説明

MEKインヒビターとしての新規ヘテロアリール置換アリールアミノピリジン誘導体

本発明は、式(Ia)の新規ヘテロアリール置換アリールアミノピリジン誘導体MEKインヒビターを提供する。かかる化合物は、過剰増殖性疾患(例えば癌及び炎症)の治療に有用なMEKインヒビターである。また哺乳動物の過剰増殖性疾患の治療と、かかる化合物を含有する医薬組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国仮特許出願第60/793,073号(2006年4月19日出願)の利益を主張するものである。上記出願の全教示内容は本明細書で援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、新規ヘテロアリール置換アリールアミノピリジン誘導体MEKインヒビターに関し、これは哺乳動物の過剰増殖性疾患(例えば癌及び炎症)の治療に有用である。本発明はまた、本発明のヘテロアリール置換アリールアミノピリジン誘導体の治療上有効量を投与することを含んでなる、過剰増殖性疾患(例えば癌及び炎症)に罹患しているか又は罹患しやすい哺乳動物を治療する方法に関する。さらに本発明は、かかるMEKインヒビターを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
Ras/Raf/MEK/MAPKカスケードは、細胞表面から核へシグナルを伝達する主要な経路の1つである。Gタンパク質のRasファミリーは、活性化増殖因子受容体から下流の細胞内Rafファミリーキナーゼにシグナルを中継して送り、これは次にMEK1とMEK2の細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK1/ERK2)経路の活性化を引き起こす。MEKファミリー遺伝子は5つの遺伝子からなる:MEK1、MEK2、MEK3、MEK4、及びMEK5。MEKの構造は、アミノ末端ネガティブ制御ドメインとカルボキシ末端MAPキナーゼ結合ドメインからなり、これはERK類の結合と活性化に必要である。MEK1は393アミノ酸のタンパク質であり分子量は44kDaである(Crews et al., Science 1992, 258, 478-80)。
【0004】
Ras/Raf/MEK/MAPKカスケードの上流と下流のシグナル伝達には多くの経路が関与するが、MEKはMAPKを特異的にリン酸化するようである。癌におけるMAPKの役割(Reddy et al. Cancer Metastasis Rev. 2004, 22, 395-403)及び多種類の腫瘍におけるMAPK経路中のシグナル伝達成分の機能異常的活性化により、癌標的としてのMEKに対する大きな関心とMEKインヒビターの開発とを引き起こした(Chang et al., Leukemia 2003, 17, 1263-93; Lee et al., Exp. Mol. Med. 2006, 38, 227-35)。
【0005】
さらに最も進んだMEKインヒビターはPfizerのPD-0325901(ジアリールアミン由来MEKインヒビター)であり、これは癌の経口治療の可能性についてフェーズIIの臨床治験に入っている。
【0006】
Array BiopharmaのARRY142886(フェニルアミノ−2−ピリドン由来MEKインヒビター)は、現在フェーズIの臨床治験中である。
【0007】
WO00/42029(Warner-Lambert Company)はさらに、MEK阻害活性を示し、癌及び他の増殖性疾患の治療に有用な可能性があるジアリールアミン類(A)について報告している。
【0008】
【化1】

【0009】
WO04/056789(Warner-Lambert Company)は、炎症と増殖性疾患の治療の可能性のためのMEKインヒビターとして、オキサジアゾール−及びチアジアゾール−フェニルアミン誘導体(B)について報告している。
【0010】
【化2】

【0011】
WO05/051301(Array Biopharma Inc.)はヘテロ環化合物に関し、これはMEKインヒビターであり、過剰増殖性疾患の治療可能性について有用である。
【0012】
【化3】

【0013】
WO05/000818(Warner-Lambert Company)は、増殖性疾患の治療に有用な可能性のあるMEKインヒビターとしてのフェニルアミノ−2−ピリドン誘導体に関する。
【0014】
【化4】

【0015】
発明の概要
ある態様において本発明は、式(Ia)のMEKインヒビターを提供する。これらの化合物は、過剰増殖性疾患(例えば癌及び炎症)の治療に適している。
【0016】
本発明の別の態様は、特に哺乳動物でMEKの活性又は機能をダウンレギュレート、特に阻害することができる式(Ia)のMEKインヒビターを提供することである。
【0017】
本発明の別の態様は、式(Ia)のMEKインヒビターの治療上有効量を哺乳動物に投与することを含んでなる、過剰増殖性疾患に罹患しているか又は罹患しやすい哺乳動物を治療する方法を提供することである。該疾患には癌と炎症がある。
【0018】
本発明の別の態様は、医薬として使用するための式(Ia)のMEKインヒビターを提供することである。
【0019】
本発明の別の態様は、過剰増殖性疾患の治療用医薬の製造のための式(Ia)のMEKインヒビターを提供することである。
【0020】
さらに本発明の別の態様は、式(Ia)のMEKインヒビターと医薬として許容される担体とを含む医薬調製物を提供することである。
【0021】
本発明の別の態様は、式(Ia)の化合物の製造法を提供することである。
【0022】
本発明のMEKインヒビターは以下の一般式を有する:
【0023】
【化5】

【0024】
(式中、環AとB、X、Y、及びR1は詳細な説明で定義されるものである)。
【0025】
発明の詳細な説明
上記より本発明の1つの態様は、過剰増殖性疾患の治療に有用な式(Ia)の新規化合物を提供することである。特に哺乳動物のMEKの過剰活性に関連する過剰増殖性疾患並びにMEKに関連する疾患、例えば癌と炎症。
【0026】
その結果本発明は第1の態様において、過剰増殖性疾患(例えば癌及び炎症)の治療に有用な新規化合物並びにその医薬として許容される塩と医薬活性誘導体を提供する。
【0027】
化合物は式(Ia):
【化6】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体により規定され、
ここで、
環AとBは、任意の1つ又はそれ以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、トリメチルシリル、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、又はフェニルで任意に且つ独立して置換され、ここでフェニルは、任意の1つ又はそれ以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、トリメチルシリル、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、又はC1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシで任意に置換される;
XはN又はN→Oであり;
Yは、NR'、CR'、S、又はOから独立して選択され、少なくとも1つのYはNR'であり;
1は、水素、トリメチルシリル、C1〜C6アルキル、OR6、C(O)OR6、NR78、SR6、NR7S(O)(O)R'、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、NR7C(O)OR6、NR7C(O)C(O)OR6、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
6、R7、及びR8は、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキルOR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−(OR')n、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から独立して選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル、及びアルキル−ヘテロシクロアルキルは、置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8は、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;
R'とR"は、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから独立して選択され、ここで該アルキル又はアリールは置換されるか又は置換されず;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらのそれぞれは置換されるか又は置換されず;そして
nは0〜2である。
【0028】
好適な実施態様において変形型は以下の意味を有する:
1は、OR6、NR78、NR7C(O)R6、又はSR6から選択され;
環AとBは、1つ又はそれ以上の置換可能な環炭素原子において、F、Cl、I、Br、又はフェニル、好ましくはF又はIで、任意に且つ独立して置換される;
6、R7、及びR8は、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキルC(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、C1〜C4アルキル−(OR')n、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−C(O)NR'R"、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から独立して選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8はこれらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することができ、好ましくは該環はモルホリニル、ピペリジニル、又はピペラジニルであり;
R'とR"は独立して水素又はC1〜C6アルキルであり;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することができる。
【0029】
上記したようにR1、R6、R7、R8、R'及びR"の各変形型は任意に置換される。この場合これらは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF3、CHF2、CH2F、OCF3、OCHF2、OCH2F、SCF3、SCHF2、SCH2F、アジド、アミノ、アミノスルホニル、スルホニルアミン、スルファニル、スルホニル、スルフィニル、スルホニルオキシ、アシル、アシルオキシ、カルボキシ、アルコキシ、又はヒドロキシル、好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、アルコキシ、ヒドロキシル、CF3、CHF2、CH2F、OCF3、OCHF2、OCH2F、SCF3、SCHF2、SCH2F、アジド、さらに好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、CF3、CHF2、CH2F、OCF3、OCHF2、OCH2F、SCF3、SCHF2、SCH2F、OH、メトキシ、NH2、又はN(メチル)2から独立して選択される1〜5個、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1個又は2個の基で独立して置換される。
【0030】
ある実施態様において本発明は式(I)の化合物:
【化7】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体を提供し、
ここで、
各Yは独立して、NR'、CR"又はOから選択され、少なくとも1つのYはNR'であり;
1は水素、C1〜C6アルキル、OR6、NR78、SR6、又はNR7S(O)(O)R'、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、NR7C(O)OR6から選択され;
2は水素であり;
3はCl、F又はIから選択され;
4とR5は独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル又はC1〜C6アルコキシから選択され、ここで該アルキル又はアルコキシは置換されるか又は置換されず;
6、R7、及びR8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成し、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル又はアリールは置換されるか又は置換されない。
【0031】
好適な実施態様において変形型は以下の意味を有する:
1は、OR6、NR78、又はSR6から選択され;
2は、F、Cl、I、又はBrから選択され、好ましくはR2はFであり;
3は、F、Cl、I、又はC1〜C6アルキルから選択され、好ましくはR3はIであり;
4とR5は独立して、水素又はC1〜C6アルキルであり、好ましくは R4とR5は水素であり;
6、R7、及びR8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル− C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することができ、好ましくは該環はモルホリニル、ピペリジニル、又はピペラジニルであり;
R'とR"は、独立して水素又はC1〜C6アルキルである。
【0032】
上記したようにR4、R5、R6、R7、R8、R'、及びR"の各変形型は任意に置換される。この場合これらは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF3、CHF2、CH2F、OCF3、OCHF2、OCH2F、SCF3、SCHF2、SCH2F、アジド、アミノ、アミノスルホニル、スルホニルアミン、スルファニル、スルホニル、スルフィニル、スルホニルオキシ、アシル、アシルオキシ、カルボキシ、アルコキシ、又はヒドロキシル、好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、アルコキシ、ヒドロキシル、CF3、CHF2、CH2F、OCF3、OCHF2、OCH2F、SCF3、SCHF2、SCH2F、アジド、さらに好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、CF3、CHF2、CH2F、OCF3、OCHF2、OCH2F、SCF3、SCHF2、SCH2F、OH、メトキシ、NH2、又はN(メチル)2から独立して選択される1〜5個、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1又は2個の基で独立して置換される。
【0033】
ある実施態様において本発明は式(II)の化合物:
【化8】

又は式(IIa)もしくは式(IIb)の化合物:
【化9】

【化10】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体を提供し、
式(II)、式(IIa)及び式(IIb)中の変形型は以下のように定義される;
式(II)中のYは、NR'又はOであり;
1は、水素、トリメチルシリル、C1〜C6アルキル、OR6、C(O)OR6、NR78、SR6、−NR7S(O)(O)R'、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、NR7C(O)OR6、NR7C(O)C(O)OR6、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
2は、ハロゲン、C1〜C6アルキル、又はOR6から選択され;
3は、ハロゲン、トリメチルシリル、C1〜C6アルキル、又はOR6から選択され;
4とR5は独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシから選択され、ここで該アルキル又はアルコキシは置換されるか又は置換されず;
6、R7、及びR8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−(OR')n、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、及び アルキル−ヘテロシクロアルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8はこれらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル又はアリールは置換されるか又は置換されず;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
nは0〜2である。
【0034】
好適な実施態様において式(IIa)と式(IIb)の変形型は以下の意味を有する:
1はOR6、NR78、又はSR6から選択され;
2は、F、Cl、I、又はBrから選択され、好ましくはR2はFであり;
3はF、Cl、又はIから選択され、好ましくはR3はIであり;
4とR5は、独立して、水素又はC1〜C6アルキルであり、好ましくはR4とR5は水素であり;
6、R7 、及びR8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8はこれらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することができ、好ましくは該環は、モルホリニル、ピペリジニル、又はピペラジニルであり;
R'とR"は独立して、水素又はC1〜C6アルキルであり;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することができる。
【0035】
上記したようにR4、R5、R6、R7、R8、R'とR"の各変形型は任意に置換される。この場合これらは独立して、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CF3、CHF2、CH2F、OCF3、OCHF2、OCH2F、SCF3、SCHF2、SCH2F、アジド、アミノ、アミノスルホニル、スルホニルアミン、スルファニル、スルホニル、スルフィニル、スルホニルオキシ、アシル、アシルオキシ、カルボキシ、アルコキシ、又はヒドロキシル、好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、アルコキシ、ヒドロキシル、CF3、CHF2、CH2F、OCF3、OCHF2、OCH2F、SCF3、SCHF2、SCH2F、アジド、さらに好ましくはハロゲン、シアノ、ニトロ、CF3、CHF2、CH2F、OCF3、OCHF2、OCH2F、SCF3、SCHF2、SCH2F、OH、メトキシ、NH2、又はN(メチル)2から独立して選択される1〜5個、好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1又は2個の基で置換される。
【0036】
別の実施態様において本発明は式(III)の化合物:
【化11】

