説明

アライメント装置

【課題】アライメント装置の小型化を図ることが可能な技術を提供する。
【解決手段】アライメント装置は、被接合物91を保持するステージ12と、ステージ12を摺動可能に支持する支持部材と、ステージ12の側方から押圧力を加えることによって、ステージ12を略水平平面に平行な方向に移動する位置調整機構50とを備える。位置調整機構50は、押圧点PT11においてステージ12をX方向に押圧する押圧力付与部51と、押圧点PT12においてステージ12をY方向に押圧する押圧力付与部52と、押圧点PT13においてステージ12をY方向に押圧する押圧力付与部53とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の位置合わせを行うアライメント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程等において、対向する2つの対象物(半導体ウエハ等)をアライメント(位置決め)して接合する技術が存在する。
【0003】
たとえば、特許文献1には、比較的上方のヘッドに保持された対象物(チップ)と比較的下方のステージに保持された対象物(基板)とをアライメントして接合することが記載されている。より詳細には、ステージテーブルを水平平面に平行な方向(具体的には、X方向、Y方向等)に移動させることによって、2つの対象物(チップおよび基板)をアライメントすることなどが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−138181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなステージテーブルにおいては、通常、X方向への移動を実現するX方向移動機構とY方向への移動を実現するY方向移動機構との2つの移動機構が鉛直方向(Z方向)に積層されて配置される。より詳細には、X方向移動機構は、モータおよびベアリング等により構成され、Y方向移動機構も同様の要素により構成される。
【0006】
しかしながら、そのような積層構造を有する駆動機構によって並進2方向(X方向およびY方向)の移動を実現すると、当該駆動機構が特に鉛直方向において大型化し、ひいてはアライメント装置の大型化を招来してしまう、という問題が存在する。
【0007】
そこで、この発明の課題は、アライメント装置の小型化を図ることが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント装置であって、前記第1の対象物を保持する第1の保持部材と、前記第2の対象物を保持する第2の保持部材と、前記第1の保持部材を摺動可能に支持する支持手段と、前記第1の保持部材の側方から前記第1の保持部材に対して押圧力を加えることによって、前記第1の保持部材を略水平平面に平行な方向に移動する移動手段と、を備え、前記移動手段は、第1の押圧点において前記第1の保持部材を第1の方向に押圧する第1の押圧力付与手段と、第2の押圧点において前記第1の保持部材を第2の方向に押圧する第2の押圧力付与手段と、第3の押圧点において前記第1の保持部材を第3の方向に押圧する第3の押圧力付与手段と、を有し、前記第1の方向、前記第2の方向および前記第3の方向は、それぞれ、略水平平面に平行な方向であるとともに、前記第1の方向、前記第2の方向および前記第3の方向のうちの少なくとも2つは、互いに異なる方向であることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係るアライメント装置において、前記第1の押圧力付与手段、前記第2の押圧力付与手段、および前記第3の押圧力付与手段は、それぞれ、ピエゾアクチュエータを有することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係るアライメント装置において、前記第1の押圧力付与手段、前記第2の押圧力付与手段、および前記第3の押圧力付与は、それぞれ、前記ピエゾアクチュエータにより構成される第1の伸縮部と前記第1の伸縮部の位置を変更する第2の伸縮部とを有し、前記第2の伸縮部は、前記第1の伸縮部よりも大きな可動範囲を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明に係るアライメント装置において、前記移動手段は、前記第1の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第1の押圧点とは反対側の第4の押圧点にて、前記第1の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの押圧力を前記第1の保持部材に付与する第4の押圧力付与手段と、前記第2の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第2の押圧点とは反対側の第5の押圧点にて、前記第2の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの押圧力を前記第1の保持部材に付与する第5の押圧力付与手段と、前記第3の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第3の押圧点とは反対側の第6の押圧点にて、前記第3の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの押圧力を前記第1の保持部材に付与する第6の押圧力付与手段と、を有し、前記第4の押圧力付与手段、前記第5の押圧力付与手段、および前記第6の押圧力付与手段は、それぞれ、ピエゾアクチュエータを有することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明に係るアライメント装置において、前記移動手段は、前記第1の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第1の押圧点とは反対側の第1の弾性支持点にて、前記第1の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの弾性支持力を前記第1の保持部材に付与する第1の弾性支持手段と、前記第2の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第2の押圧点とは反対側の第2の弾性支持点にて、前記第2の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの弾性支持力を前記第1の保持部材に付与する第2の弾性支持手段と、前記第3の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第3の押圧点とは反対側の第3の弾性支持点にて、前記第3の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの弾性支持力を前記第1の保持部材に付与する第3の弾性支持手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかの発明に係るアライメント装置において、略水平平面に平行な方向における前記両対象物の相互間の位置ずれを検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記位置ずれに基づいて、前記第1の保持部材を略水平平面に平行な方向に移動させ前記両対象物の位置合わせを行う制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかの発明に係るアライメント装置において、前記第2の保持部材に保持された前記第2の対象物の傾きを調整する傾き調整手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項7の発明に係るアライメント装置において、前記傾き調整手段は、略水平平面内における異なる位置にてそれぞれ独立して鉛直方向に伸縮する3つのピエゾアクチュエータを有することを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかの発明に係るアライメント装置において、前記両対象物を互いに接触させ前記両対象物を加圧する加圧手段、をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、請求項9の発明に係るアライメント装置において、前記加圧手段による加圧時において前記第1の保持部材を面支持する支持台、をさらに備え、前記支持手段は、前記第1の保持部材を独立した3つの位置で支持する3つの支持部材と、前記3つの支持部材を昇降する昇降手段と、を有し、前記両対象物の位置合わせ時においては、前記第1の保持部材が前記支持台に対して離間して配置された状態で、前記第1の保持部材が前記3つの支持部材によって支持されており、前記加圧手段による加圧時においては、前記昇降手段により前記3つの支持部材が退避位置にまで駆動され前記第1の保持部材が前記支持台の支持面で面支持されることを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、請求項9の発明に係るアライメント装置において、前記支持手段は、前記両対象物の位置合わせ時において前記第1の保持部材を独立した3つの位置で摺動可能に支持する3つの支持部材を有し、前記3つの支持部材は、前記加圧手段による加圧時において、前記第1の保持部材を面支持することを特徴とする。
【0019】
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかの発明に係るアライメント装置において、前記第1の対象物と前記第2の対象物とを真空状態で収容する真空チャンバ、をさらに備えることを特徴とする。
【0020】
請求項13の発明は、第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント装置であって、前記第1の対象物を保持する第1の保持部材と、前記第2の対象物を保持する第2の保持部材と、前記第1の保持部材を摺動可能に支持する支持手段と、前記第1の保持部材と当該第1の保持部材を挟持する3組の挟持部との各接触位置をそれぞれ各挟持部に対応する挟持方向において変更することによって、前記第1の保持部材を略水平平面に平行な方向に移動する移動手段と、を備え、前記3組の挟持部の3つの挟持方向のうちの少なくとも2つの挟持方向は、互いに異なる方向であることを特徴とする。
【0021】
