説明

へテロレプティック有機金属化合物

本発明は、式(LM(Lによって表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;xは少なくとも1である値であり;yは少なくとも1である値であり;x+yはMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにxがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、x+yがMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有するヘテロレプティック有機金属化合物;該有機金属化合物を製造する方法、並びに有機金属前駆体化合物から被膜又はコーティングを製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、へテロレプティック有機金属化合物、へテロレプティック有機金属化合物を製造する方法、及びへテロレプティック有機金属前駆体化合物から被膜又はコーティングを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学蒸着法は、半導体の製造又は処理の間にウエーハ等の基板上又はその他の表面に材料の被膜を形成するために使用される。化学蒸着においては、化学蒸着化合物としても知られる化学蒸着前駆体が、熱的に、化学的に、光化学的に又はプラズマ励起化によって分解されて所望の組成を有する薄膜を形成する。例えば、蒸気相の化学蒸着前駆体は、その前駆体の分解温度より高い温度に加熱する基板と接触させて、基板上に金属又は金属酸化物の被膜を形成することができる。化学蒸着前駆体は、揮発性、熱分解性で、化学蒸着条件下で均一な被膜を生成することができることが望ましい。
【0003】
半導体産業は、現在、いろいろな用途に対してさまざまな金属の薄膜を使用することを検討している。多数の有機金属錯体がこの薄膜の形成に対して見込みのある前駆体として評価されている。当業界には新たな化合物を開発し、被膜蒸着のための化学蒸着前駆体としてのそれらの可能性を調査する必要性が存在する。
【0004】
化学蒸着及び原子層蒸着の用途に対してはいろいろな元素(例えば、チタン、ハフニウム、タンタルなど)についていろいろな前駆体(アミド、アルコキシド、塩化物類など)が存在する。これらの物質の化学的性質は、主としてホモレプティック系又は単数又は複数の同一のリガンド、例えば、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン又はテトラキス(エチルメチルアミノ)ハフニウムから構成されているリガンドの組合せによる錯体によって決定づけられる。これに対して、このタイプの物質に対するヘテロレプティック系は、2つ以上の異なるリガンド、例えば、ビス(ジメチルアミノ)ビス(エチルメチルアミノ)ハフニウムからなる。
【0005】
同族内のヘテロレプティックリガンドによる物質は、調製及び精製をするのが困難なことがある。これらのヘテロレプティック系を調製及び精製することの困難さは、それらの急速な反応性、リガンド交換の可能性、及び類似の蒸気圧に由来する。例えば、2当量のアミド「A1」をHfClと組合せると、一般的にはもっぱらHf(A1)(Cl)を生ずるのではなく、一連の統計的に分布したHf(A1)(Cl)4−xという化学種(式中、xは0〜4である)を生ずる。それ故、第2のアミド「A2」が第1のアミドの十分に後で加えられても、式Hf(A1)(A2)4−x(式中、xは0〜4である)の化合物の混合物が生ずる。これらの化合物は、それらの類似性のために、たとえ蒸留によってもきれいに分離するのは困難である。
【0006】
化学蒸着法又は原子層蒸着法によって薄膜を形成する方法の開発においては、好ましくは室温において液体であり、適切な蒸気圧を持ち、適切な熱安定性を持ち(化学蒸着に対しては加熱された基板上では分解するが基板に達するまでは分解せず、原子層蒸着に対しては熱的には分解しないが共反応物に触れたときに反応する)、均一な被膜を形成することができ、望ましくない不純物(例えば、ハロゲン化物、炭素など)を残すのはあってもほんのわずかである前駆体に対する必要性が存在し続けている。それ故、新たな化合物を開発し、被膜蒸着のための化学蒸着及び原子層蒸着前駆体としてのそれらの可能性を調査する必要性が存在し続けている。それ故、上記の特性のいくつか、又は好ましくは全部を有する前駆体を提供することが、当該技術分野においては望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本発明は、1つには、式(LM(Lによって表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有する有機金属化合物に関する。
【0008】
本発明は、また1つには、式(RN)M(NRによって表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり;NRとNRとは異なり、R及びRは、同一又は異なり、炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;RとRとは結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ、1つのNR基のR若しくはRは、別のNR基のR若しくはRと、又はNR基のR若しくはRと結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ;R及びRは、同一又は異なり、炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;RとRとは結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ;1つのNR基のR若しくはRは、別のNR基のR若しくはRと、又はNR基のR若しくはRと結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)NRは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)NRは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)NR及びNRは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有する有機金属化合物にも関する。
【0009】
本発明は、更に1つには、上記の式によって表される有機金属前駆体に関する。
【0010】
本発明はなおも更に、1つには、ヘテロレプティック有機金属化合物を製造するための方法であって、ホモレプティック有機金属化合物を、炭化水素化合物又はヘテロ原子含有化合物と、溶媒の存在下、前記ヘテロレプティック有機金属化合物を生成するのに十分な反応条件下において反応させるステップを含み、前記ヘテロレプティック有機金属化合物が、式(LM(Lによって表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得くらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有する方法に関する。本発明の方法により得られる有機金属化合物の収率は、60%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは90%以上である。
【0011】
本発明は、また1つには、被膜、コーティング又は粉末を製造するための方法であって、式(LM(L(式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有する)によって表される有機金属前駆体化合物を分解することにより、被膜、コーティング又は粉末を製造する方法にも関する。一般的に、前記有機金属前駆体化合物の分解は、熱的、化学的、光化学的又はプラズマ励起化によるものである。
【0012】
本発明は、更に、1つには、混合物であって、(a)式(LM(Lによって表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有する有機金属前駆体化合物と、(b)単数又は複数の別の有機金属前駆体化合物(例えば、ハフニウム含有、アルミニウム含有、ストロンチウム含有、バリウム含有、又はチタン含有有機金属前駆体化合物)とを含む混合物に関する。
【0013】
本発明は、特に、ヘテロレプティック系金属前駆体を含む「次世代」の蒸着に関する。これらの前駆体は、他の公知の前駆体を超える利点を有することができる。これらのヘテロレプティック物質は、さまざまな目的、例えば、誘電体、バリヤ、電極などに使用することができ、多くの場合他の金属含有被膜より改善された特性(熱安定性、望ましい形態、より小さい拡散性、より低い漏れ、より小さい電荷トラップなど)を示す。
【0014】
本発明はいくつかの利点を有する。例えば、該へテロレプティック有機金属前駆体化合物は、複合成分被膜のために単一源の前駆体を利用できること、核生成の増大を可能にする基板に対する親和性が改良されること、電荷トラップが減少すること、及び/又は共形性が増大すること、並びに許容範囲の蒸気圧を有するいっそう実用性のある液体の前駆体(固体と対比して)を利用できることを含む、さまざまな望ましい特性を提供することができる。本発明のヘテロレプティック有機金属化合物は、相対的に立体障害性の置換基を備えたリガンドを部分的に含むことができ、本質的に純粋なヘテロレプティック有機金属化合物の単離を可能とする。本発明の方法は、多様な化学構造及び物理的性質を有するヘテロレプティック有機金属化合物をつくるのに有用である。該ヘテロレプティック有機金属化合物前駆体からつくられた被膜は、短いインキュベーション時間で蒸着させることができ、該ヘテロレプティック有機金属化合物前駆体から蒸着した被膜は良好な平滑度を示す。
