1またはQ2がオンに切り換わって通電されると、電圧は事前充電電圧からライン電圧まで、すなわち、図4Bの図に示すように上昇する。これによりRMS印加電圧が低下し、したがって電力レベルがより低くされることを理解すべきである。低下モードは、例えば、電動機始動時に、ソフトスタートを実施し、機械的衝撃を制限し、電力サージを制限するのに使用され得る。また、(サイリスタまたは類似のスイッチングデバイスが単にゼロ交差の後のある位相角において電源を入れるだけの)純然たるスイッチモード電力低下と比べて、電力波の立ち上がりエッジは誘導性負荷においてずっと小さいdV/dtを生じる。というのは、印加電圧は、ゼロレベルから立ち上がるのではなく、事前充電電圧から立ち上がるからである。低下モードを呼び出し、低下モードのために、始動期間にわたってその位相および幅を変動させることのできるコマンド信号aおよびbを発生するように適合されている制御回路は、マイクロプロセッサ回路の形とすることができ、その設計は当業者の能力の範囲にあるであろう。
【0056】
電圧および電力調整回路の第1の改変形態が図5Aに示されており、図5Aにおいて第1の態様における要素と類似する要素は同じ参照符号で識別されている。この態様では、電力用コンデンサC1、C2および電子スイッチング素子Q1、Q2が前述のものと同様に設けられており、スイッチング素子Q1およびQ2の電源電極とそれぞれ並列に接続されているダイオードD1およびD2も設けられている。この態様では2つのさらに別のダイオードD3およびD4が追加されており、ダイオードD3のアノードおよびダイオードD4のカソードは共に中性端子12に接続され、ダイオードD3のカソードはコンデンサC1の上側端子に結合され、ダイオードD4のアノードはコンデンサC2の下側端子に結合されて配置されている。この構成は超昇圧モードを実施する。各入力電力波の正の半サイクルで、コンデンサC2はダイオードD4を介して充電されると共にダイオードD2および負荷を介した充電も行われ、負の半サイクルで、コンデンサC1はダイオードD3を介して充電されると共にダイオードD1および負荷を介した充電も行われる。どちらの場合も、ダイオードD3を通る経路およびダイオードD4を通る経路が低インピーダンス配線経路であるため、優位である。これらは、コンデンサC1およびC2が逆の半サイクルにおいてピークまで充電されることを可能にする。
【0057】
関連する改変態様が図5Bに示されており、図5Bでは、第1の態様における要素と同じ要素が同じ参照符号で識別されており、それらの要素の全般的説明を省略することができる。説明したばかりの2つの追加のダイオードD3およびD4の代わりに、この構成ではサイリスタ、すなわち、それぞれコンデンサC1の上側プレートと中性端子12との間、および端子12とコンデンサC2の下側プレートとの間に接続されているSCR Q3およびQ4を用いる。この場合には、コンデンサC1、C2を、逆の半サイクルでピーク電圧未満に充電することができる。サイリスタQ3を3π/2から2πまで作動させ、サイリスタQ4をπ/2からπまで作動させることにより、事前充電の量を制御することができ、電圧昇圧の量を調整することができる。
【0058】
別の態様が図5Cに示されており、図5Cでは、前述の態様における要素と同じ、または類似した要素が同じ参照番号で識別されている。この場合には、FETまたは似たような種類のトランジスタQ3'およびQ4'がサイリスタ(SCR)Q3、Q4の代わりに用いられる。コンデンサC1およびC2の制御された充電が求められる場合、トランジスタQ3'およびQ4'のゲートにパルスコマンド信号cまたはdを印加することにより複数の充電パルスを実現することができる。いずれの場合にも、個々のトランジスタは、直列のダイオードD5、D6を有し、他方、任意選択の保護ダイオードD3およびD4が個々のトランジスタの電源電極の両端に並列に接続されている。この構成は、容量性負荷、抵抗性負荷、または誘導性負荷と共に動作する。印加される負荷電圧は、コンデンサC1およびC2への事前充電の量を制御することにより調整する、すなわち、増減することができる。
【0059】
トランジスタQ1、Q2、Q3'、およびQ4'のゲートに印加されるコマンド信号a、b、c、およびdは、図6のグラフに示すように発生し、図6には、参照のためにライン電圧波Vラインも示されている。コマンド信号aおよびbは、前述の各態様を参照して説明したように、交互の半サイクルで単一パルス(または多重パルス)信号として発生する。コマンド信号cおよびdは、交互の半サイクルの間に単一パルスとして、または断続パルスもしくは多重パルスとして発生する。相対的デューティサイクルは、コンデンサC1およびC2の所望の事前充電を達成するように調整することができる。
【0060】
図7に、全体として図5と同様に構築されているが、AC負荷13の両端への補助電源の適用を制御するように配置された、補助電力の超過量をライン電流源に切り換えることもできる、本発明の電力調整回路の一態様を示す。この態様では、2つのDC電源、すなわち、光電太陽電池アレイ23および24があり、アレイ23の正の端子がHigh端子21に適用され、他方のアレイ24の負の端子がLow端子22に適用され、アレイ24の正の端子が中間電圧でアレイ23の負の端子と接続され、これが、2つのコンデンサC1およびC2の中央接合部に給電する通電状態端子または黒端子17に結合されている。端子21、22と個々のコンデンサC1およびC2の外側プレートとの間にはさらに別の電子スイッチ素子Q7およびQ8が挿入されている。この場合、スイッチ素子Q7およびQ8は、逆の半サイクルの間に主入力AC電力波のゼロ交差またはその付近においてオンにゲート制御され、太陽電池アレイ23、24からの電圧は、コンデンサC1およびC2を事前充電するのに使用される。次いで、太陽電池アレイからのエネルギーは、ACライン電力と一緒に、スイッチデバイスQ1、Q2、Q3'、Q4'を介して負荷13へとゲート制御される。代替の構成では、スイッチ素子Q7およびQ8の一方または両方を、個々の太陽電池アレイ23、24と端子17との間に挿入することもできる。またこの回路は、当業者が、(太陽電池アレイによって)局所的に発生する電力を単相または三相の電力に重畳するように容易に変更することもできるであろう。この構成は、太陽電池アレイを一例とする、風車、水車、および地熱発電機を含む自然環境(風、水、太陽など)からエネルギーを抽出する他の電源デバイスと共に用いることもできる。
【0061】
図8Aは印加される負荷電圧のオシロスコープトレースであり、ここで駆動波は、本発明に従って作成され、図1Bおよび図1Cとの関連で論じた昇圧モードでAC誘導電動機の界磁巻線に印加される。このトレースは、コンデンサC1およびC2が逆の半サイクルで事前充電されている場合の、始動後の各サイクルに典型的なものである。図8Aには、ACライン電力波LINEと負荷波形または印加波形LOADの両方が示されている。参考までに、コマンド信号aのトレースも示されており、コマンド信号aは正の半サイクルそれぞれの間に位相角(0からπ/2または0から90°)のオン期間を有し、その後にその半サイクルの残りの間のオフ期間θが続く。コマンド信号aは、逆の負の半サイクルの間はオフのままである。他方のコマンド信号b(不図示)は類似の、180°(またはπ)だけ遅延した波形を有する。結果として得られる図示の印加AC電力波LOADは全体として正弦波の波形を有する。図8Aの例では、ライン電圧は155ボルトのRMS値を有し、印加電圧LOADは180ボルトのRMS値を有する。これは、AC25ボルトの電圧昇圧を表す。これの可能な一実施態様は軽負荷のAC電動機とすることもできる。
【0062】
図8Bに、出力電圧の増加のために調整されたコマンド信号a(図示)およびb(不図示)によるライン電圧LINEおよび負荷電圧LOADの同様のグラフを示す。この場合、ライン電圧波形はAC154ボルトのRMS値を有し、出力または印加波形LOADは、重負荷のAC電動機などのための、AC191ボルトの昇圧されたRMS値、すなわち、AC37ボルトの昇圧を有する。
【0063】
いずれの場合も、すなわち図8Aでも図8Bでも、無効負荷によって反射される電力の少なくとも一部は、コンデンサC1およびC2によって捕らえられ、コンデンサC1およびC2の事前充電によるサポートレベルを生じさせ、これはコマンド信号aおよびbによって制御される。この捕捉されたエネルギーは次いで後続の半サイクルで印加される。コマンド信号は、既存のライン条件および負荷条件の下での電動機性能を最適化するために電動機(または他の無効負荷)からのフィードバックに応じて生成される。波形、すなわち、コマンド信号aおよびbのデューティサイクルおよび位相は、かなり広い有効範囲内で所望の電圧の昇圧を達成するように変動させることができる。また、印加波LOADは同相の入力波LINEを数度だけリードすることもわかる。
【0064】
本発明では、負荷に合わせてコンデンサC1、C2をサイズ調整し、コマンド信号aおよびbの位相およびデューティサイクルを無負荷条件と全負荷条件の間で制御することにより、ほぼ完全な正弦波を負荷に送ることができる。コマンド信号が一定に保持され、負荷が変動する場合、これによって、より重い負荷にはより大きい昇圧が生じることになる。本システムの単純なアーキテクチャ、すなわち、負荷と直列のただ2つのリアクタンス素子C1およびC2、およびスイッチングを実施する単純な制御システムにより、本発明の回路は、可変負荷条件および可変ライン条件に応じて電動機電圧および電力を動的に制御することができる。例えば最大5キロワットという、より大きな電力範囲にわたって電動機を制御するためには、リアクタンス素子は、予期される最大負荷に従ってサイズ調整されるべきであり、より小さい負荷については、コマンドパルスの数、位相、およびデューティサイクルが、正弦波負荷電力波を生じるように選択されるであろう。当然ながら、用途によって、例えば、半サイクルトルク要件が可変である非線形負荷(往復圧縮機など)については、非正弦波電力波の方が適切な場合もある。そのような場合には、負荷要件に合わせて印加電力波を調整し、同時に、局所効率とグリッド効率の両方を向上させるように、より綿密な制御方式が必要とされ得る。
【0065】
また、負荷が電動機電機子である場合、負荷デバイスの誘導性により、課される機械的負荷が変化すれば、印加電圧LOADの電圧レベルは自動調整することになる。すなわち、AC誘導電動機の回転子に対して機械的負荷が増加する場合、電気負荷はより抵抗性が高く、リアクタンスが低いものに見え始める。すなわち、負荷位相角が増加し、逆EMFが低下する。これにより、オフ位相θの間により多くの電流が負荷およびコンデンサを通って流れ、結果として、コンデンサC1およびC2はオフ位相θの間により多く事前充電されることになり、印加電圧LOADがそれに応じて増加する。電動機が正規の動作速度を再度達成すると、印加電圧LOADは同様の量だけ低下する。
【0066】
本発明の態様についての制御回路の一例が図9に示されている。ゼロ交差検出器28がゼロ電圧(またはゼロ電流)のタイミングおよび極性を感知し、ピーク電圧検出器がラインACのピークまたは最大電圧を感知する。これらの検出器はそれぞれ、マイクロプロセッサ回路30に出力信号を提供し、マイクロプロセッサ回路30は、コマンド信号aおよびbを提供し、態様によってはコマンド信号cおよびdも提供するように適切にプログラムされている。ユーザインターフェース制御は、図には可変抵抗31として表されているが、代わりに、例えば、コンピュータ機器、ハンドヘルドディジタル機器、ユーザインターフェースなどから提供され得るディジタル入力とすることもできる。
【0067】
本発明の電動機駆動回路は、空調デバイス用圧縮器など、大きな誘導性負荷を有する機器を駆動するように適合させることができる。
【0068】
図10は図7の態様の概念を簡略的に表す。例えば、電圧制御・調節器回路構成40がACライン電源11、12とAC負荷13(例えば誘導電動機)との間に挿入されており、(一つまたは複数の)太陽電池アレイなどの補助DC電池電源23(24)を構成のDC入力端子または出力端子に接続することができる。構成40は、例えば図7に示し説明した容量性素子およびスイッチ素子を含むことができる。
【0069】
出願人らは、図11に概略的に示すような単純な構成を用いてブラウンアウト補償が実現され得ることも発見した。この場合、適度な値のACコンデンサ42を、電源導体の一つ11に直列で配置する、すなわち、ACライン電圧源とAC負荷13(すなわち誘導電動機)との間に挿入することができる。この場合には、コンデンサは、それぞれに印加される電力波に影響を及ぼすように、全負荷、すなわち、主巻線(run winding)Rおよび始動巻線Sおよび始動コンデンサCと直列に位置決めされる。ライン電圧が公称220ボルトから170ボルトRMSのブラウンアウトレベルまで降下した場合、かつ適度な値(例えば40μf)のACコンデンサがコンデンサ42として使用されている場合は、最初の数サイクルの後に電動機13に印加される有効電力は約205〜240ボルトになる。これにより電動機を正常に始動および動作させることが可能になる。この構成では、通常は電動機巻線から反射される電力の一部(すなわち普通は印加される複素電力の虚数成分として表される)が、実際にACコンデンサ42に蓄えられ、次いで後続の波の電力の実数成分に加えられる。主AC電力が閾値レベル以上、すなわち195ボルトなどの正規の最小ライン電圧レベル以上である限り、通常は閉じている分路またはスイッチ44によりコンデンサ42の周りで電力が迂回される。ライン電圧が閾値レベルより下に降下したときにスイッチ44を開くように、ライン電源導体11、12に低電圧検出器46が接続されている。この構成は、この構成でなければ、頻繁に使用したことまたは電力提供者が適正な電圧で電力を送電できないことが原因でライン電力品質が低下する場合に始動不能になり得る器具(冷凍庫やウィンドウエアコンなど)に、有用である。
【0070】
図12の構成の代替態様は、一般に図12に示すのと同様に構成することができる。この場合には、トライアックなどの電子スイッチ48が、電源ライン11においてコンデンサ42および負荷13と直列に位置決めされる。制御回路50は、入力ライン電圧および印加負荷電圧に関連する入力を有し、AC電圧の位相およびレベルに基づいて電子スイッチ48に印加されるゲート信号を発生する。ライン電圧が195ボルトなどの最小許容レベルを下回ると、スイッチは全開にゲート制御されて、前述の態様との関連で論じたように、全電力波が昇圧される。他方、当該閾値を上回るかまたは正常の範囲内のライン電圧では、制御回路50は、電子スイッチ48をサイクルの一部の間オフにし、図12Aに示すような印加電圧の電力波を生じさせて、印加されるRMS電圧が約220ボルトを中心とする正常範囲内に留まるようにする。
【0071】
図13に、この同じ構成の多相での適用例、すなわち三相電動機の適用例を示す。この場合、ライン電力は、三相成分A、B、およびCの形であり、この場合はデルタ構成で電動機巻線113に印加される。3つの電源導体のうち2つは、それらの電動機巻線への接続と直列にコンデンサ42Aまたは42Bおよび電子スイッチ48Aまたは48Bを有する。デルタ構成では、第3のまたはC相の電源導体上に類似のコンデンサは不要であるが、任意でスイッチおよびコンデンサを当該導体上に設置することもできる。Y字構成では、コンデンサおよび電子スイッチが3本の脚上に存在するであろう。制御回路(不図示)は、図12の態様の当該要素と機能的に類似したものになるであろう。
【0072】
図11から13に示す回路のいくつかの可能な変形では、ACコンデンサ40の代わりにDCコンデンサを使用することもできるであろう。その場合には、一方向に通電する一組のDCコンデンサおよびダイオードと、逆方向に通電する、すなわち第1のセットと逆並列の、別の組のDCコンデンサおよびダイオードがあるであろう。
