説明

X線CT装置

【課題】対象物を適当な姿勢のもとに回転テーブル上に載せてCT撮影を行っても、得られるMPR画像などの直交する3断層像上で比較的簡単な操作を行うことにより、対象物の基準面とCT装置の直交3軸とを沿わせることができ、高精度の寸法・形状計測が可能なX線CT装置を提供する。
【解決手段】CTデータを用いた直交3断層像上で、対象物Wの基準面SR1とすべき面に相当する境界を含む互いに異なる位置の3つ以上の3次元参照領域を設定することにより、その各3次元参照領域中で像の境界を求め、その境界上の代表点A〜Cを決定し、これらの各代表点を通る平面を対象物Wの基準面を表す平面とし、その基準面の方向とCT装置の直交3軸のうちの2軸の方向とが一致するように、CTデータの配列方向もしくは直交3軸側をシフトすることで、基準面に直交する断層像などの表示を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はX線CT装置に関し、特に物体の3次元形状計測に用いるのに適したX線CT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の3次元形状の計測器として、従来、物体の表面にプローブを接触させる接触式の3次元計測器が主として用いられていたが、光学式の非接触式の形状計測器が広まりつつある。非接触式では、接触式の計測で生じ得るプローブの撓みや、試料の変形がなく、また、複雑な形状も高速にスキャンできるという利点がある。しかしながら、非接触式でも接触式と同様に、物体の凹部等が計測できるか否かは、そこにプローブが挿入できるか否か、すなわち光が照射できるか否かに依存し、測定対象に制約がある。そのため、非接触式の3次元計測器でも、実際には物体内部構造の計測はできない。また、表面と裏面の形状計測は同時にできないなどの問題もある。
【0003】
このような従来の接触式並びに非接触式の3次元計測器における諸問題を解決する3次元計測手法として、近年、X線CT装置を用いた3次元形状計測を行う試みが盛んとなりつつある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−240527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、X線CT装置においては、2次元の断層像上で寸法や角度の計測機能を有しており、このような計測は従来から行われてきた。しかし、これまでの問題は、測定している画像が単に2次元の断層像であり、正確に意図をもってあらかじめ調整されている場合を除き、その断層像は対象物の持つ基準面に対して厳密には任意の方向を向いている。
【0005】
すなわち、X線CT装置においては、3次元の空間を格子状に小さく区切り、この区切られた1つ1つの区画で表されるボクセルのそれぞれに、濃度情報を持つCTデータを割り当てて3次元像の情報を構築するのであるが、その濃度情報を持つCTデータは、対象物を回転させる回転テーブルの回転軸を含む互いに直交する3軸に沿ったボクセルデータとして取り扱われる。そして、そのCT装置における直交3軸(x,y,z軸)の方向と、対象物の基準面の方向とは一般に一致せず、よってその測定結果は、基準面の傾きに由来する誤差を含んでいることになる。卑近な例を挙げると、円柱体はその中心軸に直交する面でスライスした場合には円になるが、中心軸に対して直交しない面でスライスした場合には楕円となる。
【0006】
より具体的に述べると、例えば図12に示すような対象物Wにおいて、図中SR1で示される面を基準面として、各部の寸法D1〜D4を測定する場合で、この図に示されている姿勢で回転テーブル上に載せてCT撮影をする場合を例にとると、図13に示すように、回転テーブル3と対象物Wとの間に異物が噛み込んだり、あるいは対象物Wの回転テーブルTへの搭載面(底面)の精度が要求されていない場合等には、基準面SR1が回転テーブルTの回転軸R(z軸)と平行とはならない。X線CT装置では、CT撮影によって得られたX線透過データから、回転軸Rを含む互いに直交する3軸(x,y,z軸)に沿って配列されるボクセル群を構築して3次元情報とするため、寸法D1〜D4を計測すべく基準面SR1に正しく直交する断層像を構築ないしは表示させる術がなく、結局、寸法D1〜D4を正確に計測することができない。
【0007】
