説明

MTCデバイス、関連デバイス、およびシステム間での共同による監視のための方法

本発明は、ワイヤレス通信ネットワークにおいて、MTCデバイスを用いて共同で監視するための方法、ならびに関連するMTCデバイスおよびシステムを提供する。各MTCデバイスは当該ワイヤレス通信ネットワークを介してMTCサーバに接続され、固有IDおよびセキュリティ・コードを有するトランシーバを含み、当該トランシーバは、そのMTCデバイス近傍の一定レンジ内にある他のMTCデバイスに、その正常または異常な状況情報を定期的にブロードキャストし、当該レンジ内にある他のMTCデバイスを検出および識別する。当該方法は、MTCデバイスが違法に操作された場合、そのトランシーバが破壊されていない場合は、MTCデバイスがMTCサーバに警報メッセージを送信し、その現在の位置に関する情報を報告することになり、そのトランシーバが破壊された場合は、MTCデバイスがMTCサーバに警報メッセージを1回送信することになり、(1つまたは複数の)当該他のMTCデバイスが、MTCデバイスによって送信された合法のブロードキャスト信号を検出しないことから、MTCサーバに警報メッセージを送信し、その現在位置に関する情報を報告することになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信の分野に関し、より具体的には、Machine Type Communication(MTC)デバイス間での共同(collaborating)による監視の技法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば車載デバイス(IVD)などのMTCデバイスの高い盗難/脆弱性により、現在では、追跡/警報システムが非常に普及してきている。IVDベースのシナリオでは、これらのシステムは、ロック・デバイス、警報システム、および車両追跡/回収(recovery)システムという、3つのタイプに分類することができる。しかし、これらには以下の欠点がある。
−一般的に使用される車両盗難防止ロック(ハンドル用盗難防止ロックなど)は比較的安価であるが、使用には不便であって、熟練した窃盗犯によって容易に解除される可能性がある。
−大多数の車両警報システムは、頻繁に誤警報を発する。
−一般的に使用される車両追跡/回収システムは、Lojack追跡システム、ProScout GPS車両追跡システム、TravelEyes2車両追跡システムなどのように、無線信号に基づくものである。車両が盗難に遭うと、所有者はこの問題を警察またはGPS追跡オフィスに報告することができる。位置を特定し、警察の迅速な回収につなげるために、車内のワイヤレス送信器またはGPSデバイスが使用されることになる。しかしながらこれらのシステムは、事前の高額な購入資金ならびに保守費用(たとえば毎月の監視料)を要し、アンテナを破壊するかまたは金属で覆うだけで容易に無効化され、その後TPS追跡システムは役に立たなくなる。
【0003】
前述の3つのシステムは、容易に取り外し/破壊されることから脆弱であり、たとえ警報器が取り外されない場合であっても、車両が路上に出た後に盗難車を追跡することは困難である。
【0004】
センサ・ネットワーク・ベースの車両盗難防止システムにおける最近の改良されたリサーチは、基地局のワイヤレス・アクセスが制限されるため、制限された駐車場エリア内で動作する。盗難車は駐車場内の他の車両によって検出され、そのローカル基地局に報告されることが可能である。しかしながら盗難車は、しばしば基地局が応答するよりも速く移動し、駐車場監視エリア外に出ると見失うことになる。
【0005】
前述のシステムでは、所有者は車両の盗難を報告することはできるが、GPS測位機能がない、またはこの機能が破壊された場合、車両の現在位置を追跡することはできず、迅速な回収の妨げとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術における前述の問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様によれば、ワイヤレス通信ネットワークにおいて、Machine Type Communication MTCデバイスを用いて共同で監視するための方法が提案され、ここで各MTCデバイスは当該ワイヤレス通信ネットワークを介してMTCサーバに接続され、固有IDおよびセキュリティ・コードを有するトランシーバを含み、当該トランシーバは、そのMTCデバイス近傍の一定レンジ内にある他のMTCデバイスに、その正常または異常な状況情報を定期的にブロードキャストし、当該レンジ内にある他のMTCデバイスを検出および識別し、当該方法は、MTCデバイスが違法に操作されたが当該トランシーバは破壊されていない場合に、MTCデバイスがMTCサーバに警報メッセージを送信し、その現在の位置に関する情報を報告するステップと、MTCデバイスが違法に操作され当該トランシーバが破壊された場合に、MTCデバイスがMTCサーバに警報メッセージを1回送信し、(1つまたは複数の)当該他のMTCデバイスが、MTCデバイスによって送信された合法のブロードキャスト信号を検出しないことから、MTCサーバに警報メッセージを送信し、その現在位置に関する情報を報告するステップと、を含む。
