説明

アクセスネットワークシステム、ゲートウェイ装置、ネットワーク品質確保方法

【課題】ユーザ端末群に対するネットワーク品質を自律的に高めるアクセスネットワークシステムを提供する。
【解決手段】ユーザ端末群に無線環境を提供するアクセスネットワークシステムとして、通信負荷状況を収集すると共に、接続するユーザ端末毎に使用可能帯域に制限を加え得る1ないし複数の無線基地局と、管理下とする無線基地局群からそれぞれの通信負荷情報を少なくとも取得し、取得した通信負荷情報に基づいて、無線基地局群に対して、それぞれの無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、個々の無線基地局へ割当てたデータ流量を、該無線基地局に属するユーザ端末群に均等に分けずに、個々のユーザ端末に割当てたサービスレベルに基づき、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定するゲートウェイ装置とを協働させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、詳しくは、アクセスネットワークにおけるリソース配分を行なうアクセスネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、様々な通信技術を用いて各キャリアがユーザ端末となるパーソナルコンピュータやスマートフォンに対して無線通信環境を提供している。
このような無線通信環境の下で各サービス提供者は、適宜バックボーン回線を提供する設備の施設や増強を行なう必要があるものの、利用者側の要求(使用態様)に応じきれない事例も発生している。
【0003】
これらの対策として、アクセスネットワークによって負荷状況を監視すると共に、際立って利用量の多いユーザ端末などに対して、動的に個々のユーザ端末の通信量を抑えることにより、輻輳の防止やサービスへの影響を軽減させることも行なわれている。
【0004】
アクセスネットワークシステムに関連する技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2が挙げられる。
【0005】
特許文献1では、複数の移動局(ユーザ端末)に対して、無線通信環境を、複数の基地局とそれら基地局を管理すると共に他のネットワークへのゲートウェイとなるゲートウェイ装置について開示している。また、特許文献1では、管理下の基地局間で移動局が通信先を移動するハンドオーバ技術を開示している。
【0006】
特許文献2には、アクセスサービスネットワークシステムで用いるゲートウェイ装置、およびゲートウェイ装置で行われるユーザ端末の接続に関する技術が記載されている。特許文献2では、アクセスサービスネットワークシステムに接続するユーザ端末の接続時に行なう認証時後に、再接続に伴い再度認証を行なうことによって、先の接続によって行ったセッション管理をアクセスサービスネットワークシステムが廃棄して新たな接続に対してセッション管理を開始することに変えて、再接続時でも先の接続を利用できる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2008/143282号
【特許文献2】特開2011−10045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
今日、キャリアやサービス提供者が構築したネットワーク回線について、全ての通信信号を適切に通信しきれないケースが生じることがある。
【0009】
例えば、通信量の瞬間的な増加によりゲートウェイ間や基地局−ゲートウェイ間、基地局間などで行われる各サービスの提供のために交換される制御メッセージがネットワーク内で失われるケースが挙げられる。制御メッセージが失われるケースの場合、ユーザ端末へのアップリンクやダウンリンク、他のネットワークとのトラフィツク制御などへの影響が発生するので、実通信の内容が失われるよりも影響が大きい。
【0010】
この例をWiMAXシステムを用いて説明すれば次のようになる。WiMAXのアクセスサービスネットワークに当たるR6回線やバックボーン回線(R3等)の帯域や品質が比較的脆弱であるサービスシステムが存在する。このサービスシステムでは、多数のユーザ端末からの要求時などに、通信量の増加によりサービスに影響のある制御メッセージがネットワーク内でドロップする事例がある。これは、WiMAXシステムが、3Gに代表されるセルラー系のシステムに比べて装置の単価も安価であり、サービス提供者もシステム構築コストを抑えてサービス提供していることに一因があるように考えられる。また、特に海外の新規オペレータにおいては、顕著に初期投資コストを抑える傾向があり、その結果としてR6回線やバックボーン回線のネットワーク回線の帯域や品質が貧弱になっていることが散見される。
【0011】
例えばR6回線が上記状況であれば、R6回線に流れるデータ量が輻輳に近づくと、ユーザ端末からのネットワークエントリやハンドオーバ処理、ページング処理などに用いられる制御メッセージの遅延や欠落が発生し、サービスの品質が低下してしまう。
【0012】
ネットワーク回線この輻輳に対する対策として、通信データの流量制御としてR6回線などの間に設置されているスイッチまたはルータでシェーピング(Shaping)やポリシング(Policing)を適宜行うことで回避という手法も考えられうる。
【0013】
しかし、実際の通信状況としては、無線基地局毎に負荷状況は異なり、かつ時間と共に負荷状況は変化するので、上記のスイッチまたはルータでの通信データのシェーピングやポリシングによる回避では保守運用者による状況監視や負荷状況に応じた通信データの流量制御を手動で行うことで運用管理コストが嵩むと共に、対策としてリアルタイム性のある制御が難しいという点が懸念として挙げられる。また、無線基地局配下に接続しているユーザ毎での流量制御が難しい点も課題として挙げられる。