【0073】
本発明の基本原理を実行することによって、任意の様々な等価の回路を実現することができ、それらは図14および15を参照して説明することができる。図14は、ACライン電圧のAC電源が、抵抗性素子、誘導性素子、および容量性素子を有しかつ印加される入力AC電力の少なくとも一部を反射することになる誘導電動機などの複素無効負荷13に、リード11および12により接続されていることを示す一般的な回路図である。この場合の基本的な改善の概念は、ライン電源と負荷13との間に直列に介在する合成AC波源52を用いることであり、これにより、位相および電圧レベルを最適化するためにライン波形を加える補助AC電圧が生成される。制御信号発生器(例えば図9のマイクロプロセッサ30)が、ライン導体11、12および負荷13に結合され、介在するAC電源52を制御するためのコマンド信号を提供する。前述の態様において、介在する合成AC電源は、図15に示すようにリアクタンス素子52'として組み込まれ、制御信号発生器30からのコマンド信号に従ってオンとオフとを切り替えられる。以上の好ましい態様の開示は、介在する合成AC電源の実装における他の可能性を除外するものではない。
【0074】
本発明をいくつかの好ましい態様を参照して詳細に説明したが、本発明はその通りの態様のみに限定されるものではないことが理解されるべきである。むしろ、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者には多くの改変および変形が想起されるであろう。
【符号の説明】
【0075】
参照符号リスト
10: 電動機電圧調整回路
11、12: AC電力入力
13: AC負荷デバイス
14、15: リード
16、17、21、22: 端子
23、24: 光電太陽電池アレイ
28: ゼロ交差検出器
29: ピーク電圧検出器
3O: 制御信号発生器
31: 可変抵抗
40: 電圧制御および調節器回路構成
42: ACコンデンサ
44: スイッチ
46: 低電圧検出器
48: 電子スイッチ
50: 制御回路
52: 介在合成AC波源
52': リアクタンス素子
113: 電動機巻線
C1、C2: 電力用コンデンサ
Q1、Q2、Q3'、Q4': スイッチングデバイス
Q3、Q4: サイリスタ
Q7、Q8: スイッチング素子
D1、D2、D3、D4、D5、D6: ダイオード
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、誘導電動機などのAC負荷に提供されるAC電力を調整し、調節し、制御するデバイスに関する。本発明は、より具体的には、ACライン電力の品質の低下を補償するために、AC負荷に印加されるAC電力の波形および電圧レベル、ならびに力率および周波数を調整することのできるAC電力調節デバイスを対象とする。本発明の電力調節デバイスは、分数馬力から数馬力以上までの電動機と共に、電動機にかかるねじり荷重が外部要因に応じて変動し得る場合、およびライン電力の品質が低下し得る、すなわち、(北米における)公称117VACから100VAC未満になり得る状況において使用され得る。またデバイスは、HVAC用途または冷凍庫において圧縮機を駆動するのに使用され得る単相AC誘導電動機など、使用中に変動し得るACまたは誘導性負荷についての力率を制御するのにも用いられ得る。
【背景技術】
【0002】
背景技術
AC電動機では、利用可能な電動機トルクは、ACライン電力の条件または品質に依存し得る。出力トルクは入力電圧の二乗に比例する。多くのピーク需要時に、ACライン電力の品質は、ライン電圧の変化およびライン周波数の変化につれて大きく変動し得る。ライン電圧が117VACから100VACまで降下すると(約14.5%の降下)、結果として約27%のトルクの低下になる。典型的には、電動機設計者は、期待される入力条件の範囲を超える負荷要件を満足させるために、電動機を過剰設計するように強いられる。電動機電機子は、基本的に誘導性負荷であり、好ましくない力率に直面せざるを得なくなる可能性があり、これは、実際の印加電圧、すなわち、複素AC電圧の実数成分が容認できないほど低くなる可能性があることを意味する。したがって、不都合なライン条件の下でさえも電動機が最適に動作するようにライン電圧のRMS値を調整することが望ましい。
【0003】
また、あらゆる用途に定格が±10%の所与の電圧範囲を上回る電動機を使用することも通例になっている。これは、システムが低電圧において全負荷要件を満たすように過剰設計される必要があることを意味する。そうではなく、所与のAC誘導電動機について、入力電圧が10%低い、すなわち、V=90%V標準である場合には、出力トルクTはT=81%T標準まで低下する。これは、一般的慣習によれば、電動機は少なくとも19%過剰設計される必要があることを意味する。したがって、正常または高いライン条件においては、電気エネルギーの20%超が浪費され、または発電所に向けて反射される。
【0004】
電動機制御のための一手法は、電動機速度を制御することを目的とした、パルス制御インバータを用いる可変周波数ドライブ(VFD)であった。VFDでは、入力AC電力を整流して一定のDC「レール」レベルを生成し、次いでインバータがパルス幅変調(PWM)を使ってDC電力をAC駆動波に変換する。この技法は、平均電流波が正弦波を近似し得るように非常に高速で電源をオン・オフにすることにより、インバータによって生成される方形波の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジを修正する。これらのVFDは、ライン電圧で直接に誘導電動機を動作させる際の問題のいくつかを克服し、ある範囲の速度制御を可能にする。しかし、PWMの使用は、電動機電機子における巻線絶縁の破損および高いスイッチング損失を含む、他の問題につながり得る。その上、PWM VFD機器は、それ自体では電圧を昇圧しない。
【0005】
多くの場合、必要とされるのは、単に実効RMS電圧を昇圧する(または調整する)ことである。これにより、修正されないライン電力が電動機に直接印加される場合に推奨される電動機よりも定格の小さい電動機を使用することが可能になる。
【0006】
これらの問題のいくつかに対処する位相検波力率制御回路の一例が特許文献1で論じられている。特許文献1では、印加された電力波の形状をサイリスタ(トライアック)を使用して変更し、位相角または力率を最適化するように様々な位相角においてサイリスタをオン・オフにすることにより、実効印加電力を低減する能動力率変換器が論じられている。別の力率制御器が特許文献2で論じられている。特許文献2に記載されているデバイスは、力率補正を備え、電源オン時にAC負荷に対して漸増する電圧を印加するためのソフトスタート機能も備える能動力率制御器である。これらは、負荷に渡されるAC入力電力の量を調整するように印加電力を切り換えることによって達成される。これらは実効印加電圧を低減し得るが、負荷に印加される電力(すなわち電圧)を昇圧するものではない。
【0007】
力率(位相角)補正は、AC電力の消費者と商業的提供者の両方にとっての問題である。通例は、(電動機電機子などの誘導性デバイスの場合には)負荷と並列に一つまたは複数のコンデンサが配置される。コンデンサのサイズは、ライン条件および負荷条件と共に変化し得る電動機インピーダンスに適合するように選択される必要がある。これは、いくつかのコンデンサが並列に配置され、条件が変化するにつれて回路に出し入れされる必要があることを意味する。この技法は、大きくて高価な高容量のACデバイスを必要とする。
【0008】
ライン電力が低すぎ、または高すぎる可能性のある場合に必要とされるのは、誘導電動機または他のAC負荷デバイスの動作を最適化するために、必要に応じて、AC電圧を増加させ、または印加AC電圧を減少させることのできる単純で信頼性の高い電力調節器である。また、電動機への損傷をもたらす可能性があり、著しいRFエネルギーを生み出す可能性のある、前述のような、電力スイッチング構成要素の高速スイッチングを回避することも求められ得る。
【0009】
ブラウンアウト保護における(すなわち、AC誘導電動機を低ライン電圧状況における焼損から保護するための)これまでの取り組みは、典型的には、損傷を防止するために単に電動機への電源を切断することだけを伴うものであった。これは電動機を保護するが、電動機が駆動するように設計されているシステムにとっての重大な問題を引き起こすおそれがある。例えば、業務用冷凍用途においては、冷凍肉、アイスクリーム、または別の食品などの冷凍食品の貯蔵に冷凍システムが使用され得る。いわゆるブラウンアウトの間、動作ライン電圧が安全閾値を下回って降下する(例えば120ボルトRMSから95ボルトRMS未満まで低下する)ときには、圧縮機電動機は単に遮断され、冷凍が行われなくなる。ブラウンアウトが1時間以上の期間にわたって続く場合、肉が傷み始め、あるいはアイスクリームが融けるおそれもある。ブラウンアウトの間も冷凍システムを動作させ続けることが、すなわち、たとえ一部の速度でも設備を動かすのに十分なようにAC電力波を修正することが望ましいであろう。しかし、それは既存の電力制御回路では不可能であった。
【0010】
商用電源があまり確実ではなく、ライン電力が1日の間に著しく上下に変動し得る地域がある。そのような区域では、従来の手法は、電圧を上げるための可変変圧器、および/または信頼できる電力のために過剰設計されているが故障せずにACライン電圧の著しい降下に耐えることができる超高性能電動機を伴うものであった。これらの手法は大量の電力を浪費する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】Nda米国特許第4,459,528号
【特許文献2】Bach米国特許出願公開第2003/0122433号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
技術的課題
本発明の一目的は、電動機電機子などのAC負荷に電力を提供し、駆動波形および電圧を、前述のような先行技術の欠点を回避するやり方で調整し、制御することである。
【0013】
本発明の一目的は、電気エネルギーの浪費を回避するために力率補正によって印加電力を最適化することである。
【0014】
別の目的は、ライン電圧の品質が著しく変動し得る条件の下で、電圧調整によって、圧縮機電動機または他の非線形負荷もしくは無効負荷の効率のよい動作を実現する電力調節デバイスを提供することである。
【0015】
別の目的は、ソフトスタート、ハードスタート、±30%以上の電圧調整、および力率補正の機構または機能を有するAC電力調節デバイスを提供することである。
【0016】
別の目的は、様々な条件の下での最適な電動機動作のために、電圧調整と組み合わせたソフトスタートならびにハードスタート(トルク増強)のための機能を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、既存の、または新しい設備の電圧動作範囲をACラインの公称電圧の上下に拡大することである。
【0018】
本発明の別の目的は、低部品数、低損失、および低コスト設計の回路を提供することである。
【0019】
別の目的には、最大電力伝送を達成するためのソースおよび/または負荷インピーダンスマッチング;動作の経済性を達成するためのボルト数、アンペア数、電力、力率、およびワット時の計測のための機能;プログラム可能なエネルギー管理システムの円滑化;さらには、(三相系における)相損失、相回転または相補正を修正または調整するための電動機制御機能;電圧不均衡の補正;不足電圧および過電圧の保護;プログラム可能な過負荷保護;ならびにオフピーク価格設定差などについての電力提供者との通信が含まれる。
【0020】
別の目的には、可変電圧による電動機速度制御および可変周波数による電動機速度制御が含まれる(ライン周波数および印加電力周波数は同じでなくてもよい)。
【0021】
別の目的は、(いわゆるグリッド・タイ・インバータ・システムの代わりに使用すべき)太陽光電源または他の電源につなぐことを含む、DC電源と共に使用するためのインバータ機能を提供し、「グリーン・エネルギー・システム」を提供することである。
【0022】
別の目的は、アーク遮断機能および漏電遮断機能である。
【課題を解決するための手段】
【0023】
課題に対する解決策
本発明の一局面によれば、キャパシタンスを用いて、電力波の激しいチョッピングも電流システムに特有の関連RF放射も生じずに、電動機の印加電圧を増大または低下させるよう力率を補正することができる。
【0024】
IGBT、MOSFET、パワートランジスタなどであってもよい個々のスイッチング素子に、コマンド信号が印加される。他の可能なスイッチング構成要素は、SCR、トライアック、またはシリコン双方向スイッチ(Silicon Bilateral Switch)であってもよい。コマンド信号は、論理構成要素(例えば演算増幅器、差動増幅器など)またはマイクロプロセッサから送られてもよく、これらの信号は、関連する電力スイッチング構成要素に直接的または間接的に(例えば光アイソレータを用いて)伝えられてもよい。構成要素によっては、ゲートが不要とされる場合もある。
【0025】
本発明の一態様によれば、直列電圧調整回路デバイスは、調整されたAC電圧レベルで二端子単相誘導電動機または他のAC負荷デバイスに印加される単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じることができる。電圧調整回路は、そのような単相ACライン電源に接続するための設備を有し、この電源は第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する。2入力ライン電圧調整器は、第1および第2のAC電源端子を有し、第1のAC電源端子は第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子は負荷の第1のAC電源端子に接続されており、負荷の第2のAC端子は第2のAC電源導体に接続されている。関連する制御信号発生器はAC電源と結合された一つまたは複数のセンサ入力を備えることができ、AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出し、ACライン電力のゼロ交差および極性を検出するための設備を有し、第1および第2のコマンド信号をライン電圧調整器に提供するための出力を有する。これらのコマンド信号は、電力スイッチング構成要素の時限ゲート制御に用いられる。2ライン電圧調整器は、好ましくは、それぞれ第1の電極および第2の電極を有する第1および第2の電力用コンデンサを含み、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極はそれぞれ電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている。第1および第2の電子スイッチングデバイスはそれぞれ第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートを有し、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極はそれぞれ電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されている。第1の電力用コンデンサの第2の電極は第1のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極は第2のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている。制御信号発生器の第1および第2の出力はそれぞれ、第1および第2の電子スイッチングデバイスのゲートに結合されている。これは、変圧器結合、光結合、またはデバイスをゲート制御する他の適切な手段であってもよい。パワーダイオードは、好ましくは、第1および第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続されている。パワーダイオードはそれぞれ関連するスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されたアノード、および関連するスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されたカソードを有し得る。
