説明

アルミニウム導体複合コア補強ケーブルおよびその製造方法

本発明は、アルミニウム導体複合コア(ACCC)補強ケーブルおよびその製造方法に関する。ACCCケーブル(300)は、外部フィルム(305)およびアルミニウム導体(306)の少なくとも1つの層で囲まれている複合コアを含む。複合コア(303)は、1つまたは複数のマトリックス材料内の少なくとも1つの繊維タイプから複数の繊維を含む。本発明によれば、B−ステージングおよび/またはフィルム・コーティング技術のようなユニークな処理技術を、数十cm/分から18m/分またはそれ以上に生産速度を増大するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム導体複合コア(ACCC)補強ケーブルおよびその製造方法に関し、特に、増大した電流容量(ampacity)を運ぶことができ、また高温で動作することができるアルミニウム導体線により囲まれている繊維補強およびマトリックスにより形成されている複合コアを含む電力を供給するためのケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
1つのタイプの繊維および熱可塑性樹脂からなる複合コアを開発するために種々の試みが行われてきた。本発明の目的は、ケーブル内の耐力要素として補強プラスチック複合コアを使用する送電ケーブルを提供することにあり、内部補強プラスチック・コアを使用する送電ケーブルを通して電流を送る方法を提供することにある。1つの繊維/熱可塑性複合コアは、これらの目的を達成することができなかった。1つの繊維/熱可塑性システムは、ケーブルを撓まないようにしながら負荷を効果的に移送するのに必要な物理特性を有していない。第二に、ガラス繊維および熱可塑性樹脂からなる複合コアは、増大した電流容量のために必要な動作温度、すなわち90℃〜240℃またはそれ以上の動作温度に耐えることができない。
【0003】
熱可塑性複合コアの物理特性は、さらに処理方法により制限される。従来の処理方法は、容積的にも重量的にも高い繊維/樹脂比を達成することができなかった。これらのプロセスは、電気ケーブルのために必要な強度を達成する繊維を豊富に含んでいるコアを生成することができない。さらに、従来の処理方法の処理速度は、処理自身の固有の特徴により制限される。例えば、従来の押出し/引出しダイの長さは約36インチ(91cm)であり、その断面は一定である。ダイの長さを長くすると、複合材とダイとの間の摩擦が増大し、処理時間が長くなる。熱可塑性樹脂/熱硬化性樹脂用のこのようなシステムの処理時間は、約3インチ(7.5cm)/分から約12インチ(31cm)/分である。ポリエステル樹脂およびビニル・エステル樹脂を使用した場合の処理速度は、最高72インチ(183cm)/分の複合材を製造することができる。数千マイル(数千Km)のケーブルが必要なので、これらの遅い処理速度では財政的に受け入れることができる方法でこのニーズを満たすことはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故、対応するケーブルの撓みを起こさないで、増大した電流容量を容易にする経済的に実行可能なケーブルを設計することが望ましい。処理中に複合コアを構成および調整することができ、最大60フィート/分またはそれ以上の速度で処理を行うことができるプロセスを使用して、複合コアを処理することはさらに望ましいことである。
【0005】
従来の鋼芯アルミ撚線(ACSR)ケーブルの場合には、アルミニウム導体が電力を送り、鋼鉄のコアが強度を受け持っていた。導体ケーブルは、構成要素の固有の物理特性により制限される。これらの構成要素は、電流容量を制限する。電流容量は、ケーブルを通して電力を送る能力の測定値である。ケーブルを通る電流または電力が増大すると、導体の動作温度がそれに対応して上昇する。熱が過度に高くなると、従来のケーブルが許容レベル以下に撓む。何故なら、構造体であるコアの比較的高い熱膨張率が、構造部材を膨張させ、そのためにケーブルが撓むからである。