説明

C−グリコシド誘導体又はその塩

本発明の下記一般式(I)で示されるC−グリコシド誘導体又はその塩は、Na−グルコース共輸送体阻害剤として、例えば、糖尿病等の治療剤、特に、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)等の糖尿病の他、インスリン抵抗性疾患、及び肥満を含む各種糖尿病関連疾患の治療剤として有用な化合物であり、B環が、−X−を介して、A環と結合し、そのA環が糖残基と直接結合することを特徴とする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、C−グリコシド誘導体又はその塩に関する。さらに詳しくは、医薬、特に、Na−グルコース共輸送体阻害剤として有用な、C−グリコシド誘導体又はその塩に関する。本発明のC−グリコシド誘導体又はその塩は、例えば、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)等の糖尿病の他、インスリン抵抗性疾患、及び肥満を含む各種糖尿病関連疾患の治療、並びにこれらの予防に有用である。
【背景技術】
近年、高血糖を速やかに正常化し、同時に体内のエネルギーバランスを改善する抗糖尿病薬として、Na−グルコース共輸送体(SGLT)の腸管及び腎臓における糖再吸収作用を阻害する薬剤(Na−グルコース共輸送体阻害剤)が求められている。このようなNa−グルコース共輸送体阻害剤は、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)等の糖尿病の他、インスリン抵抗性疾患、及び肥満を含む各種糖尿病関連疾患の優れた治療剤並びに予防剤として期待されている。
従来、Na−グルコース共輸送体阻害剤として用いられる化合物としては、例えば、Welch C.A.et al.,J.Natr.,1989,119(11)1698に記載されたフロリジンや、Hongu,M.et al.,Chem.Pharm.Bull.1998,46(1)22、及び特開平11−21243号公報に記載された合成O−配糖体が知られている。これらの化合物は、腎臓(尿細管)に存在するNa−グルコース共輸送体の糖再吸収作用を阻害することにより、過剰の糖を尿糖として体外に排泄し、血糖を降下させることが報告されている。
しかしながら、これらの化合物は、いずれも糖とアグリコン部とがO−グルコシド結合してなるO−配糖体であり、経口吸収されると小腸に存在するグルコシダーゼ等により加水分解され、阻害作用が低減してしまうという問題があった。
また、フロリジンの場合、アグリコン部であるフロレチンは促進拡散型の糖輸送体の作用を強力に阻害することが知られている。例えば、ラット静脈にフロレチンを投与すると脳内グルコース濃度が減少するという悪影響が報告されている(例えば、Stroke,1983,14,388)。さらに、フロレチンはビタミンCのトランスポーター作用を阻害することも知られている(wang,Y et.al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,2000,267,488−494)。
そこで、O−配糖体のグルコシド結合の酸素を炭素に変換したC−配糖体をNa−グルコース共輸送体阻害剤として用いることが試みられている。
例えば、特開2001−288178号公報(特許文献1)には、下記一般式で示される化合物がNa−グルコース共輸送体阻害作用を有し、糖尿病の治療剤、予防剤及び血糖降下剤として有用であることが記載されている。

(上記式中、RはH、OH、低級アルキル基、−O−低級アルキル基等を、RはH、−COO−低級アルキル基等を、Rは−CHOH、−CHOCOO−低級アルキル基等を、Aはピリジン、フラン、チオフェン、キノリン、インドール等を、nは0〜3の整数を、mは0又は1の整数をそれぞれ示す。上記式中の記号の詳細は特許文献1参照。)
また、国際公開第01/27128号パンフレット(特許文献2)には、下記一般式で示される化合物をNa−グルコース共輸送体阻害剤として、肥満や2型糖尿病の治療に用いることができると記載されている。

(上記式中、R、R及びR2aは、独立して、水素原子、OH、OR、アルキル、CF、OCHF、OCF等を、R及びRは、独立して、水素原子、OH、OR5a、−O−アリール、−O−CH−アリール、アルキル、シクロアルキル、CF等を、AはO、S、NH、又は(CH)nを、nは0〜3の整数をそれぞれ示す。上記式中の記号の詳細は特許文献2参照。)
以上説明したように、上記のC−配糖体はNa−グルコース共輸送体阻害作用を有しており、糖尿病の治療等に一定の有用性を発揮するものである。しかしながら、糖尿病が生活習慣病として国民病といわれるほど増加している昨今、糖尿病の治療等の現場においては、従来の化合物とは化学的構造が異なり、かつ、より迅速で顕著なNa−グルコース共輸送体阻害作用を発揮する化合物に対する要望が高まっているのが現状である。
【発明の開示】
本発明者等は、下記一般式(I)のB環((1)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環、(2)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロ環、(3)飽和若しくは不飽和の8〜10員2環炭化水素環、又は(4)ベンゼン環)が、−X−(結合、又は低級アルキレン)を介して、A環((1)ベンゼン環、(2)N、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロアリール環、又は(3)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環)と結合し、そのA環が糖残基と直接結合することを特徴とする(但し、A環、B環及びXの間には、(1)A環がベンゼン環を意味する場合は、B環はベンゼン環以外の環を意味する、(2)A環がベンゼン環を意味し、かつB環がベンゼン環を含む飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環、又はベンゼン環を含む飽和若しくは不飽和の8〜10員2環炭化水素環を意味する場合は、XはB環に含まれるベンゼン環以外の部分でB環と結合する、との相互関係を有する)、下記一般式(I)で示されるC−グリコシド誘導体が、顕著なNa−グルコース共輸送体阻害作用を有することを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記一般式(I)で示される化合物又はその塩(以下、「本発明化合物」ということがある)に関する。本発明化合物は、これらを有効成分とするNa−グルコース共輸送体阻害剤、特に、糖尿病の治療剤及び予防剤として好適に利用することができる。
なお、本発明化合物と特許文献1及び2に記載された化合物とは、本発明化合物の場合A環とB環とが同時にベンゼン環で構成されることはない点等において、基本構造を異にするものである。すなわち、本発明は新たな母核を有するNa−グルコース共輸送体阻害剤を提供するものである。
具体的には、本発明によって以下のC−グリコシド誘導体及び製薬学的に許容されるその塩、これらの化合物を含有する医薬組成物、Na−グルコース共輸送体阻害剤又は糖尿病の治療剤の製造のためのこれらの化合物の使用、並びに糖尿病の治療方法が提供される。
〔1〕下記一般式(I)で示されるC−グリコシド誘導体又はその塩。