また、CTデータからCADデータ(STLなどのポリゴンデータ)に変換し、一般のCADのソフトが持っている機能で計測する手法もあるが、この場合、ポリゴンデータにするときに誤差を含むので計測精度を向上させることができない。
【0008】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、対象物を適当な姿勢のもとに回転テーブル上に載せてCT撮影を行っても、得られるMPR画像などの直交する3断層像上で比較的簡単な操作を行うことによって、対象物の基準面とCT装置の直交3軸とを沿わせることができ、高精度の寸法ないしは形状計測を行うことのできるX線CT装置の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明のX線CT装置は、互いに対向するX線発生装置とX線検出装置の間に、これらのX線発生装置とX線検出装置とを結ぶ線に直交する回転軸を中心として回転する回転テーブルが配置され、その回転テーブル上に対象物を搭載して所定角度の回転を与えるごとにX線透過データを採取することにより、上記回転軸方向を含む互いに直交する3軸方向に沿ったボクセル群からなる3次元のCTデータを得て、任意のスライス面に沿った断層像を構築する再構成演算手段を備えたX線CT装置において、対象物の任意のスライス面に沿った断層像と、その断層像上で指定したスライス面に沿った断層像からなる互いに直交する3つの断層像上で、断層像の境界部分を含む3次元の参照領域を設定する設定手段と、その設定手段により設定された参照領域中における断層像の境界をCTデータを用いて求めるとともに、その境界上の点を代表点として決定する境界点決定手段と、上記設定手段により設定された3つ以上の参照領域の各代表点を通る平面を基準面とし、その基準面の方向と、上記3次元のCTデータを構成するボクセル群が配列方向である上記3軸のうちの2軸方向とが一致するよう、当該2軸側もしくはボクセル群側をシフトさせるシフト手段を備えていることによって特徴づけられる(請求項1)。
【0010】
ここで、本発明においては、上記基準面に直交する第2基準面を、上記設定手段により上記各参照領域とは異なる2つ以上の参照領域を設定することにより求め、上記シフト手段は、これら2つの基準面の方向と、上記3次元のCTデータを構成するボクセル群の配列方向である上記3軸とが一致するよう、当該3軸側もしくはボクセル群側をシフトさせる構成(請求項2)を採用することができる。
【0011】
また、本発明においては、上記基準面および/または第2基準面を、上記直交する3つの断層像上に表示する構成(請求項3)を好適に採用することができる。
【0012】
本発明は、CT撮影により得られ、回転軸方向を含む直交3軸方向に並ぶボクセル群を用いて構築された直交3画像上で、基準面とすべき対象物の断層像の境界上の点を、少なくとも3点指定することにより、その各点を通る平面の方向を求め、その方向とボクセルの配列方向である直交3軸のうちの2軸の方向とが一致するように、軸側もしくはボクセルデータ側をシフトすることにより、基準面に直交する断層像を得て、課題を解決するものである。
【0013】
すなわち、CT撮影により得られたCTデータを用いて、任意の方向に沿った断層像と、その断層像上でスライス面を設定した合計3つの互いに直交する断層像上で、像の同一の面に相当する境界部分を含む参照領域を少なくとも3つ設定し、その各参照領域中における断層像の境界を決定してその境界上の代表点をそれぞれ決定すれば、全ての代表点を通る平面を特定することができる。この平面を基準面として、その基準面の方向と、ボクセル群の配列方向である直交3軸のうちの2軸とが一致するように、軸側もしくはボクセル群側をシフトすることで、CT装置が持つ3軸(回転テーブルの回転軸を含む直交3軸)のうちの2軸と基準面とを沿わせることができる。このような軸もしくはボクセル群のシフトにより、対象物を任意の姿勢で回転テーブル上に載せても、その基準面が実質的にCT装置の直交3軸に沿ったものとなり、断層像は意味のある像、例えば基準面に直交していることが補償された断層像となり、その断層像上で形状・寸法を計測すれば、CT撮影時における対象物の姿勢に関わりなく正確な計測結果を得ることができる。
【0014】
また、各参照領域における境界を、濃度情報を持つCTデータを用いて行うことで、ポリゴンデータに変換する場合に比して、データの変換時の誤差の発生の恐れがなく、この点も合わせて正確な計測結果を得ることができる。
【0015】