【0015】
本発明は、特に次世代デバイスのための化学蒸着及び原子層蒸着前駆体に関するものであり、具体的には、ヘテロレプティック有機金属前駆体は室温、即ち20℃において液体であるものが好ましい。
【0016】
本発明のヘテロレプティック有機金属前駆体化合物は、他の物質、例えばAlなどの物質と並行したナノラミネート構造を含む用途のための原子層蒸着前駆体の望ましい特性を提供することができる。
【0017】
発明の詳細な説明
本明細書に記載のヘテロレプティック系に関して、いくつかの有利な点としては、中心元素上に異なる特性(立体的又は電子的に)のリガンドを有することにより分子の一部が基板/共反応物に対していっそう反応性/利用可能になること、単一源の前駆体が可能であること(例えば、ハフニウムに結合したトリメチルシリル含有アミドを利用することによるケイ酸ハフニウム類)、その前駆体は、室温において液体化合物であることができ、従って取り扱い及び利用がより容易であることなどが挙げられる。本発明の結果として、より多くの単一源前駆体を、より簡単な処理及びより少ないツールのアンプル/ラインを可能にする複合成分被膜に対して使用することができる。基板との反応性が改良されることによってより速い加工時間及びより良好な被膜/デバイス性能が可能となる。当該へテロレプティック液体前駆体は、精製及び移送がより容易であり、工程への送達をより簡単でより一貫したものとする。
【0018】
リガンド交換に対する熱力学的限界は、本発明のヘテロレプティック有機金属化合物にとって重要である。嵩張ったリガンドを利用することによって更なるリガンド交換は起こり得ない。例えば、Mが金属であり、Sが小さいリガンドであり、Lが大きいリガンドである場合、出発仮説は、M(Sが存在し、M(Lが存在しない(但し、xは、その金属の酸化状態に等しい)というものである。それ故、過剰のL(何であっても配位前の状態が最適)をM(Sと結合させても、リガンド交換は「適合」する更なるLリガンドがなくなる点までしか起こらず、式M(Sx−y(L(式中、y=1からx−1)という別個の分子が生じることになろう。その時点では反応が停止するだけでなく、更なる分子間の正味のリガンド交換も起こることができないであろう。Sリガンド及びLリガンドは同じ大きさの他のリガンドと交換できたりできなかったりするが、SリガンドはLリガンドとは交換不可能であろう。何故なら、そうすることは熱力学に基づいて1つ多過ぎるLリガンドを一つの金属の周りに置くことになるからである。この合成プロセス及び嵩張ったリガンドの使用は本発明の重要な側面である。
【0019】
上で示したように、本発明は、式(LM(Lによって表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有するヘテロレプティック有機金属化合物に関する。
【0020】
より詳しくは、本発明は、式(RN)M(NRで表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり;NRとNRとは異なり、R及びRは、同一又は異なり、炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;RとRとは結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ、1つのNR基のR若しくはRは、別のNR基のR若しくはRと、又はNR基のR若しくはRと結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ;R及びRは、同一又は異なり、炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;RとRとは結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ;1つのNR基のR若しくはRは、別のNR基のR若しくはRと、又はNR基のR若しくはRと結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)NRは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)NRは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)NR及びNRは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有するヘテロレプティック有機金属化合物に関する。本発明のヘテロレプティック有機金属化合物は、好ましくは20℃において液体である。
【0021】
本発明のヘテロレプティック有機金属化合物について、Lは、好ましくはジイソプロピルアミドの立体的体積と同等若しくはそれより大なる立体的体積を有する。Lは、好ましくはジイソプロピルアミドの立体的体積と同等若しくはそれより小なる立体的体積を有する。NRは、好ましくはジイソプロピルアミドの立体的体積と同等若しくはそれより大なる立体的体積を有する。NRは、好ましくはジイソプロピルアミドの立体的体積と同等若しくはそれより小なる立体的体積を有する。
【0022】
とLとは異なり、独立に、水素、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、脂肪族ヘテロ原子含有基、芳香族複素環、脂環式複素環、又はそれらの混合物である。例示的L及びL基としては、例えば、水素、アルキル、ハロゲン化アルキル、シリル化炭化水素、エーテル、ポリエーテル、チオエーテル、エステル、ラクトン、アミド、アミン、ポリアミン、ニトリル、又はそれらの混合物が挙げられる。L及びL基としては、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式アミド又はアミノ基、例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、ピロリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリニル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、イミダゾリジノニル、イミダゾリジンチオニル、キノリニル、イソキノリニル、カルバゾリル、トリアゾリル、インドリル及びプリニルも挙げることができる。が1より大きい値である化合物については、L基は、同一又は異なるものとすることができる。が1より大きい値である化合物については、L基は、同一又は異なるものとすることができる。
【0023】
典型的には、R、R、R及びRは、同一又は異なり(NR及びNRが異なる限りは)、独立に、水素、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、又は脂環式炭化水素である。より詳しくは、R、R、R及びRは、同一又は異なり(NR及びNRが異なる限りは)、独立に、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、t−アミル、シクロヘキシル、アダマンチル、フェニル、ベンジル、シリル、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルエチルシリル、ジエチルメチルシリルなどである。好ましくは、R、R、R及びRのそれぞれは、同一又は異なり(NR及びNRが異なる限りは)、独立に、水素、置換若しくは無置換のアルキル、又はそれらの混合物である。が1より大きい値である化合物については、NR基は同一又は異なるものとすることができる。が1より大きい値である化合物については、NR基は同一又は異なるものとすることができる。
【0024】
典型的には、Mは、第2族(例えば、Sr、Ba)、第3族(例えば、Sc、Y)、第4族(Ti、Zr、Hf)、第13族(Al、Ga)又はランタニド系列元素(例えば、La、Ce、Pr、Nd、Dy、Er、及びYb)である。Mは、また、第1、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18族又はアクチニド系列の元素とすることもできる。Mは、好ましくは、第2族元素、第13族元素、第14族元素、遷移金属、又はランタニド系列元素から選択される。より好ましくは、Mは、Si、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Sr、Ba、Sc、Y、Al、Ge、Ga、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuから選択される。
【0025】
本発明のヘテロレプティック有機金属化合物としては、例えば、アミド、シクロペンタジエニド、ハロゲン化物、β−ジケトネート、アルキル、カルボニルなどが挙げられる。本発明の例示的ヘテロレプティック有機金属化合物としては、例えば、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ハフニウム、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)チタン、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)モリブデン、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ハフニウム、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)チタン、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)モリブデン、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ハフニウム
