説明

アイドリングストップ車両の制御装置

【課題】規定車速までに異常判定を完了させることが可能なアイドリングストップ車両の制御装置の提供。
【解決手段】本発明は、アイドリングストップ車両の制御装置1において、電源からブレーキ制御関連電子部品へ供給される電圧の安定化を行うように構成された電圧安定化手段0と、規定車速に達するまでに前記ブレーキ制御関連電子部品の異常判定を行うように構成された異常判定手段10と、前記エンジンの停止状態で車両が移動した場合に前記エンジンの始動を行うように構成されたエンジン始動制御手段20とを備え、前記電圧安定化手段は、前記異常判定手段による前記異常判定が可能となるように、少なくとも前記エンジン始動が行われている間、動作することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイドリングストップ車両の制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両が信号待ち等で停車しているときに、エンジンを一時的に自動停止させるアイドリングストップを行うアイドリングストップ車両が知られている。かかるアイドリングストップ車両において、電動式パワーステアリング及びアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)にバッテリから電圧安定化回路(BBC:バックアップ・ブースト・コンバータ)を介して電源供給する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−101590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、例えばECE13Hのような法規制約などにより、規定車速までのABS関係のセンサのダイアグチェック(異常判定)を完了させる必要がある。一方、アイドリングストップ中においては、所定の車速以上になると(例えば、下り坂でブレーキが解除されて惰性走行を開始した場合等)、エンジンが自動的に再始動されるが、当該再始動時には電源電圧が不安定であるが故に、そのタイミングでダイアグチェック中であると、正しいダイアグチェックを行うことができず、規定車速までにダイアグチェックを完了させることが困難となる虞がある。
【0004】
そこで、本発明は、規定車速までに異常判定を完了させることが可能なアイドリングストップ車両の制御装置及び電源回路の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の一局面によれば、停止中のエンジンを車両状態に基づいて自動で始動できるアイドリングストップ車両の制御装置において、
電源からブレーキ制御関連電子部品へ供給される電圧の安定化を行うように構成された電圧安定化手段と、
規定車速に達するまでに前記ブレーキ制御関連電子部品の異常判定を行うように構成された異常判定手段と、
前記エンジンの停止状態で車両が移動した場合に前記エンジンの始動を行うように構成されたエンジン始動制御手段とを備え、
前記電圧安定化手段は、前記異常判定手段による前記異常判定が可能となるように、少なくとも前記エンジン始動が行われている間、動作することを特徴とする、制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、規定車速までに異常判定を完了させることが可能なアイドリングストップ車両の制御装置及び電源回路が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0008】
図1は、本発明によるアイドリングストップ車両の制御装置1の一実施例を示す電源回路構成図である。尚、図1に示すラインは、全て電気的な接続を示しており、通信用の接続線は示されていない。各部品間の通信は、以下で説明する情報ないし指令等のやり取りが実現される限り、有線であってもよいし、無線であってもよい。
【0009】
ABS/VSC・ECU10は、主にアンチロックブレーキ制御及びVSC(車両安定化制御)を行うECU(Electronic Control Unit、電子制御ユニット)である。例えば、ABS/VSC・ECU10は、モータ72を制御して、高圧のブレーキ圧を発生させると共に、ソレノイド(バルブ)74を制御して、適切な圧力(配分)で高圧ブレーキ圧を各車輪に設けられるホイールシリンダ(図示せず)に供給・遮断することで、アンチロックブレーキ制御及び車両安定化制御を実現する。アンチロックブレーキ制御及び車両安定化制御の制御態様の詳細は任意であってよい。
