説明

HSP90誘発疾患を治療するためのインダゾール誘導体

1〜R3が請求項(1)に示されている意味を有する新規の式(I)のインダゾール誘導体は、HSP90阻害剤であり、HSP90の阻害、制御および/または調節が役割を果たす疾患を治療するための医薬品を調製するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有用な特性を有する新規化合物、特に薬剤の調製に使用可能な化合物を見出すという目的に基づいたものである。
【0002】
本発明は、HSP90の阻害、制御および/または調節が関与する化合物、さらにはこれらの化合物を含む医薬組成物、ならびにHSP90が関与する疾患の治療における前記化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
細胞中のタンパク質の正確なフォールディングおよび構造は分子シャペロンによって保証されており、タンパク質の合成および分解の平衡を制御するのに不可欠である。シャペロンは、細胞の多くの主要機能(例えば細胞増殖およびアポトーシス)の制御において重要である(JollyおよびMorimoto、2000;Smithら、1998;Smith、2001)。
【0004】
熱ショックタンパク質(HSP)
組織の細胞は、外部ストレス(例えば、熱、低酸素、酸化ストレス)または毒性物質(例えば、重金属類もしくはアルコール類)に、「熱ショックタンパク質」(HSP)という用語で知られている多数のシャペロンを活性化して反応する。
【0005】
HSPの活性化は、かかるストレス因子によって起こるダメージから細胞を守り、生理的状態の回復を速め、細胞をストレス耐性の状態にする。
【0006】
最初に発見されたこのHSPにより促進される外部ストレスに対する防御機序の他に、ストレスフリーの正常な条件下での個々のHSPに関する経時的なシャペロンのさらなる重要機能が報告されている。したがって、種々のHSPは、例えば、細胞の数多くの生物学上重要なタンパク質の正確なフォールディング、細胞内局在化および機能または制御型分解を制御する。
【0007】
HSPは、それらの細胞発現、機能および局在化は異なる細胞で相違している別個の遺伝子産物を有する遺伝子ファミリーを形成している。そのファミリー内での名称および分類は、例えば、HSP27、HSP70およびHSP90のように、それらの分子量に基づいて行われている。
【0008】
あるヒト疾患は、タンパク質のフォールディングが不正確なことが原因となっている(例えば、Tytellら、2001;Smithら、1998の概説を参照)。したがって、シャペロン依存性タンパク質フォールディングの機序に関わる治療法を開発すれば、かかる症例で有効となるはずである。例えば、フォールディングされたタンパク質が不正確な場合、アルツハイマー病、プリオン病またはハンチントン症候群の症例では、タンパク質の凝集が起こり、神経変性が進行する。また、タンパク質のフォールディングが不正確であると野生型機能が喪失し、それによって不正確に制御された分子および生理機能につながる可能性がある。
【0009】
さらに、HSPは腫瘍疾患においても重要視されている。例えば、特定のHSPの発現が腫瘍の進行段階と関連していることが示唆されている(Martinら、2000;Conroyら、1996;Kawanishiら、1999;Jameelら、1992;Hoangら、2000;Lebeauら、1991)。
【0010】
HSP90が細胞における数多くの重要な発癌シグナル伝達経路に関与し、癌阻害活性を有する特定の天然産物がHSP90を標的にすることから、腫瘍疾患の治療でHSP90の機能を阻害することは理にかなっているとの概念に達した。HSP90阻害剤である17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)はゲルダナマイシンの誘導体であるが、現在臨床試験が行われている。
【0011】
HSP90
HSP90は、細胞の全タンパク質量の約1〜2%に相当する。これは通常、細胞中で二量体の形態をしており、多数のタンパク質に関係している(いわゆるコシャペロン)(例えば、Pratt、1997を参照)。
【0012】
HSP90は細胞の生命力にとって不可欠であり(Youngら、2001)、細胞のストレスに対する応答において、外部ストレス、例えば熱ショックによりその本来のフォールディングが変化してしまった多くのタンパク質と相互作用し、本来のフォールディングを回復させるか、タンパク質の凝集を防止するよう重要な機能を果たしている(Smithら、1998)。
【0013】
また、HSP90は、突然変異により生じるタンパク質の不正確なフォールディングを改善することが推察されることから、突然変異の影響に対する緩衝体として重要であることも示唆されている(RutherfordおよびLindquist、1998)。
【0014】
さらに、HSP90には制御上の重要性もある。生理学的条件下では、HSP90は、小胞体GRP94内でそのホモログと一緒になって、構造を確実に安定させ、様々なクライアントキータンパク質(client key protein)を成熟させるように細胞バランスで機能している。これらは、次の3つの群に分けることができる:ステロイドホルモンに対する受容体、Ser/Thrまたはチロシンキナーゼ(例えば、ERBB2、RAF−1、CDK4およびLCK)、ならびに様々なタンパク質の集合(例えば、変異型p53またはテロメラーゼhTERTの触媒サブユニット)。これらの各タンパク質は、細胞の生理学的および生化学的プロセスの制御において重要な役割を担っている。ヒトで保存されているHSP90ファミリーは、次の4種の遺伝子、細胞質HSP90α、誘導型HSP90βアイソフォーム(Hickeyら、1989)、小胞体内のGRP94(Argonら、1999)および糸粒体基質内のHSP75/TRAP1(Feltsら、2000)からなる。このファミリーのすべてのメンバーは同様の作用モードを有しているが、それらの細胞内の局在化に応じて異なるクライアントタンパク質に結合するものと推測される。例えば、ERBB2はGRP94の特異的クライアントタンパク質であるが(Argonら、1999)、腫瘍壊死因子の1型受容体(TNFR1)または網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)は、TRAP1のクライアントであることが分かっている(Songら、1995;Chenら、1996)。
【0015】
HSP90は、多数のクライアントタンパク質および制御タンパク質との数多くの複合体相互作用に関与している(Smith、2001)。正確な分子の詳細はまだ明らかにされてはいないが、最近ではX線結晶学を用いた生化学実験および研究からHSP90のシャペロン機能の詳細がさらに進んで解析できるようになってきた(Prodromouら、1997;Stebbinsら、1997)。したがって、HSP90は、ATP加水分解にとって重要な二量体が形成される、ATP依存性分子シャペロン(Prodromouら、1997)である。ATPが結合すると環状の二量体構造が形成され、そこでは2つのN−末端ドメインが相互に緊密な連絡をとるようになり、構造中でスイッチとして作用する(ProdromouおよびPearl、2000)。
【0016】
公知のHSP90阻害剤
発見されたHSP90阻害剤の最初の分類は、ヘルビマイシンA化合物およびゲルダナマイシン化合物を含むベンゾキノンアンサマイシン系であった。もともとは、v−Src腫瘍誘発遺伝子による形質転換によって誘発された線維芽細胞の悪性表現型の復帰がそれらで検出された(Ueharaら、1985)。
【0017】
その後、強い抗腫瘍活性がin vitroで(Schulteら、1998)、および動物モデルのin vivoで(Supkoら、1995)証明された。
【0018】
次いで、免疫沈降反応および親和性マトリックスに関する研究から、ゲルダナマイシンの主要な作用機序がHSP90への結合に関係していることが明らかになった(Whitesellら、1994;SchulteおよびNeckers、1998)。さらに、X線の結晶学的研究から、ゲルダナマイシンがATP結合部位に競合し、HSP90の内因性ATPアーゼ活性を阻害することが明らかになった(Prodromouら、1997;Panaretouら、1998)。多量体のHSP90複合体が形成されるのを阻止され、その機能特性はクライアントタンパク質に対するシャペロンとして作用する。その結果、クライアントタンパク質は、ユビキチンプロテアソーム経路により分解される。
【0019】
ゲルダナマイシン誘導体である17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)では、HSP90阻害、クライアントタンパク質の分解、ならびに細胞培養および異種移植片腫瘍モデルにおける抗腫瘍活性に変わりのない特性が確認されたが(Schulteら、1998;Kellandら、1999)、それはゲルダナマイシンに比べると肝臓細胞毒性が有意に低かった(Pageら、1997)。現在、17AAGは臨床試験のフェーズI/IIが行われている。
【0020】
同様に、大環状抗生物質のラディシコールは、v−Srcおよびv−Ha−Ras−誘発型線維芽細胞悪性表現型の復帰を示した(Kwonら、1992;Zhaoら、1995)。ラディシコールは、HSP90阻害の結果として、数多くのシグナルタンパク質を分解する(Schulteら、1998)。同様に、X線の結晶学的研究から、ラディシコールがHSP90のN−末端ドメインに結合し、内因性ATPアーゼ活性を阻害することが明らかになっている(Roeら、1998)。
【0021】
クマリンタイプの抗生物質は、周知の通り、細菌内でHSP90ホモログDNAジャイレースのATP結合部位に結合する。クマリン系のノボビオシンは、HSP90のカルボキシ末端に(すなわち、HSP90のN末端に結合するベンゾキノンアンサマイシンおよびラディシコールとは異なるHSP90の別の部位に)結合する(Marcuら、2000b)。
【0022】
ノボビオシンでHSP90を阻害すると、数多くのHSP90依存性シグナルタンパク質が分解される(Marcuら、2000a)。
【0023】
シグナルタンパク質(例えば、ERBB2)の分解は、PU3(プリンから誘導体化したHSP90阻害剤)を用いて証明された。PU3は、乳癌細胞系で細胞周期停止および分化をもたらす(Chiosisら、2001)。
【0024】
治療標的としてのHSP90
腫瘍の表現型で極めて重要性のある数多くの信号伝達系の制御にHSP90が関与することと、特定の天然産物がHSP90活性を阻害することによりそれらの生物学的作用に影響を及ぼすという発見から、現在、腫瘍治療薬の開発における新規標的としてHSP90が試験されている(Neckersら、1999)。
【0025】
ゲルダナマイシン、17AAGおよびラディシコールの主要な作用機序には、タンパク質のN末端ATP結合部位へATPが結合するのを阻害すること、またその結果、HSP90の内因性ATPアーゼ活性が阻害されることが含まれる(例えば、Prodromouら、1997;Stebbinsら、1997;Panaretouら、1998を参照)。HSP90のATPアーゼ活性が阻害されると、コシャペロンの供給が妨げられ、HSP90ヘテロ複合体の形成が有利となり、これがクライアントタンパク質にユビキチンプロテアソーム経路を介した分解を引き起こす(例えば、Neckersら、1999;Kellandら、1999を参照)。HSP90阻害剤で腫瘍細胞を治療すると、細胞増殖、細胞周期の制御およびアポトーシスなどのプロセスに対して本質的な重要性を持つ重要なタンパク質が選択的に分解される。これらのプロセスは、腫瘍では無秩序であることが多い(例えば、Hosteinら、2001を参照)。
【0026】
HSP90の阻害剤の開発が好ましい理由は、形質転換された表現型に関係している数多くのタンパク質を同時に分解することによって強い腫瘍治療効果を達成することができることである。
【0027】
詳しくは、本発明は、HSP90を阻害、制御および/または調節する化合物と、これらの化合物を含む組成物と、HSP90誘発疾患(例えば腫瘍疾患)、ウイルス疾患(例えばB型肝炎)(Waxman、2002);移植における免疫抑制(Bijlmakers、2000およびYorgin、2000);炎症性疾患(Bucci、2000)(例えば、慢性関節リウマチ、喘息、多発性硬化症、1型糖尿病、紅斑性狼瘡、乾癬および炎症性腸疾患);嚢胞性線維症(Fuller、2000);血管新生関連疾患(Hur、2002およびKurebayashi、2001)(例えば、糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症および腫瘍血管新生);感染症;自己免疫性疾患;虚血;神経再生の促進(Rosenら、WO 02/09696;Degrancoら、WO 99/51223;Gold、US 6210974 B1);線維形成性疾患(例えば、硬腫、多発性筋炎、全身性狼瘡、肝硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺線維症)(Strehlow、WO 02/02123)の治療におけるこれらの使用に関する。
【0028】
また本発明は、化学療法によって起こる毒性に対する正常細胞の保護における本発明による化合物の使用、および不正確なタンパク質のフォールディングまたは凝集が主要病因である疾患、例えば、スクレーピー、クロイツフェルトヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病(Sittler、Hum.Mol.Genet.、10、1307、2001;Tratzeltら、Proc.Nat.Acad.Sci.、92、2944、1995;Winklhoferら、J.Biol.Chem.、276、45160、2001)における使用にも関する。
【0029】
WO01/72779には、プリン化合物、ならびにGRP94(HSP90のホモログまたはパラログ)誘発疾患、例えば腫瘍疾患(ここでは、癌組織としては、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮細胞肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮細胞肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫(leiosarcoma)、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、骨髄癌腫、気管支原生癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、睾丸腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮性悪性腫瘍、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンストロームマクログロブリン血症、および重鎖病からなる群から選択される肉腫または癌腫が挙げられる)の治療におけるその使用が記載されている。
【0030】
さらにWO01/72779には、ウイルス疾患(ここで、ウイルス病原体は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV−I)、II型単純ヘルペス(HSV−II)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、乳頭腫ウイルス、パポバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、おたふくかぜウイルス、はしかウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、I型ヒト免疫不全ウイルス(HIV−I)およびII型ヒト免疫不全ウイルス(HIV−II)からなる群から選択される)の治療におけるそこに記載の化合物の使用が開示されている。
【0031】
さらにWO01/72779には、GRP94調節におけるそこに記載の化合物の使用(ここでは、調節した生物学的GRP94活性により、個体の免疫反応、小胞体からのタンパク質輸送、低酸素/無酸素ストレスからの回復、栄養失調からの回復、熱ストレスからの回復、もしくはこれらの組合せが生じ、かつ/または、障害は、一種の癌、感染症、小胞体からの破壊タンパク質輸送に関連した障害、虚血/再灌流関連障害(ここで、虚血/再灌流関連障害とは、心拍停止、不全収縮および遅延性心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄損傷、頭部外傷、卒中、血栓塞栓性卒中、出血性卒中、脳血管痙攣、低血圧症、低血糖症、てんかん重積症、てんかん発作、不安、統合失調症、神経変性障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児ストレスによるものである)もしくはこれらの組合せである)が記載されている。
【0032】
最後に、WO01/72779には、細胞を組織部位でGRP94タンパク質モジュレーターにより治療し、虚血性状態に対するその後の細胞応答を変化させる程度まで細胞内のGRP94活性を高めることによって、個体の組織部位での虚血性状態に対するその後の細胞応答を変化させる薬剤の調製におけるGRP94タンパク質モジュレーターの有効量の使用(ここでは、その後の虚血性疾患は、好ましくは、心拍停止、不全収縮および遅延性心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄損傷、頭部外傷、卒中、血栓塞栓性卒中、出血性卒中、脳血管痙攣、低血圧症、低血糖症、てんかん重積症、てんかん発作、不安、統合失調症、神経変性障害、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児ストレスによるものであり、組織部位は移植のドナー組織である)が記載されている。
【0033】
Trends in Molecular Medicine、第10巻、第6号、2004年6月には、A.Kamalらが特に中枢神経系疾患および心血管疾患の治療におけるHSP90活性化の治療用途および診断用途について記載している。
【0034】
したがって、HSP90を特異的に阻害、制御および/または調節する小型化合物を同定することが望まれており、それが本発明の目的である。
【0035】
本発明による化合物およびその塩は、十分な許容性を持ちながら非常に有用な薬理学的特性を有していることが確認された。特に、これらはHSP90阻害特性を示す。
【0036】
したがって、本発明は、前記疾患の治療および/または予防における薬剤および/または薬剤有効成分としての本発明による化合物と、前記疾患を治療および/または予防するための薬剤の調製における本発明による化合物の使用と、さらに、かかる投与を必要とする患者に本発明の化合物の1種または複数の化合物を投与することを含む前記疾患の治療方法に関する。
【0037】
宿主または患者は、任意の哺乳動物、例えば霊長類種、特にヒト;ハツカネズミ、ネズミおよびハムスターを含むげっ歯動物;ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなどに属し得る。動物モデルは実験研究の対象であり、その場合、それらはヒトの疾患の治療に関するモデルを提供する。
【0038】
先行技術
WO00/53169号には、クマリンまたはクマリン誘導体を使用するHSP90阻害が記載されている。
【0039】
WO03/041643A2には、HSP90阻害性ゼアララノール誘導体が開示されている。
【0040】
他のHSP90阻害性インダゾール誘導体が、WO06/010595およびWO02/083648から知られている。
【0041】
さらなる文献:
【0042】
【表1−1】