【0026】
電力用コンデンサは負荷と直列であるとみなされ、負荷は、往々にして、誘導性負荷、すなわち電動機巻線である。すなわち、一方のコンデンサは正の半サイクルの間に、他方のコンデンサは負の半サイクルの間に、負荷(電動機巻線)と直列回路関係にある。この構成は、電動機に固有の位相遅れを補正しようとする傾向にあり、回路の力率を改善する。調整回路と関連するスイッチングデバイス(例えばトランジスタ)がこれらのコンデンサの充電および時限放電を制御するため、負荷角補正の量は、動作の間に常に力率補正を最適化するように負荷の変化と共に自動的に変動する。
【0027】
例示の態様は単相システムにおいて用いられるが、これらの構成の複数を、多相(例えば三相)のAC電力システムの各相で用いることもできる。デルタ構成の場合には、三相のうち二相のみがこれらのデバイスを備えれば十分である場合もある。
【0028】
ライン電力条件によっては、制御信号発生器は、第1および第2の制御信号を、それぞれ、第1および第2のコマンド信号が、一例として、位相角0〜π(180°)および位相角π〜2π(360°)の間に交互にオンになる標準モードで、または、第1および第2の制御信号がそれぞれ交互に、0〜π/2(90°)の位相遅れおよびπ〜3π/2(270°)の位相遅れで始まってオンになる電圧昇圧モードで提供するように動作する。好ましいモードでは、コマンド信号は第1のスイッチ(例えばQ1)を、0°から90°まで(0からπ/2まで)についてはオンにゲート制御し、90°から180°まで(π/2からπまで)についてはオフになるであろう。第2のスイッチ(例えばQ2)は、180°から270°まで(πから3π/2まで)はオンに、270°から360°まで(3π/2から2πまで)はオフにゲート制御されるであろう。スイッチQ1およびQ2についてのコマンド信号は、半サイクルごとにただ一つの制御パルスではなく、個々の半サイクルのそれぞれにおいて複数のオン信号およびオフ信号を提供することができるであろう。コマンド信号についてのオンおよびオフの時間は、最適な電動機性能を達成するようにライン条件および負荷条件に合わせて調整することができる。すなわち、コマンド信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジのタイミングは、所望の電力波形を生じるように入力電力波の位相に対して制御することができる。
【0029】
加えて、制御信号発生器は、第1および第2のコマンド信号がそれぞれ約π/2〜πおよび約3π/2〜2πの位相遅れで始まって交互にオンになる電圧低下モードでコマンド信号を提供するようにも動作する。この回路素子はソフトスタート機能を有することができ、低下した電圧が電動機動作の開始直後の短期間にわたって印加される。
【0030】
さらに、位相角が減少した昇圧電圧は、位相角の遅れが原因で失われた電圧を補償するために、増大されたトルクでのソフトスタートを可能にする。
【0031】
代替の構成では、電圧調整回路は、単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じることができ、また、根本的に抵抗性であるかまたは抵抗性であり得るAC負荷デバイスに印加されるAC電圧レベルを調整するために電力を調節するようにも動作する。ライン電圧調整器は第1および第2のAC電源端子を有する。第1のAC電源端子はACライン電源の第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子は負荷の第1のAC電源端子に接続されており、負荷の第2のAC端子は第2のAC電源導体に接続されている。前述の態様の場合と同様に、制御信号発生器はAC電源に結合されたセンサ入力を有し、AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出し、ACライン電力のゼロ交差(電圧または電流いずれかのゼロ交差)を検出するように動作する。制御信号発生器は第1および第2の制御信号を提供する。
【0032】
この態様では、電圧調整器は、それぞれ第1の電極および第2の電極を有する第1および第2の電力用コンデンサを有し、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極はそれぞれ、電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている。それぞれ第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートを有する第1および第2の電子スイッチングデバイスがあり、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極はそれぞれ、電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されている。また、それぞれ第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートを有する第3および第4の電子スイッチングデバイスもあり、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極はそれぞれ、第2のAC電源導体に接続されている。第1の電力用コンデンサの第2の電極は第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極は第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている。制御信号発生器は、第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲートと、第2および第3の電子スイッチングデバイスへのゲートとにそれぞれ結合されている。
【0033】
第1および第2のダイオードは第1および上記第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続されていてもよく、第3および第4のダイオードは第3および第4の電子スイッチングデバイスとそれぞれ並列に接続されていてもよい。
【0034】
別の態様によれば、本発明の電圧調整回路構成は、ACライン電流を増大させ、補足するために、ACライン電流を、負荷とのみならず、太陽電池パネルの発電機やシステムなどの補助電源とも接続するのに使用され得る。これは、ユーザによって実際に消費されるACライン電力のワット時数を低下させ、したがって顧客への電力請求額を低減するのに役立ち得る。加えて、過剰電力を同相かつ適正に調節された状態でグリッドネットワーク上または電力ネットワーク上に配置することもできる。
【0035】
ライン調節器は、第1および第2のAC電源端子を有し、第1のAC電源端子は第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子は負荷の第1のAC電源端子に接続されており、負荷の第2のAC端子は第2のAC電源導体に接続されている。太陽電池パネルなどのDC電源に接続された第1および第2の入力DC電力入力がある。制御信号発生器は、AC電源に結合されたセンサ入力を有し、ACライン電力のAC電圧レベルおよびゼロ交差を検出するように動作し、ライン電圧調整器に第1および第2のコマンド信号を提供する。この場合、電圧調整器は、それぞれ第1の電極および第2の電極を有する第1および第2の電力用コンデンサを含み、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極はそれぞれ電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている。第1および第2の電子スイッチングデバイスはそれぞれ、第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲート(実施態様によっては任意選択)を有し、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極はそれぞれ電圧調節器の第2のAC電源端子に接続されている。第3および第4の電子スイッチングデバイスはそれぞれ、第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲート(実施態様によっては任意選択)を有し、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極はそれぞれ第2のAC電源導体に接続されている。第1の電力用コンデンサの第2の電極は第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極は第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている。
【0036】
第1および第2のDC電力入力はそれぞれ第1の電源端子および第2の電源端子を有する。第1のDC電力入力の第1の電源端子および第2のDC電力入力の第2の電源端子は第1のAC電源端子と接続する。第5および第6の電子スイッチはそれぞれ1対の電源端子およびゲート(任意選択)を有し、第5の電子スイッチの電源端子は第1の電力用コンデンサと第1のDC電源とに接続し、第6の電子スイッチの電源端子は第2の電力用コンデンサおよび第2のDC電源に接続する。両方の電子スイッチのどちらもDC電源および関連する電力用コンデンサと直列の様々な場所に位置することができるであろう。あるいは、必要な場合には、所与の実施態様においてガルバニック絶縁を用いることもできる。
【0037】
本発明の電圧または電力の調整回路は、一方のプレートまたは電極が一方のAC電源端子および第2の電極に結合され、他方のプレートまたは電極がスイッチドブリッジの正または負の側につながっている第1および第2の電力用コンデンサを有するものとみなすことができる。スイッチドブリッジは第1、第2、第3および第4の電子スイッチングトランジスタを有し、第1および第2のトランジスタはそれぞれ、他方のAC電源端子および第2の電源電極に接続された第1の電源電極(すなわちアノードまたはカソード、ソースまたはドレイン)を有し、第3および第4のスイッチングデバイス(例えばトランジスタ)はそれぞれ、上記第1および第2の電力用コンデンサそれぞれの第2のプレートまたは電極に接続された第1の電源電極を有する。第1および第3のトランジスタの第2の電源電極は第1のAC負荷端子に連結されおり、第2および第4のトランジスタの第2の電源電極は第2のAC負荷端子に連結されている。一つまたは複数のDC電源(すなわち、太陽電池アレイ、風車など)は、少なくとも一つの正のDC出力および負のDC出力を有し、例示の態様では、正と負の出力間に中性端子または接地端子を有する。調整回路はさらに、正のDC出力と第1の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第5の電子スイッチングデバイス、および上記負のDC出力と第2の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第6の電子スイッチングデバイスを用いる。第5および第6のデバイスは好ましくはFETとして実装され、制御信号発生器からの個々のコマンド信号によってゲート制御され得る。しかし、場合によっては、ダイオードが、AC電力波の電圧ゼロ交差の時刻付近において個々の電力用コンデンサの充電の機能を果たすこともできる。
【0038】
中性DC端子は、2つの電力用コンデンサの第1の電極に結合され得る。
【0039】
この構成は、ACライン電力の正の半サイクルを正のDC出力レベル上に重畳し、ACライン電力の負の半サイクルを上記負のDC出力レベル上に重畳するための機構として使用される。よってこの構造は、各半サイクルで、電力波のベースにDCレベルを配置することにより、AC電力波の総電圧および総電流を上げることができる。ライン品質が低い、すなわち、低電圧条件であるときには、これにより、事実上、電力が負荷に印加される前に適正な電圧まで上がる。負荷からの需要が低く、過剰電力がDC電源(すなわち、太陽電池アレイまたは風力発電機)上で発生しているときに、昇圧された電力波は実際には、AC入力ラインにおいて上流にフィードバックされることができる。いずれにせよ、これにより、通常のグリッド・タイ・インバータに取って代わる構成が可能になり、そのため、複雑で高価な設備であるグリッド・タイ・インバータを用いずに同じ機能が実現される。
【0040】
コマンド信号は、制御信号発生器から、それぞれ、第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲート(またはその均等物)と、第2および第3の電子スイッチングデバイスとに提供され、第5および第6のスイッチングデバイスのゲートにはタイミング出力信号が結合され得る。
【0041】
個々の電力スイッチング構成要素のためのコマンド信号は、様々な発生源、すなわち、論理ゲートからマイクロプロセッサ制御までのいずれかから提供することができる。制御信号発生器については多くの設計が可能である。制御信号発生器には入力ライン電源から給電されてもよく、ライン電源以外の電源から給電されてもよい。ユーザによる出力AC駆動電流の調整を可能にするユーザインターフェースがあってもよく、ボルト数、アンペア数、消費電力、ワット数、力率、印加周波数などの視覚表示があってもよい。また表示は、直接ライン電源を使用した場合に対して電力補正モードで動作した場合に節約された電力の表示を示すこともできる。電圧、電力、位相などの測定値を、情報がビルオートメーション負荷管理システムに伝えられるように、無線を含む任意の適切な通信プロトコルによって入手し、報告することもできる。
【0042】
本発明の制御回路は、本来的にコンパクトで、信頼性が高く、比較的安価であると同時にエネルギーの浪費を回避するものであるという要件を満たす、単純明快な設計のものとすることができる。
【0043】
「電子スイッチ」または「電子スイッチングデバイス」という用語は、発生し得る電圧および電流レベルを扱うことのできる広範囲のデバイスを幅広く対象として含むためのものであり、「ゲート」という用語は、本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、(例えば光デバイスの場合の感光性入力を含む)任意の制御電極または制御入力を指し示すためのものである。「ダイオード」は、全波ブリッジ整流器を含む任意の一方向性デバイスを含むことができ、あるいは、MOSFET、IGBT、SCR、トライアック、SIDACなどを含んでいてもよい。
【0044】
より具体的には、本発明は、以下に関する。
〔1〕AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷デバイスに印加することのできる直列電圧調整回路であって、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続するための手段と、