【0010】
エコランECU20は、アイドリングストップ等の、燃料消費量の節減と二酸化炭素等の排出ガスの低減を目的とした車両走行、いわゆるエコランと呼ばれている走行方式を実行するためのエコラン制御を行うECUである。エコランECU20は、車両停止時にエンジンを停止させるための指令をエンジンECU(図示せず)に送信し、車両走行開始時にエンジンを再始動させるための指令をエンジンECU(図示せず)に送信する。その他、エコラン制御の制御態様の詳細についても任意であってよい。エコランECU20は、また、後述の電源安定化回路30の動作を制御する。尚、エコランECU20の機能の一部又は全部は、エンジンを制御するエンジンECU自体により実現されてもよいし、他のECUにより実現されてもよい。
【0011】
電源安定化回路(BBC)30は、バッテリ200から供給された電圧を昇圧して、出力電圧を一定に保つための回路である。本実施例では、電源安定化回路30は、後述の如く、IG系に接続され、安定化したIG電源を出力する。電源安定化回路30の一例が図2に示されている。図示の例では、電源安定化回路30は、入力端子からバッテリ電圧が入力されている。電源安定化回路30の動作時には、スイッチング素子がON/OFFされて、コイル302に蓄えられた電力を、電圧を一定にして昇圧回路301で保持する。そしてその蓄えた電力を、昇圧出力としてダイオード303により一定方向に流し、コンデンサ304が電荷を蓄え、一定電圧を保持するようにする。エコランECU20は、電源安定化回路30の入力側が変動しても、いつもコンデンサ304には同じ電圧が常に保たれるようにフィードバック制御し、入力電圧が下がったとしても、OUT端子から出力される出力電圧は常に一定に保たれるように制御する(即ち安定化された出力電圧が生成される)。例えば、入力電圧が12Vなら、常に出力電圧は12Vとなるように昇圧制御する。なお、昇圧回路301の内部回路構成は、昇圧機能(電圧安定化機能)を実現できるものであれば、任意であってよい。
【0012】
電源安定化回路30は、エコランECU20による制御下で、作動/非作動状態の切替が実行されてよい。典型的には、エコランECU20からの指令によってエンジンを始動するエンジン始動条件が成立していない場合は、常に電源安定化回路30の非作動状態(電源安定化回路30を動作させない状態)が実現されてもよい。また、運転者によるIGキー操作によりエンジンを始動する場合にも電源安定化回路30が動作されないようにすることとしてもよい。電源安定化回路30がオフにされた非作動状態では、電源安定化回路30の入力電圧はリレーを介してそのまま出力される(尚、このとき、ダイオード一本分程度の電圧降下が生ずる)。
【0013】
車輪速センサ40は、車両の各輪に設けられ、車輪の回転速度に応じた電気信号(車速パルス)を出力する。
【0014】
ステアリングセンサ50は、例えばステアリングコラム内に設けられ、ステアリングシャフトの回転量(操舵量)に応じた電気信号を出力する。
【0015】
ヨーレートセンサ60は、例えば車両の中央部のフロアトンネルに設けられ、搭載位置に生ずるヨーレートに応じた電気信号を出力する。また、ヨーレートセンサ60は、3軸まわりの加速度に応じた電気信号も出力する、加速度センサとの一体型のセンサであってもよい。
【0016】
車輪速センサ40、ステアリングセンサ50及びヨーレートセンサ60は、ブレーキシステムに関連するブレーキ制御関連センサとして機能する。即ち車輪速センサ40、ステアリングセンサ50及びヨーレートセンサ60からの情報は、ABS/VSC・ECU10によりアンチロックブレーキ制御及び車両安定化制御を実現するために利用される。尚、当然ながら車輪速センサ40、ステアリングセンサ50及びヨーレートセンサ60からの情報は、他の制御システム及び他のECUに利用されてもよい。
【0017】
バッテリ200は、車両に搭載され、車両内の電気系統に電力を供給するための電源であって、蓄電池が好適に用いられる。バッテリ200は、例えば鉛バッテリ、ニッケル水素バッテリ、リチウムイオン電池等、種々の形式のものを用いてよいが、好適には鉛バッテリが用いられる。また、バッテリ200は、複数設けられてもよいが、1つだけ設けられてもよい。なお、図示しないが、バッテリ200は、オルタネータに接続され、走行中にオルタネータで発電する電力を充電するように構成されてよい。
【0018】
