説明

LNG輸送容器及び炭化水素を輸送するための方法

液化天然ガス輸送用の容器が提供される。容器は全体的には、基本的に周囲温度で容器との間で天然ガスを荷積みし及び荷降ろしするためのガス移送システムを含む。容器は、天然ガスの液化及び再ガス化を選択的に可能にするガス処理施設を更に含む。容器はまた、輸送中に液化天然ガスを収容するための格納構造体を含む。容器は、水上でLNGを輸送するための船舶又ははしけ容器、或いはLNGを道路輸送するためのトレーラー容器とすることができる。容器への天然ガスの荷積み、天然ガスの凝結、液化状態での容器へのガス貯蔵、輸入ターミナルへのガス輸送、ガスの気化、及びターミナルでのガスの荷降ろしを可能にするLNG輸送のための方法がまた提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概略的には、炭化水素の輸送に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、液化天然ガス輸送容器用の一体型設計に関する。加えて、本発明の実施形態は、液化、輸送及び再ガス化プロセスを組合せる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クリーン燃焼の天然ガスは、世界中の多くの産業及び消費者市場において最適な燃料になっている。しかしながら、天然ガス源は、ガスを必要とする市場から離れた場所に位置することが多い。これは、天然ガスは、地理的に離れた場所で製造された後、大型船で大洋を輸送しなければならないことがあることを意味する。
【0003】
輸送用のガス容量を最大にするために、ガスは液化プロセスを経ることがある。液化天然ガス(「LNG」)は、例えばメタン含有ガスのような極めて低級の炭化水素(light hydrocarbon)を約−160℃まで冷却することによって形成される。液化ガスは、大型の船舶に設けられた特殊な極低温タンク内に大気圧で貯蔵することができる。或いは、LNGは、高圧、かつより高い温度(すなわち−160℃を上回る)で液化することができ、これは加圧LNG(「PLNG」)として知られている。本願では、PLNG及びLNGを、総称として「LNG」と呼ぶことがある。
【0004】
輸入国又は輸入地へのLNGの輸送には費用がかかる。最近は開発されてきているので、ガスは、製造現場に近接する場所で液化処理される。これは、大きな集積及び液化センターが、生産国内に建造されることを意味する。液化プロセスを、浮遊式生産貯蔵及び陸揚げ(FPSO)容器などの沖合のプラットホーム又は容器で行うこともできる。そこから炭化水素生成物は、船舶(marine transport vessel)にその液化状態で荷積みされる。このような船舶はLNGタンカーとして知られている。
【0005】
行き先国に到着すると、LNG製品は、受け入れターミナルで荷降ろしされる。受け入れターミナルは、輸入国の陸上、又は「沿岸」でもよい。ガスが、冷却及び液化状態で貯蔵庫に一時的に貯蔵されることもある。液化によって、ガス配管網内に導入され又は消費者に送給されるまで、大量のガスを断熱タンク内に貯蔵することが可能になる。場合によっては、冷却ガスは、トレーラーの後部の特別に断熱された容器で輸送され、市場まで長距離を陸送されることもある。また、輸入されたLNGは、「気化」され市場用配管網に送り込まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
LNG技術は、一般に、輸出及び輸入ターミナルにおける資本及び資源の大きな投資を必要とする。LNG技術では、また、各エンドで液体の極低温移送が必要となる。多くの場所では、天然ガス資源は、ガス液化処理施設を産出国又は産出地に建設する費用を妥当なものにするほど十分な量は存在しない。加えて、特にFPSOからの極低温材料の移送は困難である。また、輸入地域における消費者の需要によっては、再ガス化加工設備が経済的に妥当でないこともある。従って、産出国の輸出ターミナルで低級炭化水素生成物を受け、ガスを冷却して液化状態にし、次いで所望の市場に近接した場所までガスを輸送することができる一体型容器に対するニーズがある。加えて、荷降ろし場所又は輸入ターミナルに到着したときに低級炭化水素を再ガス化することができる容器のニーズもある。更に、海洋、河川、又は道路を移動するこのような容器のニーズもある。
【0007】
LNG液化、輸送、及び/又は再ガス化技術に関しては、米国特許第5,878,814号明細書(Breivik他に付与された)、ドイツ特許3200958号(Linde AG)、米国特許第5,025,860号明細書(Mamdrin他に付与された)、米国第6,517,286号明細書(Latchemに付与された)、国際特許2004/081441号(Convention Gas Imports)、米国第2003/185631号(Bliault他)、国際特許2004/000638号(ABB Lummus Global,Inc)、米国特許第3,766,583号明細書(Phelpsに付与された)、米国第2003/182948号(Nierenberg)、米国第2002/174662号(Frimm他)、及び米国特許第6,089,022号(Zednik他に付与された)にも開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
最初に、液化天然ガスを輸送するための方法が提供される。本方法は、実質的に気相状態の天然ガスを第1の場所で容器に荷積みするステップと、容器の天然ガスを冷却して実質的に液化天然ガスに変換するステップと、液化ガスを断熱コンテナ内で貯蔵するステップと、容器の液化天然ガスを第1の場所から第2の場所に輸送するステップと、容器の液化天然ガスを加熱して実質的に気相に再変換して戻すステップと、天然ガスを第2の場所で容器から荷降ろしするステップとを含む。好ましくは、天然ガスを冷却するステップ及び液化天然ガスを加熱するステップは、各々ガス処理施設を用いて実施される。より好ましくは、同じガス処理施設が天然ガスの冷却(液化)及び液化天然ガスの加熱の両方に用いられる。
【0009】
LNGを輸送するための方法は、種々の容器で実施することができる。例として、海洋容器(船舶)、はしけ容器、及び陸送トレーラー容器を含む。
【0010】
別の態様では、容器の液化天然ガスを輸送するための方法が提供される。本方法は一般に、容器用のガス移送システムを提供するステップと、基本的に気相状態にある天然ガスをガス移送システムを通って容器に荷積みするステップと、天然ガスを選択的に冷却及び加熱するガス処理施設を容器に提供するステップと、天然ガスが実質的に液化状態にある低温まで天然ガスを冷却するようにガス処理施設を通って天然ガスを貫流するステップと、輸送中に液化天然ガスを収容するために容器に格納構造体を提供するステップとを含む。
【0011】
加えて、液化天然ガスを輸送するための容器が提供される。1つの実施形態では、容器は、天然ガスが実質的に気相状態で容器との間で天然ガスの荷積み及び荷降ろし用のガス移送システムと、(i)天然ガスが気相状態にある温度から、天然ガスが実質的に液化状態にある低温まで天然ガスを冷却すること、及び(ii)天然ガスが実質的に液化状態にある温度から天然ガスがその気相に変換して戻る温度まで天然ガスを加熱することを選択的に行うためのガス処理施設と、ガス処理施設に給電するための発電機と、輸送中に液化天然ガスを収容する格納構造体とを備える。
【0012】
容器は更に、例えば海洋容器(船舶)、はしけ容器、又は陸送トレーラー容器を含むあらゆる種類の輸送容器とすることができる。容器が船舶である場合、ガス移送システムは、ガス処理施設を海洋ジャンパーラインと流体連通して配置するためのブイラインを更に含むことができる。容器が、トレーラー上の容器などの陸上にある場合、ガス移送システムは、ガス処理施設をランドホースと流体連通して配置するためのラインを更に含むことができる。
【0013】