【0043】
【表1−2】

【0044】
【表1−3】

【0045】
【表1−4】

【0046】
【表1−5】

【0047】
【表1−6】

【0048】
【表1−7】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】国際公開第00/53169号パンフレット
【特許文献2】国際公開第03/041643A2号パンフレット
【特許文献3】国際公開第06/010595号パンフレット
【特許文献4】国際公開第02/083648号パンフレット
【非特許文献】
【0050】
【非特許文献1】Argon Y and Simen BB. 1999 "Grp94, an ER chaperone with protein and peptide binding properties", Semin. Cell Dev. Biol., Vol.10, pp.495-505.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0051】
本発明は、式Iの化合物
【0052】
【化1】

【0053】
[式中、
1は、H、OH、OCH3、OCF3、OCHF2、OBzl、OAc、p−メトキシベンジルオキシ、SH、S(O)mCH3、SO2NH2、Hal、CF3またはCH3を示し、
2は、Alk、(CH2nHet、CN、NO2、NH2、OH、OA、O(CH2nAr、O(CH2nHet、SH、COA、CO(CH2nAr、CO(CH2nHet、S(O)mA、S(O)m(CH2nAr、S(O)m(CH2nHet、NHA、NHAr、NHHet、NAA’、COOH、COOA、CONH2、CONHA、CONAA’、CONH(CH2nAr、CONA(CH2nAr、CONH(CH2nHet、CONA(CH2nHet、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、SO2NH(CH2nAr、SO2NA(CH2nAr、SO2NH(CH2nHet、SO2NA(CH2nHet、NHCOA、NACOA’、NHCO(CH2nAr、NACO(CH2nAr、NHCO(CH2nHet、NACO(CH2nHet、NHSO2A、NASO2A’、NHSO2(CH2nAr、NASO2(CH2nAr、NHSO2(CH2nHet、NASO2(CH2nHet、NHCOOA、NHCOOAr、NHCOOHet、NHCONHA、NHCONHArまたはNHCONHHetを示し、
3は、H、Hal、A、AOH、COOA、CONH2、CONHA、CONAA’、CONHAr、CONH(CH2)Ar、CONAAr、CONA(CH2)Ar、CONHHet、CONH(CH2)Het、CONAHet、CONA(CH2)Het、(CH2nCOOA、(CH2nCONHA、(CH2nCONAA’、(CH2nNHCONH2、(CH2nNHCONHA、(CH2nNHCONAA’、(CH2nNHCOA、(CH2nNHCOAr、(CH2nNHSO2A、(CH2nNHSO2Ar、(CH2nNASO2Ar、(CH2nNHSO2CH2Ar、(CH2nNASO2CH2Ar、(CH2nAr、(CH2nHet、NHArまたはNHHetを示し、
Arは、それぞれ非置換であるか、A、OA、OH、SH、S(O)mA、Hal、NO2、CN、COA、COOH、COOA、CONR45、SO2NR45、NR45、OCONR45、NR4COR5、NR4SO25、NR4CONR45、(CH2nNHSO2A、O(CH2pCN、SO2Het1、O(CH2pNR45および/または(CH2mHet1により一、二、三、四または五置換されているフェニル、ナフチルまたはビフェニルを示し、
A、A’はそれぞれ相互に独立に、1〜3個のCH2基がO、S、SO、SO2、NH、NMeまたはNEtにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置き換えられていてもよい1〜10個のC原子を有する非分枝鎖または分枝鎖アルキルを示すか、3〜8個のC原子を有するAlkまたは環式アルキルを示し、
Alkは、2〜6個のC原子を有するアルケニルまたはアルキニルを示し、
Hetは、非置換であるか、A、OA、OH、SH、S(O)mA、Hal、NO2、CN、COA、COOA、CONR45、SO2NR45、NR45、OCONR45、NR4COR5、NR4SO25、NR4CONR45、=S、=NH、=NAおよび/または=O(カルボニル酸素)により一、二または三置換されていてもよい1から4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
Het1は、非置換であるか、A、OA、OHおよび/または=O(カルボニル酸素)により一、二または三置換されていてもよい1から3個のNおよび/またはO原子を有する単環式飽和複素環を示し、
4、R5はそれぞれ相互に独立に、Hを示すか、1〜3個のCH2基がO、S、SO、SO2、NH、NMeまたはNEtにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置き換えられていてもよい1〜6個のC原子を有するアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
mは、0、1または2を示し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
pは、1、2、3または4を示す]
ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)に関する。
【0054】
本発明は、式Iの化合物およびその塩と、式Iの化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体を調製する方法に関し、これは、
a)式IIの化合物
【0055】
【化2】