通常のACSRケーブルは、撓みに関連する導体の物理特性に有意な変化を起こさないで、最高75℃の温度で連続して動作することができる。任意の有意の時間の間100℃以上で使用すると、ACSRケーブルは、プラスチックのような永久的な伸びを起こし、また強度が有意に低減する。これらの物理的変化が起こると、送電ケーブルが過度に撓むことになる。このような送電ケーブルの撓みは、2003年の米国北東部での停電の主要な原因のうちの1つであると考えられてきた。使用温度に制限があるために、795kcmilのACSR「ドレーク」導体を使用している通常の230kVラインの電気的負荷定格は、1000Aの電流に対応する約400MVAに制限される。それ故、送電ケーブルの許容荷重を増大するには、ラインの過度の撓みを起こさないで、増大した電流容量を受け入れることができる固有の特性を有する構成要素を使用してケーブル自身を設計しなければならない。
【0006】
電流容量利得は、送電ケーブルの鋼鉄のコアを囲んでいる導体の面積を増大することにより得ることできるが、導体の容積を増大するとケーブルの重量が増大し撓みを起こすことになる。さらに、重量が増大すると、ケーブル支持インフラストラクチャ内の張力を増大しなければならなくなる。このような大きな重量の増大は、通常、構造的補強を必要とするか、または送電鉄塔および電柱を交換しなければならなくなる。このようなインフラストラクチャの変更は、通常、経済的に実行不可能である。それ故、現在の送電構造およびラインを使用しながら、送電ケーブルの耐力を増大するのは経済的見地から望ましいことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
アルミニウム導体複合コア(ACCC)補強ケーブルは、従来技術の問題を緩和することができる。ACCCケーブルは、マトリックス内に埋設されている1つまたは複数の繊維タイプの補強材からなる複合コアを含む電気ケーブルである。複合コアは、電気導体線と一緒に包みこまれている。ACCC補強ケーブルは、安定した引張強度およびクリープ伸び特性を有する一方で、100℃以上の温度で動作することができる高温用の撓みの少ない導体である。例示としての実施形態の場合には、ACCCケーブルは、100℃以上の温度で動作することができ、ある実施形態の場合には、240℃以上の温度で動作することができる。類似の外径を有するACCCケーブルは、導体の全体の重量を有意に変化させないで、従来技術のケーブルよりも少なくとも50%ライン定格を増大することができる。
【0008】
本発明によれば、一実施形態の場合には、ACCCケーブルは、保護コーティングにより囲まれている複合材料からなるコアを含む。複合材料は、1つまたは複数の繊維タイプから選択し、マトリックス内に埋設されている複数の繊維からなる。ACCCケーブルの重要な特性は、構造体コアの比較的高い弾性率であり、比較的低い熱膨張率である。従来のコア設計と比較した場合、直径が細く、重量が軽く、強度が高いACCCコアを使用すれば、重量をほとんど変えないで、同じ全エリア内で他の導体材料を追加することができるので、導体ケーブルの電流容量を増大することができる。耐久性の高い複合コアを設計することはさらに望ましいことである。複合強度部材は、高い動作温度でまたそれが使用される他の環境条件で、最低40年間、より好適にはその2倍の時間稼働しなければならない。
【0009】
一実施形態の場合には、本発明は、熱硬化性樹脂内に少なくとも1つの縦方向を向いていて、ほぼ連続している補強繊維タイプを含む高度複合材料からなる内部コア、熱硬化性樹脂内に少なくとも1つの縦方向を向いていて、ほぼ連続している補強繊維タイプを含む、低い弾性率の改良型複合材料からなる外部コア、および複合コアを囲んでいる外部フィルムを備える電気ケーブル用の複合コアを開示している。この場合、複合コアの引張強度は少なくとも160Ksiである。
【0010】