【0014】
このような問題に対し、特許文献1や特許文献2に記載された技術では何ら対策とはならない。また、制御メッセージがドロップする場合、特許文献1であればユーザ端末のハンドオーバの失敗に繋がり得る。また、特許文献2であれば、制御メッセージがドロップすることによって、認証失敗や、先のセッション開放に繋がり得る。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、ゲートウェイ装置配下に接続している無線基地局毎の流量制御と共に、無線基地局配下に接続しているユーザ毎の流量制御を適切に可能とするアクセスネットワークシステムを提供すること目的とする。
【0016】
また、別の目的は、配下に接続している無線基地局毎の流量制御と共に、無線基地局配下に接続しているユーザ毎の流量制御を可能とする既存通信ネットワークに適合したゲートウェイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係るアクセスネットワークシステムは、通信負荷状況を収集すると共に、接続するユーザ端末毎に使用可能帯域に制限を加え得る1ないし複数の無線基地局と、管理下とする前記無線基地局群からそれぞれの通信負荷情報を少なくとも取得し、取得した通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、個々の前記無線基地局へ割当てたデータ流量を、該無線基地局に属するユーザ端末群に均等に分けずに、個々のユーザ端末に割当てたサービスレベルに基づき、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定するアクセスネットワークゲートウェイと、を含み成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ゲートウェイ装置配下に接続している無線基地局毎の流量制御と共に、無線基地局配下に接続しているユーザ毎の流量制御を適切に行なうアクセスサービスネットワークシステムを提供できる。
【0019】
同じく、本発明によれば、配下に接続している無線基地局毎の流量制御と共に、無線基地局配下に接続しているユーザ毎の流量制御を可能とする既存通信ネットワークに適合したゲートウェイ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態にかかるWiMAXシステムの概略を示す説明図である。
【図2】実施の形態におけるASN−GW40の構成を示すブロック図である。
【図3】負荷状況取得及び管理部402における1無線基地局の通信負荷状況の管理例を示す説明図である。
【図4】サービスレベル管理部403におけるユーザ端末群のサービスレベル管理例を示す説明図である。
【図5】実施の形態における無線基地局10の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態におけるサービスレベルの取得方法を示すシーケンス図である。
【図7】実施の形態における基地局の通信負荷に関する情報およびサービスレベルに基づくデータ流量制御方法を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
また、実施の形態の説明の理解を簡単にする為、WiMAXシステムを具体例として用いて説明する。
【0023】
図1では、WiMAXシステムのアクセスサービスネットワークシステム(ASN:Access Service Network)と接続サービスネットワーク(CSN:Connectivity Service Network)との概要を示している。図示するように、WiMAXシステムにおいてASNには、無線基地局(BS:Base Station)10〜10mとASN−GW(Access Service Network Gateway)40が含まれ、本図では その間に相当するR6回線を構成する機器(ルータやスイッチ)30も図示している。また、ASN−GW40には、CSNに含まれるAAAサーバ(Access control, Authorization, and Auditing Server)60や、HAサーバ(Home Agent Server)70が接続され、本図では その間に相当するR3回線を構成する機器(ルータやスイッチ)50も図示している。
【0024】
本実施の形態では、ASN−GW40が各無線基地局10〜10mの負荷情報を収集し、無線基地局の通信負荷状況を基に、無線基地局単位にASN-GW−無線基地局間の上り下りのデータ流量制御を行うと共に、その際に個々のデータ流量制御内で、所定ルールに従い各無線基地局に属するユーザ端末に対するデータ流量制御を行う。
【0025】
ここで、図1に示された、MS(Mobile Station)101等は、ユーザ端末にあたる無線端末局を示している。また、SS(Subscriber Station)もMSと同様に扱う。
【0026】
無線端末局101から10nは、無線基地局10にエントリしてくるユーザ端末に相当する。同様に無線端末局1m1から1moは、無線基地局10mにエントリしてくるユーザ端末に相当する。R6回線20は、無線基地局10とASN−GW40の間の回線であり、R6回線20nは、無線基地局1nとASN−GW40の間の回線であり、無線基地局毎にR6回線が存在する。
【0027】
ASN−GW40は、エントリしてくる無線端末局の認証をAAAサーバ60に対して要求する。そして、無線端末局毎のサービスレベルを集計して保持する。
【0028】
