説明

はんだボールおよびはんだボールを用いた半導体装置

【課題】
銅パッド部とはんだボールとの間における銅と錫との反応が促進されるのを阻止して、銅パッド部に断線が発生するのを防止することを可能にするはんだボール及びそのはんだボールを用いた半導体装置を提供する
【解決手段】
はんだボールを、金属又は樹脂の表面に金属をコーティングしたコア材と、このコア材の表面に形成されたニッケル、チタンもしくクロムを主成分とする第一の金属膜層と、この第一の金属膜層の外周に形成された銅を主成分とする第二の金属膜層と、この第二の金属膜層の外周に錫を主成分とする第三の金属膜層とを有して構成し、半導体装置を、第一の部材上の第一の電極パッドと第二の部材上の第二の電極パッドとをこのはんだボールを用いて接合した構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家電用や民生機器用、産業用に用いられるはんだボールおよびはんだボールを用いた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器を中心として高機能化・高性能化の要求が年々増加しており、これに伴い高速、大容量な半導体デバイスが必要となってきている。一方で、機器の小型化も大きなニーズとなっており、これらを両立させた半導体パッケージの開発が行われている。これを実現するキーテクノロジーとして、半導体素子を突起バンプで接合するフリップチップ実装が注目を浴びており、既に様々なパッケージに使用されている。
【0003】
フリップチップ実装はパッド上にバンプを形成したチップを基板の電極上にフェイスダウンにより接続する実装方式である。フリップチップ実装方式は、従来のワイヤボンディング接合方式に比べて、接続長が短くなることにより信号伝播の遅延を抑えることができ高速伝送が可能であること、チップサイズがパッケージサイズとなるため小型化が可能であることなどの利点が挙げられる。
【0004】
主なフリップチップ実装方式として、チップと基板間をはんだバンプで接合するはんだバンプ接合方式(図16)、チップ側に金スタッドバンプを形成したのちスタッドバンプと基板側配線をはんだにて接合する金バンプ/はんだ接合方式、チップ側に金スタッドバンプを形成したのちスタッドバンプと基板側配線を超音波接合により接合する超音波接合方式、チップ側にスタッドバンプを形成したのちスタッドバンプと基板側配線を銀ペーストやACF(Anisotropic Conductive Film)などの樹脂材を主とした材料で接続する接触接続方式などが主流となっている。
【0005】
この中でもはんだバンプ接合方式は接合部のはんだ材が変形することにより、温度変化や落下衝撃などの実使用環境下で発生する接合部へのストレスを緩和する機構を備えた有力な接合方法である。従来は微細なはんだバンプを形成することが困難であったが、現在では100μm以下のはんだボールも量産されており、今後はんだボールもますます微細ピッチ接合へ適用されていくものと推定される。
【0006】
はんだボール接合は上記の通り応力緩和機構を持つ接合であるが、ボール径が100μm以下となると接合面積も小さくなる。はんだ接合部の歪み発生の主な原因はチップと基板間の線膨張係数差に起因する環境温度変化時のせん断歪みである。せん断歪みはチップ中心からの距離に比例し接続部高さに反比例するので、中心から同一距離にあるはんだボールの径を小さくすると増大する。また、はんだボールの接合部高さは初期はんだボール径の50から70%ほどになることが多いため、100μmのはんだボールの場合接合部高さは50から70μm程度になる。これに伴いせん断歪みが増大することが類推できる。更に昨今のチップの高性能化に伴い電流量も増大しているが、接合部はますます微細化が進んでいる。このような背景から接合部の電流密度が上昇しており、この電流密度の上昇ははんだボール内のエレクトロマイグレーションによる断線不良を引き起こすことが懸念されている。
【0007】
このような想定される課題を解決する手段として、せん断歪みの低下と耐エレクトロマイグレーション性を実現できるはんだボール材として、金属コアはんだボールが提案されている。金属コアはんだボールとは任意の粒径の金属をはんだでコーティングすることにより形成したはんだボールであり、コアが介在することにより接合部の高さをコア粒径以上に保つことができる。また、コア材料としてはんだよりも電気伝導性の高い金属を用いることによりエレクトロマイグレーション耐性も向上することができる。
【0008】
特許文献1では、金属コアボールはんだの金属コア外周に窪みを形成し、その窪みにはんだを充填させることによりボール外周部のはんだ量を増加させる金属コアはんだボール形状が記載されている。また特許文献2では金属コアのない通常のはんだボールを超音波にて接合し、ボールを溶融させることなく低温で接合できる製造プロセスを提示している。更に、特許文献3には、銅(Cu)をコアとしてその上にニッケル(Ni)合金層、更にその上に銅(Cu)を含む錫(Sn)合金層を形成し、表層に別のはんだ材料形成したはんだボールの構造が記載されている。
【0009】
また、特許文献4には、コア材料に有機重合体又は有機共重合体を用いてその周囲を第1層の金属としてCu層で被覆し、その外側を第2層の金属としてSnを含む合金からなるはんだ内層で被覆し、最外周を第3層の金属として第2層と同じSnを含む合金からなり第2層と組成が異なるはんだ外層で被覆した導電性ボール(はんだボール)について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−101207号公報
【特許文献2】特開2005−26579号公報
【特許文献3】特開2007−75856号公報
【特許文献4】特許第3924552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の通り金属コアはんだは、はんだボールが微細化した際も一定の接合高さを確保できるため、接合部に発生するひずみを低減することができる。しかし、他の懸念事項であるエレクトロマイグレーション性向上についてはまだ明確な対策がなされていない。電気伝導性ははんだよりも金属コアの方が良好であるため、従来のはんだボールよりも金属コアはんだではエレクトロマイグレーション耐性も向上することが推定される。金属コアはんだボールの一種として、銅をコア材とし、その外周を錫系はんだでコーティングした銅コアはんだボールが提案されている。また、銅と錫は錫が溶融した状態で反応速度が速いことが知られているため、銅コアとはんだ層間にニッケルなどの反応抑制層を形成した銅コアはんだボールが提案されている。
【0012】
一方、バンプピッチ微細化によりチップ/はんだ間に応力が集中し、接合部破断が発生することが懸念される。その対策としてチップ上に20〜50μm程度の銅パッド(銅ポスト)を形成したチップも使用されている。このようにチップ上パッドが銅となった場合は、はんだボール外周の錫と銅パッドが反応し、銅パッド部で断線を発生する可能性がある。また一定電流密度以上の環境下では電流により銅と錫の反応が促進することも知られていることから、今後の微細化に伴う電流密度の上昇は断線の危険性を高める可能性が高い。
【0013】
然るに、特許文献1乃至4に記載されているはんだボールの構成においては、微細化する銅パッド部とはんだボールとの間における銅と錫との反応が促進されるのを阻止して、銅パッド部に断線が発生するのを防止することについては配慮されていない。