又は式(IIIa)又は式(IIIb)の化合物:
【化12】

【化13】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体を提供し、
式(III)、式(IIIa)、及び式(IIIb)中の変形型は以下のように定義される;
式(III)中のYはO又はNR'であり;
1は水素、トリメチルシリル、C1〜C6アルキル、OR6、C(O)OR6、NR78、SR6、NR7S(O)(O)R'、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、NR7C(O)OR6、NR7C(O)C(O)OR6、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
4とR5は独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシから選択され、ここで該アルキル、又はアルコキシは置換されるか又は置換されず;
6、R7 及び R8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−(OR')n、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、及びアルキル−ヘテロシクロアルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8は、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル、又はアリールは置換されるか又は置換されず;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
nは0〜2である。
【0037】
好適な実施態様において式(IIIa)と式(IIIb)の変形型は以下の意味を有する:
1はOR6、NR78、又はSR6から選択され;
6、R7、及びR8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することができ、好ましくは該環はモルホリニル、ピペリジニル、又はピペラジニルであり;
R'とR"は独立して、水素又はC1〜C6アルキルである。
【0038】
上記したようにR6、R7、R8、R'とR"は任意に置換される。この場合これらは、上記したように独立して置換される。
【0039】
好適な実施態様において本発明は式(IVa)又は式(IVb)の化合物:
【化14】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体を提供し、
ここで、
1は水素、トリメチルシリル、C1〜C6アルキル、OR6、C(O)OR6、NR78、SR6、NR7S(O)(O)R'、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、NR7C(O)OR6、NR7C(O)C(O)OR6、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
6、R7 及び R8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−(OR')n、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、及びアルキル−ヘテロシクロアルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8は、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル又はアリールは置換されるか又は置換されず;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
nは0〜2である。
【0040】
好適な実施態様において式(IVa)と式(IVb)の変形型は以下の意味を有する:
1はOR6、NR78、又はSR6から選択され;
6、R7、及びR8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8はこれらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することができ、好ましくは該環はモルホリニル、ピペリジニル、又はピペラジニルであり;
R'とR"は独立して、水素又はC1〜C6アルキルであり;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することができる。
【0041】
上記したようにR6、R7、R8、R'とR"は任意に置換される。この場合これらは、上記したように独立して置換される。
【0042】
式(I)の化合物は特に、以下よりなる群から選択されるものを含む:
5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン、
[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン、
5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−チオン、
5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン、
(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−メチルスルファニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン、及び
(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−モルホリン−4−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン。
【0043】
使用される用語は独立して以下に記載する意味を有する:
【0044】
芳香族基中の「置換可能な環炭素原子」は水素原子に結合した環炭素である。水素は、適切な置換基で任意に置換することができる。すなわち用語「置換可能な環炭素原子」は、2つの芳香環が縮合して共有されている環炭素原子を含まない。さらに「置換可能な環原子」は、これらがすでに水素以外の成分に結合していることを構造が示している時は、環炭素原子を含まない。すなわち構造式(II)のR2に結合した炭素原子は、本発明で使用されるこの用語の意味内で「置換可能な環原子」ではない。
【0045】
「C1〜C10アルキル」は、1〜10個の炭素原子を有する1価アルキル基を意味する。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ヘキシルなどの基により例示される。類推により「C1〜C12アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有する1価アルキル基を意味し、「C1〜C6アルキル」基、及びヘプチル、オクチル、ノニル、デカノイル、ウンデカノイル、及びドデカノイル基を含み、「C1〜C10アルキル」は1〜10個の炭素原子を有する1価アルキル基を意味し、「C1〜C8アルキル」は1〜8個の炭素原子を有する1価アルキル基を意味し、そして「C1〜C5アルキル」は1〜5個の炭素原子を有する1価アルキル基を意味する。
【0046】
「ヘテロアルキル」は、C1〜C12アルキル、好ましくはC1〜C6アルキルを意味し、ここで少なくとも1つの炭素は、O、N、又はSから選択されるヘテロ原子により置換され、2−メトキシエチルを含む。
【0047】
「アリール」は、単一の環(例えばフェニル)又は複数の縮合環(例えばナフチル)を有する6〜14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環基を意味する。アリールは、フェニル、ナフチル、フェナントレニルなどを含む。
【0048】
「C1〜C6アルキルアリール」は、C1〜C6アルキル置換基を有するアリール基を意味し、メチルフェニル、エチルフェニルなどを含む。
【0049】
「アリールC1〜C6アルキル」は、アリール置換基を有するC1〜C6アルキル基を意味し、ベンジルなどを含む。
【0050】
「ヘテロアリール」は、単環式ヘテロ環式芳香族、又は二環式もしくは三環式縮合環ヘテロ環式芳香族基を意味する。ヘテロ環式芳香族基の具体的な例には、任意に置換されるピリジル、ピロリル、ピリミジニル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1、2、4−トリアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジゾリル、1,3,4−トリアジニル、1,2,3−トリアジニル、ベンゾフリル、[2,3−ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、ベンズイミダゾリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シノリニル、ナフチルジニル、ピリド[3,4−b]ピリジル、ピリド[3,2−b]ピリジル、ピリド[4,3−b]ピリジル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル、又はベンゾキノリルを含む。
【0051】
「C2〜C6アルケニル」は2〜6個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1又は2個のアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を意味する。好適なアルケニル基には、エテニル(−CH=CH2)、n−2−プロペニル(アリル、−CH2CH=CH2)などがある。
【0052】
「C2〜C6アルキニル」は、好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1〜2個のアルキニル不飽和部位を有するアルキニル基を意味し、好適なアルキニル基には、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CH2C≡CH)などがある。
【0053】
「C3〜C8シクロアルキル」は、単一の環(例えばシクロヘキシル)又は複数の縮合環(例えばノルボルニル)を有する3〜8個の炭素原子の飽和炭素環基を意味する。C3〜C8シクロアルキルには、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニルなどがある。
【0054】
「ヘテロシクロアルキル」は、最大3個の炭素原子がO、S、NR(Rは水素又はメチルとして定義される)よりなる群から選択されるヘテロ原子により置換された、上記定義のC3〜C8シクロアルキル基を意味する。ヘテロシクロアルキルには、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、テトラヒドロフランなどがある。
【0055】
「アシル」は、基−C(O)Rを意味し、ここでRは、「C1〜C12−アルキル」、好ましくは「C1〜C6アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリールC1〜C6アルキル」、「ヘテロアリールC1〜C6アルキル」、「C3〜C8シクロアルキルC1〜C6−アルキル」、又は「ヘテロシクロアルキルC1〜C6アルキル」を含む。「アシルオキシ」は、基−OC(O)Rを意味し、ここでRはH、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「アリールC1〜C6アルキル」、又は「ヘテロアリールC1〜C6アルキル」、「アリールC2〜C6アルケニル」、「ヘテロアリールC2〜C6アルケニル」、「アリールC2〜C6アルキニル」、「ヘテロアリールC2〜C6アルキニル」、「シクロアルキルC1〜C6アルキル、「ヘテロシクロアルキルC1〜C6アルキル」を含む。
【0056】
「アルコキシ」は、基−O−Rを意味し、ここでRは、「C1〜C6アルキル」、又は「アリール」、又は「ヘテロアリール」、又は「アリールC1〜C6アルキル」、又は「ヘテロアリールC1〜C6アルキル」を含む。好適なアルコキシ基は、例えばメトキシ、エトキシ、フェノキシなどがある。
【0057】
「アミノカルボニル」は、基−C(O)NRR'を意味し、ここで各R、R’は独立して、水素又はC1〜C6アルキル、又はアリール又はヘテロアリール、又は「アリールC1〜C6アルキル」、又は「ヘテロアリールC1〜C6アルキル」を含み、例えばN−フェニルホルムアミドを含む。
【0058】
「アシルアミノ」は、基−NRC(O)R'を意味し、ここで各R、R'は独立して、水素、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「アリールC1〜C6アルキル」、又は「ヘテロアリールC1〜C6アルキル」、「アリールC2〜C6アルケニル」、「ヘテロアリールC2〜C6アルケニル」、「アリールC2〜C6アルキニル」、「ヘテロアリールC2〜C6アルキニル」、「シクロアルキルC1〜C6アルキル、「ヘテロシクロアルキルC1〜C6アルキル"である。
【0059】
「アミノ」は、基−NRR'を意味し、ここで各RとR'は独立して、水素又は「C1〜C6アルキル」、又は「アリール」、又は「ヘテロアリール」、又は「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、又は「シクロアルキル」、又は「ヘテロシクロアルキル」であり、かつRとR'は、これらが結合している窒素原子と一緒に、3〜8員ヘテロシクロアルキル環を任意に生成する。
【0060】
「スルホニルアミノ」は、基−NRSO2−R'を意味し、ここで各R、R'は独立して、水素、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「アリールC1〜C6アルキル」、又は「ヘテロアリールC1〜C6アルキル」、「アリールC2〜C6アルケニル」、「ヘテロアリールC2〜C6アルケニル」、「アリールC2〜C6アルキニル、「ヘテロアリールC2〜C6アルキニル」、「シクロアルキルC1〜C6アルキル」、「ヘテロシクロアルキルC1〜C6アルキル」を含む。
【0061】
「アミノスルホニル」は、基−SO2−NRR'を意味し、ここで各R、R'は独立して、水素、「C1〜C6アルキル」、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「アリールC1〜C6アルキル」、又は「ヘテロアリールC1〜C6アルキル」、「アリールC2〜C6アルケニル」、「ヘテロアリールC2〜C6アルケニル」、「アリールC2〜C6アルキニル」、「ヘテロアリールC2〜C6アルキニル」、「シクロアルキルC1〜C6アルキル」、「ヘテロシクロアルキルC1〜C6アルキル」を含む。
【0062】
「スルホニルオキシ」は基−OSO2−Rを意味し、ここでRは、H、「C1〜C6アルキル」、ハロゲンで置換された「C1〜C6アルキル」、例えば、−OSO2−CF3基、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」から選択される。
【0063】
「スルホニル」は、基「−SO2−R」を意味し、ここでRは、H、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキル」、ハロゲンで置換された「C1〜C6アルキル」、例えば−SO2−CF3基、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」から選択される。
【0064】
「スルフィニル」は、基「−S(O)−R」を意味し、ここでRは、H、「C1〜C6アルキル」、ハロゲンで置換された「C1〜C6アルキル」、例えば−SO−CF3基、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル」から選択される。
【0065】
「スルファニル」は、基−S−Rを意味し、ここでRは、H、「C1〜C6アルキル」、ハロゲンで任意に置換された「C1〜C6アルキル」、例えば−S−CF3基、「C2〜C6アルケニル」、「C2〜C6アルキニル」、「C3〜C8シクロアルキル」、「ヘテロシクロアルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルアリール」、又は「C1〜C6アルキルヘテロアリール」、「C2〜C6アルケニルアリール」、「C2〜C6アルケニルヘテロアリール」、「C2〜C6アルキニルアリール」、「C2〜C6アルキニルヘテロアリール」、「C1〜C6アルキルシクロアルキル」、「C1〜C6アルキルヘテロシクロアルキル"などを含む。
【0066】
好適なスルファニル基には、メチルスルファニル、エチルスルファニルなどがある。
【0067】
「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを意味する。
【0068】
「シアノ」はC≡Nを意味する。
【0069】
本発明の化合物又はそのプロドラッグの互変異性体、例えばケト−エノール互変異性体が存在する場合、例えばケト及びエノール型の個々の形は別々にかつ任意の比の混合物が一緒に特許請求される。立体異性体、例えばエナンチオマー、シス/トランス異性体、コンフォマーなどについて、同じことが適用される。互変異性体には、特に限定されないが、以下の構造がある:
【0070】
【化15】