【0056】
[式中、
1、R2およびR3は、請求項1に示した意味を有し、
Lは、F、Cl、Br、Iもしくは遊離、または反応性に修飾されたOH基を示す]
を、ヒドラジンまたはヒドラジン水和物と反応させ、
必要に応じて引き続き、1個または複数の基R1、R2および/またはR3を、例えば、
i)ニトロ基をアミノ基に還元するか、
ii)エステル基をカルボキシル基に加水分解するか、
iii)還元的アミノ化により、アミノ基をアルキル化アミンに変換するか、
iv)カルボキシル基またはエステルをアミドに変換するか、
v)アミノ基をアシル化することにより、
1個または複数の基R1、R2および/またはR3に変換し、かつ/または
式Iの塩基または酸をその塩の1種に変換することを特徴とする。
【0057】
本発明はまた、これらの化合物の立体異性体(E、Z異性体)ならびに水和物および溶媒和物に関する。本化合物の溶媒和物は、それらの相互引力により形成される、不活性溶媒分子の本化合物への付加を意味するものとする。溶媒和物は、例えば一水塩もしくは二水和物またはアルコラートである。
【0058】
薬学的に使用可能な誘導体は、例えば、本発明による化合物の塩およびまたいわゆるプロドラッグ化合物を意味するものと理解される。
【0059】
プロドラッグ誘導体の語は、例えば、アルキルまたはアシル基、砂糖またはオリゴペプチドを用いて変性し、生物体中で急速に開裂して本発明による有効な化合物を形成する式Iの化合物を意味するものと理解される。
【0060】
これらにはまた、例えばInt.J.Pharm.115,61〜67(1995)に記載されているように、本発明による化合物の生分解性ポリマー誘導体も含まれる。
【0061】
「有効量」という表現は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば研究者または医師によって探求または要望されている生物学的または医学的応答をもたらす薬剤または医薬品有効成分の量を意味する。
【0062】
さらに、「治療有効量」という表現は、この量を投与されなかった対応の被験体と比べた場合に、次の作用:疾患、症候群、症状、病訴、障害もしくは副作用の治癒治療、治癒、予防もしくは除去における改善、あるいはまた、疾患、病訴もしくは障害の進行の縮小をもたらす量を意味する。
【0063】
さらに「治療有効量」という用語には、正常な生理学的機能の増強に有効な量も包含される。
【0064】
本発明はまた、本発明による式Iの化合物の混合物、例えば2つのジアステレオマーの、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の混合物に関する。これらは特に立体異性を示す化合物の混合物であることが好ましい。
【0065】
1回を超えて出現するすべての基に関するそれらの意味は、相互に独立している。
【0066】
前記および後記において、特に他に示されていない限り、基およびパラメーターR1、R2およびR3は、式Iに関して示された意味を有する。
【0067】
AまたはA'は、好ましくはアルキルを示し、非分枝状(直鎖状)または分枝状であり、1、2、3、4、5、6、7、8または10個のC原子を有する。AまたはA'は、特に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにはまた、ペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピルを示す。
【0068】
AまたはA'は、とりわけ特に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを示す。
【0069】
A、A'はまたそれぞれ相互に独立に、1〜3個のCH2基がO、S、SO、SO2、NH、NMeまたはNEtにより置き換えられていてよい1〜10個のC原子を有する非分枝鎖または分枝鎖アルキル、例えば2−メトキシエチルまたは3−メチルアミノプロピルなどを示す。
【0070】
AまたはA’はまた、環式アルキル(シクロアルキル)を示す。シクロアルキルは好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを示す。環式アルキルはさらに好ましくは、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチルまたはシクロヘキシルメチルを示す。
【0071】
AまたはA'はまた、Alkを示す。Alkは、例えばビニルまたはプロペニルなどの2〜6個のC原子を有するアルケニルを示す。Alkはまた、例えばエチニルなどのアルキニルを示す。
【0072】
1は好ましくは、OH、OCH3またはSH、特に好ましくはOHまたはOCH3、さらにまたOCF3、OCHF2を示す。
【0073】
2は好ましくは、CONH2、CONHA、CONAA’、CONH(CH2nAr、CONA(CH2nAr、CONH(CH2nHetまたはCONA(CH2nHetを示し、ここで、A、A'は、1、2、3または4個のC原子を有するアルキルまたは3〜8個のC原子を有する環式アルキルを示す。
【0074】
3は好ましくは、Aまたは(CH2nArを示し、ここで、Arは、非置換であるか、A、Halおよび/またはOAにより一、二または三置換されているフェニルを示す。
【0075】
4またはR5は好ましくは、アルキルを示し、非分枝鎖(直鎖)または分枝鎖であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。R4またはR5は特に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルを、さらにまたペンチル、1−、2−もしくは3−メチルブチル、1,1−、1,2−もしくは2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−もしくは4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−もしくは3,3−ジメチルブチル、1−もしくは2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−もしくは1,2,2−トリメチルプロピルを示す。
【0076】
4またはR5は特に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを示す。R4、R5はまたそれぞれ相互に独立に、例えば2−メトキシエチルまたは3−メチルアミノプロピルなどの、1〜3個のCH2基がO、S、SO、SO2、NH、NMeまたはNEtにより置き換えられていてもよい1〜6個のC原子を有する非分枝鎖または分枝鎖アルキルを示す。
【0077】
nは好ましく、0または1を示す。
【0078】
Arは、例えば、フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホンアミド)フェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−またはp−シアノフェニル、o−、m−またはp−ウレイドフェニル、o−、m−またはp−ホルミルフェニル、o−、m−またはp−アセチルフェニル、o−、m−またはp−アミノスルホニルフェニル、o−、m−またはp−カルボキシフェニル、o−、m−またはp−カルボキシメチルフェニル、o−、m−またはp−カルボキシメトキシフェニル、さらに好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4または3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジブロモフェニル、2,4−または2,5−ジニトロフェニル、2,5−または3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−または2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−または3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを示す。
【0079】
Arは好ましくは、非置換であるか、A、OA、OH、CN、NH2、NHA、NA2、NHCOA、Hal、CONH2、CONHA、CONAA’、(CH2nNHSO2A、O(CH2pCN、SO2Het1、O(CH2pNH2、O(CH2pNA2、O(CH2pNHAおよび/または(CH2mHet1により一、二、三、四または五置換されているフェニルを示す。
【0080】
さらなる置換を問わず、Hetは、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2,4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−または−5−イルまたは2,1,3−ベンズオキサジアゾール−5−イルを示す。
【0081】
また複素環基は、部分的にまたは完全に水素化されていてもよい。
【0082】
したがって、Hetはまた、例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−または8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−または6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニルまたは3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−または−7−イルも、さらに好ましくは2,3−ジヒドロベンゾフラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニルも示す。
【0083】
Hetは好ましくは、非置換であるか、A、Hal、COA、OH、OA、=NH、=NAおよび/または=O(カルボニル酸素)により一、二または三置換されていてもよい1から3個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示す。Hetは特に好ましくは、それぞれ非置換であるか、A、Hal、OH、OA、COAおよび/または=O(カルボニル酸素)により一置換、二置換または三置換されているピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、インドリル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ジヒドロインドリルまたはテトラヒドロピラニルを示す。
【0084】
Het1は、非置換であるか、A、OA、OHおよび/または=O(カルボニル酸素)により一、二または三置換されていてもよい1から3個のNおよび/またはO原子を有する単環式飽和複素環、好ましくはそれぞれAおよび/または=O(カルボニル酸素)により一または二置換されていてもよいモルホリニル、ピペラジニルまたは1,3−オキサジナニルを示す。
【0085】
式Iの化合物は、1個または複数のキラル中心を有することがあり、したがって、様々な立体異性形態で生じうる。式Iは、これらの形態全てを内包する。
【0086】
したがって、本発明は特に、前記基の少なくとも1個が前記で示された好ましい意味の1つを有する式Iの化合物に関する。いくつかの好ましい化合物群を、式Iに合致する次の下位式IaからIiならびに薬学的に使用可能なその誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)により表すことができ、ここで、より詳細に明示されていない基は、式Iに関して示された意味を有するが、
Iaでは、R1は、OHまたはOCH3を示し、
Ibでは、R2は、CONH2、CONHA、CONAA’、CONH(CH2nAr、CONA(CH2nAr、CONH(CH2nHetまたはCONA(CH2nHetを示し、ここで、A、A'は、1、2、3または4個のC原子を有するアルキルまたは3〜8個のC原子を有する環式アルキルを示し、
Icでは、R3は、Aまたは(CH2nArを示し、ここで、Arは、非置換であるか、A、Halおよび/またはOAにより一置換、二置換または三置換されているフェニルを示し、
Idでは、Arは、非置換であるか、A、OA、OH、CN、NH2、NHA、NA2、NHCOA、Hal、CONH2、CONHA、CONAA’、(CH2nNHSO2A、O(CH2pCN、SO2Het1、O(CH2pNH2、O(CH2pNA2、O(CH2pNHAおよび/または(CH2mHet1により一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されているフェニルを示し、
Ieでは、A、A'はそれぞれ相互に独立に、1または2個のCH2基がO、NH、NMeまたはNEtにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置き換えられていてもよい1〜6個のC原子を有する非分枝鎖または分枝鎖アルキルを示すか、3〜8個のC原子を有する環式アルキルを示し、
Ifでは、A、A'はそれぞれ相互に独立に、1個のCH2基がOにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置き換えられていてもよい1〜6個のC原子を有する非分枝鎖または分枝鎖アルキルを示すか、3〜8個のC原子を有する環式アルキルを示し、
Igでは、Hetは、非置換であるか、A、Hal、OH、OA、COA、=NH、=NAおよび/または=O(カルボニル酸素)により一置換、二置換または三置換されていてもよい1から3個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
Ihでは、Hetは、それぞれ非置換であるか、A、Hal、OH、OA、COAおよび/または=O(カルボニル酸素)により一置換、二置換または三置換されているピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、インドリル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ジヒドロインドリルまたはテトラヒドロピラニルを示し、
Iiでは、R1は、OHまたはOCH3を示し、
2は、CONH2、CONHA、CONAA’、CONH(CH2nAr、CONA(CH2nAr、CONH(CH2nHetまたはCONA(CH2nHetを示し、ここで、A、A'は、1、2、3または4個のC原子を有するアルキルまたは3〜8個のC原子を有する環式アルキルを示し、
3は、Aまたは(CH2nArを示し、ここで、Arは、非置換であるか、A、Halおよび/またはOAにより一置換、二置換または三置換されているフェニルを示し、
Arは、非置換であるか、A、OA、OH、CN、NH2、NHA、NA2、NHCOA、Hal、CONH2、CONHA、CONAA’、(CH2nNHSO2A、O(CH2pCN、SO2Het1、O(CH2pNH2、O(CH2pNA2、O(CH2pNHAおよび/または(CH2mHet1により一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されているフェニルを示し、
A、A’はそれぞれ相互に独立に、1個のCH2基がOにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置き換えられていてもよい1〜6個のC原子を有する非分枝鎖または分枝鎖アルキルを示すか、3〜8個のC原子を有する環式アルキルを示す。
【0087】
さらに、本発明による化合物およびそれらを調製するための出発物質もまた、文献(例えばHouben−Weyl、Methoden der organischen Chemie[有機化学の手法]、Georg−Thieme−Verlag、Stuttgartなどの標準的な著作物)に記載のようにして、それ自体公知な方法によって、公知であり前記反応に適している反応条件下で正確に調製する。本明細書ではあまり詳細には記載しないが、それ自体公知である変法も本発明で使用することができる。
【0088】
所望により、出発物質を反応混合物から出発物質を単離せず、代わりにさらに本発明による化合物に直ちに変換することによってin situで形成することもできる。
【0089】
出発化合物は一般に公知である。しかし出発化合物が新しい場合には、それ自体は公知の方法によってそれらを調製することができる。
【0090】
式Iの化合物を好ましくは、式IIの化合物をヒドラジンまたはヒドラジン水和物と反応させることにより得ることができる。式IIの化合物では、Lは好ましくは、F、Cl、Br、Iか、例えば活性化エステル、イミダゾリドまたは1〜6個のC原子を有するアルキルスルホニルオキシ(好ましくはメチルスルホニルオキシもしくはトリフルオロメチルスルホニルオキシ)または6〜10個のC原子を有するアリールスルホニルオキシ(好ましくはフェニル−もしくはp−トリルスルホニルオキシ)などの遊離か反応性に修飾されたOH基を示す。式IIの化合物では、Lは好ましくはFを示す。
【0091】
これらの反応は当業者に公知の方法によって実施する。
【0092】
これらの反応は最初に好適な溶媒中で行う。
【0093】
適切な溶媒の例は、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの炭化水素類;トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタンなどの塩素化炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなどのアルコール類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサンなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)などのグリコールエーテル類;アセトンもしくはブタノンなどのケトン類;アセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド類;二硫化炭素;ギ酸もしくは酢酸などのカルボン酸類;ニトロメタンもしくはニトロベンゼンなどのニトロ化合物;酢酸エチルなどのエステル類、または前記溶媒の混合物である。溶媒は特に好ましくは、1,4−ジオキサンまたはn−ブタノールである。
