説明

アクリルアミド誘導体

【課題】CCR3が関与する種々の疾患の処置に用いることができる化合物の提供。
【解決手段】例えば、N-{1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-2-[1-(1H-インドール-4-イルカルボニル)ピペリジン-4-イリデン]アセトアミドなどの、少なくとも3個の環基を有するアクリルアミド誘導体が、良好なCCR3拮抗作用を有し、喘息などのCCR3の関与する疾患の治療に有効であることを見出し、本発明を完成した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、特にCCR3拮抗剤として有用なアクリルアミド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】
喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎、クローン病などの多くの炎症性疾患等の病理学的特徴の一つは炎症組織への好酸球浸潤である。中でも、喘息は気道及び肺内に浸潤する好酸球等の炎症性細胞の活性化により、各種傷害性タンパク、化学伝達物質及び炎症性メディエーターが放出され、気道上皮の障害により、気道閉塞及び気道過敏性亢進が繰り返し起こる可逆性の炎症性疾患である(Pharmacol. Rev. 50 (4): 515-596, 1998、J. Allergy Clin. Immunol. 106 (6): 1033-1042, 2000)。
【0003】
好酸球の活性化を抑制する薬剤としてはプレドニゾロンに代表される糖質コルチコイドが使用されているが、広範囲の細胞に作用するため、長期使用により副腎萎縮、緑内障、骨粗鬆症及び成長遅延等の副作用を伴うことが知られている(Am. J. Med. 98 (2): 196-208, 1995)。
【0004】
好酸球、肥満細胞、好塩基球及びTh2細胞等の炎症性細胞(以下、「炎症性細胞」と略記することがある)の遊走、活性化、脱顆粒及び種々の炎症性メディエーターの放出には、CCケモカイン受容体のサブタイプであるCCR3が重要な役割を果たしており(J. Clin. Invest. 99 (2): 178-184, 1997、J. Exp. Med. 190 (2): 267-280, 1999、J. Clin. Invest. 100 (5): 1137-1143, 1997、Science 277 (5334): 2005-2007, 1997、Pharmacol. Rev. 52 (1): 145-176, 2000)、CCR3遺伝子欠損マウスを用いたアレルギー性喘息及びアトピー性皮膚炎モデルでは、肺及び皮膚への好酸球浸潤、気道過敏性亢進が野生型マウスに比べて抑制されている(J. Clin. Invest. 109 (5): 621-628, 2002)。CCR3はこれら好酸球等の炎症性細胞に選択的に存在すること、及び前記の遺伝子欠損マウスの病態モデルの結果から、CCR3拮抗剤は、これらの炎症性細胞の活性化を選択的に抑制し、副作用の少ないアレルギー疾患治療薬になると考えられる。
【0005】
また、アレルギー性鼻炎及び喘息患者に多く見られる副鼻腔炎の鼻茸組織抽出液中には活性化好酸球の浸潤がみとめられ、CCR3のリガンドであるエオタキシン(eotaxin)、エオタキシン-2及びMCP-4が有意に増加していることが知られている(J. Immunol. 163 (3): 1545-1551, 1999)。また、関節リウマチ患者の末梢血及び滑液中にはCCR3陽性単核球が健常人に比べ有意に増加している(Arthritis Rheum. 44 (5): 1022-1032, 2001)。従って、CCR3拮抗剤は、副鼻腔炎及び関節リウマチの治療薬となり得る。
【0006】
また、HIVはCCR3を介して細胞内に進入することが知られており、CCR3とリガンドであるウイルスの結合を選択的に抑制することによりHIV感染等のウイルス感染を予防又は治療できる可能性がある(Cell 85(7): 1135-1148, 1996)。更に、CCR3は脳内のマイクログリア細胞上にも発現しており、HIV感染とそれに伴う脳炎及び痴呆症等においてCCR3は重要な働きをしている(Nature 385 (6617): 645-649, 1997)。
【0007】
CCR3拮抗活性を有する化合物として、キサンテン誘導体(WO98/04554)、ピペラジン、ピペリジン又はピロリジン誘導体(EP-903349、WO00/29377、WO00/31032、WO00/31033、WO00/35449、WO00/35451、WO00/35452、WO00/35453、WO00/35454、WO00/35876、WO00/35877、WO01/10439、WO01/14333、WO02/18335)等が報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、CCR3拮抗剤は医薬としての有用性が期待され、幾つかのCCR3拮抗剤が報告されているものの、シクロアルキリデン様の環構造を有する化合物は報告されていない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、CCR3に対して拮抗作用を有する化合物について鋭意検討した結果、下記一般式で示されるアクリルアミド誘導体を見出した。本発明のアクリルアミド誘導体は新規化合物であり、シクロアルキリデン様の環構造を有する点で、公知のCCR3拮抗剤と構造を異にする。
【0010】
即ち、本発明は、下記一般式(I)で示される新規なアクリルアミド誘導体又はその塩、並びにこれらを有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【0011】
【化3】

(式中の記号は以下の意味を示す。
B:-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-C(R3)(X1-A1)-又は-N(X1-A1)-;
A及びA1:同一又は互いに異なって、H、置換されていてもよい炭化水素環又は置換されていてもよいヘテロ環;
X及びX1:同一又は互いに異なって、単結合、-R00-、低級アルケニレン、低級アルキニレン、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-CO-、-CO2-、-CONR4-、-NR4CO-、-NR4-CO2-、-NR4-CO-NR5-、-NR4SO2-、-SO2NR4-、-O-CO-、-O-CO-NR4-、-R00-O-、-R00-S-、-R00-SO-、-R00-SO2-、-低級アルケニレン-SO2-、-R00-NR4-、-R00-CO-、-低級アルケニレン-CO-、-R00-O-CO-、-R00-CO2-、-R00-CONR4-、-低級アルケニレン-CO2-、-低級アルケニレン-CONR4-、-R00-NR4CO-、-R00-NR4-CO2-、-R00-NR4-CO-NR5-、-R00-NR4SO2-、-R00-SO2NR4-、-低級アルケニレン-SO2NR4-、-R00-O-CO-NR4-、-O-R00-、-S-R00-、-SO-R00-、-SO2-R00-、-NR4-R00-、-CO-R00-、-CONR4-R00-、-NR4CO-R00-、-NR4-CO-NR5-R00-、-NR4SO2-R00-、-SO2NR4-R00-、-O-CO-NR4-R00-、-CO-R00-S-、-S-R00-CO-、-NR4-R00-CO-、-CO-R00-NR4-、-CO-R00-O-、-O-R00-CO-又は-C(=N-OR4)-;
R00:置換されていてもよい低級アルキレン;
R4及びR5:同一又は互いに異なって、H又は低級アルキル;或いはR4とR5が一体となってそれらが結合する原子とともに含窒素飽和ヘテロ環を形成してもよい;
R6及びR7:同一又は互いに異なって、-H、-R0、ハロゲン、-OH、-O-低級アルキル、-CN、-CONH2、-CO2H又は-CO2-低級アルキル;或いはR6及びR7が一体となってオキソ基を形成してもよく、或いはR6及びR7が一体となってヘテロ原子で中断されていてもよい低級アルキレンとしてR6及びR7が結合する環とスピロ環、縮合環又は架橋環を形成してもよい;
R0:置換されていてもよい低級アルキル;
R3:H、OH、O-低級アルキル、NH2、NH-低級アルキル又はN(低級アルキル)2
k:0、1又は2;
m:0、1又は2;
Y:オキソ若しくはハロゲンで置換されていてもよい低級アルキレン、又はオキソ若しくはハロゲンで置換されていてもよい低級アルケニレン;
R8:H、低級アルキル、ハロゲンで置換された低級アルキル又はハロゲン;
R9:H又は低級アルキル;
n:0、1又は2;
R1及びR2:同一又は互いに異なって、-H、-R0、ハロゲン、-OH、-O-低級アルキル、-CN、-CONH2、-CO2H又は-CO2-低級アルキル;或いはR1及びR2が一体となってオキソ基を形成してもよく、或いはR1及びR2が一体となってヘテロ原子で中断されていてもよい低級アルキレンとしてR1及びR2が結合する環とスピロ環、縮合環又は架橋環を形成してもよい;
D:置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロ環又は置換されていてもよいシクロアルキル。
但し、式(I)中、
【化4】

【0012】
