説明

ねじれネマチック液晶を含む高強度多層ラミネート

ねじれネマチック液晶を含む1つ以上の層と20,000psi(138MPa)〜100,000psi(690MPa)の弾性率のポリマーを含むポリマーシートの1つ以上の層とを有する多層ラミネートが提供される。ねじれネマチック液晶層は赤外線を反射する。こうして、本多層ラミネートは赤外線エネルギーの透過を低減するのに有用である。例えば、幾つかの実施形態では、多層ラミネートは、自動車または建物などの構造体の内部を冷却するために必要なエネルギー消費を低減するための窓として有用である。好ましくは、多層ラミネートは安全ガラスの有益な特性を保持する。多層ラミネートは、赤外線エネルギーの透過を最小限にするために、赤外線吸収層、二分の一波長板などの追加の層を含んでもよい。多層ラミネートはまた、ポリマーフィルム、ポリマーシート、硬質シートなどの追加の層をさらに含んでもよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ガラス積層製品はほぼ一世紀の間社会に貢献してきた。フロントガラスに使用される周知の日用自動車安全ガラス以外に、積層ガラスは、列車、飛行機、船、およびほぼあらゆる他の様式の輸送機関用の窓として使用される。安全ガラスは、高い耐衝撃性および貫入抵抗で特徴づけられ、粉々に割られたときにガラス破片およびデブリをまき散らさない。
【0002】
安全ガラスは典型的には、2つのガラスシート間に置かれている、ポリマーフィルムまたはシートの中間層で一緒に接合された2つのガラスシートまたはパネルのサンドイッチからなる。ガラスシートの1つまたは両方が、ポリカーボネート材料のシートなどの、光学的に透明な硬質ポリマーシートで置き換えられてもよい。安全ガラスはさらに、ポリマーフィルムまたはシートの中間層で一緒に接合されたガラスおよびポリマーシートの多層を含むように発展されてきた。
【0003】
中間層は典型的には、靱性と亀裂または破壊の場合にガラスへの粘着性を提供するための接合性とを示す、比較的厚いポリマーシートである。一般に、これらのポリマー中間層は、他の要件のうちでも、非常に高い光学的透明度、低いヘイズ、高い耐衝撃性、高い貫入抵抗、優れた耐紫外線性、良好な長期熱安定性、ガラスおよび他の硬質ポリマーシートへの優れた接着性、低い紫外線透過率、低い吸湿性、高い防湿性、および優れた長期耐候性をはじめとする特性の組み合わせを有することが望ましい。
【0004】
より最近の傾向としては、家庭およびオフィス構造体の建設にガラス積層製品が使用されている。建築ガラスの使用は、設計者がより多くのガラス表面を建物へ組み入れるにつれて長年にわたって急速に拡大してきた。耐脅威性は、建築ガラス積層製品に対するますます増大する要件になってきた。これらのより新しい製品は、自然および人工災害の両方に耐えるようにデザインされる。これらのニーズの例には、ハリケーンの影響を受けやすい地域で現在義務づけられている、耐ハリケーン性ガラス、窃盗防止グレージング、ならびに建物およびそれらの居住者を保護するようにデザインされたより最近の爆破耐性ガラス積層製品の最近の開発が挙げられる。これらの製品の幾つかは、ガラスラミネートが破壊されてしまった後でさえ、例えば、ガラスラミネートが強風およびハリケーンで起こるような飛来デブリスの衝撃にさらされるときに、または車両もしくは構造体への侵入を試みる犯罪者による窓への衝撃が繰り返しある場合に、侵入に抵抗するのに十分な大きな強度を有する。
【0005】
社会は、上記の安全特性を越えた積層ガラス製品のより多くの機能性を要求し続けている。ニーズの一分野は、積層ガラスが適用される自動車または建物などの構造体内のエネルギー消費を低減することである。太陽のエネルギーは、350nm〜2,100nmの広いスペクトル範囲にわたって地球に衝突する。該エネルギーのほぼ半分は750nm〜2,100nmの近赤外領域内にある。可視領域からのエネルギーの除去は、窓を通しての視覚的透明性を犠牲にし、それ故、窓の利点の1つを損なうであろう。しかしながら、人間の目は近赤外領域を感知しないので、ガラスおよび/またはポリマー中間層を改質することによって、さらなる層またはそれらの組み合わせの追加によってガラスラミネートによる近赤外領域からのエネルギーの透過を防ごうとする試みが行われてきた。
【0006】
液晶は、スメクチック、ネマチックおよびねじれネマチック(またはコレステリックもしくはキラルネマチック)形態をはじめとする、多くの異なる形態で現れることが知られている。一般的な液晶、特にねじれネマチック液晶の構造の包括的な説明は、P.G.デ・ゲネス(P.G.de Gennes)、J.プロスト(J.Prost)著、「液晶の物理学(The Physics of Liquid Crystals)」、Oxford University Press、1995年に示されている。
【0007】
ねじれネマチック液晶性材料はまた、例えば、米国特許第3,679,290号明細書、同第4,637,896号明細書、同第6,300,454号明細書、同第6,417,902号明細書、同第6,486,338号明細書およびそれらに開示された参考文献にも開示されている。液晶性材料のキラリティーは、ねじれネマチック相の存在を決定する。液晶性材料内のキラル部分の存在は、ねじれネマチック相の存在を誘導する。
【0008】
液晶性材料は、太陽放射線をコントロールするためのグレージングでの使用について考慮されてきた。ミセルの液晶材料(液晶材料の個別粒子)をマトリックス材料内に組み入れるデバイスは一般に、透明なグレージングに許容されないレベルでのヘイズを示す。液晶性材料(非ミセル液晶性材料)の連続コーティングおよびフィルムは、米国特許第3,679,290号明細書、同第5,731,886号明細書、同第5,506,704号明細書、同第5,793,456号明細書、同第6,831,720号明細書、同第6,630,974号明細書、同第6,661,486号明細書、同第6,710,823号明細書、同第6,656,543号明細書、および同第6,800,337号明細書に開示されてきた。液晶性材料はまた、例えば、米国特許第5,156,452号明細書、同第5,285,299号明細書、同第5,940,150号明細書、同第6,072,549号明細書、同第6,369,868号明細書、同第6,473,143号明細書、および同第6,633,354号明細書に記載されているように、窓グレージング・ユニットに使用されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
光、特に可視領域の波長より長い波長を有する光の透過を低減するのに有効であり、そしてまた有効な高強度安全ガラス・ユニットでもある低ヘイズのグレージング・ユニットをもたらすことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、本発明は、
(a)コレステリック赤外線反射特性を有する非ミセルのねじれネマチック液晶の少なくとも1つの層と、
(b)ASTM(米国材料試験協会)方法D−638によって測定した際に20,000psi(138MPa)〜100,000psi(690MPa)の弾性率のポリマーを含むポリマーシートの少なくとも1つの層と
を含む赤外線を反射するための多層ラミネート品であって、該非ミセルのねじれネマチック液晶の少なくとも1つの層の少なくとも1つの表面が該ポリマーシートの少なくとも1つの層の少なくとも1つの表面と接触している多層ラミネート品を提供する。
【0011】
別の態様では、本多層ラミネート品は、少なくとも1つが非ミセル右回りのねじれネマチック液晶の層であり、少なくとも1つが非ミセル左回りのねじれネマチック液晶の層である、コレステリック赤外線反射特性を有する非ミセルのねじれネマチック液晶の少なくとも2つの層を含む。一実施形態では、等しい数の非ミセル右回りのねじれネマチック液晶層と非ミセル左回りのねじれネマチック液晶層とがある。等しい数の右回りのおよび左回りのねじれネマチック液晶層を有する、かかる一実施形態では、波長λ0で光の反射を示す各非ミセル右回りのねじれネマチック液晶層に対して、おおよそ同じ波長で光の反射を示す相当する非ミセル左回りのねじれネマチック液晶層がある。
【0012】
別の態様では、非ミセルのねじれネマチック液晶の少なくとも1つの層は、100nmより大きい、好ましくは120nmより大きい、より好ましくは150nmより大きい反射帯域幅を有する。
【0013】
別の態様では、本多層ラミネート品は二分の一波長板の少なくとも1つの層をさらに含み、同一の左右像を有する非ミセルのねじれネマチック液晶の少なくとも第1および第2層があり、そして二分の一波長板の少なくとも1つの層が同一の左右像のねじれネマチック液晶の第1および第2層の間に配置される。
【0014】
一実施形態では、本多層ラミネート品は二分の一波長板のn層をさらに含み、nが整数であり、非ミセルのねじれネマチック液晶のnペアの層があり、ペアの各層が同一の左右像を有し、そしてペアの各層が同じ波長領域で光の反射を示し、かつ、同じ波長λ0のための二分の一波長板が同一の左右像を有する非ミセルのねじれネマチック液晶の各ペアの層間に配置される。
【0015】
別の態様では、本多層ラミネート品は少なくとも1つの赤外線吸収層をさらに含む。
【0016】
本多層ラミネート品は、ポリマーフィルムの少なくとも1つの層、硬質シートの少なくとも1つの層、または両方をさらに含んでもよい。別の実施形態は、ポリマーシートの2つの層および硬質シートの2つの層を含む。
【0017】
ねじれネマチック液晶の層はフィルムの形態をとってもよい。好ましくは、ねじれネマチック液晶の層は、ポリマーシート上のコーティングの、またはラミネートに存在する他のシート、例えば、ポリマーフィルム、硬質シートもしくは二分の一波長板の1つ上のコーティング形態にある。ラミネート透明度および低ヘイズのためにねじれネマチック液晶層の非ミセル構造に維持することが重要である。
【0018】
好ましくは、本発明の多層ラミネート品の層は可視光の50%より多くを透過させる。より好ましくは、本発明の多層ラミネート品は可視光の50%より多くを透過させる。
【0019】
本発明の多層ラミネート品は、望ましくない赤外線を反射することによって、それらが使用されている、またはそれらが被着されている構造体または物品のエネルギー要件を低減する。本発明のラミネートは、自動車および建設用途、ならびに他の用途での安全ガラスとしての使用に特に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次の定義は、具体的な場合で特に限定されない限り、本明細書の全体にわたって用いられるような用語に適用される。
【0021】
「(メタ)アクリレート」などの、「(メタ)アクリル」という用語は、本明細書で用いるところでは、単独でまたは組み合わせられた形態で、アクリルおよび/またはメタクリル、例えば、アクリル酸および/またはメタクリル酸、またはアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートを意味する。
【0022】
本明細書で用いるところでは、「約」という用語は、量、サイズ、処方、パラメーター、および他の量および特性が正確ではないこと、および正確である必要はないが、許容範囲、変換係数、端数計算、測定誤差など、ならびに当業者に公知の他の因子を反映して、必要に応じて、おおよそであってもおよび/またはより大きくてももしくはより小さくてもよいことを意味する。一般に、量、サイズ、処方、パラメーターもしくは他の量または特性は、おおよそである旨が明示されているか否かにかかわらず、「約」または「おおよそ」である。
【0023】
「または」という用語は、本明細書で用いるところでは、すべてを含んでおり、より具体的には、「AまたはB」という語句は「A、B、またはAおよびBの両方」を意味する。排他的な「または」は本明細書では、例えば、「AかBかのどちらか」および「AまたはBの1つ」などの用語によって指定される。
【0024】
本明細書に示されるすべての百分率、部、比などは重量による。
【0025】
加えて、本明細書に示される範囲は、特に明確に明記されない限り、それらの終点を含む。さらに、量、濃度、または他の値もしくはパラメーターが範囲、1つ以上の好ましい範囲または好ましい上限値および好ましい下限値のリストとして与えられるとき、これは、かかるペアが別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意の範囲上限または好ましい値と任意の範囲下限または好ましい値との任意のペアから形成されるすべての範囲を具体的に開示するものとして理解されるべきである。
【0026】
ねじれネマチック相中の液晶性材料の、赤外、可視または紫外領域の光を選択的に反射する能力は多くの用途で有用である。平面偏光または非偏光の伝播方向がねじれネマチック層のらせん軸に沿って存在するとき、最大反射の波長λ0は、方程式λ0=nap(式中、naはnoおよびneの平均であり、noおよびneは伝播方向に測定された、ねじれネマチック相のそれぞれ普通のおよび異常な屈折率であり、pはらせんのピッチ(らせんが繰り返し現れるためにとる距離である)である)によって決定される。λ0近傍の外の光は本質的に、ねじれネマチック材料による影響を受けない。波長λ0近傍の波長の光に対して、ねじれネマチック相は、反射されたおよび透過されたビームの両方が実質的に円偏光している状態で、無視できる吸収を仮定すると、光のおおよそ50%が反射され、そして光のおおよそ50%が透過されるような光の選択的反射を示す。右回りのらせんは右回りの円偏光を反射し、左回りの円偏光を透過する。λ0回りを中心とするこの反射された波長帯域の帯域幅Δλは、式Δλ=λ0・Δn/na(ここで、Δn=ne−no、液晶材料中に存在する固有の複屈折の現れである)によって求めることができる。ピッチpは、キラルドーパントの量、ドーパントのねじれ力およびネマチック材料の選択を操作することによって効果的に調整することができる。ピッチは、温度、温度の変化での巻き戻しまたは引き締め、電界、ドーパント、および他の環境上の要件に敏感である。このように、ねじれネマチック相では、ピッチ、従って最大反射の波長の操作は、多種多様なツールで行うことができる。さらに、反射された波長帯域の帯域幅Δλはまた、米国特許第5,506,704号明細書および同第5,793,456号明細書に開示されているように操作することができる。通常の材料については、可視領域での典型的な帯域幅は90nm未満である。
【0027】
ねじれネマチック物質のらせん本質の固有の回転向き、すなわち、それが右回りであるか左回りであるかに依存して、透過される光は右回りの円偏光(RHCPL)か、左回りの円偏光(LHCPL)かのどちらかである。透過光は、物質のらせん本質に固有のものと同じ向きの偏光で円偏光している。このように、左回りである固有のらせん構造を有するねじれネマチック液晶はLHCPLを透過し、右回りであるものはRHCPLを透過するであろう。
【0028】
本明細書では以下、普及している慣例に従うために、ねじれネマチック液晶物質は、λ0近傍の波長領域で反射される光の種類によって特定されるであろう。層が右回りであると言われるとき、それはRHCPLを反射することを意味し、層が左回りであると言われるとき、それはLHCPLを反射することを意味する。右回りのねじれネマチック液晶物質はLHCPLをλ0で本質的に完全に透過するが、同じ物質はRHCPLをほとんど完全に反射する。逆に、左回りのフィルムはRHCPLをλ0でほとんど透過し、LHCPLをほとんど完全に反射する。平面偏光のまたは非偏光の光は、等量のRHCPLおよびLHCPLを含有するので、ねじれネマチック液晶フィルムは、これらのソースについてλ0でおおよそ50パーセント透過性である。
【0029】
ねじれネマチック液晶層はさらなる独特の光学的特性を有する。鏡によって反射される光の円偏光は逆にされる。この同じ現象は、これらの液晶層によって反射された光では起こらない。これらの液晶物質から反射された円偏光の向きは逆にならず、むしろそれが液晶物質と接触する前にそれがあったのと同じままである。例えば、波長λ0を有するRHCPLがλ0=napである右回りの層に向けられる場合、それは実質的に完全に反射され、反射後にRHCPLのままである。同じ光が鏡上に向けられるべきであった場合、反射光はLHCPLであろう。
【0030】
日照調整用途では、実質的にすべての光がある波長で反射されることが好ましい。前記波長での両左右像が反射されることが要求されるので、これは、所与の組成物の単一層について可能ではない。
【0031】
λ0近傍の光の実質的にすべてを反射するための一方法は、1つのねじれネマチック層、いわゆる二分の一波長板またはフィルムを通して透過される光の左右像を逆にするのに十分な厚さの複屈折材料を使用することである。二分の一波長板は、1990年にアディソン−ウェスリー・パブリッシング・カンパニー社(Addison−Wesley Publishing Company,Inc.)によって発行された、「光学(Optics)」という表題のE.ヘクト(E.Hecht)による書籍の301−303ページに詳細に説明されている。二分の一波長フィルムを使用する好ましい方法は、例えば、類似のλ0の2つのねじれネマチック液晶層および二分の一波長フィルムのどちらかの面上に同一の左右像を使用することである。類似のλ0の右回りの層が二分の一波長フィルム両面上に使用されるケースでは、第1のねじれネマチック層はRHCPLを反射し、二分の一波長層は透過されたLHCPLをRHCPLに変換し、それはその次に第2の右回りのねじれネマチック層によって反射される。第2のねじれネマチック層から反射されたRHCPLは、その反射の後で二分の一波長層を再度横断するので、それはLHCPLに変換され、それは次にそのまま最初のRHCPLフィルムによって透過される。このような方法で、λ0近傍の波長の入射光の実質的にすべてが、理論的に全く透過されずに、2つのねじれネマチック液晶層および二分の一波長層からなるラミネートによって反射されるであろう。
【0032】
λ0近傍の光の実質的にすべてを反射するための別の方法は、1つの右回りのおよび1つの左回りの、類似のλ0の2つのねじれネマチック液晶層を使用することである。第1層によって透過されたλ0周辺領域の光は、λ0近傍の入射光の実質的にすべてが2つのねじれネマチック液晶層からなるラミネートによって反射されるように第2層によって反射されるであろう。
【0033】
100nm、120nm、または150nmより大きい反射帯域幅のねじれネマチック液晶層を製造するための様々な方法がある。かかる層は、各サブ層が異なるλ0を有するが、異なるλ0が複合層のために100nmより大きい広がった反射帯域幅をもたらすのに十分に近い状態で、ねじれネマチック液晶の幾つかのサブ層の複合体であることができる。100nmより大きい反射帯域幅を達成することができる別の方法は、ピッチに勾配付きの、例えば、連続的に変わるピッチを有するねじれネマチック液晶層を使用することによる。
【0034】
幾つかの用途向けには、750nm〜2,100nmの近赤外領域の放射線を反射することに加えて、約650nm〜750nmの範囲の波長の放射線を反射することが有利であろう。他の用途向けには、近赤外の放射線を反射することに加えて、可視スペクトルの他の部分の放射線を反射することが有利であろう。ねじれネマチック多重フィルムは、本明細書で第一に目的とする波長だけでなくより短い波長で反射を可能にするために有用である。
【0035】
本発明の多層ラミネートのねじれネマチック液晶層に使用される組成物は、単独でかまたは混合物として、コレステリック赤外線反射特性および電磁スペクトルの可視領域での高い透過率を層に提供する化合物を含む。原則として、実質的にすべての公知のねじれネマチックモノマー、モノマー混合物、ポリマー、ポリマー混合物またはモノマーおよびポリマー混合物は、反射最大が赤外(IR)内にあるようなやり方でキラル成分の含有率および組成を変えることによって、それらのらせん状上部構造のピッチにおいて調節することができる。
【0036】
整列は、均一な平面配向を生み出すために用いられ、高い可視透過率および低レベルのヘイズにとって決定的に重要である。同時に散乱光を最小に保ちながら、中心波長を完全に反射する、ねじれネマチック液晶層を製造するために、液晶フィルムを単一ドメインへ整列させることが必要である。優先的な配列が達成されないとき、マルチドメイン層が生じる。かかるマルチドメイン・テクスチャはフォーカルコニック状態と呼ばれる。フォーカルコニック状態は、コレステリックドメイン間の境界での屈折率の突然の変化によって引き起こされる、その非常に拡散された光拡散外観によって主として特徴づけられる。このテクスチャは単一光学軸を全く持たず、それ故すべての方向に散乱する。フォーカルコニック・テクスチャは典型的には乳白色(すなわち白色光散乱)である。配列が達成される場合、単一ドメインが生み出され得る。これらは、配列のホメオトロピックおよび平面状態と呼ばれる。ネマチック液晶のホメオトロピック状態で、分子軸はネマチック層の平面に垂直にある。ねじれネマチック材料の平面状態では、このらせんの軸は、ねじれネマチック層の平面に垂直である。らせんのピッチにマッチする波長の光は、フィルムの表面から反射され、それ故反射光は該層を通過しない。それ故最も好ましいのはこのドメイン構造である。
【0037】
ねじれネマチック相の平面整列を達成するための幾つかのよく知られた方法がある。直接に、すなわち配列層を適用することなく磨かれた表面の基材を使用することによって液晶材料の平面配向を誘導することは可能である。液晶材料を無色透明の基材上に置き、またはさもなければ、無色透明の基材を液晶の自由表面に被着させ、そして他の基材に対して1つの基材を滑らせて、液晶フィルムに少量の剪断を与えることもまた可能である。これはしばしば配列の平面状態を誘導し、そこでは構造のらせん軸はフィルムに実質的に垂直である。
【0038】
液晶フィルム用の配向層は、液晶分子の方向が研摩方向と整列するように機械的に磨かれたポリマーフィルムからなることができる。普通に使用されるポリマーは、ポリ(アミド酸として沈着される、ポリイミドである。ポリ(アミド酸)は次に熱硬化させられ、該材料をポリイミドに変換する。ポリアミドの硬度は、熱硬化の量によってコントロールされる。生じたポリイミド層は上記のように磨くことができる。
【0039】
その後に沈着されたネマチック液晶での方向配向は基材上への蒸着シリカ層を用いて製造できることもまたあり得る。基材は、インジウム−スズ酸化物(ITO)などの導電体の薄い透明な層が予め蒸着された透明ガラスであることができる。基材は、蒸着中にマグネトロン・インライン・スパッタリング・ソースを通過する。1つ以上のパスがシリカ蒸着中に必要とされるかもしれず、生じた構造は、基材がスパッタリング・ソースを過ぎて同じ方向に沿って前後に移動する限り、必要な方向性を有する。シリカ層の蒸着後に、シリカ処理基材は、アルコールをシリカ層の表面上のヒドロキシル基と反応させるのに十分に高い温度でアルコールと接触させられてもよい。アルコール処理は100℃より上、最も典型的には120℃〜160℃の基材で行われてもよい。アルコール処理の後、液晶は処理表面および液晶層に接触させられて平面配向をとる。
【0040】
ねじれネマチック液晶を整列させる追加の方法が当業者に公知である。加えて、公知手順を用いて、微小な個々のピースから連続フィルムまでの範囲の基材上でねじれネマチック液晶層の配列を生み出すことは可能である。
【0041】
多くのタイプのねじれネマチック液晶性材料がある。キラルモノマーがそれら自体液晶性である、ねじれネマチック重合性モノマーは、1つの一般的カテゴリーである。かかる材料は米国特許第5,942,030号明細書、同第5,780,629号明細書、同第5,886,242号明細書および同第6,723,395号明細書に記載されている。別のカテゴリーは、少なくとも1つのキラルでないネマチック重合性モノマーおよびキラル化合物を含む混合物である。このタイプのモノマーおよび化合物の例は米国特許第5,833,880号明細書、DE−A−4 408 170号明細書およびDE−A−4 405 316号明細書に記載されている。米国特許第4,388,453号明細書、同第5,211,877号明細書、同第6,300,454号明細書、同第6,486,338号明細書、および同第6,358,574号明細書に記載されているような架橋性の液晶性ポリオルガノシロキサン、環状シロキサン、およびテトラアルキルジシロキサンは、キラルドーパントと組み合わせられたときに、ねじれネマチック液晶の別のカテゴリーを構成する。ねじれネマチック液晶の追加のクラスには、DE−A−197 136 38号明細書に記載されているようなねじれネマチック・セルロース誘導体、米国特許第5,847,068号明細書に記載されているような架橋性のねじれネマチック・コポリイソシアネート、および米国特許第6,107,447号明細書に記載されているような主鎖ポリエステルが含まれる。これらのカテゴリーは例示的なものであり、限定的なものではない。IR−反射特性を提供する、そしてプロセスおよび使用条件下に機械的にかつ寸法的に安定である任意のねじれネマチック液晶組成物は、現在既知であろうと後で開発されようと、本明細書で有用であり得ると考えられる。
【0042】
ねじれネマチックIR反射液晶層として有用なポリマーネットワークを形成するための好ましい組成物は、ビス(メタ)アクリレート液晶化合物およびそれらの組み合わせである。
【0043】
好ましい一タイプのビス(メタ)アクリレート化合物は式(I)で表される:
【0044】
【化1】