(上記式(I)中の記号は、それぞれ以下の意味を有する。
A環:(1)ベンゼン環、(2)N、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロアリール環、又は(3)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環、
B環:(1)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環、(2)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロ環、(3)飽和若しくは不飽和の8〜10員2環炭化水素環、又は(4)ベンゼン環、
X:結合、又は低級アルキレン、
(但し、A環、B環及びXの間には、(1)A環がベンゼン環を意味する場合は、B環はベンゼン環以外の環を意味する、(2)A環がベンゼン環を意味し、かつB環がベンゼン環を含む飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環、又はベンゼン環を含む飽和若しくは不飽和の8〜10員2環炭化水素環を意味する場合は、XはB環に含まれるベンゼン環以外の部分でB環と結合する、との相互関係を有する。なお、このような相互関係は、具体的には、A環とB環とが同時にベンゼン環で構成されることはないことを意味する他、例えば、A環がベンゼン環で構成され、B環がベンゾフランやインダンで構成される場合は、XはB環の一部を構成するベンゼン環ではなく、フラン環やシクロペンタン環と結合することを意味する。)
〜R:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル、−C(=O)−低級アルキル、又は−低級アルキレン−アリール、
〜R11:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ハロゲン置換低級アルキル、−OH、=O、−NH、低級アルキルスルホニル−、ハロゲン置換低級アルキルスルホニル−、アリールスルホニル−、アリール、飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロ環、−低級アルキレン−OH、−低級アルキレン−O−低級アルキル、−低級アルキレン−O−C(=O)−低級アルキル、−低級アルキレン−O−低級アルキレン−COOH、−低級アルキレン−O−低級アルキレン−C(=O)−O−低級アルキル、−低級アルキレン−NH、−低級アルキレン−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−NH−C(=O)−低級アルキル、−COOH、−CN、−C(=O)−O−低級アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−NH−低級アルキル、−C(=O)−N(低級アルキル)、−O−低級アルキル、−O−シクロアルキル、−O−低級アルキレン−OH、−O−低級アルキレン−O−低級アルキル、−O−低級アルキレン−COOH、−O−低級アルキレン−C(=O)−O−低級アルキル、−O−低級アルキレン−C(=O)−NH、−O−低級アルキレン−C(=O)−NH−低級アルキル、−O−低級アルキレン−C(=O)−N(低級アルキル)、−O−低級アルキレン−CH(OH)−CH(OH)、−O−低級アルキレン−NH、−O−低級アルキレン−NH−低級アルキル、−O−低級アルキレン−N(低級アルキル)、−O−低級アルキレン−NH−C(=O)−低級アルキル、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)、−NH−SO−低級アルキル、−NH−SO−ハロゲン置換低級アルキル、−NH−低級アルキレン−OH、−NH−C(=O)−低級アルキル、−NH−C(=O)−NH、−NH−C(=O)−NH−低級アルキル、−NH−C(=O)−N(低級アルキル)、又は−NH−C(=O)−O−低級アルキル
(但し、R〜R11における−N(低級アルキル)は、同一の低級アルキルで構成される場合の他、異なった低級アルキルで構成される場合も含む。例えば、−N(低級アルキル)は、メチルエチルアミノ基も含む。))
〔2〕前記式(I)中のA環が(1)ベンゼン環、又は(2)N、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロアリール環である、前記〔1〕に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
〔3〕前記式(I)中のB環が(1)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環、又は(2)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロ環である、前記〔2〕に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
〔4〕前記式(I)中のA環がベンゼン環であり、B環が飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環である前記〔3〕に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
〔5〕前記式(I)中のXがメチレンである、前記〔4〕に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
〔6〕前記式(I)中のR〜Rが水素原子である、前記〔5〕に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
〔7〕前記式(I)で示されるC−グリコシド誘導体が、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)フェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−ヒドロキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−メトキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(メチルアミノ)フェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−[(2−ヒドロキシエトキシ)アミノ]フェニル}−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−メトキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−クロロフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−フルオロフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2,4−ジメトキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−クロロ−2−メトキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル]−D−グルシトール、及び(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−フルオロ−2−メトキシフェニル]−D−グルシトールからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である前記〔1〕に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
〔8〕前記〔1〕〜〔7〕に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩を含有する医薬組成物。
〔9〕Na−グルコース共輸送体阻害剤である前記〔8〕に記載の医薬組成物。
〔10〕糖尿病の治療剤である前記〔8〕に記載の医薬組成物。
〔11〕Na−グルコース共輸送体阻害剤又は糖尿病の治療剤の製造のための前記〔1〕〜〔7〕に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩の使用。
〔12〕前記〔1〕〜〔7〕に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩の治療有効量を患者に投与することを含む、糖尿病の治療方法。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
本発明化合物における、「N、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロアリール環」としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、チオフェン、ピロール、フラン、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール等が挙げられる。中でも、ピリジン、チオフェン、フラン、テトラゾールが好ましい。
「飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環」としては、例えば、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、テトラヒドロイソキノリン等が挙げられる。中でも、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾールが好ましい。
「飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロ環」としては、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、チオフェン、ピロール、フラン、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、ピペラジン等が挙げられる。中でも、ピリジン、チオフェン、フラン、テトラゾール、モルホリン、ピペリジン、ピロリジンが好ましい。
「飽和若しくは不飽和の8〜10員2環炭化水素環」としては、インダン、インデン、テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。中でも、インデンが好ましい。
本明細書中の一般式の定義において「低級」なる用語は、特に断らない限り、炭素数が1〜6の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。従って「低級アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等の直鎖又は分枝状のC1−6アルキルが挙げられる。中でも、炭素数1〜3のものが好ましく、メチル、エチルがさらに好ましい。
「低級アルキレン」としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等の他、分枝を有した低級アルキレンでも良い。中でも、メチレン、エチレンが好ましい。
「シクロアルキル」としては、例えば、環員数3〜8のシクロアルキルが挙げられる。中でも、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが好ましい。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。中でも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
「ハロゲン置換低級アルキル」、「ハロゲン置換低級アルキレン」としては、上記ハロゲン原子によって置換された上記低級アルキル、上記低級アルキレンが挙げられる。中でも、フッ素原子で置換されたものが好ましい。
「アリール」とは、炭素数が6〜14個の1〜3環系芳香族炭化水素環基を意味する。例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。中でも、フェニル、ナフチルが好ましい。
「−低級アルキレン−アリール」としては、ベンジル、フェネチルが挙げられる。
「アシル」としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ピバロイル等が挙げられる。中でも、アセチルが好ましい。
〜R11において、=Oはオキソ基を意味するが、A環やB環が、例えば、ピリジン環等の場合は、そのN−オキシド体であるオキソピリジン環等を意味することがある。
また、本発明化合物には、互変異性体、光学異性体等の各種の立体異性体の混合物や単離されたものが含まれる。
前記式(I)で示される化合物は、酸付加塩を形成する場合がある。また、置換基の種類によっては塩基との塩を形成する場合もある。このような塩としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機酸;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との酸付加塩:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基;メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン等の有機塩基;リジン、オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩:アンモニウム塩等が挙げられる。
さらに、本発明化合物には、水和物、製薬学的に許容可能な各種溶媒和物や結晶多形等も含まれる。
なお、当然のことながら、本発明化合物は後述する実施例に記載された化合物に限定されるものではなく、上記式(I)で示される化合物(C−グリコシド誘導体)及びその製薬学的に許容される塩の全てを包含するものである。
また、本発明化合物には、生体内において代謝されて前記式(I)で示される化合物に変換される化合物、又はその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグもすべて含まれる。本発明化合物のプロドラッグを形成する基としては、Prog.Med.5:2157−2161(1985)に記載されている基や、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163〜198頁に記載されている基が挙げられる。
本発明化合物(前記式(I)で示される化合物及びその製薬学的に許容される塩)は、その基本骨格或いは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、この官能基を原料又は中間体の段階で適当な保護基、すなわち、容易にこの官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上、効果的な場合がある。しかる後、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基等を挙げることができ、これらの保護基としては、例えば、グリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。
(製造例)
以下、本発明化合物の代表的な製造法の例を説明する。
(製造法1)
製造法1は、下記反応式に示すように、ハライド体(1)とアルデヒド誘導体(2)とで付加反応を行った後、還元し、次いで、ラクトン誘導体(4)と付加反応を行い、還元を行い化合物(I)を得た後、脱保護することによって化合物(I)′を得る方法である。

(上記反応式中、A環、B環、X、及びR〜R11は前掲と同じものを意味する。)
ハライド体(1)とアルデヒド誘導体(2)の付加反応は、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム試薬の存在下、適当な溶媒中で行われる。溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル類等が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約−100℃〜約180℃、好ましくは約−80℃〜約30℃である。
続く還元反応は、適当な還元剤及び酸触媒の存在下、適当な溶媒中で行われる。還元剤の具体例としては、トリエチルシラン、トリイソプロピルシラン、tert−ブチルジメチルシラン等が挙げられ、酸触媒としては、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル等が挙げられる。溶媒の具体例としては、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化アルキル類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル類;アセトニトリル;これらの混合溶媒が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約−100℃〜約180℃、好ましくは約−40℃〜約20℃である。
続くラクトン誘導体(4)の付加反応は、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム試薬の存在下、適当な溶媒中で行われる。溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル類が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約−100℃〜約180℃、好ましくは約−80℃〜約30℃である。
続く還元反応は、上記還元反応と同様にして行われる。
脱保護はパラジウム/炭素;水酸化パラジウム、白金/炭素等の金属触媒の存在下適当な溶媒中水素雰囲気下で行うか、あるいは適当なルイス酸存在下適当な溶媒中で行われる。ルイス酸の具体例としては三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三塩化アルミニウム等が挙げられ、溶媒の具体例としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル等のエステル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトニトリル;これらの混合溶媒が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約−100℃〜約180℃、好ましくは約−40℃〜約20℃である。
(製造法2)
製造法2は、下記反応式に示すように、アルデヒド誘導体(5)とハライド体(6)とで付加反応を行った後、還元し、次いで、ラクトン誘導体(4)と付加反応を行い、還元を行い化合物(I)を得た後、脱保護することによって化合物(I)′を得る方法である。

(上記反応式中、A環、B環、X、R〜R11は前掲と同じものを意味する。)
アルデヒド誘導体(5)とハライド体(6)との付加反応は、製造法1で示したハライド体(1)とアルデヒド誘導体(2)との付加反応と同様にして行われる。
また、本付加反応は化合物(6)とマグネシウム等の金属試薬から調製したグリニャール試薬を用いて化合物(5)と適当な溶媒中で反応させることによっても行うことができる。溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル類が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約0℃〜約180℃、好ましくは約20℃〜約80℃である。
続く還元反応は、製造法1で示した還元反応と同様にして行われる。
続くラクトン誘導体(4)の付加反応は、製造法1で示したラクトン誘導体(4)の付加反応と同様の方法で行われる。
続く還元反応は、製造法1で示した還元反応と同様にして行われる。
脱保護は製造法1で示した脱保護と同様にして行われる。
(製造法3)
製造法3は、化合物(8)と化合物(9)とで適当な溶媒中置換反応を行い、次いでハライド体(11)によるアルキル化を行い化合物(I)を得た後、脱保護することによって化合物(I)′を得る方法である。

(上記反応式中、A環、B環、X、R〜R11は前掲と同じものを意味し、Yは脱離基を意味する。脱離基としてはハライド、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ、トリフルオロメタンスルホキシ等が挙げられる。)
置換反応は適当なグリニャール試薬の存在下適当な溶媒中で行われる。グリニャール試薬の具体例としてはメチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムクロリド等が挙げられ、溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル類;ベンゼン;これらの混合溶媒が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約0℃〜約180℃、好ましくは約20℃〜約80℃である。
アルキル化は適当な塩基の存在下適当な溶媒中で行われる。塩基の具体例としては水酸化カリウム;水酸化ナトリウム;メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムクロリド等のグリニャール試薬が挙げられ、溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル類、ベンゼン、これらの混合溶媒が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約0℃〜約180℃、好ましくは約20℃〜約80℃である。
脱保護は製造法1で示した脱保護と同様にして行われる。
(製造法4)
製造法4は、アルコール体(12)を保護した後、ラクトン誘導体(4)の付加を行い、還元の後脱保護し得られた化合物(13)を酸化し、化合物(15)と付加反応し、還元して化合物(I)を得た後、脱保護することによって化合物(I)′を得る方法である。

(上記反応式中、A環、B環、X、R〜R11は前掲と同じものを意味し、Y及びZはハロゲン又は水素を意味する。)
アルコール体(14)は常法に従って適当な保護基、例えば、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、テトラヒドロピラニル基等で保護する。その後、ラクトン誘導体(4)の付加反応は、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム試薬の存在下、適当な溶媒中で行われる。溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル類が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約−100℃〜約180℃、好ましくは約−80℃〜約30℃である。
続く還元反応は、製造法1で示した還元反応と同様にして行われる。
続く脱保護は適当な触媒の存在下適当な溶媒中で行われる。触媒の具体例としてはテトラブチルアンモニウムフルオリド、ボロントリフルオリドエチルエーテル錯体、フッ化水素、酢酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、溶媒の具体例としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール等のアルコール類;水;これらの混合溶媒が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約−100℃〜約180℃、好ましくは約20℃〜約80℃である。
続く酸化は適当な酸化剤の存在下適当な溶媒中で行われる。酸化剤の具体例としては二酸化マンガン、過酸化水素水、ピリジニウムクロロクロメート等が挙げられ、溶媒の具体例としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化アルキル類;これらの混合溶媒が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約−100℃〜約180℃、好ましくは約20℃〜約80℃である。
続く付加反応は、製造法1で示したハライド体(1)とアルデヒド誘導体(2)との付加反応と同様にして行われる。
続く還元反応は、製造法1で示した還元反応と同様にして行われる。
脱保護は製造法1で示した脱保護と同様にして行われる。
(製造法5)
製造法5は、化合物(16)単独、又は化合物(16)と金属とを適当な溶媒中で反応させ、金属試薬を調製したものをパラジウム触媒及び必要な場合には適当なホスフィンの存在下、化合物(17)と反応させ化合物(I)を得た後、脱保護することによって化合物(I)′を得る方法である。