AAAサーバ60は、認証成功後にAccess Acceptに属性として埋め込むサービスレベルとユーザ名を一元管理し、無線端末局101から10n及び1m1から1moの認証を行う。サービスレベルは、例えば、非常用に用いられるようなユーザ端末にHIGHを割り当て、サービス品質に厳しいユーザのユーザ端末にMIDを割りあて、ベストエフォートのユーザ端末にLOWを割当てる。なお、サービスレベルの段階分けは3段で無くともよく、2段や3段以上でもよい。また、所定のサービス(通話やファイルダウンロードなど)毎にサービスレベルを割当ててもよい。
【0029】
NSP(Network Service Provider)80は、各無線端末局に対して通信対向となるネットワークを表す。MobileIPを用いる場合にASN−GW40からNSP80の間にHAサーバ70を設置する。
【0030】
次に、本実施の形態におけるASN−GW40の装置構成を図2を参照しつつ説明する。
ASN−GW40には、配下の無線基地局10〜10mと通信を行う際のインターフェイスである無線基地局側送受信部401、各無線基地局から通信負荷状況を取得・管理を行う負荷状況取得及び管理部402、無線端末局毎のサービスレベルを一元管理するサービスレベル管理部403、負荷状況取得及び管理部402とサービスレベル管理部403から情報を収集してデータ流量制御を行う送信データ通信量制御部406を含む。また、AAAサーバ60とのインターフェイスとなるAAAサーバ側送受信部404並びにHA70とのインターフェイスとなるHA側送受信部405を含む。
【0031】
図3は、ASN−GW40内の負荷状況取得及び管理部402における無線基地局のIPアドレス毎の通信負荷状況の取得、管理例を示している。図示した例では、無線基地局毎にIPアドレスに対応させて、上り、下り方向の各通信量及び制御メッセージのパケットロス率をテーブルとして一元管理する。
【0032】
図4は、ASN−GW40内のサービスレベル管理部403における無線端末局のMACアドレス毎のサービスレベル管理例を示している。図示した例では、最もサービスレベルの高いユーザにHIGH、二番目に高いユーザにMID、三番目に高いユーザにLOWを割り当てるという運用時のテーブル例である。以下の処理動作によって、それぞれのサービスレベルの差が反映されるように同一基地局に在圏している無線端末局間でQoS制御や、最大通信量が割当てられることとなる。
【0033】
ここで、サービスレベルについて説明する。実際のサービスでは、サービス品質に厳しいユーザからベストエフォート(Best Effort)を許容するユーザなど、ユーザによってネットワーク品質への要求レベルは異なる。また、優先されるべきユーザもいる。本実施の形態では、基地局単位でのデータ通信量絞込みに対応して各ユーザ端末のデータ通信量も比例させて絞り込むのではなく、ユーザ端末毎に割振られたサービスレベルに対応させて、ユーザレベルでのきめ細かい上下方向のデータ流量制御を行えるようにしている。
【0034】
図5は、無線基地局の装置構成図を表している。ユーザ端末と通信する際のインターフェイスとなる無線端末側送受信部101、ユーザ端末の上り下り方向の各制御メッセージ並びに総通信量を計測及び記録する負荷状況管理部102、ASN−GW40内の送信データ量制御部406からの指示に基づき、自無線基地局の上り方向および下り方向の送信データ量を制御する送信データ量制御部103、ASN−GW40と通信する際のインターフェイスとなるASN−GW側送受信部104で構成される。負荷状況管理部102は、負荷状況取得及び管理部402との通信によって、記録した各ユーザ端末のデータをASN−GW40に供給する。
【0035】
次に、本実施の形態において、無線基地局101が無線基地局10にエントリしてから、AAAサーバ60によるサービスレベルの割り当てまでを図6のシーケンス図を用いて詳細を示す。
【0036】
AAAサーバ60には、予め 加入してくるユーザ端末の認証に用いるユーザIDとパスワード情報が登録されている。そして、ユーザIDとサービスレベルをマッピングして一元管理しておく(ステップS101)。以下、例として、最もサービスレベルの高いユーザ端末にHIGH、二番目に高いユーザにMID、三番目に高いユーザにLOWを割り当てる。
【0037】
無線基地局101は、無線基地局10にエントリ要求を送信する(ステップS102)。
【0038】
AAAサーバ60は、無線基地局10およびASN−GW40を介して無線基地局101からの認証要求を受け、無線基地局101の認証処理を実施して、認証の結果と共に、無線基地局101のサービスレベルをAccess Acceptパケットに埋め込み、ASN−GW40に送信する(ステップS103)。
【0039】
ASN−GW40は、無線基地局101の認証結果とサービスレベルとを受け、サービスレベル管理部403でユーザ端末101のMACアドレスとそのサービスレベルを保持する。その後、認証結果を無線基地局101に送信する(ステップS104)。
【0040】
このように動作することによって、個々のユーザ端末の認証時にサービスレベルをゲートウェイ装置に取り込める。
【0041】
次に、ネットワーク回線のデータ流量制御を例を用いて説明する。
R6回線のデータ流量制御を実施する際の無線基地局10〜10mとASN−GW40内の処理シーケンスを図7に示す。
【0042】
負荷状況取得及び管理部402は、定期的に タイマ満了などをトリガーに使用して、無線基地局側送受信部401を介して負荷情報取得要求メッセージを送信することにより、配下とする各無線基地局10〜10mの負荷状況の収集を開始する(ステップS201)。
【0043】