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ジルコニウム、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)チタン、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)モリブデン、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)タングステン、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ハフニウム
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ジルコニウム、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)チタン、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)モリブデン、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)タングステン、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)ハフニウム
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)ジルコニウム、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)チタン、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)モリブデン、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)タングステン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)ハフニウム、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)ジルコニウム、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)チタン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)モリブデン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)タングステン、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ハフニウム、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ジルコニウム、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)チタン、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)モリブデン、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)タングステン、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ハフニウム、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ジルコニウム、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)チタン、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)モリブデン、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)タングステン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジメチルアミノ)シラン、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)シラン、
(t−ブチルイミノ)ジイソプロピルアミノビス(ジメチルアミノ)タンタル、
ビス(ジイソプロピルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)タンタル、
ビス(ジイソプロピルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ニオブ、
(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ランタン、
ジ−t−ブチルアミノ)ビス(シクロペンタジエニル)ランタン
などが挙げられる。好ましい有機金属化合物としては、例えば、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ハフニウム、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ハフニウム、
(t−ブチルイミノ)ジイソプロピルアミノビス(ジメチルアミノ)タンタル、及び
ビス(ジイソプロピルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)タンタル
が挙げられる。
【0026】
多数の元素に対してより立体的に密集した化合物を調製することは(半径にもよるが)困難であり得ることが見いだされている。例えば、ハフニウムは、4配位ジエチルアミド化合物を形成するが、ケイ素(元素半径がより小さい)の類似体は報告されていない。しかしながら4配位ジメチルアミド錯体はケイ素については安定である。その上、4配位ジイソプロピルアミドハフニウム錯体をHfClからきれいに分離することはむずかしい。枝分かれしていないジプロピルの類似体は、しかしながら、ハフニウムについては分離がなされている。これらの系の電子的性質(即ち、母体アミンの塩基性)は同様であるので、立体的密集度がこれらの観察結果の理由であると結論付けるのが合理的である。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、ホモレプティックアミド錯体に嵩張ったアミン(又はその他の適当な「プロトンを付加した」リガンド)の過剰な付加を行うことができる。例えば、Hf(NMeをジイソプロピルアミン溶液中に加えることができる。そのジイソプロピルアミンは、ホモレプティック系との反応を開始してNMe部分をランダムに置換することができる。得られるガス状のHNMeは速度論的に稀少とすることができ(HNPrと比較して)、窒素パージによって系から除去することもできる。そのジイソプロピルアミンは、ハフニウム上のすべてのアミドを置換する速度論的機会を有する。しかしながら、4配位ジイソプロピルアミド系は普通では接近困難と推定されるので、その反応はジイソプロピルアミドリガンド数が最大の最も安定な化合物へと収束するはずであり、その数は0より多いが4より少ないはずである。嵩張ったアミドを過剰に持たせ、生成した揮発性のジメチルアミンを系から追い出すことによって、置換ジメチルアミドリガンドはハフニウムに戻ることができなくなる(このように速度論的に反応を推進する)。同時に、嵩張ったアミドが利用されているため、かかるジメチルアミドリガンドは完全に置換されてしまうことはない(このように熱力学的に反応を制限する)。その結果はヘテロレプティック系、即ちHf(NMe(NPr4−x(式中、xは、1、2、又は3である)である。更に、生成物は、多くの化合物の統計的混合物ではなく、単一の化学種が優先するため、精製が容易である。
【0028】
この方法を使用することによって、多数のヘテロレプティック系を利用可能とすることができる。例えば、Si(NMe(NEt4−x(式中、xは、1、2、又は3である)が可能である。また、用途によってはより嵩張ったアミドを使用することができる。例えば、金属上に存在する2種のアミド間の反応速度の違いは重要であり得る。つまり、ジ−t−ブチルアミドなどのいっそう嵩張ったリガンドでさえ有用であり得る。また、単一の嵩張った二座ジアミドリガンドも有用であり得る。4配位ビス(トリメチルシリル)アミド系は、ハフニウムの周囲で安定であるには嵩張り過ぎているかもしれないが、本明細書に記載されている方法論によってヘテロレプティック種をつくることは、単一源のケイ酸ハフニウム前駆体の開発に対して有用であり得る。
【0029】
ヘテロレプティックアミド化合物の製造方法の例示的な合成スキームを以下に示す。
【0030】
【化1】

【0031】
