説明

CB1拮抗作用を示す化合物の新規の医学的用途および前記化合物を伴う組み合わせ治療

本発明は各々が本明細書で定義する如き4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体、1H−イミダゾール誘導体、チアゾール誘導体および/または1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド誘導体、またはこれらのプロドラッグ、互変異性体または塩の群から選択したCB受容体活性を有する化合物を、子供の患者におけるCB受容体関連病の治療および/または予防および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を製造する時に用いる新規な医学的用途に関する。その上、本発明は、前記CB受容体活性を有する化合物をリパーゼ阻害薬と組み合わせ用いることにも関する。前記化合物は、特に、青年または子供の患者における肥満の治療および/または予防および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を製造する時にリパーゼ阻害薬と組み合わせて用いるに適する。好適なリパーゼ阻害薬はオルリスタット、パンクリシン、ATL−962および/またはリプスタチンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCB拮抗作用を示す化合物の新規の治療および/または予防用途および前記化合物の1種以上を前記新規用途用の活性成分として含有させた薬剤組成物に関する。本発明で取り扱う化合物はカンナビス−1(CB)受容体拮抗作用を示し、本発明で提供する新規の医学的用途で卓越した有用性を示し得る。その上、本発明の1つの態様に従い、前記CB拮抗作用を示す化合物をさらなる活性成分と組み合わせて用いてもよく、そして肥満を治療および/または予防するための薬剤組成物に前記CB拮抗性化合物の中の少なくとも1種を前記さらなる活性成分と組み合わせて含有させる。本発明が提供する前記カンナビス−1(CB)受容体拮抗作用を示す化合物と、前記さらなる活性成分の組み合わせが特に肥満の治療に有用である。
【0002】
カンナビノイドはインド大麻であるカンナビス・サティバLの中に存在していて、数世紀に渡って医薬として用いられてきた(Mechoulam,R.;Feigenbaum,J.J.、Prog.Med.Chem.1987、24、159)。しかしながら、カンナビノイド分野における研究でカンナビノイド受容体およびそれらの(内因性)作動薬および拮抗薬に関する極めて重要な情報が明らかになったのはほんの10年前であった。そのような発見そしてその後に行われたカンナビノイド受容体の異なる2種類のサブタイプ(CBおよびCB)のクローン化によって、新規のカンナビノイド受容体拮抗薬の研究が促された(Munro,S.;Thomas,K.L.;Abu−Shaar,M.、Nature 1993、365、61、Matsuda,L.A.;Bonner,T.I.、Cannabinoid Receptors、Pertwee,R.G.編集.1995、117、Academic Press,ロンドン)。加うるに、製薬会社はカンナビノイド系の疾患に関連した病気を治療する目的でカンナビノイド薬剤を開発することに興味を持つようになった。CB受容体が脳内に幅広く分布していることに加えて、CB受容体は厳格に抹消に局在することから、CB受容体はいくつかの医学的適応分野、例えば精神疾患および神経疾患などの分野でCNS指向性薬剤を開発しようとする時に非常に興味の持たれる分子標的であることに興味が持たれると、最新技術に記述されている(Consroe,P.、Neurobiology of Disease、1998、5、534、Pop,E.、Curr.Opin.In CPNS Investigational Drugs 1999、1、587、Greenberg,D.A.、Drug New Perspect.、1999、12、458)。
【0003】
カンナビノイド系の疾患に関連した病気の治療に有用な化合物は、国際特許出願WO 03/026647、WO 03/027076、WO 03/078413、WO 03/078413および最近出願した国際特許出願(これは優先日が2002.09.19の優先権主張ヨーロッパ出願EP 02078966.5が基になっていて2004年の3月/4月に公開される)から公知である。従って、そのような化合物はカンナビスCB受容体に対して活性を示し、例えばCB拮抗作用を示し、かつそれらは本明細書の以下に定義する如き式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される。特に、カンナビスCB受容体活性を示す前記化合物は精神疾患、例えば精神病、不安、鬱、注意力欠如、記憶障害、認識力障害、食欲障害、肥満、中毒、強い欲求、薬物依存など、および神経障害、例えば神経変成障害、認知症、ジストニア、筋痙直、震え、てんかん、多発性硬化症、外傷性脳損傷、発作、パーキンソン病、アルツハイマー病、てんかん、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、脳虚血、脳出血、頭蓋大脳外傷、卒中、脊髄損傷、神経炎症性疾患、プラーク硬化症、ウイルス性脳炎、脱髄関連疾患の治療ばかりでなく神経障害性疼痛性障害を包含する疼痛性障害および敗血性ショック、緑内障、癌、糖尿病、嘔吐、吐き気、喘息、呼吸器疾患、胃腸疾患、胃潰瘍、下痢および心臓血管疾患の治療を包含する他のカンナビノイド神経伝達関連疾患の治療における使用に適することが提案されている。
【0004】
国際特許出願WO 03/026647に4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体である群の新規の化合物が記述されており、それらは以下に定義する式(I)で表される。そのような4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体は効力のあるカンナビノイド(CB)受容体拮抗薬であり、カンナビノイド系の疾患に関連した病気の治療に有用である。そのような化合物は一般式(I)[式中の記号は本明細書の以下に示す意味を有する]で表され、特に効力のあるCB拮抗作用を示す。
【0005】
国際特許出願WO 03/027076に1H−イミダゾール誘導体である群の新規の化合物が記述されており、それらは以下に定義する式(II)で表される。そのような1H−イミダゾール誘導体は効力のあるカンナビノイド(CB)受容体作動薬、部分的作動薬または拮抗薬であり、精神疾患および神経疾患ばかりでなく他のカンナビノイド神経伝達関連疾患の治療で用いるに有用である。そのような化合物は一般式(II)[式中の記号は本明細書の以下に示す意味を有する]で表される。
【0006】
国際特許出願WO 03/026648に新規の群の化合物が記述されており、それらもまた4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体でありかつ以下に定義する式(III)で表される誘導体である。そのような4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体もまた効力のあるカンナビノイド(CB)受容体拮抗薬であり、カンナビノイド系の疾患に関連した病気の治療に有用である。そのような化合物は特に一般式(IIIa)または(IIIb)[式中の記号は本明細書の以下に示す意味を有する]で表される。
【0007】
国際特許出願WO 03/078413にチアゾール誘導体である群の新規の化合物が記述されており、それらは以下に定義する式(IV)で表される。そのようなチアゾール誘導体は効力のあるカンナビノイドCB受容体拮抗薬、作動薬または部分的作動薬であり、カンナビノイド系の疾患に関連した病気の治療で用いるに有用である。そのような化合物は一般式(IV)[式中の記号は本明細書の以下に示す意味を有する]で表される。
【0008】
最近出願した国際特許出願(これは優先日が2002.09.19の優先権主張ヨーロッパ出願EP 02078966.5が基になっていて2004年の3月/4月に公開される)に1,5−ジアリール−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド誘導体である群の新規の化合物が記述されており、それらは以下に定義する式(V)で表される。そのような1,5−ジアリール−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド誘導体は効力のあるカンナビノイドCB受容体拮抗薬、作動薬逆作動薬または部分的作動薬であり、カンナビノイド系の疾患に関連した病気の治療で用いるに有用である。そのような化合物は一般式(V)[式中の記号は本明細書の以下に示す意味を有する]で表される。
【0009】
本発明の目的は、安全性と耐容性が高い、例えば肥満患者などを治療する時の安全性と耐容性が高いことが要求される患者群、特に例えば子供の肥満患者および/または長期治療を受けている患者、例えば子供または青年の患者の中で薬剤で誘発された肥満を伴う患者に特に適するように、改良した治療および/または予防方法を提供することにある。さらなる目的は、従って、全ての年齢の患者、例えば青年ばかりでなく子供の患者における肥満を治療および/または予防するに特に有益な組み合わせ治療および薬剤を提供することにあり、ここでは、肥満を治療する目的で、本発明に従って用いるCB拮抗作用を有する化合物をさらなる活性成分と組み合わせる。
【0010】
ここに、驚くべきことに、選択的CB拮抗性化合物は卓越したユニークな薬理学的プロファイル(これには特に安全性が高くかつ耐容性が高いことが含まれる)を有することが理由で、そのような化合物は特にカンナビノイド系の疾患に関連した病気の治療および/または予防、特に安全性と耐容性が高いことが要求される患者群、特に例えば子供の患者および/または長期治療を受けている患者、例えば薬剤で誘発された肥満を伴う患者の治療および/または予防で用いるに特に適することを見いだした。
【0011】
従って、本発明は、以下に定義する如き式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の中の1つで表されてCB受容体活性を有する化合物、またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩と少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物の組み合わせに関する。本発明の変形では、以下に定義する如き式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の中の1つで表されてCB受容体活性を有する化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩をリパーゼ阻害性重合体、オルリスタット、パンクリシン(panclicin)、ATL−962およびリプスタチン(lipstatin)の群から選択した少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせる。
【0012】
特に、驚くべきことに、式(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)で表されるCB拮抗薬、これらのプロドラッグ、互変異性体または塩がユニークな薬理学的プロファイルを示し、従って、肥満患者、特に子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を製造する時に用いるに特に適することを見いだした。これに関して、式(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)で表されるCB拮抗性化合物、これらのプロドラッグ、互変異性体および塩は一方では小児科用途用の薬剤および薬剤誘発肥満における一般的用途用の薬剤を提供しようとする時に非常に価値がある。
【0013】
本発明に従って用いる化合物はカンナビスCB受容体に対して作用を示すことから、これらはまた子供の肥満および子供の患者における薬剤誘発肥満以外の他の疾患の小児治療および/または予防で用いるにも適する。そのような他の疾患には、カンナビスCB受容体に対して作用を示す関連化合物に関する文献で公知の疾患が含まれ、小児治療および/または予防は、また、例えば若い患者における精神疾患、例えば精神病、不安、鬱、注意力欠如、記憶障害、認識力障害、食欲障害、肥満障害、中毒、強い欲求、薬物依存など、および神経障害、例えば神経変成障害、認知症、ジストニア、筋痙直、震え、てんかん、多発性硬化症、外傷性脳損傷、発作、パーキンソン病、アルツハイマー病、てんかん、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、脳虚血、脳出血、頭蓋大脳外傷、卒中、脊髄損傷、神経炎症性疾患、プラーク硬化症、ウイルス性脳炎、脱髄関連疾患ばかりでなく神経障害性疼痛性障害を包含する疼痛性障害および敗血性ショック、緑内障、癌、糖尿病、嘔吐、吐き気、喘息、呼吸器疾患、胃腸疾患、胃潰瘍、下痢および心臓血管疾患の小児治療を包含する他のカンナビノイド神経伝達関連疾患の小児治療などにも関係し得る。
【0014】
本発明の説明で述べる文献の内容は、引用することによって本出願に組み入れられる。
【0015】
本発明で用いるCB拮抗性化合物は公知方法に従って得ることができる。本発明に従って用いる化合物の適切な合成方法は最新技術、例えば本出願で引用することによって組み入れた資料などに記述されている。
【0016】
その上、驚くべきことに、式(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)で表されるCB拮抗性化合物(CB拮抗薬)ばかりでなくこれらのプロドラッグ、互変異性体および塩はユニークな薬理学的プロファイルを示すことが理由で、特に肥満治療および/または予防(特に子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防を包含)用の薬剤を製造しようとする時に少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物(リパーゼ阻害薬)と組み合わせて用いるに特に適することを見いだした。これに関して、本明細書で定義する如き少なくとも1種のCB拮抗性化合物と少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物の組み合わせは一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満、特にまた小児または子供の肥満およびまた青年および子供の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を提供しようとする時に非常に価値がある。
【0017】
本発明は、特に、4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体である式(I)、1H−イミダゾール誘導体である式(II)、また4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体である式(III)、チアゾール誘導体である式(IV)、1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド誘導体である式(V)で表されるCB拮抗性化合物(これらはカンナビスCB受容体拮抗薬、これのプロドラッグ、互変異性体および塩である)はユニークな薬理学的プロファイルを有することが理由で、一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満の治療および/または予防、特にまた子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療およびまた予防用の薬剤を製造しようとする時に少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて用いるに特に適切であるという驚くべき発見を見いだしたことが基になっている。これに関して、式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される化合物をリパーゼ阻害性化合物と一緒に組み合わせると、そのような組み合わせは各々が一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満、特にまた小児または子供の肥満および薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を提供しようとする時に非常に価値がある。
【0018】
本発明で用いる式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される化合物は公知方法に従って得ることができる。本発明に従って用いる式(I)、(II)、(III)、(IV)で表される化合物の適切な合成が、国際特許出願WO 03/026647、WO 03/027076、WO 03/078413またはWO 03/078413(これらは引用することによって本明細書に組み入れられる)に記述されている。式(V)で表される化合物の調製は最近出願された国際特許出願(これは優先日が2002.09.19の優先権主張ヨーロッパ出願EP 02078966.5が基になっていて2004年の3月/4月に公開される)(これもまた引用することによって本明細書に組み入れられる)に従って実施可能である。式(V)で表される化合物の調製もまた本明細書の最後の部分に記述する。
【0019】
以下に本発明の態様を、特に肥満に関連した例として式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される化合物を言及することでより詳細に記述する。
【0020】
式(I)で表される化合物
1番目の態様における本発明は、カンナビスCB受容体の効力のある選択的拮抗薬である式(I):
【0021】
【化1】

[式中、
− RおよびRは、独立して、C1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、(C1−3)−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1−3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイルおよびアセチルの群の同一もしくは異なってもよい1、2、3もしくは4個の置換基Yで置換されていてもよいフェニル、チエニルもしくはピリジル基を表すか、或はRおよび/またはRはナフチルを表し、
− Rは、水素、ヒドロキシ、C1−3−アルコキシ、アセチルオキシまたはプロピオニルオキシを表し、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−8アルキル基またはC3−7−シクロアルキル基を表し、ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基はヒドロキシ基で置換されていてもよく、
− Rは、分枝もしくは非分枝C2−10ヘテロアルキル基、C3−8非芳香ヘテロシクロアルキル基またはC4−10非芳香ヘテロシクロアルキル−アルキル基を表し、ここで、これらの基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上または−SO−基を含有し、前記分枝もしくは非分枝C2−10ヘテロアルキル基、C3−8非芳香ヘテロシクロアルキル基またはC4−10非芳香ヘテロシクロアルキル−アルキル基はケト基、トリフルオロメチル基、C1−3アルキル基、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノもしくはジアルキルアミノ基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはアミノ、ヒドロキシ、フェノキシまたはベンジルオキシ基を表すか、或はRはC1−8アルコキシ、C3−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルまたはC6−9シクロアルケニルアルキル基を表し、ここで、これらの基は硫黄、窒素もしくは酸素原子、ケト基または−SO−基を含有していてもよく、前記アルコキシ、アルケニルおよびシクロアルキル基はヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基もしくはジアルキルアミノ基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはフルオロ原子を含有するC2−5アルキル基を表すか、或はRはイミダゾリルアルキル基、ベンジル、ピリジルメチル、フェネチルまたはチエニル基を表すか、或はRは置換されているフェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1、2または3個の置換基Y(ここで、Yはこの上に示した如き意味を有する)で置換されており、或はRがHまたはメチルの時にはRは基NRを表してもよく、ここで、
− RおよびRは、同一もしくは異なり、C2−4アルキル、C2−4トリフルオロアルキルを表すか、
或はRはメチル基を表すが、但しRがC2−4アルキル基を表すことを条件とし、或はRとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から8の飽和もしくは不飽和複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式部分は酸素もしくは硫黄原子またはケト基または−SO−基または追加的窒素原子を含有していてもよく、前記飽和もしくは不飽和複素環式部分はC1−4アルキル基で置換されていてもよく、或は
− RとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式部分は群(O、N、S)の原子を1個以上またはケト基または−SO−基を含有していてもよく、前記部分はC1−4アルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、チエニル、ピリジル、アミノ、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはヘキサヒドロ−1H−アゼピニル基で置換されていてもよく、
− Rは、1、2、3または4個の置換基Y(ここで、Yはこの上に示した如き意味を有し、同一もしくは異なってもよい)で置換されていてもよいベンジル、フェニル、チエニルもしくはピリジルを表すか、或はRは分枝もしくは非分枝C1−8アルキル、C3−8アルケニル、C3−10シクロアルキル、C5−10ビシクロアルキル、C6−10トリシクロアルキルまたはC5−8シクロアルケニルを表すか、或はRはナフチルを表す]
で表される4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体、これらのプロドラッグ、互変異性体および塩はユニークな薬理学的プロファイルを有することが理由で特に一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満の治療および/または予防、特にまた子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療およびまた予防用の薬剤を製造しようとする時に少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて用いるに適するという驚くべき発見を見いだしたことが基になっている。これに関して、式(I)で表される化合物をリパーゼ阻害性化合物と一緒に組み合わせると一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満、特にまた小児または子供の肥満および薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を提供しようとする時に非常に価値がある。
【0022】
前記式(I)で表される化合物には不斉中心が少なくとも1個存在する(4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール部分のC位の所に)。本発明は、式(I)で表される化合物のラセミ体、ジアステレオマー混合物の両方および個々の立体異性体に関する。特に興味の持たれる式(I)で表される化合物は、式(1
【0023】
【化2】