他の実施形態は、電気ケーブル用の複合コアを処理するための方法を開示している。この方法は、繊維樹脂マトリックスを形成するために、1つまたは複数のタイプの縦方向を向いていて、ほぼ連続している繊維タイプを樹脂を通して引っ張るステップと、繊維樹脂マトリックスから過度の樹脂を除去するステップと、繊維を少なくとも1つのダイにより決まる幾何学的形状に圧縮するために、少なくとも1つの第1のダイ・タイプを通して繊維樹脂マトリックスを処理するステップと、外部フィルムを導入するステップと、複合コアの回りに外部フィルムを巻き付けるステップと、複合コアおよびコーティングを圧縮するために、少なくとも1つの第2のダイ・タイプを通して繊維樹脂マトリックスを処理するステップと、複合コアおよびコーティングを硬化するステップとを含む。
【0011】
いくつかの実施形態の場合には、保護コーティングが、製造中のコアの引き出しを助け、例えば、コアを構成している樹脂に対する環境条件および影響を含む種々の要因からコアを保護する働きをする。
【0012】
添付の図面を参照しながら本発明の詳細な説明を読めば、本発明の上記および他の特徴を最もよく理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図面を分かり易くするために、各図面は参照番号を含む。これらの参照番号は、通常の命名法によるものである。参照番号は3桁の数字である。一位の数字は参照番号を最初に使用した図面番号を示す。例えば、図1で最初に使用した参照番号は1XXのような数字になり、図4で最初に使用する数字は4XXのような数字になる。第2の2つの数字は、図面内の特定の部材を示す。図1のある品目は101であり、一方、他の部材は102である。後の図面で使用する類似の参照番号は、同じ部材を表す。例えば、図3の参照番号102は、図1に示すものと同じ部材である。さらに、図面の縮尺は必ずしも正確なものではなく、本発明を分かりやすく説明するためのものである。
ベストモード
本発明によるACCC補強ケーブルの一例について以下に説明する。ACCC補強ケーブルは、内部炭素/エポキシ層、次のガラス繊維/エポキシ層、カプトン表面材料、および四面体の形をしているアルミ撚線の2つ以上の層からなる構成要素の4つの層を有する。強度部材は、直径約0.375インチ(0.95cm)の層を有する250降伏アドバンテックスE−ガラス繊維/エポキシの外部層により囲まれている直径約0.28インチ(0.71cm)の改良型複合T700S炭素/エポキシからなる。ガラス繊維/エポキシ層は、直径約0.7415インチ(1.88cm)の9つの台形状アルミ撚線の内部層、および直径約1.1080インチ(2.81cm)の13の台形状アルミ撚線の外部層により囲まれている。炭素の全面積は約0.06平方インチ(0.023平方cm)であり、ガラスの全面積は約0.05平方インチ(0.016平方cm)であり、内部アルミニウムの全面積は約0.315平方インチ(0.64平方cm)であり、外部アルミニウムの全面積は約0.53平方インチ(1.82平方cm)である。内部炭素強度部材内の繊維/樹脂の比率は、重量で65/35であり、外部ガラス層の繊維/樹脂の比率は、重量で60/40である。
【0014】
下記の表は、仕様の要約を示す。
【0015】
【表1】

【0016】
【表2】

【0017】
【表3】

他の実施形態の場合には、上記例において、E−ガラスの全部または一部の代わりにS−ガラスを使用することができる。下記の表はS−ガラスの値を示す。
【0018】
【表4】

本発明のモード
本発明の例示としての実施形態を示す添付の図面を参照しながら、以下に本発明についてより詳細に説明する。しかし、本発明は、多くの異なる形で実施することができ、本明細書に記載する実施形態に制限されない。むしろ、これらの実施形態は、当業者に本発明の範囲を開示するためのものである。
ACCC補強ケーブル