【0071】
【化16】

【0072】
【化17】

【0073】
本発明の化合物の代謝物もまた、本発明の範囲内にある。
【0074】
ある実施態様においてMEKインヒビター(特に引用された任意のMEKインヒビター)は、100μM未満の濃度でMEK1の活性を阻害する。別の実施態様においてMEKインヒビターは、10μM未満の濃度でMEK1の活性を阻害する。別の実施態様においてMEKインヒビターは、1μM未満の濃度でMEK1の活性を阻害する。別の実施態様においてMEKインヒビターは、0.1μM未満の濃度でMEK1の活性を阻害する。
【0075】
第2の態様で本発明は、式(Ia)の化合物又はその医薬として許容される塩もしくは医薬活性誘導体の治療上有効量を哺乳動物に投与することを含んでなる、過剰増殖性疾患に罹患しているか又は罹患しやすい哺乳動物を治療する方法に関する。
【0076】
過剰増殖性疾患は、特に限定されないが、脳腫瘍、肺癌、扁平上皮細胞癌、膀胱癌、胃癌、膵臓癌、乳癌、頭部癌、頸部癌、腎臓癌、腎腫瘍、卵巣癌、前立腺癌、結腸直腸癌、食道癌、睾丸癌、婦人科癌、もしくは甲状腺癌のような癌を含む癌性疾患、又は皮膚の良性過形成(例えば乾癬)、再狭窄、もしくは前立腺(例えば良性前立腺過形成(BPH))のような非癌性過剰増殖性疾患でもよい。
【0077】
ある実施態様において過剰増殖性疾患は、MEKの過剰活性、並びに哺乳動物のMEKが引き起こす疾患、又は異常な細胞増殖により仲介される疾患(例えば癌または炎症)に関連する。
【0078】
「MEKの過剰活性」に関連する疾患は、式(I)の任意の化合物を使用して治療できる疾患であり、疾患の原因に無関係にMEKのアップレギュレーション及び/又は活性を低下させる必要のあるすべての疾患を包含する。
【0079】
「医薬として許容される塩又は複合体」は、以下で特定される式(I)の化合物の塩又は複合体を意味する。かかる塩の例には、特に限定されないが、式(I)の化合物と、有機もしくは無機塩基、例えばアルカリ金属(ナトリウム、カリウム、又はリチウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム又はマグネシウム)よりなる群から選択されるような金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、又は重炭酸塩との反応、又は有機1級、2級、もしくは3級アルキルアミンとの反応により形成される塩基付加塩がある。メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、N−Me−D−グルカミン、N,N’−ビス(フェニルメチル)−1,2−エタンジアミン、トロメタミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチルモルホリン、プロカイン、ピペリジン、ピペラジンなどから得られるアミン塩は、本発明の範囲内であることが企図される。また、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)と形成される塩、並びに有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモイン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、及びポリガラクツロン酸)と形成される塩、並びに塩基性アミノ酸(例えばリジン又はアルギニン)と形成される塩も包含される。
【0080】
「医薬活性誘導体」は、受容者に投与すると、本明細書に開示の活性を直接または間接に与えることができる化合物を意味する。用語「間接に」はまた、内因性酵素又は代謝により薬物の活性型に変換されるプロドラッグを包含する。該プロドラッグは、活性薬物化合物自体と化学的マスキング基とを含む。例えば、アルコール誘導体の化学的マスキング基は、カルボン酸エステル(例えば酢酸エステル、リジンエステル)又はリン酸エステル(例えばリン酸モノエステル)から選択し得る。
【0081】
好適な実施態様において本発明は、式(II)、(IIIa)、又は(IIIb)の化合物又はその医薬として許容される塩もしくは医薬活性誘導体の治療上有効量を哺乳動物に投与することを含んでなる、過剰増殖性疾患に罹患しているか又は罹患しやすい哺乳動物を治療する方法に関する。ある実施態様において該過剰増殖性疾患は癌である。
【0082】
本発明はまた、分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、インターカレーティング抗生物質、増殖因子インヒビター、細胞サイクルインヒビター、酵素インヒビター、トポイソメラーゼインヒビター、生物学的応答調節物質、抗ホルモン、血管形成インヒビター、及び抗アンドロゲンよりなる群から選択される抗腫瘍剤と組合せて、式(I)の化合物の治療上有効量を哺乳動物に投与することを含んでなる、哺乳動物の過剰増殖性疾患を治療する方法に関する。組合せから選択できる抗腫瘍剤は当該分野で公知である。好適な実施態様において、上記抗腫瘍剤と組合せて、式(II)、(III)、(IVa)、又は(IVb)の化合物が投与される。
【0083】
第3の態様において本発明は、式(I)のMEKインヒビター、又はその医薬として許容される塩もしくは医薬活性誘導体の、医薬としての使用に関する。
【0084】
好適な実施態様において本発明は、式(II)、(III)、(IVa)、又は(IVb)の化合物、又はその医薬として許容される塩もしくは医薬活性誘導体の、医薬としての使用に関する。ある実施態様において本発明は、以下よりなる群から選択される化合物の医薬としての使用に関する:
5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン、
[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン、
5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−チオン、
5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン、
(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−メチルスルファニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン、及び
(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−モルホリン−4−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン。
【0085】
本発明は、実施例に開示される化合物のすべてに関する。
【0086】
第4の態様において本発明は、過剰増殖性疾患の治療用医薬の調製のための式(I)のMEKインヒビター、又はその医薬として許容される塩もしくは医薬活性誘導体の使用に関する。ある実施態様において該使用は、癌の治療用医薬の調製に関する。
【0087】
好適な実施態様において本発明は、過剰増殖性疾患の治療用医薬の調製のための式(II)、(III)、(IVa)、又は(IVb)の化合物、又はその医薬として許容される塩もしくは医薬活性誘導体の使用に関する。ある実施態様において該使用は、癌の治療用医薬の調製に関する。
【0088】
第5の態様において本発明は、過剰増殖性疾患の治療のための式(I)のMEKインヒビター、又はその医薬として許容される塩もしくは医薬活性誘導体の使用に関する。ある実施態様において該使用は、癌の治療に関する。
【0089】
好適な実施態様において本発明は、過剰増殖性疾患の治療のための式(II)、(III)、(IVa)、又は(IVb)の化合物、又はその医薬として許容される塩もしくは医薬活性誘導体の使用に関する。ある実施態様において該使用は、癌の治療用医薬の調製に関する。
【0090】
さらに第6の態様において本発明は、活性成分として式(I)の化合物又はその医薬として許容される塩もしくは医薬活性誘導体を、医薬として許容される担体とともに含む医薬組成物に関する。
【0091】
好適な実施態様において本発明は、活性成分として式(II)、(III)、(IVa)、又は(IVb)の化合物、又はその医薬として許容される塩もしくは医薬活性誘導体を、医薬として許容される担体とともに含む医薬組成物に関する。
【0092】
「医薬組成物」は、1つ又はそれ以上の活性成分、及び担体を構成する1つ又はそれ以上の不活性成分、並びに成分の任意の2つまたはそれ以上の組合せ、複合、又は凝集から、又は成分の1つ又はそれ以上の解離から、又は成分の1つ又はそれ以上の他のタイプの反応もしくは相互作用から、直接または間接に得られる任意の生成物を意味する。従って本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬として許容される担体とを混合することにより作成される任意の組成物を包含する。
【0093】
本発明の医薬組成物はさらに、本発明の1つ又はそれ以上の化合物、又はプロドラッグ、又は他のMEKインヒビターのような1つ又はそれ以上の他の化合物を活性成分として含んでよい。
【0094】
組成物は、経口、直腸、局所、非経口(皮下、筋肉内、及び静脈内を含む)、眼内(眼から)、肺(鼻内又は口内吸入)、又は鼻内投与に適した組成物を含むが、ある特定の症例で最も適した経路は、治療される症状の重症度と活性成分の性質に依存するであろう。これらは単位投与剤型で提示することが便利であり、薬剤学の分野で公知の任意の方法により調製される。
【0095】
実際には式(I)の化合物は活性成分として、通常の薬剤調合法に従って薬剤担体と組合せることができる。担体は、投与[例えば経口又は非経口(静脈内を含む)]に好ましい調製物の形に依存する広範囲の型を取ることができる。経口剤形組成物の調製において、通常の薬剤媒体、例えば経口液体調製物(例えば、懸濁液、エリキシル剤、及び液剤)の場合には、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存剤、着色剤など;あるいは経口固体調製物(例えば、粉末、硬カプセル及び軟カプセル、及び錠剤)の場合には、デンプン、糖、微結晶セルロースのような担体、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などを使用することができ、液体調製物より固形経口調製物が好ましい。
【0096】
その投与の容易さから、錠剤やカプセル剤が最も有利な経口投与単位剤型であり、この場合、明らかに固体薬剤担体が使用される。所望であれば錠剤は標準的水性又は非水性法で被覆してもよい。かかる組成物や調製物は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含有するべきである。これらの組成物中の活性化合物(式(I)、(II)、(III)、(IVa)、又は(IVb)の化合物)の割合はもちろん変化してもよく、便利には単位重量の約2パーセント〜約60パーセントでである。かかる治療的に有効な組成物中の活性化合物の量は、有効用量が得られるようなものである。活性化合物はまた、鼻内に例えば液滴又は噴霧液として投与することができる。
【0097】
錠剤、丸剤、カプセル剤などはまた、トラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチ、又はゼラチンのような結合剤、リン酸二カルシウムのような賦形剤、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、アルギン酸のような崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、及びショ糖、乳糖、又はサッカリンのような甘味剤を含有してもよい。単位投与剤型がカプセルである時、これは上記のタイプ以外に、脂肪油のような液体担体を含有してもよい。
【0098】
コーティングとして又は投与単位の物理的形を修飾するために、種々の他の物質が存在してもよい。例えば錠剤はシェラック、糖、又はこれらの両方により被覆してもよい。シロップ剤又はエリキシル剤は、活性成分以外に、甘味剤としてショ糖、保存剤としてメチル及びプロピルパラベン、サクランボやオレンジ色風味としての染料や香味剤を含有してもよい。
【0099】
式(I)、(II)、(III)、(IVa)、又は(IVb)の化合物はまた非経口に投与してもよい。これらの活性化合物の液剤又は懸濁剤は、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤と適切に混合した水中で調製することができる。分散物はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及び油中のこれらの混合物中で調製することができる。通常の保存及び使用条件下で、これらの調製物は微生物の増殖を防ぐための保存剤を含有する。
【0100】
注射用途に適した剤形には、無菌水溶液又は分散物、及び無菌注射水溶液又は分散物の即時調製用の無菌粉末がある。すべての場合に剤形は無菌でなければならず、シリンジ操作性が容易である程度に流体でなければならない。これは製造と保存条件下で安定でなければならず、細菌や真菌のような微生物の汚染作用に抵抗して保存できなければならない。担体は、溶媒又は例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール)、これらの適切な混合物、及び植物油を含有する分散媒体でもよい。
【0101】
哺乳動物特にヒトに本発明の化合物の有効用量を与えるために、任意の適切な投与経路が使用される。例えば経口、直腸、局所、非経口、眼内、肺、鼻内などが使用される。剤形には、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、液剤、カプセル剤、クリーム剤、軟膏剤、エアゾル剤などがある。好ましくは本発明の化合物は経口投与される。
【0102】
使用される活性成分の有効用量は、具体的な使用される化合物、投与モード、治療される症状、及び治療される症状の重症度により変動してもよい。かかる用量は、当業者が容易に決定することができる。
【0103】
式(I)、(II)、(III)、(IVa)、又は(IVb)の化合物が適用される癌又は他の過剰増殖性疾患を治療する時、本発明の化合物が1日用量が動物の体重1kg当たり約0.1ミリグラム〜約100ミリグラムで、好ましくは1日1回で、又は1日に2〜6回の分割用量で、又は持続放出性型で投与される時、一般的に満足できる結果が得られる。ほとんどの大きな哺乳動物については、1日の総用量は約1.0ミリグラム〜約1000ミリグラム、好ましくは約1ミリグラム〜約50ミリグラムである。70kgの成人の場合、1日の総用量は一般に約7ミリグラム〜約350ミリグラムである。この用量処方は、最適な治療応答を与えるために調整される。
【0104】
さらに第7の態様において本発明は、式(I)の化合物の調製法を提供する。
【0105】
好適な実施態様において本発明は、式(I)、(II)、(III)、(IVa)、又は(IVb)の化合物を調製する方法に関する。
【0106】
式(I)の化合物は、以下のスキームと実施例の方法に従って適切な材料を使用して調製することができ、以下の具体例によりさらに例示される。さらに当該分野の通常の技術とともに本明細書に記載の方法を使用して、本明細書で特許請求される本発明の追加の化合物を容易に調製することができる。しかし実施例で例示される化合物は、本発明で企図される種類のみを構成するものと理解してはならない。さらに実施例は、式(I)の化合物の調製のための詳細を例示する。これらの化合物を調製するために以下の調製法の条件や方法の既知の変法を使用できることを、当業者は容易に理解できるであろう。本発明の化合物は一般に、その医薬として許容される塩の形(例えば上記したもの)で単離される。単離された塩に対応するアミン不含塩基を、適切な塩基(例えば重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム水溶液)で中和し、放出されたアミン不含塩基を有機溶媒中に抽出し、次に溶媒を留去することにより生成することができる。こうして単離されたアミン不含塩基はさらに、有機溶媒中に溶解させ、次に適切な酸を添加し、次に溶媒を留去、沈降、又は結晶化することにより、別の医薬として許容される塩に変換することができる。
【0107】
式(Ia)の化合物の調製は以下のスキームに示される。スキームで特に明記しない場合は、変数は上記したものと同じ意味を有する。
【0108】
【化18】

スキーム1
【0109】
スキーム1は、本発明の化合物例の群の合成を例示する。第1の工程でアニリン(2)は、不活性溶媒好ましくはTHF中で塩基(特に限定されないが好ましくはLiHMDS)を添加することにより、3−フルオロイソニコチン酸(1)と反応させられる。工程2において3−アニリノイソニコチン酸(3)は、カプリング剤(例えばPyBOP、CDIなど)及び単純アルコール(例えばメタノール)を使用することにより、単純なエステル、例えばメチルエステル(4)に変換される。得られるエステルは、アルコール溶媒中で対応するヒドラジンと加熱することにより、容易にヒドラジド(5)に変換される。これらのヒドラジドは、スキーム1に示すように、多様なヘテロ環の形成のための主要な中間体として機能する。例えば1,1−ジ−1H−1−イル−メチレンアミンによる処理は、スキーム1の化合物6のような[1,3,4]オキサジアゾール−2−アミンを与える。これらの化合物は、KOHのアルコール溶液中で加熱することにより5−アルコキシ−[1,2,4]トリアゾール(7)に再編成され、これは次に酸で加水分解されて対応するトリアゾロン(8)にすることができる。ヒドラジド(5)はまた、3−クロロ−2−オキソプロピオン酸酢酸塩と反応し、次に環化されて[1,3,4]オキサジアゾール−2−カルボキシレート誘導体(9)にすることができ、これは次に塩化リチウムもしくはナトリウム又は他の同様の試薬を用いて処理することにより脱炭酸化されて、非置換オキサジアゾール(10)にすることができる。5を2−アミノ−チオアセトイミド酸エステルを用いてカプリング/環化すると、[1,2,4]トリアゾール−3−アミン(11)が得られる。トリフェニルホスフィン/トリクロロアセトニトリルの存在下で酸を用いて5を縮合させると、2−アルキル−[1,3,4]オキサジアゾール(12)が得られる。カルボニルジイミダゾールを用いて5を縮合させると[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン(13)が得られる。後者は、アミンで開環して14のような類似体にすることができ、これは次に環化させてN−置換[1,3,4]オキサジアゾール−2−アミン(15)にすることができる。5とイソチオシアネートとの反応は16のような類似体を与え、これは置換[1,3,4]チアゾジアゾール−3−アミン(17)、又は[1,3,4]オキサジアゾール−2−アミン(18)、又は[1,2,4]トリアゾール−3−チオン(19)に環化することができる。塩基性条件下で5を二硫化炭素と縮合させると、[1,3,4]オキサジアゾール−2−チオン(20)が得られ、これはS−アルキル化して化合物21にすることができ、これは次に種々の求核性物質と反応して、22のような2−置換[1,3,4]オキサジアゾール類似体を与えることができる。
【0110】
【化19】

スキーム2
【0111】
スキーム2は、ヒドラジド5の代わりに中間体の酸3から生じる種々のヘテロ環系を有する例化合物の一般的合成を例示する。酸3は、ヒドロキシルアミノ−イミノ−アセテートと結合して、最終的に1,2,4−オキサジアゾール−3−カルボン酸エステル(23)に環化することができ、これは対応するヒドロキシルメチル誘導体(24)に還元することができる。最後に、23と24を生成した反応と同様に、中間体3はヒドラジン−イミノ−アセテートと反応して1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸エステル(25)を生成することができ、水素化ホウ素還元後に対応するアルコール(26)が生成される。
【0112】
【化20】

スキーム3
【0113】
スキーム3は、ピリジンコアの5位に置換、特にフェニル置換を有する例の合成を例示する。3−ブロモ−5−フルオロ−ピリジン(27)をまずリチウム処理し、次にCO2で処理してイソニコチン酸(28)を生成し、これを次に種々のアニリンと反応させて、29のようなビアリール系を得る。酸官能基をまず単純なエステル(30)として保護し、次にSuzuki又は他のパラジウム触媒カプリング条件下で反応させて、種々の5置換類似体(構造31で記載されるものを含む)を得る。ハロゲン化(例えば酸性条件下でNISでヨード化)すると、構造32の化合物が得られ、これを脱保護して遊離酸(33)が得られる。これらの酸は典型的なカプリング試薬(例えばCDIなど)で活性化してヒドラジン又はアミンと反応させて、それぞれヒドラジド(34)又はアミド(36)を得る。次に前者は環化されて、スキーム1に記載のものと類似の系(構造35のようなアミノオキサジアゾールを含む)になる。アミド36は典型的にはまず脱水して対応するニトリル(37)にすることができ、これは種々のヘテロ環化合物の構築の有用な中間体である。スキーム3に示す例は、ジアゾメタンとの反応によるニトリル37のトリアゾール38と39への変換である。
【0114】
【化21】

スキーム4
【0115】
スキーム4は、種々のタイプのW置換基を有する追加の例の一般的合成を例示する。このスキームでは、種々の4−ヨード−アニリン(43)が対応する4−トリメチルシリル誘導体(44)に変換され、これは次にパラジウム触媒条件下で種々の4−クロロ−ピリジンと結合されて、主要な(4−クロロ−ピリジン−3−イル−フェニル)−アミン(45)を生成する。これらの中間体はSuzuki又は他のパラジウム触媒カプリング条件下で官能基化されて、4−ピリジル位置(46)に多種類のW基が導入される。これらの化合物は典型的には、トリメチルシリル基の置換によりそのハロゲン化類似体(47)(例えばヨードなど)に変換される。あるいは45の4−クロロピリジル基は、密封試験管でPd(PPh34とZn(CN)2の存在下で加熱することにより、4−シアノピリジル基に変換することができる。このシアノ中間体(48)は、4−ピリジル位にいくつかのヘテロ環系を有する種々の化合物、例えばテトラゾール(50)、トリアゾール(51、52)などがアクセスすることを可能にする。
【0116】
適切なアニリン、ピリジン、及び他の誘導体、試薬、及び出発物質は、Alpha Aesar, Ward Hill, MA, USA、Sigma-Aldrich Milwakee, Wl, USA、又はAcros Organics, Morris Plains, NJ, USA、から市販されているか、又は"March's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure",第5版(John Wiley & Sons)に記載されている方法によりルーチンに調製することができる。
【0117】
特に明記しない場合はすべての非水性反応は、アルゴン又は窒素雰囲気下で市販の無水溶媒を用いて行った。化合物は典型的には、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用してMerckシリカゲル60(230〜400メッシュ)を使用して精製した。ある場合には精製のために逆相分取HPLCを使用した。1H−NMRスペクトルは、Joel ECP-400(1H−NMR用に400MHz)で、典型的にはd6−ジメチルスルホキシド又はd4−メタノールを溶媒として使用して記録した。化学シフトはトリメチルシランに対するppmで報告される。
【0118】
以下の2つの方法を使用して分析LC/MSを行った。
【0119】
方法A:Discovery(登録商標)C18、5μm、3×30mmカラムを400μl/分の流速で使用した、試料ループ5μl、移動相(A)0.1%蟻酸を有する水、移動相(B)0.1%蟻酸を有するメタノール、保持時間は分で示す。方法の詳細:(I)254と280nmでのUV検出を有するESI+モードで、UV/Visダイオードアレイ検出器G1315B(Agilent)とFinnigan LCQ Duo MS検出器を有するQuaternary Pump G 1311A (Agilent)に流す、勾配15〜95%(B)で3.2分の線形勾配、(II)95%(B)で1.4分保持、(III)0.1分の線形勾配で95〜15%(B)に低下、(IV)15%(B)で2.3分保持。
【0120】
方法B:Waters Symmetry(登録商標)C18、3.5μm、4.6×75mmカラムを1ml/分の流速、試料ループ10μl、移動相(A)0.05% TFAを有する水、移動相(B)0.05% TFAを有するACN、保持時間は分で示す。方法の詳細:(I)254と280nmでのUV検出を有するESI+モードで、UV/Visダイオードアレイ検出器G1315B(Agilent)とApplied Biosystems API3000 MS検出器を有するBinary Pump G 1312A (Agilent)に流す、勾配20〜85%(B)で10分の線形勾配、(II)85%(B)で1分保持、(III)0.2分の線形勾配で20〜85%(B)に低下、(IV)20%(B)で3.8分保持。
略語
記載
CDI N,N−カルボニルジイミダゾール
DCM ジクロロメタン
DIPEA N−エチルジイソプロピルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LC/MS 液体クロマトグラフィー/質量スペクトル測定
LiHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
MCPBA 3−クロロペルオキシ安息香酸
NT 試験せず
NMR 核磁気共鳴
PyBOP ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
RT 室温
TEA トリエチルアミン
Tert 三級ブチル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
文献
Crews et al., Science 1992, 258, 478-80
Reddy et al., Cancer Metastasis Rev. 2003, 22, 395-403
Chang et al., Leukemia 2003, 17,1263-93,
Lee et al., Exp. Mol. Med. 2006, 38, 27-35
WO 00/42029
WO 04/056789
WO 05/051301
WO 05/000818
【実施例】
【0121】
以下に示す例は、本発明の具体例を例示するものであり、決して本明細書の範囲又は請求項を限定するものではない。このセクションで使用される例と中間体の番号付けは、スキーム1〜4で使用した番号とは無関係である。
【0122】
中間体1:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸
【0123】
【化22】