【0014】
本発明の目的は、銅パッド部とはんだボールとの間における銅と錫との反応が促進されるのを阻止して、銅パッド部に断線が発生するのを防止することを可能にするはんだボール及びそのはんだボールを用いた半導体装置を提供することに有る。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明では、はんだボールを、金属又は樹脂の表面に金属をコーティングしたコア材と、このコア材の表面に形成されたニッケル、チタンもしくクロムを主成分とする第一の金属膜層と、この第一の金属膜層の外周に形成された銅を主成分とする第二の金属膜層と、この第二の金属膜層の外周に錫を主成分とする第三の金属膜層とを有して構成した。
【0016】
また、上記目的を達成するために、本発明では、はんだボールを、金属又は樹脂の表面に金属をコーティングしたコア材と、このコア材の表面に形成されたニッケル、チタンもしくクロムを主成分とする第一の金属膜層と、この第一の金属膜層の外周に形成された銅を主成分とする金属粉を含有した錫を主成分とする第二の金属膜層とを有して構成した。
【0017】
更に、上記目的を達成するために、本発明では、第一の部材上の第一の電極パッドと第二の部材上の第二の電極パッドとをはんだボールによって接合した構成を有する半導体装置において、はんだボールは、金属又は樹脂の表面に金属をコーティングしたコア材と、このコア材の表面に形成された第一の金属膜層と、この第一の金属膜層の外周に形成された銅を主成分とする第二の金属膜層と、この第二の金属膜層の外周に錫を主成分とする第三の金属膜層とを有して構成され、第一の電極パッドと第三の金属膜層との間及び第二の電極パッドと第三の金属膜層との間にそれぞれ合金層が形成されて第一の電極パッドと第二の電極パッドとがそれぞれはんだボールと接合していることを特徴とする。
【0018】
更にまた、上記目的を達成するために、本発明では、第一の部材上の第一の電極パッドと第二の部材上の第二の電極パッドとをはんだボールによって接合した構成を有する半導体装置において、はんだボールは、金属又は樹脂の表面に金属をコーティングしたコア材と、このコア材の表面に形成されたニッケル、チタンもしくクロムを主成分とする第一の金属膜層と、この第一の金属膜層の外周に形成された銅を主成分とする金属粉を含有した錫を主成分とする第二の金属膜層とを有して構成され、第一の電極パッドと第三の金属膜層との間及び第二の電極パッドと第三の金属膜層との間にそれぞれ合金層が形成されて第一の電極パッドと第二の電極パッドとがそれぞれはんだボールと接合していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の特長は、はんだボール中に金属コアを介在することにより接合高さを確保し接合部の歪みを低減できること、第三の金属膜として錫と反応しやすい銅を用いることでパッドの銅とはんだ中の錫の反応を抑制すること、それによりエレクトロマイグレーション耐性を向上させることである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る金属コアはんだボールの断面図である。
【図2】図2は、実施例1に係る金属コアはんだボールを用いた半導体素子と基板との組立プロセス一例を示す金属コアはんだボールと半導体素子と基板との断面図である。
【図3】図3は、実施例1に係る金属コアはんだボールを予め半導体素子に接合した状態で基板に接合する直前の状態を示す金属コアはんだボールと半導体素子と基板との断面図である。
【図4】図4は、実施例1に係る半導体素子に予め接合した金属コアはんだボールを基板に接合した直後の状態を示す金属コアはんだ接合部と半導体素子と基板との断面図である。
【図5】図5は、実施例1に係る半導体素子に予め接合した金属コアはんだボールを基板に接合後、一定の時間が経過した時の金属コアはんだ接合部と半導体素子と基板との断面図である。
【図6】図5は、実施例1に係る金属コアはんだボールを予め基板に接合した状態で半導体素子に接合する直前の状態を示す金属コアはんだボールと半導体素子と基板との断面図である。
【図7】図7は、実施例1の変形例1に係る金属コアはんだボールの断面図である。
【図8】図8は、実施例1の変形例1に係る金属コアはんだボールを予め半導体素子に接合した状態で基板に接合する前の状態を示す金属コアはんだ接合部と半導体素子と基板との断面図である。
【図9】図9は、実施例1の変形例1に係る金属コアはんだボールを予め半導体素子に接合した状態で基板に接合した後の金属コアはんだ接合部と半導体素子と基板との断面図である。
【図10】図10は、実施例1の変形例1に係る金属コアはんだボールを予め半導体素子に接合した状態で基板に接合後、一定の時間が経過した時の金属コアはんだ接合部の断面図である。
【図11A】図11Aは、実施例1の変形例2に係る樹脂コアはんだボールの断面図である。
【図11B】図11Bは、実施例1の変形例2に係る樹脂コアはんだボールの断面図である。
【図12】図12は、実施例2に係る半導体素子上へのはんだボールを一括して接合する形成プロセスを示す半導体素子の断面図である。
【図13】図13は、実施例2に係る半導体素子上に一括して接合されたはんだボールを基板と接合する組み立てプロセスを示す半導体素子の断面図である。
【図14】図14は、実施例2に係る基板上へのはんだボールを一括して接合する形成プロセスを示す基板の断面図である。
【図15】図15は、実施例2に係る基板上に一括して接合されたはんだボールを半導体素子と接合する組立プロセス一例の断面図である。
【図16】図16は、はんだバンプを用いた従来接合部の構成を示すはんだバンプと半導体素子と基板との断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明実施の形態を、はんだボールの構造について実施例1で説明し、そのはんだボールを用いた半導体装置について実施例2で説明する。
【実施例1】
【0022】
図1は本発明の実施例1における金属コアはんだボール100の断面図である。1は金属コア、2は第一金属膜、3は第二金属膜、4ははんだである。金属コア1の材料は、はんだ4よりも電気伝導率の高い金属であればよく、例えば銅、金、銀、アルミニウムなどを主成分とした金属が挙げられる。金属コア1の直径は10μm〜1000μmが望ましい。金属コアはんだボール100を用いて半導体素子と基板を接合する際、金属コア1は接合部の高さを制御する役割を果たすことができる。しかし金属コア1の直径が10μm以下となると、高さ制御の効果が低減する可能性が高く、かつハンドリングが困難となる。また金属コア1の直径が1000μm以上となると、金属コアはんだボール100のサイズが1mm以上となるため、接合ピッチが1mm以下の微細接合を実現できない。
【0023】
上記説明で半導体素子を一例として記載したが、半導体素子上で再配線を施したウェハレベルパッケージや基板上にチップを実装してモールドした半導体パッケージなどでもよい。また基板はセラミック基板、プリント基板、シリコン基板、ガラス基板、フレキシブル基板、金属ベース基板などが挙げられる。更には半導体素子と半導体素子、半導体パッケージと半導体パッケージ、半導体素子とパッケージなどの接合でも同様に高さ制御の効果が得られる。金属コア1は球状で説明したが、楕円、立方体、円柱、直方体、三角柱、四角柱、多角中、円錐などでもかまわない。