(上記反応式中、A環、B環、X、R〜R11は前掲と同じものを意味し、Yは脱離基を意味する。脱離基としてはハロゲン、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ、トリフルオロメタンスルホキシ等が挙げられる。Zは水素原子、MeS−、RSn−、(RO)B−を意味する。Rは低級アルキルを意味する。)
化合物(16)と化合物(17)との反応で用いる金属の具体例としては、銅、亜鉛、鉄、マグネシウム等が挙げられ、パラジウム触媒の具体例としては、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(O)、酢酸パラジウム(II)、二塩化ビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)、トリスジベンジリデンアセトンジパラジウム(O)等が挙げられる。ホスフィンの具体例としては、トリフェニルホスフィン、トリフリルホスフィン、ジフェニルホスフィノフェロセン、ジフェニルホスフィノエタン、ジシクロヘキシルフォスフィノビフェニル、トリtert−ブチルホスフィン等が挙げられる。溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル類が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約20℃〜約180℃、好ましくは約40℃〜約100℃である。
脱保護は製造法1で示した脱保護と同様にして行われる。
(製造法6)
製造法6は、ニトリル体(18)に対して環化反応を行い、アルキル化した化合物(I)を得た後、脱保護することによって化合物(I)′を得る方法である。

(上記反応式中、A環、B環、X、R〜R11は前掲と同じものを意味し、Yは脱離基を意味する。脱離基としてはハロゲン、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ、トリフルオロメタンスルホキシ等が挙げられる。)
環化反応は適当なアジド誘導体及びアミンの塩酸塩の存在下適当な溶媒中で行われる。アジド誘導体の具体例としてはアジ化ナトリウム、アジ化トリメチルシリル等が挙げられ、アミンの具体例としてはトリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプルピルエチルアミン等が挙げられる。溶媒の具体例としてはジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミドゾリジノン、これらの混合溶媒が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約−100℃〜約180℃、好ましくは約20℃〜約80℃である。
アルキル化はハライド体(13)と適当なアミン存在下適当な溶媒中で行われる。アミンの具体例としてはトリエチルアミン、ジイソプルピルエチルアミン、ピリジン等が挙げられ、溶媒の具体例としてはテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、これらの混合溶媒が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約−100℃〜約180℃、好ましくは約20℃〜約80℃である。
脱保護は適当な塩基の存在下適当な溶媒中で行われる。塩基の具体例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等が挙げられ、溶媒の具体例としてはメタノール、エタノール等のアルコール類;水;これらの混合溶媒が挙げられ、反応基質の種類、反応条件に応じて適宜選択される。反応温度は、原料化合物の種類、反応条件等により異なるが、通常、約−100℃〜約180℃、好ましくは約20℃〜約80℃である。
【実施例】
以下、本発明化合物を実施例によってさらに具体的に説明する。なお、本発明化合物の原料化合物には新規な化合物も含まれているため、これらの製造方法を参考例として記載する。
(参考例1)
5−ブロモ−2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(1.09g)のアセトン(20mL)溶液に炭酸カリウム(2.08g)を加え室温にて30分間撹拌した。反応混合物にクロロメチルメチルエーテル(1.01g)を加え室温にて一晩撹拌した。反応混合物に水及びトルエンを加え、トルエン層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過の後減圧下溶媒を留去し、得られた固体をジイソプロピルエーテルにて洗浄し、乾燥して5−ブロモ−2,4−ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(0.91g)を得た。
(参考例2)
4−ブロモ−2−メチルビフェニル(5.0g)の四塩化炭素(150mL)溶液にN−ブロモコハク酸イミド(7.35g)と過酸化ベンゾイル(196mg)を加え加熱環流条件下一晩撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を水に空け、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製して4−ブロモ−2−(ジブロモメチル)ビフェニル(7.9g)を得た。この酢酸(240mL)溶液に酢酸ナトリウム(9.6g)を加え、加熱環流条件下2日間撹拌した。室温まで冷却後、4M塩酸水溶液(50mL)を加え加熱環流条件下2時間撹拌した。室温まで冷却後、減圧下溶媒を留去し、酢酸エチルを加え、1M塩酸水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、減圧下溶媒を留去し、乾燥して4−ブロモビフェニル−2−カルボアルデヒド(5.05g)を得た。
(参考例3)
(3−ブロモ−5−フルオロフェニル)メタノール(5.0g)のジメチルホルムアミド(50mL)溶液にイミダゾール(3.3g)、tert−ブチル−ジフェニルクロロシラン(10.0g)を加え、室温にて1晩撹拌した。反応液を水に空け、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製して[(3−ブロモ−5−フルオロベンジル)オキシ](tert−ブチル)ジフェニルシラン(9.5g)を得た。
参考例4、5、6は参考例3と同様に得た。
(参考例7)
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−([[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ]メチル)フェニル]−D−グルシトール(5.93g)のテトラヒドロフラン(45mL)溶液に10%パラジウム/炭素(500mg)を加え、水素雰囲気下、室温で20時間攪拌した。反応混合物をセライト濾過後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣(3.47g)をピリジン(40mL)に溶解し、無水酢酸(2.68mL)、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を加えて室温で16時間攪拌した。反応溶液にメタノール(50mL)を滴下した後、減圧下溶媒を留去し、さらにトルエンで共沸した。得られた残渣を酢酸エチル−トルエン(3:2)に溶解し、水洗、次いで硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣(4.48g)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオリドの1Mテトラヒドロフラン溶液(8.12mL)を滴下し、室温で2時間攪拌した。反応溶液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−D−グルシトール(1.30g)を得た。
(参考例8)
(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−D−グルシトール(1.29g)のジクロロメタン(40mL)溶液に氷冷下、トリフェニルホスフィン(926m)、四臭化炭素(1.17g)を加え、室温で20分攪拌した。反応溶液に飽和重曹水(60mL)を加えて有機層を分液後、硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[3−(ブロモメチル)フェニル]−D−グルシトール(1.04g)を得た。
(参考例9)
1−(ベンジルオキシ)−2−ブロモ−4−メチルベンゼン(20g)のテトラヒドロフラン(250mL)溶液にアルゴン雰囲気下、−78℃にてn−ブチルリチウムの1.56M n−ヘキサン溶液(50mL)を滴下し、同温にて1時間撹拌した。反応混合物に−78℃にて2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン(35.0g)のテトラヒドロフラン(200mL)溶液を滴下し同温にて1.5時間撹拌した。1M塩酸水溶液(10mL)を加え、室温まで昇温させた後、無水硫酸マグネシウム(50g)を加え、室温にて1時間撹拌した。濾過の後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[2−(ベンジルオキシ)−5−メチルフェニル]−D−グルコピラノース(37g)を得た。このジクロロメタン−アセトニトリル(1:3)(400mL)溶液にアルゴン雰囲気下、氷冷下でトリイソプロピルシラン(31mL)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(12.6mL)を加え、同温にて1時間撹拌した。反応液を飽和重曹水に空け、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過の後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−メチルフェニル]−D−グルシトール(16.9g)を得た。
(参考例10)
[(3−ブロモ−5−フルオロベンジル)オキシ](tert−ブチル)ジフェニルシラン(10g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液にアルゴン雰囲気下、−78℃にてn−ブチルリチウムの1.56M n−ヘキサン溶液(14.5mL)を滴下し、同温にて0.5時間撹拌した。反応混合物に−78℃にて2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン(12.2g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液を滴下し同温にて2時間撹拌した。1M塩酸水溶液(10mL)を加え、室温まで昇温させた後、無水硫酸マグネシウム(50g)を加え、室温にて1時間撹拌した。濾過の後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[3−({[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−5−フルオロフェニル]−D−グルコピラノース(6g)を得た。このジクロロメタン−アセトニトリル(1:1)(120mL)溶液にアルゴン雰囲気下、氷零下でトリエチルシラン(1.3mL)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.9mL)を加え、同温にて1時間撹拌した。反応液を飽和重曹水に空け、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過の後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−({[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−5−フルオロフェニル]−D−グルシトール(4.2g)を得た。このテトラヒドロフラン(90mL)溶液にテトラブチルアンモニウムフルオリドの1Mテトラヒドロフラン溶液(9.5mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応液をそのまま濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−フルオロ−5−(ヒドロキシメチル)フェニル]−D−グルシトール(0.5g)を得た。
参考例11、12、13は参考例10と同様に得た。
(参考例14)
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[2−(ベンジルオキシ)−5−メチルフェニル]−D−グルシトール(16.8g)の酢酸エチル(150mL)溶液にメタノール(75mL)を加え、水酸化パラジウム(168mg)を加えて水素雰囲気下一晩撹拌した。セライト濾過の後、濾液を濃縮し、得られた固体を酢酸エチルから再結晶した。得られた白色の結晶(6.6g)のピリジン(30mL)溶液に無水酢酸(15mL)を加え、室温にて一晩撹拌した。反応液にメタノールを加え、減圧下溶媒を留去し、トルエンで共沸した。得られた固体をエタノールから再結晶し、(1S)−1−[2−(アセトキシ)−5−メチルフェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−D−グルシトール(9.1g)を得た。
(参考例15)
(1S)−1−[2−(アセトキシ)−5−メチルフェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−D−グルシトール(9.0g)の四塩化炭素(180mL)溶液にN−ブロモコハク酸イミド、(α,α’−アゾイソブチロ)ニトリルを加え、加熱環流条件下2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、水に空け、クロロホルムで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1−[2−(アセトキシ)−5−(ブロモメチル)フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−D−グルシトール(7.8g)を得た。
参考例16は参考例9と同様に得た。
(参考例17)
3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−4−フルオロベンゾニトリル(1.20g)をモルホリン(10mL)に溶解し、110℃にて24時間撹拌した。室温まで冷却した後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−4−モルホリノベンゾニトリル(0.93g)を得た。
(参考例18)
アルゴン気流下、−78℃に冷却した3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−4−モルホリノベンゾニトリル(700mg)のトルエン(10mL)溶液に水素化ジイソブチルアルミニウムの1.01Mトルエン溶液(2.1mL)を滴下し1.5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧下溶媒を減圧した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−4−モルホリノベンズアルデヒド(517mg)を得た。
(参考例19)
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−フルオロ−5−(ヒドロキシメチル)フェニル]−D−グルシトール(0.5g)のクロロホルム(10mL)溶液に二酸化マンガン(740mg)を加え、室温にて24時間撹拌した。反応液をセライトろ過し、クロロホルムで洗浄後、ろ液を濃縮した。得られた残渣を乾燥して3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−5−フルオロベンズアルデヒド(0.4g)を得た。
参考例20〜22は参考例19と同様に得た。
(参考例23)
1−ブロモ−3−(ジメトキシメチル)ベンゼン(1.7g)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に−78℃にてn−ブチルリチウムの1.6M n−ヘキサン溶液(4.6mL)を滴下し、30分間撹拌した。次いで2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン(4.0g)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を滴下し1時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製して2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−[3−(ジメトキシメチル)フェニル]−D−グルコピラノース(1.83g)を得た。このアセトン−水(2:1)(30mL)溶液にスルファミン酸(0.51g)と亜塩素酸ナトリウム(0.6g)を加え、室温にて8時間撹拌した。反応液に10%塩酸水溶液を加え、pH=2とした後にクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノース−1−C)−イル−安息香酸(1.3g)を得た。このジクロロメタン(15mL)溶液にトリエチルシラン(0.63mL)とトリフルオロ酢酸(0.15mL)を加え、室温にて16時間撹拌した。反応液に10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)安息香酸(0.85g)を得た。このジクロロメタン(10mL)溶液にN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.14g)、トリエチルアミン(0.2mL)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(0.28g)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応液を氷水に空け、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−N−メチル−N−メトキシベンズアミド(0.42g)を得た。
参考例24は実施例47と同様に得た。
(参考例25)
ジイソプロピルアミン(2.34g)をテトラヒドロフラン(60mL)に溶解し、−78℃にてn−ブチルリチウムの1.58M n−ヘキサン溶液(13.3mL)を滴下し、0℃にて30分間撹拌した。続いて、−78℃にて2,6−ジクロロピラジン(2.98g)を加え、−78℃にて10分間撹拌した。続いて、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン(10.8g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液を加え、−78℃にて3時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水にて洗浄した後、水層をジエチルエーテルにて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−(3,5−ジクロロピラジン−2−イル)−D−グルコピラノース(9.07g)を得た。得られた2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−(3,5−ジクロロピラジン−2−イル)−D−グルコピラノース(7.93g)をジクロロメタン(90mL)に溶解し、トリエチルシラン(36.8mL)及びトリフルオロ酢酸(17.7mL)を加え、室温にて19日間撹拌した。反応混合物を飽和重曹水にて洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−(3,5−ジクロロピラジン−2−イル)−D−グルシトール(2.15g)を得た。
(参考例26)
5−エチルチオフェン−2−カルボキシアルデヒド(5.0g)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に0℃にて1,3−ジブロモベンゼン(25g)と金属マグネシウムから調製したグリニャール試薬のエーテル溶液(50mL)を加え、1時間撹拌した。反応液を氷水にあけて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製して(3−ブロモフェニル)(5−エチル−2−チエニル)メタノール(5.57g)を得た。このアセトニトリル(20mL)溶液に、−40℃にて三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(1.57mL)とトリエチルシラン(3.83mL)を加え2時間撹拌した。反応液に飽和炭酸カリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、2−(3−ブロモベンジル)−5−メチルチオフェン(3.77g)を得た。
参考例27、28は参考例26と同様に得た。
(参考例29)