で表されるように、4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール部分のC位の所に絶対的立体配置を有する。
【0024】
本発明はまた式(I)で表される化合物のE異性体、Z異性体の両方およびE/Z混合物にも関する。
【0025】
式(II)で表される化合物
2番目の態様における本発明は、CB拮抗作用を有していてカンナビノイドCB受容体に対して効力のある拮抗薬である式(II):
【0026】
【化3】

[式中、
− Rは、C1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、C1−3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、シアノ、カルバモイルおよびアセチルの群の同一もしくは異なってもよい1、2、3もしくは4個の置換基Yで置換されていてもよいフェニル、チエニル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルもしくはトリアジニル基を表すか、或はRはナフチルを表すが、但しRが4−ピリジニルの時にはRがハロゲン原子またはシアノ、カルバモイル、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、フルオロアセチル、プロピオニル、スルファモイル、メタンスルホニル、メチルスルファニルまたは分枝もしくは非分枝C1−4アルキル基(このC1−4アルキル基は1−3個のフルオロ原子またはブロモ、クロロ、ヨード、シアノまたはヒドロキシ基で置換されていてもよい)を表すことを条件とし、
− Rは、1−4個の置換基Y(ここで、Yは、同一もしくは異なってもよく、Yはこの上に記述した意味を有する)で置換されていてもよいフェニルもしくはピリジニル基を表すか、或はRは1−2個の置換基Y(同一もしくは異なってもよい)で置換されていてもよいピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルもしくはトリアジニル基を表すか、或はRは群(N、O、S)の1または2個のヘテロ原子(これらのヘテロ原子は同一もしくは異なってもよい)を有する5員の芳香複素環式環を表し、この5員の芳香複素環式環は1−2個の置換基Y(同一もしくは異なってもよい)で置換されていてもよく、或はRはナフチルを表し、
− Rは、H、分枝もしくは非分枝C1−8アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−アルケニル、C5−8−シクロアルケニル(これらの基は硫黄、酸素または窒素原子を含有していてもよい)を表し、
− Rは、分枝もしくは非分枝C2−8アルキル、C1−8−アルコキシ、C5−8−シクロアルキルオキシ、C3−8−シクロアルキル、C5−10ビシクロアルキル、C6−10トリシクロアルキル、C3−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルを表し、ここで、これらの基は場合により群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有していてもよく、かつこれらの基はヒドロキシ基または1−2個のC1−3アルキル基または1−3個のフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRは、ベンジルもしくはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環はC1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、(C1−3)−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1−3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイルおよびアセチルの群の同一もしくは異なってもよい1−5個の置換基Zで置換されていてもよく、或はRは1−4個の置換基Z(ここで、Zはこの上に示した如き意味を有する)で置換されているフェニルもしくはピリジニル基を表すか、或は
はピリジニル基を表すか、或はRはフェニル基を表すが、但しRがハロゲン原子またはシアノ、カルバモイル、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、フルオロアセチル、プロピオニル、スルファモイル、メタンスルホニル、メチルスルファニルまたはC1−4アルキル基(このC1−4アルキル基は1−3個のフルオロ原子またはブロモ、クロロ、ヨード、シアノまたはヒドロキシ基で置換されていてもよい)を表すことを条件とし、或は
は基NRを表すが、但しRが水素原子またはメチル基を表すことを条件とし、ここで、
− RおよびRは、同一もしくは異なり、分枝もしくは非分枝C1−4アルキルを表すか、或はRとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式基を形成しており、ここで、前記複素環式基は群(N、O、S)の1個または2個のヘテロ原子(これらのヘテロ原子は同一もしくは異なってもよい)を含有し、前記複素環式基はC1−3アルキル基またはヒドロキシ基で置換されていてもよく、或はRとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和複素環式基を形成しており、ここで、前記複素環式基は群(N、O、S)の1個または2個のヘテロ原子(これらのヘテロ原子は同一もしくは異なってもよい)を含有し、前記複素環式基はC1−3アルキル基またはヒドロキシ基で置換されていてもよく、
− Rは、水素もしくはハロゲン原子、またはシアノ、カルバモイル、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、フルオロアセチル、プロピオニル、スルファモイル、メタンスルホニル、メチルスルファニルまたは分枝もしくは非分枝C1−4アルキル基(このC1−4アルキル基は1−3個のフルオロ原子またはブロモ、クロロ、ヨード、シアノまたはヒドロキシ基で置換されていてもよい)を表す]
で表される1H−イミダゾール誘導体、これらのプロドラッグおよび塩はユニークな薬理学的プロファイルを有することが理由で、特に一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満の治療および/または予防、特にまた子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療およびまた予防用の薬剤を製造しようとする時に少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて用いるに適するという驚くべき発見を見いだしたことが基になっている。これに関して、式(II)で表される化合物をリパーゼ阻害性化合物と一緒に組み合わせると、一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満、特にまた小児または子供の肥満および薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を提供しようとする時に非常に価値がある。
【0027】
式(III)で表される化合物
3番目の態様における本発明は、カンナビノイドCB受容体の効力のある選択的拮抗作用が式(IIIa)または(IIIb):
【0028】
【化4】

[式中、
− RおよびRは、独立して、C1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、(C1−3)−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1−3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイルおよびアセチルの群の同一もしくは異なってもよい1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてもよいフェニル、チエニルもしくはピリジル基を表すか、或はRおよび/またはRはナフチルを表し、
− Rは、水素、ヒドロキシ、C1−3−アルコキシ、アセチルオキシまたはプロピオニルオキシを表し、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−8アルキル基またはC3−7−シクロアルキル基を表し、ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基はヒドロキシで置換されていてもよく、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−10ヘテロアリール、C3−8非芳香ヘテロシクロアルキルまたはC4−10非芳香ヘテロシクロアルキル−アルキル部分を表し、ここで、これらの部分は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有していてもよく、前記部分はケト基、トリフルオロメチル基、C1−3アルキル基、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノもしくはジアルキルアミノ基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはアミノ、ヒドロキシ、フェノキシまたはベンジルオキシ基を表すか、或はRは分枝もしくは非分枝C1−8アルコキシ、C3−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルまたはC6−9シクロアルケニルアルキル基を表し、ここで、これらの基は硫黄、窒素もしくは酸素原子、ケト基または−SO−基を含有していてもよく、前記C1−8アルコキシ、C3−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルまたはC6−9シクロアルケニルアルキル基はヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基もしくはジアルキルアミノ基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはフェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1、2または3個の置換基Y(ここで、Yはこの上に示した如き意味を有する)で置換されていてもよく、或はRは基NRを表すが、但しRが水素原子またはメチル基を表すことを条件とし、そしてここで、RおよびRは、同一もしくは異なり、C1−4アルキルまたはC2−4フルオロアルキルを表すか、或はRとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から8の飽和もしくは不飽和複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式部分は酸素もしくは硫黄原子またはケト基または−SO−基または追加的窒素原子を含有していてもよく、前記飽和もしくは不飽和複素環式部分はC1−4アルキル基で置換されていてもよく、或は
とRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式部分は群(O、N、S)の原子を1個以上またはケト基または−SO−基を含有していてもよく、前記部分はC1−4アルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、チエニル、ピリジル、アミノ、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはヘキサヒドロ−1H−アゼピニル基で置換されていてもよく、
− RおよびRは、互いに独立して、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−8アルキルもしくはアルケニル基を表し、ここで、これらの基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上またはケト基または−SO−基を含有していてもよくかつこれらの基はヒドロキシもしくはアミノ基で置換されていてもよく、或はRおよびRは、互いに独立して、C3−8シクロアルキルまたはC3−8シクロアルケニル基を表し、ここで、これらの基は群(O、N、S)の環ヘテロ原子を1個以上または−SO−基を含有していてもよくかつこれらの基はヒドロキシ基、アルキル(C1−3)、−SO−基、ケト基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(C1−3)またはジアルキルアミノ基(C1−3)で置換されていてもよく、或はRはナフチル基またはフェニル基を表し、ここで、前記フェニル基は1、2または3個の置換基Y(ここで、Yは本明細書の上に記述した如き意味を有する)で置換されていてもよいが、但しRが水素原子、または分枝もしくは非分枝アルキル基(C1−5)(このアルキル基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上または−SO−基を含有していてもよくかつこのアルキル基はヒドロキシ、ケトまたはアミノ基で置換されていてもよい)を表すことを条件とし、或はRとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって群(O、N、S)の環ヘテロ原子、ケトまたは−SO−基を含有していてもよい一環状、二環状もしくは三環状アルキルもしくはアルケニル基を形成しており、ここで、前記一環状、二環状もしくは三環状アルキルもしくはアルケニル基はヒドロキシ基、アルキル(C1−3)基、SO基、ケト基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(C1−3)、ジアルキルアミノ基(C1−3)、ピロリジニル基またはピペリジニル基で置換されていてもよく、前記一環状、二環状もしくは三環状アルキルもしくはアルケニル基は縮合したフェニル基を含有していてもよく、ここで、前記縮合したフェニル基は1または2個の置換基Y(ここで、Yは本明細書上に記述した如き意味を有する)で置換されていてもよく、
− Rは、分枝もしくは非分枝C1−3アルキルを表す]
で表される4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体、これらのプロドラッグ、互変異性体および塩に存在していて、それらがユニークな薬理学的プロファイルを有することが理由で、特に一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満の治療および/または予防、特にまた子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療およびまた予防用の薬剤を製造しようとする時に少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて用いるに適するという驚くべき発見を見いだしたことが基になっている。これに関して、式(IIIa)および/または(IIIb)で表される化合物をリパーゼ阻害性化合物と一緒に組み合わせると一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満、特にまた小児または子供の肥満および薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を提供しようとする時に非常に価値がある。
【0029】
前記式(IIIa)および(IIIb)で表される化合物には不斉中心が少なくとも1個存在する(4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール部分のC位の所に)。本発明は、式(IIIa)または(IIIb)で表される化合物のラセミ体、ジアステレオマー混合物の両方および個々の立体異性体に関する。特に興味の持たれる式(IIIa)または(IIIb)で表される化合物は、式(IIIa*)および(IIIb*):
【0030】
【化5】

で表されるように、4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール部分のC位の所に絶対的立体配置を有する。
【0031】
本発明はまた式(IIIa)または(IIIb)で表される化合物のE異性体、Z異性体の両方およびE/Z混合物にも関する。
【0032】
式(IV)で表される化合物
4番目の態様における本発明は、CB拮抗作用を有する式(IV):
【0033】
【化6】

[式中、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、分枝もしくは非分枝(C1−3)−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチルスルホニル、スルファモイル、分枝もしくは非分枝アルキル(C1−3)スルホニル、カルボキシル、シアノ、カルバモイル、分枝もしくは非分枝ジアルキル(C1−3)アミノスルホニル、分枝もしくは非分枝モノアルキル(C1−3)−アミノスルホニルおよびアセチルの群の置換基Xを表し、
− Rは、水素原子であるか、或は1−4個の置換基X(ここで、Xは、上述した意味を有する)を表し、
− Rは、1−4個の置換基X(ここで、Xは、上述した意味を有する)で置換されていてもよいフェニル、チエニル、ピリジルもしくはピリミジニル基を表すか、或はRはナフチルを表し、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−10アルキルもしくはシクロアルキル−アルキル基、またはフェニル、ベンジルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1−5個の置換基Z(ここで、Zは、同一もしくは異なってもよく、分枝もしくは非分枝C1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、分枝もしくは非分枝(C1−3)−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、分枝もしくは非分枝C1−3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイルおよびアセチルの群の置換基である)で置換されていてもよく、或はRはピリジルまたはチエニル基を表し、
− Rは、分枝もしくは非分枝C1−10アルキルもしくはシクロアルキル−アルキル基、分枝もしくは非分枝C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルキル、C5−10ビシクロアルキル、C6−10トリシクロアルキル、分枝もしくは非分枝C3−10アルケニル、C5−8シクロアルケニルを表し、ここで、これらの基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有していてもよくかつ前記基はヒドロキシ基、1−3個のメチル基、エチル基または1−3個のフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはフェニル、ベンジルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1−5個の置換基Z(ここで、Zは、上述した意味を有する)で置換されていてもよく、或はRはピリジルまたはチエニル基を表すか、或はRは基NRを表し、ここで、RとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式基を形成しており、ここで、前記複素環式基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有しかつ前記複素環式基は分枝もしくは非分枝C1−3アルキル、ヒドロキシまたはトリフルオロメチル基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或は
− RとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式基を形成しており、ここで、前記複素環式基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有しかつ前記複素環式基は分枝もしくは非分枝C1−3アルキル、ヒドロキシまたはトリフルオロメチル基またはフルオロ原子で置換されていてもよい]
で表される4,5−ジアリールチアゾール誘導体、これらのプロドラッグおよび塩はユニークな薬理学的プロファイルを有することが理由で、特に一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満の治療および/または予防、特にまた子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療およびまた予防用の薬剤を製造しようとする時に少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて用いるに適するという驚くべき発見を見いだしたことが基になっている。これに関して、式(IV)で表される化合物をリパーゼ阻害性化合物と一緒に組み合わせると一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満、特にまた小児または子供の肥満および薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を提供しようとする時に非常に価値がある。
【0034】
式(V)で表される化合物
5番目の態様における本発明は、CB拮抗作用を有していてカンナビノイドCB受容体の効力のある拮抗薬、作動薬、逆作動薬または部分的作動薬である式(V):
【0035】
【化7】