格納構造体が船舶である場合、格納構造体は、1又は2以上のモス球状タンクとすることができ、これはメンブレンタンクとすることができ、又は流体連通した複数の加圧ボトルとすることができる。複数のボトルは、大気圧よりも大きな圧力状態にLNGを維持する。
【0014】
1つの態様では、ガス処理施設は、天然ガスが熱的に熱交換流体と接触する少なくとも1つの熱交換器と、少なくとも1つの流体移動装置とを含む。流体移動装置は、コンプレッサ、又はポンプのいずれかとすることができる。
【0015】
1つの構成では、ガス処理施設は、天然ガスと熱交換流体との間の熱接触によって天然ガスを冷却する第1の熱交換器と、第1の熱交換器を貫流した後に熱交換流体が圧縮され一時的に加温されるコンプレッサと、圧縮された熱交換流体が冷却される第2の熱交換器と、圧縮された熱交換流体が第1の熱交換器を通って戻る前に更に冷却されて減圧されるエキスパンダーとを提供することによって天然ガスを冷却する。或いはガス処理施設は、天然ガスと熱交換流体との間の熱接触によって天然ガスを加温する第1の熱交換器と、第1の熱交換器を貫流した後に熱交換流体が加温される第2の熱交換器とを提供することによって天然ガスを加熱する。熱交換流体運動装置は、第2の熱交換器を貫流した後及び第1の熱交換器を通って戻る前に熱交換流体が圧縮されて更に加温されるコンプレッサとすることができる。或いは、流体運動装置は、液化熱交換流体を加圧するための第1及び第2の熱交換器の間にインラインに配置されたポンプである。
【0016】
好ましくは、発電機は、天然ガスが格納構造体内に貯蔵されるときに容器を推進する動力を供給し、天然ガスが冷却又は加熱されるときにガス処理施設に給電するよう、選択的に構成される。任意選択的には、容器は、輸送中に気化するあらゆる天然ガスを再凝結させ、又は熱交換流体及びシステム装置を低温に維持するために、容器がLNGを輸送している間は熱交換流体を循環及び冷却させる補助コンプレッサを更に有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図面は、本明細書に記載された種々の発明の理解を助けるために提供される。
以下の用語及び語句は、本明細書及び請求項の目的において具体的に定義される。用語が定義されていない範囲では、当業者が刊行物、辞書及び/又は登録特許において反映される用語について、当業者が与える最も広い定義が与えられる必要がある。
【0018】
「天然ガス」とは、炭化水素種ベースで25モルパーセントよりも多いメタンを含む、低級炭化水素ガス、又は2又は3以上の低級炭化水素ガスを含む混合物を意味する。例えば天然ガスは、これに限定されものではないが、エタン、プロパン、ブタン又はこれらの異性体などの他の炭化水素成分と共に、メタンを含む。天然ガスは、また、例えば二酸化炭素、硫化水素、水、硫化カルボニル、メルカプタン及び窒素などの非炭化水素汚染種を含むことがある。
【0019】
「LNG」すなわち「液化天然ガス」は、液化されている、天然ガス又はこれらの一部を意味する。この用語は、炭化水素種モルベースで25モルパーセントよりも多いメタンを含む、実質的に液体形態のあらゆる低級炭化水素又は2つ又は3以上の低級炭化水素の混合物を集合的に含む。LNGは、例えば、およそ大気圧で冷却、並びに「PLNG」等の大気圧を超えた圧力増大の冷却及び適用の両方によって液体状態に誘起された天然ガスを含む。
【0020】
「容器」は、あらゆる流体輸送構造体を意味する。容器の非限定的な実施例は、海洋容器(船舶)、はしけ容器、又はトレーラー容器を含む。
【0021】
「海洋容器(船舶)」は、大洋、または他の大きな水域で大量のLNGなどの流体を輸送するように構成された容器を意味する。
【0022】
「はしけ容器」は、河川或いは海洋の入り江又は湾内で大量のLNGなどの流体を輸送するように構成された容器を意味する。
【0023】
「トレーラー容器」は、大量のLNGなどの流体をトレーラーで輸送するように構成された容器を意味する。トレーラーは、トラック、リグ、又は他の機械化された長距離輸送車両によって牽引される。
【0024】
用語「荷積み」及び「荷降ろし」は、それぞれ、容器へ又は容器から流体を移動させることを意味する。これらの用語は、流体が移動される手法に関しては限定されない。
「ガス移送システム」は、少なくとも部分的に気相状態にある流体の荷積み又は荷降ろし用のシステムを意味する。ガス移送システム用の特徴の非限定的な実施例は、コンプレッサ、弁、導管及びポンプを含む。
「周囲温度」とは、あらゆる特定の場所で最も一般的な温度を意味する。
【0025】
「エキスパンダー」とは、これに限定されものではないが、膨張弁又はターボエキスパンダーを含む、流体ライン内を減圧することができるあらゆるデバイスを意味する。
【0026】
本発明の幾つかの実施形態は、液化天然ガス用の装置及び方法を含む。幾つかの実施形態では、天然ガスは、25モルパーセントよりも多くのメタンを含む低級炭化水素ガス或いは2つ又はそれ以上の低級炭化水素ガスを含む混合物を含む。或いは天然ガスは、炭化水素種ベースの40モルパーセント又は70モルパーセントよりも多いメタンを含むことができる。
【0027】
本発明の幾つかの実施形態は、LNGを形成する液化天然ガス又は天然ガスを再形成するためLNGを再ガス化する装置及び方法を含む。幾つかの実施形態ではLNGは、液化されている天然ガス又はその一部を含む。LNGは、炭化水素種ベースで25モルパーセントよりも多いメタンを含む実質的に液体状態のあらゆる低級炭化水素或いは2つ又は3以上の低級炭化水素の混合物を含むことができる。或いはLNGは、炭化水素種ベースで40モルパーセント又は70モルパーセントよりも多いメタンを含むことができる。
【0028】
以下に図面に示す特定の実施形態を説明する。
【0029】
図1Aは、流体輸送容器100の平面図を示す。例示されている流体輸送容器100は、船舶である。具体的には、容器100は、海洋或いは他の大きな水域にわたって液化天然ガスすなわち「LNG」を運ぶように構成されている。1つの態様では、容器100は、公称300メートルの長さである。容器100は、図1Aの平面図に示されているメインデッキ12を含む。
【0030】
図2は、図1Aの容器100の側面図である。船体16によって画定されている容器100の輪郭が分かる。船体16は、一般に、メインデッキ12の下にある。船体16は、好ましくは自己推進される「船形状」の容器を提供する。しかしながら、本発明の範囲は、船形状又は自己推進型の容器に限定されないことは理解される。
【0031】
船舶100はブリッジ20を含む。ブリッジ20は、通常、容器の前部又は後部のいずれかにある。ブリッジ20は、船100の船首において図1A及び図2の両方で見られる。ブリッジ20は、デッキ12に位置決めされ、船長及び乗組員用の住居を提供する。ブリッジ20では、船舶100の航海及び動作制御が行われる。船舶はまた、操舵又は誘導機構、舵及び器具類(全て図示せず)を含む航海システムを有することがわかる。
【0032】
船舶100は、貨物貯蔵領域30又は「格納構造体」を更に含む。格納構造体30は、概略的に図1A及び図2に示され、単一の「断熱区画」を示すことが意図される。例示されている格納構造体30は、LNGなどの極低温流体を加圧状態に保持するように構成された複数のコンテナ30Aを含む。格納構造体30は、コンテナ30Aのサンプリングを露出させるために、図1A及び図2の各々で切り欠かれている。格納構造体30は、単一の「断熱区画」に限定されず、コンテナ30Aは、個々に断熱してもよいことがわかる。
【0033】