本発明は、補強複合コア部材に関する。上記部材は、さらに、外面コーティングを含む。一実施形態の場合には、複合コアは、マトリックス内に埋設されている1つまたは複数の繊維タイプからの複数の繊維強化材からなる複合材料を備える。本発明の他の実施形態は、アルミニウム導体複合コア(ACCC)補強ケーブル内の複合コアを使用する。これらのACCCケーブルは、配電を行うことができる。この場合、配電は配電および送電ケーブルを含む。図1は、ACCC補強ケーブル300のある実施形態を示す。図1の実施形態は、アルミニウム導体306の第1の層により囲まれている、炭素繊維強化材およびエポキシ樹脂複合内部コア302、およびガラス繊維強化材、およびエポキシ樹脂複合外部コア304からなる複合コア303をさらに有するACCC補強ケーブルを示す。この実施形態の導体は、複合コアを螺旋状に囲んでいる複数の台形状のアルミ撚線を備える。アルミニウムの第1の層は、さらに、台形状のアルミニウム導体308の第2の層により囲まれている。
【0019】
図1Bに示す本発明のさらなる実施形態は、保護コーティングまたはフィルム305により囲まれている、さらに炭素繊維強化材およびエポキシ樹脂複合内部コア302、およびガラス繊維強化材、およびエポキシ樹脂複合外部コア304からなる複合コア303を備えるACCC補強ケーブル300を示す。保護コーティングについては以下にさらに詳細に説明する。保護コーティングは、さらに、導体306の第1の層により囲まれている。第1の層は、さらに、導体308の第2の層により囲まれている。
【0020】
本発明の複合コアは、200Ksi以上の、より好適には約200Ksi〜約380Ksiの範囲内の引張強度;7Msi以上、より好適には約7Msi〜約37Msiの範囲内の弾性率;−45℃以上、より好適には約−45℃〜約240℃の範囲内またはそれ以上の動作温度範囲;および1.0×10−5/℃以下、より好適には約1.0×10−5〜約−0.6×10−6/℃の範囲内の熱膨張率を有することができる。
【0021】
上記範囲内の複合コアを達成するために、異なるマトリックス材料および繊維タイプを使用することができる。マトリックスおよび繊維の特性については以下にさらに詳細に説明する。最初に、マトリックス材料には繊維が埋設される。すなわち、マトリックスは、1つのユニット、すなわち装填部材として繊維を束ね一緒に保持する。マトリックスは、ACCCケーブル上に加わる物理的力に耐えるために繊維が1つのユニットとして機能するのを助ける。マトリックス材料は、繊維を埋設し、複合コアに束ねることができる任意のタイプの無機または有機材料であってもよい。マトリックスは、接着剤、セラミック、金属基材、樹脂、エポキシ、変性エポキシ、フォーム、エラストマ、エポキシ・フェノール混合物、または他の高性能ポリマーのような材料を含むことができるが、含むことができる材料はこれらに限定されない。当業者であれば、他の材料もマトリックス材料として使用することができることを理解することができるだろう。
【0022】
他の材料も使用することができるが、本発明の例示としての実施形態は、変性エポキシ樹脂を使用する。本明細書の残りの全体においては、樹脂またはエポキシという用語はマトリックスを意味する。しかし、エポキシおよび樹脂という用語を使用しても、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、他のすべてのタイプのマトリックス材料も本発明に含まれる。本発明の複合コアは、本発明の目的を達成するために調整することができる物理特性を有する樹脂を含むことができる。さらに、本発明による樹脂は、本発明により調整および変性することができる複数の成分を含む。
【0023】
本発明は任意の適当な樹脂を使用することができる。さらに、種々の実施形態の場合には、容易に製造を行うことができるように樹脂が設計される。本発明によれば、種々の樹脂粘度を高い反応性およびより速い製造ライン速度のために最適化することができる。一実施形態の場合には、無水エポキシ系を使用することができる。コアの所望の特性および製造のために樹脂系を最適化する重要な態様は、最適な触媒パッケージを選択することである。本発明によれば、触媒(または「促進剤」)は、例えば、最低限度のひび割れを起こす恐れがある副反応で、短時間中に樹脂成分の硬化が最大になるように最適化しなければならない。さらに、貯蔵寿命を長くするために触媒が低温では不活性で、製造中は製造時間を最速にするために高温で非常に活性であることが望ましい。
【0024】