[式中、
− RおよびRは、独立して、分枝もしくは非分枝(C1−3)アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、(C1−3)−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチルスルホニル、スルファモイル、(C1−3)−アルキルスルホニル、カルボキシル、シアノ、カルバモイル、(C1−3)−ジアルキルアミノスルホニル、(C1−3)−モノアルキルアミノスルホニルおよびアセチルの群の同一もしくは異なってもよい1−4個の置換基Xで置換されていてもよいフェニル、ナフチル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニルもしくはトリアジニル基を表し、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−8−アルキルもしくはC1−8シクロアルキル−アルキル基またはフェニル、ベンジルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1−4個の置換基X(ここで、Xは、この上に示した如き意味を有する)で置換されていてもよく、或はRはピリジルまたはチエニル基を表し、
− Rは、分枝もしくは非分枝C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、C3−8シクロアルキル、C5−10ビシクロアルキル、C6−10トリシクロアルキル、C3−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルを表し、ここで、これらの基は場合により群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有していてもよく、前記基はヒドロキシ基、エチニル基または1−3個のフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはフェニル、ベンジルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1−4個の置換基X(ここで、Xは、この上に示した如き意味を有する)で置換されていてもよく、或はRはピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニルまたはチエニル基を表し、ここで、これらの複素芳香環は1−2個の置換基X(ここで、Xは、この上に示した如き意味を有する)で置換されていてもよく、或はRは基NRを表し、ここで、
とRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式基は群N、OまたはSの1個または2個のヘテロ原子(これらのヘテロ原子は同一もしくは異なってもよい)を含有し、前記複素環式部分は分枝もしくは非分枝C1−3アルキル、ヒドロキシもしくはトリフルオロメチル基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或は
− RとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式基は群N、OまたはSの1個または2個のヘテロ原子(これらのヘテロ原子は同一もしくは異なってもよい)を含有し、前記複素環式部分は分枝もしくは非分枝C1−3アルキル、ヒドロキシ、ピペリジニルもしくはトリフルオロメチル基またはフルオロ原子で置換されていてもよい]
で表される1,5−ジアリール−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド誘導体ばかりでなくこれらのプロドラッグ、塩および立体異性体はユニークな薬理学的プロファイルを有することが理由で、特に一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満の治療および/または予防、特にまた子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療およびまた予防用の薬剤を製造しようとする時に少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて用いるに適するとう驚くべき発見を見いだしたことが基になっている。これに関して、式(V)で表される化合物をリパーゼ阻害性化合物と一緒に組み合わせると一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満、特にまた小児または子供の肥満および薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を提供しようとする時に非常に価値がある。
【0036】
以下に本発明の態様を式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される化合物の医学的および薬学的有用性を言及することで、より詳細に記述する。
【0037】
医学的および薬学的有用性
本発明に従って用いる式(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)で表される化合物はカンナビスCB受容体に対して有益な作用を示すことが理由で、子供の肥満および子供の患者における薬剤誘発肥満以外の他の疾患の小児治療および/または予防における一般的用途にも適する。そのような他の疾患には、カンナビスCB受容体に対して作用を示す関連化合物に関する文献で公知の疾患が含まれ、小児治療および/または予防は、また、例えば若い患者における精神疾患、例えば精神病、不安、鬱、注意力欠如、記憶障害、認識力障害、食欲障害、肥満、中毒、強い欲求、薬物依存など、および神経障害、例えば神経変成障害、認知症、ジストニア、筋痙直、震え、てんかん、多発性硬化症、外傷性脳損傷、発作、パーキンソン病、アルツハイマー病、てんかん、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、脳虚血、脳出血、頭蓋大脳外傷、卒中、脊髄損傷、神経炎症性疾患、プラーク硬化症、ウイルス性脳炎、脱髄関連疾患ばかりでなく神経障害性疼痛性障害を包含する疼痛性障害および敗血性ショック、緑内障、癌、糖尿病、嘔吐、吐き気、喘息、呼吸器疾患、胃腸疾患、胃潰瘍、下痢および心臓血管疾患の小児治療を包含する他のカンナビノイド神経伝達関連疾患の小児治療などにも関係し得る。
【0038】
式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される化合物がカンナビノイドCB受容体に対して示す親和性の測定は、WO 03/026647、WO 03/027076、WO 03/026648またはWO 03/078413に記述されている如く実施可能であり、例えばヒトカンナビスCB受容体が放射性リガンドとしての[3H]CP−55,940と一緒に安定に導入されているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の膜標本を用いて測定を実施することができる。新しく調製した細胞膜標本を[3H]リガンドと一緒に本発明の化合物の添加有り無しでインキュベートした後、結合したリガンドと遊離リガンドの分離をガラス繊維フィルターを用いた濾過で実施した。そのフィルターが示す放射能を液体シンチレーション計数で測定した。
【0039】
式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される化合物が示すカンナビノイドCB拮抗作用もまた、WO 03/026647、WO 03/027076、WO 03/026648またはWO 03/078413に記述されており、これの測定をヒトカンナビスCB受容体を安定に発現するCHO細胞を用いた機能的試験で実施した。ホルスコリンを用いてアデニリルシクラーゼを刺激しそして蓄積した環状AMPの量を量化することで測定を行った。同時にCB受容体作動薬[例えばCP−55,940または(R)−WIN−55,212−2]を用いてCB受容体を活性化させるとホルスコリンで誘発させたcAMPの蓄積が濃度依存様式で減少し得る。そのようなCB受容体介在反応に対してCB受容体拮抗薬、例えば本発明で用いる化合物などが拮抗作用を示し得る。
【0040】
本発明の化合物、例えば式(V)で表される化合物が示すカンナビノイドCB受容体拮抗作用、作動作用または部分的作動作用の測定を、また、下記のプロトコルに従い、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の中にクローン化したヒトCB受容体を用いた機能的試験で実施することも可能である。CHO細胞を熱不活化ウシ胎仔血清を10%補充しておいたDMEM培養培地の中で増殖させた。培地を吸引で除去しそしてウシ胎仔血清を含有させないで[H]アラキドン酸を含有させたDMEMを代わりに入れて、インキュベーションを細胞培養ストーブ(5%CO/95%空気;37℃;水で飽和状態の雰囲気)の中で一晩実施した。この間に[H]アラキドン酸が膜燐脂質の中に取り込まれた。試験日に培地を吸引で除去しそして細胞をウシ血清アルブミンを0.2%含有させておいた0.5mlの燐酸塩緩衝食塩水を用いて3回洗浄した。CB受容体をWIN 55,212−2で刺激するとPLAが活性化されることに続いて[H]アラキドン酸が培地の中に放出された。そのようにWIN 55,212−2で誘発させた放出に対してCB受容体拮抗薬は濃度依存的に拮抗作用を示す。
【0041】
本発明の化合物が示すカンナビノイド受容体作動作用または部分的作動作用の測定は公開された方法、例えばインビボカンナビ模擬効果の評価(Wiley,J.L.、Jefferson他、J.Pharmacol.Exp.Ther.2001、296、1013)などに従って実施可能である。
【0042】
カンナビノイド受容体拮抗薬は逆作動薬として機能し得る(Landsman,R.S.他、Eur.J.Pharmacol.1997、334、R1−R2)。
【0043】
国際特許出願WO 03/026647、WO 03/027076、WO 03/026648およびWO 03/078413の内容は本発明に従って用いる式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表されるCB拮抗性化合物をリパーゼ阻害薬と組み合わせて用いることの開示に関して引用することによって本出願に組み入れられる。
【0044】
CB受容体活性を有していてカンナビスCB受容体の拮抗薬である式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される化合物ばかりでなくこれらのプロドラッグ、互変異性体および塩が示す卓越したユニークな薬理学的プロファイルには、本発明でまた他の薬剤と組み合わせた時、特に本発明に従ってリパーゼ阻害性化合物と組み合わせた時にも安全性および耐容性が特に高いことが含まれる。従って、また、安全性と耐容性が高いことが要求される患者群、特に例えば子供の患者および/または長期治療を受けている患者、例えば薬剤で誘発された肥満を伴う患者の場合にも式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表されるCB拮抗性化合物をリパーゼ阻害性化合物と組み合わせるのが特に適切である。
【0045】
限定された体重減少度を達成しかつ安定にしようとする時に単一の治療が充分には有効でなくかつ関係する医学的または代謝的機構が異なる組み合わせ治療および/または予防が望まれているか或は必要とされている患者集団における肥満を治療および/または予防しようとする時には、そのように式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表されるCB拮抗性化合物をリパーゼ阻害性化合物と組み合わせると安全かつ耐容性であり、その点が有利である。
【0046】
従って、一般に肥満、例えば全ての年齢の青年患者における肥満、特にまた小児または子供の肥満および薬剤誘発肥満を治療および/または予防しようとする時に式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表されるCB拮抗性化合物を本発明に従ってリパーゼ阻害性化合物と組み合わせる組み合わせが非常に有利であると期待する。
【0047】
本発明の式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される化合物はCB受容体を調節する作用を有することから、それらは、特に、リパーゼ阻害薬と組み合わせて用いた時に肥満、子供の肥満および薬剤誘発肥満の治療で用いるに有用である。そのような組み合わせ製剤で使用可能なリパーゼ阻害性化合物の具体例は、(これらに限定するものでないが)、合成リパーゼ阻害薬であるオルリスタット、パンクリシン、微生物から単離されたリパーゼ阻害薬、例えばリプスタチン[ストレプトマイセス・トキシトリシニ(Streptomyces toxytricini)に由来]、エベラクトンB[ストレプトマイセス・アブラビエンシス(Streptomyces aburaviensis)に由来]、そのような化合物の合成誘導体、ATL−962の如き2−オキシ−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン誘導体および構造的に関連した化合物である2−アミノ−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン誘導体ばかりでなくリパーゼ阻害活性を有することが知られている植物抽出液、例えばアルピニア・オフィシナルム・ハンス(Alpinia officinarum Hance)の抽出液、またはそのような抽出液から単離された化合物、例えば3−メチルエーテルガランギン(A.オフィシナルムに由来)などである。そのようなリパーゼ阻害性化合物はまたリパーゼ阻害性重合体であってもよい。そのようなリパーゼ阻害性化合物およびそれらの製造は最新技術で良く知られている。
【0048】
本発明に従う組み合わせで用いるリパーゼ阻害性化合物は、薬剤使用に適したリパーゼ阻害性化合物のいずれであってもよく、例えば特に膵リパーゼの阻害薬などであってもよい。リパーゼがトリ−およびジグリセリド(これらはあまりにも大型であることから小腸から吸収されない)を分解させて吸収可能な脂肪酸を生じさせる消化系に含まれる鍵となる酵素である。リパーゼは脂肪の加水分解に関与していることから、それらを阻害すると結果として脂肪の加水分解および吸収が低下する。従って、リパーゼを阻害すると結果として脂肪が吸収される度合が低下する。そのようなリパーゼ阻害性化合物は好適には合成リパーゼ阻害薬であるオルリスタットおよび構造的に関連した化合物であるATL−962の如き2−オキシ−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン誘導体および構造的に関連した化合物である2−アミノ−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン誘導体、微生物から単離されたリパーゼ阻害薬、例えばリプスタチン、エベラクトンB、またはそのような化合物の合成誘導体であるが、しかしながら、また、リパーゼ阻害性重合体であってもよい。オルリスタット、パンクリシン、ATL−962およびリプスタチンが最も好適である。
【0049】
オルリスタット(テトラヒドロリプスタチン)およびリプスタチンは米国特許US 4,598,089および相当するヨーロッパ特許EP 0 129 748 B1の中により詳細に記述されている。これらの化合物は化学名が(2S,3S,5S,7Z,10Z)−5−((S)−2−ホルムアミド−4−メチルバレリルオキシ)−2−ヘキシル−3−ヒドロキシ−7,10−ヘキサデカジエン酸ラクトン(リプスタチン)および(2S,3S,5S)−5−((S)−2−4−メチルバレリルオキシ)−2−ヘキシル−3−ヒドロキシ−ヘキサデカン酸ラクトン(テトラヒドロリプスタチン)の2−ヘキシル−3−ヒドロキシ−ヘキサデカン酸ラクトン誘導体である。これらの化合物は膵リパーゼの阻害薬であることが知られていて、肥満および高脂血症の予防または治療で使用可能であり、その目的で、それらを薬剤として配合することができるか或は産業的に製造される食品の中に混合することができる。膵リパーゼを阻害すると食物脂肪から吸収可能な遊離脂肪酸およびモノグリセリドが生じる加水分解が邪魔されることで、その脂肪は変化しないまま排泄される。リプスタチンおよびテトラヒドロリプスタチンがブタ膵リパーゼによるトリオレインの加水分解を阻害するIC50はそれぞれ0.07および0.18mcg/mlである。
【0050】
その上、オルリスタットおよび/またはリプスタチンと構造的に関連した適切なリパーゼ阻害薬も存在し、それらはパンクリシンとして知られる。そのようなパンクリシンはオルリスタットから誘導されたものであり、4環ラクトンを含有する(Mutoh M;Nakada N;Matsukima S;Ohshima S;Yoshinari K;Watanabe J;場所:神奈川県、日本、発行日:1995年1月19日 Journal:J.Antibiot.、47、No.12、1369−75、1994)。そのようなパンクリシンの生物学的データは下記の如くであると要約可能である:テトラヒドロリプスタチン(THL)の構造類似物であるパンクリシンA、B、C、DおよびEは、ブタ膵リパーゼによる脂肪酸のトリオレインの加水分解をそれぞれ2.9、2.6、0.62、0.66および0.89ミクロMのIC50値で用量依存的に阻害した。パンクリシンAおよびB(THLの中のロイシンの場所にアラニン部分)が示した阻害活性はTHLが示したそれよりも2−3倍弱かったが、それとは対照的に、パンクリシンC、DおよびE(THLの中のロイシンの場所にグリシン部分)が示した阻害活性はTHLが示したそれよりも2倍高かった。パンクリシンA、B、C、DおよびEはまた血漿リパーゼもそれぞれ1.0、1.2、0.29、0.25および0.15ミクロMのIC50値の効力で阻害した。パンクリシンAおよびBはTHLと同じ効力で血漿リパーゼを阻害したが、パンクリシンC、DおよびEが示した阻害活性はTHLが示したそれよりも3−6倍大きかった。パンクリシンA、B、C、DおよびEが細菌およびカビのリパーゼを阻害するプロファイルはブタ膵リパーゼを阻害するプロファイルと同様であった。パンクリシンは膵リパーゼを不可逆的に阻害するが、その不可逆度はTHLのそれよりも低かった。パンクリシンA、B、C、DおよびEは膵リパーゼを不可逆的に阻害する。
【0051】
エベラクトンBは米国特許US 4,358,602およびこれに相当するドイツ特許DE 3 109 335 C1に記述されている。エベラクトンAおよびエベラクトンBは、生きている動物における細胞介在免疫反応を高める活性を示す化合物の群に属し、かつそれらはまた生きている動物における炎症も抑制する。従って、それらは腫瘍の免疫学的治療で使用可能でありかつ抗腫瘍剤、例えばブレオマイシンなどを増強する目的で用いられ得る。そのような化合物は抗エステラーゼ活性および抗ホルミルメチオニンアミノペプチダーゼ活性を有する。そのような化合物をマウスに0.781−50mg/kg(i.p.)または0.5mg/kg(per os)の投薬量で投与するとDTH反応の発生が向上し、かつそのような化合物は細胞介在免疫性に対して効力のある効果を示す。エベラクトンBはマウスにカラゲニンで誘発させた腫れを軽減する。
【0052】
本発明の文脈において、肥満を治療する目的で患者にCB拮抗性化合物と組み合わせて投与するリパーゼ阻害薬はまたリパーゼを阻害し得る1個以上の基で置換されているか或はそのような基を含有する重合体であってもよい。そのようなリパーゼ阻害性重合体は米国特許US 6572850、US 6558657、US 6352692、US 6267952および国際特許出願WO 99/34786に記述されている。そのようなリパーゼ阻害性基は、1つの態様において、活性部位または他の部位のいずれかで酵素と共有結合を形成することでリパーゼの活性を抑制する「自殺基質」であり得る。別の態様におけるリパーゼ阻害性基は酵素の等比体積阻害薬である。
【0053】
本発明の1番目の面として、前記CB拮抗性化合物に加えてリパーゼ阻害性重合体を用いると、そのリパーゼ阻害性基がリパーゼ、例えば胃、膵および舌リパーゼなどを不活性にする。その酵素が不活性になるような共有結合が形成される結果として不活性化がもたらされ得る。当該酵素が有する活性部位または部位近くでか、或は共有結合が形成される結果として酵素活性が抑制されることを条件として、活性部位から離れた所に位置する残基の所でアミノ酸残基との共有結合が形成され得る。リパーゼは脂質から脂肪酸が生じる加水分解に関与する触媒作用を示す三連構造を含有する。そのような触媒作用を示す三連構造はセリンとアスパルテートとヒスチジンアミノ酸残基で構成されている。そのような三連構造はまたセリンプロテアーゼの中のアミド結合が起こす加水分解にも関与しており、セリンプロテアーゼ阻害薬である化合物もまたリパーゼを阻害するであろうと予測される。従って、重合体と共有結合し得るセリンプロテアーゼ阻害薬が好適なリパーゼ阻害性基である。例えば、当該酵素が有する触媒部位または部位近くでヒドロキシルとリパーゼ阻害性基の間に共有結合が形成される。例えば、セリンとの共有結合が形成される。不活性化はまたリパーゼ阻害性基が活性部位からいくらか離れた所に位置するアミノ酸、例えばシステインなどと共有結合を形成することでももたらされ得る。本発明の2番目の面として、前記CB拮抗性化合物に加えてリパーゼ阻害性重合体を用いると、また、そのリパーゼ阻害性基と当該酵素の間に生じる相互作用(共有結合ではない)によっても当該酵素の不活性化がもたらされる可能性がある。例えば、そのようなリパーゼ阻害性基は脂肪酸の等量式であり得、それはリパーゼが有する触媒部位と非共有結合的に相互作用し得る。加うるに、そのようなリパーゼ阻害性基はリパーゼの加水分解に関して天然のトリグリセリドと競合し得る。
【0054】
本明細書に記述する発明ではいろいろな重合体を用いることができる。そのような重合体は脂肪、脂環式または芳香族であってもよく、或は合成または天然に存在する重合体であってもよい。しかしながら、脂肪および脂環式の合成重合体が好適である。その上、そのような重合体は疎水性、親水性または疎水性単量体および/または親水性単量体から作られた共重合体であってもよい。そのような重合体は全体または部分的に非イオン性(例えば中性)、アニオン性またはカチオン性であってもよい。その上、そのような重合体はオレフィン系もしくはエチレン系単量体(例えばビニルアルコール)から製造された重合体または縮合重合体であってもよい。そのような重合体は例えばポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、ポリ−N−アルキルビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリ−N−アルキルアリルアミン、ポリアルキレンイミン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエチレンオキサイド、ポリアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルキル、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸アルキル、ポリメタアクリル酸アミド、ポリ−N−アルキルアクリルアミド、ポリ−N−アルキルメタアクリルアミド、ポリスチレン、ビニルナフタレン、エチルビニルベンゼン、アミノスチレン、ビニルビフェニル、ビニルアニソール、ビニルイミダゾリル、ビニルピリジニル、ジメチルアミノメチルスチレン、トリメチルアンモニウムエチルメタアクリレート、トリメチルアンモニウムエチルアクリレート、炭水化物、蛋白質および前記の置換誘導体(例えばそれらのフッ素置換単量体)およびそれらの共重合体であってもよい。好適な重合体にはポリエーテル、例えばポリアルキレングリコールなどが含まれる。
【0055】
本明細書に記述する方法で用いる重合体ばかりでなく前記重合体を生じさせるための中間体および方法は、米国特許US 6572850、US 6558657、US 6352692、US 6267952および国際特許出願WO 99/34786(これらは全部引用することによって本発明に組み入れられる)に詳述されている。
【0056】
最近の国際特許出願WO 03/072555に式(A)で表される新規の5−ヒドロカルビルオキシ−3−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−オンが代謝病、心臓血管病または特に肥満の治療で用いるに有用な膵リパーゼ阻害薬であることが記述されている。
【0057】
【化8】

