説明

PPAR型受容体を活性化する新規な二芳香族化合物およびその化粧品組成物または医薬組成物における使用

本発明は、下記の一般式(I)に対応する新規な二芳香族化合物、およびそれらの合成方法、および(皮膚科学での、ならびに心血管系疾患、免疫疾患および/または脂質代謝に伴う疾患の分野での)ヒト用薬剤もしくは動物用薬剤における使用を意図した医薬組成物または化粧品組成物でのこれらの使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規で有用な工業製品としての、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体型のサブタイプγ(PPARγ)の受容体活性化因子である新規なクラスの二芳香族化合物に関する。本発明はまた、それらの合成方法、およびヒト用薬剤もしくは動物用薬剤での使用を意図した医薬組成物または化粧品組成物でのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
PPAR型の受容体の活性は、多くの研究の課題となってきた。参考として、PPAR型の受容体に関連した多くの文献資料を挙げている、「Differential Expression of Peroxisome Proliferator-Activated Receptor Subtypes During the Differentiation of Human Keratinocytes」、と称する出版物(Michel Rivierら、J. Invest. Dermatol 111、1998、1116〜1121頁)を挙げることができる。また、参考として、「The PPARs:From orphan receptors to Drug Discovery」と称する報告(Timothy M. Willson、Peter J. Brown、Daniel D. Sternbach and Brad R. Henke、J. Med. Chem.、2000、第43巻、527〜550頁)を挙げることができる。
【0003】
PPAR受容体は、レチノイドX受容体(RXRとして知られる)とのヘテロ二量体の形態で、ペルオキシソーム増殖剤応答性エレメント(PPRE)として知られるDNA配列のエレメントに結合することによって転写を活性化する。
【0004】
ヒトPPARの3種のサブタイプが同定され、記載されている(PPARα、PPARγおよびPPARδ(すなわちNUC1))。
【0005】
PPARαは肝臓で主に発現され、一方PPARδは遍在性である。
【0006】
PPARγは3種のサブタイプの中で最も広範に研究されている。参考文献はすべて、PPARγが多く発現される脂肪細胞の分化の調節におけるPPARγの重要な役割を示唆している。PPARγは、全身の脂質の恒常性においても重要な役割を果たす。
【0007】
特に国際出願第96/33724号には、プロスタグランジン-J2またはプロスタグランジン-D2などのPPARγ-選択的化合物が、肥満および糖尿病の治療における潜在的な活性化物質であると記載されている。
【0008】
さらに、本出願人会社は、国際出願第02/12210号および国際出願第03/055867号において、PPARγタイプの受容体活性化因子である二芳香族化合物の、表皮細胞の分化の異常に伴う皮膚疾患の治療を意図する医薬組成物の調製における使用を既に記載している。
【特許文献1】国際出願第02/12210号パンフレット
【特許文献2】国際出願第03/055867号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
良好な活性を有し、有利な薬学的特性を有する新規な化合物を探索する必要性が依然として存在する。
【0010】
本出願人会社は、従来の国際出願第02/12210号および国際出願第03/055867号において確認された化合物よりPPARγ受容体に関して10倍から100倍活性であるという優位性を有する新規な誘導体ファミリーを確認した。さらに、良好な活性に加えて、本発明の化合物のいくつかは固体形態で得られる。これらの合成およびその精製はより容易である。
【0011】
最後に、固体化合物を使用することにより、オイルに存在し得る残留溶媒に起因する、オイルの場合の医薬開発の際の不都合を避けることが可能になった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、下記式(I)に対応する化合物:
【化1】

