説明

CPLA2阻害剤の製法

式(I):


の化合物の調製法であって、化合物HC≡C−(CH−NHを化合物R−SOClと反応させて、中間体化合物を生成させ、この中間体化合物を次いで式(II):


の化合物と反応させて、式(I)の化合物を生成させる方法。R、R、R、Rおよびnは特許請求の範囲において記載された定義を有する。式(I)の化合物は、cPLA阻害剤である式(V):


のインドール誘導体の調製において有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、酵素細胞質型ホスホリパーゼA(cPLA)の阻害剤の調製法、およびかかる方法において有用な新規中間体に関する。
【0002】
(従来技術)
細胞質型ホスホリパーゼAを阻害する化合物およびこの化合物を調製する方法は、米国特許公開番号2003−0144282A1(2002年11月22日提出)に開示されている。これらの化合物は、痛みおよび炎症の軽減を包含する様々な目的に有用である。医薬を市場に出すためには、前記化合物を製造するための経済的に見合う方法があることが必要である。実験室において有効に機能する方法が商業的観点から現実的でないことがしばしばある。前記化合物の少なくともいくつかを調製するための比較的高価でなく、有効な方法があることが望ましい。
Appletonらは、Tetrahedron Lett.1993,34,1529において、3−非置換インドールの還元的C−3アルキル化により、C−3官能化インドール、特に3−(アリールメチル)インドールおよび3−(ヘテロアリールメチル)インドールを製造することを示唆している。参考反応においては、トリエチルシランおよびトリフルオロ酢酸を用いて最初のインドールをアルデヒドまたはケトンと反応させる。
パラジウムに触媒されたアルキンのインドアニリン誘導体とのカップリングを用いた固相合成は、Fagnolaら、Tetrahedron Letters,38(13),2307−2310(1997)により開示されている。
【0003】
(発明の開示)
本発明は、式(I):
【化1】

(式中:
nは0〜10の範囲の整数である;
は直鎖または分岐鎖C−C10アルキル基または−CH−フェニルを表し、ここにおいてフェニル環は任意に、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲン、およびニトリルからなる群から独立して選択される2個までの置換基を有してもよく、各アルキルおよびアルコキシは1から最大数までのハロゲン原子で任意に置換されていてもよい;
およびRはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、ニトリル、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシからなる群から選択される;
は直鎖または分岐鎖C−C10アルキル基、
【化2】

を表す)の化合物の調製法を含む。
【0004】
前記方法は、HC≡C−(CH−NH(式中、nは前記定義のとおりである)、またはその塩形態、好ましくはそのHCl塩を、穏やかなアルカリ性条件下、好ましくは炭酸カリウムの溶液中、化合物R−SOCl(式中、Rは前記定義のとおりである)と反応させて、式(II):
【化3】

の中間体化合物を調製し;
次いで式(II)の化合物を式:
【化4】

の化合物と、好ましくは触媒の存在下で反応させることを含む。
【0005】
式(I)の化合物を、好ましくはNMP中、触媒量のCuIの存在下で加熱することにより環化させて、式(III):
【化5】

の化合物を形成することができる。
式(III)の化合物を、式O=CH−Rの化合物と還元剤の存在下、酸性条件下で反応させて(ここにおいて、Rは−(CH−X−フェニル−C(O)ORであり、mは1〜4の範囲の整数であり、XはOまたはCHであり、RはC−Cアルキルである)、式(IV):
【化6】