【0058】
そのような式(A)で表されるオキサジアゾロンおよびこれらの塩および酸付加塩もまた本発明に従って用いるCB拮抗性化合物と組み合わせて用いるに適する。式(A)中の置換基は下記の如くであり得る:
R1は、7−22Cアルキル;4−20Cアルコキシ、6−10Cアリール、6−10Cアリールオキシまたは(4−12C)アルコキシ−(2−4C)アルコキシで置換されている2−4Cアルキル(ここで、アリールはハロゲン、1−4Cアルキル、1−4Cアルコキシ、NO2またはCF3の中の1個以上で置換されていてもよい);7−20Cアルケニル;または6−12Cアルキルまたはフェノキシで置換されているフェニルであってもよく、そして
R2からR5は、各々、H、ハロゲン、NO2、1−4Cアルキル、1−4Cアルコキシ、CF3またはOCF3;または(6−10C)アリール−(1−4C)アルコキシ、6−10Cアリールオキシ、6−10Cアリール、3−8Cシクロアルキルまたは3−8Cシクロアルコキシ(場合によりハロゲン、CF3、1−4Cアルコキシまたは1−4Cアルキルで置換されていてもよい)であってもよい。
【0059】
そのような5−ヒドロカルビルオキシ−3−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−オンは食欲抑制薬、抗糖尿病薬、降圧薬または強心剤として薬理学的特性を有することに加えて膵リパーゼ阻害薬としての作用機構を有すると記述されている。例えば、5−ドデシルオキシ−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3H−(1,3,4)−オキサジアゾール−2−オンがブタ膵リパーゼの阻害に関して示したIC50は0.03ミクロMであった。従って、そのような5−ヒドロカルビルオキシ−3−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−オンは薬剤、特に肥満治療用薬剤として使用可能である。膵リパーゼ阻害剤としての前記5−ヒドロカルビルオキシ−3−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−オンは食品に含まれる脂肪の吸収を抑制することで脂肪の吸収を抑えかつ体重を低くする(または体重の上昇を防止する)。その上、5−ヒドロカルビルオキシ−3−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−オンはまた代謝疾患(例えば糖尿病)または心臓血管疾患(例えば高血圧および心筋梗塞)の治療にも有益な効果を示すと報告されている。式(A)で表されるリパーゼ阻害性化合物はWO 03/07255の中により詳細に記述されており、公知方法に従って入手可能である。国際特許出願WO 03/072555にはまた式(A)で表されるリパーゼ阻害性化合物の適切な合成も記述されている。この国際特許出願WO 03/072555の内容は式(A)で表されるリパーゼ阻害薬の開示に関して引用することによって全体が本出願に組み入れられる。
【0060】
更に、加うるに、式(A)で表される5−ヒドロカルビルオキシ−3−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−オンは国際特許出願WO 03/072098にも肥満または1型および2型糖尿病の治療に有用な膵リパーゼ阻害薬であると記述されている。WO 03/072098に記述されている如き式(A)で表されるオキサジアゾロンおよびこれらの塩および酸付加塩もまた本発明に従って用いるCB拮抗性化合物と組み合わせて用いるに適する。式(A)中の置換基は下記の如くであり得る:
R1は1−6Cアルキル;3−9C−シクロアルキル[両方の基とも場合によりフェニル、1−4Cアルコキシ、S−1−4Cアルキル、N(1−4C−アルキル)2で置換されていてもよい]およびフェニル(これもまた場合によりハロゲン、1−4Cアルキル、1−4C−アルキルオキシ、ニトロまたはCF3で置換されていてもよい)であってもよく、そして
R2からR5は、各々独立して、H、ハロゲン、NO2、1−4Cアルキル、1−9Cアルコキシ(これはF、6−10C−アリール、アミノまたは1−4Cアルキルアミノで置換されている);6−10C−アリール−1−4Cアルキルオキシ、6−10C−アリールオキシ、6−10C−アリール、6−10C−アリールオキシ−1−4C−アルキル、3−8CシクロアルキルまたはO(3−8シクロアルキル)(これは場合によりハロゲン、CF3、1−4アルキルオキシまたは1−4Cアルキルで置換されていてもよい);SO2−NH−(1−6Cアルキル)[場合によりN(1−6Cアルキル)2で置換されていてもよい]、SO2−NH−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、SO2−NH−(3−8Cシクロアルキル)[場合により1−4Cアルキルで置換されていてもよい]、SO2−N(1−6Cアルキル)2またはCOX;2−オキソ−ピロリジン−1−イル、2,5−ジメチルピロール−1−イルまたはNR6−A−R7であってもよいが、但しXがO(1−6Cアルキル)、NH(1−6Cアルキル)、NH(3−8CシクロアルキルまたはN(1−6Cアルキル)2の時にはR2、R3、R4およびR5が同時にHであることはないことを条件とし、そしてN(1−6Cアルキル)2はまたピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノまたはピペラジノ[これは場合により1−4Cアルキル、ベンジル、6−10Cアリール、CO−(1−4アルキル)、CO−(6−10アリール)、CO−O−(1−4Cアルキル)、SO2−(1−4Cアルキル)またはSO2−(6−10Cアリール)で置換されていてもよい]であってもよく、
R6はH、1−4Cアルキルまたは6−10C−アリール−1−4Cアルキルであり、ここで、アリールはハロゲン、CF3、1−8Cアルキルオキシまたは1−4Cアルキルで置換されていてもよく、
Aは単結合、COn、SOnまたはCONHであり、
nは1または2であり、
R7はH;1−18Cアルキルまたは2−18Cアルケニル[これは1−4Cアルキル、ハロゲン、CF3、1−4Cアルキルオキシ、N(1−4Cアルキル)2、−COOH、1−4Cアルキルオキシカルボニル、6−12Cアリール、6−12Cアリールオキシ、6−12Cアリールカルボニル、6−10−アリール−1−4C−アルキルオキシまたはオキソで3回以下置換されていてもよく、ここで、アリール自身は場合によりハロゲン、1−4Cアルキル、アミノスルホニルまたはメチルメルカプトで置換されていてもよい];6−10C−アリール−1−4C−アルキル、5−8C−シクロアルキル−1−4Cアルキル、5−8Cシクロアルキル、6−10−アリール−2−6C−アルケニル、6−10Cアリール、ビフェニニル、ジフェニル−(1−4アルキル)、インダニル[これは場合により1−18Cアルキル、1−18Cアルキルオキシ、3−8Cシクロアルキル、COOH、ヒドロキシ、1−4Cアルキルカルボニル、6−10C−アリール−1−4Cアルキル、6−10C−アリール−1−4Cアルキルオキシ、6−10Cアリールオキシ、ニトロ、シアノ、6−10Cアリール、フルオロスルホニル、1−6Cアルキルオキシカルボニル、6−10アリールスルホニルオキシ、ピリジル、NHSO2−(6−10アリール)、ハロゲン、CF3またはOCF3で置換されていてもよく、ここで、アルキルは追加的に1−4Cアルキルオキシカルボニル、CF3またはカルボキシで置換されていてもよく、そしてアリールはハロゲン、CF3または1−4Cアルキルオキシで置換されていてもよい];または基Het−(CH2)r−[ここで、r=0、1、2または3、そしてHet=5−7員の飽和もしくは不飽和複素環(これは場合によりベンゾ縮合していてもよくかつ1−4Cアルキル、6−10Cアリール、ハロゲン、1−4Cアルキルオキシ、1−4Cアルキルオキシカルボニル、6−10C−アリール−1−4Cアルキル、6−10C−アリール−1−4C−アルキルメルカプトまたはニトロで置換されていてもよく、ここで、ベンゾ縮合しているアリールはハロゲン、1−4CアルキルオキシまたはCF3で置換されていてもよく、そしてアリールアルキルの中のアルキルはメトキシおよびCF3で置換されていてもよい)]である。
【0061】
前記式(A)で表されるリパーゼ阻害性化合物はWO 03/072098の中により詳細に記述されており、公知方法に従って入手可能である。前記国際特許出願WO 03/072098にはまた式(A)で表されるリパーゼ阻害性化合物の適切な合成も記述されている。前記国際特許出願WO 03/072098の内容は式(A)で表されるリパーゼ阻害薬の開示に関して全体を引用することによって本出願に組み入れられる。
【0062】
加うるに、米国特許US 6,624,161およびこれに相当する国際特許出願WO 00/040569およびWO 00/40247にもさらなるリパーゼ阻害性化合物が記述されており、それらもまた本発明に関連して本明細書に記述するCB1拮抗性化合物と組み合わせて用いるに適する。前記特許資料US 6,624,161およびWO 00/040569には2−オキシ−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン誘導体である一連の化合物(ATL−962を包含)およびそれらを肥満および肥満関連疾患(2型糖尿病を包含)で用いることが記述されている。前記2−オキシ−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン誘導体は式(B):
【0063】
【化9】