請求項14の発明は、第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント装置であって、前記第1の対象物を保持する第1の保持部材と、前記第2の対象物を保持する第2の保持部材と、前記第1の保持部材を摺動可能に支持する支持手段と、前記第1の保持部材の外周側に配置され、前記第1の保持部材を当該第1の保持部材の側方から挟持する3組の挟持部と、を備え、前記3組の挟持部は、前記第1の保持部材と前記3組の挟持部との各接触位置をそれぞれ各挟持部に対応する挟持方向において変更することによって、前記第1の保持部材を略水平平面に平行な方向にスライド移動する駆動手段をそれぞれ有し、前記3組の挟持部の3つの挟持方向のうちの少なくとも2つの挟持方向は、互いに異なる方向であり、前記支持手段は、前記第1の保持部材に対して前記第2の保持部材とは上下方向反対側において、前記第1の保持部材の中央部下方あるいは中央部上方の空間よりも外周側に配置されることを特徴とする。
【0022】
請求項15の発明は、請求項14の発明に係るアライメント装置において、前記第1の保持部材の中央部下方あるいは中央部上方の空間に配置される紫外線照射手段、をさらに備え、前記第1の保持部材の中央部には透光部が設けられ、前記紫外線照射手段により照射される光は、前記透光部を通過して、前記第1の対象物上の光硬化樹脂あるいは前記第2の対象物上の光硬化樹脂を硬化することを特徴とする。
【0023】
請求項16の発明は、請求項14の発明に係るアライメント装置において、前記両対象物を互いに接触させ前記両対象物を加圧して接合する加圧手段と、前記第1の保持部材の前記中央部下方あるいは中央部上方の空間に配置され、前記加圧手段による加圧時において前記第1の保持部材を面支持する支持台と、をさらに備え、前記支持手段は、前記第1の保持部材の支持部材を昇降する昇降手段を有し、前記両対象物の位置合わせ時においては、前記第1の保持部材が前記支持台に対して離間して配置された状態で、前記第1の保持部材が前記支持部材によって支持され、前記加圧手段による加圧時においては、前記昇降手段により前記支持部材が退避位置にまで駆動され前記第1の保持部材が前記支持台の支持面で面支持されることを特徴とする。
【0024】
請求項17の発明は、請求項14ないし請求項16のいずれかの発明に係るアライメント装置において、前記支持手段は、前記第1の保持部材の底面を非同一線上の3つの位置で支持する3つの支持部材を有し、前記3組の挟持部のうち前記第1の保持部材の回転駆動に寄与する2組の狭持部の各接触位置と回転中心との平均距離が、前記3つの位置のそれぞれと前記回転中心との平均距離よりも大きくなるように、前記2組の挟持部が互いに離間して配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1ないし請求項12に記載の発明によれば、第1の保持部材が支持手段により摺動可能に支持され、第1の保持部材の側方から第1の保持部材に対して押圧力が加えられて第1の保持部材が略水平方向に移動する。特に、互いに異なる方向の2つの押圧力が第1の保持部材に付与されることにより、略水平平面に平行な2つの並進方向において第1の保持部材を摺動移動させることが可能である。したがって、従来技術のような積層構造を用いて水平2方向の駆動を実現する場合に比べて、装置の小型化を図りつつ水平2方向の駆動を実現することが可能である。また、他の3つ目の押圧力をも用いることによって、略水平平面内の回転方向における位置合わせを行うことも可能である。
【0026】
特に、請求項2に記載の発明によれば、第1の押圧力付与手段、第2の押圧力付与手段、および第3の押圧力付与手段は、それぞれ、ピエゾアクチュエータを有するので、微細な位置調整が可能である。
【0027】
また特に、請求項4に記載の発明によれば、摺動時の摩擦力が比較的大きい場合にも、各方向において両方の向きの移動を良好に実現することが可能である。
【0028】
また特に、請求項8に記載の発明によれば、両対象物の相互間の相対位置および相対姿勢を随意に且つ微細に制御することが可能である。
【0029】
また特に、請求項10に記載の発明によれば、加圧手段による加圧時においては、昇降手段により3つの支持部材が退避位置にまで駆動され第1の保持部材が支持台の支持面で面支持されるので、撓みが生じにくい状態で両対象物を良好に加圧することが可能である。
【0030】
また、請求項13ないし請求項17に記載の発明によれば、第1の保持部材が支持手段により摺動可能に支持され、第1の保持部材と当該第1の保持部材を挟持する3組の挟持部との各接触位置がそれぞれ各挟持部に対応する挟持方向において変更されることによって、第1の保持部材が略水平平面に平行な方向に移動する。特に、3組の挟持部の3つの挟持方向のうちの少なくとも2つの挟持方向は、互いに異なる方向であるので、略水平平面に平行な2つの並進方向において第1の保持部材を摺動移動させることが可能である。したがって、従来技術のような積層構造を用いて水平2方向の駆動を実現する場合に比べて、装置の小型化を図りつつ水平2方向の駆動を実現することが可能である。また、他の3つ目の挟持方向の力をも用いることによって、略水平平面内の回転方向における位置合わせを行うことも可能である。
【0031】
また特に、請求項14に記載の発明によれば、3組の挟持部が第1の保持部材の外周側に配置されるとともに支持手段が第1の保持部材の中央部下方または中央部上方の空間の外周側に配置されるため、当該空間の有効利用を図ることが可能である。
【0032】
また特に、請求項15に記載の発明によれば、第1の保持部材の中央部下方または中央部上方の空間の有効利用を図り、当該空間に紫外線照射手段を配置し、第1の保持部材の中央部に設けられた透光部を介して対象物上の光硬化樹脂を硬化させることが可能である。
【0033】
また特に、請求項16に記載の発明によれば、第1の保持部材の中央部下方または中央部上方の空間の有効利用を図り、当該空間に設けられた支持台の支持面を用いて第1の保持部材を面支持し高荷重のプレス動作を行うことが可能である。
【0034】
また特に、請求項17に記載の発明によれば、3つの位置で発生する摩擦モーメントよりも大きな駆動モーメントを、比較的容易に発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】アライメント装置の概略構成を示す図である。
【図2】アライメント装置の概略構成を示す拡大図である。
【図3】ステージおよびヘッド付近を示す概略斜視図である。
【図4】一方の被接合物に付される2つのアライメントマークを示す図である。
【図5】他方の被接合物に付される2つのアライメントマークを示す図である。
【図6】両被接合物に関する撮影画像を示す図である。
【図7】1組のマークが互いにずれている状態を示す図である。
【図8】位置調整機構の概略構成を示す上面図である。
【図9】X方向の移動動作を示す図である。
【図10】Y方向の移動動作を示す図である。
【図11】θ方向の移動動作を示す図である。
【図12】両被接合物が非接触状態で対向配置されている様子を示す図である。
【図13】ヘッドが下降し両被接合物が接触する様子を示す図である。
【図14】支持部材が下降し両被接合物が接合される様子を示す図である。
【図15】変形例に係る位置調整機構を示す図である。
【図16】変形例に係るX方向の移動動作を示す図である。
【図17】変形例に係るY方向の移動動作を示す図である。
【図18】変形例に係るθ方向の移動動作を示す図である。
【図19】変形例に係るアライメント装置の概略構成を示す図である。
【図20】変形例に係る支持部材付近の構成を示す図である。
【図21】別の変型例に係るアライメント装置(光硬化樹脂硬化装置)を示す図である。
【図22】ナノインプリント処理の一部工程を示す図である。
【図23】ナノインプリント処理の一部工程を示す図である。
【図24】テーブル部材の支持位置等に関する変型例を示す図である。
【図25】さらに別の変型例に係るアライメント装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
<1.装置構成>
<概要>
図1は、本発明の実施形態に係るアライメント装置1(1Aとも称する)を示す縦断面図であり、図2は、図1の中央部付近を示す拡大図である。当該アライメント装置1は、2つの対象物91,92の位置合わせを行う装置である。なお、図1および図2等においては、便宜上、XYZ直交座標系を用いて方向等を示している。
【0038】
また、このアライメント装置1は、両対象物91,92をアライメントした後、両対象物91,92を接合する装置でもある。詳細には、当該アライメント装置1は、減圧下のチャンバ(真空チャンバ)2内で、対象物91と対象物92とを対向させて加圧および加熱し、両対象物91,92を接合する。そのため、当該アライメント装置1は、接合装置であるとも表現される。また、各対象物91,92は、それぞれ、被接合物であるとも表現される。
【0039】
このアライメント装置1は、両被接合物91,92の処理空間である真空チャンバ2を備える。真空チャンバ2は、排気管6と排気弁7とを介して真空ポンプ5に接続されている。真空ポンプ5の吸引動作に応じて真空チャンバ2内の圧力が低減(減圧)されることによって、真空チャンバ2は真空状態にされる。また、排気弁7は、その開閉動作と排気流量の調整動作とによって、真空チャンバ2内の真空度を調整することができる。両被接合物91,92は、真空チャンバ2によって真空状態(減圧状態)で収容され、当該両被接合物91,92に対する各種の処理が真空状態で実行される。
【0040】
また、このアライメント装置1は、2つの被接合物91,92を接合する前に、当該両被接合物91,92の表面を活性化させる表面活性化処理をも行う。そのため、このアライメント装置1は、表面活性化装置であるとも表現される。たとえば、アライメント装置1内のエネルギー波照射部(不図示)によって各種のエネルギー波が当該両被接合物91,92の表面に付与されることによって、両被接合物91,92の表面の不純物が除去されるとともに、当該表面が活性化される。より詳細には、アルゴンあるいは酸素等を用いたプラズマ処理による表面活性化処理、あるいは、アルゴン等を用いたイオンビーム処理、原子ビーム処理等による表面活性化処理が実行される。
【0041】
<ヘッドおよびステージ>