【0124】
無水テトラヒドロフラン(80ml)中の4−ヨード−2−フルオロアニリン(20.0g、84.38ミリモル)の混合物を不活性雰囲気下で−65℃に冷却し、次に1.0M リチウムビス(トリメチルシリル)アミドを(255ml、255ミリモル)を、内部温度を−55℃に維持する速度でゆっくり加えた。最後の添加後、濃いスラリーを30分攪拌し、次に3−フルオロ−イソニコチン酸(8.0g、56.69ミリモル)で処理した。混合物を室温で4日間攪拌し、次に2.0N水酸化ナトリウム水溶液(1000ml)と酢酸エチル(250ml)に注いだ。層が分離し、再度水酸化ナトリウム水溶液(2×1000ml)で有機物を抽出した。一まとめにした水性画分のpHを濃塩酸で2に調整し、これにより固体が沈殿した。この物質をろ過し、水(300ml)で洗浄し、高真空下で40℃で18時間乾燥して、3(19.05g、53.19ミリモル、94%)を黄色固体として得た。MS [359 (M+1)]. 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): 7.3565 (t, J = 8.8 Hz, 1H), 7.5509 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.7521 (m, 2H), 8.1175 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 8.4472 (s, 1H), 9.2184 (s, 1H)。
【0125】
中間体2:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル
【化23】

【0126】
無水ジメチルスルホキシド(120ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸(12.0g、33.51ミリモル)とCDI(7.0g、43.17ミリモル)の懸濁液を室温で16時間攪拌し、次にメタノール(15.0g、468.15ミリモル)をゆっくり加えた。濃黄色の溶液を室温で2時間攪拌し、次にゆっくり水(900ml)の中に注いだ。生じた沈降物をろ過し、ケーキを水(2×300ml)で洗浄し、高真空下で40℃で16時間乾燥して、2(12.11g、32.54ミリモル、97%)をサーモン色の固体として得た。1H-NMR: δ 3.88 (s, 3H); 7.30 (dd, 1H); 7.54 (ddd, 1H); 7.70 (d, 1H); 7.74 (dd, 1H); 8.13 (d, 1H); 8.41 (d, 1H); 8.88 (br s, 1H)。
【0127】
中間体3:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド
【化24】

【0128】
イソプロパノール(200ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル(11.50g、30.90ミリモル)の懸濁液をヒドラジン水和物(6ml)で処理し、混合物を加熱し17時間静かに還流させた。生じた沈降物をろ過し、イソプロパノール(50ml)で洗浄し、高真空下で14時間乾燥して、3(9.46g、25.42ミリモル、82%)を黄色結晶性固体として得た。1H-NMR: δ 4.65 (br s, 2H); 7.28 (dd, 1H); 7.49 (m, 2H); 7.68 (dd, 1H); 8.14 (d, 1H); 8.52 (s, 1H); 9.34 (br s, 1H); 10.22 (br s, 1H)。
【0129】
実施例1:5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン
【化25】

【0130】
TEA(60μl、0.43ミリモル)を含有するTHF(6ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(152mg、0.41ミリモル)の懸濁液に、ジイミダゾール−1−イルメタノン(95mg、0.57ミリモル)を0℃で加えた。反応混合物をRTまで加温し、5時間攪拌し、追加のTEA(40μl)とCDI(50mg)を加え、次に反応混合物をRTで一晩攪拌した。沈降物をろ過し、固体をMeOHで洗浄した。収率:黄色の固体123mg。LC−MS(方法A)[5.50分;399(M+1)]。
【0131】
実施例2:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−アミン
【化26】

【0132】
DMSO(6ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(1g、2.68ミリモル)の溶液に、1,1−ジ−1H−イミダゾール−1−メチレンアミン(864mg、5.36ミリモル)を加えた。反応混合物をRTで18時間攪拌した。水(60ml)を加えて反応をクエンチした。固体が沈殿した。固体をろ過し、水と冷メタノールで洗浄した。収率:白色の固体1.0g。LC−MS(方法A)[4.66分;398(M+1)]。
【0133】
1,1−ジ−1−H−イミダゾール−1−イル−メチレンアミンの合成
DCM(250ml)中の1H−イミダゾール(3.52g、51.6ミリモル)の溶液に、臭化シアンを加えた(1.82g、17.2ミリモル)。反応混合物を40℃で30分攪拌した。約30mlを残して溶媒の一部を留去し、次に0℃で1時間冷却して、白色の沈降物を得て、これをろ過して予測生成物3.3gを得た。
【0134】
実施例3:5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−チオン
【化27】

【0135】
メタノール(15ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(744mg、2.0ミリモル)の溶液に、ジチオメタン(0.22ml、4.66ミリモル)を加え、次に水酸化カリウム(2.51ml、2.13ミリモル)を加えた。反応混合物を60℃で7時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチル(50ml)に溶解し、食塩水(15ml×3)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラム(EtOAc:ヘキサン=1:1)にかけ、生成物210mgを採取した。LC−MS(方法A)[5.71分;415(M+1)]。
【0136】
実施例4:5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン
【化28】

【0137】
[4−(5−エトキシ−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(80mg)に濃塩酸(4ml)を加えた。反応混合物を90℃で4時間攪拌し、冷却し、ろ過し、固体を水とメタノールで洗浄した。収率:白色の固体30mg。LC−MS(方法A)[5.23分;398(M+1)]。
【0138】
実施例5:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−メチルスルファニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン
【化29】

【0139】
エタノール(10ml)中の5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−チオン(600mg、1.45ミリモル)、ヨードメタン(216mg、1.52ミリモル)、及び1当量のNaOH(1.45ml)の反応混合物を一晩攪拌した。溶媒を留去し、残渣に酢酸エチル(50ml)を加え、これを食塩水(20ml×3)で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、溶液を蒸発させた。残渣をシリカゲルカラム(EtOAc:ヘキサン=1:1)にかけた。収率:245mg。LC−MS(方法A)[5.72分;426(M+1)]。
【0140】
実施例6:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−モルホリン−4−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン
【化30】

【0141】
ジオキサン(5ml)中の(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−メチルスルファニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン(100mg、0.23ミリモル)の溶液に、モルホリン(101mg、1.17ミリモル)を加えた。反応混合物を120℃で8時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣をプレッププレートで精製し(CH2Cl2:MeOH=20:1 5%TEA)、生成物24mgを採取した。LC−MS(方法A)[5.20分;468(M+1)]。
【0142】
実施例7:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−メチルアミノ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン
【化31】

【0143】
DMA(2ml)中のヒドラジンカルボチオン酸N−メチルアミドのN’−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−カルボニル](150mg、0.34ミリモル)の溶液に、PS−トリフェニル−ホスファン(353mg、1.35ミリモル)、トリクロロ−アセトニトリル(97mg、0.67ミリモル)、及びDIEPA(0.17ml、1.01ミリモル)を加えた。反応混合物を100℃で4時間攪拌し、次にろ過し、揮発性物質を蒸発させた。粗生成物を分取HPLCで精製して、8mgの所望の生成物を得た。LC−MS(方法A)[5.03分;428(M+1)]。
【0144】
実施例8:5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−チオン
【化32】

【0145】
ヒドラジンカルボチオン酸N−メチルアミドのN’−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−カルボニル](100mg、0.22ミリモル)を1NのNaOH水溶液(1ml)に加え、1時間還流した。1H塩酸でpHを7に調整した。中和すると白色の固体が沈殿した。ろ過して混合物から所望の生成物(40mg)を単離した。LC−MS(方法A)[5.69分;428(M+1)]。
【0146】
実施例9:5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−4−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−[1,2,4]トリアゾリジン−3−チオン
【化33】

【0147】
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸 N’−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−チオ尿素−ヒドラジド(100mg、0.22ミリモル)を1NのNaOH水溶液(1ml)に加え、1時間還流した。1H塩酸でpHを7に調整した。中和すると白色の固体が沈殿した。ろ過して混合物から所望の生成物(45mg)を単離した。LC−MS(方法A)[5.13分;527(M+1)]。
【0148】
実施例10:(4−{5−[((2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−アミノ]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル}−ピリジン−3−イル)−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化34】

【0149】
DMA(2ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸N−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)−ホルムアミド酸ヒドラジド(189mg、0.36ミリモル)の溶液に、PS−トリフェニル−ホスファン(375mg、1.43ミリモル)、トリクロロ−アセトニトリル(104mg、0.72ミリモル)、及びDIEPA(0.19ml、1.43ミリモル)を加えた。反応混合物を100℃で4時間攪拌した。ろ過後、溶液を直接分取HPLCで精製して生成物を得た(130mg)。LC−MS(方法A)[5.25分;512(M+1)]。
【0150】
実施例11:3−{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−プロパン−1,2−ジオール
【化35】

【0151】
(4−{5−[(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−アミノ]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル}−ピリジン−3−イル)−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(100mg、0.2ミリモル)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、TFA(3ml)を加えた。反応混合物をRTで4時間攪拌した。溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、1N 水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。溶媒を留去後、残渣を採取し、メタノールに溶解した。メタノール溶液から生成物を結晶化させ、ろ過した(63mg)。LC−MS(方法A)[6.61分;472(M+1)]。
【0152】
実施例12:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−{4−[5−(2−モルホリン−4−イルアミノ)−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル]−ピリジン−3−イル}−アミン
【化36】

【0153】
DMA(2ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸N’−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−チオ尿素ヒドラジド(200mg、0.34ミリモル)の溶液に、PS−トリフェニル−ホスファン(385mg、1.47ミリモル)、トリクロロ−アセトニトリル(106mg、0.73ミリモル)、及びDIEPA(0.19ml、0.76ミリモル)を加えた。反応混合物を100℃で4時間攪拌し、次にろ過し、溶液を除去した。粗生成物を分取HPLCで精製して51mgの純粋な生成物を得た。LC−MS(方法A)[6.06分;527(M+1)]。
【0154】
実施例13:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−メチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン
【化37】

【0155】
アセトニトリル中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸(200mg、0.54ミリモル)、酢酸(32mg、0.54ミリモル)、PS−トリフェニル−ホスファン(845mg、3.22ミリモル)、トリクロロ−アセトニトリル(155mg、1.07ミリモル)、及びDIEPA(0.23ml、1.34ミリモル)の混合物を、密封試験管中で100℃で6時間攪拌した。次に混合物をろ過し、ろ液を直接分取HPLCにかけて、55mgの所望の生成物を得た。LC−MS(方法A)[6.63分;397(M+1)]。
【0156】
実施例14:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2,4−ジブロモ−フェニル)−アミン
【化38】

【0157】
DMSO(2ml)中の3−(2,4−ジブロモ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(200mg、0.52ミリモル)の溶液に、C−(ジイミダゾール−1−イル)−メチレンアミン(167mg、1.04ミリモル)を加えた。反応混合物をRTでアルゴン下で一晩攪拌し、次に水に注いだ。固体が沈殿し、これをろ過し、メタノールで洗浄して所望の生成物(100mg)を得た。LC−MS(方法A)[5.23分;412(M+1)]。
【0158】
実施例15:N−{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサゾール−2−イル}−オキサルアミド酸エチルエステル
【化39】

【0159】
DCM(50ml)中の[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(470mg、1.18ミリモル、1.00当量)の溶液に、エチルジイソプロピルアミン(0.72ml;4.14ミリモル;3.5当量)を加え、次にクロロ(オキソ)酢酸エチル(0.2ml;1.78ミリモル、1.50当量)を0℃でアルゴン下で滴下して加えた。一晩攪拌しながら、反応混合物を室温まで加温した。次に混合物をDMC(5ml)で希釈し、まず5%重炭酸ナトリウム水溶液、次に食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を留去して残渣を得て、これをDCM:MeOH 50:1を溶離液として使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて、220mgの所望の生成物を得た。LC−MS(方法A)[5.41分;498(M+1)]。
【0160】
実施例16:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−メチルアミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン
【化40】

【0161】
DMA(5ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸N’−アセチル−ヒドラジド(400mg、0.93ミリモル、1当量)の溶液に、PS−トリフェニル−ホスファン(1.22g;4.66ミリモル;5当量)、トリクロロ−アセトニトリル(269mg;1.86ミリモル;2当量)、及びDIEPA(0.49ml;2.8ミリモル;3当量)を加えた。反応混合物を100℃で4時間攪拌した。混合物をろ過し、溶液を分取HPLCにかけて生成物(98mg)を得た。LC−MS(方法A)[5.03分;412(M+1)]。
【0162】
実施例17:(3−{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル}−ウレイド)−酢酸エチルエステル
【化41】

【0163】
無水THF(3ml)中の[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(0.200g、0.504ミリモル)の懸濁液を、イソシアネート酢酸エチル(0.077g、0.596ミリモル)で処理した。反応混合物をRTで一晩攪拌した。さらに酢酸イソシアネート(0.083g、0.643ミリモル)を加え、混合物をさらに72時間攪拌した。この物質をジエチルエーテル(2ml)で希釈し、ろ過し、高真空下で2時間乾燥して、黄色の固体生成物(0.144g、0.274ミリモル、54%)を得た。LC−MS(方法A)[5.53分;527(M+1)]。
【0164】
実施例18:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−{4−[5−(2−ピペリジン−1−イルエチルアミノ)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル}−ピリジン−3−イル}−アミン
【化42】

