MPSセンサから生成された臓器タイミング信号を用いる侵襲器具追跡方法方法及び装置
患者の体内の検査臓器に関する臓器タイミング信号を生成する装置であって、該装置は、メディカルポジショニングシステムと、該メディカルポジショニングシステムと結合されたプロセッサとを具える。メディカルポジショニングシステムは、基準位置に位置する少なくとも1つの基準電磁トランスデューサと、前記検査臓器の知覚の血管内に挿入された手術具に取り付けられた少なくとも1つの内部電磁トランスデューサと、前記基準電磁トランスデューサ及び前記内部電磁トランスデューサと結合されたMPSプロセッサとを含む。前記MPSプロセッサは、前記基準電磁トランスデューサ及び前記内部電磁トランスデューサの1つトランスデューサから送信された送信電磁信号を前記基準電磁トランスデューサ及び前記内部電磁トランスデューサの他のトランジスタにより検出された検出電磁信号とともに処理することによって前記内部電磁トランスデューサの3次元位置を決定し、前記MPSプロセッサは更に時間の経過に伴う前記手術具の運動軌跡を示す3次元位置座標読取り値の集合を含む複数のMPSデータセットを生成する。前記プロセッサは、前記MPSデータセットにおける周期運動周波数を検出し識別し、前記MPSデータセットから前記周期運動周波数をフィルタリングすることによって前記MPSデータセットから前記臓器タイミング信号を生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医療診断及び手術システム及び方法に関し、特には3次元メディカルイメージング及びナビゲーションにおいて臓器位相をモニタする方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
メディカルイメージングは、種々のタイプの医療手術の実行を助け、また診断や医療処置に関するその他の判断を向上させる強力なツールである。リアルタイムメディカル画像を種々のイメージングモダリティにより生成するいくつかのシステムが知られている。周期的運動または周期的位相を伴う解剖学的構造のイメージングでは、イメージングシステムはこれを考慮するためにタイミング素子を含む。通常、心電図(ECG)計のようなモニタ装置がメディカルイメージングシステムに組み込まれ、収集画像を臓器位相に関して記録するためのタイミング情報を供給する。一般に、このようなモニタ装置から得られるタイミング情報は完全に正確ではない。また、このようなモニタ装置から受信される信号は遅延を伴い、実際の臓器運動に関してリアルタイムに得られない。最後に、外部モニタ装置は既に複雑なシステムに邪魔な素子を付加することになる。
【0003】
特許文献1は被検体内の侵襲的器具の追跡中の被検体運動の補償方法に関するものである。器具追跡装置は固定基準点に対する侵襲的器具の位置を決定する。イメージング装置は被検体の基準画像を収集する。イメージング装置内に位置する位置決定手段が被検体の基準点の位置を時間とともに測定する。各収集画像は被検体基準点の対応する位置と一緒に記憶される。被検体追跡装置は位置決定手段から時間に伴う位置情報を受信し、画像収集の時間から器具位置測定の時間までの被検体の並進及び回転運動を計算する。レジストレーション装置は基準画像と、被検体の正味位置及び向きと、器具位置とを受信する。レジストレーション装置は、基準画像を器具位置の測定時に被検体の位置及び向きに適合するように並進及び回転させる。器具の画像は被検体の並進/回転画像上にその絶対位置及び向きで重畳される。レジストレーション装置は、画像の表示に加えて、器具の表示位置を調整することもできる。
【0004】
並進及び回転運動に加えて、レジストレーション装置は呼吸や心周期のような周期的運動により生じる被検体の拡張及び収縮を考慮する。位置検出手段は拡張及び収縮による被検体の変化を測定し、この情報を記録装置に供給する。レジストレーション装置は基準画像を拡張及び収縮に従って歪ませ、次に並進及び回転させて、被検体の画像を現在の器具位置と動的に位置合わせする。
【0005】
また、イメージング装置は、被検体の次の投影像を収集し、これらの画像内の被検体のオフセット及び断面サイズを検出することにより被検体運動をモニタすることができる。さらにまた、一連の基準画像を周期的運動サイクルでゲートする。イメージング装置はECG信号で測定される心周期内の種々の時間に一連の画像を収集する。ECGは器具位置の各測定のための信号を供給する。所定の時間に、ECG信号に対応する一連の画像から一つの画像を基準画像として選択する。レジストレーション装置は、この基準画像を、当該時間に被検体追跡装置から受信される情報に対して並進及び回転させる。器具の測定位置の表示は更新画像上に重畳され、被検体と侵襲的器具の位置合わせされた画像が得られる。
【0006】
特許文献2は、運動する内部臓器の運動速度を時間とともに決定し運動速度のカラー表示を与えるシステムに関する。超音波プローブが心臓に向け超音波ビームを送信する。送信された超音波ビームは心臓の組織で部分的にエコー信号として反射され、プローブに戻る。エコー信号はドップラー効果によりドップラー周波数シフトを有する。エコー信号は電圧信号に変換され、受信信号プロセッサに供給される。信号はビーム成形され、検出されてBモードディジタルスキャンコンバータ(DSC)に出力される。BモードDSCは信号の画像データを標準テレビジョン走査デバイスに変換し、画像シンセサイザに送る。BモードDSCはさらに任意の心周期タイミングで複数の画像データをBモードフレームメモリに記憶する。
【0007】
受信信号プロセッサは更に変換されたエコー信号を位相検出器に送る。位相検出器はドップラーシフト周波数で位相検波してドップラーシフト信号を抽出する。低域通過フィルタにより、弁運動や血流により生ずる不必要なドップラー信号を除去し、心筋からのドップラー信号のみを残す。周波数分析器が、高速フーリエ変換(FFT)または自己相関法を用いて、走査平面の各サンプリングボリューム点における速度に関する物理値を計算する。これらの値は平均ドップラー周波数(臓器の運動の平均速度に対応する)、分散(ドップラースペクトルの乱れ率)及びドップラーシフト周波数の最大値(サンプリングボリューム点における臓器の最大速度)を含む。これらの値はカラードップラー情報としてベクトル速度計算機に送られ、この計算機が各サンプリングボリューム点における臓器の絶対移動速度を計算する。ディスプレイが速度の大きさ及び/又は方向をカラースキーム割当てに従って提示する。心臓の検出ECG信号は信号発生器(超音波ビームの送/受用の基準パルスを出力する)をトリガするのに使用される点に留意されたい。加えて、これらの心臓タイミング信号は心臓の運動速度の変化を色で表示するリアルタイム画像を生成するのに使用される。
【0008】
特許文献3は、3次元追跡及びイメージングを用いて生体内医療処置を関連する被検体に実行する方法に関するものである。複数のトランシーバを用いて被検体の3次元運動を追跡する。少なくとも4つのトランシーバを披検体内に埋め込み、披検体内におけるそれらの距離を測定する。3つのトランシーバは(x,y)平面内に位置し、基準として作用する。第4のトランシーバは、周囲のトランスデューサのうちのアクティブな1つが3つのトランシーバにより決まる基準平面より上または下に位置する場合に、周囲のトトランスデューサのz座標を決定する。被検体の種々の位置に装着された複数の送信機の各々が順に駆動され、3つの基準トランシーバが受信信号を記録する。各送信機から基準平面までの距離の差は既知であるため、送信機の相対x,y,z座標を三角測量法を用いて決定することができる。
【0009】
ビデオディスプレイはECG信号を用いてリアルタイムの被検体心拍と同期される。アナログ−ディジタル(A/D)変換器がECG信号をディジタルデータに変換する。同期発生器モジュールがディジタルECGデータから現在の心臓活動に対応するタイミング信号を発生する。これは、QRS群が識別される正確な時間にメモリ位置または入力ポートを活性化するか、割り込みを発生させることにより行われる。特に、同期発生器モジュールはデータ信号を、大きな変化率、零交差及び他の情報について試験し、信号のQRS群を示すことが可能である。
【0010】
特許文献4は、医療処置の実行中に医師を助けるためにメディカル画像をリアルタイムに与える方法に関するものである。MRIシステムにより医療処置前に心臓の高解像度モデルを得る。心臓の画像は連続する心位相時に収集する。パルス発生器が一連の高速の勾配エコーパルスシーケンスを生成する。R波のピーク時にトリガするECGゲート信号を用いて、心周期のR−Rインターバルをいくつかの短いセグメントのパルスシーケンスに分割する。各高速勾配エコーセグメント中に心臓の単一座標またはビューが収集される。隣接するセグメントがグループに合成され、各グループのデータが心周期の異なる位相における画像を生成する。複数(例えば15)の2次元スライスが全心周期中に収集され、心周期の連続する(例えば15の)位相における心臓の断面が表示される。心臓の追加スライスが収集され、2次元画像に再構成される。これらの2次元スライスが次に合成されて(例えば15の)3次元画像データセットが形成される。
【0011】
医療処置中に、超音波トランスデューサは心臓の低解像度画像フレームをリアルタイムに収集する。披検体からのECG信号はリアルタイムの心位相を検出する。記憶された高解像度心臓モデルをリアルタイムの画像フレーム及びECG信号を用いて位置合わせする。次に、位置合わせされた高解像度モデルを用いて高解像度で大視野の画像をディスプレイ上にリアルタイムに生成する。
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,577,502号明細書、発明者:Darrow他、発明の名称:「Imaging of interventional devices during medical procedure」
【特許文献2】米国特許第5,622,174号明細書、発明者:山崎、発明の名称:「Ultrasonic diagnostic apparatus and image displaying system」
【特許文献3】米国特許第6,246,898号明細書、発明者:Vessely他、発明の名称:「Method for carrying out a medical procedure using a three-dimensional imaging and tracking system」
【特許文献4】米国特許第6,556,695号明細書、発明者:Packer他、発明の名称:「Method for producing high resolution real-time images, of structure and function during medical procedures」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、外部モニタ装置なしで発生した臓器タイミング信号を用いる体内ナビゲーション及び侵襲的器具追跡のための新規な方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、患者の体内の少なくとも1つの検査臓器に関する臓器タイミング信号を生成する装置が提供される。本装置は、メディカルポジショニングシステム(MPS)とプロセッサとを含む。プロセッサはMPSと結合される。MPSは少なくとも1つの基準電磁トランスデューサと、少なくとも1つの内部電磁トランスデューサと、MPSプロセッサとを含む。MPSプロセッサは基準電磁トランスデューサ及び内部電磁トランスデューサと結合される。内部電磁トランスデューサは検査臓器の近くの血管内に挿入された手術具に取り付けられる。MPSプロセッサは、基準電磁トランスデューサ及び内部電磁トランスデューサの一方から送信された送信電磁信号と基準電子トランスデューサ及び内部電磁トランスデューサの他方により検出された検出電磁信号とを処理することによって内部電磁トランスデューサの3次元位置を決定する。MPSプロセッサはさらに複数のMPSデータセットを発生する。MPSデータセットの各セットは時間の経過に伴う手術具の運動軌跡を示す3次元位置座表の読取り値の集合を含む。プロセッサは、MPSデータセットにおける周期的運動周波数を検出し識別し、MPSデータセットから周期的運動周波数をフィルタリングすることによって、MPSデータセットから臓器タイミング信号を生成する。
【0015】
本発明によれば、患者の体内の検査臓器に関する臓器タイミング信号を生成する方法も提供される。この方法は、電磁信号を送信し、電磁信号を検出する手順と、送信電磁信号と検出電磁信号を処理する手順と、この信号処理に基づいて患者の体内に挿入された手術具の3次元位置を決定する手順とを含む。この方法は、更に、時間の経過に伴う手術具の運動軌跡を示す3次元位置座標の読取り値の集合を含むMPSデータセットを生成する手順と、MPSデータセットにおける周期的運動周波数を検出し識別する手順と、MPSデータセットから周期的運動周波数をフィルタリングする手順とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、外部モニタ装置を用いずに発生された臓器タイミング信号を用いる体内ナビゲーション及び侵襲的器具追跡用方法及び装置を提供することによって従来技術の欠点を克服するものである。本明細書では、以下において、「位相」と「活動状態」を互換的に使用される。一実施例によれば、位相情報は位置と向きの情報を同時に供給するセンサから発生される。システムは、画像収集および再生、3次元モデルの再構成、体内ナビゲーション及び低侵襲手術中の侵襲的器具の追跡を可能にする。これらの特徴は、US特許出願第2002/0049375号(発明者:Strommer他、発明の名称:「Method and apparatus for real time quantitative three-dimensional image reconstruction of a moving organ and intra-body navigation」)に説明されており、参考のためにここに援用される。また、このシステムは、手術具を挿入する必要がある場合に、挿入する手術具の種類と寸法について最適にアドバイスするのに使用でき、また外科処置に関するその他の決定に使用できる。
【0017】
図1につき説明すると、図1は本発明の一実施例に従って構成され動作するシステム100の概略図である。
【0018】
システム100は、メディカルポシショニングシステム(MPS)102と、メディカルイメージングデバイス104と、データベース106と、プロセッサ108と、ディスプレイ110と、画像検出器116と、複数のMPSセンサ1201、1202、1203及び1204と、手術具124とを含む。プロセッサ108はデータベース106及びディスプレイ110と結合される。MPS102は複数のMPSセンサ1201、1202、1203及び1204を含む。メディカルイメージングデバイス104は画像検出器116を含む。
【0019】
MPS102は患者の体の一部分の位置に関するデータを受信し処理する。以下では、「位置」は空間内の点の位置または位置座標及び空間内の該点の向きのいずれか一方または両方を意味することに留意されたい。前記データは複数のMPSセンサ1201、1202、1203及び1204により得られる。MPSセンサ1201は手術器具124に取り付けられる。MPSセンサ1202、は画像検出器116に取り付けられる。MPSセンサ1203は一般に患者の体の検査部分130に取り付けられる。MPSセンサ1204は一般に患者が載置される表面上の既知部分に取り付けられる。
【0020】
MPSセンサ1201、1202、1203及び1204の各々はコイルのような電磁界検出素子を含む。MPS102は所定の電磁界を発生し、該電磁界はMPSセンサ1201、1202、1203及び1204によりそれぞれ検出される。MPS120は検出された電磁界を処理し、MPSセンサ1201、1202、1203及び1204の3次元位置の指示を得る。このようにして、MPS102は、画像検出器106、手術具124、患者の体130の選択部分及び患者載置表面上の既知部分の3次元位置を決定する。この電磁界送信は、電磁界検出素子が固定で、MPS102内に位置し、所定の電磁界はMPSセンサ1201、1202、1203及び1204により発生されるように、逆にすることもできる。MPS102のようなメディカルポジショニングシステムは米国特許第6,233,476号明細書(発明者:Strommer他、発明の名称:「medical positioning system」)に説明されており、参考のためにここに援用される。
【0021】
本発明の一実施例では、MPSセンサ1201、1202、1203及び1204の各々は、電磁界を送信できるとともに検出できる電磁トランスデューサとすることができる。加えて、MPS102は所定の基準位置に位置する少なくとも1つの基準電磁トランスデューサ(図示せず)を含む。基準電磁トランスデューサはMPSセンサ1201、1202、1203及び1204のうちの1つとすることができる。MPS102は、さらに、基準電磁トランスデューサ及び他の電磁トランスデューサの各々と結合されたMPSプロセッサ(図示せず)を含む。基準トランスデューサは所定の電磁信号を電磁界の形で送信し、これらの電磁界がMPSセンサ1201、1202、1203及び1204によりそれぞれ検出される。あるいは、この電磁界送信は、所定の電磁信号がMPSセンサ1201、1202、1203及び1204によりそれぞれ発生され、基準トランスデューサにより検出されるように、逆にすることもできる。このようにして、MPS102は、画像検出器106、手術具124、患者身体130の選択部分及び患者載置表面上の既知部分の3次元位置を決定する。
【0022】
MPSセンサ1202により得られた画像検出器116の位置は、メディカルイメージングデバイス104に関するパラメータ(すなわち外部光学パラメータ)の決定に使用される。メディカルイメージングデバイスに関するパラメータは他の手段、例えば既知の校正目標点または基準点及びこれらの点とそれらの対応する識別画像の関係を用いて得ることができる。
【0023】
MPS1203により得られる患者の体の位置は、任意の患者の動きを補償するための基準として使用される。MPSセンサ1203からのデータは、磁気座標系の原点のような既知の座標セットに対する、または別のセンサまたは複数のMPSセンサの1つ、例えばMPSセンサ1204に対する患者の動きを決定するのに使用される。MPSセンサ1203及び1204の各々は患者の動きを決定するために個別に使用することもでき、また両方一緒に使用することもできる点に留意されたい。さらに、MPSセンサ1203と1204のどちらも複数のセンサを含むことができる(すなわち患者身体130の検査部分に取り付けられた複数のセンサが存在しうるとともに患者載置表面上の既知部分に取り付けられた複数のセンサが存在しうる)点に留意されたい。
【0024】
患者の動きまたはメディカルイメージングデバイス104の動きを補償するプロセスは座標系の正規化として知られている。座標系の正規化(以後「正規化」という)は、患者の動きを補償するための対応する基準センサ(MPSセンサ1203または1204)を用いて行われる。メディカルイメージングデバイス104の動きの補償は、MPSセンサ1203または1204に加えて、メディカルイメージセンサ104の画像検出器116に取り付けられたMPSセンサ1202も使用する。正規化は種々のデータセットを種々のセッションまたは医療処置に利用可能とする。「医療処置」とは患者に行われる任意のタイプの医療処置、例えば診断、治療または予防処置を意味する。医療処置はいくつかの段階で行われる。一つの医療処置の各段階は「セッション」として知られている。さらに、座標系の正規化によってMPSセンサ読取り値の無効化が要求されることはない点に留意されたい。MPSセンサ1201及び1202から得られる全てのデータ読取り値を処理に使用でき、患者の動きの結果としての「欠陥」読取り値を破棄する必要がなくなる。更に、座標系の正規化はMPSデータを異なる座標系で表すことを可能にする。例えば、データを患者の座標系に対して表すことができ、この場合には患者の身体が静止し、検査臓器及び手術具が動く。また、データは検査臓器の座標系に対して表すことができ、この場合には検査臓器が静止し、患者の体及び手術具が動く。更にまた、データは手術具の座標系に対して表すことができ、この場合には手術具が静止し、患者の体と検査臓器が動く。
【0025】
MPS102は、MPS1203またはMPSセンサ1204と同様に、他の基準として使用される追加のMPSセンサを含み、座標系の正規化を更に支援することができる。しかし、基準点を指定する他の方法を使用することができ、例えば全てのMPSセンサを初期参照し、全医療処置中患者を固定し、収集画像を分析し、トランスデューサ等に取り付けられたセンサ以外の各MPSセンサに対して画像内の反復視点または断面を識別する。
【0026】
MPS102は検査臓器の活動状態に関する位相情報を得るためのデータも提供する。例えば、検査臓器が心臓の場合、位相情報は心周期内の種々の段階を示す心臓タイミング信号とすることができる。心周期は2つの連続する心収縮の間の時間と定義される。時間の関数としての心臓の電気的活動、例えばECGモニタにより得られる電気的タイミング信号は、心周期内の心臓の現段階または位相を示す。また、検査臓器が肺の場合、位相情報は呼吸サイクル内の呼吸速度及び呼吸段階に関連するもとし得る。例えば、検査臓器が眼の場合、位相情報はまぶたの運動や眼科的特徴に関連するものとし得る。プロセッサ108は、外部モニタ装置(例えばECG装置)を必要とすることなく、MPS102によりMPSセンサ1201を介して供給されるデータを処理することによって位相情報を得る。位相情報を得るために他のセンサを独立にまたは併せて(例えばMPS1201とともにMPSセンサ1203)使用することができる。
【0027】
メディカルイメージングデバイス104は患者身体内の一部分の2次元画像を提供する。ここに説明する例では、検査部分は心臓と周囲血管である。メディカルイメージングデバイス104は従来既知の任意のタイプの画像収集システム、例えば超音波、内部血管超音波、X線、Cアームマシン、フルオロスコピー、血管造影法、コンピュータトモグタフィ、核磁気共鳴、陽電子放出トモグラフィ、単光子放出トモグラフィ等を含むことができる。
【0028】
メディカルイメージングデバイス104は画像検出器116から2次元画像を収集する。画像検出器116は複数の2次元画像を検出し、各画像は臓器(例えば心臓)の1つのビューを表す。画像検出器116に取り付けられたMPSセンサ1202は画像検出器116の位置に関する情報を得る。フレームグラッバ(図示せず)が画像を収集し、収集した画像をデータベース106に供給する。
【0029】