アライメント装置1は、ヘッド22とステージ12とを真空チャンバ2内に備えている。ヘッド22は、上側の被接合物92を保持する保持部材であり、ステージ12は、下側の被接合物91を保持する保持部材である。ヘッド22は、ベース部材22b(図2参照)と保持機構(静電チャック等)22hとを有しており、ステージ12は、テーブル部材12bと保持機構(静電チャック等)12hとを有している。保持機構22hは、ベース部材22bの下側に設けられており、両被接合物91,92のうち比較的上側の被接合物92を保持する。一方、保持機構12hは、テーブル部材12bの上側に設けられており、両被接合物91,92のうち比較的下側の被接合物92を保持する。両被接合物91,92は、ステージ12およびヘッド22によって、略水平平面に平行に保持される。また、被接合物92は、被接合物91の上部側において被接合物91に対向するように保持される。
【0042】
ヘッド22は、Z軸昇降駆動機構26(図1)によってZ方向に移動(昇降)される。ステージ12とヘッド22とがZ方向に相対的に移動することによって、ステージ12に保持された被接合物91とヘッド22に保持された被接合物92とが接触し加圧されて接合される。すなわち、両被接合物91,92は、ヘッド22およびZ軸昇降駆動機構26等によって、互いに接触され加圧される。なお、Z軸昇降駆動機構26は、複数の圧力検出センサ(ロードセル等)29,32(32a,32b,32c)により検出された信号に基づいて、接合時の加圧力を制御することも可能である。
【0043】
また、各保持機構22h,12hは、それぞれ、ヒータを内蔵している。当該各内蔵ヒータにより、ヘッド22に保持された被接合物92の温度、およびステージ12に保持された被接合物91の温度は、それぞれ、適宜に調整される。
【0044】
図3は、ステージ12およびヘッド22付近を示す概略斜視図である。図3に示すように、ステージ12のテーブル部材12bは、平面視(上面視)にて略矩形形状を有する板状部材である。また、略円形形状の保持機構12hは、被接合物91(ここでは略円形形状の半導体ウエハ91)をその上部側に保持する。同様に、略円形形状の保持機構22h(図2)は、被接合物92(ここでは略円形形状の半導体ウエハ92)をその下部側に保持する。
【0045】
また、ステージ12のテーブル部材12bの底面側には、3つの支持部材57(図3)が設けられており、テーブル部材12bの底面は、独立した3つの位置(非同一直線上の3つの位置)PT1,PT2,PT3で当該3つの支持部材57によって支持される。これにより、ステージ12は、略水平平面に平行に支持される。また、各支持部材57の上端部は、略半球状部分を有しており、各支持部材57は、テーブル部材12bの底面との各接触点PT1,PT2,PT3(図8も参照)にて、それぞれ、テーブル部材12bの底面と点接触している。したがって、各支持部材57とテーブル部材12bとの間の摺動抵抗(摩擦力)は小さく、ステージ12は良好にスライド移動することが可能である。このように、ステージ12(詳細にはテーブル部材12b)は、当該テーブル部材12bの底面側にて、3つの支持部材57によって、略水平平面に水平な状態でスライド移動可能(摺動可能)に支持される。特に、位置調整機構50による両被接合物91,92の位置合わせ時においては、ステージ12は、支持台58(後述)に対して上方に離間した状態(図12参照)で、3つの支持部材57で支持される。
【0046】
また、各支持部材57は、それぞれ、略鉛直方向(Z方向)に伸縮する伸縮部57s(図12参照)によって上下に移動(昇降)される。伸縮部57sは、例えばピエゾアクチュエータ等で構成される。この3つの伸縮部57sを同期して伸縮し、3つの支持部材57を同期して昇降することによれば、テーブル部材12bを略水平に維持しつつ昇降させることができる。
【0047】
また、アライメント装置1は、ステージ12の下方に支持台(バックアップ部材とも称する)58(図2および図12等参照)を備えている。詳細には、当該支持台58は、テーブル部材12bの中央部(透光部12c)の下方の空間に配置されている。上述の3つの支持部材57の昇降駆動により、テーブル部材12bの底面が支持台58の上面に接触するまでステージ12が下降すると、テーブル部材12bの底面の大部分が支持台58によって面で支持される。また、この支持台58は、両被接合物91,92に対する加圧力を支えるに際して十分に高い剛性を有する部材(高剛性部材)で構成されている。
【0048】
後述するように、両被接合物91,92の加圧接合時において、伸縮部57sの収縮動作に応じてステージ12が下降されると、支持台58は、ステージ12のテーブル部材12bの底面(好ましくは、被接合物91に対応する全領域)を面で支持(面支持)することができる。そのため、テーブル部材12bに撓み等が生じにくく、テーブル部材12b(ひいては被接合物91)の平坦度を高精度に維持しつつ両被接合物91,92を接合することが可能である。
【0049】
<位置認識部>
また、アライメント装置1は、被接合物91,92の水平位置(詳細にはX,Y,θ)を認識する位置認識部28(図2)をさらに備えている。後述するアライメント動作は、位置認識部28による位置認識結果等に基づいて実行される。
【0050】
図1および図2に示すように、位置認識部28は、被接合物等に関する光像を画像データとして取得する撮像部(カメラ)28M,28Nを有する。撮像部28M,28Nは、それぞれ、同軸照明系を有している。なお、撮像部28M,28Nの各同軸照明系の光源としては、被接合物91等を透過する光(例えば赤外光)が用いられる。
【0051】
ここにおいて、図4および図5に示すように、両被接合物91,92には、それぞれ、位置合わせ用のマーク(以下、アライメントマークなどとも称する)MKが付されている。例えば、一方の被接合物91に2つのアライメントマークMK1a,MK1b(図4参照)が設けられ、他方の被接合物92にも2つのアライメントマークMK2a,MK2b(図5参照)が設けられる。
【0052】
両被接合物91,92の位置合わせ動作(アライメント動作)は、位置認識部(カメラ等)28により、両被接合物91,92に付された各アライメントマークMKの位置を認識することによって実行される。
【0053】
より詳細には、図1および図2に示すように、撮像部28Mにおける同軸照明系の光源(不図示)から出射された光は、ミラー28eで反射されてその進行方向が変更され上方に進行する。当該光は、さらに、テーブル部材12bの中央の透光部12c(図2)および被接合物91の一部(あるいは全部)を透過した後に両被接合物91,92の各マークMK1a,MK2aで反射されると、今度は逆向き(下向き)に進行する。そして、再び、透光部12c等を透過してミラー28eで反射されて、その進行方向が左向きに変更され、撮像部28M内の撮像素子に到達する。位置認識部28は、このようにして両被接合物91,92に関する光像(マークMK1a,MK2aを含む画像)を撮影画像GAa(図6参照)として取得し、当該画像GAaに基づいて両被接合物91,92に付された或る1組のマーク(MK1a,MK2a)の位置を認識するとともに、当該1組のマーク(MK1a,MK2a)相互間の位置ずれ量(Δxa,Δya)を求める(図7参照)。図7は、1組のマークMK1a,MK2aが互いにずれている状態を示す図である。
【0054】
同様に、撮像部28Nにおける同軸照明系の光源(不図示)から出射された光は、ミラー28fで反射されてその進行方向が変更され上方に進行する。当該光は、さらに、透光部12c(図2)および被接合物91の一部あるいは全部を透過した後に両被接合物91,92の各マークMK1b,MK2bで反射されると、今度は逆向き(下向き)に進行する。そして、再び、透光部12c(図2)等を透過してミラー28fで反射されて、その進行方向が右向きに変更され、撮像部28N内の撮像素子に到達する。位置認識部28は、このようにして両被接合物91,92に関する光像(マークMK1b,MK2bを含む画像)を撮影画像GAb(図6参照)として取得し、当該画像GAbに基づいて両被接合物91,92に付された他の1組のマーク(MK1b,MK2b)の位置を認識するとともに、当該1組のマーク(MK1b,MK2b)相互間の位置ずれ量(Δxb,Δyb)を求める。なお、ここでは、撮像部28M,28Nによる撮影画像GAa,GAbの撮影動作は、ほぼ同時に実行される。
【0055】
その後、位置認識部28は、これら2組のマークの位置ずれ量(Δxa,Δya),(Δxb,Δyb)と2組のマークの幾何学的関係とに基づいて、X方向、Y方向およびθ方向における両被接合物91,92の相対的ずれ量ΔD(詳細にはΔx,Δy,Δθ)を算出(検出)する。そして、後述するように、位置認識部28により認識された当該相対的ずれ量ΔDが低減されるように、ステージ12が2つの並進方向(X方向およびY方向)と回転方向(θ方向)とに駆動される。これにより、両被接合物91,92が略水平平面に平行な方向に相対的に移動され、上記の位置ずれ量ΔDが補正される。
【0056】
このようにして、略鉛直方向(Z方向)に垂直な平面(略水平平面)内における位置ずれ量ΔD(詳細にはΔx,Δy,Δθ)が測定(検出)され、当該位置ずれ量ΔDを補正するアライメント動作(位置合わせ動作)が実行される。このような測定動作(検出動作)およびアライメント動作は、コントローラ100の制御下において実行される。
【0057】
なお、支持台58および保持機構12h等には、上記の光(照明光および反射光)の進路において微小径(例えば1mm〜十数mm(ミリメートル)程度)の孔(中空部)が設けられており、当該光の進行は妨げられない。また、ここでは、テーブル部材12bの中央に透光部(ガラス等の透光性部材で構成される)12cを設けて光を透過させる場合を例示しているが、これに限定されない。たとえば、テーブル部材12b全体(テーブル部材12bの中央部分を含む)を非透光部材で構成するとともに、光通過用の孔をテーブル部材12bに設けるようにしてもよい。あるいは、逆に、支持台58および保持機構12h等を透光性部材で構成するようにしてもよい。
【0058】
<ヘッドの傾き調整機構>
また、図3にも示すように、アライメント装置1は、ヘッド22に保持された被接合物92の傾きを調整する傾き調整機構30をさらに備えている。
【0059】
当該傾き調整機構30は、3つのピエゾアクチュエータ31(31a,31b,31c)と3つの圧力検出センサ32(32a,32b,32c)とを有している。
【0060】
3つのピエゾアクチュエータ31a,31b,31cと3つの圧力検出センサ32a,32b,32cとは、ヘッド22と上部ベース部材23との間に設けられている。詳細には、3つのピエゾアクチュエータ31a,31b,31cは、ヘッド22の上面において互いに異なる位置(非同一直線上の3つの位置)において固定されている。より詳細には、3つのピエゾアクチュエータ31a,31b,31cは、略円柱状のヘッド22の略円形上面内の外周部付近において略等間隔で配置されている。また、3つの圧力検出センサ32a,32b,32cは、対応する各ピエゾアクチュエータ31a,31b,31cの上端面と上部ベース部材23の下面とを接続している。換言すれば、3つの圧力検出センサ32a,32b,32cは、ヘッド22の加圧面に平行な平面内における3つの独立した位置(非同一直線上の位置)に配置されている。