【0024】
第一金属膜2に関しては、融点以上に加熱したときの第一金属膜2とはんだ4の反応速度が第二金属膜3とはんだ4の反応速度よりも遅くなるような第一金属膜2の材料を選定する。例えば第二金属膜3を銅もしくは銅を主成分とする金属膜とする場合は、第一金属膜2はニッケルやチタン、クロムを主成分とした金属が好ましい。第一金属膜2の形成方法はめっきや蒸着など、どのような方法でもかまわない。また第一金属膜2の厚さは金属コア1の直径以下であればよい。
【0025】
第二金属膜3は、銅もしくは銅を主成分とする金属膜であることが望ましい。第二金属膜3とはんだ4の反応速度は半導体素子や基板の電極材料とはんだ4との反応速度よりも早いもしくは同等の材料を選定する方がよい。また、銅を50%以上含んだ金属であることが望ましい。
【0026】
はんだ4は錫を主成分とした材料であれば、そのほかの元素を含有していても良い。はんだ4の形成方法は無電解もしくは電解めっき法で形成することが可能であるが、形成方法は他の方法でもかまわない。
【0027】
図2は本実施例1による金属コアはんだボール100を用いて接合した半導体素子と基板との接合部断面の模式図である。1は金属コア、4ははんだ、10は半導体素子、20は基板側電極、21は基板である。10は半導体素子を一例として記載したが、半導体素子上で再配線を施したウェハレベルパッケージや基板上にチップを実装してモールドした半導体パッケージなどでもよい。
【0028】
図2では、半導体素子10の電極であるチップ側電極11にはんだ4と金属コア1を有する金属コアはんだボール100を接合した一例を示す。はじめに図2の上段に示すように、金属コアはんだボール100を接合した半導体素子10のチップ側電極11に、基板21上の基板側電極20を位置あわせを行う。位置あわせ後、図2の下段に示すように、半導体素子10の電極上に形成した金属コアはんだボールと、基板21上の基板側電極20とを接触させ、リフローなどで熱を加え、はんだ4を溶融させて金属コアはんだボール100を介して半導体素子10のチップ側電極11と、基板21上の基板側電極20との電気的接続を得る。図2では図示していないが、基板側電極20上にはんだを形成してもよい。ここで、基板21はセラミック基板、プリント基板、シリコン基板、ガラス基板、フレキシブル基板、金属ベース基板などである。半導体素子10の形状は立方体、直方体、円柱、多角柱など特に規定はしないが、最長辺の長さが20mm以下であることが望ましい。また、接合方法でリフローを上記したが、超音波接合などでもよい。
【0029】
図3は実施例1における基板21上の基板側電極20と接合前で半導体素子10のチップ側電極11に接合された状態の金属コアはんだボール100を含む半導体素子10と基板21との断面図である。1は金属コア、2は第一金属膜、3は第二金属膜、4ははんだ、6は金属間化合物、10は半導体素子、11はチップ側電極、12はチップ側金属間化合物、20は基板側電極、21は基板である。
【0030】
図3に示すように、基板側電極20と接合する前に、あらかじめ金属コアはんだボール100をチップ側電極11に接合する。接合時はリフロー炉などで金属コアはんだボール100のはんだ4を溶融させて接合するため、チップ側電極11とはんだ4が反応し、チップ側電極11とはんだ4の界面にチップ側金属間化合物12が形成される。同様に第二金属膜3とはんだ4の界面でも金属間化合物6が形成される。はんだ4は錫を主成分とするはんだであればよい。
【0031】
ここで金属コア1は、はんだ4よりも硬い材料、例えば銅、ニッケル、アルミニウム、タングステン、金、銀、もしくはこれらのうち少なくともひとつの金属を主成分とする合金であればよい。また金属コア1は、二種類以上の金属の複合体、もしくは積層体でもよい。このように、接合前の状態ではチップ側電極11とはんだ4、および第二金属膜3とはんだ4の界面に、各々チップ側金属間化合物12と金属間化合物6が形成されている。
【0032】
図4は実施例1における接合直後の金属コアはんだボール100を含む半導体素子10と基板21との断面図である。1は金属コア、2は第一金属膜、3は第二金属膜、6は金属間化合物、4ははんだ、10は半導体素子、11はチップ側電極、12はチップ側金属間化合物、20は基板側電極、21は基板、22は基板側金属間化合物である。
【0033】
図3の状態から、半導体素子10のチップ側電極11に接合された金属コアはんだボール100と基板側電極20の位置合せを行い、リフローなどによりはんだ4の融点以上まで熱を加えてはんだ4を溶融させて、基板側電極20とはんだ4を反応させることにより接合を行う。この際にはんだ4と基板側電極20の間には金属間化合物22が形成される。第一金属膜2はこの接合プロセスの後でも消失しない膜厚とする。
【0034】
また、図3および図4に示した金属コアはんだボール100の断面図は図2に示した接合プロセスにおけるはんだボール接合部の一部を取り出したものである。なお金属コア1の形状は、球、楕円、円柱、立方体、多角柱などであればよい。また半導体素子10と基板21の接合高さを確保するためには、金属コア1のサイズをはんだボール径の50%以上とすることが望ましい。
【0035】
このように、金属コアはんだボール100を介して半導体素子10と基板21を接合した構造を得ることができる。この構造により、半導体素子10と基板21の接合部に金属コア1を介在させることにより接合高さを確保し接合部の歪みを低減できること、電気抵抗がはんだ4よりも低い金属コア1がチップ側電極11と基板側電極20の間に入り接合部の電気抵抗を低減し耐エレクトロマイグレーション性を向上させることが可能になる。
【0036】
図5は実施例1における半導体素子に予め接合した金属コアはんだボール100を基板10に接合後、一定の時間が経過した時の金属コアはんだボールの接合部と半導体素子と基板との断面図である。1は金属コア、2は第一金属膜、3は第二金属膜、4ははんだ、6は金属間化合物、8は金属間化合物、10は半導体素子、11はチップ側電極、12はチップ側金属間化合物、20は基板側電極、21は基板、22は基板側金属間化合物である。
【0037】
図5は図4の状態から実使用環境などで一定の時間経過後の状態を示し、チップ側電極11の側に生成された金属間化合物12、基板側電極21の側に生成された金属間化合物22、及びはんだ4と第2金属膜3との間に生成された金属間化合物8が成長した様子を示している。金属間化合物8は図3及び4に示した金属間化合物6が成長した様子を示している。以下は金属コア1が銅、第一金属膜2がニッケル、第二金属膜3が銅、はんだ7が錫系はんだ(錫-銀-銅系など)チップ側電極11が銅の場合を例に挙げて本接合の効果について説明する。
【0038】
図4に示したようにチップ側電極11に接合した金属コアはんだボール100を基板側電極21に接合した直後の状態では、はんだ4が溶融し、第二金属膜3および基板側電極20と反応するため、第二金属膜3とはんだ4、および基板側電極20とはんだ4の接合界面にそれぞれ金属間化合物が形成される(図4中、金属間化合物6と基板側金属間化合物22)。はんだ4とチップ側電極11の界面には既にチップ側金属間化合物12が形成されているが、基板側電極20との接合時の熱負荷によりチップ側金属間化合物12は成長する。このように、各接合界面に金属間化合物が形成された接合部となる。図4に示したような接合直後では、第二金属膜3は全て反応することなく残存している構造とする。実使用環境等で熱負荷が引き続き加えられると各々の反応が進み、各金属間化合物が成長すると共に、第二金属膜3、はんだ7、チップ側電極11、基板側電極20は金属間化合物化することにより減少していく。