一実施形態の場合には、高温硬化プロセス用にビニル・エステル樹脂を特に設計することができる。さらなる例は、エピクロロヒドリンとビスフェノール−Aとの反応生成物である液体エポキシ樹脂である。さらにさらなる例は、高純度ビスフェノール−Aジグリシジル・エーテルである。他の例としては、ポリエチルアミド、ビスマルイミド、種々の無水物またはイミド等がある。さらに、最終複合コア部材および処理方法の所望の特性により硬化剤を選択することができる。例えば、硬化剤は、脂肪族ポリアミン、ポリアミド、およびこれらの変性バージョンであってもよい。他の適当な樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂または熱可塑性変性樹脂、強化樹脂、エラストマ変性樹脂、多機能樹脂、ゴム変性樹脂、シアン化エステル、またはポリシアン化樹脂等がある。ある種の熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂としては、フェノール類、エポキシ、ポリエステル、高温ポリマー(ポリイミド)、ナイロン、フルオロポリマー、ポリエチレン、ビニル・エステル等があるがこれらに限定されない。当業者であれば、他の樹脂も本発明で使用することができることを理解することができるだろう。
【0025】
意図するケーブル用途により、高温において複合コアが長く耐久性を保つことができるように、適当な樹脂が所望のケーブル特性の関数として選択される。また、処理中の摩擦を最小限度に低減し、処理速度を速くし、また最終複合コアで適当な繊維/樹脂比率を達成するために、複合コアを形成するプロセスにより、適当な樹脂を選択することもできる。本発明によれば、樹脂は、好適には、約50〜約10,000cPsの範囲内の、好適には、約500〜約3,000cPsの範囲内の、より好適には、約800〜約1,800cPsの範囲内の粘度を有することができる。
【0026】
本発明の複合コアは、優れた機械特性および優れた化学的耐性を有する樹脂を含む。これらの樹脂は、少なくとも40年間の使用期間中、長い間環境に曝されても機能することができる。より好適には、本発明の複合コアは、少なくとも約80年間の使用期間中、長期に露出した場合に、優れた機械特性、および、化学物質、水および紫外線に対する耐性を有する樹脂を含むことができる。さらに、本発明の複合コアは、極端な温度で構造上の性能特性を最小限度低減するだけで、−45℃から240℃の範囲内またはより高い温度で動作することができる樹脂を含む。
【0027】
本発明によれば、樹脂は、複合コアの特性および製造プロセスを最適化するために複数の成分を含むことができる。種々の実施形態の場合には、樹脂は硬化プロセスを助長するために、1つまたは複数の硬化剤/促進剤を含む。選択した促進剤は、製造プロセス中の樹脂およびダイ温度により異なる。さらに、樹脂は、製造ライン速度および表面の品質を改善する目的で表面張力を低減するのを容易にするために界面活性剤を含むことができる。樹脂は、さらに、粘土または他の充填材を含むことができる。このような成分は、樹脂の物理特性を維持しながら樹脂の量を増し、コストを削減するために機能する。他の添加剤も追加することができる。例えば、樹脂を紫外線に耐えるようにする紫外線耐性添加剤、及び、着色用添加剤である。
【0028】
一般的に、樹脂系の伸び特性は、ガラス、炭素または使用されている他の繊維より優れていなければならない。例えば、エポキシ系のある実施形態は、無水物硬化剤およびイミダゾル促進剤を使用する低粘度の多機能エポキシ樹脂を含むことができる。このタイプのエポキシ系の例としては、Huntsman社製で、2002年9月付けの同様のタイトルのデータ・シートに記載されているAraldite(登録商標)MY721/Hardener 99−023/Accelerator DY070高温硬化エポキシ・マトリックス・システムがある。この樹脂は、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−メチレンビスベンゼンアミンと呼ばれる。硬化剤は1Hイミダゾル、1−メチル−1−メチルイミダゾルである。