【0061】
3つのピエゾアクチュエータ31a,31b,31cは、互いに独立して、Z方向に伸縮可能であり、ヘッド22の姿勢(詳細には2軸周り(例えばX軸周りおよびY軸周り)の姿勢角度)および位置(詳細にはZ方向の位置)を微調整することが可能である。また、3つの圧力検出センサ32a,32b,32cは、ヘッド22の下面22fに平行な平面内における3つの位置(非同一直線上の位置)での加圧力を測定することができる。各位置での加圧力を均等化するように3つのピエゾアクチュエータ31a,31b,31cを駆動することにより、ヘッド22の下面22fとステージ12の上面12fとを平行に維持して、両被接合物91,92を接合することが可能である。
【0062】
<2.アライメント機構(位置調整機構)およびアライメント動作>
アライメント装置1は、ステージ12の位置を調整する位置調整機構50(図2および図8参照)をさらに備えている。ステージ12は、位置調整機構50によってX方向およびY方向(略水平平面に平行な2つの並進方向)に移動(並進移動)されるとともに、当該位置調整機構50によってθ方向(Z軸に平行な軸周りの回転方向)に回転される。詳細には、ステージ12は、位置認識部28による位置検出結果等に基づいて位置調整機構50によって駆動され、X方向、Y方向、θ方向におけるアライメント動作が実行される。このように、鉛直方向(Z方向)に略垂直な平面(略水平平面)に沿った各方向(X方向、Y方向、θ方向)(端的に言えば水平方向)において、ステージ12が移動されることによって、ステージ12とヘッド22とが相対的に移動する。この結果、ステージ12に保持された被接合物91とヘッド22に保持された被接合物92とが水平方向においてアライメントされる。
【0063】
つぎに、この位置調整機構50(50Aとも称する)について、図8等を参照しながら詳細に説明する。図8は、当該位置調整機構50(50A)の詳細構成を示す上面図である。
【0064】
図8に示すように、位置調整機構50は、3つの押圧力付与部(押圧駆動部とも称する)51,52,53と3つの弾性支持部61,62,63とを備えている。これらの6つの部材51,52,53,61,62,63は、3組の挟持部(51,61),(52,62),(53,63)を構成し、当該3組の挟持部によってステージ12が挟持される。そして、各挟持部とステージ12との各接触位置(PT11,PT21),(PT12,PT22),(PT13,PT23)が、それぞれ各挟持部に対応する挟持方向(X方向、Y方向、Y方向)において変更されることによって、ステージ12が略水平平面に平行な方向に移動される。
【0065】
押圧付与部51は、2段階の伸縮機構を有している。具体的には、押圧付与部51は、伸縮部E1(51aとも称する)と伸縮部E2(51bとも称する)とを有している。また、押圧力付与部51は、その先端部に回転ローラR1(51rとも称する)をも有している。
【0066】
伸縮部E1は、ピエゾアクチュエータ等により構成され、X方向に伸縮可能である。また、伸縮部E2は、サーボモータ、および当該サーボモータの回転運動を直線運動に変換するギア機構等を備えて構成され、X方向に伸縮可能である。伸縮部E2(51b)の一端側(図の左側)は、真空チャンバ2の所定の位置に固定されており、伸縮部E2(51b)の他端側(右側)は、伸縮部E1(51a)の一端側(左側)に固定されている。また、伸縮部E1(51a)の他端側(右側)は、回転ローラR1の回転軸を固定する軸固定用部材G1(51g)に固定されている。回転ローラR1(51r)は、押圧付与部51の先端部に設けられ、テーブル部材12bの側面に接触するように配置される。また、当該回転ローラR1は、テーブル部材12bの側面に接触しながら回転することが可能である。
【0067】
伸縮部E1は、ピエゾアクチュエータを駆動することにより、微細な伸縮駆動動作を実現し、その先端位置を微細に位置決めすることができる。また、伸縮部E2は、当該伸縮部E1の位置(詳細には基準位置)を変更する別の駆動機構(サーボモータ等)をさらに有している。特に、伸縮部E2の可動範囲(伸縮範囲)は、伸縮部E1による可動範囲(伸縮範囲)よりも大きいので、伸縮部E2の伸縮動作をも伴うことによれば、比較的大きな範囲の位置決め動作を行うことが可能である。
【0068】
このような2段階の伸縮機構により、押圧力付与部51は、X方向に伸縮しテーブル部材12bに対してX方向の押圧力(押し付け力とも称する)を付与する。
【0069】
圧力付与部52および押圧力付与部53も、それぞれ、押圧力付与部51と同様の構成等を有している。ただし、押圧力付与部52および押圧力付与部53は、Y方向に伸縮しテーブル部材12bに対してY方向(+Y)の押圧力を付与する。
【0070】
詳細には、各押圧付与部52,53の伸縮部E1(52a,53a)は、それぞれ、ピエゾアクチュエータ等により構成され、Y方向に伸縮可能である。また、各押圧付与部52,53の伸縮部E2(52b,53b)は、それぞれ、サーボモータ、および当該サーボモータの回転運動を直線運動に変換するギア機構等を備えて構成され、Y方向に伸縮可能である。当該伸縮部E2(52b,53b)の一端側(図の下側)は、それぞれ、真空チャンバ2の所定の位置に固定されており、当該伸縮部E2の他端側(上側)は、それぞれ、伸縮部E1(52a,53a)の一端側(下側)に固定されている。また、当該伸縮部E1の他端側(上側)は、それぞれ、各回転ローラR1の軸固定用部材G1(52g,53g)に固定されている。当該各回転ローラR1(52r,53r)は、それぞれ、各押圧付与部52,53の先端部に設けられ、テーブル部材12bの側面に接触するように配置される。また、当該各回転ローラR1は、テーブル部材12bの側面に接触しながら回転することが可能である。
【0071】
また、弾性支持部61は、例えば、エアバネ(あるいは弦巻バネ)等による弾性力をテーブル部材12bの側面に向けて付与する。詳細には、弾性力付与部61は、X方向に伸縮しテーブル部材12bに対してX方向(−X)の弾性力を付与する。また、弾性支持部61の先端側には、回転ローラR2(61rとも称する)が設けられている。当該回転ローラR2は、弾性支持部61の弾性力によりテーブル部材12bに押しつけられて配置される。また、当該回転ローラR2は、テーブル部材12bの側面に接触しながら回転することも可能である。
【0072】
また、弾性支持部62および弾性支持部63も、それぞれ、弾性支持部61と同様の構成等を有している。ただし、弾性支持部62および弾性支持部63は、Y方向に伸縮しテーブル部材12bに対してY方向(−Y)の弾性力を付与する。
【0073】
図8に示すように、押圧力付与部51は、押圧点PT11において、テーブル部材12bをX方向(詳細には+X方向)に押圧する。また、弾性支持部61は、弾性支持点PT21にて、押圧力付与部51による押圧力とは逆向き(−X方向)の弾性支持力をステージ12(詳細にはテーブル部材12b)に付与する。ここで、弾性支持点PT21は、X方向において、ステージ12(詳細にはテーブル部材12b)を挟んで押圧点PT11とは反対側の支持点である。
【0074】
押圧力付与部52は、押圧点PT12において、テーブル部材12bをY方向(詳細には+Y方向)に押圧する。また、弾性支持部62は、弾性支持点PT22にて、押圧力付与部52による押圧力とは逆向き(−Y方向)の弾性支持力をステージ12(詳細にはテーブル部材12b)に付与する。ここで、弾性支持点PT22は、Y方向において、ステージ12(詳細にはテーブル部材12b)を挟んで押圧点PT12とは反対側の支持点である。
【0075】
同様に、押圧力付与部53は、押圧点PT13において、テーブル部材12bをY方向(詳細には+Y方向)に押圧する。また、弾性支持部63は、弾性支持点PT23にて、押圧力付与部53による押圧力とは逆向き(−Y方向)の弾性支持力をステージ12(詳細にはテーブル部材12b)に付与する。ここで、弾性支持点PT23は、Y方向において、ステージ12(詳細にはテーブル部材12b)を挟んで押圧点PT13とは反対側の支持点である。
【0076】
このような位置調整機構50は、ステージ12の側方から、異なる3つの押圧点PT11,PT12,PT13において、ステージ12に対して押圧力を加えることなどによって、ステージ12を略水平平面に平行な方向に移動(スライド移動)する。
【0077】
図9は、ステージ12をX方向に並進移動させる動作を説明する図である。なお、図9においては、動作を説明するため変形量を誇張して示している(図10,図11等についても同様)。
【0078】
図9に示すように、押圧力付与部51は、押圧点PT11においてテーブル部材12bをX方向(詳細には+X方向)に押圧しながら、押圧力付与部51の先端部の位置を+X方向に微小量ΔX移動する。これに応じて、テーブル部材12bも+X方向に微小量ΔX移動する。このとき、弾性支持部61の先端部の位置も+X方向に微小量ΔX移動するとともに、弾性支持点PT21にて、−X方向の弾性支持力が弾性支持部61からテーブル部材12bへと付与される。そして、押圧力付与部51による押圧力と弾性支持部61による弾性力とが釣り合うことによって、テーブル部材12bの位置が固定される。換言すれば、1組の挟持部(51,61)によってステージ12が挟持され、接触位置PT11,PT21がそれぞれ挟持方向(ここではX方向)において+X方向に微小量ΔX移動することによって、ステージ12が+X方向に微小移動する。
【0079】
また、X方向において逆向き(−X)にステージ12を移動させることも可能である。具体的には、押圧力付与部51の先端部の位置を(図9とは逆に)−X方向に微小量ΔX移動すると、−X方向の弾性支持力が弾性支持部61からテーブル部材12bへと付与され、テーブル部材12bも−X方向に微小量ΔX移動する。
【0080】
また、X方向における当該微小移動においては、押圧力付与部52,53の各回転ローラR1と弾性支持部62,63の各回転ローラR2とがそれぞれテーブル部材12bの側面に接触しながら回転するため、テーブル部材12bの側面での接触抵抗を最小限に止めることができる。したがって、テーブル部材12bを非常に滑らかに移動させることができる。
【0081】
