PARP阻害剤としてのピリダジノン誘導体
本発明は、式(I):
【化1】
の化合物、及びその薬学的に許容される塩又は互変異性体に関し、これらはポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の阻害剤であり、したがって、癌、炎症性疾患、再灌流損傷、虚血症状、卒中、腎不全、心臓血管疾患、心臓血管疾患以外の血管疾患、糖尿病、神経変性疾患、レトロウイルス感染症、網膜損傷、皮膚老化、及びUV誘導性皮膚損傷の治療に、また癌治療用の化学増感剤又は放射線増感剤として、有用である。
【化1】
の化合物、及びその薬学的に許容される塩又は互変異性体に関し、これらはポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の阻害剤であり、したがって、癌、炎症性疾患、再灌流損傷、虚血症状、卒中、腎不全、心臓血管疾患、心臓血管疾患以外の血管疾患、糖尿病、神経変性疾患、レトロウイルス感染症、網膜損傷、皮膚老化、及びUV誘導性皮膚損傷の治療に、また癌治療用の化学増感剤又は放射線増感剤として、有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】
[式中、
aは、0又は1であり;
bは、0又は1であり;
cは、0、1、2、3、又は4であり;
dは、0又は1であり;
eは、0、1、2、3、又は4であり;
fは、0、1、2、3、又は4であり;
Aは、2個のN原子とゼロ又は1個のO原子とを含有し、1個のオキソ基で置換された、6員ないし15員の単環、縮合、架橋、又はスピロ式の飽和ヘテロ環であり;
各R1は、独立して、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ハロゲン、又はシアノであり;
各R2は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、又はNRaRbであり;
R3及びR4の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルであり;
各R5は、独立して、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、又は環であり、該環は:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、オキセタニル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし10員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、R6から選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
各R6は、独立して、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルコキシ、−O(C=O)C1−6アルキル、−(C=O)OC1−6アルキル、NRaRb、CONRaRb、NRaCORb、S(O)rNRaRb、S(O)rRc、NRaS(O)rRc、又は環であり、該環は:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、C6−10アリールカルボニル、C6−10アリールオキシカルボニル、C6−10アリールC1−6アルコキシカルボニル、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、又は6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルから選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
rは、0、1、又は2であり;
Ra及びRbの各々は、独立して、水素、C1−6アルキル、又は環であり、該環は:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、又は6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルから選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
Rcは、水素又はC1−6アルキルである]
の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項2】
式II:
【化2】
[式中、
a、b、c、d、e、R1、R2、R3、及びR4が、請求項1に定義した通りであり;
gが、2又は3であり;
R7、R8、R9、及びR10の各々が、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルであり、
R11が、独立して、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、又は環であり、該環が:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、オキセタニル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし10員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、R6から選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
R6が、請求項1に定義した通りであり;
或いは、1個のR7が、1個のR9と一緒になって、1、2、又は3個の炭素原子を含有する架橋構造(これは、独立して、ハロゲン又はC1−6アルキルから選択される、1、2、又は3個の基で置換されていてもよい)を形成し;
或いは、1個のR9及び1個のR10が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、3、4、5、又は6個の炭素原子を含有するスピロ環(これは、独立して、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルから選択される、1、2、又は3個の基で置換されていてもよい)を形成し;
或いは、R11(CR3R4)eが、N−(CR9R10)と一緒になって、1個のN原子を含有する4員ないし8員の縮合飽和ヘテロ環(これは、独立して、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルから選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよい)を形成する]
の、請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項3】
式III:
【化3】
[式中、
a、b、c、R1、及びR2が、請求項1に定義した通りであり;
hが、0、1、又は2であり;
R12が、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルであり;
或いは、
R13が、水素又はR12であり;
eが、0、1、2、3、又は4であり;
R3及びR4の各々が、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルであり;かつ
各R11が、独立して、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、又は環であり、該環が:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、オキセタニル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし10員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、R6から選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
R6が、請求項1に定義された通りであり;
或いは、
R11(CR3R4)e及びR13が、それらが結合するN及びC原子と一緒になって、1個のN原子を含有する5員、6員、又は7員の飽和ヘテロ環(これは、独立して、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルから選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよい)を形成する]
の、請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項4】
式IV:
【化4】
[式中、
a、b、c、e、R1、R2、R3、R4、及びR5が、請求項1に定義した通りであり;
hが、0、1、又は2であり;
R12が、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルである]
の、請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項5】
式V:
【化5】
[式中、
a、b、及びR1が、請求項1に定義した通りであり;
hが、0又は1であり;
R5が、C3−10シクロアルキル又はC6−10アリールであって、これらは、独立して、フッ素、塩素、又はシアノから選択される、1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
R12が、メチルである]
の、請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項6】
cが1であり、かつR2がハロゲンである、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