更に、本発明は、前記一般式(I)で示されるアクリルアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物、特にCCR3拮抗剤にも関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書中、「低級アルキル」は、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、直鎖状又は分枝状のいずれでもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、へキシル等が挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは、メチル、エチル及びイソプロピルである。「低級アルキレン」は、直鎖状又は分枝状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜6のアルキレンであり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキレンであり、更に好ましくはメチレン、エチレン及びジメチルメチレンである。「低級アルケニレン」は、直鎖状又は分枝状のいずれでもよく、好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2〜4のアルケニレンである。「低級アルキニレン」は、直鎖状又は分枝状のいずれでもよく、好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2〜4のアルキニレンであり、更に好ましくは-C≡C-である。
【0014】
「ハロゲン」は、F、Cl、Br及びIを示す。「ハロゲンで置換された低級アルキル」とは、1個以上のハロゲンで置換された低級アルキルであり、好ましくは、1〜5個のFを有するC1-2のアルキルであり、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルが挙げられる。
【0015】
「アリール」は、好ましくは炭素数6〜14の単環〜三環式アリールであり、更に好ましくはフェニル及びナフチルである。「シクロアルキル」は、好ましくは炭素数3〜8のシクロアルキルであり、更に好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシルである。また、「炭化水素環基」とは、好ましくは炭素数3〜20の単環〜三環式炭化水素環基であり、飽和環、芳香環、及びその部分的に水素化された環基を包含し、前記「アリール」、「シクロアルキル」に加え、「架橋されたシクロアルキル」、「シクロアルキルとアリールの縮環した基」を含む。「架橋されたシクロアルキル」は、好ましくは炭素数6〜10の飽和の架橋された炭化水素環基であり、更に好ましくはノルボルニル、アダマンチルである。「シクロアルキルとアリールの縮環した基」とは、例えば、インダニル、テトラヒドロナフチル等が挙げられる。
【0016】
「ヘテロ環基」としては、O、S及びNから選択されるヘテロ原子を1〜4個含有する飽和又は不飽和の単環3〜8員、好ましくは5〜7員ヘテロ環であり、当該ヘテロ環同士、又はシクロアルキル環やベンゼン環と縮環し二から三環式ヘテロ環を形成してもよい。環原子であるS又はNが酸化されオキシドやジオキシドを形成してもよい。当該ヘテロ環は飽和ヘテロ環、芳香族ヘテロ環及びその部分的に飽和されたヘテロ環を含み、飽和ヘテロ環及び部分的に飽和されたヘテロ環においては任意の炭素原子がオキソ基で置換されていてもよい。好ましくは、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピロリル、ピロリジル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、キナゾリル、キノキサリニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾピリジル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ピペリジル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、テトラヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾイミダゾリジニル、クロメニル、クロマニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシニル、1-オキシドピリジル及び1-オキシドキノリル基等が挙げられる。また、前記ヘテロ環は、O、S及びNから選択されるヘテロ原子を1〜4個含有する架橋されたヘテロ環を包含し、当該架橋環としては、3-アザビシクロ[3.2.2]ノニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクチル等が挙げられる。「含窒素飽和ヘテロ環基」としては、前記「ヘテロ環」の内、環原子として少なくとも1個の窒素原子を有し、更にO、S及びNから選択されるヘテロ原子を1個有してもよい飽和ヘテロ環基を示す。
【0017】
「置換されていてもよい」とは、「無置換」あるいは「同一又は異なる置換基を1〜5個有していること」を示す。
【0018】
例えば、「置換されていてもよい低級アルキル」及び「置換されていてもよい低級アルキレン」における置換基としては、好ましくは下記G群に示す基であり、特に好ましくは、ハロゲン、-OH、C1-6アルキル及びO-C1-6アルキルである。G群:ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲンで置換されたC1-6アルキル、シクロアルキル、ヘテロ環、アリール、-OH、-O-C1-6アルキル、-O-ハロゲンで置換されたC1-6アルキル、-SO2-C1-6アルキル、-SO2-ハロゲンで置換されたC1-6アルキル、-O-C1-6アルキレン-OH、-O-アリール、-O-シクロアルキル、-S-シクロアルキル、-O-ヘテロ環、-S-アリール、-S-ヘテロ環、-NH-アリール、-NH-シクロアルキル、-NH-ヘテロ環、-N(C1-6アルキル)アリール、-N(C1-6アルキル)シクロアルキル、-N(C1-6アルキル)ヘテロ環、-NH2、-NH-C1-6アルキル、-N(C1-6アルキル)2、-CONH2、-CO-C1-6アルキル、-CONH-C1-6アルキル、-NHCO-C1-6アルキル、-CON(C1-6アルキル)2、-CO2-C1-6アルキル、-SO2NH-C1-6アルキル、-SO2N(C1-6アルキル)2、-NHSO2-C1-6アルキル、-NHCO-O-C1-6アルキル、-O-CONH-C1-6アルキル、-O-CO-C1-6アルキル、-C(=N-O-C1-6アルキル)-C1-6アルキル、-CO2H、-SO3H、-SO2NH2、-NO2、-CN及びオキソ。ここにG群におけるヘテロ環及びアリールは、ハロゲン、OH、C1-4アルキル及び-O-C1-4アルキルから選択される1〜5個の置換基で置換されていてもよい。
【0019】
また、「置換されていてもよい炭化水素環」、「置換されていてもよいヘテロ環」、「置換されていてもよいアリール」及び「置換されていてもよいシクロアルキル」における置換基としては、好ましくは、前記G群に示される基、及び前記G群から選択される基で置換されていてもよい低級アルキルである。
【0020】
「ヘテロ原子で中断されていてもよい低級アルキレン」とは、低級アルキレン或いは、低級アルキレンの途中又は末端にO、S及びNから選択されるヘテロ原子1個又は2個が挿入された基を表す。該S原子は酸化されていてもよく(SO又はSO2)、N原子はH又はC1-6アルキルを有し、N-オキシドを形成してもよい。例えば、-CH2CH2-、-O-CH2CH2-、-CH2-O-CH2-、-O-CH2CH2-O-、-CH2-S-CH2-、-CH2-SO-CH2-、-CH2-N(CH3)-CH2-が挙げられ、好ましくは-CH2CH2-及び-CH2-O-CH2-である。
【0021】
本発明化合物(I)における好ましい化合物は以下の化合物である:
(i) Bが-CH(X1-A1)-、-N(X1-A1)-、-S-又は-O-である化合物。より好ましくはBが-CH(X1-A1)-又は-N(X1-A1)-、更に好ましくはBを含む環がシクロヘキサン、ピロリジン、ピペリジン、ホモピペリジン、アゼチジン又は8-アザビシクロ[3.2.1]オクタンであり、より更に好ましくはピペリジン、アゼチジン又は8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン、特に好ましくは、ピペリジンである化合物。
【0022】
(ii) A及びA1の一方がHで、他方が、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロ環又は置換されていてもよいシクロアルキルである化合物。より好ましくは、A及びA1の一方がHで、他方が置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよいヘテロ環である化合物。ここに、前記、アリール、ヘテロ環、シクロアルキル及びフェニルにおける好ましい置換基は、C1-4アルキル、ハロゲンで置換されたC1-4アルキル、ハロゲン、OH、-O-C1-4アルキル、-O-(ハロゲンで置換されたC1-4アルキル)、-SO2-C1-4アルキル、-SO2-(ハロゲンで置換されたC1-4アルキル)、-NH2、-CONH2、-CO2-C1-4アルキル、-NO2、-COOH、-NHCO-C1-4アルキル、-O-C1-6アルキレン-OH及び-CNから選択される基であり、当該置換基を1〜5個、好ましくは1〜3個有してもよい。
【0023】
(iii) X及びX1の少なくとも一方が、単結合、-R00-、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-CO-、-CONR4-、-NR4CO-、-SO2NR4-、-R00-O-、-R00-S-、-R00-SO2-、-R00-CO-、-R00-CONR4-、-R00-NR4CO-、-O-R00-、-S-R00-、-SO-R00-又は-NR4-R00-である化合物。より好ましくは、X及びX1の一方が単結合で、他方が-R00-、-SO2-、-CO-又は-R00-CO-である化合物。ここに、AがHの場合Xが単結合、A1がHの場合X1が単結合であるのが好ましい。更に、R00としてはC1-3アルキレン、特にメチレンが好ましい。また、R4及びR5としては、メチル又はHが好ましい。