データベース106はシステム100で要求されるデータを格納する。データベース106は一般にデータベース装置であり、データレコードの格納及びアクセスを可能とする。データベースはメディカルイメージングシステム104から収集された2次元画像のフレームを含むと共にMPS102からのMPSセンサ読取り値を含む。データはデータベース106に転送され、処理のためにデータベースから呼び出される。プロセッサ108の計算により得られる中間及び最終データ値もデータベース106に格納することができる。データベース106は更にシステム100とともに使用する追加の装置からの情報(例えばECGのような外部モニタ装置からの情報、血管内超音波情報など)を格納することもできる。一般に、データベース106はシステム100で必要とされる全ての情報を格納する。
【0030】
データベース106に格納されたデータ要素は時間タグ付である。以後、「時間タグ付き」とは、データ要素を該データ要素が得られた正確な時間と関連づける(例えば、MPS座標読取り値を該座標読取り値が得られた正確な時間と関連付ける)プロセスをいう。複数のMPSセンサ1201,1202,1203,1204の各々により得られるデータは時間タグ付である。メディカルイメージングデバイス104により収集される複数の2次元画像も時間タグ付である。時間タグは、データベース106に格納されたデータ要素を処理する際に考慮される。
【0031】
全ての時間タグ付きデータにレイテンシー補償が行われる。一般に、メディカルイメージングデバイス104により収集される2D画像のセットからの画像フレームは、それらの時間タグが対応するMPSデータセットの時間タグと一致するようにシフトさせる(すなわち、MPS座標読取り値と同一時間に収集される画像を互いに一致させる)。
【0032】
プロセッサ108はデータベース106に収集されたデータを処理する。プロセッサ108は、必要な演算を行い、種々のデータストリームを相関し、フィルタリング、セグメンテーション及び3次元モデルの再構成及びその他の処理を行なう。プロセッサ108は、収集2次元画像とそれぞれの画像に関する位相情報とそれぞれの画像に関する位相情報とを関連づける。プロセッサ08は、更に、同じ活動状態を有する収集2次元画像と、各画像と関連する3次元位置データとから3次元画像を構成する。
【0033】
ディスプレイ110は検査臓器の動画像または画像シーケンスをリアルタイムに提示する。動画像はメディカルイメージングデバイス104により収集された2次元画像からなり、MPS102により得られた手術具124の3次元位置データが光学投影により重畳される。動画像は臓器の構成された3次元モデルの投影からなるものとすることもできる。動画像は、手術具が患者体内に案内されるにつれて、検査臓器の種々の活動状態と関連して、手術具120の軌跡を表示する。ディスプレイ110はリアルタイムに検出される活動状態と関連して、選択された動画像の画像フレームを提示することもできる。ディスプレイ110は種々の再生効果、フリーズフレーム、変化速度、特徴選択などを提供することもできる。例えば、ディスプレイ110は、前画像を連続的に再生して臓器の前活動状態中における手術具の進路を示すことができる。ディスプレイ110は多数のモニタを含むことができ、また単一モニタ内に複数の個別のウインドウを含むことができ、各モニタまたはウインドウが異なるビューを提示することができる。例えば、1つのモニタまたはウインドウは、現活動状態と関連する検査臓器の現画像フレームに重畳される手術具124の現在のリアルタイムの3次元位置データを提示し、他のモニタまたはウインドウは前活動状態と関連する検査臓器の前画像フレーム(画像シーケンス)上に重畳される手術具124の現在のリアルタイムの3次元位置データを提示する。ディスプレイ110は2次元ディスプレイ、適切な眼鏡で見る自動立体ディスプレイ、スタンドアロン型立体ディスプレイ、ゴーグルなどとすることができる。
【0034】
図2は、本発明の他の実施例に従って動作する、3次元磁気座標を2次元光学座標に位置合わせする方法のブロック図を示す。
【0035】
手順210において、磁気−光学相関のための変換モデルが決定される。磁気−光学相関は、MPSセンサで得られる3次元磁気座標の3次元光学座標への変換を意味する。この相関手順は一般にシステム全体の初期化中に1度行われる。手順210は磁気座標系と光学座標系との間の変換モデルを決定するステップを含む。この変換はワーキングボリュームのグローバルソリュージョンを決定し、他のマニュアルキャリブレーションまたは相関を必要としない。一般に、磁気設定パラメータが変化しない限り、相関は繰り返す必要はない。磁気座標系と光学座標系の間の小さな変化を校正するために相関は医療処置中に自動的に修正することができる。
【0036】
手順220において、光学投影のための変換モデルが決定される。光学投影は、3次元光学座標(磁気−光学相関により得られた)をディスプレイ110で表示される画像上に重畳すべき2次元光学座標への変換を意味する。光学投影は3次元座標系から2次元座標系への変換モデルに基づく。この変換モデルは、メディカルイメージングデバイス104の外部光学パラメータ、内部光学パラメータおよび画像歪みパラメータに基づく。手順220は手順222,224,226及び228からなる。
【0037】
手順222において、外部光学パラメータが決定される。外部光学パラメータはメディカルイメージングデバイス104の位置に関連する。特に、外部光学パラメータは、メディカルイメージングデバイス104の座標系を規定の光学座標系に対して決定する。手順224において、内部光学パラメータが決定される。メディカルイメージングデバイス104の内部光学パラメータは画像収集メカニズムに関連する。例えば、内部光学パラメータは、レンズ中心点、焦点距離などを含み得る。手順226において、画像歪みパラメータが決定される。画像歪みパラメータは、物体がメディカルイメージングデバイス104により収集された画像に現れる際に、画像収集メカニズムの物理的特性及び画像収集メカニズムの動作方法の結果として物体の原プロポーションが変更されるパラメータに関連する。画像歪みパラメータは内部光学パラメータの一部として、または追加の補正パラメータセットとして計算することができる。
【0038】
外部光学パラメータは通常リアルタイムに連続的に計算するが、一般に内部光学パラメータ及び画像歪みパラメータは医療処置の開始段階で一度計算すれば十分である。しかし、内部光学パラメータ及び画像歪みパラメータを後の段階で再計算する必要がある場合もある。MPSデータはメディカルイメージングデバイス104の外部光学パラメータ、内部光学パラメータ及び画像歪みパラメータの再計算に使用することもできる。手順228において、3次元座標系と2次元座標系との間の変換がメディカルイメージングデバイス104の外部光学パラメータ、内部光学パラメータ及び画像歪みパラメータに基づいて決定される。
【0039】
その代わりに、または加えて、3DMPS座標系と画像平面の2D座標系との間の直接変換を既知のMPS座標読取り値及びそれらの対応する画像座標系に対する関係に基づいて決定することができる。投影手順220は投影すべきMPSデータの基準センサからの時間タグ付きデータ及び投影すべき画像を考慮する点に留意されたい。画像収集後に患者の動きが生じた場合、またはMPSデータの収集後にメディカルイメージングデバイス104の動きが生じた場合、これらの動きを補償しMPSデータが正確に投影されるようにするために基準センサを用いることができる。
【0040】
図2の方法は、一組の3次元磁気座標を2次元光学に変換する手順も含み、破線で示されている。位置データを表す3次元磁気座標はMPS102から得られる。手順230において、磁気−光学相関を3次元磁気座標に適用して等価の3次元光学座標を生成する。手順240において、光学投影を3次元光学座標に適用して等価の2次元光学座標を生成する。代案として、MPS座標系から画像平面への直接変換を使用することもできる。2次元光学座標は動画像の適切な画像フレームとしてディスプレイ110上に示すことができる。MPSデータは投影座標のみに影響を与える所要の歪み及び変換を全て含んでいる画像平面上に投影される。
【0041】
図3は、本発明の他の実施例に従って動作する、MPSデータセットから位相情報を得る方法のブロック図を示す。手順302において、データセットがMPS102から得られる。各MPSデータセットは、複数のMPSセンサ1201,1202,1203及び1204からそれぞれ受信される、画像検出器116、手術具124、患者身体の選択部分130または患者載置表面上の既知部分の位置座標の読取り値の組を具える。MPS102は検出した電磁界を処理してそれぞれの位置座標の読取り値を得た後に、データベース106に格納する。各MPSセンサの位置座標の読取り値は時間タグ付きであり、読取り値が得られた正確な時間と関連することを思い出されたい。従って、MPSセンサ1201から受信された各MPSデータセットは時間の経過に伴う手術具124の正確な動作軌道を示す座標読取り値の集合である。
【0042】
手順318において、心臓位相情報が心臓の動きから得られる。特に、心臓位相情報は手術具124上に位置するMPSセンサ1201から発生するデータストリームから得られる。手順318は手順304,306,308,310,312,314及び316から成る。
【0043】
手順304において、周期運動周波数が時間タグ付きMPSデータセット内に検出され、識別される。手術具124は患者体内の血管内に導入されるので、手術具124の動きは2つのファクタで影響される。第1のファクタは心臓の活動すなわち心臓運動、例えば収縮期及び拡張期に関連する。心臓運動は血管に影響を与え、例えば収縮または拡張を種々の程度で周期的に与える。第2のファクタは呼吸活動すなわち呼吸器運動、例えば吸入及び排気に関連する。呼吸器運動は血管に影響を与え、例えば収縮または拡張を種々の程度で周期的に与える。総合すれば、手術具124の総合運動は基本案内運動(血管トポグラフィに対応する)に重畳された心臓運動と呼吸器運動とからなる。以後、「臓器タイミング信号」とは周期運動周波数(すなわち心臓運動及び呼吸器運動)から生ずる血管の運動をいう。
【0044】
心臓運動及び呼吸器運動は周期的であるため、周期的周波数は手術具124の全軌跡において検出できる。心臓運動に関する固有周波数は呼吸器運動に関する固有周波数と異なる特性を示す。心臓運動に関する固有周波数は検出された周期的周波数から識別される。同様に、呼吸器運動に関する固有周波数も検出された周期的周波数から識別される。プロセッサ108はMPSデータセットの分析を行い、関連する周期運動周波数を識別する。
【0045】
手順306において、周期運動周波数が時間タグ付きMPSデータセットからフィルタリングされる。手順304で検出された周期運動周波数が手術具124の全軌跡から分離される。残存運動成分は手術具124の中心軸の案内運動に対応し、これは血管トポグラフィまたは「中心線軌跡」を表す(手順308参照)。MPSデータセットと関連する時間タグはフィルタリングされた周期運動周波数ごとに保持される。プロセッサ108はMPSデータセットから関連する周期運動周波数をフィルタアウトする。
【0046】
手順310において、心臓運動に由来する血管の機械的運動すなわち「心臓軌跡」がMPSデータセット及びフィルタリングされた周期運動周波数から再構成される。特に、心臓軌跡は心臓運動に関連する先に識別された固有周波数に従って再構成される。再構成された心臓軌跡は、例えば心臓運動による血管の軌跡を一定期間に亘り示すグラフで反映させることができる。プロセッサ108は関連する周期運動周波数を分析し、心臓軌跡の再構成を生成する。
【0047】
手順312において、呼吸器運動に由来する血管の機械的運動すなわち「呼吸器軌跡」がMPSデータセット及びフィルタ処理された周期運動周波数から再構成される。特に、呼吸器軌跡は呼吸器運動に関連する先に識別された固有周波数に従って再構成される。再構成された呼吸器軌跡は、例えば呼吸器運動による血管の軌跡を一定期間に亘り示すグラフで反映させることができる。プロセッサ108は関連する周期運動周波数を分析し、呼吸器軌跡の再構成を生成する。
【0048】
呼吸器軌跡の再構成は、もっぱら外部基準センサ(すなわちMPSセンサ1203または1204)から得られる座標読取り値に基づくものとし得る。1つの(または複数の)追加の基準センサを患者の体に(外部的にまたは内部的に)取り付けて呼吸パターンなどをモニタしてもよい点に留意されたい。例えば、この目的のために血管内センサを用いることができる。このセンサは確認メカニズムとして機能して呼吸器運動に関する補助データを付与し、呼吸器運動に関する周期運動周波数をより正確に決定する。追加の心臓データを収集するために同じセンサまたは追加のセンサ(1つまたは複数)を使用し、確認メカニズムとして及び/又は心臓位相検出のため補助データを付与するものとして機能させることができる。
【0049】
手順314において、再構成心臓軌跡について位相検出が行われる。心臓軌跡は心周期内の種々の時点に対応する心臓の種々の位相または活動状態からなる。これらの心臓位相は各サイクルで周期的に反復する。複数の心臓活動状態が位相検出時に再構成心臓軌跡上で識別される。プロセッサ108は心臓軌跡の分析を行い、種々の心周期位相を識別する。
【0050】
ここで図4Aを参照する。この図は電気信号表現と機械信号表現の心臓軌跡の一例を線図的に示す。心臓軌跡の機械的信号表現400は、複数の心周期410,420,430の各周期内に、複数の心臓活動状態(すなわち心周期位相)、例えば活動状態T1,T2,T3含む。心臓軌跡の機械的表現は、手順310においてMPSデータセット及びフィルタリングされた周期運動周波数から再構成された心臓軌跡に等価である。心臓軌跡の電気信号表現450は、複数の心周期410,420,430の各周期内に、同一の心臓活動状態T1,T2,T3を表す。しかし、これらの活動状態が生起する正確な時間は2つの表現で異なり、電気的表現においては機械的表現に対して僅かな遅れがある。例えば、心臓周期430の活動状態T1は心臓軌跡400では時間tAにおいて起こるが心臓軌跡450では時間tBにおいて起こる。このため、位相検出のために電気的表現からの情報を使用する場合には、活動状態のアライメントを行う必要がある。心臓軌跡の電気的表現はECGモニタにより得られる電気タイミング信号に等価である。
【0051】
心臓位相の検出は、少なくとも手術具124に位置するMPSセンサ1201から発生するデータセットのみ及び場合により基準センサ(すなわちMPSセンサ1203及び1204)から発生するデータセットにも基づいて行われる。これらのデータセットは心臓軌跡の機械的表現を提供する。心臓位相情報を得るために外部モニタ装置を必要としない。呼吸運動に関する周期運動成分も心臓位相検出の補足データとして使用することができる点に留意されたい。更に、位相検出は、検出されフィルタリングされた周期運動周波数を用いて、再構成された心臓軌跡について行うのではなく、原MPSデータセットについて行うこともできる。この場合、心臓の異なる位相または活動状態が手順302で得られたMPSデータセットについて直接識別される。
【0052】
手順316において、心臓位相情報がMPSデータセットと関連づけられる。手術具124の位置に関するMPSデータセット1201から得られた各データセットが、それらの対応する時間要素(すなわち時間タグ)に基づいて複数の活動状態T1,T2及びT3の1つ1つと照合される。検査血管の位置、従って案内手術具124の位置は検査臓器の異なる活動状態時に異なる。プロセッサ108は座標読取り値とその照合位相とを関係付け、その情報をデータベース106に格納する。
【0053】
呼吸位相情報も、心臓位相情報を心臓運動から得るのと同様の方法で呼吸運動から得ることができる。呼吸活動状態は再構成呼吸器軌跡に基づいて呼吸運動に関する周期運動成分を用いて識別することができる。呼吸運動に関する周期運動成分は対応しないデータセットの相関(図8につき検討する)に使用することもできる。
【0054】
呼吸位相情報はオプション手順320において呼吸運動から得られる。手順320は手順304,306,312,322及び324から成る。手順312において、呼吸軌跡が、上述したようにMPSデータセット及びフィルタリングされた周期運動周波数から再構成される。手順322において、位相検出が再構成呼吸器軌跡について実行される。心臓軌跡と同様に、呼吸器軌跡は呼吸サイクル内の種々の時点に対応する肺の種々の位相または活動状態からなる。肺の呼吸器活動状態は呼吸器軌跡の位相から識別できる。各位相は各サイクルで周期的に繰り返す。複数の呼吸器活動状態が位相検出時に再構成呼吸器軌跡に基づいて識別される。プロセッサ108は呼吸器軌跡の分析を行ない、種々の呼吸器サイクル位相を識別する。
【0055】
図4Bをここで参照する。この図は機械的信号表現の呼吸器軌跡の一例を線図的に示す。呼吸器軌跡の機械的信号表現460は複数の活動状態(すなわち呼吸器サイクル位相)、例えばT4,T5及びT6を含む。この呼吸器軌跡の機械的表現は手順310においてMPSデータセット及びフィルタリングされた周期運動周波数から再構成される呼吸器軌跡に等価である。
【0056】
呼吸器位相の検出は、手術具124に位置するMPSセンサ1201及び患者の体の選択部分130及び患者載置表面上の既知の部分上に位置するMPSセンサ1203及び1204から発生するデータセットにも基づいて行われる。これらのデータセットは呼吸器軌跡の機械的表現を提供する。呼吸器位相情報を得るために外部モニタ装置を必要としない。更に、位相検出は、検出されフィルタリングされた周期運動周波数を用いて、再構成された心臓軌跡についてではなく、原MPSデータセットについて行うこともできる。この場合、肺の異なる位相または活動状態が手順302で得られたMPSデータセットについて直接識別される。
【0057】
患者の心拍数または呼吸数の実際値は外部モニタ装置(例えばECG)を用いないで得ることができる点に留意されたい。患者の心拍数または呼吸数はMPSセンサ1201,1202,1203及び1204の各々からまたは組み合わせから得ることができる。
【0058】
手順324において、呼吸器位相がMPSデータセットと関連づけられる。手術具124の位置に関するMPSデータセット1201から得られた各データセットが、それらの対応する時間要素(すなわち時間タグ)に基づいて複数の活動状態T1,T2及びT3の1つ1つと照合される。手順324は上述した手順316に類似する。
【0059】
ここで図5を参照する。図5は、図4の心臓軌道の異なる活動状態における患者体内の血管内部に存在する図1のシステムの手術具の軌跡を示す概略図である。心周期410,420及び430の各周期の活動状態T1では、血管の位置は血管画像570により表示される(図5では実線で示されている)。心周期410,420及び430の各周期の活動状態T2では、血管の位置は血管画像572により表示される(図5では破線で示されている)。心周期410,420及び430の各周期の活動状態T3では、血管の位置は血管画像574により表示される(図5では点線で示されている)。従って、座標552,554,556,558,560,562,564,566及び568の各々は手術具124の位置に対応し、血管は心周期の異なる活動状態において異なる位置に位置する。
【0060】
例えば、座標552は心周期410の活動状態T1に対応する。これは、手術具124に位置するMPSセンサ1021が座標552に位置するとき、患者の心臓は活動状態T1にあることを意味する。座標554は心周期410の活動状態T2に対応する。これは、手術具124に位置するMPSセンサ1021が座標554に位置するとき、患者の心臓は活動状態T2にあることを意味する。座標556は心周期410の活動状態T3に対応する。これは、手術具124に位置するMPSセンサ1021が座標556に位置するとき、患者の心臓は活動状態T3にあることを意味する。座標558は心周期420の活動状態T1に対応する。座標560は心周期420の活動状態T2に対応する。座標562は心周期420の活動状態T3に対応する。座標564は心周期430の活動状態T1に対応する。座標566は心周期430の活動状態T2に対応する。座標568は心周期430の活動状態T3に対応する。座標552,554,556,558,560,562,564,566及び568は同様に呼吸器活動状態T4,T5,T6に関連する点に留意された。
【0061】
本願発明の他の特徴によれば、位置測定値を収集画像と一緒に、収集または測定時に、検査臓器の活動状態に関して処理する。例えば、図1につき説明すると、ディスプレイ110は手術具124の軌跡を検査臓器の2次元画像上に重畳して表示し、この2次元画像は検査臓器内部の手術具124の現在位置により決まる活動状態に対応する。システムは手術具124が検査臓器内を順方向または逆方向に辿る経路を記録する。システムは更にこの経路を検査臓器のモニタ活動状態及び手術具124の瞬時位置とレジストレーションする。
【0062】
ここで図6を参照する。図6は患者の体内の血管内を案内されている手術具の軌跡の概略図であり、各軌跡は異なる活動状態に対して処理されたものである。例えば、プロセッサ108は、活動状態T1時に収集された所定の2次元画像に対して、心臓軌跡400の各サイクルの活動状態T1時に検出された手術具124のすべての位置座標読取り値(すなわち座標612,618,624)を関連付ける。同様に、プロセッサ108は、活動状態T2時に収集された所定の2次元画像に対して、心臓軌跡400の各サイクルの活動状態T2時に検出された手術具124のすべての位置座標読取り値(すなわち座標614,620,626)を関連付け、更に、活動状態T3時に収集される所定の2次元画像に対して、心臓軌跡400の各サイクルの活動状態T3時に検出された手術具124のすべての位置座標読取り値(すなわち座標616,622,628)を関連付ける。
【0063】
プロセッサ108は、活動状態T1と関連する点612,618及び624から軌跡606を計算する。同様に、プロセッサ108は、活動状態T2と関連する点614,620及び626から軌跡608を計算し、更に活動状態T3と関連する点616,622及び628から軌跡610を計算する。
【0064】
プロセッサ108は、所定の臓器活動状態における計算された軌跡の各々と2次元画像とを関連付ける。プロセッサ108は、活動状態T1における軌跡606と2次元画像600とを関連付ける。同様に、プロセッサ108は、活動状態T2における軌跡608と2次元画像602とを関連付け、更に活動状態T3における軌跡610と2次元画像604とを関連付ける。
【0065】
ディスプレイ110は、計算された軌跡の各々をそれぞれの2次元画像上に重畳する。例えば、ディスプレイ110は、2次元画像600上に重畳された軌跡606、2次元画像602上に重畳された軌跡608、2次元画像604上に重畳された軌跡610を提示する。ディスプレイ110は、これらの画像を一時に1つづつ単一の画像フレームとして提示するか、連続的に示される画像系列(すなわち動画像)として提示することができる。
【0066】