【0008】
本発明の他の態様によれば、ワイヤレス通信ネットワークにおける共同監視が可能なMachine Type Communication MTCデバイスが提案され、ここで当該MTCデバイスは、当該ワイヤレス通信ネットワークを介してMTCサーバに接続され、固有IDおよびセキュリティ・コードを有するトランシーバを含み、トランシーバは、そのMTCデバイス近傍の一定レンジ内にある(1つまたは複数の)他のMTCデバイスに、その正常または異常な状況情報を定期的にブロードキャストし、当該レンジ内にある(1つまたは複数の)他のMTCデバイスを検出および識別し、さらにMTCデバイスは、MTCデバイスが違法に操作された場合に、MTCサーバに警報メッセージを送信するための警報メッセージ送信手段と、MTCデバイスが違法に操作されたがトランシーバは破壊されていない場合に、MTCデバイスの現在位置に関する情報をMTCサーバに報告するための、第1の位置情報報告手段と、当該(1つまたは複数の)他のMTCデバイスによって送信された合法のブロードキャスト信号が検出されない場合に、MTCサーバに警報メッセージを送信し、その現在位置に関する情報を報告するための、第2の位置情報報告手段と、を含む。
【0009】
本発明のさらに他の態様によれば、ワイヤレス通信ネットワークにおいて共同監視を実施するためのシステムが提案され、このシステムは、本発明に従った少なくとも2つのMTCデバイスと、それらの状況および位置情報を処理するためにMTCデバイスと対話する少なくとも1つのMTCサーバと、ワイヤレス通信ネットワークであって、当該MTCデバイスおよび当該MTCサーバが当該ワイヤレス通信ネットワークを介して互いに通信し合う、ワイヤレス通信ネットワークと、を備える。
【0010】
図面を参照しながら、本発明の諸実施形態についての以下の説明を読めば、本発明のこれらおよび多くの他の特徴および利点が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の概念に基づくシステムのアーキテクチャを示す概略図である。
【図2】本発明の概念に基づく共同セキュア・アクセス手順を示す概略図である。
【図3】本発明の概念に基づく共同検出手順を示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態に従った、MTCデバイスによってワイヤレス通信ネットワーク内で共同監視するための方法を示す流れ図である。
【図5】本発明の実施形態に従った、MTCデバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の基本的な考え方は、ワイヤレス都市規模ネットワーク内のそれぞれのMTCデバイスに、トランシーバ、ならびに必要であればGPSロケータを装備することに存する。特定領域内に配置されたすべてのMTCデバイスは互いに接続され、ワイヤレス・アクセス・ネットワークによってカバーされている。MTCデバイスに対する特定の違法な操作(パスワード誤り、トランシーバの破壊、位置変更など)によって、その隣接するMTCデバイスが正常な信号を受信できなくなる可能性がある。このイベントおよびこのイベントを検出するMTCデバイスの位置情報がMTCサーバに報告されることが可能であり、それによって、盗難または破壊されたMTCデバイスのおおよその位置がわかる。MTCデバイスの検出レンジは、人によって、たとえば50メートル、100メートルなどに設定可能である。
【0013】
MTCデバイス内に含まれるトランシーバは、MTCサーバによって区別可能な固有ID、およびセキュリティ・コードを有する。このトランシーバは、その検出領域内に配置された(1つまたは複数の)MTCデバイスを検出および識別することができる。新しいMTCデバイスがその検出領域内に入ってきた場合、このトランシーバは、そのMTCデバイスに確認要求を送信することになる。この新しいMTCは確認要求を受信すると、その現在の状況に応じて合法/違法メッセージで応答する。トランシーバは、この新しいMTCデバイスから違法メッセージを受信するか、またはいずれの確認メッセージも受信しなかった場合、MTCサーバに警報メッセージを送信することになる。