図10は、ステージ12をY方向に並進移動させる動作を説明する図である。図10に示すように、押圧力付与部52,53は、それぞれ、押圧点PT12,PT13においてテーブル部材12bをY方向(詳細には+Y方向)に押圧しながら、各押圧力付与部52,53の先端部の位置を+Y方向に微小量ΔY移動する。これに応じて、テーブル部材12bも+Y方向に微小量ΔY移動する。このとき、弾性支持部62,63の先端部の位置も+Y方向に微小量ΔY移動するとともに、弾性支持点PT22,PT23にて、−Y方向の弾性支持力が弾性支持部62,63からテーブル部材12bへと付与される。そして、押圧力付与部52,53による押圧力と弾性支持部62,63による弾性力とが釣り合うことによって、テーブル部材12bの位置が固定される。換言すれば、2組の挟持部(52,62),(53,63)によってステージ12が挟持され、接触位置(PT12,PT22),(PT13,PT23)がそれぞれ挟持方向(ここではY方向)において+Y方向に微小量ΔY移動することによって、ステージ12が+Y方向に微小移動する。
【0082】
また、Y方向において逆向き(−Y)にステージ12を移動させることも可能である。具体的には、押圧力付与部52,53の先端部の位置を(図10とは逆に)−Y方向に微小量ΔY移動すると、−Y方向の弾性支持力が弾性支持部62,63からテーブル部材12bへと付与され、テーブル部材12bも−Y方向に微小量ΔY移動する。
【0083】
また、Y方向における当該微小移動においては、押圧力付与部51の回転ローラR1と弾性支持部61の回転ローラR2とがそれぞれテーブル部材12bの側面に接触しながら回転するため、テーブル部材12bの側面での接触抵抗(摩擦力)を最小限に止めることができる。したがって、テーブル部材12bを非常に滑らかに移動させることができる。
【0084】
図11は、ステージ12をθ方向に回転移動させる動作を説明する図である。図11に示すように、左右の押圧力付与部52,53によるY方向の各変位量ΔY1,ΔY2を互いに相違させることにより、ステージ12を回転させることが可能である。たとえば、押圧力付与部52の先端部の位置を微小量ΔY1(ここでは負の値)移動し、押圧力付与部52の先端部の位置を微小量ΔY2(ここでは正の値)移動すると、テーブル部材12bは+θ方向(反時計回り)に微小量ΔΘ回転移動する。このとき、押圧力付与部52,53による押圧力と弾性支持部62,63による弾性力とが釣り合うことによって、テーブル部材12bの位置が固定される。なお、値ΔY1と値ΔY2との大小関係を逆転させることによれば、ステージ12(テーブル部材12b)を逆向き(−θ方向)(時計回り)に回転させることも可能である。
【0085】
また、特にこの実施形態においては、左右の押圧点PT12,PT13の相互間の距離(幅)W1(図8参照)は比較的広い。ここでは、当該幅W1は、被接合物91の幅W0よりも大きい。したがって、左右の押圧力付与部52,53によるY方向の各変位量ΔY1,ΔY2の誤差が回転角度θの値に与える影響を低減することが可能であり、回転角度θを比較的正確に制御することが可能である。また、回転中心AX1から各接触位置(押圧力の作用点)PT13,PT22,PT12,PT23までの各距離が比較的大きくなるため、比較的小さな押圧力(弾性支持力を含む)で比較的大きな回転モーメント(回転中心AX1回りの回転モーメント)を発生することが可能である。
【0086】
上記においては、X方向、Y方向およびθ方向の移動動作について、それぞれ、別個に説明したが、実際の動作においては、これらの各動作を組み合わせて、ステージ12を所望の位置にまで移動させるようにすればよい。たとえば、上記の変位量ΔX,ΔYを適宜の値に設定して、ステージ12を並進2方向(X方向およびY方向)にそれぞれ移動させることができる。また、上記の変位量ΔXを適宜の値に設定するとともに各変位量ΔY1,ΔY2を互いに異なる適宜の値に設定することによれば、ステージ12を並進2方向(X方向およびY方向)と回転方向(θ方向)とにおいて移動させることが可能である。
【0087】
ここにおいて、上記の押圧力付与部51,52,53による各押圧方向(X方向、Y方向、Y方向)は、それぞれ、略水平平面(XY平面)に平行な方向である。また、押圧力付与部51,52,53による3つの押圧方向のうちの少なくとも2つの押圧方向は、互いに異なる方向である。ここでは、例えば押圧力付与部51による押圧方向(X方向)と押圧力付与部52による押圧方向(Y方向)とは互いに異なる方向である。このような押圧力をステージ12に作用させることによれば、独立した並進2方向にステージ12を移動させることが可能である。さらに、3つめの押圧力付与部53によって、押圧力付与部52による押圧力とは異なる大きさの押圧力がステージ12に付与されることによれば、ステージ12を所定の回転方向(θ方向)に回転することが可能である。なお、ここでは、押圧力付与部52による押圧方向(Y方向)と押圧力付与部53による押圧方向(Y方向)とは同じ方向である。このように、押圧力付与部51,52,53による3つの押圧方向のうちの2つの押圧方向は、同じ方向であってもよい。
【0088】
また、この実施形態においては、弾性力付与部61〜63をも用いてステージ12が移動されている。換言すれば、3組の挟持部(51,61),(52,62),(53,63)が構成され、当該3組の挟持部によってステージ12が挟持された状態で、ステージ12が移動されている。詳細には、各挟持部とステージ12との各接触位置(PT11,PT21),(PT12,PT22),(PT13,PT23)が、それぞれ各挟持部に対応する挟持方向(X方向、Y方向、Y方向)において変更されることによって、ステージ12が略水平平面に平行な方向に移動される。したがって、ステージ12の位置を随意に移動させることが可能である。
【0089】
さらに、この実施形態においては、3組の挟持部(51,61),(52,62),(53,63)がステージ12のテーブル部材12bの外周側に配置され、当該テーブル部材12bをテーブル部材12bの側方から挟持する。また、3つの支持部材57は、テーブル部材12bに対してヘッド22とは上下方向反対側(具体的には、テーブル部材12bの下方側)において、テーブル部材12bの中央部(透光部12c)下方の空間よりも(平面視にて)外周側に配置される。そのため、当該空間の有効利用を図ることが可能である。例えば、支持台58を当該空間に配置(換言すれば、支持台58を3つの支持部材57よりも中央側の空間に配置)し、加圧接合時において支持台58を用いてテーブル部材12bを面支持することによれば、テーブル部材12b(ひいては被接合物91)の平坦度を高精度に維持しつつ両被接合物91,92を接合することが可能である。特に、支持台58は、従来技術のような積層構造の駆動機構内のベアリング等を介することなく、テーブル部材12bを直接的に面支持することができるので、大きな接合荷重が加えられる場合にも、テーブル部材12bを安定して(強堅に)支持することができる。端的に言えば、この装置1によれば、均一且つ高荷重のプレス(加圧)動作を実現することが可能である。
【0090】
<3.接合動作>
つぎに、図12〜図14を参照しながら、アライメント装置1におけるアライメント動作等について説明する。
【0091】
図12は、両被接合物91,92が非接触状態で対向配置されている様子を示す図である。両被接合物91,92の接合表面に対しては、表面活性化処理が予め施されているものとする。
【0092】
この状態において、上述の位置調整機構50を用いたアライメント動作が実行される。
【0093】
具体的には、まず、両被接合物91,92の撮影画像GAa,GAb(図6参照)が取得される。そして、当該2つの撮影画像GAa,GAbに基づいて両被接合物91,92のX方向、Y方向およびθ方向の位置ずれ量(Δx,Δy,Δθ)がそれぞれ求められる。
【0094】
その後、当該位置ずれ量(Δx,Δy,Δθ)を補正すべく、両被接合物91,92が相対的に移動する。具体的には、位置ずれ量(Δx,Δy,Δθ)を解消するように、ステージ12が位置調整機構50によってX方向、Y方向およびθ方向に移動される。これにより、両被接合物91,92は、水平方向において、非常に高い精度でアライメントされる。
【0095】
なお、この時点(両被接合物91,92の位置合わせ時点)においては、ステージ12(詳細にはテーブル部材12b)が支持台58よりも上方に微小量Δd(たとえば、10μm(マイクロメートル))離間して配置された状態で、ステージ12が3つの支持部材57によって3つの支持点PT1〜PT3で支持されている。
【0096】
そして、図13に示すように、装置1は、Z軸昇降駆動機構26を駆動することによってヘッド22を下降させて、両被接合物91,92を接触させる。なお、この時点では、テーブル部材12bと支持台58との間には、微小量Δdの隙間が未だ存在する。
【0097】
さらに、図14に示すように、装置1は、Z軸昇降駆動機構26を駆動してヘッド22をさらに下降するとともに、伸縮部57sを収縮させて支持部材57の位置を値ΔD(値Δdよりも大きな値)下降する。これにより、両被接合物91,92の接触状態が維持されつつテーブル部材12bの底面の位置が下降し、テーブル部材12bの底面は、支持台58の上面に接触するとともに、当該支持台58の上面(支持面)58f(図2参照)によって支えられる。換言すれば、伸縮部57sにより3つの支持部材57(詳細にはその先端部)が支持台58の上面(支持面)58f(図2参照)よりも下方の退避位置にまでそれぞれ昇降駆動(下降)され、ステージ12のテーブル部材12bの底面が支持台58の支持面58fで面支持される。
【0098】
その後、Z軸昇降駆動機構26を駆動力して、下向きの力をヘッド22にさらに加えて、両被接合物91,92に接合圧力を加える。これによって、両被接合物91,92が接合される。
【0099】
このように、両被接合物91,92の加圧接合時においては、伸縮部57sの収縮動作に応じてステージ12が下降され、ステージ12のテーブル部材12bの底面は、支持台58によって面支持される。そのため、加圧接合時においてもテーブル部材12bに撓み等が生じにくく、テーブル部材12b(ひいては被接合物91)の平坦度を高精度に維持しつつ両被接合物91,92を接合することが可能である。なお、テーブル部材12bの底面のうち面支持される面積は大きいことが好ましい。例えば、テーブル部材12bの底面のうち、被接合物91に対応する全領域が、面支持されることが好ましい。換言すれば、支持台58は、テーブル部材12bの底面部分のうち対象物91の対応領域を含む部分を面支持することが好ましい。
【0100】
