CMP後の洗浄ブラシ
本発明の実施形態は、CMPブラシであって、ブラシの内側領域の中央ノジュールおよびブラシの端領域の1つまたは複数のエッジノジュールの組合せを有する、CMPブラシを含み、中央ノジュールおよびエッジノジュールは、互いに千鳥状または整合した配置構成にあり、ブラシ上の各エッジノジュールの上側表面は、中央ノジュールの上側表面と同じかまたはそれより大きい接触エリアを有する。各エッジノジュールの上側表面と基板エッジ領域との接触エリアは、中央ノジュールの上側表面と基板中央領域との接触エリアと同じかまたはそれより大きい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に完全に組込まれる、2010年12月21日に出願された米国仮出願第61/425,644号および2010年2月22日に出願された米国仮出願第61/306,582号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、一般に、基板の化学機械研磨を対象とする。より具体的には、本発明は、化学機械研磨に続いて基板を洗浄するためのブラシを対象とする。
【背景技術】
【0003】
集積回路は、ウェハ上への導電性層、半導電性層、および絶縁性層の順次堆積によって、半導体基板、特にシリコンウェハ上で形成されうる。回路の特徴部は、各層が堆積された後にエッチングされうる。一連の層が堆積されエッチングされた後、基板の最も上の表面は、益々非平坦になりうる。非平坦の表面は、集積回路作製プロセスのフォトグラフィックステップにおいて問題をもたらしうる。したがって、半導体基板表面を定期的に平坦化することが必要である。
【0004】
ダマシンは、誘電体を分離することによって、相互接続金属ラインが形成されるプロセスである。ダマシーニングでは、相互接続パターンは、最初に、誘電体層内にリソグラフィ的に画定され、その後、結果として得られるトレンチを充填するために金属が堆積される。過剰の金属は、化学機械研磨(平坦化)によって除去されうる。化学機械平坦化とも呼ばれる化学機械研磨(CMP)は、表面平坦化および金属相互接続パターンの画定のために実行される、化学機械研磨を通して個体層を除去する方法を指す。2重ダマシンは、金属エッチングの代わりにCMPプロセスを使用して金属相互接続幾何形状を形成するために使用されるダマシンプロセスの修正バージョンである。2重ダマシンでは、2つの層間誘電体パターニングステップおよび1つのCMPステップが、従来のダマシンプロセスを使用すると、普通なら2つのパターニングステップおよび2つの金属CMPステップを必要とすることになるパターンを生成する。
【0005】
典型的なCMPオペレーションでは、化学反応性スラリーを受取る回転する研磨パッドは、基板の最も外側の表面を研磨するために使用される。基板は、研磨パッドの上に配置され、保持リングによって所定場所に保持される。通常、基板および保持リングは、キャリアまたは研磨リング上に搭載される。基板を研磨パッドに押し付けるために、制御された力が、キャリアヘッドによって基板に加えられる。基板の表面にわたる研磨パッドの移動によって、材料が、基板の面から化学的かつ機械的に除去される。
【0006】
研磨後、スラリー残渣は、慣例的に、ブラシなどのスクラビングデバイスによってウェハ表面から洗浄されるかまたは掻き落とされる。特許文献1は、0°〜90°の、回転軸に対してある角度で形成された、多くの平行溝を有するギア様構成を有する洗浄ブラシローラを開示し、また同様に、突出部であって、円、楕円、長方形、またはダイヤモンド形状などで、かつ、全表面積の15%〜65%の突出部の全表面積を有する、突出部を開示する。
【0007】
特許文献2は、半導体ウェハなどの薄いディスクの平坦な表面とプロファイルを持つ(たとえば、エッジ)表面の両方を同時にスクラビングするためのウェハエッジスクラバブラシを開示する。ブラシは、2つの部分、ウェハの平坦表面に接触するための平坦部分とウェハのエッジ表面に接触するためのプロファイルを持つ部分を有する接触表面を有する。開示によれば、プロファイルを持つノジュールは、好ましくは細長く、ブラシの端まで
延在し、(断面方向および/または長手方向に)プロファイルを持つノジュールは、ブラシによって洗浄にされるウェハのエッジ領域に相当するプロファイルを有する。プロファイルを持つ平面に沿ってウェハに接触するための、ブラシのプロファイルを持つ部分は、ウェハに接触する前にプロファイルを持つ表面を有する。プロファイルを持つノジュールはまた、平坦ノジュールより高い弾性係数を有する場合がある。
【0008】
しかし、従来の化学機械研磨ブラシを使用すると、望ましくない数の粒子が、掻き落とされた基板表面上に、特にエッジに近い領域に依然として残りうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,566,911号
【特許文献2】米国特許第6,299,698号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、中央領域ならびにエッジ領域において、半導体ウェハのような基板にわたって均一な洗浄を生成する改良型方法およびブラシについての継続した必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、半導体ウェハ、ハードディスク、フラットパネルなどのような種々の基板を洗浄するために使用されうるCMP後の洗浄ブラシである。CMP後の洗浄ブラシは、ブラシの内側領域の中央ノジュールおよびブラシの端領域のまたはその近くの1つまたは複数のエッジノジュールの組合せを有する。中央ノジュールおよびエッジノジュールは、互いに千鳥状または整合した配置構成にある可能性があり、ブラシ上の各エッジノジュールの上側表面は、中央ノジュールの上側表面と同じかまたはそれより大きい接触エリアを有する。各エッジノジュールの上側表面と基板エッジ領域との接触エリアは、中央ノジュールの上側表面と基板中央領域との接触エリアと同じかまたはそれより大きい。中央ノジュールの上部の高さおよびエッジノジュールの上部の高さは、実質的に同じか、または、たとえばブラシの回転軸から測定される、ノジュールについての平均高さの約±5%以下以内で同じである。ブラシの端に近い領域のノジュールは、基板のプロファイルを欠く。
【0012】
本発明の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシは、第1の端および第2の端を有する円柱フォームブラシを含み、ブラシは、外側表面ならびにブラシの表面上の複数の中央ノジュールおよび複数のエッジノジュールを有する。中央ノジュールは、ブラシの中央領域内に位置し、中央ノジュールは、ギャップによって互いから分離される。エッジノジュールは、ブラシの第1の端の近くと第2の端の近くに位置し、エッジノジュールは、ギャップによって中央ノジュールから分離される。中央ノジュールおよびエッジノジュールは、ブラシの周りに環状に延びる直線チャネルが中央ノジュールまたはエッジノジュールによって全く形成されないように、ブラシの表面上に配列される。中央ノジュールは、上部(top)表面および中央ノジュール上部表面に対してブラシの回転軸から測定された中央ノジュ
ール上部表面高さを有する。エッジノジュールは、上部表面およびエッジノジュール上部表面に対してブラシの回転軸から測定されたエッジノジュール上部表面高さを有する。中央ノジュール上部表面高さおよびエッジノジュール上部表面高さは、同じか、または、基板のエッジプロファイル部分より少ない量だけ異なる。エッジノジュールの上部表面のエリアは、中央ノジュール上部表面のエリアより大きく、エッジノジュールの上部表面のエリアは、4つ以下の中央突出部によって取囲まれるエリアより小さい。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態では、中央ノジュールおよびエッジノジュールの配置構成
は、ブラシと基板との間の摩擦が、基板と中央突出部だけを有するブラシとの間の摩擦の約±10%以下以内であるブラシをもたらす。
【0014】
本発明の別の実施形態は、半導体ウェハの表面のCMP後の洗浄方法である。方法は、回転するウェハの表面を、回転する円柱フォームローラに係合させることを含み、円柱フォームローラは、円柱フォームローラの周りに延在する細長いノジュールの円周方向に延在する行を有する。細長いノジュールはそれぞれ、側部表面および外側ウェハ係合表面を有し、少なくとも主に軸方向に方向付けられる。ローラは、細長いノジュールの行が、ウェハのエッジを、側部表面ではなく細長いノジュールの外側ウェハ係合表面だけに係合させて配置されるように、ウェハ上に配置されうる。いくつかの実施形態では、ノジュールの行はそれぞれ、フォームローラ上に螺旋状に配置される。洗浄プロセス中に、ローラが、回転し、ウェハに係合状態にあるときに、流体がフォームローラを通して外向きに注入される。
【0015】
本発明のさらなる実施形態は、ウェハのCMP後の洗浄のための円柱フォームローラを含み、円柱フォームローラは、軸、および、円柱外側ベース表面であって、円柱外側ベース表面から延在するノジュールのマトリクス配置構成を有する、円柱外側ベース表面を有する。ノジュールは全て、円柱フォームローラの周りに円周方向に軸から均一な距離だけ外に延在することができ、細長いノジュールはそれぞれ、細長い寸法が、円周方向よりも軸方向により多く延在した状態で方向付けられる。一実施形態では、ノジュールはそれぞれ、細長いノジュールである。
いくつかの実施形態では、細長いノジュールはそれぞれ、ウェハ係合表面を有し、ウェハ係合表面は、レーストラック形状を有する外側周縁を有する。いくつかの実施形態では、ノジュールのマトリクス配置構成は、フォームローラの外側円柱表面から半径方向に外に延在する複数の円柱ノジュールを含む。いくつかの実施形態では、マトリクス配置構成は、円周方向に延在する細長いノジュールに隣接して、円柱ノジュールの円周方向に延在する行を含み、円柱ノジュールの行は、細長いノジュールの行と交錯される。ノジュールのマトリクス配置構成のノジュールはそれぞれ、外側ウェハ係合表面を有することができ、前記表面はそれぞれ、フォームローラの円柱外側ベース表面に平行である。ノジュールのマトリクス配置構成のノジュールはそれぞれ、外側ウェハ係合表面および側部表面を有することができ、前記表面はそれぞれ、実質的に平坦である。
【0016】
本発明の実施形態の特徴および利点は、細長いノジュールの上部表面にウェハを係合させるために細長いノジュールを利用することが、ウェハの外側表面と平坦面との間のウェハの角のせん断力、および、ウェハの角とノジュールの側部との係合を防止し、ノジュールに対する損傷を最小にし、また、ローラの洗浄作用を最大にすることである。
【0017】
本発明の実施形態の特徴および利点は、細長いノジュールの上部表面にウェハを係合させるために螺旋状に方向付けされた細長いノジュールを利用することが、ノジュールとのウェハの角(またはエッジ)の接触の突発性が、ローラ上に軸方向に(長さ方向に)配列された細長いノジュールに比較してまたは円形ウェハ接触表面を有するノジュールと比較して、さらに低減される可能性がある点で、ノジュールに対する損傷のさらなる最小化を提供することである。
【0018】
本発明の実施形態の特徴および利点は、細長いノジュールの円周方向行が、円形ウェハ係合表面を有するノジュールの円周方向行と交錯することである。
本発明の実施形態の特徴および利点は、ローラが、完全に、フォームポストCMP洗浄ローラの外側円柱表面上でマトリクス配置構成で配列された細長いノジュールからなることができることである。ノジュールは、互いに平行に配列されることができる。ノジュールは、螺旋状に配列されることができる。ノジュールは、円柱ベース表面から異なる距離
