説明

TIE−2モジュレータと使用方法

本発明は、増殖、分化、プログラム細胞死、遊走及び化学的浸潤のような細胞活動を調節するためのプロテインキナーゼ酵素活性を調節する化合物を提供する。本発明の化合物はキナーゼ、特にTie-2を阻害、制御及び/又は調節する。キナーゼ依存性疾患及び症状を治療するために化合物及びその薬学的組成物を使用する方法もまた本発明の態様である。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(関連出願とのクロスリファレンス)
この出願は、発明者としてチェン・ジェフ等を挙げた「Tie-2モジュレータと使用方法」と題した2003年4月9日出願の米国仮特許出願第60/461471号に対して優先権を主張している;その出願は出典明示によりあらゆる目的のためにその全体がここに取り込まれる。
【0002】
(発明の背景)
(発明の分野)
この発明は、増殖、分化、プログラム細胞死、遊走及び化学的浸潤(chemoinvasion)のような細胞活動を調節するためのプロテインキナーゼ酵素活性を調節する化合物に関する。また更に詳細には、本発明はキナーゼ、特にTie-2を阻害、制御及び/又は調節する化合物に関する。上述の細胞活動の変化に関連したキナーゼレセプターシグナル伝達経路は本発明の化合物を使用して調節される。キナーゼ依存性疾患及び症状を治療するために化合物を使用する方法もまた本発明の態様である。
【0003】
関連技術の概要
癌の治療に使用される薬剤の特異性の改善は、これらの薬剤の投与に伴う副作用が低減できれば実現される治療的恩恵のために非常に興味深い。伝統的に、癌治療における劇的な改善は、新規な機序を通して作用する治療薬剤の同定と関連している。
【0004】
プロテインキナーゼは、タンパク質、特にタンパク質のチロシン、セリン及びスレオニン残基のヒドロキシル基のリン酸化を触媒する酵素である。この単純にみえる活性の結果は散発性、細胞分化及び増殖である;すなわち、いずれにせよ細胞生命の実質的に全ての側面はプロテインキナーゼ活性に依存している。更に、異常なプロテインキナーゼ活性は、乾癬のような比較的生命を脅かさない疾病から神経膠芽腫(脳の癌)のように極めて悪性の疾病まで含む疾患の宿主に関連している。
【0005】
プロテインキナーゼは、レセプタータイプ又は非レセプタータイプに分類することができる。レセプタータイプチロシンキナーゼは細胞外、膜貫通及び細胞内部分を有する一方、非レセプタータイプチロシンキナーゼは全体が細胞内である。
【0006】
レセプタータイプのチロシンキナーゼは、多様な生物学的活性を有する多数の膜貫通レセプターからなる。実際、レセプタータイプチロシンキナーゼの約20種の様々なサブファミリーが同定されている。HERサブファミリーと称される1種のチロシンキナーゼサブファミリーは、EGFR(HER1)、HER2、HER3及びHER4を含む。これまでに同定されたレセプターのこのサブファミリーのリガンドには、上皮成長因子、TGF-α、アンフィレグリン(amphiregulin)、HB-EGF、ベータセルリン及びヘレグリン(heregulin)が含まれる。これらのレセプタータイプチロシンキナーゼの他のサブファミリーは、インスリンサブファミリーで、それらには、INS-R、IGF-IR及びIR-Rが含まれる。PDGFサブファミリーには、PDGF-α及びβレセプター、CSFIR、c-kit及びFLK-IIが含まれる。続いて、FLKファミリーが存在し、これには、キナーゼインサートドメインレセプター(KDR)、胎児肝臓キナーゼ-1(FLK-1)、胎児肝臓キナーゼ-4(FLK-4)及びfms様チロシンキナーゼ-1(flt-1)が含まれる。PDGF及びFLKファミリーは通常、これら2種の群の類似性により、併せて考えられる。レセプタータイプチロシンキナーゼの詳細な検討に関しては、出典明示によりここに取り込まれるPlowman等., DN&P 7(6):334-339, 1994を参照のこと。
【0007】
チロシンキナーゼの非レセプタータイプも、Src、Frk、Btk、Csk、Abl、Zap70、Fes/Fps、Fak、Jak、Ack及びLIMKを含む数多くのサブファミリーからなる。これらのサブファリーはそれぞれ、様々なレセプターに更に細分される。例えば、Srcサブファミリーは、最も大きなものの一つであり、Src、Yes、Fyn、Lyn、Lck、Blk、Hck、FgrおよびYrkを含む。酵素のSrcサブファミリーは、発癌に関与している。チロシンキナーゼの非レセプタータイプの更に詳細な検討に関しては、出典明示によりここに取り込まれるBolen, Oncogene, 8:2025-2031(1993)を参照のこと。
【0008】
プロテインキナーゼとそのリガンドは様々な細胞活動における重要な役割を担っているので、プロテインキナーゼ酵素活性の調節解除は、癌に関連した制御されない細胞増殖のような改変された細胞の性質を生じ得る。癌に加えて、改変されたキナーゼシグナル伝達は数多くの他の病理疾病に関与している。これらには、限定されるものではないが、免疫学的疾患、循環器疾患、炎症性及び変性疾患が含まれる。従って、レセプター及び非レセプタープロテインキナーゼは小分子薬発見のための魅力的な標的である。
【0009】
キナーゼ調節の治療的使用のための一つの特に魅力的な目標は癌研究への適用に関する。例えば、癌の治療のためのプロテインキナーゼ活性の調節は、慢性骨髄性白血病(CML)及び胃腸間質癌の治療に対するGleevec(登録商標)(ニュージャージー州イーストハノーバーのNovartis Pharmaceutical Corporation製造のイマチニブメシレート)のFDAの承認で成功裏に実証されている。Gleevecは選択的Ablキナーゼ阻害剤である。
【0010】
細胞増殖および血管形成、すなわち、腫瘍の増殖及び生存に必要な2種の重要な細胞プロセスのモジュレーション(特に阻害)(Matter A. Drug Disc Technol 2001 6, 1005-1024)は、小分子薬物の開発への魅力的な目標である。抗血管形成療法は、充実腫瘍並びに虚血性冠動脈疾患、糖尿病性網膜症、乾癬及び慢性関節リウマチを含む血管新生の脱調節に関連する他の疾患を治療するための潜在的に重要な手法である。また腫瘍の増殖を緩慢化又は停止させるには、細胞増殖抑制剤が望ましい。
【0011】
抗血管新生及び抗増殖活性について小分子モジュレーションのための一つの特に魅力的な標的はTie-2である。Tie-2(TEKとも呼ばれる)はレセプターチロシンキナーゼ(RTK)ファミリーのメンバーであり、主に内皮細胞及び初期造血細胞に発現され、脈管形成及び血管新生の過程において重要な役割を担っている。しかして、Tie-2は血管形成中の内皮細胞遊走、出芽、生存及び内皮周囲細胞補充に関与していることが示されている。
【0012】
成長因子のアンジオポエチンファミリーはアゴニスト性及びアンタゴニスト性細胞外リガンドの組み合わせを介してTie-2活性を調節する。Tie-2によるリガンド、アンジオポエチン-1(Ang-1)又はAng-4の結合は自己リン酸化を誘導し、レセプター依存性シグナル伝達の増加をもたらす一方、Ang-2及びAng-3への結合はレセプター活性のダウンレギュレーションを生じる。Tie-2を通してのAng-1シグナル伝達は、細胞-細胞及び細胞-マトリックス相互作用を調節することにより血管発生の後の段階を容易にし、新たに形成される血管の生存と安定化をもたらす。
【0013】
腫瘍増殖の進行には既存の血管から腫瘍中への新しい血管の補充が必要となる。従って、Tie-2の発現は、卵巣、乳房、腎臓、前立腺、肺、甲状腺、骨髄性白血病、血管腫、メラノーマ、星状細胞腫、及び膠芽細胞腫を含む広範囲の腫瘍タイプで証明されている。Tie-2活性化はまたヒトにおける血管形態形成の最も一般的な形態である静脈先天性異常(VM)に関連している。同様に、Tie-2のキナーゼドメインにおける活性化変異が、VMの優性遺伝形態を示す複数のファミリーで生じる。Tie-2は、卵巣、乳房、腎臓、前立腺、肺、甲状腺、骨髄性白血病、血管腫、メラノーマ、星状細胞腫、及び膠芽細胞腫を含む複数の癌タイプに関連している(Shirkawa等 Int J Cancer 2002 Jun 20; 99(6):821-8; Tanka等 Clin Cancer Res 2002 May;8(5):1125-31; Mitsutake等 Thyroid 2002 Feb; 12(2):95-9; Muller等 Leuk Res 2002 Feb; 26(2):163-8; Yu等 Am J Pathol 2001 Dec; 159(6):2271-80; Pomyje等 Melanoma Res 2001 Dec; 11(6):639-43; Harris等 Clin Cancer Res 2001 Jul;7(7):1992-7; Wrumback等 Anticancer Res 2000 Nov-Dec;20(6D):5217-20; Ding等 Deuro-oncol 2001 Jan;3(1):1-10; Takahama等 Clin Cancer Res 1999 Sep;5(9):2506-10; Stratmann等 Am J Pathol 1998 Nov;153(5):1549-66;及びKukk等 Br J Haematol 1997 Jul;98(1):195-203を参照)。また、Tie-2の活性化は血管異常形態発生症候群の静脈先天性異常に関連している(Vikkula等 Cell 1996 Dec;87(1):1181-1190参照)。よって、Tie-2の調節は癌及び癌関連疾患を治療する手段として望ましい。
【0014】
従って、キナーゼ、特にTie-2のシグナル伝達を特異的に阻害し、制御し、及び/又は調節する小分子化合物の同定は、異常な細胞増殖に関連する疾患状態を治療又は予防する手段として望ましく、この発明の目的である。
【0015】
発明の概要
本発明はキナーゼ活性を調節するための化合物と、その化合物及び薬学的組成物を用いて、キナーゼ活性、特にTie-2によって媒介される疾患を治療する方法を提供する。キナーゼ活性によって媒介される疾患はここでは「キナーゼ依存性疾患又は症状」と呼ぶ(以下の発明の詳細な説明中の定義を参照のこと)。Tie-2に対して選択的である阻害剤は本発明に含まれる。
【0016】
他の側面では、本発明はキナーゼ活性のモジュレータをスクリーニングする方法を提供する。該方法は、本発明の組成物、キナーゼ及び少なくとも一の候補薬剤を組み合わせ、キナーゼの活性についての候補薬剤の効果を決定することを含む。
【0017】
更に他の側面では、本発明は、また、ここに記載された一又は複数のキナーゼ酵素活性モジュレータを含む本発明の薬学的化合物及び/又は組成物の一又は複数の成分が充填された一又は複数の容器を含む医薬キットを提供する。そのようなキットは、また例えば他の化合物及び/又は組成物(例えば希釈剤、浸透促進剤、潤滑剤等々)、化合物及び/又は組成物を投与するための装置、及び医薬又は生物学的製品の製造、使用又は販売を規制する政府機関によって記述された形での文書による指示書であって、ヒトへの投与に対する製造、使用又は販売の機関による承認をまた反映することができる指示書を含みうる。
【0018】
更に他の側面では、本発明はまた本発明の化合物と場合によっては薬学的に許容可能なアジュバント及び賦形剤を含有する診断薬を提供する。本発明のこれら及び他の特徴並びに利点は以下に更に詳細に記載する。
【0019】
発明の詳細な記載
本発明の組成物は、異常な及び調節されない細胞活動に関連する疾患を治療するために使用される。ここに提供される方法及び組成物によって治療することができる疾患状態には、限定されるものではないが、癌(更に以下で検討する)、免疫疾患、例えば関節リウマチ、移植宿主疾患、多発性硬化症、乾癬、循環器疾患、例えば動脈硬化症、心筋梗塞、虚血、発作及び再狭窄;他の炎症性及び変性疾患、例えば腸間疾患、変形性関節症、黄斑変性症、糖尿病性網膜症が含まれる。
【0020】
ある場合には、細胞は過剰又は低増殖性及び/又は遊走性状態(異常状態)にはないが、それでも治療を必要とする場合があることが理解される。例えば、創傷治癒の間、細胞は「正常に」増殖しうるが、増殖と遊走の亢進が望まれる場合がある。あるいは、「正常な」細胞増殖及び/又は遊走速度の減少が望まれる場合がある。
【0021】
本発明は、キナーゼ依存性疾患又は症状を治療する方法において、式I

[上式中、
及びRは、それぞれの場合に、それぞれ独立して-H、ハロゲン、-CN、-NH、-CF、-NO、-OR、-N(R)R、-N(R)N(R)R、-S(O)0-2、-SON(R)R、-CO、-C(O)N(R)R、-N(R)SO、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)CO0−6アルキル-N(R)R、-N(R)CO、-C(O)R、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
mとnはそれぞれ0から4であり;
Aは-N=、-N(H)-、-C(H)=;-O-、及び-S-から選択され;
BはA、-C(H)=C(H)-、-C(H)=N-、-N=C(H)-、-N=N-から選択され;
Lは置換されていてもよいC1−6アルキレンであり;
Xは-N(R)-であり;
は、-H、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
Zは、R、RC(=O)-、R(R)NC(=O)-、RSO-、R(R)NSO-、及びRC(=NR)-から選択され;
は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
場合によっては、RとRは、それらが結合する原子及びXにZを結合させる任意の更なる原子と共に、組合わさって、第一の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環を形成し、該第一の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環は、N、O、S、及びPから選択される少なくとも一の更なるヘテロ原子を含んでいてもよく;
は、-H、-NO、-NH、-N(R)R、-CN、-OR、及び置換されていてもよいC1−6アルキルから選択され;
Yは独立して=C(H)-又は=N-の何れかであり、但し、Yを担持する環の=N-は3以下であり;
各Rは-H又はRであり;
各Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
場合によってはR及びRは、それらが結合する共通の窒素と共に、第二の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環を形成し、該第二の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環はN、O、S、及びPから選択される少なくとも一の更なるヘテロ原子を含んでいてもよい]
の化合物の治療的有効量を、そのような治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる方法を含む。
【0022】
一例では、上記方法は、化合物が、次のもの

(上式中、Eは-S-又は-O-である)の一つである、段落[0021]に記載のものである。
【0023】
他の例では、上記方法は、Lが置換されていてもよいC1−4アルキレンである、段落[0022]に記載のものである。
【0024】
他の例では、上記方法は、Rが-Hか置換されていてもよいアルキルの何れかである、段落[0023]に記載のものである。
【0025】
他の例では、上記方法は、Zが、RC(=O)-又はRSO-の何れかである、段落[0024]に記載のものである。
【0026】
他の例では、上記方法は、化合物が、次のもの