【0045】
式中、R1およびR2はそれぞれ独立して基:H、F、ClおよびCH3から選択され、n1およびn2はそれぞれ独立して3〜20の整数であり、mおよびpはそれぞれ独立して0、1または2の整数であり、Aは基:
【0046】
【化2】

【0047】
(式中、R3〜R10はそれぞれ独立して基:H、C1〜C8直鎖もしくは分岐鎖アルキル、C1〜C8直鎖もしくは分岐鎖アルコキシ、F、Cl、フェニル、−C(O)CH3、CN、およびCF3から選択され、X2は基:−O−、−(CH32C−、および−(CF32C−から選択された二価基である)から選択された二価基であり、そして各B1およびB2は独立して、基:R11−置換−1,4−フェニル(ここで、R11はH、−CH3または−OCH3である)、2,6−ナフチル、および4,4’−ビフェニルから選択された二価基である、ただし、m+pが3または4に等しいとき、B1およびB2の少なくとも2つはR11−置換−1,4−フェニルである。
【0048】
別の好ましいタイプのビス(メタ)アクリレート化合物は式(II)で表される:
【0049】
【化3】

【0050】
式中、R1およびR2はそれぞれ独立して基:H、F、ClおよびCH3から選択され、n1およびn2はそれぞれ独立して3〜20の整数であり、qおよびrはそれぞれ独立して0、1または2の整数である、ただし、q+r≧1であり、Dは基:
【0051】
【化4】

【0052】
(式中、R3はC1〜C6直鎖もしくは分岐鎖アルキルであり、各B1およびB2は基:R4−置換−1,4−フェニル(ここで、R4はH、−CH3または−OCH3である)、2,6−ナフチル、および4,4’−ビフェニルから独立して選択された二価基であり、式中、q+r=3であるとき、B1およびB2の少なくとも1つはR4−置換−1,4−フェニルであり、そしてq+r=4であるとき、B1およびB2の少なくとも2つはR11−置換−1,4−フェニルである)から選択された二価のキラル基である。「各B1およびB2は基から独立して選択された二価基である」という語句において、q=2であるとき、2つのB1単位は独立して選択される、すなわちそれらは同じまたは異なるものであってもよく、そしてr=2であるとき、2つのB2単位は独立して選択される、すなわちそれらは同じまたは異なるものであってもよい。
【0053】
ねじれネマチックIR−反射液晶層を形成するための最も好ましいビス(メタ)アクリレート化合物は、式A〜Eのものおよびそれらの組み合わせである。
【0054】
【化5】

【0055】
式(I)の化合物の製造方法は、(a)各ポリオールが少なくとも2つのヒドロキシル基および少なくとも2つの共有結合した炭素原子を含み、各ヒドロキシル基が有機ポリオール内の異なる炭素原子に結合している1つ以上の有機ポリオールを提供する工程と、(b)該有機ポリオールを式(III):
【0056】
【化6】

【0057】
(式中、XはClまたはBrであり、X1は基:Cl、Br、I、−OMs(ここで、Msはメタンスルホニルである)、−OTs(ここで、Tsはトルエンスルホニルである)、および−OTf(ここで、Tfはトリフルオロメタンスルホニルである)から選択され、そしてnは3から20の整数である)の十分な量の1つ以上の官能化アルキル酸ハロゲン化物および第1反応溶媒と第1反応温度で反応させて1つ以上の多官能化アリールアルカノエートエステルおよび第1使用済み反応混合物を提供する工程と、(c)1つ以上の多官能化アリールアルカノエートエステルを十分な量の(メタ)アクリレート塩と十分な量の相間移動触媒、および第2反応溶媒の存在下に第2反応温度で反応させて1つ以上のポリ(メタ)アクリレート−アリールアルカノエートエステルおよび第2使用済み反応混合物を提供する工程とを含む。
【0058】
式(II)の化合物の製造方法は、(a)キラル有機ジオールを提供する工程と、(b)該キラル有機ジオールを、式(IV):
【0059】
【化7】