スタータ300は、エンジンを始動させるための手段であって、バッテリ200に接続されて設けられてよい。スタータ300は、運転者のイグニッションキーの始動操作に伴って、バッテリ200からの電流により作動して、エンジンをクランキングする。また、スタータ300は、アイドリングストップにより自動停止した車両のエンジンを再始動するために、エコランECU20による制御下で所定のエンジン始動条件が満たされた場合に(例えば、MT車でクラッチペダルが踏み込まれた場合や、車両の速度がゼロよりも大きくなり車両が動きだした場合等)、バッテリ200からの電流により作動して、エンジンをクランキングする。
【0019】
バッテリ200から供給される電力供給系統は、電気負荷の系統に応じて、+B系(+B)、ACC系、及びIG系の3系統に分割されている。この分割数は、もっと多くても少なくてもよく、例えば、IG系は、図1に示すように、ブレーキ制御に関連するIG1系と、それ以外のIG2系とに分割され、4系統に構成されてもよい。本実施例は、特にIG1系に関連するので、以下では、IG1(系)を単にIG(系)ともいう。
【0020】
スイッチ500は、バッテリ200から電流を供給する経路の接続・非接続を、運転者のキー操作に応じて切り替える。スイッチ500は、電源の供給系統毎に設けられてよいが、+B系は、スイッチ500が設けられていない系統である。
【0021】
ABS/VSC・ECU10が制御する上述のモータ72及びソレノイド74は、+B系に接続され、従って、電源安定化回路30を介さずにバッテリ200から電源供給を受ける。他方、車輪速センサ40、ステアリングセンサ50及びヨーレートセンサ60のようなブレーキ制御関連センサは、IG系に接続され、従って、電源安定化回路30を介してバッテリ200から電源供給を受ける。同様に、ABS/VSC・ECU10は、IG系に接続され、従って、電源安定化回路30を介してバッテリ200から電源供給を受ける。また、エコランECU20についても、図1に示すように、IG系に接続されてもよい。
【0022】
次に、以上の構成を前提として、本実施例の特徴的構成を説明していく。
【0023】
本実施例のABS/VSC・ECU10は、一定条件が満たされた場合(例えば車速が所定値になった場合といったような、所定の車両状態が形成された場合等)、車輪速センサ40、ステアリングセンサ50及びヨーレートセンサ60のようなブレーキ制御関連センサの異常判定を行う。尚、異常判定は、異常があるか否かのみならず、異常があるか否かが不明といったダイアグ情報を出力するものであってもよいし、また、異常があると判定した場合には、当該異常の種類や場所等を特定するものであってもよい。センサの異常は、例えば電続、通信線等の断線や、出力値の異常等に関するものであってよい。
【0024】
ここで、ECE13H(法規)によると、ブレーキシステムに関連するセンサの異常は車速15km/hまでに検出しなければならない。即ち、ECE13Hの法規要件によると、「静止状態で検出できないセンサの異常判断は車速10km/h以下で検出すること。または、タイヤの空転による誤検出の可能性がある場合は、車速15km/h以下で検出すること。」という趣旨の要件が規定されている。
【0025】
ABS/VSC・ECU10は、この法規要件を満たすような条件下で、ブレーキ制御関連センサの異常判定を開始する。例えば、ABS/VSC・ECU10は、タイヤの空転による誤検出の可能性がある異常判定については、例えば車速12km/hに達した場合に、開始する。また、ABS/VSC・ECU10は、静止状態で検出できるような異常に関する異常判定については、例えばアイドリングストップ中のような車両静止状態にて開始する。尚、異常判定の開始タイミングについては、法規要件の他、異常判定の種類やその性質等に応じて適切に決定されるべきものであり、上述のものに限られず任意であってよい。
【0026】
ところで、例えば、上述のようにABS/VSC・ECU10が車速12km/hに達した場合に、ブレーキ制御関連センサの異常判定を開始する場合は、通常、車速15km/hに達するまでにはブレーキ制御関連センサの異常判定が完了するので、法規要件が満たされるはずである。しかしながら、アイドリングストップ車両においてはアイドリングストップ後のエンジン始動中のスタータ300の作動(クランキング)により電源電圧が不安定となり、それに起因して、スタータ300の作動中正しい異常判定又は異常判定自体ができないという不都合が生ずる。
【0027】