点612,614,616,618,620,622,624,626及び628は、図5と関連する点552,554,556,558,568,562,564,566及び568により表される状態と類似の状態を表す点に留意されたい。しかし、図6に示す本発明の特徴によれば、プロセッサ108は、手術具124の軌跡を所定の活動状態中に検出された位置座標の読取り値に基づいて計算する。従って、各軌跡は検査臓器の異なる活動状態に対応する。プロセッサ108は、更に各計算された軌跡を対応する活動状態中に収集された血管画像と関連付ける。
【0067】
ここで図7を参照する。図7は、本発明の他の実施例に従って動作する、対応するデータセットについてMPSデータを2次元画像データ上に重畳する方法のブロック図である。MPS102から得られる位置座標読取り値は時間タグ付きであることを思い出されたい。同様に、メディカルイメージングデバイス104から得られる2次元画像の系列も時間タグ付きである。「対応するデータセット」とは同一の時間タグを有するデータセットの対をいう。データセットの時間タグとはデータセット内の要素の時間タグのセットをいう点に留意されたい。例えば、MPSデータセットの読取り値が2次元画像データセットの画像と同一の時間タグを有する場合、このMPSデータセットとこの2次元画像データセットは対応する。対応するデータセットは医療処置の同一セッション中に生起するデータセットを表す。「対応しないでセット」とは異なる時間タグを有するデータセットの対をいう。例えば、MPSデータセットの読取り値が2次元画像データセットの全ての画像と異なる時間タグを有する場合、このMPSデータセットとこの2次元画像データセットは対応しない。対応しないでセットは(同一または異なる医療処置内の)異なるセッション中に記録されたデータセットを表す。
【0068】
手順702において、MPSデータセットが正規化される。磁気座標系の3次元座標読取り値を含むMPSデータセットがMPS102から得られる。正規化は、図1につき述べたように、患者の動きまたはメディカルイメージングデバイス116の動きを補償する。この正規化は、基準センサ(すなわちMPSセンサ1203または1204)からの対応する時間タグ付きのMPSデータ及びおそらくPS1202からの同様のデータも用いて行われる。
【0069】
手順704において、磁気−光学相関が正規化されたMPSデータについて実行される。この相関手順は3次元位置磁気座標を光学座標系の3次元位置座標に変換する。この相関手順は、図2につき述べた手順210で決定される磁気−光学変換モデルに基づいて行われる。
【0070】
手順706において、光学投影が相関されたMPSデータについて行われる。この光学投影は光学座標系の3次元MPS位置座標読取り値を2次元座標値に変換する。この光学投影は、図2につき述べた手順208で決定される3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。この3次元−2次元光学変換モデルは所定のパラメータ(すなわちメディカルイメージングデバイス104の内部及び外部光学パラメータ及び画像歪みパラメータ)の関数であり、これらのパラメータは所定の瞬時に計算され、時間タグが付けられる。従って、光学投影手順はMPSデータセットと同一の時間タグを有する3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。
【0071】
3DMPSデータと2D画像座標との直接変換は、このような直接変換が計算された場合に使用可能である。光学ひずみの補償は所定の瞬時に行われ、時間タグが付けられる。
【0072】
手順708において、MPSデータセットが2次元画像データセットからの画像上に重畳される。2次元画像データセットはメディカルイメージングデバイス106から得られる。MPSデータセットは今や光学座標系の2次元位置座標を含む。図1につき説明すると、プロセッサ108は位置座標読取り値と2次元画像とをそれらの時間タグに基づいて関連させる。ディスプレイ110は、収集した2次元画像データ及び収集したMPSデータに基づいて、所定の時点における検査臓器に関して手術具124の位置を示す画像を提示することができる。更に、図9及び図10について詳述するように、ディスプレイ110は収集した2次元画像データセット及び収集したMPSデータセットに基づいて、検査臓器に関して案内手術具の軌跡を示す動画象を提示することができる。
【0073】
MPSデータ及び2次元画像データは更に活動状態情報と関連付けることができる。図1につき説明すると、プロセッサ108は、所定の臓器活動状態における位置座標読取り値と2次元画像とをそれらの時間タグに基づいて関連付ける。ディスプレイ110は、収集した2次元画像データ及び収集したMPSデータに基づいて、所定の活動状態における検査臓器に関して手術具124の位置を示す画像フレームを提示することができる。更に、ディスプレイ110は、収集した2次元画像データセット及び収集したMPSデータセットに基づいて、所定の活動状態における検査臓器に対して案内手術具の軌跡を示す動画象を提示することができる。この点は図9及び図10について詳細に説明される。
【0074】
ここで図8を参照する。図8は、本発明の他の実施例に従って動作する、対応しないデータセットについてMPSデータを2次元画像データ上に重畳する方法のブロック図である。第1時間タグを有する第1MPSデータセットは1つの2次元画像データセットと対応する。第2時間タグを有する第2MPSデータセットは前記2次元画像データセットと対応しない。時間タグ付きMPSデータセットはMPS102から得られる。時間タグ付き2次元画像データセットはメディカルイメージングデバイス104から得られる。
【0075】
手順318において、心臓位相情報が心臓運動データから、第1MPSデータセット及び第2MPSデータセットの双方に対して得られる。手順318は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から心臓軌跡を再構成し、再構成した心臓軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて心臓位相と関連付けるステップを含む。呼吸器運動に関する周期運動成分も心臓位相検出のための補助データとして使用することができる。手順318は図3につき詳細に説明されている。
【0076】
手順320において、呼吸器位相情報が呼吸器運動データから、第1MPSデータセット及び第2MPSデータセットの双方に対して得られる。手順320はオプションであり、手順318の代わりに、または手順318と一緒に行うことができる点に留意されたい。手順320は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から呼吸器軌跡を再構成し、再構成した呼吸器軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて呼吸器位相と関連付けるステップを含む。手順320は図3につき詳細に説明されている。
【0077】
手順820において、2つのMPSデータセットの位相アライメントを用いて、第1MPSデータセットと同一の時間タグを有する第3MPSデータセットが第2データセットから生成される。特に、各データセットからの座標読取り値をマッチングすることによって、第2MPSデータセットの座標読取り値に第1MPSデータセットの座標読取り値と同一の時間タグが割り当てられる。第2MPSデータセットにおける検出位相が第1MPSデータセットにおける整合位相にマッピングされる。次に、第2MPSデータセットにおける各検出位相(及び当該位相と関連する各座標読取り値)に、第1MPSデータセットにおける整合位相の時間タグに基づく新しい時間タグが割り当てられる。例えば、位相Aが第2MPSデータセットにおいて時間“x”に生起し、位相Aが第1MPSデータセットにおいて時間“y”に生起する場合には、位相Aは第3MPSデータセットにおいて時間タグ“y”が割り当てられる。この位相マッピングは第2データセットの心臓軌跡の位相を第1MPSデータセットの心臓軌跡と整列させる。このマッピング及び再割当て手順の終了後に、得られたデータセットは第1MPSデータセット、従って2次元画像データセットと同一の時間タグを有する。それゆえ第3MPSデータセットは2次元画像データセットと対応する。心臓運動に関する周期運動成分に加えて、またはその代わりに、呼吸器運動に関する周期運動成分を位相アライメントのために用いることもできる点に留意されたい。手順820は単に第3データセットの各要素のインデックスを発生するものとしてもよい点に留意されたい。
【0078】
手順822において、磁気−光学相関がMPSデータセットについて行われる。手順822の前に、正規化すなわち患者の動きまたはメディカルイメージングデバイス106の動きに対する補償が行われる。正規化については図7につき手順702に説明されている。正規化は手順820の直前または手順820の直後に行うことができる。相関手順は3次元位置磁気座標を光学座標系の3次元座標に変換する。この相関手順は図2の手順210で決定される磁気−光学変換モデルに基づいて行われる。
【0079】
手順824において、光学投影が相関された第3MPSデータについて行われる。この光学投影手順は光学座標系の3次元位置MPS座標を2次元光学座標に変換する。この光学投影手順は、図2の手順208で決定される3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。この3次元−2次元光学変換モデルは時間タグが付けられる点に留意されたい。従って、光学投影手順は第1MPSデータセットと同一の時間タグを有する3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。
【0080】
手順826において、第3MPSデータセットが2次元画像データセットからの画像上に重畳される。図1につき説明すると、プロセッサ108は第3MPSデータセットの位置座標読取り値と2次元画像とをそれらの時間タグに基づいて関連付ける。ディスプレイ110は、収集した2次元画像データ及び収集したMPSデータに基づいて、所定の時点において、検査臓器に関して手術具124の位置を示す画像フレームを提示することができる。更に、ディスプレイ110は収集した2次元画像データセット及び収集したMPSデータセットに基づいて、検査臓器に関して案内手術具の軌跡を示す動画象を提示することができる。MPSデータ及び2次元画像データは更に活動状態情報と関連付けることができる。ディスプレイ110は更にMPSデータを対応するデータセット及び対応しないセットと同時に提示することができる。例えば、現在のリアルタイムMPSデータを現在のリアルタイム画像(すなわち対応するデータセット)の上に重畳して提示するとともに、同時に、関連する活動状態情報を用いて、同一の現在のリアルタイムMPSデータをそれ以前に収集した画像(すなわち対応しないデータセット)の上に重畳して提示することができる。
【0081】
ここで図9を参照する。図9は、本発明の他の実施例に従って動作する、検査臓器の異なる活動状態のそれぞれについて患者体内の案内手術具の軌跡(例えば図6に示される)を構成する方法のブロック図である。以下の例では、2次元画像データセットと対応するMPSデータセットを用いる。対応しないデータセットも、図8について述べた手順820と同様の位相アライメント処理を簡単に受けた後に、使用することができる点に留意されたい。時間タグ付きMPSデータセットがMPS102から得られ、時間タグ付き2次元画像データセットがメディカルイメージングデバイス104から得られる。
【0082】
手順318において、心臓位相情報が心臓運動データから、MPSデータセットに対して得られる。手順318は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から心臓軌跡を再構成し、再構成した心臓軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて心臓位相と関連付けるステップを含む。呼吸器運動に関する周期運動成分も心臓位相検出のための補助データとして使用することができる。手順318は図3につき詳細に説明されている。
【0083】
手順320において、呼吸器位相情報が呼吸器運動データから、第1MPSデータセット及び第2MPSデータセットの双方に対して得られる。手順320はオプションであり、手順318の代わりに、または手順318と一緒に行うことができる点に留意されたい。手順320は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から呼吸器軌跡を再構成し、再構成した呼吸器軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて呼吸器位相と関連付けるステップを含む。手順320は図3につき詳細に説明されている。
【0084】
手順908において、相関位相情報が2次元画像データセットに対して得られる。位相情報は、画像から直接得られないで相関MPSデータ(所与の画像と同一時間に生起する)から得られるという意味で相関性である。各2次元画像が収集される心臓の位相または活動状態(例えば図4に示す活動状態T1,T2,T3)を識別する。活動状態の識別は、全ての画像の収集中に得られた時間タグと、同一時間タグを有するMPSデータセットの位相とを利用する。
【0085】
ECGのようなモニタ装置をMPSデータセットとともに用いて所定状態における2次元画像データセットの位相情報を得ることができる。例えば、所定の画像の収集時に患者の体内にセンサがない場合(例えば、ガイドワイヤが血管内に挿入される前に医用画像が撮られる医療処置の開始間際)、モニタ装置からの情報を対応しないMPSデータセットと一緒に使用することができる。この場合には、MPSデータにより得られる機械的表現の位相データとモニタ装置により得られる外部位相(例えばECG装置から得られる電気的表現の位相データ)との間で位相アライメントを実行する。機械的データと電気的データ間の位相アライメントは、同一の心臓軌跡を表現するサンプル信号の相違に由来するレイテンシの相違を考慮するために必要とされる。
【0086】
手順910において、各2次元画像に対して個別のMPSデータセットが画像位相と時間タグに基づいて生成される。同じ位相時に収集された全てのMPS位置座標読取り値が単一のデータセットに合成される。手順910の終了後、2次元画像データセットのすべての画像は、当該画像と同一の位相で収集された座標読取り値のみを含む対応するMPSデータセットを有する。
【0087】
手順912において、磁気−光学相関が手順910で生成された各MPSデータセットについて行われる。手順912の前に、正規化すなわち患者の動きまたはメディカルイメージングデバイス106の動きに対する補償が行われる。正規化については図7の手順702に説明されている。正規化は手順910の直前または手順910の直後に行うことができる。相関手順は3次元位置磁気座標を光学座標系の3次元座標に変換する。この相関手順は図2の手順210で決定される磁気−光学変換モデルに基づいて行われる。
【0088】
手順914において、光学投影が手順910で生成された相関MPSデータセットについて行われる。この光学投影手順は光学座標系の3次元位置MPS座標を2次元光学座標に変換する。この光学投影手順は、図2の手順208で決定される3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。この3次元−2次元光学変換モデルは時間タグが付けられることを思い出されたい。従って、光学投影手順はMPSデータセットと同一の時間タグを有する3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。
【0089】
手順916において、手順910で生成された各MPSデータセットが対応する2次元画像上に重畳される。各2次元画像に対して、当該2次元画像と同一の位相時に収集されたMPS座標読取り値が当該画像上に重畳される。このとき、座標読取り値が線で連結され、検査臓器の各活動状態における手術具124の軌跡を表すスプライン曲線が生成される。ディスプレイ110は、収集した2次元画像データ及び収集したMPSデータに基づいて、所定の時点において、検査臓器に関して手術具124の位置を示す画像フレームを提示することができる。更に、ディスプレイ110は収集した2次元画像データセット及び収集したMPSデータセットに基づいて、検査臓器に関して案内手術具の軌跡を示す動画象を提示することができる。MPSデータ及び2次元画像データは更に活動状態情報と関連付けることができる。ディスプレイ110は更に現在のリアルタイムMPSデータを現在のリアルタイム画像上に重畳して提示するとともに、関連する活動状態情報を用いて、同一の現在のリアルタイムMPSデータをそれ以前に収集した画像上に重畳して提示することができる。
【0090】
ここで図10を参照する。図10は、本発明の他の実施例に従って動作する、検査臓器の異なる活動状態のそれぞれについて患者体内の案内手術具の軌跡を構成する追加の方法のブロック図である。以下の例では、2次元画像データセットと対応するMPSデータセットを用いる。対応しないデータセットも、図8について述べた手順820と同様の位相アライメント処理を簡単に受けた後に、使用することができる点に留意されたい。時間タグ付きMPSデータセットがMPS102から得られ、時間タグ付き2次元画像データセットがメディカルイメージングデバイス104から得られる。
【0091】
手順318において、心臓位相情報が心臓運動データから、MPSデータセットに対して得られる。手順318は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から心臓軌跡を再構成し、再構成した心臓軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて心臓位相と関連付けるステップを含む。呼吸器運動に関する周期運動成分も心臓位相検出のための補助データとして使用することができる。手順318は図3につき詳細に説明されている。
【0092】
手順320において、呼吸器位相情報が呼吸器運動データから、第1MPSデータセット及び第2MPSデータセットの双方に対して得られる。手順320はオプションであり、手順318の代わりに、または手順318と一緒に行うことができる点に留意されたい。手順320は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から呼吸器軌跡を再構成し、再構成した呼吸器軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて呼吸器位相と関連させるステップを含む。手順320は図3につき詳細に説明されている。
【0093】
手順1004において、中心線軌跡が再構成される。手術具124の全体軌跡から周期運動成分が分離された後の残りの運動成分は手術具124の案内運動の中心軸すなわち中心線軌跡に対応する。手順1004は図3の手順308に類似する。
【0094】
手順1010において、各位相ごとに個別の中心線軌跡が生構成される。時間タグ及び心臓軌跡の検出位相に基づいて、中心線位置が位相に従って照合され、各位相ごとに異なる中心線軌跡が構成される。
【0095】
手順1012において、相関位相情報が2次元画像データセットに対して得られる。位相は、画像から直接得られないで相関MPSデータ(所与の画像と同一時間に生起する)から得られるという意味で相関性である。各2次元画像が収集される心臓の位相または活動状態(例えば図4に示す活動状態T1,T2,T3)が識別される。活動状態の識別は、全ての画像の収集中に得られた時間タグと、同一時間タグを有するMPSデータセットの位相とを利用する。図9について説明したように、ECGのようなモニタ装置をMPSデータセットとともに用いて所定状態における2次元画像データセットの位相情報を得ることができる。この場合には、MPSデータにより得られる機械的表現の位相データとモニタ装置により得られる外部位相(例えばECG装置から得られる電気的表現の位相データ)との間で位相アライメントを実行する。機械的データと電気的データ間の位相アライメントは、同一の心臓軌跡を表現するサンプル信号の相違に起因するレイテンシの相違を考慮するために必要とされる。手順1012は図9の手順908と同様である。
【0096】
手順1014において、2次元画像データセットの画像の各位相ごとに、整合する周期運動成分を付加することによって、各中心線軌跡がシフトされる。心臓運動及び呼吸器運動に関する周期運動成分が中心線軌跡に付加される。所定の各位相に対する各個別中心線軌跡ごとに、当該位相の周期運動成分が中心線軌跡に付加される。このとき各中心線軌跡が付加された周期運動成分に従ってシフトされる。
【0097】
手順1016において、磁気−光学相関が手順1014でシフトされた各心臓軌跡について行われる。手順1016の前に、正規化すなわち患者の動きまたはメディカルイメージングデバイス106の動きに対する補償が行われる。正規化については図7の手順702に説明されている。正規化は手順1014の直前または手順1014の直後に行うことができる。相関手順は3次元位置磁気座標を光学座標系の3次元座標に変換する。この相関手順は図2の手順210で決定される磁気−光学変換モデルに基づいて行われる。
【0098】
手順1018において、光学投影が手順1014でシフトされた各相関心臓奇跡について行われる。この光学投影手順は光学座標系の3次元位置MPS座標を2次元光学座標に変換する。この光学投影手順は、図2の手順208で決定される3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。この3次元−2次元光学変換モデルは時間タグが付けられることを思い出されたい。従って、光学投影手順は心臓軌跡と同一の時間タグを有する3次元−2次元光学変換に基づいて行われる。
【0099】
手順1020において、各シフトされた中心線軌跡が対応する2次元画像上に重畳される。各2次元画像に対して、当該2次元画像と同一の位相と整合する中心線軌跡のMPS座標読取り値が当該画像上に重畳される。このとき、座標読取り値が線で連結され、検査臓器の各活動状態における手術具124の軌跡を表すスプライン曲線が生成される。ディスプレイ110は、収集した2次元画像データ及び収集したMPSデータに基づいて、所定の時点において、検査臓器に関して手術具124の位置を示す画像フレームを提示することができる。更に、ディスプレイ110は収集した2次元画像データセット及び収集したMPSデータセットに基づいて、検査臓器に関して案内手術具の軌跡を示す動画象を提示することができる。MPSデータ及び2次元画像データは更に活動状態情報と関連付けることができる。ディスプレイ110は更に現在のリアルタイムMPSデータを現在のリアルタイム画像上に重畳して提示するとともに、関連する活動状態情報を用いて、同一の現在のリアルタイムMPSデータをそれ以前に収集した画像上に重畳して提示することができる。
【0100】