だけ半径方向に外に延在することを含む、異なるサイズとすることができる。細長いノジュールは、均一に方向付けされる必要はない、すなわち、一部のノジュールは、軸方向に(長さ方向に)方向付けされることができ、一部のノジュールは、円周または中間方向(螺旋など)とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】従来技術のCMP後の洗浄ブラシおよび基板(波線の円)の図。
【図1B】図1Aのブラシおよび基板のエッジ部分の部分図。
【図1C】図1Aのブラシおよび基板のエッジ部分の部分図。
【図1D】図1Aのブラシおよび基板のエッジ部分の部分図。
【図2】従来技術からの別のCMP後の洗浄ブラシの図。
【図3A】ブラシコア上の、本発明の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシの斜視図。
【図3B】基板を洗浄する図3AのCMP後の洗浄ブラシの側面図。
【図3C】図3AのCMP後の洗浄ブラシの端面図。
【図3D】図3Aのブラシおよび基板のエッジ部分の部分図。
【図4A】ブラシコア上の、本発明の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシの斜視図。
【図4B】基板を洗浄する図4AのCMP後の洗浄ブラシの側面図。
【図4C】図4AのCMP後の洗浄ブラシの端面図。
【図5A】ブラシコア上の、本発明の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシの斜視図。
【図5B】基板を洗浄する図4AのCMP後の洗浄ブラシの側面図。
【図5C】図5AのCMP後の洗浄ブラシの端面図。
【図6A】ブラシコア上の、本発明の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシの斜視図。
【図6B】基板を洗浄する図4AのCMP後の洗浄ブラシの側面図。
【図6C】図6AのCMP後の洗浄ブラシの端面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
種々の構成および方法が述べられるが、本発明は、それらが変動する可能性があるため、述べる特定の構成、設計、方法、またはプロトコルに限定されないことが理解される。説明で使用される用語は、特定のバージョンまたは実施形態だけを説明するためのものであり、添付特許請求の範囲だけによって制限される本発明の範囲を制限することを意図されないこともまた理解される。用語、突出部、および、用語、ノジュールは、当業者に知られることになるように、本明細書で述べるCMP後の洗浄ブラシの特徴を述べるために、交換可能に使用されうる。
【0021】
図1A〜1Dは、標準的なブラシと呼ばれうる、従来技術のCMP後の洗浄ブラシ10を示す。ブラシ10は、基板12の中央部分と基板12のエッジ部分の両方が、同じ形状のノジュールによって洗浄されるように、ブラシの全長に沿って同一の洗浄ノジュール14を含む。図1B、図1C、および図1Dを見てわかるように、こうしたブラシ10は、ノジュール14の一部分だけが基板12の外側エッジ16に接触することをもたらしうる。図1Dを参照して、基板12は、ノジュール14の側部表面15と上部または外側表面17が接するノジュール14の角19に接触する。ノジュールとウェハエッジ16との間のこうした部分的なエッジ接触は、ノジュール14を変形または破断させ、基板の端領域の不完全なまたは不均一な洗浄ならびに基板に対する損傷をもたらしうる。
【0022】
別の従来技術のCMP後の洗浄ブラシ20が図2に示される。ブラシ20は、円形形状を有する標準的な中央ノジュール22ならびに洗浄される基板ウェハのエッジに対応する
輪郭またはプロファイルを含むエッジノジュール24を含む。エッジノジュール24の上部表面は、中央ノジュール22の上部表面に対して角度が付くまたは隆起している。しかし、エッジノジュールと中央ノジュールとの間に円周方向に延在する直線の環状または円周チャネル26が存在する。これはまた、基板のエッジ領域などの領域の不均一な洗浄をもたらしうる。
【0023】
従来のCMPブラシと比較して、基板のエッジ領域の清浄度に比較して基板の中央領域の清浄度(清浄度は、たとえば基板上の粒子計数または光点欠陥あるいはセシル滴接触角によって測定されることができる)が改善されるように、化学機械平坦化後の洗浄ブラシ(CMP後のブラシ)を用いて基板のエッジ領域を洗浄すること、たとえば半導体ウェハのエッジ領域からスラリー粒子を除去することは、ブラシの内側領域の中央ノジュールおよびブラシの端に近い領域のエッジノジュールの組合せを有するCMPブラシであって、中央ノジュールおよびエッジノジュールは、互いに千鳥状(または整合する)配置構成にあり、ブラシ上の各エッジノジュールの上側表面は、中央ノジュールの上側表面と同じかまたはそれより大きい接触エリアを有する、CMPブラシを設けることによって達成されうる。各エッジノジュールの上側表面と基板エッジ領域との接触エリアは、中央ノジュールの上側表面と基板中央領域との接触エリアと同じかまたはそれより大きい。CMP後の洗浄ブラシはフォームブラシでありうる。洗浄プロセス中に、ローラが、回転し、ウェハに係合状態にあるときに、流体がフォームローラブラシを通して外向きに注入されうる。
【0024】
図3A〜3Cは、本発明の実施形態による全体が円柱のCMP後の洗浄ブラシまたはフォームローラ100を示す。ブラシ100は、ブラシを回転させるためのブラシコアまたはマンドレル102上に搭載されているのが示され、また、全体が円柱の本体部分101であって、本体部分101から突出する中央ノジュールまたは突出部104および軸方向エッジノジュールまたは突出部106のマトリクス配置構成111を有する、全体が円柱の本体部分101を含む。図を見てわかるように、ブラシ100は、中央ノジュール104が基板108の中央領域に接触し、エッジノジュール106が基板108のエッジ領域112に接触するように基板108に接触する。中央ノジュール104は、ブラシの長さに沿ってギャップによって互いから分離され、ギャップはまた、中央ノジュール104とエッジノジュール106を分離する。基板エッジ領域112に接触するおよそのエッジノジュール106エリアは、中央領域108との中央ノジュール104の接触エリアより大きく、エッジ領域は全て、軸方向エッジノジュール106の全てまたは一部分によって接触される。エッジノジュール106は、あるエッジノジュール106がブラシ100のエッジまでまたはエッジの近くまで延在し、一方、他のエッジノジュール106がブラシ100のエッジからオフセットするように、千鳥状配置構成で設けられうる。両方のタイプのノジュール104、106のオフセットする千鳥状の関係によって、ブラシ100の周りに環状チャネルが全く形成されない。エッジノジュール106および中央ノジュール104は、ほぼ同じ高さを有しているのが示され、中央ノジュール104間の間隔およびエッジノジュール106間の間隔は、実質的に同じである。CMP後の洗浄ブラシ100の外側エッジにおける大きなノジュール占有面積は、図1に示す中央ノジュールまたは標準的ノジュールだけを有するブラシに比較して、基板エッジ部分の洗浄の増大および基板との摩擦またはトルクの増加を実現する。
【0025】
さらに、図3Dを見てわかるように、細長いエッジノジュール106は、基板エッジと、エッジノジュール106の上部または外側ウェハ係合表面107ならびに中央ノジュール104の上部または外側ウェハ係合表面103との完全な接触を可能にする。したがって、基板108と、エッジノジュール106の側部表面109または中央ノジュール104の側部表面105との間の接触は全く存在しない。これは、ウェハエッジ上でのノジュールとの部分的なエッジ接触によって標準的ブラシに関して起こりうるノジュールおよび基板損傷の問題を防止する。詳細に示さないが、本明細書で述べる本発明の実施形態によ
るエッジノジュールおよび中央ノジュールは全て、こうした側部表面および上部または外側係合表面を有するノジュールを含むこと、および、各実施形態において、基板は、側部表面ではなく、ノジュールの外側ウェハ係合表面だけに係合することが留意されるべきである。
【0026】
ここで図4A〜4Cを参照して、本発明の別の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシまたはフォームローラ200が、ブラシコアまたはマンドレル202上に搭載されているのが示される。ブラシ200は、全体が円柱の本体部分201であって、本体部分201から突出する、基板208を洗浄するための複数の中央ノジュール204および複数の渦巻または螺旋エッジノジュール206のマトリクス配置構成211を有する、全体が円柱の本体部分101を含む。一実施形態では、エッジノジュール206は、ブラシエッジからブラシの中央に向かって、長さが2つの中央ノジュール204と4つの中央ノジュール204との間である(ギャップを含む)距離を占める。
【0027】
たとえば、示す実施形態では、エッジノジュール206は、ブラシ200のエッジから内向きにほぼ3つの中央ノジュール204だけ延在する長さを有する。エッジノジュール206の構成は、この実施形態では、全体が螺旋状または渦巻状である。これらのエッジノジュール206は、基板の中央領域210との中央ノジュール204の接触エリアより大きい接触エリアを、基板208のエッジ領域212上の外側基板エッジの下側/内部に提供する。渦巻状エッジノジュール206は、中央ノジュール204とエッジノジュール206との間に環状または円周チャネルが全く形成されないように、中央ノジュール204と千鳥状配向で配列される。
【0028】
図5A〜5Cは、ブラシ300を回転させるためのブラシコアまたはマンドレル302上に搭載されているのが示される本発明の別の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシまたはフォームローラ300を示す。ブラシ300は、全体が円柱の本体301であって、本体301から突出する中央ノジュール304および軸方向エッジノジュール306のマトリクス配置構成311を有する、全体が円柱の本体301を含む。エッジノジュール306はそれぞれ、面積および長さが同じであり、あるノジュールがブラシのエッジの近くまで延在し、一方、あるノジュールがオフセットし、中央ノジュール304とオーバラップするように、千鳥状配置構成で設けられうる。エッジノジュール306の上部表面の長さ(長い寸法)は、(ギャップを含む)4つの中央ノジュール304で取囲まれる長さより小さい可能性がある。さらに、エッジノジュール306の上部表面の幅または短い寸法は、この実施形態では、中央ノジュール304の直径より小さい可能性がある。エッジノジュール306の上部表面で取囲まれる全エリアは、3つの中央ノジュール304で取囲まれる(ギャップを含む)全エリアより小さい可能性がある。基板に接触するエッジノジュールの部分および基板に接触しないエッジノジュールの部分は共に、少なくとも中央ノジュールと同程度に大きい。エッジノジュールのエリアは、基板とブラシ300との間に摩擦力の均一な分布を提供し、かつ、基板振動を最小にするために選択され、基板の中央領域とエッジ領域との間に均一な洗浄をもたらす。中央ノジュール304とエッジノジュール306との間のオーバラップは、ブラシ300の周りに延在する真っすぐでかつ連続する環状または円周チャネルが全く形成されないように設けられる。外側エッジに設けられる大きなノジュール占有面積は、ウェハエッジの洗浄の増大を提供する。これらの図におけるCMP後の洗浄ブラシ300は、図1に示す同じサイズに決定された中央突出部だけを有するブラシと比較して、ほぼ同じ、±10%以下以内の基板との摩擦/トルクを有する。
【0029】
ここで図6A〜6Cを参照して、ブラシ400を回転させるためのブラシコアまたはマンドレル402上に搭載されているのが示される本発明による別の実施形態のCMP後の洗浄ブラシまたはフォームローラ400が示される。ブラシ400は、全体が円柱の本体