【0039】
一方で、電流密度が一定量以上になると、微細なはんだ接合部にもエレクトロマイグレーションが発生することがわかっており、はんだ中にボイドが形成されたり、原子の移動による配線材料の化合物化の加速、それに伴う配線もしくはパッドにおける断線が発生することが知られている。
【0040】
第二金属膜3がない場合、第一電極膜2(ニッケル)とはんだ4の反応速度はチップ側電極11や基板側電極20とはんだ4の反応速度よりも遅いため、上記のように実使用環境による熱負荷、さらには通電によるエレクトロマイグレーションによりチップ側電極11とはんだ4、基板側電極20とはんだ4の界面の反応(銅-錫系金属間化合物の成長)が促進され、チップ側電極11や基板側電極20が消費される。特にチップ側電極11や基板側電極20が銅である場合は高電流密度、温度負荷条件下ではチップ側電極11や基板側電極20の断線が懸念される。
【0041】
第一電極膜2および第二電極膜3がない場合、実使用環境下では金属コア1がはんだ74と反応するため、チップ側電極11や基板側電極20の消費は抑制されるが金属コア1が消費されるため、金属コアはんだボールの特徴である耐マイグレーション性が低下することが想定される。
【0042】
本発明のように第二金属膜3を形成した場合、実使用環境下では第二金属膜3を形成しない場合と同様にチップ側電極11とはんだ4、基板側電極20とはんだ4の界面の反応(銅-錫系金属間化合物の成長)が生じるが、第二金属膜3もはんだ4と反応するため、チップ側電極11と基板側電極20の反応量は抑制される。すなわち、第二金属膜3がはんだ4と反応する銅の供給源となるため、チップ側電極11および基板側電極20による金属コア1の消費が低減される。
【0043】
反応が進行し、ほぼ全ての第二金属膜3が化合物化したのちは反応速度の遅い第一金属膜2が存在するため金属コア1形状は保持され、金属コアはんだボール100特有の耐マイグレーション性を低下させることもない。第二金属膜3がほぼ全て反応した際には、はんだ4が残存していないこと、もしくは、はんだ4がほぼ全て反応した際に金属コア1の表面に金属膜3が残存していることが望ましい。上記の通り、第二金属膜3を形成することにより耐マイグレーション性を向上した金属コアはんだ接合部を形成することができる。
【0044】
図3乃至図5を用いて説明した例は、予めチップ側電極10に接合しておいた金属コアはんだボールを基板側電極20に接合する例を示したが、これとは逆に、図6に断面を示すように、金属コアはんだボールを予め基板側電極20に接合しておき、これをチップ側電極10に接合するようにしても良い。図6に、その例を示す。
【0045】
図6で、1は金属コア、2は第一金属膜、3は第二金属膜、4ははんだ、6は金属間化合物、10は半導体素子、11はチップ側電極、20は基板側電極、21は基板、22は基板側金属間化合物である。
【0046】
図6に示すように、チップ側電極11と接合する前に、あらかじめ金属コアはんだボール100を基板側電極20に接合する。接合時はリフロー炉などで金属コアはんだボール100のはんだ4を溶融させて接合するため、基板側電極20とはんだ4が反応し、基板側電極20とはんだ4の界面に基板側金属間化合物22が形成される。同様に第二金属膜3とはんだ4の界面でも金属間化合物6が形成される。
【0047】
はんだ4は錫を主成分とするはんだであればよい。ここで金属コア1は、はんだよりも硬い材料、例えば銅、ニッケル、アルミニウム、タングステン、金、銀、もしくはこれらのうち少なくともひとつの金属を主成分とする合金であればよい。
【0048】
また金属コア1は、二種類以上の金属の複合体、もしくは積層体でもよい。更に、金属コア1は金属であることが望ましいが、最外周部が金属であれば樹脂の周囲を金属で覆ったもの、例えば樹脂ボールの周囲に銅をコーティングしたものでも代替可能である。
【0049】
このように、接合前の状態では基板側電極20とはんだ4、および第二金属膜3とはんだ4の界面に、各々基板側金属間化合物22と金属間化合物6が形成されている。
【0050】
図6の状態から、基板21の金属コアはんだボール100とチップ側電極11の位置あわせを行い、リフローなどによりはんだ4の融点以上まで熱を加えてはんだ4を溶融させて、チップ側電極11とはんだ4を反応させることにより接合を行う。この際にはんだ4とチップ側電極11の間にはチップ側金属間化合物12が形成される。第一金属膜2はこの接合プロセスの後でも消失しない膜厚とする。
【0051】
図6の金属コアはんだボール100つき基板21をチップ10に接合した直後は図4と同様な断面図となる。なお金属コア1の形状は、球、楕円、円柱、立方体、多角柱などであればよい。また半導体素子10と基板21の接合高さを確保するためには、金属コア1のサイズを金属コアはんだボール100の径の50%以上とすることが望ましい。このように、金属コアはんだボール100を介して半導体素子10と基板21を接合した構造を得ることができる。
【0052】
この構造により、半導体素子10と基板21の接合部に金属コア1を介在することにより接合高さを確保し接合部の歪みを低減できること、電気抵抗がはんだ材よりも低い金属コア1がチップ側電極11と基板側電極20の間に入り接合部の電気抵抗を低減し耐エレクトロマイグレーション性を向上できることが可能になる。さらに本実施例では、あらかじめ基板側に金属コアはんだボール100を形成するため、チップ側金属間化合物12にかかる熱負荷が1回のみであるので接合直後のチップ側金属間化合物12の厚さを薄くすることができる。
【0053】
〔変形例1〕
次に、実施例1の変形例1を、以下に説明する。
【0054】
図7は本発明の実施例1の変形例1における金属コアはんだボール110の断面図である。111は金属コア、112は第一金属膜、114ははんだ、115は金属粉である。金属コア111の材料ははんだ114よりも電気伝導率の高い金属であればよく、例えば銅、金、銀、アルミニウムなどを主成分とした金属が挙げられる。金属コア111の直径は10μm〜1000μmが望ましい。
【0055】
金属コアはんだボール110を用いて半導体素子10と基板21を接合する際、金属コア111は接合部の高さを制御する役割を果たすことができる。しかし金属コア111の直径が10μm以下となると、高さ制御の効果が低減する可能性が高く、かつハンドリングが困難となる。また金属コア111の直径が1000μm以上となると、金属コアはんだボール110のサイズが1mm以上となるため、接合ピッチが1mm以下の微細接合を実現できない。
【0056】
上記説明で半導体素子を一例として記載したが、半導体素子上で再配線を施したウェハレベルパッケージや基板上にチップを実装してモールドした半導体パッケージなどでもよい。また基板はセラミック基板、プリント基板、シリコン基板、ガラス基板、フレキシブル基板、金属ベース基板などが挙げられる。更には半導体素子と半導体素子、半導体パッケージと半導体パッケージ、半導体素子とパッケージなどの接合でも同様に高さ制御の効果が得られる。