以上のように、上記実施形態によれば、位置合わせ時においては、ステージ12が支持部材57により摺動可能に支持され、ステージ12の側方からステージ12に対して押圧力が加えられてステージ12が略水平方向に移動する。特に、互いに異なる方向の2つの押圧力がステージ12に付与されることにより、略水平平面に平行な2つの並進方向(X方向およびY方向)においてステージ12を摺動移動させることが可能である。したがって、従来技術のような積層構造を用いて水平2方向の駆動を実現する場合に比べて、装置の小型化を図りつつ水平2方向の駆動を実現することが可能である。また、他の3つ目の押圧力をも用いることによって、略水平平面内の回転方向(θ方向)における位置合わせを行うことも可能である。
【0101】
また、各押圧力付与部51,52,53は、それぞれ、ピエゾアクチュエータ等で構成された伸縮部E1(51a,51b,51c)を有するので、微細な位置調整が可能である。
【0102】
さらに、傾き調整機構30は、3つの伸縮部(具体的には、ピエゾアクチュエータ31a,31b,31c)を用いてヘッド22の傾き、ひいては被接合物92の傾きを微細に調整することができる。詳細には、ヘッド22の姿勢(X軸周りの姿勢角度およびY軸周りの姿勢角度)を微調整することが可能である。また、上述のように、装置1は、3つの伸縮部(ピエゾアクチュエータ等)51a,51b,51c等を用いて、被接合物91のZ軸周りの姿勢角度(θ方向位置)、X方向位置、Y方向位置を微細に調整することが可能である。そして、両被接合物91,92の水平方向における相対位置が微細に調整された上で、両被接合物91,92がZ方向において接近して接合される。したがって、両被接合物91,92の相互間の相対位置(3つの並進方向における相対位置)および相対姿勢(3つの回転方向における相対姿勢)を随意に且つ微細に制御することが可能である。
【0103】
また、上記実施形態においては、位置調整機構50によってZ軸周りの回転方向(θ方向)にステージ12を移動(回転)することが可能である。したがって、ヘッド22側には、当該回転方向(θ方向)に回転させる駆動機構を設けることを要しない。特に、このアライメント装置1においては、ヘッド22の昇降軸26z(図1)を覆うように真空チャンバ2内においてベローズ41が設けられ、真空状態が確保され得る。
【0104】
ところで、仮にヘッド22がθ方向の回転駆動を伴う場合には、ベローズを用いて真空状態を確保することが困難である。そのため、一般的には、ヘッド22の回転軸と真空チャンバ2との境界部分においてO(オー)リングを配置して真空チャンバ2内の真空状態を確保するとともに、回転駆動部分に潤滑剤(グリース等)を塗布して潤滑性を向上させることが行われる。しかしながら、超高真空状態(たとえば、10−8Pa(パスカル)〜10−6Pa(パスカル)程度の圧力状態)においては、このような潤滑剤を用いることは困難である。
【0105】
これに対して、上記実施形態のアライメント装置1によれば、ヘッド22側にθ方向の回転駆動機構を設けることを要しないため、ベローズ41による真空状態の確保が可能であり、潤滑剤を用いずに済む。そのため、アライメント装置1の真空チャンバ2内において超高真空状態を実現することも可能である。
【0106】
<4.変形例>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0107】
たとえば、上記実施形態においては、表面活性化処理がアライメント装置1内で実行される場合を例示したが、これに限定されず、アライメント装置1とは別の装置で表面活性化処理が予め施されるようにしてもよい。
【0108】
また、上記実施形態においては、ステージ12の下方に配置された撮像部28M,28N等を用いて撮影画像GAa,GAbが取得される場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、その上下にそれぞれ撮像部を有する撮像装置(2視野カメラとも称する)を、両被接合物91,92の間に挿入して取得した画像GAa,GAbに基づいて、両被接合物91,92の位置ずれを検出するようにしてもよい。
【0109】
また、上記実施形態に係る位置調整機構50(50Aとも称する)においては、押圧力付与部51,52,53に対応してそれぞれ弾性支持部61,62,63が設けられる場合を例示した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0110】
具体的には、図15に示すように、弾性支持部61,62,63に代えて押圧力付与部54,55,56を有する位置調整機構50(50Bとも称する)を備えるようにしてもよい。
【0111】
押圧力付与部54〜56は、押圧力付与部51〜53と同様の構成を備える。ただし、押圧力付与部54は、点PT14にて、押圧力付与部51による押圧力とは逆向き(−X方向)の押圧力をステージ12(詳細にはテーブル部材12b)に付与し、ステージ12を逆向き(−X方向)に移動させることができる。また、押圧力付与部55は、点PT15にて、押圧力付与部52による押圧力とは逆向き(−Y方向)の押圧力をステージ12(詳細にはテーブル部材12b)に付与し、ステージ12を逆向き(−Y方向)に移動させることができる。同様に、押圧力付与部56は、点PT16にて、押圧力付与部53による押圧力とは逆向き(−Y方向)の押圧力をステージ12(詳細にはテーブル部材12b)に付与し、ステージ12を逆向き(−Y方向)に移動させることができる。
【0112】
このような態様によれば、図16に示すように、テーブル部材12bを−X側に移動させる場合において、弾性支持部61(図8)の弾性力による復元力(−X方向への力)だけでは、支持部材57とテーブル部材12bとの摩擦力(摺動抵抗)に十分に打ち勝つことができないときであっても、テーブル部材12bを良好に−X方向に移動させることができる。換言すれば、1組の挟持部(51,54)において、その両側にピエゾアクチュエータを設け、当該両側のピエゾアクチュエータを用いて駆動することにより、X方向のいずれの向き(正の向きおよび負の向き)においてもテーブル部材12bを良好に微小移動させることができる。
【0113】
同様に、図17に示すように、テーブル部材12bを−Y側に移動させる場合において、弾性支持部62,63の弾性力による復元力(−Y方向への力)だけでは、支持部材57とテーブル部材12bとの摩擦力に十分に打ち勝つことができないときであっても、テーブル部材12bを良好に−Y方向に移動させることができる。換言すれば、2組の挟持部(52,55),(53,56)において、それぞれ、その両側にピエゾアクチュエータを設け、当該両側のピエゾアクチュエータを用いて駆動することにより、Y方向のいずれの向き(正の向きおよび負の向き)においてもテーブル部材12bを良好に微小移動させることができる。
【0114】
また、図18に示すように、テーブル部材12bを回転移動させる場合にも同様の効果を得ることが可能である。
【0115】
以上のように図15のような変型例に係る位置調整機構50Bによれば、摺動時の摩擦力が比較的大きい場合であっても、各方向において両方の向き(正の向きおよび負の向き)の移動を良好に実現することが可能である。
【0116】
また、上記実施形態等においては、各押圧力付与部51〜56,弾性力付与部61〜63の先端部にそれぞれ回転ローラR1,R2を設けて、テーブル部材12bの側面での接触抵抗(端的に言えば、横滑り時の接触抵抗)を低減する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、各押圧力付与部51〜53,(54〜56),弾性力付与部61〜63の先端部を略半球形状に加工し、各付与部51〜53,(54〜56),61〜63による力の付与方向の略垂直方向に作用する摩擦力(横滑り時の接触抵抗)を低減するようにしてもよい。
【0117】
また、上記実施形態等においては、3つの支持部材57を用いてテーブル部材12bを昇降する場合を例示したが、これに限定されず、テーブル部材12bを昇降させることなく、常にテーブル部材12bを支持台58の上に直接載置するようにしてもよい。そして、位置合わせ時においては、テーブル部材12bの底面(支持台58との接触面)を支持台58の上面で面支持しつつ、テーブル部材12bの底面を支持台58の上面に対して摺動させればよい。また、テーブル部材12bと支持台58との間に生じる摩擦力を低減するため、テーブル部材12bおよび支持台58の各接触面を鏡面研磨加工するとともにテーブル部材12bと支持台58との間に潤滑油(グリ−ス)を塗布しておくことが好ましい。
【0118】
また、上記実施形態等においては、加圧時には支持台58を用いてテーブル部材12bを支える場合を例示したが、これに限定されない。
【0119】
たとえば、図19および図20に示すように、加圧接合時においても、支持台58を用いることなく3つの面支持部材59を用いてテーブル部材12bを支持するようにしてもよい。この場合、ピエゾアクチュエータ(伸縮部分)を用いることなくテーブル部材12bを支持することが好ましい。具体的には、3つの面支持部材59等を用いて、テーブル部材12bの底面側(詳細には摺動面部材12p等)を3つの位置PT1,PT2,PT3(図3参照)で面支持して、加圧接合時の力を支えるようにすればよい。摺動面部材12pおよび面支持部材59は、例えば、その表面が鏡面研磨された、金属材料、セラミックあるいはガラス等で構成されればよい。加圧接合時の荷重を支えるため、摺動面部材12pおよび面支持部材59は、比較的広い面積(たとえば、数十cm(平方センチメートル))を有することが好ましい。また、位置合わせ時においては、当該摺動面部材12pを面支持部材59に対して摺動させて、テーブル部材12bをスライド移動させればよい。このとき、当該摺動面部材12pと面支持部材59との間に生じる摩擦力を低減するため、当該摺動面部材12pと面支持部材59との間に潤滑油(グリ−ス)を塗布しておくことが好ましい。換言すれば、加圧時には比較的大きな荷重を支えるとともに位置合わせ時には潤滑性を得るために、比較的大きな面積を有する2つの部材12p,59の間に潤滑油(グリ−ス)を塗布しておくことが好ましい。
【0120】