【0024】
【化5】

【0025】
ここにR1及びR2としては共にH、nとしては0又は1、特に0である化合物が好ましい。
【0026】
(v) Yが、C1-6アルキレン又は−CH2-C(R10)=C(R11)−である化合物。より好ましくは、−CH2−又は−CH2-CH=CH−である化合物。更に好ましくは、−CH2−である化合物。ここに、R10及びR11は同一又は互いに異なって、H、メチル、エチル又はハロゲンを示す。
【0027】
(vi) Dがフェニル又はナフチルである化合物。当該フェニル及びナフチルは、下記Q群から選択される1〜5個の置換基、好ましくは1〜2個の置換基で置換されていてもよい。なお、Dがフェニルのとき、Yは−CH2−又は−CH2-CH=CH−が好ましく、Dがナフチルのとき、Yは−CH2−が好ましい。
Q群:ハロゲン、CN、C1-6アルキル、ハロゲンで置換されたC1-6アルキル、OHで置換されたC1-6アルキル、フェニル、ハロゲンで置換されたフェニル、OHで置換されたフェニル、ヘテロ環、ハロゲンで置換されたヘテロ環、OHで置換されたヘテロ環、-Z-フェニル、-Z-(ハロゲンで置換されたフェニル)及び-Z-(OHで置換されたフェニル)。ここに、Zとしては、-O-、-S-、C1-3アルキレン、-O-C1-3アルキレン-及び-C1-3アルキレン-O-が好ましい。
【0028】
Dとしてより好ましくはナフチルであり、当該ナフチルは、C1-6アルキル、ハロゲンで置換されたC1-6アルキル、OHで置換されたC1-6アルキル、CN及びハロゲンから選択される置換基を1又は2個有する。更に好ましくは、少なくとも6位が前記置換基で置換されたナフチルである化合物、特に好ましくは、6-フルオロナフタレン-2-イルである化合物。
【0029】
本発明化合物(I)は置換基の種類によっては、幾何異性体や互変異性体が存在する場合があるが、本発明にはこれらの異性体の分離したもの、あるいは混合物を包含する。更に本発明化合物は、不斉炭素原子を有する場合があり、不斉炭素原子に基づく異性体が存在しうる。本発明はこれら光学異性体の混合物や単離されたものを包含する。
【0030】
また、本発明化合物(I)には、生体内において本発明化合物又はその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグも全て包含される。本発明のプロドラッグを形成する基としては、例えば、Prog. Med., 5, 2157-2161 (1985)や「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に記載の基が挙げられる。
【0031】
また、本発明化合物(I)は、酸付加塩又は置換基の種類によっては塩基との塩を形成する場合もある。かかる塩としては、薬学的に許容される塩であり、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。更に、本発明は、本発明化合物(I)及びその塩の各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質をも包含する。
【0032】
(製造法)
本発明化合物及びその薬学的に許容される塩は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成法を適用して製造することができる。その際、官能基の種類によっては、当該官能基を原料乃至中間体の段階で適当な保護基で保護、又は当該官能基に容易に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。このような官能基としては、例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等であり、それらの保護基としては、例えばグリーン(T. W. Greene)及びウッツ(P. G. M. Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis(第3版、1999年、John Wiley & Sons)」に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜選択して用いればよい。このような方法では、当該保護基を導入して反応を行った後、必要に応じて保護基を除去、あるいは所望の基に転化することにより、所望の化合物を得ることができる。
【0033】
また、本発明化合物のプロドラッグは前記保護基と同様、原料乃至中間体の段階で特定の基を導入、あるいは得られた本発明化合物を用い反応を行うことで製造できる。反応は通常のエステル化、アミド化、脱水等、当業者により公知の方法を適用することにより行うことができる。
以下本発明化合物の代表的な製造法を説明する。
【0034】
【化6】

(式中、L1はハロゲン、メタンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を、L2はOH又は、ハロゲン、アルコキシカルボニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ、アリールオキシ基等の脱離基を、L3は(RXO)2P(O)-、(RX)3Si-、(Z-)・(RX)3P+-、水素原子又はハロゲンを、RXは同一又は互いに異なって、置換されていてもよいアルキル基又は置換されていてもよいアリール基を、Z-はハロゲン、アルコキシ、カルボキシラート、テトラフルオロボラート等の対陰イオンを、Y1は-CH2-Y1-としてYとなる基をそれぞれ示す。以下同様。)
【0035】
第1製法:アミド化
本発明化合物(I)は、カルボン酸又はその反応性誘導体である化合物(VIII)とアミン誘導体(IX)とを、アミド化反応に付すことにより製造できる。
【0036】
遊離カルボン酸を用いる場合には、縮合剤(N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド(WSC)、1,1'-カルボニルジイミダゾール(CDI)、N,N'-ジスクシンイミジルカルボナート(DSC)、Bop試薬(Aldrich、米国)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(HBTU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート(TBTU)、ブロモトリスピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスファート(PyBroP(登録商標):Novabiochem、ドイツ)、ジフェニルリン酸アジド(DPPA)、オキシ塩化リン、三塩化リン、トリフェニルホスフィン/N-ブロモスクシンイミド等)、場合によっては、更に添加剤(例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)等)を用いることが好ましい。また、これらの試薬と同等の作用を示す官能基を担持した固相試薬(例えばPS-カルボジイミド(Argonaut Technologies、米国)等)を使用することも可能である。カルボン酸の反応性誘導体としては、酸ハロゲン化物(酸クロリド、酸ブロミド等)、酸無水物(クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸ベンジル、クロロ炭酸フェニル、p-トルエンスルホン酸、イソ吉草酸等を用いて得られる混合酸無水物、或いは対称酸無水物)、活性エステル(ニトロ基もしくはフッ素原子などの電子吸引基で置換していてもよいフェノール、HOBt、HONSu等を用いて調製できるエステル)、低級アルキルエステル、酸アジド等が挙げられる。これらの反応性誘導体は常法により製造することができる。
【0037】
反応は化合物(VIII)とアミン誘導体(IX)とを当量あるいは一方を過剰量用いて、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメトキシエタン(DME)等のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、アセトニトリル、或いは水等の反応に不活性な溶媒中、或いはそれらの混合液中で、冷却下〜加熱下、好ましくは、−20℃〜60℃で行うことができる。遊離カルボン酸を用いる場合は、縮合剤をカルボン酸に対して当量、或いは過剰量用いて行われる。
【0038】
反応性誘導体の種類によっては、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン等の有機塩基類、或いは炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等)の存在下に反応させるのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。ピリジンは溶媒を兼ねることもできる。
【0039】
第2製法:アルキル化
本発明化合物(I)は、アミン化合物(VII)の置換反応によるアルキル化又は還元的アルキル化反応によっても製造できる。
【0040】
置換反応によるアルキル化は、アルキル化剤である化合物(Va)を用い、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ケトン類(アセトン、2-ブタノン等)、アセトニトリル、DMF、ジメチルアセトアミド又はN-メチル-2-ピロリドン等の反応に不活性な溶媒中、冷却下〜加熱下で反応させることにより行われる。有機塩基(トリエチルアミン、N-メチルモルホリン等)又は無機塩基(炭酸カリウム、水素化ナトリウム等)の存在下に反応させるのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。
【0041】