3−メチル−1−ベンゾチオフェン(5.0g)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液にアルゴン気流下、−78℃でn−ブチルリチウムの1.56Mヘキサン溶液(23.7mL)を滴下し、同温で30分攪拌した後、3−ブロモベンズアルデヒド(6.05g)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液を滴下し、同温で30分攪拌した。反応溶液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、(3−ブロモフェニル)(3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)メタノール(10.0g)を無色油状物として得た。このジクロロメタン(100mL)溶液に、−30℃にて三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(4.42mL)とトリエチルシラン(9.58mL)を加え30分撹拌した。反応液を−10℃度に昇温し10分攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、2−(3−ブロモベンジル)−3−メチル−1−ベンゾチオフェン(6.68g)を得た。
参考例30〜36は参考例29と同様に得た。
(参考例37)
ベンゾ[b]チオフェン(1.12g)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解した。この溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムの1.58M n−ヘキサン溶液(10.5mL)を滴下した。−78℃にて15分間攪拌した後、反応液へテトラヒドロフラン(50mL)に溶解した5−クロロ−2−ブロモベンズアルデヒド(3.15g)を滴下し室温にて2時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣へ酢酸エチル、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し1−ベンゾチエン−2−イル(5−ブロモ−2−クロロフェニル)メタノール(4.75g)を得た。このジメチルホルムアミド(100mL)溶液にイミダゾール(1.08g)、tert−ブチルジメチルクロロシラン(2.99g)を加え70℃にて3時間攪拌した。反応混合物へ水を加え、ジエチルエーテルにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、[1−ベンゾチエン−2−イル(5−ブロモ−2−クロロフェニル)メトキシ](tert−ブチル)ジメチルシラン(3.34g)を得た。
参考例38、39、40は参考例37と同様に得た。
(参考例41)
2−ブロモチオフェン(3.2mL)のジクロロメタン(50mL)溶液に0℃にて塩化アルミニウム(8.9g)、4−エチルベンゾイルクロリド(5.96g)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応液に10%塩酸水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(5−ブロモ−2−チエニル)(4−エチルフェニル)メタノン(8.97g)を得た。このアセトニトリル(20mL)溶液に、−40℃にて三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(1.57mL)とトリエチルシラン(3.83mL)を加え2時間撹拌した。反応液に飽和炭酸カリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、2−ブロモ−(4−エチルベンジル)チオフェン(6.78g)を得た。
(参考例42)
ピロール(0.2g)にエチルマグネシムブロミドの1Mテトラヒドロフラン溶液(2.98mL)を滴下し、30分間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣のベンゼン(5.0mL)溶液に4−エチルベンジルブロミド(663mg)を加え、60℃にて5時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、2−(4−エチルベンジル)−1H−ピロール(0.12g)を得た。
(参考例43)
6,7−ジメチル−ベンゾフラン(4.1g)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、アルゴン雰囲気下、−78℃にてn−ブチルリチウムの1.5M n−ヘキサン溶液(21mL)を加えて30分間撹拌した。次いでクロロトリn−ブチルスズ(8.4mL)を加えてさらに1時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニア水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン)で精製し、トリ−n−ブチル(6,7−ジメチル−ベンゾフラン−2−イル)スズ(10.8g)を得た。
参考例44〜49は参考例43と同様に得た。
(参考例50)
6−メチル−インダン−1−オン(5.0g)のメタノール(50mL)溶液に、0℃にて水素化ホウ素ナトリウム(1.3g)を加えて、室温にして1時間撹拌した。反応液を氷水にあけて、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後濾液を濃縮し、6−メチルインダン−1−オール(5.5g)を得た。このトルエン(50mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸1水和物(0.2g)を加えて、20分間加熱還流した。反応液を室温に戻して、水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後濾液を濃縮し、5−メチル−1H−インデン(5.5g)を得た。
参考例51は参考例50と同様に得た。
(参考例52)
5−メチル−1H−インデン(4.4g)のジメチルスルホキシド(50mL)溶液に、水(0.6mL)とN−ブロモコハク酸イミド(6.1g)を加えて、室温にして40分間撹拌した。反応液を氷水にあけて、エーテルで抽出し、有機層を水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後濾液を濃縮し、結晶をヘキサンで洗浄、濾取して、2−ブロモ−6−メチルインダン−1−オール(4.4g)を得た。このトルエン(50mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸1水和物(0.1g)を加えて、20分間加熱還流した。反応液を室温に戻して、水、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、2−ブロモ−5−メチル−1H−インデン(1.7g)を得た。
参考例53は参考例52と同様に得た。
(参考例54)
3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−N−メチル−N−メトキシベンズアミド(6.99g)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に0℃にて2−ブロモ−1H−インデン(3.0g)と金属マグネシウムから調製したグリニャール試薬のテトラヒドロフラン溶液(20mL)を加え、2時間撹拌した。反応液を氷水にあけて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製して(1H−インデン−2−イル)[3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)フェニル]メタノン(0.84g)を得た。
(参考例55)
メチル 4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)ベンゾエート(1.31g)のジクロロメタン(150mL)溶液にペンタメチルベンゼン(3.62g)を溶解し、−78℃にてボロントリクロリドの1M n−ヘプタン溶液(6.83mL)を滴下して同温で2時間攪拌した。反応混合物に−78℃にてメタノール(40mL)を滴下して室温まで昇温後、減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、(2R,3S,4S,4aR,10bS)−7−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−3,4,4a,10b−テトラヒドロピラノ[3,2−c]イソクメン−6(2H)−オン(420mg)を得た。
【実施例1】
ベンゾ[b]チオフェン(504mg)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液にアルゴン気流下、−78℃でn−ブチルリチウムの1.58Mヘキサン溶液(2.4mL)を滴下し、同温で2時間攪拌した後、3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルグルコピラノシル)ベンズアルデヒド(1.57g)のテトラヒドロフラン(45mL)溶液を滴下し、同温で5時間攪拌した。反応溶液に水(60mL)を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、得られた残渣(1.6g)のジクロロメタン(25mL)溶液に氷冷下、トリエチルシラン(0.67mL),三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(447mg)のジクロロメタン(15mL)溶液を滴下し、同温で2時間攪拌した。反応溶液に飽和重曹水を加えて有機層を分液した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[(1−ベンゾチエン−2−イル)メチル]フェニル]−D−グルシトール(1.56g)を得た。
実施例2〜16は実施例1と同様に得た。
【実施例17】
3−(4−メトキシベンジル)チオフェン(0.38g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に−78℃にてn−ブチルリチウムの1.58Mヘキサン溶液(1.18mL)を滴下し、1時間撹拌した。次いで2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン(1.0g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を滴下し1時間撹拌した。反応液に1.0M塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−クロロホルム−アセトン)で精製した。得られた残渣(0.94g)のクロロホルム(1.0mL)とアセトニトリル(5.0mL)の溶液に氷冷下トリイソプロピルシラン(0.78mL)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.32mL)を加え、30分間撹拌した。反応液にトリエチルアミン(1.0mL)を加え、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、1,4:5,9−ジアンヒドロ−6,7,8,10−テトラ−O−ベンジル−2,3−ジデオキシ−2−(4−メトキシベンジル)−1−チオ−D−グリセロ−D−グロ−デカ−1,3−ジエニトール(0.72g)を得た。
実施例18〜24は実施例17と同様に得た。
【実施例25】
2−[3−ブロモ−4−(メトキシメトキシ)ベンジル]−1−ベンゾチオフェン(17.4g)をテトラヒドロフラン(200mL)に溶解し、−78℃にてn−ブチルリチウムの1.58M n−ヘキサン溶液(30.4mL)を滴下し、−78℃にて1時間撹拌した。続いて、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン(21.6g)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液を加え、−78℃にて3時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水にて洗浄した後、水層を酢酸エチルにて抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた固体を再結晶(ヘキサン−酢酸エチル)し、1−C−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(メトキシメトキシ)フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノース(25.3g)を得た。これをジクロロメタン(500mL)に溶解し、−40℃にて、トリエチルシラン(14.7mL)及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(4.1mL)を加え、−20℃にて4時間撹拌した。反応混合物を飽和重曹水にて洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(メトキシメトキシ)フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(21.8g)を得た。
実施例26〜29は実施例25と同様に得た。
【実施例30】
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(メトキシメトキシ)フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(21.7g)を酢酸エチル(135mL)に溶解し、4M塩酸−酢酸エチル溶液(135mL)を加え、室温にて14時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−ヒドロキシフェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(18.6g)を得た。
実施例31、32は実施例30と同様に得た。
【実施例33】
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−ヒドロキシフェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(763mg)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、炭酸カリウム(207mg)及びヨウ化メチル(0.095mL)を加え、室温にて16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、水、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−メトキシフェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(736mg)を得た。
実施例34〜40は実施例33と同様に得た。
【実施例41】
tert−ブチル[2−(4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)フェノキシ)エチル]カーバメート(910mg)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、水素化アルミニウムリチウム(76mg)を加え、加熱還流下、7時間撹拌した。反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加え、生じた沈殿物をセライト濾過にて濾別した。濾液を濃縮し、得られた残渣をクロロホルムにて希釈し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−[2−(メチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(612mg)を得た。
【実施例42】
tert−ブチル[2−(4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)フェノキシ)エチル]カーバメート(906mg)をアセトニトリル(10mL)に溶解し、メタノール(0.08mL)、ヨウ化ナトリウム(300mg)及び塩化アセチル(0.28mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。続いて、ジイソプロピルエチルアミン(0.70mL)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。さらに、塩化アセチル(0.14mL)及びジイソプロピルエチルアミン(0.35mL)を加え、室温にて14時間撹拌した。反応混合物を1M塩酸水溶液にて希釈し、ジエチルエーテルにて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、N−[2−(4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)フェノキシ)エチル]アセトアミド(387mg)を得た。
【実施例43】
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−ヒドロキシフェニル]−D−グルシトール(1.33g)を無水酢酸−ピリジン(1:2,30mL)に溶解し、室温にて25時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた固体をエタノールにて洗浄し、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[2−アセトキシフェニル−5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)]−D−グルシトール(1.93g)を得た。
実施例44は実施例43と同様に得た。
【実施例45】
(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[2−アセトキシフェニル−5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)]−D−グルシトール(1.93g)をアセトニトリル(30mL)に溶解し、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(1.6mL)を加え、50℃にて2.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、得られた残渣を飽和塩化アンモニウム水にて希釈し、酢酸エチルにて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−ヒドロキシフェニル]−D−グルシトール(1.85g)を得た。
実施例46は実施例45と同様に得た。
【実施例47】
(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−ヒドロキシフェニル]−D−グルシトール(570mg)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、炭酸カリウム(0.69g)、臭化シクロペンチル(0.54mL)及びヨウ化カリウム(83mg)を加え、50℃にて2日間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(シクロペンチルオキシ)フェニル]−D−グルシトール(393mg)を得た。
実施例48は実施例47と同様に得た。
【実施例49】
(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−ヒドロキシフェニル]−D−グルシトール(570mg)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、2−プロパノール(0.38mL)、ジエチルアゾジカルボキシラート(0.63mL)及びトリフェニルホスフィン(1.05g)を加え、室温にて2日間撹拌した。さらに、2−プロパノール(0.23mL)、ジエチルアゾジカルボキシラート(0.31mL)及びトリフェニルホスフィン(0.52g)を加え、室温にて4時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(イソプロピルオキシ)フェニル]−D−グルシトール(544mg)を得た。
【実施例50】
水素化ナトリウム(60%)(40mg)をジメチルスルホキシド(3mL)に懸濁し、60℃にて30分間撹拌した。続いて、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−ヒドロキシフェニル]−D−グルシトール(571mg)のジメチルスルホキシド溶液(2mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。続いて、(S)−(−)−4−クロロメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(0.21mL)を加え、80℃にて7時間撹拌した。反応混合物を水にて希釈し、塩化メチレンにて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−(5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−{[(4R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ}フェニル)−D−グルシトール(77mg)を得た。
【実施例51】
