説明

はんだ付治具と、はんだ付方法

【課題】 両面冷却タイプの半導体モジュールの厚さのばらつきを抑制できる技術を提供する。
【解決手段】 はんだ付治具40は、裏面側導電板14内面に半導体素子11の裏面側電極が接続固定されている組部材の表面側電極18に表面側導電板12の内面をリフローはんだ付けするためのものである。そのはんだ付治具40は、下治具42と、上治具46と、規制手段と、当接機構を備えている。下治具42は、裏面側と表面側のうちの一方の導電板を、その外面が下方を向いた状態で支持する。上治具46は、表面側導電板12の内面と組部材の表面側電極18との間にリフローはんだ付け用のはんだ材66が介装された状態で、裏面側14と表面側12の他方の導電板の外面上に載置する。規制手段は、はんだ材が溶融して上治具が降下するときの降下限界を規制する。当接機構は、前記他方の導電板の外面を上治具に当接させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールにおいて、半導体素子に導電板をはんだ付けする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9に示す半導体モジュール10が知られている。半導体モジュール10は、半導体素子11と、表面側導電板12と、裏面側導電板14と、封止樹脂16を備えている。半導体素子11は、表面側電極18と裏面側電極19を有している。半導体素子11の表面側電極18と表面側導電板12は、はんだ層17によってはんだ付けされている。半導体素子11の裏面側電極19と裏面側導電板14は、はんだ層20によってはんだ付けされている。表面側導電板12には、導電経路としてのバスバー21が設けられている。裏面側導電板14にも、バスバー23が設けられている。封止樹脂16は、表面側導電板12と裏面側導電板14との間の空間と、表面側導電板12と裏面側導電板14の外周部を封止している。バスバー21、23は、封止樹脂16から突き出している。半導体素子11は、通電されると発熱する。表面側導電板12と裏面側導電板14は、半導体素子11が発生する熱の伝熱経路としても機能する。このような半導体モジュール10は、両面冷却タイプとも呼ばれる。
図10に示すように、半導体モジュール10を、冷却器25に挟み込まれた状態で積層することが行われている。冷却器25は、その内部を冷却液が通過しているとともに、半導体モジュール10の表面側導電板12と裏面側導電板14に密着している。半導体素子11は、表面側導電板12と裏面側導電板14を介して、冷却器25を通過する冷却液によって冷却される。半導体モジュール10のバスバー21、23の端部は、基板26に形成されているスルーホールに差し込まれた状態で、基板26にはんだ付けされている。
【0003】
特許文献1には、半導体モジュール10の表面側導電板12と裏面側導電板14との間の寸法を設定する技術が開示されている。具体的には、半導体素子11の裏面側電極19と裏面側導電板14をはんだ層20によってはんだ付けする。次に、半導体素子11の表面側電極18の上にはんだ材を載せ、さらにはんだ材の上に表面側導電板12を載せる。その状態で、表面側導電板12と裏面側導電板14との間にスペーサ治具を装着する。リフロー装置を用いてはんだ材を溶融させると、表面側導電板12が重力によって降下する。表面側導電板12は、降下するとその下面がスペーサ治具の上面に当接する。従って、表面側導電板12と裏面側導電板14との間の寸法が、所定の値に設定される。
【0004】
【特許文献1】特開2003−110064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている技術によれば、表面側導電板12と裏面側導電板14との間の寸法を所定値に設定することができる。しかしながら、この技術では、表面側導電板12と裏面側導電板14の厚さがばらついた場合、半導体モジュール10の厚さもばらつく。半導体モジュール10の厚さがばらつくと、それらを積層した場合に、不都合な事象が生じてしまう。例えば、半導体モジュールの厚さがばらついていると、積層された各半導体モジュールの厚さ方向の位置関係は、バスバー21、23が基板26のスルーホールにはんだ付けされることによって規制されるので、表面側導電板12と裏面側導電板14が冷却器25に密着しないことがある。表面側導電板12と裏面側導電板14が冷却器25に密着しないと、半導体素子11を冷却することができない。
【0006】