第1および第2のAC電源端子を有する2入力ライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、該2入力ライン電圧調整器と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器と、
該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力と
を含む、直列電圧調整回路。
〔2〕2入力ライン電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極がそれぞれ該電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ該電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されており、第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
制御信号発生器の第1および第2の出力をそれぞれ第1および第2の電子スイッチングデバイスの該ゲートに結合する回路と
を含む、〔1〕記載の直列電圧調整回路。
〔3〕第1および第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続された第1および第2のダイオードを含む、〔2〕記載の直列電圧調整回路。
〔4〕第1および第2のダイオードがそれぞれ、関連するスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されたアノードと、関連するスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されたカソードとを有する、〔3〕記載の直列電圧調整回路。
〔5〕第2のAC電源導体と第1の電力用コンデンサの第2の電極との間に接続された第3のダイオード、および第2のAC電源導体と第2の電力用コンデンサの第1の電極との間に接続された第4のダイオードとをさらに含む、〔3〕記載の直列電圧調整回路。
〔6〕制御信号発生器が、第1および第2の制御信号を、第1および第2の制御信号が位相角0〜πの間および位相角π〜2πの間で交互にオンになる標準モードと、第1および第2の制御信号がそれぞれ位相幅π/2〜πの間に課されるオフ位相およびπ〜3π/2の間の位相遅れを有する電圧昇圧モードとで提供するように動作する、〔1〕記載の直列電圧調整回路。
〔7〕制御信号発生器が、第1および第2の制御信号を、第1および第2の制御信号がそれぞれ約π/2〜πの間および約3π/2〜2πの間の位相遅れで始まってオンになる電圧低下モードで提供するように動作する、〔6〕記載の直列電圧調整回路。
〔8〕AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、第1および第2のAC負荷端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせるように、または該AC入力ライン電力の電圧を昇圧させるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
正のDC電力出力および負のDC電力出力を有するDC電源を含み、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有するACライン電源に接続する回路と、
第1のAC電源導体に接続された第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサ、第2のAC電源導体に接続された電力入力を有する電子スイッチアレイ、第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ結合された電源電極、ならびに第1および第2のAC負荷端子にそれぞれ接続された出力端子を有する調整段と、
該DC電源の正および負の電力出力に接続された正および負のDC導体と、
入力ライン電力の電圧が所定の電圧レベルを下回るときに該電力用コンデンサをそれぞれ充電するために、正および負のDC導体ならびに第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ接続された回路と
を含む、電力および電圧の調整回路。
〔9〕DC電源が、正の電力出力における電圧と負の電力出力における電圧の間の電圧を有する中性電源端子を含み、該中性電源端子を第1および第2の電力用コンデンサの第1の電極に接続する回路デバイスをさらに含む、〔8〕記載の電力および電圧の調整回路。
〔10〕単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷デバイスに印加することのできる電圧調整回路であって、
該電圧調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器、該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力とを含み、
該電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極がそれぞれ該電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ該電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第3および第4の電子スイッチングデバイスであって、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ第2のAC電源導体に接続されている、第3および第4の電子スイッチングデバイスと、
該制御信号発生器の第1および第2の出力を、それぞれ第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲート、ならびに第2および第3の電子スイッチングデバイスに結合する回路とを含み、
第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている、
電圧調整回路。
〔11〕第1および第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続された第1および第2のダイオード、ならびに第3および第4の電子スイッチングデバイスと並列に接続されたダイオードをそれぞれ含む、〔10〕記載の電圧調整回路。
〔12〕ACライン電源とDC電源とを組み合わせて、第1および第2のAC端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせることのできる電力調整回路であって、
該電力調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を含むACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源導体にそれぞれ接続された第1および第2のAC電源端子を有する調整回路と、
該ACライン電源に結合された少なくとも一つのセンサ入力を含みかつ第1、第2、第3および第4のスイッチングデバイスのゲート端子に結合されたコマンド信号出力を有する制御信号発生器とを含み、
該調整回路が、
第1のAC電源端子に結合された第1の電極、および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサと、
第1、第2、第3および第4の電子スイッチングデバイスを含むスイッチドブリッジであって、第1および第2のスイッチングデバイスが第2のAC電源端子に接続された第1の電源電極および第2の電源電極をそれぞれ有し、第3および第4の電子スイッチングデバイスが第1および第2の電力用コンデンサそれぞれの第2の電極に接続された第1の電源電極をそれぞれ有し、第1および第3の電子スイッチングデバイスの第2の電源電極が該負荷の第1のAC端子に連結されており、第2および第4の電子スイッチングデバイスの第2の電源電極が該負荷の第2のAC端子に連結されている、該スイッチドブリッジとを含み、
該DC電源が正のDC出力および負のDC出力を含み、
該調整回路が、
正のDC出力と第1の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第5の電子スイッチングデバイス、ならびに負のDC出力と第2の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第6の電子スイッチングデバイスをさらに含む、
電力調整回路。
〔13〕DC電源が、第1および第2の電力用コンデンサの第1の電極に結合された中性DC出力を含む、〔12〕記載の電力調整回路。
〔14〕制御信号発生器が、第5および第6の電子スイッチングデバイスのゲート端子に結合されたコマンド信号出力を有する、〔12〕記載の電力調整回路。
〔15〕ACライン電力の正の半サイクルをDC電源からの正のDC出力に重畳し、該ACライン電力の負の半サイクルを該DC電源からの負のDC出力に重畳するための手段を含む、〔12〕記載の電力調整回路。
〔16〕単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷に印加することのできる電圧調整回路であって、
該電圧調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続するための回路と、
第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、該ライン電圧調整器と、
第1および第2の入力DC電源と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器、該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力とを含み、
該電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極が該電圧調整器の第1のAC電源端子にそれぞれ接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極が該電圧調整器の第2のAC電源端子にそれぞれ接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第3および第4の電子スイッチングデバイスであって、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極が第2のAC電源導体にそれぞれ接続されている、第3および第4の電子スイッチングデバイスと、
該制御信号発生器の第1および第2の出力を、それぞれ、第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲート、ならびに第2および第3の電子スイッチングデバイスに結合する回路と、
該制御信号発生器のタイミング出力を第5および第6のスイッチングデバイスのゲートに結合する回路とを含み、
第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されており、
第1および第2のDC電源が第1の電源端子および第2の電源端子をそれぞれ有し、第1のDC電源の第1の電源端子および第2のDC電源の第2の電源端子が第1のAC電源端子と接続されており、第5および第6の電子スイッチが1対の電源端子およびゲートをそれぞれ有し、第5の電子スイッチの電源端子が第1の電力用コンデンサを第1のDC電源に接続し、第6の電子スイッチが第2の電力用コンデンサを第2のDC電源に接続する、
電圧調整回路。
〔17〕第1および第2のDC入力電源のそれぞれが太陽電池アレイを含む、〔16〕記載の電圧調整回路。
〔18〕第1および第2のDC入力電源のそれぞれが、自然環境から電力を抽出するデバイスを含む、〔16〕記載の電圧調整回路。
〔19〕AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、第1および第2のAC負荷端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせるか、または該AC入力ライン電力の電圧を昇圧させるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
正のDC電力出力および負のDC電力出力を有するDC電源を含み、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有するACライン電源に接続する回路と、
第1のAC電源導体に接続された第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサを有し、第2のAC電源導体に接続された電力入力、第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ結合された電源電極、ならびに第1および第2のAC負荷端子にそれぞれ接続された出力端子を有する電子スイッチアレイを有する、調整段と、
該DC電源の正および負の電力出力に接続された正および負のDC導体と、
該入力ライン電力の電圧が所定の電圧レベルを下回るときに該AC負荷に補助エネルギーを加えるために、正および負のDC導体ならびに第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ接続された回路構成と
を含む、電力および電圧の調整回路。
〔20〕AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、抵抗性素子、誘導性素子、および容量性素子を有しかつAC負荷端子を有する複素無効AC負荷に印加される調整されたAC電力波を、該負荷端子に印加される入力AC電力の少なくとも一部を該AC負荷が反射するように生じさせるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する、該ACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源導体の一つと該AC負荷端子の対応する一つとの間に挿入されるように該複素AC負荷と直列に挿入された合成AC電力波源であって、該複素AC負荷から反射されるAC電力の少なくとも一部を吸収し、該複素AC源に印加されるAC電力の位相および電圧レベルを最適化するために該AC入力ライン電力に加えられる補助電圧波を生成するための手段を含む、該合成AC電力波源と
を含む、電力および電圧の調整回路。
〔21〕合成AC電力波源が、第1および第2のAC電源導体の一つとAC負荷端子の対応する一つとの間に挿入されたリアクタンス素子を含む、〔20〕記載の電力および電圧の調整回路。
〔22〕リアクタンス素子がACコンデンサとして形成されている、〔21〕記載の電力および電圧の調整回路。
〔23〕電力および電圧の調整回路が、AC電源導体およびAC負荷端子に接続された入力ならびに合成AC電力波源に結合された一つまたは複数の出力を有する制御信号発生器を含み、該合成AC電力波源が、リアクタンス素子と、該AC負荷を有する回路に対する該リアクタンス素子のオンとオフとを制御可能に切り替えるように該制御信号発生器によって制御されるスイッチング手段とを含む、〔20〕記載の電力および電圧の調整回路。
【発明の効果】
【0045】
電圧/電力調整回路は、電動機巻線などの無効負荷デバイス、すなわち誘導性負荷デバイスと共に使用される場合の有効な力率補正デバイスである。調整デバイスは、1対のコンデンサをラインおよび負荷と直列の関係にて配置し、実効キャパシタンス、すなわち位相補正の量は、関連する電子スイッチングデバイスに印加されるコマンド信号のタイミングに対応する。本発明のデバイスは、負荷変動またはライン電圧変動に応じて、力率を自動的に補正する。加えて、2つのコンデンサが一方向の電流の流れに対して逆並列に配置される(すなわち一つのコンデンサは正であり、一つのコンデンサは負である)ため、より低コストで嵩張らないDCコンデンサをうまく用いることができる。