アルゴン気流下、−20℃に冷却した(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−ヒドロキシフェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(13.1g)の塩化メチレン(150mL)溶液に2,6−ルチジン(3.98mL)及び無水トリフルオロメタンスルホン酸(3.45mL)を加え3時間攪拌し、さらに2,6−ルチジン(2.00mL)及び無水トリフルオロメタンスルホン酸(1.73mL)を加え1時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて3回抽出した。有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−トリフルオロメタンスルホニルフェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(13.9g)を得た。
【実施例52】
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−トリフルオロメタンスルホニルフェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(5.67g)をジメチルスルホキシド(30mL)とメタノール(25mL)の混媒に溶解し、酢酸パラジウム(II)(285mg)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(524mg)及び、トリエチルアミン(1.94mL)を加え、一酸化炭素雰囲気下、55℃で2日間攪拌した。室温に冷却後、酢酸エチルにて3回抽出した。有機層を水で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製しメチル 4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)ベンゾエート(2.74g)を得た。
【実施例53】
メチル 4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)ベンゾエート(5.26g)をテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、メタノール(10mL)、10M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加え60℃にて21時間攪拌した。室温まで冷却し、液性が弱酸性になるまで6M塩酸水溶液を加え、クロロホルムにて3回抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。残渣を真空乾燥し、4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)安息香酸(5.13g)を得た。
実施例54は実施例53と同様に得た。
【実施例55】
[4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)フェノキシ]酢酸(770mg)のジクロロメタン(10mL)溶液に氷冷下、オキザリルクロリド(0.16ml)、ジメチルホルムアミド1滴を加え、室温で2時間攪拌した。反応溶液を減圧下で乾固して得られた残渣をジクロロメタン(15mL)に溶解し、28%アンモニア水(10mL)を加え、室温で1時間攪拌した。有機層を分取した後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下で留去して[4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)フェノキシ]アセタミド(740mg)を得た。
実施例56は実施例55と同様に得た。
【実施例57】
4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)安息香酸(2.23g)をトルエン(20mL)にトリエチルアミン(0.590mL)を加え0℃に冷却した。ジフェニルホスホリルアジド(0.67mL)を徐々に滴下し、室温にて2.5時間攪拌した。トルエンを加え希釈した後、1%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。残渣をトルエン(20ml)に溶解し、130℃にて3時間攪拌した。さらに2−プロパノール(30mL)を加えて110℃にて16時間攪拌した。室温まで冷却し、水を加えクロロホルムにて3回抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製しtert−ブチル 4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)フェニルカルバメート(1.50g)を得た。
【実施例58】
tert−ブチル 4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)フェニルカルバメート(1.11g)を酢酸エチル(3mL)に溶解し、氷冷下、4M塩酸酢酸エチル溶液(3mL)を加え、室温まで昇温し3時間攪拌した。1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて3回抽出した。有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(nクロロホルム−メタノール−アンモニア水)にて精製し(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[2−アミノ−5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(576mg)を得た。
【実施例59】
アルゴン気流下、無水テトラヒドロフラン(15mL)に水素化リチウムアルミニウム(68mg)を加え、tert−ブチル 4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)フェニルカルバメート(1.27g)の無水テトラヒドロフラン(15mL)溶液を徐々に滴下した。反応混合液を75℃で2時間攪拌した。反応終了後、室温まで冷却し、水(1.0mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(1.0mL)、水(3.0mL)を順次加え、室温で攪拌した。セライト濾過により固体を除去し、溶媒を減圧留去した。クロロホルムを加え、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(メチルアミノ)フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(737mg)を無色粘性物として得た。
実施例60、61、62は実施例59と同様に得た。
【実施例63】
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(1.35g)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液にフタルイミド(294mg)、トリフェニルホスフィン(525mg)、ジエチルアゾジカルボキシレート(0.32mL)を加え、室温で6時間攪拌した。反応溶液にシリカゲル(3g)を加えて減圧下で乾固した後、そのままカラムクロマトグラフィーにて精製し、得られた残渣をテトラヒドロフラン(15mL)、エタノール(15mL)に溶解し、ヒドラジン水和物(0.54mL)を滴下して室温で24時間攪拌した。不溶物をろ別後、濃縮して得られた残渣にクロロホルムを加え、さらに不溶物をろ別した。ろ液を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[2−(アミノエトキシ)−5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール960mgを得た。
【実施例64】
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(メチルアミノ)フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(179mg)をジクロロメタン(3mL)に溶解し35%ホルマリン(0.008mL)、酢酸(0.02mL)を加え室温で攪拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(74mg)を加えてさらに11時間攪拌した。反応混合液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、過剰の試薬を分解した後、クロロホルムにて3回抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(ジメチルアミノ)フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(124mg)を得た。
【実施例65】
アルゴン気流下、−78℃に冷却した[1−ベンゾチエン−2−イル(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)メトキシ](tert−ブチル)ジメチルシラン(1.50g)の無水テトラヒドロフラン溶液(15ml)にn−ブチルリチウムの1.58M n−ヘキサン溶液(2.2mL)を滴下し30分間攪拌した。反応混合液中に2,3,4,6−テトラ−O−ベンジルグルコノラクトン(1.90g)の無水テトラヒドロフラン溶液(20mL)を加え、−78℃から0℃まで徐々に昇温しながら1.5時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて3回抽出。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−n−ヘキサン−アセトン)にて精製し、得られた残渣(1.52g)を脱水テトラヒドロフラン(15ml)に溶解し、テトラn−ブチルアンモニウムフロリドの1.0Mテトラヒドロフラン溶液(2.0mL)を加え室温にて65分間攪拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製した。さらに得られた残渣(500mg)のアセトニトリル溶液(5ml)にトリエチルシラン(0.239mL)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.175mL)を加え5時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え過剰の試薬を分解したのちクロロホルムで3回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し1,5−アンヒドロ−1−[3−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−フルオロフェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(150mg)を薄黄色粘性物として得た。
実施例66、67、68は実施例65と同様に得た。
【実施例69】
アルゴン気流下、テトラヒドロフラン(10mL)中、マグネシウム(削状;131mg)、1,2−ジブロモエタン(1滴)を加えた。混合液中に2−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−ブロモフェニルメチルエーテル(1.5g)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液(15mL)を徐々に滴下し室温から60℃まで昇温し、グリニャール試薬を調製した。室温まで冷却後、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−(+)−グルコノ−1,5−ラクトン(2.91g)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を加え、さらに3時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて3回抽出。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、得られた残渣(600mg)のアセトニトリル溶液(6mL)に−20℃にてトリエチルシラン(0.146mL)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.105mL)を加え3時間攪拌した。さらにトリエチルシラン(0.073mL)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(0.048mL)を加え−10℃に昇温し2時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え過剰の試薬を分解したのちクロロホルムで3回抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。固体を濾過して除去し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−メトキシフェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(394mg)を得た。
実施例70は実施例69と同様に得た。
【実施例71】
n−ブチルリチウムの1.59Mヘキサン溶液(1.36mL)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液にアルゴン気流下、−78℃で2−ブロモピリジン(342mg)のテトラヒドロフラン(13mL)溶液を滴下し、同温で1時間攪拌した後、3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルグルコピラノシル)ベンズアルデヒド(1.13g)のテトラヒドロフラン(35mL)溶液を滴下し、同温で2.5時間攪拌した。反応溶液に水(40mL)を加えて酢酸エチルで抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[ヒドロキシ(ピリジン−2−イル)メチル]フェニル]−D−グルシトール(0.99g)を得た。得られた(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[ヒドロキシ(ピリジン−2−イル)メチル]フェニル]−D−グルシトール(1.78g)のテトラヒドロフラン(12mL)溶液に室温で水素化ナトリウム(60%)(202mg)を加えて30分攪拌した後、氷冷下、二硫化炭素(1.15mL)を滴下し、同温で2時間、次いで室温で2時間攪拌した。さらに、この反応溶液に氷冷下、ヨウ化メチル(0.28mL)を滴下し、同温で2.5時間攪拌した。反応溶液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をトルエン(20mL)に溶解し、水素化トリブチルスズ(3.28mL)、アゾイソブチロニトリル(82mg)を加え、64時間加熱還流した。減圧下溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[(ピリジン−2−イル)メチル]フェニル]−D−グルシトール(1.51g)を得た。
実施例72は実施例71と同様に得た。
【実施例73】
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(ヒドロキシメチル)フェニル]−D−グルシトール(631mg)及びフタルイミド(154mg)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、氷冷下、ジエチルアゾジカルボキシラート(0.18mL)及びトリフェニルホスフィン(303mg)を加え、室温にて20時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−{3−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]フェニル}−D−グルシトール(784mg)を得た。
【実施例74】
亜鉛粉末(86mg)のテトラヒドロフラン(2.0mL)溶液に、アルゴン雰囲気下1,2−ジブロモエタン(1滴)を加え、5分間還流した後、室温に戻してクロロトリメチルシラン(1滴)を加えて15分間撹拌した。次いで(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−(3−ブロモメチル−6−メトキシ)フェニル−D−グルシトール(700mg)を加えて1時間還流し、2−ブロモ−1H−インデン(128mg)とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(76mg)を加えて5時間加熱還流した。反応液を室温に戻し飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて不溶物を濾別後、濾液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−酢酸エチル)で精製し、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(1H−インデン−2−イル)メチル−6−メトキシ]フェニル]−D−グルシトール(190mg)を得た。
実施例75〜79は実施例74と同様に得た。
【実施例80】
活性亜鉛(131mg)をテトラヒドロフラン(2mL)に懸濁し、1,2−ジブロモエタン(0.07mL)を加え、60℃にて5分間撹拌した。続いて、塩化トリメチルシリル(0.10mL)を加え、室温にて10分間撹拌した。続いて、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(ブロモメチル)フェニル]−D−グルシトール(694mg)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液を加え、60℃にて1時間撹拌した。続いて、2−(メチルチオ)ベンゾチアゾール(181mg)及びテトラキスホスフィンパラジウム(231mg)を加え、60℃にて15時間撹拌した。沈殿物を濾別した後、濾液を濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルにて希釈し、飽和重曹水、飽和食塩水にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−(1,3−ベンゾチアゾール−2−イルメチル)フェニル]−D−グルシトール(355mg)を得た。
【実施例81】
(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[3−(ブロモメチル)フェニル]−D−グルシトール(501mg)、1−メチル−2−(トリブチルスタニル)−1H−インドール(546mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(92mg)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(88mg)、フッ化カリウム(174mg)、炭酸セシウム(652mg)の1,4−ジオキサン(10mL)懸濁液を60℃で18時間攪拌した。不溶物を濾去し、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−{3−[(1−メチル−1H−インドール−2−イル)メチル]フェニル}−D−グルシトール(280mg)を得た。
実施例82〜91は実施例81と同様に得た。
【実施例92】
1−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)−3−(トリフルオロメタンスルホニル)ベンゼン(280mg)のトルエン(10mL)溶液に、室温にてテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(O)(43mg)とジメチル−1−ベンゾチエン−3−イルボロナート(132mg)を加え、さらに飽和重炭酸ナトリウム水溶液(4mL)を加えた後、90℃で4時間攪拌した。反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加え、不溶物をセライト濾過した後に、有機層を抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(1−ベンゾチエン−3−イル)フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(170mg)を得た。
【実施例93】
1,4:5,9−ジアンヒドロ−6,7,8,10−テトラ−O−ベンジル−2,3−ジデオキシ−2−(4−メトキシベンジル)−1−チオ−D−グリセロ−D−グロ−デカ−1,3−ジエニトール(0.72g)のテトラヒドロフラン(5.0mL)と塩酸の2%メタノール溶液(10mL)懸濁液に20%水酸化パラジウム/炭素(800mg)を加え、水素雰囲気下(1気圧)で18時間撹拌した。反応液をセライト濾過し、濾液を濃縮後得られた残渣にピリジン(3.0mL)、無水酢酸(1.5mL)を加え、室温で一晩撹拌した。減圧下溶媒を留去し、トルエンと共沸後得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、6,7,8,10−テトラ−O−アセチル−1,4:5,9−ジアンヒドロ−2,3−ジデオキシ−2−(4−メトキシベンジル)−1−チオ−D−グリセロ−D−グロ−デカ−1,3−ジエニトール(0.13g)を得た。