そして、請求項2に係る発明のように、同様な手法により上記の基準面に直交する第2基準面を求めることで、ボクセル群の配列方向である直交3軸方向と各基準面の方向とを一致させることができ、さまざまな形状の対象物に対処することができる。
【0016】
請求項3に係る発明のように、基準面および/または第2基準面を断層像上で表示することにより、オペレータによる寸法計測時の指定操作等を容易化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、回転テーブル上に任意の姿勢で対象物を搭載してCT撮影しても、その撮影データを用いて表示させた直交3画像上で、基準面とすべき面の境界を含む複数の3次元参照領域を設定することによって、基準面とCTデータの配列方向とが一致するようにボクセル側もしくは軸側がシフトされる結果、例えば基準面に直交するスライス面に沿った断層像を表示するなど、対象物の形状・寸法の計測に際して意味のある断層像を表示することが可能となり、高い精度で寸法や形状計測を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式図とシステム構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
【0019】
X線発生装置1はそのX線光軸が水平を向くように配置され、このX線発生装置1に水平方向に対向してX線検出器2が配置されており、これらの間に鉛直の回転軸Rの回りに回転が与えられる回転テーブル3が配置されている。X線発生装置1はコーンビーム状のX線を発生し、X線検出器2は2次元検出器である。
【0020】
X線検出器2の出力は、画像データ取り込み回路10を介してコンピュータ11に取り込まれる。コンピュータ11には、対象物の断層像や3次元画像等を表示するための表示器12と、後述する3次元参照領域等を設定したり、各種指令を与えるためのキーボードやマウス、ジョイスティック等からなる操作部13が接続されている。
【0021】
CT撮影に際しては、回転テーブル3上に対象物Wを搭載してX線を照射しつつ、回転テーブル3に回転軸Rの回りの回転を与え、微小回転角度ごとにX線検出器2の出力、つまり対象物WのX線透過データを画像取り込み回路4を介してコンピュータ11に取り込んでいく。
【0022】
対象物Wの360°分のX線透過データが揃うと、コンピュータ11では、対象物Wの3次元情報を、回転軸Rの方向(z軸方向)を含む互いに直交する3軸方向(x,y,z軸方向)に並ぶボクセルの集合として求め、CTデータとしてデータ記憶部5に記憶する。また、コンピュータ11では、以下に示すように求められた基準面の方向と、上記の直交3軸方向とが一致するように、対象物Wの3次元像を構成するボクセルの方向、もしくは軸の方向をシフト(回転)する。
【0023】
さて、前記した図12に示した物品を対象物Wとして例にとり、3次元CTデータ内で基準面SR1を求める方法について以下に説明する。
【0024】
オペレータが操作部13を操作することにより、図2(A)に例示するように、任意のスライス面に沿った断層像、例えば回転軸Rに直交する平面に沿った断層像を表示させ、その断層像上でカーソルL1,L2を移動させることにより、同図(B)および(C)に例示するような断層像を加え、直交3断層像からなるMPR画像表示を行う。そして、これらの直交3断層像上で、基準面SR1とすべき平面の境界を含む直方体からなる3次元の参照領域rAを設定する。この領域rAは回転させることによって、その向きを概ね対象とする面に平行となるようにすることが望ましい。
【0025】
この参照領域rAの設定により、コンピュータ11では、この領域rAのなかで、実際の3次元CTデータの濃度情報から求まる物体の境界に最も近くなる平面を求める。
【0026】
すなわち、図3に示すように、濃度情報を持つ3次元のCTデータの一部に、図2で示した、対象物Wの境界面を含む3次元の参照領域rAを設定する。この参照領域rA中のx,y,z軸の座標値を新たにu,v,wとする。つまり、この参照領域rAのデータ領域は、
−u/2≦x≦u/2, v/2≦x≦v/2,−w/2≦x≦w/2
とする。また、その各座標におけるデータ値(濃度値)をI(x,y,z)と表現する。
【0027】
この参照領域rA内にひとつの平面を仮定し、その式を
* x+b* y+c* z=1 ・・(1) とする。そして、この領域rA内部で
* x+b* y+c* z≦1 ・・(2)