【0060】
(式中、XはCl、BrまたはOHであり、X1は基:Cl、Br、I、−OMs、−OTs、および−OTf(ここで、Ms、TsおよびTfは上に定義された通りである)から選択され、そしてnは3から20の整数である)の十分な量の1つ以上の官能化アルキル酸または酸ハロゲン化物と第1反応温度で第1反応溶媒中で反応させて1つ以上の多官能化アルキルエステルおよび第1使用済み反応混合物を提供する工程と、(c)該1つ以上の多官能化アルキルエステルを十分な量の(メタ)アクリレート塩と十分な量の相間移動触媒、および第2反応溶媒の存在下に第2反応温度で反応させて1つ以上のポリ(メタ)アクリレート−アルキルエステルおよび第2使用済み反応混合物を提供する工程とを含む。好ましくは、プロセス工程(b)は塩基の使用をさらに含み、そしてXがOHであるとき、カルボジイミド脱水剤の使用をさらに含む。工程(c)は好ましくは1つ以上のラジカル阻害剤の使用をさらに含む。
【0061】
本発明の目的のためには、架橋性または架橋とは、ポリマー化合物の共有結合する能力または共有結合を意味する。
【0062】
本発明の目的のためには、重合性または重合は、ポリマーを形成するためのモノマー化合物の共有結合する能力または共有結合を意味する。
【0063】
硬化とは、コレステリック相の架橋、重合またはロック−インを意味する。本発明において、硬化は、コレステリック分子の均一な配向をコレステリック層中に固定する。
【0064】
ねじれネマチック液晶層および/または組成物は、本明細書に記載される本発明の目的およびデザインに適合する、任意の通常のやり方で、または通常でないやり方でコートする、接着する、または被着することができる。ねじれネマチック液晶組成物を基材に被着するための好適な通常の方法には、限定せずに、積層および化学接着剤の使用が含まれる。加えて、ねじれネマチックIR−反射液晶層は、慣例のまたは新規な技法によってポリマーシート基材、ポリマーフィルム基材またはガラス基材に直接被着することができる。慣例の技法の例には、押出または共押出、エアナイフコーティング、バーコーティング、圧搾コーティング、含浸、リバース・ロールコーティング、転写ロールコーティング、グラビアコーティング、キスコーティング、キャスティング、吹き付け、スピンコーティング、または凸版印刷、フレキソ印刷、凹版印刷、転写印刷、オフセットまたはスクリーン印刷などの印刷技法が挙げられるが、それらに限定されない。
【0065】
他の実施形態では、ねじれネマチック液晶組成物はフィルムに成形し、そして中間層として役立つポリマーシートに被着することができる。
【0066】
IR−反射層は、低粘度または高粘度混合物の形態で、しかし好ましくは低粘度混合物として基材に被着することができる。この目的のために、コレステリック混合物は、未希釈のもしくは最小希釈の形態で高温においてまたはさらに希釈した形態で低温において被着することができる。
【0067】
ねじれネマチック液晶混合物は、基材へのそれらの被着前に任意の好適な重合性希釈剤で希釈することができる。好適な重合性希釈剤の例には、例えば、2−エトキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよびエトキシレート化ペンタエリスリトールテトラアクリレートが挙げられる。希釈剤の量は、ねじれネマチック相に支障を来さないほど十分に低く保たれるべきである。
【0068】
粘度およびレベリング挙動を調整するために、コレステリック液晶混合物が追加の成分と混合されることが可能である。例えば、ポリマーバインダーおよび/または重合によってポリマーバインダーへ変換することができるモノマー化合物を用いることが可能である。好適な化合物の例は、有機溶媒可溶性のポリエステル、セルロースエステル、ポリウレタンおよびポリエーテル−またはポリエステル−変性シリコーンをはじめとするシリコーンである。セルロースアセトブチレートなどのセルロースエステルを用いることが特に好ましい。しかしながら、ポリマーバインダーおよび/またはモノマー化合物が本発明で有用な組成物に含まれる場合、ラミネート透明度および低ヘイズを保つためにねじれネマチック液晶層の非ミセル構造を維持することが望ましい。少量の好適なレベリング剤の添加もまた有利であるかもしれない。それらを、混合物中のコレステリック液晶の量を基準として約0.005〜1重量%、特に0.01〜0.5重量%用いることが可能である。好適なレベリング剤の例は、グリコール、シリコーン油ならびに、特に、コネチカット州ウォリングフォードのビック−ケミー米国(Byk−Chemie USA of Wallingford,CT)から名前ビック(Byk)361またはビック358で入手できるアクリレート共重合体、およびバージニア州ホープウェルのデグサ・ゴールドシュミット(Degussa Goldschmidt of Hopewell,VA)を経てデグサAGのテゴ・ブランド(Tego brand of Degussa AG)からテゴ・フロー(Tego Flow)ZFS460の名前で入手できる変性されたシリコーン−フリーのアクリレートポリマーなどのアクリレートポリマーである。
【0069】
コレステリック混合物はまた、UVおよび気候の影響に対抗するための安定剤を含んでもよい。好適な添加剤の例は、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンの誘導体、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートの誘導体、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの誘導体、オルト−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールの誘導体、サリチル酸エステル、オルト−ヒドロキシフェニル−s−トリアジンまたはヒンダードアミンである。これらの物質は単独でかまたは、好ましくは、混合物として用いることができる。
【0070】
被着されたIR−反射層は、熱的に、光化学的にまたは電子ビームによって硬化させることができる。硬化は好ましくは、材料がコレステリック相中にあり、そしてコレステリック相を保持している間に行われる。光化学重合のためには、コレステリック混合物は慣例の市販光開始剤を含んでもよい。電子ビームによる硬化のためには、かかる開始剤は必要とされない。
【0071】
2つ以上の層が被着される場合、それらはそれぞれのケースで被着し、乾燥させ、必要に応じて、個別に硬化させることができる。しかしながら、被着されるべき層の、2つ以上、またはすべてを、コートされるべきである物品に一被着手順、ウェット−オン−ウェットで被着して必要に応じて合同乾燥を実施し、次に合同硬化を実施することもまた同様に可能である。キャスティング技法、特にナイフもしくはバーキャスティング技法、キャストフィルム押出もしくはストリッパーキャスティング技法、およびカスケードキャスティング法がコレステリック層の同時被着に特に好適である。
【0072】
本発明のポリマーシートは、生じたラミネートの貫入抵抗を提供するために約10ミル(0.25mm)より大きい厚さを有する。好ましくは、ポリマーシートは、高められた貫入抵抗を提供するために約15ミル(0.38mm)以上の厚さを有する。より好ましくは、ポリマーシートは、さらに大きい高められた貫入抵抗を提供するために約30ミル(0.75mm)以上の厚さを有する。好ましくは、本発明のラミネート内のポリマーシート成分の総厚さ(ある特定のラミネート内に組み入れられたポリマーシート厚さのすべて)は、安全ラミネートの特徴と一般に見なされる十分な貫入抵抗を確実にするために約30ミル(0.75mm)以上の厚さを有する。
【0073】
好適なポリマーシートは商業的に入手可能である。あるいはまた、好適なポリマーシートは、押出、カレンダー掛け、溶液キャスティングまたは射出成形などの任意の好適な方法によって形成されてもよい。本発明のポリマーシートは好ましくは押出によって形成される。押出は、連続長さとして現れる、フィルムおよびシートなどの、「エンドレス」製品の形成に特に好ましい。
【0074】
大量のシートを製造するためには、シーティングカレンダーが用いられる。粗いフィルムは、カレンダー、反対方向に回転し、ポリマーを広げ、そしてそれを必要とされる厚さにストレッチする多数の加熱できる平行の円筒形ローラーを含む機械のギャップ中へフィードされる。最後のローラーは、このように生み出されたシートを平滑にする。シートがテクスチャ加工された表面を有することが必要とされる場合、最終ローラーは適切なエンボス化パターンを提供される。あるいはまた、シートは再加熱され、次にエンボス化カレンダーに通されてもよい。カレンダーの次に、1つ以上の冷却ドラムが続く。最後に、仕上げられたシートはリールに巻かれるかまたは長さにカットされ、積み重ねられる。
【0075】
本発明のポリマーシートは平滑な表面を有してもよい。好ましくは、ラミネート内で中間層として使用されることになるポリマーシートは、空気のほとんどが積層プロセスの間にラミネートの表面の間から除去されることを効果的に可能にするために粗化表面を有する。これは、例えば、上記のように押出後にシートを機械的にエンボス化することによって、またはシートの押出中のメルトフラクチャーによってなどで行われてもよい。例えば、押し出されたままのシートが、ダイの出口の近くに配置されたダイロールの特別に製造された表面上に通されてもよく、それは所望の表面特性を溶融ポリマーの1つの面に与える。こうして、かかるロールの表面が微小な山または谷を有するとき、その上でキャストされたポリマーの形成されたシートは、ロール表面の谷および山のそれぞれ一般に一致する粗い表面をロールに接触する面上に有するであろう。この粗い表面は一時的なものであるにすぎず、特に積層中に脱空気を容易にする働きをし、その後それは、オートクレーブ処理および他の積層プロセスと関連した高い温度および圧力で平滑に溶融される。
【0076】
本発明で有用なポリマーシートは、ASTM方法D−638によって測定した際に、20,000psi(138MPa)〜100,000psi(690MPa)の弾性率の、好ましくは約25,000psi(173MPa)〜約90,000psi(621MPa)の弾性率の、より好ましくは約30,000psi(207MPa)〜約80,000psi(552MPa)の弾性率のポリマーを含む。
【0077】
本発明の高強度多層ラミネートに使用されるポリマーシートは、酸官能性を組み入れるエチレン共重合体を好ましくは含む。エチレン共重合体は、ポリマーの総重量を基準として、約0.1重量パーセント〜約30重量パーセントのアクリル酸、好ましくは約10重量パーセント〜約25重量パーセントのアクリル酸、より好ましくは約15重量パーセント〜約25重量パーセントのアクリル酸を組み入れる。好ましいアクリル酸類には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノメチル、およびそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されず、最も好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0078】
ポリマーシートに使用されるエチレン共重合体は場合により、アクリレートおよびメタクリレートなどの他の不飽和コモノマーをさらに含んでもよい。好ましくは、他の不飽和コモノマーは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、酢酸ビニル、およびそれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、ポリマーシートに使用されるエチレン共重合体は、エチレン共重合体組成物の総重量を基準として、約0〜約50重量パーセントの他の不飽和コモノマーを含む。エチレン共重合体は好ましくは約0〜約25重量パーセントの他の不飽和コモノマーを組み入れ、最も好ましくは約0重量パーセント〜約10重量パーセントの他の不飽和コモノマーを組み入れる。
【0079】
エチレン共重合体は金属イオンで、総カルボン酸含有率を基準として約0〜約100パーセント中和することができる。好ましくは、エチレン共重合体は約10〜約90パーセント、より好ましくは約20〜約80パーセント中和される。使用される金属イオンは、一価、二価、三価、多価、またはそれらの混合物であってもよい。好ましい一価金属イオンはナトリウム、カリウム、リチウム、銀、水銀、銅およびそれらの混合物である。好ましい二価金属イオンはベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銅、カドミウム、水銀、スズ、鉛、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛およびそれらの混合物である。好ましい三価金属はアルミニウム、スカンジウム、鉄、イットリウムおよびそれらの混合物である。好ましい多価金属イオンはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、タンタル、タングステン、クロム、セリウム、鉄およびそれらの混合物である。より好ましくは、金属イオンはナトリウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、金属イオンはナトリウム、亜鉛、およびそれらの混合物からなる群から選択される。ナトリウムが高い光学的透明度のために中和金属イオンとして好ましい。亜鉛が高い耐湿性のために中和金属イオンとして好ましい。
【0080】
ポリマーシートは、熱安定剤、紫外線(UV)吸収剤、UV安定剤、可塑剤、有機過酸化物、接着促進剤およびそれらの混合物または組み合わせなどの、添加剤をさらに含んでもよい。
【0081】
本発明のポリマーシートは約10ミル(0.25mm)以上の厚さを有する。好ましくは、本発明のポリマーシートは、それから製造されるラミネートの高められた貫入強度に基づいて、約15ミル(0.38mm)以上の厚さを有する。より好ましくは、ポリマーシートは、それから製造されるラミネートのさらに高められた貫入強度に基づいて、約30ミル(0.75mm)以上の厚さを有する。さらにより好ましくは、ポリマーシートは、それから製造されるラミネートのさらにもっと高められた貫入強度に基づいて、約50ミル(1.25mm)以上の厚さを有する。高められた貫入強度は、ハリケーンおよび耐脅威性に対する現行の義務要件の多くを満たすために本発明内で必要である。現行の環境での多くの最終用途は、エチレン共重合体中間層がさらにより厚いことを要求する。60ミル(1.50mm)、90ミル(2.25mm)より厚い、そして120ミル(3.00mm)よりさらに厚い中間層が市場では一般的になりつつある。
【0082】
本発明の多層ラミネート品で有用なポリマーフィルムは、任意のポリマーマトリックス材料から形成されてもよい。好ましくは、ポリマーフィルムは二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、酢酸セルロースフィルムまたはポリカーボネートフィルムである。
【0083】
好ましくは、ポリマーフィルムの一面または両面がコーティングへのまたはポリマーシートまたは両方への接着性を高めるために処理されてもよい。この処理は、接着剤、シランなどのプライマー、火炎処理、プラズマ処理、電子ビーム処理、酸化処理、コロナ放電処理、化学処理、クロム酸処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線処理、サンドブラスト処理、溶媒処理などおよびそれらの組み合わせをはじめとする、当該技術分野で公知の任意の形態をとってもよい。
【0084】
ポリマーフィルムとポリマーシートとの相違は厚さであるが、いつフィルムがシートになるかに関して設定された業界基準は全くない。本発明の目的のためには、フィルムは約10ミル(0.25mm)以下の厚さを有する。好ましくは、ポリマーフィルムは約0.5ミル(0.012ミリメートル(mm))〜約10ミル(0.25mm)の厚さを有する。より好ましくは、本発明に使用されるポリマーフィルムは約1ミル(0.025mm)〜約5ミル(0.13mm)の厚さを有する。本発明に使用されるポリマーシートの厚さは上に記載された。
【0085】
本発明のポリマーシートおよびフィルムは当該技術分野で公知の添加剤入りで使用されてもよいことが理解される。添加剤には、可塑剤、加工助剤、流動性向上添加剤、滑剤、顔料、染料、難燃剤、衝撃改質剤、結晶性を上げるための核剤、シリカのようなブロッキング防止剤、熱安定剤、UV吸収剤、UV安定剤、分散剤、界面活性剤、キレート剤、カップリング剤、接着剤、プライマーなどが含まれてもよい。
【0086】
本発明のラミネートで有用な硬質シートは、ガラスまたは、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリアクリレート、エチレンノルボルネンポリマーなどの環状ポリオレフィン、メタロセン触媒ポリスチレンなどおよびそれらの組み合わせのような硬質の透明プラスチックシートであってもよい。金属またはセラミック板もまた、透明性がラミネートに必要とされない場合には好適であるかもしれない。
【0087】
「ガラス」という用語は、窓ガラス、板ガラス、ケイ酸塩ガラス、シートガラス、およびフロートガラスを含むだけでなく、着色ガラス、例えば、ソーラーヒーティングをコントロールするための成分を含む特殊ガラス、例えば、日照調整目的のための、銀またはインジウム・スズ酸化物などの、スパッタード金属でのコーテッドガラスおよび他の特殊ガラスも含むことを意味する。特定のラミネートのために選択されるべきガラスのタイプは、意図される用途に依存する。