【0046】
本発明の上記および他の多くの目的、特徴、および利点は、添付の図面と併せて読まれるべき後続の好ましい態様の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】好ましい一態様による、標準モードまたは非昇圧モードで用いられたものとして示された、単相誘導電動機の電機子などの誘導性AC負荷と関連するAC電圧調整器回路を示す回路図である。
【図1B】電圧昇圧モードで用いられたものとして示されたこの態様の調整器回路を示す回路図である。
【図1C】電圧昇圧モードで用いられたものとして示されたこの態様の調整器回路を示す回路図である。
【図1D】電圧低下モードで用いられたものとして示されたこの態様の調整器回路を示す回路図である。
【図2A】標準モードでこの態様に用いられるゲート信号またはコマンド信号を示す波形図である。
【図2B】昇圧モードでこの態様に用いられるゲート信号またはコマンド信号を示す波形図である。
【図2C】低下モードでこの態様に用いられるゲート信号またはコマンド信号を示す波形図である。
【図3】標準モードの本発明の動作を説明するための、AC負荷に印加される関連する電圧の波形を示す図である。
【図4A】電圧昇圧モードの本発明の動作を説明するための、AC負荷に印加される負荷電圧を示す波形図である。
【図4B】電圧低下モードの本発明の動作を説明するために、AC負荷に印加される負荷電圧を示す波形図である。
【図5A】代替の態様によるAC電圧調整器回路を示す回路図である。
【図5B】代替の態様によるAC電圧調整器回路を示す回路図である。
【図5C】代替の態様によるAC電圧調整器回路を示す回路図である。
【図6】図5Bおよび/または5Cの態様で用いられる入力電圧およびゲート信号またはコマンド信号の波形を示すグラフである。
【図7】別の好ましい態様による、AC負荷、および電池または太陽電池アレイなどのDCエネルギー源の両方を示すAC電圧調整器回路の回路図である。
【図8A】図1Bおよび図1Cの態様に関して、AC負荷に印加されるACライン電圧、コマンド信号、および負荷電圧を示す電圧波形グラフである。
【図8B】図1Bおよび図1Cの態様に関して、AC負荷に印加されるACライン電圧、コマンド信号、および負荷電圧を示す電圧波形グラフである。
【図9】本発明の各態様において用いられ得る制御信号発生器回路構成要素を示すブロック回路図である。
【図10】別の態様を示す簡略化した図である。
【図11】さらに別の態様を示す図である。
【図12】代替の態様を示す図である。
【図12A】図12の態様の動作を説明するための波形図である。
【図13】多相の態様を示す図である。
【図14】本発明の概念を説明するための概略図である。
【図15】本発明の概念を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
態様の説明
図面を参照すると、図1Aは、本発明の一般的概念を用いた、電源から商用単相ACライン電力を受け取り、次いでその電力を調節し、負荷に印加するように適合された電動機電圧調整回路10の一態様の回路図である。図において、電圧調整回路10はAC電力入力11および12を有する。電力入力11は「通電状態の(hot)」入力または通電線(black-wire)入力とみなされ、電力入力12は「中性」端子または中性線(white wire)端子とみなされ、図では大地電位にあるものとして示されている。これらは図に波記号で表すACライン電源に接続されている。これは北米における公称117VACの電源とすることもでき、北米または欧州における220VACとすることもできる。AC負荷デバイス13、例えば単相誘導電動機は、1対のリード14および15を有し、一方のリード14はAC電源端子12に接続されている。他方のリード15は調整回路10の端子16に接続されている。「通電状態の」電力入力11は別の電源端子17に接続されている。図示のように、電源端子17は、第1および第2の電力用コンデンサC1およびC2のリードに接続されている。図の左側には、第1および第2の電子スイッチングデバイスQ1およびQ2がある。これらはそれぞれ端子16に接続された一つの電源電極と、コンデンサC1およびC2の個々の外側のリードに接続された別の電源電極とを有する。各スイッチングデバイスはダイオードD1、D2を有し、それらは、関連するスイッチングデバイスQ1、Q2の一方の電源電極においてアノードと、他方の電源電極においてカソードと接続されている。各デバイスQ1、Q2はゲートを有し、該ゲートは配線ゲート端子とすることもでき、図のように、関連する光アイソレータA、Bからの光信号(例えば赤外線)に応答する光端子とすることもできる。光端子は、後述する、様々な設計のいずれかのものとすることのできる制御信号発生器回路によって発生するコマンド信号により照光される。
【0049】
標準モード、すなわち、AC電力波に対する調整が行われず、ACライン電圧が公称ライン電圧またはその付近にあるときには、制御信号aおよびbは図2Aに示すように提供され得る。第1のコマンド信号aおよび第2のコマンド信号bは交互に発生し、第1のコマンド信号aは1電力波サイクルのおおよそ半分の間オンであり(位相0から位相πまで、すなわち、0°から180°まで発生するものとして示されている)、第2のコマンド信号bは電力波サイクルの後半、すなわち、位相πから位相2πまで(すなわち、180°から360°まで)の間オンである。競合を回避するために、0、π、2πなどの付近で、両方のコマンド信号がオフである短い期間が生じ得る。タイミングは、電圧波または電流波のどちらかのゼロ交差の時刻および極性を感知することによって制御され得る。
【0050】
標準(非昇圧)モードでは、第1の半サイクルの間、スイッチデバイスQ1がオンになり、ACライン電流がコンデンサC1およびスイッチデバイスQ1を通って電動機電機子または他の負荷デバイス13に入る。次いで、第2の半サイクルにおいて、スイッチデバイスQ1がオフになり、スイッチデバイスQ2がオンになる。次いでACライン電流は負荷デバイスからスイッチデバイスQ2およびコンデンサC2を通ってAC端子11に至る。標準モードでは、負荷に印加される電力波はライン電力波と実質的に同じであり、これは図3に示されている。作動中に負荷において電圧に適度な昇圧が加えられるが、後述するような始動時の大きな昇圧は生じない。
【0051】
電力増大モードを、図1Bおよび1Cを参照して例示する。関連する図2Bに、ACライン電圧が低く、負荷デバイス13をその設計電圧において動作させるために電圧昇圧が必要とされるときに、スイッチングデバイスQ1およびQ2をそれぞれゲート制御するために印加されるコマンド信号aおよびbの波形を示す。またこのモードは、逆EMFが低いために負荷がおおむね抵抗性であるように見える始動時に電圧昇圧を提供することもできる。
【0052】
昇圧モードでは、図2Bに示すように、正の半サイクルの間、時刻または位相θまでの期間、コマンド信号aはオンであり続いてオフに保持(90°と180°の間またはπ/2とπの間として図示されている)され、よって、スイッチングデバイスQ1は表示される期間にわたってオンになり、正の半サイクルの間、コマンド信号bはオフである。図1Bに示すように、デバイスQ1がオンに保持される、正の半サイクルの0からθまでの部分において、電流は、コンデンサC1とデバイスQ1の両方を通って負荷13まで流れる。次いで、θの後、コマンド信号aがLowになると、スイッチングデバイスQ1は通電するのをやめ、電力は、半サイクルの残りの間コンデンサC2およびダイオードD2を通って流れ、負荷13を介してコンデンサC2を充電する。ここでは信号aはAC半サイクル当たり1パルスとして示されているが、出力駆動波形を形成するために、複数回のオン・オフスイッチングを行うこともできるであろう。
【0053】
次の、または負の半サイクルでは、図2Bのコマンド信号bにつき、図1Cに示すように、πからπ+θまでの位相θまでの初期のオン期間の間、スイッチングデバイスQ2はオンに保持され、次いで、位相θにおいて、スイッチングデバイスQ1およびQ2両方がオフになり、電流はデバイス13からダイオードD1およびコンデンサC1を通って端子11に至る(負荷13を介してコンデンサC1を充電する)。
【0054】
0からθまで、およびπからπ+θまでのオフ期間の間のコンデンサおよびダイオードを通る電流の流れは、正の半サイクルでコンデンサC2を事前充電し、負の半サイクルの間にコンデンサC1を事前充電するのに使用される。この期間の持続時間、および正または負の半サイクルの間のオフ時刻θの位置により、スイッチングデバイスQ1、Q2が後続の半サイクルで通電するときにこれらのコンデンサのそれぞれに残る事前充電電圧Δが決定される。次いでこの電圧は、印加AC電圧をその量だけ、すなわち、AC電圧VからAC電圧V+Δまで昇圧する。この機構は、コンデンサC1およびC2が、(大量の回転子スリップに対応する)高い機械的負荷の時間においてより高いレベルのΔまで充電されることを可能にする。回転子スリップが高い、すなわち始動時にある場合、低インピーダンスの負荷13はおおむね抵抗性であるように見え、すなわち、非常に低い逆EMFが生じる。これは、正の半サイクルの間にコンデンサC2を迅速に充電することを可能にし、後続の負の半サイクルの間に他方のコンデンサC1を迅速に充電することを可能にする。次いで、コマンド信号aがHighであり、上側スイッチングデバイスQ1がオンであるときに、電流はC1およびQ1を通る上側の経路をたどり、次の半サイクルの間、コンデンサC2が充電されたままになる。後続の半サイクルで、電動機電流は、コンデンサC2およびスイッチングデバイスQ2を通る下側の経路をたどる。これにより、図4Aに示すように、負の半サイクルの間、印加電圧が昇圧される。次いで、後続の正の半サイクルで、コンデンサC1は事前充電されており、印加AC電圧は昇圧された印加電圧V+Δになる。信号aおよびbのタイミングは、ライン電圧の品質などの条件に応じて、目標AC印加電圧を達成するように変動させることができる。この構成における電圧昇圧/電力増大は、誘導性負荷または無効負荷の寄与に依存する。電力用コンデンサC1およびC2は負荷13を介して充電される。回転子が低速であり、スリップが高く、インピーダンスが低く、逆EMFが低い場合、コンデンサはより迅速に充電され、これにより大幅な電圧昇圧が生じる。回転子が高速であり、スリップが低く、インピーダンスが高く、逆EMFが高い場合には、コンデンサC1およびC2は、より低い値のΔまでしか充電されない。すなわち、より低速で充電され、より小幅な昇圧が提供される。
【0055】
電力低下モードは、図1D、図2Cのコマンド信号波図、および図4Bに示す印加電圧波形を参照して説明されるように、この同じ電圧および電力調整回路10を用いて実現することができる。図2Cに示すように、コマンド信号aおよびbは、関連するゼロ交差の後に続く90°と180°の間の位相角の後で(すなわち、それぞれ、π/2とπの間および3π/2と2πの間に)発生するように生成される。コマンド信号aおよびbは、個々の半サイクルの後半部分の最後の部分の間、スイッチングデバイスQ1およびQ2をオンにする。コマンド信号がオフである時間において、個々のコンデンサC1およびC2は、ピーク電圧を十分下回る電圧まで一部充電される。次いで、関連するスイッチングデバイスQ1またはQ2がオンに切り換わって通電されると、電圧は事前充電電圧からライン電圧まで、すなわち、図4Bの図に示すように上昇する。これによりRMS印加電圧が低下し、したがって電力レベルがより低くされることを理解すべきである。低下モードは、例えば、電動機始動時に、ソフトスタートを実施し、機械的衝撃を制限し、電力サージを制限するのに使用され得る。また、(サイリスタまたは類似のスイッチングデバイスが単にゼロ交差の後のある位相角において電源を入れるだけの)純然たるスイッチモード電力低下と比べて、電力波の立ち上がりエッジは誘導性負荷においてずっと小さいdV/dtを生じる。というのは、印加電圧は、ゼロレベルから立ち上がるのではなく、事前充電電圧から立ち上がるからである。低下モードを呼び出し、低下モードのために、始動期間にわたってその位相および幅を変動させることのできるコマンド信号aおよびbを発生するように適合されている制御回路は、マイクロプロセッサ回路の形とすることができ、その設計は当業者の能力の範囲にあるであろう。
【0056】
電圧および電力調整回路の第1の改変形態が図5Aに示されており、図5Aにおいて第1の態様における要素と類似する要素は同じ参照符号で識別されている。この態様では、電力用コンデンサC1、C2および電子スイッチング素子Q1、Q2が前述のものと同様に設けられており、スイッチング素子Q1およびQ2の電源電極とそれぞれ並列に接続されているダイオードD1およびD2も設けられている。この態様では2つのさらに別のダイオードD3およびD4が追加されており、ダイオードD3のアノードおよびダイオードD4のカソードは共に中性端子12に接続され、ダイオードD3のカソードはコンデンサC1の上側端子に結合され、ダイオードD4のアノードはコンデンサC2の下側端子に結合されて配置されている。この構成は超昇圧モードを実施する。各入力電力波の正の半サイクルで、コンデンサC2はダイオードD4を介して充電されると共にダイオードD2および負荷を介した充電も行われ、負の半サイクルで、コンデンサC1はダイオードD3を介して充電されると共にダイオードD1および負荷を介した充電も行われる。どちらの場合も、ダイオードD3を通る経路およびダイオードD4を通る経路が低インピーダンス配線経路であるため、優位である。これらは、コンデンサC1およびC2が逆の半サイクルにおいてピークまで充電されることを可能にする。
【0057】
関連する改変態様が図5Bに示されており、図5Bでは、第1の態様における要素と同じ要素が同じ参照符号で識別されており、それらの要素の全般的説明を省略することができる。説明したばかりの2つの追加のダイオードD3およびD4の代わりに、この構成ではサイリスタ、すなわち、それぞれコンデンサC1の上側プレートと中性端子12との間、および端子12とコンデンサC2の下側プレートとの間に接続されているSCR Q3およびQ4を用いる。この場合には、コンデンサC1、C2を、逆の半サイクルでピーク電圧未満に充電することができる。サイリスタQ3を3π/2から2πまで作動させ、サイリスタQ4をπ/2からπまで作動させることにより、事前充電の量を制御することができ、電圧昇圧の量を調整することができる。
【0058】
別の態様が図5Cに示されており、図5Cでは、前述の態様における要素と同じ、または類似した要素が同じ参照番号で識別されている。この場合には、FETまたは似たような種類のトランジスタQ3'およびQ4'がサイリスタ(SCR)Q3、Q4の代わりに用いられる。コンデンサC1およびC2の制御された充電が求められる場合、トランジスタQ3'およびQ4'のゲートにパルスコマンド信号cまたはdを印加することにより複数の充電パルスを実現することができる。いずれの場合にも、個々のトランジスタは、直列のダイオードD5、D6を有し、他方、任意選択の保護ダイオードD3およびD4が個々のトランジスタの電源電極の両端に並列に接続されている。この構成は、容量性負荷、抵抗性負荷、または誘導性負荷と共に動作する。印加される負荷電圧は、コンデンサC1およびC2への事前充電の量を制御することにより調整する、すなわち、増減することができる。
【0059】