(式中、
- R1は、ヒドロキシル基、-OR6基、またはヒドロキシルアミン基を表し;
R6基は下記で定義され、
- R2およびR3は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子1個から12個を有するアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ポリエーテル基、アラルキル基、アリール基、または(炭素原子1個から12個を有するアルキル基、またはアラルキル基から選択される同一でも異なっていてもよい1個または2個の基で置換されていてもよい)アミノ基を表し;
- R4は、水素原子または炭素原子1個から4個を有する低級アルキル基を表し;
- R5は、炭素原子1個から12個を有するアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、複素環基、または9-フルオレニルメチル基を表し;
- R6は、アルキル、アリール、またはアラルキル基を表し;
- R7およびR8は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子1個から12個を有するアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ポリエーテル基、アラルキル基、アリール基、または(炭素原子1個から12個を有するアルキル基、またはアラルキル基から選択される同一でも異なっていてもよい1個または2個の基で置換されていてもよい)アミノ基を表し;
- Yは、酸素原子または硫黄原子を表し;
- V-Wは、炭素−炭素単結合または二重結合、すなわち CH2-CH2 または CH=CH の配列を表す)
ならびに前記式(I)の化合物の塩に関する。
【0013】
特に、本発明の化合物が塩の形態である場合、それらはアルカリ金属の塩、特にナトリウム塩もしくはカリウム塩、またはアルカリ土類金属の塩、または有機アミンの塩、特にアミノ酸(例えばアルギニンまたはリシンなど)の塩である。
【0014】
本発明の化合物がアミン官能基を有し、このアミンの塩の形態で提供される場合、これらは、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、または臭化水素酸等)の塩、または有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、または硝酸)の塩である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明によれば、用語「ヒドロキシル基」は-OH基を意味する。
【0016】
本発明によれば、表現「炭素原子1個から12個を有するアルキル基」は、ヘテロ原子が介在していてもよく、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、または複素環基から選択される1個以上の基で置換されていてもよい、直鎖、分岐または環状の、飽和または不飽和の炭素鎖、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert-ブチル、イソアミル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、またはメチルシクロヘキシル基を意味する。
【0017】
本発明によれば、表現「炭素原子1個から4個を有する低級アルキル基」は、メチル、エチル、プロピル、メチルシクロプロピル、イソプロピル、tert-ブチル、またはn-ブチル基を意味する。
【0018】
用語「アリール基」は、ハロゲン原子、CF3基、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ官能基、ポリエーテル基、アリール基、ベンゾイル基、アルキルエステル基、カルボン酸、(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよい)ヒドロキシル基、(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよく、炭素原子1個から12個を有する少なくとも1個のアルキルで置換されていてもよい)アミノ基、アラルコキシ基、フェノキシ基、またはアミド基H2NCOで置換されていてもよい、フェニル、ビフェニル、シンナミルまたはナフチル基を意味する。
【0019】
用語「アラルキル基」は、アリール基またはヘテロアリール基で置換された、炭素原子1個から12個を有するアルキル基を意味する。
【0020】
用語「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。
【0021】
用語「アルコキシ基」は、炭素原子1個から12個を有するアルキル基で置換された酸素原子を意味する。アルコキシ基は、好ましくは、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、n-プロピルオキシ、tert-ブトキシ、n-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、またはシクロヘキシルメトキシ基である。
【0022】
用語「アラルコキシ基」は、アラルキル基で置換された酸素原子を意味する。
【0023】
用語「ポリエーテル基」は、炭素原子1個から7個を有し少なくとも1個の酸素原子が介在する基から選択され、好ましくはメトキシエトキシ、エトキシエトキシまたはメトキシエトキシエトキシ基などの基である。
【0024】
用語「ヘテロアリール基」は、少なくとも1個のヘテロ原子が介在するアリール基、例えば、ピリジル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、キナゾリニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリルおよびベンゾフラニルル基などを意味し、場合により、少なくとも、1個のハロゲン、炭素原子1個から12個を有するアルキル基1個、アルコキシ基1個、アリール基1個、ニトロ官能基1個、ポリエーテル基1個、ヘテロアリール基1個、ベンゾイル基1個、アルキルエステル基1個、カルボン酸1個、(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよい)ヒドロキシル基1個、または(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよく、炭素原子1個から12個を有する少なくとも1個のアルキルで置換されていてもよい)アミノ基1個で置換されていてもよい。
【0025】
用語「複素環式基」は、好ましくは、モルホリノ、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、2-オキソピペリジン-1-イルおよび2-オキソピロリジン-1-イル基を意味し、場合により、少なくとも、炭素原子1個から12個を有するアルキル基1個、アルコキシ基1個、アリール基1個、ニトロ官能基1個、ポリエーテル基1個、ヘテロアリール基1個、ベンゾイル基1個、アルキルエステル基1個、カルボン酸1個、(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよい)ヒドロキシル基1個、または(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよく、炭素原子1個から12個を有する少なくとも1個のアルキルで置換されていてもよい)アミノ基1個で置換されていてもよい。
【0026】
用語「ヒドロキシルアミン基」は、NHOH配列を意味する。
【0027】
用語「アルキルエステル基」は、炭素原子1個から6個を有するアルキル基で置換されたカルボキシレート官能基を意味する。
【0028】
本発明の範囲内である上述した式(I)の化合物としては、以下の化合物:
1- 3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
2- 3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
3- 3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
4- 3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
5- 3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]アクリル酸
6- 3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
7- 3-{3-ヒドロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
8- 3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
9- 3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
10- 3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(ペンタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
11- 3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘプタノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
12- 3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-エトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
13- 3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
14- 3-(3’-{[(ベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}-2-ブトキシ-ビフェニル-4-イル)プロパン酸
15- 3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
16- 3-(2-ブトキシ-3’-{[(3-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
17- (E)-3-{2-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
18- 3-{2-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
19- 3-{2-(2-メトキシエトキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
20- 3-{2-(3-メチルブトキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
21- 3-{2-(3-クロロプロポキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
22- 3-{2-メトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
23- 3-{2-メチル-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
24- 3-(3’-{[メチル(4-フェニルブチリル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
25- (E)-3-{2’-メチル-5’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
26- 3-{2’-メチル-5’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
27- (E)-3-{2-ベンジロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
28- 3-{2-ベンジロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
29- 3-{3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル] -2-プロポキシ-ビフェニル-4-イル}プロパン酸
30- (E)-3-{3,5-ジフルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
31- 3-{3,5-ジフルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
32- 3-(3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
33- 3-(3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (エチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
34- 3-{2-シクロプロピルメトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
35- 3-{2-エトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
36- 3-[3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]-2-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
37- 3-[3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]-2-(4,4,4-トリフルオロブトキシ)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
38- 3-{2-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
39- 3-{2-(4-ヒドロキシブトキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
40- 3-{2-(3-フルオロベンジロキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
41- 3-{2-(4-フルオロベンジロキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
42- 3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]-2-(ペンチルオキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
43- 3-{3'-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]-2-(ペンチルオキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
44- 3-{2-(2-エトキシエトキシ)-3'-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル] ビフェニル-4-イル}プロパン酸
45- 3-{2-((2-ジエチルアミノ)エトキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
46- 3-[3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル] -2-(2-(モルフォリン-4-イル)エトキシ)-ビフェニル-4-イル]プロパン酸
47- 3-{2-アミノ-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
48- 3-{2-ブチルアミノ-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
49- 3-{2-ベンジルアミノ-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
50- 3-{2-ジエチルアミノ-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
51- 3-{3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]-2-(プロピルアミノ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
52- 3-{2-(4-フルオロベンジルアミノ)-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
53- 3-{2-ブチルアミノ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
54- 3-{2-ベンジルアミノ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
55- 3-{2-ジエチルアミノ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
56- 3-{3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]-2-(プロピルアミノ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
57- 3-{2-(4-フルオロベンジルアミノ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
58- 3-{2-シクロヘキシルメトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
59- 3-{2-シクロペンチルメトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
60- N-[2’-(2-シクロブチルエトキシ)-4’-(2-(ヒドロキシカルバモイル)エチル)ビフェニル-3-イルメチル](メチル)オクタンアミド
61- 3-{3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル] -2-(3-(トリフルオロメチル)ベンジロキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
62- 3-{3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル] -2-(4-(トリフルオロメチル)ベンジロキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
63- 3-{2-(3-カルバモイルベンジロキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
64- 3-{3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル] -2-(2-(ピペラジン-1-イル)エトキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
65- 3-{3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル] -2-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
66- 3-[2-(3-メトキシベンジロキシ)-3’-({[3-(3-メトキシフェニル)プロピオニル](メチル)アミノ}メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
67- 3-[2-(4-(tert-ブチル)ベンジロキシ)-3’-({メチル[3-(3-フェノキシフェニル)プロピオニル]アミノ}メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
68- 3-(2-(3,5-ジメトキシベンジロキシ)-3’-{[メチル(3-フェノキシベンゾイル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
69- 3-[3’-{[(メチル)(4-フェノキシベンゾイル)アミノ]メチル}-2-(3-(トリフルオロメチルル)ベンジロキシ)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
70- 3-[2-(3-イソプロポキシベンジロキシ)-3’-({[3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル](メチル)アミノ}メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
71- 3-[2’-(3-メトキシベンジロキシ)-5’-({[3-(3-メトキシフェニル)プロピオニル](メチル)アミノ}メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
72- 3-{2’-シクロヘキシルメトキシ-5’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
73- 3-{4’-エトキシ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-2-プロポキシビフェニル-4-イル}プロパン酸
74- 3-{3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-3,5-ジメトキシビフェニル-4-イル}プロパン酸
75- 3-{3,5-ジエトキシ-3’-({[3-(3-メトキシフェニル)プロピオニル] (メチル)アミノ}メチル)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
76- 3-[3’-({[3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル] (メチル)アミノ}メチル)-3-プロポキシビフェニル-4-イル]プロパン酸
77- 3-{3-シクロプロピルメトキシ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
78- 3-{3-エトキシ-4’-フルオロ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
79- 3-{3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-3-(4,4,4-トリフルオロブトキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
80- 3-{3-ベンジロキシ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
81- 3-[3’-({[3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル] (メチル)アミノ}メチル)-3-(3-(トリフルオロメチル)ベンジロキシ)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
82- 3-[3’-({[3-(3-メトキシフェニル)プロピオニル] (メチル)アミノ}メチル)-3,5-ジプロピルビフェニル-4-イル]プロパン酸
83- 3-{3-(2,2-ジメチルプロピル)-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
84- 3-{3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-3,5-ジメチルビフェニル-4-イル}プロパン酸
85- 3-{3-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-4’’-メトキシ-1,1’;3’,1’’-ターフェニル-4’-イル}プロパン酸
86- 3-{3-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-3’’-メトキシ-1,1’;2’,1’’-ターフェニル-4’-イル}プロパン酸
87- 3-[3-({[3-(3-メトキシフェニル)プロピオニル] (メチル)アミノ}メチル)-3‘’-トリフルオロメチル-1,1’;2’,1’’-ターフェニル-4’-イル)プロパン酸
88- 3-{3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-2-[2-(3-イソプロポキシフェニル)エチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
89- 3-{3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-2-[(ピリジン-3-イルメチル)アミノ]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
90- 3-[3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-3-(2-メトキシエチルアミノ)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
91- メチル3-{3,5-ジエチル-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート
92- メチル3-[3’-{[メチル(3-フェノキシベンゾイル)アミノ]メチル}-2-(3-(トリフルオロメチル)ベンジロキシ)ビフェニル-4-イル]プロパノエート
93- メチル3-[3’-{[(3-(ビフェニル-4-イル)プロピオニル)(メチル)アミノ]メチル}-2-(3-メトキシベンジロキシ)ビフェニル-4-イル]プロパノエート
94- エチル3-[3’-({[3-(3-メトシキフェニル)プロピオニル](メチル)アミノ}メチル)-2-(4,4,4-トリフルオロブトキシ)ビフェニル-4-イル]プロパノエート
95- N-[4’-(2-(ヒドロキシカルバモイル)エチル)-4’’-メトキシ-1,1’;3’,1’’-ターフェニル-3-イルメチル](メチル)ヘキサンアミド
を(単独でまたは混合物として)特に挙げることができる。
【0029】
本発明によれば、特に好ましい式(I)の化合物は、以下の特徴:
- R1が、ヒドロキシル基を表す;
- R2およびR7が、アルコキシもしくはアリールオキシ基、アルキルアミノ基、またはポリエーテル基を表す;
- R3およびR8が、水素原子を表す;
- R4が、炭素原子1個から4個を有する低級アルキル基を表す;
- R5が、炭素原子3から8個を有するアルキル基、またはアリール基を表す;
- Yが、酸素原子を表す;
- V-W結合が、C-C単結合または二重結合を表す、
の少なくとも1つを有する。
【0030】
特に、以下の特徴:
- R1が、ヒドロキシル基を表す;
- R2およびR7が、アルコキシもしくはアリールオキシ基、アルキルアミノ基、またはポリエーテル基を表す;
- R3およびR8が、水素原子を表す;
- R4が、炭素原子1個から4個を有する低級アルキル基を表す;
- R5が、炭素原子3から8個を有するアルキル基、またはアリール基を表す;
- Yが、酸素原子を表す;
- V-W結合が、C-C単結合または二重結合を表す、
を全て有する一般式(I)の化合物が好ましい。
【0031】
本発明の別の主題は、式(I)の化合物の合成方法、特に図1で示した反応スキームによる合成方法である
【0032】
[ルート1-2-3-4-5-6-7-8-9]
アミド3は、対応するアミン2を所望の鎖を有する酸ハロゲン化物1で処理することにより得られる。例えば、オクタノイルクロリドをメチルアミンと反応させて、対応するアミドを得ることができる。
アミド3を、塩基(例えばNaH)の存在下、ハロゲン化ベンジル4と反応させて、例えば化合物5を得ることができる。
ボロン酸エステル6は、例えばパラジウムをベースにした触媒(例えば、[1,1-ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)等)の存在下、化合物5をビス(ピナコラト)ジボロンで処理することにより得ることができる。その対応するボロン酸(R=H)は、従来の条件、例えばtert-ブチルリチウムを使用し、次いでホウ酸トリメチルに加える条件等を用いて得ることができる。
ハロゲン化アリールまたはアリールトリフレート11は、市販品を購入するか、または、適切に置換されたアルデヒド10を例えばメチル(トリフェニルフォスフォラニリデン)アセテートで処理することによりWittig反応で合成することができる。
ボロネート6と適切な反応物質11(臭化アリール、ヨウ化アリール、塩化アリール、またはアリールトリフレート)との間の鈴木型パラジウムカップリング反応により、アリール−アリール配列を有する化合物7を得ることができる。
化合物8の酸官能基は、R6がアルキル鎖である場合には水酸化ナトリウムなどの塩基を用いるけん化により、R6がベンジルである場合には水素化分解により、7から得ることができる。
化合物9は、8がV-W = CH=CHである場合、例えばパラジウム担持炭素により触媒された水素などの従来の水素添加条件での、水素添加により得ることができる。
化合物17は、酸9から、塩化オキサリルで処理した後、例えばヒドロキシルアミンと反応させることによって得ることができる。
化合物17は、エステル18から、ヒドロキシルアミンで処理することにより得ることができる。
化合物7は、R5 = O-(t-Bu)である場合には、脱保護/保護手順を適用することができる。この場合、トリフルオロ酢酸で処理し、例えば塩化アシルと反応させると、R5=アルキルである化合物が得られる。
R2 = O-Bnである場合には、例えばパラジウム担持炭素の存在下、水素雰囲気下での水素添加反応を化合物7に行わせて、化合物18(R2 = OH)を得ることができる。
化合物19は、例えばハロゲン化アルキルおよび炭酸カリウムの存在下などの従来の条件下で、フェノールをアルキル化することにより得ることができる。
化合物19の酸官能基は、R6がアルキル鎖である場合には水酸化ナトリウムなどの塩基を用いるけん化により、18または19から得ることができる。
【0033】
[ルート10-11-12-16-14-7-8-9]
化合物11は、対応するアルデヒド10から、メチル(トリフェニルフォスフォラニリデン)アセテートを用いたWittig反応により得ることができる。
ボロン酸エステル12は、化合物11を、例えば[1,1-ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)などのパラジウムをベースにした触媒の存在下、ビス(ピナコラト)ジボロンで処理することにより得ることができる。
ボロネート12と適切な反応物質13(臭化物、ヨウ化物、塩化物)との間の鈴木型パラジウムカップリング反応により、アリール−アリール配列を有する化合物14を得ることができる。
化合物14に、塩化アシル用いる従来のアシル化反応を行わせて、化合物7(R4 = H)を得ることができる。
ボロネート12と適切な反応物質5(臭化物、ヨウ化物、塩化物)との間の鈴木型パラジウムカップリング反応により、アリール−アリール配列を有する化合物7を得ることができる。
【0034】
[ルート6-10-15-7-8-9]
ボロネート6(または対応するボロン酸)と適切な反応物質10(臭化アリール、ヨウ化アリール、塩化アリール、またはアリールトリフレート)との間の鈴木型パラジウムカップリング反応により、アリール−アリール配列を有する化合物15を得ることができる。
化合物7は、対応するアルデヒド15をメチル(トリフェニルフォスフォラニリデン)アセテートで処理するWittig反応により得ることができる。
【0035】
[ルート5-16-15-7-8-9]
ボロン酸16と適切な反応物質5(臭化アリール、ヨウ化アリール、塩化アリール、またはアリールトリフレート)との間の鈴木型パラジウムカップリング反応により、アリール−アリール配列を有する化合物15を得ることができる。
【0036】
本発明の化合物は、PPAR型の受容体に対する調節特性を示す。PPARα、δおよびγ受容体でのこの活性はトランス活性化試験で測定し、実施例17で記載するように、解離定数Kdapp(見かけ)により定量化する。
本発明の好ましい化合物は、5000nM以下の解離定数、より好都合には1000nM以下の解離定数を示す。
【0037】
好ましくは、本化合物は、特定のPPARγタイプの受容体の調節剤であり、すなわちPPARαまたはPPARδ受容体のKdappの、PPARγ受容体のKdappに対する比が10以上である。好ましくは、この比PPARα/PPARγまたはPPARδ/PPARγは50以上、より好都合には100以上である。
【0038】
本発明の別の主題は、医薬製品としての上記の式(I)の化合物である
【0039】
本発明による化合物は、以下の治療分野に特に適している。
1) 分化および増殖に関連する角化障害に伴う皮膚科学的疾患の治療、特に尋常性座瘡、面皰性座瘡または多形性座瘡、酒さ性座瘡、結節嚢腫性座瘡、集簇性座瘡、老人性座瘡または二次的座瘡、例えば日光性座瘡、薬物性座瘡または職業性座瘡の治療、
2) その他のタイプの角化障害、特に魚鱗癬、魚鱗癬様の状態、ダリエー病、掌蹠角皮症、白斑症および白斑症様の状態ならびに皮膚のまたは粘膜(口腔)の苔癬の治療、
3) 炎症性免疫アレルギー性要素を有し、細胞増殖障害を伴うか伴わないその他の皮膚科学的疾患、特にすべてのタイプの乾癬、皮膚、粘膜もしくは爪の乾癬、さらに乾癬性関節症、あるいは皮膚アトピー(例えば湿疹)、呼吸アトピー、または歯肉肥大の治療、
4) 良性または悪性の、ウイルス由来かまたはウイルス由来でないすべての皮膚または表皮増殖、例えば尋常性ゆうぜい、扁平ゆうぜいおよびゆうぜい状表皮発育異常症、口腔乳頭腫症または顕症期の乳頭腫症、Tリンパ腫、ならびに紫外線によって引き起こされ得る増殖、特に基底細胞上皮腫および有棘細胞上皮腫、さらに任意の前癌皮膚病変、例えば角化棘細胞腫の治療、
5) その他の皮膚科学的疾患、例えば免疫性皮膚炎、例えば紅斑性狼瘡、水疱性免疫疾患、および膠原病、例えば強皮症の治療、
6) 免疫学的要素を有する皮膚科学的または全身性疾患の治療、
7) 紫外線への曝露に起因する皮膚障害の治療、光誘導性または加齢性の皮膚老化の治療または予防、または化学線角化症および色素沈着、あるいは加齢性老化または化学線性老化に伴う何らかの病態(例えば乾燥症)の低減、
8) 脂腺機能障害、例えば脂漏過剰性座瘡、単純性脂漏の治療、
9) 瘢痕形成障害の予防もしくは治療またはストレッチマークの予防もしくは修復、
10) 色素沈着障害、例えば色素沈着過剰、黒皮症、色素沈着低下または白斑の治療、
11) 脂質代謝疾患、例えば肥満、高脂血症、インスリン非依存性糖尿病またはX症候群の治療、
12) 炎症性疾患、例えば関節炎の治療、
13) 癌または前癌状態の治療または予防、
14) 種々の原因の脱毛症、特に化学療法または放射線による脱毛症の予防または治療、
15) 免疫系障害、例えば喘息、I型糖尿病、多発性硬化症または免疫系のその他の選択的機能不全の治療、
16) 心血管系の疾患、例えば動脈硬化症または高血圧症の治療。
【0040】
本発明の主題はまた、生理学的に許容できる担体に、上記定義の式(I)の化合物を少なくとも1種含む医薬組成物または化粧品組成物である。
【0041】
本発明の別の主題は、上述した疾患の治療、特に、皮膚の脂質の代謝の調節および/または回復を意図した組成物の製造における、式(I)の化合物の使用である。
【0042】
本発明の組成物は、経口的、経腸的、非経口的、局所的、または眼内に投与することができる。本医薬組成物は好ましくは、局所施用に適する形態にパッケージされている。
【0043】
経口的には、本組成物、より具体的には本医薬組成物は、錠剤(糖衣錠を含む)、ゲルカプセル剤、シロップ、懸濁剤、液剤、散剤、顆粒剤、エマルジョンの形態、あるいは、制御放出が可能な、脂質性またはポリマー性のミクロ粒子、ナノ粒子、またはベシクルの形態であってよい。非経口的には、本組成物は、注入または注射用の溶液または懸濁液の形態であってよい。
【0044】
本発明の化合物は、通常、1回から3回の用量摂取約0.001mg/kgから100mg/kgの1日量で投与する。
【0045】
本化合物は、組成物の重量に対して、通常、0.001重量%から10重量%の間、好ましくは0.01重量%から1重量%の間の濃度で全身的に使用する。
【0046】
局所的には、本発明の医薬組成物は、特に皮膚および粘膜の治療を意図したものであり、軟膏(salve)、クリーム、乳液、軟膏(ointment)、粉末、含浸パッド、溶液、ゲル、スプレー、ローション、または懸濁液の形態で提供することができる。また、制御放出が可能な、脂質性もしくはポリマー性のミクロ粒子、ナノ粒子、もしくはベシクルの形態、ポリマーパッチの形態、またはヒドロゲルの形態でも提供することができる。この局所用組成物は、無水形態、水性形態またはエマルジョンの形態で提供することができる。
【0047】
本化合物は、組成物の総重量に対して、通常、0.001重量%から10重量%の間、好ましくは0.01重量%から1重量%の間の濃度で局所的に使用する。
【0048】
本発明の式(I)の化合物は、美容分野、特に身体および毛の衛生、より具体的には皮膚の脂質の代謝の調節および/または回復にも応用できる。既に知られている製品と比較して、式(I)のこれらの化合物は、追加的に他の有利な特性、特に抗炎症性特性または緩和効果を有しており、刺激性がより低く、化合物の認容性がより高い。
【0049】
したがって、本発明の別の主題は、生理学的に許容できる担体に、身体または毛の衛生用の式(I)の化合物を少なくとも1種含む組成物の美容使用である。
【0050】
化粧品として許容できる担体に、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその光学異性体もしくは幾何異性体またはその塩を含む本発明による化粧品組成物は、クリーム、乳液、ローション、ゲル、脂質性もしくはポリマー性のミクロ粒子、ナノ粒子、もしくはベシクル、石鹸、またはシャンプーの形態で提供することができる。
【0051】
化粧品組成物中の式(I)の化合物の濃度は、組成物の総重量に対して0.001重量%から3重量%の間である。
【0052】
上述した医薬組成物および化粧品組成物は、不活性な添加剤または薬力学的に活性な添加剤、またはこれらの添加剤の組合せをさらに含むことができる。特に、湿潤剤;脱色素化剤(例えば、ヒドロキノン、アゼライン酸、コーヒー酸、またはコウジ酸等);皮膚軟化剤;保湿剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG)400、チアモルホリノンおよびその誘導体、または尿素等);抗脂漏剤または抗座瘡剤(例えば、S-カルボキシメチルシステイン、S-ベンジルシステアミン、これらの塩またはこれらの誘導体、または過酸化ベンゾイル);抗真菌剤(例えば、ケトコナゾールまたは4,5-ポリメチレン-3-イソチアゾリドン);抗菌剤;カロチノイド、特にβ-カロチン;抗乾癬剤(例えば、アントラリンおよびその誘導体);エイコサ-5,8,11,14-テトライン酸およびエイコサ-5,8,11-トリイン酸、これらのエステルおよびアミド;および、レチノイドを含むことができる。式(I)の化合物は、ビタミンDまたはその誘導体、コルチコステロイド、抗フリーラジカル剤、α−ヒドロキシ酸もしくはα−ケト酸またはこれらの誘導体、またはイオンチャネル遮断剤と組合せることもできる。
【0053】
これらの組成物は、香味改善剤、防腐剤(例えば、パラ−ヒドロキシ安息香酸のエステル類等)、安定化剤、湿気調節剤、pH調節剤、浸透圧調節剤、乳化剤、UV-AおよびUV-B遮断剤、酸化防止剤(例えばα-トコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソールまたはブチル化ヒドロキシトルエン等)を含むこともできる。
【0054】
当然のことながら、当業者は、本発明に本質的に備わる有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けないまたは実質的に悪影響を受けないように考慮して、本組成物に加えるこれらの追加的な化合物を選択する。
【0055】
本発明の式(I)の活性化合物のいくつかの合成例を、これらの化合物の生物学的活性の結果、およびこれらの化合物をベースとする種々の具体的製剤と共に、本質を限定することなく例証として以下に示す。
【実施例】
【0056】
[実施例1]:3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
【化2】