本発明の技術は図面に示され上述された実施例に限定されないことは当業者に明らかである。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ特定される。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の一実施例に従って構成され動作するシステムの概略図である。
【図2】本発明の他の実施例に従って動作する、3次元磁気器座標を2次元光学座標にレジストレーションする方法のブロック図である。
【図3】本発明の他の実施例に従って動作する、MPSデータセットから位相情報を得る方法のブロック図である。
【図4】図4Aは電気的信号表現及び機械的信号表現の心臓軌跡の模範例を示す概略図、 図4Bは機械的信号表現の呼吸器軌跡の模範例を示す概略図である。
【図5】図4の心臓軌跡の種々の活動状態における患者体内の血管内部に存在する図1のシステムの手術具の軌跡を示す概略図である。
【図6】それぞれ異なる活動状態に関する患者体内の血管内部の案内手術具の軌跡を示す概略図である。
【図7】本発明の他の実施例に従って動作する、MPSデータセットを対応するデータセットについて2次元画像データ上にスーパーインポーズする方法のブロック図である。
【図8】本発明の他の実施例に従って動作する、MPSデータセットを対応しないデータセットについて2次元画像データ上にスーパーインポーズする方法のブロック図である。
【図9】本発明の他の実施例に従って動作する、検査臓器の種々の活動状態のそれぞれについて患者体内の案内手術具の軌跡を再構成する方法のブロック図である。
【図10】本発明の他の実施例に従って動作する、検査臓器の種々の活動状態のそれぞれについて患者体内の案内手術具の軌跡を再構成する追加の方法のブロック図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医療診断及び手術システム及び方法に関し、特には3次元メディカルイメージング及びナビゲーションにおいて臓器位相をモニタする方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
メディカルイメージングは、種々のタイプの医療手術の実行を助け、また診断や医療処置に関するその他の判断を向上させる強力なツールである。リアルタイムメディカル画像を種々のイメージングモダリティにより生成するいくつかのシステムが知られている。周期的運動または周期的位相を伴う解剖学的構造のイメージングでは、イメージングシステムはこれを考慮するためにタイミング素子を含む。通常、心電図(ECG)計のようなモニタ装置がメディカルイメージングシステムに組み込まれ、収集画像を臓器位相に関して記録するためのタイミング情報を供給する。一般に、このようなモニタ装置から得られるタイミング情報は完全に正確ではない。また、このようなモニタ装置から受信される信号は遅延を伴い、実際の臓器運動に関してリアルタイムに得られない。最後に、外部モニタ装置は既に複雑なシステムに邪魔な素子を付加することになる。
【0003】
特許文献1は被検体内の侵襲的器具の追跡中の被検体運動の補償方法に関するものである。器具追跡装置は固定基準点に対する侵襲的器具の位置を決定する。イメージング装置は被検体の基準画像を収集する。イメージング装置内に位置する位置決定手段が被検体の基準点の位置を時間とともに測定する。各収集画像は被検体基準点の対応する位置と一緒に記憶される。被検体追跡装置は位置決定手段から時間に伴う位置情報を受信し、画像収集の時間から器具位置測定の時間までの被検体の並進及び回転運動を計算する。レジストレーション装置は基準画像と、被検体の正味位置及び向きと、器具位置とを受信する。レジストレーション装置は、基準画像を器具位置の測定時に被検体の位置及び向きに適合するように並進及び回転させる。器具の画像は被検体の並進/回転画像上にその絶対位置及び向きで重畳される。レジストレーション装置は、画像の表示に加えて、器具の表示位置を調整することもできる。
【0004】
並進及び回転運動に加えて、レジストレーション装置は呼吸や心周期のような周期的運動により生じる被検体の拡張及び収縮を考慮する。位置検出手段は拡張及び収縮による被検体の変化を測定し、この情報を記録装置に供給する。レジストレーション装置は基準画像を拡張及び収縮に従って歪ませ、次に並進及び回転させて、被検体の画像を現在の器具位置と動的に位置合わせする。
【0005】
また、イメージング装置は、被検体の次の投影像を収集し、これらの画像内の被検体のオフセット及び断面サイズを検出することにより被検体運動をモニタすることができる。さらにまた、一連の基準画像を周期的運動サイクルでゲートする。イメージング装置はECG信号で測定される心周期内の種々の時間に一連の画像を収集する。ECGは器具位置の各測定のための信号を供給する。所定の時間に、ECG信号に対応する一連の画像から一つの画像を基準画像として選択する。レジストレーション装置は、この基準画像を、当該時間に被検体追跡装置から受信される情報に対して並進及び回転させる。器具の測定位置の表示は更新画像上に重畳され、被検体と侵襲的器具の位置合わせされた画像が得られる。
【0006】
特許文献2は、運動する内部臓器の運動速度を時間とともに決定し運動速度のカラー表示を与えるシステムに関する。超音波プローブが心臓に向け超音波ビームを送信する。送信された超音波ビームは心臓の組織で部分的にエコー信号として反射され、プローブに戻る。エコー信号はドップラー効果によりドップラー周波数シフトを有する。エコー信号は電圧信号に変換され、受信信号プロセッサに供給される。信号はビーム成形され、検出されてBモードディジタルスキャンコンバータ(DSC)に出力される。BモードDSCは信号の画像データを標準テレビジョン走査デバイスに変換し、画像シンセサイザに送る。BモードDSCはさらに任意の心周期タイミングで複数の画像データをBモードフレームメモリに記憶する。
【0007】
受信信号プロセッサは更に変換されたエコー信号を位相検出器に送る。位相検出器はドップラーシフト周波数で位相検波してドップラーシフト信号を抽出する。低域通過フィルタにより、弁運動や血流により生ずる不必要なドップラー信号を除去し、心筋からのドップラー信号のみを残す。周波数分析器が、高速フーリエ変換(FFT)または自己相関法を用いて、走査平面の各サンプリングボリューム点における速度に関する物理値を計算する。これらの値は平均ドップラー周波数(臓器の運動の平均速度に対応する)、分散(ドップラースペクトルの乱れ率)及びドップラーシフト周波数の最大値(サンプリングボリューム点における臓器の最大速度)を含む。これらの値はカラードップラー情報としてベクトル速度計算機に送られ、この計算機が各サンプリングボリューム点における臓器の絶対移動速度を計算する。ディスプレイが速度の大きさ及び/又は方向をカラースキーム割当てに従って提示する。心臓の検出ECG信号は信号発生器(超音波ビームの送/受用の基準パルスを出力する)をトリガするのに使用される点に留意されたい。加えて、これらの心臓タイミング信号は心臓の運動速度の変化を色で表示するリアルタイム画像を生成するのに使用される。
【0008】
特許文献3は、3次元追跡及びイメージングを用いて生体内医療処置を関連する被検体に実行する方法に関するものである。複数のトランシーバを用いて被検体の3次元運動を追跡する。少なくとも4つのトランシーバを披検体内に埋め込み、披検体内におけるそれらの距離を測定する。3つのトランシーバは(x,y)平面内に位置し、基準として作用する。第4のトランシーバは、周囲のトランスデューサのうちのアクティブな1つが3つのトランシーバにより決まる基準平面より上または下に位置する場合に、周囲のトトランスデューサのz座標を決定する。被検体の種々の位置に装着された複数の送信機の各々が順に駆動され、3つの基準トランシーバが受信信号を記録する。各送信機から基準平面までの距離の差は既知であるため、送信機の相対x,y,z座標を三角測量法を用いて決定することができる。
【0009】
ビデオディスプレイはECG信号を用いてリアルタイムの被検体心拍と同期される。アナログ−ディジタル(A/D)変換器がECG信号をディジタルデータに変換する。同期発生器モジュールがディジタルECGデータから現在の心臓活動に対応するタイミング信号を発生する。これは、QRS群が識別される正確な時間にメモリ位置または入力ポートを活性化するか、割り込みを発生させることにより行われる。特に、同期発生器モジュールはデータ信号を、大きな変化率、零交差及び他の情報について試験し、信号のQRS群を示すことが可能である。
【0010】
特許文献4は、医療処置の実行中に医師を助けるためにメディカル画像をリアルタイムに与える方法に関するものである。MRIシステムにより医療処置前に心臓の高解像度モデルを得る。心臓の画像は連続する心位相時に収集する。パルス発生器が一連の高速の勾配エコーパルスシーケンスを生成する。R波のピーク時にトリガするECGゲート信号を用いて、心周期のR−Rインターバルをいくつかの短いセグメントのパルスシーケンスに分割する。各高速勾配エコーセグメント中に心臓の単一座標またはビューが収集される。隣接するセグメントがグループに合成され、各グループのデータが心周期の異なる位相における画像を生成する。複数(例えば15)の2次元スライスが全心周期中に収集され、心周期の連続する(例えば15の)位相における心臓の断面が表示される。心臓の追加スライスが収集され、2次元画像に再構成される。これらの2次元スライスが次に合成されて(例えば15の)3次元画像データセットが形成される。
【0011】
医療処置中に、超音波トランスデューサは心臓の低解像度画像フレームをリアルタイムに収集する。披検体からのECG信号はリアルタイムの心位相を検出する。記憶された高解像度心臓モデルをリアルタイムの画像フレーム及びECG信号を用いて位置合わせする。次に、位置合わせされた高解像度モデルを用いて高解像度で大視野の画像をディスプレイ上にリアルタイムに生成する。
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,577,502号明細書、発明者:Darrow他、発明の名称:「Imaging of interventional devices during medical procedure」
【特許文献2】米国特許第5,622,174号明細書、発明者:山崎、発明の名称:「Ultrasonic diagnostic apparatus and image displaying system」
【特許文献3】米国特許第6,246,898号明細書、発明者:Vessely他、発明の名称:「Method for carrying out a medical procedure using a three-dimensional imaging and tracking system」
【特許文献4】米国特許第6,556,695号明細書、発明者:Packer他、発明の名称:「Method for producing high resolution real-time images, of structure and function during medical procedures」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、外部モニタ装置なしで発生した臓器タイミング信号を用いる体内ナビゲーション及び侵襲的器具追跡のための新規な方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、患者の体内の少なくとも1つの検査臓器に関する臓器タイミング信号を生成する装置が提供される。本装置は、メディカルポジショニングシステム(MPS)とプロセッサとを含む。プロセッサはMPSと結合される。MPSは少なくとも1つの基準電磁トランスデューサと、少なくとも1つの内部電磁トランスデューサと、MPSプロセッサとを含む。MPSプロセッサは基準電磁トランスデューサ及び内部電磁トランスデューサと結合される。内部電磁トランスデューサは検査臓器の近くの血管内に挿入された手術具に取り付けられる。MPSプロセッサは、基準電磁トランスデューサ及び内部電磁トランスデューサの一方から送信された送信電磁信号と基準電子トランスデューサ及び内部電磁トランスデューサの他方により検出された検出電磁信号とを処理することによって内部電磁トランスデューサの3次元位置を決定する。MPSプロセッサはさらに複数のMPSデータセットを発生する。MPSデータセットの各セットは時間の経過に伴う手術具の運動軌跡を示す3次元位置座表の読取り値の集合を含む。プロセッサは、MPSデータセットにおける周期的運動周波数を検出し識別し、MPSデータセットから周期的運動周波数をフィルタリングすることによって、MPSデータセットから臓器タイミング信号を生成する。
【0015】
本発明によれば、患者の体内の検査臓器に関する臓器タイミング信号を生成する方法も提供される。この方法は、電磁信号を送信し、電磁信号を検出する手順と、送信電磁信号と検出電磁信号を処理する手順と、この信号処理に基づいて患者の体内に挿入された手術具の3次元位置を決定する手順とを含む。この方法は、更に、時間の経過に伴う手術具の運動軌跡を示す3次元位置座標の読取り値の集合を含むMPSデータセットを生成する手順と、MPSデータセットにおける周期的運動周波数を検出し識別する手順と、MPSデータセットから周期的運動周波数をフィルタリングする手順とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、外部モニタ装置を用いずに発生された臓器タイミング信号を用いる体内ナビゲーション及び侵襲的器具追跡用方法及び装置を提供することによって従来技術の欠点を克服するものである。本明細書では、以下において、「位相」と「活動状態」を互換的に使用される。一実施例によれば、位相情報は位置と向きの情報を同時に供給するセンサから発生される。システムは、画像収集および再生、3次元モデルの再構成、体内ナビゲーション及び低侵襲手術中の侵襲的器具の追跡を可能にする。これらの特徴は、US特許出願第2002/0049375号(発明者:Strommer他、発明の名称:「Method and apparatus for real time quantitative three-dimensional image reconstruction of a moving organ and intra-body navigation」)に説明されており、参考のためにここに援用される。また、このシステムは、手術具を挿入する必要がある場合に、挿入する手術具の種類と寸法について最適にアドバイスするのに使用でき、また外科処置に関するその他の決定に使用できる。
【0017】
図1につき説明すると、図1は本発明の一実施例に従って構成され動作するシステム100の概略図である。
【0018】
システム100は、メディカルポシショニングシステム(MPS)102と、メディカルイメージングデバイス104と、データベース106と、プロセッサ108と、ディスプレイ110と、画像検出器116と、複数のMPSセンサ1201、1202、1203及び1204と、手術具124とを含む。プロセッサ108はデータベース106及びディスプレイ110と結合される。MPS102は複数のMPSセンサ1201、1202、1203及び1204を含む。メディカルイメージングデバイス104は画像検出器116を含む。
【0019】
MPS102は患者の体の一部分の位置に関するデータを受信し処理する。以下では、「位置」は空間内の点の位置または位置座標及び空間内の該点の向きのいずれか一方または両方を意味することに留意されたい。前記データは複数のMPSセンサ1201、1202、1203及び1204により得られる。MPSセンサ1201は手術器具124に取り付けられる。MPSセンサ1202、は画像検出器116に取り付けられる。MPSセンサ1203は一般に患者の体の検査部分130に取り付けられる。MPSセンサ1204は一般に患者が載置される表面上の既知部分に取り付けられる。
【0020】
MPSセンサ1201、1202、1203及び1204の各々はコイルのような電磁界検出素子を含む。MPS102は所定の電磁界を発生し、該電磁界はMPSセンサ1201、1202、1203及び1204によりそれぞれ検出される。MPS120は検出された電磁界を処理し、MPSセンサ1201、1202、1203及び1204の3次元位置の指示を得る。このようにして、MPS102は、画像検出器106、手術具124、患者の体130の選択部分及び患者載置表面上の既知部分の3次元位置を決定する。この電磁界送信は、電磁界検出素子が固定で、MPS102内に位置し、所定の電磁界はMPSセンサ1201、1202、1203及び1204により発生されるように、逆にすることもできる。MPS102のようなメディカルポジショニングシステムは米国特許第6,233,476号明細書(発明者:Strommer他、発明の名称:「medical positioning system」)に説明されており、参考のためにここに援用される。
【0021】
本発明の一実施例では、MPSセンサ1201、1202、1203及び1204の各々は、電磁界を送信できるとともに検出できる電磁トランスデューサとすることができる。加えて、MPS102は所定の基準位置に位置する少なくとも1つの基準電磁トランスデューサ(図示せず)を含む。基準電磁トランスデューサはMPSセンサ1201、1202、1203及び1204のうちの1つとすることができる。MPS102は、さらに、基準電磁トランスデューサ及び他の電磁トランスデューサの各々と結合されたMPSプロセッサ(図示せず)を含む。基準トランスデューサは所定の電磁信号を電磁界の形で送信し、これらの電磁界がMPSセンサ1201、1202、1203及び1204によりそれぞれ検出される。あるいは、この電磁界送信は、所定の電磁信号がMPSセンサ1201、1202、1203及び1204によりそれぞれ発生され、基準トランスデューサにより検出されるように、逆にすることもできる。このようにして、MPS102は、画像検出器106、手術具124、患者身体130の選択部分及び患者載置表面上の既知部分の3次元位置を決定する。
【0022】
MPSセンサ1202により得られた画像検出器116の位置は、メディカルイメージングデバイス104に関するパラメータ(すなわち外部光学パラメータ)の決定に使用される。メディカルイメージングデバイスに関するパラメータは他の手段、例えば既知の校正目標点または基準点及びこれらの点とそれらの対応する識別画像の関係を用いて得ることができる。
【0023】
MPS1203により得られる患者の体の位置は、任意の患者の動きを補償するための基準として使用される。MPSセンサ1203からのデータは、磁気座標系の原点のような既知の座標セットに対する、または別のセンサまたは複数のMPSセンサの1つ、例えばMPSセンサ1204に対する患者の動きを決定するのに使用される。MPSセンサ1203及び1204の各々は患者の動きを決定するために個別に使用することもでき、また両方一緒に使用することもできる点に留意されたい。さらに、MPSセンサ1203と1204のどちらも複数のセンサを含むことができる(すなわち患者身体130の検査部分に取り付けられた複数のセンサが存在しうるとともに患者載置表面上の既知部分に取り付けられた複数のセンサが存在しうる)点に留意されたい。
【0024】
患者の動きまたはメディカルイメージングデバイス104の動きを補償するプロセスは座標系の正規化として知られている。座標系の正規化(以後「正規化」という)は、患者の動きを補償するための対応する基準センサ(MPSセンサ1203または1204)を用いて行われる。メディカルイメージングデバイス104の動きの補償は、MPSセンサ1203または1204に加えて、メディカルイメージセンサ104の画像検出器116に取り付けられたMPSセンサ1202も使用する。正規化は種々のデータセットを種々のセッションまたは医療処置に利用可能とする。「医療処置」とは患者に行われる任意のタイプの医療処置、例えば診断、治療または予防処置を意味する。医療処置はいくつかの段階で行われる。一つの医療処置の各段階は「セッション」として知られている。さらに、座標系の正規化によってMPSセンサ読取り値の無効化が要求されることはない点に留意されたい。MPSセンサ1201及び1202から得られる全てのデータ読取り値を処理に使用でき、患者の動きの結果としての「欠陥」読取り値を破棄する必要がなくなる。更に、座標系の正規化はMPSデータを異なる座標系で表すことを可能にする。例えば、データを患者の座標系に対して表すことができ、この場合には患者の身体が静止し、検査臓器及び手術具が動く。また、データは検査臓器の座標系に対して表すことができ、この場合には検査臓器が静止し、患者の体及び手術具が動く。更にまた、データは手術具の座標系に対して表すことができ、この場合には手術具が静止し、患者の体と検査臓器が動く。
【0025】
MPS102は、MPS1203またはMPSセンサ1204と同様に、他の基準として使用される追加のMPSセンサを含み、座標系の正規化を更に支援することができる。しかし、基準点を指定する他の方法を使用することができ、例えば全てのMPSセンサを初期参照し、全医療処置中患者を固定し、収集画像を分析し、トランスデューサ等に取り付けられたセンサ以外の各MPSセンサに対して画像内の反復視点または断面を識別する。
【0026】
MPS102は検査臓器の活動状態に関する位相情報を得るためのデータも提供する。例えば、検査臓器が心臓の場合、位相情報は心周期内の種々の段階を示す心臓タイミング信号とすることができる。心周期は2つの連続する心収縮の間の時間と定義される。時間の関数としての心臓の電気的活動、例えばECGモニタにより得られる電気的タイミング信号は、心周期内の心臓の現段階または位相を示す。また、検査臓器が肺の場合、位相情報は呼吸サイクル内の呼吸速度及び呼吸段階に関連するもとし得る。例えば、検査臓器が眼の場合、位相情報はまぶたの運動や眼科的特徴に関連するものとし得る。プロセッサ108は、外部モニタ装置(例えばECG装置)を必要とすることなく、MPS102によりMPSセンサ1201を介して供給されるデータを処理することによって位相情報を得る。位相情報を得るために他のセンサを独立にまたは併せて(例えばMPS1201とともにMPSセンサ1203)使用することができる。
【0027】
メディカルイメージングデバイス104は患者身体内の一部分の2次元画像を提供する。ここに説明する例では、検査部分は心臓と周囲血管である。メディカルイメージングデバイス104は従来既知の任意のタイプの画像収集システム、例えば超音波、内部血管超音波、X線、Cアームマシン、フルオロスコピー、血管造影法、コンピュータトモグタフィ、核磁気共鳴、陽電子放出トモグラフィ、単光子放出トモグラフィ等を含むことができる。
【0028】
メディカルイメージングデバイス104は画像検出器116から2次元画像を収集する。画像検出器116は複数の2次元画像を検出し、各画像は臓器(例えば心臓)の1つのビューを表す。画像検出器116に取り付けられたMPSセンサ1202は画像検出器116の位置に関する情報を得る。フレームグラッバ(図示せず)が画像を収集し、収集した画像をデータベース106に供給する。