【0094】
用いる条件に応じて、反応時間は数分から14日間であり、反応温度は約0°から150°、通常15°から120°、特に50°から100℃である。
【0095】
必要に応じて、生じた化合物中の1個または複数の基R1、R2および/またはR3を続いて、
例えばメタノールまたはエタノールなどの不活性溶媒中、ラネーニッケルまたはPd/炭素での水素化により、例えばニトロ基をアミノ基に還元することにより、または
エステル基をカルボキシル基に加水分解することにより、または
還元的アミノ化によりアミノ基をアルキル化アミンに変換することにより、または
カルボキシル基またはエステルをアミドに変換することにより、
1個または複数の基R1、R2および/またはR3に変換する。
【0096】
さらに、有利にはジクロロメタンもしくはTHFなどの不活性溶媒中、および/またはトリエチルアミンもしくはピリジンなどの塩基の存在下に、−60°から+30°の温度で、遊離アミノ基を、酸塩化物または無水物を使用する慣用の方法でアシル化するか、非置換または置換アルキルハロゲン化物を使用してアルキル化することができる。
【0097】
薬剤の塩およびその他の形態
本発明による前記化合物は、それらの最終的な塩ではない形態で使用することができる。他方、本発明はまた、技術的に知られている方法によりさまざまな有機および無機の酸および塩基から誘導することができる薬学的に許容されるこれら化合物の塩の形態でのそれらの使用に関する。本発明の化合物の薬学的に許容される塩の形態は、大部分を従来の方法により調製する。本発明の化合物がカルボキシル基を含有する場合、その適当な塩の1つは、その化合物を適当な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を生じさせることにより形成することができる。上記塩基としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;アルカリ金属アルコキシド、例えばカリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド;およびさまざまな有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミン、N−メチルグルタミンなどがある。式Iの化合物のアルミニウム塩も同様に含まれる。式Iのいくつかの化合物の場合、酸付加塩は、これらの化合物を、薬学的に許容される有機酸および無機酸、例えば塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素等のハロゲン化水素、その他の無機酸および硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩および同種のものなど対応するそれらの塩、およびエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のアルキルおよびモノアリールスルホン酸、ならびにその他の有機酸、および酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩および同種のもの等対応するそれらの塩で処理することにより形成することができる。したがって、医薬品として許容される式Iの化合物の酸付加塩としては、以下のもの:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、二水素リン酸塩、ジニトロ安息香酸塩、硫酸ドデシル、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(粘液酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、一水素リン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモエ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩が挙げられるが、これは限定を意味しない。
【0098】
さらに、本発明による化合物の塩基塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、鉄(III)塩、鉄(II)塩、リチウム塩、マグネシウム塩、マンガン(III)塩、マンガン(II)塩、カリウム塩、ナトリウム塩および亜鉛塩が挙げられるが、これは限定を意味するように意図されていない。上記の塩のうち優先されるのは、アンモニウム塩、アルカリ金属塩のナトリウム塩およびカリウム塩、ならびにアルカリ土類金属塩のカルシウム塩およびマグネシウム塩である。医薬品として許容される毒性のない有機塩基から誘導される本発明の化合物の塩としては、第一級、第二級および第三級アミン、天然の置換アミンも含む置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂も含む、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジクロロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、およびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)の塩が挙げられるが、これは限定を意味するように意図されていない。
【0099】
塩基性窒素含有基を含有する本発明の化合物は、(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えばメチル、エチル、イソプロピルおよびt−ブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;ジ(C1〜C4)アルキル硫酸、例えばジメチル、ジエチルおよびジアミル硫酸;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えばデシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物;ならびにアリール(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチル等の作用物質を用いて第四級化することができる。水溶性および油溶性の両方の本発明による化合物を上記の塩を用いて調製することができる。
【0100】
上記のうちの好ましい薬剤の塩としては、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンが挙げられるが、これは限定を意味するように意図されていない。
【0101】
本発明の塩基性化合物の酸付加塩は、その遊離の塩基の形態を十分な量の所望の酸と接触させて、従来どおりに塩を形成させることにより調製する。遊離の塩基は、その塩の形態を塩基と接触させて従来どおりに遊離の塩基を単離することにより再生させることができる。その遊離の塩基の形態は、極性溶媒中の溶解性等の本発明のためのある一定の物理的性質に関して、対応するその塩の形態とは異なるが、一方で、その塩は、その他の点において、そのそれぞれの遊離の塩基の形態に対応する。
【0102】
言及したように、薬学的に許容される本発明の化合物の塩基付加塩は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミン等の金属類またはアミン類により形成される。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミンは、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
【0103】
本発明による酸性化合物の塩基付加塩は、その遊離の酸の形態を十分な量の所望の塩基と接触させて、従来どおりに塩を形成させることにより調製する。その遊離の酸は、その塩の形態を酸と接触させて従来どおりに遊離の酸を単離することにより再生させることができる。その遊離の酸の形態は、極性溶媒中の溶解性等の本発明のためのある一定の物理的性質に関して、対応するその塩の形態とは異なるが、一方で、その塩は、その他の点において、そのそれぞれの遊離の酸の形態に対応する。
【0104】
本発明による化合物が、このタイプの薬学的に許容される塩を形成することができる複数の基を含有する場合、本発明はまた多塩も包含する。典型的な多塩の形態としては、例えば酸性酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩が挙げられるが、これは限定を意味するように意図されていない。
【0105】
上で述べたことに関しては、現在の関連における「薬学的に許容される塩」という表現は、特にこの塩の形態が、活性成分の遊離の形態または以前に使用された活性成分のいずれか別の塩の形態と比較してその活性成分に改良された薬物動態学的特性を与える場合に、本発明の化合物をその塩の1つの形態で含む活性成分を意味すると捉えるものと理解することができる。活性成分の医薬品として許容される塩の形態はまた、この活性成分にそれが以前は有していなかった望ましい薬物動態学的特性を初めて提供し、体内におけるその治療効果に対するこの活性成分の薬力学についての好ましい影響を有することさえできる。
【0106】
本発明による化合物は、それらの分子構造によりキラルであってもよいし、それに応じて種々の鏡像異性体の形態で存在していてもよい。したがって、これらはラセミ形態または光学的に活性な形態で存在し得る。
【0107】
本発明の化合物のラセミ体または立体異性体の薬剤活性は異なっている可能性があるので、鏡像異性体の使用が望ましいと考えられる。これらの場合、最終生産物または中間体でさえも、当業者に公知の化学的方法または物理的方法によって鏡像異性体化合物へ単離することができ、あるいはそれ自体を合成で使用することができる。
【0108】
ラセミ型アミンの場合、ジアステレオマーは、光学的活性分割剤と反応させることにより混合物から形成させる。適当な分割剤の例は、光学活性酸類、例えばR型およびS型の酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、適切にN−保護されたアミノ酸(例えば、N−ベンゾイルプロリンもしくはN−ベンゼンスルホニルプロリン)、または様々な光学活性カンファースルホン酸である。さらに有利であるのは、光学活性分割剤(例えば、シリカゲル上に固定化された、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロースもしくは他の炭水化物誘導体、またはキラル誘導体化メタクリル酸塩ポリマー)を用いるクロマトグラフィーによる鏡像異性体分解である。この目的に適した溶離剤は、水性またはアルコール性の溶媒混合であって、例えば比率が82:15:3のヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルである。
【0109】
さらに本発明は、特に非化学的手法によって薬剤(医薬組成物)を調製するための本化合物および/またはその生理学的に許容される塩の使用に関する。これらは、少なくとも1種の固体、液体および/もしくは半液体の賦形剤またはアジュバントと一緒に、所望の場合には1種または複数のさらなる有効成分と組み合わせて、本発明において好適な剤形に変換することができる。
【0110】
本発明は、さらに、少なくとも1つの本発明の化合物および/またはすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびに場合により賦形剤および/または補助剤を含む薬剤に関する。
【0111】
医薬品製剤は、予め定められた1投薬単位当たりの有効成分の量を含む投薬単位の形で投与することができる。上記単位は、処置する状態、投与の方法ならびに患者の年齢、体重および状態により、例えば、本発明による化合物の0.5mgから1g、好ましくは1mgから700mg、特に好ましくは5mgから100mgを含むことができ、または医薬品製剤は、予め定められた1投薬単位当たりの有効成分の量を含む投薬単位の形で投与することができる。好ましい投薬単位の製剤は、有効成分の上で示した1日量または分割投与量、あるいは対応するそれらの画分を含むものである。さらに、この型の医薬品製剤は、医薬品技術において一般に知られている方法を使用して調製することができる。
【0112】
医薬品製剤は、任意の望ましい適切な方法、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸、経鼻、局所(頬側、舌下または経皮を含む)、膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む)の方法による投与に適合させることができる。上記製剤は、例えば、有効成分を賦形剤(1つまたは複数)または補助剤(1つまたは複数)と組み合わせることにより、医薬品技術において知られているすべての方法を使用して調製することができる。
【0113】
経口投与に適合する医薬品製剤は、例えばカプセルまたは錠剤;粉末または顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液;食用気泡または気泡食品;あるいは水中油滴型乳濁液または油中水滴型乳濁液等の独立単位として投与することができる。
【0114】
したがって、例えば、錠剤またはカプセルの形の経口投与の場合、有効成分要素は、例えばエタノール、グリセロール、水および同種のものなど、経口で、毒性がなく、医薬品に許容される不活性の賦形剤と組み合わせることができる。粉末は、化合物を適当な細かい粒度に粉砕し、それを同じように粉砕した医薬品用賦形剤、例えば食用になる炭水化物等、例えばデンプンまたはマンニトール等と混合することにより調製する。香料、防腐剤、分散剤および染料をさらに存在させることができる。
【0115】
カプセルは、粉末混合物を上記のように調製し、成型したゼラチンの殻にそれを充填することにより製造する。例えば、高分散ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固形のポリエチレングリコール等の流動促進剤および滑剤を充填作業の前に粉末混合物に添加することができる。例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム等の錠剤分解物質または可溶化剤を、カプセルが摂取された後の薬剤の有効性を改良するためにさらに加えることができる。
【0116】
さらに、所望によりまたは必要に応じて、適当な結合剤、滑剤および錠剤分解物質ならびに染料をその混合物中にさらに組み込むことができる。適当な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖例えばグルコースまたはβ−ラクトース等、トウモロコシからつくった甘味料、天然および合成ゴム例えばアラビアゴム、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム等、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス類などが挙げられる。これらの剤形に使用される滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。錠剤分解物質としては、それらに限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、その混合物を粒状にするか乾式プレスにかけ、滑剤および錠剤分解物質を加え、全体の混合物を加圧成型して錠剤を生じさせることにより製剤化する。粉末混合物は、適当な方法で粉砕した化合物を、上記のような希釈剤または基材および場合により結合剤例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン等、溶解遅延剤例えばパラフィン等、吸収促進剤例えば第四級塩等、および/または吸収剤例えばベントナイト、カオリンまたは第二リン酸カルシウム等と混合することにより調製する。粉末混合物は、それを結合剤例えばシロップ、デンプン糊、アカディア(acadia)粘液またはセルロースまたはポリマー材料の溶液等、で湿潤させ、それを加圧して篩を通すことにより顆粒状にすることができる。顆粒化の別法として、粉末混合物を打錠器に通し、不均一の形状の塊りを生じさせてそれを破砕して顆粒を形成させることもできる。その顆粒は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱物油を添加して錠剤の鋳型へのくっつきを防止するように滑らかにすることができる。その滑らかにした混合物を、次に加圧して錠剤を生じさせる。本発明による化合物はまた、自由に流れる不活性賦形剤と混合し、次いで、顆粒化または乾式プレスのステップを行わずに直接加圧して錠剤を生じさせることもできる。セラックシール層、糖またはポリマー材料の層からなる透明または不透明な保護層およびワックスの光沢層が存在してもよい。異なる用量単位の間を区別することができるように、染料をこれらのコーティングに添加することができる。
【0117】
経口液例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤等は、所定量が化合物の事前に特定した量を含むように用量単位の形で調製することができる。シロップは適当な香料の水溶液中に化合物を溶解することによって調製することができ、一方、エリキシル剤は毒性のないアルコール媒体を使用して調製する。懸濁剤は毒性のない媒体中に化合物を分散させることによって製剤化することができる。可溶化剤および乳化剤例えばエトキシレート化イソステアリルアルコール類およびポリオキシエチレンソルビトールエーテル類等、防腐剤、香料添加剤例えばペパーミント油等、あるいは天然甘味料もしくはサッカリン、またはその他の人工甘味料などをさらに添加することができる。
【0118】