【0088】
二分の一波長板は、RHCPLがLHCPLに変換される、およびその逆であるような厚さの任意の複屈折材料で製造することができる。好適な複屈折フィルムおよびシートの例には、限定せずに、無機単結晶、延伸ポリマーフィルム、またはネマチック液晶フィルムが挙げられる。公知のおよび通常の方法を、延伸ポリマーフィルムおよびネマチック液晶フィルムを製造するために用いることができる。好適な二分の一波長フィルムは商業的に入手することができる。例えば、ウェイブ・リターダー・フィルム(Wave Retarder Film)は、インターナショナル・ポラライザー社、マサチューセッツ州マールバラ、320エルム・ストリート(International Polarizer,Inc.,320 Elm Street,Marlborough,MA)から入手することができ、オプチグラフィックス(OptiGrafix)TMハーフ・ウェイブ・オプティカル・ライト・リターダー・ベース・フィルム(Half Wave Optical Light Retarder Base Film)は、グラフィックスTMプラスチックス、オハイオ州クリーブランド、19499マイルス・ロード(GrafixTM Plastics,19499 Miles Rd.,Cleveland,OH)から入手することができ、そしてマイカ・ウェイブプレーツ(Mica Waveplates)は、カール・ラムブレヒト・コーポレーション、イリノイ州シカゴ、4204N.リンカーン・アベニュー(Karl Lambrecht Corporation,4204 N.Lincoln Ave.,Chicago,IL)から商業的に入手可能である。
【0089】
多層ラミネート品の吸収層は不連続フィルムの形態にあってもよい。他の実施形態では、吸収層は、ねじれネマチック液晶層、ポリマーシート、ポリマーフィルムおよび硬質シートの1つ以上におけるコーティングの形態であってもよい。さらに他の実施形態では、吸収層は、ねじれネマチック液晶層、ポリマーシート、ポリマーフィルムおよび硬質シートの1つ以上の中へ組み入れられてもよい。
【0090】
本発明に使用される吸収材料は、無機赤外線吸収剤、有機赤外線吸収剤、またはそれらの組み合わせを組み入れてもよい。赤外線吸収材料は、本明細書で用いるところでは、750nm〜2100nmに吸収スペクトルで極大を有する吸収材料を意味する。本発明の吸収材料は、所望のスペクトル吸収特性を提供するために必要とされるだけ多くの吸収化合物を含んでもよい。
【0091】
無機赤外線吸収材料のナノ粒子は、吸収層を形成するのに特に有用である。これらの無機赤外線吸収粒子は、約200ナノメートル(nm)未満の、好ましくは約100nm未満の、より好ましくは約50nm未満の、より好ましくは約30nm未満の、最も好ましくは約1nm〜約20nmの範囲内の公称粒径を有する。小さな粒径は、赤外線吸収ナノ粒子の高い屈折率ならびに本明細書で考えられるその用途内での透明度およびヘイズとのそれらの関係のために必要とされる。吸収材料の例は米国特許第6,579,608号明細書に見いだされる。無機赤外線吸収粒子は、耐水性、熱酸化安定性、および分散性などの特性を改善するために、例えば、シラン化合物、チタン化合物またはジルコニア化合物で表面処理されてもよい。
【0092】
好ましくは、無機赤外線吸収ナノ粒子は、アンチモンドープド酸化スズ、スズドープド酸化インジウム、六ホウ化ランタン(LaB6)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。アンチモンを含有する酸化スズ・ナノ粒子については、アンチモン・レベルは、アンチモン・スズ酸化物の総重量を基準として、好ましくは約0.1重量パーセント〜約20重量パーセントの範囲に、より好ましくは約5重量パーセント〜約15重量パーセントの範囲に、最も好ましくは約8重量パーセント〜約10重量パーセントの範囲にある。スズを含有する酸化インジウム・ナノ粒子については、スズ・レベルは、(Sn+In)原子の合計を基準として好ましくは約1〜約15原子パーセント、より好ましくは約2〜約12原子パーセントの範囲にある、すなわち、モル比Sn/(Sn+In)でのスズ含有率は好ましくは約0.01〜約0.15、より好ましくは約0.02〜約0.12である。
【0093】
上に開示されたように、無機赤外線吸収粒子は、本発明の多層ラミネートの別の層へ組み入れられてもよい。一般に、無機赤外線吸収粒子は、有機または無機であってもよいマトリックス樹脂内に組み入れられる。マトリックス材料は、高ポリマー、反応性オリゴマー、反応性プレポリマー、反応性モノマーまたはそれらの混合物を含んでもよい。好ましくは、マトリックス材料は透明である。
【0094】
インジウム・スズ酸化物でコートされたポリマーフィルムの形態でのマトリックス材料は、株式会社巴川製紙所(日本国、東京)から商業的に入手可能である。アンチモン・スズ酸化物(ATO)でコートされたポリマーフィルムの形態でのマトリックス材料は、日本国、東京の住友大阪セメント株式会社から商業的に入手可能である。六ホウ化ランタン(LaB6)ナノ粒子を組み入れているポリマーフィルムの形態でのマトリックス材料は、住友金属鉱山株式会社(日本国、東京)から商業的に入手可能である。
【0095】
本発明の多層ラミネートで有用な吸収材料はまた、ポリメチン染料、アミニウム(amminium)染料、イミニウム(imminium)染料、ジチオレン型染料およびリレン(rylene)型、フタロシアニン型、およびナフタロシアニン型染料および顔料、ならびにそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない有機赤外線吸収剤を含んでもよい。
【0096】
吸収材料がねじれネマチック反射材料と同じ層中に置かれないケースでは、ねじれネマチック反射体は、放射線の反射されたおよび吸収された帯域が重複するケースで、重複した帯域が吸収されるよりむしろ反射されるであろうように、本発明の多層ラミネートが使用される建物または構造体のより外側の方にある、吸収層の外側にある層に置かれることが好ましい。グレージングは、吸収剤がグレージングの外側面上にあるケースほど多く暖まらないであろうから、これはグレージングを通過するエネルギーの量の減少につながる。
【0097】
接着剤およびプライマーが、当該技術分野で一般に公知であるように、必要に応じて、ラミネート層間の接合強度を高めるために使用されてもよい。当業者は、本発明で接着剤またはプライマーを使用することの望ましさを考えるであろう。例えば、シランカップリング剤が、本発明の層間の接着性を高めるためにフィルムおよびシートに塗布されてもよい。有用なシランカップリング剤の具体的な例は、ガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、またはガンマ−アミノプロピルトリエトキシシランである。典型的には、前記シランカップリング剤は、フィルムまたはシート組成物の総重量を基準として約0.01〜約5重量パーセントのレベルで添加される。好ましいプライマーの例はポリアリルアミンである。接着剤の例はエポキシおよびシロキサン樹脂である。
【0098】
幾つかの接着剤およびプライマーの使用は、ねじれネマチック材料のピーク反射の波長を意外にも変えることができる。例えば、幾つかのエポキシ樹脂調合物がねじれネマチックフィルムの表面に塗布され、そしてその後高温で硬化させられるとき、ピーク反射の波長はより長い波長に移動するかもしれない。加えて、幾つかのエポキシ樹脂は、ピーク反射の波長の実質的な変化を全くもたらさない室温で硬化させられるとき、その後の熱処理でより長いまたはより短い波長に移動することができる。最後に、完成ラミネートを形成するための加工は、材料を十分に接合して安定なラミネートを形成するために高温を必要とするので、ピーク反射の波長の幾らかの変化がときどきこの加工の結果として同様に見られる。30nmのおよび50nmおよび100nmほどにも大きいシフトが観察された。ピーク反射の波長のシフトを引き起こし得る接着剤またはプライマーの例は、コネチカット州ロッキー・ヒルのヘンケル−ロックタイト・コーポレーション(Henkel−Loctite Corporation of Rocky Hill,CT)から入手可能な、ハイソール(Hysol)(登録商標)E−05CL二液型エポキシである。ピーク反射の波長の最小シフトを引き起こすかもしれない接着剤またはプライマーの例は、コネチカット州フェアフィールドのジェネラル・エレクトリック・カンパニー(General Electric Company of Fairfield,CT)製のRTV−108、シロキサン樹脂材料である。
【0099】
本発明のラミネート品の製造方法は多くの形態をとってもよい。ねじれネマチック液晶層でコートされたポリマーフィルムに積層されたポリマーシートの形態での本発明の多層ラミネート品の一製造方法は次の通りである。ポリマーシートは、ねじれネマチック液晶付きフィルムにニップロール接合法によって軽く接合させられてもよい。かかる方法では、ねじれネマチック液晶付きポリマーフィルムがロールから供給され、そして最初にテンションロールを通過する。ねじれネマチック液晶付きフィルムは、オーブンなどの加熱ゾーンを通過させることによって緩やかな加熱にさらされてもよい。ポリマーシートはまたロールから供給されてもよく、そして最初にテンションロールを通過する。ポリマーシートは、オーブンなどの加熱ゾーンを通過させることによって緩やかな加熱にさらされてもよい。加熱は、一時的な融合接合を促進するのに、すなわち、ポリマーシートまたはポリマーフィルムの表面を粘着性にならせるのに十分な温度までであるべきである。好適な温度は、好ましい表面温度が約65℃に達する状態で、約50℃〜約120℃の範囲内である。ねじれネマチック液晶付きフィルムは、ポリマーシートと一緒にニップロールを通してフィードされ、ニップロールで2つの層は、穏やかな圧力下に一緒に合体させられて弱く接合したラミネートを形成する。必要に応じて、ニップロールは接合プロセスを促進するために加熱されてもよい。ニップロールによってもたらされる接合圧力は、フィルム材料、ポリマー材料、および用いられる温度で変わってもよい。一般に、接合圧力は、約10psi(0.7kg/cm2)〜約75psi(5.3kg/cm2)の範囲内であろうし、好ましくは約25psi(1.8kg/cm2)〜約30psi(2.1kg/cm2)の範囲内である。ねじれネマチック液晶ラミネートを組み入れるポリマーシート/フィルムの張力は、アイドラロールの通過によってコントロールされる。ロールアセンブリを通しての典型的なライン速度は、1分当たり約5フィート(1.5m)〜約30フィート(9.2m)の範囲内である。速度および張力の適切なコントロールは、ねじれネマチック液晶付きフィルムのしわを最小限にする傾向がある。接合後に、ラミネートは、ロールに巻き取られるラミネートが粘着性でないことを確実にする一連の冷却ロールに通される。プロセス水冷却が一般にこの目的を達成するのに十分である。システム内の張力は、アイドラロールの使用によってさらに維持されてもよい。この方法によって製造されたラミネート品は、このラミネートをカプセル化する、ガラスラミネートなどの、さらなるラミネート品を製造するかもしれない積層業者による取り扱いを可能にするのに十分な強度を有するであろう。
【0100】
本ラミネート品は、通常のまたは通常でないオートクレーブ法によって形成されてもよい。典型的な通常のオートクレーブ法では、ガラスシートと、ポリマーシート、ねじれネマチック液晶付きポリマーフィルム(コートされた層のかフィルムのかどちらかの形態での)、第2ポリマーシートからなる中間層と、第2ガラスシートとは、空気を除去するために、熱および圧力および減圧(例えば、約27〜28インチ(689〜711mm)Hgの範囲の)下に一緒に積層される。好ましくは、ガラスシートは洗浄され、そして乾燥された。典型的なガラスは90ミル厚さの焼きなましフラットガラスである。典型的には、本発明の中間層、すなわちポリマーシート、ねじれネマチック液晶付きポリマーフィルム、および第2ポリマーシートは、2つのガラス板の間に配置されてガラス/中間層/ガラス・アセンブリを形成する。この段階での積層品は「プレス前アセンブリ」と呼ばれる。このプレス前アセンブリは、真空を持続することができるバッグ(「真空バッグ」)中へ入れられる。空気は、真空ラインまたは真空にひく他の手段を真空バッグに用いて真空バッグから引き出される。真空バッグは、真空を維持しながらシールされる。シールされたバッグは、オートクレーブ中に約130℃〜約180℃の温度で、約200psi(15バール)の圧力で約10〜約50分間入れられる。好ましくは、バッグは、約120℃〜約160℃の温度で20分〜約45分間オートクレーブ処理される。より好ましくは、バッグは、約135℃〜約160℃の温度で20分〜約40分間オートクレーブ処理される。さらにより好ましくは、バッグは、約145℃〜約155℃の温度で25分〜約35分間オートクレーブ処理される。真空リングが真空バッグに置き換えられてもよい。
【0101】
あるいはまた、他の方法が本発明のラミネート品を製造するために用いられてもよい。ガラス/中間層/ガラス・アセンブリ内に捕捉されたいかなる空気も、ニップロール・プロセスによって除去されてもよい。例えば、ガラス/中間層/ガラス・アセンブリは、オーブン中で約80℃〜約120℃、好ましくは約90℃〜約100℃で約30分間加熱されてもよい。その後、加熱されたガラス/中間層/ガラス・アセンブリは、ガラスおよび中間層間の隙間中の空気が追い出されるようにニップロール一式に通され、そしてアセンブリのエッジはシールされる。
【0102】
このアセンブリは次に空気オートクレーブに入れられてもよく、そこで温度は約120℃〜約160℃、好ましくは約135℃〜約160℃に、そして圧力は約100psig〜約300psig、好ましくは約200psig(14.3バール)に上げられる。これらの条件は約15分間〜約1時間、好ましくは約20分〜約50分間維持され、その後、空気は、追加の空気がオートクレーブに全く加えられないまま冷却される。約20分の冷却後に、過剰の空気圧はガス抜きされ、そしてラミネートはオートクレーブから取り出される。
【0103】
上記のように、本発明のラミネート品は、他のポリマーシート、他のコートされたまたはコートされていないポリマーフィルム、二分の一波長板および吸収層などの追加の層を含んでもよい。
【0104】
次の実施例は、本発明をさらに詳細に説明するために提供される。本発明を実施するために現在考えられる好ましい形態を示すこれらの実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0105】
標準配向層被着手順
ガラス板を、超音波浴中の水およびミクロ−90(Micro−90)クリーニング液の溶液入りビーカー中にそれらを入れることによってきれいにした。超音波処理の後、それらを脱イオン水でリンスし、タオルで乾燥させた。
【0106】
4グラムのピラリン(Pyralin)(登録商標)PI2555を、12グラムの溶媒シンナーT9039と混合した(両方ともニュージャージー州パーリンのHDマイクロシステムズ(HD Microsystems of Parlin,NJ)製)。ヘッドウェイ・リサーチ(Headway Research)PWM32スピン・コーター(Spin Coater)を用いてガラス基材をポリイミド溶液でコートした。ガラス板をイソプロピルアルコールでリンスし、ポリイミド溶液を塗布する前に乾燥するまで回転させた。ポリイミド溶液を塗布し、次のプログラムに従って回転させた:500RPMで5秒間、次に2000RPMで5秒間、次に5000RPMで30秒間。ガラス板を次にホットプレート上に120℃で1分間、引き続き第2ホットプレート上に150℃で1分間置いてポリイミドをソフトベーキングした。ポリイミドを、コーテッド基材をアルミニウム・パンに入れ、そして箱形炉中空気中でそれらを加熱することによって最終的に硬化させた。炉を5℃/分で室温から200℃まで昇温させ、次に200℃に30分間保持し、次に冷却するようプログラムした。この処理の後、箱形炉を10slpmの流量で窒素パージし、炉を次のプログラムを用いて加熱した:4℃/分で室温(RT)から200℃まで、200℃に30分間保持し、次に2.5℃/分で200℃から300℃まで昇温し、次に300℃に60分間保持した。ガラス板をオーブン中で2時間10分間で88℃まで放冷し、オーブンから取り出した。
【0107】
標準基材−研摩手順
研摩プロセスを、平面テクスチャの形成を確実にするために、直接にポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上、および配向層の被着後およびコーティング液の塗布前にガラス板上の両方で用いた。各基材を、穏やかな手圧下に2.75インチ×5.5インチのブロック上に取り付けられた吉川化工株式会社から入手可能なラビング布(Rubbing Cloth)YA−25−Cを用いて同じ方向に20回研摩した。
【0108】
標準積層手順
ラミネート中の層すべてを同じサイズにカットし、そして所望の順に積み重ねたプレス前アセンブリを真空バッグ中へ入れ、90〜100℃で30分間加熱してプレス前アセンブリの層間に包含されるいかなる空気も取り除く。プレス前アセンブリを200psig(14.3バール)の圧力の空気オートクレーブ中135℃で30分間加熱する。空気を次に、オートクレーブ中の圧力が低下するように、追加ガスを加えることなく冷却する。空気温度が約50℃未満である20分の冷却後に、過剰の圧力をガス抜きし、ラミネートをオートクレーブから取り出す。
【0109】
調製実施例PE1
組成構造
【0110】
【化8】