部分401であって、本体部分401から突出する、中央ノジュール404および第1の長さを有する第1の軸方向エッジノジュール406ならびに第2の長さを有する第2の軸方向エッジノジュール407のマトリクス配置構成411を有する、全体が円柱の本体部分401を含む。第1のエッジノジュール406および第2のエッジノジュール407は共に、ブラシ400のエッジの近くまで延在する。しかし、第2のエッジノジュール407の長い長さは、エッジノジュール406と407との間のオフセットならびに中央ノジュール404とのオーバラップを提供し、円周または軸方向チャネルを全く提供しない。第1のエッジノジュール406の長さは、3つの中央ノジュール404の(ギャップを含む)長さより小さい可能性があり、第2のエッジノジュール407の長さは、4つの中央ノジュール404で取囲まれる長さより小さい可能性がある。さらに、各エッジノジュール406、407の幅は、中央ノジュールの直径より小さい可能性がある。基板エッジ部分に接触する各エッジノジュール406、407の部分および基板に接触しない部分は共に、少なくとも中央ノジュール404と同程度に大きい。エッジノジュールのエリアは、基板と洗浄ブラシとの間の摩擦力が基板にわたって均一な分布を有し、かつ、基板振動が、基板の中央における洗浄とエッジにおける洗浄が同じになるように最小になるように選択される。外側エッジの大きなノジュール占有面積は、ウェハエッジの洗浄の増大を提供し、また、中央ノジュールだけを有する標準的ブラシに関して測定される摩擦またはトルクと比較して、基板との、約±10%以下以内のほぼ同じ摩擦/トルクを提供する。
【0030】
中央ノジュールは、上部表面、および、ブラシの回転軸から上部表面まで測定されうる高さを有する。エッジノジュールは、同様に、上部表面、および、ブラシの回転軸から上部表面まで測定されうる高さを有する。いくつかの実施形態では、中央ノジュール上部表面高さおよびエッジノジュール上部表面高さは、同じ(約±1%以下)である、または、基板のエッジプロファイル部分より小さい量だけ異なる。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態では、エッジノジュールの上部表面のエリアは、中央ノジュール上部表面のエリアより大きく、エッジノジュールの上部表面のエリアは、4つの中央ノジュールによって取囲まれるエリアより小さい。いくつかの実施形態では、エッジノジュールの上部表面のエリアは、3つの中央ノジュールによって取囲まれるエリアより小さい。他の実施形態では、ブラシは、異なるエリアを有するエッジノジュールの組合せを有しうる。たとえば、図6A〜6Cに示すように、あるエッジノジュールは、4つ以下の中央突出部で取囲まれるエリアより小さい上部表面積を有する可能性があり、他の突出部は、3つ以下の中央突出部で取囲まれるエリアより小さい上部表面積を有する。
【0032】
本発明の種々の実施形態は、ブラシの内側領域にある中央ノジュール、および、中央ノジュールと千鳥状構成にあるブラシの1つまたは複数の端領域にあるエッジノジュールの組合せを含む。これは、ブラシにわたるノジュールプロファイルの変動を提供し、その変動は、基板中央領域から基板エッジ領域への、ノジュールによる接触圧、摩擦、ならびに接触エリアの変動を生成するために使用されうる。これはまた、円周チャネルの形成を排除する。軸方向チャネルは、ノジュールの行間に形成されることができる。
【0033】
一般に、エッジノジュールの接触エリアは、基板に接触する中央ノジュールのエリアより大きい。1つの行のエッジノジュールの接触エリアは、基板上でのノジュールによる全接触カバレッジがCMPブラシ洗浄中に生じるように、隣接行の中央ノジュールの接触エリアに部分的にオーバラップする。いくつかのバージョンでは、エッジノジュールは、図6A〜6Cに示すようにブラシの第1の端および第2の端の端部の近くまで延在する。他のバージョンでは、エッジノジュールは、図5A〜5Cに示すようにブラシの端部からオフセットしうる。
【0034】
ブラシの中央領域は、一般に、基板の中央部分で基板表面積の30%〜90%で接触し
うる。いくつかの実施形態では、ブラシの中央領域は、基板の中央部分で基板表面積の55%〜65%で接触しうる。より詳細には、ブラシの中央領域は、基板の中央部分で基板表面積の57%〜62%で接触しうる。
【0035】
ブラシの内側領域にある中央ノジュールは、平坦円形ノジュール、細長い2次元または3次元ノジュール、円錐台ノジュール、錐台ノジュールであって、円、楕円、長方形、三角形、丸い長方形、台形、またはダイヤモンド状断面ならびに当技術分野で知られている容易に成形可能な他の形状を有する、錐台ノジュールを含むノジュールでありうる。いくつかの実施形態では、ノジュールは、1つまたは複数の丸い角または半径付き角およびそれらのうちの任意のものの組合せを有しうる。各中央ノジュールは、基板との各エッジノジュールの上側表面の接触エリアと同じかまたはそれより小さい、基板との接触エリアを有する上側表面を有する。
【0036】
ブラシの端に近い領域(複数可)のエッジノジュールは、平坦円形ノジュール、細長い2次元または3次元ノジュール、円錐台ノジュール、錐台ノジュールであって、円、楕円、長方形、三角形、丸い長方形、台形、またはダイヤモンド状断面ならびに当技術分野で知られている容易に成形可能な他の形状を有する、錐台ノジュールを含むノジュールでありうる。いくつかの実施形態では、ノジュールは、1つまたは複数の丸い角または半径付き角およびそれらのうちの任意のものの組合せを有しうる。いくつかの実施形態では、エッジノジュールは、ブラシの中央領域ノジュールに対応する端部半径を有する。他の実施形態では、端部半径は、中央ノジュールの半径より大きいかまたは小さい。エッジノジュールは、基板エッジの「下(underneath)」または内部に接触エリアを提供し、また、エッジノジュールは、基板エッジの「下」から外に延在する利用可能な接触エリアを有しうる。
【0037】
基板との各エッジノジュールの上側表面の接触エリアは、一般に、基板との中央ノジュールの上側表面の接触エリアと同じかまたはそれより大きい。図6A〜6Cに示すようなCMP後の洗浄ブラシのいくつかの実施形態では、エッジノジュールは、第1の長さおよび第2の長さを有し、第1の長さは第2の長さと異なる。あるエッジノジュールの上部表面はまた第1のエリアを有することができ、他のエッジノジュールは第2のエリアを有し、第1のエリアは第2のエリアと異なる。他の実施形態では、エッジノジュールは全て、同じ長さおよび面積を有することができる、または、3つ以上の異なる長さまたは上部表面積を有するエッジノジュールが存在しうる。
【0038】
ブラシ上の1つまたは複数のエッジノジュールは、実質的に、少なくとも基板に接触状態の中央ノジュールのエリアを提供する。本発明のいくつかのバージョンでは、1つまたは複数のエッジノジュールの全てまたは一部分は、ブラシの端までまたは端の近くまで延在しうる。本発明のいくつかのバージョンでは、エッジノジュールは、中央ノジュールの行を通して延在するラインから平行であることができ、これらのノジュールは、「軸方向(axial)」エッジノジュールと呼ばれる。本発明のいくつかのバージョンでは、1つまた
は複数のエッジノジュールの全てまたは一部分は、中央ノジュールの1つの行を通して延在する/外挿するラインに沿って始まり、エッジノジュールは、隣接する中央ノジュールの1つまたは複数の行を通して延在する/外挿するラインにわたって非平行方向に延在することができ、いくつかのバージョンでは、これらは、渦巻エッジノジュールまたは螺旋エッジノジュールと呼ばれる。エッジノジュールが、隣接する中央ノジュールの1つまたは複数の行にわたって非平行方向に延在するいくつかのバージョンでは、エッジノジュールの最も外の部分は、中央ノジュールの隣接する行のうちの1つの行に一致して終わってもよくまたは終わらなくてもよい。エッジノジュールは、ブラシが接触する基板のエッジに対応するプロファイルを欠く。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態では、図3A〜3Cおよび図4A〜4Cに示すように、エッジノジュールの上部表面のエリアは、単一の中央ノジュールのエリアより大きく、エッジノジュールの上部表面のエリアは、3つの中央ノジュールでカバーされる(ギャップを含む)エリアとほぼ同じである。本発明の他の実施形態では、エッジノジュールの上部表面のエリアは、単一の中央ノジュールのエリアより大きいが、4つの中央ノジュールで取囲まれる(ギャップを含む)エリアより小さく、場合によっては、3つの中央ノジュールで取囲まれる(ギャップを含む)エリアより小さい。いくつかの実施形態では、ブラシのエッジ上に部分的ノジュールが全く存在しない。
【0040】
ブラシ上のノジュールは、基板の完全な接触カバレッジを提供する。すなわち、ノジュールは、基板表面全体が、洗浄中に回転するブラシの表面上の1つまたは複数のノジュールに接触するように配置されサイズ決定される。たとえば、本発明の一実施形態では、中央ノジュールは、ブラシの回転軸に平行に延在する行において実質的に等間隔であるとすることができ、単一行内のノジュールは、ギャップによって互いから分離される。そして、隣接する行内の中央ノジュールは、基板表面の完全な接触カバレッジを提供するために、行ごとに千鳥状に配置されうる。いくつかの実施形態では、ノジュールの1つの行の上部のエリアは、隣接行内の離間したノジュール間のギャップにオーバラップする。環状チャネルは、ブラシ上のどのノジュールによっても、また、特にエッジノジュールが配置される場所で全く形成されない。
【0041】
エッジノジュールは、中央ノジュールの各行の端に位置し、中央ノジュール間のギャップと同様のまたは同じギャップによって中央ノジュールから離間する。エッジノジュールの長さは、ブラシのエッジまでまたはエッジの近くまで延びうる、または、エッジノジュールは、ブラシのエッジからオフセットされることができる。
【0042】
本発明のバージョンのブラシは、外側表面、および、外側表面から延在する複数の中央ノジュールを有する円柱本体を形成するように成形されることができる。中央ノジュールは、平行な行または傾斜した行において一定間隔で配設されうる。行間の間隔は、軸方向であるか、ブラシの回転軸に対して傾斜するか、または、ブラシの回転軸に対していろいろな角度でありうるチャネルを画定しうる。中央ノジュールは、円柱本体の長手方向軸に沿う方向に互いからオフセットし、平行な行においてノジュールの千鳥状でかつオーバラップする配置構成をもたらすサイズを有することができ、それにより、1つまたは複数のノジュールによる基板表面の完全な接触カバレッジを提供する。中央ノジュールのオフセットは、隣接する行内の中央ノジュールの対によって形成される、ブラシの外側に沿う渦巻チャネルを形成しうる。
【0043】
本発明のバージョンでは、中央領域ノジュールおよびエッジ領域ノジュールの千鳥状組合せは、実質的に同じ接触圧または摩擦、および、基板表面上の粒子計数または粒子加算によって測定されるエッジノジュールと基板エジ領域との間の増大した接触時間、不十分なブラシ圧縮またはブラシねじれの欠如、中央ノジュールと基板の内側領域との間の接触圧または摩擦、あるいは、これらの任意の組合せを提供する。エッジノジュールおよび中央ノジュールを有するCMP後のブラシのバージョンでは、ブラシは、ブラシと基板との間で測定される摩擦またはトルクが、同じ基板と、図1に示す標準的なブラシによって示す、中央領域およびエッジ領域をカバーする中央ノジュールを有するだけであるブラシとの間で測定される摩擦またはトルクの約±10%以下以内であることを特徴としうる。
【0044】