本発明は、その問題を解決するためになされたものであり、両面冷却タイプの半導体モジュールの厚さのばらつきを抑制できる技術を提供すること課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が提供するはんだ付治具は、裏面側導電板の内面に半導体素子の裏面側電極が接続固定されている組部材の表面側電極に表面側導電板の内面をリフローはんだ付けするためのものである。そのはんだ付治具は、下治具と、上治具と、規制手段と、当接機構を備えている。下治具は、裏面側と表面側のうちの一方の導電板を、その外面が下方を向いた状態で支持する。上治具は、表面側導電板の内面と組部材の表面側電極との間にリフローはんだ付け用のはんだ材が介装された状態で、裏面側と表面側のうちの他方の導電板の外面上に載置する。規制手段は、はんだ材が溶融して上治具が降下するときの降下限界を規制する。当接機構は、前記他方の導電板の外面を上治具に当接させる。
このはんだ付治具の下治具は、裏面側と表面側のうちの一方の導電板を、その外面が下方を向いた状態で支持する。規制手段は、はんだ材が溶融して上治具が降下するときの降下限界を規制する。当接機構は、他方の導電板の外面を上治具に当接させる。よって、裏面側導電板の外面と表面側導電板の外面との距離を、所定の値に設定することができる。このため、裏面側導電板と表面側導電板の厚さがばらついても、厚さのばらつきが抑制された半導体モジュールを実現できる。
なお、裏面側電極、表面側電極、裏面側導電板、表面側導電板の「表面/裏面」は、相対的な位置関係を意味しており、半導体素子や半導体モジュールの表面/裏面と必ずしも一致しない。また、導電板の「外面」とは、その内面の反対側の面を意味する。
【0008】
上記のはんだ付治具において、当接機構は、一対の移動部材と、その一対の移動部材に互いに接近する力を加える付勢手段を有しており、各々の移動部材の内側には外側に向って上昇するとともに前記他方の導電板を支持する第1傾斜面が形成されており、各々の移動部材が下治具上を水平方向に移動可能であることが好ましい。
このはんだ付治具は、当接機構が有する一対の移動手段と、付勢手段を利用することによって、他方の導電板の外面を上治具に当接させる。
【0009】
上記のはんだ付治具において、当接機構が一対の移動部材を介して前記他方の導電板に加える上向きの力が、前記他方の導電板に下向きに作用する力よりも大きく、上治具を降下限界から上昇させるには足りない関係に調整されていることが好ましい。
当接機構が一対の移動部材を介して前記他方の導電板に加える上向きの力がこのように調整されていると、上治具が降下限界に規制された状態で、他方の導電板の外面が上治具に当接する。
【0010】
上記のはんだ付治具において、付勢手段は、一対の移動部材のそれぞれに当接する錘であり、移動部材と錘の少なくとも一方の当接部位には、外側に向って降下する第2傾斜面が形成されていることが好ましい。
このように構成されていると、一対の移動部材のそれぞれに第2傾斜面を介して錘の重量が伝わることによって、一対の移動部材に互いに接近する力が加わる。
【0011】
本発明が提供するはんだ付方法は、裏面側導電板の内面に半導体素子の裏面側電極が接続固定されている組部材の表面側電極に表面側導電板の内面をリフローはんだ付けする。そのはんだ付け方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程を備えている。第1工程は、半導体素子の表面側電極と表面側導電板の内面との間にリフローはんだ付け用のはんだ材を介装するとともに、裏面側導電板と表面側導電板に接近方向の力を作用させた状態で、はんだ材を溶融する。第2工程は、はんだ材が溶融して裏面側導電板と表面側導電板が接近したときに、裏面側導電板の外面と表面側導電板の外面との間を所定距離に維持する。第3工程は、裏面側導電板の外面と表面側導電板の外面との間を所定距離に維持した状態で、はんだ材を凝固する。
裏面側導電板の外面と表面側導電板の外面との間を所定距離に維持した状態ではんだ材を凝固すると、裏面側導電板と表面側導電板の厚さがばらついても、半導体モジュールの厚さのばらつきが抑制される。
【発明の効果】
【0012】
本発明が提供する技術によれば、裏面側導電板と表面側導電板の厚さがばらついても、半導体モジュールの厚さのばらつきを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の他の1つの実施形態を例示する。
(形態1)
裏面側導電板の内面と半導体素子の裏面側電極、並びに表面側電極の内面と半導体素子の表面側電極をリフローはんだ付けするための冶具であり、
裏面側と表面側のうちの一方の導電板を、その外面が下方を向いた状態で支持する下治具と、
裏面側導電板の内面と半導体素子の裏面側電極の間にリフローはんだ付け用の第1はんだ材が介装され、表面側導電板の内面と半導体素子の表面側電極の間にリフローはんだ付け用の第2はんだ材が介装された状態で、裏面側と表面側のうちの他方の導電板の外面上に載置する上治具と、