【0014】
図1は、本発明を適用するシステムのアーキテクチャを概略的に示しており、ここでMTCサーバは、PLMN(公衆陸上移動ネットワーク)を介して複数のMTCデバイスに接続される。MTCデバイスは、その状況(正常または異常)を、特定のレンジ内にある他のMTCデバイスへ定期的にブロードキャストするため、このレンジ内のすべてのMTCは互いに通信および識別が可能である。当該レンジは、WiFi、ZigBee、UWB、FIDなどの適合ワイヤレス伝送技術に従って、設定可能である。それぞれのMTCデバイスは、そのセキュリティ・アクセス・パスワードを用いて合法に動作可能である。
【0015】
さらにMTCデバイスは、MTCデバイスが静的または移動性のシステムまたはデバイスであるかどうかに依存して、リアルタイムのMTCデバイスのGPS位置を測定するためのGPSロケータを含む場合、または含まない場合があり、この静的なシステムまたはデバイスはたとえばパーソナル・コンピュータであり、移動性のシステムまたはデバイスはたとえば車両である。静的なMTCデバイスは、その位置情報がMTCサーバに事前に記憶される可能性があり(その位置情報は静的デバイスが移動される場合に更新される)、その盗難または破壊イベントは他のMTCデバイスによって検出可能であり、その位置も他のMTCデバイスによって追跡可能であるため、必ずしもGPSロケータを含まない。
【0016】
オプションで、MTCサーバはMTCデバイスの位置情報を記憶可能である。MTCサーバがMTCデバイスの位置情報を記憶している場合、静的なMTCデバイスは、盗難または破壊状況が検出される間に、MTCサーバに対して警報メッセージを送信し、そのIDを報告するだけでよい。
【0017】
図2は、本発明の概念に基づいた共同セキュア・アクセス手順を概略的に示す。図2に示されるように、MTCデバイスが正しいパスワードなしに移動され、そのトランシーバが破壊されていない場合、移動されたMTCデバイスは警報メッセージおよび現在位置(またはID)をサーバに送信する一方で、迅速な追跡および回収のために、違法な信号を他のMTCデバイスにブロードキャストすることになる。MTCデバイスが移動され、トランシーバが破壊された場合、MTCデバイスは、電力がオフとなり合法なブロードキャスト信号が切断される前に、警報メッセージをMTCサーバに1回送信し、同じ検出領域内の他のMTCデバイスは、このMTCデバイスによって送信された合法なブロードキャスト信号を検出せず、MTCサーバに警報メッセージおよびそれらの現在位置を送信する。それによって、移動または破壊されたMTCデバイスのおおよその地理的位置を、異常な状況を検出しているMTCデバイスの現在位置情報から推測することができる。
【0018】
図3は、本発明の概念に基づいた共同検出手順を概略的に示す。図3に示されるように、トランシーバを破壊/移動させることになるいずれの操作も、MTCサーバに警報メッセージを自動的に送信するようにトリガし、その後このイベントは、所有者の携帯電話または警察などの、他の機関に報告されることが可能である。移動可能なMTCデバイスは、GPSロケータを装備することが可能であり、MTCサーバへの直接アップリンク・アクセスを有するため、他のMTCデバイスは、1つのMTCデバイスのロケータが破壊されたときに共同で監視することによって、その位置の回収を手助けすることができる。
【0019】
本発明の解決策を使用することによって、盗難/破壊イベントを即時に検出することが可能であり、盗難/破壊されたデバイスの位置を連続的に追跡することが可能である。
【0020】
本発明の解決策が、以下のような(ただしこれらに限定されない)多くのシナリオに適用可能であることは明らかであろう。
−車両盗難防止システム:車両が盗難され、警報追跡装置が破壊された後、かなり長期間にわたっていずれの盗難車も連続的に追跡可能であるため、非常に堅固であり、警察が盗難車を即時に回収するのを助ける。
−事故報告:車両はかなり損傷するが、そのトランシーバは引き続き動作し、他の通過車両または高速道路の沿道デバイスはこの事故について最初に報告することができる。
−たとえば税金不払い/無保険などの、非合法状況を伴う任意の車両は、警察署によって即時に検出される。
−車両の所有者は、何らかの犯罪イベントを報告する必要がある場合、警察に通報することができる。
【0021】
