説明

Labisiapumila抽出物の調製方法

【課題】マレーの伝統的な薬カチプファティマ(Kacip fatimah)として使用されている植物Labisia pumilaからの抽出物の調製方法および該抽出物を再現性よく得るための化学的プロファイリングを得る方法の提供。
【解決手段】乾燥させたLabisia pumilaを原料として水で加熱抽出し、スプレー乾燥によって濃縮、乾燥させて抽出物を製造する。また、該抽出物から逆相液体クロマトグラフィーによって単離、機器分析して化学的プロファイリングのためのマーカー化合物を構造決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には植物抽出物の調製方法、さらに特には、水に可溶性のLabisia pumila抽出物の調製のための方法、および、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって再現性良く化学的プロファイリングを得るための調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的なマレーの薬は、Burkhillらの文献(1993)に記載された「カチプファティマ(kacip fatimah)」(または、セルソーファティマ(Selusoh fatimah)、ランプットシティファティマ(Rumput citi fatimah)、アカーファティマ(Akar fatimah)、カチットファティマ(Kachit fatimah)、カチプファティマ(Kacip fatimah)、カチプパティマ(Kacip patimah)、クンチファティマ(Kunchi fatimah)、ポコックフィンガン(Pokok pinggang)、ランプットパリス(Rumput palis)、タダーマタハリ(Tadah mata hari)、マタペランドックリンバ(Mata pelandok rimba)、ブンガベランカスフータン(Bunga belangkas hutan))などのものが、出産時に大変よく使われることで影響を与えている。植物の煎出物は、出産後の保護薬としてのみならず、出産前に出産を促進させるために投与される。さらなる使用法には、ガスで腹が張った状態、赤痢、月経困難症、淋疾、そして骨の病気などに対して投与することも含まれる。
【0003】
現在、「カチプファティマ(Kacip fatimah)」(Labsia pumila 同じく、Labsia pothoina)の供給に対する、高まる需要がある一方、抽出工程の再現性は、信頼できる化学的プロファイリング方法の欠如のために、未だ疑わしい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ、本発明の第一の目的は、Labisia pumila植物原料から、水可溶性のLabisia pumila抽出物の調製のための方法を提供することである。
【0005】
本発明のもう一つの目的は、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、水可溶性のLabisia pumila抽出物から、マーカーとなる化合物の単離方法を提供することである。
【0006】
本発明の更なる目的は、核磁気共鳴(NMR)分光分析、液体クロマトグラフィー質量分光分析(LCMS)、そして紫外線(UV)分光測光法などによって、水可溶性のLabisia pumila抽出物から得たマーカーとなる化合物の構造決定を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの、そしてその他の本発明の目的は、以下の事を提供することによって達成される。
【0008】
乾燥させたLabisia pumila原料を水で抽出し、水可溶性抽出物を形成することによるLabisia pumila抽出物の調製、乾燥させて得られた抽出物と水が1:6の比率になることを特徴とする、Labisia pumila抽出物の調製方法。
そして、
【0009】
以下の段階によって構成される、Labisia pumila抽出物の最適化された再現性の良い化学的プロファイルを得るための方法:
a) 請求項1から6のいずれかに従って得られた、水と乾燥抽出物の混合物を遠心分離し;
b) 工程 (a)で得られた上清を10 mlに希釈し、振り混ぜながら;
c) 工程 (b)で得られた希釈された上清を0.45 μmのPTFE膜フィルターで濾過し;そして、
d) 工程 (c)で得られた濾過上清を、高速液体クロマトグラフィーに供する。
そして、
【0010】