【0057】
第一金属膜112に関しては、第一金属膜112とはんだ114の反応速度が金属粉115とはんだ114の反応速度よりも遅くなるような第一金属膜112の材料を選定する。例えば金属粉115を銅もしくは銅を主成分とする場合は、第一金属膜112はニッケルやチタン、クロムを主成分とした金属が好ましい。第一金属膜112の形成方法はめっきや蒸着など、どのような方法でもかまわない。また第一金属膜112の厚さは金属コア111の直径以下であればよい。金属コア111は球状で説明したが、楕円、立方体、円柱、直方体、三角柱、四角柱、多角中、円錐などでもかまわない。
【0058】
金属粉115は、銅もしくは銅を主成分とする金属であることが望ましい。金属粉115とはんだ114の反応速度は半導体素子や基板の電極材料とはんだ114との反応速度よりも早いもしくは同等な材料を選定する方がよい。また、銅を50%以上含んだ金属であることが望ましい。金属粉115のサイズは最長辺がはんだ114の膜厚よりも小さく、はんだ114中に介在できるサイズとする。はんだ114中への金属粉115の形成方法は、はんだ114を形成する際に含有させてもよいし、あらかじめ金属粉115を含有したはんだ114をコーティングしてもよい。
【0059】
はんだ114は錫を主成分とした材料であれば、そのほかの元素が含有していても限りではない。はんだ114の形成方法は無電解もしくは電解めっき法で形成することが可能であるが、形成方法はどのような方法でもかまわない。
変形例1において接合後一定の時間経過させた場合、図5と同様な断面構造となる。
【0060】
図8は変形例1における金属コアはんだボール110を半導体素子10のチップ側電極11に接合させた状態で、基板21の側の基板電極20と接合させる前の状態を示す金属コアはんだボール110と半導体素子10及び基板21との断面図である。116はチップ側電極11とはんだ114との間に形成されたチップ側金属間化合物、90は金属コア111とはんだ114との間に形成された金属間化合物である。
【0061】
図8に示すように、基板電極20と接合させる前に、あらかじめ金属コアはんだボール110をチップ側電極11に接合させる。接合時はリフロー炉などで金属コアはんだボール110のはんだ4を溶融させて接合するため、チップ側電極11とはんだ4が反応し、チップ側電極11とはんだ74の界面にチップ側金属間化合物12が形成される。また、実施例1で説明した第二金属膜3に代わってはんだ4の中に混在する金属粉115がはんだ4が反応しチップ側金属間化合物116や金属間化合物90が形成される。
【0062】
はんだ4は錫を主成分とするはんだであればよい。ここで金属コア111は、はんだ4よりも硬い材料、例えば銅、ニッケル、アルミニウム、タングステン、金、銀、もしくはこれらのうち少なくともひとつの金属を主成分とする合金であればよい。また金属コア111は、二種類以上の金属の複合体、もしくは積層体でもよい。このように、接合前の状態では、図8に示したように、チップ側電極11とはんだ4、および第一金属膜2とはんだ4の界面に、各々チップ側金属間化合物116と金属間化合物90が形成されている。
【0063】
図9は実施例1の変形例1における接合直後の金属コアはんだボール110の断面図である。117ははんだ4と基板側電極20との間に形成された基板側金属間化合物である。
【0064】
図8に示した状態から、半導体素子10のチップ側電極11に接合させた金属コアはんだボール110と基板側電極20との位置あわせを行い、リフローなどによりはんだ4の融点以上まで熱を加えてはんだ4を溶融させて、基板側電極20とはんだ4を反応させることにより接合を行う。この際にはんだ4と基板側電極20の間には金属間化合物117が形成される。第一金属膜2112はこの接合プロセスの後でも消失しない膜厚とする。
【0065】
このように、金属コアはんだボール110を介して半導体素子10と基板21を接合した構造を得ることができる。この構造により、半導体素子10と基板21の接合部に金属コア111を介在させることにより接合高さを確保し接合部の歪みを低減できること、電気抵抗がはんだ材よりも低い金属コア111がチップ側電極11と基板側電極20の間に入り接合部の電気抵抗を低減し耐エレクトロマイグレーション性を向上できることが可能になる。
【0066】
さらに本実施例でははんだ中に金属粉115を含有できるので、実施例1で説明した第二金属膜3を形成するプロセスを削減できること、任意の組成の金属粉9115を選択できることが特長である。
【0067】
図10は変形例1において図9で説明した金属コアはんだボール110を基板側電極20と接合した後一定の時間が経過したときの金属コアはんだボール110の断面の状態を示す図である。図10では、図9に示した接合直後の状態と比べて、金属間化合物116、金属間化合物117、金属間化合物91がそれぞれ成長した様子を示している。金属間化合物91は金属間化合物90が成長した様子を示している。以下は金属コア111が銅、第一金属膜112がニッケル、金属粉115が銅、はんだ114が錫系はんだ(錫-銀-銅系など)チップ側電極11が銅の場合を例に挙げて本接合の効果について説明する。
【0068】
図9の接合直後の状態でははんだ114が溶融し、金属粉115および基板側電極20と反応するため、第一金属膜112とはんだ114、および基板側電極20とはんだ114の接合界面に金属間化合物が形成される(図9中金属間化合物90と基板側金属間化合物22)。はんだ114とチップ側電極11の界面には既にチップ側金属間化合物12が形成されているが、基板接合時の熱負荷によりチップ側金属間化合物116は成長する。このように、各接合界面に金属間化合物が形成された接合部となる。
【0069】
図9の接合直後では金属粉115は全て反応することなく残存している状態である構造とする。実使用環境等で熱負荷が引き続き加えられると各々の反応が進み、各金属間化合物が成長すると共に、はんだ114、金属粉115、チップ側電極11、基板側電極20は金属間化合物化することによりそれぞれの体積が減少していく。
【0070】
一方で、電流密度が一定量以上になると、微細なはんだ接合部にもエレクトロマイグレーションが発生することがわかっており、はんだ中にボイドが形成されたり、原子の移動による配線材料の化合物化の加速、それに伴う配線もしくはパッドにおける断線が発生することが知られている。
【0071】
金属粉115がない場合、実施例1で説明した第二電極膜3がない場合と同様になる。すなわち、第一電極膜112(ニッケル)とはんだ114の反応速度はチップ側電極11や基板側電極20とはんだ114の反応速度よりも遅いため、上記のように実使用環境による熱負荷、さらには通電によるエレクトロマイグレーションによりチップ側電極11とはんだ114、基板側電極20とはんだ114の界面の反応(銅-錫系金属間化合物の成長)が促進され、チップ側電極11や基板側電極20が消費される。特にチップ側電極11や基板側電極20が銅である場合は高電流密度、温度負荷条件下ではチップ側電極11や基板側電極20の断線が懸念される。
【0072】
第一電極膜112およびはんだ114の中に金属粉115が混在していない場合、実使用環境下では金属コア111がはんだ114と反応するため、チップ側電極11や基板側電極20の消費は抑制されるが金属コア111が消費されるため、金属コアはんだボール110の特徴である耐マイグレーション性が低下することが想定される。