【0029】
データベース106はシステム100で要求されるデータを格納する。データベース106は一般にデータベース装置であり、データレコードの格納及びアクセスを可能とする。データベースはメディカルイメージングシステム104から収集された2次元画像のフレームを含むと共にMPS102からのMPSセンサ読取り値を含む。データはデータベース106に転送され、処理のためにデータベースから呼び出される。プロセッサ108の計算により得られる中間及び最終データ値もデータベース106に格納することができる。データベース106は更にシステム100とともに使用する追加の装置からの情報(例えばECGのような外部モニタ装置からの情報、血管内超音波情報など)を格納することもできる。一般に、データベース106はシステム100で必要とされる全ての情報を格納する。
【0030】
データベース106に格納されたデータ要素は時間タグ付である。以後、「時間タグ付き」とは、データ要素を該データ要素が得られた正確な時間と関連づける(例えば、MPS座標読取り値を該座標読取り値が得られた正確な時間と関連付ける)プロセスをいう。複数のMPSセンサ1201,1202,1203,1204の各々により得られるデータは時間タグ付である。メディカルイメージングデバイス104により収集される複数の2次元画像も時間タグ付である。時間タグは、データベース106に格納されたデータ要素を処理する際に考慮される。
【0031】
全ての時間タグ付きデータにレイテンシー補償が行われる。一般に、メディカルイメージングデバイス104により収集される2D画像のセットからの画像フレームは、それらの時間タグが対応するMPSデータセットの時間タグと一致するようにシフトさせる(すなわち、MPS座標読取り値と同一時間に収集される画像を互いに一致させる)。
【0032】
プロセッサ108はデータベース106に収集されたデータを処理する。プロセッサ108は、必要な演算を行い、種々のデータストリームを相関し、フィルタリング、セグメンテーション及び3次元モデルの再構成及びその他の処理を行なう。プロセッサ108は、収集2次元画像とそれぞれの画像に関する位相情報とそれぞれの画像に関する位相情報とを関連づける。プロセッサ08は、更に、同じ活動状態を有する収集2次元画像と、各画像と関連する3次元位置データとから3次元画像を構成する。
【0033】
ディスプレイ110は検査臓器の動画像または画像シーケンスをリアルタイムに提示する。動画像はメディカルイメージングデバイス104により収集された2次元画像からなり、MPS102により得られた手術具124の3次元位置データが光学投影により重畳される。動画像は臓器の構成された3次元モデルの投影からなるものとすることもできる。動画像は、手術具が患者体内に案内されるにつれて、検査臓器の種々の活動状態と関連して、手術具120の軌跡を表示する。ディスプレイ110はリアルタイムに検出される活動状態と関連して、選択された動画像の画像フレームを提示することもできる。ディスプレイ110は種々の再生効果、フリーズフレーム、変化速度、特徴選択などを提供することもできる。例えば、ディスプレイ110は、前画像を連続的に再生して臓器の前活動状態中における手術具の進路を示すことができる。ディスプレイ110は多数のモニタを含むことができ、また単一モニタ内に複数の個別のウインドウを含むことができ、各モニタまたはウインドウが異なるビューを提示することができる。例えば、1つのモニタまたはウインドウは、現活動状態と関連する検査臓器の現画像フレームに重畳される手術具124の現在のリアルタイムの3次元位置データを提示し、他のモニタまたはウインドウは前活動状態と関連する検査臓器の前画像フレーム(画像シーケンス)上に重畳される手術具124の現在のリアルタイムの3次元位置データを提示する。ディスプレイ110は2次元ディスプレイ、適切な眼鏡で見る自動立体ディスプレイ、スタンドアロン型立体ディスプレイ、ゴーグルなどとすることができる。
【0034】
図2は、本発明の他の実施例に従って動作する、3次元磁気座標を2次元光学座標に位置合わせする方法のブロック図を示す。
【0035】
手順210において、磁気−光学相関のための変換モデルが決定される。磁気−光学相関は、MPSセンサで得られる3次元磁気座標の3次元光学座標への変換を意味する。この相関手順は一般にシステム全体の初期化中に1度行われる。手順210は磁気座標系と光学座標系との間の変換モデルを決定するステップを含む。この変換はワーキングボリュームのグローバルソリュージョンを決定し、他のマニュアルキャリブレーションまたは相関を必要としない。一般に、磁気設定パラメータが変化しない限り、相関は繰り返す必要はない。磁気座標系と光学座標系の間の小さな変化を校正するために相関は医療処置中に自動的に修正することができる。
【0036】
手順220において、光学投影のための変換モデルが決定される。光学投影は、3次元光学座標(磁気−光学相関により得られた)をディスプレイ110で表示される画像上に重畳すべき2次元光学座標への変換を意味する。光学投影は3次元座標系から2次元座標系への変換モデルに基づく。この変換モデルは、メディカルイメージングデバイス104の外部光学パラメータ、内部光学パラメータおよび画像歪みパラメータに基づく。手順220は手順222,224,226及び228からなる。
【0037】
手順222において、外部光学パラメータが決定される。外部光学パラメータはメディカルイメージングデバイス104の位置に関連する。特に、外部光学パラメータは、メディカルイメージングデバイス104の座標系を規定の光学座標系に対して決定する。手順224において、内部光学パラメータが決定される。メディカルイメージングデバイス104の内部光学パラメータは画像収集メカニズムに関連する。例えば、内部光学パラメータは、レンズ中心点、焦点距離などを含み得る。手順226において、画像歪みパラメータが決定される。画像歪みパラメータは、物体がメディカルイメージングデバイス104により収集された画像に現れる際に、画像収集メカニズムの物理的特性及び画像収集メカニズムの動作方法の結果として物体の原プロポーションが変更されるパラメータに関連する。画像歪みパラメータは内部光学パラメータの一部として、または追加の補正パラメータセットとして計算することができる。
【0038】
外部光学パラメータは通常リアルタイムに連続的に計算するが、一般に内部光学パラメータ及び画像歪みパラメータは医療処置の開始段階で一度計算すれば十分である。しかし、内部光学パラメータ及び画像歪みパラメータを後の段階で再計算する必要がある場合もある。MPSデータはメディカルイメージングデバイス104の外部光学パラメータ、内部光学パラメータ及び画像歪みパラメータの再計算に使用することもできる。手順228において、3次元座標系と2次元座標系との間の変換がメディカルイメージングデバイス104の外部光学パラメータ、内部光学パラメータ及び画像歪みパラメータに基づいて決定される。
【0039】
その代わりに、または加えて、3DMPS座標系と画像平面の2D座標系との間の直接変換を既知のMPS座標読取り値及びそれらの対応する画像座標系に対する関係に基づいて決定することができる。投影手順220は投影すべきMPSデータの基準センサからの時間タグ付きデータ及び投影すべき画像を考慮する点に留意されたい。画像収集後に患者の動きが生じた場合、またはMPSデータの収集後にメディカルイメージングデバイス104の動きが生じた場合、これらの動きを補償しMPSデータが正確に投影されるようにするために基準センサを用いることができる。
【0040】
図2の方法は、一組の3次元磁気座標を2次元光学に変換する手順も含み、破線で示されている。位置データを表す3次元磁気座標はMPS102から得られる。手順230において、磁気−光学相関を3次元磁気座標に適用して等価の3次元光学座標を生成する。手順240において、光学投影を3次元光学座標に適用して等価の2次元光学座標を生成する。代案として、MPS座標系から画像平面への直接変換を使用することもできる。2次元光学座標は動画像の適切な画像フレームとしてディスプレイ110上に示すことができる。MPSデータは投影座標のみに影響を与える所要の歪み及び変換を全て含んでいる画像平面上に投影される。
【0041】
図3は、本発明の他の実施例に従って動作する、MPSデータセットから位相情報を得る方法のブロック図を示す。手順302において、データセットがMPS102から得られる。各MPSデータセットは、複数のMPSセンサ1201,1202,1203及び1204からそれぞれ受信される、画像検出器116、手術具124、患者身体の選択部分130または患者載置表面上の既知部分の位置座標の読取り値の組を具える。MPS102は検出した電磁界を処理してそれぞれの位置座標の読取り値を得た後に、データベース106に格納する。各MPSセンサの位置座標の読取り値は時間タグ付きであり、読取り値が得られた正確な時間と関連することを思い出されたい。従って、MPSセンサ1201から受信された各MPSデータセットは時間の経過に伴う手術具124の正確な動作軌道を示す座標読取り値の集合である。
【0042】
手順318において、心臓位相情報が心臓の動きから得られる。特に、心臓位相情報は手術具124上に位置するMPSセンサ1201から発生するデータストリームから得られる。手順318は手順304,306,308,310,312,314及び316から成る。
【0043】
手順304において、周期運動周波数が時間タグ付きMPSデータセット内に検出され、識別される。手術具124は患者体内の血管内に導入されるので、手術具124の動きは2つのファクタで影響される。第1のファクタは心臓の活動すなわち心臓運動、例えば収縮期及び拡張期に関連する。心臓運動は血管に影響を与え、例えば収縮または拡張を種々の程度で周期的に与える。第2のファクタは呼吸活動すなわち呼吸器運動、例えば吸入及び排気に関連する。呼吸器運動は血管に影響を与え、例えば収縮または拡張を種々の程度で周期的に与える。総合すれば、手術具124の総合運動は基本案内運動(血管トポグラフィに対応する)に重畳された心臓運動と呼吸器運動とからなる。以後、「臓器タイミング信号」とは周期運動周波数(すなわち心臓運動及び呼吸器運動)から生ずる血管の運動をいう。
【0044】
心臓運動及び呼吸器運動は周期的であるため、周期的周波数は手術具124の全軌跡において検出できる。心臓運動に関する固有周波数は呼吸器運動に関する固有周波数と異なる特性を示す。心臓運動に関する固有周波数は検出された周期的周波数から識別される。同様に、呼吸器運動に関する固有周波数も検出された周期的周波数から識別される。プロセッサ108はMPSデータセットの分析を行い、関連する周期運動周波数を識別する。
【0045】
手順306において、周期運動周波数が時間タグ付きMPSデータセットからフィルタリングされる。手順304で検出された周期運動周波数が手術具124の全軌跡から分離される。残存運動成分は手術具124の中心軸の案内運動に対応し、これは血管トポグラフィまたは「中心線軌跡」を表す(手順308参照)。MPSデータセットと関連する時間タグはフィルタリングされた周期運動周波数ごとに保持される。プロセッサ108はMPSデータセットから関連する周期運動周波数をフィルタアウトする。
【0046】
手順310において、心臓運動に由来する血管の機械的運動すなわち「心臓軌跡」がMPSデータセット及びフィルタリングされた周期運動周波数から再構成される。特に、心臓軌跡は心臓運動に関連する先に識別された固有周波数に従って再構成される。再構成された心臓軌跡は、例えば心臓運動による血管の軌跡を一定期間に亘り示すグラフで反映させることができる。プロセッサ108は関連する周期運動周波数を分析し、心臓軌跡の再構成を生成する。
【0047】
手順312において、呼吸器運動に由来する血管の機械的運動すなわち「呼吸器軌跡」がMPSデータセット及びフィルタ処理された周期運動周波数から再構成される。特に、呼吸器軌跡は呼吸器運動に関連する先に識別された固有周波数に従って再構成される。再構成された呼吸器軌跡は、例えば呼吸器運動による血管の軌跡を一定期間に亘り示すグラフで反映させることができる。プロセッサ108は関連する周期運動周波数を分析し、呼吸器軌跡の再構成を生成する。
【0048】
呼吸器軌跡の再構成は、もっぱら外部基準センサ(すなわちMPSセンサ1203または1204)から得られる座標読取り値に基づくものとし得る。1つの(または複数の)追加の基準センサを患者の体に(外部的にまたは内部的に)取り付けて呼吸パターンなどをモニタしてもよい点に留意されたい。例えば、この目的のために血管内センサを用いることができる。このセンサは確認メカニズムとして機能して呼吸器運動に関する補助データを付与し、呼吸器運動に関する周期運動周波数をより正確に決定する。追加の心臓データを収集するために同じセンサまたは追加のセンサ(1つまたは複数)を使用し、確認メカニズムとして及び/又は心臓位相検出のため補助データを付与するものとして機能させることができる。
【0049】
手順314において、再構成心臓軌跡について位相検出が行われる。心臓軌跡は心周期内の種々の時点に対応する心臓の種々の位相または活動状態からなる。これらの心臓位相は各サイクルで周期的に反復する。複数の心臓活動状態が位相検出時に再構成心臓軌跡上で識別される。プロセッサ108は心臓軌跡の分析を行い、種々の心周期位相を識別する。
【0050】
ここで図4Aを参照する。この図は電気信号表現と機械信号表現の心臓軌跡の一例を線図的に示す。心臓軌跡の機械的信号表現400は、複数の心周期410,420,430の各周期内に、複数の心臓活動状態(すなわち心周期位相)、例えば活動状態T1,T2,T3含む。心臓軌跡の機械的表現は、手順310においてMPSデータセット及びフィルタリングされた周期運動周波数から再構成された心臓軌跡に等価である。心臓軌跡の電気信号表現450は、複数の心周期410,420,430の各周期内に、同一の心臓活動状態T1,T2,T3を表す。しかし、これらの活動状態が生起する正確な時間は2つの表現で異なり、電気的表現においては機械的表現に対して僅かな遅れがある。例えば、心臓周期430の活動状態T1は心臓軌跡400では時間tAにおいて起こるが心臓軌跡450では時間tBにおいて起こる。このため、位相検出のために電気的表現からの情報を使用する場合には、活動状態のアライメントを行う必要がある。心臓軌跡の電気的表現はECGモニタにより得られる電気タイミング信号に等価である。
【0051】
心臓位相の検出は、少なくとも手術具124に位置するMPSセンサ1201から発生するデータセットのみ及び場合により基準センサ(すなわちMPSセンサ1203及び1204)から発生するデータセットにも基づいて行われる。これらのデータセットは心臓軌跡の機械的表現を提供する。心臓位相情報を得るために外部モニタ装置を必要としない。呼吸運動に関する周期運動成分も心臓位相検出の補足データとして使用することができる点に留意されたい。更に、位相検出は、検出されフィルタリングされた周期運動周波数を用いて、再構成された心臓軌跡について行うのではなく、原MPSデータセットについて行うこともできる。この場合、心臓の異なる位相または活動状態が手順302で得られたMPSデータセットについて直接識別される。
【0052】
手順316において、心臓位相情報がMPSデータセットと関連づけられる。手術具124の位置に関するMPSデータセット1201から得られた各データセットが、それらの対応する時間要素(すなわち時間タグ)に基づいて複数の活動状態T1,T2及びT3の1つ1つと照合される。検査血管の位置、従って案内手術具124の位置は検査臓器の異なる活動状態時に異なる。プロセッサ108は座標読取り値とその照合位相とを関係付け、その情報をデータベース106に格納する。
【0053】
呼吸位相情報も、心臓位相情報を心臓運動から得るのと同様の方法で呼吸運動から得ることができる。呼吸活動状態は再構成呼吸器軌跡に基づいて呼吸運動に関する周期運動成分を用いて識別することができる。呼吸運動に関する周期運動成分は対応しないデータセットの相関(図8につき検討する)に使用することもできる。
【0054】
呼吸位相情報はオプション手順320において呼吸運動から得られる。手順320は手順304,306,312,322及び324から成る。手順312において、呼吸軌跡が、上述したようにMPSデータセット及びフィルタリングされた周期運動周波数から再構成される。手順322において、位相検出が再構成呼吸器軌跡について実行される。心臓軌跡と同様に、呼吸器軌跡は呼吸サイクル内の種々の時点に対応する肺の種々の位相または活動状態からなる。肺の呼吸器活動状態は呼吸器軌跡の位相から識別できる。各位相は各サイクルで周期的に繰り返す。複数の呼吸器活動状態が位相検出時に再構成呼吸器軌跡に基づいて識別される。プロセッサ108は呼吸器軌跡の分析を行ない、種々の呼吸器サイクル位相を識別する。
【0055】
図4Bをここで参照する。この図は機械的信号表現の呼吸器軌跡の一例を線図的に示す。呼吸器軌跡の機械的信号表現460は複数の活動状態(すなわち呼吸器サイクル位相)、例えばT4,T5及びT6を含む。この呼吸器軌跡の機械的表現は手順310においてMPSデータセット及びフィルタリングされた周期運動周波数から再構成される呼吸器軌跡に等価である。
【0056】
呼吸器位相の検出は、手術具124に位置するMPSセンサ1201及び患者の体の選択部分130及び患者載置表面上の既知の部分上に位置するMPSセンサ1203及び1204から発生するデータセットにも基づいて行われる。これらのデータセットは呼吸器軌跡の機械的表現を提供する。呼吸器位相情報を得るために外部モニタ装置を必要としない。更に、位相検出は、検出されフィルタリングされた周期運動周波数を用いて、再構成された心臓軌跡についてではなく、原MPSデータセットについて行うこともできる。この場合、肺の異なる位相または活動状態が手順302で得られたMPSデータセットについて直接識別される。
【0057】
患者の心拍数または呼吸数の実際値は外部モニタ装置(例えばECG)を用いないで得ることができる点に留意されたい。患者の心拍数または呼吸数はMPSセンサ1201,1202,1203及び1204の各々からまたは組み合わせから得ることができる。
【0058】
手順324において、呼吸器位相がMPSデータセットと関連づけられる。手術具124の位置に関するMPSデータセット1201から得られた各データセットが、それらの対応する時間要素(すなわち時間タグ)に基づいて複数の活動状態T1,T2及びT3の1つ1つと照合される。手順324は上述した手順316に類似する。
【0059】
ここで図5を参照する。図5は、図4の心臓軌道の異なる活動状態における患者体内の血管内部に存在する図1のシステムの手術具の軌跡を示す概略図である。心周期410,420及び430の各周期の活動状態T1では、血管の位置は血管画像570により表示される(図5では実線で示されている)。心周期410,420及び430の各周期の活動状態T2では、血管の位置は血管画像572により表示される(図5では破線で示されている)。心周期410,420及び430の各周期の活動状態T3では、血管の位置は血管画像574により表示される(図5では点線で示されている)。従って、座標552,554,556,558,560,562,564,566及び568の各々は手術具124の位置に対応し、血管は心周期の異なる活動状態において異なる位置に位置する。
【0060】
例えば、座標552は心周期410の活動状態T1に対応する。これは、手術具124に位置するMPSセンサ1021が座標552に位置するとき、患者の心臓は活動状態T1にあることを意味する。座標554は心周期410の活動状態T2に対応する。これは、手術具124に位置するMPSセンサ1021が座標554に位置するとき、患者の心臓は活動状態T2にあることを意味する。座標556は心周期410の活動状態T3に対応する。これは、手術具124に位置するMPSセンサ1021が座標556に位置するとき、患者の心臓は活動状態T3にあることを意味する。座標558は心周期420の活動状態T1に対応する。座標560は心周期420の活動状態T2に対応する。座標562は心周期420の活動状態T3に対応する。座標564は心周期430の活動状態T1に対応する。座標566は心周期430の活動状態T2に対応する。座標568は心周期430の活動状態T3に対応する。座標552,554,556,558,560,562,564,566及び568は同様に呼吸器活動状態T4,T5,T6に関連する点に留意された。
【0061】
本願発明の他の特徴によれば、位置測定値を収集画像と一緒に、収集または測定時に、検査臓器の活動状態に関して処理する。例えば、図1につき説明すると、ディスプレイ110は手術具124の軌跡を検査臓器の2次元画像上に重畳して表示し、この2次元画像は検査臓器内部の手術具124の現在位置により決まる活動状態に対応する。システムは手術具124が検査臓器内を順方向または逆方向に辿る経路を記録する。システムは更にこの経路を検査臓器のモニタ活動状態及び手術具124の瞬時位置とレジストレーションする。
【0062】
ここで図6を参照する。図6は患者の体内の血管内を案内されている手術具の軌跡の概略図であり、各軌跡は異なる活動状態に対して処理されたものである。例えば、プロセッサ108は、活動状態T1時に収集された所定の2次元画像に対して、心臓軌跡400の各サイクルの活動状態T1時に検出された手術具124のすべての位置座標読取り値(すなわち座標612,618,624)を関連付ける。同様に、プロセッサ108は、活動状態T2時に収集された所定の2次元画像に対して、心臓軌跡400の各サイクルの活動状態T2時に検出された手術具124のすべての位置座標読取り値(すなわち座標614,620,626)を関連付け、更に、活動状態T3時に収集される所定の2次元画像に対して、心臓軌跡400の各サイクルの活動状態T3時に検出された手術具124のすべての位置座標読取り値(すなわち座標616,622,628)を関連付ける。
【0063】
プロセッサ108は、活動状態T1と関連する点612,618及び624から軌跡606を計算する。同様に、プロセッサ108は、活動状態T2と関連する点614,620及び626から軌跡608を計算し、更に活動状態T3と関連する点616,622及び628から軌跡610を計算する。
【0064】
プロセッサ108は、所定の臓器活動状態における計算された軌跡の各々と2次元画像とを関連付ける。プロセッサ108は、活動状態T1における軌跡606と2次元画像600とを関連付ける。同様に、プロセッサ108は、活動状態T2における軌跡608と2次元画像602とを関連付け、更に活動状態T3における軌跡610と2次元画像604とを関連付ける。
【0065】
ディスプレイ110は、計算された軌跡の各々をそれぞれの2次元画像上に重畳する。例えば、ディスプレイ110は、2次元画像600上に重畳された軌跡606、2次元画像602上に重畳された軌跡608、2次元画像604上に重畳された軌跡610を提示する。ディスプレイ110は、これらの画像を一時に1つづつ単一の画像フレームとして提示するか、連続的に示される画像系列(すなわち動画像)として提示することができる。