本発明のブラシは、ブラシコアまたはマドレル上で摺動するように作られるかまたはコア上に鋳造されることができる。ブラシは、硬質で多孔質で弾性があり、かつ、耐摩耗性を有する、適した材料を使用して作られうる。本発明のいくつかのバージョンでは、デバイス用の主要な未処理開始材料は、ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコール
は、ポリビニルアセタール多孔質弾性材料を形成するために使用される。多孔質材料は、清浄度、孔形成作用物質またはプロセスのタイプ、ポリビニルアルコールをポリビニルアセタールに変換するために使用されるアルデヒドのタイプ、および他の因子に応じて特性が変動する。PVAスポンジ材料は、ポリビニルアセテートのホモポリマーまたは25重量%未満のコポリマーを含有するポリビニルアセテートから生成されるポリビニルアルコール水溶液と混合されるか、または、個体の10重量%になるように水溶性ポリマーに混ぜられた、酸性触媒およびアルデヒドから調製されることができる。多孔質材料の特性に影響を及ぼす他の因子はまた、反応物質の相対的割合、触媒、反応温度および時間、ならびに、製造プロセスにおける一般条件および開始材料を含む。製造プロセスの清浄度はまた、これらのデバイスの製造において重要である。限定はしないが、ナイロン、ポリウレタン、または、ポリウレタンおよびPVAの組合せ、あるいは基板表面にかき傷をつけず、プロセスのための適した材料除去を提供する他のコポリマーなどの他の成形可能材料が使用されることができ、他の成形可能材料は、米国特許第4,083,906号Schindler(ポリエチレングリコール-ポリアクリルアミド)、米国特許第5,311,634号Andros, Nicholas(界面活性エアフォームシステムおよびコア鋳造物)、米国特許第5,554,659号Rosenblatt, Solomon(界面活性エアフォーム)、米国特許第2,609
,347号Wilson, Christopher(早期界面活性フォームシステム)、および米国特許第
3,663,470号Nishimura等(早期澱粉ベーススポンジ)を含み、特許の内容が、
参照により本明細書に組込まれる。ブラシおよび作成方法はまた、WO/2005/016599に記載され、その内容が参照により本明細書に組込まれる。
【0045】
基板は、半導体ウェハ、コンパクトディスク、ガラス基板、および同様なものでありうる。これらの基板は、従来のPVAブラシスクラバーを使用した本発明のCMP後の洗浄ブラシによって洗浄されうる。従来のスクラバーは、一対のPVAブラシを備え、各ブラシは、ブラシの表面にわたる複数の隆起したノジュール、および、ノジュールの中間に位置する複数の谷を備える。スクラバーはまた、ウェハを支持するためのプラットフォームおよびPVAブラシの対を回転させるための機構を備える。プラットフォームは、ウェハまたは洗浄される他の適した基板を回転させるための複数の回転機構を備える。ブラシボックスオペレーションのオペレーションの一般的な態様は、米国特許第6,299,698号および米国特許第5,675,856号に開示され、特許は、参照により組込まれる。
【0046】
ブラシの中央領域およびエッジ領域は、研磨中にウェハに接触する複数のノジュールを有する。中央ノジュールのセットは、ブラシの中央部分に位置する。ノジュールは、平坦または円柱接触表面を画定しうる。ノジュールの平坦または円柱接触表面は、製造を容易にするために円形または対称でありうる。同様に、エッジノジュールのセットは、ブラシのエッジ部分に位置する。エッジノジュールは、基板のエッジ領域に接触する。一実施形態では、エッジノジュールは、半径付き角を持った長方形である。エッジノジュールは、洗浄プロセスによって損傷されない。
【0047】
ギャップと呼ばれることがある窪んだエリアは、中央ノジュールとエッジノジュールの両方を囲んで、CMP後の洗浄用の化学物質、溶媒、および(基板表面から除去された)スラリー残渣、ならびに他の汚染物質がそこを通って移動するチャネルを提供する。こうして、スラリー残渣は、中央ノジュールおよびエッジノジュールによって、ウェハの平坦表面とウェハのエッジ表面の両方から効果的に洗浄される。溶媒およびスラリー残渣は、重力および/または補助液体流が、各ブラシからスラリー残渣または他の粒状汚染物を除去するまで、窪んだエリアおよびギャップを通って容易に移動することができる。
【0048】
本発明の態様を具現化する、いくつかの物品、組成物、装置、方法が示されたが、本発明がこれらの実施形態に限定されないことがもちろん理解されるであろう。特に先の教示
を考慮して、当業者によって変更が行われることができる。たとえば、一実施形態のコンポーネントおよび特徴は、別の実施形態の対応するコンポーネントおよび特徴と置換されることができる。さらに、本発明は、任意の組合せまたは部分的組合せでこれらの実施形態の種々の態様を含むことができる。
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に完全に組込まれる、2010年12月21日に出願された米国仮出願第61/425,644号および2010年2月22日に出願された米国仮出願第61/306,582号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、一般に、基板の化学機械研磨を対象とする。より具体的には、本発明は、化学機械研磨に続いて基板を洗浄するためのブラシを対象とする。
【背景技術】
【0003】
集積回路は、ウェハ上への導電性層、半導電性層、および絶縁性層の順次堆積によって、半導体基板、特にシリコンウェハ上で形成されうる。回路の特徴部は、各層が堆積された後にエッチングされうる。一連の層が堆積されエッチングされた後、基板の最も上の表面は、益々非平坦になりうる。非平坦の表面は、集積回路作製プロセスのフォトグラフィックステップにおいて問題をもたらしうる。したがって、半導体基板表面を定期的に平坦化することが必要である。
【0004】
ダマシンは、誘電体を分離することによって、相互接続金属ラインが形成されるプロセスである。ダマシーニングでは、相互接続パターンは、最初に、誘電体層内にリソグラフィ的に画定され、その後、結果として得られるトレンチを充填するために金属が堆積される。過剰の金属は、化学機械研磨(平坦化)によって除去されうる。化学機械平坦化とも呼ばれる化学機械研磨(CMP)は、表面平坦化および金属相互接続パターンの画定のために実行される、化学機械研磨を通して個体層を除去する方法を指す。2重ダマシンは、金属エッチングの代わりにCMPプロセスを使用して金属相互接続幾何形状を形成するために使用されるダマシンプロセスの修正バージョンである。2重ダマシンでは、2つの層間誘電体パターニングステップおよび1つのCMPステップが、従来のダマシンプロセスを使用すると、普通なら2つのパターニングステップおよび2つの金属CMPステップを必要とすることになるパターンを生成する。
【0005】
典型的なCMPオペレーションでは、化学反応性スラリーを受取る回転する研磨パッドは、基板の最も外側の表面を研磨するために使用される。基板は、研磨パッドの上に配置され、保持リングによって所定場所に保持される。通常、基板および保持リングは、キャリアまたは研磨リング上に搭載される。基板を研磨パッドに押し付けるために、制御された力が、キャリアヘッドによって基板に加えられる。基板の表面にわたる研磨パッドの移動によって、材料が、基板の面から化学的かつ機械的に除去される。
【0006】
研磨後、スラリー残渣は、慣例的に、ブラシなどのスクラビングデバイスによってウェハ表面から洗浄されるかまたは掻き落とされる。特許文献1は、0°〜90°の、回転軸に対してある角度で形成された、多くの平行溝を有するギア様構成を有する洗浄ブラシローラを開示し、また同様に、突出部であって、円、楕円、長方形、またはダイヤモンド形状などで、かつ、全表面積の15%〜65%の突出部の全表面積を有する、突出部を開示する。
【0007】
特許文献2は、半導体ウェハなどの薄いディスクの平坦な表面とプロファイルを持つ(たとえば、エッジ)表面の両方を同時にスクラビングするためのウェハエッジスクラバブラシを開示する。ブラシは、2つの部分、ウェハの平坦表面に接触するための平坦部分とウェハのエッジ表面に接触するためのプロファイルを持つ部分を有する接触表面を有する。開示によれば、プロファイルを持つノジュールは、好ましくは細長く、ブラシの端まで
延在し、(断面方向および/または長手方向に)プロファイルを持つノジュールは、ブラシによって洗浄にされるウェハのエッジ領域に相当するプロファイルを有する。プロファイルを持つ平面に沿ってウェハに接触するための、ブラシのプロファイルを持つ部分は、ウェハに接触する前にプロファイルを持つ表面を有する。プロファイルを持つノジュールはまた、平坦ノジュールより高い弾性係数を有する場合がある。
【0008】
しかし、従来の化学機械研磨ブラシを使用すると、望ましくない数の粒子が、掻き落とされた基板表面上に、特にエッジに近い領域に依然として残りうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,566,911号
【特許文献2】米国特許第6,299,698号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、中央領域ならびにエッジ領域において、半導体ウェハのような基板にわたって均一な洗浄を生成する改良型方法およびブラシについての継続した必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、半導体ウェハ、ハードディスク、フラットパネルなどのような種々の基板を洗浄するために使用されうるCMP後の洗浄ブラシである。CMP後の洗浄ブラシは、ブラシの内側領域の中央ノジュールおよびブラシの端領域のまたはその近くの1つまたは複数のエッジノジュールの組合せを有する。中央ノジュールおよびエッジノジュールは、互いに千鳥状または整合した配置構成にある可能性があり、ブラシ上の各エッジノジュールの上側表面は、中央ノジュールの上側表面と同じかまたはそれより大きい接触エリアを有する。各エッジノジュールの上側表面と基板エッジ領域との接触エリアは、中央ノジュールの上側表面と基板中央領域との接触エリアと同じかまたはそれより大きい。中央ノジュールの上部の高さおよびエッジノジュールの上部の高さは、実質的に同じか、または、たとえばブラシの回転軸から測定される、ノジュールについての平均高さの約±5%以下以内で同じである。ブラシの端に近い領域のノジュールは、基板のプロファイルを欠く。
【0012】
本発明の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシは、第1の端および第2の端を有する円柱フォームブラシを含み、ブラシは、外側表面ならびにブラシの表面上の複数の中央ノジュールおよび複数のエッジノジュールを有する。中央ノジュールは、ブラシの中央領域内に位置し、中央ノジュールは、ギャップによって互いから分離される。エッジノジュールは、ブラシの第1の端の近くと第2の端の近くに位置し、エッジノジュールは、ギャップによって中央ノジュールから分離される。中央ノジュールおよびエッジノジュールは、ブラシの周りに環状に延びる直線チャネルが中央ノジュールまたはエッジノジュールによって全く形成されないように、ブラシの表面上に配列される。中央ノジュールは、上部(top)表面および中央ノジュール上部表面に対してブラシの回転軸から測定された中央ノジュ
ール上部表面高さを有する。エッジノジュールは、上部表面およびエッジノジュール上部表面に対してブラシの回転軸から測定されたエッジノジュール上部表面高さを有する。中央ノジュール上部表面高さおよびエッジノジュール上部表面高さは、同じか、または、基板のエッジプロファイル部分より少ない量だけ異なる。エッジノジュールの上部表面のエリアは、中央ノジュール上部表面のエリアより大きく、エッジノジュールの上部表面のエリアは、4つ以下の中央突出部によって取囲まれるエリアより小さい。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態では、中央ノジュールおよびエッジノジュールの配置構成