【0165】
DCM(5ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(300mg;0.81ミリモル;1当量)の溶液に、1−(2−イソチオシアネート−エチル)−ピペリジン(192mg;1.13ミリモル;1.4当量)を加えた。反応混合物をアルゴン下で4時間還流した。黄色の固体が沈殿し、これをろ過して中間体が得られ、これをエタノール(5ml)に懸濁した。ヨードメタン(148mg;1.05ミリモル;1.3当量)を反応混合物に加え、RTで一晩攪拌し、次に80℃に加熱し、さらに2時間攪拌した。混合物をろ過して黄色の固体生成物40mgを得た。LC−MS(方法A)[3.89分;509(M+1)]。
【0166】
実施例19:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−{4−[5−(3−モルホリン−4−イル−プロピルアミノ)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル}−ピリジン−3−イル}−アミン
【化43】

【0167】
DCM(5ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(500mg;1.34ミリモル;1当量)の溶液に、4−(3−イソチオシアネート−プロピル)−モルホリン(300mg;1.62ミリモル;1.2当量)を加えた。反応混合物をアルゴン下で4時間還流した。黄色の固体が沈殿し、これをろ過して中間体が得られ、これをエタノール(5ml)に懸濁した。次にヨードメタン(190mg;1.34ミリモル;1.0当量)を反応混合物に加え、RTで一晩攪拌した。これを次に80℃に加熱し、さらに2時間攪拌した。混合物をろ過して黄色の固体生成物(128mg)を得た。LC−MS(方法A)[3.73分;525(M+1)]。
【0168】
実施例20:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−{4−[5−(3−モルホリン−4−イル−エチルアミノ)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル}−ピリジン−3−イル}−アミン
【化44】

【0169】
DCM(5ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(500mg;1.34ミリモル;1当量)の溶液に、4−(3−イソチオシアネート−エチル)−モルホリン(255mg;1.61ミリモル;1.2当量)を加えた。反応混合物をアルゴン下で4時間還流した。黄色の固体が沈殿し、これをろ過して中間体が得られ、これをエタノール(5ml)に懸濁した。次にヨードメタン(190mg;1.34ミリモル;1.0当量)を加え、反応混合物をRTで一晩攪拌した。これを次に80℃に加熱し、さらに2時間攪拌した。ろ過して黄色の固体生成物(153mg)を得た。LC−MS(方法A)[0.41分;511(M+1)]。
【0170】
実施例21:N−{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル}−アセトアミド
【化45】

【0171】
DCM(5ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(250mg;0.67ミリモル;1当量)の溶液に、アセチルイソチオシアネート(80mg;0.8ミリモル;1.2当量)を加えた。反応混合物をアルゴン下で4時間還流した。黄色の固体が沈殿し、これをろ過して中間体が得られ、これをエタノール(5ml)に懸濁した。次にヨードメタン(95mg;0.67ミリモル;1.0当量)を加え、反応混合物をRTで一晩攪拌した。これを次に80℃に加熱し、さらに2時間攪拌した。ろ過して黄色の固体生成物(89mg)を得た。LC−MS(方法A)[5.30分;440(M+1)]。
【0172】
実施例22:N−{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−N’,N’−ジメチル−エタン−1,2−アミン
【化46】

【0173】
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸N’−(3−ジメチルアミノ−プロピオニル)−ヒドラジド(130mg、0.27ミリモル)をDMA(2ml)に溶解し、次にPS−トリフェニル−ホスファン(420mg、1.6ミリモル、6当量)、トリクロロ−アセトニトリル(77mg、0.53ミリモル、2当量)、及びDIEPA(0.19ml、1.07ミリモル、4当量)を加えた。反応混合物を100℃で一晩攪拌し、次にろ過した。ろ液を直接分取HPLCにかけて32mgの所望の生成物を得た。LC−MS(方法A)[3.63分;467(M+1)]。
【0174】
実施例23:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−{4−[5−(2−ピロリジン−1−イル−エチルアミノ)−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル]−ピリジン−3−イル}−アミン
【化47】

【0175】
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸N’−(3−ピロリジン−1−イル−プロピオニル)−ヒドラジド(138mg、0.27ミリモル)をDMA(2ml)に溶解し、次にPS−トリフェニル−ホスファン(424mg、1.6ミリモル、6当量)、トリクロロ−アセトニトリル(78mg、0.54ミリモル、2当量)、及びDIEPA(0.19ml、1.08ミリモル、4当量)を加えた。反応混合物を100℃で一晩攪拌し、次にろ過した。ろ液を直接分取HPLCにかけて26mgの所望の生成物を得た。LC−MS(方法A)[4.20分;495(M+1)]。
【0176】
実施例24:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−クロロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化48】

【0177】
DMSO(2ml)中の3−(2−クロロ−4−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(150mg、0.39ミリモル)の溶液に、C−(ジイミダゾール−1−イル)−メチレンアミン(124mg、0.77ミリモル、2当量)を加えた。反応混合物をRTでアルゴン下で一晩攪拌し、次に水に注いだ。生成物をろ過して単離した(135mg)。LC−MS(方法A)[5.22分;414(M+1)]。
【0178】
実施例25:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−アミン
【化49】

【0179】
DMSO(2ml)中の3−(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(150mg、0.54ミリモル、1当量)の溶液に、C−(ジイミダゾール−1−イル)−メチレンアミン(175mg、1.09ミリモル、2当量)を加えた。反応混合物をRTでアルゴン下で一晩攪拌し、次に水に注いだ。生成物をろ過して単離した(89mg)。LC−MS(方法A)[0.52分;302(M+1)]。
【0180】
実施例26:{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−カルバミン酸エチルエステル
【化50】

【0181】
DCM(5ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(500mg;1.34ミリモル;1当量)の溶液に、イソチオシアネートエチルエステル(2.0g;5.37ミリモル;1.1当量)を加えた。反応混合物をアルゴン下で4時間還流した。黄色の固体が沈殿し、これをろ過し、エタノール(20ml)に懸濁した。ヨードメタン(0.35mg;5.64ミリモル;1.05当量)を加え、反応混合物をまずRTで一晩攪拌し、次に2時間攪拌しながら80℃に加熱した。混合物から生成物をろ過して(1.1g)を得た。LC−MS(方法A)[5.33分;470(M+1)]。
【0182】
実施例27:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−1−オキシ−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化51】

【0183】
DMSO(2ml)中の3−(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニルアミノ)−1−オキシ−イソニコチン酸ヒドラジド(150mg、0.39ミリモル、1当量)の溶液に、C−(ジイミダゾール−1−イル)−メチレンアミン(124mg、0.78ミリモル、2当量)を加えた。反応混合物をRTでアルゴン下で一晩攪拌し、次に水に注いだ。生成物をろ過して単離した(80mg)。LC−MS(方法A)[4.68分;414(M+1)]。
【0184】
実施例28:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−6−エチニル−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化52】

【0185】
DMSO(2ml)中の2−エチニル−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(124mg、0.31ミリモル、1当量)の溶液に、C−(ジイミダゾール−1−イル)−メチレンアミン(101mg、0.63ミリモル、2当量)を加えた。反応混合物をRTでアルゴン下で一晩攪拌し、次に水に注いだ。生成した固体をろ過して単離し、メタノールで洗浄して生成物(30mg)を得た。LC−MS(方法A)[5.15分;422(M+1)]。
【0186】
実施例29:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(4−ヨード−2−メチル−フェニル)−アミン
【化53】

【0187】
DMSO(2ml)中の3−(4−ヨード−2−メチル−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(200mg、0.54ミリモル、1当量)の溶液に、C−(ジイミダゾール−1−イル)−メチレンアミン(175mg、1.09ミリモル、2当量)を加えた。反応混合物をRTでアルゴン下で一晩攪拌し、次に水に注いだ。生成した固体をろ過して単離し、メタノールで洗浄して生成物1(45mg)を得た。LC−MS(方法A)[4.90分;394(M+1)]。
【0188】
実施例30:[4−(5−エトキシ−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化54】

【0189】
エタノール(10ml)中の[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン(150mg、0.38ミリモル)の溶液に、KOH (212mg、3.78ミリモル)を加えた。反応混合物を3時間還流した。次に酢酸を加えてpHを5にした。揮発性物質を除去し、残渣をEtOAcに溶解し、5% 炭酸ナトリウムと食塩水で洗浄し、次に無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過し、溶媒を除去後、残りの粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン:EtOAc=1:1)にかけて、所望の生成物(45mg)を得た[5.08分;394(M+1)]。
【0190】
実施例31:5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸エチルエステル
【化55】

【0191】
ピリジン(10ml)中のアミノ{[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−カルボニル]−ヒドラゾノ}−酢酸エチルエステル(1.6g、3.4ミリモル)を140℃で3時間攪拌した。冷却し、水に注ぎ、EtOAcで抽出し、有機層を一緒にし、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を除去し、粗生成物を得て、これをシリカゲルカラム(Hex:EtOAc=1:1)にかけた。最終生成物1.02gを採取した[5.23分、454(M+1)]。
【0192】
実施例32:{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル}−メタノール
【化56】

【0193】
THF(3ml)中のアミノ5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸エチルエステル(150mg、0.33ミリモル、1当量)の溶液に、LiBH4(10.8mg、0.5ミリモル、1.5当量)を加えた。反応混合物をRTで一晩攪拌した。溶媒を留去し、残渣をEtOAcに溶解し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を除去し、粗生成物を分取HPLCで精製して、所望の生成物(41mg)を得た[5.57分、454(M+1)]。
【0194】
実施例33:[4−(5−アミノ−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−ピリジン−3−イル]−(4−ヨード−2−メチル−フェニル)−アミン
【化57】

【0195】
密封試験管中のピリジン(2ml)中の3−(4−ヨード−2−メチル−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(120mg、0.33ミリモル、1当量)とC−メチルスルファニル−メタンジアミン塩酸塩(104mg、0.47ml、1.45当量)の反応混合物を、攪拌しながら4時間140℃に加熱した。冷却後、これを水に注ぎ、EtOAcで抽出し、一まとめにした有機画分を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過と溶媒除去後、起こりの粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン:EtOAc=1:1)にかけて、所望の生成物(35mg)を得た[4.26分;393(M+1)]。
【0196】
実施例34:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニル)−アミン
【0197】
【化58】

【0198】
DMSO(2ml)中の3−(4−ブロモ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(200mg、0.62ミリモル、1当量)の溶液に、C−(ジイミダゾール−1−イル)−メチレンアミン(198mg、1.23ミリモル、2当量)を加えた。反応混合物をRTでアルゴン下で一晩攪拌した。次にこれを水に注ぎ、沈殿した固体をろ過し、メタノールで洗浄して所望の生成物(195mg)を得た。LC/MS(方法A)[0.62分;351(M+1)]。
【0199】
実施例35:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−アミン
【化59】

【0200】
DMSO(2ml)中の3−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(200mg、0.59ミリモル、1当量)の溶液に、C−(ジイミダゾール−1−イル)−メチレンアミン(188mg、1.17ミリモル、2当量)を加えた。反応混合物をRTでアルゴン下で一晩攪拌し、次に水に注いだ。沈殿した固体をろ過し、メタノールで洗浄して所望の生成物(125mg)を得た。LC/MS(方法A)[4.77分;367(M+1)]。
【0201】
実施例36:5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−カルボン酸エチルエステル
【化60】

【0202】
DMF中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸(1000mg、2.79ミリモル、1.00当量)とジイミダゾール−1−イル−メタノン(543mg、3.35ミリモル、1.20当量)の反応混合物を、RTでアルゴン下で4時間攪拌した。次にヒドロキシルアミノ−イミノ−酢酸エチルエステル(612mg,4.19ミリモル、1.5当量)を加え、反応混合物を一晩攪拌し、次に水で希釈した。黄色の沈殿物が生成し、これをろ過して生成物(785mg)を得た[5.46分;455(M+1)]。
【0203】
実施例37:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル−ピリジン−3−イル)−アミン
【化61】

【0204】
THF−H2O(1:1)(20ml)中の5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−カルボン酸エチルエステル(1.8g、3.96ミリモル)の溶液に、LiOH(0.19g,7.93ミリモル)を加えた。反応混合物をRTで2時間攪拌した。1N HClでpHを5に調整し、混合物を水で希釈した。固体が沈殿し、これをろ過して生成物(1.4g)を得た。LC/MS(方法A)[4.39分;383(M+1)]。
【0205】
実施例38:{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル}−メタノール
【化62】

【0206】
THF(6ml)中の{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,2,4]オキサジアゾール−3−カルボン酸エチルエステル(768mg、1.69ミリモル、1当量)の溶液に、LiBH4(55mg、2.54ミリモル、1.5当量)を加えた。反応混合物をRTで一晩攪拌し、溶媒を留去した。残渣をEtOAcに溶解し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、溶媒を除去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:CH2Cl2:MeOH 70:1)にかけて、純粋な生成物(497mg)を得た[5.01分、413(M+1)]。
【0207】
実施例39:{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−カルボン酸エチルエステル
【化63】

【0208】
ピリジン(0.55g、6.99ミリモル、2.66当量)を含有するDCM(20ml)中の{N’−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−カルボニル]−ヒドラジノ}−オキソ−酢酸エチルエステル(1.27g、2.69ミリモル、1.0当量)の溶液に、二塩化チオニル(0.26ml、3.5ミリモル;1.30当量)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で2時間攪拌した。溶媒を留去し、トルエンを加え、反応混合物を110℃で6時間攪拌した。溶媒を除去すると残渣が得られ、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:Hex=1:2)にかけて所望の生成物(0.50g)を得た[5.32分;455(M+1)]。
【0209】
実施例40:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−(4−[1,3,4]オキサジアゾール−2−ピリジン−3−イル)−アミン
【0210】
【化64】

【0211】
THF−H2O(1:1)(5ml)中の{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−カルボン酸エチルエステル(200mg、0.44ミリモル)の溶液に、LiOH(32mg、1.32ミリモル)を加えた。反応混合物を2時間攪拌し、次に1N HClでpHを5に調整した。水で希釈すると、固体が沈殿した。ろ過して所望の生成物(89mg)を得た。LC/MS(方法A)[0.48分;383(M+1)]。
【0212】
実施例41:[4−(5−アミノ−4H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化65】

【0213】
密封試験管中のピリジン(2ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(100mg、0.27ミリモル、1当量)とC−メチルスルファニル−メタンジアミン塩酸塩(86mg、0.39ミリモル、1.45当量)の反応混合物を、4時間140℃に加熱した。冷却後混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出し、一まとめにした有機画分を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過し溶媒を留去後、生じた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:Hex=1:1)にかけて、所望の生成物(46mg)を得た[4.99分;397(M+1)]。
【0214】
実施例42:[4−(5−ジメチルアミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化66】

【0215】
アセトニトリル中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸N’−ホルムアミドヒドラジド(100mg、0.23ミリモル、1当量)の溶液に、PS−トリフェニル−ホスファン(236mg、0.9ミリモル、4当量)、トリクロロ−アセトニトリル(0.09mg、0.9ミリモル、4当量)、及びDIEPA(0.16ml、0.9ミリモル、4当量)を加えた。反応混合物を100℃で4時間攪拌した。ろ過後、生じた溶液を直接分取HPLCにかけて、所望の生成物(45mg)を得た。LC−MS(方法A)[4.70分;426(M+1)]。
【0216】
実施例43:{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−酢酸メチルエステル
【化67】