経口投与のための用量単位の製剤は、所望に応じて、マイクロカプセルに封入することができる。その製剤はまた、例えばポリマー、ワックスおよび同種のもの中の粒子材料のコーティングまたは埋め込みによって、放出が延長または遅延するように調製することができる。
【0119】
式Iの化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理的に機能する誘導体はまた、例えば小さい単層小胞、大きい単層小胞および多層小胞等のリポソーム送達系の形で投与することができる。リポソームは、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン等さまざまなリン脂質から形成することができる。
【0120】
式Iの化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理的に機能する誘導体はまた、化合物分子が結合する個々の担体としてモノクローナル抗体を使用して送達することもできる。該化合物はまた、目標の薬剤の担体としての可溶性ポリマーに結合させることもできる。上記ポリマーは、パルミトイル基により置換されている、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノールまたはポリエチレンオキシドポリリシンを包含し得る。該化合物は、さらに、薬剤の制御放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの類、例えばポリ乳酸、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリラートおよびヒドロゲルの橋かけまたは両親媒性ブロック共重合体に結合させることができる。
【0121】
経皮的投与に適合する医薬品製剤は、レシピエントの表皮に伸ばして密接に接触させる独立した硬膏剤として投与することができる。かくして、例えば、有効成分は、Pharmaceutical Research,3(6),318(1986)中、一般用語で記載されているイオン泳動により硬膏剤から送達することができる。
【0122】
局所投与に適合する医薬品化合物は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、散剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル剤または油剤として製剤化することができる。
【0123】
眼またはその他の外部組織、例えば口および皮膚の治療のためには、製剤は、好ましくは局所の軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を与える製剤の場合、有効成分はパラフィンまたは水混和性のクリーム基剤のいずれかと共に使用することができる。別法では、有効成分は水中油滴型クリーム基剤または油中水滴型基剤により製剤化して、クリーム剤を生じさせることができる。
【0124】
眼の局所適用に対応する医薬品製剤としては点眼液が挙げられ、その有効成分は適当な担体、特に水性溶媒中に溶解または懸濁させる。
【0125】
口中の局所適用に対応する医薬品製剤としては、トローチ剤、パステル剤およびうがい薬が含まれる。
【0126】
直腸投与に適合する医薬品製剤は、座剤または浣腸剤の形で投与することができる。
【0127】
担体物質が固体である経鼻投与に適合する医薬品製剤は、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗い粉末を含み、それは、鼻呼吸をするやり方で、すなわち鼻の近くに保持した粉末を含有する容器から鼻腔を通して急速に吸入することにより投与される。担体物質が液体の鼻腔用スプレーまたは鼻点滴剤としての投与に適した製剤は、水または油中の有効成分の溶液を含む。
【0128】
吸入による投与に適合する医薬品製剤は、微細な粒子状粉末または霧を含み、それはさまざまな型のエアロゾルの加圧容器、噴霧器または吸入器により発生させることができる。
【0129】
膣投与に適合する医薬品製剤は、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡沫またはスプレー製剤として投与することができる。
【0130】
非経口的投与に適合する医薬品製剤としては、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤および溶質を含んでおり、それを用いて製剤を治療されるレシピエントの血液と等張にする水性および非水性の無菌の注射液、ならびに懸濁媒体および増粘剤を含むことができる水性および非水性の無菌の懸濁剤が挙げられる。その製剤は、単回投与または複数回投与の容器、例えば密閉したアンプルおよびガラス瓶で投与することができ、使用直前に無菌の担体液(例えば注射のための水)の添加のみが必要であるように凍結乾燥した状態で保存することができる。
【0131】
処方せんにしたがって調製される注射液または懸濁剤は、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
【0132】
上で特に言及した構成要素に加えて、該製剤が、独特のタイプの製剤に対して技術的に通常のその他の作用物質も含むことができることは言うまでも無く、したがって、例えば、経口投与に適する製剤は香料を含むことができる。
【0133】
本発明の化合物の治療有効量は、例えば、ヒトまたは動物の年齢および体重、治療を必要とする正確な状態およびその重度、製剤の性質ならびに投与方法を包含するいくつかの要因に左右され、治療する医師または獣医師により最終的に決定される。しかしながら、治療するための本発明による化合物の有効量は通常、1日当たり0.1から100mg/受容者(哺乳動物)体重kgの範囲、特に典型的には1日当たり1から10mg/体重kgの範囲である。したがって、体重70kgの成体哺乳動物での1日当たりの実際量は通常、70から700mgであり、ここで、この量を、1日当たり単一用量として、または通常は、1日あたり一連の部分用量(例えば2、3、4、5または6回など)で投与して、全1日用量は同じであるようにすることができる。塩もしくは溶媒和物またはその生理学的機能性誘導体の有効量は、本発明による化合物自体の有効量のフラクションとして決定することができる。同様の用量が、前記の他の状態を治療するために適していると推定することができる。
【0134】
さらに本発明は、少なくとも1種の本発明の化合物ならびに/またはその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物を含む)と、少なくとも1種のさらなる薬剤有効成分とを含む薬剤に関する。
【0135】
さらなる薬剤有効成分は、好ましくは化学療法剤、特に血管新生を阻害し、その結果、腫瘍細胞の増殖と広がりを阻害するものである。本発明で好ましいのは、ロボザイム(robozymes)およびアンチセンス(VEGF受容体に対するもの)、ならびにアンギオスタチンおよびエンドスタチンをはじめとする、VEGF受容体阻害剤である。
【0136】
一般に、本発明による化合物と組み合わせて使用することができる抗腫瘍剤の例としては、アルキル化剤、代謝拮抗物質;エピドフィロトキシン(epidophyllotoxin);抗腫瘍性酵素;トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロンまたは白金配位化合物が挙げられる。
【0137】
抗腫瘍剤は、次のクラスから選択するのが好ましい:アントラサイクリン、ビンカ系剤、マイトマイシン、ブレオマイシン、細胞障害性ヌクレオシド、エポチロン、ジスコルモライド(discormolide)、プテリジン、ジイネンおよびポドフィロトキシン。前記の群では、例えば、カルミノマイシン、ダウノルビシン、アミノプテリン、メトトレキサート、メトプテリン、ジクロロメトトレキセート、マイトマイシンC、ポルフィロマイシン、5−フルオロウラシル、6−メルカプトプリン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド、ポドフィロトキシンまたは例えば、エトポシド、リン酸エトポシドもしくはテニポシドなどのポドフィロトキシン誘導体、メルファラン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ロイロシジン(leurosidine)、ビンデシン、ロイロシン(leurosine)およびパクリタキセルが特に好ましい。他の好ましい抗腫瘍剤は、エストラムスチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ブレオマイシン、ゲムシタビン、イフォサミド、メルファラン、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、シタラビン、イダトレキサート(idatrexate)、トリメトレキサート、ダカルバジン、L−アスパラギナーゼ、カンプトテシン、CPT−11、トポテカン、アラビノシルシトシン、ビカルタミド、フルタミド、ロイプロリド、ピリドベンゾインドール誘導体、インターフェロンおよびインターロイキンの群から選択される。
【0138】
本発明はまた、
(a)有効量の本発明による化合物および/または薬学的に使用可能なその誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)ならびに
(b)有効量の他の医薬品活性成分
の別々のパックからなるセット(キット)に関する。
【0139】
セットは、箱、個々のボトル、バッグまたはアンプルなどの適切な容器を含む。セットは例えば、有効量の本発明による化合物および/または薬学的に有用なその誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)ならびに有効量の他の医薬品活性成分を溶解または凍結乾燥された形態でそれぞれ含有する別々のアンプルを含むことができる。
【0140】
使用
本化合物は、HSP90が関与する疾患の治療において、哺乳動物(特にヒト)用の医薬用有効成分として適する。
【0141】
したがって、本発明は、HSP90の阻害、制御および/または調節が関与する疾患を治療するための医薬製剤の調製における、式Iの化合物、ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物を含む)の使用に関する。
【0142】
好ましいのは、腫瘍疾患、例えば線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮細胞肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮細胞肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫(leiosarcoma)、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、骨髄癌腫、気管支原生癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、睾丸腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮性悪性腫瘍、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンストロームマクログロブリン血症および重鎖病;ウイルス病原体が、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV−I)、II型単純ヘルペス(HSV−II)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、乳頭腫ウイルス、パポバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス(echinovirus)、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、おたふくかぜウイルス、はしかウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、I型ヒト免疫不全ウイルス(HIV−I)およびII型ヒト免疫不全ウイルス(HIV−II)からなる群から選択される、ウイルス疾患;移植における免疫抑制;炎症性疾患、例えば慢性関節リウマチ、喘息、多発性硬化症、1型糖尿病、紅斑性狼瘡、乾癬および炎症性腸疾患;嚢胞性線維症;血管新生関連疾患、例えば糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症、腫瘍血管新生など;感染症;自己免疫性疾患;虚血;神経再生の促進;線維形成性疾患、例えば硬腫、多発性筋炎、全身性狼瘡、肝硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺線維症などを治療するための医薬製剤の調製における、本発明の化合物、ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物を含む)の使用である。
【0143】
本発明による化合物は特に、癌、腫瘍細胞の増殖および腫瘍転移を阻害することができ、したがって、腫瘍療法に適している。
【0144】
さらに本発明は、化学療法によって起こる毒性に対する正常細胞を保護するための薬剤、および不正確なタンパク質のフォールディングまたは凝集が主要病因である疾患(例えばスクレーピー、クロイツフェルトヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病など)を治療するための薬剤の調製における、式Iの化合物、ならびに/またはその生理学的に許容される塩および溶媒和物の使用を包含する。
【0145】
また本発明は、中枢神経系の疾患、心血管疾患および悪液質を治療するための薬剤の調製における、式Iの化合物、ならびに/またはその生理学的に許容される塩および溶媒和物の使用に関する。
【0146】
さらなる実施形態では、本発明はまた、HSP90の調節を行う薬剤であって、調節した生物学的HSP活性が、個体の免疫反応、小胞体からのタンパク質輸送、低酸素/無酸素ストレスからの回復、栄養失調からの回復、熱ストレスからの回復、もしくはこれらの組合せを引き起こし、かつ/または、障害が、一種の癌、感染症、小胞体からの破壊タンパク質輸送に関連した障害、虚血/再灌流関連障害(ここで、虚血/再灌流関連障害は、心拍停止、不全収縮および遅延性心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄損傷、頭部外傷、卒中、血栓塞栓性卒中、出血性卒中、脳血管痙攣、低血圧症、低血糖症、てんかん重積症、てんかん発作、不安、統合失調症、神経変性障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児ストレスによるものである)もしくはこれらの組合せである薬剤の調製における、式Iの化合物、ならびに/またはその生理学的に許容される塩および溶媒和物の使用に関する。
【0147】
さらなる実施形態では、本発明はまた、心拍停止、不全収縮および遅延性心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄損傷、頭部外傷、卒中、血栓塞栓性卒中、出血性卒中、脳血管痙攣、低血圧症、低血糖症、てんかん重積症、てんかん発作、不安、統合失調症、神経変性障害、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児ストレスによるものである虚血を治療するための薬剤の調製における、式Iの化合物、ならびに/またはその生理学的に許容される塩および溶媒和物の使用に関する。
【実施例】
【0148】
HSP90阻害剤を測定する試験方法
本発明による化合物の阻害活性を測定するには、ゲルダナマイシンまたは17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)のHSP90への結合とその拮抗的阻害を用いることができる(Carrerasら、2003;Chiosisら、2002)。
【0149】
具体的な事例では、放射性リガンドフィルター結合試験を用いる。本明細書で使用する放射性リガンドは、トリチウム標識した17−アリルアミノゲルダナマイシン([3H]17AAG)である。このフィルター結合試験は、ATP結合部位を妨げる阻害剤を標的として探索することができる。
【0150】
材料
組換え型ヒトHSP90α(大腸菌発現のもの、純度95%);
[3H]17AAG(17−アリルアミノゲルダナマイシン、[アリルアミノ−2,3−3H。比活性度:1.11×1012Bq/mmol(Moravek、MT−1717);
HEPESフィルターバッファー(50mM HEPES、pH7.0、5mM MgCl2、BSA 0.01%)
マルチスクリーンFB(1μm)フィルタープレート(Millipore、MAFBNOB 50)。
【0151】
方法
まず、96ウェルのマイクロタイターフィルタープレートを洗浄し、0.1%のポリエチレンイミンでコーティングする
試験は、以下の条件で行う:
反応温度22℃、
反応時間:30分間、800rpmで振盪、
試験容量:50μl、
最終濃度:50mM HEPES HCl、pH7.0、5mM MgCl2、0.01%(w/v)BSA、
HSP90:1分析あたり1.5μg
[3H]17AAG:0.08μM。
【0152】
反応終了時に、フィルタープレート中の上清を真空マニフォールドで吸引により除去し(Multiscreen Separation System、Millipore)、フィルターを2回洗浄する。
【0153】
次いで、シンチレーター(Microscint 20、Packard)を用いベーターカウンター(Microbeta、Wallac)でフィルタープレートを測定する。
【0154】
「対照の%」は「毎分放射能数」値から決定し、化合物のIC−50値をそれから算出する。
【0155】
表I
本発明のいくつかの代表的な式Iの化合物によるHSP90阻害
【0156】
【表2−1】