蒸着に関して、特にゲートスタックにおける高k材料集積の主な欠点は、電荷トラップ密度の増大である。これらのトラップは閾値電圧シフト及び信頼性問題と関連している。これらのトラップについては大量の電気的特性データが存在するが、原因についての説明は殆どない(電荷トラップに対して説明が可能なのは、不純物、ダングリングボンド、並びに被膜中又は界面の水素及び/又はヒドロキシル末端金属原子である)。加えて、Alの高k構造は、HfOと比較してより少ない電気的問題(トラップがより少ないことを暗示する)を示す。これはAl及びHfOによって構成される被膜間の原子構造の違いに起因するのかもしれないが、前駆体分子中のリガンドの数の違いと関連する何らかの効果があるのかもしれない(アルミニウム化合物は、通常、3個のリガンドを有し、ハフニウム化合物は4個を有する)。リガンドの数の違い、及びリガンドがどのように反応するかは、被膜中に含まれる電荷トラップのタイプ及び/又は量に影響を及ぼすかもしれない。
【0032】
原子層蒸着によって蒸着されるハフニウム系材料は、パージガス(例えば窒素)によって分離されたハフニウム前駆体と共反応物(例えば水)との交互パルスを必要とする。ハフニウム前駆体と共反応物との連続パルスは、相互に依存する半反応を生ずるはずである(即ち、それらはお互いに活性点を再生させる)。原子層蒸着によりHfOを蒸着する1つの例示的プロセスは、水とハフニウムアミド(例えば、テトラキスジメチルアミノハフニウム)とを用いる。各水パルスの間、被膜表面はヒドロキシル基に転化される。各前駆体パルスの間、被膜表面はアミドリガンドに転化される。加えて、被膜の成長に先立ち、基板(例えばシリコン又はシリコン酸化物)の表面終端は、該プロセスを開始するために、ヒドロキシル又はアミド基のいずれかに転化されなければならない。理想的には、この方法による副生成物は、対応するアミン(アミドリガンドのプロトン化による)及び水(隣接する表面ヒドロキシル基の反応による)である。
【0033】
この方法に対して1つの提案される機構は、前駆体パルスの間に、前駆体リガンドがヒドロキシル末端の表面と反応するので、そのヒドロキシル酸素の孤立電子対がハフニウム金属の中心を攻撃し、そのヒドロキシル水素がそのときアミドリガンドをプロトン化するというものである。その結果生じたアミンは揮発性であり、その表面から脱着する。立体効果により、4個のアミドリガンドのうちの1個、2個又は3個は、前駆体パルスの間にその表面のヒドロキシル基と反応することができる。それに続く水パルスの間に、残りのアミドリガンドはアミンに転化され、その表面にヒドロキシル基を残すはずである。
【0034】
酸化ハフニウムの物理的構造は、結晶性(立方晶系)又は無定形固体において酸素原子に四面体的に結合したハフニウム原子からなる。各酸素原子が2つのハフニウム原子を架橋するのが理想的であるが、格子中の欠陥(例えば、不純物、ダングリングボンド、ヒドロキシル末端)は不可避である。これらの欠陥を被膜蒸着プロセスの間に減少させることによって、高kゲート誘電体用途に対してより良好な性能を結果として得ることができる。
【0035】
高k材料の原子層蒸着のために研究されているハフニウム前駆体の過半は4つのリガンドからなり、それらは同一である。各半反応の間に反応するそのリガンドの数によって、電荷トラップ密度に対する何らかの効果があるかもしれない。本発明によれば、混合リガンドを含むように分子を設計することができ、このようなリガンドは表面ヒドロキシル基及び水蒸気に対して異なる反応性を有し、各パルスの間に反応するリガンドの数を制御できる可能性がある。これにより、トラップ密度の減少した被膜を得ることができる。4つのリガンドの2つだけが各パルスの間に反応するのが理想的であるとすれば、その分子が、例えば、Hf(R(Rのような、構造Rを有する2つのリガンドと別の構造Rを有する2つのリガンドとを有することになるのは論理的であろう。R及びRは、広範な候補、例えば、アミド、アルコキシド、ハロゲンなどから選択することができる。前駆体パルスの間に反応するリガンドの数が2とは異なる場合、これは、次の層の成長の間の反応に利用できる活性点の数を変化させる(増加又は減少させる)。ハフニウム系の高k材料において発生する多数の電荷トラップは、各半反応中における奇数のリガンド離脱に起因するのかもしれない。
【0036】
本発明は、説明のために限られた側面において狭く記載してきたが、修正及び変形が、本発明の範囲並びに特許請求の要旨及び範囲の中に含まれ得ることを理解すべきである。例えば、本明細書に記載の原子層蒸着技術は、化学蒸着によって蒸着されるより良質の被膜を提供することもでき;Hf(NEt(NMe、Hf(OBu)(NMe、及びHf(ピロリジニル)(NMeのように、R及びRのリガンド族を違え又は同じとすることができ(例えば、R及びRが両方ともアミド(であるが、異なるアミド)、RがハロゲンでRがアミド、又はRがアルコキシドでRがアミドのように);前駆体がHf以外の元素(例えば、Zr)を有することができ;上記した活性点(例えばヒドロキシル及びアミド)を違えることができる(例えば、ハロゲン、アルコキシド、水素、ダングリングボンドなど)。
【0037】
上で示したように、本発明は、また、ヘテロレプティック有機金属化合物を製造するための方法であって、ホモレプティック有機金属化合物を、炭化水素化合物又はヘテロ原子含有化合物と、溶媒の存在下、前記ヘテロレプティック有機金属化合物を生成するのに十分な反応条件下において反応させるステップを含み、前記ヘテロレプティック有機金属化合物が、式(LM(Lによって表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有する方法に関する。本発明の方法によるヘテロレプティック有機金属化合物収率は、60%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは90%以上となり得る。
【0038】
本明細書に記載の方法において、ホモレプティック有機金属化合物の出発材料は、当該技術分野において公知の広範な化合物から選択することができる。本明細書の発明において最も好ましいホモレプティック有機金属化合物は、アミド、シクロペンタジエニド、ハロゲン化物、β−ジケトネート、アルキル、カルボニルから選択される。例示的なホモレプティック有機金属化合物としては、例えば、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム、テトラキス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン、テトラキス(ジメチルアミノ)モリブデン、テトラキス(ジメチルアミノ)タングステン、テトラキス(ジエチルアミノ)ハフニウム、テトラキス(ジエチルアミノ)ジルコニウム、テトラキス(ジエチルアミノ)チタン、テトラキス(ジエチルアミノ)モリブデン、テトラキス(ジエチルアミノ)タングステン、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、ペンタキス(ジメチルアミノ)ニオビウム、トリス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ランタンなどが挙げられる。
【0039】
ホモレプティック有機金属化合物出発材料の濃度は、広範囲にわたって変化させることができ、必要なのは炭化水素化合物又はヘテロ原子含有化合物と反応するのに必要な最小量だけである。一般に、反応混合物の大きさにより、約1ミリモル又はそれ未満乃至約10,000ミリモル又はそれより高いホモレプティック有機金属化合物出発材料の濃度で大部分の方法に対して十分なはずである。
【0040】
本明細書に記載の方法において、炭化水素化合物又はヘテロ原子含有化合物は、当該技術分野においては公知の多種多様な化合物から選択することができる。例示的な炭化水素化合物及びヘテロ原子含有化合物としては、例えば、ジメチルアミド、エチルメチルアミド、ジエチルアミド、イソプロピルメチルアミド、ジイソプロピルアミド、ジ−t−アミルアミド、t−ブチルイソプロピルアミド、ジ−t−ブチルアミド、ジシクロヘキシルアミド、t−ブチルトリメチルシリルアミド、ジエチルテトラメチルジシラザン(アミド)、ヘキサメチルジシラザン(アミド)、t−ブトキシド、シクロペンタジエニド、メチルシクロペンタジエニド、テトラメチルシクロペンタジエニド、ピロリド、2,5−ジメチルピロリド、カーボンモノオキシド、塩化物などが挙げられる。好ましい炭化水素化合物又はヘテロ原子含有化合物出発材料は、式NR及びNRによって表すことができ、式中、NRとNRとは異なり、R及びRは、同一又は異なり、炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;RとRとは結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ、1つのNR基のR若しくはRは、別のNR基のR若しくはRと、又はNR基のR若しくはRと結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ;R及びRは、同一又は異なり、炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;RとRとは結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ;1つのNR基のR若しくはRは、別のNR基のR若しくはRと、又はNR基のR若しくはRと結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができる。
【0041】