【0057】
(a) N-メチルオクタンアミド
トリエチルアミン115mlを、ジクロロメタン125ml中のメチルアミン塩酸塩25g(0.37mol、1当量)の溶液に添加する。オクタノイルクロリド70ml(0.41mol、1.1当量)を0℃でゆっくりと添加する。反応混合物を周囲温度で3時間撹拌した後、濾過し、濾液に水100mlを加える。有機相を静置により分離し、硫酸ナトリウムで無水にした後蒸発させる。N-メチルオクタンアミド61gが定量的な収率で得られる。
【0058】
(b) N-メチル-N- (3-ブロモベンジル)オクタンアミド
N-メチルオクタンアミド5g(31.8mmol、1当量)を、0℃で、テトラヒドロフラン60ml中の水素化ナトリウム(油中60%)1.4g(35mmol、1.1当量)の懸濁液に添加する。反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した後、テトラヒドロフラン15ml中の3-ブロモベンジルブロミド8.9g(35mmol、1.1当量)の溶液を添加する。混合物を周囲温度で16時間撹拌する。反応を水100mlを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/酢酸エチル 75/25)。N-メチル-N- (3-ブロモベンジル)オクタンアミドが7.4g得られる。収率=71%。
【0059】
(c) メチル[3-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル]オクタンアミド
ビス(ピナコラト)ジボロン1.0g(3.98mmol、1.3当量)を、ジメチルホルムアミド10ml中、[1,1-ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl2dppf)111mg(0.15mmol、5mol%)の存在下の、N-メチル-N- (3-ブロモベンジル)オクタンアミド1.0g(3.06mmol、1当量)と、酢酸カリウム900mg(9.18mmol、3当量)との混合物に添加する。混合物を80℃で2時間撹拌する。反応を水20mlを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/酢酸エチル 80/20)。メチル[3-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル]オクタンアミド1.0gがオイルの形態で得られる。収率=88%。
【0060】
(d) エチル3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート
パラジウムテトラキス(トリフェニルフォスフィン)30mg(0.02mmol、5mol%)を、ジメチルホルムアミドと2Mリン酸カリウム溶液との(6/1)混合液3ml中の、メチル[3-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル]オクタンアミド200mg(0.53mmol、1.0当量)および4-ブロモ桂皮酸エチル204mg(0.80mmol、1.5当量)の溶液に添加する。反応混合物を80℃で2時間撹拌する。反応を水5mlを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/酢酸エチル 80/20)。エチル3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート145mgがオイルの形態で得られる。収率=63%。
【0061】
(e) 3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
水酸化ナトリウム300mg(7.5mmol、22当量)を、テトラヒドロフラン/メタノール(9/1)3ml中の、エチル3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート145mg(0.34mmol、1当量)の溶液に添加する。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌する。反応を、水20mlと酢酸3mlとを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をペンタン/ジクロロメタンから結晶化させる。3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸110mgが白色粉末の形態で得られる(M.p.=124〜125℃)。収率=78%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.88 (m, 3H), 1.30 (m, 8H), 1.71 (m, 2H), 2.44 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.99および3.03 (2s (回転異性体), 3H), 4.65および4.70 (2s (回転異性体), 2H), 6.51 (2d回転異性体), J = 15.9 Hz, 1H), 7.22 (2d (回転異性体), J = 6.6 Hz, 1H), 7.41-7.66 (m, 7H), 7.82 (2d (回転異性体), J = 15.9 Hz, 1 H).
【0062】
[実施例2]:3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
【化3】