は、ブラシと基板との間の摩擦が、基板と中央突出部だけを有するブラシとの間の摩擦の約±10%以下以内であるブラシをもたらす。
【0014】
本発明の別の実施形態は、半導体ウェハの表面のCMP後の洗浄方法である。方法は、回転するウェハの表面を、回転する円柱フォームローラに係合させることを含み、円柱フォームローラは、円柱フォームローラの周りに延在する細長いノジュールの円周方向に延在する行を有する。細長いノジュールはそれぞれ、側部表面および外側ウェハ係合表面を有し、少なくとも主に軸方向に方向付けられる。ローラは、細長いノジュールの行が、ウェハのエッジを、側部表面ではなく細長いノジュールの外側ウェハ係合表面だけに係合させて配置されるように、ウェハ上に配置されうる。いくつかの実施形態では、ノジュールの行はそれぞれ、フォームローラ上に螺旋状に配置される。洗浄プロセス中に、ローラが、回転し、ウェハに係合状態にあるときに、流体がフォームローラを通して外向きに注入される。
【0015】
本発明のさらなる実施形態は、ウェハのCMP後の洗浄のための円柱フォームローラを含み、円柱フォームローラは、軸、および、円柱外側ベース表面であって、円柱外側ベース表面から延在するノジュールのマトリクス配置構成を有する、円柱外側ベース表面を有する。ノジュールは全て、円柱フォームローラの周りに円周方向に軸から均一な距離だけ外に延在することができ、細長いノジュールはそれぞれ、細長い寸法が、円周方向よりも軸方向により多く延在した状態で方向付けられる。一実施形態では、ノジュールはそれぞれ、細長いノジュールである。
いくつかの実施形態では、細長いノジュールはそれぞれ、ウェハ係合表面を有し、ウェハ係合表面は、レーストラック形状を有する外側周縁を有する。いくつかの実施形態では、ノジュールのマトリクス配置構成は、フォームローラの外側円柱表面から半径方向に外に延在する複数の円柱ノジュールを含む。いくつかの実施形態では、マトリクス配置構成は、円周方向に延在する細長いノジュールに隣接して、円柱ノジュールの円周方向に延在する行を含み、円柱ノジュールの行は、細長いノジュールの行と交錯される。ノジュールのマトリクス配置構成のノジュールはそれぞれ、外側ウェハ係合表面を有することができ、前記表面はそれぞれ、フォームローラの円柱外側ベース表面に平行である。ノジュールのマトリクス配置構成のノジュールはそれぞれ、外側ウェハ係合表面および側部表面を有することができ、前記表面はそれぞれ、実質的に平坦である。
【0016】
本発明の実施形態の特徴および利点は、細長いノジュールの上部表面にウェハを係合させるために細長いノジュールを利用することが、ウェハの外側表面と平坦面との間のウェハの角のせん断力、および、ウェハの角とノジュールの側部との係合を防止し、ノジュールに対する損傷を最小にし、また、ローラの洗浄作用を最大にすることである。
【0017】
本発明の実施形態の特徴および利点は、細長いノジュールの上部表面にウェハを係合させるために螺旋状に方向付けされた細長いノジュールを利用することが、ノジュールとのウェハの角(またはエッジ)の接触の突発性が、ローラ上に軸方向に(長さ方向に)配列された細長いノジュールに比較してまたは円形ウェハ接触表面を有するノジュールと比較して、さらに低減される可能性がある点で、ノジュールに対する損傷のさらなる最小化を提供することである。
【0018】
本発明の実施形態の特徴および利点は、細長いノジュールの円周方向行が、円形ウェハ係合表面を有するノジュールの円周方向行と交錯することである。
本発明の実施形態の特徴および利点は、ローラが、完全に、フォームポストCMP洗浄ローラの外側円柱表面上でマトリクス配置構成で配列された細長いノジュールからなることができることである。ノジュールは、互いに平行に配列されることができる。ノジュールは、螺旋状に配列されることができる。ノジュールは、円柱ベース表面から異なる距離
だけ半径方向に外に延在することを含む、異なるサイズとすることができる。細長いノジュールは、均一に方向付けされる必要はない、すなわち、一部のノジュールは、軸方向に(長さ方向に)方向付けされることができ、一部のノジュールは、円周または中間方向(螺旋など)とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】従来技術のCMP後の洗浄ブラシおよび基板(波線の円)の図。
【図1B】図1Aのブラシおよび基板のエッジ部分の部分図。
【図1C】図1Aのブラシおよび基板のエッジ部分の部分図。
【図1D】図1Aのブラシおよび基板のエッジ部分の部分図。
【図2】従来技術からの別のCMP後の洗浄ブラシの図。
【図3A】ブラシコア上の、本発明の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシの斜視図。
【図3B】基板を洗浄する図3AのCMP後の洗浄ブラシの側面図。
【図3C】図3AのCMP後の洗浄ブラシの端面図。
【図3D】図3Aのブラシおよび基板のエッジ部分の部分図。
【図4A】ブラシコア上の、本発明の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシの斜視図。
【図4B】基板を洗浄する図4AのCMP後の洗浄ブラシの側面図。
【図4C】図4AのCMP後の洗浄ブラシの端面図。
【図5A】ブラシコア上の、本発明の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシの斜視図。
【図5B】基板を洗浄する図4AのCMP後の洗浄ブラシの側面図。
【図5C】図5AのCMP後の洗浄ブラシの端面図。
【図6A】ブラシコア上の、本発明の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシの斜視図。
【図6B】基板を洗浄する図4AのCMP後の洗浄ブラシの側面図。
【図6C】図6AのCMP後の洗浄ブラシの端面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
種々の構成および方法が述べられるが、本発明は、それらが変動する可能性があるため、述べる特定の構成、設計、方法、またはプロトコルに限定されないことが理解される。説明で使用される用語は、特定のバージョンまたは実施形態だけを説明するためのものであり、添付特許請求の範囲だけによって制限される本発明の範囲を制限することを意図されないこともまた理解される。用語、突出部、および、用語、ノジュールは、当業者に知られることになるように、本明細書で述べるCMP後の洗浄ブラシの特徴を述べるために、交換可能に使用されうる。
【0021】
図1A〜1Dは、標準的なブラシと呼ばれうる、従来技術のCMP後の洗浄ブラシ10を示す。ブラシ10は、基板12の中央部分と基板12のエッジ部分の両方が、同じ形状のノジュールによって洗浄されるように、ブラシの全長に沿って同一の洗浄ノジュール14を含む。図1B、図1C、および図1Dを見てわかるように、こうしたブラシ10は、ノジュール14の一部分だけが基板12の外側エッジ16に接触することをもたらしうる。図1Dを参照して、基板12は、ノジュール14の側部表面15と上部または外側表面17が接するノジュール14の角19に接触する。ノジュールとウェハエッジ16との間のこうした部分的なエッジ接触は、ノジュール14を変形または破断させ、基板の端領域の不完全なまたは不均一な洗浄ならびに基板に対する損傷をもたらしうる。
【0022】
別の従来技術のCMP後の洗浄ブラシ20が図2に示される。ブラシ20は、円形形状を有する標準的な中央ノジュール22ならびに洗浄される基板ウェハのエッジに対応する
輪郭またはプロファイルを含むエッジノジュール24を含む。エッジノジュール24の上部表面は、中央ノジュール22の上部表面に対して角度が付くまたは隆起している。しかし、エッジノジュールと中央ノジュールとの間に円周方向に延在する直線の環状または円周チャネル26が存在する。これはまた、基板のエッジ領域などの領域の不均一な洗浄をもたらしうる。
【0023】
従来のCMPブラシと比較して、基板のエッジ領域の清浄度に比較して基板の中央領域の清浄度(清浄度は、たとえば基板上の粒子計数または光点欠陥あるいはセシル滴接触角によって測定されることができる)が改善されるように、化学機械平坦化後の洗浄ブラシ(CMP後のブラシ)を用いて基板のエッジ領域を洗浄すること、たとえば半導体ウェハのエッジ領域からスラリー粒子を除去することは、ブラシの内側領域の中央ノジュールおよびブラシの端に近い領域のエッジノジュールの組合せを有するCMPブラシであって、中央ノジュールおよびエッジノジュールは、互いに千鳥状(または整合する)配置構成にあり、ブラシ上の各エッジノジュールの上側表面は、中央ノジュールの上側表面と同じかまたはそれより大きい接触エリアを有する、CMPブラシを設けることによって達成されうる。各エッジノジュールの上側表面と基板エッジ領域との接触エリアは、中央ノジュールの上側表面と基板中央領域との接触エリアと同じかまたはそれより大きい。CMP後の洗浄ブラシはフォームブラシでありうる。洗浄プロセス中に、ローラが、回転し、ウェハに係合状態にあるときに、流体がフォームローラブラシを通して外向きに注入されうる。
【0024】
図3A〜3Cは、本発明の実施形態による全体が円柱のCMP後の洗浄ブラシまたはフォームローラ100を示す。ブラシ100は、ブラシを回転させるためのブラシコアまたはマンドレル102上に搭載されているのが示され、また、全体が円柱の本体部分101であって、本体部分101から突出する中央ノジュールまたは突出部104および軸方向エッジノジュールまたは突出部106のマトリクス配置構成111を有する、全体が円柱の本体部分101を含む。図を見てわかるように、ブラシ100は、中央ノジュール104が基板108の中央領域に接触し、エッジノジュール106が基板108のエッジ領域112に接触するように基板108に接触する。中央ノジュール104は、ブラシの長さに沿ってギャップによって互いから分離され、ギャップはまた、中央ノジュール104とエッジノジュール106を分離する。基板エッジ領域112に接触するおよそのエッジノジュール106エリアは、中央領域108との中央ノジュール104の接触エリアより大きく、エッジ領域は全て、軸方向エッジノジュール106の全てまたは一部分によって接触される。エッジノジュール106は、あるエッジノジュール106がブラシ100のエッジまでまたはエッジの近くまで延在し、一方、他のエッジノジュール106がブラシ100のエッジからオフセットするように、千鳥状配置構成で設けられうる。両方のタイプのノジュール104、106のオフセットする千鳥状の関係によって、ブラシ100の周りに環状チャネルが全く形成されない。エッジノジュール106および中央ノジュール104は、ほぼ同じ高さを有しているのが示され、中央ノジュール104間の間隔およびエッジノジュール106間の間隔は、実質的に同じである。CMP後の洗浄ブラシ100の外側エッジにおける大きなノジュール占有面積は、図1に示す中央ノジュールまたは標準的ノジュールだけを有するブラシに比較して、基板エッジ部分の洗浄の増大および基板との摩擦またはトルクの増加を実現する。
【0025】
さらに、図3Dを見てわかるように、細長いエッジノジュール106は、基板エッジと、エッジノジュール106の上部または外側ウェハ係合表面107ならびに中央ノジュール104の上部または外側ウェハ係合表面103との完全な接触を可能にする。したがって、基板108と、エッジノジュール106の側部表面109または中央ノジュール104の側部表面105との間の接触は全く存在しない。これは、ウェハエッジ上でのノジュールとの部分的なエッジ接触によって標準的ブラシに関して起こりうるノジュールおよび基板損傷の問題を防止する。詳細に示さないが、本明細書で述べる本発明の実施形態によ