第1はんだ材と第2はんだ材が溶融して上治具が降下するときの降下限界を規制する規制手段と、
前記他方の導電板の外面を上治具に当接させる当接機構と、
を備えていることを特徴とするはんだ付治具。
【実施例】
【0014】
本発明のはんだ付治具に係る一実施例について、図面を参照しながら説明する。はんだ付治具は、図9に示す半導体モジュール10の半導体素子11に設けられている表面側電極18と、表面側導電板12をはんだ付けする。
図1に示すように、はんだ付治具40は、下治具42、第1スライド駒(移動部材)43、第2スライド駒44、上治具46、第1錘47、第2錘48を備えている。図2に示すように、下治具42は、上部が開放された略箱状に形成されている。下治具42の外周部分には、枠部49が形成されている。下治具42の中央部分には、方形状の凹部50が設けられている。凹部50の周りには、枠部51が形成されている。
第1スライド駒43と第2スライド駒44は、枠部51を挟むようにして、下治具42の底面52に載置されている。図1に良く示すように、第1スライド駒43には、外側傾斜面53と内側傾斜面54が形成されている。第2スライド駒44にも、外側傾斜面55と内側傾斜面56が形成されている。
【0015】
図3に示すように、上治具46は、略平板状に形成されている。上治具46には、板厚方向に貫通する第1貫通孔60と第2貫通孔61が形成されている。第1貫通孔60と第2貫通孔1は、矩形状の平面形を有している。図1に示すように、上治具46は、その下面57が下治具42の枠部49の上面58と当接する。下治具42には、枠部49の上面58から上方に突出した4本のピン62が設けられている。上治具46の下面57には、下治具42のピン62が入り込むピン孔65が形成されている。
第1錘47と第2錘48は、同様の形状を有している。図4に示すように、錘47、48には、傾斜面63と、水平方向に僅かに突出した掛止部64が形成されている。図1に示すように、第1錘47と第2錘48は、それぞれ上治具46の第1貫通孔60と第2貫通孔61に挿通されている。第1錘47の傾斜面63は、第1スライド駒43の外側傾斜面53と当接する。第2錘48の傾斜面63は、第2スライド駒44の外側傾斜面55と当接する。第1錘47が第1スライド駒43と当接し、第2錘48が第2スライド駒44と当接している状態では、第1スライド駒43と第2スライド駒44は、下治具42の枠部51に当接する。
図1に示されている状態から上治具46を持ち上げると、第1錘47と第2錘48の掛止部64が上治具46の上面45に掛止する。このため、上治具46から第1錘47と第2錘48が落下してしまうのが防止されている。
【0016】
はんだ付治具40ではんだ付けを行う前に、図5に示すように、半導体素子11の裏面側電極19と裏面側導電板14を、はんだ付けする。具体的には、半導体素子11の裏面側電極19と裏面側導電板14との間にはんだ材を介装した状態で、それらをリフロー装置で加熱する。リフロー装置で加熱すると、はんだ材が溶融する。リフロー装置による加熱を終了すると、はんだ材が凝固してはんだ層20を形成することによって、半導体素子11と裏面側導電板14がはんだ付けされる。なお、図5では、裏面側導電板14に設けられているバスバー23(図9参照)が紙面直角方向を向いている状態での断面図である。従って、バスバー23は図示されていない。
半導体素子11と裏面側導電板14をはんだ付けしてから、図6に示すように、はんだ付治具40の下治具42の凹部50に裏面側導電板14をセットする。そして、半導体素子11の表面側電極18の上にはんだ材66を載せた状態で、さらにその上に表面側導電板12を載せる。そして、第1貫通孔60に第1錘47が挿通されているとともに、第2貫通孔61に第2錘48が挿通されている上治具46を、はんだ材66に載せる。そのときには、下治具42のピン62を上治具46のピン孔65に入り込ませる。ピン62がピン孔65に入り込むことによって、下治具42と上治具46が位置決めされる。はんだ材66の厚さは、裏面側導電板14や、はんだ層20や、半導体素子11や、表面側導電板12の厚さがばらついても、上治具46の下面57と、下治具42の枠部49の上面58との間に隙間が生じる寸法に調整されている。
【0017】