本発明によれば、R、R、R及びRのそれぞれは、水素、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の、炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族複素環、ハロゲン化アルキル、アルキル、シリル化炭化水素、エーテル、ポリエーテル、チオエーテル、エステル、ラクトン、アミド、アミン、ポリアミン、ニトリル、又はそれらの混合物とすることができる。そのアミン化合物としては、環式及びキレート系を挙げることができる。そのアミン化合物としては、アミンのHCl塩、例えば塩化アンモニウム、塩化ジメチルアンモニウムなどを挙げることもできる。好ましいアミン化合物としては、例えば、ジメチルアミン、エチルメチルアミン、イソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルアミン、ヘキサメチルジシラザン、ジ−t−アミルアミン、t−ブチルイソプロピルアミン、ジ−t−ブチルアミン、t−ブチルトリメチルシリルアミン、及びジエチルテトラメチルジシラザンが挙げられる。
【0042】
炭化水素化合物又はヘテロ原子含有化合物出発材料の濃度は、広範囲にわたって変化することができ、必要なのはホモレプティック有機金属化合物と反応するのに必要な最小量だけである。一般に、反応混合物の大きさにより、約1ミリモル又はそれ未満乃至約10,000ミリモル又はそれより高い炭化水素化合物又はヘテロ原子含有化合物出発材料の濃度で大部分の方法に対して十分なはずである。
【0043】
本発明の方法において使用される溶媒は、任意の飽和及び不飽和の、炭化水素、芳香族炭化水素、芳香族複素環化合物、ハロゲン化アルキル、シリル化炭化水素、エーテル、ポリエーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、ラクトン、アミド、アミン、ポリアミン、ニトリル、シリコーンオイル、その他の非プロトン性溶媒、又は上記の一種若しくは複数種の混合物;より好ましくは、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、キシレン、テトラメチルベンゼン、ジメトキシエタン、ジグライム、フッ素化炭化水素、及び上記の一種若しくは複数種の混合物;最も好ましくは、ヘキサン、エーテル、THF、ベンゼン、トルエン、及び上記の一種若しくは複数種の混合物とすることができる。意図する反応を過度に不利となるように妨げることのない任意の適切な溶媒を採用することができる。単数又は複数の別の溶媒の混合物を必要に応じて使用することができる。使用する溶媒の量は本発明にとっては重要ではなく、必要なのは、反応混合物中に反応成分を溶解するのに十分な量だけである。一般に、溶媒の量は、反応混合物出発材料の総重量を基準として、約5重量パーセント乃至約99重量パーセント又はそれより大なる範囲にまで及び得る。
【0044】
ホモレプティック有機金属化合物と炭化水素化合物又はヘテロ原子含有化合物との反応のための方法についての反応条件、例えば、温度、圧力及び接触時間なども大きく変動させることができ、本発明においてはかかる条件の任意の適当な組合せを採用することができる。反応温度は、上記溶媒のいずれかの還流温度とすることができ、より好ましくは約−80℃〜約150℃の間、最も好ましくは約20℃〜約80℃の間である。通常その反応は、周囲圧力下で行い、接触時間は、およそ数秒又は数分から数時間又はそれより長くまで変動させることができる。反応物は反応混合物に加えることもでき、任意の順序で混合することもできる。採用する撹拌時間は、全工程について、約0.1〜約400時間、好ましくは約1〜75時間、より好ましくは約4〜16時間である。
【0045】
ホモレプティック有機金属化合物出発材料と炭化水素化合物又はヘテロ原子含有化合物出発材料とから調製されるヘテロレプティック有機金属化合物は、多種多様の化合物から選択することができる。本発明の方法によって調製されるヘテロレプティック有機金属化合物としては、例えば、アミド、シクロペンタジエニド、ハロゲン化物、β−ジケトネート、アルキル、カルボニルなどが挙げられる。本発明の方法によって調製される例示的なヘテロレプティック有機金属化合物としては、例えば、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ハフニウム、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)チタン、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)モリブデン、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ハフニウム、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)チタン、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)モリブデン、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ハフニウム
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ジルコニウム、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)チタン、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)モリブデン、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)タングステン、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ハフニウム
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ジルコニウム、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)チタン、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)モリブデン、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)タングステン、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)ハフニウム
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)ジルコニウム、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)チタン、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)モリブデン、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)タングステン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)ハフニウム、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)ジルコニウム、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)チタン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)モリブデン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)タングステン、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ハフニウム、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ジルコニウム、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)チタン、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)モリブデン、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)タングステン、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ハフニウム、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ジルコニウム、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)チタン、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)モリブデン、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)タングステン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジメチルアミノ)シラン、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)シラン、
(t−ブチルイミノ)ジイソプロピルアミノビス(ジメチルアミノ)タンタル、
ビス(ジイソプロピルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)タンタル、
ビス(ジイソプロピルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ニオブ、
(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ランタン、