の一つである、段落[0025]に記載のものである。
【0027】
他の例では、上記方法は、Rが、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル又は置換されていてもよいヘテロアリールC1−6アルキルの何れかである、段落[0026]に記載のものである。
【0028】
他の例では、上記方法は、Rが、-H、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、及び置換されていてもよいヘテロアリールから選択される、段落[0027]に記載のものである。
【0029】
他の例では、上記方法は、Lが置換されていてもよい-CHCH-である、段落[0028]に記載のものである。
【0030】
他の例では、上記方法は、Rが、置換されていてもよいシクロアリール又は置換されていてもよい分枝状アルキルである、段落[0029]に記載のものである。
【0031】
他の例では、上記方法は、Zが、RC(=O)-である、段落[0030]に記載のものである。
【0032】
他の例では、上記方法は、Lが-CHCH-である、段落[0031]に記載のものである。
【0033】
他の例では、上記方法は、Rが、置換されていてもよいアリールC1−6アルキルである、段落[0032]に記載のものである。
【0034】
他の例では、上記方法は、Rが、置換されていてもよい-CH-ナフチレンである、段落[0033]に記載のものである。
【0035】
他の例では、上記方法は、Rが、置換されていてもよい-CH-1-ナフチレンである、段落[0034]に記載のものである。
【0036】
他の例では、上記方法は、Rが、-CH-1-ナフチレンである、段落[0035]に記載のものである。
【0037】
他の例では、上記方法は、Rの少なくとも一が、-NH、-N(R)R、-N(R)N(R)R、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)CO0−6アルキル-N(R)R、及び-N(R)COから選択される、段落[0036]に記載のものである。
【0038】
他の例では、上記方法は、Rの上記少なくとも一が、Rを担持するピリジン環の窒素に対してオルトである、段落[0037]に記載のものである。
【0039】
他の例では、上記方法は、化合物が表1から選択される段落[0021]に記載のものである。































【0040】
本発明の他の側面は、上記キナーゼ依存性疾患又は症状の治療がTie-2のインビボ活性を調節することを含む、段落[0021]−[0039]の何れかに記載の方法である。
【0041】
本発明の他の側面は、Tie-2のインビボ活性の調節がTie-2の阻害を含んでなる、段落[0040]に記載の方法である。
【0042】
本発明の他の側面は、抑制されない、異常な及び/又は望まれない細胞活性を伴う疾患又は障害を治療する方法において、段落[0021]−[0039]の何れかに記載の化合物を含む組成物の治療的有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる方法である。
【0043】
本発明の他の側面は、組成物が医薬組成物であり、哺乳動物がヒトである、段落[0042]に記載の方法である。
【0044】
本発明の他の側面は、Tie-2のモジュレータをスクリーニングする方法において、段落[0021]−[0039]の何れか一項に記載の化合物を含む組成物と少なくとも一の候補薬剤を混合し、Tie-2の活性に対する候補薬剤の効果を決定することを含む方法である。
【0045】
本発明の他の側面は、細胞の増殖活性を阻害する方法において、段落[0021]−[0039]の何れか一項に記載の化合物の有効量を一の細胞又は複数の細胞に投与することを含む方法である。
【0046】
本発明の他の側面は、Tie-2を阻害する方法において、段落[0021]−[0039]の何れか一項に記載の化合物にTie-2の天然又は修飾形態の何れかを暴露することを含む方法である。
【0047】
本発明は、また、式II

[上式中、
Wは次の式:

の一つから選択され、
但し、Z-X-L-は示したWの左側に結合し、Yを含む環は示したWの右側に結合しており;
Eは-S-又は-O-であり;
及びRは、それぞれの場合に、それぞれ独立して-H、ハロゲン、-CN、-NH、-CF、-NO、-OR、-N(R)R、-N(R)N(R)R、-S(O)0-2、-SON(R)R、-CO、-C(O)N(R)R、-N(R)SO、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)CO0−6アルキル-N(R)R、-N(R)CO、-C(O)R、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
nは0から4であり;
Lは置換されていてもよいC1−6アルキレンであり;
Xは-N(R)-であり;
は、-H、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
Zは、R、RC(=O)-、R(R)NC(=O)-、RSO-、R(R)NSO-、及びRC(=NR)-から選択され;
は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
場合によっては、RとRは、それらが結合する原子及びXにZを結合させる任意の更なる原子と共に、組合わさって、第一の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環を形成し、該第一の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環は、N、O、S、及びPから選択される少なくとも一の更なるヘテロ原子を含んでいてもよく;
は、-H、-NO、-NH、-N(R)R、-CN、-OR、及び置換されていてもよいC1−6アルキルから選択され;
Yは独立して=C(H)-又は=N-の何れかであり、但し、Yを担持する環の=N-は3以下であり;
各Rは-H又はRであり;
各Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
場合によってはR及びRは、それらが結合する共通の窒素と共に、第二の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環を形成し、該第二の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環はN、O、S、及びPから選択される少なくとも一の更なるヘテロ原子を含んでいてもよい]
の、キナーゼ活性調節化合物又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、又はプロドラッグを含む。
【0048】
他の例では、化合物は、Lが置換されていてもよいC1−4アルキレンである、段落[0047]に記載のものである。
【0049】
他の例では、化合物は、Yのゼロ又は一が=(N)-である、段落[0048]に記載のものである。
【0050】
他の例では、化合物は、Rが-Hか置換されていてもよいアルキルの何れかである、段落[0049]に記載のものである。
【0051】
他の例では、化合物は、Zが、RC(=O)-又はRSO-の何れかである、段落[0050]に記載のものである。
【0052】
他の例では、化合物は、Yが=C(H)-である、段落[0051]に記載のものである。
【0053】
他の例では、化合物は、Rが、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル又は置換されていてもよいヘテロアリールC1−6アルキルの何れかである、段落[0052]に記載のものである。
【0054】
他の例では、化合物は、Rが、置換されていてもよいアリール又は置換されていてもよいヘテロアリールの何れかである、段落[0053]に記載のものである。
【0055】
他の例では、化合物は、Lが置換されていてもよい-CHCH-である、段落[0054]に記載のものである。
【0056】
他の例では、化合物は、Rが、置換されていてもよいシクロアルキル又は置換されていてもよい分枝状アルキルである、段落[0055]に記載のものである。
【0057】
他の例では、化合物は、ZがRC(=O)-である、段落[0056]に記載のものである。
【0058】
他の例では、化合物は、Lが-CHCH-である、段落[0057]に記載のものである。
【0059】
他の例では、化合物は、Rが、置換されていてもよいアリールC1−6アルキルである、段落[0058]に記載のものである。
【0060】
他の例では、化合物は、Rが、置換されていてもよい-CH-ナフチレンである、段落[0059]に記載のものである。
【0061】
他の例では、化合物は、Rが、置換されていてもよい-CH-1-ナフチレンである、段落[0060]に記載のものである。
【0062】
他の例では、化合物は、Rが、-CH-1-ナフチレンである、段落[0061]に記載のものである。
【0063】
他の例では、化合物は、Rの少なくとも一が、-NH、-N(R)R、-N(R)N(R)R、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)CO0−6アルキル-N(R)R、及び-N(R)COから選択される、段落[0062]に記載のものである。
【0064】
他の例では、化合物は、Rの上記少なくとも一が、Rを担持するピリジン環の窒素に対してオルトである、段落[0063]に記載のものである。
【0065】
他の例では、化合物は、N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-[2-(5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)エチル]アセトアミド、N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-[2-(3-ピリジン-4-イル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)エチル]アセトアミド、及びN-シクロペンチル-N-(2-{4-[4-(メチルオキシ)フェニル]-2-ピリジン-4-イル-1H-イミダゾール-5-イル}エチル}-2-ナフタレン-1-イルアセトアミドから選択される、段落[0047]に記載のものである。
【0066】
本発明の他の側面は、段落[0047]−[0065]の何れか一項に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体を含有する医薬組成物である。
【0067】
本発明の他の側面は、段落[0047]−[0066]の何れか一項に記載の化合物又は医薬組成物の代謝産物である。
【0068】
本発明の他の側面は、キナーゼ依存性疾患又は症状を治療する方法において、段落[0047]−[0066]の何れか一項に記載の化合物又は医薬組成物の治療的有効量を、そのような治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる方法である。
【0069】
本発明の他の側面は、キナーゼのインビボ活性を調節する方法において、段落[0047]−[0066]の何れか一項に記載の化合物又は医薬組成物の有効量を患者に投与することを含んでなる方法である。
【0070】
本発明の他の側面は、キナーゼがTie-2である、段落[0069]に記載の方法である。
【0071】
本発明の他の側面は、Tie-2のインビボ活性の調節がTie-2の阻害を含む、段落[0070]に記載の方法である。
【0072】
本発明の他の側面は、段落[0047]−[0066]の何れか一項に記載の化合物又は医薬組成物の治療的有効量を、治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、抑制されない、異常な及び/又は望まれない細胞活性を伴う疾患又は障害を治療する方法である。
【0073】
本発明の他の側面は、Tie-2のモジュレータをスクリーニングする方法において、段落[0047]−[0066]の何れか一項に記載の化合物又は医薬組成物の何れかと少なくとも一の候補薬剤を混合し、Tie-2の活性に対する候補薬剤の効果を決定することを含んでなる方法である。
【0074】
本発明の他の側面は、細胞の増殖活性を阻害する方法において、段落[0047]−[0065]の何れか一項に記載の化合物の有効量を一の細胞又は複数の細胞に投与することを含む方法である。
【0075】
定義
本明細書で使用される場合、次の単語及び語句は、一般に、それが用いられている文脈が他の意味を示し又はそれらが別のことを意味するものと明示的に定義されている場合を除き、以下に記載の意味を有するものとする。
【0076】
記号「-」は単結合を意味し、「=」は二重結合を意味し、「≡」は三重結合を意味する。記号「

」は、この記号が結合している二重結合の末端上の何れかの位置を占めている二重結合上の基を意味する;すなわち、二重結合の幾何学的配置、E-又はZ-が不明瞭である。基が、その親式から離れて記載される場合には、基とその親構造式とを分けるために、記号「〜」が、理論的に分離された結合の末端に使用される。
【0077】
化学式は、記述子が意味する範囲を記述する語句の説明又は一連の式が付随する「R」のような記述子を使用している。「R1a」のような続く記述子はRの範囲のある部分集合を記述するために使用し、「R1b」はRの範囲の他の部分集合を記述するために使用する等である。そのように続く場合、単に「R」を含む全ての他の式がその記述子の範囲全体を含むことを意味する。
【0078】
化学構造が示され又は記述されている場合、別段の記載がない限り、全ての炭素は4の価数に一致する水素置換を有すると仮定される。例えば、以下の式の左側の構造では、9個の水素が存在していることを意味している。その9個の水素は右側の構造に示されている。ある構造中の特定の原子は水素又は水素群を置換(明示的に定義された水素)として含むことがテキストの式に記載される。例えば-CHCH-である。上述の記述方法は化学分野において複雑な構造に対する記述を簡潔かつ単純にするために一般的であることは当業者には理解されよう。

【0079】
本出願において、ある種の環構造は総括的に示され、テキストに記載される。例えば、以下の式で、左の構造において環Aが「スピロシクリル」を記述するために使用される場合、環Aがシクロプロピルであるならば、環Aには多くとも4個の水素が存在する(「R」はまた-Hでありうる場合)。他の例では、以下の式の右側に示されているように、環Bが「フェニレン」を記述するために使用される場合、環Bにはせいぜい4個の水素が存在しうる(示された切断結合はC-H結合ではないと仮定)。

【0080】
例えば、式:

中におけるように、基「R」が、環系上に「浮遊する」ように示されている場合、別段の記載がない限り、置換基「R」は、環系の何れの原子上に存在してもよく、安定な構造が形成される限り、描かれ、黙示的に意味され、又は明示的に定義された水素の環原子の一からの置換が想定される。
【0081】
例えば、式:

中におけるように、基「R」が、縮合環系上に浮遊するように示されている場合、別段の記載がない限り、置換基「R」は、縮合環系の何れの原子上に存在してもよく、安定な構造が形成される限り、環原子の一に示され(例えば、上の式中では-NH-)、意味され(例えば、水素が示されていないが存在していることが理解される上記の式中におけるように)、明示的に定義された水素(例えば、上記式において、「X」が-CH-に等しい場合)の置換が想定される。示されている例では、「R」基は、縮合環系の5員又は6員の環上に存在してもよい。上に示した式では、yが例えば2である場合、2個の「R」が、環系の任意の2個の原子上に位置してもよく、この場合にも、それぞれ、環上に示され、意味され、又は明示的に定義された水素の置換が想定される。
【0082】
例えば式:

中で示されているように(式中、この例では、「y」は1個よりも多くてもよい)、基「R」が、飽和炭素を含む環系上に存在するように示され、それぞれ、環上に現に示され、意味され、又は明示的に定義された水素が置換されていることが想定される場合、別段の記載がない限り、生じる構造が安定であるならば、2個の「R」は同じ炭素上に存在してもよい。簡単な例では、Rがメチル基であるとき、示された環の炭素(「環状」炭素)上にジェミナルなジメチルが存在し得る。別の例では、同じ炭素上の2個のRが、その炭素を含んで、環を形成し、例えば次式