還元的アルキル化反応は、アミン化合物(VII)とホルミル化合物(Vb)とを、前記第1製法アミド化と同様の、反応に不活性な溶媒中、或いはメタノール、エタノール等のアルコール類溶媒中で反応させ、生成するシッフ塩基を単離し、又は単離せずにそのまま、該シッフ塩基を還元することにより行われる。シッフ塩基の生成はチタニウム(IV)イソプロポキシド等のルイス酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、塩酸等の酸触媒存在下、或いはモレキュラーシーブス等の脱水剤の存在下、又はジーンスターク(Dean-Stark)トラップを用いて生成する水を除去しながら行うと有利な場合がある。反応温度は適宜設定されるが、室温乃至還流下が好ましい。シッフ塩基の還元は金属水素化錯体(ナトリウムシアノボロヒドリド、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、ナトリウムボロヒドリド等)等の還元剤を用い、−20℃から加熱還流下で行うことができる。本反応では、生成する本発明化合物中の二重結合部が還元されない条件を適宜選択すれば、更に日本化学会編「実験化学講座(丸善)」(第4版、20巻、1992年)等に記載の方法によっても製造することが可能である。
【0042】
第3製法:オレフィン化
本発明化合物(I)は、アセトアミド誘導体(X)とカルボニル化合物(IV)とを、オレフィン化反応に付すことによっても製造できる。反応はL3で示す基に応じて、以下の方法が用いられる。
【0043】
(1) L3がホスホリル基[(RXO)2P(O)-]の場合は、例えばHorner-Wadsworth-Emmons反応の常法等に従い、適切な塩基で処理した後、カルボニル化合物(IV)と反応させることにより製造することができる。ここで用いる塩基としては、水素化ナトリウム、カリウム tert-ブトキシド、リチウム ジイソプロピルアミド(LDA)、ナトリウム ヘキサメチルジシラジド(NaHMDS)、カリウム ヘキサメチルジシラジド(KHMDS)、ナトリウムアミド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。反応はエーテル類、DMF、DMSO、場合により液体アンモニア等の反応に不活性な溶媒中、冷却下〜加熱下、好ましくは、−20℃〜室温下で行う。塩基は、アセトアミド誘導体(X)と当量又は過剰量を用い、アセトアミド誘導体(X)とカルボニル化合物(IV)は当量又は一方を過剰量用いる。
【0044】
(2) L3がホスホニウム基[(Z-)・(RX)3P+-]の場合は、例えばWittig反応の常法等に従い、適切な塩基で処理してホスホランを調製した後、カルボニル化合物(IV)と反応させることにより製造することができる。本反応に用いる塩基、溶媒及び反応条件としては、前記ホスホリル基の場合と同様のものが挙げられるが、ホスホニウム基の種類に応じて適宜選択される。
【0045】
L3がホスホリル基又はホスホニウム基の化合物は、L3がハロゲンである誘導体より常法に従って製造することが可能であり、例えばComprehensive Organic Synthesis, 1, 729 (1991)やOrg. React., 14, 270 (1965)記載の条件等が用いられる。
【0046】
(3) L3が水素原子の場合は、例えばAldol反応の常法等に従い、LDA、NaHMDS等の塩基で処理してエノラートを生成させ、次いでカルボニル化合物(IV)と反応させた後、得られる付加体の脱水反応を経て製造することができる。エノラートの生成及び付加における溶媒、反応条件としては、前記ホスホリル基の場合と同様の条件、又は一般的なAldol反応の条件を適用することが可能であり、例えばComprehensive Organic Synthesis, 2, 301 (1991)記載の方法等が挙げられる。また、脱水反応は室温〜加熱還流下、塩酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸等の酸触媒存在下で行われる。モレキュラーシーブス等の脱水剤の存在下、又はDean-Starkトラップを用いて生成する水を除去して行うのが有利なことがある。或いは、脱水反応は水酸基をp-トルエンスルホン酸エステル又はメタンスルホン酸エステル等の脱離基に変換した後、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン(DBU)、カリウムtert-ブトキシド、LDA等の塩基で処理することによっても可能である。
【0047】
(4) L3がハロゲンの場合は、例えばReformatsky反応やGrignard反応等が適用でき、亜鉛やマグネシウム等で活性化し、次いでカルボニル化合物(IV)と反応させた後、前記同様、得られる付加体の脱水反応を経て製造することができる。
【0048】
(5) L3がシリル基[(RX)3Si-]の場合、例えばPeterson反応(例えばOrg. React., 38, 1 (1990))等が適用でき、塩基で処理することによりα-シリル置換カルバニオンを生成させ、次いでカルボニル化合物(IV)と反応させた後、得られる付加体の脱シラノール化を経て本発明化合物(I)を製造することができる。
【0049】
なお、L3が水素原子、ハロゲン又はシリル基の場合、R9が水素原子以外であるのが好ましく、必要に応じ前出の「Protective Groups in Organic Synthesis」に記載の保護基を使用するのが好ましい。
【0050】
第4製法
本発明化合物(I)のうち、種々の側鎖や官能基を有する化合物は、本発明化合物又はその製造中間体を原料として、当業者にとって自明である反応、又はそれらの変法を用いることにより、容易に合成することができる。かかる例としては、A-Xで示される基の導入や変換が挙げられ、例えば以下に示す反応が適用できる。
【0051】
(1) アミド化、スルホンアミド化及びエステル化
前記「第1製法:アミド化」の方法や、「実験化学講座(丸善)」(第4版、22巻、1992年)等に記載の方法が適用できる。また、カルボン酸の代わりに種々のスルホン酸、或いはスルホン酸クロリドやスルホン酸無水物等の反応性誘導体を用いることで、スルホンアミド化合物も製造できる。
【0052】
(2) アルキル化
前記「第2製法:アルキル化」の方法や光延反応、或いは「実験化学講座(丸善)」(第4版、20巻、1992年)等に記載の方法が適用できる。また、O-アルキル化やアミド窒素原子へのアルキル化反応は、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、カリウムtert-ブトキシド等の塩基存在下に、前記「置換反応によるアルキル化」反応を行うのが好ましい。
【0053】
(3) ウレイド化及びカルバマート化
対応するイソシアナート化合物を、アルコール化合物又は一級若しくは二級アミンと反応させることで製造できる。反応は前記「第1製法:アミド化」とほぼ同様の条件が適用できる。イソシアナート化合物は、対応する酸アジドのCurtius転位、あるいは、一級アミド化合物のHofmann転位等により製造できる。当該酸アジドは、カルボン酸の反応性誘導体とアジ化ナトリウム等のアジ化物塩との反応、又はカルボン酸とDPPAとの反応により製造できる。
【0054】
或いは、Comprehensive Organic Functional Group Transformation, 6: 499, 1995記載の方法により、ジホスゲン、トリホスゲン、CDI、クロロギ酸 4-ニトロフェニル、クロロギ酸フェニル等のカルボニル化試薬を使用しても製造できる。
【0055】
(4) 酸化
ピリジンN-オキシド等のオキシド化合物はピリジンやアミノ基等を有する化合物を酸化することにより製造できる。酸化剤としては、過酸化水素、Oxone(商品名、Aldrich)、過ホウ酸ナトリウム等の無機酸化剤や過酢酸、m-クロロ過安息香酸、ジメチルジオキシラン等の有機酸化剤を用いることができる。反応はハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、エーテル類、酢酸エチル、DMF、酢酸、水等の反応に不活性な溶媒中または無溶媒下、冷却下〜加熱下に行われる。反応に際しては、原料化合物に対し酸化剤を当量若しくは過剰に用いることができ、無機酸(好ましくは、硫酸、硝酸、塩酸、臭化水素酸)、有機酸(好ましくは、酢酸、トリフルオロ酢酸)、無機塩基(好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム)の存在下に反応させるのが、反応を円滑に進行させる上で有利な場合がある。また、スルフィニル又はスルホニル化合物はスルファニル化合物を用い、同様の酸化反応に付すことにより製造できる。
【0056】
原料合成
原料化合物(VII)、(VIII)、(IX)及び(X)等は、前記反応式に示す方法、及びそれらの変法又は当業者にとって自明である反応により製造することができる。反応条件は前記第1〜第4製法に記載の方法が適用できる。また、各反応においては、上述のように「Protective Groups in Organic Synthesis」等に記載の保護基を使用するのが好ましい場合があり、例えば、原料化合物(II)のカルボキシル基(L2がOHの場合)や、原料化合物(III)のアミノ基が挙げられる。保護基の種類は各反応に応じて適宜選択することができ、また保護基の導入や脱保護は前記文献等に記載の方法、その他公知の方法により行うことができる。
【0057】
前記各製法により得られた反応生成物は、遊離化合物、その塩あるいは水和物など各種の溶媒和物として単離され、精製される。塩は通常の造塩処理に付すことにより製造できる。
【0058】
単離、精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等通常の化学操作を適用して行われる。
【0059】