【実施例94】
2−(4−エチルベンジル)−1H−ピロール(4.14g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液にイソプロピルマグネシウムブロミドの0.76Mテトラヒドロフラン溶液(27.6mL)を滴下し、室温で2時間撹拌し、次いで、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルコピラノシルフルオリド(3.80g)を加え、5時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[5−(4−エチルベンジル)−1H−ピロール−2−イル]−D−グルシトール(1.89g)を得た。
【実施例95】
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[5−(4−エチルベンジル)−1H−ピロール−2−イル]−D−グルシトール(210mg)のジメチルホルムアミド(3.0mL)溶液に水素化ナトリウム(60%)(15mg)を加え、室温で15分間撹拌し、次いでヨウ化メチル(0.185mL)を加え、30分間撹拌した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルにて抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[5−(4−エチルベンジル)−1−メチル−1H−ピロール−2−イル]−D−グルシトール(143mg)を得た。
【実施例96】
テトラブチルアンモニウムブロミド(42.2mg)と水酸化カリウム(150mg)のベンゼン(5.0mL)懸濁液に(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−(1H−ピロール−2−イル)−D−グルシトール(773mg)を加え、次いで4−エチルベンジルブロミド(331mg)を加えて室温にて2時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[1−(4−エチルベンジル)−1H−ピロール−2−イル]−D−グルシトール(695mg)を得た。
【実施例97】
(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−(1H−テトラゾール−5−イル)−D−グルシトール(0.85g)のテトラヒドロフラン(10.0mL)溶液にトリエチルアミン(0.6mL)を加え、次いで4−エチルベンジルブロミド(0.50g)を加えて室温で17時間撹拌した。反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[2−(4−エチルベンジル)−1H−テトラゾール−5−イル]−D−グルシトール(0.22g)を得た。
【実施例98】
2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−C−(3,5−ジクロロピラジン−2−イル)−D−グルコピラノース(7.93g)を塩化メチレン(90mL)に溶解し、トリエチルシラン(36.8mL)及びトリフルオロ酢酸(17.7mL)を加え、室温にて19日間撹拌した。反応混合物を飽和重曹水にて洗浄した後、水相をクロロホルムにて抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−(3,5−ジクロロピラジン−2−イル)−D−グルシトール(2.15g)を得た。
【実施例99】
n−ブチルリチウムの1.58M n−ヘキサン溶液(2.15mL)をテトラヒドロフラン(20mL)に希釈し、−78℃にて,2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.64mL)を滴下し、0℃にて1時間撹拌した。続いて、−78℃にて(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−(3,5−ジクロロピラジン−2−イル)−D−グルシトール(2.09g)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を加え、−78℃にて1時間撹拌した。続いて、4−エチルベンズアルデヒド(1.28mL)を加え、−78℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水にて洗浄した後、水相をジエチルエーテルにて抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−{3,5−ジクロロ−6−[(4−エチルフェニル)(ヒドロキシ)メチル]ピラジン−2−イル}−D−グルシトール(842mg)を得た。
【実施例100】
アルゴン気流下、−78℃に冷却した(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(5−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)メチル]フェニル]−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(538mg)のジクロロメタン(25mL)溶液にペンタメチルベンゼン(1.57g)、三塩化ホウ素の1.0M n−ヘプタン溶液(2.97mL)を加え1時間攪拌した。反応終了後、メタノール(5mL)を加え過剰の試薬を分解し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)にて精製し(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(5−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)メチル]フェニル]−D−グルシトール(274mg)を得た。
実施例101〜153は実施例100と同様に得た。
【実施例154】
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[3−[(ベンゾチオフェン−2−イル)メチル]フェニル]−D−グルシトール(0.77g)及びペンタメチルベンゼン(2.3g)のジクロロメタン(20mL)溶液にアルゴン雰囲気下、−78℃でボロントリブロミドの1M n−ヘプタン溶液(4.54mL)を滴下し、同温で90分攪拌した。−78℃で反応混合物にメタノール(20mL)を滴下した後、室温になるまで攪拌した。減圧下溶媒を留去した後、再度メタノール(20mL)を加えて濃縮乾固した後、さらにトルエンを加えて濃縮乾固した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)にて精製して黄色アモルファス(390mg)を得た。これをさらに逆相カラムクロマトグラフィーにて精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(1−ベンゾチエン−2−イル)メチル]フェニル]−D−グルシトール(270mg)を得た。
実施例155実施例154と同様に得た。
【実施例156】
(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(シクロペンチルオキシ)フェニル]−D−グルシトール(381mg)をメタノール(10mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(32mg)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応混合物を酸性イオン交換樹脂にて中和し、樹脂を濾別し、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(シクロペンチルオキシ)フェニル]−D−グルシトール(215mg)を得た。
実施例157〜178は実施例156と同様に得た。
【実施例179】
(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{5−[1−ベンゾチエン−2−イルメチル]−2−[(2−ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−D−グルシトール(520mg)をジクロロメタン(25mL)に溶解させた。この溶液へペンタメチルベンゼン(1.39g)を加えた後−78℃に冷却した。三塩化ホウ素の1.0M n−ヘプタン溶液(3.4mL)を加え−78℃にて4時間攪拌した。反応液にメタノールを加えた後、溶媒を減圧留去した。トルエン−ジエチルエーテル(1:1)混合溶液を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて抽出した。水を減圧留去し、得られた残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(メタノール−水)で精製した。最後に得られた固体をジエチルエーテルにて洗浄し(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{5−[1−ベンゾチエン−2−イルメチル]−2−[(2−ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル}−D−グルシトール(104mg)を得た。
【実施例180】
(2R,3S,4S,4aR,10bS)−7−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル)−3,4,4a,10b−テトラヒドロピラノ[3,2−c]イソクメン−6(2H)−オン(80mg)に1M水酸化ナトリウム水溶液(1.5mL)を加え50℃にて2時間攪拌した後、1M塩酸水溶液(1.5mL)を加え反応液を中和した。反応液を濃縮し得られた残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(水−メタノール)にて精製し、4−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(β−D−グルコピラノシル)安息香酸(67mg)を得た。
【実施例181】
(2R,3S,4S,4aR,10bS)−7−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル)−3,4,4a,10b−テトラヒドロピラノ[3,2−c]イソクメン−6(2H)−オン(280mg)のテトラヒドロフラン(14mL)溶液に、−5℃でN−メチルモルホリン(412mg)とクロロトリメチルシラン(295mg)を加え40℃で12時間攪拌した。反応液にトルエンと水を加え有機層を抽出し、得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、得られた残渣(384mg)をテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、−10℃にて水素化リチウムアルミニウム(56mg)を加えた。氷冷下にて3時間攪拌後、硫酸ナトリウム10水和物を加え、セライト濾過した後、反応液を濃縮し得られた残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(水−メタノール)にて精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(ヒドロキシメチル)フェニル]−D−グルシトール(90mg)を得た。
【実施例182】
(1H−インデン−2−イル)[3−(2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−β−D−グルコピラノシル)フェニル]メタノン(0.84g)のメタノール(10mL)溶液に、20%塩酸−メタノール(3滴)と5%パラジウム−炭素(0.1g)を加えて水素雰囲気下にて18時間撹拌した。反応液を濾過後濾液を減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製して(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)メチル]フェニル]−D−グルシトール(16mg)を得た。
実施例183、184は実施例182と同様に得た。
【実施例185】
ピロール(64mg)のジメチルホルムアミド(10mL)溶液に氷冷下水素化ナトリウム(42mg)を加え、室温にて30分攪拌した。−30℃まで冷却後、(1S)−2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1,5−アンヒドロ−1−[3−(ブロモメチル)フェニル]−D−グルシトール(80mg)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下し、室温にて1時間攪拌した。反応液にメタノール(10mL)とナトリウムメトキシド(44mg)を加え、同温にて1時間攪拌した。反応終了後反応液を濃縮し得られた残渣を逆相カラムクロマトグラフィー(水−メタノール)にて精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(1H−ピロール−1−イルメチル)フェニル]−D−グルシトール(18mg)を得た。
【実施例186】
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[5−(4−エチルベンジル)−1H−ピロール−2−イル]−D−グルシトール(400mg)の酢酸エチル−酢酸(10:1)(11mL)懸濁液に20%水酸化パラジウム/炭素(130mg)を加え、水素雰囲気下(1気圧)で71時間撹拌した。反応液をセライト濾過後、濾液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(4−エチルベンジル)−1H−ピロール−2−イル]−D−グルシトール(25mg)を得た。
実施例187は実施例186と同様に得た。
【実施例188】
(1S)−1,5−アンヒドロ−2,3,4,6−テトラ−O−ベンジル−1−[1−(4−エチルベンジル)−1H−ピロール−2−イル]−D−グルシトール(587mg)の酢酸エチル−メタノール−酢酸(10:2:1)(39mL)溶液に10%パラジウム/炭素(450mg)を加え、水素雰囲気下で22時間撹拌した。反応液をセライト濾過した後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で精製し、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[1−(4−エチルベンジル)−1H−ピロール−2−イル]−D−グルシトール(59mg)を得た。
上記参考例化合物の構造式及び物理化学的性状を表1〜表6として、並びに実施例化合物の構造式及び物理化学的性状を表7〜表36として、本明細書の最後にまとめて示す。
なお、表中の記号は以下の意味を有する。
Rf.:参考例番号、Ex.:実施例番号、Structure:構造式、Me:メチル基、Et:エチル基、Bn:ベンジル基、Bu:ブチル基、TBDMS:tert−ブチルジメチルシリル基、TBDPS:tert−ブチルジフェニルシリル基、Ac:アセチル基、Tf:トリフルオロメタンスルホニル基、Data:物性データ、NMR:核磁気共鳴スペクトル(TMS内部標準)、MS:質量分析値
また、表37〜表39に記載した化合物は、上記実施例又は製造方法に記載の方法と同様にして、又はそれらに当業者に自明の若干の変法を適用して容易に製造することができる。なお、表37〜表39は、本明細書の最後において、表1〜表36の後にまとめて示す。
【産業上の利用可能性】
本発明のC−グリコシド誘導体又はその塩(本発明化合物)は、Na−グルコース共輸送体阻害作用及び血糖降下作用を有するため、医薬、特に、Na−グルコース共輸送体阻害剤として、例えば、インスリン依存性糖尿病(1型糖尿病)、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)等の糖尿病の他、インスリン抵抗性疾患及び肥満の治療、並びにこれらの予防に有用である。
本発明化合物の顕著なNa−グルコース共輸送体阻害作用及び血糖降下作用は、以下に示す[薬理試験](試験例1及び試験例2)により確認された。
(試験例1)
[ヒトNa−グルコース共輸送体(ヒトSGLT2)活性阻害作用確認試験]
1)ヒトSGLT2発現ベクターの作製
まず、SuperscriptII(Gibco社製)とランダムヘキサマーとを用いて、ヒト腎臓由来の全RNA(Clontech社製)から1本鎖cDNAを逆転写した。次に、これを鋳型とし、Pyrobest DNAポリメラーゼ(Takara社製)を用いたPCR反応により、ヒトSGLT2(Wells R.G.et al.,Am.J.Physiol.,1992,263(3)F459)をコードするDNA断片を増幅した(このDNA断片の5’側にHindIIIサイトが、3’側にECORIサイトが導入されるようなプライマーを用いた)。
増幅された断片をTopo TA Cloningキット(Invitrogen社製)を用いてpCR2.1−Topoベクターにクローニングし、大腸菌JM109株のコンピテントセルに導入して、アンピシリン耐性を示すクローンをアンピシリン(100mg/L)を含むLB培地中で増殖した。増殖した大腸菌からHanahanの方法(Maniatisら、Molecular Cloningを参照)によりプラスミドを精製し、このプラスミドをHindIII、EcoRI消化して得られるヒトSGLT2をコードするDNA断片を、発現ベクターpcDNA3.1(Invitrogen社製)の同サイトにT4 DNAリガーゼ(Roche Diagonostics社製)を用いてライゲーションし、クローニングした。ライゲーションしたクローンを、上記と同様に大腸菌JM109株のコンピテントセルに導入し、アンピシリンを含むLB培地中で増殖させ、Hanahanの方法によりヒトSGLT2発現ベクターを取得した。
2)ヒトSGLT2安定発現細胞の作製
ヒトSGLT2発現ベクターをLipofectamine2000(Gibco社製)を用いてCHO−K1細胞に導入した。遺伝子導入後、細胞をペニシリン(50IU/mL 大日本製薬社製)、ストレプトマイシン(50μg/mL 大日本製薬社製)、Geneticin(40μg/mL Gibco社製)と10%ウシ胎児血清を含むHam’s F12培地(日水製薬社製)中で、37℃、5%CO存在下で2週間ほど培養し、Geneticin耐性のクローンを得た。これらのクローンの中からヒトSGLT2を安定発現する細胞を、定常レベルに対するナトリウム存在下の糖取り込みの比活性を指標に選択し、取得した(糖取り込みの測定方法の詳細は次項以降参照)。
3)メチル−α−D−グルコピラノシド取り込み阻害活性の測定
ヒトSGLT2安定発現CHO細胞の培地を除去し、1ウェルあたり前処置用緩衝液(塩化コリン140mM、塩化カリウム2mM、塩化カルシウム1mM、塩化マグネシウム1mM、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸10mM、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン5mMを含む緩衝液pH7.4)を100μL加え、37℃で20分間静置した。
試験化合物を含む取り込み用緩衝液(塩化ナトリウム140mM、塩化カリウム2mM、塩化カルシウム1mM、塩化マグネシウム1mM、メチル−α−D−グルコピラノシド50μM、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸10mM、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン5mMを含む緩衝液pH7.4)1000μLに11μLのメチル−α−D−(U−14C)グルコピラノシド(Amersham Pharmacia Biotech社製)を加え混合し、取り込み用緩衝液とした。対照群に試験化合物を含まない取り込み用緩衝液を調製した。また、試験化合物及びナトリウム非存在下の基礎取り込み測定用に塩化ナトリウムに替えて140mMの塩化コリンを含む基礎取り込み用緩衝液を同様に調製した。
前処置用緩衝液を除去し、取り込み用緩衝液を1ウェルあたり25μLずつ加え37℃で2時間静置した。取り込み用緩衝液を除去し、洗浄用緩衝液(塩化コリン140mM、塩化カリウム2mM、塩化カルシウム1mM、塩化マグネシウム1mM、メチル−α−D−グルコピラノシド10mM、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸10mM、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン5mMを含む緩衝液pH7.4)を1ウェルあたり200μLずつ加え、すぐに除去した。この洗浄操作をさらに1回行い、0.5%ラウリル硫酸ナトリウムを1ウェルあたり25μLずつ加え、細胞を可溶化した。ここに75μLのマイクロシンチ40(Packard社製)を加え、マイクロシンチレーションカウンター トップカウント(Packard社製)にて放射活性を計測した。対照群の取り込み量から基礎取り込み量を差し引いた値を100%とし、取り込み量の50%阻害する濃度(IC50値)を濃度−阻害曲線から最小二乗法により算出した。その結果、本発明化合物は、顕著なNa−グルコース共輸送体活性阻害作用を示した。本発明における代表的な化合物のIC50値を、表40に示す。