各無線基地局10〜10mは、ASN−GW40から負荷情報取得要求メッセージを受信し、通信負荷状況に関する情報(上り下り方向の制御メッセージ通信量及び総通信量)を負荷情報取得要求応答メッセージに含めてASN−GW40に送信する(ステップS202)。
【0044】
負荷状況取得及び管理部402は、ステップS202で受信した情報と自らが保持する各無線基地局の上り下り方向の制御メッセージ通信量と総通信量から図3に示した通信量[Mbps]及び制御メッセージロス率[%]等を算出し、制御メッセージロス率に問題ないかなどを対比処理して、問題がある場合(例えば閾値以上にロスが発生している場合)、送信データ量制御部406に送信データ量制御依頼メッセージを送信する(ステップS203)。
【0045】
送信データ量制御部406は、送信データ量制御依頼メッセージの通知を受けて、ユーザ毎のサービスレベル情報を更新する為にサービスレベル管理部404に対してサービスレベル情報要求メッセージを送信し、サービスレベル管理部404では最新のサービスレベル情報をサービスレベル情報要求応答メッセージに含めて送信データ量制御部406に通知する(ステップS204)。
【0046】
送信データ量制御部406は、管理する無線基地局単位の上り下り方向の通信量上限を、通知を受けた通信負荷に関する情報および自らが取得できる情報に基づき決定処理し、その決定した通信量に対してステップS204で取得したユーザレベルの情報(在圏している端末の情報)よりユーザ単位の通信量の配分を決定処理する。以降、送信データ量制御部406にて、ユーザ単位の上り下り方向の通信量の絞込み量等の決定を適宜行うと共に、その決定事項に従いユーザ単位の下り方向の通信量の絞込みの行う(ステップS205)。この決定処理に伴い、個々の無線基地局へ割当てたデータ流量を、その無線基地局に属するユーザ端末群に均等に分けずに、個々のユーザ端末に割当てたサービスレベルに基づく各々のユーザ端末へのデータ流量制御が、ゲートウェイ装置の管理下の元で行える。
【0047】
送信データ量制御部406は、それぞれの無線基地局内の送信データ量制御部103に対して、それぞれ上り方向送信データ量制御指示メッセージ等の個々のユーザ端末に対するデータ流量制御を行う基準とする通知を送信する(ステップS206)。送信データ量制御部103は、上り方向送信データ量制御指示メッセージ等を受けて、受信した情報を基にそれぞれのユーザ端末毎の上り方向の通信量の絞込み等のデータ流量制御を行う(ステップS207)。
【0048】
このように、WiMAXシステムを動作させることによって、個々のユーザ端末に対してユーザレベルに応じたデータ流量制御が行える。
より具体的に効果を例示すれば、次のような効果が挙げられる。基地局及びASN−GWにおいて、通信負荷状況を監視し自動的に通信量を制御することが可能となり、回線インフラ帯域によらずシステムに影響を与える制御メッセージの保護が可能となる。また、制御メッセージの保護などの通信量制御に関する負担や保守コストがシステムの運用者側で低減できる。
【0049】
ユーザ毎にサービスレベルという概念を導入し、差別化することにより通信量の制御により、一律にユーザ毎の帯域を減少させるのではなく、サービスレベルの高いユーザは低いユーザより通信量の制御による影響を与えないようにして、満足度を保つことが可能な点も特徴として挙げられる。
【0050】
また、R6回線等に設置するルータやスイッチでは帯域制御が不要となるので、システムの構築コストも低減可能となりうる。
【0051】
なお、上記実施の形態では、各無線基地局の負荷情報収集の際に、ステップS201においてASN−GW40が主導で定期的に実施するとしているが、ASN−GW40配下の無線基地局が増加してくると、定期的な収集がR6回線の負担になり得る。そこで、無線基地局側で、通信量や制御メッセージのロス状況が一定の閾値を下回ったらASN−GW40に負荷状況を通知するデータ流量制御開始要求を、イベントドリブンの形式でASN−GW40に送信するようにしてもよい。ASN−GW40は、要求を受けて上記と同様の処理動作を開始して、無線基地局側に個々のサービスレベルに基づいたユーザ端末毎のデータ流量制御を行う基準とする通知を送信する。このようにすれば、負荷情報収集を必要に応じて実施することで、R6回線の負担を減らす効果を得られる。
【0052】
また、ASN−GW40は、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を行う際に、一の無線基地局の有する配分可能な帯域量が不足する場合、下位に当たるサービスレベルのユーザ端末に対してQoS制御からベストエフォート制御に移行させる制御を基地局に通知してもよい。
【0053】
また、ASN−GW40は、バックボーン回線での帯域不足を検出した場合などに、取得した無線基地局毎の通信負荷情報などに基づいて、無線基地局群に対して、それぞれの無線基地局へのデータ流量制御を決定する際に、個々の無線基地局に属するユーザ端末群が有する個々のサービスレベルを満足させるように、それぞれの無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定するようにしてもよい。すなわち、バックボーン回線で輻輳などが起きないように通信量を分配すると共に、ユーザ品質の向上を自律的に行なう。
【0054】
また、ASN−GW40は、サービスレベルに基づく、個々のユーザ端末へのデータ流量制御を決定する際に、個々のサービスレベルに対して所定の品質を下回ったユーザ端末を他の無線基地局にハンドオーバ処理させるように、基地局および該当ユーザ端末にハンドオーバ実行通知を送るようにしてもよい。この際、必要に応じてユーザ端末から位置情報等を追加的に収集し、収集した追加情報と各基地局のエリアの情報を参照してハンドオーバさせるユーザ端末の行き先の基地局と台数とを決定することとしてもよい。また、サービスレベルに対して所定の品質を下回ったユーザ端末に変えて、通信量の多いユーザ端末やサービスレベルの上位のユーザ端末を、余裕のある他の無線基地局にハンドオーバ処理させて、全ユーザのサービスレベルを満足させ得るように制御してもよい。