【0063】
(a) エチル3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート
メタノール2ml中のエチル3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート(1dで合成したもの)169mg(0.40mmol、1当量)を、10%パラジウム担持炭素50mgの存在下、水素雰囲気中、周囲温度で2時間撹拌する。パラジウムを濾過により除去した後、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/酢酸エチル 80/20)。エチル3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート136mgがオイルの形態で得られる。収率=80%。
【0064】
(b) 3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
水酸化ナトリウム300mg(7.5mmol、22当量)を、テトラヒドロフラン/メタノール(9/1)3ml中の、エチル3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート136mg(0.32mmol、1当量)溶液に添加する。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌する。反応を、水20mlと酢酸3mlとを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をペンタン/ジクロロメタンから結晶化させる。3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸85mgが白色粉末の形態で得られる(M.p.=91℃)。収率=65%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.88 (m, 3H), 1.30 (m, 8H), 1.70 (m, 2H), 2.41 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.74 (m, 2H), 2.97および3.00 (2s (回転異性体), 3H), 3.01 (m, 2H), 4.61および4.68 (2s (回転異性体), 2H), 6.51 (2d e, J = 15.9 Hz, 1 H), 7.14 & 7.22 (2d (回転異性体), J = 7.4 Hz, 1 H), 7.28-7.54 (m, 7H).
【0065】
[実施例3]:3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
【化4】

【0066】
(a) メチル3-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アクリレート
メチル(トリフェニルフォスフォラニリデン)アセテート2.17g(6.5mmol、1.2当量)を、トルエン10ml中の4-ブロモ-2-フルオロベンズアルデヒド1.1g(5.4mmol、1.0当量)に添加する。反応混合物を80℃で1時間撹拌する。反応を水20mlを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/酢酸エチル 80/20)。メチル3-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アクリレート1.1gが白色固体の形態で得られる。収率=78%。
【0067】
(b) メチル3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート
メチル3-(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アクリレート500mg(1.93mmol、1.0当量)およびメチル[3-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル]オクタンアミド(1cで合成したもの)721mg(1.93mmol、1.0当量)を、ジメチルホルムアミドと2Mリン酸カリウム溶液との(5/1)混合液12mlに溶解する。パラジウムテトラキス(トリフェニルフォスフィン)111mg(0.09mmol、5mol%)を添加した後、反応混合物を80℃で2時間撹拌する。反応を水30mlを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/酢酸エチル 80/20)。メチル3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート615mgが得られる。収率=75%。
【0068】
(c) 3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
水酸化ナトリウム500mg(12.5mmol、9当量)を、テトラヒドロフラン/メタノール(9/1)5ml中の、メチル3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート615mg(1.44mmol、1当量)溶液に添加する。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌する。反応を、水20mlと酢酸3mlとを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/酢酸エチル 90/10)。得られたオイルをペンタンから結晶化させる。3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸510mgが白色粉末の形態で得られる(M.p.=91℃)。収率=86%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.88 (m, 3H), 1.30 (m, 8H), 1.72 (m, 2H), 2.45 (m, 2H), 3.00および3.03 (2s (回転異性体), 3H), 4.65および4.69 (2s (回転異性体), 2H), 6.59および6.61 (2d回転異性体, J = 16.1 Hz, 1 H), 7.28-7.63 (m, 7H), 7.91および7.93 (2d回転異性体, J = 16.1 Hz, 1 H).
【0069】
[実施例4]:3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
【化5】

【0070】
メタノール3ml中の3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸(3cで合成したもの)200mg(0.48mmol、1当量)を、10%パラジウム担持炭素50mgの存在下、水素雰囲気中、周囲温度で2時間撹拌する。パラジウムを濾過により除去した後、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ジクロロメタン/メタノール 90/10)。3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸154mgが得られる。収率=78%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.88 (m, 3H), 1.30 (m, 8H), 1.70 (m, 2H), 2.41 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.74 (m, 2H), 2.97および3.00 (2s (回転異性体), 3H), 3.05 (m, 2H), 4.62および4.67 (2s e, 2H), 7.18および7.49 (m, 7H).
【0071】
[実施例5]:3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]アクリル酸
【化6】

【0072】
(a) エチル3-[4-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]アクリレート
ビス(ピナコラト)ジボロン1.1g(4.3mmol、1.1当量)を、ジメチルホルムアミド10ml中、[1,1-ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl2dppf)142mg(0.19mmol、5mol%)の存在下の、4-ブロモ桂皮酸エチル1.0g(3.9mmol、1当量)と、酢酸カリウム1.1g(11.7mmol、3当量)との混合物に添加する。混合物を70℃で2時間撹拌する。反応を水20mlを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/酢酸エチル 90/10)。エチル3-[4-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]アクリレート1.15gがオイルの形態で得られる。収率=98%。
【0073】
(b) エチル3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]アクリレート
パラジウムテトラキス(トリフェニルフォスフィン)124mg(0.10mmol、5mol%)を、ジメチルホルムアミドと2Mリン酸カリウム溶液との(5/1)混合液6ml中の、3-ヨードベンジルアミン500mg(2.14mmol、1.0当量)およびエチル3-[4-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]アクリレート712mg(2.36mmol、1.1当量)の溶液に添加する。反応混合物を80℃で1時間撹拌する。反応を水15mlを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をテトラヒドロフラン25mlに溶解する。トリエチルアミン2mlを、オクタノイルクロリド0.5ml(2.9mmol、1.4当量)と共に添加する。反応混合物を水20mlを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/酢酸エチル 70/30から50/50までの勾配)。エチル3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]アクリレート430mgが得られる。収率=49%。
【0074】
(c) 3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]アクリル酸
水酸化ナトリウム400mg(10mmol、9当量)を、テトラヒドロフラン/メタノール(9/1)8ml中の、エチル3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]アクリレート430mg(1.04mmol、1当量)溶液に添加する。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌する。反応を、水20mlと酢酸3mlとを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ジクロロメタン/メタノール 80/20)。得られたオイルをヘプタン/ジクロロメタンから結晶化させる。3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]アクリル酸230mgが白色粉末の形態で得られる(M.p.=176℃)。収率=58%。
1H NMR (DMSO d6; 400MHz): 0.83 (m, 3H), 1.24 (m, 8H), 1.53 (m, 2H), 2.15 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 4.33 (d, J = 5.4 Hz, 2H), 6.58 (d, J = 15.9 Hz1 1 H), 7.26 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.58 (m, 3H), 7.69 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.78 (d, J = 7.7 Hz, 2H), 8.35 (s, 1 H).
【0075】
[実施例6]:3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
【化7】

メタノール4ml中の3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]アクリル酸(5cで合成したもの)100mg(0.26mmol、1当量)を、10%パラジウム担持炭素50mgの存在下、水素雰囲気中、周囲温度で6時間撹拌する。パラジウムを濾過により除去した後、溶媒を蒸発させる。残渣をジクロロメタン/ヘプタンから結晶化させて、3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸65mgを白色粉末の形態で得る。収率=65%。
1H NMR (DMSO d6; 400MHz): 0.84 (m, 3H), 1.24 (m, 8H), 1.53 (m, 2H), 2.14 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.86 (t, J = 6.7 Hz, 2H), 4.33 (d, J = 5 Hz, 2H), 7.21 (d, J = 6.9 Hz, 1 H), 7.32 (d, J = 7.4 Hz, 2H), 7.39 (m, 1 H), 7.53 (m, 4H), 8.33 (s, 1 H), 12.1 1 (s, 1 H).
【0076】
[実施例7]:3-{3-ヒドロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
【化8】

【0077】
(a) メチル3-(2-ベンジロキシ-4-ヨードフェニル) アクリレート
メチル(トリフェニルフォスフォラニリデン)アセテート1.18g(3.55mmol、1.2当量)を、トルエン20ml中の2-ベンジロキシ-4-ヨードベンズアルデヒド1.0g(2.95mmol、1.0当量)に添加する。反応混合物を80℃で2時間撹拌する。反応を水20mlを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルで濾過する(ヘプタン/酢酸エチル 50/50)。得られたオイルをペンタンから結晶化させて、メチル3-(2-ベンジロキシ-4-ヨードフェニル) アクリレート830mgを白色固体の形態で得る。収率=71%。
【0078】
(b) メチル3-{3-ベンジロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート
メチル3-(2-ベンジロキシ-4-ヨードフェニル) アクリレート500mg(1.26mmol、1.0当量)およびメチル[3-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル]オクタンアミド(1cで合成したもの)474mg(1.26mmol、1.0当量)を、ジメチルホルムアミドと2Mリン酸カリウム溶液との(5/1)混合液6mlに溶解する。パラジウムテトラキス(トリフェニルフォスフィン)72mg(0.06mmol、5mol%)を添加した後、反応混合物を80℃で2時間撹拌する。反応を水30mlを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/酢酸エチル 80/20から50/50までの勾配)。メチル3-{3-ベンジロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート530mgが得られる。収率=82%。
【0079】
(c) 3-{3-ベンジロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
水酸化ナトリウ400mg(10mmol、10当量)を、テトラヒドロフラン/メタノール(9/1)2ml中の、メチル3-{3-ベンジロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート530mg(1.03mmol、1当量)溶液に添加する。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌する。反応を、水20mlと酢酸3mlとを加えることにより停止させた後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ジクロロメタン/メタノール 90/10)。3-{3-ベンジロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸405mgが得られる。収率=79%。
【0080】
(d) 3-{3-ヒドロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
メタノール3ml中の3-{3-ベンジロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸405mg(0.81mmol、1当量)を、10%パラジウム担持炭素50mgおよび酢酸20μlの存在下、水素雰囲気中、周囲温度で3時間撹拌する。パラジウムを濾過により除去した後、溶媒を蒸発させる。残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ジクロロメタン/メタノール 95/5)。3-{3-ヒドロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸136mgが得られる。収率=40%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.86 (m, 3H), 1.28 (m, 8H), 1.69 (m, 2H), 2.41 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 2.81 (m, 2H), 2.95および2.99 (2s (回転異性体), 3H), 2.99 (m, 2H), 4.59および4.64 (2s e, 2H), 7.02-7.46 (m, 7H).
【0081】
[実施例8]:3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
【化9】