各種異性体は異性体間の物理化学的な差を利用して常法により単離できる。例えば、光学異性体は一般的な光学分割法、例えば分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離できる。また、光学異性体は、適当な光学活性な原料化合物より製造することもできる。
【0060】
本発明化合物又はその薬学的に許容される塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている薬剤用担体、賦形剤等を用いて通常使用されている方法によって調製することができる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、又は、静注、筋注等の注射剤、坐剤、点眼剤、眼軟膏、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
【0061】
本発明による経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な賦形剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な添加剤、例えばステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤やカルボキシメチルスターチナトリウム等の崩壊剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は、必要により糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性コーティング剤で被膜してもよい。
【0062】
経口投与のための液体組成物は、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な溶剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な溶剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁化剤のような補助剤、甘味剤、矯味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
【0063】
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤を含む。水性の溶剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩液が含まれる。非水性の溶剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(商品名)等がある。このような組成物は、更に等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解、懸濁して使用することもできる。
【0064】
吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液体、半固体状のものが用いられ、従来公知の方法に従って製造することができる。例えば、乳糖や澱粉のような賦形剤や、更に、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が適宜添加されていてもよい。投与は、適当な吸入又は吹送のためのデバイスを使用することができる。例えば、計量投与吸入デバイス等の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化合物を単独で又は処方された混合物の粉末として、もしくは薬学的に許容される担体と組み合わせて溶液又は懸濁液として投与することができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は複数回の投与用のものであってもよく、乾燥粉末又は粉末含有カプセルを利用することができる。あるいは、適当な噴霧剤、例えば、クロロフルオロアルカン、ヒドロフルオロアルカン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用した加圧エアゾールスプレー等の形態であってもよい。
【0065】
通常経口投与の場合、1日の投与量は、体重当たり約0.001から100 mg/kg、好ましくは0.1〜10 mg/kgが適当であり、これを1回であるいは2乃至4回に分けて投与する。静脈投与される場合は、1日の投与量は、体重当たり約0.0001から10 mg/kgが適当で、1日1回乃至複数回に分けて投与する。また、経粘膜剤としては、体重当たり約0.001から10 mg/kgを1日1回乃至複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
【0066】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明化合物(I)の製法を更に詳細に説明する。本発明化合物は下記実施例に記載の化合物に限定されるものではない。また原料化合物の製法を参考例に示す。なお、参考例中の核磁気共鳴スペクトル(NMR)は、TMSを内部標準とした、代表的なピークのδ値を示す。
【0067】
参考例1
tert-ブチル (R)-(ピロリジン-3-イル)カルバマートのアセトニトリル溶液に、2-ブロモメチル-6-フルオロナフタレン(EP-0351194号公報記載の方法により2-フルオロ-6-メチルナフタレンより製造)及び炭酸カリウムを加え、室温下7.5時間撹拌した。反応液を後処理して、tert-ブチル {(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}カルバマートを黄色固体として得た。FAB-MS: 345 [(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 1.36(9H, s)。
【0068】
参考例2
tert-ブチル {(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}カルバマートを酢酸エチル中、4M塩化水素−酢酸エチル溶液で処理して、(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イルアミン 2塩酸塩を無色固体として得た。FAB-MS: 245 [(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 4.56-4.74(2H, m)。
【0069】
参考例3
ジエチルホスホノ酢酸、(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イルアミン 2塩酸塩、WSC塩酸塩、HOBt、トリエチルアミン及びDMFの混合物を室温で3.5時間撹拌した。反応を後処理し、ジエチル 2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチルホスホナートを褐色油状物として得た。FAB-MS: 423 [(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 4.12-4.20(1H, m)。
【0070】
参考例4
水素化ナトリウムとジメトキシエタンの混合物に、ジエチル 2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチルホスホナートのジメトキシエタン溶液を氷冷下加え、室温で30分間攪拌後、tert-ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラートのジメトキシエタン溶液を氷冷下加え、室温で3.5時間攪拌した。反応液を後処理しtert-ブチル 4-[2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチリデン]ピペリジン-1-カルボキシラートを無色泡状物として得た。FAB-MS: 468 [(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 5.70(1H, s)。
【0071】
参考例5
tert-ブチル 4-[2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチリデン]ピペリジン-1-カルボキシラート、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタンの混合物を0℃で30分間攪拌した。反応液を後処理し、N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-2-(ピペリジン-4-イリデン)アセトアミドを微黄色泡状物として得た。FAB-MS: 368 [(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 5.58(1H, s)。
【0072】
参考例6
ジエチル 2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチルホスホナートとtert-ブチル 3-オキソ-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートを用い、参考例4と同様にして、tert-ブチル 3-[2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチリデン]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートを淡黄色非晶性固体として得た。FAB-MS: 494[(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 5.78(1H, s)。
【0073】
参考例7