トランジスタQ1、Q2、Q3'、およびQ4'のゲートに印加されるコマンド信号a、b、c、およびdは、図6のグラフに示すように発生し、図6には、参照のためにライン電圧波Vラインも示されている。コマンド信号aおよびbは、前述の各態様を参照して説明したように、交互の半サイクルで単一パルス(または多重パルス)信号として発生する。コマンド信号cおよびdは、交互の半サイクルの間に単一パルスとして、または断続パルスもしくは多重パルスとして発生する。相対的デューティサイクルは、コンデンサC1およびC2の所望の事前充電を達成するように調整することができる。
【0060】
図7に、全体として図5と同様に構築されているが、AC負荷13の両端への補助電源の適用を制御するように配置された、補助電力の超過量をライン電流源に切り換えることもできる、本発明の電力調整回路の一態様を示す。この態様では、2つのDC電源、すなわち、光電太陽電池アレイ23および24があり、アレイ23の正の端子がHigh端子21に適用され、他方のアレイ24の負の端子がLow端子22に適用され、アレイ24の正の端子が中間電圧でアレイ23の負の端子と接続され、これが、2つのコンデンサC1およびC2の中央接合部に給電する通電状態端子または黒端子17に結合されている。端子21、22と個々のコンデンサC1およびC2の外側プレートとの間にはさらに別の電子スイッチ素子Q7およびQ8が挿入されている。この場合、スイッチ素子Q7およびQ8は、逆の半サイクルの間に主入力AC電力波のゼロ交差またはその付近においてオンにゲート制御され、太陽電池アレイ23、24からの電圧は、コンデンサC1およびC2を事前充電するのに使用される。次いで、太陽電池アレイからのエネルギーは、ACライン電力と一緒に、スイッチデバイスQ1、Q2、Q3'、Q4'を介して負荷13へとゲート制御される。代替の構成では、スイッチ素子Q7およびQ8の一方または両方を、個々の太陽電池アレイ23、24と端子17との間に挿入することもできる。またこの回路は、当業者が、(太陽電池アレイによって)局所的に発生する電力を単相または三相の電力に重畳するように容易に変更することもできるであろう。この構成は、太陽電池アレイを一例とする、風車、水車、および地熱発電機を含む自然環境(風、水、太陽など)からエネルギーを抽出する他の電源デバイスと共に用いることもできる。
【0061】
図8Aは印加される負荷電圧のオシロスコープトレースであり、ここで駆動波は、本発明に従って作成され、図1Bおよび図1Cとの関連で論じた昇圧モードでAC誘導電動機の界磁巻線に印加される。このトレースは、コンデンサC1およびC2が逆の半サイクルで事前充電されている場合の、始動後の各サイクルに典型的なものである。図8Aには、ACライン電力波LINEと負荷波形または印加波形LOADの両方が示されている。参考までに、コマンド信号aのトレースも示されており、コマンド信号aは正の半サイクルそれぞれの間に位相角(0からπ/2または0から90°)のオン期間を有し、その後にその半サイクルの残りの間のオフ期間θが続く。コマンド信号aは、逆の負の半サイクルの間はオフのままである。他方のコマンド信号b(不図示)は類似の、180°(またはπ)だけ遅延した波形を有する。結果として得られる図示の印加AC電力波LOADは全体として正弦波の波形を有する。図8Aの例では、ライン電圧は155ボルトのRMS値を有し、印加電圧LOADは180ボルトのRMS値を有する。これは、AC25ボルトの電圧昇圧を表す。これの可能な一実施態様は軽負荷のAC電動機とすることもできる。
【0062】
図8Bに、出力電圧の増加のために調整されたコマンド信号a(図示)およびb(不図示)によるライン電圧LINEおよび負荷電圧LOADの同様のグラフを示す。この場合、ライン電圧波形はAC154ボルトのRMS値を有し、出力または印加波形LOADは、重負荷のAC電動機などのための、AC191ボルトの昇圧されたRMS値、すなわち、AC37ボルトの昇圧を有する。
【0063】
いずれの場合も、すなわち図8Aでも図8Bでも、無効負荷によって反射される電力の少なくとも一部は、コンデンサC1およびC2によって捕らえられ、コンデンサC1およびC2の事前充電によるサポートレベルを生じさせ、これはコマンド信号aおよびbによって制御される。この捕捉されたエネルギーは次いで後続の半サイクルで印加される。コマンド信号は、既存のライン条件および負荷条件の下での電動機性能を最適化するために電動機(または他の無効負荷)からのフィードバックに応じて生成される。波形、すなわち、コマンド信号aおよびbのデューティサイクルおよび位相は、かなり広い有効範囲内で所望の電圧の昇圧を達成するように変動させることができる。また、印加波LOADは同相の入力波LINEを数度だけリードすることもわかる。
【0064】
本発明では、負荷に合わせてコンデンサC1、C2をサイズ調整し、コマンド信号aおよびbの位相およびデューティサイクルを無負荷条件と全負荷条件の間で制御することにより、ほぼ完全な正弦波を負荷に送ることができる。コマンド信号が一定に保持され、負荷が変動する場合、これによって、より重い負荷にはより大きい昇圧が生じることになる。本システムの単純なアーキテクチャ、すなわち、負荷と直列のただ2つのリアクタンス素子C1およびC2、およびスイッチングを実施する単純な制御システムにより、本発明の回路は、可変負荷条件および可変ライン条件に応じて電動機電圧および電力を動的に制御することができる。例えば最大5キロワットという、より大きな電力範囲にわたって電動機を制御するためには、リアクタンス素子は、予期される最大負荷に従ってサイズ調整されるべきであり、より小さい負荷については、コマンドパルスの数、位相、およびデューティサイクルが、正弦波負荷電力波を生じるように選択されるであろう。当然ながら、用途によって、例えば、半サイクルトルク要件が可変である非線形負荷(往復圧縮機など)については、非正弦波電力波の方が適切な場合もある。そのような場合には、負荷要件に合わせて印加電力波を調整し、同時に、局所効率とグリッド効率の両方を向上させるように、より綿密な制御方式が必要とされ得る。
【0065】
また、負荷が電動機電機子である場合、負荷デバイスの誘導性により、課される機械的負荷が変化すれば、印加電圧LOADの電圧レベルは自動調整することになる。すなわち、AC誘導電動機の回転子に対して機械的負荷が増加する場合、電気負荷はより抵抗性が高く、リアクタンスが低いものに見え始める。すなわち、負荷位相角が増加し、逆EMFが低下する。これにより、オフ位相θの間により多くの電流が負荷およびコンデンサを通って流れ、結果として、コンデンサC1およびC2はオフ位相θの間により多く事前充電されることになり、印加電圧LOADがそれに応じて増加する。電動機が正規の動作速度を再度達成すると、印加電圧LOADは同様の量だけ低下する。
【0066】
本発明の態様についての制御回路の一例が図9に示されている。ゼロ交差検出器28がゼロ電圧(またはゼロ電流)のタイミングおよび極性を感知し、ピーク電圧検出器がラインACのピークまたは最大電圧を感知する。これらの検出器はそれぞれ、マイクロプロセッサ回路30に出力信号を提供し、マイクロプロセッサ回路30は、コマンド信号aおよびbを提供し、態様によってはコマンド信号cおよびdも提供するように適切にプログラムされている。ユーザインターフェース制御は、図には可変抵抗31として表されているが、代わりに、例えば、コンピュータ機器、ハンドヘルドディジタル機器、ユーザインターフェースなどから提供され得るディジタル入力とすることもできる。
【0067】
本発明の電動機駆動回路は、空調デバイス用圧縮器など、大きな誘導性負荷を有する機器を駆動するように適合させることができる。
【0068】
図10は図7の態様の概念を簡略的に表す。例えば、電圧制御・調節器回路構成40がACライン電源11、12とAC負荷13(例えば誘導電動機)との間に挿入されており、(一つまたは複数の)太陽電池アレイなどの補助DC電池電源23(24)を構成のDC入力端子または出力端子に接続することができる。構成40は、例えば図7に示し説明した容量性素子およびスイッチ素子を含むことができる。
【0069】
出願人らは、図11に概略的に示すような単純な構成を用いてブラウンアウト補償が実現され得ることも発見した。この場合、適度な値のACコンデンサ42を、電源導体の一つ11に直列で配置する、すなわち、ACライン電圧源とAC負荷13(すなわち誘導電動機)との間に挿入することができる。この場合には、コンデンサは、それぞれに印加される電力波に影響を及ぼすように、全負荷、すなわち、主巻線(run winding)Rおよび始動巻線Sおよび始動コンデンサCと直列に位置決めされる。ライン電圧が公称220ボルトから170ボルトRMSのブラウンアウトレベルまで降下した場合、かつ適度な値(例えば40μf)のACコンデンサがコンデンサ42として使用されている場合は、最初の数サイクルの後に電動機13に印加される有効電力は約205〜240ボルトになる。これにより電動機を正常に始動および動作させることが可能になる。この構成では、通常は電動機巻線から反射される電力の一部(すなわち普通は印加される複素電力の虚数成分として表される)が、実際にACコンデンサ42に蓄えられ、次いで後続の波の電力の実数成分に加えられる。主AC電力が閾値レベル以上、すなわち195ボルトなどの正規の最小ライン電圧レベル以上である限り、通常は閉じている分路またはスイッチ44によりコンデンサ42の周りで電力が迂回される。ライン電圧が閾値レベルより下に降下したときにスイッチ44を開くように、ライン電源導体11、12に低電圧検出器46が接続されている。この構成は、この構成でなければ、頻繁に使用したことまたは電力提供者が適正な電圧で電力を送電できないことが原因でライン電力品質が低下する場合に始動不能になり得る器具(冷凍庫やウィンドウエアコンなど)に、有用である。
【0070】
図12の構成の代替態様は、一般に図12に示すのと同様に構成することができる。この場合には、トライアックなどの電子スイッチ48が、電源ライン11においてコンデンサ42および負荷13と直列に位置決めされる。制御回路50は、入力ライン電圧および印加負荷電圧に関連する入力を有し、AC電圧の位相およびレベルに基づいて電子スイッチ48に印加されるゲート信号を発生する。ライン電圧が195ボルトなどの最小許容レベルを下回ると、スイッチは全開にゲート制御されて、前述の態様との関連で論じたように、全電力波が昇圧される。他方、当該閾値を上回るかまたは正常の範囲内のライン電圧では、制御回路50は、電子スイッチ48をサイクルの一部の間オフにし、図12Aに示すような印加電圧の電力波を生じさせて、印加されるRMS電圧が約220ボルトを中心とする正常範囲内に留まるようにする。
【0071】
図13に、この同じ構成の多相での適用例、すなわち三相電動機の適用例を示す。この場合、ライン電力は、三相成分A、B、およびCの形であり、この場合はデルタ構成で電動機巻線113に印加される。3つの電源導体のうち2つは、それらの電動機巻線への接続と直列にコンデンサ42Aまたは42Bおよび電子スイッチ48Aまたは48Bを有する。デルタ構成では、第3のまたはC相の電源導体上に類似のコンデンサは不要であるが、任意でスイッチおよびコンデンサを当該導体上に設置することもできる。Y字構成では、コンデンサおよび電子スイッチが3本の脚上に存在するであろう。制御回路(不図示)は、図12の態様の当該要素と機能的に類似したものになるであろう。
【0072】
図11から13に示す回路のいくつかの可能な変形では、ACコンデンサ40の代わりにDCコンデンサを使用することもできるであろう。その場合には、一方向に通電する一組のDCコンデンサおよびダイオードと、逆方向に通電する、すなわち第1のセットと逆並列の、別の組のDCコンデンサおよびダイオードがあるであろう。
【0073】
本発明の基本原理を実行することによって、任意の様々な等価の回路を実現することができ、それらは図14および15を参照して説明することができる。図14は、ACライン電圧のAC電源が、抵抗性素子、誘導性素子、および容量性素子を有しかつ印加される入力AC電力の少なくとも一部を反射することになる誘導電動機などの複素無効負荷13に、リード11および12により接続されていることを示す一般的な回路図である。この場合の基本的な改善の概念は、ライン電源と負荷13との間に直列に介在する合成AC波源52を用いることであり、これにより、位相および電圧レベルを最適化するためにライン波形を加える補助AC電圧が生成される。制御信号発生器(例えば図9のマイクロプロセッサ30)が、ライン導体11、12および負荷13に結合され、介在するAC電源52を制御するためのコマンド信号を提供する。前述の態様において、介在する合成AC電源は、図15に示すようにリアクタンス素子52'として組み込まれ、制御信号発生器30からのコマンド信号に従ってオンとオフとを切り替えられる。以上の好ましい態様の開示は、介在する合成AC電源の実装における他の可能性を除外するものではない。
【0074】
本発明をいくつかの好ましい態様を参照して詳細に説明したが、本発明はその通りの態様のみに限定されるものではないことが理解されるべきである。むしろ、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、当業者には多くの改変および変形が想起されるであろう。
【符号の説明】
【0075】
参照符号リスト
10: 電動機電圧調整回路
11、12: AC電力入力
13: AC負荷デバイス
14、15: リード
16、17、21、22: 端子
23、24: 光電太陽電池アレイ
28: ゼロ交差検出器
29: ピーク電圧検出器
3O: 制御信号発生器
31: 可変抵抗
40: 電圧制御および調節器回路構成
42: ACコンデンサ
44: スイッチ
46: 低電圧検出器
48: 電子スイッチ
50: 制御回路
52: 介在合成AC波源
52': リアクタンス素子
113: 電動機巻線
C1、C2: 電力用コンデンサ
Q1、Q2、Q3'、Q4': スイッチングデバイス
Q3、Q4: サイリスタ
Q7、Q8: スイッチング素子
D1、D2、D3、D4、D5、D6: ダイオード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷デバイスに印加することのできる直列電圧調整回路であって、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続するための手段と、
第1および第2のAC電源端子を有する2入力ライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、該2入力ライン電圧調整器と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器と、
該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力と
を含む、直列電圧調整回路。
【請求項2】
2入力ライン電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極がそれぞれ該電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ該電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されており、第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
制御信号発生器の第1および第2の出力をそれぞれ第1および第2の電子スイッチングデバイスの該ゲートに結合する回路と
を含む、請求項1記載の直列電圧調整回路。
【請求項3】
第1および第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続された第1および第2のダイオードを含む、請求項2記載の直列電圧調整回路。