上治具46をはんだ材66に載せると、第1錘47の傾斜面63と第1スライド駒43の外側傾斜面53が当接する。同様に、第2錘48の傾斜面63と第2スライド駒44の外側傾斜面55が当接する。第1錘47の傾斜面63と第1スライド駒43の外側傾斜面53が当接すると、第1スライド駒43は内方側にスライドする。第2錘48の傾斜面63と第2スライド駒44の外側傾斜面55が当接すると、第2スライド駒44も内方側にスライドする。第1スライド駒43が内方側にスライドすると、その内側傾斜面54が表面側導電板12の下面の一方側端部70に当接する。第2スライド駒44が内方側にスライドすると、その内側傾斜面56が表面側導電板12の下面の他方側端部71に当接する。第1スライド駒43の内側傾斜面54が表面側導電板12の一方側端部70に当接するとともに、第2スライド駒44の内側傾斜面56が表面側導電板12の他方側端部71に当接すると、表面側導電板12に上向きの力が作用する。表面側導電板12に作用する上向きの力は、第1錘47と第2錘48の重量と、傾斜面53、54、55、56、63の傾斜角度を調整することによって、表面側導電板12を上方に移動させない(持ち上げない)大きさに設定されている。言い換えると、表面側導電板12に作用する上向きの力は、表面側導電板12と上治具46のトータル重量よりも小さい。また、表面側導電板12に作用する上向きの力は、表面側導電板12の重量よりも大きく設定されている。
【0018】
続いて、はんだ付治具40にセットされた状態の表面側導電板12とはんだ材66と半導体素子11とはんだ層20と裏面側導電板14を、リフロー装置で加熱する。はんだ材66の溶融温度は、はんだ層20の溶融温度よりも低く調整されている。リフロー装置の加熱温度は、はんだ材66が溶融し、はんだ層20が溶融しない値に設定する。上述したように、第1スライド駒43と第2スライド駒44によって表面側導電板12に作用する上向きの力は、表面側導電板12と上治具46のトータル重量よりも小さい。このため、はんだ材66が溶融すると、表面側導電板12と上治具46が降下する。すると、表面側導電板12に当接している第1スライド駒43と第2スライド駒44が、当接している状態を維持しながら外方に移動する。
図7に示すように、上治具46が降下すると、その下面57が下治具42の枠部49の上面58と当接する。既に説明したように、表面側導電板12に作用する上向きの力は、表面側導電板12の重量よりも大きい。従って、上治具46が降下した状態で、上治具46の下面57と表面側導電板12の外面22が当接する。
上治具46が下治具42と当接した状態では、上治具46の下面57と下治具42の凹部50の底面59との距離は、半導体モジュール10の厚さの正規寸法(所望の厚さ)と精度良く一致している。従って、上治具46の下面57と表面側導電板12の外面22が当接した状態で、表面側導電板12の外面22と裏面側導電板14の外面24との距離は、半導体モジュール10の厚さのばらつきが抑制される(厚さの正規寸法に対する誤差が小さくなる)。
【0019】
リフロー装置による加熱を終了すると、溶融していたはんだ材66は凝固してはんだ層17になる。はんだ層17が形成されてから、一体になった表面側導電板12とはんだ層17と半導体素子11とはんだ層20と裏面側導電板14を、はんだ付治具40から取り出す。
はんだ付治具40ではんだ付けすると、裏面側導電板14と、はんだ層20と、半導体素子11と、表面側導電板12の厚さにばらつきがあっても、そのばらつきは溶融したはんだ材66によって吸収される。従って、厚さのばらつきが抑制された半導体モジュール10を製造することができる。
【0020】
(1)図8に示すように、第1スライド駒43と第2スライド駒44に、下部内側を切り欠いた切欠部73を形成すれば、より大きな裏面側導電板14に対応することができる。
(2)第1錘47や第2錘48を用いずに、第1スライド駒43と第2スライド駒44を内側方向にスライドさせることもできる。例えば、弾性体の付勢力によって、第1スライド駒43と第2スライド駒44を内側方向にスライドさせる。
(3)第1スライド駒43や第2スライド駒44を用いずに、表面側導電板12に上向きの力を作用させることもできる。例えば、弾性体の付勢力によって、表面側導電板12に上向きの力を作用させる。
(4)以上説明したのとは上下を逆にして、表面側導電板12と半導体素子11と裏面側導電板14を、はんだ付治具40にセットすることもできる。すなわち、表面側導電板12の外面22を下方に向けた状態で下治具42にセットし、その上にはんだ材を載せる。はんだ材の上に、はんだ付けされた状態の裏面側導電板14と半導体素子11を、裏面側導電板14の外面が上方を向いた状態でセットする(載せる)。
(5)はんだ付治具40にセットする前に、半導体素子11の裏面側電極19と裏面側導電板14をはんだ付けしておかなくてもよい。その場合には、半導体素子11の裏面側電極19と裏面側導電板14との間と、半導体素子11の表面側電極18と表面側導電板12との間のそれぞれにはんだ材を介装した状態で、それらをはんだ付治具40にセットする。そして、リフロー装置を用いて、半導体素子11の裏面側電極19と裏面側導電板14との間に介装されたはんだ材と、半導体素子11の表面側電極18と表面側導電板12との間に介装されたはんだ材を溶融する。