特にACCC用途用に変性した例示としての樹脂エポキシ系は、下記の特性、すなわち、約3.0%〜5%の引張延長;約16.5Ksi〜19.5Ksiの曲げ強さ;約6.0Ksi〜7.0Ksiの引張強度;約450Ksi〜500Ksiの引張弾性率;および約4.5%〜6.0%の曲げ延長を有することができる。エポキシ樹脂系のさらなる実施形態としては、脂環式アミン混合硬化剤を含む多機能エポキシがある。このタイプのエポキシ系の例としては、JEFFCO Products社製で、2002年7月付けの同様のタイトルのデータ・シート記載の浸出用JEFFCO1401−16/4101−17エポキシ系がある。この例示としての樹脂エポキシ系は、下記の特性、すなわち、約88DのショアD硬さ;9.7Ksiの極限引張強度;約4.5%〜5.0%の引張強度の場合の伸び;約7.5%〜8.5%の極限の伸び;約15.25Ksiの曲げ強さ;および約14.5Ksiの極限圧縮強さを有することができる。エポキシ樹脂系のこれらの実施形態は例示としてのものであって、本発明をこれらの特定のエポキシ樹脂系に限定するものではない。当業者であれば、他のエポキシ系も、本発明の範囲内に入る複合コアを作ることを理解することができるだろう。
【0029】
本発明の複合コアは、複合体に亀裂を生じないで、スプライス作業に十分耐える丈夫な樹脂を含むことができる。本発明の複合コアは、少なくとも約0.96MPa・m1/2の純樹脂破壊靱性を有する樹脂を含むことができる。
【0030】
本発明の複合コアは、熱膨張率の低い樹脂を含むことができる。熱膨張率が低いと、できたケーブルの撓みが少なくなる。本発明の樹脂は、約4.2×10−5/℃以下の熱膨張率、およびできれば1.5×10−5/℃以下の熱膨張率を有することができる。本発明の複合コアは、約3%以上、またはより好適には、約4.5%の伸びを有する樹脂を含むことができる。
【0031】
第二に、複合コアは、1つまたは複数の繊維タイプからの複数の繊維強化材を含む。繊維タイプは、炭素(黒鉛)繊維−(ピッチをベースとする)HMおよびHSの両方、ケブラー繊維、玄武岩繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、液晶繊維、高性能ポリエチレン繊維、またはカーボンナノファイバ、鋼鉄ハードワイヤ・フィラメント、鋼線、鋼繊維、接着最適コーティングを含むまたは含まない高炭素鋼コード、またはナノチューブから選択することができる。いくつかのタイプの炭素繊維、ボロン繊維、ケブラー繊維、ガラス繊維が市販されている。各繊維タイプは、いくつかの特性を有する複合材料を達成するために種々に組み合わせることができるサブタイプを有することができる。例えば、炭素繊維は、Zoltek Panex(登録商標)、Zoltek Pyron(登録商標)、Hexcel、Torayまたは製品のThornelグループからの任意のタイプのものであってもよい。これらの炭素繊維は、PAN Carbon FiberまたはPolyacrylonitrile(PAN)Precursorからのものであってもよい。他の炭素繊維としては、PAN−IM、PAN−HM、PAN−UHM、PITCH、またはレイヨン副産物等がある。多くの異なるタイプの炭素繊維があり、当業者であれば本発明で使用することができる多くの炭素繊維を認識しているであろう。また多数の異なるタイプのガラス繊維もある。例えば、A−ガラス、B−ガラス、C−ガラス、D−ガラス、E−ガラス、S−ガラス、AR−ガラス、R−ガラスまたは玄武岩繊維も本発明で使用することができる。ガラス繊維およびパラガラスも、使用することができる。炭素繊維の場合には、多くの異なるタイプのガラス繊維があり、当業者であれば本発明で使用することができる多くのガラス繊維を知っているだろう。これらのものは、本発明の指定の特性に適合することができる繊維の数例にしか過ぎず、本発明はこれらの繊維に限定されないことに留意されたい。本発明に必要な物理特性に適合する他の繊維も使用することができる。
【0032】