るエッジノジュールおよび中央ノジュールは全て、こうした側部表面および上部または外側係合表面を有するノジュールを含むこと、および、各実施形態において、基板は、側部表面ではなく、ノジュールの外側ウェハ係合表面だけに係合することが留意されるべきである。
【0026】
ここで図4A〜4Cを参照して、本発明の別の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシまたはフォームローラ200が、ブラシコアまたはマンドレル202上に搭載されているのが示される。ブラシ200は、全体が円柱の本体部分201であって、本体部分201から突出する、基板208を洗浄するための複数の中央ノジュール204および複数の渦巻または螺旋エッジノジュール206のマトリクス配置構成211を有する、全体が円柱の本体部分101を含む。一実施形態では、エッジノジュール206は、ブラシエッジからブラシの中央に向かって、長さが2つの中央ノジュール204と4つの中央ノジュール204との間である(ギャップを含む)距離を占める。
【0027】
たとえば、示す実施形態では、エッジノジュール206は、ブラシ200のエッジから内向きにほぼ3つの中央ノジュール204だけ延在する長さを有する。エッジノジュール206の構成は、この実施形態では、全体が螺旋状または渦巻状である。これらのエッジノジュール206は、基板の中央領域210との中央ノジュール204の接触エリアより大きい接触エリアを、基板208のエッジ領域212上の外側基板エッジの下側/内部に提供する。渦巻状エッジノジュール206は、中央ノジュール204とエッジノジュール206との間に環状または円周チャネルが全く形成されないように、中央ノジュール204と千鳥状配向で配列される。
【0028】
図5A〜5Cは、ブラシ300を回転させるためのブラシコアまたはマンドレル302上に搭載されているのが示される本発明の別の実施形態によるCMP後の洗浄ブラシまたはフォームローラ300を示す。ブラシ300は、全体が円柱の本体301であって、本体301から突出する中央ノジュール304および軸方向エッジノジュール306のマトリクス配置構成311を有する、全体が円柱の本体301を含む。エッジノジュール306はそれぞれ、面積および長さが同じであり、あるノジュールがブラシのエッジの近くまで延在し、一方、あるノジュールがオフセットし、中央ノジュール304とオーバラップするように、千鳥状配置構成で設けられうる。エッジノジュール306の上部表面の長さ(長い寸法)は、(ギャップを含む)4つの中央ノジュール304で取囲まれる長さより小さい可能性がある。さらに、エッジノジュール306の上部表面の幅または短い寸法は、この実施形態では、中央ノジュール304の直径より小さい可能性がある。エッジノジュール306の上部表面で取囲まれる全エリアは、3つの中央ノジュール304で取囲まれる(ギャップを含む)全エリアより小さい可能性がある。基板に接触するエッジノジュールの部分および基板に接触しないエッジノジュールの部分は共に、少なくとも中央ノジュールと同程度に大きい。エッジノジュールのエリアは、基板とブラシ300との間に摩擦力の均一な分布を提供し、かつ、基板振動を最小にするために選択され、基板の中央領域とエッジ領域との間に均一な洗浄をもたらす。中央ノジュール304とエッジノジュール306との間のオーバラップは、ブラシ300の周りに延在する真っすぐでかつ連続する環状または円周チャネルが全く形成されないように設けられる。外側エッジに設けられる大きなノジュール占有面積は、ウェハエッジの洗浄の増大を提供する。これらの図におけるCMP後の洗浄ブラシ300は、図1に示す同じサイズに決定された中央突出部だけを有するブラシと比較して、ほぼ同じ、±10%以下以内の基板との摩擦/トルクを有する。
【0029】
ここで図6A〜6Cを参照して、ブラシ400を回転させるためのブラシコアまたはマンドレル402上に搭載されているのが示される本発明による別の実施形態のCMP後の洗浄ブラシまたはフォームローラ400が示される。ブラシ400は、全体が円柱の本体
部分401であって、本体部分401から突出する、中央ノジュール404および第1の長さを有する第1の軸方向エッジノジュール406ならびに第2の長さを有する第2の軸方向エッジノジュール407のマトリクス配置構成411を有する、全体が円柱の本体部分401を含む。第1のエッジノジュール406および第2のエッジノジュール407は共に、ブラシ400のエッジの近くまで延在する。しかし、第2のエッジノジュール407の長い長さは、エッジノジュール406と407との間のオフセットならびに中央ノジュール404とのオーバラップを提供し、円周または軸方向チャネルを全く提供しない。第1のエッジノジュール406の長さは、3つの中央ノジュール404の(ギャップを含む)長さより小さい可能性があり、第2のエッジノジュール407の長さは、4つの中央ノジュール404で取囲まれる長さより小さい可能性がある。さらに、各エッジノジュール406、407の幅は、中央ノジュールの直径より小さい可能性がある。基板エッジ部分に接触する各エッジノジュール406、407の部分および基板に接触しない部分は共に、少なくとも中央ノジュール404と同程度に大きい。エッジノジュールのエリアは、基板と洗浄ブラシとの間の摩擦力が基板にわたって均一な分布を有し、かつ、基板振動が、基板の中央における洗浄とエッジにおける洗浄が同じになるように最小になるように選択される。外側エッジの大きなノジュール占有面積は、ウェハエッジの洗浄の増大を提供し、また、中央ノジュールだけを有する標準的ブラシに関して測定される摩擦またはトルクと比較して、基板との、約±10%以下以内のほぼ同じ摩擦/トルクを提供する。
【0030】
中央ノジュールは、上部表面、および、ブラシの回転軸から上部表面まで測定されうる高さを有する。エッジノジュールは、同様に、上部表面、および、ブラシの回転軸から上部表面まで測定されうる高さを有する。いくつかの実施形態では、中央ノジュール上部表面高さおよびエッジノジュール上部表面高さは、同じ(約±1%以下)である、または、基板のエッジプロファイル部分より小さい量だけ異なる。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態では、エッジノジュールの上部表面のエリアは、中央ノジュール上部表面のエリアより大きく、エッジノジュールの上部表面のエリアは、4つの中央ノジュールによって取囲まれるエリアより小さい。いくつかの実施形態では、エッジノジュールの上部表面のエリアは、3つの中央ノジュールによって取囲まれるエリアより小さい。他の実施形態では、ブラシは、異なるエリアを有するエッジノジュールの組合せを有しうる。たとえば、図6A〜6Cに示すように、あるエッジノジュールは、4つ以下の中央突出部で取囲まれるエリアより小さい上部表面積を有する可能性があり、他の突出部は、3つ以下の中央突出部で取囲まれるエリアより小さい上部表面積を有する。
【0032】
本発明の種々の実施形態は、ブラシの内側領域にある中央ノジュール、および、中央ノジュールと千鳥状構成にあるブラシの1つまたは複数の端領域にあるエッジノジュールの組合せを含む。これは、ブラシにわたるノジュールプロファイルの変動を提供し、その変動は、基板中央領域から基板エッジ領域への、ノジュールによる接触圧、摩擦、ならびに接触エリアの変動を生成するために使用されうる。これはまた、円周チャネルの形成を排除する。軸方向チャネルは、ノジュールの行間に形成されることができる。
【0033】
一般に、エッジノジュールの接触エリアは、基板に接触する中央ノジュールのエリアより大きい。1つの行のエッジノジュールの接触エリアは、基板上でのノジュールによる全接触カバレッジがCMPブラシ洗浄中に生じるように、隣接行の中央ノジュールの接触エリアに部分的にオーバラップする。いくつかのバージョンでは、エッジノジュールは、図6A〜6Cに示すようにブラシの第1の端および第2の端の端部の近くまで延在する。他のバージョンでは、エッジノジュールは、図5A〜5Cに示すようにブラシの端部からオフセットしうる。
【0034】
ブラシの中央領域は、一般に、基板の中央部分で基板表面積の30%〜90%で接触し
うる。いくつかの実施形態では、ブラシの中央領域は、基板の中央部分で基板表面積の55%〜65%で接触しうる。より詳細には、ブラシの中央領域は、基板の中央部分で基板表面積の57%〜62%で接触しうる。
【0035】
ブラシの内側領域にある中央ノジュールは、平坦円形ノジュール、細長い2次元または3次元ノジュール、円錐台ノジュール、錐台ノジュールであって、円、楕円、長方形、三角形、丸い長方形、台形、またはダイヤモンド状断面ならびに当技術分野で知られている容易に成形可能な他の形状を有する、錐台ノジュールを含むノジュールでありうる。いくつかの実施形態では、ノジュールは、1つまたは複数の丸い角または半径付き角およびそれらのうちの任意のものの組合せを有しうる。各中央ノジュールは、基板との各エッジノジュールの上側表面の接触エリアと同じかまたはそれより小さい、基板との接触エリアを有する上側表面を有する。
【0036】
ブラシの端に近い領域(複数可)のエッジノジュールは、平坦円形ノジュール、細長い2次元または3次元ノジュール、円錐台ノジュール、錐台ノジュールであって、円、楕円、長方形、三角形、丸い長方形、台形、またはダイヤモンド状断面ならびに当技術分野で知られている容易に成形可能な他の形状を有する、錐台ノジュールを含むノジュールでありうる。いくつかの実施形態では、ノジュールは、1つまたは複数の丸い角または半径付き角およびそれらのうちの任意のものの組合せを有しうる。いくつかの実施形態では、エッジノジュールは、ブラシの中央領域ノジュールに対応する端部半径を有する。他の実施形態では、端部半径は、中央ノジュールの半径より大きいかまたは小さい。エッジノジュールは、基板エッジの「下(underneath)」または内部に接触エリアを提供し、また、エッジノジュールは、基板エッジの「下」から外に延在する利用可能な接触エリアを有しうる。
【0037】
基板との各エッジノジュールの上側表面の接触エリアは、一般に、基板との中央ノジュールの上側表面の接触エリアと同じかまたはそれより大きい。図6A〜6Cに示すようなCMP後の洗浄ブラシのいくつかの実施形態では、エッジノジュールは、第1の長さおよび第2の長さを有し、第1の長さは第2の長さと異なる。あるエッジノジュールの上部表面はまた第1のエリアを有することができ、他のエッジノジュールは第2のエリアを有し、第1のエリアは第2のエリアと異なる。他の実施形態では、エッジノジュールは全て、同じ長さおよび面積を有することができる、または、3つ以上の異なる長さまたは上部表面積を有するエッジノジュールが存在しうる。
【0038】
ブラシ上の1つまたは複数のエッジノジュールは、実質的に、少なくとも基板に接触状態の中央ノジュールのエリアを提供する。本発明のいくつかのバージョンでは、1つまたは複数のエッジノジュールの全てまたは一部分は、ブラシの端までまたは端の近くまで延在しうる。本発明のいくつかのバージョンでは、エッジノジュールは、中央ノジュールの行を通して延在するラインから平行であることができ、これらのノジュールは、「軸方向(axial)」エッジノジュールと呼ばれる。本発明のいくつかのバージョンでは、1つまた