の化合物を形成することができる。
【0006】
式(IV)の化合物をLiOHとTHF、メタノールおよび水中で反応させて、RをRに変換することができる(ここにおいて、Rは−(CH−X−フェニル−C(O)OHであり、mおよびxは前記定義のとおりである)。
本発明は、式(I)および(II)の化合物をさらに含む。
本発明の様々な利点および目的は以下の記載および添付の請求の範囲から当業者に明らかになるであろう。
【0007】
(発明の詳細な記載)
本発明は、cPLAの阻害剤として有用な、ある種の置換インドールの合成において様々な化合物を製造するための新規方法を提供する。これらのcPLA阻害剤には、例えば、4−[3−[5−クロロ−2−[2−[[[(3,4−ジクロロフェニル)−メチル]−スルホニル]アミノ]エチル]−1−(ジフェニルメチル)−1H−インドール−3−イル]プロピル]安息香酸および4−[2−[5−クロロ−2−[2−[[[(3,4−ジクロロフェニル)メチル]−スルホニル]アミノ]エチル]−1−(ジフェニルメチル)−1H−インドール−3−イル]エトキシ]安息香酸、ならびに多くの他の化合物が含まれる。これらは、様々な状態または疾患状態に関連する痛みおよび炎症を軽減するために有用である。
【0008】
本発明の方法において、nは0〜10の範囲の整数であるが、好ましくは0〜4であり、最も好ましくは、1、2、または3である。Rは好ましくは、−CH−フェニルであり、ここにおいてフェニル環は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲン、およびニトリルからなる群から独立して選択される2個までの置換基を任意に有していてもよく、各アルキルおよびアルコキシ基は1ないし最大数のハロゲン原子により任意に置換されていてもよい。さらに好ましくは、置換基はハロゲン、アルキルまたはパーフルオロアルキルである。特に好ましいR基としては、3,4−ジクロロフェニルメチル、2,6−ジメチルフェニル−メチルおよび2−(トリフルオロメチル)フェニルメチルが挙げられる。RおよびRは好ましくは、H、F、Cl、またはBrである。Rは好ましくはベンズヒドリル基、特に、非置換ベンズヒドリル基である。好ましくは、Rはメチルまたはエチルであり、mは2である。非常に好ましいR基の例としては、−(CH−O−(p−)フェニル−C(O)OCHおよび−(CH−(p−)フェニル−C(O)OCが挙げられる。
【0009】
アルキニルアミンと塩化スルホニルを反応させて、式(II)の化合物を形成する際に、KCOのTHFおよび水中溶液を使用するのが非常に好ましい。しかしながら、他の好適な塩基または溶媒を使用することができる。当業者らは、どの溶液がこの反応を行うのに好適であるかを容易に決定できるであろう。
式(II)の化合物を置換2−ヨードフェニルアミン化合物と反応させる際に、好適な触媒が使用されるのが好ましい。好ましくは、触媒はCuIおよび/またはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である。反応をTHFなどの溶媒中で行うことが好ましい。
【0010】
本発明の一つの好ましい態様において、式(I)の化合物を、好ましくは触媒、例えばCuIの存在下、溶媒、例えば、N−メチルピロリジノン中で加熱することにより式(III)の化合物に変換することが好ましい。当業者に公知の他の好適な触媒および/または溶媒も用いることができる。式(I)の化合物は、インドール化合物への変換が完了するまで、好適には約100〜140℃、好ましくは約120℃に加熱することができる。
本発明のさらなる態様において、式(III)の化合物を式RCHOのアルデヒドと還元剤の存在下で反応させて、式(IV)の化合物を調製することができる。好ましくは、この反応は酸性溶媒系中で起こる。好適な溶媒系としては、ハロゲン化酸、例えば、クロロ酢酸、ジまたはトリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸および/またはルイス酸、例えば、三フッ化ホウ素およびジクロロメタンの、好ましくはトリフルオロ酢酸との混合物が挙げられる。好適な還元剤としては、トリエチルシランなどが挙げられる。当業者らは、本発明の実施において用いられる他の好適な溶媒系および還元剤を容易に確認できるであろう。
【0011】
式(IV)の化合物は、当該分野において公知の任意の手段によりエステルから酸に変換することができる。好ましい方法は、エステルをLiOHとTHF、メタノールおよび水中で反応させて、式(V):
【化7】