これらの物理特性を達成するために、本発明による複合コアは、1つのタイプの繊維だけを含むことができる。複合コアは、1つの繊維タイプおよび1つのマトリックス・タイプから形成される均質なセクションまたは層であってもよい。例えば、複合コアは、樹脂内に埋設されている炭素繊維であってもよい。コアは、また、ポリマー内に埋設されているガラス繊維であってもよく、コアは、またビニル・エステル内に埋設されている玄武岩であってもよい。しかし、本発明の範囲に含まれる大部分のケーブルは、少なくとも2つの異なる繊維タイプを含むことができる。
【0033】
2つの繊維タイプは、一般的な繊維タイプ、繊維クラス、繊維タイプ・サブタイプまたは繊維タイプ種類であってもよい。例えば、複合コアは、炭素およびガラスにより形成することができる。しかし、ある実施形態の場合に、2つ以上の繊維タイプという場合には、繊維タイプは、炭素およびガラスのような異なるクラスの繊維でなくてもよい。むしろ、2つの繊維タイプは1つの繊維クラスまたは繊維グループ内のものであってもよい。例えば、コアは、ガラス繊維グループ内の2つの繊維タイプまたは繊維サブタイプまたは繊維クラスであるE−ガラスおよびS−ガラスから作ることができる。他の実施形態の場合には、複合コアは、2つのタイプの炭素繊維を含むことができる。例えば、複合コアは、IM6炭素繊維およびIM7炭素繊維から作ることができる。当業者であれば、2つ以上のタイプの繊維を使用する他の実施形態を認識しているであろう。
【0034】
2つ以上の繊維タイプを複合コア部材と組み合わせると、送電および配電システム内のケーブル用に通常使用される、従来の鋼鉄の非複合材料のような従来の材料と比較して強度/重量比が実質的に改善される。繊維タイプを組み合わせた場合も、複合コアの剛性および強度を満たしたうえ、ある程度の柔軟性を維持することができる。
【0035】
本発明の複合コアは、比較的高い歩留まりを有しているかまたはK数の低い繊維トウを含むことができる。繊維トウは、トウの組成をその歩留まりまたはK数で示すことができる連続しているミクロ繊維の束である。例えば、12K炭素トウは、12,000本の個々のミクロ繊維を含んでいて、900歩留まりガラス・トウは、重量1ポンド当たり900ヤードの長さを有する。理想的には、樹脂が束またはトウ内の各ミクロ繊維の周囲をコーティングするように、ミクロ繊維を樹脂でぬらすことが望ましい。複合材料の繊維トウをぬらしたり、浸潤したりすることは、結果として得られる複合材料の性能にとって非常に重要なことである。湿潤が不完全の場合には、複合製品の強度、耐久性および寿命を低減するひび割れ、または乾燥した点が繊維複合材料内にできる。繊維トウは、またプロセスが処理することができる繊維トウのサイズに従って選択することもできる。
【0036】
炭素用の本発明の繊維トウは、2Kおよびそれ以上から選択することができるが、より好適には約4K〜約50Kから選択することが好ましい。ガラス繊維トウは、50歩留まり以上であってもよいが、より好適には約115歩留まり〜約1200歩留まりであることが好ましい。
【0037】
ガラス繊維の場合には、本発明による個々の繊維サイズの直径は、15mm以下であってもよいし、より好適には、約8mm〜約15mmの範囲内であってもよいし、最も好適には、約10mmであってもよい。炭素繊維の直径は、10mm以下であればよいが、より好適には、約5mm〜約10mmの範囲内であることが好ましく、最も好適には、約7mmであることが好ましい。他のタイプの繊維の場合には、適当なサイズの範囲は、所望の物理特性により決まる。この範囲は、最適な湿潤特性および使用の実行性に基づいて選択される。
【0038】
各タイプの繊維の相対的な量は、複合コアの所望の物理特性により変えることができる。例えば、より高い弾性率を有する繊維は、強度が高く剛性も高い複合コアを形成することができる。一例を挙げて説明すると、炭素繊維は、15Msi以上の弾性率を有するが、より好適には約22Msi〜約45Msiの弾性率を有することが好ましい。ガラス繊維は、約6〜約15Msiの弾性率を有する低弾性率繊維であると考えられているが、より好適には約9〜約15Msiの範囲の弾性率を有することが好ましい。当業者であれば、複合コアの所望の物理特性を達成することができる他の繊維も選択することができることを理解することができるだろう。