これに対して、本実施例によれば、上述の如く、車輪速センサ40、ステアリングセンサ50及びヨーレートセンサ60のようなブレーキ制御関連センサが、電源安定化回路30を介してバッテリ200から電源供給を受けるので、アイドリングストップ後のエンジン始動中スタータ300の作動により電源電圧が不安定となっても、電源安定化回路30により安定化された電圧が供給される。これにより、アイドリングストップ後のエンジン始動中に異常判定又は異常判定自体ができなくなるという問題が回避され、法規要件を確実に満たすことが可能となる。また、異常判定の主体であるABS/VSC・ECU10についても、同様に、電源安定化回路30を介してバッテリ200から電源供給を受けるので、アイドリングストップ後のエンジン始動中の異常判定を確実に行うことが可能である。
【0028】
図3は、アイドリングストップからエンジン始動が実行される過程での電圧の波形等を示すタイミングチャートである。
【0029】
図3に示す状況では、車輪速は、図3(A)に示すように、アイドリングストップ中の時刻t1から徐々に上昇し始めていく。このような状況は、例えば下り坂でブレーキが解除されて惰性走行を開始した場合等に発生しうる。信号SP1は、図3(B)に示すように、車輪速の発生に伴い(即ち車両の移動開始に伴い)生成される所定周期のパルス信号である。エコランECU20は、アイドリングストップ中にこの信号SP1の発生状況を監視し、信号SP1の立ち下がりエッジをトリガとして、エンジン始動を指令する。エンジン始動が指令されると、図3(C)に示すように、遅れ時間Δt2(例えば260ms)の後の時刻t3にて、スタータ300が作動される(クランキングが開始される)。クランキング中、燃料噴射・点火制御によりエンジンが十分な機関回転数に達すると、時刻t4にて、スタータ300の作動が停止される(エンジン始動成功となる)。また、エコランECU20は、図3(D)に示すように、信号SP1の立ち下がりエッジをトリガとして、電源安定化回路30の作動を開始する。電源安定化回路30の作動は、遅れ時間Δt1の後の時刻t3に生ずる。遅れ時間Δt1は、通信や処理等により止むを得ず生ずる時間であり、意図的に設定する上述の遅れ時間Δt2よりも十分小さく、例えば50msである。このようにして、電源安定化回路30の作動は、スタータ300が作動されるよりも十分前に開始される。他言すると、スタータ300の作動の開始は、電源安定化回路30が機能する状態となるまで遅らされる。
【0030】
かかる過程において、+B系の電圧(+B電圧)とIG系の電圧(IG電圧)は、図3(E)に示すように、アイドリングストップ中からスタータ300の作動開始時(t3)までは略同様に一定である。スタータ300の作動開始時から終了時(t3〜t4)は、+B系の電圧は、図3(E)に示すように、不安定となるが、それとは対照的に、IG系の電圧は、図3(D)に示すように電源安定化回路30の作動により安定化されているために、略一定を保つ。従って、エンジン始動中(t3〜t4)に異常判定が開始される場合やエンジン始動中(t3〜t4)に異常判定が実行中である場合でも、当該異常判定を問題なく継続することができ、当該異常判定を規定車速までに完了することができる。この効果は、上述のような下り坂による惰性走行によりエンジン再始動が実行される状況に対して特に効果的である。かかる状況では、エンジン始動中(t3〜t4)にも速度が上昇するので、エンジン始動後(t4)から異常判定を開始又は再開しても、規定車速まで異常判定を完了することが困難となりやすいためである。
【0031】
以上説明した本実施例によれば、とりわけ、以下のような優れた効果が奏される。
【0032】
先ず、本実施例によれば、上述の如く、電源安定化回路30を介してブレーキ制御関連センサ等に安定化された電圧を供給することができるので、スタータ300の作動に影響を受けないロバストな異常判定を実現することができる。
【0033】
また、本実施例によれば、上述の如く、法規要件の異常判定に関連した部品(ブレーキ制御関連センサやABS/VSC・ECU10)には、電源安定化回路30を介して電圧を供給する一方で、異常判定に関連しない部品(例えばモータ72やソレノイド74のようなアクチュエータ)には、電源安定化回路30を介することなく電圧を供給する。これにより、電源安定化回路30を介して電源供給される部品を、異常判定に関連した部品にだけに制限することで、電源安定化回路30における消費電力が必要以上に大きくなること防止することができる。
【0034】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0035】