ジ−t−ブチルアミノ)ビス(シクロペンタジエニル)ランタン
などが挙げられる。
【0046】
本発明の方法によって調製された有機金属化合物については、再結晶によって、より好ましくは反応残渣の抽出(例えばヘキサン)及びクロマトグラフィーによって、最も好ましくは昇華及び蒸留によって精製をすることができる。
【0047】
当業者であれば認識することであるが、本明細書に詳細に記載されている方法に対しては、以下の特許請求の範囲により詳しく定義されている本発明の範囲又は要旨を逸脱することなく、多数の変化を加えることができる。
【0048】
上記の合成方法によって形成された有機金属化合物を特徴づけるために使用することができる技術の例としては、以下に限定はされないが、分析的なガスクロマトグラフィー、核磁気共鳴、熱重量分析、誘導結合プラズマ質量分析法、走査型示差熱分析、蒸気圧測定及び粘度測定が挙げられる。
【0049】
上記の有機金属化合物前駆体の相対的蒸気圧、即ち相対揮発度は、当該技術分野において公知の熱重量分析技術によって測定することができる。平衡蒸気圧も、例えば、密封容器からすべての気体を抜き、その後その化合物の蒸気をその容器に導入し、その圧力を技術的に知られているとおりに測定することによって測定することができる。
【0050】
本明細書に記載の有機金属化合物前駆体は、好ましくは室温、即ち20℃において液体であり、in situ(その場)で粉末又はコーティングを調製するのに大変都合よくできている。例えば、液体の有機金属化合物前駆体を基板に適用し、次いでその前駆体を分解するのに十分な温度に加熱し、それによって金属又は金属酸化物のコーティングをその基板上に形成することができる。液体前駆体を基板に適用するのは、塗布、吹付け、浸漬又は技術的に公知のその他の技法によって行うことができる。加熱は、オーブン中で、ヒートガンを用いて、基板を電気的に加熱して、又は技術的に公知のその他の手段によって実施することができる。有機金属化合物前駆体を適用し、それを加熱して分解し、それによって第一層を形成し、次に同じか異なる前駆体を用いて少なくとももう1回の塗装及び加熱を行うことによって、重構造のコーティングを得ることができる。
【0051】
上記のような液体有機金属化合物前駆体は、また、霧化して基板上に吹付けることができる。採用することができる霧化及び吹付けの手段、例えばノズル、噴霧器その他は、技術的に公知である。
【0052】
本発明の好ましい実施形態では、上記のような有機金属化合物は、粉末、被膜又はコーティングを形成するための気相蒸着技術において使用される。該化合物は、単一源の前駆体として使用することができ、或いは単数又は複数の他の前駆体と、例えば少なくとも1つの他の有機金属化合物又は金属錯体を加熱することによって発生した蒸気と共に使用することができる。複数の上記のような有機金属化合物前駆体を、所与のプロセスにおいて使用することもできる。
【0053】
上で示したように、本発明は、(a)式(LM(Lによって表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有する有機金属前駆体化合物と、(b)単数又は複数の別の有機金属前駆体化合物(例えば、ハフニウム含有、アルミニウム含有、ストロンチウム含有、バリウム含有、チタン含有有機金属前駆体化合物)とを含む有機金属前駆体化合物に関する。
【0054】
蒸着は、他の気相成分の存在下で実施することができる。本発明の1実施形態においては、被膜の蒸着は少なくとも1種の非反応性キャリヤガスの存在下で行われる。非反応性ガスの例としては、不活性ガス、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、並びにプロセス条件下で有機金属化合物前駆体と反応しないその他のガスが挙げられる。別の実施形態においては、被膜蒸着は少なくとも1種の反応性ガスの存在下で行われる。使用することができるいくつかの反応性ガスとしては、以下に限定はされないが、ヒドラジン、酸素、水素、空気、酸素富化空気、オゾン(O)、亜酸化窒素(NO)、水蒸気、有機蒸気、アンモニアその他が挙げられる。当該技術において知られているように、酸化性のガス、例えば、空気、酸素、酸素富化空気、O、NOなど又は酸化性有機化合物の蒸気の存在は、金属酸化物被膜の形成に有利に働く。
【0055】
上で示したように、本発明は、1つには、被膜、コーティング又は粉末を製造するための方法にも関する。その方法は、以下で更に説明するように、少なくとも1種の有機金属化合物前駆体を分解し、それによって、被膜、コーティング又は粉末を生成させるステップを含む。より詳しくは、本発明は、1つには、式(LM(Lによって表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有する有機金属前駆体化合物を分解し、それによって被膜、コーティング又は粉末を生成させることによって、被膜、コーティング又は粉末を生成させる方法に関する。典型的には、前記有機金属前駆体化合物の分解は、熱的、化学的、光化学的又はプラズマ励起的なものである。
【0056】
本明細書に記載の蒸着法を実施すると、単一の金属を含む被膜、粉末又はコーティング或いは単一の金属酸化物を含む被膜、粉末又はコーティングを形成することができる。混合した被膜、粉末又はコーティング、例えば混合した金属酸化物被膜も蒸着することができる。混合金属酸化物被膜は、例えば、少なくともその1つが上記の有機金属化合物から選択されるいくつかの有機金属前駆体を使用することによって形成することができる。
【0057】
気相被膜蒸着を実施すると、所望の厚さ、例えば約1nm〜1mmの範囲の被膜層を形成することができる。本明細書に記載の前駆体は、薄い被膜、例えば、約10nm〜約100nmの範囲の厚さを有する被膜を生成させるために特に有用である。本発明の被膜は、例えば、特に論理nチャンネル金属電極として、DRAM用途のためのキャパシタ電極として、及び誘電材料としての金属電極を組み立てることを対象とするものと考えることができる。
【0058】
その方法は、また、層の少なくとも2つが相又は組成において異なる層状の被膜を調製するのにも適する。層状の被膜の例としては、金属−絶縁体−半導体、及び金属−絶縁体−金属が挙げられる。
【0059】
1実施形態において、本発明は、上記の有機金属化合物前駆体の蒸気を、熱的、化学的、光化学的に、又はプラズマ励起によって分解し、それによって基板上に被膜を形成するステップを含む方法を対象とする。例えば、該化合物によって発生した蒸気をその有機金属化合物が分解を引き起こすのに十分な温度を有する基板と接触させてその基板上に被膜を形成させる。
【0060】
有機金属前駆体は、化学蒸着法又は、より具体的に言えば、当該技術において公知の有機金属CVD法において使用することができる。例えば、上記の有機金属化合物前駆体は、大気中、並びに低圧下の化学蒸着プロセスにおいて使用することができる。該化合物は、反応チャンバー全体を加熱する方法であるホットウォール化学蒸着、並びに基板のみが加熱される技術であるコールドウォール若しくはウォームウォール型の化学蒸着において使用することができる。
【0061】
上記の有機金属化合物前駆体は、また、プラズマからのエネルギー又は電磁エネルギーが、それぞれ、化学蒸着前駆体を活性化するために使用されるプラズマ又は光アシスト化学蒸着プロセスにおいて使用することができる。その化合物は、また、それぞれイオンビーム又は電子ビームが基板に照射され、化学蒸着前駆体を分解するためのエネルギーが供給されるイオンビーム、電子ビームアシスト化学蒸着プロセスにも使用することができる。レーザー光が基板に照射され、化学蒸着前駆体の光分解反応に作用するレーザーアシスト化学蒸着プロセスも使用することができる。
【0062】
本発明の方法は、さまざまな化学蒸着反応装置、例えば、当該技術分野で公知のホットウォール又はコールドウォール反応装置、プラズマアシスト、ビームアシスト又はレーザーアシスト反応装置などにおいて実施することができる。
【0063】
本発明の方法を使用して被覆することができる基板の例としては、固体基板、例えば、金属基板、例えば、Al、Ni、Ti、Co、Pt、Ta;金属アルミン酸塩類;金属ケイ化物、例えば、TiSi、CoSi、NiSi;半導体材料、例えば、Si、SiGe、GaAs、InP、ダイヤモンド、GaN、SiC;絶縁体、例えば、SiO、Si、HfO、Ta、A1、チタン酸バリウムストロンチウム(BST);バリヤ材、例えば、TiN、TaN;又は材料の組合せを含む基板上などが挙げられる。加えて、被膜又はコーティングは、ガラス、セラミックス、プラスチック、熱硬化性ポリマー材料上、及び他のコーティング又は被膜層上に形成することができる。好ましい実施形態において、被膜蒸着は、電子部品の製造又は処理において使用される基板上になされる。別の実施形態において、基板は、高温の酸化剤又は光学的に透明な被膜の存在下で安定である低抵抗率の導体蒸着を補助するために使用される。
【0064】
本発明の方法は、滑らかな平面を有する基板上に被膜を蒸着させるために実行することができる。一実施形態において、該方法は、ウエーハの製造又は処理で使用する基板上に被膜を蒸着させるために実行することができる。例えば、該方法は、機能、例えば、トレンチ、正孔又はビアなどを含むパターン化基板上に被膜を蒸着させるために実行することができる。更に、本発明の方法は、ウエーハの製造又は処理におけるその他のステップ、例えば、マスキング、エッチングなどと一体化することもできる。
【0065】