選択されたボトル30Aのセットは、互いに流体連通して「タンク」を形成する。ボトル30Aは、LNGをボトル30Aに出し入れするのに適した弁32を有する。1つの態様では、極低温流体をコンテナ30Aに出し入れするために4インチの配管接続が設けられるが、他の寸法を用いてもよいことがわかる。コンテナ30Aは、大気圧又はそれよりもわずかに高い圧力とすることができ、液化にするために約−160°F(−106.7℃)又はそれよりも低い温度まで冷却された天然ガスを含む。代替として、天然ガスは、約−190°F(−123.3℃)又はそれよりも低い温度まで冷却してもよい。或いはコンテナは、大気圧又はこれよりもわずかに高い気圧とすることができ、約−200°Fから約−270°F(−128.9℃から−167.8℃)の温度まで冷却された天然ガスを含む。コンテナ30Aは、約150psiを上回る高圧及び約−193°F(−125℃)又はそれより高い温度のどちらかで貯蔵することができる。或いはコンテナは、約250から450psiの範囲内の圧力、及び約−175°Fから−130°F(−115℃から−90℃)の温度で貯蔵することができる。当業者であれば、炭化水素の液化温度が、その圧力及び組成に応じて決まることになることがわかる。
【0034】
ボトル30Aは、好ましくは円筒型形状であり、通常は鋼材から製作される。コンテナ30Aが、圧力容器として機能する場合、これらは、好ましくは好適な厚さの壁を有する鋼材から製作される。互いに流体連通した1又は2以上のボトル30Aは、単一「タンク」を形成する。
【0035】
他の種々のLNG格納構造体は、船舶用として既知である。その例が、図1B及び1Cに示されている。図1Bは、複数のモス(Moss)球状タンク30BとしてLNG輸送容器100B用の格納構造体を示している。例示されている容器10は、やはり船舶である。モス球状タンク30Bは、半球状又は細長い形状であり、最大40メートル又はそれよりも長い直径を有することがある。通常、3つから5つのモス球状タンクが単一の船舶に配置される。LNGは、大気圧でモス球状タンク内に貯蔵される。
【0036】
図1Cは、メンブレンタンクとしてLNG輸送容器100C用の格納構造体30Cを提示している。例示的な容器100Cはこの場合も船舶である。メンブレンタンクは通常、流体密封区画を形成するためのスチールライニング(図示せず)を有する正方形又は矩形構造体である。ライニングは、断熱されるフレームによって構造的に支持される。フレーミングは、断熱貨物倉を形成する。各メンブレンタンク30Cは、例えば占有面積で40メートル×40メートルとすることができる。
【0037】
例示的な各船舶100、100B、100Cはまた、ガス処理施設を含む。ガス処理施設は、概略的に40で示され、天然ガスなどの流体を選択的に冷却又は加熱することができる、あらゆる設備を示すとが意図される。好ましくはガス処理施設40は最初に、天然ガスが気相状態にある室温から天然ガスが実質的に液化状態にある低温まで天然ガスを冷却することになる。これは、天然ガスを例えば容器100のような容器に荷積みするための手順と関連して行われる。加えて、ガス処理施設40はまた、好ましくは天然ガスが実質的に液化状態にある温度から天然ガスが気相に戻される室温まで天然ガスを加熱することになる。これは、容器100、100B又は100Cから天然ガスを荷降ろしするための手順と関連して行われる。
【0038】
図3は、1つの実施形態では、ガス処理施設40のより詳細な図を示している。この図では、ガス処理施設40は、流体の冷却すなわち「液化」用に設定されている。矢印は、天然ガスを冷却するプロセスの流体の流れを示している。より具体的には、矢印Gは、容器100上に設置されたガス処理施設40を通るガスの移動を示し、矢印Cが、ガスを極低温冷却するクーラントのポンプ輸送を示す。
【0039】
図4A及び図4Bは、図1、1B及び1Cのガス処理施設40の他の概略図を示す。これらの図では、ガス処理施設40は、流体の加熱すなわち「再ガス化」用に設定されている。矢印は、低級炭化水素再ガス化プロセスの流体の流れを示している。矢印Gは、容器100に設置されたガス処理施設40を通るガスの移動を示し、矢印Hは、ガスを加温する熱交換流体のポンプ輸送を示している。図4A及び図4Bは、再ガス化用の別のガス処理システムを示す。
【0040】
図3のガス処理施設は、フィールドからの天然ガスの受け取りと輸送用の格納構造体30でのLNG貯蔵との間の中間設備である。同様に、図4A及び図4Bのガス処理施設は各々、格納構造体30から輸入ターミナルまで天然ガスを荷降ろしする間の中間設備を提供する。炭化水素の容器からの出し入れを行うために、ガス移送システムが設けられている。ガス移送システムは、図3、4A及び4Bのライン50によって概略的に表される。実際には、ガス移送システム50は、ガス処理施設40と容器100外部のライン(図示せず)との間に流体連通を形成するラインを含むことになる。例えば、流体輸送容器が、船舶(図1Aの容器100など)又は、はしけ容器(図5Aに示される)である場合、ラインは、海洋ジャンパーに接続されることになる。海洋ジャンパーは、好ましくは一体化又は取り付けブイのいずれかを用いて浮かせられることになる。流体輸送容器が、トレーラー容器(図5Bに示される)である場合、ラインは、ランドホースに接続されることになる。
【0041】
図5Aは、はしけ容器500AとしてLNG輸送容器を示している。はしけ容器500Aは、曳航船によって曳航されている。容器500Aは、ガス移送システム502A、ガス処理施設504A、及び流体格納構造体506Aを含む。ガス移送システム502Aは、典型的には海洋ジャンパーライン(図示せず)に接続されるように構成されたホースを構成することになる。はしけ容器500Aは、好ましくはタグ510Aによって牽引される。容器500Aは、タグ510Aと一体化することができるが、連結及び連結解除が可能な別個の浮遊装置であるのが好ましい。図5Aは、ヒッチングライン501Aを示す。タグ510Aは、勿論、エンジン及びプロペラ(図示せず)を含む。エンジンは通常、ディーゼル又はガソリン動力であり、水中Wでプロペラを駆動させるように動作する。荷船510Aはまた、光源などの電気装置に給電するためのバッテリー(図示せず)を含むことができる。好ましくは、ガス処理施設504Aは、タグ510Aのエンジン又はバッテリーのいずれかによって動力が供給される。
【0042】
図5Bは、トレーラー容器500BとしてLNG輸送容器を示す。容器500Bは、ガス移送システム502B、ガス処理施設504B、及び流体格納構造体506Bを含む。ガス移送システム502Bは、通常、供給ライン(図示せず)に接続されるように構成された弁及び恐らくはホースを構成することになる。トレーラー容器500Bは、道路輸送リグ510Bによって牽引されている。トレーラー容器500Bは、陸上輸送用の多軸トレーラー520B上に配置される。
【0043】
トレーラー容器500Bは、リグ510B又は「トラック」の後部に牽引されることで推進される。容器500Bは、トラック510Bと一体化することができるが、連結及び連結解除することができる別個のトレーラー520B上にあるのが好ましい。トラック510Bは、勿論、エンジン及びシャフト(図示せず)を含む。エンジンは通常、ディーゼル又はガソリン動力であり、トランスミッションに回転運動を伝達するシャフトを駆動させるように動作する。トラック510Bはまた、電気装置に給電するためのバッテリー(図示せず)を含む。好ましくは、ガス処理施設504Bは、トラック510Bのエンジンによって動力が供給され、装置要件を低減させる。エンジンは、ガス処理施設504B用の電力を生成するための発電機を駆動することができる。
【0044】
実際には、天然ガスなどの大量の流体は、フィールドから集積センターに運ばれる。集積センターは、陸上、沿岸、又は沖合にある。天然ガスは、基本的に周囲温度で貯蔵される。容器100、100B、及び100Cなどの船舶の場合には、容器は沖合にあり、集積設備(図示せず)からガス移送システム50を通って容器にポンプ輸送された天然ガスを受け取る。天然ガスは、容器100の格納構造体30内に直接貯蔵されるのではなく、図3に従って液化用のガス処理施設40を通ってポンプ輸送される。
【0045】
図3には、ガス処理施設40が示されている。ガス処理施設40は、天然ガスなどの流体を凝結する目的で用いられる。矢印Gは、上述のように液化中のガスの流れを示している。