【請求項4】
第1および第2のダイオードがそれぞれ、関連するスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されたアノードと、関連するスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されたカソードとを有する、請求項3記載の直列電圧調整回路。
【請求項5】
第2のAC電源導体と第1の電力用コンデンサの第2の電極との間に接続された第3のダイオード、および第2のAC電源導体と第2の電力用コンデンサの第1の電極との間に接続された第4のダイオードとをさらに含む、請求項3記載の直列電圧調整回路。
【請求項6】
制御信号発生器が、第1および第2の制御信号を、第1および第2の制御信号が位相角0〜πの間および位相角π〜2πの間で交互にオンになる標準モードと、第1および第2の制御信号がそれぞれ位相幅π/2〜πの間に課されるオフ位相およびπ〜3π/2の間の位相遅れを有する電圧昇圧モードとで提供するように動作する、請求項1記載の直列電圧調整回路。
【請求項7】
制御信号発生器が、第1および第2の制御信号を、第1および第2の制御信号がそれぞれ約π/2〜πの間および約3π/2〜2πの間の位相遅れで始まってオンになる電圧低下モードで提供するように動作する、請求項6記載の直列電圧調整回路。
【請求項8】
AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、第1および第2のAC負荷端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせるように、または該AC入力ライン電力の電圧を昇圧させるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
正のDC電力出力および負のDC電力出力を有するDC電源を含み、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有するACライン電源に接続する回路と、
第1のAC電源導体に接続された第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサ、第2のAC電源導体に接続された電力入力を有する電子スイッチアレイ、第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ結合された電源電極、ならびに第1および第2のAC負荷端子にそれぞれ接続された出力端子を有する調整段と、
該DC電源の正および負の電力出力に接続された正および負のDC導体と、
入力ライン電力の電圧が所定の電圧レベルを下回るときに該電力用コンデンサをそれぞれ充電するために、正および負のDC導体ならびに第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ接続された回路と
を含む、電力および電圧の調整回路。
【請求項9】
DC電源が、正の電力出力における電圧と負の電力出力における電圧の間の電圧を有する中性電源端子を含み、該中性電源端子を第1および第2の電力用コンデンサの第1の電極に接続する回路デバイスをさらに含む、請求項8記載の電力および電圧の調整回路。
【請求項10】
単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷デバイスに印加することのできる電圧調整回路であって、
該電圧調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器、該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力とを含み、
該電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極がそれぞれ該電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ該電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第3および第4の電子スイッチングデバイスであって、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ第2のAC電源導体に接続されている、第3および第4の電子スイッチングデバイスと、
該制御信号発生器の第1および第2の出力を、それぞれ第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲート、ならびに第2および第3の電子スイッチングデバイスに結合する回路とを含み、
第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている、
電圧調整回路。
【請求項11】
第1および第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続された第1および第2のダイオード、ならびに第3および第4の電子スイッチングデバイスと並列に接続されたダイオードをそれぞれ含む、請求項10記載の電圧調整回路。
【請求項12】
ACライン電源とDC電源とを組み合わせて、第1および第2のAC端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせることのできる電力調整回路であって、
該電力調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を含むACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源導体にそれぞれ接続された第1および第2のAC電源端子を有する調整回路と、
該ACライン電源に結合された少なくとも一つのセンサ入力を含みかつ第1、第2、第3および第4のスイッチングデバイスのゲート端子に結合されたコマンド信号出力を有する制御信号発生器とを含み、
該調整回路が、
第1のAC電源端子に結合された第1の電極、および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサと、
第1、第2、第3および第4の電子スイッチングデバイスを含むスイッチドブリッジであって、第1および第2のスイッチングデバイスが第2のAC電源端子に接続された第1の電源電極および第2の電源電極をそれぞれ有し、第3および第4の電子スイッチングデバイスが第1および第2の電力用コンデンサそれぞれの第2の電極に接続された第1の電源電極をそれぞれ有し、第1および第3の電子スイッチングデバイスの第2の電源電極が該負荷の第1のAC端子に連結されており、第2および第4の電子スイッチングデバイスの第2の電源電極が該負荷の第2のAC端子に連結されている、該スイッチドブリッジとを含み、
該DC電源が正のDC出力および負のDC出力を含み、
該調整回路が、
正のDC出力と第1の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第5の電子スイッチングデバイス、ならびに負のDC出力と第2の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第6の電子スイッチングデバイスをさらに含む、
電力調整回路。
【請求項13】
DC電源が、第1および第2の電力用コンデンサの第1の電極に結合された中性DC出力を含む、請求項12記載の電力調整回路。
【請求項14】
制御信号発生器が、第5および第6の電子スイッチングデバイスのゲート端子に結合されたコマンド信号出力を有する、請求項12記載の電力調整回路。
【請求項15】
ACライン電力の正の半サイクルをDC電源からの正のDC出力に重畳し、該ACライン電力の負の半サイクルを該DC電源からの負のDC出力に重畳するための手段を含む、請求項12記載の電力調整回路。
【請求項16】
単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷に印加することのできる電圧調整回路であって、
該電圧調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続するための回路と、
第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、該ライン電圧調整器と、
第1および第2の入力DC電源と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器、該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力とを含み、
該電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極が該電圧調整器の第1のAC電源端子にそれぞれ接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極が該電圧調整器の第2のAC電源端子にそれぞれ接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第3および第4の電子スイッチングデバイスであって、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極が第2のAC電源導体にそれぞれ接続されている、第3および第4の電子スイッチングデバイスと、
該制御信号発生器の第1および第2の出力を、それぞれ、第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲート、ならびに第2および第3の電子スイッチングデバイスに結合する回路と、
該制御信号発生器のタイミング出力を第5および第6のスイッチングデバイスのゲートに結合する回路とを含み、
第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されており、
第1および第2のDC電源が第1の電源端子および第2の電源端子をそれぞれ有し、第1のDC電源の第1の電源端子および第2のDC電源の第2の電源端子が第1のAC電源端子と接続されており、第5および第6の電子スイッチが1対の電源端子およびゲートをそれぞれ有し、第5の電子スイッチの電源端子が第1の電力用コンデンサを第1のDC電源に接続し、第6の電子スイッチが第2の電力用コンデンサを第2のDC電源に接続する、
電圧調整回路。
【請求項17】
第1および第2のDC入力電源のそれぞれが太陽電池アレイを含む、請求項16記載の電圧調整回路。
【請求項18】
第1および第2のDC入力電源のそれぞれが、自然環境から電力を抽出するデバイスを含む、請求項16記載の電圧調整回路。
【請求項19】
AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、第1および第2のAC負荷端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせるか、または該AC入力ライン電力の電圧を昇圧させるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
正のDC電力出力および負のDC電力出力を有するDC電源を含み、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有するACライン電源に接続する回路と、
第1のAC電源導体に接続された第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサを有し、第2のAC電源導体に接続された電力入力、第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ結合された電源電極、ならびに第1および第2のAC負荷端子にそれぞれ接続された出力端子を有する電子スイッチアレイを有する、調整段と、
該DC電源の正および負の電力出力に接続された正および負のDC導体と、
該入力ライン電力の電圧が所定の電圧レベルを下回るときに該AC負荷に補助エネルギーを加えるために、正および負のDC導体ならびに第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ接続された回路構成と
を含む、電力および電圧の調整回路。
【請求項20】
AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、抵抗性素子、誘導性素子、および容量性素子を有しかつAC負荷端子を有する複素無効AC負荷に印加される調整されたAC電力波を、該負荷端子に印加される入力AC電力の少なくとも一部を該AC負荷が反射するように生じさせるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する、該ACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源導体の一つと該AC負荷端子の対応する一つとの間に挿入されるように該複素AC負荷と直列に挿入された合成AC電力波源であって、該複素AC負荷から反射されるAC電力の少なくとも一部を吸収し、該複素AC源に印加されるAC電力の位相および電圧レベルを最適化するために該AC入力ライン電力に加えられる補助電圧波を生成するための手段を含む、該合成AC電力波源と
を含む、電力および電圧の調整回路。
【請求項21】
合成AC電力波源が、第1および第2のAC電源導体の一つとAC負荷端子の対応する一つとの間に挿入されたリアクタンス素子を含む、請求項20記載の電力および電圧の調整回路。
【請求項22】
リアクタンス素子がACコンデンサとして形成されている、請求項21記載の電力および電圧の調整回路。
【請求項23】
電力および電圧の調整回路が、AC電源導体およびAC負荷端子に接続された入力ならびに合成AC電力波源に結合された一つまたは複数の出力を有する制御信号発生器を含み、該合成AC電力波源が、リアクタンス素子と、該AC負荷を有する回路に対する該リアクタンス素子のオンとオフとを制御可能に切り替えるように該制御信号発生器によって制御されるスイッチング手段とを含む、請求項20記載の電力および電圧の調整回路。
【請求項1】
AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷デバイスに印加することのできる直列電圧調整回路であって、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続するための手段と、
第1および第2のAC電源端子を有する2入力ライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、該2入力ライン電圧調整器と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器と、
該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力と
を含む、直列電圧調整回路。
【請求項2】
2入力ライン電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極がそれぞれ該電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ該電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されており、第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
制御信号発生器の第1および第2の出力をそれぞれ第1および第2の電子スイッチングデバイスの該ゲートに結合する回路と
を含む、請求項1記載の直列電圧調整回路。