【0217】
DCM(20ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(1.50g、4.03ミリモル、1.0当量)の溶液に、イソシアネートエチルエステル(0.58ml、4.43ミリモル;1.1当量)を加えた。反応混合物をアルゴン下で4時間還流した。黄色の固体が沈殿し、これをろ過して2.05gの中間体を得た。1.0g(1.99ミリモル;1当量)のこの中間体をエタノール(20ml)に懸濁し、ヨードメタン(0.13ml;2.09ミリモル;1.05当量)を加えた。反応混合物をRTで一晩攪拌し、ろ過し、固体を単離した。100mg(0.19ミリモル)のこの固体をエタノール(3ml)に懸濁し、80℃に2時間加熱した。ろ過して所望の生成物(20mg)を得たLC/MS(方法A)[5.09分;470(M+1)]。
【0218】
実施例44:2−{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−エタノール
【化68】

【0219】
THF(5ml)中の{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−酢酸メチルエステル(400mg、0.85ミリモル、1当量)の溶液に、LiBH4(37mg、1.7ミリモル、2当量)を加えた。反応混合物をRTで20時間攪拌し、次にメタノールでクエンチして、次に水を加えた。溶媒を部分的に除去し、EtOAcを加えた。固体が沈殿し、これをろ過して所望の生成物(190mg)を得た。LC/MS(方法A)[4.48分、442(M+1)]。
【0220】
実施例45:{5ー[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−酢
【化69】

【0221】
THF−H2O(1:1)(2ml)中の{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−酢酸メチルエステル(262mg、0.56ミリモル、1当量)の溶液に、LiOH(27mg、1.12ミリモル、2当量)を加えた。反応混合物をRTで2時間攪拌した。溶媒を部分的に除去し、さらに水を加えた。混合物をエーテルで洗浄し、水層のpHを1N HClで3に調整した。固体が沈殿し、ろ過して所望の生成物(190mg)を得た。LC/MS(方法A)[4.83分;456(M+1)]。
【0222】
実施例46:2−{5ー[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−アセトアミド
【化70】

【0223】
DMF中の{5ー[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−酢酸(75mg、0.16ミリモル、1当量)の溶液に、CDI(35mg、0.21ミリモル、1.3当量)を加えた。反応混合物をRTでアルゴン下で3時間攪拌し、次に酢酸アンモニウム(30mg、0.41ミリモル、2.5当量)を加えた。混合物をさらに2時間攪拌した。生じた混合物を直接分取HPLCで精製して、所望の生成物(35mg)を得た。LC/MS(方法A)[4.57分;455(M+1)]。
【0224】
実施例47:2−{5ー[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−N,N−ジメチル−アセトアミド
【化71】

【0225】
DMF中の{5ー[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−酢酸(75mg、0.16ミリモル、1当量)の溶液に、CDI(35mg、0.21ミリモル、1.3当量)を加えた。反応混合物をRTでアルゴン下で3時間攪拌し、次にジイソプロピルエチルアミン(352mg、0.41ミリモル、2.5当量)を加え、ジメチルアミン塩酸塩(40mg、0.41ミリモル、2.5当量)を加え、混合物をさらに2時間攪拌した。これをを直接分取HPLCで精製して、所望の生成物(35mg)を得た。LC/MS(方法A)[4.87分;483(M+1)]。
【0226】
実施例48:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−5−フルオロ−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化72】

【0227】
DMSO(2ml)中の3−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(100mg、0.26ミリモル、1当量)の溶液に、C−(ジイミダゾール−1−イル)−メチレンアミン(123mg、0.77ミリモル、3当量)を加えた。反応混合物をRTでアルゴン下で一晩攪拌し、次に水に注いだ。沈殿した固体をろ過し、メタノールで洗浄して所望の生成物(65mg)を得た。LC/MS(方法A)[5.19分;416(M+1)]。
【0228】
実施例49:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−(4−{5−[(テトラヒドロ−フラン−2−イルメチル)−アミノ]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル}−ピリジン−3−イル}−アミン
【化73】

【0229】
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸 N’−(テトラヒドロ−2−イルメチル)−チオ尿素−ヒドラジド(200mg、0.39ミリモル、1当量)、ヨウ化メチル(0.03ml、0.5ミリモル、1.3当量)、及びDIEPA(0.2ml、0.58ミリモル、1.5当量)の反応混合物をRTで一晩攪拌した。次にこれを2時間85℃に加熱した。溶媒を部分的に除去すると、固体が沈殿した。これをろ過して所望の生成物(105mg)を単離した。LC−MS(方法A)[5.72分;482(M+1)]。
【0230】
実施例50:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−{4−{5−[(テトラヒドロ−フラン−2−イルメチル)−アミノ]−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル}−ピリジン−3−イル}−アミン
【化74】

【0231】
DMA(2ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸N’−(テトラヒドロ−フラン−2−イルメチル)−チオ尿素−ヒドラジド(260mg、0.50ミリモル)の溶液に、PS−トリフェニル−ホスファン(794mg、3.03ミリモル)、トリクロロ−アセトニトリル(146mg;1.01ミリモル)、及びDIEPA(0.26ml、1.51ミリモル)を加えた。反応混合物を80℃で4時間攪拌し、次にろ過し、溶媒を除去した。残渣をMeOHで洗浄して生成物(97mg)を得た。LC−MS(方法A)[5.31分;498(M+1)]。
【0232】
実施例51:5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−4−(テトラヒドロ−フラン−3−イルメチル)−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−チオン
【化75】

【0233】
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸N’−(テトラヒドロ−フラン−2−イルメチル)−チオ尿素−ヒドラジド(100mg、0.19ミリモル)を1N水酸化ナトリウム(1ml)で処理した。密封試験管中で反応混合物を2時間110℃に加熱した。次に混合物を1N塩酸で中和し、ろ過し、生じた固体をメタノールで洗浄して所望の生成物(17mg)を得た。LC/MS(方法A)[5.01分;498(M+1)]。
【0234】
実施例52:2−{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−プロピオン酸エチルエステル
【化76】

【0235】
3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸N’−チオカルバミン酸エチルエステル(600mg、1.13ミリモル、1当量)、ヨウ化メチル(0.09ml、1.47ミリモル、1.3当量)、及びDIEPA(0.3ml、1.69ミリモル、1.5当量)の混合物をRTで2時間攪拌した。これを85℃で2時間加熱した。溶媒を部分的に除去すると固体が沈殿し、これをろ過して生成物(75mg)を得た。LC/MS(方法A)[5.22分;498(M+1)]。
【0236】
実施例53:2−{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−プロピオン酸
【化77】

【0237】
THF−H2O(1:1)(0.5ml)中の2−{5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イルアミノ}−プロピオン酸エチルエステル(45mg、0.09ミリモル、1当量)とLiOH(5mg、0.18ミリモル、2当量)の混合物をRTで2時間攪拌した。1N HClでpHを5に調整し、混合物をEtOAcで希釈し、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過し、溶媒を除去すると残渣が得られ、これをエーテルで洗浄して所望の生成物(41mg)を得た。LC/MS(方法A)[5.04分;470(M+1)]。
【0238】
中間体4:2−(3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)イソニコチノイル)ヒドラジンカルボチオアミド
【化78】

【0239】
3−[(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)アミノ]イソニコチン酸(360mg;1.01ミリモル)の溶液に、1,1’−カルボニルビス(1H−イミダゾール)(196mg;1.2ミリモル)を加えた。混合物を一晩攪拌した。濃黄色の溶液をチオセミカルバジド(110mg;1.21ミリモル)で処理した。反応混合物を室温で一晩攪拌した。水(10ml)を加え、酢酸エチルで抽出した。濃縮しFlashmasterで精製して2−{3−[(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)イソニコチノイル)ヒドラジンカルボチオアミド(300mg、69%)を得た。MS m/z:432 M+1。
【0240】
実施例54:[4−(5−アミノ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化79】

【0241】
DMF(5.00ml)中の2−{3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]イソニコチノイル}ヒドラジンカルボチオアミド(220mg;0.51ミリモル)の溶液に、樹脂結合トリフェニルホスフィン(401mg;1.53ミリモル)、4臭化炭素テトラブロモメタン(508mg;1.53ミリモル)、及びトリエチルアミン(180mg;1.53ミリモル)を加えた。混合物を50℃に5時間加熱した。ろ過し、Agilent 分取HPLCシステムで精製して、10mgの[4−(5−アミノ−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミンを得た。MS m/z;414M+1。
【0242】
中間体5:2−(3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)イソニコチノイル)−N−メチルヒドラジンカルボキサミド
【化80】

【0243】
メタノール(10ml)中の3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]イソニコチノヒドラジド(200mg;0.54ミリモル)の懸濁液に、(メチルイミノ)(オキソ)メタン(61mg;1.07ミリモル)(メチルイソシアネート)を加えた。数分後、反応混合物は均一になり、次に黄色の固体2−{3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]イソニコチノイル)−N−メチルヒドラジンカルボキサミド(30mg)が分離した。ろ液を濃縮すると158mgが得られ、これも純粋であった(208mg、90%)、MS m/z:429 M+1。
【0244】
実施例55:5−[3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン
【0245】
【化81】

【0246】
水(3ml)中の2−{3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]イソニコチノイル}−N−メチルヒドラジンカルボキサミド(165mg;0.38ミリモル)の懸濁液に、1N NaOH(3ml)を加えた。混合物は均一になった。反応混合物を120℃で3日間加熱した。反応の進行をLCMSにより追跡した。溶媒の濃縮と繰り返し精製により、10mgの5−[3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−4−メチル−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オンが得られた。質量:MS m/z;412M+1。
【0247】
実施例56:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−ピリジン−3−イル)−アミン
【化82】

【0248】
THF−H2O(1:1)中の3−{3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]ピリジン−4−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−カルボン酸エチル(1.80g;3.96ミリモル;1.00当量)の溶液に、水酸化リチウム(0.19g;7.93ミリモル)を加え、室温で2時間攪拌した。処理後、1.42gの(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−(4−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル−ピリジン−3−イル)−アミンが収率92%で得られた。MS m/z;383+1。
【0249】
中間体6:3−ブロモ−5−フルオロ−イソニコチン酸
【化83】

【0250】
THF(200ml)中のジイソプロピルアミン(4.4ml、31.3ミリモル)の溶液に、n−ブチルリチウム(12.5ml、THF中2.5M、31.3ミリモル)をゆっくり0℃で加え、15分攪拌し、次に−78℃に冷却した。3−ブロモ−5−フルオロピリジン(5.0g、28.4ミリモル)を固体として加え、生じた溶液を−78℃で10分攪拌した。ガス状二酸化炭素をカニューレを介して溶液中に30分バブリングさせ、生じた溶液を2時間攪拌して、−78℃から室温に加温した。ロータリーエバポレーターで反応溶液を濃縮し、2M NaOHで希釈し、EtOAcで洗浄した。水溶液を1M HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。有機抽出物を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して所望の生成物(4.75g、76%)を固体として得た。
【0251】
中間体7:3−ブロモ−5−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸
【化84】

【0252】
THF(100ml)中の2−フルオロアニリン(3.5ml、36.4ミリモル)の溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(54.6ml、THF中1.0M、54.6ミリモル)を−78℃で加えた。生じた溶液を−78℃に1時間冷却した。3−ブロモ−5−フルオロ−イソニコチン酸(1)(4.0g、18.2ミリモル)を固体として加え、反応溶液を室温で48時間攪拌した。ロータリーエバポレーターで反応溶液を濃縮し、飽和重炭酸ナトリウムで希釈し、EtOAcで洗浄した。水溶液を濃塩酸で酸性にした。生じた沈殿物をろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して所望の生成物(4.2g、74%)を黄色の固体として得た。
【0253】
中間体8:3−ブロモ−5−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸
3−ブロモ−5−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル
【化85】

【0254】
THF/MeOH(72ml、9/1、v/v)中の3−ブロモ−5−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸(4.2g、13.5ミリモル)の溶液に、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(8.1ml、THF中2M、16.2ミリモル)を加え、室温で2時間攪拌した。反応溶液を酢酸でクエンチし、次に濃縮した。粗生成物をBiotageにより、ヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配で溶出して精製し、所望の生成物(4.1g、94%)を黄色の固体として得た。
【0255】
中間体9:3−(2−クロロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル
【化86】

【0256】
3−ブロモ−5−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル(250mg、0.77ミリモル)、2−クロロフェニルボロン酸(0.18g、1.2ミリモル)、Pd(OAc)2(10mg、0.025ミリモル)、S−Phos(20mg、0.05ミリモル)、及びK2CO3(0.32g、2.3ミリモル)を、ジオキサン/H2O (1.65ml、9/1、v/v)に懸濁し、100℃で一晩攪拌した。反応溶液をEtOAcで希釈し、Extrelutカラムでろ過した。カラムをEtOAcで洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をBiotageにより、ヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配で溶出して精製し、所望の生成物(220mg、80%)を黄色の油状物として得た。LC−MS(M+H=357、obsd.=357)。
【0257】
中間体10:3−(2−クロロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル
【化87】

【0258】
N−ヨードスクシンイミド(236mg、1.05ミリモル)とp−トルエンスルホン酸一水和物(400mg、2.1ミリモル)を、3−(2−クロロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル(300mg、0.84ミリモル)の溶液に加え、60℃で一晩攪拌した。反応混合物をNa223(1ml、10%水溶液)でクエンチし、CH2Cl2で希釈し、Extrelutカラムでろ過した。カラムをCH2Cl2で洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をBiotageにより、ヘキサン中0〜55%EtOAcの勾配で溶出して精製し、所望の生成物(343mg、85%)を得た。LC−MS(M+H=483、obsd.=483)。
【0259】
中間体11:3−(2−クロロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸
【化88】

【0260】
MeOH(3ml)中の3−(2−クロロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル(343mg、0.71ミリモル)の溶液に、NaOH(3.6ml、H2O中2M溶液、7.2ミリモル)を加え、60℃で一晩攪拌した。MeOHを除去し、水溶液を濃塩酸で酸性化した。生じた沈殿物をろ過し、H2Oで洗浄し、真空下で乾燥して、所望の生成物(253mg、76%)を得た。LC−MS(M+H=469、obsd.=469)。
【0261】
中間体12:3−(2−クロロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド
【化89】

【0262】
DMSO(1ml)中の上記からの3−(2−クロロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸(40mg、0.09ミリモル)の溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(21mg、0.13ミリモル)を加え、60℃で一晩攪拌した。ヒドラジン水和物(13mg、0.27ミリモル)を加え、反応溶液を60℃でさらに4時間攪拌した。H2Oで反応溶液をクエンチし、EtOAcで希釈し、Extrelutカラムでろ過した。カラムをEtOAcで洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をBiotageにより、ヘキサン中0〜70%EtOAcの勾配で溶出して精製し、所望の生成物(17mg、41%)を得た。LC−MS(M+H=483、obsd.=438)。
【0263】
実施例57:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−5−(2−クロロ−フェニル)−ピリジン−3−イル(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化90】