R5が、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−6アルコキシ、C1−4アルコキシカルボニル、又は環であり、該環が:フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、ピリジニル、ナフチル、チエニル、テトラヒドロピラニル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、テトラヒドロナフタレニル、オキサジアゾリル、シクロブチル、キノリニル、ベンゾチエニル、チアゾリル、ピリミジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロインデニル、シクロヘプチル、シクロプロピル、ジヒドロクロメニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、オキサスピロ[4.4]ノニル、オキサスピロ[4.5]デシル、ピペリジニル、又はイミダゾリルであり;該環のいずれもが、独立して、R6から選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよい、請求項1又は4に記載の化合物。
【請求項8】
R7、R8、R9、及びR10の各々が、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルであり、かつ
R11が、独立して、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、又は環であり、該環が:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、オキセタニル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし10員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、R6から選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよい、請求項2に記載の化合物。
【請求項9】
R6が、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル、又はC6−10アリールである、請求項1ないし4、及び6ないし8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
上記請求項のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を、薬学的に許容される担体と共に含んでなる医薬組成物。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体と、抗癌剤との、同時の、別々の、又は連続した投与のための併用。
【請求項12】
療法において使用するための、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項13】
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の阻害により改善し得る症状の、治療又は予防において使用するための、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは互変異性体。
【請求項14】
癌、炎症性疾患、再灌流損傷、虚血症状、卒中、腎不全、心臓血管疾患、心臓血管疾患以外の血管疾患、糖尿病、神経変性疾患、レトロウイルス感染症、網膜損傷、皮膚老化、又はUV誘導性皮膚損傷の、治療又は予防において使用するための、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは互変異性体。
【請求項15】
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の阻害により改善し得る症状の、治療又は予防用医薬の製造のための、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体の使用。
【請求項16】
癌治療用の化学増感剤又は放射線増感剤としての、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体の使用。
【請求項17】
癌、炎症性疾患、再灌流損傷、虚血症状、卒中、腎不全、心臓血管疾患、心臓血管疾患以外の血管疾患、糖尿病、神経変性疾患、レトロウイルス感染症、網膜損傷、皮膚老化、又はUV誘導性皮膚損傷を、治療又は予防する方法であって、請求項1に記載の化合物、又は請求項1に記載の化合物を含んでなる組成物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる前記方法。
【請求項1】
構造式I:
【化1】
[式中、
aは、0又は1であり;
bは、0又は1であり;
cは、0、1、2、3、又は4であり;
dは、0又は1であり;
eは、0、1、2、3、又は4であり;
fは、0、1、2、3、又は4であり;
Aは、2個のN原子とゼロ又は1個のO原子とを含有し、1個のオキソ基で置換された、6員ないし15員の単環、縮合、架橋、又はスピロ式の飽和ヘテロ環であり;
各R1は、独立して、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、ハロゲン、又はシアノであり;
各R2は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、C1−6アルキル、ハロC1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、又はNRaRbであり;
R3及びR4の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルであり;
各R5は、独立して、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、又は環であり、該環は:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、オキセタニル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし10員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、R6から選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
各R6は、独立して、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ハロゲン、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルコキシ、−O(C=O)C1−6アルキル、−(C=O)OC1−6アルキル、NRaRb、CONRaRb、NRaCORb、S(O)rNRaRb、S(O)rRc、NRaS(O)rRc、又は環であり、該環は:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリールC1−6アルキル、C6−10アリールカルボニル、C6−10アリールオキシカルボニル、C6−10アリールC1−6アルコキシカルボニル、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、又は6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルから選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
rは、0、1、又は2であり;
Ra及びRbの各々は、独立して、水素、C1−6アルキル、又は環であり、該環は:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、又は6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルから選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
Rcは、水素又はC1−6アルキルである]
の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項2】
式II:
【化2】
[式中、
a、b、c、d、e、R1、R2、R3、及びR4が、請求項1に定義した通りであり;
gが、2又は3であり;
R7、R8、R9、及びR10の各々が、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルであり、
R11が、独立して、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、又は環であり、該環が:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、オキセタニル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし10員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、R6から選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
R6が、請求項1に定義した通りであり;
或いは、1個のR7が、1個のR9と一緒になって、1、2、又は3個の炭素原子を含有する架橋構造(これは、独立して、ハロゲン又はC1−6アルキルから選択される、1、2、又は3個の基で置換されていてもよい)を形成し;
或いは、1個のR9及び1個のR10が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、3、4、5、又は6個の炭素原子を含有するスピロ環(これは、独立して、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルから選択される、1、2、又は3個の基で置換されていてもよい)を形成し;