【0055】
上記のように、逼迫するネットワーク回線の部分を、ゲートウェイ装置が識別して、その問題をユーザ端末のサービスレベルに対応させてアクセスネットワーク内のデータ流量制御を適宜行なうことで、個々の通信の経路となるネットワーク装置での輻輳を予防すると共に、遅延やドロップを抑制する。このとき参照するネットワーク回線は、WiMAXシステムで例示したR6回線やバックボーン回線のように、ゲートウェイ装置や各ノードを中心に切り分けることが望ましい。なお、アクセスネットワーク内のデータ流量制御は、上記説明した保護する回線の入り口側でそれぞれ行なう例に限定されることなく、逼迫したネットワーク回線を保護するように、ゲートウェイ装置や無線基地局、必要に応じてネットワークを構成する各種装置においてそれぞれの通信方式に適するように行えばよい。また、その切り分けに加え、個々のユーザ端末が対向先となる情報処理装置との間での通信損失量を掛け率として用いてもよい。
【0056】
以上説明したように、本発明を適用したアクセスネットワークシステムによれば、ゲートウェイ装置配下に接続している無線基地局毎の流量制御と共に、無線基地局配下に接続しているユーザ毎の流量制御を適切に行なえる。
【0057】
同様に、本発明を適用したゲートウェイ装置によれば、既存通信ネットワークの通信規格に適合しつつ、配下に接続している無線基地局毎の流量制御と共に、無線基地局配下に接続しているユーザ毎の流量制御を可能できる。
【0058】
すなわち、ゲートウェイ装置によって、動的に個々の基地局の通信量を制御することにより、アクセスネットワークとして自律的に 制御メッセージ等の保護を実現でき、ユーザに提供しているサービスへの影響を軽減させ得る。また、通信量の制限によるユーザの満足度低下を防ぐ為に、ユーザ毎のサービスレベルに対応させて各ユーザの通信量制限に優先順位を付加できる仕組みを付与する。
【0059】
上記効果は、ゲートウェイ装置での構成に加え、既存ネットワーク設備への最小限の変更によって実現可能である。また、WiMAXシステムのように、実データと制御メッセージ等が同様に扱われるシステムにおいて特に効果を増す。また、他の既存技術のQoS制御と組み合わせて用いることとしても有効に働く。
【0060】
なお、本発明の具体的な構成は前述の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があってもこの発明に含まれる。
【0061】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載されうる。尚、以下の付記は本発明をなんら限定するものではない。
[付記1]
通信負荷状況を収集すると共に、接続するユーザ端末毎に使用可能帯域に制限を加え得る1ないし複数の無線基地局と、
管理下とする前記無線基地局群からそれぞれの通信負荷情報を少なくとも取得し、
取得した通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、
個々の前記無線基地局へ割当てたデータ流量を、該無線基地局に属するユーザ端末群に均等に分けずに、個々のユーザ端末に割当てたサービスレベルに基づき、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定する
アクセスネットワークゲートウェイと、
を含み成ることを特徴とするアクセスネットワークシステム。
【0062】
[付記2]
個々のユーザ端末に割当てられているサービスレベルは、認証を行なう認証サーバによって管理され、
前記アクセスネットワークゲートウェイは、個々のユーザ端末のサービスレベルを、前記認証サーバから個々のユーザ端末の認証と共に取得する
ことを特徴とする上記付記記載のアクセスネットワークシステム。
【0063】
[付記3]
前記アクセスネットワークゲートウェイは、管理下とする前記無線基地局群から、定期的又は該管理下とする前記無線基地局群の何れかからの要求を受けて、それぞれの通信負荷情報を取得する
ことを特徴とする上記付記記載のアクセスネットワークシステム。
【0064】
[付記4]
前記データ流量制御は、アクセスネットワークゲートウェイと無線基地局がそれぞれ分担して行なう
ことを特徴とする請求項3記載のアクセスネットワークシステム。
【0065】
[付記5]
前記認証サーバと、前記アクセスネットワークゲートウェイとの間の個々のユーザ端末のサービスレベルの受渡しに、アクセス アクセプト パケット(Access Accept packet)を用いる
ことを特徴とする上記付記記載のアクセスネットワークシステム。
【0066】
[付記6]
前記アクセスネットワークゲートウェイは、
それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を行う際に、一の無線基地局の有する配分可能な帯域量が不足する場合、下位に当たるサービスレベルのユーザ端末に対してQoS制御からベストエフォート制御に移行させる
ことを特徴とする上記付記記載のアクセスネットワークシステム。
【0067】
[付記7]
前記アクセスネットワークゲートウェイは、
バックボーン回線での帯域不足を検出した場合、取得した前記無線基地局毎の通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定する際に、個々の無線基地局に属するユーザ端末群が有する個々のサービスレベルを満足させるように、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定する