{式中、
R1aは、
(i)分枝もしくは非分枝C10−30アルキル[これは場合により独立してC3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、還元されたヘテロアリール、−C(O)R13、−CO2R13、−SOR13、−SO2R13、−NR13R14、−OR13、−SR13、−C(O)NR13R14、−NR14C(O)R13、ハロゲン、シアノおよびニトロの中の1個以上で置換されていてもよくそして/または場合により1個以上の酸素原子が割り込んでいてもよいが、但しR1a中の如何なるヘテロ原子も環外酸素原子から(または他のいずれのヘテロ原子からも)少なくとも炭素原子2個分離れているべきであることを条件とする]、
(ii)C2−25アルケニル、C2−25アルキニル、C3−6シクロアルケニル、アリール−C2−25アルケニル、ヘテロアリール−C2−25アルケニル、還元されたヘテロアリール、還元されたヘテロアリール−C1−25アルキルまたは前記基いずれかの置換誘導体[ここで、これらの置換基は独立してC1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、アリール、アリール−C1−6アルキル、ヘテロアリール、還元されたヘテロアリール、還元されたヘテロアリール−C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アリール−C1−6アルコキシ、−C(O)R13、−CO2R13、−SOR13、−SO2R13、−NR13R14、−OR13、−SR13、−C(O)NR13R14、−NR14C(O)R13、ハロゲン、シアノおよびニトロの中の1個以上であるが、但しR1a中の如何なるヘテロ原子も環外酸素原子から(または他のいずれのヘテロ原子からも)少なくとも炭素原子2個分離れているべきであることを条件とする]、
(iii)C2−9アルキル基[これには酸素原子が1個以上割り込んでおりかつこれは場合により独立してC3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、還元されたヘテロアリール、−C(O)R13、−CO2R13、−SOR13、−SO2R13、−NR13R14、−OR13、−SR13、−C(O)NR13R14、−NR14C(O)R13、ハロゲン、シアノおよびニトロの中の1個以上で置換されていてもよいが、但しR1a中の如何なるヘテロ原子も環外酸素原子から(または他のいずれのヘテロ原子からも)少なくとも炭素原子2個分離れているべきであることを条件とする]、または
(iv)C1−9アルキル基[これは−C(O)R13、−CO2R13、SOR13、SO2R13、NR13R14、OR13、SR13、C(O)NR13R14、NR14C(O)R13から選択される基で置換されている];テトラヒドロナフチル、ピリジル、ピロリル、ピペリジニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、二環状アリール、二環状ヘテロアリール、還元された一環状もしくは二環状ヘテロアリール、一環状ヘテロアリール(イミダゾリル以外);
(v)フェニル基[OR17、−COR13、−CO2R13、SOR13、SO2R13、CONR13R14、NR14C(O)R13;ハロ置換C1−6アルキル、アリール、アリールC1−6アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールC1−6アルキルから選択される基で置換されている];または
(vi)二環状アリール、二環状ヘテロアリール、還元された一環状もしくは二環状ヘテロアリールまたは一環状ヘテロアリール基(イミダゾリル以外)[場合によりOR17、−COR13、−CO2R13、SOR13、SO2R13、CONR13R14、NR14C(O)R13;ハロ置換C1−6アルキル、アリール、アリールC1−6アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールC1−6アルキルから選択される基で置換されていてもよく、ここで、R13およびR14は、各々独立して、水素、C1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、還元されたヘテロアリールまたは還元されたヘテロアリールC1−10アルキルを表し、そしてR17は水素またはC2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルケニル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールC1−10アルキル、還元されたヘテロアリールまたは還元されたヘテロアリールC1−10アルキルを表す]、
であり、そして
R8a、R9a、R10aおよびR11aは、各々独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C1−10シクロアルキル、C1−10シクロアルコキシ、C(O)R15、C(O)NR15R16、S(O)R15またはハロC1−10アルキルであり、ここで、R15およびR16は、各々独立して、水素またはC1−10アルキルを表すが、但しR8a、R9a、R10aおよびR11aがHの時にはR1aがCH2CH2ClでもC3アルケニルでもないことを条件とする}
で表されるか或はそれの薬学的に受け入れられる塩、エステル、アミドまたはプロドラッグである。
【0064】
更に、関連した国際特許出願WO 00/40247にも2−アミノ−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン誘導体がリパーゼ阻害性化合物として肥満の治療で記述されている。その場合、式(B)中の−OR1a置換基が−NR1R2基に置き換わっており、ここで、R1およびR2の定義はWO 00/40247に示されている通りである。
【0065】
この上に示した構造的に関連した化合物の群には、Alizymeの膵リパーゼ阻害薬研究プログラムでもたらされた経口非吸収性の合成リパーゼ阻害薬であるATL−962が含まれるが、これは肥満の潜在的治療および2型糖尿病の潜在的管理のための開発下にある。ATL−962の化学名は2−ヘキサデシルオキシ−6−メチル−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オンである。前臨床試験でATL−962の効力はオルリスタットのそれに類似しておりかつ毒性がないことが分かった。また、前記化合物の臨床データも公有として入手可能であり、例えばATL−962を肥満に関して用いた臨床試験の結果を入手することができる。
【0066】
従って、ATL−962を用いたフェーズIbプログラムで得られた結果がブラジルのサンパウロで開催されたInternational Congress of Obesityで提示された。その第3相のIb試験は、5日間に渡って全体で99人の健康な女性志願者を7人または9人の群に分けてATL−962(66人の被験者)またはプラセボ(24人の被験者)を数種類の用量の中の1種類の用量で食事と一緒に日に3回与えることを伴う。1つのグループでは9人の被験者に120mgのオルリスタット(qv)を日に3回与えた。ATL−962は全体として安全でありかつ耐容性も良好でありかつ食事に由来する脂肪の排泄が増加したことで示されるように効力があると言った証拠が示された。50mgから300mgの範囲の用量のATL−962を食事と一緒に日に2回与えた被験者が排泄した脂肪は平均で4.9(±4.3)から11.2(±6.9)g/日の範囲であることに比較してプラセボの場合には1.4(±1.0)g/日でありそしてオルリスタットの場合には5.6(±3.8)g/日であった。プラセボと比較して、ATL−962(50mgから300mg)を与えた被験者の55%が脂肪排泄量が3倍以上多くなったことが分かりかつ被験者の27%が7倍以上多くなったことが分かった。用量依存の証拠が見られた。有害事象および頻度はATL−962とプラセボの間で同様であり、主に胃腸内で起こり、主な有害反応は便が油っぽいことであった。
【0067】
370人の臨床的に肥満の患者に関する多施設無作為二重盲検式パラレルグループ試験(第IIb相試験)をヨーロッパの5カ国の専門病院で実施し、そして2003年の9月に予備的結果を報告した。あらゆる投薬濃度(60、120および240mg)のATL−962がプラセボと比較してあらゆる処置グループに有意な体重減少をもたらすことが分かった。処置グループの間の体重減少の度合には差がなかった。処置グループではLDL−コレステロールが減少したが、プラセボグループでは減少しなかった。処置グループにはHDL−コレステロール濃度に差が存在しなかったが、プラセボで処置した患者ではその濃度が上昇した。処置グループではコレステロール総量が減少したが、プラセボグループは上昇を示した。ATL−962は安全でありかつ一般的に良好な耐容性を示した。
【0068】
ATL−962の如き式(B)で表されるリパーゼ阻害性化合物および構造的に関連した化合物が米国特許US 6,624,161およびこれに相当する国際特許出願WO 00/040569の中により詳細に記述されており、それらは公知方法に従って入手可能である。US 6,624,161および国際特許出願WO 00/040569にはまた前記式(B)で表されるリパーゼ阻害性化合物の適切な合成も記述されている。US 6,624,161および国際特許出願WO 00/040569の内容は式(B)で表されるリパーゼ阻害薬の開示に関して全体を引用することによって本出願に組み入れられる。国際特許出願WO 00/40247の内容もまた、関連した2−アミノ−4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン化合物構造を有するリパーゼ阻害薬(それに記述されている)の開示に関して全体を引用することによって本出願に組み入れられる。
【0069】
本発明に関連して、また、この上に記述したあらゆるリパーゼ阻害性化合物の薬学的に受け入れられる塩、水化物および溶媒和物およびプロドラッグも使用可能である。
【0070】
薬学的賦形剤、補助物質および/または液状もしくは固体状の担体材料を用いた通常方法で式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表されるCB拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩と本発明に従って用いるリパーゼ阻害性化合物を以上で示した病気、特に肥満の小児治療および/または予防、例えば青年または小児への投与などばかりでなく薬剤誘発肥満を治療する時の投与に適した形態にすることができる。前記CB拮抗性化合物および/またはリパーゼ阻害性化合物を治療薬として(通常の)薬学的賦形剤、アジュバントおよび/または助剤と一緒に医薬品、例えば錠剤、カプセル、座薬または溶液などの中に含有させてもよい。そのような医薬品の調製は公知方法に従って通常の固体状もしくは液状媒体、例えばラクトース、澱粉またはタルクなど、または液状パラフィンを用いそして/または(通常の)薬学的賦形剤、アジュバントおよび/または助剤、例えば錠剤崩壊剤、可溶化剤または防腐剤などを用いて実施可能である。
【0071】
従って、本発明は、さらなる面において、CB受容体活性を有する式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩を少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて含有させた薬剤組成物にも関する。好適な薬剤組成物は、この上で定義した如き式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される少なくとも1種の化合物を少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と一緒に組み合わせた組み合わせ活性成分として含有した組成物である。本発明に従うさらなる薬剤組成物は、以上に定義した如きCB受容体活性を有する式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される少なくとも1種の化合物、好適にはCB拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩と少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物を青年または子供の患者における肥満の治療および/または予防および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の活性成分として含有した組成物である。本発明に従う特別な薬剤組成物は、以上で定義した如きCB受容体活性を有する式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される少なくとも1種の化合物、好適にはCB拮抗薬またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩と少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物の各々が肥満の治療を必要としている子供の患者における肥満を治療および/または予防するに有効に適した量で存在することを特徴とする。本発明のさらなる態様では、CB拮抗性化合物、特に前記式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表されるCB拮抗性化合物とリパーゼ阻害性化合物の各々を薬剤組成物の中に薬剤誘発肥満の治療を必要としている子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満を治療および/または予防するに有効に適した量で存在させる。本発明に従う薬剤組成物では、CB拮抗性化合物、好適には前記式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表されるCB拮抗薬またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩を好適にはリパーゼ阻害性重合体、オルリスタット、パンクリシン、ATL−962およびリプスタチンの群から選択した少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて用いる。
【0072】
本発明は、また、CB拮抗性化合物、好適には以上で定義した如き式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の中の1つで表されるCB拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩を薬剤として含有しかつ肥満を治療および/または予防する時に前記CB拮抗性化合物をリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて同時、個別または段階的投与で投与してもよいことを示す説明書をつけた医薬品にも関する。
【0073】
最後に、本発明はまた、肥満、例えば青年または子供の患者における肥満を治療および/または予防および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満を治療および/または予防する方法も包含し、この方法は、そのような治療を必要としている患者にCB拮抗性化合物、特にカンナビスCB受容体の拮抗薬である式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩を少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて投与することを特徴とする。
【0074】
本発明に従う好適な肥満治療および/または予防方法では、以上で定義した如き式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の中の1つで表される化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩であるCB拮抗性化合物を少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて投与する。本発明に従う肥満治療および/または予防方法は、青年または子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満に向けたものであり得る。本発明の変形における治療および/または予防方法は、その治療が子供の患者における肥満に向けたものであることを特徴とする。本発明のさらなる変形における治療および/または予防方法は、その治療が子供または青年の患者における薬剤誘発肥満に向けたものであることを特徴とする。本発明に従う治療および/または予防方法では、CB拮抗性化合物、好適には以上で定義した如き式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の中の1つで表されるCB拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩を好適にはリパーゼ阻害性重合体、オルリスタット、パンクリシン、ATL−962およびリプスタチンの群から選択した少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて投与する。
【0075】
本発明に従い、CB拮抗性化合物、好適には以上で定義した如き式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の中の1つで表されるCB拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩を、前記リパーゼ阻害性化合物と組み合わせて同時、個別または段階的投与経路で投与する。
【0076】
本発明に従う組み合わせまたは組成物で用いる化合物の各々を好適にはそれを必要としている患者に状態、疾患または病気、例えば肥満などの症状を予防および/または治療するに充分な量で投与する。本発明のあらゆる面、特に医学面に関して、担当医はある化合物または組成物の投与の投薬計画を最終的に決定しかつ用いるべき化合物、動物の種類、年齢、体重、症状の重篤度、投与方法、有害反応および/または他の禁忌などの如き要因を考慮に入れるであろう。具体的な限定投薬範囲は、標準的に考案された臨床試験で患者の進行および回復を充分に監視することで決定可能である。そのような試験では、動物に許容される最大用量の中の低い方のパーセントをヒトに出発用量として用いて用量を高くしていく計画を用いることができる。
【0077】
本発明に従う組み合わせまたは組成物で用いる生理学的に受け入れられる化合物の各々を通常は例えば前記式(I)で表される化合物またはこれの生理学的に受け入れられる塩を遊離塩基として計算して1mgから2000mg、好適には30mgから1000mg、例えば10から250mgの範囲の経口用量または0.1mgから100mg、好適には0.1mgから50mg、例えば1から25mgの範囲の静脈、皮下または筋肉内用量の1日当たりの投薬計画(成人の患者の場合)で投与するが、化合物を1日当たりに投与する回数は1から4回である。本化合物を、適切には、治療期間、例えば1週間以上に渡って連続的に投与する。子供の患者の場合、通常は、成人の患者の場合の経口用量の一部、例えば成人の患者に関してこの上に記述した経口用量の1/5から1/2の量で投与する。
【0078】
本発明の1つの態様における治療および/または予防方法は、好適には、子供の患者における肥満の治療に向けたものである。本発明の別の好適な態様における治療および/または予防方法は、子供または青年の患者における薬剤誘発肥満の治療に向けたものである。そのような薬剤誘発肥満は特に非定型抗精神病薬の如き薬剤によって引き起こされる可能性がある。
【0079】
本発明の1つの態様における治療および/または予防方法は、子供の患者における肥満の治療に向けたものである。従って、子供の肥満および関連した共存症、例えば2型糖尿病などを治療しようとする時にはカンナビノイド拮抗薬をリパーゼ阻害薬と組み合わせて用いるのが特に適切で有利である。肥満は成人集団で医学的に益々重要な問題になっているばかりでなく子供および(若いおよび年を取った)青年でも益々重要な問題になってきていることから改良された治療が医学的に明らかに必要とされている。1960年代から1990年代に米国で行われた全国調査で子供の過体重患者率は5%から11%まで高くなった(Sorof and Daniels 2002)。別の例として、カナダでは、子供の肥満は過去20年の間に3倍になった(Spurgeon 2002)。子供の肥満は幅広い範囲の重大な合併症を引き起こしかつ生涯の早い時期の病気そして後期の死亡の危険性を高めており、それによって、公衆衛生の関心が高まっている(Ebbeling、Pawlak他、2002)。2型糖尿病の症例が過去数十年に渡って劇的に増加したことが観察され、特に子供にも観察された。そのような病気が流行する傾向は明らかに肥満の率が高くなったことを反映している。2型糖尿病は過去において成人および老人病として見なされていて、小児病ではないと考えられていた(Arslanian 2002)。小児の2型糖尿病の主な危険因子の1つは肥満である。
【0080】
子供(成人と同様に)における2型糖尿病はインスリン抵抗症候群の一部であるが(Rosenbloom 2002)、そのような症候群には、高血圧、異常脂質血症および他のアテローム性動脈硬化症危険因子、そして早すぎる副腎皮質機能亢進性思春期徴候および多嚢胞性卵巣症候群として見られる高アンドロゲン血症が含まれる。子供の肥満に関連した他の結果には、左心室肥大、非アルコール性脂肪性肝炎、閉塞性睡眠時無呼吸、整形外科的問題およびひどい心理社会的問題が含まれる。
【0081】
加うるに、子供では再び肥満に関連して原発性高血圧が独立した主要な危険因子として益々一般的になってきている。肥満の子供は肥満でない子供に比べて高血圧になる危険性は約3倍高い(Sorof and Daniels 2002)。子供の体重を減少させることで血圧を低くすることの利点は観察および介入研究の両方で立証された。
【0082】
遺伝学的に安定な集団の子供の肥満の蔓延が急速に進展していることから公衆の関心が高くなってきている。生活様式を変えさせる直接的な推奨が成される理由になっている、主に不利な環境的要因である原動要因が憶測されている。肥満およびこれに関連した共存症は非常に重大な医学的状態であるが、肥満、特に子供の肥満に関する最新技術の手段および治療は時間を費やしてあまり有効でないままである(Ebbeling、Pawlak他、2002)。2型糖尿病の管理もまた特に子供および青年の年齢のグループでは困難である(Silink 2002)。おいしい食品を消費することを切望することがヒト、特にまた子供および青年における生活様式に関連した肥満の重要な要因の1つである。2型糖尿病および代謝異常による他の共存症および症状の治療:子供における2型糖尿病で経口血糖降下薬を用いることに関するデータはメトホルミン用いた時のデータのみであった(Rosenbloom 2002)。
【0083】
従って、本発明に従ってCB拮抗薬をリパーゼ阻害薬と組み合わせて用いるとそのような「推進力」と相互作用することで肥満の治療にとってユニークな機会が与えられる。それらは現在の医学的治療に比べて優れており、特に青年ばかりでなく小児治療にも適する、と言うのは、それらは卓越した安全性プロファイルおよび/または耐容性および驚くべきほど有利な組み合わせ効果を有するからである。肥満の治療、特に子供の肥満の治療では効力以外に安全性が要求される。
【0084】
子供における肥満は、長期管理を要する可能性のある医学的状態である。本発明に従ってCB拮抗薬をリパーゼ阻害薬と組み合わせて用いた時の安全性のプロファイルは現在標準的な薬物療法のそれよりも優れていると考えられており、かつそのようにCB拮抗薬をリパーゼ阻害薬と組み合わせることは青年における肥満および子供の肥満および関連した共存症の治療および予防に特に適するであろう。
【0085】
文献:
Arslanian,S.(2002)。「Type 2 diabetes in children:clincal aspects and risk factors.」Horm Res 57 Suppl 1:19−28
Ebbeling,C.B.、D.B.Pawlak他、(2002)。「Childhood obesity:public−health crisis,common sense cure.」Lancet 360(9331):473−82
Rosenbloom,A.L.(2002)。「Increasing incidence of type 2 diabetes in children and adolescents:treatment consideratons.」Paediatr Drugs 4(4):209−21
Silink,M.(2002)。「Childhood diabets:a global perspective.」Horm Res 57 Suppl 1:1−5
Sorof.JおよびS.Daniels(2002)。「Obesity hypertension in children:a problem of epidemic proportions.」Hypertension 40(4):441−7
Spurgeon,D.(2002)。「Childhood obesity in Canada has tripled in past 20 years.」Bmj 324(7351):1416
【0086】
本発明の別の態様における治療および/または予防方法は、子供または青年の患者における薬剤誘発肥満の治療に向けたものである。また、薬剤に誘発されて体重が上昇することも主要な懸念になっており、治療法を改善する医学的必要性が高い。再び、これに関連して、本発明に従ってCB拮抗薬をリパーゼ阻害薬と組み合わせて用いる方が現在の標準的薬物療法よりも優れていると考えており、かつそのようにCB拮抗薬をリパーゼ阻害薬と組み合わせることは子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および予防に特に適するであろう。
【0087】
薬剤で誘発されて起こる体重上昇に関して、Zimmermann,U.、T.Kraus他(2003、「Epidemilogy,implications and mechanisms underlying drug−induced weight gain in psychiatric patients」、J Psychiatr Res 37(3):193−220)は、体重上昇はしばしば精神疾患を薬剤で治療している時に起こりかつしばしば食欲増進または大食症が付随して起こる。そのような副作用が起こる頻度および時間的過程は予測困難であるが、その結果として最終的に患者の大部分に肥満およびこれに関連した病的状態がもたらされ、それによってしばしば治療が有効であっても治療を継続することができなくなってしまう。ある種の第2世代抗精神病薬およびある種の気分安定剤を用いた治療を受けさせた患者では体重の上昇が最も顕著であると思われる。また、大部分の三環状抗鬱薬を用いた治療を行っている間にも顕著な体重上昇がしばしば起こる。
【0088】
非常に大きな体重上昇は薬剤、例えば非定型抗精神病薬であるクロザピンおよびオランザピンなどに関連して起こる。しかしながら、ある種の非定型抗精神病薬は大きな体重上昇の原因になる傾向があり、それによって承諾度合が劣りかつ他の不利な健康上の影響が生じる可能性もある[Nasrallah,H.(2003)、「A review of the effect of atypical antipsychotics on weight」、Psychoneuroendocrinology 28 Suupl 1:83−96]。抗精神病薬に関連した体重上昇に関する機構はまだ不明確であるが、セロトニン作動性、ヒスタミン性およびアドレナリン作動性親和性が他の代謝機構と一緒に関係していると考えられている。そのような非定型抗精神病薬が長期治療に伴って体重変化の原因になる傾向は多様である。追跡調査により、クロザピンおよびオランザピンに関連した体重上昇が最大でありかつケチアピンおよびジプラシドンに関連した体重上昇が最も低いことが分かっている。リスペリドンに関連した体重変化は中程度であり、これは用量に関係なく起こる。肥満の重大な医学的結果が原因で起こる体重上昇のプロファイルは非定型抗精神病薬の効力を等しくして治療のアルゴリズムを構築する時に考慮すべき妥当な要因である。これに関して、CB拮抗薬を本発明に従ってリパーゼ阻害薬と組み合わせて共投与することは有益に働くと考えている。
【0089】
CB拮抗性化合物とリパーゼ阻害薬が肥満に対して示す効果を調べる試験の実験プロトコル
標準的な実験動物モデルを用いてCB拮抗薬をリパーゼ阻害薬と組み合わせて投与した時に肥満に関連した推進および特徴的パラメーターに対して生じる影響を測定することで、CB拮抗薬を本発明に従ってリパーゼ阻害薬と組み合わせた時の有益な薬理学的効果を示すことができる。
【0090】
CB拮抗薬とリパーゼ阻害薬の組み合わせが肥満に対して示す影響を調査する目的で、ラットの体重上昇を薬理学的指標として測定することができる。従って、下記の実験プロトコルをラットに適用することができる。
【0091】
逆12時間/12時間光サイクル、例えばライトを21.15時間つけそして09.15時間切るサイクルの暗段階中に1日当たり2回、2.5時間の間、ラットが餌を自由に取れるようにする。ラットに高脂質で高スクロースの餌(Western餌)を与える。ラットに餌を与える直前にリパーゼ阻害薬を投与する。リパーゼ阻害薬を投与する1時間前にCB拮抗薬を投与する。
【0092】
一例として、下記の1日当たりの投薬計画を所定期間、例えば数日間、数週間または数カ月間適用してもよい:
CB拮抗薬、特にこの上で定義した如き式(I)で表されるCB拮抗性化合物または1回分の媒体を朝の約07.45から08.00時に投与(po)する。リパーゼ阻害薬、例えば特にオルリスタットまたは1回分の媒体を約08.45から09.00時に投与(po)する。薬剤投与後、09.15から11.45時の間、ラットに餌を自由に与えた後、約11.45から14.45時の間は餌を取り除く。午後の約14.15から14.30時にリパーゼ阻害薬、例えば特にオルリスタットなどまたは1回分の媒体(Labrasol)をさらなる量で投与(po)した後、14.45から17.15時の間は餌を自由に取らせる。その後、17.15−09.15時の間はラットを絶食状態に置く。
【0093】
前記実験プロトコルの結果を用いて、実験段階中に組み合わせ治療が肥満に対して示す効果の指標として1日当たりの餌摂取量と体重上昇を比較する。この上に示したパラメーターに加えて、また、排泄物を集めて脂肪の消化を推定するのも望ましい可能性がある。最終的に、また、死体解析を実施するのも望ましい可能性がある。
【0094】
その上、実験的飼育および投与段階が終了した後にラットを屠殺して生化学的パラメーターを測定してもよい。
【0095】
効果を調査する目的で、前記実験プロトコルを受けさせるラットの総数を各グループのラット数がほぼ同じになるように下記のグループに分ける:
1)対照グループ:投与を模擬するプロトコルに従ってラットに媒体のみを与える(プラセボグループ)。
2)CBグループ:ラットにCB拮抗薬を媒体に入れて与える。
3)LIグループ:ラットにリパーゼ阻害薬(「LI」)、例えばオルリスタット化合物などを媒体に入れて与える。
4)CB+LIグループ(組み合わせグループ):ラットにCB拮抗薬を媒体に入れて与えかつリパーゼ阻害薬(「LI」)、例えばオルリスタット化合物などを媒体に入れて与える。
【0096】
前記プロトコルおよび個々の調査の結果、CB拮抗薬とリパーゼ阻害薬の組み合わせが肥満の治療および/または予防に有益に適することが分かる。
【0097】
式(V)で表される化合物の調製
カンナビノイド−CB受容体の効力のある作動薬、部分的作動薬、逆作動薬または拮抗薬であり、精神疾患および神経疾患の治療で用いるに有用であるばかりでなく他のカンナビノイド−CB神経伝達関連疾患の治療にも有用な式(V)で表される1H−1,2,4−トリアゾール−カルボキサミド誘導体は本明細書の上で定義した誘導体である。
【0098】
1,5−ジアリール−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド誘導体はEP 0346620およびGB 2120665に除草剤として記述されている。最近、1,2,4−トリアゾールはカンナビノイド−CBおよび−CB受容体の効力のある作動薬および拮抗薬であるとして記述された[Jagerovic,N.他、Drugs Fut.2002、27(Supple.A):XVIIth Int.Symp.on Medicinal Chemistry、P284]。
【0099】
アミドのN原子が非置換ピペリジニルまたはモルホリニル基の一部である群の4種類の1,5−ジアリール−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド誘導体がD.ClerinおよびJ.P.Fleury、Bull.Soc.Chim.Fr.、1974、1−2、Pt.2、211−217
に記述されている。
【0100】
1−(4−メチルフェニル)−5−フェニル−N−(2−ピリジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドがM.H.Elnagdi他、Heteroatom Chem.、1995、6、589−592に記述されている。
【0101】
4種類の1,5−ジアリール−N−(2−ピリジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミドの群がA.H.Harhash他、Indian J.Chem.、1976、14B、268−272に記述されている。
【0102】
本発明で用いる式(V)で表される化合物の適切な合成経路は下記である:
【0103】
合成経路A
段階1:が分枝もしくは非分枝(C1−4)アルキル基またはベンジル基を表す式(S−II)
【0104】
【化10】