なお、上記の実施形態においては、加圧接合時においては支持台58によってテーブル部材12bが面支持されているため、撓みが生じにくい状態で両被接合物91,92が良好に接合される。そのため、特に、比較的高い圧力で両被接合物91,92が接合される場合、および/または両被接合物91,92に比較的高い平坦度が求められる場合等においては、図19および図20の変形例に係る装置よりも、上記実施形態に係る装置(図2)を用いることが好ましい。また、上記実施形態においては、支持部材57は、位置合わせ時においてテーブル部材12bを摺動支持するが、加圧接合時にはテーブル部材12bを支持することを要さない。そして、上記の支持部材57は、位置合わせ時において、テーブル部材12bを3つの点PT1,PT2,PT3で支持(点支持)して、テーブル部材12bを摺動可能に支持している。換言すれば、支持部材57とテーブル部材12bとは点接触であり、潤滑油を塗布しなくとも十分な摺動性を確保することが可能である。そのため、特に、潤滑油を使用することが困難な状況(真空チャンバ2内において超高真空処理が行われる場合など)においては、上記実施形態の装置が好適に用いられる。
【0121】
また、上記実施形態においては、両被接合物91,92として半導体ウエハを用いる場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、両被接合物91,92の一方が半導体ウエハであり、他方は半導体チップであってもよい。すなわち、チップ・オン・ウエハによる半導体製造工程において、上記の思想を適用するようにしてもよい。あるいは、両被接合物91,92の双方が半導体チップであってもよい。すなわち、チップ・オン・チップによる半導体製造工程において、上記の思想を適用するようにしてもよい。
【0122】
また、上記実施形態においては、3つの支持部材57をテーブル部材12bの中央部下方の空間に対して(平面視にて)外周側に配置するとともに、当該空間に支持台58を配置することによって、当該空間の有効利用を図る場合について例示した。端的に言えば、均一且つ高荷重のプレス(加圧)動作を行うことが可能な接合装置を例示した。
【0123】
ただし、これに限定されず、当該空間を異なる態様で有効利用することも可能である。例えば、3つの支持部材57をテーブル部材12bの中央部下方の空間の(平面視にて)外周側に配置するとともに、当該中央部下方の空間に紫外線照射部68(図21参照)を配置し、ステージ12の中央部に略円形状の透光部12dを設けることによって、当該空間の有効利用を図るようにしてもよい。詳細には、当該空間に配置した紫外線照射部68によって紫外線を両被加圧物92,97(図22参照)に対して照射し、両対象物92,97の少なくとも一方の表面上に設けられた光硬化樹脂層を硬化させるようにしてもよい。なお、透光部12dは、ガラスなどの透光性部材で構成されるようにしてもよく、あるいは、開口として構成されるようにしてもよい。
【0124】
図21は、このような変型例に係るアライメント装置1D(光硬化樹脂硬化装置とも称する)を示す図である。このアライメント装置1Dは、UV(紫外線)照射部68を備える点などにおいて、上記のアライメント装置1A等とは相違する。この装置1Dは、ナノインプリント装置(微細転写装置)とも称される。なお、ここでは、光硬化樹脂硬化装置として、ナノインプリント装置を例示するが、これに限定されず、UV樹脂ウエハ接合装置等の光硬化樹脂硬化装置に同様の思想を適用するようにしてもよい。UV樹脂ウエハ接合装置としては、2枚の半導体ウエハ(少なくとも一方の半導体ウエハに光硬化樹脂層が設けられている)を相互に接合する接合装置、および、1枚の半導体ウエハと1枚のガラスウエハとの両者の間に光硬化樹脂層を設け、当該光硬化樹脂層を介して当該両者を相互に接合する接合装置などが例示される。
【0125】
このアライメント装置1Dにおいては、図22に示すように、対象物(半導体ウエハ)92がヘッド22に保持されるとともに、モールド(原版)97がステージ12に保持される。また、対象物92の表面(下側表面)には光硬化樹脂が予め塗布されている。換言すれば、被加圧物92の下面側には、光硬化樹脂で形成された樹脂層(流動可能物質層とも称される)98が設けられている。さらに、モールド97は透光性部材(例えば石英等)で形成されており、モールド97の表面(図の上側)には凹凸のパターンが設けられている。端的に言えば、モールド97は、透明金型である。
【0126】
このような両被加圧物92,97が光硬化樹脂で形成される樹脂層98を挟んで加圧され、モールド97の凹凸パターンが樹脂層98の樹脂材料に押し付けられることなどによって、当該凹凸パターンが樹脂層98に転写される。ナノインプリント技術においては、このような原理で、所定のパターンが被加圧物92上に形成される。なお、アライメント装置1Dは、2つの被加圧物92,97を加圧する装置でもあるため、加圧装置とも称される。
【0127】
具体的には、まず、光硬化樹脂が塗布された被加圧物92がヘッド22に保持されるとともにモールド(原版)97がステージ12に保持された状態(図22参照)で、上記実施形態等と同様に、位置(X,Y,θ)に関するアライメント動作が実行される。
【0128】
つぎに、ヘッド22が下降し、図23に示すように、被加圧物97上の樹脂層98が被加圧物92の表面に接触する。
【0129】
その後、ミラー固定部材(ミラー28e,28fを固定する部材)28g(図21参照)がY軸方向に移動してテーブル部材12bの中央部の直下位置から退避し、その後、UV照射部68が上昇位置PG2(図21参照)にまで上昇する。なお、ミラー固定部材28gおよびUV照射部68は、それぞれ、不図示の駆動機構により駆動される。
【0130】
そして、この状態において、UV照射部68によって紫外線(UV)が照射される(図23参照)。照射された紫外線は、真空チャンバ2の窓部2b、テーブル部材12bの透光部12d、および透光性を有するモールド97等を透過して樹脂層98に到達する。これにより、UV照射前まで流動性を有していた当該樹脂層98の光硬化樹脂が硬化する。この結果、所定の凹凸パターンを有する樹脂層98が、硬化した状態で、被加圧物92の表面に形成される。
【0131】
以上のような工程を経ることによって、ナノインプリント技術を用いて、各種のデバイス(半導体デバイスあるいはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等)が生成(製造)される。
【0132】
このような変型例に係るアライメント装置1Dによれば、位置調整機構50を用いることによって装置の小型化を図ることが可能である。また特に、従来技術のような積層構造の駆動機構をステージ12の中央部に設けることを要さないため、ステージ12の中央部下方の空間の有効利用を図ることが可能である。詳細には、UV照射部68をテーブル部材12bの中央部下方の空間に配置するとともに、当該UV照射部68からの照射光(紫外線等)を対象物へ向けて照射し、当該照射光をテーブル部材12bの中央部に設けられた透光部12dを通過させて、対象物上の光硬化樹脂を硬化させることが可能である。
【0133】
また、上記実施形態等においては、3つの支持部材57が、図8に示される3つの位置PT1,PT2,PT3でテーブル部材12bを支持する場合を例示したが、これに限定されない。
【0134】
例えば、図24に示すような位置PT1,PT2,PT3においてテーブル部材12bを支持するようにしてもよい。図24においては、テーブル部材12bの回転駆動に寄与する2組の狭持部(52,62),(53,63)が、RA>RB、を満たすように、互いに離間して配置されている。ここで、値RAは、回転中心AX1から各押圧力(弾性支持力を含む)の作用点PT12,PT22,PT13,PT23までの各距離の平均値(平均距離)であり、値RBは、回転中心AX1から各支持点(摺動支持位置)PT1,PT2,PT3までの各距離の平均値(平均距離)である。このような構成によれば、回転中心(運動平面内での回転中心位置)AX1に対して支持点PT1,PT2,PT3よりも外側の位置で押圧力を作用させることによって、比較的小さな作用力(押圧力)で比較的大きな駆動モーメント(駆動用の回転モーメント)を発生させることができる。詳細には、支持点PT1,PT2,PT3において発生する摩擦モーメントよりも大きな駆動モーメントを、比較的小さな作用力(押圧力)によって発生させることができる。
【0135】
また、上記実施形態等においては、テーブル部材12bが底面側で支持される技術を例示したが、これに限定されない。例えば、上記第1実施形態のアライメント装置1A(図1)の主要部分をほぼ全体的に上下(天地)反転させて、図25に示すようなアライメント装置1Eを構成するようにしてもよい。
【0136】
図25のアライメント装置1Eにおいては、テーブル部材12bの上面と支持部材57の下端とが接触しており、テーブル部材12bは支持部材57に摺動可能に支持されている。詳細には、真空チャンバ2の天井面とテーブル部材12bとの間に弾性部材(バネ等)12sが設けられており、弾性部材12sによる比較的大きな引っ張り力が作用している。そして、この弾性力(収縮力)によって、テーブル部材12bは吊り上げられ且つ上側の支持部材57に向けて押し付けられている。この結果、テーブル部材12bは、当該弾性部材12sによる上向きの付勢力で支持部材57に向けて押し付けられた状態で、支持部材57によって摺動可能に支持される。そして、このような弾性付勢力を用いた上下(天地)逆向きの支持状態で、上記と同様の位置合わせ動作が行われればよい。また、同様に、変型例に係る各種の装置(光硬化樹脂硬化装置を含む)等に関しても、上下(天地)を逆にして構成するようにしてもよい。なお、支持部材57、支持台58、およびUV照射部68等は、それぞれ、テーブル部材12bに対して(換言すれば、テーブル部材12bを挟んで)ヘッド22とは上下方向反対側(具体的には、テーブル部材12bの上方側)において、テーブル部材12bの中央部上方の空間に配置されることが好ましい。また特に、支持部材57は、テーブル部材12bの中央部上方の空間よりも外周側に配置されることが好ましい。
【符号の説明】
【0137】
1 アライメント装置(接合装置)
2 真空チャンバ
12 ステージ
12b テーブル部材
12h,22h 保持機構
22 ヘッド
26 Z軸昇降駆動機構
28 位置認識部
30 傾き調整機構
50 位置調整機構
51〜56 押圧力付与部
57 支持部材
58 支持台(バックアップ部材)
61〜63 弾性支持部
91,92 被接合物(対象物)
E1,E2 伸縮部(ピエゾアクチュエータ等)
R1,R2 回転ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント装置であって、
前記第1の対象物を保持する第1の保持部材と、
前記第2の対象物を保持する第2の保持部材と、
前記第1の保持部材を摺動可能に支持する支持手段と、
前記第1の保持部材の側方から前記第1の保持部材に対して押圧力を加えることによって、前記第1の保持部材を略水平平面に平行な方向に移動する移動手段と、
を備え、
前記移動手段は、