【0046】
ガス処理施設40は、第1の熱交換器42を含む。第1の熱交換器42は、天然ガスと熱交換流体との間の熱接触によって天然ガスを冷却するように機能する。第1の熱交換器42は、2つのチャネルが互いに熱接触状態にあるように、それぞれ炭化水素及び熱交換流体を配向する好適な隣接流体チャネル(図示せず)を提供する。この順序では、熱交換流体は、ライン「C」を貫流する冷媒として働く。
【0047】
ガス処理施設40はまた、コンプレッサ44を含む。コンプレッサ44は、第1の熱交換器42から循環し冷媒を圧縮するときに、熱交換流体又は冷媒を受け取る。冷媒を圧縮するプロセスはまた、冷媒がコンプレッサ44を通って移動すると、冷媒を一時的に加温するように働く。1つの構成において、冷媒は、第1の熱交換器42を出るときに約35F°(1.7℃)であり、コンプレッサ44を出るときには300F°(148.9℃)である。
【0048】
ガス処理施設40はまた、第2の熱交換器46を含む。圧縮された冷媒は、第2の熱交換器46内で冷却される。第2の熱交換器46は、冷媒及び冷却流体が流れる隣接流体チャネル(図示せず)を提供する。冷却流体は、熱接触によって冷媒を冷却するように働く。図1Aの容器100などの船舶の関連では、クーラントは、豊富に利用できる海水又は空気とすることができる。はしけ容器(図5Aに示す容器500Aなど)の関連では、クーラントは、淡水又は空気とすることができる。トレーラー容器(図5Bに示す容器500Bなど)の関連では、クーラントは最も典型的には空気である。
【0049】
ガス処理施設40はまた、エキスパンダー48を含む。エキスパンダー48は、圧縮された冷媒を膨張させるように働く。エキスパンダー48は、流体を膨張させるための膨張弁、ターボエキスパンダー、又は他のあらゆるデバイスとすることができる。圧縮された冷媒を膨張させるプロセスは、冷媒を減圧するだけでなくその冷媒を更に冷却するように働く。1つの構成では、冷媒は、第2の熱交換器46を出るときに約65F°の温度であるが、エキスパンダー48を出るときには−170F°である。次いで有意に冷却された冷媒は、第1の熱交換器42を通って循環し、そこで再度冷媒が天然ガスを冷凍するように働く。最終的には天然ガスは、実質的に液相に凝結される。従って、図3のガス処理施設40は液化設備として働く。
【0050】
ここで図4Aを参照すると、ガス処理施設40が再度示されている。しかしながらこの構成では、ガス処理施設40は、天然ガスなどの流体を加熱する目的で用いられる。矢印Gは、上述のような低級炭化水素用の再ガス化のプロセスを描いている。矢印は、一般に図3の矢印と反対方向に向けられる。
【0051】
ガス処理施設40は同様に、第1の熱交換器42を含む。しかしながらこの場合、第1の熱交換器42は、天然ガスと熱交換流体との間の熱接触によって天然ガスを加温するように働く。この順序では、熱交換流体は、ライン「H」を貫流する加熱流体として働く。第1の熱交換器42は、2つのチャネルが互いに熱接触状態にあるように、天然ガスをその液相及び熱交換流体に配向する好適な隣接流体チャネル(図示せず)を提供する。この順序では、熱交換流体は加熱流体として働く。
【0052】
第1の熱交換器42を通って循環後、熱交換流体は、第2の熱交換器46に移動する。熱交換流体は、エキスパンダー48を迂回する。矢印は、エキスパンダー48を通る流体の流れを示さないことが図4で分かる。
【0053】
図4Aに示す再ガス化プロセスにおいて、第2の熱交換器46はここでは熱交換流体を加温するように働く。この態様では、第1の熱交換器42を通って熱交換流体を循環させるプロセスは、熱交換流体の冷却を生じさせる。熱交換流体は、交換機42を出るときには極めて低温になる。従って、熱交換流体は、第2の熱交換器46内で加温される。第2の熱交換器46は、熱交換流体及び加温流体が流れる隣接流体チャネル(図示せず)を提供する。加温流体は、熱接触によって熱交換流体を加温するように働く。図1Aの容器100などの船舶の関連では、加温流体は海水とすることができる。或いは、加温流体は、図示していない燃焼又は他の加温プロセスによって周囲温度で容器に保持された淡水である。或いは、第2の熱交換器46は、燃焼などによって直接淡水を受け取り加熱するタンクとすることができる。はしけ容器(図5Aに見られる500Aなど)の関連では、又はトレーラー容器(図5Bに見られる容器500Bなど)の関連では、加温流体は、空気又は水のいずれかとすることができる。
【0054】
熱交換流体は、第2の熱交換器46からコンプレッサ44を通って移動する。コンプレッサ44は、加熱流体を圧縮し、この加熱流体を更に加温した状態で第1の熱交換器42に送給する。上述のように、流体を圧縮するプロセスはまた、コンプレッサ44を通って移動するときに該流体を加温するように働く。1つの構成では、熱交換流体は、第2の熱交換器46を出るときに約55F°であるが、コンプレッサ44を出るときには約300F°である。次いでかなり加温された熱交換流体は、その熱交換流体が天然ガスを加温するように同様に働く第1の熱交換器42を通って循環して戻る。最終的に天然ガスは、荷降ろしのために実質的に気相に気化される。従って、図4のガス処理施設40は、再ガス化設備として働く。
【0055】
ガス処理施設40の幾つかの構成部品と関連して特定の温度が規定されてきた。しかしながら、熱交換流体が第1の熱交換器に入るときの熱交換流体の温度が、液化プロセス中の天然ガス(又は他の流体)を液化するのに十分に低く、ガス化プロセスにおいて天然ガス(又は他の流体)を気化するのに十分に高い範囲である限り、本発明の範囲はあらゆる特定の温度に限定されないことは理解される。しかしながら、水が、氷点よりも温かくすなわち華氏5度又はそれよりも高い第2の熱交換器46内で利用可能である場合、ガス処理施設40はより効率的に動作する点に留意されたい。媒体を加温する好適な周囲温度の無い実施形態では、液化及び気化熱交換器を一体化することは困難である。この関連では、ガス処理施設40は、天然ガス製品の一部の燃焼により加熱された気化手段を利用するのが好ましい。燃焼気化設備は、液化プロセスを備えた水供給及び燃料ガスシステムのような公共施設の一体化による利点があることになる。
【0056】
上述のように、図4Bは、図4Aのガス処理施設のための別の構成を示している。この観点から考えると、この場合も矢印は、低級炭化水素用の再ガス化のプロセスを描く。システムは、ここでは40’で示されている。図4Bの構成では、熱交換流体は同様に、LNGを加温する(「再ガス化する」)ために第1の熱交換器42を通って循環される。再ガス化炭化水素は、ライン50を通ってガス処理施設40’を出る。最終的に天然ガスは、荷降ろしのために実質的に気相に気化される。従って、図4Bのガス処理施設40’はまた、再ガス化設備として働く。
【0057】
第1の熱交換器42を通って熱交換流体を循環させるプロセスは、熱交換流体の冷却を生じ、実質的にその熱交換流体を液化する。熱交換流体を再加熱するために、熱交換流体は、最初にポンプ49を通って移動される。ポンプ49は、コンプレッサ44に対する別の流体運動装置として機能を果たす。熱交換流体は同様にエキスパンダー48を迂回することが分かる。ポンプ49は、熱交換流体を活性化して加温するために、第1の熱交換器42の後に設けられる。ポンプ49はまた、例えば、海水のような液体熱交換流体を第2の熱交換器46に向かって移送する。
【0058】
図4Aの設備4と同様に、第2の熱交換器46は、熱交換流体を更に加温するように働く。第2の熱交換器46は、熱交換流体及び加温流体が流れる隣接流体チャネル(図示せず)を提供する。加温流体は、熱接触によって熱交換流体を加温するように働く。図1Aの容器100などの船舶の関連では、加温流体は同様に、直接燃焼プロセスにより加温されている海水又は淡水とすることができる。はしけ容器(図5Aに見られる容器500Aなど)の関連では、又はトレーラー容器(図5Bに見られる容器500Bなど)の関連では、加温流体は空気又は水のいずれかとすることができる。