の化合物を調製する。
【0012】
本発明は、様々なC−2およびC−3置換インドール化合物、例えば前記の式(III)、(IV)および(V)の化合物を調製する方法を提供する。スキーム1は本発明の様々な好ましい態様を示す。以下のスキーム1において、n、R、R、R、R、RおよびRは前述のような定義を有し、THFとはテトラヒドロフランを意味し、NMPはN−メチルピロリジノンを意味し、TFAはトリフルオロ酢酸を意味する。
【化8】

【0013】
スキーム2は、本発明の非常に好ましい具体例を示し、4−[3−[5−クロロ−2−[2−[[[(3,4−ジクロロフェニル)−メチル]−スルホニル]アミノ]エチル]−1−(ジフェニルメチル)−1H−インドール−3−イル]プロピル]安息香酸(2)および4−[2−[5−クロロ−2−[2−[[[(3,4−ジクロロフェニル)メチル]スルホニル]−アミノ]エチル]−1−(ジフェニルメチル)−1H−インドール−3−イル]エトキシ]安息香酸(3)の比較的短い合成法を提供する。
【化9】

【0014】
スキーム2において、第一の中間体(6)をベンズヒドリル−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)アミン(7)と、触媒量のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を用いてカップリングさせて、アリールアルキン誘導体を得る。このアリールアルキンの環化は、触媒量のCuIを用いてN−メチル−ピロリジノン中で行われ、対応するインドール(9)を二段階で得る。これらのカップリングおよび環化反応はSonogashiraおよびCastro反応として知られ、触媒パラジウムおよび銅塩により媒介される。インドール(9)は、ジクロロメタン中トリエチルシランおよびトリフルオロ酢酸の試薬の組み合わせを用いてアルデヒド(10)でアルキル化することができ、エステル(13)を得る。化合物(12)は、インドール(9)が同じ条件下でアルデヒド(11)でアルキル化される場合に生成するが、収量は典型的には少ない。通常の塩基性条件下でのエステル(13)の加水分解により、化合物(2)が生成し、エステル(12)を加水分解して、化合物(3)を得ることができる。
本発明の他の非常に好ましい具体例には、化合物8、10〜13、および2〜3において、3,4−ジクロロフェニル基の代わりに2,6−ジメチルフェニルまたは2−(トリフルオロメチル)フェニル基である、スキーム2において示される反応を含む方法が含まれる。
【0015】
本発明は、様々な新規化合物を提供する。これらの新規化合物の例には:
N−ブト−3−イニル−1−(3,4−ジクロロフェニル)メタンスルホンアミド、
N−{4−[2−(ベンズヒドリルアミノ)−5−クロロフェニル]ブト−3−イニル}−1−(3,4−ジクロロフェニル)−メタンスルホンアミド、
N−[2−(1−ベンズヒドリル−5−クロロ−1H−インドール−2−イル)エチル]−1−(3,4−ジクロロフェニル)メタン−スルホンアミド、および
4−{3−[1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−(2−{[(3,4−ジクロロベンジル)スルホニル]アミノ}エチル)−1H−インドール−3−イル]プロピル}安息香酸エチルが含まれる。
【0016】
他の例には:
N−ブト−3−イニル−1−(2,6−ジメチルフェニル)メタンスルホンアミド、
N−{4−[2−(ベンズヒドリルアミノ)−5−クロロフェニル]ブト−3−イニル}−1−(2,6−ジメチルフェニル)−メタンスルホンアミド、
N−[2−(1−ベンズヒドリル−5−クロロ−1H−インドール−2−イル)エチル]−1−(2,6−ジメチルフェニル)メタン−スルホンアミド、
4−{3−[1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−(2−{[(2,6−ジメチルベンジル)スルホニル]アミノ}エチル)−1H−インドール−3−イル]プロピル}安息香酸エチル、
N−ブト−3−イニル−1−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−{4−[2−(ベンズヒドリルアミノ)−5−クロロフェニル]ブト−3−イニル}−1−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−メタンスルホンアミド、
N−[2−(1−ベンズヒドリル−5−クロロ−1H−インドール−2−イル)エチル]−1−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−メタン−スルホンアミド、および
4−{3−[1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−(2−{[(2−(トリフルオロメチル)ベンジル)スルホニル]アミノ}−エチル)−1H−インドール−3−イル]プロピル}安息香酸エチルが含まれる。
【0017】
特に記載しない限り、次の用語は明細書または添付の請求の範囲のどこであっても、以下に記載される意味を有する。