ことを特徴とする上記付記記載のアクセスネットワークシステム。
【0068】
[付記8]
前記アクセスネットワークゲートウェイは、
前記サービスレベルに基づく、個々のユーザ端末へのデータ流量制御を決定する際に、個々のサービスレベルに対して所定の品質を下回ったユーザ端末を他の無線基地局にハンドオーバ処理させる
ことを特徴とする上記付記記載のアクセスネットワークシステム。
【0069】
[付記9]
通信負荷状況を収集すると共に 接続するユーザ端末毎に使用可能帯域に制限を加え得る1ないし複数の無線基地局群から、それぞれの通信負荷情報を少なくとも取得する負荷情報取得管理手段と、
個々のユーザ端末に割当てられているサービスレベルを管理するサービスレベル管理手段と、
取得した通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、個々の前記無線基地局へ割当てたデータ流量を、該無線基地局に属するユーザ端末群に均等に分けずに、個々のユーザ端末に割当てたサービスレベルに基づき、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定することを一体的に行なう制御手段と
を含みなることを特徴とするゲートウェイ装置。
【0070】
[付記10]
個々のユーザ端末に割当てられているサービスレベルは、認証を行なう認証サーバによって管理され、
前記サービスレベル管理手段は、個々のユーザ端末のサービスレベルを、前記認証サーバから個々のユーザ端末の認証と共に取得する
ことを特徴とする上記付記記載のゲートウェイ装置。
【0071】
[付記11]
前記負荷情報取得管理手段は、管理下とする前記無線基地局群から、定期的又は該管理下とする前記無線基地局群の何れかからの要求を受けて、それぞれの通信負荷情報を取得する
ことを特徴とする上記付記記載のゲートウェイ装置。
【0072】
[付記12]
前記制御手段は、決定したデータ流量制御の内容に基づき、無線基地局と分担してデータ流量制御を行なう
ことを特徴とする上記付記記載のゲートウェイ装置。
【0073】
[付記13]
前記認証サーバとの間の個々のユーザ端末のサービスレベルの受渡しに、アクセス アクセプト パケットを用いる
ことを特徴とする上記付記記載のゲートウェイ装置。
【0074】
[付記14]
前記制御手段は、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を行う際に、一の無線基地局の有する配分可能な帯域量が不足する場合、下位に当たるサービスレベルのユーザ端末に対してQoS制御からベストエフォート制御に移行させる
ことを特徴とする上記付記記載のゲートウェイ装置。
【0075】
[付記15]
前記制御手段は、バックボーン回線での帯域不足を検出した場合、取得した前記無線基地局毎の通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定する際に、個々の無線基地局に属するユーザ端末群が有する個々のサービスレベルを満足させるように、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定する
ことを特徴とする上記付記記載のゲートウェイ装置。
【0076】
[付記16]
前記制御手段は、前記サービスレベルに基づく、個々のユーザ端末へのデータ流量制御を決定する際に、個々のサービスレベルに対して所定の品質を下回ったユーザ端末を他の無線基地局にハンドオーバ処理させる
ことを特徴とする上記付記記載のゲートウェイ装置。
【0077】
[付記17]
情報処理装置の制御部を、
通信負荷状況を収集すると共に 接続するユーザ端末毎に使用可能帯域に制限を加え得る1ないし複数の無線基地局群から、それぞれの通信負荷情報をすくなくとも取得する手段と、
個々のユーザ端末に割当てられているサービスレベルを管理する手段と、
取得した通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、個々の前記無線基地局へ割当てたデータ流量を、該無線基地局に属するユーザ端末群に均等に分けずに、個々のユーザ端末に割当てたサービスレベルに基づき、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定することを一体的に行なう手段と
して動作させることを特徴とするプログラム。
【0078】
[付記18]
個々のユーザ端末に割当てられているサービスレベルは、認証を行なう認証サーバによって管理され、
前記制御部を、個々のユーザ端末のサービスレベルを、前記認証サーバから個々のユーザ端末の認証と共に取得する
ように動作させることを特徴とする上記付記記載のプログラム。
【0079】
[付記19]
前記制御部を、管理下とする前記無線基地局群から、定期的又は該管理下とする前記無線基地局群の何れかからの要求を受けて、それぞれの通信負荷情報を取得するように動作させることを特徴とする上記付記記載のプログラム。
【0080】
[付記20]
決定したデータ流量制御の内容に基づき、前記制御部を、無線基地局と分担してデータ流量制御を行なう手段
として動作させることを特徴とする上記付記記載のプログラム。
【0081】
[付記21]
前記制御部を、前記認証サーバとの間の個々のユーザ端末のサービスレベルの受渡しに、アクセス アクセプト パケットを用いるように動作させることを特徴とする上記付記記載のプログラム。
【0082】
[付記22]