【0059】
熱交換流体は、第2の熱交換器46から第1の熱交換器42に直接戻り、そこで同様に天然ガスを加温するように働く。コンプレッサ44は、図4Bにおいて迂回されていることが分かる。コンプレッサ44は、任意選択的にはポンプ49が利用されるときは用いられない。ポンプ44を通って流体をポンプ輸送するプロセスは、システム40’を通って熱交換流体を循環させるのに必要な圧力を供給する。
【0060】
液化動作及び再ガス化動作の両方において実質的に同じ物理的装置並びに熱交換流体を使用できることが図3、4A及び4Bの構成から分かる。図3に示すように、冷凍システム動作を修正することによって、図4A及び図4Bのシステム40、40’を介してガスの気化用の同じ熱交換器並びに熱移送流体を用いることができる。これにより、容器を節減する機器となる。容器が船舶である場合、輸入地域の水温が温かく、すなわち氷点よりも約5度(華氏)又はそれ以上高い場合、或いはあらゆる種類の周囲加熱媒体が輸入地域に近い発生源から利用可能である場合に、よりコスト効率が良い方法で容器(例えば容器100)上に液化及び再ガス化装置40を取り付けることができる。
【0061】
図3及び図4Aに示すガス処理施設40において、熱交換流体は、圧縮によってシステム40を通って移動される。圧縮は、流体運動装置のようなコンプレッサ44を用いることによって行うことができる。図4Bに示すガス処理施設40’において、熱交換流体は、ポンプ輸送によってシステムを通って移動される。ポンプ輸送は、流体運動装置としてポンプ49と関連して行うことができる。電力は、発電機によってコンプレッサ44又はポンプ49(及びガス処理施設40及び40’の他の機械的要素)のいずれかに供給される。発電機は、図3、4A及び4Bに41で概略的に示されている。
【0062】
発電機41は、好ましくはエンジンである。エンジンは、格納構造体30内に貯蔵されたLNGからの自然に生じる天然ガスの蒸発損、又は独自の燃料供給源(図示せず)のいずれかから供給されるガスによるガスにより駆動することができる。或いはエンジンは、ディーゼル駆動することができる。この場合、ディーゼル供給源(図示せず)は、船上に設けられることになる。図3及び図4Aの構成では、発電機41が、モータ43mを駆動することが分かる。矢印「e」は、電力をモータ43mに供給する電線を示す。次にモータ43mは、43で概略的に示される容器の推進システムを作動させる機械式動力を供給する。矢印「s」は、推進システム43まで進む機械シャフトを示す。
【0063】
船舶推進システム43は、ガス処理施設40又は40’を作動させるための電力系統と一体化されるのが好ましい。従って船が運行中でないときには、発電機を用いて、別のモータ44m及び49m(49mは図示せず)を駆動することができる。次いで、モータ44m及び49mは、コンプレッサ44(図3並びに4A及びBの構成で)又はポンプ49(図4Bの配置で)のいずれかにそれぞれ機械式動力を供給する。
【0064】
ガス処理施設40が発電機41を船舶推進システム43と共有するためには、所要電力をほぼ同程度にする必要がある。推進及びガス処理所要電力が同程度になると、単一の一体化された発電プラント及び電気もしくは炭化水素モータ駆動部は、両方の動作に必要な電力を供給するように備え付けることができる。この構成では、ガス圧縮44と船の推進43は、船舶全体の発電要求を最小にするように同時には使用されないのが好ましい。1つの実施形態では、発電機41は、単一可変周波数ドライブ(VFD)に給電する発電プラントである。VFDは、船の推進43の制御と、冷凍モータ44m及び49mへの給電とを交互に行うのに用いられる。本発明は、推進システム43とガス処理施設40との間で動力が共有され又は移送される方式に限定されないことは理解される。モータ巻線の修正、又は機械シャフトを利用するギアボックス系の使用といった他の動力構成を用いてもよい。
【0065】
別の実施形態では、船舶の発電機41は、図3に関して上述されたように、天然ガスの初期液化に用いることができる。しかしながら、小型の別個のコンプレッサ45を設けて、任意選択的に輸送ステップ中にガス処理施設40に給電することができる。この点に関して、格納構造体30内の温度上昇に起因して、輸送中に揮発する天然ガスは、第1の熱交換器42内により取り込まれることになる。コンプレッサ45は、小型補助モータ45mによって起動され、一時的に凝結プロセスを動作させて船の推進力43を中断することなく天然ガスを再冷却する。補助モータ45mは、発電機41から少量の電力を引き出す。発電機41と小型発電機45mとの間に電線「e」が示されている。更に、機械シャフト「s」がコンプレッサ45内に入るように示されている。最終的にバイパスループ「b」を設けて、主コンプレッサ44ではなくて小型コンプレッサ45を通って熱交換流体を循環させるようにする。
【0066】
小型の補助コンプレッサ45の使用は、多くの利点を有する。最初に、この構成は、輸送中の炭化水素の再液化を可能にする。従って、これは、格納構造体30からのはるかに高い蒸発損ガス速度に対応する。これはまた、極低温貯蔵の断熱要件を軽減させる。更に、小型補助コンプレッサ45の使用は、輸送中に熱交換流体及びシステム装置を低温に維持し、液化用の輸出ターミナルにドック入りしたときに天然ガスをより迅速に受け取るように容器を迅速に準備することが可能になる。
【0067】
更に別の実施形態では、2つの別々の発電システムが提供される。一方のシステムは、船舶推進システム43に給電するように動作し、他方のシステムは、液化及び気に関連する様々なプロセス装置と共にガス処理施設40を動作する。このようなプロセス装置は、消火装置、ガス処理制御装置、流体ポンプ、及び排水弁を含むことができる。
【0068】
容器の液化天然ガスを輸送するための方法も提供される。容器は、図1Aの容器100などの船舶、図5Aの容器500Aなどのはしけ容器、又は図5Bの容器500Bなどのトレーラー容器とすることができる。図3のシステム50などのガス移送システムは、容器に設けられる。更に格納構造体は、液化天然ガスを収容するため容器に設けられる。格納構造体は、例証として、図1A、1B、1C、5A又は5Bに示す構造体のうちの1つとすることができる。加えてガス処理施設は容器に設けられる。ガス処理施設は、図3及び図4Aの設備40、或いは図4Bの設備40’などとすることができ、天然ガスを選択的に冷却及び加熱することができる。
【0069】
本方法の一部として、天然ガスは、輸出ターミナルにおいて艤装容器に荷積みされる。天然ガスは、基本的に周囲温度及び気相状態でガス移送システムを介して荷積みされる。輸送容器は、任意選択的には天然ガス生産システムと一体化することができる。輸送車両は、ウェルから未処理流体を受け取り、流体イオンガス、大気中炭化水素液、及び生成水を処理する設備を提供することになる。製造設備は、液化及び気化設備の一体化により実用性及び動作利点が得られることになる。輸送車両はまた、製造システム内に生成されたあらゆる大気中液炭化水素生成物を輸送及び送給する貯蔵能力を有することになる。
【0070】
天然ガスは、ガス処理施設40の第1の熱交換器42を貫流し、その周囲温度から天然ガスを冷却するようにする。天然ガスは、実質的に液化相になる低温にされる。従って、天然ガスは、「液化」される。次いで、液化天然ガスは、格納構造体30内に貯蔵され、容器で輸入ターミナルに輸送する準備が整う。
【0071】
荷積みプロセス中に、船舶の推進システム43は停止されるのが好ましい。船舶の発電機41は、電力を液化処理施設40に迂回させる。船荷が満杯になると、ガス処理システム40は停止され、船舶推進システム43が始動される。次いで容器100は、極低温貨物を輸入地域に輸送する。
【0072】