ハロゲンおよびハロ−とは、F、Cl、BrおよびIを意味する。アルキルとは、1〜20個の炭素原子を有し、直鎖または分岐鎖を有する飽和炭化水素置換基または基を意味する。アルケニルとは、1〜20個の炭素原子、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、直鎖または分岐鎖を有する炭化水素置換基または基を意味する。アルキニルとは、1〜20個の炭素原子、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖または分岐鎖を有する炭化水素置換基または基を意味する。アルコキシとは、酸素−炭素単結合により酸素原子に結合したアルキル基を意味する。アリールとは、1〜3個の縮合環を含有する不飽和炭化水素環系であって、各環が5〜7個の原子からなり、共役二重結合を有する不飽和炭化水素環系を意味する。ヘテロアリールとは、少なくとも1個の環原子が窒素、酸素または硫黄である点でアリールと異なる不飽和環系を意味する。
【0018】
医薬上許容される塩は、本発明の化合物が塩基性部分を含有する場合は、有機および無機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、フタル酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、および類似の公知の許容される酸から形成することができる。塩は、本発明の化合物が酸性部分を含有する場合、有機および無機塩基、好ましくは、例えば、ナトリウム、リチウム、またはカリウムなどのアルカリ金属塩から形成することもできる。
医薬上許容されるエステルは、本発明の化合物が酸性部分を含有する場合、アルコール、例えば、C−Cアルカノールとの反応から形成することができる。
次の実施例は、本発明のある具体例を説明するためのものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0019】
実施例1
N−ブト−3−イニル−1−(3,4−ジクロロフェニル)メタンスルホンアミド
15〜20℃の炭酸カリウム(40.2g、296ミリモル)の水(50mL)およびTHF(50mL)中混合物に、ブト−3−イニルアミン水素塩化物(10.4g、98.5ミリモル)を添加した。次いで、(3,4−ジクロロフェニル)メタンスルホニルクロリド(5、30.7g、118ミリモル)を30分間、数回に分けて添加した。混合物を4時間、室温で撹拌した。THFを蒸発させた。混合物をEtOAc(2x200mL)で抽出した。合した有機抽出物をNaSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、白色固体を得た(20.5g、71%)。H NMR(CDCl):δ7.53(d、1H、J=2.0Hz)、7.47(d、1H、J=4.2Hz)、7.27(m、1H)、4.52(t、1H、J=6.2Hz)、4.22(s、2H)、3.17(dd、2H、J=6.2Hz、12.5Hz)、2.41(m、2H)、2.07(m、1H)
【0020】
実施例2
N−{4−[2−(ベンズヒドリルアミノ)−5−クロロフェニル]ブト−3−イニル}−1−(3,4−ジクロロフェニル)−メタンスルホンアミド
ベンズヒドリル−(4−クロロ−2−ヨードフェニル)アミン(2.0g、4.76ミリモル)−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(66.8mg、0.0952ミリモル)、ヨウ化銅(I)(18.0mg、0.0952ミリモル)、およびトリエチルアミン(0.72g、7.14ミリモル)の混合物に、N−ブト−3−イニル−1−(3,4−ジクロロフェニル)メタンスルホンアミド(1.67g、5.71ミリモル)を添加した。混合物を18時間、室温で撹拌した。次いで、N−ブト−3−イニル−1−(3,4−ジクロロフェニル)メタンスルホンアミド(0.42g)を添加した。混合物を3時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。ヘプタンおよびEtOAcの混合物(3:1)を溶離剤として使用して、カラムクロマトグラフィーにより残留物を精製し、白色固体を得た(2.20g、81%)。H NMR(CDCl):δ7.2−7.6(m、Ph、CHPh)、6.98(m、1H)、6.30(d、1H、J=8.9Hz)、5.49(d、1H、J=4.6Hz)、5.06(d、1H、J=4.5Hz)、4.38(t、1H、J=6.24Hz)、4.14(s、2H)、3.14(dd、2H、J=6.4、12.6Hz)、2.61(t、2H、J=6.3Hz)。
【0021】
実施例3
N−[2−(1−ベンズヒドリル−5−クロロ−1H−インドール−2−イル)エチル]−1−(3,4−ジクロロフェニル)メタン−スルホンアミド