(試験例2)
[血糖降下作用確認試験]
実験動物として非絶食のKK−Aマウス(日本クレア、雄性)を用いた。試験化合物を0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁させ、1mg/10mLの濃度とした。マウスの体重を測定し、試験化合物懸濁液を10mL/kgの用量で強制経口投与し、対照群には0.5%メチルセルロース水溶液のみを投与した。1群当たりの匹数は6匹とした。採血は薬物投与直前及び薬物投与後1、2、4及び8時間において尾静脈から行い、血糖値をグルコースCIIテストワコー(和光純薬)を用いて測定した。血糖降下作用強度は、各試験化合物投与群の0から8時間での経時的血糖値よりtrapezoidal法を用いて血糖値−時間曲線下面積(AUC)を算出し、対照群のそれに対する降下の割合(%)で表記した。
その結果、本発明化合物は強い血糖降下作用を示した。本発明の代表的化合物の血糖降下作用を表41に示す。

試験例1及び試験例2の結果、本発明化合物は顕著なNa−グルコース共輸送体活性阻害作用を示し、かつ強い血糖降下作用を示したことから、既存の糖尿病治療剤と同等又はそれ以上の有効性を有する糖尿病治療剤となり得ることが期待される。
本発明化合物や、その製薬学的に許容される塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、通常用いられている製剤用の担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、液剤、注射剤、坐剤、軟膏、貼付剤等に調製され、経口的又は非経口的に投与される。
本発明化合物のヒトに対する臨床投与量は適用される患者の症状、体重、年齢や性別等を考慮して適宜決定されるが、通常成人1日当たり経口で0.1〜500mg、非経口で0.01〜100mgであり、これを1回或いは数回に分けて投与する。投与量は種々の条件で変動するので、上記投与量範囲より少ない量で十分な場合もある。
本発明化合物の経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えば、乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤;ラクトースのような安定化剤;グルタミン酸、アスパラギン酸のような可溶化剤;溶解補助剤等を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等の糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば、精製水、エチルアルコールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に可溶化剤、溶解補助剤、湿潤剤、懸濁剤のような補助剤;甘味剤;風味剤;芳香剤;防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えば、注射剤用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油;エチルアルコールのようなアルコール類;ポリソルベート80(商品名)等がある。
このような組成物は、さらに等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えば、ラクトース)、可溶化剤、溶解補助剤のような添加剤を含んでもよい。これらは、例えば、バクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。








