輸入ターミナルに到着すると、ガスは荷降ろしされる。ガスを荷降ろしするために、ガスは、ガス処理施設40を通ってポンプ輸送され、天然ガスが実質的に液化状態である温度から、天然ガスが変換して気相に戻る温度まで天然ガスを加熱するようにする。次いで天然ガスは、ガス移送システム50を通って荷降ろしされる。輸入地域に到着している間、船舶推進システム43は再度停止され、極低温貨物は、容器100から荷降ろしされると再ガス化される。これにより、船舶推進システム43及びガス処理施設40の両方向けの一体化発電機が任意選択的に可能になる。
【0073】
方法の発明の1つの実施形態では、部分的に再ガス化された流体は、陸上でガス貯蔵デバイス内にポンプ輸送される。この実施例は、岩塩ドーム洞窟設備である。ガス貯蔵装置は、ガス受け取りターミナルで荷降ろしされた加圧ガスを貯蔵する容器と一体化される。該設備は、送給間の平均送給速度で連続ガスを供給するような大きさにすることができる。加圧ガス貯蔵は、貯蔵設備により高価なガス圧縮を行うのではなく、気化前に極低温流体を安価に貯蔵圧力までポンプ輸送することができるので理想的である。
【0074】
従って、LNG輸送容器が提供され、LNG又は他の炭化水素流体を輸送するための方法も提供されることが分かる。1つの態様では、輸送方法は、液化、輸送及び再ガス化プロセスを組合せる。更に、一体化システムは天然ガスの輸送のために設けられることが分かる。
【0075】
従来のガス輸送手段は、経済的に魅力的となるには25−30年の期間にわたり大きな移送率を必要とする。結果として、約5TSCF(1兆標準立方フィート)未満のガスを含む多くの資源は、現在未開発である。開示された技術により、投資家はこれらの少ない炭化水素埋蔵量を貨幣化できるようにすることができる。液化、輸送及び再ガス化の3つの機能は、遠隔の場所から消費者市場まで費用効率のよい天然ガスの移送のために、単一の移動可能ユニットに一体化することができる。つまり、液化、気化及び輸送手段の一体化により、他の取り残された炭化水素資源の回収が可能になり、同様に動作及び維持に必要な人的資源全体が軽減され、従って、動作費用及び乗員要件が軽減される。この容器により少ないガス資源の貨幣化が可能になり、移動可能であるので一連の少ない資源の開発が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1A】流体輸送容器のメインデッキの平面図を示す。例示的な容器は船舶である。この図では、橋、貨物貯蔵領域、及びガス処理施設が見える。貨物貯蔵領域は、液化ガス格納構造体内の1つ又はそれ以上の個々のタンクを表す。
【図1B】温度制御環境下で流体を輸送するための別の船舶を示す。図1BのLNG輸送容器の格納構造体はモス球状構造である。
【図1C】温度制御環境下で流体を輸送するための更に別の付加的な船舶を示す。図1CのLNG輸送容器の格納構造体はメンブレンタンクである。例示的な容器はやはり船舶である。
【図2】図1Aの容器の側面図である。容器の外形が分かる。この図では、図1Aの格納構造体の側面を見ることができる。
【図3】1つの実施形態における図1Aのガス処理施設の概略図を示す。矢印は、低級炭化水素用の液化のプロセスを描いている。
【図4A】図1Aのガス処理施設の別の概略図を示す。この図では矢印は、低級炭化水素用の再ガス化のプロセスを描いている。
【図4B】図4Aの再ガス化設備用の別の構成を示す。この図では矢印は、低級炭化水素用の再ガス化のプロセスを更に描いている。
【図5A】はしけ容器としてLNG輸送容器を示している。はしけ容器は、タグボートによって曳航されている。
【図5B】トレーラー容器としてLNG輸送容器を示す。トレーラー容器は道路輸送リグによって牽引されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化天然ガスを輸送するための方法であって、
実質的に気相状態の天然ガスを第1の場所で容器に荷積みするステップと、
前記容器内の前記天然ガスを冷却して、実質的に液化天然ガスに変換するステップと、
前記液化ガスを断熱コンテナ内に貯蔵するステップと、
前記容器の前記液化天然ガスを第1の場所から第2の場所に輸送するステップと、
前記容器の前記液化天然ガスを加熱して実質的に気相に戻すステップと、
前記天然ガスを第2の場所で前記容器から荷降ろしするステップと、を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記天然ガスを冷却するステップ及び前記液化天然ガスを加熱するステップが、ガス処理施設を利用することによって各々行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記天然ガスを冷却するステップと前記液化天然ガスを加熱するステップの両方において同じ前記ガス処理施設が利用される、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記容器が船舶である、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記容器が、はしけ容器である、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記容器が陸送トレーラー容器である、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記天然ガスを冷却するステップが、
前記天然ガスと熱交換流体との間の熱接触によって前記天然ガスを冷却する第1の熱交換器と、
前記熱交換流体が前記第1の熱交換器を貫流した後に圧縮され一時的に加温されるコンプレッサと、
圧縮された前記熱交換流体が冷却される第2の熱交換器と、
圧縮された前記熱交換流体が更に冷却され、前記第1の熱交換器を通って戻る前に減圧されるエキスパンダーと、
を備えるガス処理施設を利用することによって行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記天然ガスを加熱するステップが、
前記天然ガスと熱交換流体との間の熱接触によって前記天然ガスを加温する第1の熱交換器と、
前記熱交換流体が前記第1の熱交換器を貫流した後に加温される第2の熱交換器と、
熱交換流体運動装置と、
を備えたガス処理施設を利用することによって行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記熱交換流体運動装置は、前記熱交換流体が前記第2の熱交換器を貫流した後で且つ前記第1の熱交換器を通って戻る前に圧縮されて更に加温されるコンプレッサを備えている、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記流体運動装置が、液化熱交換流体を圧縮するために前記第1及び第2の熱交換器の間にインラインに配置されたポンプを備える、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の熱交換器が、周囲海洋温度で前記熱交換流体と海水との間に熱接触を形成することによって、前記熱交換流体を加熱する、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の熱交換器が、前記熱交換流体と大気との間に熱接触を形成することによって前記熱交換流体を加熱する、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記熱交換流体は、中間流体との熱接触によって加熱され、該中間流体自体は前記第2の熱交換器の外側の燃焼発生源によって加熱される、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の熱交換器が、前記熱交換流体と燃焼発生源との間に熱接触を形成することによって前記熱交換流体を加熱する、
請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記熱交換流体が低級炭化水素を含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記熱交換流体が低級炭化水素を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記天然ガスを冷却するステップ及び前記液化天然ガスを加熱するステップが、