N−{4−[2−(ベンズヒドリルアミノ)−5−クロロフェニル]ブト−3−イニル}−1−(3,4−ジクロロフェニル)−メタンスルホンアミド(1.0g、1.71ミリモル)およびヨウ化銅(I)(0.30g、1.58ミリモル)の混合物を120℃に加熱し、7時間撹拌し、次いで室温に冷却した。水(50mL)を添加した。混合物をEtOAc(2x50mL)で抽出した。合した有機抽出物をNaSO上で乾燥した。溶媒を蒸発させた。ヘプタンおよびEtOAcの混合物(2:1)を溶離剤として使用して、カラムクロマトグラフィーにより残留物を精製して、白色固体を得た(0.76g、76%)。H NMR(CDCl):δ6.7−7.6(m、Ph、CHPh)、6.58(d、1H、J=8.9Hz)、4.20(m、1H)、3.99(s、2H)、3.10(dd、2H、J=6.9、13.3Hz)、2.94(t、2H、J=6.7Hz)。
【0022】
実施例4
4−{3−[1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−(2−{[(3,4−ジクロロベンジル)スルホニル]アミノ}エチル)−1H−インドール−3−イル]プロピル}安息香酸エチル
−20℃〜−25℃で、N−[2−(1−ベンズヒドリル−5−クロロ−1H−インドール−2−イル)エチル]−1−(3,4−ジクロロフェニル)−メタンスルホンアミド(3.0g、5.14ミリモル)、トリエチルシラン(1.79g、15.4ミリモル)、および4−(3−オキソプロピル)安息香酸エチルエステル(1.26g、6.16ミリモル)のジクロロメタン(30mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(2.93g、25.7ミリモル)を1分間で添加した。混合物を−10℃に温め、4時間撹拌した。飽和水性NaHCO(20mL)を添加した。混合物をEtOAc(150mL)で抽出した。有機抽出物をNaSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させた。ヘプタンおよびEtOAcの混合物(4:1)を溶離剤として使用して、カラムクロマトグラフィーにより残留物を精製して、白色固体を得た(2.25g、56%)。H NMR(CDCl):δ6.9−7.6(m、Ph、CHPh)、7.97(d、1H、J=1.6Hz)、7.41(d、1H、J=1.9Hz)、6.50(d、1H、J=8.9Hz)、4.35(dd、2H、J=7.1、14.3Hz)、4.13(m、1H)、3.92(s、2H)、2.95(m、2H)、2.71(m、6H)、1.96(m、2H)、1.38(t、3H、J=7.1Hz)。
【0023】
実施例5
4−[3−[5−クロロ−2−[2−[[[(3,4−ジクロロフェニル)−メチル]−スルホニル]アミノ]エチル]−1−(ジフェニルメチル)−1H−インドール−3−イル]プロピル]安息香酸
4−{3−[1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−(2−{[(3,4−ジクロロベンジル)スルホニル]−アミノ}エチル)−1H−インドール−3−イル]プロピル}安息香酸(0.50g、0.65ミリモル)、LiOH(0.24g、10.0ミリモル)、メタノール(5mL)、THF(5mL)および水(5mL)の溶液を18時間室温で撹拌し、次いで水(200mL)で希釈した。1N HCl(10mL)を添加した。反応混合物をEtOAc(2x50mL)で抽出した。有機抽出物をNaSO上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて、白色固体を得た(0.46g、96%)。H NMR(DMSO−d6):δ12.80(br.s、1H)、7.89(d、2H、J=2Hz)、7.59(d、1H、J=1.5Hz)、7.53(d,1H、J=6Hz)、7.48(d、1H、J=1.5Hz)、7.38(m、9H)、7.20(m、5H)、6.77(dd、1H、J=6.9&1.5Hz)、6.46(d、1H、J=6.9Hz)、4.36(s、2H)、3.18(m,2H)、2.96(m,2H)、2.76(m、4H)、1.90(m、2H)。
【0024】
本明細書において例示されなかった本発明の多くの変更を当業者は気づくであろう。本発明は、本明細書において例示し、記載された具体例に限定されず、添付の請求の範囲内のもの全てを包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中:
nは0〜10の範囲の整数である;
は直鎖または分岐鎖C−C10アルキル基または−CH−フェニルを表し、ここにおいてフェニルは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲン、およびニトリルからなる群から独立して選択される2個までの置換基を有してもよく、各アルキルおよびアルコキシは1から最大数までのハロゲン原子で置換されていてもよい;
およびRはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、ニトリル、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシからなる群から選択される;
は直鎖または分岐鎖C−C10アルキル基、
【化2】