【0082】
(a) 3-ヒドロキシ-4-ヨード安息香酸
水酸化ナトリウム21.0g(0.52mol、1.05当量)、次いでヨウ化ナトリウム78.7g(0.52mol、1.05当量)を、メタノール700ml中の3-ヒドロキシ安息香酸69.1g(0.5mol、1当量)の溶液に添加する。反応混合物を0℃に冷却した後、次亜塩素酸ナトリウム溶液(0.52mol、1.05当量)を滴下して加える。反応媒体を0〜5℃で2時間、その後周囲温度で一晩撹拌する。メタノールを蒸発させた後、反応媒体を濃塩酸溶液で酸性にする。沈殿する生成物を濾別して水で洗浄し、乾燥する。3-ヒドロキシ-4-ヨード安息香酸121gが灰白色固体の形態で得られる。収率=92%。
【0083】
(b) メチル3-ヒドロキシ-4-ヨードベンゾエート
硫酸59ml(1.10mol、2.4当量)を、メタノール700ml中の3-ヒドロキシ-4-ヨード安息香酸121g(0.458mol、1当量)の溶液に添加する。反応混合物を6日間加熱還流させる。メタノールを蒸発させた後、反応媒体を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせて水洗し、硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、得られた固体を濾別し乾燥する。メチル3-ヒドロキシ-4-ヨードベンゾエート88.56gが白色結晶の形態で得られる。収率=70%。
【0084】
(c) メチル3-ブトキシ-4-ヨードベンゾエート
実施例26bと同様にして、メチルエチルケトン350ml中、炭酸カリウム52.24g(0.378mol、3当量)の存在下で、1-ヨードブタン21.5ml(0.189mol、1.5当量)とメチル3-ヒドロキシ-4-ヨードベンゾエート(0.126mol、1当量)とを、85℃で2.5時間反応させることにより、ヘプタンによる洗浄後にメチル3-ブトキシ-4-ヨードベンゾエート41.78gが白色結晶の形態で得られる。収率=99%。
【0085】
(d) (3-ブトキシ-4-ヨードフェニル)メタノール
水素化ホウ素リチウム8.17g(0.375g、3当量)を、テトラヒドロフラン210ml中のメチル3-ブトキシ-4-ヨードベンゾエート41.78g(0.125mol、1当量)の溶液に添加する。反応媒体を60℃で2時間加熱した後、氷冷した飽和塩化アンモニウム溶液中で穏やかに加水分解する。反応媒体を濃塩酸で中和した後、酢酸エチルで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、(3-ブトキシ-4-ヨードフェニル)メタノール38.31gを白みがかったオイルの形態で得る。収率=100%。
【0086】
(e) 3-ブトキシ-4-ヨードベンスアルデヒド
二酸化マンガン89.5g(0.875g、7当量)を、ジクロロメタン250ml中の(3-ブトキシ-4-ヨードフェニル)メタノール38.30g(0.125mol、1当量)の溶液に添加する。反応媒体を周囲温度で18時間撹拌した後、シリカゲルで濾過する。溶媒を蒸発させ、3-ブトキシ-4-ヨードベンスアルデヒド26.61gを橙色オイルの形態で得る。収率=78%。
【0087】
(f) メチル (E)-3-(3-ブトキシ-4-ヨードフェニル)アクリレート
メチル(トリフェニルフォスフォラニリデン)アセテート65.08g(0.195mol、2当量)を、トルエン360ml中の3-ブトキシ-4-ヨードベンスアルデヒド29.60g(0.097mol、1.0当量)に添加する。反応混合物を2時間加熱還流させる。溶媒を蒸発させ、得られるオイルをシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/ジクロロメタン 50/50)。メチル (E)-3-(3-ブトキシ-4-ヨードフェニル)アクリレート30.47gが淡黄色結晶の形態で得られる。収率=87%。
【0088】
(g) メチル (E)-3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート
酢酸パラジウム4.5mg(1mol%)およびビフェニルジシクロヘキシルホスフィン14mg(2mol%)を、ジメチルホルムアミドと2Mリン酸カリウム溶液との(5/1)混合液12ml中の、メチル (E)-3-(3-ブトキシ-4-ヨードフェニル)アクリレート(段階fで合成したもの)720mg(2.0mmol、1.0当量)およびメチル[3-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル]オクタンアミド(1cで合成したもの)971mg(2.6mmol、1.3当量)に添加する。反応混合物を90℃で2時間撹拌する。反応媒体を塩化アンモニウム溶液中で加水分解した後、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて水で洗浄し、硫酸マグネシウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフする(ヘプタン/酢酸エチル 75/25)。メチル (E)-3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート946mgがオレンジピンクオイルの形態で得られる。収率=98%。
【0089】
(h) メチル 3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート
メタノール10ml中のメチル (E)-3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート916mg(1.91mmol、1当量)の溶液を、10%パラジウム担持炭素92mg(10重量%)の存在下、水素雰囲気中、周囲温度で3.5時間撹拌する。パラジウムをセライトを通して濾過することにより除去した後、溶媒を蒸発させる。メチル 3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート902mgが黄色オイルの形態で得られる。収率=98%。
【0090】
(i) 3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
水酸化ナトリウム740mg(18.5mmol、10当量)を、メタノール20ml中の、メチル 3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート891mg(1.85mmol、1当量)の溶液に添加する。反応混合物を周囲温度で24時間撹拌する。反応媒体を蒸発させて乾燥させ、残渣を水で取り出して、2N塩酸溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせて水で洗浄し、硫酸マグネシウムで無水にする。溶媒を蒸発させて得られるオイルを、シリカゲル(FlashSmart column 35g)で、ジクロロメタン/メタノール (98/2)により溶出させてクロマトグラフする。3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸725mgが白みがかったオイルの形態で得られる。収率=84%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.86 (t, 3H), 0.91 (t, 3H), 1.24-1.40 (m, 10H), 1.67- 1.70 (m, 4H), 2.39 (m, 2H), 2.72 (t, 2H), 2.93 (d, 3H), 2.96-3.0 (m, 2H), 3.92-3.96 (m, 2H), 4.56-4.63 (d, 2H), 6.82-6.87 (m, 2H), 7.10-7.20 (d, 1 H), 7.23 (t, 1 H), 7.33- 7.46 (m, 3H).
【0091】
[実施例9]:3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
【化10】

【0092】
(a) tert-ブチル(3-ブロモベンジル)カルバメート
ジクロロメタン250ml中の、3-ブロモベンジルアミン塩酸塩25.0g(0.11mol、1当量)およびジ(tert-ブチル)ジカーボネート24.52g(0.11mol、1当量)を、トリエチルアミン15.6ml(0.11mol、1当量)の存在下、周囲温度で16時間撹拌した。反応媒体を水で洗浄し、静置して分離した後、有機相を硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させて、tert-ブチル(3-ブロモベンジル)カルバメート32.41gを結晶の形態で得る。収率=100%。
【0093】
(b) tert-ブチル(3-ブロモベンジル)(メチル)カルバメート
水素化ナトリウム(油中60%)5.4g(0.134mol、1.2当量)を、ジメチルホルムアミド450ml 中のtert-ブチル(3-ブロモベンジル)カルバメート32g(0.111mol、1当量)の溶液に添加する。反応媒体を周囲温度で30分間撹拌した後、ヨードメタン20.9ml(0.335mol、3当量)を添加する。反応媒体を周囲温度で20時間撹拌した後、水で加水分解し、酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせて飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にする。溶媒を蒸発させて、tert-ブチル(3-ブロモベンジル)(メチル)カルバメート36.23gを橙色オイルの形態で得る。収率=100%。
【0094】
(c) tert-ブチル メチル[3-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル]カルバメート
実施例1cと同様にして、ジメチルホルムアミド500ml中、[1,1-ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl2dppf)3.6g(4mol%)の存在下で、tert-ブチル(3-ブロモベンジル)(メチル)カルバメート33.0g(0.11mol、1当量)と、ビス(ピナコラト)ジボロン29.3g(0.115mmol、1.05当量)と、酢酸カリウム32.3g(0.33mol、3当量)とを反応させることにより、シリカゲルでのクロマトグラフ(ヘプタン/酢酸エチル 90/10)後に、tert-ブチル メチル[3-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル]カルバメート31.56gが緑色オイルの形態で得られる。収率=83%。
【0095】
(d) メチル(E)-3-{2-ブトキシ-3’-[((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート
実施例8gと同様にして、ジメチルホルムアミドと2Mリン酸カリウム溶液との(5/1)混合液60ml中、酢酸パラジウム22mg(1mol%)およびビフェニルジシクロヘキシルホスフィン14mg(2mol%)の存在下、メチル (E)-3-(3-ブトキシ-4-ヨードフェニル)アクリレート3.6g(実施例8fで合成したもの)(10.0mmol、1当量)と、tert-ブチル メチル[3-(4.4.5.5-テトラメチル-1,3, 2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンジル]カルバメート4.51g(13mmol、1.3当量)とを反応させることにより、メチル(E)-3-{2-ブトキシ-3’-[((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート3.87gが黄色がかったオイルの形態で得られる。収率=85%。
【0096】
(e) メチル3-{2-ブトキシ-3’-[((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート
実施例8hと同様にして、メタノール10ml中のメチル(E)-3-{2-ブトキシ-3’-[((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリレート3.86g(8.51mmol、1当量)を、10%パラジウム担持炭素386mg(10重量%)の存在下で反応させることにより、メチル3-{2-ブトキシ-3’-[((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート3.32gが無色オイルの形態で得られる。収率=86%。
【0097】
(f) メチル3-(2-ブトキシ-3’-(メチルアミノメチル)ビフェニル-4-イル)プロパノエート
ジクロロメタン40ml中のメチル3-{2-ブトキシ-3’-[((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート3.31g(7.27mmol、1当量)の溶液を、トリフルオロ酢酸5.4ml(72.7mmol、10当量)の存在下、周囲温度で2時間撹拌する。溶媒を蒸発させて得られたオイルを、シリカゲル(FlashSmart column 120g)で、ジクロロメタン/メタノール (97/3)により溶出させてクロマトグラフする。メチル3-(2-ブトキシ-3’-(メチルアミノメチル)ビフェニル-4-イル)プロパノエート3.32gが白みがかったオイルの形態で得られる。収率=100%。
【0098】
(g) メチル3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート
ジクロロメタン15ml中の、メチル3-(2-ブトキシ-3’-(メチルアミノメチル)ビフェニル-4-イル)プロパノエート480mg(1.35mmol、1当量)およびヘキサノイルクロリド377μl(2.70mmol、2当量)の溶液を、トリエチルアミン560μl(4.05mmol、3当量)および4-ジメチルアミノピリジン16mg(10mol%)の存在下、周囲温度で16時間撹拌する。反応媒体を2N塩酸溶液で加水分解し、静置により分離する。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで無水にする。溶媒を蒸発させて得られたオイルを、シリカゲル(FlashSmart column 20g)で、ヘプタン/酢酸エチル(70/30)により溶出させてクロマトグラフする。メチル3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート400mgがオイルの形態で得られる。収率=65%。
【0099】
(h) 3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
テトラヒドロフラン10ml中の、メチル3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート390mg(0.86mmol、1当量)および1N水酸化リチウム溶液4.3ml(4.3mmol、5当量)の溶液を、周囲温度で20時間撹拌する。反応媒体を蒸発させ、2N塩酸溶液で酸性化した後、酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせて水で洗浄し、硫酸マグネシウムで無水にする。溶媒を蒸発させて得られたオイルを、シリカゲル(FlashSmart column 20g)で、ジクロロメタン/メタノール (98/2)により溶出させてクロマトグラフする。3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸378mgが、黄色がかったオイルの形態で得られる。収率=100%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.86-0.91 (m, 6H), 1.28-1.41 (m, 6H), 1.65-1.70 (m, 4H), 2.38 (m, 2H), 2.72 (t, 2H), 2.93 (d, 3H), 2.96-3.0 (m, 2H), 3.92-3.96 (m, 2H), 4.56-4.63 (d, 2H), 6.82-6.87 (m, 2H), 7.05-7.15 (d, 1 H), 7.22 (t, 1 H), 7.33-7.46 (m, 3H).
【0100】
[実施例10]:3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(ペンタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
【化11】