例えば、上述した実施例では、車輪速センサ40、ステアリングセンサ50及びヨーレートセンサ60のようなブレーキ制御関連センサの異常判定は、ABS/VSC・ECU10により実現されているが、他のECUにより実現されてもよい。
【0036】
また、上述した実施例では、電源安定化回路30は、アイドリングストップ後のエンジン始動中にだけ動作するといったように、安定化が必要とされる状況下でのみ動作するように構成されているが、IGオン中は常に動作するように構成され若しくは制御されてもよい。
【0037】
また、上述した実施例では、ブレーキ制御関連センサとして機能するヨーレートセンサ60は、加速度を検出する機能を併せ持っているが、ブレーキ制御関連センサとして加速度センサを別途設けてもよい。
【0038】
また、上述した実施例では、ABS及びVSCの双方を搭載するアイドリングストップ車両における構成に関するものであるが故に、車輪速センサ40、ステアリングセンサ50及びヨーレートセンサ60がブレーキ制御関連センサとして扱われているが、ABSしか搭載しないアイドリングストップ車両では、車輪速センサ40のみがブレーキ制御関連センサとして扱われてよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明によるアイドリングストップ車両の制御装置1の一実施例を示す電源回路構成図である。
【図2】電源安定化回路30の構成の一例を示した図である。
【図3】アイドリングストップからエンジン始動が実行される過程での電圧の波形等を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0040】
1 制御装置
10 ABS/VSC・ECU
20 エコランECU
30 電源安定化回路
40 車輪速センサ
50 ステアリングセンサ
60 ヨーレートセンサ
72 モータ
74 ソレノイド
200 バッテリ
300 スター
301 昇圧回路
302 コイル
303 ダイオード
304 コンデンサ
305 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
停止中のエンジンを車両状態に基づいて自動で始動できるアイドリングストップ車両の制御装置において、
電源からブレーキ制御関連電子部品へ供給される電圧の安定化を行うように構成された電圧安定化手段と、
規定車速に達するまでに前記ブレーキ制御関連電子部品の異常判定を行うように構成された異常判定手段と、
前記エンジンの停止状態で車両が移動した場合に前記エンジンの始動を行うように構成されたエンジン始動制御手段とを備え、
前記電圧安定化手段は、前記異常判定手段による前記異常判定が可能となるように、少なくとも前記エンジン始動が行われている間、動作することを特徴とする、制御装置。
【請求項2】
前記ブレーキ制御関連電子部品は、ヨーレートセンサ、ステアリングセンサ及び車輪速センサのうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
アクチュエータは前記ブレーキ制御関連電子部品から除外される、請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
停止中のエンジンを車両状態に基づいて自動で始動できるアイドリングストップ車両の電源回路であって、
ブレーキ制御関連電子部品のうちのセンサには電圧安定化回路を介して電源電圧を供給する一方で、ブレーキ制御関連電子部品のうちのアクチュエータには電圧安定化回路を介さずに電源電圧を供給するように構成されたことを特徴とする、電源回路。
【請求項5】
ブレーキ制御関連電子部品のうちのセンサの異常判定を規定車速に達するまでに行うECUにも、前記電圧安定化回路を介して電源電圧を供給するように構成された、請求項4に記載の電源回路。
【請求項6】
前記センサは、ヨーレートセンサ、ステアリングセンサ及び車輪速センサのうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項4又は5に記載の電源回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−52573(P2010−52573A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219429(P2008−219429)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】