【0111】
(ここで、R1はHであり、Aは−((CH25)−である)の48重量部のコレステリックエステル化合物、上に示された同じ組成構造(ここで、R1はHであり、Aは−((CH22)−O−である)の48重量部のコレステリックエステル化合物、3重量部のトリメチロールプロパントリアクリレート、および1重量部のイルガキュア(Irgacure)TM651光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、スイス国バーゼル(Ciba Specialty Chemicals,Basel,Switzerland)からなる組成物を一緒に混合して無色の溶液を形成する。生じた溶液を、研摩した配向層処理された無色透明の焼きなましフロートガラス板基材(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)上へドクターナイフコーティングを用いてコートする。コーティングを、コートされた面をランプの方に向けて450ワット水銀蒸気ランプに該材料を30秒間露光させることによって硬化させる。結果は、ガラス上の非ミセルのねじれネマチック液晶層である。
【0112】
調製実施例PE2
PE1の無色溶液を、研摩した二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム基材(6インチ×12インチ×4ミル(0.004インチ)厚さ)上へドクターナイフコーティングを用いてコートする。コーティングを、コートされた面をランプの方に向けて450ワット水銀蒸気ランプに該材料を30秒間露光させることによって硬化させる。結果は、二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層である。
【0113】
調製実施例PE3
PE1の無色溶液を、研摩した火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム基材(6インチ×12インチ×4ミル(0.004インチ)厚さ)上へドクターナイフコーティングを用いてコートする。コーティングを、コートされた面をランプの方に向けて450ワット水銀蒸気ランプに該材料を30秒間露光させることによって硬化させる。結果は、火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層である。
【0114】
調製実施例PE4
PE1の無色溶液を、単一面ポリアリルアミン下塗り二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム基材(6インチ×12インチ×4ミル(0.004インチ)厚さ)の研摩した下塗りしていない面上へドクターナイフコーティングを用いてコートする。コーティングを、コートされた面をランプの方に向けて450ワット水銀蒸気ランプに該材料を30秒間露光させることによって硬化させる。結果は、ポリアリルアミン下塗り二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層である。
【0115】
調製実施例PE5
PE1に示す組成構造(ここで、R1はHであり、Aは−((CH25)−である)の48重量部のコレステリックエステル化合物、上に示された同じ組成構造(ここで、R1はHであり、Aは−((CH26)−O−である)の48重量部のコレステリックエステル化合物、3重量部のトリメチロールプロパントリアクリレート、および1重量部のイルガキュアTM651光開始剤からなる組成物を一緒に混合して無色の溶液を形成する。生じた溶液を、研摩した配向処理された無色透明の焼きなましフロートガラス板基材(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)上へドクターナイフコーティングを用いてコートする。コーティングを、コートされた面をランプの方に向けて450ワット水銀蒸気ランプに該材料を30秒間露光させることによって硬化させる。結果は、ガラス上の非ミセルのねじれネマチック液晶層である。
【0116】
調製実施例PE6
PE5の無色溶液を、研摩した二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム基材(6インチ×12インチ×4ミル(0.004インチ)厚さ)上へドクターナイフコーティングを用いてコートする。コーティングを、コートされた面をランプの方に向けて450ワット水銀蒸気ランプに該材料を30秒間露光させることによって硬化させる。結果は、二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層である。
【0117】
調製実施例PE7
PE5の無色溶液を、研摩した火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム基材(6インチ×12インチ×4ミル(0.004インチ)厚さ)上へ、ドクターナイフコーティングを用いてコートする。コーティングを、コートされた面をランプの方に向けて450ワット水銀蒸気ランプに該材料を30秒間露光させることによって硬化させる。結果は、火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層である。
【0118】
調製実施例PE8
PE5の無色溶液を、単一面ポリアリルアミン下塗り二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム基材(6インチ×12インチ×4ミル(0.004インチ)厚さ)の研摩した下塗りしていない面上へドクターナイフコーティングを用いてコートする。コーティングを、コートされた面をランプの方に向けて450ワット水銀蒸気ランプに該材料を30秒間露光させることによって硬化させる。結果は、ポリアリルアミン下塗り二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層である。
【0119】
調製実施例PE9
キラル分子でドープされたネマチック液晶からなるねじれネマチック組成物は、次の物質を次の割合、43.8重量部の成分1、19.5重量部の成分2、25.2重量部の成分3、10重量部の成分4、1重量部のイルガキュア(登録商標)369光開始剤、および0.5重量部のFC171(3M、米国ミネソタ州セントポール(3M,St.Paul,MN,USA))で混合するときに製造される。生じた溶液を、研摩した配向処理されたフロートガラス板基材上へ巻き線型バーを用いてコートする。溶液を60℃で30秒間アニールし、その後、窒素雰囲気下のままで、コートされた面をランプの方に向けて平方センチメートル当たり13mWの強度で1分間の360nmUV放射線への露光によって重合させる。結果は、ガラス上の非ミセルのねじれネマチック液晶層である。
【0120】
【化9】