【0101】
(a) メチル3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(ペンタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート
実施例9gと同様にして、ジクロロメタン15ml中、トリエチルアミン560μl(4.05mmol、3当量)および4-ジメチルアミノピリジン16mg(10mol%)の存在下、メチル3-(2-ブトキシ-3’-(メチルアミノメチル)ビフェニル-4-イル)プロパノエート(実施例9fで合成したもの)480mg(1.35mmol、1当量)と、ペンタノイルクロリド327μl(2.70mmol、2当量)とを反応させることにより、メチル3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(ペンタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート390mgがオイルの形態で得られる。収率=66%。
【0102】
(b) 3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(ペンタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
実施例9hと同様にして、テトラヒドロフラン10ml中、メチル3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(ペンタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート380mg(0.864mmol、1当量)と、1N水酸化リチウム溶液4.3ml(4.3mmol、5当量)とを反応させることにより、3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(ペンタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸361mgが黄色がかったオイルの形態で得られる。収率=98%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.87-0.96 (m, 6H), 1.35-1.42 (m, 4H), 1.65-1.70 (m, 4H), 2.38 (m, 2H), 2.73 (t, 2H), 2.94 (d, 3H), 2.98-3.1 (m, 2H), 3.93-3.96 (m, 2H), 4.56-4.63 (d, 2H), 6.82-6.87 (m, 2H), 7.05-7.15 (d, 1 H), 7.22 (t, 1 H), 7.33-7.44 (m, 3H).
【0103】
[実施例11]:3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘプタノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
【化12】

【0104】
(a) メチル3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘプタノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート
実施例9gと同様にして、ジクロロメタン15ml中、トリエチルアミン560μl(4.05mmol、3当量)および4-ジメチルアミノピリジン16mg(10mol%)の存在下、メチル3-(2-ブトキシ-3’-(メチルアミノメチル)ビフェニル-4-イル)プロパノエート(実施例9fで合成したもの)480mg(1.35mmol、1当量)と、ヘプタノイルクロリド418μl(2.70mmol、2当量)とを反応させることにより、メチル3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘプタノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート410mgがオイルの形態で得られる。収率=65%。
【0105】
(b) 3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘプタノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
実施例9hと同様にして、テトラヒドロフラン10ml中、メチル3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘプタノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート400mg(0.855mmol、1当量)と、1N水酸化リチウム溶液4.3ml(4.3mmol、5当量)とを反応させることにより、3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘプタノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸378mgが黄色がかったオイルの形態で得られる。収率=97.5%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.85-0.93 (m, 6H), 1.26-1.41 (m, 8H), 1.67-1.70 (m, 4H), 2.39 (m, 2H), 2.73 (m, 2H), 2.94 (d, 3H), 2.98-3.01 (m, 2H), 3.93-3.96 (m, 2H), 4.56-4.63 (d, 2H), 6.82-6.87 (m, 2H), 7.05-7.15 (d, 1 H), 7.22 (t, 1 H), 7.33- 7.44 (m, 3H).
【0106】
[実施例12]:3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-エトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
【化13】

【0107】
(a) メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-エトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエート
実施例9gと同様にして、ジクロロメタン10ml中、トリエチルアミン500μl(3.58mmol、3.2当量)の存在下、メチル3-(2-ブトキシ-3’-(メチルアミノメチル)ビフェニル-4-イル)プロパノエート(実施例9fで合成したもの)400mg(1.12mmol、1当量)と、4-エトキシベンゾイルクロリド220μl(1.40mmol、1.2当量)とを周囲温度で12時間反応させることにより、メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-エトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエートがオイルの形態で得られる。これをそのまま次の反応に用いる。
【0108】
(b) 3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-エトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
実施例1eと同様にして、テトラヒドロフラン/メタノール(8/2)10ml中、水酸化ナトリウム400mg(10mmol)と、メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-エトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエート(前段階で得られたもの)とを反応させることにより、シリカゲルでのクロマトグラフ(ヘプタン/酢酸エチル70/30)後に、3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-エトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸360mgがゴムの形態で得られる。2段階にわたる収率=66%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.88 (t, 3H), 1.35-1.43 (m & t, 5H), 1.64-1.69 (m, 2H), 2.68 (t, 2H), 2.98 (tおよびm, 5H), 3.94 (t, 2H), 4.01-4.06 (m, 2H), 4.60および4.75 (2m (回転異性体), 2H), 6.81 (s, 1 H), 6.82-6.87 (m, 3H), 7.10-7.24 (m, 2H), 7.38 (t, 1 H), 7.43-7.46 (m, 4H).
【0109】
[実施例13]:3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
【化14】

【0110】
(a) メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエート
実施例9gと同様にして、ジクロロメタン10ml中、トリエチルアミン500μl(3.58mmol、3.2当量)の存在下、メチル3-(2-ブトキシ-3’-(メチルアミノメチル)ビフェニル-4-イル)プロパノエート(実施例9fで合成したもの)400mg(1.12mmol、1当量)と、4-ブトキシベンゾイルクロリド250μl(1.40mmol、1.2当量)とを周囲温度で12時間反応させることにより、メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエートがオイルの形態で得られる。これをそのまま次の反応に用いる。
【0111】
(b) 3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
実施例1eと同様にして、テトラヒドロフラン/メタノール(8/2)10ml中、水酸化ナトリウム400mg(10mmol)と、メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエート(前段階で得られたもの)とを反応させることにより、シリカゲルでのクロマトグラフ(ヘプタン/酢酸エチル70/30)後に、3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸345mgがゴムの形態で得られる。2段階にわたる収率=60%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.88 (t, 3H), 0.97 (t, 3H), 1.35-1.40 (m, 2H), 1.45-1.51 (m, 2H), 1.64-1.69 (m, 2H), 1.74-1.78 (m, 2H), 2.68 (t, 2H), 2.98 (tおよびm, 5H), 3.93- 3.98 (m, 4H), 4.60および4.75 (2m e, 2H), 6.82 (s, 1H), 6.84-6.88 (m, 3H), 7.10-7.25 (m, 2H), 7.38 (t, 1 H), 7.42-7.46 (m, 4H).
【0112】
[実施例14]:3-(3’-{[(ベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}-2-ブトキシビフェニル-4-イル)プロパン酸
【化15】

【0113】
(a) メチル3-(3’-{[(ベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}-2-ブトキシビフェニル-4-イル)プロパノエート
実施例9gと同様にして、ジクロロメタン10ml中、トリエチルアミン600μl(4.3mmol、3当量)および4-ジメチルアミノピリジン17mg(10mol%)の存在下、メチル3-(2-ブトキシ-3’-(メチルアミノメチル)ビフェニル-4-イル)プロパノエート(実施例9fで合成したもの)500mg(1.4mmol、1当量)と、ベンゾイルクロリド325μl(2.80mmol、2当量)とを反応させることにより、メチル3-(3’-{[(ベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}-2-ブトキシビフェニル-4-イル)プロパノエート573mgが黄色オイルの形態で得られる。収率=89%。
【0114】
(b) 3-(3’-{[(ベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}-2-ブトキシビフェニル-4-イル)プロパン酸
水酸化ナトリウム493mg(12.3mmol、10当量)を、メタノール10ml中の、メチル3-(3’-{[(ベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}-2-ブトキシビフェニル-4-イル)プロパノエート566mg(1.23mmol、1当量)の溶液に添加する。反応混合物を50℃で2時間撹拌する。反応媒体を蒸発させて乾燥させ、残渣を水で取り出して、1N塩酸溶液で酸性化し、酢酸エチルで抽出する。有機相をあわせて水で洗浄し、硫酸マグネシウムで無水にする。溶媒を蒸発させ、生成物を、エチルエーテル/ヘプタン混合液中で結晶化させる。3-(3’-{[(ベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}-2-ブトキシビフェニル-4-イル)プロパン酸450mgが白色粉末の形態で得られる(M.p.=103〜105℃)。収率=82%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.87 (t, 3H), 1.38 (m, 2H), 1.64-1.70 (m, 2H), 2.73 (t, 2H), 2.88および3.06 (2s e, 3H), 2.99 (t, 2H), 3.95 (t, 2H), 4.54および4.80 (2s (回転異性体), 2H), 6.83 (S, 1 H), 6.87 (d, 1 H), 7.09-7.51 (m, 10H).
【0115】
[実施例15]:3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
【化16】

【0116】
(a) メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエート
実施例9gと同様にして、ジクロロメタン10ml中、トリエチルアミン600μl(4.3mmol、3当量)および4-ジメチルアミノピリジン17mg(10mol%)の存在下、メチル3-(2-ブトキシ-3’-(メチルアミノメチル)ビフェニル-4-イル)プロパノエート(実施例9fで合成したもの)500mg(1.4mmol、1当量)と、4-メトキシベンゾイルクロリド386μl(2.80mmol、2当量)とを反応させることにより、メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエート623mgが黄色オイルの形態で得られる。収率=91%。
【0117】
(b) 3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
実施例14bと同様にして、メタノール10ml中、水酸化ナトリウム503mg(12.6mmol、10当量)と、メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエート(前段階で合成したもの)616mg(1.26mmol、1当量)と反応させることにより、3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸470mgが無定型固体の形態で得られる(M.p.=39〜41℃)。収率=79%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.87 (t, 3H), 1.33-1.42 (m, 2H), 1.64-1.71 (m, 2H), 2.73 (t, 2H), 2.99 (tおよびm, 5H), 3.81 (s, 3H), 3.95 (t, 2H), 4.60および4.75 (2m e, 2H), 6.83-6.89 (m, 4H), 7.23-7.46 (m, 7H).
【0118】
[実施例16]:3-(2-ブトキシ-3’-{[(3-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
【化17】