化学蒸着被膜は、所望の厚さに蒸着させることができる。例えば、形成される被膜は、1ミクロン厚未満、好ましくは500ナノメートル未満、より好ましくは200ナノメートル厚未満とすることができる。50ナノメートル厚未満の被膜、例えば、約1ナノメートルと約20ナノメートルの間の厚さを有する被膜も製造することができる。
【0066】
上記の有機金属化合物前駆体は、また、本発明の方法において使用して、原子層蒸着(ALD)又は原子層核形成(ALN)技術によって被膜を形成することもでき、その工程中に基板は、前駆体、酸化剤及び不活性ガスの流れの交互パルスにさらされる。逐次層蒸着技術は、例えば、米国特許第6287965号、及び米国特許第6342277号に記載されている。両特許の開示は、それらの全体を本明細書の記載の一部とする。
【0067】
例えば、1つのALDサイクルにおいては、基板は、段階的方式で、a)不活性ガス;b)前駆体蒸気を運ぶ不活性ガス;c)不活性ガス;及びd)酸化剤単独又は不活性ガスと一緒の酸化剤にさらされる。一般に、各ステップは、装置が許容する限りの短さ(例えば数ミリ秒)及びその方法が必要とする限りの長さ(例えば、数秒又は数分)とすることができる。1サイクルの時間は、数ミリ秒の短さとすることができ、数分の長さとすることができる。そのサイクルは、数分から数時間まで変動し得る期間にわたって繰り返される。生成する被膜は数ナノメートル厚又はそれよりも厚く、例えば1ミリメートル(mm)とすることができる。
【0068】
本発明の方法は、また、超臨界流体を使用して実施することもできる。当該技術分野で現在知られている超臨界流体を使用する被膜析出方法の例としては、化学流体析出;超臨界流体移送化学蒸着;超臨界流体化学蒸着;及び超臨界浸漬析出が挙げられる。
【0069】
化学流体析出法は、例えば、高純度の被膜を生成するため及び複雑な表面を覆ってハイアスペクト比の形状を充填するために好適である。化学流体析出は、例えば、米国特許第5789027号に記載されている。被膜を形成するための超臨界流体の使用も、米国特許第6541278号B2に記載されている。これら2つの特許の開示は、その全体を本明細書の記載の一部とする。
【0070】
本発明の一実施形態においては、加熱したパターン化基板を、溶媒、例えば臨界点近傍又は超臨界の流体、例えば臨界点近傍又は超臨界のCOの存在下で、単数又は複数の有機金属化合物前駆体に曝露する。COの場合、その溶媒の流体は、約1000psigより高い圧力及び少なくとも約30℃の温度において提供される。
【0071】
該前駆体は、分解されて基板上に金属被膜を形成する。その反応は、その前駆体から有機物質も生成する。その有機物質は、溶媒流体によって溶解され、基板から容易に除去される。金属酸化物被膜は、例えば、酸化性ガスを用いることによっても形成することができる。
【0072】
一例において、蒸着プロセスは、単数又は複数の基板を収容する反応チャンバー中で行う。その基板は所望の温度までチャンバー全体を、例えば炉によって加熱することによって加熱する。有機金属化合物の蒸気は、例えば、そのチャンバーに真空を適用することによって生成させることができる。低沸点化合物に対しては、そのチャンバーを十分に高温とし、該化合物の蒸発を引き起こすことができる。その蒸気が加熱した基板表面に接触すると、それは分解して金属又は金属酸化物の被膜を形成する。上記のように、有機金属化合物前駆体は単独で、或いは単数又は複数の成分、例えばその他の有機金属前駆体、不活性キャリヤガス又は反応性ガスと組合せて使用することができる。
【0073】
本発明の方法により被膜を生成するに際して使用することができるシステムにおいて、原料をガス混合マニホルドに導き、蒸着反応装置に供給される方法ガスを製造することができ、そこで被膜の成長が行われる。原料としては、以下に限定はされないが、キャリヤガス、反応性ガス、パージガス、前駆体、エッチ/クリーンガスその他が挙げられる。プロセスガス組成の正確な制御は、当該技術分野では周知の、マスフローコントローラ、バルブ、圧力トランスジューサー、及びその他の手段を用いて達成される。排気マニホルドは、蒸着反応装置を出るガス並びにバイパス流を真空ポンプに運ぶことができる。真空ポンプの下流の減少装置は、排出ガスからの有害物を除去するために使用することができる。その蒸着システムは、プロセスガス組成の測定を可能にする残留ガス分析装置を含むin situ(その場)分析システムを備えることができる。制御システム及びデータ収集システムは、さまざまなプロセスパラメータ(例えば、温度、圧力、流速など)を監視することができる。
【0074】
上記の有機金属化合物前駆体は、単一の金属を含む被膜又は単一の金属酸化物を含む被膜を製造するために使用することができる。混合被膜、例えば混合金属酸化物被膜も蒸着させることができる。かかる被膜は、例えば、いくつかの有機金属前駆体を使用することによって製造される。金属被膜は、また、例えば、キャリヤガス、蒸気又はその他の酸素源を使用しないで形成することができる。
【0075】
本明細書に記載の方法によって形成された被膜は、当該技術分野において公知の技術、例えば、X線回折、オージェ分光法、X線光電子分光法、原子間力顕微鏡法、走査電子顕微鏡法、及び当該技術分野で公知のその他の技術によって特徴付けることができる。被膜の抵抗率及び熱安定性も当該技術分野で公知の方法によって測定することができる。
【0076】
ケイ酸塩及びアルミン酸塩の原子層蒸着及び化学蒸着は、多くの次世代材料(例えば、誘電体用アルミン酸ランタンなど)に有用であり得る。
【0077】
本発明のさまざまな修正及び変形は当業者には明らかであり、かかる修正及び変形は、本出願の範囲並びに特許請求の範囲の要旨及び範囲の中に含まれものであることを理解すべきである。
【実施例】
【0078】
例1
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ハフニウムの合成
乾燥し、窒素パージし、磁気撹拌棒を装填した100ミリリットルの丸底フラスコに、無水のヘキサン(25ミリリットル)を加えた。Hf(NMe(5.00グラム、0.014モル)を注射器により加え、次いでHN(SiMe(13.65グラム、0.085モル)を加えた。そのフラスコにコンデンサーを取り付け、内容物を約1時間還流させた。室温まで冷却した後、ヘキサン及び過剰のアミンを減圧下で除去し、粗生成物を得、それは昇華/蒸留により更に精製することができる。H NMRにより、Hf結合NMe及びHf結合N(SiMeの共鳴が示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(LM(Lによって表されるヘテロレプティック有機金属化合物であって、式中、Mは、金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有するヘテロレプティック有機金属化合物。
【請求項2】
式(RN)M(NRで表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり;NRとNRとは異なり、R及びRは同一又は異なり、炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;RとRとは結合して置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ、1つのNR基のR若しくはRは、別のNR基のR若しくはRと、又はNR基のR若しくはRと結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ;R及びRは、同一又は異なり、炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;RとRとは結合して置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ;1つのNR基のR若しくはRは、別のNR基のR若しくはRと、又はNR基のR若しくはRと結合して、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の環式基を形成することができ;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)NRは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)NRは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)NR及びNRは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有する、請求項1に記載のヘテロレプティック有機金属化合物。
【請求項3】
Mが、第2族元素、第4族元素、第13族元素、第14族元素、遷移金属、ランタニド系列元素又はアクチニド系列元素から選択される、請求項1に記載のヘテロレプティック有機金属化合物。
【請求項4】
とLとは異なり、水素、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、脂肪族ヘテロ原子含有基、芳香族複素環、脂環式複素環、又はそれらの混合物から独立に選択される、請求項1に記載のヘテロレプティック有機金属化合物。
【請求項5】
、R、R及びRが同一又は異なり、水素、置換若しくは無置換の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、又は脂環式炭化水素から独立に選択され、但し、NR及びNRは異なる、請求項2に記載のヘテロレプティック有機金属化合物。
【請求項6】