請求項1から6のいずれかに従って得られたLabisia pumila抽出物から、半分取逆相液体クロマトグラフィーによってマーカー化合物を単離するための方法。
そして、
【0011】
請求項1から6のいずれかに従って得られたLabisia pumila抽出物由来のマーカー化合物について、核磁気共鳴分光分析、液体クロマトグラフィー、質量分析、そして紫外線分光測光法のいずれかによって、その構造を決定するための方法。
【0012】
本発明は、Labisia pumila植物原料から、水可溶性Labisia pumila抽出物の調製のための工程に関する。Labisia pumilaの食品生産物、医薬などにおける強力な利用を考慮すると、その使用の安全性は、この発明の工程で使われている溶媒、すなわち水を考慮に入れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、Labisia pumila植物原料から水可溶性Labisia pumila抽出物を調製するための方法、および逆相高速クロマトグラフィーによって最適化され、かつ再現性のある化学的プロファイルを得ることに関する。
【0014】
典型的に、水可溶性Labisia pumila抽出物の調製のための方法である本発明は、以下の段階(1)-(4)で構成される:
【0015】
段階(1):Labisia pumila乾燥植物原料を溶媒(水)で抽出し、水可溶性の抽出物を形成し、そしてその抽出物を乾燥状態にまで濃縮する;
段階(2):乾燥し、濃縮した水可溶性Labisia pumila抽出物を逆相高速液体クロマトグラフィーに供し、最適化された、そして再現性のある化学的プロファイルを得る;
段階(3):水可溶性Labisia pumila抽出物から、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)から成るクロマトグラフィー法によって、マーカー化合物を単離する;そして
段階(4):水可溶性Labisia pumila抽出物から得られたマーカー化合物の構造を、核磁気共鳴(NMR)分光分析、液体クロマトグラフィー-質量分光分析(LCMS)そして紫外線(UV)分光測光法によって決定する。
【0016】
上述のように、本発明によれば、水可溶性Labisia pumila抽出物の調製のための方法は、Labisia pumila乾燥植物原料を溶媒(水)で抽出し水可溶性抽出物を形成し、そしてその抽出物を乾燥状態まで濃縮し、乾燥濃縮した水可溶性Labisia pumila抽出物を、最適化され再現性の良い化学的プロファイルを得るために逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析に供する。この方法を利用することによって、水可溶性Labisia pumila抽出物を堅実に再現性良く調製するための方法を首尾よく提供できる。
【0017】
その方法はまた、小規模な個人的消費にもかかわらず伝統的なマレーの薬剤師によって、Labisia pumila抽出物調製の長い使用で保証済みの方法に付随している。本発明の方法は、それゆえに、化学的不純物もなく、そして再現性の良い、望むべき抽出物を産出することができる。
【0018】
水可溶性Labisia pumila抽出物の調製の方法
出発原料
本発明によれば、水可溶性Labisia pumila抽出物の調製のための方法においては、出発原料はLabisia pumila植物原料でなければならない。本発明においては、Labisia pumila植物原料のみが、出発原料として多くの場合に使われている。
【0019】
出発原料は、使用前に40℃で3日間乾燥させることによって、完全に脱水させる。したがって溶媒の極性による影響は受けないだろう。
【0020】
上述の出発原料は、本発明においては、あらゆる形で、例えば、固体粉末、または細かく刻んだ形、またはこれらの形のどの組み合わせにおいても、出発原料として使用しうる。
【0021】
抽出
水可溶性Labisia pumila抽出物の調製には、伝統的な方法が使われた。本発明においては、近年最もよく用いられている、溶媒抽出法の利用がより好ましい。
溶媒抽出法の利用によって、本発明の方法に必要である、Labisia pumilaの完全な抽出が可能である。
【0022】
この溶媒抽出法に典型的に用いられる溶媒は、非極性溶媒である。本発明においては、水(極性溶媒)が、Labisia pumila抽出の長い使用で保証済みの伝統的なマレーの慣行に固執して用いられる。さらに、水は食品産業では抽出溶媒として用いられており、したがって十分に安全である。
【0023】