で表される化合物のエステルに加水分解を受けさせると式(S−III)
【0105】
【化11】

[式中、RおよびRは、以上に記述した如き意味を有する]
で表される化合物が生じる。
【0106】
が分枝もしくは非分枝(C1−4)アルキル基またはベンジル基を表す式(S−II)で表される本発明の化合物は公知方法、例えば
a)Sawdey,G.W.、J.Am.Chem.Soc.1957、79、1955
b)Czollner,L.他、Arch.Pharm.(Weinheim)1990、323、225
c)Eicher,T.およびHauptmann,S. The Chemistry of Heterocycles、Thieme Verlag、Stuttgart、1995(ISBN 313 1005114)、208−212頁
に従って入手可能である。
【0107】
段階2:式(S−III)で表される化合物と式RNH[式中、RおよびRは、以上に記述した如き意味を有する]で表される化合物の反応を活性化および連成方法、例えば活性エステルの生成を通してか或は連成剤、例えばDCC、HBTU、BOP、CIP(ヘキサフルオロ燐酸2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム)またはPyAOP(ヘキサフルオロ燐酸7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム)などの存在下で起こさせる。そのような種類の活性化および連成方法は
a)M.BodanszkyおよびA.Bodanszky:The Practice of Peptide Synthesis、Springer−Verlag、New York、1994;ISBN:0−387−57505−7;
b)K.Akaji他、Tetrahedron Lett.(1994)、35、3314−3318
c)F.Albericio他、Tetrahedron Lett.(1997)、38、4853−4856
に記述されている。
【0108】
前記反応で式(V)で表される1H−1,2,4−トリアゾール誘導体を得る。
【0109】
合成経路B
式(S−III)で表される化合物とハロゲン化剤、例えば塩化チオニル(SOCl)または塩化オクザリルなどと反応させる。この反応で相当する塩化カルボニル(酸クロライド)(S−IV)
【0110】
【化12】

が生じる。
【0111】
式(S−IV)で表される化合物と式RNH[式中、RおよびRは、以上に記述した如き意味を有する]で表される化合物を反応させると、式(V)で表される1H−1,2,4−トリアゾール誘導体が生じる。
【0112】
合成経路C
式(S−II)で表される化合物と式RNH[式中、RおよびRは、本明細書上に記述した如き意味を有する]で表される化合物をアミド化反応で反応させると式(V)で表される1H−1,2,4−トリアゾール誘導体が生じる。
【0113】
トリメチルアルミニウムAl(CHを用いて前記アミド化反応を促進させることができる(エステルからアミドへのアルミニウム媒介変換に関するさらなる情報に関してはJ.I.Levin、E.Turos、S.M.Weinreb、Synth Commun.(1982)、12、989−993を参照のこと)。
【0114】
実施例1
パートA:塩酸アミノマロン酸ジメチル(25グラム、0.136モル)をジクロロメタン(200mL)に入れることで生じさせた溶液を0℃で撹拌しながらこれにトリエチルアミン(41.4mL、2.2モル当量)を加える。塩化4−クロロベンゾイル(23.8グラム、0.136モル)をゆっくり加えた後、その結果として生じた溶液を室温で一晩放置する。水を加えた後、有機層を分離する。その水層をジクロロメタンによって2回抽出する。その有機層を集めて水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した後、真空下で濃縮する。その残留物をメタノール(400mL)から再結晶化させることで2−(4−クロロベンゾイルアミノ)マロン酸ジメチル(30.5グラム、79%の収率)を得る。融点:146−148℃、H−NMR(200MHz、CDCl):3.86(s、6H)、5.38(d、J=6Hz、1H)、7.15(br d、J〜6Hz、1H)、7.43(d、J=8Hz、2H)、7.79(d、J=8Hz、2H)。
パートB:2,4−ジクロロアニリン(19.44グラム、0.12モル)を濃HCl(25mL)と酢酸(75mL)に入れることで生じさせた懸濁液を0℃で撹拌しながらこれにNaNO(9.0グラム、0.13モル)を水(50mL)に入れることで生じさせた溶液を加えた後、その結果として生じた溶液を15分間撹拌する。温度を0℃未満に保持しながら、2−(4−クロロベンゾイルアミノ)マロン酸ジメチル(28.55グラム、0.10モル)をアセトン(200mL)に入れることで生じさせた溶液をゆっくり加える。KCO(120グラム)を水(200mL)に入れることで生じさせた溶液をゆっくり加えた後、その結果として得た黒色の混合物を0℃で30分間撹拌する。この混合物をEtOAcによって3回抽出する。その有機物を集めて水、NaHCO水溶液そして水の各々で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過した後、真空下で濃縮する。その残留物をメタノール(500mL)に溶解させた後、ナトリウム(1グラム)をメタノール(75mL)に入れることで生じさせた溶液を加える。その結果として得た混合物を撹拌しながら室温に一晩放置した後、冷蔵庫に入れて冷却する。生じた沈澱物を濾過で集めた後、メタノールで洗浄することで5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸メチル(11.4グラム、30%の収率)を得る。融点:153−154℃、H−NMR(200MHz、CDCl):4.07(s、3H)、7,287.60(m、7H)。
パートC:5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸メチル(11.3グラム、0.0295モル)をメタノール(100mL)に入れることで生じさせた懸濁液を撹拌しながらこれにKOH(45%の水溶液、7.5mL)を加えた後、その結果として得た混合物を還流温度で4時間加熱する。この混合物に濃縮を真空下で受けさせた後、水(150mL)および濃HClを加える。黄色の沈澱物を濾過で集め、水で洗浄した後、真空下で乾燥させることで5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸(10.0グラム、92%の収率)を得る。融点:141−144℃(分解)。
パートD:5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸(1.48グラム、4.0ミリモル)をアセトニトリル(20mL)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながら、これに逐次的にジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(1.5mL、2.1モル当量)、ヘキサフルオロ燐酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HBTU)(1.66グラム、1.1モル当量)そして1−アミノピペリジン(0.44グラム、1.1モル当量)を加える。撹拌を一晩行った後にNaHCO水溶液を加える。その結果として得た混合物をジクロロメタンによって3回抽出する。その有機層を一緒にして水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、真空下で濃縮することで粗油(3.6グラム)を得る。この油をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;EtOAc/石油エーテル(40−60℃)=7/3(体積/体積))で更に精製する。その精製した材料をHClのエタノール溶液(1Mの溶液)で処理することで塩酸5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(ピペリジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(1.50グラム、77%の収率)を得る。融点:238−240℃(分解)。H−NMR(400MHz、DMSO−d):1.46−1.54(m、2H)、1.78−1.85(m、4H)、3.22−3.28(m、4H)、7.50(s、4H)、7.70(dd、J=8および2Hz、1H)、7.85−7.87(m、1H)、7.91(d、J=8Hz、1H)、(NHは見えない)。
【0115】
下記の実施例2−18を同様に調製した:
2. 塩酸5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(ピロリジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。融点:248−255℃(分解)。
3. 5−(4−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−1−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。融点:186−188℃。
4. N−t−ブトキシ−5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。融点:150−152℃。
5. 5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(n−ペンチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。H−NMR(400MHz、CDCl):0.92(t、J=7Hz、3H)、1.35−1.44(m、4H)、1.62−1.70(m、2H)、3.48−3.56(m、2H)、7.20−7.25(m、1H)、7.34(dt、J=8および2Hz、2H)、7.42−7.50(m、4H)、7.54(d、J=2Hz、1H)。
6. 5−(4−クロロフェニル)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(モルホリン−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。融点:184−186℃。
7. 塩酸1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(ピペリジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。融点:234−237℃(分解)。
8. 塩酸1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(ピロリジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。融点:234−236℃(分解)。
9. 1−(4−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−5−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。H−NMR(400MHz、CDCl):1.14−1.81(m、8H)、2.02−2.10(m、2H)、4.00−4.11(m、1H)、7.08(br d、J〜7Hz、1H)、7.26(br d、J〜8Hz、2H)、7.34(br d、J〜8Hz、2H)、7.40(dd、J=8および2Hz、1H)、7.44−7.48(m、2H)。
10. N−t−ブトキシ−1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。H−NMR(400MHz、CDCl):1.38(s、9H)、7.25(br d、J〜8Hz、2H)、7.35(br d、J〜8Hz、2H)、7.41(dd、J=8および2Hz、1H)、7.44−7.48(m、2H)、9.18、br s、1H)。
11. 1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(n−ペンチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。H−NMR(400MHz、CDCl):0.91(t、J=7Hz、3H)、1.35−1.41(m、4H)、1.60−1.70(m、2H)、3.48−3.56(m、2H)、7.21(br t、J〜7Hz、1H)、7.26(br d、J〜8Hz、2H)、7.34(br d、J〜8Hz、2H)、7.40(dd、J=8および2Hz、1H)、7.44−7.48(m、2H)。
12. 塩酸1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(モルホリン−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。融点:224−226℃。
13. 1−(2,4−ジクロロフェニル)−5−(ピリジン−2−イル)−N−(ピペリジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。融点:191−193℃。
14. 5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(ピペリジン−1−イル)−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。融点:159−161℃。
15. 1’−[5−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)カルボニル]ピペリジン。融点:155−156℃。
16. 1−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(ピペリジン−1−イル)−5−(ピリジン−3−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。融点:219℃。
17. 1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(5,5,5−トリフルオロペンチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。H−NMR(400MHz、CDCl):1,631.80(m、4H)、2.06−2.22(m、2H)、3.54(q、J〜7Hz、2H)、7.26(m、3H)、7.34(br d、J〜8Hz、2H)、7.40(dd、J=8および2Hz、1H)、7.44−7.48(m、2H)。
18. 1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(5−フルオロペンチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。H−NMR(400MHz、CDCl):1,631.80(m、4H)、2.06−2.22(m、2H)、3.54(q、J〜7Hz、2H)、7.22−7.28(m、3H)、7.34(br d、J〜8Hz、2H)、7.40(dd、J=8および2Hz、1H)、7.44−7.48(m、2H)。
【0116】
実施例19
パートA: 1−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸の調製を、塩酸アミノマロン酸ジメチル、塩化2,4−ジクロロベンゾイルおよび4−クロロアニリンのそれぞれを出発材料として用いて、実施例1のパートA−Cに記述した如き手順に類似した手順で実施した。融点:102−104℃。H−NMR(400MHz、DMSO−d):7.36(br d、J〜8Hz、2H)、7.50(br d、J〜8Hz、2H)、7.59(dd、J=8および2Hz、1H)、7.70(d、J=2Hz、1H)、7.75(d、J=8Hz、1H)、OHのプロトンは3.4の所の水のピークの一部である。
【0117】
1−(クロロフェニル)−5−(2,5−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸の調製を、塩酸アミノマロン酸ジメチル、塩化2,5−ジクロロベンゾイルおよび4−クロロアニリンのそれぞれを出発材料として用いて同様に実施した。融点:183−188℃。H−NMR(400MHz、DMSO−d):7.41(br d、J〜8Hz、2H)、7.52(br d、J〜8Hz、2H)、7.56(d、J=8Hz、1H)、7.65(dd、J=8および2Hz、1H)、7.88(d、J=2Hz、1H)、OHのプロトンは3.5の所の水のピークの一部である。
パートB:1−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸(0.37g、1.00ミリモル)をジクロロメタン(10mL)に入れることで生じさせた溶液を撹拌しながらこれに塩化オクザリル(0.254g、2.00ミリモル)を加える。その結果として得た混合物を真空下で濃縮することで粗塩化1−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボニルを得る。
パートC:前記粗塩化1−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボニルをテトラヒドロフラン(THF)(10mL)に溶解させる。2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミン(0.40g、3.00ミリモル)を加えた後、その結果として生じた溶液を25℃で42時間撹拌する。この混合物を真空下で濃縮した後、その残留物を調製用液クロで精製することで高純度の1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド(393mg、81%の収率)を得る。MS(ESI)485.6。H−NMR(400MHz、DMSO−d):3.06(dd、J=16および8Hz、2H)、3.21(dd、J=16および8Hz、2H)、4.71−4.82(m、1H)、7.12−7.16(m、2H)、7.19−7.24(m、2H)、7.39(br d、J〜8Hz、2H)、7.52(br d、J〜8Hz、2H)、7.60(dd、J=8および2Hz、1H)、7.71(d、J=2Hz、1H)、7.79(d、J=8Hz、1H)、8.93−8.97(m、1H、NH)。
【0118】
下記の実施例20−43の調製を同様に実施した:
20. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(1−エチニルシクロヘキシル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)473.3。
21. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(2−メチニルシクロヘキシル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)465.5。
22. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(4−メチルシクロヘキシル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)465.5。
23. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−シクロオクチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)477.3。
24. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(アゼパン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)466.4。
25. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−シクロペンチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)465.5。
26. N−t−ブチル−1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)425.4。
27. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(1,1−ジエチルプロピ−2−イン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)461.5。
28. 1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)451.3。
29. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(エキソ−ビシクロ[2.2.1]ヘプチ−2−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)461.5。
30. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(4−(2−プロピル)ピペラジン−1−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)480.3。H−NMR(400MHz、DMSO−d):1.00(d、J=7Hz、6H)、2.46−2.56(m、4H)、2.72(七重線、J=7Hz、1H)、3.66−3.74(m、4H)、7.36(br d、J=8Hz、2H)、7.51(br d、J=8Hz、2H)、7.59(dd、J=8および2Hz、1H)、7.72(d、J=2Hz、1H)、7.75(d、J=8Hz、1H)。
31. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−イル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)476.4。
32. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−ペンチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)435.5。
33. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(2,2−ジメチルプロピル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)439.6。
34. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−N−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)511.7。
35. 1’−[1−(4−クロロフェニル)−5−(2,4−ジクロロフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)カルボニル]−1,4’−ビピペリジン。MS(ESI)520.5。
36. 1−4−(クロロフェニル)−N−(4−クロロフェニル)−5−(2,5−ジクロロフェニル)−N−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)491.4。
37. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,5−ジクロロフェニル)−N−(1−エチニルシクロヘキシル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)473.4。
38. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,5−ジクロロフェニル)−N−(2−メチルシクロヘキシル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)465.5。
39. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,5−ジクロロフェニル)−N−(4−メチルシクロヘキシル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)465.6。
40. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,5−ジクロロフェニル)−N−シクロオクチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)477.3。
41. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,5−ジクロロフェニル)−N−シクロヘプチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)465.6。
42. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,5−ジクロロフェニル)−N−シクロペンチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)435.5。
43. 1−4−(クロロフェニル)−5−(2,5−ジクロロフェニル)−N−(2,2−ジメチルプロピル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド。MS(ESI)439.6。
【0119】
以上に記述した検定を用いて得た本発明の化合物の小集団が示した薬理学的試験の結果を以下の表に示す:
【0120】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
CB受容体活性を有する式(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)で表される化合物、これのプロドラッグ、互変異性体または塩を子供の患者におけるCB受容体関連病の治療および/または予防および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を製造する時に用いる使用。
【請求項2】
前記CB受容体活性を有する化合物が
a)前記式(I)で表される化合物が
【化1】