3-[2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチリデン]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-カルボキシラートを用い、参考例5と同様に処理して、N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-2-(8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イリデン)アセトアミドを淡黄色非晶性固体として得た。FAB-MS: 394[(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 5.62(1H, s)。
【0074】
参考例8
アゼチジン-3-オール 塩酸塩、ピコリン酸、WSC塩酸塩、HOBt、トリエチルアミン及びジクロロメタンの混合物を室温で14時間攪拌した。反応液を後処理した後、エタノールと1 M水酸化ナトリウム水溶液の混合溶媒中、室温で10時間撹拌した。反応液を後処理した後、ジクロロメタン中、ピリジニウムクロロクロマートと共に室温で16時間撹拌した。反応液を後処理し、1-(ピリジン-2-カルボニル)アゼチジン-3-オンを微黄色粉末として得た。FAB-MS: 177 [(M+H)+]、NMR(CDCl3): 4.98-5.01(2H, m)。
【0075】
参考例9
(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イルアミン 2塩酸塩、クロロギ酸エチル、トリエチルアミン及びジクロロメタンの混合物を室温で7時間撹拌した。反応液を後処理した後、ジエチルエーテルとTHFの混合溶媒中で水素化リチウムアルミニウムと共に8時間加熱還流した。反応を後処理し、(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]-N-メチルピロリジン-3-イルアミンを淡黄色油状物として得た。FAB-MS: 259 [(M+H)+]、NMR(CDCl3): 2.36(3H, s)。
【0076】
参考例10
(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]-N-メチルピロリジン-3-イルアミンから参考例3〜5に記載した方法と同様にして、N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-N-メチル-2-(ピペリジン-4-イリデン)アセトアミドを淡黄色油状物として得た。FAB-MS: 382 [(M+H)+]、NMR(CDCl3): 5.74(1H, s)。
【0077】
参考例11
エチル 2-ジエチルホスホノ-2-フルオロアセタートとtert-ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラートから参考例4に記載した方法と同様にして、tert-ブチル 4-(2-エトキシ-1-フルオロ-2-オキソエチリデン)ピペリジン-1-カルボキシラートを無色針状晶として得た。EI-MS: 287 (M)+、NMR(CDCl3): 3.46-3.52(4H, m)。
【0078】
参考例12
tert-ブチル 4-(2-エトキシ-1-フルオロ-2-オキソエチリデン)ピペリジン-1-カルボキシラート、1M水酸化ナトリウム水溶液及びエタノールの混合物を室温で18時間撹拌した。反応液を後処理し、2-[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イリデン]-2-フルオロ酢酸を微黄色固体として得た。FAB-MS: 258 [(M-H)-]、NMR(DMSO-d6): 2.16-2.21(2H, m)。
【0079】
参考例13
2-[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イリデン]-2-フルオロ酢酸、(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イルアミン 2塩酸塩、WSC塩酸塩、HOBt、トリエチルアミン及びDMFの混合物を室温で20時間攪拌した。反応液を後処理し、tert-ブチル 4-[1-フルオロ-2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチリデン]ピペリジン-1-カルボキシラートを淡黄色油状物として得た。FAB-MS: 486 [(M+H)+]、NMR(CDCl3): 3.76(2H, s)。
【0080】
参考例14
tert-ブチル 4-[1-フルオロ-2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチリデン]ピペリジン-1-カルボキシラート、トリフルオロ酢酸及びジクロロメタンの混合物を0℃で4時間攪拌した。反応液を後処理し、2-フルオロ-N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-2-(ピペリジン-4-イリデン)アセトアミドを淡黄色油状物として得た。FAB-MS: 386 [(M+H)+]、NMR(CDCl3): 3.76(2H, s)。
【0081】
参考例15
エチル 2-ジエチルホスホノプロピオナート、tert-ブチル 4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート、炭酸カリウム及びDMFの混合物を70℃で19時間撹拌した。反応液を後処理し、tert-ブチル 4-(2-エトキシ-1-メチル-2-オキソエチリデン)ピペリジン-1-カルボキシラートを微黄色油状物として得た。FAB-MS: 284 [(M+H)+]、NMR(CDCl3): 1.88(3H, s)。
【0082】
参考例16
tert-ブチル 4-(2-エトキシ-1-メチル-2-オキソエチリデン)ピペリジン-1-カルボキシラートから参考例12〜14に記載した方法と同様にして、N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-2-(ピペリジン-4-イリデン)プロピオンアミドを微黄色固体として得た。FAB-MS: 382 [(M+H)+]、NMR(CDCl3): 1.82(3H, s)。
【0083】
参考例17
メチル 3-メチル-1H-インドール-6-カルボキシラート、水酸化カリウム、ヨウ化メチル及びDMSOの混合物を室温で8時間攪拌した。反応液を後処理し、メチル 1,3-ジメチル-1H-インドール-6-カルボキシラートを無色粉末として得た。次いで、メチル 1,3-ジメチル-1H-インドール-6-カルボキシラートのメタノール溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、40℃で16時間攪拌した。反応液を後処理し、1,3-ジメチル-1H-インドール-6-カルボン酸を黄色粉末として得た。FAB-MS: 190 [(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 3.79(3H, s)。
【0084】
参考例18
メチル 1H-ベンズイミダゾール-4-カルボキシラート、硫酸ジメチル、トリエチルアミン及びDMFの混合物を80℃で28時間攪拌した。反応液を後処理し、カラムクロマトグラフィーによる精製を行うことにより、メチル 1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-4-カルボキシラートを淡褐色粉末として得た。FAB-MS: 191 [(M+H)+]、NMR(CDCl3): 3.90(3H, s)。
【0085】
このものと1M水酸化ナトリウム水溶液及びメタノールの混合物を室温で23時間撹拌した。反応液を後処理し、1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-4-カルボン酸を褐色粉末として得た。FAB-MS: 177 [(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 3.86(3H, s)。
【0086】
参考例19
メチル 5-メトキシピリジン-2-カルボキシラートのジクロロメタン溶液にm-クロロ過安息香酸を加え、室温で16.5時間攪拌した。反応液を後処理し、メチル 5-メトキシピリジン-2-カルボキシラート 1-オキシドを黄色固体として得た。次いで、メチル 5-メトキシピリジン-2-カルボキシラート 1-オキシドのメタノール溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温で4時間攪拌した。反応液を後処理し、5-メトキシピリジン-2-カルボン酸 1-オキシドを無色固体として得た。FAB-MS: 170 [(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 3.98(3H, s)。
【0087】
参考例20
5-メチルピリジン-3-オールのジクロロメタン溶液にm-クロロ過安息香酸を加え、室温で14時間攪拌した。反応液を後処理し、5-メチルピリジン-3-オール 1-オキシドを褐色粉末として得た。次いで、5-メチルピリジン-3-オール 1-オキシド、トリメチルシリルシアニド及びジクロロメタンの混合物に、N,N-ジメチルカルバミン酸クロリドのジクロロメタン溶液を徐々に加え、室温で18時間攪拌した。反応液を後処理し、3-ヒドロキシ-5-メチルピリジン-2-カルボニトリルを淡褐色粉末として得た。FAB-MS: 135 [(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 2.32(3H, s)。
【0088】
3-ヒドロキシ-5-メチルピリジン-2-カルボニトリルに47%臭化水素酸水溶液を加え、還流下23時間攪拌した。反応液を後処理後、3-ヒドロキシ-5-メチルピリジン-2-カルボン酸を淡褐色粉末として得た。FAB-MS: 152 [(M-H)-]、NMR(DMSO-d6): 2.39(3H, s)。