第1の押圧点において前記第1の保持部材を第1の方向に押圧する第1の押圧力付与手段と、
第2の押圧点において前記第1の保持部材を第2の方向に押圧する第2の押圧力付与手段と、
第3の押圧点において前記第1の保持部材を第3の方向に押圧する第3の押圧力付与手段と、
を有し、
前記第1の方向、前記第2の方向および前記第3の方向は、それぞれ、略水平平面に平行な方向であるとともに、
前記第1の方向、前記第2の方向および前記第3の方向のうちの少なくとも2つは、互いに異なる方向であることを特徴とするアライメント装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアライメント装置において、
前記第1の押圧力付与手段、前記第2の押圧力付与手段、および前記第3の押圧力付与手段は、それぞれ、ピエゾアクチュエータを有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項3】
請求項2に記載のアライメント装置において、
前記第1の押圧力付与手段、前記第2の押圧力付与手段、および前記第3の押圧力付与は、それぞれ、前記ピエゾアクチュエータにより構成される第1の伸縮部と前記第1の伸縮部の位置を変更する第2の伸縮部とを有し、
前記第2の伸縮部は、前記第1の伸縮部よりも大きな可動範囲を有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のアライメント装置において、
前記移動手段は、
前記第1の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第1の押圧点とは反対側の第4の押圧点にて、前記第1の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの押圧力を前記第1の保持部材に付与する第4の押圧力付与手段と、
前記第2の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第2の押圧点とは反対側の第5の押圧点にて、前記第2の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの押圧力を前記第1の保持部材に付与する第5の押圧力付与手段と、
前記第3の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第3の押圧点とは反対側の第6の押圧点にて、前記第3の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの押圧力を前記第1の保持部材に付与する第6の押圧力付与手段と、
を有し、
前記第4の押圧力付与手段、前記第5の押圧力付与手段、および前記第6の押圧力付与手段は、それぞれ、ピエゾアクチュエータを有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアライメント装置において、
前記移動手段は、
前記第1の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第1の押圧点とは反対側の第1の弾性支持点にて、前記第1の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの弾性支持力を前記第1の保持部材に付与する第1の弾性支持手段と、
前記第2の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第2の押圧点とは反対側の第2の弾性支持点にて、前記第2の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの弾性支持力を前記第1の保持部材に付与する第2の弾性支持手段と、
前記第3の方向において、前記第1の保持部材を挟んで前記第3の押圧点とは反対側の第3の弾性支持点にて、前記第3の押圧力付与手段による押圧力とは逆向きの弾性支持力を前記第1の保持部材に付与する第3の弾性支持手段と、
を有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のアライメント装置において、
略水平平面に平行な方向における前記両対象物の相互間の位置ずれを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記位置ずれに基づいて、前記第1の保持部材を略水平平面に平行な方向に移動させ前記両対象物の位置合わせを行う制御手段と、
をさらに備えることを特徴とするアライメント装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のアライメント装置において、
前記第2の保持部材に保持された前記第2の対象物の傾きを調整する傾き調整手段、
をさらに備えることを特徴とするアライメント装置。
【請求項8】
請求項7に記載のアライメント装置において、
前記傾き調整手段は、略水平平面内における異なる位置にてそれぞれ独立して鉛直方向に伸縮する3つのピエゾアクチュエータを有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のアライメント装置において、
前記両対象物を互いに接触させ前記両対象物を加圧する加圧手段、
をさらに備えることを特徴とするアライメント装置。
【請求項10】
請求項9に記載のアライメント装置において、
前記加圧手段による加圧時において前記第1の保持部材を面支持する支持台、
をさらに備え、
前記支持手段は、
前記第1の保持部材を独立した3つの位置で支持する3つの支持部材と、
前記3つの支持部材を昇降する昇降手段と、
を有し、
前記両対象物の位置合わせ時においては、前記第1の保持部材が前記支持台に対して離間して配置された状態で、前記第1の保持部材が前記3つの支持部材によって支持されており、
前記加圧手段による加圧時においては、前記昇降手段により前記3つの支持部材が退避位置にまで駆動され前記第1の保持部材が前記支持台の支持面で面支持されることを特徴とするアライメント装置。
【請求項11】
請求項9に記載のアライメント装置において、
前記支持手段は、前記両対象物の位置合わせ時において前記第1の保持部材を独立した3つの位置で摺動可能に支持する3つの支持部材を有し、
前記3つの支持部材は、前記加圧手段による加圧時において、前記第1の保持部材を面支持することを特徴とするアライメント装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のアライメント装置において、
前記第1の対象物と前記第2の対象物とを真空状態で収容する真空チャンバ、
をさらに備えることを特徴とするアライメント装置。
【請求項13】
第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント装置であって、
前記第1の対象物を保持する第1の保持部材と、
前記第2の対象物を保持する第2の保持部材と、
前記第1の保持部材を摺動可能に支持する支持手段と、
前記第1の保持部材と当該第1の保持部材を挟持する3組の挟持部との各接触位置をそれぞれ各挟持部に対応する挟持方向において変更することによって、前記第1の保持部材を略水平平面に平行な方向に移動する移動手段と、
を備え、
前記3組の挟持部の3つの挟持方向のうちの少なくとも2つの挟持方向は、互いに異なる方向であることを特徴とするアライメント装置。
【請求項14】
第1の対象物と第2の対象物との両対象物の位置合わせを行うアライメント装置であって、
前記第1の対象物を保持する第1の保持部材と、
前記第2の対象物を保持する第2の保持部材と、
前記第1の保持部材を摺動可能に支持する支持手段と、
前記第1の保持部材の外周側に配置され、前記第1の保持部材を当該第1の保持部材の側方から挟持する3組の挟持部と、
を備え、
前記3組の挟持部は、前記第1の保持部材と前記3組の挟持部との各接触位置をそれぞれ各挟持部に対応する挟持方向において変更することによって、前記第1の保持部材を略水平平面に平行な方向にスライド移動する駆動手段をそれぞれ有し、
前記3組の挟持部の3つの挟持方向のうちの少なくとも2つの挟持方向は、互いに異なる方向であり、
前記支持手段は、前記第1の保持部材に対して前記第2の保持部材とは上下方向反対側において、前記第1の保持部材の中央部下方あるいは中央部上方の空間よりも外周側に配置されることを特徴とするアライメント装置。
【請求項15】
請求項14に記載のアライメント装置において、
前記第1の保持部材の中央部下方あるいは中央部上方の空間に配置される紫外線照射手段、
をさらに備え、
前記第1の保持部材の中央部には透光部が設けられ、
前記紫外線照射手段により照射される光は、前記透光部を通過して、前記第1の対象物上の光硬化樹脂あるいは前記第2の対象物上の光硬化樹脂を硬化することを特徴とするアライメント装置。
【請求項16】
請求項14に記載のアライメント装置において、
前記両対象物を互いに接触させ前記両対象物を加圧して接合する加圧手段と、
前記第1の保持部材の前記中央部下方あるいは中央部上方の空間に配置され、前記加圧手段による加圧時において前記第1の保持部材を面支持する支持台と、
をさらに備え、
前記支持手段は、前記第1の保持部材の支持部材を昇降する昇降手段を有し、
前記両対象物の位置合わせ時においては、前記第1の保持部材が前記支持台に対して離間して配置された状態で、前記第1の保持部材が前記支持部材によって支持され、
前記加圧手段による加圧時においては、前記昇降手段により前記支持部材が退避位置にまで駆動され前記第1の保持部材が前記支持台の支持面で面支持されることを特徴とするアライメント装置。
【請求項17】
請求項14ないし請求項16のいずれかに記載のアライメント装置において、
前記支持手段は、前記第1の保持部材の底面を非同一線上の3つの位置で支持する3つの支持部材を有し、
前記3組の挟持部のうち前記第1の保持部材の回転駆動に寄与する2組の狭持部の各接触位置と回転中心との平均距離が、前記3つの位置のそれぞれと前記回転中心との平均距離よりも大きくなるように、前記2組の挟持部が互いに離間して配置されることを特徴とするアライメント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−119293(P2011−119293A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268266(P2009−268266)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(304019355)ボンドテック株式会社 (36)
【Fターム(参考)】