【0121】
調製実施例PE10
PE10は、100nmより大きい反射帯域幅を有し、そして無色透明の焼きなましフロートガラス板基材(1インチ×3インチ×1mm厚さ)上へコートされた、硬化した非ミセルのねじれネマチック・ソーラー・コントロール・フィルム(Solar Control Film)(チェリックス・テクノロジーズ社、米国カリフォルニア州94085、サニーベイル、520マーキュリードライブ(Chelix Technologies Corp.,520 Mercury Drive,Sunnyvale,CA 94085,USA))を含む。
【0122】
調製実施例PE11
硬化した多層フィルムが100nmより大きい反射帯域幅を有するように調合された、ねじれネマチックフィルム前駆体溶液を、次の方法を用いて製造する。4つのコレステリック混合物を、化合物1および2を表1に示す比で組み合わせることによって製造する。セルロースアセトブチレートを各コレステリック混合物に、層化を改善するためにコレステリック混合物の重量を基準として0.8重量%の濃度で加え、生じた混合物を酢酸ブチルに溶解させる。光開始剤2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシドを、コレステリック混合物の重量を基準として1.5重量%の濃度で各溶液に加える。各溶液を順繰りに、研摩した二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムに30マイクロメートルの湿ったフィルム厚さにドクターブレードで塗布し、その後のサブ層の被着前に紫外(UV)線源を用いて光化学的に架橋させる。4つのサブ層からなる複合非ミセルのねじれネマチック液晶層を二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム基材(6インチ×12インチ×4ミル(0.004インチ)厚さ)上へコートして二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上に100nmより大きい反射帯域幅を有する非ミセルのねじれネマチック液晶層を提供する。
【0123】
表1

【0124】
【化10】

【0125】
調製実施例PE12
セントリグラス(SentryGlas)(登録商標)プラス(Plus)エチレン/メタクリル酸共重合体シート層(デュポン(DuPont)から入手可能な)の粗面の1つ上にコートされた100nmより大きい反射帯域幅を有する非ミセルのねじれネマチック液晶層を、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムで置き換えることを除いて調製実施例PE11に記載したように本質的に製造する。
【0126】
調製実施例PE13
非ミセルのねじれネマチック液晶層を製造するためのコーティング溶液を、構造A〜D(上に示す)の化合物およびイルガキュア(登録商標)184光開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ、スイス国バーゼル)を使用することによって調製した。下の表に示す量の原料を20ml塩化メチレン中で組み合わせ、室温で10分間撹拌し、その後0.45ミクロン媒体で5つの別個のバイアル中へ濾過した。塩化メチレンを減圧下に除去した。その後、2mlの1−メトキシ−2−プロパノール(シグマ−アルドリッチ・コーポレーション(Sigma−Aldrich Corporation))を各バイアルに加え、使用するまで撹拌した。
【0127】

【0128】
調製実施例PE14
非ミセルのねじれネマチック液晶層を製造するためのコーティング溶液を、8ml塩化メチレンを使用したことを除いてPE13に記載した手順および下の表に示す量の原料を本質的に用いて調製した。塩化メチレンを減圧下に除去した後、1.0gの生じた混合物を2ミリリットルのキシレンに溶解させた。
【0129】

【0130】
調製実施例PE15
非ミセルのねじれネマチック液晶層を製造するためのコーティング溶液を、4ml塩化メチレンを使用したことを除いてPE14に記載した手順および下の表に示す量の原料を本質的に用いて調製した。
【0131】

【0132】
調製実施例PE16
非ミセルのねじれネマチック液晶層を製造するためのコーティング溶液を、PE14に記載した手順および下の表に示す量の原料を本質的に用いて調製した。塩化メチレンを減圧下に除去した後、1.0gの生じた混合物を0.6ミリリットルのキシレンに溶解させた。
【0133】