前記制御部を、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を行う際に、一の無線基地局の有する配分可能な帯域量が不足する場合、下位に当たるサービスレベルのユーザ端末に対してQoS制御からベストエフォート制御に移行させる
ように動作させることを特徴とする上記付記記載のプログラム。
【0083】
[付記23]
前記制御部を、バックボーン回線での帯域不足を検出した場合、取得した前記無線基地局毎の通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定する際に、個々の無線基地局に属するユーザ端末群が有する個々のサービスレベルを満足させるように、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定するように動作させることを特徴とする上記付記記載のプログラム。
【0084】
[付記24]
前記制御部を、前記サービスレベルに基づく、個々のユーザ端末へのデータ流量制御を決定する際に、個々のサービスレベルに対して所定の品質を下回ったユーザ端末を他の無線基地局にハンドオーバ処理させる
ように動作させることを特徴とする上記付記記載のプログラム。
【0085】
[付記25]
予め個々のユーザ端末に割当てられているサービスレベルを登録し、
前記個々のユーザ端末の認証時に前記サービスレベルをゲートウェイ装置に取り込み、
個々の無線基地局の通信負荷状況を取得し、
前記ゲートウェイ装置において、取得した前記無線基地局毎の通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、個々の前記無線基地局へ割当てたデータ流量を、該無線基地局に属するユーザ端末群に均等に分けずに、個々のユーザ端末に割当てたサービスレベルに基づき、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定し、
前記決定内容に基づき、個々の無線基地局において、接続する個々のユーザ端末毎に使用可能帯域に制限を加える
ことを特徴とするネットワーク品質確保方法。
【0086】
[付記26]
個々のユーザ端末に割当てられているサービスレベルは、認証を行なう認証サーバによって管理され、
個々のユーザ端末のサービスレベルを、前記認証サーバから個々のユーザ端末の認証と共に取得する
ことを特徴とする上記付記記載のネットワーク品質確保方法。
【0087】
[付記27]
管理下とする前記無線基地局群から、定期的又は該管理下とする前記無線基地局群の何れかからの要求を受けて、それぞれの通信負荷情報を取得する
ことを特徴とする上記付記記載のネットワーク品質確保方法。
【0088】
[付記28]
決定したデータ流量制御の内容に基づく個々のユーザ端末毎の使用可能帯域の制限を、無線基地局とゲートウェイ装置とで分担してを行なう
ことを特徴とする上記付記記載のネットワーク品質確保方法。
【0089】
[付記29]
前記ゲートウェイ装置と前記認証サーバとの間の個々のユーザ端末のサービスレベルの受渡しに、アクセス アクセプト パケットを用いる
ことを特徴とする上記付記記載のネットワーク品質確保方法。
【0090】
[付記30]
前記ゲートウェイ装置は、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を行う際に、一の無線基地局の有する配分可能な帯域量が不足する場合、下位に当たるサービスレベルのユーザ端末に対してQoS制御からベストエフォート制御に移行させる
ことを特徴とする上記付記記載のネットワーク品質確保方法。
【0091】
[付記31]
前記ゲートウェイ装置は、バックボーン回線での帯域不足を検出した場合、取得した前記無線基地局毎の通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定する際に、個々の無線基地局に属するユーザ端末群が有する個々のサービスレベルを満足させるように、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定する
ことを特徴とする上記付記記載のネットワーク品質確保方法。
【0092】
[付記32]
前記ゲートウェイ装置は、前記サービスレベルに基づく、個々のユーザ端末へのデータ流量制御を決定する際に、個々のサービスレベルに対して所定の品質を下回ったユーザ端末を他の無線基地局にハンドオーバ処理させる
ことを特徴とする上記付記記載のネットワーク品質確保方法。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、負荷状況を収集して接続するユーザ端末に使用可能帯域に制限を加え得る無線基地局を配下とするゲートウェイ装置に好適である。また、既存ネットワーク設備への大きな変更を加えられない無線通信システムに好適である。
【符号の説明】
【0094】
10〜10m 無線基地局(BS:Base Station)
20 R6回線
30 R6回線を構成する機器(ルータやスイッチ)
40 ASN−GW
50 R3回線を構成する機器(ルータやスイッチ)
60 AAAサーバ
70 HAサーバ
80 NSP
101〜1mo 無線端末局(MS,ユーザ端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信負荷状況を収集すると共に、接続するユーザ端末毎に使用可能帯域に制限を加え得る1ないし複数の無線基地局と、
管理下とする前記無線基地局群からそれぞれの通信負荷情報を少なくとも取得し、
取得した通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、