(a)前記天然ガスと冷媒として働く熱交換流体との間の熱接触によって前記天然ガスを冷却する第1の熱交換器と、
前記冷媒が前記第1の熱交換器を貫流した後に圧縮されて一時的に加温されるコンプレッサと、
前記圧縮された冷媒が冷却される第2の熱交換器と、
前記圧縮された冷媒が更に前記第1の熱交換器を通って戻る前に冷却され減圧されるエキスパンダーと、を提供することによって前記天然ガスを冷却し、
(b)前記天然ガスと前記熱交換流体との間の熱接触によって前記天然ガスを加温する前記第1の熱交換器と、
前記熱交換流体が前記第1の熱交換器を貫流した後に加温される前記第2の熱交換器と、
流体運動装置と、を提供することによって前記天然ガスを加熱する、
単一のガス処理施設を利用することによって各々行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記流体運動装置は、前記熱交換流体が前記第2の熱交換器を貫流した後及び前記第1の熱交換器を通って戻る前に圧縮されて更に加温されるコンプレッサを備える、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記流体運動装置が、前記液化熱交換流体を加圧するために前記第1及び第2の熱交換器の間にインラインに配置されたポンプを備える、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記天然ガスを冷却する前記熱交換流体と前記天然ガスを加熱する前記熱交換流体とが、少なくとも部分的に異なる、
請求項17に記載の方法。
【請求項21】
容器の液化天然ガスを輸送するための方法であって、
前記容器用のガス移送システムを提供するステップと、
前記天然ガスを選択的に冷却し加熱するガス処理施設を前記容器に提供するステップと、
基本的に気相状態にある前記天然ガスを前記ガス移送システムを通って前記容器に荷積みするステップと、
前記天然ガスが実質的に液化状態にある低温まで前記天然ガスを冷却するように前記ガス処理施設を通って前記天然ガスを貫流させるステップと、
輸送中に前記液化天然ガスを収容するために前記容器に格納構造体を提供するステップと、を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記天然ガスがその実質的に液化状態にある温度から、前記天然ガスが少なくとも部分的にその気相に変換して戻る温度まで前記天然ガスを加熱するように、前記ガス処理施設を通って前記天然ガスをポンプ輸送するステップと、
前記ガス移送システムを通って前記容器から前記天然ガスを荷降ろしするステップと、を更に含む、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記容器が船舶である、
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記容器が、はしけ容器である、
請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記容器が陸送トレーラー容器である、
請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記ガス移送システムが、ブイラインを受け取り、これによって前記ガス処理施設を海洋ジャンパーラインと流体連通して配置する接続部を備える、
請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記ガス移送システムが、前記ガス処理施設をホースと流体連通して配置するためのラインを受け取る接続部を備える、
請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記格納構造体が、前記液化天然ガスを加圧状態に維持するための複数の圧力容器である、
請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記格納構造体が、1つ又はそれ以上のモス球状タンクである、
請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記格納構造体がメンブレンタンクである、
請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記ガス処理施設は、
前記天然ガスが熱交換流体と熱的に接触する少なくとも1つの熱交換器と、
前記熱交換流体を圧縮する少なくとも1つのコンプレッサと、を備えている、
請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記ガス処理施設が、
前記天然ガスと熱交換流体との間の熱接触によって天然ガスを冷却する第1の熱交換器と、
前記熱交換流体が前記第1の熱交換器を貫流した後に圧縮されるコンプレッサと、
圧縮された熱交換流体が冷却される第2の熱交換器と、
圧縮された熱交換流体が減圧され、前記第1の熱交換器を通って戻る前に更に冷却されるエキスパンダーと、
を提供することによって前記天然ガスを冷却する、
請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記ガス処理施設が、
前記天然ガスと熱交換流体との間の熱接触によって前記天然ガスを加温する第1の熱交換器と、
前記熱交換流体が前記第1の熱交換器を貫流した後に加温される第2の熱交換器と、
流体運動装置と、
を提供することによって前記天然ガスを加熱する、
請求項21に記載の方法。
【請求項34】
前記流体運動装置は、前記熱交換流体が前記第2の熱交換器を貫流した後及び前記第1の熱交換器を通って戻る前に圧縮されて更に加温されるコンプレッサを備えている、
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記流体運動装置が、液化熱交換流体を圧縮するために前記第1及び第2の熱交換器の間にインラインに配置されたポンプを備えることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の熱交換器が、周囲海洋温度で前記熱交換流体と海水との間に熱接触を形成することによって前記熱交換流体を加熱する、
請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記第2の熱交換器が、前記熱交換流体と大気との間に熱接触を形成することによって前記熱交換流体を加熱する、
請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記第2の熱交換器が、前記熱交換流体と燃焼発生源との間に熱接触を形成することによって前記熱交換流体を加熱する、
請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記熱交換流体が、中間流体との熱接触によって加熱され、該中間流体自体は前記第2の熱交換器の外側の燃焼発生源によって加熱される、
請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記ガス処理施設が、
(a)前記天然ガスと冷媒として働く熱交換流体との間の熱接触によって前記天然ガスを冷却する第1の熱交換器と、
前記冷媒が前記第1の熱交換器を貫流した後に圧縮されて一時的に加温されるコンプレッサと、
前記圧縮された冷媒が冷却される第2の熱交換器と、
前記圧縮された冷媒が前記第1の熱交換器を通って戻る前に更に減圧され更に冷却されるエキスパンダーと、
を提供することによって前記天然ガスを冷却し、
(b)前記天然ガスと前記熱交換流体との間の熱接触によって前記天然ガスを加温する前記第1の熱交換器と、
前記熱交換流体が前記第1の熱交換器を貫流した後に加温される前記第2の熱交換器と、