【0089】
参考例21
3,5-ジメトキシピリジン 1-オキシド、トリメチルシリルシアニド及びジクロロメタンの混合物に、N,N-ジメチルカルバミン酸クロリドのジクロロメタン溶液を加え、室温で20時間攪拌した。反応液を後処理し3,5-ジメトキシピリジン-2-カルボニトリルを淡黄色固体として得た。FAB-MS: 165 [(M+H)+]、NMR(CDCl3): 6.78(1H, d, J=2.4Hz)。
【0090】
3,5-ジメトキシピリジン-2-カルボニトリルを用い、参考例20と同様に処理して、3-ヒドロキシ-5-メトキシピリジン-2-カルボン酸を淡紫色固体として得た。ESI-MS: 154 [(M-H)-]、NMR(DMSO-d6): 3.89(3H, s)。
【0091】
参考例22
2-(ベンジロキシ)エタノール、水素化ナトリウム及びTHFの混合物に、エチル 2-クロロニコチナートのTHF溶液を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を後処理し、エチル 2-[2-(ベンジロキシ)エトキシ]ニコチナートを無色油状物として得た。FAB-MS: 302 [(M+H)+]、NMR(CDCl3): 4.61(1H, t, J=5.2Hz)。
【0092】
エチル 2-[2-(ベンジロキシ)エトキシ]ニコチナートをエタノール中、水酸化パラジウム存在下、水素化分解を行うことによりベンジル基を除去した後、エステル基を加水分解することにより、2-(2-ヒドロキシエトキシ)ニコチン酸を無色固体として得た。FAB-MS: 182 [(M-H)-] 、NMR(DMSO-d6): 4.38(1H, t, J=5.2Hz)。
【0093】
参考例23
1,7-ジメチル-1H-ベンズイミダゾール、過マンガン酸カリウム及び水の混合物を室温で13時間、次いで100℃で3.5時間攪拌した。反応液を後処理し、1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-7-カルボン酸を微黄色粉末として得た。FAB-MS: 177 [(M+H)+]、NMR(DMSO-d6): 3.97(3H, s)。
【0094】
実施例1
N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-2-(ピペリジン-4-イリデン)アセトアミド300 mg のDMF 10 ml溶液に、HOBt 110 mg及び1H-インドール-4-カルボン酸132 mgを加え、更にPS-カルボジイミド(1.35 mmol/g) 1.0 gを加えた後、室温下1日攪拌した。反応液を濾過後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム/28%アンモニア水=0/100/0〜4/96/0.4)で精製して、N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-2-[1-(1H-インドール-4-イルカルボニル)ピペリジン-4-イリデン]アセトアミド115 mgを無色非晶性固体として得た。
【0095】
実施例2
N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-2-(ピペリジン-4-イリデン)アセトアミド250 mg、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾオキサゾール-7-カルボン酸134 mg、ジクロロメタン3 ml及びDMF3 mlの混合物に、室温下ジイソプロピルエチルアミン0.13 mlとPyBroP(登録商標)349 mgを順次加え、室温で7.5時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50 mlを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム/28%アンモニア水=0/100/0〜5/95/0.5)で精製して、N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-2-{1-[(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,3-ベンゾオキサゾール-7-イル)カルボニル]ピペリジン-4-イリデン}アセタミド176 mgを無色非晶性固体として得た。
【0096】
実施例3
60%水素化ナトリウム24 mgとジメトキシエタン0.5 mlの混合物に、ジエチル 2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチルホスホナート247 mgとジメトキシエタン1.5 mlの混合物を氷冷下加え、室温で40分間攪拌後、1-(ピリジン-2-カルボニル)アゼチジン-3-オン86 mgとジメトキシエタン1 mlの混合物を氷冷下加え、室温で18時間攪拌した。反応液にクロロホルム30 mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20 mlで洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム/28%アンモニア水=0.5/99.5/0.05〜2/98/0.2)で精製して、N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-2-[1-(ピリジン-2-イルカルボニル)アゼチジン-3-イリデン]アセトアミド46 mgを微褐色非晶性固体として得た。
【0097】
実施例4
N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-N-メチル-2-(ピペリジン-4-イリデン)アセトアミド321 mg、ピコリン酸124 mg及びジクロロメタン3 mlの混合物に、氷冷下でWSC塩酸塩226 mgを加え、室温で11時間撹拌した。反応液にクロロホルム50 mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30 mlで洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/クロロホルム/28%アンモニア水=0.5/99.5/0.05〜2/98/0.2)で精製して、N-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-N-メチル-2-[1-(ピリジン-2-イルカルボニル)ピペリジン-4-イリデン]アセトアミド251 mgを淡黄色非晶性固体として得た
【0098】
実施例5
2-(メトキシカルボニル)ニコチン酸及びN-{(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}-2-(ピペリジン-4-イリデン)アセトアミドを用い、実施例2と同様にして、メチル 3-({4-[2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチリデン]ピペリジン-1-イル}カルボニル)ピリジン-2-カルボキシラートを得た後、エステル基を加水分解することにより、3-({4-[2-({(R)-1-[(6-フルオロナフタレン-2-イル)メチル]ピロリジン-3-イル}アミノ)-2-オキソエチリデン]ピペリジン-1-イル}カルボニル)ピリジン-2-カルボン酸を無色非晶性固体として得た。
【0099】
実施例1〜4の方法と同様にして後記表1〜4に示す実施例化合物を、それぞれ対応する原料を使用して製造した。実施例1〜30の化合物の構造及び物理化学的データを表1〜4にそれぞれ示す。
【0100】
表中、以下に示す略号を用いる。Me:メチル、Ex:実施例番号、Syn:製造法(数字は同様に製造した実施例番号を示す。)、Dat:物理化学的性状(FP:FAB-MS [(M+H)+]、FN:FAB-MS [(M-H)-]、NMR1:NMR(DMSO-d6, TMS内部標準)の代表的なピークのδ値、NMR2:NMR(CDCl3, TMS内部標準)の代表的なピークのδ値)。
【0101】
【表1】

【0102】
【表2】

【0103】
【表3】

【0104】
【表4】

【0105】
試験例
本発明化合物の作用は以下の薬理試験によって確認された。
1.ヒトCCR3発現細胞を用いた細胞内カルシウム濃度上昇抑制作用の評価
本発明化合物のin vitro CCR3拮抗作用は、ヒトCCR3発現細胞を用いて、CCR3特異的なアゴニストであるヒトeotaxinによって誘導される細胞内カルシウム濃度上昇の抑制作用で評価した。ヒトCCR3をコードするcDNAを正常ヒト末梢血好酸球よりクローニングし、発現ベクターpEF BOS-neo(Nucleic Acids Research. 18 (17): 5322, 1990)に導入し、pEF BOS-neo-CCR3を作成した。次に、エレクトロポレーション法により、pEF BOS-neo-CCR3をB300-19(マウスpre-B細胞、Cell. 27(2 part 1): 381-390, 1981)にトランスフェクションし、2 mg/mlの抗生物質G418 二硫酸塩に耐性な安定株を得た(Blood. 93(1): 34-42, 1999)。この細胞株を1%ウシ胎児血清含有RPMI1640培地(Gibco、BRL、メリーランド州、米国)に懸濁し、5μMのfura-2/AM(同仁化学、熊本、日本)を加え、37℃で30分間インキュベーションした。これを細胞内カルシウム測定溶液(0.1% ウシ血清アルブミン(BSA), 130 mM NaCl, 5.4 mM KCl, 1 mM MgCl2, 2.5 mM CaCl2, 5.5 mM glucose, 20 mM HEPES (pH 7.4))で3回洗浄し、同溶液に懸濁した。細胞懸濁液をスターラーで撹拌しながら340 nm及び380 nmで励起して500 nmの蛍光を測定し、細胞内カルシウム濃度上昇をGrynkiewiczらの方法(J. Biol. Chem. 260 (6): 3440-3450, 1985)により算出した。細胞懸濁液に本発明化合物を添加して1分間前処置した後、ヒトeotaxin(Pepro tech Inc、ニュージャージー州、米国)50 ng/mlを添加することでCCR3受容体を刺激した。本発明化合物の入っていない溶液を添加した際の細胞内カルシウム濃度上昇と様々な濃度の本発明化合物を添加した際の細胞内カルシウム濃度上昇から、本発明化合物のそれぞれの濃度における抑制率を算出し、これらの値をもとに本発明化合物のIC50値(ヒトeotaxin刺激による細胞内カルシウム濃度上昇を50%抑制する濃度)を算出した。