【0134】
調製実施例PE17
非ミセルのねじれネマチック液晶層を、研摩したマイラー(Mylar)(登録商標)400Dフィルム上へPE13で調製した溶液を使用してコートした。研摩工程後にガラス板支持体に依然として付着したマイラー(登録商標)フィルムを、テープを使用してガラスに貼り付けた。約0.25ミリリットルのコーティング溶液をマイラー(登録商標)フィルムに塗布した。コーティング溶液を、ブレード高さで約1ミルにセットしたガーダコ・アジャスタブル・マイクロメートル・フィルム・アプリケーターAP−M07(ポール N.ガードナー社、フロリダ州ポムパノ・ビーチ)(Gardco Adjustable Micrometer Film Applicator AP−M07(Paul N.Gardner Co.,Inc.,of Pompano Beach,FL))を用いて手動でフィルム上に広げた。コーティング直後に、マイラー(登録商標)フィルムをホットプレートに移し、60℃で2分間乾燥させた。コートしたマイラー(登録商標)フィルムを次に室温テーブル表面に移し、1分当たり2.5リットルの窒素パージを備え付けた4.3/4インチ×4.3/4インチ×1.7/8インチ石英箱でカバーした。2分間パージした後、サンプルを長波長の紫外線ランプ(ブラック−レイ・モデルB100、ミネラロジカル・リサーチ・カンパニー、カリフォルニア州サンノゼ(Blak−Ray Model B100)、Mineralogical Research Company,of San Jose,CA))からの照射によって硬化させた。バリアン・キャリー(Varian Cary)5000紫外/可視/近赤外分光計を用いて反射率を測定した。硬化したフィルムの最大反射率は約670nmの波長λ0で現れた。
【0135】
調製実施例PE18
非ミセルのねじれネマチック液晶層を、研摩したマイラー(Myler)(登録商標)フィルム上へ、PE14で調製したコーティング溶液をPE14で調製したものの代わりに使用したことを除いてPE13に記載したように本質的にコートした。硬化したフィルムの最大反射率は約790nmの波長λ0で現れた。
【0136】
調製実施例PE19
非ミセルのねじれネマチック液晶層を、研摩したマイラー(登録商標)フィルム上へ、PE15で調製したコーティング溶液をPE13で調製したものの代わりに使用したことを除いてPE17に記載したように本質的にコートし、巻き線コーティングバー(#012、R.D.スペシャルティーズ(R.D.Specialties))を用いてコーティング溶液を広げた。硬化したフィルムの最大反射率は約760nmの波長λ0で現れた。
【0137】
調製実施例PE20
非ミセルのねじれネマチック液晶層を、研摩したマイラー(登録商標)フィルム上へ、PE16で調製したコーティング溶液をPE15で調製したものの代わりに使用したことを除いてPE19に記載したように本質的にコートした。硬化したフィルムの最大反射率は約690nmの波長λ0で現れた。これは、PE19で製造されたものと反対の左右像の非ミセルのねじれネマチック液晶層である。
【0138】
調製実施例PE21
PE19に記載したように本質的に製造した非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたマイラー(登録商標)フィルムの3×6インチ片を半分にカットした。2つの3×3インチ片をコーテッド基材の1エッジに沿ってテープで貼り合わせて蝶番を形成した。コートされた面が互いに向き合った。二液型エポキシ(ハイソール(登録商標)E−30CL、ロックタイト社(Loctite Corp.))をビーズとして回転端でフィルム間に塗布し、回転片を非コーテッドマイラー(登録商標)400Dの2つの8×10インチ片の間に入れた。このアセンブリをゴム−ロール積層機(GBC3500プロ・シリーズ・ラミネーター(GBC 3500 Pro Series Laminator)、GBC、イリノイ州アジソン(Addison,IL))によって処理してアセンブリの蝶番端がアセンブリの残部の前にニップに入る状態で2つのコートされた面間に接着剤を均一に広げた。アセンブリを次に一晩硬化させた。非コーテッドマイラー(登録商標)400Dの2つの8×10インチ片を除去して液晶スタック、すなわち、液晶ポリマー層でコートされたマイラー(登録商標)フィルム/接着剤/マイラー(登録商標)フィルム上にコートされた液晶ポリマー層を後に残した。液晶スタックの最大反射率の波長λ0は約760nmで変わらなかった。
【0139】
調製実施例PE22
この調製実施例は、コートされた面が互いに対面しない、すなわち、マイラー(登録商標)のコートされていない面が向き合った状態で、コーテッドフィルムの2つの半分を組み立てたことを除いてPE21に記載したように本質的に実施した。液晶スタック、すなわち、マイラー(登録商標)フィルム上にコートされた液晶ポリマー層/接着剤/液晶ポリマー層でコートされたマイラー(登録商標)フィルムの最大反射率の波長λ0は約760nmで変わらなかった。
【0140】
調製実施例PE23
この調製実施例は、一方のコートされた面が他方のコートされていない面に向き合った状態で、コーテッドフィルムの2つの半分を組み立てたことを除いてPE21に記載したように本質的に実施した。液晶スタック、すなわち、マイラー(登録商標)フィルム上にコートされた液晶ポリマー層/接着剤/マイラー(登録商標)フィルム上にコートされた液晶ポリマー層の最大反射率の波長λ0は約760nmで変わらなかった。
【0141】
調製実施例PE24
この調製実施例は、テープで貼り合わせたフィルムがPE17に記載したように本質的に製造した非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされた3×6インチのマイラー(登録商標)フィルムおよびPE18に記載したように本質的に製造した類似のフィルムであったことを除いてPE21に記載したように本質的に実施した。生じた液晶スタックは2つの反射率ピークを有し、その位置は元のコーテッドフィルムと変わらなかった。
【0142】
実施例1
ガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、および二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の100nmより大きい反射帯域幅を有する非ミセルのねじれネマチック液晶層からなる多層ラミネートを次の方法で製造する。セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート(6インチ×12インチ×30ミル(0.030インチ)厚さ)、およびPE11からの非ミセルのねじれネマチック液晶層・二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム(6インチ×12インチ)を23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置して焼きなましフロートガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート層、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層のコートされた面がセントリグラス(登録商標)プラス・シート層と接触した、二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層上にコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層、薄いテフロン(Teflon)(登録商標)フィルム層、および焼きなましフロートガラス層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)を提供する。ガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/テフロン(登録商標)フィルム/ガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そしてガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたポリエステルフィルム/テフロン(登録商標)フィルム/ガラス・アセンブリをオートクレーブから取り出す。ガラスカーバーシートおよび薄いテフロン(登録商標)フィルムの除去は、本発明のガラスシート/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/コーテッドポリ(エチレンテレフタレート)フィルム多層ラミネートを提供する。
【0143】
実施例2
ガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、および二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の100nmより大きい反射帯域幅を有する非ミセルのねじれネマチック液晶層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、および火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムからなる多層ラミネートを次の方法で製造する。セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート(6インチ×12インチ×30ミル(0.030インチ)厚さ)、火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、およびPE11からの非ミセルのねじれネマチック液晶層・二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム(6インチ×12インチ)を23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置して焼きなましフロートガラス層、第1セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート層、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層のコートされた面が第1セントリグラス(登録商標)プラス・シート層と接触した、二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層上にコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層、第2セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート層、火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層、薄いテフロン(登録商標)フィルム層、および焼きなましフロートガラス層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)を提供する。ガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/火炎処理ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/テフロン(登録商標)フィルム/ガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そしてガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたポリエステルフィルム/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/火炎処理ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/テフロン(登録商標)フィルム/ガラス・アセンブリをオートクレーブから取り出す。ガラスカーバーシートおよび薄いテフロン(登録商標)フィルムの除去は、本発明のガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたポリエステルフィルム/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/火炎処理ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム多層ラミネートを提供する。
【0144】
実施例3
セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、および二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の100nmより大きい反射帯域幅を有する非ミセルのねじれネマチック液晶層、およびセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層からなる多層ラミネートを次の方法で製造する。セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート(6インチ×12インチ×30ミル(0.030インチ)厚さ)、およびPE12からの非ミセルのねじれネマチック液晶層・二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム(6インチ×12インチ)を23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置して焼きなましフロートガラス層、薄いテフロン(登録商標)フィルム層、第1セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート層、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層のコートされた面が第1セントリグラス(登録商標)プラス・シート層と接触した、二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層上にコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層、第2セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート層、薄いテフロン(登録商標)フィルム層、および焼きなましフロートガラス層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)を提供する。ガラス/テフロン(登録商標)フィルム/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/テフロン(登録商標)フィルム/ガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そしてガラス/テフロン(登録商標)フィルム/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたポリエステルフィルム/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/テフロン(登録商標)フィルム/ガラス・アセンブリをオートクレーブから取り出す。ガラスカーバーシートおよび薄いテフロン(登録商標)フィルムの除去は、本発明のセントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたポリエステルフィルム/セントリグラス(登録商標)プラス・シート多層ラミネートを提供する。ガラスカーバーシートおよび薄いテフロン(登録商標)フィルムの除去は、本発明の非ミセルのねじれネマチック液晶層/セントリグラス(登録商標)プラス・シート多層ラミネートでコートされたセントリグラス(登録商標)プラス・シート/ポリエステルフィルムを提供する。
【0145】
実施例4
ガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の100nmより大きい反射帯域幅を有する非ミセルのねじれネマチック液晶層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、およびガラス層からなる多層ラミネートを次の方法で製造する。実施例3の多層ラミネートを23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置して焼きなましフロートガラス層、実施例3の多層ラミネート、および焼きなましフロートガラス層を提供する。ガラス/多層ラミネート/ガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そしてガラス/多層ラミネート/ガラス・アセンブリをオートクレーブから取り出す。
【0146】
実施例5
非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、および二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層からなる多層ラミネートを次の方法で製造する。セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート(6インチ×12インチ×30ミル(0.030インチ)厚さ)、および二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム(6インチ×12インチ)を23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置してPE1からのガラス上にコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層、ガラスのコートされた面がセントリグラス(登録商標)プラス・シート層と接触した、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート層、二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層、薄いテフロン(登録商標)フィルム層、および焼きなましフロートガラス層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)を提供する。非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/テフロン(登録商標)フィルム/ガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そして非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ポリエステルフィルム/テフロン(登録商標)フィルム/ガラス・アセンブリをオートクレーブから取り出す。ガラスカーバーシートおよび薄いテフロン(登録商標)フィルムの除去は、本発明のコーテッドガラスシート/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム多層ラミネートを提供する。
【0147】
実施例6
非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層およびガラス層からなるガラス多層ラミネートを次の方法で製造する。セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート(6インチ×12インチ×30ミル(0.030インチ)厚さ)を23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置してPE1に記載したように本質的に製造したガラス上にコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層、ガラスのコートされた面がセントリグラス(登録商標)プラス・シート層と接触した、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート層および無色透明の焼きなましフロートガラス層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)を提供する。非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そして非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ガラス多層ラミネートをオートクレーブから取り出す。
【0148】
実施例7
非ミセルのねじれネマチック液晶層でそれぞれコートされた2つのガラス層およびセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シートからなるガラス多層ラミネートを次の方法で製造する。セントリグラス(登録商標)プラス・シート(6インチ×12インチ×30ミル(0.030インチ)厚さ)を23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置してPE1に記載したように本質的に製造したガラス上にコートされた1つの非ミセルのねじれネマチック液晶層、セントリグラス(登録商標)プラス・シート層、およびガラスシートの両方のコートされた面がセントリグラス(登録商標)プラス・シートと接触したPE1に記載したように本質的に製造したガラス上にコートされた他の非ミセルのねじれネマチック液晶層を提供する。非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そして非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされガラス多層ラミネートをオートクレーブから取り出す。
【0149】
実施例8
PE2の二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層をセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート上へ次の方法で転写印刷する。二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層をセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート(6インチ×12インチ×15ミル(0.015インチ)厚さ)の表面と接触させ、100℃に予め加熱したアイロンをポリ(エチレンテレフタレート)のコートされていない面上に置く。1分後に、アイロンを取り除き、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを除去する。結果は、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート上に転写印刷された非ミセルのねじれネマチック液晶である。
【0150】
ガラス層、上記からのセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層上に転写印刷された非ミセルのねじれネマチック液晶、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、およびガラス層からなるガラス多層ラミネートを次の方法で製造する。セントリグラス(登録商標)プラス(6インチ×12インチ×15ミル(0.015インチ)厚さ)および非ミセルのねじれネマチック液晶がその上に転写印刷されたセントリグラス(登録商標)プラス・シートを23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置して無色透明の焼きなましフロートガラス板層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)、セントリグラス(登録商標)プラス・シート層上に転写印刷された非ミセルのねじれネマチック液晶、セントリグラス(登録商標)プラス・シート層、および無色透明の焼きなましフロートガラス板層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)を提供する。転写印刷されたセントリグラス(登録商標)プラス・シートの非ミセルのねじれネマチック液晶コートされた面は、第2のセントリグラス(登録商標)プラス・シートと接触する。ガラス/非ミセルのねじれネマチック液晶層付きセントリグラス(登録商標)プラス・シート層/セントリグラス(登録商標)プラス・シート層/ガラス・アセンブリを標準手順に従って積層し、そしてガラス/非ミセルのねじれネマチック液晶層付きセントリグラス(登録商標)プラス・シート層/セントリグラス(登録商標)プラス・シート層/ガラス多層ラミネートをオートクレーブから取り出す。
【0151】
実施例9
ガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層およびPE3の火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層からなる多層ラミネートを次の方法で製造する。セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート(6インチ×12インチ×60ミル(0.060インチ)厚さ)およびコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層付き火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置して無色透明の焼きなましフロートガラス板層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)、セントリグラス(登録商標)プラス・シート層、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムのコートされた面がセントリグラス(登録商標)プラス・シートと接触した火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層、薄いテフロン(登録商標)フィルム層、および焼きなましフロートガラス層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)を提供する。ガラスシート/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層/テフロン(登録商標)フィルム/ガラスシート・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そしてガラスシート/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層/テフロン(登録商標)フィルム/ガラスシート・アセンブリをオートクレーブから取り出す。ガラスカーバーシートおよび薄いテフロン(登録商標)フィルムの除去は、本発明のガラスシート/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/火炎処理二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層多層ラミネートを提供する。
【0152】
実施例10
ガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、PE4のポリアリルアミン下塗り二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、およびガラス層からなるガラス多層ラミネートを次の方法で製造する。2つのセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート(6インチ×12インチ×30ミル(0.030インチ)厚さ)およびコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層付きポリアリルアミン下塗り二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムを23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置して無色透明の焼きなましフロートガラス板層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)、セントリグラス(登録商標)プラス・シート層、ポリアリルアミン下塗り二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層、セントリグラス(登録商標)プラス・シート層、および無色透明の焼きなましフロートガラス板層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)を提供する。ガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ポリアリルアミン下塗り二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そしてガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ポリアリルアミン下塗り二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ガラス多層ラミネートをオートクレーブから取り出す。
【0153】
実施例11
ガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、PE8のポリアリルアミン下塗り二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、およびガラス層からなるガラス多層ラミネートを、PE8のポリアリルアミン下塗り二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムをPE4のフィルムの代わりに使用することを除いて実施例10について記載したように本質的に製造する。
【0154】
実施例12
ガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、実施例1のセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層上の非ミセルのねじれネマチック液晶層およびガラス層からなるガラス多層ラミネートを次の方法で製造する。セントリグラス(登録商標)プラス・シート(6インチ×12インチ×15ミル(0.015インチ)厚さ)およびコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層付きセントリグラス(登録商標)プラス・シートを23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置して無色透明の焼きなましフロートガラス板層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)、セントリグラス(登録商標)プラス・シート層、コートされた面が他のセントリグラス(登録商標)プラス・シートと接触したセントリグラス(登録商標)プラス・シート上の非ミセルのねじれネマチック液晶層、および無色透明の焼きなましフロートガラス板層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)を提供する。ガラス/セントリグラス(登録商標)シート/セントリグラス(登録商標)シート上の非ミセルのねじれネマチック液晶層/ガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そしてガラス/セントリグラス(登録商標)シート/セントリグラス(登録商標)シート上の非ミセルのねじれネマチック液晶層/ガラス多層ラミネートをオートクレーブから取り出す。
【0155】
実施例13
ガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、実施例2のセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層上の非ミセルのねじれネマチック液晶層およびガラス層からなるガラス多層ラミネートを、実施例2のコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層付きセントリグラス(登録商標)プラス・シート中間層を実施例1のそれの代わりに使用することを除いて実施例12に記載したように本質的に製造する。
【0156】
実施例14
ガラス層、実施例3のセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層上の非ミセルのねじれネマチック液晶層およびガラス層からなるガラス多層ラミネートを次の方法で製造する。コートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層付きセントリグラス(登録商標)プラス・シートを23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置して無色透明の焼きなましフロートガラス板層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)、セントリグラス(登録商標)プラス・シート上の非ミセルのねじれネマチック液晶層および無色透明の焼きなましフロートガラス板層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)を提供する。ガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート上の非ミセルのねじれネマチック液晶層/ガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そしてガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート上の非ミセルのねじれネマチック液晶層/ガラス多層ラミネートをオートクレーブから取り出す。
【0157】
実施例15
100nmより大きい反射帯域幅を有する、硬化したねじれネマチック・ソーラー・コントロール・フィルム(Solar Control Film)(チェリックス・テクノロジーズ社、米国カリフォルニア州94085、サニーベイル、520マーキュリードライブ(Chelix Technologies Corp.,520 Mercury Drive,Sunnyvale,CA 94085,USA)を、一面上で平滑でありそして他面上で粗い15ミル厚さのセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層の平滑な面に次の方法を用いて接着させる。セントリグラス(登録商標)プラス・シートを23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。必要とされる材料の層を配置してガラス上のソーラー・コントロール・フィルム、セントリグラス(登録商標)プラス・シートおよび無色透明の焼きなましフロートガラス板層(1インチ×3インチ×2.5mm厚さ)を提供する。ガラス上のソーラー・コントロール・フィルム/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そしてソーラー・コントロール・ガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ガラス多層ラミネートをオートクレーブから取り出す。
【0158】
実施例16
100nmより大きい反射帯域幅を有する非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層および二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層からなる多層ラミネートを、PE10のコーテッドガラスをPE1のコーテッドガラスの代わりに使用することを除いて実施例5に記載したように本質的に製造する。
【0159】
実施例17
100nmより大きい反射帯域幅を有する非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、二軸延伸火炎処理ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層、セントリグラス(登録商標)プラス・ポリビニルブチラールポリマーシート中間層、およびガラス層からなる多層ラミネートを、PE10に記載したように本質的に製造したコーテッドガラスをPE1のコーテッドガラスの代わりに使用することを除いて実施例6に記載したように本質的に製造する。
【0160】
実施例18
100nmより大きい反射帯域幅を有する非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層およびガラス層からなる多層ラミネートを、PE10に記載したように本質的に製造したコーテッドガラスをPE9のコーテッドガラスの代わりに使用することを除いて実施例7に記載したように本質的に製造する。
【0161】
実施例19
そのそれぞれが100nmより大きい反射帯域幅を有する、非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされた2つのガラス層、およびセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シートからなるガラス多層ラミネートを、PE10に記載したように本質的に製造したコーテッドガラスをPE1のコーテッドガラスの代わりに使用することを除いて実施例8に記載したように本質的に製造する。
【0162】
実施例20
ガラス層、100nmより大きい反射帯域幅を有する、そしてセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層上に転写印刷された非ミセルのねじれネマチック液晶、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、およびガラス層からなるガラス多層ラミネートを、PE11の二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム上の非ミセルのねじれネマチック液晶層をPE2のそれの代わりにセントリグラス(登録商標)プラス・シート上へ転写印刷することを除いて実施例9に記載したように本質的に製造する。
【0163】
実施例21
ガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、実施例20のセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層上の100nmより大きい反射帯域幅を有する非ミセルのねじれネマチック液晶層およびガラス層からなるガラス多層ラミネートを、実施例20のコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層付きセントリグラス(登録商標)プラス・シートを実施例1のそれの代わりに使用することを除いて実施例12に記載したように本質的に製造する。
【0164】
実施例22
非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、およびバインダー内に含有される六ホウ化ランタンでコートされた「KH」フィルム層(6インチ×12インチ)(住友金属鉱山株式会社)からなる多層ラミネートを次の方法で製造する。セントリグラス(登録商標)プラス・シート(6インチ×12インチ×60ミル(0.060インチ)厚さ)、および「KHフィルム」を23パーセント相対湿度(RH)で、72°Fの温度で一晩順化させる。層を配置してPE10に記載したように本質的に製造したガラス上にコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶層、ガラスのコートされた面がセントリグラス(登録商標)プラス・シート層と接触した、セントリグラス(登録商標)プラス・シート層、二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム層、「KH」フィルム層、薄いテフロン(登録商標)フィルム層および焼きなましフロートガラス層(6インチ×12インチ×2.5mm厚さ)を提供する。非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム/「KH」フィルム/テフロン(登録商標)フィルム/ガラス・アセンブリを次に標準手順に従って積層し、そして非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/「KH」フィルム/テフロン(登録商標)フィルム/ガラス・アセンブリをオートクレーブから取り出す。ガラスカーバーシートおよび薄いテフロン(登録商標)フィルムの除去は、本発明のコーテッドガラスシート/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/「KH」フィルム多層ラミネート、すなわち、赤外線反射特性を有する非ミセルのねじれネマチック液晶層でコートされたガラス層、セントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シートおよび赤外線吸収層からなる多層ラミネートを提供する。
【0165】
実施例23
ガラス層、100nmより大きい反射帯域幅を有する、そしてセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層上に転写印刷された非ミセルのねじれネマチック液晶、その中へ0.10重量パーセント(総シート組成物の重量を基準として)のポリメチン型赤外線吸収剤が組み入れられているセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、およびガラス層からなるガラス多層ラミネートを、その中へ赤外線吸収剤が組み入れられているセントリグラス(登録商標)プラス・シートを実施例20で使用した非コーテッドセントリグラス(登録商標)プラス・シートの代わりに使用することを除いて実施例20に記載したように本質的に製造する。
【0166】
実施例24
ガラス層、実施例15のセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層上にコートされた非ミセルのねじれネマチック液晶、その中へ0.05重量パーセント(総シート組成物の重量を基準として)のフタロシアニン型赤外線吸収剤が組み入れられているセントリグラス(登録商標)プラス・エチレン/メタクリル酸共重合体シート中間層、およびガラス層からなるガラス多層ラミネートを、実施例15のコーテッドセントリグラス(登録商標)プラス・シートを実施例9の転写印刷されたセントリグラス(登録商標)プラス・シートの代わりに使用し、そしてその中へ赤外線吸収剤が組み入れられているセントリグラス(登録商標)プラス・シートを実施例9で使用した非コーテッドセントリグラス(登録商標)プラス・シートの代わりに使用することを除いて実施例9に記載したように本質的に製造する。
【0167】
実施例25
多層ラミネートを次の方法を用いて製造した。PE18で製造した液晶ポリマーでコートされたマイラー(Mylar)(登録商標)フィルムの2つの2×2インチ・シートをコーテッド基材の1エッジに沿ってテープで貼り合わせて蝶番を形成した。コートされた面が互いに向き合った。セントリグラス(登録商標)プラス中間層シートの部分、2×0.5×0.03インチを蝶番端でコーテッド基材間に置いた。アセンブリを6×12×0.1インチである2つの真ちゅうシート間に置いた。真ちゅう被覆アセンブリを次に150℃に予熱し、アセンブリの蝶番端がアセンブリの残部の前にニップに入る状態で、150℃にまた加熱したスチール・ニップ−ロールのペアを通してフィードした。冷却後に真ちゅうシートを取り除いた。マイラー(登録商標)フィルムの1つをアセンブリから取り除き、マイラー(登録商標)フィルム/非ミセルのねじれネマチック液晶ポリマー層/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶ポリマー層の多層ラミネートを後に残した。
【0168】
実施例26
実施例25の多層ラミネートのマイラー(登録商標)フィルムを除去して、非ミセルのねじれネマチック液晶ポリマー層/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/非ミセルのねじれネマチック液晶ポリマー層の多層ラミネートを後に残した。
【0169】
実施例27
ガラス多層ラミネートを、次の方法を用いて製造した。使用したガラスは50×75×1mmであった。中間層シートは、50×75×1.2mmであるエンボス化セントリグラス(登録商標)プラス中間層であった。使用した液晶スタックは、PE21で製造したものであり、50×75mmであった。構成成分を次の順に組み立てた:ガラス、セントリグラス(登録商標)プラス・シート、液晶スタック、セントリグラス(登録商標)プラス、ガラス。コーナーをテープで貼り合わせてアセンブリを安定化させた。アセンブリを次に、2つのシリコーンゴムシート(12×12×0.25インチ)の間に入れ、真空ホットプレス(モデル1553、OEMプレス・システムズ社、カリフォルニア州オレンジ(OEM Press Systems Inc.,Orange,CA))の圧盤上に置いた。プレスを4分間排気し、圧盤を100℃に加熱した。下方圧盤を、サンプルがトップ圧盤にちょうど触れるように上げ、この位置に保持してサンプルを7分間予熱した。サンプルを次に10分間プレスし(0.7%フルスケール圧力)、その終わりに圧力を取り除き、真空を解除した。サンプルは、それがプレスから取り出されるとき暖かかった。ガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/液晶スタック/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ガラスの多層ラミネートは、反射スペクトルでおおよそ660および720nmに2つの最大を示した。
【0170】
実施例28
多層ラミネート・ガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/液晶スタック/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ガラスを、使用した液晶スタックがPE21で製造したものの代わりにPE22で製造したものであったことを除いて実施例27に記載した方法を用いて本質的に製造した。ガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/液晶スタック/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ガラスの多層ラミネートは、反射スペクトルでおおよそ700および750nmに2つの最大を示した。
【0171】
実施例29
多層ラミネート・ガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/液晶スタック/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ガラスを、使用した液晶スタックがPE21で製造したものの代わりにPE23で製造したものであったことを除いて実施例27に記載した方法を用いて本質的に製造した。
【0172】
実施例30
多層ラミネート・ガラス/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/液晶スタック/セントリグラス(登録商標)プラス・シート/ガラスを、使用した液晶スタックがPE22で製造したものの代わりにPE24で製造したものであり、そしてプレス温度が110℃であったことを除いて実施例27に記載した方法を用いて本質的に製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)コレステリック赤外線反射特性を有する非ミセルのねじれネマチック液晶の少なくとも1つの層と、
(b)ASTM方法D−638によって測定した際に20,000psi(138MPa)〜100,000psi(690MPa)の弾性率のポリマーを含むポリマーシートの少なくとも1つの層と
を含む赤外線を反射するための多層ラミネート品であって、該非ミセルのねじれネマチック液晶の少なくとも1つの層の少なくとも1つの表面が該ポリマーシートの少なくとも1つの層の少なくとも1つの表面と接触している多層ラミネート品。
【請求項2】
前記ポリマーシートがポリビニルブチラールまたはポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)を含む、請求項1に記載の多層ラミネート品。
【請求項3】
(c)二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、酢酸セルロースフィルムおよびポリカーボネートフィルムからなる群から選択されたポリマーフィルムの少なくとも1つの層と、
(d)ガラス、ポリカーボネート、ポリアクリレート、環状ポリオレフィン、環状ポリオレフィンエチレンノルボルネンポリマー、メタロセン触媒ポリスチレンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択された硬質シートの少なくとも1つの層と
をさらに含む、請求項1に記載の多層ラミネート品。
【請求項4】
前記非ミセルのねじれネマチック液晶の少なくとも1つの層の少なくとも1つの表面上に接着剤またはプライマーをさらに含む、請求項1に記載の多層ラミネート品。
【請求項5】
前記接着剤またはプライマーがガンマ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリエトキシシラン、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂またはポリアリルアミンを含む、請求項4に記載の多層ラミネート品。
【請求項6】
前記接着剤が30nmより大きい非ミセルのねじれネマチック液晶のピーク反射の波長のシフトをもたらす、請求項5に記載の多層ラミネート品。
【請求項7】
少なくとも1つが非ミセル右回りのねじれネマチック液晶の層であり、少なくとも1つが非ミセル左回りのねじれネマチック液晶の層である、コレステリック赤外線反射特性を有する非ミセルのねじれネマチック液晶の少なくとも2つの層がある、請求項1に記載の多層ラミネート品。
【請求項8】
前記ポリマーシートがポリビニルブチラールまたはポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)を含む、請求項7に記載の多層ラミネート品。
【請求項9】
(c)二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、酢酸セルロースフィルムおよびポリカーボネートフィルムからなる群から選択されたポリマーフィルムの少なくとも1つの層と、
(d)ガラス、ポリカーボネート、ポリアクリレート、環状ポリオレフィン、環状ポリオレフィンエチレンノルボルネンポリマー、メタロセン触媒ポリスチレンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択された硬質シートの少なくとも1つの層と
をさらに含む、請求項7に記載の多層ラミネート品。
【請求項10】
前記非ミセルのねじれネマチック液晶の少なくとも1つの層が100nmより大きい反射帯域幅を有する、請求項1に記載の多層ラミネート品。
【請求項11】
前記ポリマーシートがポリビニルブチラールまたはポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)を含む、請求項10に記載の多層ラミネート品。
【請求項12】
(c)二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、酢酸セルロースフィルムおよびポリカーボネートフィルムからなる群から選択されたポリマーフィルムの少なくとも1つの層と、
(d)ガラス、ポリカーボネート、ポリアクリレート、環状ポリオレフィン、環状ポリオレフィンエチレンノルボルネンポリマー、メタロセン触媒ポリスチレンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択された硬質シートの少なくとも1つの層と
をさらに含む、請求項10に記載の多層ラミネート品。
【請求項13】
二分の一波長板のn層をさらに含み、nが整数であり、前記非ミセルのねじれネマチック液晶のnペアの層があり、ペアの各層が同一の左右像を有し、そしてペアの各層が同じ波長λ0近傍に光の反射を示し、かつ、同じ波長λ0のための二分の一波長板が同一の左右像を有する非ミセルのねじれネマチック液晶の各ペアの層間に配置される、請求項1に記載の多層ラミネート品。
【請求項14】
前記ポリマーシートがポリビニルブチラールまたはポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)を含む、請求項13に記載の多層ラミネート品。
【請求項15】
(c)二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、酢酸セルロースフィルムおよびポリカーボネートフィルムからなる群から選択されたポリマーフィルムの少なくとも1つの層と、
(d)ガラス、ポリカーボネート、ポリアクリレート、環状ポリオレフィン、環状ポリオレフィンエチレンノルボルネンポリマー、メタロセン触媒ポリスチレンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択された硬質シートの少なくとも1つの層と
をさらに含む、請求項13に記載の多層ラミネート品。
【請求項16】
少なくとも1つの赤外線吸収層をさらに含む、請求項15に記載の多層ラミネート品。
【請求項17】
ポリマーフィルムの少なくとも1つの層をさらに含む、請求項16に記載の多層ラミネート品。
【請求項18】
(c)二軸延伸ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、酢酸セルロースフィルムおよびポリカーボネートフィルムからなる群から選択されたポリマーフィルムの少なくとも1つの層と、
(d)ガラス、ポリカーボネート、ポリアクリレート、環状ポリオレフィン、環状ポリオレフィンエチレンノルボルネンポリマー、メタロセン触媒ポリスチレンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択された硬質シートの少なくとも1つの層と
をさらに含む、請求項16に記載の多層ラミネート品。
【請求項19】
前記赤外線吸収層が多層ラミネート品の層の1つ以上の上の不連続フィルム、コーティングの形態にあるか、または多層ラミネート品の層の少なくとも1つ以上中へ組み入れられる、請求項16に記載の多層ラミネート品。
【請求項20】
多層ラミネート品の層の少なくとも1つ内に含有された赤外線吸収性無機ナノ粒子をさらに含む、請求項1に記載の多層ラミネート品。

【公表番号】特表2008−545556(P2008−545556A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513799(P2008−513799)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/020654
【国際公開番号】WO2006/128090
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】