【0066】
点612,614,616,618,620,622,624,626及び628は、図5と関連する点552,554,556,558,568,562,564,566及び568により表される状態と類似の状態を表す点に留意されたい。しかし、図6に示す本発明の特徴によれば、プロセッサ108は、手術具124の軌跡を所定の活動状態中に検出された位置座標の読取り値に基づいて計算する。従って、各軌跡は検査臓器の異なる活動状態に対応する。プロセッサ108は、更に各計算された軌跡を対応する活動状態中に収集された血管画像と関連付ける。
【0067】
ここで図7を参照する。図7は、本発明の他の実施例に従って動作する、対応するデータセットについてMPSデータを2次元画像データ上に重畳する方法のブロック図である。MPS102から得られる位置座標読取り値は時間タグ付きであることを思い出されたい。同様に、メディカルイメージングデバイス104から得られる2次元画像の系列も時間タグ付きである。「対応するデータセット」とは同一の時間タグを有するデータセットの対をいう。データセットの時間タグとはデータセット内の要素の時間タグのセットをいう点に留意されたい。例えば、MPSデータセットの読取り値が2次元画像データセットの画像と同一の時間タグを有する場合、このMPSデータセットとこの2次元画像データセットは対応する。対応するデータセットは医療処置の同一セッション中に生起するデータセットを表す。「対応しないでセット」とは異なる時間タグを有するデータセットの対をいう。例えば、MPSデータセットの読取り値が2次元画像データセットの全ての画像と異なる時間タグを有する場合、このMPSデータセットとこの2次元画像データセットは対応しない。対応しないでセットは(同一または異なる医療処置内の)異なるセッション中に記録されたデータセットを表す。
【0068】
手順702において、MPSデータセットが正規化される。磁気座標系の3次元座標読取り値を含むMPSデータセットがMPS102から得られる。正規化は、図1につき述べたように、患者の動きまたはメディカルイメージングデバイス116の動きを補償する。この正規化は、基準センサ(すなわちMPSセンサ1203または1204)からの対応する時間タグ付きのMPSデータ及びおそらくPS1202からの同様のデータも用いて行われる。
【0069】
手順704において、磁気−光学相関が正規化されたMPSデータについて実行される。この相関手順は3次元位置磁気座標を光学座標系の3次元位置座標に変換する。この相関手順は、図2につき述べた手順210で決定される磁気−光学変換モデルに基づいて行われる。
【0070】
手順706において、光学投影が相関されたMPSデータについて行われる。この光学投影は光学座標系の3次元MPS位置座標読取り値を2次元座標値に変換する。この光学投影は、図2につき述べた手順208で決定される3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。この3次元−2次元光学変換モデルは所定のパラメータ(すなわちメディカルイメージングデバイス104の内部及び外部光学パラメータ及び画像歪みパラメータ)の関数であり、これらのパラメータは所定の瞬時に計算され、時間タグが付けられる。従って、光学投影手順はMPSデータセットと同一の時間タグを有する3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。
【0071】
3DMPSデータと2D画像座標との直接変換は、このような直接変換が計算された場合に使用可能である。光学ひずみの補償は所定の瞬時に行われ、時間タグが付けられる。
【0072】
手順708において、MPSデータセットが2次元画像データセットからの画像上に重畳される。2次元画像データセットはメディカルイメージングデバイス106から得られる。MPSデータセットは今や光学座標系の2次元位置座標を含む。図1につき説明すると、プロセッサ108は位置座標読取り値と2次元画像とをそれらの時間タグに基づいて関連させる。ディスプレイ110は、収集した2次元画像データ及び収集したMPSデータに基づいて、所定の時点における検査臓器に関して手術具124の位置を示す画像を提示することができる。更に、図9及び図10について詳述するように、ディスプレイ110は収集した2次元画像データセット及び収集したMPSデータセットに基づいて、検査臓器に関して案内手術具の軌跡を示す動画象を提示することができる。
【0073】
MPSデータ及び2次元画像データは更に活動状態情報と関連付けることができる。図1につき説明すると、プロセッサ108は、所定の臓器活動状態における位置座標読取り値と2次元画像とをそれらの時間タグに基づいて関連付ける。ディスプレイ110は、収集した2次元画像データ及び収集したMPSデータに基づいて、所定の活動状態における検査臓器に関して手術具124の位置を示す画像フレームを提示することができる。更に、ディスプレイ110は、収集した2次元画像データセット及び収集したMPSデータセットに基づいて、所定の活動状態における検査臓器に対して案内手術具の軌跡を示す動画象を提示することができる。この点は図9及び図10について詳細に説明される。
【0074】
ここで図8を参照する。図8は、本発明の他の実施例に従って動作する、対応しないデータセットについてMPSデータを2次元画像データ上に重畳する方法のブロック図である。第1時間タグを有する第1MPSデータセットは1つの2次元画像データセットと対応する。第2時間タグを有する第2MPSデータセットは前記2次元画像データセットと対応しない。時間タグ付きMPSデータセットはMPS102から得られる。時間タグ付き2次元画像データセットはメディカルイメージングデバイス104から得られる。
【0075】
手順318において、心臓位相情報が心臓運動データから、第1MPSデータセット及び第2MPSデータセットの双方に対して得られる。手順318は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から心臓軌跡を再構成し、再構成した心臓軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて心臓位相と関連付けるステップを含む。呼吸器運動に関する周期運動成分も心臓位相検出のための補助データとして使用することができる。手順318は図3につき詳細に説明されている。
【0076】
手順320において、呼吸器位相情報が呼吸器運動データから、第1MPSデータセット及び第2MPSデータセットの双方に対して得られる。手順320はオプションであり、手順318の代わりに、または手順318と一緒に行うことができる点に留意されたい。手順320は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から呼吸器軌跡を再構成し、再構成した呼吸器軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて呼吸器位相と関連付けるステップを含む。手順320は図3につき詳細に説明されている。
【0077】
手順820において、2つのMPSデータセットの位相アライメントを用いて、第1MPSデータセットと同一の時間タグを有する第3MPSデータセットが第2データセットから生成される。特に、各データセットからの座標読取り値をマッチングすることによって、第2MPSデータセットの座標読取り値に第1MPSデータセットの座標読取り値と同一の時間タグが割り当てられる。第2MPSデータセットにおける検出位相が第1MPSデータセットにおける整合位相にマッピングされる。次に、第2MPSデータセットにおける各検出位相(及び当該位相と関連する各座標読取り値)に、第1MPSデータセットにおける整合位相の時間タグに基づく新しい時間タグが割り当てられる。例えば、位相Aが第2MPSデータセットにおいて時間“x”に生起し、位相Aが第1MPSデータセットにおいて時間“y”に生起する場合には、位相Aは第3MPSデータセットにおいて時間タグ“y”が割り当てられる。この位相マッピングは第2データセットの心臓軌跡の位相を第1MPSデータセットの心臓軌跡と整列させる。このマッピング及び再割当て手順の終了後に、得られたデータセットは第1MPSデータセット、従って2次元画像データセットと同一の時間タグを有する。それゆえ第3MPSデータセットは2次元画像データセットと対応する。心臓運動に関する周期運動成分に加えて、またはその代わりに、呼吸器運動に関する周期運動成分を位相アライメントのために用いることもできる点に留意されたい。手順820は単に第3データセットの各要素のインデックスを発生するものとしてもよい点に留意されたい。
【0078】
手順822において、磁気−光学相関がMPSデータセットについて行われる。手順822の前に、正規化すなわち患者の動きまたはメディカルイメージングデバイス106の動きに対する補償が行われる。正規化については図7につき手順702に説明されている。正規化は手順820の直前または手順820の直後に行うことができる。相関手順は3次元位置磁気座標を光学座標系の3次元座標に変換する。この相関手順は図2の手順210で決定される磁気−光学変換モデルに基づいて行われる。
【0079】
手順824において、光学投影が相関された第3MPSデータについて行われる。この光学投影手順は光学座標系の3次元位置MPS座標を2次元光学座標に変換する。この光学投影手順は、図2の手順208で決定される3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。この3次元−2次元光学変換モデルは時間タグが付けられる点に留意されたい。従って、光学投影手順は第1MPSデータセットと同一の時間タグを有する3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。
【0080】
手順826において、第3MPSデータセットが2次元画像データセットからの画像上に重畳される。図1につき説明すると、プロセッサ108は第3MPSデータセットの位置座標読取り値と2次元画像とをそれらの時間タグに基づいて関連付ける。ディスプレイ110は、収集した2次元画像データ及び収集したMPSデータに基づいて、所定の時点において、検査臓器に関して手術具124の位置を示す画像フレームを提示することができる。更に、ディスプレイ110は収集した2次元画像データセット及び収集したMPSデータセットに基づいて、検査臓器に関して案内手術具の軌跡を示す動画象を提示することができる。MPSデータ及び2次元画像データは更に活動状態情報と関連付けることができる。ディスプレイ110は更にMPSデータを対応するデータセット及び対応しないセットと同時に提示することができる。例えば、現在のリアルタイムMPSデータを現在のリアルタイム画像(すなわち対応するデータセット)の上に重畳して提示するとともに、同時に、関連する活動状態情報を用いて、同一の現在のリアルタイムMPSデータをそれ以前に収集した画像(すなわち対応しないデータセット)の上に重畳して提示することができる。
【0081】
ここで図9を参照する。図9は、本発明の他の実施例に従って動作する、検査臓器の異なる活動状態のそれぞれについて患者体内の案内手術具の軌跡(例えば図6に示される)を構成する方法のブロック図である。以下の例では、2次元画像データセットと対応するMPSデータセットを用いる。対応しないデータセットも、図8について述べた手順820と同様の位相アライメント処理を簡単に受けた後に、使用することができる点に留意されたい。時間タグ付きMPSデータセットがMPS102から得られ、時間タグ付き2次元画像データセットがメディカルイメージングデバイス104から得られる。
【0082】
手順318において、心臓位相情報が心臓運動データから、MPSデータセットに対して得られる。手順318は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から心臓軌跡を再構成し、再構成した心臓軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて心臓位相と関連付けるステップを含む。呼吸器運動に関する周期運動成分も心臓位相検出のための補助データとして使用することができる。手順318は図3につき詳細に説明されている。
【0083】
手順320において、呼吸器位相情報が呼吸器運動データから、第1MPSデータセット及び第2MPSデータセットの双方に対して得られる。手順320はオプションであり、手順318の代わりに、または手順318と一緒に行うことができる点に留意されたい。手順320は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から呼吸器軌跡を再構成し、再構成した呼吸器軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて呼吸器位相と関連付けるステップを含む。手順320は図3につき詳細に説明されている。
【0084】
手順908において、相関位相情報が2次元画像データセットに対して得られる。位相情報は、画像から直接得られないで相関MPSデータ(所与の画像と同一時間に生起する)から得られるという意味で相関性である。各2次元画像が収集される心臓の位相または活動状態(例えば図4に示す活動状態T1,T2,T3)を識別する。活動状態の識別は、全ての画像の収集中に得られた時間タグと、同一時間タグを有するMPSデータセットの位相とを利用する。
【0085】
ECGのようなモニタ装置をMPSデータセットとともに用いて所定状態における2次元画像データセットの位相情報を得ることができる。例えば、所定の画像の収集時に患者の体内にセンサがない場合(例えば、ガイドワイヤが血管内に挿入される前に医用画像が撮られる医療処置の開始間際)、モニタ装置からの情報を対応しないMPSデータセットと一緒に使用することができる。この場合には、MPSデータにより得られる機械的表現の位相データとモニタ装置により得られる外部位相(例えばECG装置から得られる電気的表現の位相データ)との間で位相アライメントを実行する。機械的データと電気的データ間の位相アライメントは、同一の心臓軌跡を表現するサンプル信号の相違に由来するレイテンシの相違を考慮するために必要とされる。
【0086】
手順910において、各2次元画像に対して個別のMPSデータセットが画像位相と時間タグに基づいて生成される。同じ位相時に収集された全てのMPS位置座標読取り値が単一のデータセットに合成される。手順910の終了後、2次元画像データセットのすべての画像は、当該画像と同一の位相で収集された座標読取り値のみを含む対応するMPSデータセットを有する。
【0087】
手順912において、磁気−光学相関が手順910で生成された各MPSデータセットについて行われる。手順912の前に、正規化すなわち患者の動きまたはメディカルイメージングデバイス106の動きに対する補償が行われる。正規化については図7の手順702に説明されている。正規化は手順910の直前または手順910の直後に行うことができる。相関手順は3次元位置磁気座標を光学座標系の3次元座標に変換する。この相関手順は図2の手順210で決定される磁気−光学変換モデルに基づいて行われる。
【0088】
手順914において、光学投影が手順910で生成された相関MPSデータセットについて行われる。この光学投影手順は光学座標系の3次元位置MPS座標を2次元光学座標に変換する。この光学投影手順は、図2の手順208で決定される3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。この3次元−2次元光学変換モデルは時間タグが付けられることを思い出されたい。従って、光学投影手順はMPSデータセットと同一の時間タグを有する3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。
【0089】
手順916において、手順910で生成された各MPSデータセットが対応する2次元画像上に重畳される。各2次元画像に対して、当該2次元画像と同一の位相時に収集されたMPS座標読取り値が当該画像上に重畳される。このとき、座標読取り値が線で連結され、検査臓器の各活動状態における手術具124の軌跡を表すスプライン曲線が生成される。ディスプレイ110は、収集した2次元画像データ及び収集したMPSデータに基づいて、所定の時点において、検査臓器に関して手術具124の位置を示す画像フレームを提示することができる。更に、ディスプレイ110は収集した2次元画像データセット及び収集したMPSデータセットに基づいて、検査臓器に関して案内手術具の軌跡を示す動画象を提示することができる。MPSデータ及び2次元画像データは更に活動状態情報と関連付けることができる。ディスプレイ110は更に現在のリアルタイムMPSデータを現在のリアルタイム画像上に重畳して提示するとともに、関連する活動状態情報を用いて、同一の現在のリアルタイムMPSデータをそれ以前に収集した画像上に重畳して提示することができる。
【0090】
ここで図10を参照する。図10は、本発明の他の実施例に従って動作する、検査臓器の異なる活動状態のそれぞれについて患者体内の案内手術具の軌跡を構成する追加の方法のブロック図である。以下の例では、2次元画像データセットと対応するMPSデータセットを用いる。対応しないデータセットも、図8について述べた手順820と同様の位相アライメント処理を簡単に受けた後に、使用することができる点に留意されたい。時間タグ付きMPSデータセットがMPS102から得られ、時間タグ付き2次元画像データセットがメディカルイメージングデバイス104から得られる。
【0091】
手順318において、心臓位相情報が心臓運動データから、MPSデータセットに対して得られる。手順318は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から心臓軌跡を再構成し、再構成した心臓軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて心臓位相と関連付けるステップを含む。呼吸器運動に関する周期運動成分も心臓位相検出のための補助データとして使用することができる。手順318は図3につき詳細に説明されている。
【0092】
手順320において、呼吸器位相情報が呼吸器運動データから、第1MPSデータセット及び第2MPSデータセットの双方に対して得られる。手順320はオプションであり、手順318の代わりに、または手順318と一緒に行うことができる点に留意されたい。手順320は、MPSデータセットから周期運動周波数を検出識別し、周期運動成分をフィルタリングし、フィルタリングされた周期運動周波数から呼吸器軌跡を再構成し、再構成した呼吸器軌跡について位相検出を行い、MPSデータセットの各座標読取り値をそれらの時間タグに基づいて呼吸器位相と関連させるステップを含む。手順320は図3につき詳細に説明されている。
【0093】
手順1004において、中心線軌跡が再構成される。手術具124の全体軌跡から周期運動成分が分離された後の残りの運動成分は手術具124の案内運動の中心軸すなわち中心線軌跡に対応する。手順1004は図3の手順308に類似する。
【0094】
手順1010において、各位相ごとに個別の中心線軌跡が生構成される。時間タグ及び心臓軌跡の検出位相に基づいて、中心線位置が位相に従って照合され、各位相ごとに異なる中心線軌跡が構成される。
【0095】
手順1012において、相関位相情報が2次元画像データセットに対して得られる。位相は、画像から直接得られないで相関MPSデータ(所与の画像と同一時間に生起する)から得られるという意味で相関性である。各2次元画像が収集される心臓の位相または活動状態(例えば図4に示す活動状態T1,T2,T3)が識別される。活動状態の識別は、全ての画像の収集中に得られた時間タグと、同一時間タグを有するMPSデータセットの位相とを利用する。図9について説明したように、ECGのようなモニタ装置をMPSデータセットとともに用いて所定状態における2次元画像データセットの位相情報を得ることができる。この場合には、MPSデータにより得られる機械的表現の位相データとモニタ装置により得られる外部位相(例えばECG装置から得られる電気的表現の位相データ)との間で位相アライメントを実行する。機械的データと電気的データ間の位相アライメントは、同一の心臓軌跡を表現するサンプル信号の相違に起因するレイテンシの相違を考慮するために必要とされる。手順1012は図9の手順908と同様である。
【0096】
手順1014において、2次元画像データセットの画像の各位相ごとに、整合する周期運動成分を付加することによって、各中心線軌跡がシフトされる。心臓運動及び呼吸器運動に関する周期運動成分が中心線軌跡に付加される。所定の各位相に対する各個別中心線軌跡ごとに、当該位相の周期運動成分が中心線軌跡に付加される。このとき各中心線軌跡が付加された周期運動成分に従ってシフトされる。
【0097】
手順1016において、磁気−光学相関が手順1014でシフトされた各心臓軌跡について行われる。手順1016の前に、正規化すなわち患者の動きまたはメディカルイメージングデバイス106の動きに対する補償が行われる。正規化については図7の手順702に説明されている。正規化は手順1014の直前または手順1014の直後に行うことができる。相関手順は3次元位置磁気座標を光学座標系の3次元座標に変換する。この相関手順は図2の手順210で決定される磁気−光学変換モデルに基づいて行われる。
【0098】
手順1018において、光学投影が手順1014でシフトされた各相関心臓奇跡について行われる。この光学投影手順は光学座標系の3次元位置MPS座標を2次元光学座標に変換する。この光学投影手順は、図2の手順208で決定される3次元−2次元光学変換モデルに基づいて行われる。この3次元−2次元光学変換モデルは時間タグが付けられることを思い出されたい。従って、光学投影手順は心臓軌跡と同一の時間タグを有する3次元−2次元光学変換に基づいて行われる。
【0099】
手順1020において、各シフトされた中心線軌跡が対応する2次元画像上に重畳される。各2次元画像に対して、当該2次元画像と同一の位相と整合する中心線軌跡のMPS座標読取り値が当該画像上に重畳される。このとき、座標読取り値が線で連結され、検査臓器の各活動状態における手術具124の軌跡を表すスプライン曲線が生成される。ディスプレイ110は、収集した2次元画像データ及び収集したMPSデータに基づいて、所定の時点において、検査臓器に関して手術具124の位置を示す画像フレームを提示することができる。更に、ディスプレイ110は収集した2次元画像データセット及び収集したMPSデータセットに基づいて、検査臓器に関して案内手術具の軌跡を示す動画象を提示することができる。MPSデータ及び2次元画像データは更に活動状態情報と関連付けることができる。ディスプレイ110は更に現在のリアルタイムMPSデータを現在のリアルタイム画像上に重畳して提示するとともに、関連する活動状態情報を用いて、同一の現在のリアルタイムMPSデータをそれ以前に収集した画像上に重畳して提示することができる。