【0106】
本発明の実施例1〜30の化合物は、3μM以下のIC50値を示した。
更に本発明化合物の有用性は、以下の試験によっても確認される。
【0107】
2.ヒト末梢血好酸球脱顆粒阻害作用の評価
Eotaxinに代表されるCCR3のリガンドは、CCR3からの刺激により好酸球の脱顆粒を引き起こす。脱顆粒した好酸球はmajor basic protein (MBP)、eosinophil cationic protein (ECP)、eosinophil-derived neurotoxin (EDN)、eosinophil peroxidase (EPO)等の細胞傷害性タンパクを放出し、気道上皮を傷害し、喘息の主症状の一つである気道過敏性を引き起こす。よって、より喘息の病態を反映した評価系として、ヒトeotaxin刺激によるヒト好酸球の脱顆粒を遊離したEDN量として検出し、その阻害作用を検討する。
【0108】
健常人より提供された全血50 mlをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2倍希釈した後、HISTOPAQUE 1083(登録商標:Sigma、ミズーリ州、米国)上に重層して遠心分離し、密度比重勾配法によって顆粒球分画を得る。この分画を滅菌蒸留水で溶血した後、抗CD16抗体-マイクロビーズと磁気細胞分離システム(Miltenyi Biotec、Bergisch Gladbach、ドイツ)を用い、精製好酸球(好酸球比率>95%)を得る。この好酸球を0.1% BSA含有RPMI1640培地に懸濁し、4x104/wellとなるように96穴プレートに分注して実験に用いる。なお、各ウェルは前もって2.5% BSA含有PBSにより37℃で2時間処理してブロッキングを行う。ヒトeotaxin 5 ng/mlを添加後、CO2インキュベーター内に細胞を4時間静置する。この後、細胞上清を回収して上清中のEDN量をPharmacia EPX RIAキット(Pharmacia Corporation、ニュージャージー、米国)によって測定する。ヒトeotaxinによる刺激時にDMSOに溶解した化合物を添加し(最終DMSO濃度0.1%)EDN遊離に対する阻害作用をIC50値(ヒトeotaxin刺激によるEDN遊離を50%抑制する濃度)で示す。
【0109】
3.卵白アルブミン誘発マウス喘息モデルにおける肺への好酸球浸潤抑制作用
雌性BALB/cマウスを6週齢で購入後、1週間の予備飼育を経て実験に用いる。マウスは試験開始1日目及び14日目に20μgの卵白アルブミン(OVA)と2 mgの水酸化アルミニウムを含む混合液0.2 mlを腹腔内投与することにより感作する。28日目、29日目及び30日目の計3回、20μg/mlのOVA含有PBSを添加した超音波式ネブライザー(NE-U12、オムロン、京都、日本)で発生させたエアロゾルを20分間吸入させ、喘息反応を誘発する(誘発群)。非誘発群はPBSのみを20分間吸入させる(非誘発群)。本発明化合物の入っていない溶媒又は本発明化合物を含む薬液はOVA含有PBSを吸入する前に投与する。誘発してから48時間後、エーテル麻酔下に放血致死させた後、気管カニューレを挿入し、0.7 mlの生理食塩水で肺胞腔内を4回洗浄し、細胞を回収する。この肺胞腔内洗浄液をプラスチックチューブに移して遠心分離し、上清を取り除いた後、細胞を1 mlのHank's balanced salt solution(インビトロジェン株式会社、東京、日本)に懸濁する。この細胞懸濁液中に含まれる総白血球数を多項目自動血球計数装置(トーアメディカル株式会社、兵庫、日本)を用いて測定する。好酸球数は、Cytospin(登録商標:Shandon、ピッツバーグ州、米国)にて塗抹標本を作製し、メイ・グリュンワルド・ギムザ染色法で染色した後に光学顕微鏡下で計数した比率と総細胞数から算出する。本発明化合物の入っていない溶媒を投与した際の好酸球数と本発明化合物を投与した際の好酸球数から、本発明化合物の抑制率を算出する。
【0110】
【発明の効果】
本発明化合物は医薬製剤の活性成分として有用である。特にCCR3に結合し、CCR3発現細胞の活性化を抑制する作用(CCR3拮抗作用)を有するため、CCR3の関与する喘息、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、関節リウマチ等のアレルギー又は自己免疫疾患等及びHIV感染とそれに伴う脳炎及び痴呆症等の予防・治療薬として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で示されるアクリルアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩。
【化1】

(式中の記号は以下の意味を示す。
B:-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-C(R3)(X1-A1)-又は-N(X1-A1)-;
A及びA1:同一又は互いに異なって、H、置換されていてもよい炭化水素環又は置換されていてもよいヘテロ環;
X及びX1:同一又は互いに異なって、単結合、-R00-、低級アルケニレン、低級アルキニレン、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、-NR4-、-CO-、-CO2-、-CONR4-、-NR4CO-、-NR4-CO2-、-NR4-CO-NR5-、-NR4SO2-、-SO2NR4-、-O-CO-、-O-CO-NR4-、-R00-O-、-R00-S-、-R00-SO-、-R00-SO2-、-低級アルケニレン-SO2-、-R00-NR4-、-R00-CO-、-低級アルケニレン-CO-、-R00-O-CO-、-R00-CO2-、-R00-CONR4-、-低級アルケニレン-CO2-、-低級アルケニレン-CONR4-、-R00-NR4CO-、-R00-NR4-CO2-、-R00-NR4-CO-NR5-、-R00-NR4SO2-、-R00-SO2NR4-、-低級アルケニレン-SO2NR4-、-R00-O-CO-NR4-、-O-R00-、-S-R00-、-SO-R00-、-SO2-R00-、-NR4-R00-、-CO-R00-、-CONR4-R00-、-NR4CO-R00-、-NR4-CO-NR5-R00-、-NR4SO2-R00-、-SO2NR4-R00-、-O-CO-NR4-R00-、-CO-R00-S-、-S-R00-CO-、-NR4-R00-CO-、-CO-R00-NR4-、-CO-R00-O-、-O-R00-CO-又は-C(=N-OR4)-;
R00:置換されていてもよい低級アルキレン;
R4及びR5:同一又は互いに異なって、H又は低級アルキル;或いはR4とR5が一体となってそれらが結合する原子とともに含窒素飽和ヘテロ環を形成してもよい;
R6及びR7:同一又は互いに異なって、-H、-R0、ハロゲン、-OH、-O-低級アルキル、-CN、-CONH2、-CO2H又は-CO2-低級アルキル;或いはR6及びR7が一体となってオキソ基を形成してもよく、或いはR6及びR7が一体となってヘテロ原子で中断されていてもよい低級アルキレンとしてR6及びR7が結合する環とスピロ環、縮合環又は架橋環を形成してもよい;
R0:置換されていてもよい低級アルキル;
R3:H、OH、O-低級アルキル、NH2、NH-低級アルキル又はN(低級アルキル)2
k:0、1又は2;
m:0、1又は2;
Y:オキソ若しくはハロゲンで置換されていてもよい低級アルキレン、又はオキソ若しくはハロゲンで置換されていてもよい低級アルケニレン;
R8:H、低級アルキル、ハロゲンで置換された低級アルキル又はハロゲン;
R9:H又は低級アルキル;
n:0、1又は2;
R1及びR2:同一又は互いに異なって、-H、-R0、ハロゲン、-OH、-O-低級アルキル、-CN、-CONH2、-CO2H又は-CO2-低級アルキル;或いはR1及びR2が一体となってオキソ基を形成してもよく、或いはR1及びR2が一体となってヘテロ原子で中断されていてもよい低級アルキレンとしてR1及びR2が結合する環とスピロ環、縮合環又は架橋環を形成してもよい;
D:置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロ環又は置換されていてもよいシクロアルキル。
但し、式(I)中、
【化2】

【請求項2】
請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とからなる医薬組成物。
【請求項3】
請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とからなるCCR3拮抗剤である医薬組成物。

【公開番号】特開2006−76884(P2006−76884A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−91009(P2003−91009)
【出願日】平成15年3月28日(2003.3.28)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】