Labisia pumila抽出のための方法は、抽出の効果の増大を遂げるために、およそ80℃で抽出する方法によってもたらされる。この抽出は3時間以上にわたり継続的な撹拌とともに行われた。この抽出は、等量の新しい溶媒を用いて繰り返された、すなわち、2段階の工程で、1の部分の乾燥植物と6の部分の水という比率下において繰り返された。
【0024】
抽出物の乾燥状態への濃縮
出発原料を乾燥して得られた乾燥抽出物に対しては、伝統的な方法が用いられる。
濃縮の方法の典型的な例は、減圧下での濃縮、過熱による濃縮、通気濃縮、凍結濃縮、そしてスプレー濃縮を含んでおり、そしてこれらの方法は、単独で、もしくは組み合わせて用いてもよい。本発明においては、スプレー乾燥が好んで用いられる。塔の入り口と出口の温度は、それぞれ185℃と107℃に設定される。それは、抽出した出発原料を乾燥するために用いられた溶媒を除去するための、単純かつ高価でない方法である。
【実施例1】
【0025】
実施例の1つとして、100 kgの、乾燥させ細かく砕いたLabisia pumila植物原料を、80℃の水600 L中で、3時間以上、継続的に撹拌しながら加熱することによって、抽出に供した。抽出終了時に、溶媒は等量の新しい溶媒と取り替えられ、そして植物抽出物は再抽出された。その混合物は一緒にプールされ、それから濾過し、濾液をスプレー乾燥に供した。スプレー塔の条件は以下の通りである。すなわち、塔の入り口と出口の温度は、それぞれ185℃と107℃に設定される。水可溶性抽出粉末の収量は4-5%である。
【実施例2】
【0026】
もう1つの実施例では、150 kgの、乾燥させ細かく砕いたLabisia pumila植物原料を、80℃の水900 L中で、6時間以上、継続的に撹拌しながら加熱することによって、抽出に供した。抽出終了時に、溶媒は等量の新しい溶媒と取り替えられ、そして植物抽出物は再抽出された。その混合物は一緒にプールされ、それから濾過し、濾液をスプレー乾燥に供した。スプレー塔の条件は以下の通りである。すなわち、塔の入り口と出口の温度は、それぞれ185℃と107℃に設定される。水可溶性抽出粉末の収量は4-5%である。
【0027】
化学的プロファイリング
化学的に、水可溶性な抽出物をプロファイルするためには、従来型の方法が用いられる。
本発明では、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が主として使われ、そして従来型の検出器、例えば、紫外線、ダイオードアレイ、または光ダイオードアレイ(波長は254 nmに設定)などが、検出器として用いることができる。
【0028】
逆相高速液体クロマトグラフィーを行うことによって、水可溶性抽出物を化学的にプロファイリングすることが可能である。本発明では、用いられた化学的プロファイリング法は再現性がよい。
【0029】
典型的に、化学的プロファイリングのためのサンプルの調製は、乾燥抽出物はおよそ35-45 mgに正確に秤量され、正確に10 mlの水で20,000 rpm、室温で15分間、遠心分離される。完了時には、上清は10 mlの容量測定用のフラスコに移され、印のところまで水で希釈され、15分間振とうされ、それから0.45 μmのPTFE膜フィルターで濾過される。
典型的に、対照溶液もまた、同様の方法によって調製される。溶液はさらに連続的に希釈され、そして3または5点の補正曲線を構築するために用いられる。
【0030】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムのパラメータは、以下のように設定される:
カラム: 固定相:逆相クロマトグラフィー用オクタデシルシリルシリカゲル、250 mm×4.6 mm、120Å dp = 4 μm
移動相: A = CH3CN;B = H2O (0.25% H3PO4)
溶媒系: A/B = 1/99
流速: 1 ml/min
温度: 室温
検出波長: 254 nm
サンプル量: 50 μL
【0031】
Labisia pumila逆相HPLCプロファイルの典型的なクロマトグラムは図1に示した。アスタリスク(*)は、マーカー化合物を示している。
抽出のマーカーとして使われた化学化合物は、HPLCプロファイルまたはクロマトグラムにおいて15-17分の間に254 nmを吸収する単一ピークとして多くの場合に現れる。
マーカーとして使われている化学化合物は、HPLCによって定量したところ、おおよそ35-45 μg/mlである。
水可溶性のLabisia pumila抽出物から定量され、分析されたマーカー化合物は、既知の標準参考物質との比較という方法によって、単離され、構造的に決定され、同定された。