【0157】
【表2−2】

【0158】
【表2−3】

【0159】
上記および下記において、温度はすべて℃での表示である。以下の実施例では、「慣用の後処理」とは次のことを意味する:必要に応じて水を加え、最終産物の構造に応じて、pHを必要に応じて2から10に調整し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、各相を単離し、有機相を硫酸ナトリウムで脱水し蒸発させ、生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーおよび/または結晶化により精製する。シリカゲルでのRf値;溶離剤:酢酸エチル/メタノール9:1。
【0160】
LC−MSおよびHPLC条件
次の実施例で示されるM+H+データは、LC−MS測定の測定結果である。
【0161】
次の特徴を備えたHP1100シリーズからのHewlett Packard System:イオン源:エレクトロスプレー(ポジティブモード)、スキャン:100〜1000m/e、フラグメンテーション電圧:60V、ガス温度:300℃、DAD:220nm。
【0162】
流速:2.4ml/分。使用されるスプリッターは、DAD後にMSに関する流速を0.75ml/分まで低減した。
【0163】
カラム:Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6、
溶媒:Merck KGaA製LiChrosolvグレード、
溶媒A:H2O(0.01%のTFA)、
溶媒B:ACN(0.008%のTFA)。
【0164】
次の実施例で示される保持時間Rt[分]は、HPLC測定の測定結果である:
P勾配:
5.5分、流速:2.75ml/分、99:1から0:100への水/アセトニトリル
水+TFA(0.01体積%)、アセトニトリル+TFA(0.01体積%)
カラム:Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6
波長:220nm
N勾配:
5.5分、流速:2.75ml/分、90:10から0:100への水/アセトニトリル
水+TFA(0.01体積%)、アセトニトリル+TFA(0.01体積%)
カラム:Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6
波長:220nm。
【0165】
実施例1
1.1 DMF50mlをアルゴン下に、4−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸6.0gおよび炭酸水素カリウム4.52gに加え、混合物を10分間攪拌する。ヨードメタン3.05mlを滴加し、混合物を40℃で3時間攪拌する。混合物を水150mlに注ぎ、慣用の後処理に掛けると、4−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸メチル(「1a」)6.48gが得られる。
【0166】
1.2 ジクロロメタン5mlをアルゴン下に塩化アルミニウム1.06gに加え、混合物を攪拌しながら0°に冷却する。塩化フェニルアセチル940μlを滴加し、続いて、「1a」695mgのジクロロメタン5ml溶液を滴加する。混合物を0°で10分間、次いで室温で16時間攪拌する。混合物を0°に冷却し、1NのHClを使用して加水分解し、慣用の後処理に掛ける。精製するために、残渣を40gシリカゲルカラムでクロマトグラフィー処理すると、4−フルオロ−2−ヒドロキシ−5−フェニルアセチル安息香酸メチル(「1b」)323mgが得られる。
【0167】
【化3】