におけるように、示された環と共にスピロ環(「スピロシクリル」基)構造を作っていてもよい。
【0083】
「アルキル」は、直鎖状、分枝状又は環式炭化水素構造及びこれらの組合せを含むことを意図する。例えば、「Cアルキル」は、n-オクチル、イソ-オクチル、シクロヘキシルエチル等を意味しうる。低級アルキルは、1から6個の炭素原子のアルキル基を意味する。低級アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s-ブチル、t-ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシルなどが含まれる。高級アルキルは、8個よりも多い炭素原子を含むアルキル基を意味する。アルキル基の例は、C20又はそれ未満を含むものである。シクロアルキルは、アルキルの下位概念(サブセット)であり、3から13個の炭素原子の環式炭化水素基を含む。シクロアルキル基の例には、c-プロピル、c-ブチル、c-ペンチル、ノルボルニル、アダマンチルなどが含まれる。本願では、アルキルは、アルカニル、アルケニル及びアルキニル残基(及びこれらの組合せ)を意味する;これには、シクロヘキシルメチル、ビニル、アリル、イソプレニルなどが含まれることとする。従って、特定数の炭素を有するアルキル残基の名が挙げられている場合には、その数の炭素を有する全ての幾何異性体が包含されることとする;従って、例えば、「ブチル」又は「Cアルキル」は、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブチル、イソブテニル及びブト-2-イン基が含まれることを意味し;例えば「プロピル」又は「Cアルキル」はそれぞれ、n-プロピル、プロペニル及びイソプロピルを含む。別の方法では、アルケニル及び/又はアルキニル記述子が、例えば「Cアルケニル」と共に「Cアルキル」のように基の特定の定義に使用される場合、Cアルケニル幾何異性体はCアルキルに含まれることは意味しないが、他の4炭素の異性体、例えばCアルキニルは含まれる。例えば、発明を全体として包含することを意図する更に一般的な記述は特定の基をC1−8アルキルのように記述する一方、好適な種は「C1−8アルキル」、「C1−6アルケニル」及び「C1−5アルキニル」を含むように同基を記述することができる。
【0084】
「アルキレン」は、炭素及び水素原子のみからなり、不飽和を含まず、1から10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の二価基を意味し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレンなどである。アルキレンは、アルキルの下位概念であり、アルキルと同じ基を意味するが、2箇所の結合位置を有し、特に完全に飽和されている。アルキレンの例には、エチレン(-CHCH-)、プロピレン(-CHCHCH-)、ジメチルプロピレン(-CHC(CH)CH-)及びシクロヘキシルプロピレン(-CHCHCH(C13))が含まれる。
【0085】
「アルキリデン」は、炭素及び水素原子のみからなり、2から10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の不飽和二価基を意味し、例えば、エチリデン、プロピリデン、n-ブチリデンなどである。アルキリデンは、アルキルの下位概念であり、アルキルと同じ基を意味するが、2個の結合位置及び特に二重結合不飽和を有する。存在する不飽和には、少なくとも1個の二重結合が含まれる。
【0086】
「アルキリジン」は、炭素及び水素原子のみからなり、2から10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の不飽和二価基を意味し、例えば、プロピリド-2-イニル、n-ブチリド-1-イニルなどである。アルキリジンは、アルキルの下位概念であり、アルキルと同じ基を意味するが、2個の結合位置を有し、特に三重結合不飽和を有する。存在する不飽和は、少なくとも1個の三重結合を有する。
【0087】
上記の基「アルキレン」、「アルキリデン」及び「アルキリジン」の何れかは、場合によって置換される場合、それ自体不飽和を含むアルキル置換を含んでいてもよい。例えば、2-(2-フェニルエチニル-ブト-3-エニル)-ナフタレン(IUPAC名)は、前記の基の2位にビニル置換基を有するn-ブチリジ-3-イニル基を含む。
【0088】
「アルコキシ」又は「アルコキシル」は、例えば、酸素原子を介して親構造に結合している直鎖、分枝鎖、環式構造、不飽和鎖及びこれらの組合せの1から8個の炭素原子を含む-O-アルキル基を意味する。例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれる。低級アルコキシは、1から6個の炭素を含む基を意味する。
【0089】
「置換アルコキシ」は、基-O-(置換アルキル)を意味し、該アルキル上の置換は一般に1個よりも多い炭素を含む(アルコキシの定義と同様)。一つの例示的な置換アルコキシ基は、「ポリアルコキシ」又は-O-置換されていてもよいアルキレン−置換されていてもよいアルコキシであり、-OCHCHOCHなどの基、及びポリエチレングリコール及び-O(CHCHO)CHなどのグリコールエーテルを含み、ここで、xは、約2から約20の間、他の例では約2から約10の間、他の例では約2から約5の間の整数である。他の例示的置換アルコキシ基はヒドロキシアルコキシ又は-OCH(CH)OHであり、ここで、yは例えば、約1から約10の間の整数であり、他の例では、yは、約1から約4の整数である。
【0090】
「アシル」は、カルボニル官能基を介して親構造に結合している直鎖、分枝鎖、環式構造、飽和、不飽和及び芳香族及びこれらの組合せの1から10個の炭素原子の基を意味する。親構造への結合位置がカルボニルに保持される限り、アシル残基中の一又は複数の炭素は、窒素、酸素又は硫黄により置換されうる。例には、アセチル、ベンゾイル、プロピオニル、イソブチリル、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが含まれる。低級アシルは、1から6個の炭素を含む基を意味する。
【0091】
「α-アミノ酸」は、天然に生じるアミノ酸及び市販のアミノ酸及びそれらの光学異性体を意味する。典型的な天然及び市販のα-アミノ酸は、グリシン、アラニン、セリン、ホモセリン、スレオニン、バリン、ノルバリン、ロイシン、イソロイシン、ノルロイシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、オルニチン、ヒスチジン、アルギニン、システイン、ホモシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、フェニルグリシン、オルト-チロシン、メタ-チロシン、パラ-チロシン、トリプトファン、グルタミン、アスパラギン、プロリン及びヒドロキシプロリンである。「α-アミノ酸の側鎖」は、上で定義したα-アミノ酸のα-炭素上に見出される基、例えば水素(グリシンの場合)、メチル(アラニンの場合)、ベンジル(フェニルアラニンの場合)などを意味する。
【0092】
「アミノ」は-NH基を意味する。「置換アミノ」は、-N(H)R又は-N(R)R基を意味し、ここで、各Rは、群:置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロシクリル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、スルファニル、スルフィニル及びスルホニルから独立して選択され、例えば、ジエチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、及びフラニル-オキシ-スルホンアミノである。
【0093】
「アリール」は、芳香族の6員から14員の炭素環、例えばベンゼン、ナフタレン、インダン、テトラリン、フルオレンなどの、一価の基を意味する。上述の環の一価の基として挙げることができる例はフェニル、ナフチル、インダニル、テトラニル及びフルオレニルである。
【0094】
「アリーレン」は一般には少なくとも二つの基が結合した任意のアリールを意味する。より特定的な例では、「フェニレン」は二価のフェニル環基を意味する。フェニレンは、従って結合した二より多い基を用いるが、結合した最小二の非水素基によって定義される。
【0095】
「アリールアルキル」は、アリール部分が、アルキレン、アルキリデン又はアルキリジン基の一つを介して親構造に結合している基を意味する。例には、ベンジル、フェネチル、フェニルビニル、フェニルアリルが含まれる。アリールと、アリールアルキル基の対応するアルキレン、アルキリデン又はアルキリジン基部分の双方は、場合によっては置換されていてもよい。「低級アリールアルキル」は、該基の「アルキル」部分が1から6個の炭素原子を有するアリールアルキルを意味する;これはまたC1−6アリールアルキルと呼ぶこともできる。
【0096】
「エキソ-アルケニル」とは、環状炭素から出て、環系内にはない二重結合、例えば、以下の式

で示される二重結合を意味する。
【0097】
幾つかの例では、当業者には理解されるように、芳香族系上の2つの隣接する基は互いに縮合して環構造を形成してもよい。縮合環構造はヘテロ原子を含んでいてもよく、一又は複数の基で置換されていてもよい。また、そのような縮合基の飽和炭素(つまり、飽和環構造)は二つの置換基を含むことができることにも留意されなければならない。
【0098】
「縮合多環」又は「縮合環系」とは、架橋又は縮合した環を含む多環系;すなわち、2つの環がその環構造中に1個を越える原子を共有している場合を意味する。この出願では、縮合多環及び縮合環系は必ずしも全てが芳香環系ではない。必ずしもそうではないが、典型的には、縮合多環は、例えばナフタレン又は1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンのように、一組のビシナルな原子を共有している。スピロ環系は、この定義によると縮合多環ではないが、本発明の縮合多環系それ自体に、縮合多環の単一の環状原子を介してスピロ環が結合していてもよい。
【0099】
「ハロゲン」又は「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。「ハロアルキル」及び「ハロアリール」は一般に一又は複数のハロゲンでそれぞれ置換されたアルキル及びアリール基を意味する。よって、「ジハロアリール」、「ジハロアルキル」、「トリハロアリール」などは、必ずしも複数の同じハロゲンでなくてもよい複数のハロゲンで置換されているアリール及びアルキルを意味する;よって、4-クロロ-3-フルオロフェニルは、ジハロアリールの範囲内である。
【0100】
「ヘテロアリーレン」は、少なくとも2個の基が結合した任意のヘテロアリールを総称的に意味する。より具体的な例では、「ピリジレン」は二価のピリジル環基を意味する。ピリジレンはよって2より多い結合基を持ちうるが、最少2つの非水素基が結合していると定義される。
【0101】
「ヘテロ原子」は、O、S、N又はPを意味する。
【0102】
「ヘテロシクリル」は、炭素原子と窒素、リン、酸素及び硫黄からなる群から選択される1〜5のヘテロ原子とからなる安定な3〜15員環基を意味する。本発明では、ヘテロシクリル基は、単環式、二環式又は三環式環系であってよく、これは、縮合又は架橋した環系並びにスピロ環系を含んでもよく;ヘテロシクリル基中の窒素、リン、炭素又は硫黄原子は、場合によって様々な酸化状態に酸化されていてもよい。特定の例では、基-S(O)0−2-は、-S-(スルフィド)、-S(O)-(スルホキシド)及び-SO-(スルホン)を意味する。簡便には、窒素、特に限るものではないが、環状芳香族窒素として定義されるものはその対応するN-オキシド形態を含むことを意味するが、特定の例でそのように明示的に定義されているものではない。よって、例えばピリジル環を有する本発明の化合物の場合;対応するピリジル-N-オキシドは本発明の他の化合物として含まれることが意味される。また、環状窒素は、場合によって4級化されていてもよく;環基は、部分的又は完全に飽和又は芳香族であってもよい。ヘテロシクリル基の例には、これらに限られないが、アゼチジニル、アクリジニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、カルバゾイル、シノリニル、ジオキソラニル、インドリジニル、ナフチリジニル、ペルヒドロアゼピニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾリル、テトラヒドロイソキノリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、ピロリル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、キノリル、イソキノリル、デカヒドロイソキノリル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエリイル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジオキサホスホラニル及びオキサジアゾリルが含まれる。
【0103】
「複素脂環式」は特に、非芳香族へテロシクリル基を意味する。複素脂環式は不飽和を含みうるが、芳香族ではない。
【0104】
「ヘテロアリール」は特に芳香族へテロシクリル基を意味する。
【0105】
「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリルがアルキレン、アルキリデン又はアルキリジン基の一を介して親構造に結合している残基を意味する。例には、(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル、(モルホリン-4-イル)メチル、(ピリジン-4-イル)メチル、2-(オキサゾリン-2-イル)エチル、4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-ブテニルなどが含まれる。ヘテロシクリルと、ヘテロシクリルアルキル基の対応するアルキレン、アルキリデン又はアルキリジン基部分の双方は場合によっては置換されていてもよい。「低級へテロシクリルアルキル」は、基の「アルキル」部分が1から6の炭素を有するヘテロシクリルアルキルを意味する。「複素脂環式アルキル」は基のヘテロシクリル部分が非芳香族であるヘテロシクリルアルキルを特に意味し;「ヘテロアリールアルキル」は基のヘテロシクリル部分芳香族であるヘテロシクリルアルキルを特に意味する。かかる用語は、例えば「低級ヘテロシクリルアルキル」及び「ヘテロシクリルC1−6アルキル」が等価な用語であるように、一以上の形式で記述されうる。
【0106】
「任意の(・・いてもよい)」又は「場合によっては(・・いてもよい)」とは、後に記載された事象又は環境が起こっても、起こらなくてもよく、その記載が、前記の事象又は環境が起こる場合と、それが起こらない場合とを含むことを意味している。一又は複数の任意の置換基を含むものとして記載されているあらゆる分子に関して、立体的に実際的であり、及び/又は合成的に実現可能である化合物のみが含まれることが当業者には理解される。「置換されていてもよい」とは、一用語の全ての続く修飾語句を意味し、例えば、「置換されていてもよいアリールC1−8アルキル」という用語においては、任意の置換が、分子の「C1−8アルキル」部分と「アリール」部分の両方で起こり得;例えば、置換されていてもよいアルキルには、置換されていてもよいシクロアルキル基を含み、これはまた潜在的に際限なく、置換されていてもよいアルキル基を含む。例示的な任意の置換基のリストは、「置換されている」との定義で以下に挙げられる。
【0107】
「飽和架橋環系」は、芳香族ではない二環式又は多環式環系を意味する。このような系は、その核構造中に分離又は共役した不飽和を含んでもよいが、芳香族又は複素芳香族環は含まない(但し、芳香族置換は有していてもよい)。例えば、ヘキサヒドロ-フロ[3,2-b]フラン、2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-インデン、7-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、及び1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロ-ナフタレンが全て「飽和架橋環系」の部類に含まれる。
【0108】
「スピロシクリル」又は「スピロ環」とは、別の環の特定の環状炭素から生じる環を意味する。例えば、以下に示すように、架橋先端原子でない飽和架橋環系の環原子は、飽和架橋環系(環B及びB')とそれに結合したスピロシクリル(環A)とに共有される原子になることができる。スピロシクリルは、炭素環式又はヘテロ環式でありうる。