本発明の実施形態に従った、MTCデバイスによってワイヤレス通信ネットワーク内で共同監視するための方法について、図4を参照しながら以下で説明する。本実施形態の方法は、たとえば図1に示されたようなシステムに適用可能であり、本明細書ではこれに関する説明を反復しない。前述のように、それぞれのMTCデバイスはワイヤレス通信ネットワーク(PLMNなど)を介してMTCサーバに接続され、固有IDおよびセキュリティ・コードを有するトランシーバを含む。このトランシーバは、そのMTCデバイス近傍の一定のレンジ内にある他のMTCデバイスに、その正常または異常な状況情報を定期的にブロードキャストし、当該レンジ内にある他のMTCデバイスを検出および識別する。当該レンジは、WiFi、ZigBee、UWB、RFIDなどの適合ワイヤレス伝送技術に従って設定可能であることに留意されたい。
【0022】
本明細書では、当該MTCデバイスは、移動可能なシステムまたはデバイス(車両など)に含まれる場合にその現在位置をリアルタイムで報告するための、GPSロケータを含むこともできる。
【0023】
当該トランシーバによる、そのレンジ内にある他のMTCデバイスに関する検出および識別は、トランシーバが他のMTCデバイスから確認要求を受信した場合、他のMTCに対して、そのMTCデバイスの現在の状況に関する合法/違法メッセージを送信することを含み、他のMTCデバイスは、このトランシーバから違法メッセージを受信するか、またはいかなる確認メッセージも受信しない場合、MTCサーバに警報信号を送信し、その現在位置を報告する。
【0024】
ステップ401で、MTCデバイスは違法に操作される。本明細書では、違法な操作は、パスワード誤り、トランシーバ破壊、位置変更などを含む(ただしこれらに限定されない)。
【0025】
MTCデバイス内のトランシーバが破壊された場合、ステップ402で、MTCデバイスはMTCサーバに対して警報メッセージを1回送信し、他のMTCデバイスは、そのMTCデバイスによって送信された合法のブロードキャスト信号を検出しないことから、MTCサーバに対して警報メッセージを送信し、その現在位置に関する情報を報告する。
【0026】
MTCデバイス内のトランシーバが破壊されない場合、ステップ403で、MTCデバイスはMTCサーバに警報メッセージを送信し、その現在位置に関する情報を報告することになる。
【0027】
MTCサーバがMTCデバイスのアドレス情報を静的なシステムまたはデバイス(パーソナル・コンピュータなど)内に記憶している場合は、トランシーバの固有IDをMTCサーバに報告するだけでよいことに留意されたい。
【0028】
MTCサーバとMTCデバイスとの間の対話を信号送信するために使用されるプロトコルは、MTCデバイスが装備される異なるタイプのシステムまたはデバイス(車両、携帯電話など)に依存して変化することにも留意されたい。
【0029】
したがって、本実施形態の共同監視方法を使用することによって、盗難/破壊されたシステムまたはデバイスの現在位置が追跡できないという従来技術の問題が解決可能であることがわかるであろう。
【0030】
同じ発明の概念に基づく、本発明の他の態様により、ワイヤレス通信ネットワーク内での共同監視が可能なMTCデバイスが提案される。このMTCデバイスについて、添付の図面を参照しながら以下で説明する。
【0031】
図5は、本発明の実施形態に従ったMTCデバイス500を示す。このMTCデバイス500は、前述のように、トランシーバ501、GPSロケータ502、警報メッセージ送信手段503、第1の位置情報報告手段504、および第2の位置情報報告手段505を含み、トランシーバ501は、固有IDおよびセキュリティ・コードを有し、MTCデバイス500近傍の一定レンジ内にある他のMTCデバイスに、その正常または異常な状況情報を定期的にブロードキャストし、前述のように当該レンジ内にある他のMTCデバイスを検出および識別する。当該レンジは、WiFi、ZigBee、UWB、RFIDなどの適合ワイヤレス伝送技術に依存して設定可能であることに留意されたい。当該GPSロケータ502は、MTCデバイス500のリアルタイムのGPS位置を測定するために使用される。MTCデバイスは、このGPSロケータ502を含むか、または含まない場合があることに留意されたい。たとえばMTCデバイスは、静的なシステムまたはデバイス内にある場合、その位置情報がMTCサーバ内に事前に記憶されていることが可能であり、その盗難または破壊イベントが他のMTCデバイスによって検出可能であり、その位置も他のMTCデバイスによって追跡可能であるため、GPSロケータ502を含まない場合がある。警報メッセージ送信手段503は、MTCデバイスが違法に操作されている間、MTCサーバに警報メッセージを送信するために使用される。第1の位置情報報告手段504は、MTCデバイス500が違法に操作されるが、それが含むトランシーバは破壊されない場合に、MTCデバイス500の現在位置に関する情報をMTCサーバに報告するために使用される。第2の位置情報報告手段505は、他のMTCデバイスによって送信された合法のブロードキャスト信号が検出されない場合に、MTCサーバに警報メッセージを送信し、その現在位置に関する情報を報告するために使用される。