【請求項3】
第1および第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続された第1および第2のダイオードを含む、請求項2記載の直列電圧調整回路。
【請求項4】
第1および第2のダイオードがそれぞれ、関連するスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されたアノードと、関連するスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されたカソードとを有する、請求項3記載の直列電圧調整回路。
【請求項5】
第2のAC電源導体と第1の電力用コンデンサの第2の電極との間に接続された第3のダイオード、および第2のAC電源導体と第2の電力用コンデンサの第1の電極との間に接続された第4のダイオードとをさらに含む、請求項3記載の直列電圧調整回路。
【請求項6】
制御信号発生器が、第1および第2の制御信号を、第1および第2の制御信号が位相角0〜πの間および位相角π〜2πの間で交互にオンになる標準モードと、第1および第2の制御信号がそれぞれ位相幅π/2〜πの間に課されるオフ位相およびπ〜3π/2の間の位相遅れを有する電圧昇圧モードとで提供するように動作する、請求項1記載の直列電圧調整回路。
【請求項7】
制御信号発生器が、第1および第2の制御信号を、第1および第2の制御信号がそれぞれ約π/2〜πの間および約3π/2〜2πの間の位相遅れで始まってオンになる電圧低下モードで提供するように動作する、請求項6記載の直列電圧調整回路。
【請求項8】
AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、第1および第2のAC負荷端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせるように、または該AC入力ライン電力の電圧を昇圧させるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
正のDC電力出力および負のDC電力出力を有するDC電源を含み、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有するACライン電源に接続する回路と、
第1のAC電源導体に接続された第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサ、第2のAC電源導体に接続された電力入力を有する電子スイッチアレイ、第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ結合された電源電極、ならびに第1および第2のAC負荷端子にそれぞれ接続された出力端子を有する調整段と、
該DC電源の正および負の電力出力に接続された正および負のDC導体と、
入力ライン電力の電圧が所定の電圧レベルを下回るときに該電力用コンデンサをそれぞれ充電するために、正および負のDC導体ならびに第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ接続された回路と
を含む、電力および電圧の調整回路。
【請求項9】
DC電源が、正の電力出力における電圧と負の電力出力における電圧の間の電圧を有する中性電源端子を含み、該中性電源端子を第1および第2の電力用コンデンサの第1の電極に接続する回路デバイスをさらに含む、請求項8記載の電力および電圧の調整回路。
【請求項10】
単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷デバイスに印加することのできる電圧調整回路であって、
該電圧調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器、該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力とを含み、
該電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極がそれぞれ該電圧調整器の第1のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ該電圧調整器の第2のAC電源端子に接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第3および第4の電子スイッチングデバイスであって、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極がそれぞれ第2のAC電源導体に接続されている、第3および第4の電子スイッチングデバイスと、
該制御信号発生器の第1および第2の出力を、それぞれ第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲート、ならびに第2および第3の電子スイッチングデバイスに結合する回路とを含み、
第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されている、
電圧調整回路。
【請求項11】
第1および第2の電子スイッチングデバイスと並列に接続された第1および第2のダイオード、ならびに第3および第4の電子スイッチングデバイスと並列に接続されたダイオードをそれぞれ含む、請求項10記載の電圧調整回路。
【請求項12】
ACライン電源とDC電源とを組み合わせて、第1および第2のAC端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせることのできる電力調整回路であって、
該電力調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を含むACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源導体にそれぞれ接続された第1および第2のAC電源端子を有する調整回路と、
該ACライン電源に結合された少なくとも一つのセンサ入力を含みかつ第1、第2、第3および第4のスイッチングデバイスのゲート端子に結合されたコマンド信号出力を有する制御信号発生器とを含み、
該調整回路が、
第1のAC電源端子に結合された第1の電極、および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサと、
第1、第2、第3および第4の電子スイッチングデバイスを含むスイッチドブリッジであって、第1および第2のスイッチングデバイスが第2のAC電源端子に接続された第1の電源電極および第2の電源電極をそれぞれ有し、第3および第4の電子スイッチングデバイスが第1および第2の電力用コンデンサそれぞれの第2の電極に接続された第1の電源電極をそれぞれ有し、第1および第3の電子スイッチングデバイスの第2の電源電極が該負荷の第1のAC端子に連結されており、第2および第4の電子スイッチングデバイスの第2の電源電極が該負荷の第2のAC端子に連結されている、該スイッチドブリッジとを含み、
該DC電源が正のDC出力および負のDC出力を含み、
該調整回路が、
正のDC出力と第1の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第5の電子スイッチングデバイス、ならびに負のDC出力と第2の電力用コンデンサの第2の電極との間に挿入された第6の電子スイッチングデバイスをさらに含む、
電力調整回路。
【請求項13】
DC電源が、第1および第2の電力用コンデンサの第1の電極に結合された中性DC出力を含む、請求項12記載の電力調整回路。
【請求項14】
制御信号発生器が、第5および第6の電子スイッチングデバイスのゲート端子に結合されたコマンド信号出力を有する、請求項12記載の電力調整回路。
【請求項15】
ACライン電力の正の半サイクルをDC電源からの正のDC出力に重畳し、該ACライン電力の負の半サイクルを該DC電源からの負のDC出力に重畳するための手段を含む、請求項12記載の電力調整回路。
【請求項16】
単相AC入力ライン電力の品質の変化に応じて、調整されたAC電圧レベルを、第1および第2のAC端子を有するAC負荷に印加することのできる電圧調整回路であって、
該電圧調整回路が、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する単相ACライン電源に接続するための回路と、
第1および第2のAC電源端子を有するライン電圧調整器であって、第1のAC電源端子が第1のAC電源導体に接続されており、第2のAC電源端子が該負荷の第1のAC電源端子に接続されており、該負荷の第2のAC端子が第2のAC電源導体に接続されている、該ライン電圧調整器と、
第1および第2の入力DC電源と、
該AC電源に結合されたセンサ入力を含む制御信号発生器、該AC入力ライン電力のAC電圧レベルを検出するための検出器、該ACライン電力のゼロ交差を検出するための検出器、ならびに該ライン電圧調整器に第1および第2の制御信号を提供する第1および第2の出力とを含み、
該電圧調整器が、
第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサであって、第1の電力用コンデンサの第1の電極および第2の電力用コンデンサの第2の電極が該電圧調整器の第1のAC電源端子にそれぞれ接続されている、第1および第2の電力用コンデンサと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第1および第2の電子スイッチングデバイスであって、第1のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極が該電圧調整器の第2のAC電源端子にそれぞれ接続されている、第1および第2の電子スイッチングデバイスと、
第1の電源電極、第2の電源電極、およびゲートをそれぞれ有する第3および第4の電子スイッチングデバイスであって、第3のスイッチングデバイスの第1の電源電極および第2のスイッチングデバイスの第2の電源電極が第2のAC電源導体にそれぞれ接続されている、第3および第4の電子スイッチングデバイスと、
該制御信号発生器の第1および第2の出力を、それぞれ、第1および第4の電子スイッチングデバイスのゲート、ならびに第2および第3の電子スイッチングデバイスに結合する回路と、
該制御信号発生器のタイミング出力を第5および第6のスイッチングデバイスのゲートに結合する回路とを含み、
第1の電力用コンデンサの第2の電極が第1のスイッチングデバイスおよび第3のスイッチングデバイスの第2の電源電極に接続されており、第2の電力用コンデンサの第1の電極が第2のスイッチングデバイスおよび第4のスイッチングデバイスの第1の電源電極に接続されており、
第1および第2のDC電源が第1の電源端子および第2の電源端子をそれぞれ有し、第1のDC電源の第1の電源端子および第2のDC電源の第2の電源端子が第1のAC電源端子と接続されており、第5および第6の電子スイッチが1対の電源端子およびゲートをそれぞれ有し、第5の電子スイッチの電源端子が第1の電力用コンデンサを第1のDC電源に接続し、第6の電子スイッチが第2の電力用コンデンサを第2のDC電源に接続する、
電圧調整回路。
【請求項17】
第1および第2のDC入力電源のそれぞれが太陽電池アレイを含む、請求項16記載の電圧調整回路。
【請求項18】
第1および第2のDC入力電源のそれぞれが、自然環境から電力を抽出するデバイスを含む、請求項16記載の電圧調整回路。
【請求項19】
AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、第1および第2のAC負荷端子を有するAC負荷に印加される調整されたAC電力波を生じさせるか、または該AC入力ライン電力の電圧を昇圧させるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
正のDC電力出力および負のDC電力出力を有するDC電源を含み、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有するACライン電源に接続する回路と、
第1のAC電源導体に接続された第1の電極および第2の電極をそれぞれ有する第1および第2の電力用コンデンサを有し、第2のAC電源導体に接続された電力入力、第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ結合された電源電極、ならびに第1および第2のAC負荷端子にそれぞれ接続された出力端子を有する電子スイッチアレイを有する、調整段と、
該DC電源の正および負の電力出力に接続された正および負のDC導体と、
該入力ライン電力の電圧が所定の電圧レベルを下回るときに該AC負荷に補助エネルギーを加えるために、正および負のDC導体ならびに第1および第2の電力用コンデンサの第2の電極にそれぞれ接続された回路構成と
を含む、電力および電圧の調整回路。
【請求項20】
AC入力ライン電力の位相の品質の変化に応じて、抵抗性素子、誘導性素子、および容量性素子を有しかつAC負荷端子を有する複素無効AC負荷に印加される調整されたAC電力波を、該負荷端子に印加される入力AC電力の少なくとも一部を該AC負荷が反射するように生じさせるように適合された、電力および電圧の調整回路であって、
第1のAC電源導体および第2のAC電源導体を有する、該ACライン電源に接続する回路と、
第1および第2のAC電源導体の一つと該AC負荷端子の対応する一つとの間に挿入されるように該複素AC負荷と直列に挿入された合成AC電力波源であって、該複素AC負荷から反射されるAC電力の少なくとも一部を吸収し、該複素AC源に印加されるAC電力の位相および電圧レベルを最適化するために該AC入力ライン電力に加えられる補助電圧波を生成するための手段を含む、該合成AC電力波源と
を含む、電力および電圧の調整回路。
【請求項21】
合成AC電力波源が、第1および第2のAC電源導体の一つとAC負荷端子の対応する一つとの間に挿入されたリアクタンス素子を含む、請求項20記載の電力および電圧の調整回路。
【請求項22】
リアクタンス素子がACコンデンサとして形成されている、請求項21記載の電力および電圧の調整回路。
【請求項23】
電力および電圧の調整回路が、AC電源導体およびAC負荷端子に接続された入力ならびに合成AC電力波源に結合された一つまたは複数の出力を有する制御信号発生器を含み、該合成AC電力波源が、リアクタンス素子と、該AC負荷を有する回路に対する該リアクタンス素子のオンとオフとを制御可能に切り替えるように該制御信号発生器によって制御されるスイッチング手段とを含む、請求項20記載の電力および電圧の調整回路。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図13】
【図14】
【図15】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−182982(P2012−182982A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−40895(P2012−40895)
【出願日】平成24年2月28日(2012.2.28)
【出願人】(512049915)インターナショナル コントロールズ アンド メジャメンツ コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−40895(P2012−40895)
【出願日】平成24年2月28日(2012.2.28)
【出願人】(512049915)インターナショナル コントロールズ アンド メジャメンツ コーポレイション (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]