[式中、
− RおよびRは、独立して、C1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、(C1−3)−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1−3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイルおよびアセチルの群の同一もしくは異なってもよい1、2、3もしくは4個の置換基Yで置換されていてもよいフェニル、チエニルもしくはピリジル基を表すか、或はRおよび/またはRはナフチルを表し、
− Rは、水素、ヒドロキシ、C1−3−アルコキシ、アセチルオキシまたはプロピオニルオキシを表し、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−8アルキル基またはC3−7−シクロアルキル基を表し、ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基はヒドロキシ基で置換されていてもよく、
− Rは、分枝もしくは非分枝C2−10ヘテロアルキル基、C3−8非芳香ヘテロシクロアルキル基またはC4−10非芳香ヘテロシクロアルキル−アルキル基を表し、ここで、これらの基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上または−SO−基を含有し、前記分枝もしくは非分枝C2−10ヘテロアルキル基、C3−8非芳香ヘテロシクロアルキル基またはC4−10非芳香ヘテロシクロアルキル−アルキル基はケト基、トリフルオロメチル基、C1−3アルキル基、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノもしくはジアルキルアミノ基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはアミノ、ヒドロキシ、フェノキシまたはベンジルオキシ基を表すか、或はRはC1−8アルコキシ、C3−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルまたはC6−9シクロアルケニルアルキル基を表し、ここで、これらの基は硫黄、窒素もしくは酸素原子、ケト基または−SO−基を含有していてもよく、前記アルコキシ、アルケニルおよびシクロアルキル基はヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基もしくはジアルキルアミノ基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはフルオロ原子を含有するC2−5アルキル基を表すか、或はRはイミダゾリルアルキル基、ベンジル、ピリジルメチル、フェネチルまたはチエニル基を表すか、或はRは置換されているフェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1、2または3個の置換基Y(ここで、Yは以上に示した如き意味を有する)で置換されており、或はRがHまたはメチルの時にはRは基NRを表してもよく、ここで、
− RおよびRは、同一もしくは異なり、C2−4アルキル、C2−4トリフルオロアルキルを表すか、
或はRはメチル基を表すが、但しRがC2−4アルキル基を表すことを条件とし、或はRとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から8の飽和もしくは不飽和複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式部分は酸素もしくは硫黄原子またはケト基または−SO−基または追加的窒素原子を含有していてもよく、前記飽和もしくは不飽和複素環式部分はC1−4アルキル基で置換されていてもよく、或は
− RとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式部分は群(O、N、S)の原子を1個以上またはケト基または−SO−基を含有していてもよく、前記部分はC1−4アルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、チエニル、ピリジル、アミノ、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはヘキサヒドロ−1H−アゼピニル基で置換されていてもよく、
− Rは、1、2、3または4個の置換基Y(ここで、Yは以上に示した如き意味を有し、同一もしくは異なってもよい)で置換されていてもよいベンジル、フェニル、チエニルもしくはピリジルを表すか、或はRは分枝もしくは非分枝C1−8アルキル、C3−8アルケニル、C3−10シクロアルキル、C5−10ビシクロアルキル、C6−10トリシクロアルキルまたはC5−8シクロアルケニルを表すか、或はRはナフチルを表す]
であり、
b)前記式(II)で表される化合物が
【化2】

[式中、
− Rは、C1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、C1−3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、シアノ、カルバモイルおよびアセチルの群の同一もしくは異なってもよい1、2、3もしくは4個の置換基Yで置換されていてもよいフェニル、チエニル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルもしくはトリアジニル基を表すか、或はRはナフチルを表すが、但しRが4−ピリジニルの時にはRがハロゲン原子またはシアノ、カルバモイル、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、フルオロアセチル、プロピオニル、スルファモイル、メタンスルホニル、メチルスルファニルまたは分枝もしくは非分枝C1−4アルキル基(このC1−4アルキル基は1−3個のフルオロ原子またはブロモ、クロロ、ヨード、シアノまたはヒドロキシ基で置換されていてもよい)を表すことを条件とし、
− Rは、1−4個の置換基Y(ここで、Yは、同一もしくは異なってもよく、Yは以上に記述した意味を有する)で置換されていてもよいフェニルもしくはピリジニル基を表すか、或はRは1−2個の置換基Y(同一もしくは異なってもよい)で置換されていてもよいピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルもしくはトリアジニル基を表すか、或はRは群(N、O、S)の1または2個のヘテロ原子(これらのヘテロ原子は同一もしくは異なってもよい)を有する5員の芳香複素環式環を表し、この5員の芳香複素環式環は1−2個の置換基Y(同一もしくは異なってもよい)で置換されていてもよく、或はRはナフチルを表し、
− Rは、H、分枝もしくは非分枝C1−8アルキル、C3−8−シクロアルキル、C3−8−アルケニル、C5−8−シクロアルケニル(これらの基は硫黄、酸素または窒素原子を含有していてもよい)を表し、
− Rは、分枝もしくは非分枝C2−8アルキル、C1−8−アルコキシ、C5−8−シクロアルキルオキシ、C3−8−シクロアルキル、C5−10ビシクロアルキル、C6−10トリシクロアルキル、C3−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルを表し、ここで、これらの基は場合により群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有していてもよくかつこれらの基はヒドロキシ基または1−2個のC1−3アルキル基または1−3個のフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRは、ベンジルもしくはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環はC1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、(C1−3)−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1−3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイルおよびアセチルの群の同一もしくは異なってもよい1−5個の置換基Zで置換されていてもよく、或はRは1−4個の置換基Z(ここで、Zは以上に示した如き意味を有する)で置換されているフェニルもしくはピリジニル基を表すか、或は
はピリジニル基を表すか、或はRはフェニル基を表すが、但しRがハロゲン原子またはシアノ、カルバモイル、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、フルオロアセチル、プロピオニル、スルファモイル、メタンスルホニル、メチルスルファニルまたはC1−4アルキル基(このC1−4アルキル基は1−3個のフルオロ原子またはブロモ、クロロ、ヨード、シアノまたはヒドロキシ基で置換されていてもよい)を表すことを条件とし、或は
は基NRを表すが、但しRが水素原子またはメチル基を表すことを条件とし、ここで、
− RおよびRは、同一もしくは異なり、分枝もしくは非分枝C1−4アルキルを表すか、或はRとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式基を形成しており、ここで、前記複素環式基は群(N、O、S)の1個または2個のヘテロ原子(これらのヘテロ原子は同一もしくは異なってもよい)を含有し、前記複素環式基はC1−3アルキル基またはヒドロキシ基で置換されていてもよく、或はRとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和複素環式基を形成しており、ここで、前記複素環式基は群(N、O、S)の1個または2個のヘテロ原子(これらのヘテロ原子は同一もしくは異なってもよい)を含有し、前記複素環式基はC1−3アルキル基またはヒドロキシ基で置換されていてもよく、
− Rは、水素もしくはハロゲン原子、またはシアノ、カルバモイル、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、フルオロアセチル、プロピオニル、スルファモイル、メタンスルホニル、メチルスルファニルまたは分枝もしくは非分枝C1−4アルキル基(このC1−4アルキル基は1−3個のフルオロ原子またはブロモ、クロロ、ヨード、シアノまたはヒドロキシ基で置換されていてもよい)を表す]
であり、
c)前記式(III)で表される化合物が
【化3】