【0032】
実装において、本実施形態のMTCデバイス500、ならびにそれに含まれるトランシーバ501、GPSロケータ502、警報メッセージ送信手段503、第1の位置情報報告手段504、および第2の位置情報報告手段505は、ソフトウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせ内に実装可能である。たとえば、当業者であれば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ASIC、PLD、および/またはFPGAなどの、これらの構成要素を実装するために使用可能な様々なデバイスに精通している。本実施形態のMTCデバイスのそれらの各構成要素は、物理的に別々に実装可能であるが、動作可能なように相互接続可能である。
【0033】
動作中、図5に関連して例示された実施形態の、ワイヤレス通信ネットワーク内で共同監視可能なMTCデバイスは、前述の共同監視方法を実施することができる。MTCデバイスを使用することによって、盗難/破壊されたシステムまたはデバイスの現在位置が追跡できないという従来技術の問題を解決することができる。
【0034】
同じ発明の概念に基づく、本発明のさらに他の態様により、前述の実施形態の少なくとも2つのMTCデバイス、それらの状況および位置情報を処理するために当該MTCデバイスと対話する少なくとも1つのMTCサーバ、ならびに、MTCデバイスおよびMTCサーバが互いに通信し合う際に介するワイヤレス通信ネットワークを備える、システムが提案される。当該ワイヤレス通信ネットワークは、たとえばPLMNである。
【0035】
たとえば、本発明のシステムでは、1つのMTCデバイスが他のMTCデバイスの合法/違法状況を監視し、盗難または破壊イベントの場合、当該ワイヤレス通信ネットワークを介して警報メッセージをMTCサーバに送信し、必要であればその現在位置を報告する。詳細な動作プロセスについては、本発明の実施形態に従った前述の共同監視方法を参照することが可能であるため、その詳細については本明細書ではこれ以上説明不要であろう。
【0036】
共同監視方法、MTCデバイス、およびシステムの例示的諸実施形態について、上記で詳細に説明したが、前述の諸実施形態は網羅的なものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨および範囲内での多数の変更および修正が可能である。したがって、本発明はこれらの諸実施形態に限定されず、その範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ画定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信ネットワークにおいて、Machine Type Communication MTCデバイスを用いて共同で監視するための方法であって、各前記MTCデバイスは前記ワイヤレス通信ネットワークを介してMTCサーバに接続され、固有IDおよびセキュリティ・コードを有するトランシーバを含み、前記トランシーバは、そのMTCデバイス近傍の一定レンジ内にある他のMTCデバイスに、その正常または異常な状況情報を定期的にブロードキャストし、前記レンジ内にある他のMTCデバイスを検出および識別し、
−前記MTCデバイスが違法に操作されたが前記トランシーバは破壊されていない場合に、前記MTCデバイスが前記MTCサーバに警報メッセージを送信し、その現在の位置に関する情報を報告するステップと、
−前記MTCデバイスが違法に操作され前記トランシーバが破壊された場合に、前記MTCデバイスが前記MTCサーバに警報メッセージを1回送信し、(1つまたは複数の)前記他のMTCデバイスが、前記MTCデバイスによって送信された合法のブロードキャスト信号を検出しないことから、前記MTCサーバに警報メッセージを送信し、その現在位置に関する情報を報告するステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記MTCデバイスは、移動可能なシステムまたはデバイスに使用される場合、前記MTCサーバに報告するために、前記MTCデバイスのリアルタイムの位置を測定するためのGPSロケータも含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記MTCサーバが、前記MTCデバイスの前記現在位置に関する情報を記憶する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記違法な操作が、パスワード誤り、トランシーバの破壊、位置変更を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記トランシーバによる前記レンジ内の前記(1つまたは複数の)他のMTCデバイスに関する前記検出および識別が、