【0119】
(a) メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(3-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエート
実施例9gと同様にして、ジクロロメタン10ml中、トリエチルアミン600μl(4.3mmol、3当量)および4-ジメチルアミノピリジン17mg(10mol%)の存在下、メチル3-(2-ブトキシ-3’-(メチルアミノメチル)ビフェニル-4-イル)プロパノエート(実施例9fで合成したもの)500mg(1.4mmol、1当量)と、3-メトキシベンゾイルクロリド393μl(2.80mmol、2当量)とを反応させることにより、メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(3-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエート583mgが黄色オイルの形態で得られる。収率=85%。
【0120】
(b) 3-(2-ブトキシ-3’-{[(3-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
実施例14bと同様にして、メタノール10ml中、水酸化ナトリウム471mg(11.8mmol、10当量)と、メチル3-(2-ブトキシ-3’-{[(3-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパノエート(前段階で合成したもの)576mg(1.18mmol、1当量)とを反応させることにより、3-(2-ブトキシ-3’-{[(3-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸384mgが白色粉末の形態で得られる(M.p.=80〜82℃)。収率=67%。
1H NMR (CDCl3; 400MHz): 0.88 (t, 3H), 1.37 (m, 2H), 1.67 (m, 2H), 2.73 (t, 2H), 2.88および3.07 (2s e, 3H), 2.99 (t, 2H), 3.69および3.82 (2s (回転異性体, 3H), 3.94 (t, 2H), 4.53および4.79 (2s (回転異性体), 2H), 6.83 (s, 1 H), 6.86 (d, 1 H), 6.93-7.22 (m, 4H), 7.30-7.50 (m, 5H).
【0121】
[実施例17]:クロスカーブPPARトランス活性化試験
HeLN細胞内のアゴニスト(活性化剤)による受容体の活性化は、基質の存在下で光を生じるレポーター遺伝子、ルシフェラーゼの発現を引き起こす。PPAR受容体の調節は、リファレンスアゴニストの存在下で細胞をインキュベートした後に生成されたルミネセンスを定量化することによって測定する。リガンドはアゴニストをその位置から移動させる。活性の測定は生成した光を定量化することによって実施する。この測定で、PPAR受容体に対するその分子の親和性を表す定数を割り出すことによって、本発明の化合物の調節活性を判定することが可能になる。この値は、受容体の定常活性と発現に依存して変動し得るので、見かけのKd値(Kdapp(nM))と呼ばれる。
【0122】
この定数を判定するために、リファレンスアゴニストに対する試験生成物の「クロスカーブ」を、96-ウェルプレートで実施する:試験化合物の10個の濃度および濃度0を横列に配置し、アゴニストの7個の濃度および濃度0を縦列に配置する。これが、1つの生成物および1つの受容体についての88個の測定点である。残りの8個のウェルは再現性の対照用に使用する。
【0123】
各ウェルでは、細胞は、ある濃度の試験生成物と、ある濃度のリファレンスアゴニスト〔PPARαでは2-(4-{2-[3-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-ヘプチルウレイド]エチル}フェニルスルファニル)-2-メチルプロピオン酸、PPARδでは{2-メチル-4-[4-メチル-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)チアゾール-5-イルメチルスルファニル]フェノキシ}酢酸およびPPARγでは5-{4-[2-(メチル(ピリド-2-イル)アミノ)エトキシ]ベンジル}チアゾリジン-2,4-ジオン〕とに接触している。全てのアゴニスト対照についても同じ生成物と共に測定する。
【0124】
使用したHeLN細胞系は、プラスミドERE-βGlob-Luc-SV-Neo(レポーター遺伝子)およびPPAR(α、δ、γ)Gal-hPPARを含む安定な形質変換体である。これらの細胞は、フェノールレッドを含まず10%の脱脂した仔ウシ血清を追加したDMEM媒体100μl中で、ウェル1個当たり細胞10000個の割合で、96ウェルプレートに接種する。次いでプレートを37℃、7%のCO2で16時間インキュベートする。
【0125】
試験生成物の種々の希釈物およびリファレンスリガンドの種々の希釈物をウェル1個当たり5μlの割合で加える。次いでプレートを18時間、37℃および7%のCO2でインキュベートする。逆さにすることによって培養培地を除去し、1:1のPBS/ルシフェリン混合物100μlを各ウェルに加える。5分後、ルミネセンス検出器でプレートを読み取る。
【0126】
これらのクロスカーブにより、試験生成物の種々の濃度でのリファレンスリガンドのAC50値(50%の活性が認められる濃度)を判定することができる。これらのAC50値は、Kd app値(nM)を得ることができるSchild方程式(「quantitation in receptor pharmacology」、Terry P. Kenakin、Receptors and Channels、2001、7、371〜385頁)に対応する直線をプロットすることによりSchild回帰を計算するのに使用する。
【0127】
【表1】

【0128】
これらの結果は、PPAR受容体に対する本化合物の親和性を示している。より具体的には、PPARαサブタイプまたはPPARδサブタイプに対する本発明化合物の親和性と比較した、PPARγサブタイプに対する本発明化合物の親和性の特異性を示している。
【0129】
[実施例18]:組成物
この実施例では、本発明の化合物をベースとする種々の具体的な製剤を例示する。
【0130】
[A.経口経路]
(a) 0.2g錠剤
- 実施例1の化合物 0.001g
- 澱粉 0.114g
- リン酸二カルシウム 0.020g
- シリカ 0.020g
- ラクトース 0.030g
- タルク 0.010g
- ステアリン酸マグネシウム 0.005g

(b) 5mlバイアルの飲用懸濁剤
- 実施例5の化合物 0.001g
- グリセロール 0.500g
- 70%ソルビトール 0.500g
- ナトリウムサッカリン 0.010g
- パラ-ヒドロキシ安息香酸メチル 0.040g
- 香味料 適量
- 精製水 5mlにするための適量

(c) 0.2g錠剤
- 実施例2の化合物 0.050g
- ラクトース一水和物 0.132g
- クロスポビドン 0.007g
- ポビドン 0.005g
- エアロシル200 0.004g
- ステアリン酸マグネシウム 0.002g

(d) 10mlバイアルの飲用懸濁剤
- 実施例4の化合物 0.200g
- グリセロール 1.000g
- 70%ソルビトール 1.000g
- ナトリウムサッカリン 0.010g
- パラ-ヒドロキシ安息香酸メチル 0.080g
- 香味料 適量
- 精製水 10mlにするための適量
【0131】
[B.局所的経路]
(a) 軟膏
- 実施例6の化合物 0.020g
- ミリスチン酸イソプロピル 81.700g
- 液体ワセリン流体 9.100g
- シリカ(Degussa販売の「Aerosil 200」) 9.180g

(b) 軟膏
- 実施例2の化合物 0.300g
- 白色ワセリン医薬品グレード 100gにするための適量

(c) 非イオン性油中水クリーム
- 実施例1の化合物 0.100g
- 乳化ラノリンアルコール、ワックス、およびオイルの混合物(BDF販売の「Anhydrous eucerin」) 39.900g
- パラ-ヒドロキシ安息香酸メチル 0.075g
- パラ-ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.075g
- 無菌脱塩水 100gにするための適量

(d) ローション
- 実施例3の化合物 0.100g
- ポリエチレングリコール(PEG) 400 69.900g
- 95%エタノール 30.000g

(e) 疎水性軟膏
- 実施例5の化合物 0.300g
- ミリスチン酸イソプロピル 36.400g
- シリコーンオイル(Rhone-Poulenc販売の「Rhodorsil 47 V 300」) 36.400g
- ミツロウ 13.600g
- シリコーンオイル(Goldschmidt販売の「Abil 300,000 cSt」) 100gにするための適量

(f) 非イオン性水中油クリーム
- 実施例2の化合物 1.000g
- セチルアルコール 4.000g
- モノステアリン酸グリセリル 2.500g
- ステアリン酸PEG-50 2.500g
- カリテバター 9.200g
- プロピレングリコール 2.000g
- パラ-ヒドロキシ安息香酸メチル 0.075g
- パラ-ヒドロキシ安息香酸プロピル 0.075g
- 無菌脱塩水 100gにするための適量
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】図1は、式(I)の化合物の合成方法を示す反応スキームである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)に対応することを特徴とする化合物:
【化1】