[式中、
− RおよびRは、独立して、C1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、(C1−3)−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、C1−3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイルおよびアセチルの群の同一もしくは異なってもよい1、2もしくは3個の置換基Yで置換されていてもよいフェニル、チエニルもしくはピリジル基を表すか、或はRおよび/またはRはナフチルを表し、
− Rは、水素、ヒドロキシ、C1−3−アルコキシ、アセチルオキシまたはプロピオニルオキシを表し、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−8アルキル基またはC3−7シクロアルキル基を表し、ここで、前記アルキル基またはシクロアルキル基はヒドロキシで置換されていてもよく、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−10ヘテロアリール、C3−8非芳香ヘテロシクロアルキルまたはC4−10非芳香ヘテロシクロアルキル−アルキル部分を表し、ここで、これらの部分は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有していてもよく、前記部分はケト基、トリフルオロメチル基、C1−3アルキル基、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノもしくはジアルキルアミノ基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはアミノ、ヒドロキシ、フェノキシまたはベンジルオキシ基を表すか、或はRは分枝もしくは非分枝C1−8アルコキシ、C3−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルまたはC6−9シクロアルケニルアルキル基を表し、ここで、これらの基は硫黄、窒素もしくは酸素原子、ケト基または−SO−基を含有していてもよく、前記C1−8アルコキシ、C3−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルまたはC6−9シクロアルケニルアルキル基はヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基もしくはジアルキルアミノ基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはフェニル、ベンジル、ピリジル、チエニル、ピリジルメチルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1、2または3個の置換基Y(ここで、Yは以上に示した如き意味を有する)で置換されていてもよく、或はRは基NRを表すが、但しRが水素原子またはメチル基を表すことを条件とし、そしてここで、RおよびRは、同一もしくは異なり、C1−4アルキルまたはC2−4トリフルオロアルキルを表すか、或はRとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から8の飽和もしくは不飽和複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式部分は酸素もしくは硫黄原子またはケト基または−SO−基または追加的窒素原子を含有していてもよく、前記飽和もしくは不飽和複素環式部分はC1−4アルキル基で置換されていてもよく、或は
とRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式部分は群(O、N、S)の原子を1個以上またはケト基または−SO−基を含有していてもよく、前記部分はC1−4アルキル、ヒドロキシアルキル、フェニル、チエニル、ピリジル、アミノ、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはヘキサヒドロ−1H−アゼピニル基で置換されていてもよく、
− RおよびRは、互いに独立して、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−8アルキルもしくはアルケニル基を表し、ここで、これらの基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上またはケト基または−SO−基を含有していてもよくかつこれらの基はヒドロキシもしくはアミノ基で置換されていてもよく、或はRおよびRは、互いに独立して、C3−8シクロアルキルまたはC3−8シクロアルケニル基を表し、ここで、これらの基は群(O、N、S)の環ヘテロ原子を1個以上または−SO−基を含有していてもよくかつこれらの基はヒドロキシ基、アルキル(C1−3)、−SO−基、ケト基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(C1−3)またはジアルキルアミノ基(C1−3)で置換されていてもよく、或はRはナフチル基またはフェニル基を表し、ここで、前記フェニル基は1、2または3個の置換基Y(ここで、Yは本明細書上に記述した如き意味を有する)で置換されていてもよいが、但しRが水素原子、または分枝もしくは非分枝アルキル基(C1−5)(このアルキル基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上または−SO−基を含有していてもよくかつこのアルキル基はヒドロキシ、ケトまたはアミノ基で置換されていてもよい)を表すことを条件とし、或は
とRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって群(O、N、S)の環ヘテロ原子、ケトまたは−SO−基を含有していてもよい一環状、二環状もしくは三環状アルキルもしくはアルケニル基を形成しており、ここで、前記一環状、二環状もしくは三環状アルキルもしくはアルケニル基はヒドロキシ基、アルキル(C1−3)基、SO基、ケト基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(C1−3)、ジアルキルアミノ基(C1−3)、ピロリジニル基またはピペリジニル基で置換されていてもよく、前記一環状、二環状もしくは三環状アルキルもしくはアルケニル基は縮合したフェニル基を含有していてもよく、ここで、前記縮合したフェニル基は1または2個の置換基Y(ここで、Yは本明細書上に記述した如き意味を有する)で置換されていてもよく、
− Rは、分枝もしくは非分枝C1−3アルキルを表す]
であり、
d)前記式(IV)で表される化合物が
【化4】

[式中、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、分枝もしくは非分枝(C1−3)−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチルスルホニル、スルファモイル、分枝もしくは非分枝アルキル(C1−3)スルホニル、カルボキシル、シアノ、カルバモイル、分枝もしくは非分枝ジアルキル(C1−3)アミノスルホニル、分枝もしくは非分枝モノアルキル(C1−3)−アミノスルホニルおよびアセチルの群の置換基Xを表し、
− Rは、水素原子であるか、或は1−4個の置換基X(ここで、Xは、上述した意味を有する)を表し、
− Rは、1−4個の置換基X(ここで、Xは、上述した意味を有する)で置換されていてもよいフェニル、チエニル、ピリジルもしくはピリミジニル基を表すか、或はRはナフチルを表し、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−10アルキルもしくはシクロアルキル−アルキル基、またはフェニル、ベンジルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1−5個の置換基Z(ここで、Zは、同一もしくは異なってもよく、分枝もしくは非分枝C1−3アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、分枝もしくは非分枝(C1−3)−アルキルスルホニル、ジメチルスルファミド、分枝もしくは非分枝C1−3−アルコキシカルボニル、カルボキシル、トリフルオロメチルスルホニル、シアノ、カルバモイル、スルファモイルおよびアセチルの群の置換基である)で置換されていてもよく、或はRはピリジルまたはチエニル基を表し、
− Rは、分枝もしくは非分枝C1−10アルキルもしくはシクロアルキル−アルキル基、分枝もしくは非分枝C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルキル、C5−10ビシクロアルキル、C6−10トリシクロアルキル、分枝もしくは非分枝C3−10アルケニル、C5−8シクロアルケニルを表し、ここで、これらの基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有していてもよくかつ前記基はヒドロキシ基、1−3個のメチル基、エチル基または1−3個のフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはフェニル、ベンジルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1−5個の置換基Z(ここで、Zは、上述した意味を有する)で置換されていてもよく、或はRはピリジルまたはチエニル基を表すか、或はRは基NRを表し、ここで、RとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式基を形成しており、ここで、前記複素環式基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有しかつ前記複素環式基は分枝もしくは非分枝C1−3アルキル、ヒドロキシまたはトリフルオロメチル基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或は
− RとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式基を形成しており、ここで、前記複素環式基は群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有しかつ前記複素環式基は分枝もしくは非分枝C1−3アルキル、ヒドロキシまたはトリフルオロメチル基またはフルオロ原子で置換されていてもよい]
であり、
e)前記式(V)で表される化合物が
【化5】

[式中、
− RおよびRは、独立して、分枝もしくは非分枝(C1−3)アルキルもしくはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメトキシ、ニトロ、アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミノ、モノ−もしくはジアルキル(C1−2)−アミド、(C1−3)−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチルスルホニル、スルファモイル、(C1−3)−アルキルスルホニル、カルボキシル、シアノ、カルバモイル、(C1−3)−ジアルキルアミノスルホニル、(C1−3)−モノアルキルアミノスルホニルおよびアセチルの群の同一もしくは異なってもよい1−4個の置換基Xで置換されていてもよいフェニル、ナフチル、チエニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニルもしくはトリアジニル基を表し、
− Rは、水素原子、または分枝もしくは非分枝C1−8−アルキルもしくはC1−8シクロアルキル−アルキル基またはフェニル、ベンジルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1−4個の置換基X(ここで、Xは、以上に示した如き意味を有する)で置換されていてもよく、或はRはピリジルまたはチエニル基を表し、
− Rは、分枝もしくは非分枝C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、C3−8シクロアルキル、C5−10ビシクロアルキル、C6−10トリシクロアルキル、C3−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルを表し、ここで、これらの基は場合により群(O、N、S)のヘテロ原子を1個以上含有していてもよく、前記基はヒドロキシ基、エチニル基または1−3個のフルオロ原子で置換されていてもよく、或はRはフェニル、ベンジルまたはフェネチル基を表し、ここで、これらの芳香環は1−4個の置換基X(ここで、Xは、以上に示した如き意味を有する)で置換されていてもよく、或はRはピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニルまたはチエニル基を表し、ここで、これらの複素芳香環は1−2個の置換基X(ここで、Xは、以上に示した如き意味を有する)で置換されていてもよく、或はRは基NRを表し、ここで、
とRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式基は群N、OまたはSの1個または2個のヘテロ原子(これらのヘテロ原子は同一もしくは異なってもよい)を含有し、前記複素環式部分は分枝もしくは非分枝C1−3アルキル、ヒドロキシもしくはトリフルオロメチル基またはフルオロ原子で置換されていてもよく、或は
− RとRはこれらが結合している窒素原子と一緒になって環原子数が4から10の飽和もしくは不飽和一環状もしくは二環状複素環式部分を形成しており、ここで、前記複素環式基は群N、OまたはSの1個または2個のヘテロ原子(これらのヘテロ原子は同一もしくは異なってもよい)を含有し、前記複素環式部分は分枝もしくは非分枝C1−3アルキル、ヒドロキシ、ピペリジニルもしくはトリフルオロメチル基またはフルオロ原子で置換されていてもよい]
であることを特徴とする式(I)および/または(III)で表される4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体、式(II)で表される1H−イミダゾール誘導体、式(IV)で表されるチアゾール誘導体および/または式(V)で表される1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド誘導体の群から選択される請求項1記載のCB受容体活性を有する化合物の使用。
【請求項3】
前記使用が精神疾患、例えば精神病、不安、鬱、注意力欠如、記憶障害、認識力障害、食欲障害、肥満、中毒、強い欲求、薬物依存など、および神経障害、例えば神経変成障害、認知症、ジストニア、筋痙直、震え、てんかん、多発性硬化症、外傷性脳損傷、発作、パーキンソン病、アルツハイマー病、てんかん、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、脳虚血、脳出血、頭蓋大脳外傷、卒中、脊髄損傷、神経炎症性疾患、プラーク硬化症、ウイルス性脳炎、脱髄関連疾患に関係した小児治療および/または予防用ばかりでなく神経障害性疼痛性障害を包含する疼痛性障害および敗血性ショック、緑内障、癌、糖尿病、嘔吐、吐き気、喘息、呼吸器疾患、胃腸疾患、胃潰瘍、下痢および心臓血管疾患の小児治療を包含する他のカンナビノイド神経伝達関連疾患の小児治療用の薬剤を製造する時の使用である請求項1から2のいずれか1項記載のCB受容体活性を有する化合物、またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩の使用。
【請求項4】
前記使用が子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を製造する時の使用である請求項1から3のいずれか1項記載のCB受容体活性を有する化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩の使用。
【請求項5】
青年または子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の薬剤を製造する時に少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせる請求項2記載のCB受容体活性を有する化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩の使用。
【請求項6】
前記CB受容体活性を有する化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩をリパーゼ阻害性重合体、オルリスタット、パンクリシン、ATL−962およびリプスタチンの群から選択した少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて用いる請求項5記載のCB受容体活性を有する化合物の使用。
【請求項7】
CB受容体活性を有する式(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)で表される少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩を子供の患者におけるCB受容体関連病の治療および/または予防および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防に適した活性成分として含有する薬剤組成物。
【請求項8】
前記CB受容体活性を有する化合物が各々請求項1または2記載の式(I)および/または(III)で表される4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール誘導体、式(II)で表される1H−イミダゾール誘導体、式(IV)で表されるチアゾール誘導体および/または式(V)で表される1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド誘導体の群から選択される請求項7記載の薬剤組成物。
【請求項9】
CB受容体活性を有する式(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)で表される少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩が精神疾患、例えば精神病、不安、鬱、注意力欠如、記憶障害、認識力障害、食欲障害、肥満、中毒、強い欲求、薬物依存など、および神経障害、例えば神経変成障害、認知症、ジストニア、筋痙直、震え、てんかん、多発性硬化症、外傷性脳損傷、発作、パーキンソン病、アルツハイマー病、てんかん、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、脳虚血、脳出血、頭蓋大脳外傷、卒中、脊髄損傷、神経炎症性疾患、プラーク硬化症、ウイルス性脳炎、脱髄関連疾患に関係した小児治療および/または予防用ばかりでなく神経障害性疼痛性障害を包含する疼痛性障害および敗血性ショック、緑内障、癌、糖尿病、嘔吐、吐き気、喘息、呼吸器疾患、胃腸疾患、胃潰瘍、下痢および心臓血管疾患の小児治療を包含する他のカンナビノイド神経伝達関連疾患の治療を必要としている子供の患者におけるそれに関係した小児治療の如き治療を必要としている子供の患者における小児治療および/または予防を行うに有効に適した量で存在する請求項7から8のいずれか1項記載の薬剤組成物。
【請求項10】
前記CB受容体活性を有する式(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)で表される少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩が子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防に有効に適した量で存在する請求項7から9のいずれか1項記載の薬剤組成物。
【請求項11】
請求項2記載のCB受容体活性を有する少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩および少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物を青年または子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防用の活性成分として含有する薬剤組成物。
【請求項12】
前記CB受容体活性を有する少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩をリパーゼ阻害性重合体、オルリスタット、パンクリシン、ATL−962およびリプスタチンの群から選択される少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて含有する請求項11記載の薬剤組成物。
【請求項13】
CB受容体活性を有する請求項2記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩および少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物の各々が肥満の治療を必要としている患者におけるそれを治療および/または予防するに有効に適した量で存在する請求項10から12のいずれか記載の薬剤組成物。
【請求項14】
CB受容体活性を有する請求項2記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩および少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物の各々が子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療を必要としている患者におけるそれを治療および/または予防するに有効に適した量で存在する請求項10から12のいずれか記載の薬剤組成物。
【請求項15】
子供の患者におけるCB受容体関連病の治療および/または予防および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満の治療および/または予防を行う方法であって、そのような治療を必要としている患者にCB受容体活性を有する請求項2記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)および/または(V)で表される少なくとも1種の化合物、これのプロドラッグ、互変異性体または塩を投与することを特徴とする治療および/または予防方法。
【請求項16】
治療および/または予防が精神疾患、例えば精神病、不安、鬱、注意力欠如、記憶障害、認識力障害、食欲障害、肥満、中毒、強い欲求、薬物依存など、および神経障害、例えば神経変成障害、認知症、ジストニア、筋痙直、震え、てんかん、多発性硬化症、外傷性脳損傷、発作、パーキンソン病、アルツハイマー病、てんかん、ハンチントン病、トゥレットシンドローム、脳虚血、脳出血、頭蓋大脳外傷、卒中、脊髄損傷、神経炎症性疾患、プラーク硬化症、ウイルス性脳炎、脱髄関連疾患に関係した小児治療および/または予防用ばかりでなく神経障害性疼痛性障害を包含する疼痛性障害および敗血性ショック、緑内障、癌、糖尿病、嘔吐、吐き気、喘息、呼吸器疾患、胃腸疾患、胃潰瘍、下痢および心臓血管疾患の小児治療を包含する他のカンナビノイド神経伝達関連疾患の小児治療に向けたものである請求項15記載の治療および/または予防方法。
【請求項17】
前記治療および/または予防が子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満に向けたものである請求項15または16のいずれか1項記載の治療および/または予防方法。
【請求項18】
青年または子供の患者における肥満および/または子供ばかりでなく青年の患者における薬剤誘発肥満を治療および/または予防する方法であって、そのような治療を必要としている患者にCB受容体活性を有する請求項2記載の少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩を少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて投与することを特徴とする治療および/または予防方法。
【請求項19】
前記CB受容体活性を有する少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩をリパーゼ阻害性重合体、オルリスタット、パンクリシン、ATL−962およびリプスタチンの群から選択した少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて投与することを特徴とする請求項18記載の治療および/または予防方法。
【請求項20】
前記治療が子供の患者における肥満に向けたものであることを特徴とする請求項15から19のいずれか記載の治療および/または予防方法。
【請求項21】
前記治療が子供または青年の患者における薬剤誘発肥満に向けたものであることを特徴とする請求項15から19のいずれか記載の治療および/または予防方法。
【請求項22】
前記CB受容体活性を有する化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩を前記リパーゼ阻害性化合物と組み合わせて同時、個別または段階的投与経路で投与することを特徴とする請求項15から21のいずれか記載の治療および/または予防方法。
【請求項23】
肥満を治療および/または予防する時に同時、個別または段階的に投与するための少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わされた製剤としてのCB受容体活性を有する請求項2記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩を薬剤として含有する医薬品。
【請求項24】
CB受容体活性を有する請求項2記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)で表される少なくとも1種の化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩を薬剤として含有しかつ肥満を治療および/または予防する時に前記CB受容体活性を有する化合物、好適にはCB拮抗性化合物をリパーゼ阻害性化合物と組み合わせて同時、個別または段階的投与で投与してもよいことを示す説明書を含有する医薬品。
【請求項25】
少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わされたCB受容体活性を有する請求項2記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の中の1つで表される化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩。
【請求項26】
前記CB受容体活性を有する化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩、好適にはCB受容体拮抗性化合物またはこれのプロドラッグ、互変異性体または塩をリパーゼ阻害性重合体、オルリスタット、パンクリシン、ATL−962およびリプスタチンの群から選択される少なくとも1種のリパーゼ阻害性化合物と組み合わせる請求項26記載のCB受容体活性を有する請求項2記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)または(V)の中の1つで表される化合物の組み合わせ。

【公表番号】特表2007−513872(P2007−513872A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536096(P2006−536096)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/052639
【国際公開番号】WO2005/039550
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(391027619)ゾルファイ ファーマスーティカルズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (46)
【氏名又は名称原語表記】Solvay Pharmaceuticals GmbH
【住所又は居所原語表記】Hans−Boeckler−Allee 20, D−30173 Hannover,Germany
【Fターム(参考)】