は複数のエッジノジュールの全てまたは一部分は、中央ノジュールの1つの行を通して延在する/外挿するラインに沿って始まり、エッジノジュールは、隣接する中央ノジュールの1つまたは複数の行を通して延在する/外挿するラインにわたって非平行方向に延在することができ、いくつかのバージョンでは、これらは、渦巻エッジノジュールまたは螺旋エッジノジュールと呼ばれる。エッジノジュールが、隣接する中央ノジュールの1つまたは複数の行にわたって非平行方向に延在するいくつかのバージョンでは、エッジノジュールの最も外の部分は、中央ノジュールの隣接する行のうちの1つの行に一致して終わってもよくまたは終わらなくてもよい。エッジノジュールは、ブラシが接触する基板のエッジに対応するプロファイルを欠く。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態では、図3A〜3Cおよび図4A〜4Cに示すように、エッジノジュールの上部表面のエリアは、単一の中央ノジュールのエリアより大きく、エッジノジュールの上部表面のエリアは、3つの中央ノジュールでカバーされる(ギャップを含む)エリアとほぼ同じである。本発明の他の実施形態では、エッジノジュールの上部表面のエリアは、単一の中央ノジュールのエリアより大きいが、4つの中央ノジュールで取囲まれる(ギャップを含む)エリアより小さく、場合によっては、3つの中央ノジュールで取囲まれる(ギャップを含む)エリアより小さい。いくつかの実施形態では、ブラシのエッジ上に部分的ノジュールが全く存在しない。
【0040】
ブラシ上のノジュールは、基板の完全な接触カバレッジを提供する。すなわち、ノジュールは、基板表面全体が、洗浄中に回転するブラシの表面上の1つまたは複数のノジュールに接触するように配置されサイズ決定される。たとえば、本発明の一実施形態では、中央ノジュールは、ブラシの回転軸に平行に延在する行において実質的に等間隔であるとすることができ、単一行内のノジュールは、ギャップによって互いから分離される。そして、隣接する行内の中央ノジュールは、基板表面の完全な接触カバレッジを提供するために、行ごとに千鳥状に配置されうる。いくつかの実施形態では、ノジュールの1つの行の上部のエリアは、隣接行内の離間したノジュール間のギャップにオーバラップする。環状チャネルは、ブラシ上のどのノジュールによっても、また、特にエッジノジュールが配置される場所で全く形成されない。
【0041】
エッジノジュールは、中央ノジュールの各行の端に位置し、中央ノジュール間のギャップと同様のまたは同じギャップによって中央ノジュールから離間する。エッジノジュールの長さは、ブラシのエッジまでまたはエッジの近くまで延びうる、または、エッジノジュールは、ブラシのエッジからオフセットされることができる。
【0042】
本発明のバージョンのブラシは、外側表面、および、外側表面から延在する複数の中央ノジュールを有する円柱本体を形成するように成形されることができる。中央ノジュールは、平行な行または傾斜した行において一定間隔で配設されうる。行間の間隔は、軸方向であるか、ブラシの回転軸に対して傾斜するか、または、ブラシの回転軸に対していろいろな角度でありうるチャネルを画定しうる。中央ノジュールは、円柱本体の長手方向軸に沿う方向に互いからオフセットし、平行な行においてノジュールの千鳥状でかつオーバラップする配置構成をもたらすサイズを有することができ、それにより、1つまたは複数のノジュールによる基板表面の完全な接触カバレッジを提供する。中央ノジュールのオフセットは、隣接する行内の中央ノジュールの対によって形成される、ブラシの外側に沿う渦巻チャネルを形成しうる。
【0043】
本発明のバージョンでは、中央領域ノジュールおよびエッジ領域ノジュールの千鳥状組合せは、実質的に同じ接触圧または摩擦、および、基板表面上の粒子計数または粒子加算によって測定されるエッジノジュールと基板エジ領域との間の増大した接触時間、不十分なブラシ圧縮またはブラシねじれの欠如、中央ノジュールと基板の内側領域との間の接触圧または摩擦、あるいは、これらの任意の組合せを提供する。エッジノジュールおよび中央ノジュールを有するCMP後のブラシのバージョンでは、ブラシは、ブラシと基板との間で測定される摩擦またはトルクが、同じ基板と、図1に示す標準的なブラシによって示す、中央領域およびエッジ領域をカバーする中央ノジュールを有するだけであるブラシとの間で測定される摩擦またはトルクの約±10%以下以内であることを特徴としうる。
【0044】
本発明のブラシは、ブラシコアまたはマドレル上で摺動するように作られるかまたはコア上に鋳造されることができる。ブラシは、硬質で多孔質で弾性があり、かつ、耐摩耗性を有する、適した材料を使用して作られうる。本発明のいくつかのバージョンでは、デバイス用の主要な未処理開始材料は、ポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコール
は、ポリビニルアセタール多孔質弾性材料を形成するために使用される。多孔質材料は、清浄度、孔形成作用物質またはプロセスのタイプ、ポリビニルアルコールをポリビニルアセタールに変換するために使用されるアルデヒドのタイプ、および他の因子に応じて特性が変動する。PVAスポンジ材料は、ポリビニルアセテートのホモポリマーまたは25重量%未満のコポリマーを含有するポリビニルアセテートから生成されるポリビニルアルコール水溶液と混合されるか、または、個体の10重量%になるように水溶性ポリマーに混ぜられた、酸性触媒およびアルデヒドから調製されることができる。多孔質材料の特性に影響を及ぼす他の因子はまた、反応物質の相対的割合、触媒、反応温度および時間、ならびに、製造プロセスにおける一般条件および開始材料を含む。製造プロセスの清浄度はまた、これらのデバイスの製造において重要である。限定はしないが、ナイロン、ポリウレタン、または、ポリウレタンおよびPVAの組合せ、あるいは基板表面にかき傷をつけず、プロセスのための適した材料除去を提供する他のコポリマーなどの他の成形可能材料が使用されることができ、他の成形可能材料は、米国特許第4,083,906号Schindler(ポリエチレングリコール-ポリアクリルアミド)、米国特許第5,311,634号Andros, Nicholas(界面活性エアフォームシステムおよびコア鋳造物)、米国特許第5,554,659号Rosenblatt, Solomon(界面活性エアフォーム)、米国特許第2,609
,347号Wilson, Christopher(早期界面活性フォームシステム)、および米国特許第
3,663,470号Nishimura等(早期澱粉ベーススポンジ)を含み、特許の内容が、
参照により本明細書に組込まれる。ブラシおよび作成方法はまた、WO/2005/016599に記載され、その内容が参照により本明細書に組込まれる。
【0045】
基板は、半導体ウェハ、コンパクトディスク、ガラス基板、および同様なものでありうる。これらの基板は、従来のPVAブラシスクラバーを使用した本発明のCMP後の洗浄ブラシによって洗浄されうる。従来のスクラバーは、一対のPVAブラシを備え、各ブラシは、ブラシの表面にわたる複数の隆起したノジュール、および、ノジュールの中間に位置する複数の谷を備える。スクラバーはまた、ウェハを支持するためのプラットフォームおよびPVAブラシの対を回転させるための機構を備える。プラットフォームは、ウェハまたは洗浄される他の適した基板を回転させるための複数の回転機構を備える。ブラシボックスオペレーションのオペレーションの一般的な態様は、米国特許第6,299,698号および米国特許第5,675,856号に開示され、特許は、参照により組込まれる。
【0046】
ブラシの中央領域およびエッジ領域は、研磨中にウェハに接触する複数のノジュールを有する。中央ノジュールのセットは、ブラシの中央部分に位置する。ノジュールは、平坦または円柱接触表面を画定しうる。ノジュールの平坦または円柱接触表面は、製造を容易にするために円形または対称でありうる。同様に、エッジノジュールのセットは、ブラシのエッジ部分に位置する。エッジノジュールは、基板のエッジ領域に接触する。一実施形態では、エッジノジュールは、半径付き角を持った長方形である。エッジノジュールは、洗浄プロセスによって損傷されない。
【0047】
ギャップと呼ばれることがある窪んだエリアは、中央ノジュールとエッジノジュールの両方を囲んで、CMP後の洗浄用の化学物質、溶媒、および(基板表面から除去された)スラリー残渣、ならびに他の汚染物質がそこを通って移動するチャネルを提供する。こうして、スラリー残渣は、中央ノジュールおよびエッジノジュールによって、ウェハの平坦表面とウェハのエッジ表面の両方から効果的に洗浄される。溶媒およびスラリー残渣は、重力および/または補助液体流が、各ブラシからスラリー残渣または他の粒状汚染物を除去するまで、窪んだエリアおよびギャップを通って容易に移動することができる。
【0048】
本発明の態様を具現化する、いくつかの物品、組成物、装置、方法が示されたが、本発明がこれらの実施形態に限定されないことがもちろん理解されるであろう。特に先の教示
を考慮して、当業者によって変更が行われることができる。たとえば、一実施形態のコンポーネントおよび特徴は、別の実施形態の対応するコンポーネントおよび特徴と置換されることができる。さらに、本発明は、任意の組合せまたは部分的組合せでこれらの実施形態の種々の態様を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の化学機械研磨に続いて(CMP後の)基板を洗浄するブラシであって、
全体が円柱の本体と、
前記本体の中央領域内で前記円柱本体から外向きに突出する複数の中央ノジュールであって、互いから離間し、かつ、中央ギャップによって分離される、複数の中央ノジュールと、
前記円柱本体から外向きに突出し、かつ、前記中央ノジュールと異なる形状を有する複数のエッジノジュールであって、エッジノジュールの第1のセットは前記中央ノジュールと前記本体の第1の端部との間に配設され、エッジノジュールの第2のセットは前記中央ノジュールと前記本体の第2の端部との間に配設され、前記中央ノジュールは、エッジノジュールの各セットからエッジギャップだけ離間する、複数のエッジノジュールとを備え、
エッジノジュールおよび中央ノジュールの隣接する円周方向列は、前記エッジノジュールと前記中央ノジュールとの間の前記エッジギャップが、前記本体の周りに円周方向に延在する真っすぐな環状チャネルを形成しないように、前記本体の周りに千鳥状の交錯した配向で設けられ、
各エッジノジュールの上部表面は、基板に接触するように適合した、各中央ノジュールの上部表面の表面積より大きな表面積を有し、
前記エッジノジュールの前記上部表面および前記中央ノジュールの前記上部表面は、前記本体から実質的に同じ高さに延在するCMP後に用いるブラシ。
【請求項2】
エッジノジュールの前記第1のセットおよびエッジノジュールの前記第2のセットはそれぞれ、エッジノジュールの単一円周方向列である請求項1に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項3】
各エッジノジュールの前記上部表面の表面積は、4つの中央突出部の上部表面および関連する中央ギャップによって取囲まれるエリアより小さい請求項1に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項4】
各エッジノジュールの前記上部表面の表面積は、3つの中央突出部の上部表面および関連する中央ギャップによって取囲まれるエリアに実質的に等しい請求項3に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項5】
前記エッジノジュールおよび前記中央ノジュールは、軸方向の行で配列され、前記行の間に軸方向チャネルを画定する請求項1に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項6】
エッジノジュールの前記第1のセットおよび前記第2のセットの少なくとも一方のエッジノジュールは、第1の長さを有するエッジノジュールおよび前記第1の長さより長い第2の長さを有するエッジノジュールを含む請求項1に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項7】