【0100】
本発明の技術は図面に示され上述された実施例に限定されないことは当業者に明らかである。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ特定される。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の一実施例に従って構成され動作するシステムの概略図である。
【図2】本発明の他の実施例に従って動作する、3次元磁気器座標を2次元光学座標にレジストレーションする方法のブロック図である。
【図3】本発明の他の実施例に従って動作する、MPSデータセットから位相情報を得る方法のブロック図である。
【図4】図4Aは電気的信号表現及び機械的信号表現の心臓軌跡の模範例を示す概略図、 図4Bは機械的信号表現の呼吸器軌跡の模範例を示す概略図である。
【図5】図4の心臓軌跡の種々の活動状態における患者体内の血管内部に存在する図1のシステムの手術具の軌跡を示す概略図である。
【図6】それぞれ異なる活動状態に関する患者体内の血管内部の案内手術具の軌跡を示す概略図である。
【図7】本発明の他の実施例に従って動作する、MPSデータセットを対応するデータセットについて2次元画像データ上にスーパーインポーズする方法のブロック図である。
【図8】本発明の他の実施例に従って動作する、MPSデータセットを対応しないデータセットについて2次元画像データ上にスーパーインポーズする方法のブロック図である。
【図9】本発明の他の実施例に従って動作する、検査臓器の種々の活動状態のそれぞれについて患者体内の案内手術具の軌跡を再構成する方法のブロック図である。
【図10】本発明の他の実施例に従って動作する、検査臓器の種々の活動状態のそれぞれについて患者体内の案内手術具の軌跡を再構成する追加の方法のブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内の少なくとも検査臓器に関する臓器タイミング信号を生成する装置であって、該装置は、
基準位置に位置する少なくとも1つの基準電磁トランスデューサと、前記検査臓器の知覚の血管内に挿入された手術具に取り付けられた少なくとも1つの内部電磁トランスデューサと、前記少なくとも1つの基準電磁トランスデューサ及び前記少なくとも1つの内部電磁トランスデューサと結合されたMPSプロセッサとを含み、前記MPSプロセッサは、前記少なくとも1つの基準電磁トランスデューサ及び前記少なくとも1つの内部電磁トランスデューサのうちの少なくとも1つトランスデューサから送信された送信電磁信号を前記少なくとも1つの基準電磁トランスデューサ及び前記少なくとも1つの内部電磁トランスデューサのうちの少なくとも他のトランジスタにより検出された検出電磁信号とともに処理することによって前記少なくとも1つの内部電磁トランスデューサの3次元位置を決定し、前記MPSプロセッサは更に時間の経過に伴う前記手術具の運動軌跡を示す3次元位置座標読取り値の集合を含む複数のMPSデータセットを生成するメディカルポジショニングシステム(MPS)と、
前記MPSプロセッサと結合され、前記MPSデータセットにおいて周期運動周波数を検出し識別し、前記MPSデータセットから前記周期運動周波数をフィルタリングすることによって前記MPSデータセットから前記臓器タイミング信号を生成するプロセッサとを具えることを特徴とする臓器タイミング信号生成装置。
【請求項2】
患者の体内の少なくとも検査臓器に関する臓器タイミング信号を生成する装置であって、
該装置は、基準位置と前記検査臓器の近くに挿入された手術具との間で電磁信号を送受し、前記送信電磁信号を前記検出電磁信号とともに処理することによって前記手術具3次元位置を決定すると共に、時間の経過に伴う前記手術具の運動軌跡を示す3次元位置座標読取り値の集合を含む複数のMPSデータセットを生成するメディカルポジショニングシステム(MPS)と結合され、
該装置は、前記MPSデータセットにおいて周期運動周波数を検出し識別し、前記MPSデータセットから前記周期運動周波数をフィルタリングすることによって前記MPSデータセットから前記臓器タイミング信号を生成するプロセッサを具えることを特徴とする臓器タイミング信号生成装置。
【請求項3】
前記基準電磁トランスデューサが電磁信号を送信し、前記内部電磁トランスデューサが電磁信号を検出することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記内部電磁トランスデューサが電磁信号を送信し、前記基準電磁トランスデューサが電磁信号を検出することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの基準電磁トランスデューサの少なくとも1つの基準位置は前記患者の体の一部分であることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの基準電磁トランスデューサの少なくとも1つの基準位置は前記患者の体に対して固定位置であることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記患者の体の一部位に取り付けられた少なくとも1つの追加の電磁トランスデューサを更に具え、該電磁トランスデューサは前記患者の動きを補償するために前記部位の3次元位置情報をえることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記患者が載置される表面上の既知部分に取り付けられた少なくとも1つの追加の電磁トランスデューサを更に具え、該電磁トランスデューサは前記患者の動きを補償するために前記既知部分の3次元位置情報をえることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、更に前記MPSデータセットと前記フィルタリングされた周期運動周波数とから心臓軌跡を再構成し、前記心臓軌跡は心臓運動に由来する前記血管の機械的運動を表すことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、更に前記MPSデータセットと前記フィルタリングされた周期運動周波数とから呼吸器軌跡を再構成し、前記呼吸器軌跡は呼吸器運動に由来する前記血管の機械的運動を表すことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、更に前記再構成された心臓軌跡について複数の位相を識別することによって前記検査臓器の位相情報を検出することを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、更に前記再構成された呼吸器軌跡について複数の位相を識別することによって前記検査臓器の位相情報を検出することを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記検査臓器は心臓であることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項14】
前記検査臓器は肺であることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記メディカルポジショニングシステム及び前記プロセッサと結合されたデータベースを更に具え、前記データベースは少なくとも前記MPSデータセットを格納することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記データベースと結合されたメディカルイメージングデバイスを更に具え、前記メディカルイメージングデバイスは、画像検出器を具え、前記画像検出器によって前記検査臓器の複数の2次元画像を収集し、前記データベースが少なくとも前記複数の2次元画像を格納することを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの基準トランスデューサの1つが前記メディカルイメージングデバイスに取り付けられ、前記メディカルイメージングデバイスに関する外部光学パラメータを得ることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの内部トランスデューサの1つがイメージセンサと結合されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項19】
イメージセンサと結合された追加の電磁トランスデューサを更に具えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項20】
前記基準位置は前記イメージセンサと関連することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項21】
前記メディカルポジショニングシステム及び前記プロセッサと結合されたデータベースを更に具え、前記データベースは少なくとも前記MPSデータセットを格納し、且つ
前記データベースと結合されたメディカルイメージングデバイスを更に具え、前記メディカルイメージングデバイスは、画像検出器を具え、前記画像検出器によって前記検査臓器の複数の2次元画像を収集し、前記データベースが少なくとも前記複数の2次元画像を格納し、
前記プロセッサは、前記収集した2次元画像と前記MPSデータセットと前記位相情報とを関連付け、前記検査臓器の異なる位相ごとの、前記血管内を案内される前記手術具の軌跡を再構成することを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項22】
前記メディカルイメージングデバイスは、
超音波;
血管内超音波;
X線;
Cアームマシン;
フルオロスコピー;
アンギオグラフィ;
コンピュータトモグラフィ;
NMR(核磁気共鳴);
陽電子放出トモグラフィ;及び
単一光子放出トモグラフィ;
からなるリストから選ばれる画像収集システムを含むことを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項23】
前記プロセッサと結合されたディスプレイを更に具え、前記ディスプレイは前記検査臓器の動画像を提示し、前記動画像は、前記検査臓器の異なる位相における前記血管内を案内される前記手術具の軌跡を提示することを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項24】
前記ディスプレイは、前記動画像内に、前記検査臓器のリアルタイムの活動状態時の単一画像フレームを提示することを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項25】
前記ディスプレイは、前記動画像内に、前記検査臓器の前活動状態時の前記手術具の進行を示す前画像の再生を提示することを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項26】
前記ディスプレイは、
2次元ディスプレイ;
適切なめがねで視る自動立体ディスプレイ;
スタンドアロン型立体ディスプレイ;及び
ゴーグル;
からなるリストから選ばれることを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項27】
前記ディスプレイは複数のミラーを含むことを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項28】
前記ミラーの1つは、現在の活動状態における前記検査臓器の現在の画像フレーム上にスーパーインポーズされる前記手術具の現在のリアルタイム3次元位置データを提示し、前記ミラーの他の1つは、前活動状態における前記検査臓器の前画像フレーム上にスーパーインポーズされる前記手術具の現在のリアルタイム3次元位置データを提示することを特徴とする請求項27記載の装置。
【請求項29】
前記ディスプレイは単一モニタ内に複数の個別のウインドウを含むことを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項30】
前記ウインドウの1つは、現在の活動状態における前記検査臓器の現在の画像フレーム上にスーパーインポーズされる前記手術具の現在のリアルタイム3次元位置データを提示し、前記ウインドウの他の1つは、前活動状態における前記検査臓器の前画像フレーム上にスーパーインポーズされる前記手術具の現在のリアルタイム3次元位置データを提示することを特徴とする請求項29記載の装置。
【請求項31】
前記プロセッサは、前記複数の2次元画像と前記MPSデータセットとを、収集時または測定時に前記位相情報に関して関連付けることを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項32】
前記プロセッサは、前記検査臓器の所定の位相時に収集された所定に2次元画像に対して、前記所定の位相時に検出された位置座標の読取り値を関連付けることを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項33】
前記プロセッサは、前記検査臓器の所定の位相時に検出された前記位置座標読取り値に基づいて、前記血管内を案内される手術具の軌跡を再構成することを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項34】
前記プロセッサは、前記再構成された軌跡の各々を前記検査臓器の対応する位相時に収集さた2次元画像と関連付けることを特徴とする請求項33記載の装置。
【請求項35】
前記ディスプレイは、前記再構成された軌跡をそれぞれの2次元画像上にスーパーインポーズすることを特徴とする請求項33記載の装置。
【請求項36】
前記ディスプレイは、前記画像を一時に一つずつ示される個々の画像フレームの系列として提示することを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項37】
前記ディスプレイは、前記画像を連続的に示される画像フレームの系列として提示することを特徴とする請求項35記載の装置。
【請求項38】
患者の体内の検査臓器に関する臓器タイミング信号を生成する方法であって、該方法は、
電磁信号を送信し、前記電磁信号を検出する手順と、
前記送信電磁信号を前記検出電磁信号とともに処理する手順と、
前記処理に基づいて、患者の体内に挿入された手術具の3次位置を決定する手順と、
時間の経過に伴う前記手術具の運動軌跡を示す3次元位置座標の読取り値の集合を含むMPSデータセットを生成する手順と、
前記MPSデータセットにおいて周期運動周波数を検出し識別する手順と、
前記MPSデータセットから前記周期運動周波数をフィルタリングする手順とを具えることを特徴とする臓器タイミング信号生成方法。
【請求項39】
前記MPSデータセットと前記フィルタリングされた周期運動周波数とから、心臓運動に由来する前記血管の機械的運動を表す心臓軌跡を再構成する手順と、
前記MPSデータセットと前記フィルタリングされた周期運動周波数とから、呼吸器運動に由来する前記血管の機械的運動を表す呼吸器軌跡を再構成する手と、
前記再構成された心臓軌跡または前記再構成された呼吸器軌跡について複数の位相を識別することによって前記検査臓器の位相を検出する手順と、
前記位相を前記MPSデータセットと関連付ける手順とを更に具え、
前記検査臓器に関する位相情報を得ることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記検査臓器の複数の2次元画像を収集する手順を更に具えることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記複数の2次元画像と前記MPSデータセットと前記位相情報とを関連付ける手順を更に具えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項42】
前記複数の2次元画像と前記MPSデータセットは収集時または測定時に前記位相情報に対して関連付けられることを特徴とする請求項41記載の装置。
【請求項43】
所定の位相時に収集された前記複数の2次元画像の所定の2次元画像が、前記心臓軌跡の任意のサイクルにおける前記所定の位相時に検出された位置座標の読取り値と関連付けられることを特徴とする請求項41記載の装置。
【請求項44】
前記MPSデータセットの1つを正規化する手順と、
前記正規化されたMPSデータセットについて磁気−光学相関を行う手順と、
光学領域における3次元座標読取り値を含む前記相関されたMPSデータセットについて光学的投影を行う手順と、
光学領域における2次元座標読取り値を含む前記投影されたMPSデータセットを前記収集された複数の2次元画像から選択された2次元画像上にスーパーインポーズする手順とを更に具え、
MPSデータを対応するデータセットについて2次元画像データ上にスーパーインポーズすることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項45】
前記MPSデータセットから選択された、1つの2次元画像データセットと対応する第1のMPSデータセットに対して、前記MPSデータセットから前記検査臓器に関する位相情報を得る手順と、
前記MPSデータセットから選択された、前記2次元画像データセットと対応しない第2のMPSデータセットに対して、前記MPSデータセットから前記検査臓器に関する位相情報を得る手順と、
前記第1のMPSデータセットと前記第2のMPSデータセットとの位相アライメントを用いて前記第1のMPSデータセットと同一の時間タグを有する第3のMPSデータセットを生成する手順とを具えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項46】
磁気領域における3次元座標読み取値を含む前記第3のMPSデータセットについて磁気−光学相関を行う手順と、
光学領域における3次元座標読取り値を含む前記相関された第3のMPSデータセットについて光学的投影を行う手順と、
光学領域における2次元座標読取り値を含む前記投影された第3のMPSデータセットを前記収集された複数の2次元画像から選択された2次元画像上にスーパーインポーズする手順とを更に具え、
MPSデータを対応しないデータセットについて2次元画像データ上にスーパーインポーズすることを特徴とする請求項45記載の方法
【請求項47】
前記位相情報は心臓位相情報であることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項48】
前記位相情報は呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項49】
前記位相情報は心臓位相情報及び呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項50】
前記MPSデータセットから、前記MPSデータセットの選択されたセットに対して、前記検査臓器に関する位相情報を得る手順と、
前記収集された複数の2次元画像から選択された1つの2次元画像データセットに対して相関された位相情報を得る手順と、
画像位相と時間タグに基づいて、前記2次元画像データセット内の各2次元画像に対して個別のMPSデータセットを生成する手順とを更に具えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項51】
磁気領域における3次元座標読取り値を含む前記生成されたMPSデータセットの各々に磁気−光学相関を行う手順と、
光学領域における3次元座標読み取り値を含む前記相関されたMPSデータセットの各々について光学的投影を行う手順と、
光学領域における2次元座標読取り値を含む前記投影されたMPSデータセットの各々を前記2次元画像データセットから選ばれた対応する2次元画像上にスーパーインポーズする手順とを更に具え、
前記検査臓器の異なる位相において、患者の体内の前記検査臓器の近くの血管に案内された前記手術具の軌跡を再構成することを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記位相情報は心臓位相情報であることを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項53】
前記位相情報は呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項54】
前記位相情報は心臓位相情報及び呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項55】
前記再構成された軌跡はディスプレイ上に提示されることを特徴とする請求項51記載の方法。
【請求項56】
前記MPSデータセットから、前記MPSデータセットの選択されたセットに対して、前記検査臓器に関する位相情報を得る手順と、
前記MPSデータセットと前記フィルタリングされた周期運動周波数とから、前記手術具の案内運動の中心軸線を表す中心線軌跡を再構成する手順と、
時間タグと前記再構成された心臓軌跡の検出位相とに基づいて、各位相ごとにコンピュータ熱の中心線軌跡を再構成する手順と、
前記収集された複数の2次元画像から選択された1つの2次元画像データセットに対して相関された位相情報を得る手順と、
前記2次元画像データセット内の2次元画像の各位相ごとに、整合する周期運動成分をスーパーインポーズすることによって前記中心線軌跡の各々をシフトさせる手順とを具えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項57】
磁気領域における3次元座標読取り値を含む前記シフトされた中心線軌跡の各々について磁気−光学相関を行う手順と、
光学領域における3次元座標読み取り値を含む前記シフトされた中心線軌跡の各々について光学的投影を行う手順と、
光学領域における2次元座標読取り値を含む前記シフトされた中心線軌跡の各々を前記2次元画像データセットから選ばれた対応する2次元画像上にスーパーインポーズする手順とを更に具え、
前記検査臓器の異なる位相において、患者の体内の前記検査臓器の近くの血管に案内された前記手術具の軌跡を再構成することを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記位相情報は心臓位相情報であることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項59】
前記位相情報は呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項60】
前記位相情報は心臓位相情報及び呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項61】
前記再構成された軌跡はディスプレイ上に提示されることを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項62】
前記検査臓器は心臓であることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項63】