(式中、R2aおよびR3aはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、ニトリル、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシからなる群から選択される)
を表す]
で示される化合物の製法であって:
a)化合物R−SOClを化合物HC≡C−(CH−NHまたはその塩形態(ここにおいて、nは0〜10の整数である)とアルカリ性条件下で反応させて、式(II):
【化3】

の中間体化合物を調製し;次いで
b)式(II)の化合物を式:
【化4】

の化合物と反応させることを含む、方法。
【請求項2】
反応工程a)が炭酸カリウム溶液中で行われる請求項1記載の方法。
【請求項3】
反応工程b)が触媒の存在下で行われる請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
触媒が、ヨウ化銅(I)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、またはその組み合わせを含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
がベンズヒドリル基である請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
が−CH−フェニルを表し、前記フェニルは2個までのハロゲン、あるいはハロゲン化されていてもよいC−CアルキルまたはC−Cアルコキシ置換基で置換されていてもよい請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
nが1、2または3である請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
において、フェニルが2個までのハロゲン、メチルまたはトリフルオロメチル置換基により置換されていてもよく;RがHであり;RがClであり;Rが非置換ベンズヒドリル基である請求項7記載の方法。
【請求項9】
工程a)がKCOのテトラヒドロフランおよび水中溶液中で行われる請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
工程b)が、テトラヒドロフラン中、CuIおよびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)の存在下で行われる請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
式(I)の化合物を加熱して、式(III):
【化5】

のインドール化合物を調製することをさらに含む請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
式(I)の化合物が、N−メチルピロリジノン中、CuIの存在下で、約100〜140℃の範囲の温度に加熱される請求項11記載の方法。
【請求項13】
式(III)の化合物を式RCHOのアルデヒド化合物と還元剤の存在下、酸性条件下で反応させることをさらに含み(ここにおいて、Rは−(CH−X−フェニル−C(O)ORであり、mは1〜4の範囲の整数であり、XはOまたはCHであり、RはC−Cアルキルである)、式(IV):
【化6】

の化合物が形成される請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
アルデヒド化合物が、トリエチルシラン、トリフルオロ酢酸および水を含む溶液中で反応させられる請求項13記載の方法。
【請求項15】
式(IV)の化合物を式(V):
【化7】