前記第1の長さを有するエッジノジュールおよび前記第2の長さを有するエッジノジュールは、前記本体の周りに円周方向に交互に存在し、前記第2の長さを有するエッジノジュールが、前記第1の長さのエッジノジュールに比べて、前記本体の中央領域に向かって遠くに延在するように、前記本体のエッジに隣接して配向される請求項6に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項8】
エッジノジュールの前記第1のセットおよび前記第2のセットの少なくとも一方のエッジノジュールは、全て同じ長さである請求項1に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項9】
同じ長さのエッジノジュールは、前記本体の周りに円周方向に配設され、前記本体のエッジに隣接して配向されるのと、前記本体上でさらに内向きにオフセットされるのとを交互に行う請求項8に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項10】
半導体ウェハの表面のCMP後の洗浄方法であって、
回転するウェハの表面を、回転する円柱フォームローラに係合させる工程であって、前記円柱フォームローラは、前記円柱フォームローラの周りに延在する細長いノジュールの円周方向に延在する行を有する、係合させる工程を備え、
前記細長いノジュールはそれぞれ、側部表面および外側ウェハ係合表面を有し、少なくとも主に軸方向に方向付けられ、
細長いノジュールの行が、前記ウェハのエッジを、前記側部表面ではなく前記細長いノジュールの前記外側ウェハ係合表面だけに係合させて配置されるように、前記ローラを前記ウェハ上に配置する、方法。
【請求項11】
ノジュールの行はそれぞれ、前記フォームローラ上に螺旋状に配置される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ローラが、回転し、前記ウェハに係合状態にあるときに、前記フォームローラを通して外向きに流体を注入する工程をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ウェハのCMP後の洗浄のための円柱フォームローラであって、軸、および、円柱外側ベース表面であって、円柱外側ベース表面から延在するノジュールのマトリクス配置構成を有する、円柱外側ベース表面を有し、前記ノジュールは全て、前記軸から均一な距離だけ外に延在し、前記ノジュールは、円柱フォームローラの周りに円周方向に延在し、前記ノジュールはそれぞれ、前記ノジュールの細長い寸法が、円周方向よりも軸方向により多く延在した状態で方向付けられるフォームローラ。
【請求項14】
前記細長いノジュールはそれぞれ、ウェハ係合表面を有し、前記ウェハ係合表面は、レーストラック形状を有する外側周縁を有する請求項10または13に記載のフォームローラ。
【請求項15】
円柱表面から半径方向に外に延在する複数の円柱ノジュールを含む請求項10または13または14に記載のフォームローラ。
【請求項16】
前記マトリクス配置構成は、前記円周方向に延在する細長いノジュールに隣接して、円柱ノジュールの円周方向に延在する行を含み、円柱ノジュールの前記行は、細長いノジュールの前記行と交錯される請求項10〜15のいずれか1項に記載のフォームローラ。
【請求項17】
ノジュールの前記マトリクス配置構成の前記ノジュールはそれぞれ、外側ウェハ係合表面を有し、前記表面はそれぞれ、フォームローラの前記円柱外側ベース表面に平行である請求項10〜16のいずれか1項に記載のフォームローラ。
【請求項18】
ノジュールの前記マトリクス配置構成の前記ノジュールはそれぞれ、外側ウェハ係合表面および側部表面を有し、前記表面はそれぞれ、実質的に平坦である請求項10〜17のいずれか1項に記載のフォームローラ。
【請求項19】
前記ノジュールはそれぞれ、細長いノジュールである請求項13に記載のフォームローラ。
【請求項1】
基板の化学機械研磨に続いて(CMP後の)基板を洗浄するブラシであって、
全体が円柱の本体と、
前記本体の中央領域内で前記円柱本体から外向きに突出する複数の中央ノジュールであって、互いから離間し、かつ、中央ギャップによって分離される、複数の中央ノジュールと、
前記円柱本体から外向きに突出し、かつ、前記中央ノジュールと異なる形状を有する複数のエッジノジュールであって、エッジノジュールの第1のセットは前記中央ノジュールと前記本体の第1の端部との間に配設され、エッジノジュールの第2のセットは前記中央ノジュールと前記本体の第2の端部との間に配設され、前記中央ノジュールは、エッジノジュールの各セットからエッジギャップだけ離間する、複数のエッジノジュールとを備え、
エッジノジュールおよび中央ノジュールの隣接する円周方向列は、前記エッジノジュールと前記中央ノジュールとの間の前記エッジギャップが、前記本体の周りに円周方向に延在する真っすぐな環状チャネルを形成しないように、前記本体の周りに千鳥状の交錯した配向で設けられ、
各エッジノジュールの上部表面は、基板に接触するように適合した、各中央ノジュールの上部表面の表面積より大きな表面積を有し、
前記エッジノジュールの前記上部表面および前記中央ノジュールの前記上部表面は、前記本体から実質的に同じ高さに延在するCMP後に用いるブラシ。
【請求項2】
エッジノジュールの前記第1のセットおよびエッジノジュールの前記第2のセットはそれぞれ、エッジノジュールの単一円周方向列である請求項1に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項3】
各エッジノジュールの前記上部表面の表面積は、4つの中央突出部の上部表面および関連する中央ギャップによって取囲まれるエリアより小さい請求項1に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項4】
各エッジノジュールの前記上部表面の表面積は、3つの中央突出部の上部表面および関連する中央ギャップによって取囲まれるエリアに実質的に等しい請求項3に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項5】
前記エッジノジュールおよび前記中央ノジュールは、軸方向の行で配列され、前記行の間に軸方向チャネルを画定する請求項1に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項6】
エッジノジュールの前記第1のセットおよび前記第2のセットの少なくとも一方のエッジノジュールは、第1の長さを有するエッジノジュールおよび前記第1の長さより長い第2の長さを有するエッジノジュールを含む請求項1に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項7】
前記第1の長さを有するエッジノジュールおよび前記第2の長さを有するエッジノジュールは、前記本体の周りに円周方向に交互に存在し、前記第2の長さを有するエッジノジュールが、前記第1の長さのエッジノジュールに比べて、前記本体の中央領域に向かって遠くに延在するように、前記本体のエッジに隣接して配向される請求項6に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項8】
エッジノジュールの前記第1のセットおよび前記第2のセットの少なくとも一方のエッジノジュールは、全て同じ長さである請求項1に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項9】
同じ長さのエッジノジュールは、前記本体の周りに円周方向に配設され、前記本体のエッジに隣接して配向されるのと、前記本体上でさらに内向きにオフセットされるのとを交互に行う請求項8に記載のCMP後に用いるブラシ。
【請求項10】
半導体ウェハの表面のCMP後の洗浄方法であって、
回転するウェハの表面を、回転する円柱フォームローラに係合させる工程であって、前記円柱フォームローラは、前記円柱フォームローラの周りに延在する細長いノジュールの円周方向に延在する行を有する、係合させる工程を備え、
前記細長いノジュールはそれぞれ、側部表面および外側ウェハ係合表面を有し、少なくとも主に軸方向に方向付けられ、
細長いノジュールの行が、前記ウェハのエッジを、前記側部表面ではなく前記細長いノジュールの前記外側ウェハ係合表面だけに係合させて配置されるように、前記ローラを前記ウェハ上に配置する、方法。
【請求項11】
ノジュールの行はそれぞれ、前記フォームローラ上に螺旋状に配置される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ローラが、回転し、前記ウェハに係合状態にあるときに、前記フォームローラを通して外向きに流体を注入する工程をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ウェハのCMP後の洗浄のための円柱フォームローラであって、軸、および、円柱外側ベース表面であって、円柱外側ベース表面から延在するノジュールのマトリクス配置構成を有する、円柱外側ベース表面を有し、前記ノジュールは全て、前記軸から均一な距離だけ外に延在し、前記ノジュールは、円柱フォームローラの周りに円周方向に延在し、前記ノジュールはそれぞれ、前記ノジュールの細長い寸法が、円周方向よりも軸方向により多く延在した状態で方向付けられるフォームローラ。
【請求項14】
前記細長いノジュールはそれぞれ、ウェハ係合表面を有し、前記ウェハ係合表面は、レーストラック形状を有する外側周縁を有する請求項10または13に記載のフォームローラ。
【請求項15】
円柱表面から半径方向に外に延在する複数の円柱ノジュールを含む請求項10または13または14に記載のフォームローラ。
【請求項16】
前記マトリクス配置構成は、前記円周方向に延在する細長いノジュールに隣接して、円柱ノジュールの円周方向に延在する行を含み、円柱ノジュールの前記行は、細長いノジュールの前記行と交錯される請求項10〜15のいずれか1項に記載のフォームローラ。
【請求項17】
ノジュールの前記マトリクス配置構成の前記ノジュールはそれぞれ、外側ウェハ係合表面を有し、前記表面はそれぞれ、フォームローラの前記円柱外側ベース表面に平行である請求項10〜16のいずれか1項に記載のフォームローラ。
【請求項18】
ノジュールの前記マトリクス配置構成の前記ノジュールはそれぞれ、外側ウェハ係合表面および側部表面を有し、前記表面はそれぞれ、実質的に平坦である請求項10〜17のいずれか1項に記載のフォームローラ。
【請求項19】
前記ノジュールはそれぞれ、細長いノジュールである請求項13に記載のフォームローラ。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【公表番号】特表2013−520803(P2013−520803A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554082(P2012−554082)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【国際出願番号】PCT/US2011/025623
【国際公開番号】WO2011/103538
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(505307471)インテグリス・インコーポレーテッド (124)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【国際出願番号】PCT/US2011/025623
【国際公開番号】WO2011/103538
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(505307471)インテグリス・インコーポレーテッド (124)
【Fターム(参考)】
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