【0264】
DMSO(1ml)中の3−(2−クロロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(7)(17mg、0.04ミリモル)の溶液にシアン酸フェニル(5mg、0.04ミリモル)を加え、室温で一晩攪拌した。反応溶液をH2Oでクエンチした。生じた沈殿物をろ過し、H2Oで洗浄し、真空下で乾燥して、所望の生成物(5mg、28%)を得た。LC−MS(M+H=508、obsd.=508)。1H NMR:δ8.92 (s, 1H), 8.47 (d, 1H), 8.03 (d, 1H), 7.74 (dd, 1H), 7.55 (m, 2H), 7.43 (m, 3H), 7.24 (t, 1H), 7.11 (s, 2H)。
【0265】
中間体13:3−(2−フルオロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル
【化91】

【0266】
3−ブロモ−5−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル(1.25g、3.84ミリモル)、2−フルオロフェニルボロン酸(0.81g、5.77ミリモル)、Pd(OAc)2(30mg、0.12ミリモル)、S−Phos(90mg、0.24ミリモル)、及びK2CO3(1.6g、11.5ミリモル)をジオキサン/H2O(9ml、9/1、v/v)に懸濁し、100℃で一晩攪拌した。反応溶液をEtOAcで希釈し、Extrelutカラムでろ過した。カラムをEtOAcで洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をBiotageにより、ヘキサン中0〜50%EtOAcの勾配で溶出して精製し、所望の生成物(680mg、52%)を得た。LC−MS(M+H=341、obsd.=341)。
【0267】
中間体14:3−(2−フルオロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル
【化92】

【0268】
N−ヨードスクシンイミド(400mg、1.76ミリモル)とp−トルエンスルホン酸一水和物(670mg、3.53ミリモル)を、3−(2−フルオロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル(480mg、1.41ミリモル)の溶液に加え、60℃で一晩攪拌した。反応混合物をNa223(1ml、10%水溶液)でクエンチし、CH2Cl2で希釈し、Extrelutカラムでろ過した。カラムをCH2Cl2で洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をBiotageにより、ヘキサン中0〜55%EtOAcの勾配で溶出して精製し、所望の生成物(516mg、78%)を得た。LC−MS(M+H=467、obsd.=467)。
【0269】
中間体15:3−(2−フルオロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸
【化93】

【0270】
MeOH(3ml)中の3−(2−フルオロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸メチルエステル(300mg、0.64ミリモル)の溶液に、NaOH(3.2ml、H2O 中2M溶液、6.4ミリモル)を加え、60℃で一晩攪拌した。MeOHを除去し、水溶液を濃塩酸で酸性化した。生じた沈殿物をろ過し、H2Oで洗浄し、真空下で乾燥して、所望の生成物(215mg、74%)を得た。LC−MS(M+H=453、obsd.=453)。
【0271】
中間体16:3−(2−フルオロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド
【化94】

【0272】
DMSO(1ml)中の3−(2−フルオロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸(40mg、0.09ミリモル)の溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(21mg、0.13ミリモル)を加え、60℃で一晩攪拌した。ヒドラジン水和物(13mg、0.27ミリモル)を加え、反応溶液を60℃でさらに4時間攪拌した。H2Oで反応溶液をクエンチし、EtOAcで希釈し、Extrelutカラムでろ過した。カラムをEtOAcで洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をBiotageにより、ヘキサン中0〜70%EtOAcの勾配で溶出して精製し、所望の生成物(22mg、53%)を得た。LC−MS(M+H=467、obsd.=467)。
【0273】
実施例58:[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−5−(2−フルオロ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化95】

【0274】
DMSO(1ml)中の3−(2−フルオロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸ヒドラジド(22mg、0.05ミリモル)の溶液にシアン酸フェニル(6mg、0.05ミリモル)を加え、室温で一晩攪拌した。反応溶液をH2Oでクエンチした。生じた沈殿物をろ過し、H2Oで洗浄し、真空下で乾燥して、所望の生成物(15mg、65%)を得た。LC−MS(M+H=492、obsd.=492)。1H NMR:δ 8.78 (s, 1H), 8.43 (d, 1H), 8.11 (d, 1H), 7.73 (dd, 1H), 7.44 (m, 3H), 7.30 (m, 3H), 7.14 (s, 2H)。
【0275】
中間体17:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−5−(2−フルオロ−フェニル)−イソニコチンアミド
【化96】

【0276】
DMSO(1ml)中の3−(2−フルオロ−フェニル)−5−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−イソニコチン酸(130mg、0.29ミリモル)の溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(70mg、0.43ミリモル)を加え、60℃で一晩攪拌した。酢酸アンモニウム(89mg、1.15ミリモル)を加え、反応溶液を60℃でさらに4時間攪拌した。H2Oで反応溶液をクエンチし、EtOAcで希釈し、Extrelutカラムでろ過した。カラムをEtOAcで洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をBiotageにより、ヘキサン中0〜70%EtOAcの勾配で溶出して精製し、所望の生成物(78mg、60%)を得た。LC−MS(M+H=452、obsd.=452)。
【0277】
中間体18:3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−5−(2−フルオロ−フェニル)−イソニコチノニトリル
【化97】

【0278】
ジオキサン(2ml)中の3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−5−(2−フルオロ−フェニル)−イソニコチンアミド(78mg、0.17ミリモル)の溶液に、ピリジン(28μl、0.35ミリモル)と無水トリフルオロ酢酸(27μl、0.19ミリモル)を0℃で加えた。生じた溶液を室温で3時間攪拌した。反応を2M NaOHでクエンチし、10分攪拌した。反応溶液をEtOAcと飽和NH4Clで希釈し、Extrelutカラムでろ過した。カラムをEtOAcで洗浄し、ろ液を濃縮して沈殿物を得た。沈殿物をMeOHで洗浄し、真空下で乾燥して、所望の生成物(60mg、80%)を得た。LC−MS(M+H=434、obsd.=434)。
【0279】
実施例59:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[5−(2−フルオロ−フェニル)−4−(5−トリメチルシラニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン
【化98】

【0280】
THF(1ml)中の(トリメチルシリル)ジアゾメタン(35μl、THF中2.0M、0.07ミリモル)の溶液にN−ブチルリチウム(28μl、THF中2.5M、0.07ミリモル)を0℃で加え、20分攪拌した。3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−5−(2−フルオロ−フェニル)−イソニコチノニトリル(20mg、0.05ミリモル)を加え、生じた溶液を室温で一晩攪拌した。反応溶液をEtOAcと飽和NH4Clで希釈し、Extrelutカラムでろ過した。カラムをEtOAcで洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をBiotageにより、ヘキサン中0〜75%EtOAcの勾配で溶出して精製し、所望の生成物(10mg、40%)を得た。LC−MS(M+H=548、obsd.=548)。
【0281】
実施例60:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[5−(2−フルオロ−フェニル)−4−(1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン
【化99】

【0282】
MeOH(1ml)中の(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[5−(2−フルオロ−フェニル)−4−(5−トリメチルシラニル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン(10mg、0.02ミリモル)の溶液に、NaOH(50μl、H2O中2.0M、0.09ミリモル)を加え、50℃で一晩攪拌した。反応を飽和NH4Clでクエンチし、EtOAcで希釈し、Extrelutカラムでろ過した。カラムをEtOAcで洗浄し、ろ液を濃縮した。粗生成物をBiotageにより、ヘキサン中0〜75%EtOAcの勾配で溶出して精製し、所望の生成物(6mg、69%)を黄色の固体として得た。LC−MS(M+H=476、obsd.=476)。1H NMR:δ8.51 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.62 (dd, 1H), 7.44 (m, 1H), 7.38 (m, 2H), 7.28 (m, 2H), 7.19 (t, 1H), 6.99 (s, 1H)。
【0283】
中間体19:2−フルオロ−4−(トリメチルシリル)アニリン
【化100】

【0284】
−78℃の無水エーテル(20ml)中の2−フルオロ−4−ヨードアニリン(5g、21.1ミリモル)の攪拌溶液に、ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、25ml)を窒素下で滴下して加えた。混合物を−78℃で1時間攪拌した。液体TMSCl(13.8ml、105.5ミリモル)とDMAPを混合物中に加えた。反応物を5時間で周囲温度まで加温した。次にEt3N(4ml)とMeOH(8ml)をゆっくり加えて、反応をクエンチした。混合物をエーテルで希釈し、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。100℃の真空蒸留(1〜2mmHg)で純粋な生成物を得た(3.0g、78%収率)。LC/MS[方法A:rt:5.75分;m/z:184(M+1)]。
【0285】
中間体20:4−クロロ−N−[2−フルオロ−4−(トリメチルシリル)フェニル]ピリジン−3−アミン
【化101】

【0286】
無水トルエン25ml中の4−クロロ−3−ヨードピリジン(1.37g、5.73ミリモル)の溶液に、Pd(OAc)2(122.5mg、0.55ミリモル)、rac−BINAP(0.34g、0.55ミリモル)、Cs2CO3(8.9g、27.3ミリモル)、及び2−フルオロ−4−(トリメチルシリル)アニリン(1g、5.45ミリモル)を連続して加えた。混合物を窒素で2回脱気した。次に混合物を130℃で窒素下で3日間還流した。混合物をろ過し、ろ液をEtOAcで希釈し、H2O、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を濃縮し、生じた残渣をフラッシュカラムで20%EtOAc−ヘキサン(ヘキサン中0.3% Et3N)で精製して、所望の付加物(1.14g、70.1%)を得た。LC/MS[方法A:rt:6.14分;m/z:295(M+1)]。
【0287】
Suzukiカプリングの一般的方法:
(Ding, S.; Gray, N.S.; Wu, X; Ding, Q; Schultz, P.G. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 1594-1596)
【0288】
中間体21:(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニル)−[4−(2−H−ピラゾール−3−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン
【化102】

【0289】
4−クロロ−N−[2−フルオロ−4−(トリメチルシリル)フェニル]ピリジン−3−アミン(70mg、0.24ミリモル)(0.95g、6.8ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(21.7mg、0.02ミリモル)、1,3−ジメシチル−1H−イミダゾ−3−リウムクロリド(16.2mg、0.05ミリモル)、及び炭酸セシウム(2.76g、8.5ミリモル)を、攪拌棒を取り付けた密封試験管中に入れた。密封試験管を窒素で脱気後、無水ジオキサン(14ml)を加えた。混合物を130℃で一晩加熱した。次に混合物をシリカゲルで同時ロータバップし、シリカゲルのクロマトグラフィーにかけた。所望の生成物が純粋な形で得られた(63.2mg、63%)。MS:mz/:327(M+1)。
【0290】
ヨード化の一般的方法
実施例61:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(2H−ピラゾール−3−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン
【化103】

【0291】
DCM(0.5ml)中の(2−フルオロ−4−トリメチルシラニル−フェニル)−[4−(2H−ピラゾール−3−イル)−ピリジン−3−アミン(45mg、0.14ミリモル)の溶液に、ICl(2M、0.21ml、0.41ミリモル)を滴下して加えた。混合物をRTで一晩攪拌した。次に混合物をDCMで希釈し、NA223(10%)、水、食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を濃縮し、生じた残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、生成物を39%の収率(52.4mg)で得た。LC/MS[方法A:rt:5.43分;m/z:381(M+1)]。
【0292】
中間体22:3−{[2−フルオロ−4−(トリメチルシリル)フェニル]アミノ}イソニコチノニトリル
【化104】

【0293】
4−クロロ−N−[2−フルオロ−4−(トリメチルシリル)フェニル]ピリジン−3−アミン(122mg、0.41ミリモル)、Zn(CN)2(49mg、0.41ミリモル)、及びPd(Ph34(48mg、0.04ミリモル)を、攪拌棒を取り付けた密封試験管中に入れた。密封試験管を真空で脱気後、窒素を3回再充填し、次に無水DMF(2ml)を加えた。混合物を130℃で12時間加熱した。(Alterman, M; Hallberg, A. J. Org. Chem. 2000, 65, 7984-7989)混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、固体硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を濃縮した。生じた残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて所望の生成物を97%の収率で得た(118mg)。LC/MS[方法B:rt:6.71分;m/z:286(M+1)]。
【0294】
中間体23:3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]イソニコチノニトリル
【化105】

【0295】
上記ヨード化の一般的方法に従って、3−{[2−フルオロ−4−(トリメチルシリル)フェニル]アミノ}イソニコチノニトリルから標題の化合物を調製した。LC/MS[方法A:rt:5.00分;m/z:340(M+1)]。
【0296】
実施例62:N−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−4−(1H−テトラゾ−5−リル)ピリジン−3−アミン
【化106】

【0297】
3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]イソニコチノニトリル(100mg、0.29ミリモル)、塩化アンモニウム(28mg、0.52ミリモル)、及びアジ化ナトリウム(35mg、0.54ミリモル)を、攪拌棒を取り付けた密封試験管中に入れた。密封試験管を真空で脱気後、窒素を3回再充填し、次に無水DMF(3ml)を加えた。混合物を100℃で3日間加熱した。混合物を飽和重炭酸ナトリウムで希釈し、EtOAcで洗浄した。水相を濃塩酸でpH<1に酸性化し、EtOAcで洗浄した。水層を乾燥して所望の生成物を得た。LC/MS[方法B:rt:6.008分;m/z:383(M+1)]。
【0298】
実施例63:N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−4−[5−(トリメチルシリル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル]ピリジン−3−アミン
【化107】

【0299】
0℃のエーテル(2ml)中のTMSジアゾメタン(2M、90μl、0.18ミリモル)の溶液に、ブチルリチウム(2.5M、72μl、0.18ミリモル)を滴下して加えた。混合物を0℃で20分攪拌した。次に3−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]イソニコチノニトリル(50mg、0.15ミリモル)を溶液に加えた。反応物を室温まで加温し、3日間進行させた。混合物をエーテルで希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液、水で洗浄し、固体硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を濃縮し、生じた残渣をシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて所望の生成物を40%の収率で得た(27mg)。LC/MS[方法A:rt:0.40分;m/z:454(M+1)]。
【0300】
実施例64:N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−4−[1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル]ピリジン−3−アミン
【化108】

【0301】
N−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−4−[5−(トリメチルシリル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル]ピリジン−3−アミン(20mg、0.044ミリモル)を、THF(0.5ml)中のNaOHの溶液(3.5mg、0.088ミリモル)に5日間加えた。混合物をMeOHで希釈し、酸性樹脂(Dowex)でpH7に中和した。ろ過後、ろ液を濃縮して純粋な生成物を得た(11.5mg、69%)。LC/MS[方法A:rt:0.40分;m/z:381(M+1)]。
【0302】
中間体24:4−クロロ−N−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)ピリジン−3−アミン
【化109】

【0303】
上記ヨード化の一般的方法に従って、4−クロロ−N−[2−フルオロ−4−(トリメチルシリル)フェニル]ピリジン−3−アミンから標題の化合物を調製した。LC/MS[方法B:rt:6.28分;m/z:349(M+1)]。
【0304】
実施例65:(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(1H−ピラゾール−4−イル)−ピリジン−3−イル]アミン
【化110】

【0305】
上記Suzukiカプリング条件に従って、4−クロロ−N−[2−フルオロ−4−(トリメチルシリル)フェニル]ピリジン−3−アミンから標題の化合物フェノールを調製した。次に生じたトリメチルシリル化化合物をヨード化条件(上記の一般的方法参照)に付して標題の化合物を得た。LC/MS[方法A:rt:4.48分;m/z:381(M+1)]。
【0306】
実施例66:4−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン
【化111】