【0032】
化学的マーカー物質の単離
水可溶性のLabisia pumila抽出物からのマーカー化合物の単離には、半分取または分取の逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)から成るクロマトグラフィーの方法による、従来型の方法が用いられた。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムのパラメータは以下に示すとおりに設定される。
溶媒系: 一定組成、99%(0.1%H3PO4):1%(CH3CN)
温度: 室温
検出波長: 254 nm
典型的に、マーカー化合物は、保持時間15分と17分の間に純粋な画分として回収される。
典型的に、真空下で乾燥させたマーカー化合物は、茶色の粉末で、親水性溶媒にやや控えめに溶解する。
【0033】
化学的指標物質の構造決定
典型的に、マーカー化合物の構造の決定は、核磁気共鳴(NMR)分光分析、液体クロマトグラフィー質量分光分析(LCMS)、そして紫外線(UV)分光測光法を必要とする。
【0034】
典型的に、マーカー化合物は、負イオンAPCIモードの液体クロマトグラフィー質量分光分析(LCMS)を用いて、m/z 169.2にM-1イオンをあたえるだろうから、経験的な分子式C7H6O5に矛盾しない、170の分子量を示す。168と125のイオンはHとCOOHの欠失を表しており、カルボン酸の存在を示唆している。
【0035】
典型的に、マーカー化合物は、紫外線(UV)において、おおよそ270 nmに単一の最大吸収を与えるであろうことから、1つの単純な芳香環が示唆される。
【0036】
典型的に、マーカー化合物は、30℃で、溶媒に重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)を用いて測定したとき、以下のような共鳴を持つプロトン(1H)スペクトル、すなわち、δ6.92に炭素に結合したプロトンの単一のシグナル、そして酸素に結合したプロトンに帰するδ9とδ10の間の幅広い複数のシグナルを与える。
【0037】
典型的に、マーカー化合物は、30℃で、溶媒に重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)を用いて測定したとき、以下のような共鳴を持つ炭素(13C)スペクトルを与える:
δ167.4(1C、カルボン酸)、145.4(2C、酸素に結合した芳香族炭素で、隣の炭素にも酸素を持つ)、138.0(1C、酸素に結合した芳香族炭素で、両隣の炭素にはまた酸素を持つ)、120.4(芳香族炭素)、108.7(2C、メチン(CH)芳香族炭素)。また典型的に、δ145.4と108.7の共鳴の倍増は、分子が対称性であることに必要であり、そしてδ145.4と138.0の共鳴は、酸素が付加した隣り合う3つの炭素に必要である。
【0038】
単離され、構造決定されたマーカー化合物の同定は、さらに既知の標準参考物質との比較によって確かめられた。従って、化合物の構造は3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸と、以下の化学式のように決定された。
【化1】

【0039】
このようにして、本発明に記載されたような方法を用いることによって、高度に濃縮されたハーブ、特にLabisia pumilaの抽出物が、Labisia pumilaから成る出発原料から、容易に、そして安価に得ることができる。本発明の方法によって得られたLabisia pumila抽出物は、Labisia pumilaの供給が現在高い需要にある中で、薬、医薬、そして食品産業に対して、出発原料として大量に供給できる。さらには、本発明の工程によって得られたLabisia pumilaは、将来、個々の薬理学的に活性な化学化合物を生産するための出発物質として使われることになる可能性がある。
【0040】
各種の現在存在する好ましい態様について本発明を以上に記載したが、多くの変更および修正が行えることは当業者にとって明らかであろう。従って、本発明は、本明細書に記載した特定の態様に限定されて理解されるべきではなく、むしろ、本明細書に添付した請求項の範囲および本質内のものである、全てのそのような変更および修正を包含するものと理解されるべきである。
【0041】
本明細書に記載した全ての参考文献は、それら全てを引用することによって、本明細書中に組み入れられる。
【0042】
参考文献