が、ジイソプロピルアミドの立体的体積と同等若しくはそれより大なる立体的体積を有し、又は、Lが、ジイソプロピルアミドの立体的体積と同等若しくはそれより小なる立体的体積を有する、請求項1に記載のヘテロレプティック有機金属化合物。
【請求項7】
NRが、ジイソプロピルアミドの立体的体積と同等若しくはそれより大なる立体的体積を有し、又は、NRが、ジイソプロピルアミドの立体的体積と同等若しくはそれより小なる立体的体積を有する、請求項2に記載のヘテロレプティック有機金属化合物。
【請求項8】
20℃において液体である、請求項1に記載のヘテロレプティック有機金属化合物。
【請求項9】
アミド、シクロペンタジエニド、ハロゲン化物、β−ジケトネート、アルキル、及びカルボニルから選択される、請求項1に記載のヘテロレプティック有機金属化合物。
【請求項10】
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ハフニウム、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)チタン、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)モリブデン、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ハフニウム、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)ジルコニウム、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)チタン、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)モリブデン、
ビス(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)タングステン、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ハフニウム
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ジルコニウム、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)チタン、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)モリブデン、
ビス(エチルメチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)タングステン、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ハフニウム
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)ジルコニウム、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)チタン、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)モリブデン、
ビス(ジエチルアミノ)ビス(ジイソプロピルアミノ)タングステン、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)ハフニウム
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)ジルコニウム、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)チタン、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)モリブデン、
トリス(ジイソプロピルアミノ)(ジメチルアミノ)タングステン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)ハフニウム、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)ジルコニウム、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)チタン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)モリブデン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジイソプロピルアミノ)タングステン、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ハフニウム、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ジルコニウム、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)チタン、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)モリブデン、
ビス(ジメチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)タングステン、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ハフニウム、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ジルコニウム、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)チタン、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)モリブデン、
トリス(ジメチルアミノ)(ビス(トリメチルシリル)アミノ)タングステン、
トリス(ジエチルアミノ)(ジメチルアミノ)シラン、
ビス(ジイソプロピルアミノ)ビス(ジメチルアミノ)シラン、
(t−ブチルイミノ)ジイソプロピルアミノビス(ジメチルアミノ)タンタル、
ビス(ジイソプロピルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)タンタル、
ビス(ジイソプロピルアミノ)トリス(ジメチルアミノ)ニオブ、
(ジ−t−ブチルアミノ)ビス(ビス(トリメチルシリル)アミノ)ランタン、及び
ジ−t−ブチルアミノ)ビス(シクロペンタジエニル)ランタン
から選択される、請求項1に記載のヘテロレプティック有機金属化合物。
【請求項11】
ヘテロレプティック有機金属化合物を製造するための方法であって、
ホモレプティック有機金属化合物を、炭化水素化合物又はヘテロ原子含有化合物と、溶媒の存在下、前記ヘテロレプティック有機金属化合物を生成するのに十分な反応条件下において反応させるステップを含み、
前記ヘテロレプティック有機金属化合物が、式(LM(Lによって表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有する方法。
【請求項12】
被膜、コーティング又は粉末を製造するための方法であって、式(LM(L(式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有する)によって表されるヘテロレプティック有機金属前駆体化合物を分解することにより、被膜、コーティング又は粉末を製造する方法。
【請求項13】
前記へテロレプティック有機金属前駆体化合物の分解が、熱的、化学的、光化学的又はプラズマ活性化によるものである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記被膜、コーティング又は粉末を、化学蒸着又は原子層蒸着によって製造する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
(a)式(LM(Lによって表され、式中、Mは金属又はメタロイドであり、LとLとは異なり、それぞれ炭化水素基又はヘテロ原子含有基であり;は少なくとも1である値であり;は少なくとも1である値であり;はMの酸化状態に等しく;式中、(i)Lは、立体障害のゆえにがMの酸化状態に等しい値を取り得ないくらい大きい立体的体積を有し、(ii)Lは、立体障害がないゆえにyがMの酸化状態に等しい値を、xが少なくとも1である値ではない場合にのみ、取り得るくらい小さな立体的体積を有し、(iii)L及びLは、がMの酸化状態に等しいヘテロレプティック構造を維持するのに十分な立体的体積を有するヘテロレプティック有機金属前駆体化合物と、(b)単数又は複数の別の有機金属前駆体化合物とを含む混合物。
【請求項16】
前記単数又は複数の他の有機金属前駆体化合物が、ハフニウム含有、アルミニウム含有、ストロンチウム含有、バリウム含有、又はチタン含有有機金属前駆体化合物から選択される、請求項15に記載の混合物。

【公表番号】特表2010−505002(P2010−505002A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530616(P2009−530616)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/079804
【国際公開番号】WO2008/039960
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(392032409)プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド (119)
【Fターム(参考)】