【0168】
1.3 水酸化ヒドラジニウム270μlを「1b」323mgの1,4−ジオキサン5ml溶液に加え、混合物を還流下に30分間加熱する。溶媒を除去し、混合物を慣用の後処理に掛けると、3−ベンジル−6−ヒドロキシ−1H−インダゾール−5−カルボン酸メチル(「A1」)280mgが得られる。
【0169】
【化4】

【0170】
1.4 2NのNaOH595μlを「A1」112mgのメタノール1.5ml懸濁液に加え、混合物を60°で3時間攪拌する。混合物を冷却し、2NのHCl0.7mlを加え、混合物を水で希釈し、沈澱物を除去し、混合物を慣用の後処理に掛けると、3−ベンジル−6−ヒドロキシ−1H−インダゾール−5−カルボン酸(「A2」)75mgが得られる。
【0171】
実施例2
2.1 アンモニア(メタノール中7M)1.5mlをアルゴン下に、「A1」30mgに加え、混合物をマイクロ波中、100°/10barで40分間攪拌する。アンモニア溶液(32%)0.5mlおよび塩化マグネシウム5.06mgを加え、混合物を120°/17barでさらに40分間攪拌する。混合物を慣用の後処理に掛け、残渣をRP18シリカゲルカラムでクロマトグラフィー処理すると、5−アミノカルボニル−3−ベンジル−6−ヒドロキシ−1H−インダゾール(「A3」)2.7mgが得られる。
【0172】
【表3】

【0173】
実施例3
3.1 DMF0.5mlをアルゴン下に「A2」20mg、N−メチル−N−プロピルアミン19μl、EDCl[N−エチル−N,N'−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド]×HCl57mgおよびHOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)×H2O25mgに加え、N−エチルジイソプロピルアミン101.4μlを滴加する。混合物を室温で45時間攪拌する。混合物を慣用の後処理に掛け、残渣をRP18シリカゲルカラムでクロマトグラフィー処理すると、5−(N−プロピル−N−メチルアミノカルボニル)−3−ベンジル−6−ヒドロキシ−1H−インダゾール(「A4」)9.6mgが得られる。
【0174】
【表4】

【0175】
次の化合物が同様に得られる。
【0176】
【表5−1】

【0177】
【表5−2】

【0178】
【表5−3】

【0179】
【表5−4】

【0180】
実施例4
4.1 ジクロロメタン12mlをアルゴン下に、塩化アルミニウム3.25gに加え、混合物を攪拌しながら−55℃に冷却する。2−ブロモ−5−フルオロアニソール2.5gおよび塩化m−トリルアセチル2.47gのジクロロメタン8ml溶液をこの温度で滴加する。混合物をさらに10分間攪拌し、0℃に徐々に加温し、続いて、1NのHClを使用して加水分解する。混合物をさらに15分間攪拌し、ジクロロメタンで希釈し、慣用の後処理に掛ける。得られた残渣を石油エーテル/ジエチルエーテル(8:2)で温浸し、吸引濾過し、石油エーテルですすぐ。乾燥により、「4a」1.85gが得られる。
【0181】
【化5】

【0182】
4.2 水酸化ヒドラジニウム0.74mlを「4A」1.85gのジオキサン10ml懸濁液に加え、混合物を還流下に2.5時間加熱する。混合物を冷却し、酢酸エチルおよび1NのHclを加え、混合物を慣用の後処理に掛ける。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィー処理すると、5−ブロモ−6−メトキシ−3−(3−メチルベンジル)−1H−インダゾール(「4b」)1.24gが得られる。
【0183】
【化6】

【0184】
4.3 「4b」1.24gをジクロロメタン12mlにアルゴン下に溶かし、0℃に冷却する。三臭化ホウ素3.45mlを滴加し、混合物を室温でさらに16時間攪拌する。混合物を慣用の後処理に掛け、残渣をさらに精製するために、120gRP18シリカゲルカラムでクロマトグラフィー処理すると、5−ブロモ−6−ヒドロキシ−3−(3−メチルベンジル)−1H−インダゾール(「4c」)578mgが得られる。
【0185】
4.4 オートクレーブ中、100°/4〜6bar/22時間での反応:
「4c」578mg、メタノール25ml、トリエチルアミン300mg、トルエン25mlを初めに導入し、脱ガスする。次いで、(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)15mgを加える。オートクレーブを減圧し、COを4barで圧入し、オートクレーブを100°に加熱する。溶媒を除去すると、5−メトキシカルボニル−6−ヒドロキシ−3−(3−メチルベンジル)−1H−インダゾール(「4d」)が得られる。
【0186】
4.5 2NのNaOH4.23mlを「4d」523mgのジオキサン10ml溶液に加え、混合物を還流下に1.5時間加熱する。混合物を慣用の後処理に掛けると、5−カルボキシ−6−ヒドロキシ−3−(3−メチルベンジル)−1H−インダゾール(「4e」)386mgが得られる。
【0187】
4.6 塩化チオニル0.1mlを「4e」200mgのTHF4ml懸濁液に加え、混合物をさらに1時間攪拌する。トルエン3mlを加え、溶媒を30°で除去すると、5−クロロカルボニル−6−ヒドロキシ−3−(3−メチルベンジル)−1H−インダゾール(「4f」)が得られる。
【0188】
【化7】

【0189】
4.7 「4f」52mgのTHF1ml溶液を、N−メチルブチルアミン18.65mgおよびN−エチルジイソプロピルアミン88.2μlのTHF2ml中の溶液に滴加する。混合物をさらに1時間攪拌し、慣用の後処理に掛ける。さらに精製するために、残渣をRP18シリカゲルカラムでクロマトグラフィー処理すると、5−(N−ブチル−N−メチルアミノカルボニル)−3−(3−メチルフェニル)−6−ヒドロキシ−1H−インダゾール(「A25」)18.8mgが得られる。
【0190】
【化8】

【0191】
【表6】

【0192】
次の化合物が同様に得られる。
【0193】
【表7−1】

【0194】
【表7−2】

【0195】
【表7−3】

【0196】
【表7−4】

【0197】
【表7−5】

【0198】
【表7−6】

【0199】
【表7−7】

【0200】
【表7−8】

【0201】
【表7−9】

【0202】
【表7−10】

【0203】
【表7−11】

【0204】
【表7−12】

【0205】
【表7−13】

【0206】
【表7−14】

【0207】
【表7−15】

【0208】
【表7−16】

【0209】
【表7−17】

【0210】
【表7−18】

【0211】
【表7−19】

【0212】
【表7−20】

【0213】
【表7−21】

【0214】
【表7−22】

【0215】
【表7−23】

【0216】
【表7−24】

【0217】
【表7−25】

【0218】
【表7−26】

【0219】
【表7−27】

【0220】
【表7−28】

【0221】
【表7−29】

【0222】
【表7−30】

【0223】
【表7−31】

【0224】
【表7−32】

【0225】
【表7−33】

【0226】
【表7−34】

【0227】
【表7−35】

【0228】
【表7−36】

【0229】
次の実施例は、医薬組成物に関する。
【0230】
実施例A:注射バイアル
本発明による活性成分100gおよびリン酸水素二ナトリウム5gの2回蒸留水3l溶液を、2Nの塩酸を使用してpH6.5に調節し、無菌濾過し、注射バイアルに移し、無菌条件下に凍結乾燥させ、無菌条件下に密封する。各注射バイアルは活性成分5mgを含有する。
【0231】
実施例B:坐剤
本発明による活性成分20gと、ダイズレシチン100gおよびカカオバター1400gとの混合物を溶融し、型に注ぎ、冷却する。各坐剤は活性成分20mgを含有する。
【0232】
実施例C:液剤
2回蒸留水940ml中の本発明による活性成分1g、NaH2PO4・2H2O9.38g、Na2HPO4・12H2O28.48gおよび塩化ベンズアルコニウム0.1gから、溶液を調製する。pHを6.8に調節し、溶液を1lにし、放射線照射により殺菌する。この液剤は点眼液の形態で使用することができる。
【0233】
実施例D:軟膏
本発明による活性成分500mgを、ワセリン99.5gと無菌条件下に混合する。
【0234】
実施例E:錠剤
活性成分1kg、ラクトース4kg、ジャガイモデンプン1.2kg、タルク0.2kgおよびステアリン酸マグネシウム0.1kgの混合物を慣用の方法で、各錠剤が活性成分10mgを含有するような錠剤が得られるように圧縮する。
【0235】
実施例F:糖衣錠
錠剤を実施例Eと同様に圧縮し、続いて、慣用の方法でスクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料のコーティングを用いてコーティングする。
【0236】
実施例G:カプセル
活性成分2kgを慣用の方法で、各カプセルが活性成分20mgを含有するように硬質ゼラチンカプセルに導入する。
【0237】
実施例H:アンプル
本発明による活性成分1kgの2回蒸留水60l溶液を無菌濾過し、アンプルに移し、無菌条件下に凍結乾燥させ、無菌条件下に密封する。各アンプルは活性成分10mgを含有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