を満たす(x,y,z)のデータ値I(x,y,z)の総和Σ{I(x,y,z)}をPとする。一方、同領域rA内部で、 a* x+b* y+c* z≧1 ・・(3)
を満たす(x,y,z)のデータ値I(x,y,z)の総和Σ{I(x,y,z)}をQとする。
【0028】
そして、P−Qの絶対値を最大にするa,b,cを求め、(1)式に代入する。この求められたa,b,cを代入した(1)式で表される平面は、参照領域rA内における対象物Wの像の境界、つまり基準面SR1を表すことになる。この面の中心を通り、かつ、この面に直交するベクトルを考え、そのベクトルに沿って濃度値のラインプロファイルを算出する。その例を図4に示す。そして、そのラインプロファイルを微分することにより、図5に示すようなグラフを得る。この図5のグラフのピーク値の位置は、そのベクトル方向への像の境界点を表し、このベクトル上の境界点を参照領域rAの代表点としてその座標を記憶する。
【0029】
次に、図6に示すように、同じ直交3断層像上で、基準面SR1に対応する像の境界を含み、かつ、上記とは異なる位置に3次元の参照領域rBを設定する。この設定により、上記と同じ手法にて代表点を求め、その座標を記憶する。更に、図7に示すように、同じ直交3断層像上で、基準面SR1に対応する像の境界を含み、かつ、上記2つとは更に異なる位置に3次元の参照領域rCを設定する。この参照領域rCについても、上記と同様の手法により代表点を求める。
【0030】
以上のようにして求められた3つの代表点は、いずれも対象物Wの3次元像上の基準面SR1上の点であり、図8に3次元像を模式的に示すように、上記した参照領域rA,rB,rCの各代表点A,B,Cは、3次元像の基準面SR1上で互いに異なる位置の点を示すことになる。これらの3つの点A,B,Cを通る平面を求めることにより、3次元像上での基準面SR1の座標(位置と方向)が定まる。この基準面SR1の方向に、CT装置の3次元像を構築している直交3軸(x,y,z軸)のうち、該当の軸(z軸とx軸)を沿わせるように軸側をシフトするか、あるいは基準面SR1の方向が直交3軸のうちの2軸に沿うようにデータ側をシフトすることにより、基準面SR1がz,x軸に沿うような3次元像を得ることができる。このシフトにより、例えば基準面SR1に直交する断層像など、方向に意味のある断層像を表示することが可能となる。
【0031】
以上のようにして得られた基準面SR1は、図9に示すように表示器12の直交3断層像上に表示される。この表示により、オペレータは断層像上で感覚的に基準面SR1の位置を知ることができる。併せてシフト後の画像を表示してもよく、この場合、図2(A)が基準面SR1に直交する断層像となり、前記した図13における寸法D1〜D4が画像上に正確に現れることになる。
【0032】
次に、上記した基準面SR1と直交する第2基準面SR2を設定する場合について説明する。第2基準面SR2が図8に図示する面であるとすると、図10に示すように、直交3断層像上で、上記と同様に、第2基準面SR2に対応する面を含む3次元の参照領域rDを設定してその代表点を求めていくのであるが、この第2基準面SR2を設定する場合には、上記した基準面SR1に対して直交しているという条件があるため、参照領域とその代表点は少なくとも2つであれば足りる。このようにして第2基準面SR2を求めることにより、2つの基準面SR1,SR2とCT装置のx,y,z軸とを一致させることが可能となる。第2基準面SR2を求めた後には、図11に示すように、基準面SR2と併せて断層像上に表示する。
【0033】
以上の場合において、データ側もしくは軸側をシフトすることにより、2つの基準面SR1,SR2の方向とCT装置のx,y,z軸とを一致させることができ、基準面SR1,SR2に直交するスライス面に沿った断層像などを表示させることができる。そして、そのような断層像を表示させた状態で、基準面SR1またはSR2に対して指定したポイントまでの垂直距離を計測する等により、回転テーブル3上の対象物Wの姿勢に影響されることのない正確な寸法計測を行うことができる。
【0034】
また、同一の部材について同じ位置の寸法を繰り返し計測する場合には、上記の手順を記憶しておくことにより、測定の自動化を達成することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態の構成図で、機械的構成を表す模式図とシステム構成を表すブロック図とを併記して示す図である。