【0073】
本実施例のように金属粉115を形成した場合、実使用環境下では金属粉115を含有しない場合と同様にチップ側電極11とはんだ114、基板側電極20とはんだ114の界面の反応(銅-錫系金属間化合物の成長)が生じるが、金属粉115もはんだ114と反応するため、チップ側電極11と基板側電極20の反応量は抑制される。すなわち、金属粉115がはんだ114と反応する銅の供給源となるため、チップ側電極11および基板側電極20の消費が低減される。
【0074】
反応が進行し、ほぼ全ての金属粉115が化合物化したのちは反応速度の遅い第一金属膜112が存在するため金属コア111の形状は保持され、金属コアはんだボール110特有の耐マイグレーション性を低下させることもない。
【0075】
上記の通り、はんだ114中に金属粉115を含有させることにより耐マイグレーション性を向上した金属コアはんだ接合部を形成することができる。
【0076】
本変形例においては、あらかじめチップ側にはんだボールを接合させておく構造で説明したが、あらかじめ基板側にはんだボールを接合させておいてもかまわない。
【0077】
〔変形例2〕
次に、実施例1の変形例2を以下に説明する。
変形例2は、実施例1で図1を用いて説明した金属コアはんだボール100又は変形例1で図7を用いて説明した金属コアはんだボール110の構造において、中心の金属コア1を柔軟性のある樹脂のボールの表面に銅をコーティングした2層構造の金属コアに置き換えたものである。図11Aと図11Bに変形例2における金属コアはんだボール120及び130の構成を示す。樹脂のボールの表面にコーティングする材料としては、銅のほかに、ニッケル、金、銀、アルミニウム又はそれらを含む合金などであっても良い。
【0078】
図11Aに示した金属コアはんだボール120は、実施例1の図1に示した金属コアはんだボール100に対応するもので、121は樹脂ボール、122は樹脂ボール121の表面にコーティングした銅膜、123は第一金属膜層でニッケル(Ni)又はチタン(Ti)、クロム(Cr)などをメッキ又は蒸着により形成される。124は第二金属膜層で銅(Cu)又は銅を主成分とする金属膜、125は錫(Sn)を主成分とするはんだ層である。
【0079】
このような2層構造の金属コアを用いた金属コアはんだボール120を用いて半導体素子10と基板側電極20とを接合する方法は、図2乃至図6を用いて説明した方法と同じであるので、説明を省略する。
【0080】
図11Aに示した樹脂コアはんだボール120の構成は、特許文献4の図1に記載されている構成と類似している。しかし、本変形例2による樹脂コアはんだボール120では、樹脂ボール121の表面にコーティングした銅膜122を第一金属膜層123のニッケル(Ni)又はチタン(Ti)、クロム(Cr)などで覆うことにより、樹脂コアはんだボール120をチップ側電極11や基板側電極20とはんだ接合するときに、銅膜122がはんだ材料と反応するのを防止する構成にしているのに対して、特許文献4に記載されている構成においては、有機重合体のコアの外周を覆うCu層がその外側のはんだ内層と直接接している構造となっており、Cu層がはんだ内層と反応するのを防止する構成になっていない点で異なる。
【0081】
即ち、本変形例2の構成においては、樹脂ボール121の表面にコーティングした銅膜122は第一金属膜層123で覆われていてその外側のはんだ層と反応するのを防止されているので、一定の形状を保持すると共に、導電性材料としての安定した特性を維持することが可能になる。
【0082】
また、図11Bに示した金属コアはんだボール130は、変形例1の図7に示した金属コアはんだボール110に対応するもので、金属コアはんだボール110において、中心部分の金属コア111を柔軟性のある樹脂のボール131の表面に銅膜132をコーティングした金属コアはんだボール130に置き換えたものである。図11Bで、131は樹脂ボール、132は樹脂ボール131の外周面にコーティングした銅膜、133は金属膜層でニッケル(Ni)又はチタン(Ti)、クロム(Cr)などをメッキ又は蒸着により形成される。134は錫(Sn)を主成分とするはんだ層、135は導電性フィラーで変形例1の場合と同様に銅(Cu)又は銅を主成分とする金属ある。
【0083】
このような2層構造の金属コアを用いた金属コアはんだボール130を用いて半導体素子10と基板側電極20とを接合する方法は、図2乃至図6を用いて説明した方法と同じであるので、説明を省略する。
【0084】
このような樹脂ボール121または131を用いた金属コアはんだボール120または130を用いることにより、半導体素子10と基板21との接合に柔軟性が加わり、半導体素子10と基板21との間の熱膨張率の差異により発生する半導体素子10と基板21との接合部の応力を、金属コアはんだボール120または130で吸収させることが可能になり、接合の信頼性を向上させることができる。
【0085】
上記した樹脂ボール121または131の素材として、導電性ポリアセチレンなどの導電性樹脂(導電性高分子)を用いても良い。
【実施例2】
【0086】
次に、実施例1及び実施例1の変形例1および2で説明したはんだボールを、先ず半導体素子の側の多数の電極10に一括して接合し、次にこの半導体素子の多数の電極に接合した多数のはんだボールを基板側電極20に一括して接合する方法について説明する。
【0087】
図12に実施例1及び変形例1,2で説明したはんだボールを半導体素子上の多数の電極へ一括して接合する方法を示す。30はチップ側電極、31は半導体素子、40はフラックス印刷用マスク、41はスキージ、42はフラックス、43ははんだ振込み用マスク、50は金属コアはんだボールである(実施例1の変形例2で説明した樹脂コアはんだボール120または130であっても良い)。
【0088】
図12(a)はチップ電極30を有する半導体素子31である。この半導体素子31を、図示していない印刷機にセットする。
【0089】
次に、半導体素子31を印刷機にセットした状態で、図12(b)に示すように、金属コアはんだボールを搭載する箇所に開口部を持つフラックス印刷用マスク40の位置あわせを行う。フラックス印刷用マスク40の厚さは転写したいフラックス厚さであればよく、例えば直径100μmの金属コアはんだボールを搭載したい場合は10−40μm厚程度が望ましい。
【0090】
位置あわせ後、フラックス印刷用マスク40上の任意の箇所にフラックス42を塗布し、スキージ41で印刷することによりフラックス印刷用マスク40に形成している開口部にフラックスを形成する(図12(c))。
【0091】
印刷後、フラックス印刷用マスク40を取り外すことにより、チップ側電極30上の金属コアはんだボール搭載箇所にフラックス42のパターンを印刷した半導体素子31が完成する。
【0092】
次に、チップ側電極30上にフラックス42のパターンを印刷した半導体素子31を金属コアはんだボール50を搭載するはんだボール搭載部(図示せず)へ移動させ、はんだ振込み用マスク43をフラックス42のパターンを印刷済みの半導体素子1に位置あわせし、そののち、はんだ振込み用マスク43上に金属コアはんだボール50を供給して、金属コアはんだボール50をチップ側電極30上に印刷されたフラックス42のパターン上に1個ずつ搭載する(図12(d))。はんだ振込み用マスク43の厚さは金属コアはんだ50の直径に近い方が望ましい。