[式中、
1は、H、OH、OCH3、OCF3、OCHF2、OBzl、OAc、p−メトキシベンジルオキシ、SH、S(O)mCH3、SO2NH2、Hal、CF3またはCH3を示し、
2は、Alk、(CH2nHet、CN、NO2、NH2、OH、OA、O(CH2nAr、O(CH2nHet、SH、COA、CO(CH2nAr、CO(CH2nHet、S(O)mA、S(O)m(CH2nAr、S(O)m(CH2nHet、NHA、NHAr、NHHet、NAA’、COOH、COOA、CONH2、CONHA、CONAA’、CONH(CH2nAr、CONA(CH2nAr、CONH(CH2nHet、CONA(CH2nHet、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、SO2NH(CH2nAr、SO2NA(CH2nAr、SO2NH(CH2nHet、SO2NA(CH2nHet、NHCOA、NACOA’、NHCO(CH2nAr、NACO(CH2nAr、NHCO(CH2nHet、NACO(CH2nHet、NHSO2A、NASO2A’、NHSO2(CH2nAr、NASO2(CH2nAr、NHSO2(CH2nHet、NASO2(CH2nHet、NHCOOA、NHCOOAr、NHCOOHet、NHCONHA、NHCONHArまたはNHCONHHetを示し、
3は、H、Hal、A、AOH、COOA、CONH2、CONHA、CONAA’、CONHAr、CONH(CH2)Ar、CONAAr、CONA(CH2)Ar、CONHHet、CONH(CH2)Het、CONAHet、CONA(CH2)Het、(CH2nCOOA、(CH2nCONHA、(CH2nCONAA’、(CH2nNHCONH2、(CH2nNHCONHA、(CH2nNHCONAA’、(CH2nNHCOA、(CH2nNHCOAr、(CH2nNHSO2A、(CH2nNHSO2Ar、(CH2nNASO2Ar、(CH2nNHSO2CH2Ar、(CH2nNASO2CH2Ar、(CH2nAr、(CH2nHet、NHArまたはNHHetを示し、
Arは、それぞれ非置換であるか、A、OA、OH、SH、S(O)mA、Hal、NO2、CN、COA、COOH、COOA、CONR45、SO2NR45、NR45、OCONR45、NR4COR5、NR4SO25、NR4CONR45、(CH2nNHSO2A、O(CH2pCN、SO2Het1、O(CH2pNR45および/または(CH2mHet1により一、二、三、四または五置換されているフェニル、ナフチルまたはビフェニルを示し、
A、A’はそれぞれ相互に独立に、1〜3個のCH2基がO、S、SO、SO2、NH、NMeまたはNEtにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置き換えられていてもよい1〜10個のC原子を有する非分枝鎖または分枝鎖アルキルを示すか、3〜8個のC原子を有するAlkまたは環式アルキルを示し、
Alkは、2〜6個のC原子を有するアルケニルまたはアルキニルを示し、
Hetは、非置換であるか、A、OA、OH、SH、S(O)mA、Hal、NO2、CN、COA、COOA、CONR45、SO2NR45、NR45、OCONR45、NR4COR5、NR4SO25、NR4CONR45、=S、=NH、=NAおよび/または=O(カルボニル酸素)により一、二または三置換されていてもよい1から4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
Het1は、非置換であるか、A、OA、OHおよび/または=O(カルボニル酸素)により一、二または三置換されていてもよい1から3個のNおよび/またはO原子を有する単環式飽和複素環を示し、
4、R5はそれぞれ相互に独立に、Hを示すか、1〜3個のCH2基がO、S、SO、SO2、NH、NMeまたはNEtにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置き換えられていてもよい1〜6個のC原子を有するアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
mは、0、1または2を示し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
pは、1、2、3または4を示す]
ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)。
【請求項2】
1がOHまたはOCH3を示す
請求項1に記載の式Iの化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)。
【請求項3】
2が、CONH2、CONHA、CONAA’、CONH(CH2nAr、CONA(CH2nAr、CONH(CH2nHetまたはCONA(CH2nHetを示し、ここで、A、A’は、1、2、3または4個のC原子を有するアルキルまたは3〜8個のC原子を有する環式アルキルを示す
請求項1または2に記載の化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)。
【請求項4】
3が、Aまたは(CH2nArを示し、ここで、Arは、非置換であるか、A、Halおよび/またはOAにより一、二または三置換されているフェニルを示す
請求項1から3の一項または複数項に記載の化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)。
【請求項5】
Arが、非置換であるか、A、OA、OH、CN、NH2、NHA、NA2、NHCOA、Hal、CONH2、CONHA、CONAA’、(CH2nNHSO2A、O(CH2pCN、SO2Het1、O(CH2pNH2、O(CH2pNA2、O(CH2pNHAおよび/または(CH2mHet1により一、二、三、四または五置換されているフェニルを示す
請求項1から4の一項または複数項に記載の化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)。
【請求項6】
A、A’がそれぞれ相互に独立に、1または2個のCH2基がO、NH、NMeまたはNEtにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置き換えられていてもよい1〜6個のC原子を有する非分枝鎖または分枝鎖アルキルを示すか、3〜8個のC原子を有する環式アルキルを示す
請求項1から5の一項または複数項に記載の化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)。
【請求項7】
A、A’がそれぞれ相互に独立に、1個のCH2基がOにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置き換えられていてもよい1〜6個のC原子を有する非分枝鎖または分枝鎖アルキルを示すか、3〜8個のC原子を有する環式アルキルを示す
請求項1から6の一項または複数項に記載の化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)。
【請求項8】
Hetが、非置換であるか、A、Hal、OH、OA、COA、=NH、=NAおよび/または=O(カルボニル酸素)により一、二または三置換されていてもよい1から3個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示す
請求項1から7の一項または複数項に記載の化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)。
【請求項9】
Hetが、それぞれ非置換であるか、A、Hal、OH、OA、COAおよび/または=O(カルボニル酸素)により一、二または三置換されているピリジル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、インドリル、キノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インダゾリル、ジヒドロベンズイミダゾリル、ジヒドロインドリルまたはテトラヒドロピラニルを示す
請求項1から8の一項または複数項に記載の化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)。
【請求項10】
1が、OHまたはOCH3を示し、
2が、CONH2、CONHA、CONAA’、CONH(CH2nAr、CONA(CH2nAr、CONH(CH2nHetまたはCONA(CH2nHetを示し、ここで、A、A’は、1、2、3または4個のC原子を有するアルキルまたは3〜8個のC原子を有する環式アルキルを示し、
3が、Aまたは(CH2nArを示し、ここで、Arは、非置換であるか、A、Halおよび/またはOAにより一、二または三置換されているフェニルを示し、
Arが、非置換であるか、A、OA、OH、CN、NH2、NHA、NA2、NHCOA、Hal、CONH2、CONHA、CONAA’、(CH2nNHSO2A、O(CH2pCN、SO2Het1、O(CH2pNH2、O(CH2pNA2、O(CH2pNHAおよび/または(CH2mHet1により一、二、三、四または五置換されているフェニルを示し、
A、A’がそれぞれ相互に独立に、1個のCH2基がOにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置き換えられていてもよい1〜6個のC原子を有する非分枝鎖または分枝鎖アルキルを示すか、3〜8個のC原子を有する環式アルキルを示す
請求項1から9の一項または複数項に記載の化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)。
【請求項11】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【表1−13】

【表1−14】

【表1−15】

【表1−16】

【表1−17】

【表1−18】

【表1−19】

【表1−20】

【表1−21】

【表1−22】

【表1−23】

【表1−24】

【表1−25】

の群から選択される請求項1に記載の化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)。
【請求項12】
請求項1から11に記載の式Iの化合物ならびに薬学的に使用可能なその誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体を調製する方法であって、
a)式IIの化合物
【化2】

[式中、
1、R2およびR3は、請求項1に示した意味を有し、
Lは、F、Cl、Br、Iもしくは遊離、または反応性に修飾されたOH基を示す]
を、ヒドラジンまたはヒドラジン水和物と反応させ、
必要に応じて引き続き、1個または複数の基R1、R2および/またはR3を、例えば、
i)ニトロ基をアミノ基に還元するか、
ii)エステル基をカルボキシル基に加水分解するか、
iii)還元的アミノ化により、アミノ基をアルキル化アミンに変換するか、
iv)カルボキシル基またはエステルをアミドに変換するか、
v)アミノ基をアシル化することにより、
1個または複数の基R1、R2および/またはR3に変換し、かつ/または
式Iの塩基または酸をその塩の1種に変換することを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1から11に記載の少なくとも1種の化合物および/または薬学的に使用可能なその誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)ならびに場合により賦形剤および/または補助剤を含む医薬品。
【請求項14】
HSP90の阻害、制御および/または調節が役割を果たす疾患を治療および/または予防するための医薬品を調製するための請求項1から11に記載の化合物および薬学的に使用可能なその誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)の使用。
【請求項15】
腫瘍疾患、ウイルス疾患、移植における免疫抑制、炎症性疾患、嚢胞性線維症、血管新生関連疾患、感染症、自己免疫性疾患、虚血、線維形成性疾患を治療または予防するための薬剤、
神経再生を促進するための薬剤、
癌、腫瘍細胞の増殖および腫瘍転移を阻害するための薬剤、
化学療法によって起こる毒性に対して正常細胞を保護するための薬剤、
不正確なタンパク質のフォールディングまたは凝集が主要病因である疾患を治療するための薬剤
の調製のための、請求項1から11に記載の化合物および薬学的に使用可能なその誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)の請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記腫瘍疾患が、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮細胞肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮細胞肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、骨髄癌腫、気管支原生癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、睾丸腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮性悪性腫瘍、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンストロームマクログロブリン血症および重鎖病である、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記ウイルス疾患のウイルス病原体が、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、I型単純ヘルペス(HSV−I)、II型単純ヘルペス(HSV−II)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、乳頭腫ウイルス、パポバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、おたふくかぜウイルス、はしかウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、I型ヒト免疫不全ウイルス(HIV−I)およびII型ヒト免疫不全ウイルス(HIV−II)からなる群から選択される、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
前記炎症誘発疾患が、関節リウマチ、喘息、多発性硬化症、1型糖尿病、紅斑性狼瘡、乾癬および炎症性腸疾患である、請求項15に記載の使用。
【請求項19】
前記血管新生に関連する前記疾患が、糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症および腫瘍血管新生である、請求項15に記載の使用。
【請求項20】
前記線維形成性疾患が、硬腫、多発性筋炎、全身性狼瘡、肝硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺線維症である、請求項15に記載の使用。
【請求項21】
不正確なタンパク質のフォールディングまたは凝集が主要病因である前記疾患が、スクレーピー、クロイツフェルトヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病である、請求項15に記載の使用。
【請求項22】
請求項1から11に記載の少なくとも1種の化合物および/または薬学的に使用可能なその誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)ならびに少なくとも1種のさらなる医薬品活性成分を含む医薬品。
【請求項23】
(a)有効量の請求項1から11に記載の化合物および/または薬学的に使用可能なその誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を包含する)ならびに
(b)有効量の他の医薬品活性成分
の別々のパックからなるセット(キット)。

【公表番号】特表2009−541377(P2009−541377A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516939(P2009−516939)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005338
【国際公開番号】WO2008/003396
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】