個々の前記無線基地局へ割当てたデータ流量を、該無線基地局に属するユーザ端末群に均等に分けずに、個々のユーザ端末に割当てたサービスレベルに基づき、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定する
アクセスネットワークゲートウェイと、
を含み成ることを特徴とするアクセスネットワークシステム。
【請求項2】
個々のユーザ端末に割当てられているサービスレベルは、認証を行なう認証サーバによって管理され、
前記アクセスネットワークゲートウェイは、個々のユーザ端末のサービスレベルを、前記認証サーバから個々のユーザ端末の認証と共に取得する
ことを特徴とする請求項1記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項3】
前記アクセスネットワークゲートウェイは、管理下とする前記無線基地局群から、定期的又は該管理下とする前記無線基地局群の何れかからの要求を受けて、それぞれの通信負荷情報を取得する
ことを特徴とする請求項2記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項4】
前記データ流量制御は、アクセスネットワークゲートウェイと無線基地局がそれぞれ分担して行なう
ことを特徴とする請求項3記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項5】
前記アクセスネットワークゲートウェイは、
それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を行う際に、一の無線基地局の有する配分可能な帯域量が不足する場合、下位に当たるサービスレベルのユーザ端末に対してQoS制御からベストエフォート制御に移行させる
ことを特徴とする請求項3記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項6】
前記アクセスネットワークゲートウェイは、
バックボーン回線での帯域不足を検出した場合、取得した前記無線基地局毎の通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定する際に、個々の無線基地局に属するユーザ端末群が有する個々のサービスレベルを満足させるように、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定する
ことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項7】
前記アクセスネットワークゲートウェイは、
前記サービスレベルに基づく、個々のユーザ端末へのデータ流量制御を決定する際に、個々のサービスレベルに対して所定の品質を下回ったユーザ端末を他の無線基地局にハンドオーバ処理させる
ことを特徴とする請求項6記載のアクセスネットワークシステム。
【請求項8】
通信負荷状況を収集すると共に 接続するユーザ端末毎に使用可能帯域に制限を加え得る1ないし複数の無線基地局群から、それぞれの通信負荷情報を少なくとも取得する負荷情報取得管理手段と、
個々のユーザ端末に割当てられているサービスレベルを管理するサービスレベル管理手段と、
取得した通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、個々の前記無線基地局へ割当てたデータ流量を、該無線基地局に属するユーザ端末群に均等に分けずに、個々のユーザ端末に割当てたサービスレベルに基づき、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定することを一体的に行なう制御手段と
を含みなることを特徴とするゲートウェイ装置。
【請求項9】
情報処理装置の制御部を、
通信負荷状況を収集すると共に 接続するユーザ端末毎に使用可能帯域に制限を加え得る1ないし複数の無線基地局群から、それぞれの通信負荷情報をすくなくとも取得する手段と、
個々のユーザ端末に割当てられているサービスレベルを管理する手段と、
取得した通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、個々の前記無線基地局へ割当てたデータ流量を、該無線基地局に属するユーザ端末群に均等に分けずに、個々のユーザ端末に割当てたサービスレベルに基づき、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定することを一体的に行なう手段と
して動作させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
予め個々のユーザ端末に割当てられているサービスレベルを登録し、
前記個々のユーザ端末の認証時に前記サービスレベルをゲートウェイ装置に取り込み、
個々の無線基地局の通信負荷状況を取得し、
前記ゲートウェイ装置において、取得した前記無線基地局毎の通信負荷情報に基づいて、前記無線基地局群に対して、それぞれの前記無線基地局へのデータ流量制御を決定すると共に、個々の前記無線基地局へ割当てたデータ流量を、該無線基地局に属するユーザ端末群に均等に分けずに、個々のユーザ端末に割当てたサービスレベルに基づき、それぞれのユーザ端末へのデータ流量制御を決定し、
前記決定内容に基づき、個々の無線基地局において、接続する個々のユーザ端末毎に使用可能帯域に制限を加える
ことを特徴とするネットワーク品質確保方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−222380(P2012−222380A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82418(P2011−82418)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】