前記熱交換流体が前記第2の熱交換器を貫流した後及び前記第1の熱交換器を通って戻る前に圧縮され更に加温される前記コンプレッサと、を提供することによって前記天然ガスを加熱する、
請求項21に記載の方法。
【請求項41】
前記天然ガスを冷却する前記熱交換流体と、前記天然ガスを加熱する前記熱交換流体とが、少なくとも部分的に異なる、
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
液化天然ガスを輸送するための容器であって、
基本的に気相状態の容器との間で天然ガスを荷積み及び荷降ろしするためのガス移送システムと、
(i)前記天然ガスが気相状態にある温度から、前記天然ガスが実質的に液化状態にある低温まで前記天然ガスを冷却すること、
(ii)天然ガスが実質的に液化状態にある温度から、前記天然ガスが気相に変換して戻る温度まで前記天然ガスを加熱すること、
を選択的に行うためのガス処理施設と、
前記ガス処理施設に給電するための発電機と、
輸送中に前記液化天然ガスを収容するための格納構造体と、を備えている、
ことを特徴とする容器。
【請求項43】
前記容器が船舶である、
請求項42に記載の容器。
【請求項44】
前記容器が、はしけ容器である、
請求項42に記載の容器。
【請求項45】
前記容器が陸送トレーラー容器である、
請求項42に記載の容器。
【請求項46】
前記ガス移送システムが、前記ガス処理施設を海洋ジャンパーラインと流体連通して配置するブイラインを含む、
請求項42に記載の容器。
【請求項47】
前記ガス移送システムが、前記ガス処理施設をホースと流体連通して配置するラインを含む、
請求項42に記載の容器。
【請求項48】
前記格納構造体が、前記液化天然ガスを加圧状態に維持するための複数の圧力容器である、
請求項42に記載の容器。
【請求項49】
前記格納構造体が、1つ又はそれ以上のモス球状タンクである、
請求項42に記載の容器。
【請求項50】
前記格納構造体がメンブレンタンクである、
請求項42に記載の容器。
【請求項51】
前記ガス処理施設は、
前記天然ガスが熱交換流体と熱的に接触する少なくとも1つの熱交換器と、
前記熱交換流体を移動させるための流体運動装置と、を備えている、
請求項42に記載の容器。
【請求項52】
前記ガス処理施設が、
前記天然ガスと熱交換流体との間の熱接触によって前記天然ガスを冷却する第1の熱交換器と、
前記熱交換流体が、前記第1の熱交換器を貫流した後に圧縮され一時的に加温されるコンプレッサと、
圧縮された熱交換流体が冷却される第2の熱交換器と、
圧縮された前記熱交換流体が前記第1の熱交換器を通って戻る前に減圧され更に冷却されるエキスパンダーと、
を提供することによって前記天然ガスを冷却する、
請求項42に記載の容器。
【請求項53】
前記ガス処理施設が、
前記天然ガスと熱交換流体との間の熱接触によって前記天然ガスを加温する第1の熱交換器と、
前記熱交換流体が前記第1の熱交換器を貫流した後に加温される第2の熱交換器と、
流体運動装置と、
を提供することによって前記天然ガスを加熱する、
請求項42に記載の容器。
【請求項54】
前記流体運動装置は、前記熱交換流体が前記第2の熱交換器を貫流した後及び前記第1の熱交換器を通って戻る前に圧縮され更に加温されるコンプレッサを備える、
請求項53に記載の容器。
【請求項55】
前記流体運動装置が、液化熱交換流体を加圧するために前記第1及び第2の熱交換器の間にインラインに配置されたポンプを備える、
請求項53に記載の容器。
【請求項56】
前記第2の熱交換器が、周囲海洋温度で前記熱交換流体と海水との間に熱接触を形成することによって前記熱交換流体を加熱する、
請求項53に記載の容器。
【請求項57】
前記第2の熱交換器が、前記熱交換流体と燃焼発生源との間に熱接触を形成することによって前記熱交換流体を加熱する、
請求項53に記載の容器。
【請求項58】
前記熱交換流体が、中間流体との熱接触によって加熱され、該中間流体自体は前記第2の熱交換器の外側の燃焼発生源によって加熱される、
請求項53に記載の方法。
【請求項59】
前記ガス処理施設が、
(a)前記天然ガスと冷媒として働く熱交換流体との間の熱接触によって前記天然ガスを冷却する第1の熱交換器と、
前記冷媒が前記第1の熱交換器を貫流した後に圧縮されて一時的に加温されるコンプレッサと、
前記圧縮された冷媒が冷却される第2の熱交換器と、
前記圧縮された冷媒が前記第1の熱交換器を通って戻る前に減圧され更に冷却されるエキスパンダーと、
を提供することによって前記天然ガスを冷却し、
(b)前記天然ガスと前記熱交換流体との間の熱接触によって前記天然ガスを加温する前記第1の熱交換器と、
前記熱交換流体が前記第1の熱交換器を貫流した後に加温される前記第2の熱交換器と、
前記熱交換流体が前記第2の熱交換器を貫流した後及び前記第1の熱交換器を通って戻る前に圧縮され更に加温される前記コンプレッサと、を提供することによって前記天然ガスを加熱する、
請求項42に記載の容器。
【請求項60】
前記発電機は、
前記天然ガスが格納構造体内に貯蔵されるときに前記容器を推進するよう動力を供給すること、および、
前記天然ガスが冷却又は加熱されるときに前記ガス処理施設に給電すること、
を選択的に行う、
請求項42に記載の容器。
【請求項61】
輸送中に気化するあらゆる天然ガスを再凝結させ、又はガス処理施設内を低温に維持するために、前記容器がLNGを輸送している間前記熱交換流体を循環及び冷却するための補助コンプレッサを更に備えている、
請求項60に記載の容器。
【請求項62】
前記天然ガスを冷却する前記熱交換流体と前記天然ガスを加熱する前記熱交換流体とが、少なくとも部分的に異なる、
請求項59に記載の方法。
【請求項63】
船舶上で液化天然ガスを輸送するための方法であって、
沖合天然ガス生産システムから実質的に未処理の流体を受け取る容器用ガス移送システムを提供するステップと、
他のあらゆる生成流体から生成されたガスを分離するための流体処理システムを提供するステップと、
前記天然ガス生産システムから生産された流体を荷積みするステップと、
前記生産されたガスを液化天然ガスに変換するために前記容器にガス処理設備を提供するステップと、
前記ガス処理施設を通ってガスを貫流させて前記天然ガスを周囲温度から天然ガスが実質的に液化相である低温まで冷却するようにするステップと、
輸送中に前記液化天然ガスを収容するため前記容器に格納構造体を提供するステップと、
前記容器の前記液化天然ガスを加熱して実質的に気相に再変換するステップと、備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項64】
輸送中にあらゆる製造液体炭化水素を収容するため前記容器に別個の格納構造体を提供するステップを更に含む、
請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記ガスが、輸出場所においてガス貯蔵デバイス内に荷降ろしされる、
請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記ガス貯蔵装置が地下岩塩ドームガス貯蔵洞窟である、
請求項65に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2008−519210(P2008−519210A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538975(P2007−538975)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/037245
【国際公開番号】WO2006/052392
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(500450727)エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー (46)
【Fターム(参考)】