[式中、Rは−(CH−X−フェニル−C(O)OHを表し、mは1〜4の範囲の整数であり、XはOまたはCHである]
で示される化合物に変換することをさらに含む請求項13または14記載の方法。
【請求項16】
式(V)の化合物をその医薬上許容される塩またはエステルに変換する工程をさらに含む請求項15記載の方法。
【請求項17】
請求項13または14のいずれか1つに記載の方法に従って製造される生成物。
【請求項18】
請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法に従って製造される生成物。
【請求項19】
N−ブト−3−イニル−1−(3,4−ジクロロフェニル)メタンスルホンアミド;
N−{4−[2−(ベンズヒドリルアミノ)−5−クロロフェニル]ブト−3−イニル}−1−(3,4−ジクロロフェニル)−メタンスルホンアミド;
N−[2−(1−ベンズヒドリル−5−クロロ−1H−インドール−2−イル)エチル]−1−(3,4−ジクロロフェニル)メタンスルホンアミド;および
4−{3−[1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−(2−{[(3,4−ジクロロベンジル)スルホニル]アミノ}エチル)−1H−インドール−3−イル]プロピル}安息香酸エチルからなる群から選択される化合物。
【請求項20】
N−ブト−3−イニル−1−(2,6−ジメチルフェニル)メタンスルホンアミド、
N−{4−[2−(ベンズヒドリルアミノ)−5−クロロフェニル]ブト−3−イニル}−1−(2,6−ジメチルフェニル)−メタンスルホンアミド、
N−[2−(1−ベンズヒドリル−5−クロロ−1H−インドール−2−イル)エチル]−1−(2,6−ジメチルフェニル)メタンスルホンアミド、
4−{3−[1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−(2−{[(2,6−ジメチルベンジル)スルホニル]アミノ}エチル)−1H−インドール−3−イル]プロピル}安息香酸エチル、
N−ブト−3−イニル−1−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)メタンスルホンアミド、
N−{4−[2−(ベンズヒドリルアミノ)−5−クロロフェニル]ブト−3−イニル}−1−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−メタンスルホンアミド、
N−[2−(1−ベンズヒドリル−5−クロロ−1H−インドール−2−イル)エチル]−1−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−メタンスルホンアミド、および
4−{3−[1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−(2−{[(2−(トリフルオロメチル)ベンジル)スルホニル]アミノ}−エチル)−1H−インドール−3−イル]プロピル}安息香酸エチルからなる群から選択される化合物。
【請求項21】
式(I):
【化8】

[式中、
nは0〜10の範囲の整数である;
は直鎖または分岐鎖C−C10アルキル基、または−CH−フェニルを表し、ここにおいてフェニルは、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲン、およびニトリルからなる群から独立して選択される2個までの置換基を有していてもよく、各アルキルおよびアルコキシは1ないし最大数のハロゲン原子により置換されていてもよい;
およびRはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、ニトリル、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシからなる群から選択される;
は直鎖または分岐鎖C−C10アルキル基、
【化9】

(式中、R2aおよびR3aはそれぞれ独立して、H、ハロゲン、ニトリル、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシからなる群から選択される)を表す]
で示される化合物。
【請求項22】
nが0〜4の範囲の整数であり、Rが−CH−フェニルを表し、フェニル環が2個までのハロゲン、アルキル、またはパーフルオロアルキル置換基を有していてもよく、Rがベンズヒドリル基である請求項21記載の化合物。
【請求項23】
式(II):
【化10】

[式中、nは0〜10の範囲の整数であり、Rは直鎖または分岐鎖C−C10アルキル基または−CH−フェニルを表し、ここにおいてフェニル環は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲン、およびニトリルからなる群から独立して選択される2個までの置換基を有していてもよく、各アルキルおよびアルコキシは1ないし最大数のハロゲン原子で置換されていてもよい]
で示される化合物。
【請求項24】
nが0〜4の範囲の整数であり、Rが−CH−フェニルを表し、フェニル環が、1ないし最大数のハロゲンにより置換されていてもよいC−Cアルキル、およびハロゲンからなる群から独立して選択される2個までの置換基を有していてもよい請求項23記載の化合物。

【公表番号】特表2007−500190(P2007−500190A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521893(P2006−521893)
【出願日】平成16年7月19日(2004.7.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/023247
【国際公開番号】WO2005/012238
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】