【0093】
はんだ振込み用マスク43を搭載した状態で、チップ側電極30上のフラックス42のパターン上に1個ずつ金属コアはんだボール50を搭載した状態で半導体素子1をリフロー炉の内部に搬送して熱処理を行い、金属コアはんだボール50のはんだ部(図1のはんだ4に相当)を溶融させることにより金属コアはんだボール50と半導体素子1上のチップ側電極30とを接合する(図12(e))。例えば金属コアはんだボール50としてSn系の材料を使用した場合は、リフロー時の接合部の最大温度を250℃から260℃とする。
【0094】
最後に、はんだ振込み用マスク43を半導体素子31上から取り除くことにより、金属コアはんだボール50がチップ側電極30上に接合された半導体素子60が完成する(図12(f))。ここでは個片に分割した素子を用いて説明したが、ウェハ状態で図12のプロセスではんだボールを形成したのちに、ダイシングもしくはサンドブラストなどで個片に分割してもかまわない。
【0095】
ここでは、はんだ振込み用マスク43を用いてチップ側電極30上に印刷されたフラックス42のパターン上に1個ずつ金属コアはんだボール50を搭載する方法を示したが、はんだ振込み用マスク43を用いずに、金属コアはんだボール50を吸着手段で吸着させたのちにチップ側電極30上に印刷されたフラックス42のパターン上に転写する転写方法などで形成してもよい。
【0096】
図13に、チップ側電極30上に金属コアはんだボール50が接合された半導体素子31と基板60との組み立てプロセスを示す。61は基板側電極、70はアンダーフィルである。先ず、図12を用いて説明したプロセスで形成した金属コアはんだボール50が接合された半導体素子31のチップ側電極30と、基板60上の基板側電極61の位置あわせを行う(図13(a))。位置あわせ後、リフロー等で熱を加えはんだ溶融させる(図13(b))。図13では図示していないが、基板側電極61上にはんだを形成してもよい。最後に接合部の長期接合信頼性を向上させるためにアンダーフィル70を注入し、硬化させる(図13(c))。
【0097】
これにより、金属コアはんだボールにて半導体素子上の電極と基板上電極の電気的導通を確保した半導体装置80が完成する。なおアンダーフィル70は必要に応じて形成すればよい。ここで、基板60はセラミック基板、プリント基板、シリコン基板、ガラス基板、フレキシブル基板、金属ベース基板などである。ここでは個片に分割した素子および基板を用いて説明したが、ウェハ状態で図12のプロセスではんだボールを形成したのちに、基板60にウェハ状態で接合を行い、その後ダイシングもしくはサンドブラストなどでウェハおよび基板を個片に分割してもかまわない。
【0098】
図13では半導体素子31と基板60のサイズを同等として記したが、個片に分割した半導体素子31を基板60に搭載する際は、半導体素子31のサイズが基板60のサイズより小さくてもかまわない。このプロセスで形成した構造により、半導体素子31と基板60の接合部に金属コアはんだボール50の金属コア1(図1参照)を介在させることにより接合高さを確保し接合部の歪みを低減できること、電気抵抗がはんだ材よりも低い金属コア1がチップ側電極30と基板側電極61の間に入り接合部の電気抵抗を低減し耐エレクトロマイグレーション性を向上させることが可能になる。
【0099】
図12及び図13では、先ず半導体素子31のチップ電極30上に金属コアはんだボール50を接合した後に基板60の基板側電極61と金属コアはんだボール50を接合するプロセスについて説明したが、逆に、先ず基板60の基板側電極61上に金属コアはんだボール50を接合した後に半導体素子31のチップ電極30上に金属コアはんだボール50を接合するプロセスについて、図14及び図15を用いて説明する。
【0100】
図14において、40はフラックス印刷用マスク、41はスキージ、42はフラックス、43ははんだ振込み用マスク、50は金属コアはんだボール(実施例1の変形例2で説明した樹脂コアはんだボール120または130であっても良い)、60は基板、61は基板上電極である。
【0101】
図14(a)は基板上電極61を有する基板60である。この基板60を、図示していない印刷機にセットする。次に、基板60を印刷機にセットした状態で、図14(b)に示すように、金属コアはんだボールを搭載する箇所に開口部を持つフラックス印刷用マスク40の位置あわせを行う。フラックス印刷用マスク40の厚さは転写したいフラックス厚さであればよく、例えば直径100μmの金属コアはんだボールを搭載したい場合は10−40μm厚程度が望ましい。位置あわせ後、フラックス印刷用マスク40上の任意の箇所にフラックス42を塗布し、スキージ41で印刷することによりフラックス印刷用マスク40に形成している開口部にフラックスを形成する(図14(c))。
【0102】
印刷後、フラックス印刷用マスク40を取り外すことにより、基板上電極61の金属コアはんだボール搭載箇所にフラックス42のパターンを印刷した基板60が完成する。次に、基板上電極61にフラックス42のパターンを印刷した基板60を金属コアはんだボール50を搭載するはんだボール搭載部(図示せず)へ移動させ、はんだ振込み用マスク43をフラックス42のパターンを印刷済みの基板60に位置あわせし、そののち、はんだ振込み用マスク43上に金属コアはんだボール50を供給して、金属コアはんだボール50を基板上電極61上に印刷されたフラックス42のパターン上に1個ずつ搭載する(図14(d))。はんだ振込み用マスク43の厚さは金属コアはんだ50の直径に近い方が望ましい。
【0103】
はんだ振込み用マスク43を搭載した状態で、基板上電極61のフラックス42のパターンに1個ずつ金属コアはんだ50を搭載した状態で基板60をリフロー炉の内部に搬送して熱処理を行い、金属コアはんだボール50のはんだ部(図1のはんだ4に相当)を溶融させることにより金属コアはんだボール50と基板60上の基板側電極61とを接合する(図14(e))。例えば金属コアはんだボール50としてSn-Cu系の材料を使用した場合は、リフロー時の接合部の最大温度を250℃から260℃とする。
【0104】
最後に、はんだ振込み用マスク43を基板60から取り除くことにより、金属コアはんだボール50が基板上電極61に接合された基板が完成する(図14(f))。ここでは、個片に分割した基板を用いて説明したが、個片分割前状態で図14(a)〜(f)のプロセスではんだボールを形成したのちに、ダイシングもしくはサンドブラストなどで基板60を個片に分割してもかまわない。
【0105】
ここでは、はんだ振込み用マスク43を用いて基板上電極61上に印刷されたフラックス42のパターン上に1個ずつ金属コアはんだボール50を搭載する方法を示したが、はんだ振込み用マスクを用いずに、金属コアはんだボール50を吸着手段で吸着させたのちに転写する転写方法などで形成してもよい。
【0106】
図15に半導体素子上電極30と基板上電極61上に金属コアはんだボール50が接合された基板60の組み立てプロセスを示す。30はチップ側電極、31は半導体素子、60は基板、61は基板側電極、70はアンダーフィルである。
【0107】