【0109】
「置換されている」アルキル、アリール及びへテロシクリルはそれぞれ、一又は複数(例えば、約5まで、又は他の例では約3まで)の水素原子が:置換されていてもよいアルキル(例えば、フルオロメチル、ヒドロキシプロピル、ニトロメチル、アミノエチルなど)、置換されていてもよいアリール(例えば、4-ヒドロキシフェニル、2,3-ジフルオロフェニルなど)、置換されていてもよいアリールアルキル(例えば、1-フェニル-エチル、パラ-メトキシフェニルエチルなど)、置換されていてもよいヘテロシクリルアルキル(例えば、1-ピリジン-3-イル-エチル、N-エチルモルホリノなど)、置換されていてもよいヘテロシクリル(例えば、5-クロロ-ピリジン-3-イル、1-メチル-ピリジン-4-イルなど)、置換されていてもよいアルコキシ(例えばメトキシエトキシ、ヒドロキシプロピルオキシ、メチレンジオキシなど)、置換されていてもよいアミノ(例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノ、トリフルオロアセチルアミノなど)、置換されていてもよいアミジノ、置換されていてもよいアリールオキシ(例えば、フェノキシ、パラ-クロロフェノキシ、メタ-アミノフェノキシ、パラ-フェノキシフェノキシなど)、置換されていてもよいアリールアルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ、3-クロロベンジルオキシ、メタ-フェノキシベンジルオキシなど)、カルボキシ(-COH)、置換されていてもよいカルボアルコキシ(つまり、アシルオキシ又は-OC(=O)R)、置換されていてもよいカルボキシアルキル(つまり、エステル又は-COR)、置換されていてもよいカルボキサミド、置換されていてもよいベンジルオキシカルボニルアミノ(CBZ-アミノ)、シアノ、置換されていてもよいアシル、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、置換されていてもよいアルキルスルファニル、置換されていてもよいアルキルスルフィニル、置換されていてもよいスルホニル、チオール、オキソ、カルバミル、置換されていてもよいアシルアミノ、置換されていてもよいヒドラジノ、置換されていてもよいヒドロキシルアミノ、及び置換されていてもよいスルホンアミドを意味する。
【0110】
「スルファニル」は、基:-S-(置換されていてもよいアルキル)、-S-(置換されていてもよいアリール)、及び-S-(置換されていてもよいヘテロシクリル)を意味する。
【0111】
「スルフィニル」は、基:-S(O)-H、-S(O)-(置換されていてもよいアルキル)、-S(O)-(置換されていてもよいアリール)、及び-S(O)-(置換されていてもよいヘテロシクリル)を意味する。
【0112】
「スルホニル」は、基:-S(O)-H、-S(O)-(置換されていてもよいアルキル)、-S(O)-置換されていてもよいアリール)、-S(O)-(置換されていてもよいヘテロシクリル)、-S(O)-(置換されていてもよいアルコキシ)、-S(O)-(置換されていてもよいアリールオキシ)、及び-S(O)-(置換されていてもよいヘテロシクリルオキシ)を意味する。
【0113】
ここに記載した各反応に対する「収率」は、理論収率に対するパーセントとして表される。
【0114】
本発明の化合物のうちの幾つかは、芳香族へテロシクリル系の上にイミノ、アミノ、オキソ又はヒドロキシ置換基を有してもよい。本明細書では、このようなイミノ、アミノ、オキソ又はヒドロキシ置換基は、その対応する互変異性形態で、つまり、それぞれアミノ、イミノ、ヒドロキシ又はオキソで存在してもよいことが理解される。
【0115】
本発明の化合物は、International Union of Pure and Applied Chemistry (IUPAC)、International Union of Biochemistry and Molecular Biology (IUBMB)及びChemical Abstracts Service(CAS)によって承認されている命名法を系統的に適用して名前を付している。
【0116】
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、その構造内に不斉炭素原子、酸化された硫黄原子又は第4級化された窒素原子を有していてもよい。
【0117】
本発明の化合物及びその薬学的に許容される塩は、単一の立体異性体、ラセミ化合物として、及び鏡像異性体及びジアステレオ異性体の混合物として存在している場合がある。本化合物は幾何異性体としても存在しうる。このような単一の立体異性体、ラセミ化合物及びこれらの混合物、及び幾何異性体は全て本発明の範囲内とする。
【0118】
化合物を構成する目的で本発明の化合物の上位概念での記載法を考えると、そのような構成によって安定な構造が得られることが仮定される。すなわち、当業者ならば、通常は安定な化合物である(つまり、上掲のように、立体的に実際的であり、及び/又は合成的に実施可能である)と考えられないはずのある種の構成が理論上存在しうることが分かるはずである。
【0119】
その結合構造を備えた特定の基が、2種の相手に結合することを意味するとき、つまり、例えば-OCH-などの二価の基の場合は、別段に明示しない限り、2種の相手のどちらかが、その特定の基の一方の末端に結合し、他方の相手が必然的にその特定の基のもう一方の末端に結合することが理解される。他の説明をすると、二価の基は示された向きに限られるものと考えるべきではなく、例えば「-OCH-」は「-OCH-」ばかりではなく「-CHO-」をも意味することが意味される。
【0120】
立体異性体のラセミ混合物又は非ラセミ混合物から単一の立体異性体を調製及び/又は分離及び単離する方法は当該分野でよく知られている。例えば、光学活性な(R)-及び(S)-異性体を、キラルシントン又はキラル試薬を使用して調製するか、慣用技術を使用して分離することができる。胸像異性体(R-及びS-異性体)を、当業者に知られている方法により、例えば:結晶化により例えば分離することができるジアステレオ異性体の塩又は複合体を生じさせることにより;例えば、結晶化、一の鏡像異性体と鏡像異性体特異的試薬とを選択的に反応させ、例えば、酵素的酸化又は還元させ、続いて、修飾された鏡像異性体と修飾されていない鏡像異性体とを分離することにより;又はキラル環境下で、例えば結合しているキラルリガンドを有するシリカなどのキラル支持体上の、又はキラル溶剤の存在下での気液又は液体クロマトグラフィーにより分離することができる。所望の鏡像異性体を、上述の分離手順の何れかにより他の化学物質に変換する場合、所望の鏡像異性形を遊離するために、更なる工程が必要となることもあることは理解されるであろう。あるいは、光学的に活性な試薬、基質、触媒又は溶剤を使用する不斉合成により、又は不斉変換により鏡像異性体を他の鏡像異性体に変換することにより、特定の鏡像異性体を合成することができる。特定の鏡像異性体で富化されている鏡像異性体の混合物では、再結晶化により、主成分である鏡像異性体を更に富化することもできる(収量の同時損失を伴う)。
【0121】
本発明の目的に対する「患者」には、ヒト及び他の動物、特に哺乳動物及び他の生物が含まれる。従って、本方法は、ヒトの治療及び獣医学的用途の両方に適用することができる。好ましい実施態様では、患者は哺乳動物であり、最も好ましい実施態様では、患者は、ヒトである。
【0122】
「キナーゼ依存性疾患又は症状」は、一又は複数のプロテインキナーゼの活動に依存している病理状態を意味する。キナーゼは直接的又は間接的に、増殖、接着、移動、分化及び浸潤を含む様々な細胞活動のシグナル伝達経路に関与している。キナーゼ活性に関連する疾患には、腫瘍増殖、充実腫瘍の増殖を支援し、局所での過剰な血管新生が、眼疾患(糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性など)や炎症(乾癬、関節リウマチなど)などに関与する他の疾患に関連する病的な新血管新生が含まれる。
【0123】
理論に拘束されることは望まないが、ホスファターゼは、キナーゼの同種として「キナーゼ依存性疾患又は症状」でも役割を果たしうる;すなわち、キナーゼは、例えばタンパク質基質をリン酸化し、ホスファターゼは脱リン酸化する。従って、本発明の化合物は、ここに記載のようにキナーゼ活性を調節する一方で、直接的又は間接的に、ホスファターゼ活性も調節しうる。この付加的な調節は存在する場合、関連の又はその他の相互依存性キナーゼ又はキナーゼファミリーに対する本発明の化合物の活性と相乗的でありうる(又は相乗的ではない)。何れにせよ、前述したように、本発明の化合物は、異常なレベルの細胞増殖(すなわち、腫瘍の増殖)、プログラム細胞死(アポトーシス)、細胞の移動及び浸潤、並びに腫瘍増殖に関連する血管形成を部分的に特徴とする疾患の治療に有用である。
【0124】
「治療上有効量」は、患者に投与すると、疾患の症状を軽減する本発明の化合物の量である。「治療上有効量」を構成する本発明の化合物の量は、化合物、疾患状態及びその重篤度、治療される患者の年齢などに依存して変動しうる。治療上有効量は、当業者により、その人自身の知識及び本明細書を考慮して常套的に決定することができる。
【0125】
「癌」は、これらに限られないが:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫;肺:気管支癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、歯槽(気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様過誤腫(hanlartoma)、イネソテリオーマ(inesothelioma);胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺癌、インスリノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、類癌腫、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、類癌主、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞腫、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性悪性巨細胞腫脊索腫、オステオクロンフローマ(osteochronfroma)(骨軟骨外骨症)、良性脊索腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨腫及び巨細胞腫;神経系:頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、膠腫、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性膠芽腫、乏突起細胞腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頚(子宮頚癌、腫瘍前子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性のう胞腺癌、粘液性のう胞腺癌、未分類癌]、顆粒膜卵胞膜細胞腫、セルトリライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファロピウス管(癌);血液学:血液(顆粒球性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、黒子(moles)異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;及び副腎ランド(land):神経芽細胞腫を含む細胞増殖性疾患を意味する。従って、ここで使用される「癌細胞」との用語には、上述の症状の何れか一つを患っている細胞が含まれる。
【0126】
「薬学的に許容される酸付加塩」は、遊離塩基の生物学的有効性を保持しており、生物学的に又はその他の点で望ましくないものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、並びに酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などの有機酸で形成される塩を意味する。
【0127】
「薬学的に許容される塩基付加塩」には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩などの無機塩基から誘導されるものが含まれる。塩の例は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩である。薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩には、これらに限られないが、1級、2級及び3級アミン、天然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環式アミン及び、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩基性イオン交換樹脂が含まれる。有機塩基の例は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインである(例えば、出典明示によりここに取り込まれるS.M.Berge,等, "Pharmaceutical Salts," J. Pharm. Sci., 1977;66;1-19参照)。
【0128】
「プロドラッグ」は、例えば、血液中での加水分解により、インビボで転化されて(典型的には迅速に)上記の式の親化合物を生じる化合物を意味する。一般的な例には、これらに限られないが、カルボン酸部分を含む活性形を有する化合物のエステル及びアミド形が含まれる。本発明の化合物の薬学的に許容されるエステルの例には、これらに限られないが、アルキル基が直鎖又は分枝鎖であるアルキルエステル(例えば、約1から約6個の炭素を有する)が含まれる。許容されるエステルにはまたシクロアルキエステルと、これに限られないがベンジルなどのアリールアルキルエステルが含まれる。本発明の化合物の薬学的に許容されるアミドの例には、これらに限られないが、第1級アミド及び第2級及び第3級アルキルアミド(例えば、約1から約6個の炭素を有する)が含まれる。本発明の化合物のアミド及びエステルは、常法に従い調製することができる。プロドラッグについての完全な考察は、あらゆる目的のために双方とも出典明示によりここに取り込まれるT.Higuchi及びV.Stella, "Pro-drugs as Novel Delivery Systems," Vol 14 of the A.C.S. Symposium Series、及びBioreversible Carriers in Drug Design, Edward B.Roche編, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987に提供されている。
【0129】
「代謝産物」は、動物又はヒト体内での代謝又は生体内変化;例えば、酸化、還元又は加水分解などによる更に極性の分子への、又は共役体への生体内変化により生じた化合物又はその塩の分解又は最終産物を意味する(生体内変化の考察に関しては、Goodman and Gilman, "The Pharmacological Basis of Therapeutics" 8.sup.th Ed., Pergamon Press, Gilman等(編), 1990参照)。ここで使用される場合、本発明の化合物又はその塩の代謝産物は、体内での化合物の生体活性形であってよい。一例では、プロドラッグは、生体活性な形態である代謝産物がインビボで放出されるように使用することができる。他の例では、生体活性な代謝産物は、思いがけず発見され、つまり、ブロドラッグ設計自体が企てられていなかった。本発明の化合物の代謝産物の活性に関するアッセイは、本明細書を考慮すれば、当業者には分かるであろう。
【0130】
加えて、本発明の化合物は、未溶解の形で、並びに水、エタノールなどの薬学的に許容される溶剤に溶解した形で存在し得る。一般に、溶解した形は、本発明の目的に対して、未溶解の形に等価であると考えられる。
【0131】
加えて、本発明は、コンビナトリアルケミストリーを含む通常の有機合成法を使用して、又は細菌消化、代謝、酵素変換などの生物学的方法により製造された化合物を含むことが意図される。
【0132】
ここで使用される「治療する」又は「治療」は、異常な細胞増殖及び浸潤により特徴付けられるヒトでの疾患状態の治療を包含しており、(i)特に、あるヒトが、疾患状態に陥りやすいが、まだその疾患を有するとは診断されていない場合に、そのヒトに疾患状態が生じることを予防すること;(ii)疾患状態を阻害すること、つまり、その進行を阻止すること;及び(iii)疾患状態を緩和すること、つまり、疾患状態を後退させることの少なくとも一つを含む。当該分野で知られているように、全身対局所輸送、年齢、体重、一般的健康、性別、食事、投与時間、薬物相互作用及び症状の重篤度に対して調節する必要があり、当業者による常套的な実験により確認することができる。
【0133】
当業者であれば、ある種の結晶化タンパク質リガンド複合体、特にc-Met、c-Kit、KDR、flt-3、又はflt-4-リガンド複合体、及びその対応するx線構造座標を用いて、ここに記載されたキナーゼの生物学的活性を理解するのに有用な新規な構造情報を明らかにすることができることは分かるであろう。また、上述のタンパク質の重要な構造的特徴、特にリガンド結合部位の形状は、キナーゼの選択的モジュレーターを設計又は同定し、類似の特徴を持つ他のタンパク質の構造を解明するための方法に有用である。本発明の化合物をそのリガンド成分として有するそのようなタンパク質-リガンド複合体は本発明の態様である。
【0134】
同様に、当業者は、そのような適切なx線品質結晶がキナーゼに結合しキナーゼ活性を調節することができる候補薬剤を同定する方法の一部として使用できることを理解するであろう。そのような方法は次の側面によって特徴付けることができる:a)適切なコンピュータプログラム中に、(例えば上述の適切なx線品質結晶から得られるx線構造座標によって定義されるような)コンフォメーションにおけるキナーゼのリガンド結合ドメインを定義する情報を導入し、ここでコンピュータプログラムがリガンド結合ドメインの三次元構造モデルを作り出し、b)候補薬剤の三次元構造モデルをコンピュータプログラムに導入し、c)リガンド結合ドメインモデル上に候補薬剤のモデルを重ね合わせ、d)候補薬剤モデルがリガンド結合ドメインに空間的に適合するかどうかを評価する。a−dの観点は必ずしも上述の順でなされる必要はない。このような方法は更に、三次元構造のモデルを用いて合理的な薬剤設計を実施し、コンピュータモデリングと関連して潜在的な候補薬剤を選択することを必要としうる。
【0135】
また、当業者は、そのような方法が、キナーゼ調節の生物学的活性アッセイにおいてリガンド結合ドメイン中に空間的に適合すると決定された候補薬剤を用い、上記候補薬剤がアッセイにおいてキナーゼ活性を調節するかどうかを定量することを更に必要としうることを理解するであろう。そのような方法はまたキナーゼ活性を調節すると決定された候補薬剤を、上述したもののように、キナーゼ調節によって治療可能な症状を被っている哺乳動物に投与することをまた含みうる。
【0136】
また、当業者は、本発明の化合物を、キナーゼのリガンド結合ドメインを含む分子又は分子複合体に結合する試験薬剤の能力を評価する方法に使用することができることを理解するであろう。そのような方法は、次の点によって特徴付けられうる:a)キナーゼの適切なx線品質結晶から得られる構造座標を使用してキナーゼ結合ポケットのコンピュータモデルをつくり出し、b)コンピュータアルゴリズムを用いて、試験薬剤と結合ポケットのコンピュータモデルの間のフィッティング操作を実施し、c)フィッティング操作の結果を分析して、試験薬剤と結合ポケットのコンピュータモデルとの関連性を定量する。
【0137】
一般的投与
本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩の純粋な形での又は適切な医薬組成物での投与は、投与の許容される方式又は同様の利便性をもたらす薬剤の何れかを介して実施することができる。従って、投与は、例えば、経口的、経鼻的、非経口(静脈内、筋肉内又は皮下)、局所的、経皮的、膣内、膀胱内、槽内(intracistemally)又は直腸的に、固体、半固体、凍結乾燥粉末の形で、又は液体投薬形態、例えば、錠剤、座薬、丸薬、軟質弾性及び硬質ゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁液、エアロゾルなどで、好ましくは、正確な用量を簡単に投与するために適している単位剤形の形であってよい。
【0138】
組成物は、慣用の薬学的担体又は賦形剤を含有し、活性薬剤としての本発明の化合物は他に、他の医薬品、医薬薬剤、担体、アジュバントなどを含有してよい。本発明の組成物は、癌を治療される患者に一般に投与される抗癌剤又は他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。アジュバントには、防腐剤、湿潤剤、懸濁剤、甘味剤、香味料、香料、乳化剤及び分散剤が含まれる。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などにより担保することができる。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを含むこともまた望ましい。注射可能な薬剤形の長時間吸収を、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを使用することにより実施することができる。
【0139】
望ましい場合には、本発明の薬学的組成物は、湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、酸化防止剤など、例えば、クエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、ブチル化ヒドロキシトルエンなどの少量の補助物質を含有してもよい。
【0140】
非経口注射に適した組成物は、生理学的に許容される無菌の水性又は非水性溶液、分散液、懸濁液又はエマルション及び無菌の注射可能な溶液又は分散液に再構成される無菌粉末を含んでもよい。適切な水性及び非水性担体、希釈剤、溶剤又はビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなど)、適切なこれらの混合物、植物油(オリーブ油など)及びオレイン酸エチルなどの注入可能な有機エステルが含まれる。例えば、レシチンなどのコーティングを使用することにより、分散液の場合には必要な粒径を維持することにより、及び界面活性剤を使用することにより、適正な流動性を維持することができる。
【0141】
投与の好ましい一経路は、経口であり、治療される疾患状態の重篤度程度に合わせて調整することができる簡便な1日用量計画を使用する。
【0142】
経口投与のための固体剤形には、カプセル、錠剤、丸薬、粉末及び顆粒が含まれる。このような固体剤形では、活性化合物を、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムなどの少なくとも一種の不活性な慣用の賦形剤(又は担体)又は(a)例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸などの充填剤又は増量剤、(b)例えば、セルロース誘導体、デンプン、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアラビアゴムなどの結合剤(バインダー)、(c)例えば、グリセロールなどの湿潤剤(humectants)、(d)例えば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯又はタピオカデンプン、アルギン酸、クロスカルメロースナトリウム、錯体ケイ酸塩及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(e)例えば、パラフィンなどの溶解遅延剤、(f)例えば、4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(g)例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤(wetting agents)、(h)例えば、カオリン及びベントナイトなどの吸着剤、及び(i)例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなどの潤滑剤又はこれらの混合物などと混合する。カプセル、錠剤及び丸薬の場合には、剤形は、緩衝剤を含有してもよい。
【0143】
上述したような固体剤形は、腸溶コーティング及び当該分野で知られている他のものなどのコーティング及びシェルを用いて調製することもできる。これらは、鎮圧剤(pacifying agents)を含有してもよく、一又は複数の活性化合物を腸管の特定の部位で遅れて放出するような組成物であってもよい。使用することができる埋没組成物の例は、ポリマー物質及びロウである。活性化合物は、適切な場合には、一又は複数の上述の賦形剤を伴うマイクロカプセル化形であってもよい。
【0144】
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容されるエマルション、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが含まれる。例えば、本発明の1種(又は複数)の化合物又はその薬学的に許容される塩及び付加的な薬剤アジュバントを、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセリン、エタノールなどの担体;例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミドなどの可溶化剤及び乳化剤;油、特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル;又はこれらの物質の混合物に溶解、分散などして、溶液又は懸濁液を生じさせることにより、このような剤形を調製する。
【0145】
活性化合物に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカント又はこれらの物質の混合物などの懸濁剤を含有してもよい。
【0146】
直腸投与のための組成物は、例えば、本発明の化合物と、通常の温度では固体であるが、体温では液体であるので、適切な体腔中で溶けて、そこで活性成分を放出するカカオ脂、ポリエチレングリコール又は座薬ロウなどの適切な非刺激性賦形剤又は担体とを混合することにより調製することができる座薬である。
【0147】
本発明の化合物を局所投与するための剤形には、軟膏、粉末、スプレー及び吸入剤が含まれる。活性成分を、無菌条件下に、必要とされる生理学的に許容される担体及び防腐剤、緩衝剤又は噴射剤と混合する。眼用処方物、眼軟膏、粉末及び溶液も、本発明の範囲内であると考えられる。
【0148】
一般には、投与の所定の方式に応じて、薬学的に許容される組成物は、1種(又は複数)の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を約1重量%から約99重量%及び適切な薬学的賦形剤を99重量%から1重量%含有する。一例では、組成は、1種(又は複数)の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩が約5重量%から約75重量%であってよく、残りは、適切な医薬用賦形剤である。
【0149】
このような投薬形態を調製する実際の方法は知られているか、当業者には明らかである;例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、18版, (Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990)参照。投与される組成物は、とにかく、本発明の教示により疾患状態を治療するために治療上有効量の本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む。
【0150】
使用される特定の化合物の活性、化合物の代謝安定性及び作用時間、年齢、体重、全身健康、性別、食事、投与の様式及び時間、排泄速度、薬物の組合せ、個々の疾患状態の重篤度及び治療を受ける患者を含む様々なファクターに依存して変動する治療的有効量で、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与する。本発明の化合物は、1日当り約0.1から約1000mgの範囲の用量レベルで患者に投与することができる。約70キログラムの体重を有する正常な成人では、1日当り体重1キログラム当り約0.01から約100mgの範囲の用量が例となる。しかしながら、使用される特定の用量は、変動しうる。例えば、用量は、患者の要求、治療される症状の重篤度及び使用される化合物の薬学的活性を含む多くの因子に依存しうる。個々の患者での最適な用量の決定は、当業者によく知られている。
【0151】
スクリーニング剤としての本発明の化合物の有用性
例えば、Tie-2レセプターキナーゼに結合する候補薬剤をスクリーニングする方法で本発明の化合物を使用するために、該タンパク質を支持体に結合させ、本発明の化合物を該アッセイに加える。あるいは、本発明の化合物を支持体に結合させ、タンパク質を加える。新規の結合剤がその中から捜し得る候補薬剤の群には、特異的抗体、化学ライブラリーのスクリーニングで同定された非天然結合剤、ペプチド類似体などが含まれる。ヒト細胞に対して低い毒性を有する候補薬剤に関するスクリーニングアッセイが特に重要である。このために、標識インビトロタンパク質-タンパク質結合アッセイ、電気泳動移動シフトアッセイ、タンパク質結合のためのイムノアッセイ、機能性アッセイ(リン酸化アッセイなど)などを含む幅広いアッセイを使用することができる。
【0152】
例えばTie-2タンパク質への候補薬剤の結合の決定は、多くの方法で行うことができる。一例では、候補薬剤(本発明の化合物)を、例えば蛍光又は放射性成分で標識し、結合を直接的に決定する。例えば、Tie-2タンパク質の全て又は一部と固体支持体とを付着させ、標識された薬剤(例えば、少なくとも一の原子が検出可能な同位体で置換されている本発明の化合物)を加え、過剰な試薬を洗浄除去し、標識量が、固体支持体の上に存在するかどうかを決定することにより行うことができる。当該分野で知られているような様々なブロック及び洗浄工程を利用することができる。
【0153】
ここでは「標識された」とは、化合物が、検出可能なシグナルをもたらす標識、例えば、放射性同位体、蛍光タグ、酵素、抗体、磁性粒子などの粒子、化学発光タグ又は特異的結合分子などで直接的又は間接的に標識されていることを意味する。特異的結合分子には、ビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンと抗ジゴキシンなどの対が含まれる。特異的な結合メンバーでは、相補的メンバーは、上に概説した既知の手順に従い、検出をもたらす分子で通常は標識される。標識は、直接又は間接に検出可能なシグナルをもたらしうる。
【0154】
幾つかの実施態様では、成分の一のみが標識される。例えば、Tie-2タンパク質は、125Iを使用して、又はフルオロフォアを用いてチロシン位置で標識することができる。もしくは、1種以上の成分を、異なった標識で標識することができる;例えば、タンパク質には125Iを使用し、候補薬剤にはフルオロフォアを使用する。
【0155】
本発明の化合物は、付加的な薬物候補をスクリーニングするための競合物質として使用することもできる。ここで使用される場合の「生体活性剤候補」又は「薬物候補」又は文法的に同等の語句は、生体活性を試験される何らかの分子、例えば、タンパク質、オリゴペプチド、小有機分子、多糖類、ポリヌクレオチドなどを示している。これらは、核酸配列及びタンパク質配列を含む細胞増殖配列の細胞増殖表現型又は発現を直接又は間接に変化しうる。他の場合には、細胞増殖タンパク質結合及び/又は活性の変更をスクリーニングする。タンパク質結合又は活性をスクリーニングする場合には、幾つかの実施態様は、特定のタンパク質に結合することが既に知られている分子を除外する。ここに記載のアッセイの実施態様の例には、ここでは「外在(exogenous)」薬と称される、内在自然状態にある標的タンパク質には結合しない候補薬が含まれる。一例では、外在薬は更にTie-2に対する抗体を除外する。
【0156】
候補薬剤には、数多くの化学群が含まれうるが、これらは通常、約100ダルトンを上回るが、約2500ダルトンを下回る分子量を有する有機分子である。候補薬剤は、タンパク質との構造的相互作用に、特に水素結合及び親油性結合に必要な官能基を含み、通常は、少なくとも1個のアミン、カルボニル、ヒドロキシル、エーテル又はカルボキシル基、例えば、少なくとも2個の官能性化学基を含む。候補薬剤は往々にして、一又は複数の上記官能基で置換されている環式炭素又は複素環構造及び/又は芳香族又はポリ芳香族構造を有する。候補薬剤は、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造類似体又はこれらの組合せを含む生体分子の中にもまた見出すことができる。
【0157】
候補薬剤は、合成又は天然化合物のライブラリーを含む幅広い供給源から得られる。例えば、幅広い有機化合物及び生体分子をランダムな及び方向付けられた合成のために、数多くの手段を利用することができ、ランダム化オリゴヌクレオチドの発現が含まれる。もしくは、細菌、真菌、植物及び動物抽出物の形の天然化合物のライブラリーを利用するか、容易に製造する。加えて、天然又は合成により生じたライブラリー及び化合物を、慣用の化学的、物理的及び生化学的手段により変更することができる。知られている薬物に、アシル化、アルキル化、エステル化、アミド化などの方向付け又はランダム化学修飾を施して、構造類似体を生じさせることができる。
【0158】
一例では、候補薬剤の結合を、競合結合アッセイを使用することにより決定する。この例では、競合物質は、抗体、ペプチド、結合対、リガンドなどの、Tie-2に結合することが知られている結合成分である。一定の状況下では、候補薬剤と結合成分との競合結合が存在し、その際、結合成分は、候補薬剤に代わる。
【0159】
幾つかの実施態様では、候補薬剤を標識する。候補薬剤又は競合物質の何れか、又はその両方を、起こりうる場合は、先ず結合が可能であるのに十分な時間にわたってTie-2タンパク質に加える。インキュベーションは、最適な活性を促進する任意の温度、典型的には4℃から40℃で行うことができる。
【0160】
インキュベーション時間は、活性が最適であるように選択するが、迅速な高処理スクリーニングを容易にするように最適化することもできる。典型的には、0.1から1時間で十分であろう。過剰な試薬は通常除去するか、洗浄する。ついで、第2の成分を加え、結合を示す標識された成分の存在又は不存在を調べる。
【0161】
一例では、競合物質を初めに加え、引き続き、候補薬剤を加える。競合物質の置換は、候補薬剤が例えばTie-2に結合しており、よってTie-2に結合可能でその活性を潜在的に調節可能なことを示している。この実施態様では、どちらかの成分を標識することができる。従って、例えば、競合物質が標識された場合には、洗浄溶液中での標識の存在は、薬剤による置換を示す。もしくは、候補薬物が標識された場合には、支持体上での標識の存在は置換を示す。
【0162】
別の実施態様では、候補薬物を初めに加え、インキュベーション及び洗浄し、引き続き、競合物質を加える。競合物質による結合の不存在は、候補薬物が、高い親和性でTie-2に結合していることを示している。従って、候補薬物が標識された場合には、支持体上での標識の存在は、競合物質結合の不存在と共に、候補薬物がTie-2に結合可能であることを示している。
【0163】
Tie-2の結合部位を同定することが重要であることもある。このことは、様々な方法で行うことができる。一実施態様では、Tie-2が候補薬物に結合すると同定されたら、Tie-2を断片化するか改変し、アッセイを繰り返して、結合のために必要な成分を同定する。
【0164】
Tie-2の活性を調節可能な候補薬物をスクリーニングすることにより、調節を試験するが、これは、前記のように候補薬物をTie-2と組み合わせる工程と、Tie-2の生物学的活性の変化を決定する工程とを含む。従って、この実施態様では、候補薬物は、ここで定義されているように、結合し(必要でないこともあるが)、かつその生物学的活性又は生化学的活性を変更しなければならない。この方法は、細胞生存率、形態などの変更に関するインビトロスクリーニング方法と、細胞のインビボスクリーニング方法との両方を含む。
【0165】
あるいは、差次的スクリーニング法を使用して、天然Tie-2には結合するが、改変されたTie-2には結合し得ない薬物候補を同定することができる。
【0166】
陽性コントロール及び陰性コントロールをアッセイで使用することもできる。例えば、全てのコントロール及び試験試料を、少なくとも3組で実施し、統計的に有意な結果を得る。試料のインキュベーションは、薬物とタンパク質とが結合するに十分な時間である。インキュベーション後に、試料を、非特異的に結合している物質がなくなるまで洗浄し、結合している、通常は標識されている薬剤の量を決定する。例えば、放射標識を使用する場合、試料を、シンチレーションカウンターでカウントして、結合している化合物の量を決定することができる。
【0167】
様々な他の試薬が、スクリーニングアッセイに含まれてもよい。これらには、最適なタンパク質-タンパク質結合を容易にし、及び/又は非特異的又はバックグラウンド相互作用を低減するために使用することができる塩、中性タンパク質、例えば、アルブミン、洗浄剤などの試薬が含まれる。またプロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗菌物質などのアッセイの効率を改善等する試薬を使用することもできる。成分の混合物を、必要な結合をもたらす任意の順序で加えることもできる。
【0168】
省略記号とその定義
次の省略記号と用語は全体を通して次に示した意味を有する:



【0169】
化合物の合成
スキーム1−4は、本発明の化合物の一般的な合成経路を示しており、限定するものではない。これらの一般的な合成の記述の後に特定の実施例を記載する。以下の一般化において、特定の反応条件、例えば付加される塩基、酸、溶媒、温度等は検討を混乱させないために記載しなかった。特定の実施例に関して一般の経路は、当業者が本発明の化合物を合成するのに十分な情報を含んでいる。スキーム1−4では、幾つかの置換基(例えば、-L-X-Z、Y、R、及びR)は本発明の化合物の合成において反応性パートナーとしては記載しない。これは純粋に記述を単純化するためである。式Iにおけるそのような置換基は、当業者には理解されるように、ここに記載された特定の合成スキームでは反応性パートナーである場合もそうではない場合もある。よって、当業者には理解されるように、そのような置換基は、合成中の任意の時に式Iの骨格に付加することができ、又は本発明の化合物を製造するために使用される中間体又は出発材料上に前もって存在しうる。より特定の実施例を本発明をより十分に記述するために以下に提供する。
【0170】
スキーム1は式Iに一致するある種のトリアゾール位置異性体が如何にして製造されるかの例を示している。ヒドラジド(i)とアミジン(ii)(又は対応するニトリル)を例えば熱と圧力下で混合して化合物(iii)を得る。この例では、-L-X-Zは一般にトリアゾール環系の形成(つまり、記載したように(i)と(ii)の混合)後に付加される。よって、(iii)は、典型的には、必ずしもではないが、(トリアゾール互変異性体の一つの捕捉によって結合させた-L-X-Zを有する)位置異性体混合物として製造され、得られた位置異性体はその後分離される。