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Benjamin C. Stone. 1988. Notes on the Genus Labisia Lindl. (Myrsinaceae). Malaysian Nature Journal. 42: 43-51
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、Labisia pumila逆相HPLCプロファイルの典型的なクロマトグラムを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥させたLabisia pumila植物原料を水で抽出して、水可溶性抽出物を形成することによるLabisia pumila植物抽出物の調製方法であって、乾燥させたLabisia pumila植物原料と水が1:6の比率になることを特徴とする、Labisia pumila植物抽出物の調製方法。
【請求項2】
乾燥Labisia pumila植物原料を40℃で3日間乾燥することによって調製する請求項1に記載の調製方法。
【請求項3】
80℃で3時間、継続的に撹拌しながら抽出操作を行う請求項1に記載の調製方法。
【請求項4】
抽出操作を繰り返し、Labisia pumila植物原料を水を1:6の比率にする請求項3に記載の調製方法。
【請求項5】
結果として得たLabisia pumila抽出物を、スプレー乾燥によって濃縮し、乾燥させる請求項1から4のいずれか1つに記載の調製方法。
【請求項6】
塔の入り口と出口の温度を、それぞれ185℃と107℃に設定する請求項5に記載の調製方法。
【請求項7】
以下の段階から構成される、Labisia pumila抽出物の最適化された、かつ再現性の良い化学的プロファイリングを得るための方法:
a) 請求項1から6のいずれかに従って得られた、水と乾燥抽出物の混合物を遠心分離する;
b) 振り混ぜながら、(a)で得た上清を、10 mlまで希釈する;
c) (b)で得た希釈上清を、0.45 μmのPTFE膜フィルターで濾過する;そして
d) (c)で得た濾過上清を、高速液体クロマトグラフィー分析に供する。
【請求項8】
50-60 mgの乾燥抽出物を10 mlの水に入れたものを、室温下で、20,000 rpmで15分間遠心分離する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から6のいずれかに従って得られたLabisia pumila抽出物から、半分取または分取逆相高速液体クロマトグラフィーによって、マーカー化合物を単離するための方法。
【請求項10】
逆相液体クロマトグラフィーは、99%(0.1% H3PO4):1%(CH3CN)の定組成系を溶媒として用いた、254 nmの吸収波長で室温下で行われる請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から6のいずれかに従って得られたLabisia pumila抽出物から得たマーカー化合物の構造を、核磁気共鳴分光分析、液体クロマトグラフィー、質量分光分析、そして紫外線分光測光法の、いずれかの方法で決定するための方法。
【請求項12】
核磁気共鳴分光分析を、30℃、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)を溶媒として用いて行う請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から6のいずれか1つの工程に従って、濃縮した、かつ再現性の良い植物抽出物の生産物。
【請求項14】
植物は、Labisia pumilaまたはいずれかの他の適切な植物である請求項13の生産物。
【請求項15】
食品、薬、または医薬品の調製における利用のための、請求項1から6のいずれか1つに従って生産されたLabisia pumila抽出物。

【図1】
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【公開番号】特開2007−106743(P2007−106743A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65705(P2006−65705)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(506083615)ガバメント オブ マレーシア アズ リプリゼンティッド バイ ザ ミニストリー オブ サイエンス、テクノロジー アンド イノベイション、マレーシア (2)
【Fターム(参考)】