先ず、図14を用いて説明したプロセスで形成した金属コアはんだボール50が接合された基板側電極61と、半導体素子31上のチップ側電極30の位置あわせを行う(図15(a))。位置あわせ後、リフロー等で熱を加えはんだ溶融させる(図15(b))。これにより金属コアはんだボールを介して半導体素子31のチップ側電極30と、基板60上の基板側電極61との電気的接合を得る。図14では図示していないが、チップ側電極30上にはんだを形成してもよい。最後に接合部の長期接合信頼性を向上させるためにアンダーフィル70を注入し、硬化させる(図15(c))。
【0108】
これにより、金属コアはんだボールにて半導体素子上の電極と基板上電極の電気的導通を確保した半導体装置が完成する。なおアンダーフィル70は必要に応じて形成すればよい。ここで、基板60はセラミック基板、プリント基板、シリコン基板、ガラス基板、フレキシブル基板、金属ベース基板などである。ここでは個片に分割した素子および基板を用いて説明したが、個片分割前の状態で図13のプロセスではんだボールを基板上に形成したのちに、半導体ウェハに個片分割前状態で接合を行い、その後ダイシングもしくはサンドブラストなどでウェハおよび基板を個片に分割してもかまわない。
【0109】
このプロセスで形成した構造により、半導体素子31と基板60の接合部に金属コアはんだボール50の金属コア1(図1参照)を介在させることにより接合高さを確保し接合部の歪みを低減できること、電気抵抗がはんだ材よりも低い金属コア1がチップ側電極30と基板側電極61の間に入り接合部の電気抵抗を低減し耐エレクトロマイグレーション性を向上させることが可能になる。また、このプロセスではチップ側接合部の熱負荷は図15に示す一回のみであることから、図12と図13とを用いて説明したプロセスと比べてチップ側電極30の反応量を抑制することができる。
【符号の説明】
【0110】
1…金属コア 2,113,123…第一金属膜 3,114…第二金属膜 4,115…はんだ 5,112,122,125…金属粉 6…金属間化合物 9…金属粉 10…半導体素子 11…チップ側電極 12…チップ側金属間化合物 13…はんだボール 20…基板側電極 21、60…基板 22…基板側金属間化合物 30…チップ側電極 31…半導体素子 40…フラックス印刷用マスク 41…スキージ 42…フラックス 43…はんだ振込み用マスク 50,100…金属コアはんだボール 61…基板側配線 70…アンダーフィル 90…金属間化合物 91…金属間化合物 110…金属コアはんだボール 120…樹脂コアはんだボール 121…樹脂 130…樹脂コアはんだボール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属又は樹脂の表面に金属をコーティングしたコア材と、該コア材の表面に形成されたニッケル、チタンもしくクロムを主成分とする第一の金属膜層と、該第一の金属膜層の外周に形成された銅を主成分とする第二の金属膜層と、該第二の金属膜層の外周に錫を主成分とする第三の金属膜層とを有することを特徴とするはんだボール。
【請求項2】
請求項1において、第二の金属膜の銅含有量が50%以上であることを特徴とするはんだボール。
【請求項3】
金属又は樹脂の表面に金属をコーティングしたコア材と、該コア材の表面に形成されたニッケル、チタンもしくクロムを主成分とする第一の金属膜層と、該第一の金属膜層の外周に形成された銅を主成分とする金属粉を含有した錫を主成分とする第二の金属膜層とを有することを特徴とするはんだボール。
【請求項4】
請求項3において、第二の金属膜に含有する金属粉の銅含有量が50%以上であることを特徴とするはんだボール。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかにおいて、前記コア材が銅、ニッケル、金、銀、アルミニウムのいずれかを主成分とする金属からなることを特徴とするはんだボール。
【請求項6】
請求項1乃至4の何れかにおいて、前記コア材が、樹脂と、該樹脂の表面にコーティングされた金属膜とからなる多層構造を有することを特徴とするはんだボール。
【請求項7】
請求項6において、前記金属膜は、銅、ニッケル、金、銀、アルミニウムのいずれかを主成分とすることを特徴とするはんだボール。
【請求項8】
第一の部材上の第一の電極パッドと第二の部材上の第二の電極パッドとをはんだボールによって接合した構成を有する半導体装置であって、
前記はんだボールは、金属又は樹脂の表面に金属をコーティングしたコア材と、該コア材の表面に形成された第一の金属膜層と、該第一の金属膜層の外周に形成された銅を主成分とする第二の金属膜層と、該第二の金属膜層の外周に錫を主成分とする第三の金属膜層とを有して構成されたはんだボールであって、
前記第一の電極パッドと前記第三の金属膜層との間及び前記第二の電極パッドと前記第三の金属膜層との間にそれぞれ合金層が形成されて前記第一の電極パッドと前記第二の電極パッドとがそれぞれ前記はんだボールと接合していることを特徴とするはんだボールを用いた半導体装置。
【請求項9】
第一の部材上の第一の電極パッドと第二の部材上の第二の電極パッドとをはんだボールによって接合した構成を有する半導体装置であって、
前記はんだボールは、金属又は樹脂の表面に金属をコーティングしたコア材と、該コア材の表面に形成されたニッケル、チタンもしくクロムを主成分とする第一の金属膜層と、該第一の金属膜層の外周に形成された銅を主成分とする金属粉を含有した錫を主成分とする第二の金属膜層とを有して構成されたはんだボールであって、
前記第一の電極パッドと前記第三の金属膜層との間及び前記第二の電極パッドと前記第三の金属膜層との間にそれぞれ合金層が形成されて前記第一の電極パッドと前記第二の電極パッドとがそれぞれ前記はんだボールと接合していることを特徴とするはんだボールを用いた半導体装置。
【請求項10】
請求項8もしくは9記載の半導体装置であって、前記金属又は樹脂の表面に金属をコーティングしたコア材の、前記金属又は前記コーティングした金属が、銅、ニッケル、金、銀、アルミニウムのいずれかを主成分とする金属であることを特徴とするはんだボールを用いた半導体装置。
【請求項11】
請求項8記載の半導体装置であって、前記第一の電極パッドと前記第二の電極パッドとに接合する前記はんだボールは、前記第二の金属膜に50%以上の銅を含有することを特徴とするはんだボールを用いた半導体装置。
【請求項12】
請求項9記載の半導体装置であって、前記第一の電極パッドと前記第二の電極パッドとに接合する前記はんだボールは、前記第二の金属膜に含有される金属粉が50%以上の銅を含有することを特徴とするはんだボールを用いた半導体装置。
【請求項13】
請求項8もしくは9記載の半導体装置であって、前記第一の電極パッドと前記第二の電極パッドとがそれぞれ接合している前記はんだボールは、前記金属又は樹脂の表面に金属をコーティングしたコア材が、前記第一の金属膜層で表面を覆われていることを特徴とするはんだボールを用いた半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−31864(P2013−31864A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168436(P2011−168436)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000005083)日立金属株式会社 (2,051)
【Fターム(参考)】