【0171】
スキーム2は、スキーム1におけるように、トリアゾールの窒素よりもトリアゾールの炭素に-L-X-Zが結合したトリアゾール位置異性体を合成する一方法を示している。この例では、ニトリル(iv)をヒドラジド(v)と組み合わせて化合物(vi)を最終的に得る。上記の例と同様に、(vi)は、典型的には、必ずしもではないが、(トリアゾール互変異性体の一つの捕捉によって結合させた-Rを有する)位置異性体混合物として製造され、得られた位置異性体はその後分離される。

【0172】
スキーム3は、式Iによるオキサジアゾール(ix)及び(xii)がそれぞれ如何にして製造されるかを示している。例えば、カルボン酸(vii)をオキシム(viii)にカップリングさせ、得られたアルドキシムを環化して化合物(ix)を得る。他の例では、カルボン酸(xi)をオキシム(x)にカップリングさせ、得られたアルドキシムを環化して化合物(xii)を得る。

【0173】
スキーム4は本発明のイミダゾールの合成を示す。ジケトン(xiii)をアミジン(ii)と混合してイミダゾール(xiv)を得る。例えば、ジケトン(xiii)は対応するプロパルギル誘導体のRuO酸化によって得た。また、スキーム4は一般的な合成手順を示すものである。一般に、必ずしもではないが、-L-X-Zを(xiii)と(ii)の組み合わせ後に分子中に導入して(xiv)を製造する。例えば、2-クロロ-4-ヨードアニソールへのホモプロパルギルアルコールのSonogashira付加後に対応するアリールプロパルギルアルコール誘導体のRuO酸化によって対応する1,2-ジケトンが得られた。ついで、イミダゾールを、例えば4-アミジノピリジンでの1,2-ジケトンの環化によって製造した。イミダゾールに付加したアルコール官能基(最終的にはプロパルギルアルコール中間体から)を続いて-L-X-Zに転換した。