【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で示されるC−グリコシド誘導体又はその塩。

(上記式(I)中の記号は、それぞれ以下の意味を有する。
A環:(1)ベンゼン環、(2)N、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロアリール環、又は(3)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環、
B環:(1)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環、(2)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロ環、(3)飽和若しくは不飽和の8〜10員2環炭化水素環、又は(4)ベンゼン環、
X:結合、又は低級アルキレン、
(但し、A環、B環及びXの間には、(1)A環がベンゼン環を意味する場合は、B環はベンゼン環以外の環を意味する、(2)A環がベンゼン環を意味し、かつB環がベンゼン環を含む飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環、又はベンゼン環を含む飽和若しくは不飽和の8〜10員2環炭化水素環を意味する場合は、XはB環に含まれるベンゼン環以外の部分でB環と結合する、との相互関係を有する。)
〜R:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル、−C(=O)−低級アルキル、又は−低級アルキレン−アリール、
〜R11:同一又は異なって、水素原子、低級アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ハロゲン置換低級アルキル、−OH、=O、−NH、低級アルキルスルホニル−、ハロゲン置換低級アルキルスルホニル−、アリールスルホニル−、アリール、飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロ環、−低級アルキレン−OH、−低級アルキレン−O−低級アルキル、−低級アルキレン−O−C(=O)−低級アルキル、−低級アルキレン−O−低級アルキレン−COOH、−低級アルキレン−O−低級アルキレン−C(=O)−O−低級アルキル、−低級アルキレン−NH、−低級アルキレン−NH−低級アルキル、−低級アルキレン−N(低級アルキル)、−低級アルキレン−NH−C(=O)−低級アルキル、−COOH、−CN、−C(=O)−O−低級アルキル、−C(=O)−NH、−C(=O)−NH−低級アルキル、−C(=O)、−N(低級アルキル)、−O−低級アルキル、−O−シクロアルキル、−O−低級アルキレン−OH、−O−低級アルキレン−O−低級アルキル、−O−低級アルキレン−COOH、−O−低級アルキレン−C(=O)−O−低級アルキル、−O−低級アルキレン−C(=O)−NH、−O−低級アルキレン−C(=O)−NH−低級アルキル、−O−低級アルキレン−C(=O)−N(低級アルキル)、−O−低級アルキレン−CH(OH)−CH(OH)、−O−低級アルキレン−NH、−O−低級アルキレン−NH−低級アルキル、−O−低級アルキレン−N(低級アルキル)、−O−低級アルキレン−NH−C(=O)−低級アルキル、−NH−低級アルキル、−N(低級アルキル)、−NH−SO−低級アルキル、−NH−SO−ハロゲン置換低級アルキル、−NH−低級アルキレン−OH、−NH−C(=O)−低級アルキル、−NH−C(=O)−NH、−NH−C(=O)−NH−低級アルキル、−NH−C(=O)−N(低級アルキル)、又は−NH−C(=O)−O−低級アルキル)
【請求項2】
前記式(I)中のA環が(1)ベンゼン環、又は(2)N、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロアリール環である、請求の範囲第1項に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
【請求項3】
前記式(I)中のB環が(1)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環、又は(2)飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する5若しくは6員単環ヘテロ環である、請求の範囲第2項に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
【請求項4】
前記式(I)中のA環がベンゼン環であり、B環が飽和若しくは不飽和のN、S、Oから選択されるヘテロ原子を1〜4個有する8〜10員2環ヘテロ環である請求の範囲第3項に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
【請求項5】
前記式(I)中のXがメチレンである、請求の範囲第4項に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
【請求項6】
前記式(I)中のR〜Rが水素原子である、請求の範囲第5項に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
【請求項7】
前記式(I)で示されるC−グリコシド誘導体が、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[3−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)フェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−ヒドロキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−メトキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−(メチルアミノ)フェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−{5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2−[(2−ヒドロキシエトキシ)アミノ]フェニル}−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−メトキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−クロロフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−フルオロフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−2,4−ジメトキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−クロロ−2−メトキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−クロロ−2−ヒドロキシフェニル]−D−グルシトール、(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル]−D−グルシトール、及び(1S)−1,5−アンヒドロ−1−[5−(1−ベンゾチエン−2−イルメチル)−4−フルオロ−2−メトキシフェニル]−D−グルシトールからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である請求の範囲第1項に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩。
【請求項8】
請求の範囲第1項〜第7項に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩を含有する医薬組成物。
【請求項9】
Na−グルコース共輸送体阻害剤である請求の範囲第8項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
糖尿病の治療剤である請求の範囲第8項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
Na−グルコース共輸送体阻害剤又は糖尿病の治療剤の製造のための請求の範囲第1項〜第7項に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩の使用。
【請求項12】
請求の範囲第1項〜第7項に記載のC−グリコシド誘導体又はその塩の治療有効量を患者に投与することを含む、糖尿病の治療方法。

【国際公開番号】WO2004/080990
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【発行日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503610(P2005−503610)
【国際出願番号】PCT/JP2004/003324
【国際出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【出願人】(592086318)壽製薬株式会社 (24)
【Fターム(参考)】