前記検査臓器は肺であることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項64】
請求項1−37のいずれかに記載された、あるいは、図1−10のいずれかに示された装置。
【請求項65】
請求項38−63のいずれかに記載された、あるいは、図1−10のいずれかに示された方法。
【請求項1】
患者の体内の少なくとも検査臓器に関する臓器タイミング信号を生成する装置であって、該装置は、
基準位置に位置する少なくとも1つの基準電磁トランスデューサと、前記検査臓器の知覚の血管内に挿入された手術具に取り付けられた少なくとも1つの内部電磁トランスデューサと、前記少なくとも1つの基準電磁トランスデューサ及び前記少なくとも1つの内部電磁トランスデューサと結合されたMPSプロセッサとを含み、前記MPSプロセッサは、前記少なくとも1つの基準電磁トランスデューサ及び前記少なくとも1つの内部電磁トランスデューサのうちの少なくとも1つトランスデューサから送信された送信電磁信号を前記少なくとも1つの基準電磁トランスデューサ及び前記少なくとも1つの内部電磁トランスデューサのうちの少なくとも他のトランジスタにより検出された検出電磁信号とともに処理することによって前記少なくとも1つの内部電磁トランスデューサの3次元位置を決定し、前記MPSプロセッサは更に時間の経過に伴う前記手術具の運動軌跡を示す3次元位置座標読取り値の集合を含む複数のMPSデータセットを生成するメディカルポジショニングシステム(MPS)と、
前記MPSプロセッサと結合され、前記MPSデータセットにおいて周期運動周波数を検出し識別し、前記MPSデータセットから前記周期運動周波数をフィルタリングすることによって前記MPSデータセットから前記臓器タイミング信号を生成するプロセッサとを具えることを特徴とする臓器タイミング信号生成装置。
【請求項2】
患者の体内の少なくとも検査臓器に関する臓器タイミング信号を生成する装置であって、
該装置は、基準位置と前記検査臓器の近くに挿入された手術具との間で電磁信号を送受し、前記送信電磁信号を前記検出電磁信号とともに処理することによって前記手術具3次元位置を決定すると共に、時間の経過に伴う前記手術具の運動軌跡を示す3次元位置座標読取り値の集合を含む複数のMPSデータセットを生成するメディカルポジショニングシステム(MPS)と結合され、
該装置は、前記MPSデータセットにおいて周期運動周波数を検出し識別し、前記MPSデータセットから前記周期運動周波数をフィルタリングすることによって前記MPSデータセットから前記臓器タイミング信号を生成するプロセッサを具えることを特徴とする臓器タイミング信号生成装置。
【請求項3】
前記基準電磁トランスデューサが電磁信号を送信し、前記内部電磁トランスデューサが電磁信号を検出することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記内部電磁トランスデューサが電磁信号を送信し、前記基準電磁トランスデューサが電磁信号を検出することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの基準電磁トランスデューサの少なくとも1つの基準位置は前記患者の体の一部分であることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの基準電磁トランスデューサの少なくとも1つの基準位置は前記患者の体に対して固定位置であることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記患者の体の一部位に取り付けられた少なくとも1つの追加の電磁トランスデューサを更に具え、該電磁トランスデューサは前記患者の動きを補償するために前記部位の3次元位置情報をえることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記患者が載置される表面上の既知部分に取り付けられた少なくとも1つの追加の電磁トランスデューサを更に具え、該電磁トランスデューサは前記患者の動きを補償するために前記既知部分の3次元位置情報をえることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、更に前記MPSデータセットと前記フィルタリングされた周期運動周波数とから心臓軌跡を再構成し、前記心臓軌跡は心臓運動に由来する前記血管の機械的運動を表すことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、更に前記MPSデータセットと前記フィルタリングされた周期運動周波数とから呼吸器軌跡を再構成し、前記呼吸器軌跡は呼吸器運動に由来する前記血管の機械的運動を表すことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、更に前記再構成された心臓軌跡について複数の位相を識別することによって前記検査臓器の位相情報を検出することを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、更に前記再構成された呼吸器軌跡について複数の位相を識別することによって前記検査臓器の位相情報を検出することを特徴とする請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記検査臓器は心臓であることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項14】
前記検査臓器は肺であることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記メディカルポジショニングシステム及び前記プロセッサと結合されたデータベースを更に具え、前記データベースは少なくとも前記MPSデータセットを格納することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記データベースと結合されたメディカルイメージングデバイスを更に具え、前記メディカルイメージングデバイスは、画像検出器を具え、前記画像検出器によって前記検査臓器の複数の2次元画像を収集し、前記データベースが少なくとも前記複数の2次元画像を格納することを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの基準トランスデューサの1つが前記メディカルイメージングデバイスに取り付けられ、前記メディカルイメージングデバイスに関する外部光学パラメータを得ることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの内部トランスデューサの1つがイメージセンサと結合されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項19】
イメージセンサと結合された追加の電磁トランスデューサを更に具えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項20】
前記基準位置は前記イメージセンサと関連することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項21】
前記メディカルポジショニングシステム及び前記プロセッサと結合されたデータベースを更に具え、前記データベースは少なくとも前記MPSデータセットを格納し、且つ
前記データベースと結合されたメディカルイメージングデバイスを更に具え、前記メディカルイメージングデバイスは、画像検出器を具え、前記画像検出器によって前記検査臓器の複数の2次元画像を収集し、前記データベースが少なくとも前記複数の2次元画像を格納し、
前記プロセッサは、前記収集した2次元画像と前記MPSデータセットと前記位相情報とを関連付け、前記検査臓器の異なる位相ごとの、前記血管内を案内される前記手術具の軌跡を再構成することを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項22】
前記メディカルイメージングデバイスは、
超音波;
血管内超音波;
X線;
Cアームマシン;
フルオロスコピー;
アンギオグラフィ;
コンピュータトモグラフィ;
NMR(核磁気共鳴);
陽電子放出トモグラフィ;及び
単一光子放出トモグラフィ;
からなるリストから選ばれる画像収集システムを含むことを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項23】
前記プロセッサと結合されたディスプレイを更に具え、前記ディスプレイは前記検査臓器の動画像を提示し、前記動画像は、前記検査臓器の異なる位相における前記血管内を案内される前記手術具の軌跡を提示することを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項24】
前記ディスプレイは、前記動画像内に、前記検査臓器のリアルタイムの活動状態時の単一画像フレームを提示することを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項25】
前記ディスプレイは、前記動画像内に、前記検査臓器の前活動状態時の前記手術具の進行を示す前画像の再生を提示することを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項26】
前記ディスプレイは、
2次元ディスプレイ;
適切なめがねで視る自動立体ディスプレイ;
スタンドアロン型立体ディスプレイ;及び
ゴーグル;
からなるリストから選ばれることを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項27】
前記ディスプレイは複数のミラーを含むことを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項28】
前記ミラーの1つは、現在の活動状態における前記検査臓器の現在の画像フレーム上にスーパーインポーズされる前記手術具の現在のリアルタイム3次元位置データを提示し、前記ミラーの他の1つは、前活動状態における前記検査臓器の前画像フレーム上にスーパーインポーズされる前記手術具の現在のリアルタイム3次元位置データを提示することを特徴とする請求項27記載の装置。
【請求項29】
前記ディスプレイは単一モニタ内に複数の個別のウインドウを含むことを特徴とする請求項23記載の装置。
【請求項30】
前記ウインドウの1つは、現在の活動状態における前記検査臓器の現在の画像フレーム上にスーパーインポーズされる前記手術具の現在のリアルタイム3次元位置データを提示し、前記ウインドウの他の1つは、前活動状態における前記検査臓器の前画像フレーム上にスーパーインポーズされる前記手術具の現在のリアルタイム3次元位置データを提示することを特徴とする請求項29記載の装置。
【請求項31】
前記プロセッサは、前記複数の2次元画像と前記MPSデータセットとを、収集時または測定時に前記位相情報に関して関連付けることを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項32】
前記プロセッサは、前記検査臓器の所定の位相時に収集された所定に2次元画像に対して、前記所定の位相時に検出された位置座標の読取り値を関連付けることを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項33】
前記プロセッサは、前記検査臓器の所定の位相時に検出された前記位置座標読取り値に基づいて、前記血管内を案内される手術具の軌跡を再構成することを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項34】
前記プロセッサは、前記再構成された軌跡の各々を前記検査臓器の対応する位相時に収集さた2次元画像と関連付けることを特徴とする請求項33記載の装置。
【請求項35】
前記ディスプレイは、前記再構成された軌跡をそれぞれの2次元画像上にスーパーインポーズすることを特徴とする請求項33記載の装置。
【請求項36】
前記ディスプレイは、前記画像を一時に一つずつ示される個々の画像フレームの系列として提示することを特徴とする請求項21記載の装置。
【請求項37】
前記ディスプレイは、前記画像を連続的に示される画像フレームの系列として提示することを特徴とする請求項35記載の装置。
【請求項38】
患者の体内の検査臓器に関する臓器タイミング信号を生成する方法であって、該方法は、
電磁信号を送信し、前記電磁信号を検出する手順と、
前記送信電磁信号を前記検出電磁信号とともに処理する手順と、
前記処理に基づいて、患者の体内に挿入された手術具の3次位置を決定する手順と、
時間の経過に伴う前記手術具の運動軌跡を示す3次元位置座標の読取り値の集合を含むMPSデータセットを生成する手順と、
前記MPSデータセットにおいて周期運動周波数を検出し識別する手順と、
前記MPSデータセットから前記周期運動周波数をフィルタリングする手順とを具えることを特徴とする臓器タイミング信号生成方法。
【請求項39】
前記MPSデータセットと前記フィルタリングされた周期運動周波数とから、心臓運動に由来する前記血管の機械的運動を表す心臓軌跡を再構成する手順と、
前記MPSデータセットと前記フィルタリングされた周期運動周波数とから、呼吸器運動に由来する前記血管の機械的運動を表す呼吸器軌跡を再構成する手と、
前記再構成された心臓軌跡または前記再構成された呼吸器軌跡について複数の位相を識別することによって前記検査臓器の位相を検出する手順と、
前記位相を前記MPSデータセットと関連付ける手順とを更に具え、
前記検査臓器に関する位相情報を得ることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記検査臓器の複数の2次元画像を収集する手順を更に具えることを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記複数の2次元画像と前記MPSデータセットと前記位相情報とを関連付ける手順を更に具えることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項42】
前記複数の2次元画像と前記MPSデータセットは収集時または測定時に前記位相情報に対して関連付けられることを特徴とする請求項41記載の装置。
【請求項43】
所定の位相時に収集された前記複数の2次元画像の所定の2次元画像が、前記心臓軌跡の任意のサイクルにおける前記所定の位相時に検出された位置座標の読取り値と関連付けられることを特徴とする請求項41記載の装置。
【請求項44】
前記MPSデータセットの1つを正規化する手順と、
前記正規化されたMPSデータセットについて磁気−光学相関を行う手順と、
光学領域における3次元座標読取り値を含む前記相関されたMPSデータセットについて光学的投影を行う手順と、
光学領域における2次元座標読取り値を含む前記投影されたMPSデータセットを前記収集された複数の2次元画像から選択された2次元画像上にスーパーインポーズする手順とを更に具え、
MPSデータを対応するデータセットについて2次元画像データ上にスーパーインポーズすることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項45】
前記MPSデータセットから選択された、1つの2次元画像データセットと対応する第1のMPSデータセットに対して、前記MPSデータセットから前記検査臓器に関する位相情報を得る手順と、
前記MPSデータセットから選択された、前記2次元画像データセットと対応しない第2のMPSデータセットに対して、前記MPSデータセットから前記検査臓器に関する位相情報を得る手順と、
前記第1のMPSデータセットと前記第2のMPSデータセットとの位相アライメントを用いて前記第1のMPSデータセットと同一の時間タグを有する第3のMPSデータセットを生成する手順とを具えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項46】
磁気領域における3次元座標読み取値を含む前記第3のMPSデータセットについて磁気−光学相関を行う手順と、
光学領域における3次元座標読取り値を含む前記相関された第3のMPSデータセットについて光学的投影を行う手順と、
光学領域における2次元座標読取り値を含む前記投影された第3のMPSデータセットを前記収集された複数の2次元画像から選択された2次元画像上にスーパーインポーズする手順とを更に具え、
MPSデータを対応しないデータセットについて2次元画像データ上にスーパーインポーズすることを特徴とする請求項45記載の方法
【請求項47】
前記位相情報は心臓位相情報であることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項48】
前記位相情報は呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項49】
前記位相情報は心臓位相情報及び呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項50】
前記MPSデータセットから、前記MPSデータセットの選択されたセットに対して、前記検査臓器に関する位相情報を得る手順と、
前記収集された複数の2次元画像から選択された1つの2次元画像データセットに対して相関された位相情報を得る手順と、
画像位相と時間タグに基づいて、前記2次元画像データセット内の各2次元画像に対して個別のMPSデータセットを生成する手順とを更に具えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項51】
磁気領域における3次元座標読取り値を含む前記生成されたMPSデータセットの各々に磁気−光学相関を行う手順と、
光学領域における3次元座標読み取り値を含む前記相関されたMPSデータセットの各々について光学的投影を行う手順と、
光学領域における2次元座標読取り値を含む前記投影されたMPSデータセットの各々を前記2次元画像データセットから選ばれた対応する2次元画像上にスーパーインポーズする手順とを更に具え、
前記検査臓器の異なる位相において、患者の体内の前記検査臓器の近くの血管に案内された前記手術具の軌跡を再構成することを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項52】
前記位相情報は心臓位相情報であることを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項53】
前記位相情報は呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項54】
前記位相情報は心臓位相情報及び呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項50記載の方法。
【請求項55】
前記再構成された軌跡はディスプレイ上に提示されることを特徴とする請求項51記載の方法。
【請求項56】
前記MPSデータセットから、前記MPSデータセットの選択されたセットに対して、前記検査臓器に関する位相情報を得る手順と、
前記MPSデータセットと前記フィルタリングされた周期運動周波数とから、前記手術具の案内運動の中心軸線を表す中心線軌跡を再構成する手順と、
時間タグと前記再構成された心臓軌跡の検出位相とに基づいて、各位相ごとにコンピュータ熱の中心線軌跡を再構成する手順と、
前記収集された複数の2次元画像から選択された1つの2次元画像データセットに対して相関された位相情報を得る手順と、
前記2次元画像データセット内の2次元画像の各位相ごとに、整合する周期運動成分をスーパーインポーズすることによって前記中心線軌跡の各々をシフトさせる手順とを具えることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項57】
磁気領域における3次元座標読取り値を含む前記シフトされた中心線軌跡の各々について磁気−光学相関を行う手順と、
光学領域における3次元座標読み取り値を含む前記シフトされた中心線軌跡の各々について光学的投影を行う手順と、
光学領域における2次元座標読取り値を含む前記シフトされた中心線軌跡の各々を前記2次元画像データセットから選ばれた対応する2次元画像上にスーパーインポーズする手順とを更に具え、
前記検査臓器の異なる位相において、患者の体内の前記検査臓器の近くの血管に案内された前記手術具の軌跡を再構成することを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記位相情報は心臓位相情報であることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項59】
前記位相情報は呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項60】
前記位相情報は心臓位相情報及び呼吸器位相情報であることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項61】
前記再構成された軌跡はディスプレイ上に提示されることを特徴とする請求項57記載の方法。
【請求項62】
前記検査臓器は心臓であることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項63】
前記検査臓器は肺であることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項64】
請求項1−37のいずれかに記載された、あるいは、図1−10のいずれかに示された装置。
【請求項65】
請求項38−63のいずれかに記載された、あるいは、図1−10のいずれかに示された方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2008−519641(P2008−519641A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540830(P2007−540830)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【国際出願番号】PCT/IL2005/001157
【国際公開番号】WO2006/051523
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(501448314)メディガイド リミテッド (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【国際出願番号】PCT/IL2005/001157
【国際公開番号】WO2006/051523
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(501448314)メディガイド リミテッド (13)
【Fターム(参考)】
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