【0021】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】はんだ付治具の断面図。
【図2】下治具に第1スライド駒と第2スライド駒が入れられた状態の斜視図。
【図3】上治具の斜視図。
【図4】第1錘、第2錘の斜視図。
【図5】裏面側導電板に半導体素子がはんだ付けされた状態の断面図。
【図6】はんだ付治具に裏面側導電板等がセットされた状態の断面図(はんだ付け前)。
【図7】はんだ付治具に裏面側導電板等がセットされた状態の断面図(はんだ付け後)。
【図8】はんだ付治具に裏面側導電板等がセットされた状態の断面図(はんだ付け前)(変形例)。
【図9】半導体モジュールの断面図。
【図10】半導体モジュールが積層された状態の断面図。
【符号の説明】
【0023】
10:半導体モジュール
11:半導体素子
12:表面側導電板
14:裏面側導電板
16:封止樹脂
17:はんだ層
18:表面側電極
19:裏面側電極
20:はんだ層
21、23:バスバー
24:外面
25:冷却器
26:基板
40:はんだ付治具
42:下治具
43:第1スライド駒
44:第2スライド駒
45:上面
46:上治具
47:第1錘
48:第2錘
49:枠部
50:凹部
51:枠部
52:底面
53:外側傾斜面
54:内側傾斜面
55:外側傾斜面
56:内側傾斜面
57:下面
58:上面
59:底面
60:第1貫通孔
61:第2貫通孔
62:ピン
63:傾斜面
64:掛止部
65:ピン孔
66:はんだ材
73:切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裏面側導電板の内面に半導体素子の裏面側電極が接続固定されている組部材の表面側電極に表面側導電板の内面をリフローはんだ付けするための冶具であり、
裏面側と表面側のうちの一方の導電板を、その外面が下方を向いた状態で支持する下治具と、
表面側導電板の内面と組部材の表面側電極との間にリフローはんだ付け用のはんだ材が介装された状態で、裏面側と表面側のうちの他方の導電板の外面上に載置する上治具と、
はんだ材が溶融して上治具が降下するときの降下限界を規制する規制手段と、
前記他方の導電板の外面を上治具に当接させる当接機構と、
を備えていることを特徴とするはんだ付治具。
【請求項2】
当接機構は、一対の移動部材と、その一対の移動部材に互いに接近する力を加える付勢手段を有しており、各々の移動部材の内側には外側に向って上昇するとともに前記他方の導電板を支持する第1傾斜面が形成されており、各々の移動部材が下治具上を水平方向に移動可能であることを特徴とする請求項1のはんだ付治具。
【請求項3】
当接機構は、一対の移動部材と、その一対の移動部材に互いに接近する力を加える付勢手段を有しており、各々の移動部材の内側には外側に向って上昇するとともに前記他方の導電板を支持する第1傾斜面が形成されており、各々の移動部材が下治具上を水平方向に移動可能であり、
その当接機構が一対の移動部材を介して前記他方の導電板に加える上向きの力が、前記他方の導電板に下向きに作用する力よりも大きく、上治具を降下限界から上昇させるには足りない関係に調整されていることを特徴とする請求項1のはんだ付治具。
【請求項4】
付勢手段は、一対の移動部材のそれぞれに当接する錘であり、
移動部材と錘の少なくとも一方の当接部位には、外側に向って降下する第2傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項2又は3のはんだ付治具。
【請求項5】
裏面側導電板の内面に半導体素子の裏面側電極が接続固定されている組部材の表面側電極に表面側導電板の内面をリフローはんだ付けする方法であり、
組部材の表面側電極と表面側導電板の内面との間にリフローはんだ付け用のはんだ材を介装するとともに、裏面側導電板と表面側導電板に接近方向の力を作用させた状態で、はんだ材を溶融する第1工程と、
はんだ材が溶融して裏面側導電板と表面側導電板が接近したときに、裏面側導電板の外面と表面側導電板の外面との間を所定距離に維持する第2工程と、
裏面側導電板の外面と表面側導電板の外面との間を所定距離に維持した状態で、はんだ材を凝固する第3工程と、
を備えていることを特徴とするはんだ付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−278591(P2006−278591A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−93423(P2005−93423)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】