【0307】
上記と同じ方法に従って標題の化合物を調製した。LC/MS[方法A:rt:0.51分;m/z:410(M+1)]。
【0308】
機能的アッセイ
アッセイ1:MEK1酵素アッセイ(LANCE−HTRF)
ヒトMEK1キナーゼ活性の阻害を、均一蛍光ベースアッセイで追跡した。このアッセイは時間分解蛍光共鳴エネルギー移動を使用して、MEK1によるERK1のリン酸化について試験する。詳細な方法は以下の通りである:
【0309】
構成的活性MEK1EE(150ng/ウェル)とERK−2K52A(110ng/ウェル)を、増加する濃度のインヒビターの存在下で黒い384ウェルOptiplate(Perkin Elmer)中で室温で1.5時間インキュベートした。総反応容量は50μlであった。インヒビターをキナーゼ緩衝液(9μM ATP、50mMトリス−塩酸(pH8.0)、10mM MgCl2、1mM DTT、及び100μM Na3VO4)で最終濃度1% DMSOまで連続希釈した。インキュベーションの最後に、50mMトリス−塩酸、50mM EDTA、0.1% BSA、及び混合物[1.25μg/mlユーロピウム標識抗ホスホチロシンmAb(Perkin-Elmer)と5μg/mlのアロフィコシアニン標識抗GST抗体(CIS−US)を含有]を含有する50μlのアッセイ緩衝液を加えることにより反応をクエンチした。プレートシェーカー上でプレートを30分攪拌し、ERK−2K52A基質のリン酸化を、VICTOR V蛍光プレートリーダーで340nm励起と665nm(ユーロピウム)/615nm(APC)発光フィルターで均一時間分解蛍光(HTRF)により測定した。リン酸化は665nMシグナル×10,000/615nMシグナルの比として表される。化合物の阻害能力を評価するために、IC50値を測定した。結果を表1のカラム2に示すが、ここで「+++」はIC50値が3μM未満又はこれと等しいことを示し、「++」はIC50値が25μM未満又はこれと等しくかつ3μMより大きいことを示し、「+」はIC50値が25μMより大きいことを示す。
【0310】
アッセイ2:腫瘍細胞増殖アッセイ(ATP Lite)
マウス結腸C26(1500細胞/ウェル)、ヒト黒色腫A375(2000細胞/ウェル)、又はヒト膵臓MiaPaCa-2細胞(2000細胞/ウェル)を、白色の96ウェルプレート(Corning)中の増殖培地(C26用の10%胎児牛血清、2mMグルタミンを有するDMEM、及びA375用の10%胎児牛血清、2mMグルタミンを有するRPMI)に蒔き、加湿5%CO2インキュベーター中で37℃で一晩培養した。インヒビターを最終濃度が0.25%DMSOに達するまで100%DMSOで連続希釈し、次に増殖培地中の細胞に添加した。細胞を試験化合物の存在下で4日間インキュベートし、ATPlite細胞増殖キット(Packard)を使用して増殖を定量した。細胞増殖アッセイの結果を表1のカラム3〜5に示すが、ここで「+++」はIC50値が3μM未満又はこれと等しいことを示し、「++」はIC50値が25μM未満又はこれと等しくかつ3μMより大きいことを示し、「+」はIC50値が25μMより大きいことを示す。
【0311】
表1:MEK酵素アッセイと腫瘍細胞増殖アッセイの結果
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【0312】
インビボ効力評価:A375異種移植試験における腫瘍増殖阻害(悪性黒色腫モデル)
オスのヌード(nu/nu)マウス(全部で100匹、体重24〜26g)をCharles River Laboratoriesから購入した。動物の右前足に5×106 A375細胞/100μl PBSを皮下注射した。細胞移植後4、7、11、及び14日目に腫瘍をノギスで測定した。腫瘍の長さ(l)と幅(w)を測定し、腫瘍容積を式l*w2/2を用いて計算した。癌細胞移植後16日目に、腫瘍は平均93mm3の容積に達し、この時点で、各群が同じ平均腫瘍容積を有するように動物を6つの群に分類した。懸濁物中の化合物の投与用に使用したビヒクルは、水中の10%ツイーン80であった。
【0313】
癌細胞の注射後16日目の午後に処理を開始し、これを0日目とした。14日目まで週に3回各動物について腫瘍容積と体重を測定した。14日目に、すべての動物を安楽死させ、腫瘍を取り出し、重量を測定した。
【0314】
実施例2の化合物は10mg/kgの用量で腫瘍退縮を引き起こし、0.5mg/kgの用量で有意な腫瘍増殖阻害を引き起こした。
【0315】
本明細書で引用されるすべての文献の全教示は本明細書に援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I(a)の化合物
【化1】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体
(式中、環A及びBは、任意の1つ又はそれ以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、トリメチルシリル、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシ、又はフェニルで任意に且つ独立して置換され、ここでフェニルは、任意の1つ又はそれ以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、トリメチルシリル、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、又はC1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルコキシで任意に置換され;
XはN又はN→Oであり;
Yは、NR'、CR'、S、又はOから独立して選択され、少なくとも1つのYはNR'であり;
1は、水素、トリメチルシリル、C1〜C6アルキル、OR6、C(O)OR6、NR78、SR6、NR7S(O)(O)R'、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、NR7C(O)OR6、NR7C(O)C(O)OR6、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
6、R7、及びR8は、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキルOR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−(OR')n、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から独立して選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールヘテロシクロアルキル、及びアルキル−ヘテロシクロアルキルは、置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8は、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;
R'とR"は、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから独立して選択され、ここで該アルキル又はアリールは置換されるか又は置換されず;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらのそれぞれは置換されるか又は置換されず;そして
nは0〜2である)。
【請求項2】
環A及びBが、任意の1つ又はそれ以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲン、C1〜C6アルキル又はフェニルで任意に且つ独立して置換され、ここでフェニルは、任意の1つ又はそれ以上の置換可能な環炭素原子において、ハロゲンで任意に置換され;
1が、水素、トリメチルシリル、OR6、NR78、NR7C(O)R6、NR7C(O)OR6、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
6、R7、及びR8が、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキルOR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から独立して選択され;あるいは
7とR8が、これらが結合している原子と一緒に、1又は2つのN原子、任意にO原子を有する6員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することがあり;そして
R'とR"が、水素又はC1〜C6アルキルのいずれかであり;あるいは
R'とR"がこれらが結合している原子と一緒に、1又は2つのN原子、任意にO原子を有する6員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することがある、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(I)の化合物
【化2】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体
(式中、Yは独立して、NR'、CR"又はOから選択され、少なくとも1つのYはNR'であり;
1は水素、C1〜C6アルキル、OR6、NR78、SR6、NR7S(O)(O)R'、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、又はNR7C(O)OR6から選択され;
2は水素であり;
3はCl、F又はIから選択され;
4とR5は独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル又はC1〜C6アルコキシから選択され、ここで該アルキル又はアルコキシは置換されるか又は置換されず;
6、R7、及びR8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8は、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成し、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル又はアリールは置換されるか又は置換されない)。
【請求項4】
1は、OR6、NR78、又はSR6から選択され;
2は、F、Cl、I、又はBrから選択され;
3は、F、Cl、又はIから選択され;
4とR5は独立して、水素又はC1〜C6アルキルのいずれかであり;
6、R7、及びR8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル− C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8が、これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することがあり;そして
R'とR"は、水素又はC1〜C6アルキルのいずれかである、
請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
2がFであり;
3がIであり;
4及びR5が水素であり;
6、R7、及びR8が独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル− C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することがでる、
請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
式(II)の化合物:
【化3】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体
(式中、Yは、NR'又はOのいずれかであり;
1は、水素、C1〜C6アルキル、OR6、NR78、SR6、−NR7S(O)(O)R'、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、又はNR7C(O)OR6から選択され;
2はハロゲンであり;
3は、Cl、F又はIから選択され;
4とR5は独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシから選択され、ここで該アルキル又はアルコキシは置換されるか又は置換されず;
6、R7、及びR8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及び アルキル−ヘテロシクロアルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8はこれらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル又はアリールは置換されるか又は置換されない)。
【請求項7】
1が、OR6、NR78、又はSR6から選択され;
2が、F、Cl、I、又はBrから選択され;
3が、F、Cl、又はIから選択され;
4とR5が独立して、水素又はC1〜C6アルキルであり;
6、R7、及びR8が独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル− C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8が、これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することがあり;そして
R'とR"が、独立して水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
2がFであり;
3がIであり;
4とR5が水素であり;
6、R7 、及びR8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8が、これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成する、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
式(IIa)又は(IIb)の化合物:
【化4】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体
(式中、R1は、水素、トリメチルシリル、C1〜C6アルキル、OR6、C(O)OR6、NR78、SR6、−NR7S(O)(O)R'、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、NR7C(O)OR6、NR7C(O)C(O)OR6、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
2は、ハロゲン、C1〜C6アルキル、又はOR6から選択され;
3は、ハロゲン、トリメチルシリル、C1〜C6アルキル、又はOR6から選択され;
4とR5は独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシから選択され、ここで該アルキル又はアルコキシは置換されるか又は置換されず;
6、R7、及びR8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−(OR')n、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、及び アルキル−ヘテロシクロアルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8はこれらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル又はアリールは置換されるか又は置換されず;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
nは0〜2である)。
【請求項10】
1が、水素、トリメチルシリル、OR6、NR78、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、NR7C(O)OR6、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
2がF又はClから選択され;
3がIであり;
4とR5が水素であり;
6、R7、及びR8が独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4−アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル及び アルキル−ヘテロシクロアルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8が、これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することがあり;そして
R'とR"が、水素又はC1〜C6アルキルのいずれかであり;
R'とR"が、これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することがある、
請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
式(III)の化合物:
【化5】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体
(式中、YはO又はNR'のいずれかであり;
1は水素、C1〜C6アルキル、OR6、NR78又はSR6又はNR7S(O)(O)R'から選択され;
6、R7 及び R8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8は、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル、又はアリールは置換されるか又は置換されない)。
【請求項12】
1が、OR6、NR78、又はSR6から選択され;
6、R7、及びR8が独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル− C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8が、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"が独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
式(IIIa)又は式(IIIb)の化合物:
【化6】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体
(式中、R1は水素、トリメチルシリル、C1〜C6アルキル、OR6、C(O)OR6、NR78、SR6、NR7S(O)(O)R'、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、NR7C(O)OR6、NR7C(O)C(O)OR6、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
4とR5は独立して、水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6アルコキシから選択され、ここで該アルキル、又はアルコキシは置換されるか又は置換されず;
6、R7 及び R8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−(OR')n、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、及びアルキル−ヘテロシクロアルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8は、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル、又はアリールは置換されるか又は置換されず;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
nは0〜2である)。
【請求項14】
1が水素、トリメチルシリル、OR6、NR78、NR7C(O)R6、NR7C(O)OR6、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
4とR5が水素であり;
6、R7 及び R8が独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4−アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、及びアルキル−ヘテロシクロアルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8が、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"が独立して、水素又はC1〜C6アルキルであり;あるいは
R'とR"が、これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することがある、
請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
1が水素、C1〜C6アルキル、OR6、NR78又はSR6又はNR7S(O)(O)R'から選択され;
6、R7 及び R8が独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8が、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル、又はアリールは置換されるか又は置換されない、
請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
1がOR6、NR78、又はSR6から選択され;
6、R7、及びR8が独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8が、これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することがあり;
R'とR"は独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
式(IVa)又は式(IVb)の化合物:
【化7】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体
(式中、R1は水素、C1〜C6アルキル、OR6、C(O)OR6、NR78又はSR6又はNR7S(O)(O)R'から選択され;
6、R7 及び R8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロシクリルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8は、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル又はアリールは置換されるか又は置換されない)。
【請求項18】
1がOR6、NR78又はSR6から選択され;
6、R7 及び R8が独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、又はC1〜C4アルキル−NR'R"から選択され、ここで該アルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8が、これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することがあり;そして
R'とR"が独立して、水素又はC1〜C6アルキルである、
請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
式(IVa)又は式(IVb)の化合物:
【化8】

並びにその互変異性体、医薬として許容される塩、及び医薬活性誘導体
(式中、R1は水素、トリメチルシリル、C1〜C6アルキル、OR6、C(O)OR6、NR78、SR6、NR7S(O)(O)R'、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、NR7C(O)OR6、NR7C(O)C(O)OR6、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
6、R7 及び R8は独立して、水素、C1〜C10アルキル、C3〜C10シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、C1〜C4アルキル−(OR')n、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、及びアルキル−ヘテロシクロアルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8は、これらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
R'とR"は独立して、水素、C1〜C6アルキル、又はアリールから選択され、ここで該アルキル又はアリールは置換されるか又は置換されず;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、4〜10員ヘテロアリール又はヘテロ環を形成することができ、これらはそれぞれ置換されるか又は置換されず;そして
nは0〜2である)。
【請求項20】
1が水素、トリメチルシリル、OR6、NR78、NR7C(O)R6、NR7C(O)NR76、NR7C(O)OR6、又はC1〜C4アルキル−(OR')nから選択され;
6、R7 及び R8が独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C4アルキル−C(O)OR'、C1〜C4アルキル−OR'、C1〜C4アルキル−NR'R"、C1〜C4アルキル−ヘテロシクロアルキル、又はC1〜C4アルキル−C(O)NR'R"から選択され、ここで該アルキル、及びアルキル−ヘテロシクロアルキルは置換されるか又は置換されず;あるいは
7とR8が、これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することがあり;そして
R'とR"が、水素又はC1〜C6アルキルのいずれかであり;あるいは
R'とR"はこれらが結合している原子と一緒に、これらが結合している原子と一緒に、1個又は2個のN原子及び任意にO原子を有する6員ヘテロ環であって、置換されているか又は置換されていない環を形成することがある、
請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン、
[4−(5−アミノ−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−アミン、
5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−チオン、
5−[3−(2−フルオロ−4−ヨード−フェニルアミノ)−ピリジン−4−イル]−2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾール−3−オン、
(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−メチルスルファニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン、及び
(2−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−[4−(5−モルホリン−4−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン、
から成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
過剰増殖性疾患に罹患しているか又は罹患しやすい哺乳動物を治療する方法であって、前記哺乳動物に対し、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与すること、を含んで成る方法。
【請求項23】
前記過剰増殖性疾患が癌又は炎症から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記過剰増殖性疾患が、哺乳類におけるMEKの過剰活性に関連しているか、又はMEKに関連する疾患である、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
請求項1に記載の化合物及び医薬として許容される担体を含んで成る、医薬組成物。
【請求項26】
薬物として使用するための、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
過剰増殖性疾患の治療のための薬物の調製のための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項28】
前記過剰増殖性疾患が癌又は炎症である、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
前記過剰増殖性疾患が、哺乳類におけるMEKの過剰活性に関連しているか、又はMEKに関連する疾患である、請求項27に記載の使用。

【公表番号】特表2009−534386(P2009−534386A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506558(P2009−506558)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/009456
【国際公開番号】WO2007/123936
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(507348713)ラボラトワール セローノ ソシエテ アノニム (29)
【Fターム(参考)】