前記トランシーバが前記(1つまたは複数の)他のMTCデバイスから確認要求を受信した場合、前記MTCデバイスの前記現在の状況に基づき、前記トランシーバによって、合法/違法メッセージを前記(1つまたは複数の)他のMTCデバイスに送信するステップを含み、
前記(1つまたは複数の)他のMTCデバイスは、前記トランシーバから違法メッセージを受信したか、またはいかなる確認メッセージも受信していない場合、前記MTCサーバに警報信号を送信し、その現在位置に関する情報を報告する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ワイヤレス通信ネットワークにおける共同監視が可能なMachine Type Communication MTCデバイスであって、前記MTCデバイスは、前記ワイヤレス通信ネットワークを介してMTCサーバに接続され、固有IDおよびセキュリティ・コードを有するトランシーバを含み、前記トランシーバは、そのMTCデバイス近傍の一定レンジ内にある(1つまたは複数の)他のMTCデバイスに、その正常または異常な状況情報を定期的にブロードキャストし、前記レンジ内にある前記(1つまたは複数の)他のMTCデバイスを検出および識別し、
−前記MTCデバイスが違法に操作された場合に、前記MTCサーバに警報メッセージを送信するための警報メッセージ送信手段と、
−前記MTCデバイスが違法に操作されたが前記トランシーバは破壊されていない場合に、前記MTCデバイスの現在位置に関する情報を前記MTCサーバに報告するための、第1の位置情報報告手段と、
−前記(1つまたは複数の)他のMTCデバイスによって送信された合法のブロードキャスト信号が検出されない場合に、前記MTCサーバに警報メッセージを送信し、その現在位置に関する情報を報告するための、第2の位置情報報告手段と、
をさらに含むことを特徴とする、MTCデバイス。
【請求項7】
前記MTCデバイスは、移動可能なシステムまたはデバイスに使用される場合、前記MTCサーバに報告するために、前記MTCデバイスのリアルタイムの位置を測定するためのGPSロケータも含む、請求項6に記載のMTCデバイス。
【請求項8】
前記MTCサーバが、前記MTCデバイスの前記現在位置の情報を記憶する、請求項6または7に記載のMTCデバイス。
【請求項9】
前記違法な操作が、パスワード誤り、トランシーバの破壊、位置変更を含む、請求項6に記載のMTCデバイス。
【請求項10】
前記トランシーバによる前記レンジ内の前記(1つまたは複数の)他のMTCデバイスに関する前記検出および識別が、
前記トランシーバが前記(1つまたは複数の)他のMTCデバイスから確認要求を受信した場合、前記MTCデバイスの前記現在の状況に基づき、前記トランシーバによって、合法/違法メッセージを前記(1つまたは複数の)他のMTCデバイスに送信することを含み、
前記(1つまたは複数の)他のMTCデバイスは、前記トランシーバから違法メッセージを受信したか、またはいかなる確認メッセージも受信していない場合、前記MTCサーバに警報信号を送信し、その現在位置に関する情報を報告する、
請求項6乃至9のいずれか1項に記載のMTCデバイス。
【請求項11】
ワイヤレス通信ネットワークにおいて共同監視を実施するためのシステムであって、
請求項6乃至10のいずれか1項に記載の少なくとも2つのMTCデバイスと、
それらの状況および位置情報を処理するために前記MTCデバイスと対話する少なくとも1つのMTCサーバと、
ワイヤレス通信ネットワークであって、前記MTCデバイスおよび前記MTCサーバが前記ワイヤレス通信ネットワークを介して互いに通信し合う、ワイヤレス通信ネットワークと、
を備えることを特徴とする、システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2013−516853(P2013−516853A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547422(P2012−547422)
【出願日】平成22年1月4日(2010.1.4)
【国際出願番号】PCT/CN2010/070002
【国際公開番号】WO2011/079528
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】