或いは、R11(CR3R4)eが、N−(CR9R10)と一緒になって、1個のN原子を含有する4員ないし8員の縮合飽和ヘテロ環(これは、独立して、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルから選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよい)を形成する]
の、請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項3】
式III:
【化3】
[式中、
a、b、c、R1、及びR2が、請求項1に定義した通りであり;
hが、0、1、又は2であり;
R12が、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルであり;
或いは、
R13が、水素又はR12であり;
eが、0、1、2、3、又は4であり;
R3及びR4の各々が、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルであり;かつ
各R11が、独立して、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、又は環であり、該環が:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、オキセタニル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし10員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、R6から選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
R6が、請求項1に定義された通りであり;
或いは、
R11(CR3R4)e及びR13が、それらが結合するN及びC原子と一緒になって、1個のN原子を含有する5員、6員、又は7員の飽和ヘテロ環(これは、独立して、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルから選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよい)を形成する]
の、請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項4】
式IV:
【化4】
[式中、
a、b、c、e、R1、R2、R3、R4、及びR5が、請求項1に定義した通りであり;
hが、0、1、又は2であり;
R12が、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルである]
の、請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項5】
式V:
【化5】
[式中、
a、b、及びR1が、請求項1に定義した通りであり;
hが、0又は1であり;
R5が、C3−10シクロアルキル又はC6−10アリールであって、これらは、独立して、フッ素、塩素、又はシアノから選択される、1、2、又は3個の基で置換されていてもよく;
R12が、メチルである]
の、請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項6】
cが1であり、かつR2がハロゲンである、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
R5が、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、ハロC1−4アルキル、C1−6アルコキシ、C1−4アルコキシカルボニル、又は環であり、該環が:フェニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、ピリジニル、ナフチル、チエニル、テトラヒドロピラニル、ビシクロ[1.1.1]ペンチル、テトラヒドロナフタレニル、オキサジアゾリル、シクロブチル、キノリニル、ベンゾチエニル、チアゾリル、ピリミジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロインデニル、シクロヘプチル、シクロプロピル、ジヒドロクロメニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、オキサスピロ[4.4]ノニル、オキサスピロ[4.5]デシル、ピペリジニル、又はイミダゾリルであり;該環のいずれもが、独立して、R6から選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよい、請求項1又は4に記載の化合物。
【請求項8】
R7、R8、R9、及びR10の各々が、独立して、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、又はハロC1−6アルキルであり、かつ
R11が、独立して、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−10アルケニル、ハロC1−6アルキル、ハロC1−6アルコキシ、C1−6アルキルカルボニル、C1−6アルコキシカルボニル、又は環であり、該環が:C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、オキセタニル、アゼチジニル、5員又は6員の飽和又は部分飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、又は3個の原子を含有する)、5員のヘテロ芳香環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子のうち1個以下がO又はSである)、6員のヘテロ芳香環(これは、1、2、又は3個のN原子を含有する)、又は7員ないし10員の不飽和、部分飽和、又は飽和ヘテロ環(これは、独立して、N、O、及びSから選択される1、2、3、又は4個のヘテロ原子を含有する)であり;該環のいずれもが、独立して、R6から選択される1、2、又は3個の基で置換されていてもよい、請求項2に記載の化合物。
【請求項9】
R6が、シアノ、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル、又はC6−10アリールである、請求項1ないし4、及び6ないし8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
上記請求項のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体を、薬学的に許容される担体と共に含んでなる医薬組成物。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体と、抗癌剤との、同時の、別々の、又は連続した投与のための併用。
【請求項12】
療法において使用するための、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体。
【請求項13】
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の阻害により改善し得る症状の、治療又は予防において使用するための、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは互変異性体。
【請求項14】
癌、炎症性疾患、再灌流損傷、虚血症状、卒中、腎不全、心臓血管疾患、心臓血管疾患以外の血管疾患、糖尿病、神経変性疾患、レトロウイルス感染症、網膜損傷、皮膚老化、又はUV誘導性皮膚損傷の、治療又は予防において使用するための、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、若しくは互変異性体。
【請求項15】
ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP)の阻害により改善し得る症状の、治療又は予防用医薬の製造のための、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体の使用。
【請求項16】
癌治療用の化学増感剤又は放射線増感剤としての、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩、立体異性体、又は互変異性体の使用。
【請求項17】
癌、炎症性疾患、再灌流損傷、虚血症状、卒中、腎不全、心臓血管疾患、心臓血管疾患以外の血管疾患、糖尿病、神経変性疾患、レトロウイルス感染症、網膜損傷、皮膚老化、又はUV誘導性皮膚損傷を、治療又は予防する方法であって、請求項1に記載の化合物、又は請求項1に記載の化合物を含んでなる組成物の有効量を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる前記方法。
【公表番号】特表2011−503166(P2011−503166A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533666(P2010−533666)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【国際出願番号】PCT/GB2008/051063
【国際公開番号】WO2009/063244
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー (90)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【国際出願番号】PCT/GB2008/051063
【国際公開番号】WO2009/063244
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー (90)
【Fターム(参考)】
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