【図2】本発明の実施の形態において基準面を求める際の3次元の参照領域の設定の仕方の例の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態において設定された参照領域中での像の境界面の求め方の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態における参照領域中の代表点をCTデータから求める方法の説明図である。
【図5】同じく本発明の実施の形態における参照領域中の代表点をCTデータから求める方法の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態において基準面を求める際の3次元の参照領域の設定の仕方の例の説明図である。
【図7】同じく本発明の実施の形態において基準面を求める際の3次元の参照領域の設定の仕方の例の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態においてCT撮影により得られている3次元像の模式図を用いて示す代表点の位置の例の説明図である。
【図9】本発明の実施の形態において求めた基準面の表示例の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態において第2基準面を求める際の3次元の参照領域の設定の仕方の例の説明図である。
【図11】本発明の実施の形態において求めた基準面と第2基準面の表示例の説明図である。
【図12】X線CT装置を用いて寸法等を計測する対象物の例の斜視図である。
【図13】対象物をX線CT装置の回転テーブル上に載せたときに回転軸と対象物の基準面とが平行とはならない例の説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 X線発生装置
2 X線検出器
3 回転テーブル
10 画像データ取り込み回路
11 コンピュータ
12 表示器
13 操作部
W 対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向するX線発生装置とX線検出装置の間に、これらのX線発生装置とX線検出装置とを結ぶ線に直交する回転軸を中心として回転する回転テーブルが配置され、その回転テーブル上に対象物を搭載して所定角度の回転を与えるごとにX線透過データを採取することにより、上記回転軸方向を含む互いに直交する3軸方向に沿ったボクセル群からなる3次元のCTデータを得て、任意のスライス面に沿った断層像を構築する再構成演算手段を備えたX線CT装置において、
対象物の任意のスライス面に沿った断層像と、その断層像上で指定したスライス面に沿った断層像からなる互いに直交する3つの断層像上で、断層像の境界部分を含む3次元の参照領域を設定する設定手段と、その設定手段により設定された参照領域中における断層像の境界をCTデータを用いて求めるとともに、その境界上の点を代表点として決定する境界点決定手段と、上記設定手段により設定された3つ以上の参照領域の各代表点を通る平面を基準面とし、その基準面の方向と、上記3次元のCTデータを構成するボクセル群の配列方向である上記3軸のうちの2軸方向とが一致するよう、当該2軸側もしくはボクセル群側をシフトさせるシフト手段を備えていることを特徴とするX線CT装置。
【請求項2】
上記基準面に直交する第2基準面を、上記設定手段により上記各参照領域とは異なる2つ以上の参照領域を設定することにより求め、上記シフト手段は、これら2つの基準面の方向と、上記3次元のCTデータを構成するボクセル群の配列方向である上記3軸とが一致するよう、当該3軸側もしくはボクセル群側をシフトさせることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
【請求項3】
上記基準面および/または第2基準面を、上記直交する3つの断層像上に表示することを特徴とする請求項1または2に記載のX線CT装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−292414(P2008−292414A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−140858(P2007−140858)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】