【0174】
(実施例)
次の実施例は、上述の発明を使用する方法を更に詳述し、また本発明の様々な態様を実施するためのベストモードを記載するものである。これらの実施例は、本発明の真の範囲を限定することになるものでは決してなく、むしろ、例証の目的のために提供されることを理解されたい。ここで引用する全ての文献は出典明示によりその全体が取り込まれる。一般に、各実施例は、多工程合成として以下に説明される。ある場合には、続く特定の実施例は、同様の方法によって製造した化合物のリストである。
【0175】
実施例1
[5-(3,5-ジクロロフェニル)-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]酢酸エチル: イソニコチンヒドラジド(1.0g,7.3mmol)、3,5-ジクロロベンゾニトリル(1.5g,8.8mmol)、及びナトリウムエトキシド(1.5g,22mmol)を圧力管に移した。エタノール(4mL)を添加し、反応物を120℃で一晩撹拌した。反応をLCMSによってモニターした。完了時に、エタノールを減圧除去してトリアゾールを固形物として得て、精製しないで次の工程に移した。この物質をDMF(10mL)に溶解し、炭酸カリウム(1.5g,11mmol)及びブロモ酢酸エチル(1.2mL,11mmol)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。反応をLCMSによってモニターによってモニターした。完了時、反応混合物を水で希釈した。沈殿物を真空濾過によって集め、濾液を廃棄した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(3:2 ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して2つの位置異性体を固形物として得た。H NMR(400MHz,d−DMSO):δ8.7(d,2H),7.95(s,2H),7.9(d,1H),7.8(d,2H),5.5(s,2H),4.1(q,2H),1.1(t,3H)。 C1714Clに対するMS(EI): 377(MH)。 [3-(3,5-ジクロロフェニル)-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]酢酸エチル: H NMR(400MHz,d−DMSO):δ8.8(d,2H),8.0(s,2H),7.8(m,3H),5.5(s,2H),4.1(q,2H),1.2(t,3H)。 C1714Clに対するMS(EI): 377(MH)。
【0176】
2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}-N-シクロペンチルアセトアミド: {5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}酢酸エチル(0.2mmol)とシクロペンチルアミン(4mL)の混合物を2時間加熱して還流した。混合物を室温まで冷却し、過剰なシクロペンチルアミンを減圧除去した。ついで、粗生成物をメタノールで粉砕して純粋な生成物を得た(0.061g、75%)。 H NMR(400MHz,d−DMSO):δ8.68(dd,2H),7.92(22,2H),7.82(m,1H),7.75(dd,1H),7.33(d,1H),4.95(s,2H),4.00(m,1H),3.94(s,3H),1.80(m,2H),1.64(m,2H),1.51(m,2H),1.40(m,2H)。 C2123ClNに対するMS(EI): 412(MH)。
【0177】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: THF(34mL)中2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}-N-シクロペンチルアセトアミド(1.11g,2.69mmol)の溶液を窒素下で撹拌し、ボラン-THF錯体(10.8mL,THF中1Mの溶液,10.8mmol)と三フッ化ホウ素エーテレート(0.34mL,2.69mmol)を添加した。反応混合物を12時間加熱して還流した。塩酸水溶液(1M,20mL)を添加し、不均一な混合物を1時間激しく撹拌した。混合物を5Nの水酸化ナトリウム水溶液で塩基性(pH>8)にし、酢酸エチル(3x)で抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(1:3:96 トリエチルアミン/メタノール/ジクロロメタン)によって精製して粘性油として第二級アミンを得た(0.91g,85%)。第二級アミン(0.88g,2.2mmol)を、DMF(6mL)中HATU(0.93g,2.4mmol)、1-ナフチル酢酸(0.41g,2.2mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.77mL,4.4mmol)の撹拌溶液に添加した。混合物を3時間室温で撹拌した。水性LiCl(5%)を添加し、混合物を酢酸エチル(3x)で抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(5:95 メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、純粋な生成物を得た(0.60g,48%)。 H NMR(400MHz,d-DMSO)アミドロトマーの2:1混合物:δ8.68(d,2H),7.94−7.72(m,6H),7.49−7.21(m,6H),4.50(m,1H),4.35(t,2H),4.29(t,1H),4.12(s,1H),3.94(s,3H),3.86(m,1H),3.56(t,1H),1.60(m,2H),1.51(m,2H),1.39(m,2H),1.24(m,2H)。 C3333ClNに対するMS(EI): 566(MH)。
【0178】
N-シクロペンチル-N-[2-(5-フラン-2-イル-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル]-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: 4-(5-フラン-2-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン(740mg,3.5mmol)、2-ヨードエタノーエウ(2.0g,12mmol)、及び炭酸セシウム(3.4g,3.4mmol)のスラリーをDMF(15mL)中でスラリーにし、85℃で12時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、5%クエン酸でpH7に中和した。混合物を酢酸エチル(3x)で抽出した後、混合した有機層を5%LiCl(2x)及び塩水で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空乾燥させて、対応するアルコール(0.82mg,91%)を得た。この物質をジクロロメタン(30mL)とトリエチルアミン(2.2mL)に溶解した。無水メタンスルホン酸(2.8g,16mmol)を滴下して添加し反応混合物を4時間撹拌した。混合物を真空濃縮し、酢酸エチルに再溶解し、飽和した炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。酢酸エチル相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して、メシレートを得た(0.65g,65%)。DMF(15mL)中メシレート、シクロペンチルアミン(0.3mL,3mmol)及び2,6-ルチジン(0.4mL,3.3mmol)の溶液を80℃に18時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、5%のLiClで希釈し、酢酸エチル(3x)で抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮してアミンを得た(0.33g,54%)。THF(5mL)中HATU(0.46g,1.2mmol)、1-ナフチル酢酸(0.21g,1.1mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.39mL,2.2mmol)の撹拌溶液にそのアミンを添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。LiCl(5%)水溶液を添加し、混合物を酢酸エチル(3x)で抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物を調製用HPLCによって精製して純粋な生成物を得た(0.15g,28%)。 H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.82(d,2H),8.18(d,2H),8.0(d,1H),7.86−7.78(m,3H),7.5−7.26(m,5H),6.8(m,1H),4.8−4.68(tt,2H),4.35(m,1H),4.2(s,2H),3.65(t,2H),1.7−1.35(m,8H)。 C3029に対するMS(EI): 492(MH)。
【0179】
類似の合成方法を使用し、各種アミン類のような適切な試薬と置換して、本発明の次の化合物を調製した:
【0180】
N-{2-[5-(3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]エチル}-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ10.94(s,1H),8.70(d,2H),7.96−7.77(m,6H),7.60(dd,1H),7.50(m,2H),7.42(m 1H),7.25(d,1H),7.13(d,1H),4.50(m,2H),4.30(m,0.5H),4.14(s,2H),3.87(m,0.5H),3.54(t,2H),1.60(m,2H),1.51(m,2H),1.39(m,2H),1.24(m,2H)。 C3231ClNに対するMS(EI): 552(MH)。
【0181】
{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}酢酸エチル: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.69(m,2H),7.94(m,2H),7.80(m,1H),7.69(dd,1H),7.34(d,1H),5.36(s,2H),4.13(q,2H),3.94(s,3H),1.16(t,3H)。 C1818ClNに対するMS(EI): 373(MH)。
【0182】
{3-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}酢酸エチル: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.76-8.79(m,2H),7.95−8.00(m,2H),7.76−7.78(m,2H),7.26−7.29(m,1H),5.40(s,2H),4.13−4.15(m,2H),3.92(s,3H),1.15(t,3H)。 C1817ClNに対するMS(EI): 373(MH)。
【0183】
2-{3-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}-N-シクロペンチルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.72−8.77(m,2H),8.38−8.42(m,1H),7.95−8.00(m,1H),7.75−7.78(m,2H),7.22−7.24(m,1H),5.02(s,2H),3.90−3.98(m,1H),3.88(s,3H),1.31−1.83(m,8H)。 C2122ClNに対するMS(EI): 412(MH)。
【0184】
3-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}プロパン酸メチル: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.83(d,2H),8.20(d,2H),7.89(d,1H),7.78(dd,1H),7.36(d,1H),4.53(t,2H),3.95(s,3H),3.55(s,3H),3.05(t,2H)。 C1817ClNに対するMS(EI): 373(MH)。
【0185】
3-{3-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}プロパン酸メチル: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.82(d,2H),7.97(d,1H),7.94(dd,1H),7.88−7.87(m,2H),7.26(d,1H),4.52(t,2H),3.91(s,3H),3.54(s,3H),3.04(t,2H)。 C1817ClNに対するMS(EI): 373(MH)。
【0186】
N-(3-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}プロピル)-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.87−8.60(m,2H),8.36−8.03(m,2H),7.88−7.63(m,5H),7.42−7.21(m,5H),4.26(t,2H),4.22−4.14(m,1H),4.10(s,2H),3.87(s,3H),3.10−3.07(m,2H),2.02(t,2H),1.76−1.31(m,8H)。 C3434ClNに対するMS(EI): 581(MH)。
【0187】
N-(3-{3-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}プロピル)-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.75−8.72(m,2H),7.93−7.88(m,1H),7.88−7.77(m,5H),7.73−7.69(m,1H),7.43−7.19(m,5H),4.28(t,2H),4.24−4.20(m,1H),4.10(s,2H),3.84(s,3H),3.12−3.08(m,2H),2.08−2.00(m,2H),1.61−1.33(m,8H)。 C3434ClNに対するMS(EI): 581(MH)。
【0188】
N-(2-{3-[3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ10.62(s,1H),8.8(d,2H),7.95−7.7(m,7H),7.5−7.3(m,3H),7.22(d,1H),7.05(d,1H),4.5(t,2H),4.25(t,1H),4.1(s,2H),3.6(t,2H),1.65−1.2(m,8H)。 C3230ClNに対するMS(EI): 552(MH)。
【0189】
2-{3-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-3-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}-N-シクロペンチルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ9.0(s,1H),8.8(s,1H),8.45(d,1H),8.3(d,1H),8.0(s,1H),7.96(d,1H),7.65(d,1H),7.25(d,1H),4.95(s,2H),3.95(m,1H),3.9(s,3H),1.85−1.3(m,8H)。 C2122ClNに対するMS(EI): 412(MH)。
【0190】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-3-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ9.2(s,1H),8.62(s,1H),8.34(d,1H),7.9−7.7(m,5H),7.95−7.2(m,6H),4.45(t,2H),4.3(m,1H),4.1(s,2H),3.93(s,3H),3.6(t,2H),1.65−1.2(m,8H)。 C3332ClNに対するMS(EI): 566(MH)。
【0191】
[5-(4-ニトロフェニル)-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]酢酸エチル: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.8(d,2H),8.4(d,2H),8.05(d,2H),8.0(d,2H),5.5(s,2H),4.04(q,2H),1.1(t,3H)。 C1715に対するMS(EI): 354(MH)。
【0192】
N-シクロペンチル-N-[2-(3-フラン-2-イル-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル]-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.8(d,2H),7.9−7.78(m,6H),7.48(m,2H),7.38(m,1H),7.22(d,1H),7.0(d,1H),6.65(m,1H),4.6−4.5(t,2H),4.3(m,1H),4.1(s,2H),3.58(t,2H),1.65−1.25(m,8H)。 C3029に対するMS(EI): 492(MH)。
【0193】
N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-{2-[5-ピリジン-4-イル-3-(2-チエニル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]エチル}アセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.75(d,2H),7.9−7.75(m,5H),7.65(m,2H),7.5−7.35(m,4H),7.22(d,1H),7.18(t,1H),4.55−4.45(m,2H),4.3(m,1H),3.55(t,2H),1.6−1.2(m,8H)。 C3029OSに対するMS(EI): 508(MH)。
【0194】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチルナフタレン-1-カルボキサミド: H NMR(400MHz,d-DMSO) 2の異性体の1:1混合物:δ8.82(m,4H),8.22(m,4H),7.97(d,2H),7.92−7.86(m,6H),7.58(d,2H),7.51−7.40(m,6H),7.35(d,2H),7.16−7.14(d,2H),4.81−4.70(m,4H),4.36(d,2H),3.87(s,3H),3.86(s,3H),3.59−3.50(m,4H),1.46−1.16(m,12H),1.13−1.05(m,4H)。 C3230ClNに対するMS(EI): 552(MH)。
【0195】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチルナフタレン-2-カルボキサミド: H NMR(400MHz,d-DMSO) 2の異性体の1:1混合物:δ8.80−8.75(m,4H),8.27−8.14(m,4H),7.96−7.81(m,10H),7.65−7.59(m,2H),7.53−7.50(m,4H),7.30(m,2H),7.22−7.20(m,2H),4.83−4.80(m,4H),4.69−4.65(m,2H),3.86(s,3H),3.74(s,3H),3.71(m,4H),1.51−1.41(m,8H),1.20(m,8H)。 C3230ClNに対するMS(EI): 552(MH)。
【0196】
N-シクロペンチル-N-(2-{5-[3-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.85−8.78(dd,2H),8.2−8.1(m,2H),7.9−7.8(m,3H),7.5−7.2(m,8H),4.6−4.5(t,2H),4.3(m,1H),4.15(s,2H),3.85(s,3H),3.55(t,2H),1.65−1.15(m,8H)。 C3333に対するMS(EI): 532(MH)。
【0197】
N-シクロペンチル-N-(2-{3-[3-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.85(d,2H),7.96−7.76(m,5H),7.68−7.58(m,2H),7.55−7.32(m,4H),7.24(d,1H),7.05(m,1H),4.6−4.5(m,2H),4.4(m,1H),4.1(s,2H),3.85(s,3H),3.6(t,2H),and 1.65−1.2(m 8H)。 C3333に対するMS(EI): 532(MH)。
【0198】
N-(4-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}ブチル)-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.75−8.65(m,2H),8.08−7.99(m,2H),7.85−7.65(m,5H),7.43−7.17(m,5H),4.30−4.25(m,2H),4.21−4.15(m,1H),4.09(s,2H),3.89(s,3H),3.02(t,2H),1.76−1.73(m,4H),1.57−1.33(m,8H)。 C3536ClNに対するMS(EI): 595(MH)。
【0199】
N-(4-{3-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}ブチル)-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.77−8.74(m,2H),7.96−7.95(m,1H),7.93−7.90(m,1H),7.87−7.80(m,2H),7.78−7.77(m,2H),7.74−7.71(m,1H),7.43−7.31(m,3H),7.23−7.19(m,2H),4.32−4.26(m,2H),4.18−4.14(m,1H),4.09(s,2H),3.86(s,3H),3.10−3.01(m,2H),1.78−1.73(m,4H),1.55−1.34(m,8H)。 C3536ClNに対するMS(EI): 595(MH)。
【0200】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチルベンズアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.79(m,2H),8.12(m,2H),8.00−7.93(m,1H),7.85(m,1H),7.40−731(m,4H),7.16−7.12(m,2H),4.65−4.52(m,2H),3.95(s,3H),3.84(m,1H),3.70(t,2H),1.51−1.49(m,4H),1.27−1.51(m,4H)。 C2828ClNに対するMS(EI): 502(MH)。
【0201】
N-(2-{3-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチルベンズアミド:H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.73(d,2H),7.95−7.91(m,2H),7.85−7.84(m,2H),7.31−7.29(m,3H),7.22(d,1H),7.06(d,2H),4.60(m,2H),3.86(s,3H),3.76(m,1H),3.63(t,2H),1.42(m,4H),1.22−1.19(m,4H)。 C2828ClNに対するMS(EI): 502(MH)。
【0202】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチルキノリン-4-カルボキサミド: H NMR(400MHz,d-DMSO) 2の異性体の混合物:δ8.99−8.98(d,2H),8.93−8.91(m,2H),8.81−8.80(m,2H),8.16−8.08(m,6H),8.04−8.02(m,2H),7.90−7.82(m,3H),7.82−7.75(m,3H),7.66−7.61(m,2H),7.45(d,1H),7.40(d,1H),7.36−7.34(m,2H),4.91−4.84(m,4H),4.03(s,3H),4.01(s,3H),3.99−3.91(m,4H),3.64−3.42(m,2H),1.89−1.82(m,2H),1.62(m,2H),1.50−1.40(m,8H),1.39−1.20(m,4H)。 C3129ClNに対するMS(EI): 553(MH)。
【0203】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチル-N’−ナフタレン−1−イル尿素: H NMR(400MHz,d−DMSO) 2の異性体の混合物:δ8.68−8.62(m,4H),8.42(m,2H),7.97−7.74(m,10H),7.72−7.33(m,10H),7.23−7.13(m,4H),4.50−4.45(m,4H),4.29−4.23(m,2H),3.86(s,3H),3.82(s,3H),3.63(m,4H),1.69−1.23(m,16H)。 C3231ClNに対するMS(EI): 567(MH)。
【0204】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチル-N'-フェニル尿素: H NMR(400MHz,d-DMSO) 2の異性体の混合物:δ8.77−8.75(m,4H),8.34−8.32(m,2H),8.08−8.01(m,4H),7.90−7.74(m,4H),7.39−7.34(m,5H),7.28−7.23(m,5H),7.02−6.97(m,2H),4.56(t,4H),4.29−4.04(m,2H),3.99(s,3H),3.89(s,3H),3.70−3.64(m,4H),1.65−1.21(m,16H)。 C2829ClNに対するMS(EI): 517(MH)。
【0205】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチル-2-フェニルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO) mixture of 2 isomers:δ8.77−8.67(m,4H),8.00−7.92(m,4H),7.85−7.72(m,4H),7.30−7.16(m,12H),4.50−4.43(m,4H),4.16−4.12(m,2H),3.95(s,3H),3.91(s,3H),3.65(s,2H),3.61(s,2H),3.52−3.49(m,4H),1.56−1.11(m,16H)。 C2930ClNに対するMS(EI): 516(MH)。
【0206】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,CDCl):δ8.11−6.99(m,15H),4.58(m,2H),4.37−3.86(m,8H),1.82−1.23(m,8H)。 C3433ClNに対するMS(EI): 566(MH)。
【0207】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)シクロペンタンアミン: H NMR(400MHz,CDCl):δ8.19−6.93(m,9H),6.38(m,1H),4.82(m,2H),4.23(m,1H),3.87(m,3H),2.04−1.28(m,8H)。 C2224ClNに対するMS(EI): 411(MH)。
【0208】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-(1-メチルエチル)-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.76−8.77(m,2H),7.98−8.03(m,2H),7.85−7.88(d,1H),7.77−7.79(d,1H),7.72−7.73(m,2H),7.66−7.68(m,1H),7.41−7.46(m,1H),7.25−7.37(m,4H),4.50−4.58(m,4H),3.96(d,5H)。 C2824ClNに対するMS(EI): 499(MH)。
【0209】
N-(2-{3-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-(1-メチルエチル)-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.77−8.78(m,2H),8.03−8.08(m,2H),7.88−7.89(m,1H),7.79−7.81(m,3H),7.66−7.68(m,1H),7.45−7.49(t,1H),7.30−7.41(m,3H),7.10−7.12(m,1H),4.52−4.55(m,2H),4.14(s,2H),3.93(s,3H),3373−3.76(m,2H),2.71−2.78(m,1H),0.78−0.85(m,6H)。 C3130ClNに対するMS(EI): 541(MH)。
【0210】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロヘキシル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.69−8.71(m,2H),7.88−7.97(m,5H),7.75−7.83(m,2H),7.48−7.51(m,2H),7.39−7.44(m,1H),7.29−7.33(m,2H),4.38−4.41(t,2H),4.16(s,2H),3.90−3.95(m,4H),3.55−3.59(m,2H),1.06−1.56(m,10H)。 C3434ClNに対するMS(EI): 581(MH)。
【0211】
N-(2-{3-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロヘキシル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.77−8.78(m,2H),7.98−8.03(m,2H),7.91−7.96(m,2H),7.81−7.84(m,3H),7.49−7.52(m,1H),7.40−7.44(m,1H),7.28−7.31(m,3H),4.41−4.45(m,2H),4.14(s,2H),3.93(s,3H),3.65−3.77(m,1H),3.56−3.62(m,2H),0.94−1.57(m,10H)。 C3434ClNに対するMS(EI): 581(MH)。
【0212】
N-(2-{3-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロプロピル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.76−8.78(m,2H),7.87−8.05(m,5H),7.81−7.83(m,2H),7.49−7.51(m,2H),7.39−7.44(m,1H),7.24−7.31(m,2H),4.45−4.54(m,2H),4.17−4.24(m,1H),4.10(s,2H),3.92−3.95(s,3H),3.60−3.64(m,2H),0.97−1.10(m,4H)。 C3128ClNに対するMS(EI): 539(MH)。
【0213】
N-シクロペンチル-N-(2-{5-[4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.8(d,2H),8.18(d,2H),7.8−7.6(m,5H),7.5−7.35(m,3H),7.25(d,2H),7.1(d,2H),4.5(t,2H),4.3(m,1H),4.15(s,2H),3.85(s,2H),3.58(t,2H),1.7−1.2(m,8H)。 C3333に対するMS(EI): 532(MH)。
【0214】
N-シクロペンチル-N-(2-{3-[4-(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.8(d,2H),8.0−7.78(m,7H),7.5−7.35(m,3H),7.2(d,2H),7.05(d,2H),4.5(t,2H),4.3(m,1H),4.1(s,2H),3.8(s,2H),3.55(t,2H),1.65−1.2(m,8H)。 C3333に対するMS(EI): 532(MH)。
【0215】
N-(2-{5-[3,4-ビス(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.7(d,2H),7.95−7.8(m,5H),7.5−7.2(m,6H),7.1(d,1H),4.55−4.5(t,2H),4.3(m,1H),4.15(s,2H),3.85(s,3H),3.75(s,3H),3.55(t,2H) and 1.65−1.2(m 8H)。 C3435に対するMS(EI): 562(MH)。
【0216】
N-(2-{3-[3,4-ビス(メチルオキシ)フェニル]-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.8(d,2H),7.9−7.8(m,5H),7.6−7.35(m,5H),7.25(d,1H),7.05(m,1H),4.6−4.5(t,2H),4.3(m,1H),4.1(s,2H),3.8(s,s,6H),3.6(m,2H)及び1.65−1.2(m,8H)。 C3435に対するMS(EI): 562(MH)。
【0217】
N-シクロペンチル-N-[2-(5-メチル-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル]-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.8(d,2H),8.15−8.05(d,2H),7.95−7.8(m,3H),7.5−7.3(m,4H),4.5−5.35(m,3H),4.25(s,2H),3.55(t,2H),2.45(s,3H),及び1.8−1.3(m,8H)。 C2729Oに対するMS(EI): 440(MH)。
【0218】
N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-[2-(3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル]アセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.9−8.8(m,2H),8.65(s,1H),8.2−8.1(d,2H),7.95−7.75(m,3H),7.6−7.3(m,4H),4.6−4.45(t,2H),4.3(m,1H),4.25(s,2H),3.6(t,2H)及び1.8−1.3(m,8H)。 C2627Oに対するMS(EI): 426(MH)。
【0219】
N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-(2-{3-ピリジン-4-イル-5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)アセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.8(d,2H),8-2−8.05(m,4H),8.0(d,1H),7.9−7.75(m,4H),7.5−7.3(m,3H),7.2(d,1H),4.6−4.5(t,2H),4.25(m,1H),4.1(s,2H),3.6(t,2H),1.6−1.2(m,8H)。 C3330OFに対するMS(EI): 570(MH)。
【0220】
N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-(2-{5-ピリジン-4-イル-3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)アセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.8(d,2H),8.35−8.3(d,2H),7.9−7.7(m,7H),7.5−7.1(m,4H),4.65−4.5(t,2H),4.3(m,1H),4.1(s,2H),3.6(t,2H),1.65−1.35(m,8H)。 C3330OFに対するMS(EI): 570(MH)。
【0221】
N-シクロペンチル-N-{2-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル]エチル}-2-ナフタレン-1-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.7(m,2H),7.95−7.75(m,8H),7.5−7.2(m,4H),4.55−4.45(t,2H),4.25(m,1H),3.55(t,2H),1.65−1.2(m,8H)。 C3229OClに対するMS(EI): 570(MH)。
【0222】
N-(2-{5-[3-クロロ-4-(メチルオキシ)フェニル]-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル}エチル)-N-シクロペンチル-2-ナフタレン-2-イルアセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO) 2の異性体の混合物:δ8.73(dd,2H),8.63(dd,2H),7.96−7.88(m,4H),7.83−7.73(m,8H),7.45−7.38(m,7H),7.28−7.19(m,5H),4.47−4.04(m,4H),4.22−4.16(m,2H),3.87(s,3H),3.86(s,3H),3.77(s,2H),3.73(s,2H),3.53−3.47(m,4H),1.41−1.31(m,12H),1.11−1.08(m,4H)。 C3332ClNに対するMS(EI): 566(MH)。
【0223】
N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-[2-(5-フェニル-3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル]アセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.65(m,2H),8.15−7.7(m,7H),7.6−7.05(m,4H),4.6−4.4(m,3H),4.4−4.0(m,3H),3.8(m,1H),3.6(m,2H),1.65−1.20(m,8H)。 C3231Oに対するMS(EI): 502(MH)。
【0224】
N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-[2-(3-フェニル-5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル]アセトアミド: H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.8(m,2H),8.05(m,2H),7.7−7.95(m,5H),7.6−7.1(m,7H),4.6−4.4(m,2H),4.4−4.0(m,3H),3.6(m,2H),1.65−1.20(m,8H) C3231Oに対するMS(EI): 502(MH)。
【0225】
実施例2
N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-[2-(3-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)エチル]アセトアミド: A DMF (5 mL) solution of N-(2-シアノエチル)シクロペンチルアミン(4.7mL,32.mmol)のDMF(5mL)溶液を、HATU(15.3g,40.3mmol)、1-ナフチル酢酸(5.0g,27mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(7.0mL,40mmol)のDMF(40mL)撹拌溶液に添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。LiCl(5%)水溶液を添加し、混合物を酢酸エチル(100mL)で3回抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗生成物を更なる精製なしに次の工程に運んだ。この生成物(3.35g,11.0mmol)、イソニコチンヒドラジド(1.0g,7.3mmol)及びナトリウムメトキシド(600mg,11mmol)のサンプルを圧力管に移した。エタノール(4mL)を添加し、反応物を120℃で一晩撹拌した。反応をLCMSによってモニターした。完了時に、エタノールを真空除去して生成物を固形物として得た。粗混合物を調製用HPLCによって分離し、凍結乾燥して固形物を得た。 H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.8(m,2H),8.2(m,2H),8.0−7.85(m,2H),7.8−7.7(m,1H),7.6−7.3(m,4H),4.5−4.3(m,2H),3.5(t,2H),3.3−3.0(m,2H),1.8−1.3(m,9H)。 C2627Oに対するMS(EI): 426(MH)。
【0226】
N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-[2-(3-ピリジン-4-イル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)エチル]アセトアミド: 4-シアノピリジン(10.0g,96.0mmol)とヒドロキシルアミン(17.6mL,50重量%水溶液,288mmol)のエタノール(100mL)混合物を一晩加熱して還流した。冷却時に、白色固形物が沈殿した。この物質を濾過によって集め、エタノールから再結晶化させて、アルドキシムを白色針状物として得た(10.1g,77%)。Boc-β-アラニン(2.95g,15.6mmol)とジイソプロピルエチルアミン(6.8mL,39mmol)のDMF(100mL)溶液にHOBt(2.3g,17mmol)とEDCI(3.3g,17mmol)を添加した。その混合物を室温で1時間撹拌した後、上で得られたアルドキシムの一部(1.8g,13mmol)を添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、ついで5%の塩化リチウム(100mL)で希釈した。混合物を酢酸エチル(3x)で抽出し、混合した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム及び塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリエバポレータで濃縮した。残留物をTHF(200mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(13mL,1MのTHF溶液,13mmol)を添加した。溶液を室温で4時間撹拌し、溶媒をロータリエバポレータで除去した。残留物を酢酸エチルに取り上げ、有機層を水及び塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリエバポレータで濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、白色固形物としてオキサジアゾールを得た(2.4g,64%)。このオキサジアゾール(1.0g,3.4mmol)の一部をジオキサン(20mL)とメタノール(10mL)に溶解させた後、HClのジオキサン溶液(10mL,4M溶液,40mmol)で処理した。その混合物を一晩室温で撹拌し溶媒をロータリエバポレータで除去して白色固形物を得た。この残留物をメタノール(25mL)に取り上げ、シクロペンタノン(330mL,3.7mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、水素化シアノホウ素ナトリウム(3.7mL,1MのTHF溶液,3.7mmol)をついで加えた。酢酸を滴下して加えて、反応物のpHを5にし、ついで反応物を室温で一晩撹拌した。反応物をロータリエバポレータで濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して白色固形物を得た(515mg,59%)。この固形物の一部(300mg,1.16mmol)、1-ナフチル酢酸(180mg,1.0mmol)、HATU(4351.1mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(400mL,2.3mmol)をDMF(10mL)中で一晩室温にて撹拌した。ついで、残留物を5%の塩化リチウム(10mL)で希釈し、混合物を酢酸エチル(3x)で抽出した。混合した有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ロータリエバポレータで濃縮した。残留物を調製用HPLCによって精製して表題化合物を白色固形物として得た(155mg,31%)。 H NMR(400MHz,d-DMSO):δ8.82(m,2H),7.90(m,5H),7.41(m,4H),4.37(m,1H),4.24(s,2H),3.66(t,2H),3.27(t,2H),1.60(m,8H)。 C2626に対するMS(EI): 427(MH)。
【0227】
アッセイ
活性のアッセイでは、一般にTie-2、又は本発明による化合物を、点在するサンプル収納区域を備えた不溶性の支持体(例えば、マイクロタイタープレート、アレイなど)に非拡散的に結合させる。不溶性の支持体は、組成物が結合することのできればどのような組成でできていてもよく、可溶性の材料から容易に離れ、他の点ではスクリーニング方法全般と適合性がある。このような支持体の表面は、中実でも多孔性でもよく、好都合などんな形状をしていてもよい。適切な不溶性支持体の例には、マイクロタイタープレート、アレイ、膜、およびビーズが含まれる。これらは、通常は、ガラス、プラスチック(例えばポリスチレン)、多糖類、ナイロンもしくはニトロセルロース、テフロン(商標)製などである。少量の試薬およびサンプルを使用して多数のアッセイを同時に実施することができるので、マイクロタイタープレート及びアレイが特に好都合である。化合物を結合させる特定の方法は、その方法が、試薬及び本発明の方法全般と適合性があり、組成物の活性を維持し、非拡散性である限り重要でない。例示的な結合方法には、(そのタンパク質が支持体に結合するときにリガンド結合部位または活性化配列を立体的にブロックしない)抗体の使用、「粘着性」またはイオン性の支持体への直接的な結合、化学的架橋、表面上でのタンパク質または薬剤の合成などが含まれる。タンパク質または薬剤を結合させた後、洗浄して結合していない余分な材料を除去する。ついで、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、もしくは他の無害なタンパク質、又は他の部分と共にインキュベートして、サンプル収納区域をブロックすることができる。
【0228】
阻害度の一つの測定手段はKである。IC50が1μM未満の化合物では、K又はKは、Tie-2との薬剤の相互作用に対する解離速度定数と定義される。組成物の例は、例えば、約100μM未満、約10μM未満、約1μM未満のKを有し、更に例えば、約100nM未満、また更に例えば約10nM未満のKを有する。化合物のKは、3つの仮定に基づきIC50から決定することができる。第1に、一つの化合物分子のみが酵素に結合し、協同性はないこと。第2に、活性酵素と試験される化合物の濃度は知られていること(つまり、製剤中に不純物又は不活性な形が有意な量で存在しない)。第3に、酵素-阻害剤複合体の酵素レートはゼロであること。レートデータ(すなわち、化合物濃度)は式:

に則しており、ここで、Vは観察されたレート、Vmaxは、遊離酵素のレート、Iは阻害剤濃度、Eは酵素濃度、Kは、酵素-阻害剤複合体の解離定数である。
【0229】
阻害度の他の測定手段は、細胞増殖速度が50パーセント減少することになる化合物濃度と定義されるGI50である。例示的化合物は、例えば約1mM未満、約10μM未満、約1μM未満のGI50を有し、更に例えば約100nM未満のGI50を有し、また更に約10nM未満のGI50を有する。GI50の測定は細胞増殖アッセイを使用してなされる。
【0230】
チロシンキナーゼ活性は、1)ポリグルタミン酸、チロシン(pEY)のようなジェネリックな基質の存在下でのキナーゼ依存性ATP消費の測定、ルシフェラーゼ/ルシフェリン媒介化学発光又は;2)ポリスチレンマイクロタイタープレートのウェル表面に吸着されたジェネリックな基質中への33P-ATPから誘導された放射性ホスフェートの取り込みによって、定量される。リン酸化基質産物はシンチレーション分光測定によって定量される。
【0231】
構造活性関係
表2は本発明の選択された化合物に対する構造活性関係データを示す。阻害度は次の記号のIC50として示す:A=50nM未満のIC50、B=50nMより大きいが1000nM以下のIC50、C=1000nMより大きいが10000nM未満のIC50、D=10000nM以上のIC50。ヒト酵素Tie-2の略号は免疫グロブリン及びEGF反復を持つチロシンキナーゼとして定義される。


















【特許請求の範囲】
【請求項1】
キナーゼ依存性疾患又は症状を治療する方法において、式I

[上式中、
及びRは、それぞれの場合に、それぞれ独立して-H、ハロゲン、-CN、-NH、-CF、-NO、-OR、-N(R)R、-N(R)N(R)R、-S(O)0-2、-SON(R)R、-CO、-C(O)N(R)R、-N(R)SO、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)CO0−6アルキル-N(R)R、-N(R)CO、-C(O)R、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
mとnはそれぞれ0から4であり;
Aは-N=、-N(H)-、-C(H)=;-O-、及び-S-から選択され;
BはA、-C(H)=C(H)-、-C(H)=N-、-N=C(H)-、-N=N-から選択され;
Lは置換されていてもよいC1−6アルキレンであり;
Xは-N(R)-であり;
は、-H、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
Zは、R、RC(=O)-、R(R)NC(=O)-、RSO-、R(R)NSO-、及びRC(=NR)-から選択され;
は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
場合によっては、RとRは、それらが結合する原子及びXにZを結合させる任意の更なる原子と共に、組合わさって、第一の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環を形成し、該第一の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環は、N、O、S、及びPから選択される少なくとも一の更なるヘテロ原子を含んでいてもよく;
は、-H、-NO、-NH、-N(R)R、-CN、-OR、及び置換されていてもよいC1−6アルキルから選択され;
Yは独立して=C(H)-又は=N-の何れかであり、但し、Yを担持する環の=N-は3以下であり;
各Rは-H又はRであり;
各Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
場合によってはR及びRは、それらが結合する共通の窒素と共に、第二の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環を形成し、該第二の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環はN、O、S、及びPから選択される少なくとも一の更なるヘテロ原子を含んでいてもよい]
の化合物の治療的有効量を、そのような治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる方法。
【請求項2】
化合物が、次のもの

(上式中、Eは-S-又は-O-である)の一つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
Lが置換されていてもよいC1−4アルキレンである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
が-Hか置換されていてもよいアルキルの何れかである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
Zが、RC(=O)-又はRSO-の何れかである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
化合物が、次のもの

の一つである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
が、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル又は置換されていてもよいヘテロアリールC1−6アルキルの何れかである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
が、-H、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、及び置換されていてもよいヘテロアリールから選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
Lが置換されていてもよい-CHCH-である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
が、置換されていてもよいシクロアリール又は置換されていてもよい分枝状アルキルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
Zが、RC(=O)-である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
Lが-CHCH-である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
が、置換されていてもよいアリールC1−6アルキルである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
が、置換されていてもよい-CH-ナフチレンである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
が、置換されていてもよい-CH-1-ナフチレンである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
が、-CH-1-ナフチレンである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
の少なくとも一が、-NH、-N(R)R、-N(R)N(R)R、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)CO0−6アルキル-N(R)R、及び-N(R)COから選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
の上記少なくとも一が、Rを担持するピリジン環の窒素に対してオルトである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
化合物が、表3から選択される、請求項1に記載の方法。































【請求項20】
請求項1ないし19の何れか一項に記載の方法であって、上記キナーゼ依存性疾患又は症状の治療がTie-2のインビボ活性を調節することを含む方法。
【請求項21】
Tie-2のインビボ活性の調節がTie-2の阻害を含んでなる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
抑制されない、異常な及び/又は望まれない細胞活性を伴う疾患又は障害を治療する方法において、請求項1ないし19の何れか一項に記載の化合物の治療的有効量を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる方法。
【請求項23】
組成物が医薬組成物であり、哺乳動物がヒトである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
Tie-2のモジュレータをスクリーニングする方法において、請求項1ないし19の何れか一項に記載の化合物を含む組成物と少なくとも一の候補薬剤を混合し、Tie-2の活性に対する候補薬剤の効果を決定することを含む方法。
【請求項25】
細胞の増殖活性を阻害する方法において、請求項1ないし19の何れか一項に記載の化合物の有効量を一の細胞又は複数の細胞に投与することを含む方法。
【請求項26】
Tie-2を阻害する方法において、請求項1ないし19の何れか一項に記載の化合物にTie-2の天然又は修飾形態の何れかを暴露することを含む方法。
【請求項27】
式II

[上式中、
Wは次の式:

の一つから選択され、
但し、Z-X-L-は示したWの左側に結合し、Yを含む環は示したWの右側に結合しており;
Eは-S-又は-O-であり;
及びRは、それぞれの場合に、それぞれ独立して-H、ハロゲン、-CN、-NH、-CF、-NO、-OR、-N(R)R、-N(R)N(R)R、-S(O)0-2、-SON(R)R、-CO、-C(O)N(R)R、-N(R)SO、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)CO0−6アルキル-N(R)R、-N(R)CO、-C(O)R、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
nは0から4であり;
Lは置換されていてもよいC1−6アルキレンであり;
Xは-N(R)-であり;
は、-H、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
Zは、R、RC(=O)-、R(R)NC(=O)-、RSO-、R(R)NSO-、及びRC(=NR)-から選択され;
は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
場合によっては、RとRは、それらが結合する原子及びXにZを結合させる任意の更なる原子と共に、組合わさって、第一の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環を形成し、該第一の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環は、N、O、S、及びPから選択される少なくとも一の更なるヘテロ原子を含んでいてもよく;
は、-H、-NO、-NH、-N(R)R、-CN、-OR、及び置換されていてもよいC1−6アルキルから選択され;
Yは独立して=C(H)-又は=N-の何れかであり、但し、Yを担持する環の=N-は3以下であり;
各Rは-H又はRであり;
各Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル、置換されていてもよいヘテロシクリル、及び置換されていてもよいヘテロシクリルC1−6アルキルから選択され;
場合によってはR及びRは、それらが結合する共通の窒素と共に、第二の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環を形成し、該第二の置換されていてもよい5〜7員のヘテロシクリル環はN、O、S、及びPから選択される少なくとも一の更なるヘテロ原子を含んでいてもよい]
の、キナーゼ活性調節化合物又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、又はプロドラッグ。
【請求項28】
Lが置換されていてもよいC1−4アルキレンである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
Yのゼロ又は一が=(N)-である、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
が-Hか置換されていてもよいアルキルの何れかである、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
Zが、RC(=O)-又はRSO-の何れかである、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
Yが=C(H)-である、請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
が、置換されていてもよいアリールC1−6アルキル又は置換されていてもよいヘテロアリールC1−6アルキルの何れかである、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
が、置換されていてもよいアリール又は置換されていてもよいヘテロアリールの何れかである、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
Lが置換されていてもよい-CHCH-である、請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
が、置換されていてもよいシクロアルキル又は置換されていてもよい分枝状アルキルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
ZがRC(=O)-である、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
Lが-CHCH-である、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
が、置換されていてもよいアリールC1−6アルキルである、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
が、置換されていてもよい-CH-ナフチレンである、請求項39に記載の化合物。
【請求項41】
が、置換されていてもよい-CH-1-ナフチレンである、請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
が、-CH-1-ナフチレンである、請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
の少なくとも一が、-NH、-N(R)R、-N(R)N(R)R、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)CO0−6アルキル-N(R)R、及び-N(R)COから選択される、請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
の上記少なくとも一が、Rを担持するピリジン環の窒素に対してオルトである、請求項43に記載の化合物。
【請求項45】
N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-[2-(5-ピリジン-4-イル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)エチル]アセトアミド、N-シクロペンチル-2-ナフタレン-1-イル-N-[2-(3-ピリジン-4-イル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)エチル]アセトアミド、及びN-シクロペンチル-N-(2-{4-[4-(メチルオキシ)フェニル]-2-ピリジン-4-イル-1H-イミダゾール-5-イル}エチル}-2-ナフタレン-1-イルアセトアミドから選択される、請求項27に記載の化合物。
【請求項46】
請求項27ないし45の何れか一項に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体を含有する医薬組成物。
【請求項47】
請求項27ないし46の何れか一項に記載の化合物又は医薬組成物の代謝産物。
【請求項48】
キナーゼ依存性疾患又は症状を治療する方法において、請求項27ないし46の何れか一項に記載の化合物又は医薬組成物の治療的有効量を、そのような治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる方法。
【請求項49】
キナーゼのインビボ活性を調節する方法において、請求項27ないし46の何れか一項に記載の化合物又は医薬組成物の有効量を患者に投与することを含んでなる方法。
【請求項50】
キナーゼがTie-2である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
Tie-2のインビボ活性の調節がTie-2の阻害を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
請求項27ないし46の何れか一項に記載の化合物又は医薬組成物の治療的有効量を、治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、抑制されない、異常な及び/又は望まれない細胞活性を伴う疾患又は障害を治療する方法。
【請求項53】
Tie-2のモジュレータをスクリーニングする方法において、請求項27ないし46の何れか一項に記載の化合物又は医薬組成物の何れかと少なくとも一の候補薬剤を混合し、Tie-2の活性に対する候補薬剤の効果を決定することを含んでなる方法。
【請求項54】
細胞の増殖活性を阻害する方法において、請求項27ないし45の何れか一項に記載の化合物の有効量を一の細胞又は複数の細胞に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2006−522813(P2006−522813A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509755(P2006−509755)
【出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/010626
【国際公開番号】WO2004/091480
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(504408797)エクセリクシス, インク. (65)
【Fターム(参考)】