(式中、
- R1は、ヒドロキシル基、-OR6基、またはヒドロキシルアミン基を表し;
R6基は下記で定義され、
- R2およびR3は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子1個から12個を有するアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ポリエーテル基、アラルキル基、アリール基、または(炭素原子1個から12個を有するアルキル基、またはアラルキル基から選択される同一でも異なっていてもよい1個または2個の基で置換されていてもよい)アミノ基を表し;
- R4は、水素原子、または炭素原子1個から4個を有する低級アルキル基を表し;
- R5は、炭素原子1個から12個を有するアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、複素環基、または9-フルオレニルメチル基を表し;
- R6は、アルキル、アリール、またはアラルキル基を表し;
- R7およびR8は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子1個から12個を有するアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ポリエーテル基、アラルキル基、アリール基、または(炭素原子1個から12個を有するアルキル基、またはアラルキル基から選択される同一でも異なっていてもよい1個または2個の基で置換されていてもよい)アミノ基を表し;
- Yは、酸素原子または硫黄原子を表し;
- V-Wは、炭素−炭素単結合または二重結合、すなわち CH2-CH2 または CH=CH の配列を表す)
ならびに前記式(I)の化合物の塩。
【請求項2】
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩、または有機アミンの塩の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物がアミン官能基を有する場合、無機酸の塩または有機酸の塩の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記炭素原子1個から12個を有するアルキル基が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert-ブチル、イソアミル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、またはメチルシクロヘキシル基から選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
前記炭素原子1個から4個を有する低級アルキル基が、メチル、エチル、プロピル、メチルシクロプロピル、イソプロピル、tert-ブチル、またはn-ブチル基から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
アリール基が、ハロゲン原子、CF3基、炭素原子1個から12個を有するアルキル基、アルコキシ基、ニトロ官能基、ポリエーテル基、アリール基、ベンゾイル基、アルキルエステル基、カルボン酸、(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよい)ヒドロキシル基、(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよく、炭素原子1個から12個を有する少なくとも1個のアルキルで置換されていてもよい)アミノ基、アラルコキシ基、フェノキシ基、またはアミド基H2NCOで置換されていてもよい、フェニル、ビフェニル、シンナミルまたはナフチル基から選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
アラルキル基が、アリール基またはヘテロアリール基で置換された炭素原子1個から12個を有するアルキル基である、請求項1個から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
ハロゲン原子が、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
アルコキシ基が、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、n-プロピルオキシ、tert-ブトキシ、n-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、またはシクロヘキシルメトキシ基から選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
ポリエーテル基が、少なくとも1個の酸素原子が介在する炭素原子1個から7個を有する基、好ましくはメトキシエトキシ、エトキシエトキシまたはメトキシエトキシエトキシ基などの基から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
ヘテロアリール基が、場合により、少なくとも、1個のハロゲン、炭素原子1個から12個を有するアルキル基1個、アルコキシ基1個、アリール基1個、ニトロ官能基1個、ポリエーテル基1個、ヘテロアリール基1個、ベンゾイル基1個、アルキルエステル基1個、カルボン酸1個、(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよい)ヒドロキシル基1個、または(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよく、炭素原子1個から12個を有する少なくとも1個のアルキルで置換されていてもよい)アミノ基1個で置換されていてもよい、ピリジル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、キナゾリニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリルおよびベンゾフラニル基からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
複素環式基が、場合により、少なくとも、炭素原子1個から12個を有するアルキル基1個、アルコキシ基1個、アリール基1個、ニトロ官能基1個、ポリエーテル基1個、ヘテロアリール基1個、ベンゾイル基1個、アルキルエステル基1個、カルボン酸1個、(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよい)ヒドロキシル基1個、または(アセチル基またはベンゾイル基で保護されていてもよく、炭素原子1個から12個を有する少なくとも1個のアルキルで置換されていてもよい)アミノ基1個で置換されていてもよい、モルホリノ、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、2-オキソピペリジン-1-イルおよび2-オキソピロリジン-1-イル基から選択されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
以下からなる群から、単独でまたは混合物として選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物:
- 3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
- 3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
- 3-{3-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]アクリル酸
- 3-[3'-((オクタノイルアミノ)メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-{3-ヒドロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-ブトキシ-3’-[((メチル)(ペンタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-ブトキシ-3’-[((ヘプタノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-エトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
- 3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
- 3-(3’-{[(ベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}-2-ブトキシ-ビフェニル-4-イル)プロパン酸
- 3-(2-ブトキシ-3’-{[(4-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
- 3-(2-ブトキシ-3’-{[(3-メトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
- (E)-3-{2-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
- 3-{2-フルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-(2-メトキシエトキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-(3-メチルブトキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-(3-クロロプロポキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-メトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-メチル-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-(3’-{[メチル(4-フェニルブチリル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
- (E)-3-{2’-メチル-5’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
- 3-{2’-メチル-5’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- (E)-3-{2-ベンジロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
- 3-{2-ベンジロキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル] -2-プロポキシ-ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- (E)-3-{3,5-ジフルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}アクリル酸
- 3-{3,5-ジフルオロ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-(3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (メチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
- 3-(3’-{[(4-ブトキシベンゾイル) (エチル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
- 3-{2-シクロプロピルメトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-エトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-[3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]-2-(3,3,3-トリフルオロプロポキシ)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-[3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]-2-(4,4,4-トリフルオロブトキシ)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-{2-(3-ヒドロキシプロポキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-(4-ヒドロキシブトキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-(3-フルオロベンジロキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-(4-フルオロベンジロキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3'-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]-2-(ペンチルオキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3'-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]-2-(ペンチルオキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-(2-エトキシエトキシ)-3'-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル] ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-((2-ジエチルアミノ)エトキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-[3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル] -2-(2-(モルフォリン-4-イル)エトキシ)-ビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-{2-アミノ-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-ブチルアミノ-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-ベンジルアミノ-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-ジエチルアミノ-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]-2-(プロピルアミノ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-(4-フルオロベンジルアミノ)-3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-ブチルアミノ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-ベンジルアミノ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-ジエチルアミノ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]-2-(プロピルアミノ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-(4-フルオロベンジルアミノ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-シクロヘキシルメトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-シクロペンチルメトキシ-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- N-[2’-(2-シクロブチルエトキシ)-4’-(2-(ヒドロキシカルバモイル)エチル)ビフェニル-3-イルメチル](メチル)オクタンアミド
- 3-{3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル] -2-(3-(トリフルオロメチル)ベンジロキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3’-[((ヘキサノイル) (メチル)アミノ)メチル] -2-(4-(トリフルオロメチル)ベンジロキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{2-(3-カルバモイルベンジロキシ)-3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル] -2-(2-(ピペラジン-1-イル)エトキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3’-[((メチル)(オクタノイル)アミノ)メチル] -2-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-[2-(3-メトキシベンジロキシ)-3’-({[3-(3-メトキシフェニル)プロピオニル](メチル)アミノ}メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-[2-(4-(tert-ブチル)ベンジロキシ)-3’-({メチル[3-(3-フェノキシフェニル)プロピオニル]アミノ}メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-(2-(3,5-ジメトキシベンジロキシ)-3’-{[メチル(3-フェノキシベンゾイル)アミノ]メチル}ビフェニル-4-イル)プロパン酸
- 3-[3’-{[(メチル)(4-フェノキシベンゾイル)アミノ]メチル}-2-(3-(トリフルオロメチルル)ベンジロキシ)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-[2-(3-イソプロポキシベンジロキシ)-3’-({[3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル](メチル)アミノ}メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-[2’-(3-メトキシベンジロキシ)-5’-({[3-(3-メトキシフェニル)プロピオニル](メチル)アミノ}メチル)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-{2’-シクロヘキシルメトキシ-5’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{4’-エトキシ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-2-プロポキシビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-3,5-ジメトキシビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3,5-ジエトキシ-3’-({[3-(3-メトキシフェニル)プロピオニル] (メチル)アミノ}メチル)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-[3’-({[3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル] (メチル)アミノ}メチル)-3-プロポキシビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-{3-シクロプロピルメトキシ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3-エトキシ-4’-フルオロ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-3-(4,4,4-トリフルオロブトキシ)ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3-ベンジロキシ-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-[3’-({[3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル] (メチル)アミノ}メチル)-3-(3-(トリフルオロメチル)ベンジロキシ)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-[3’-({[3-(3-メトキシフェニル)プロピオニル] (メチル)アミノ}メチル)-3,5-ジプロピルビフェニル-4-イル]プロパン酸
- 3-{3-(2,2-ジメチルプロピル)-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-3,5-ジメチルビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-4’’-メトキシ-1,1’;3’,1’’-ターフェニル-4’-イル}プロパン酸
- 3-{3-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-3’’-メトキシ-1,1’;2’,1’’-ターフェニル-4’-イル}プロパン酸
- 3-[3-({[3-(3-メトキシフェニル)プロピオニル] (メチル)アミノ}メチル)-3‘’-トリフルオロメチル-1,1’;2’,1’’-ターフェニル-4’-イル)プロパン酸
- 3-{3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-2-[2-(3-イソプロポキシフェニル)エチル]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-{3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-2-[(ピリジン-3-イルメチル)アミノ]ビフェニル-4-イル}プロパン酸
- 3-[3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]-3-(2-メトキシエチルアミノ)ビフェニル-4-イル]プロパン酸
- メチル3-{3,5-ジエチル-3’-[((ヘキサノイル)(メチル)アミノ)メチル]ビフェニル-4-イル}プロパノエート
- メチル3-[3’-{[メチル(3-フェノキシベンゾイル)アミノ]メチル}-2-(3-(トリフルオロメチル)ベンジロキシ)ビフェニル-4-イル]プロパノエート
- メチル3-[3’-{[(3-(ビフェニル-4-イル)プロピオニル)(メチル)アミノ]メチル}-2-(3-メトキシベンジロキシ)ビフェニル-4-イル]プロパノエート
- エチル3-[3’-({[3-(3-メトシキフェニル)プロピオニル](メチル)アミノ}メチル)-2-(4,4,4-トリフルオロブトキシ)ビフェニル-4-イル]プロパノエート
- N-[4’-(2-(ヒドロキシカルバモイル)エチル)-4’’-メトキシ-1,1’;3’,1’’-ターフェニル-3-イルメチル](メチル)ヘキサンアミド。
【請求項14】
以下の特徴:
- R1が、ヒドロキシル基を表す;
- R2およびR7が、アルコキシもしくはアリールオキシ基、アルキルアミノ基、またはポリエーテル基を表す;
- R3およびR8が、水素原子を表す;
- R4が、炭素原子1個から4個を有する低級アルキル基を表す;
- R5が、炭素原子3から8個を有するアルキル基、またはアリール基を表す;
- Yが、酸素原子を表す;
- V-W結合が、C-C単結合または二重結合を表す、
の少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項15】
以下の特徴:
- R1が、ヒドロキシル基を表す;
- R2およびR7が、アルコキシもしくはアリールオキシ基、アルキルアミノ基、またはポリエーテル基を表す;
- R3およびR8が、水素原子を表す;
- R4が、炭素原子1個から4個を有する低級アルキル基を表す;
- R5が、炭素原子3から8個を有するアルキル基、またはアリール基を表す;
- Yが、酸素原子を表す;
- V-W結合が、C-C単結合または二重結合を表す、
を全て有することを特徴とする、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
生理学的に許容できる担体に、請求項1から15のいずれか一項に定義した化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする化粧品組成物。
【請求項17】
請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物の濃度が、組成物の総重量に対して0.001重量%から3重量%の間であることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
身体または毛の衛生用の、請求項16または17に記載の組成物の美容的使用。
【請求項19】
医薬製品としての、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
皮膚の脂質の代謝の調節および/または回復を意図した組成物の製造における、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
- 分化および増殖に関連する角化障害に伴う皮膚科学的疾患、特に尋常性座瘡、面皰性座瘡または多形性座瘡、酒さ性座瘡、結節嚢腫性座瘡、集簇性座瘡、老人性座瘡または二次的座瘡、例えば日光性座瘡、薬物性座瘡または職業性座瘡、
- 魚鱗癬、魚鱗癬様状態、ダリエー病、掌蹠角皮症、白斑症および白斑症様の状態、または皮膚もしくは粘膜(口腔)の苔癬、
- 炎症性免疫アレルギー性要素を有し、細胞増殖障害を伴うかまたは伴わない皮膚科学的疾患、特に皮膚、粘膜もしくは爪の乾癬、乾癬性関節症、皮膚アトピー(例えば湿疹)、呼吸性アトピー、または歯肉肥大、
- 良性または悪性の、ウイルス由来かまたはウイルス由来でない皮膚または表皮増殖、特に尋常性ゆうぜい、扁平ゆうぜい、ゆうぜい状表皮発育異常症、口部乳頭腫症または顕症期の乳頭腫症、またはTリンパ腫、
- 紫外線によって誘発され得る増殖、特に基底細胞上皮腫および有棘細胞上皮腫、
- 前癌皮膚病変、特に角化棘細胞腫、
- 免疫性皮膚炎、特に紅斑性狼瘡、
- 水疱性免疫疾患、
- 膠原病、特に強皮症、
- 免疫学的要素を有する皮膚科学的または全身性疾患、
- 紫外線への曝露に起因する皮膚障害、光誘導性もしくは加齢性の皮膚老化、または光線性角化症および光線性色素沈着、あるいは加齢性または光線性老化に伴う何らかの病態、特に乾燥症、
- 脂腺機能障害、特に脂漏過剰性座瘡、単純性脂漏、
- 瘢痕形成障害またはストレッチマーク、
- 色素沈着障害、例えば色素沈着過剰、黒皮症、色素沈着低下または白斑、
- 脂質代謝疾患、例えば肥満、高脂血症、インスリン非依存性糖尿病、
- 炎症性疾患、例えば関節炎、
- 癌または前癌状態、
- 種々の原因の脱毛症、特に化学療法または放射線による脱毛症、
- 免疫系障害、例えば喘息、I型糖尿病、多発性硬化症または免疫系のその他の選択的機能不全、あるいは
- 心血管系の疾患、例えば動脈硬化症または高血圧症、
の治療を意図した組成物の製造における、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
生理学的に許容できる担体に、請求項1から15のいずれか一項に定義した化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項23】
請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物の濃度が、組成物の総重量に対して0.001重量%から10重量%の間であることを特徴とする、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
請求項1個から15のいずれか一項に記載の化合物の濃度が、組成物の総重量に対して0.01重量%から1重量%の間であることを特徴とする、請求項22に記載の組成物。

【図1】
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【公表番号】特表2008−509965(P2008−509965A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526406(P2007−526406)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009989
【国際公開番号】WO2006/018325
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】