ある例の場合には、複合コアは、引張弾性率が低いガラス繊維の実質的に薄い外側の層で囲まれている内部の改良型複合材料の実質的な部分を含むことができる。繊維タイプの特定の組合せおよび比率を変えることにより、コアの極限強度を複合改善するために、完成コアに予備張力を与えることができる。例えば、非常に低い熱膨張率および比較的低い伸びを有する炭素繊維を、より高い熱膨張率およびより大きな伸びを有する(一例としての)e−ガラスと組み合わせることができる。樹脂の化学的性質および処理温度を変化させることにより、得られる「硬化した」製品を、各繊維タイプの個々の強度の合計よりも大きな強度になるように「調整」することができる。より高い処理温度の場合、ガラス繊維は膨張するが、一方、炭素繊維は基本的に膨張しない。処理ダイが制御された幾何学的形状をしている場合には、結果は下記のようになる。すなわち、製品がダイから出て周囲温度まで冷却され始めると、ガラスはそのもとの長さに戻ろうとして、繊維の混合の比率および樹脂の物理特性に基づいてある程度の予備張力を維持しながら炭素繊維を圧縮し始める。結果として得られる製品は、測定することができるほどに改善された引張強度特性および曲げ強さ特性を有する。
【0039】
本発明の複合コアは、比較的高い引張強度を有する繊維を含むことができる。オーバーヘッド電圧送電用ケーブルの初期設置撓みの程度は、支持柱間距離の長さの二乗で変化し、ケーブルの引張強度に反比例する。引張強度が増大すると、ACCCケーブル内の撓みを効果的に低減することができる。一例を挙げて説明すると、少なくとも250Ksiの引張強度、より好適には約350Ksi〜約1000Ksiの範囲内、最も好適には710Ksi〜750Ksiの範囲内の引張強度を有する炭素繊維または黒鉛繊維を選択することができる。また、一例を挙げて説明すると、少なくとも約180Ksi、より好適には約180Ksi〜約800Ksiの範囲内の引張強度を有するガラス繊維を選択することができる。複合コアの引張強度は、低い引張強度を有するガラス繊維を、高い引張強度を有する炭素繊維と組み合わせることにより調整することができる。より望ましい一組の物理特性を有する新しいケーブルを形成するために、両方のタイプの繊維の特性を組み合わせることができる。
【0040】
本発明の複合コアは、種々の繊維/樹脂容積分率を有することができる。容積比は、繊維の面積を断面の全面積で割ったものである。本発明の複合コアは、少なくとも50%の容積比、好適には少なくとも60%の容積比を有する樹脂内に埋設されている繊維を含むことができる。繊維/樹脂比は、複合コア部材の物理特性に影響を与える。特に、引張強度、曲げ強さ、および熱膨張率は、繊維/樹脂容積の関数である。一般的に、複合材料の繊維の容積比が高くなると、複合材料の性能がよくなる。繊維および樹脂マトリックスの重量は、繊維/樹脂重量比を決定する。
【0041】
複合コアの任意の層または部分は、他の層または部分に対して異なる繊維/樹脂重量比を有することができる。これらの違いは、所望の繊維/樹脂比を達成する目的で、適当な樹脂タイプに対して適当な数の繊維を選出および選択することにより達成することができる。例えば、3/8インチの直径の断面を有し、外側のガラスおよびエポキシ層により囲まれている炭素繊維およびエポキシ層からなる複合コア部材は、250歩留まりガラス繊維および50℃で約1000cPs〜約2000cPsの粘度を有するエポキシ樹脂の28のスプールを有することができる。このように繊維/樹脂を選択すると、約65/45の繊維/樹脂重量比を達成することができる。好適には、形成プロセスのために必要な粘度を達成するために、樹脂は変性することができるものであることが好ましい。例示としての複合材料は、また、50℃で約1000cPs〜約2000cPsの粘度を有する24Kの炭素繊維およびエポキシ樹脂の28のスプールを含むことができる。このように選択すると、約65/35の繊維/樹脂重量比を達成することができる。繊維のスプールの数を変えると、繊維/樹脂重量比が変化し、それにより複合コアの物理特性を変えることができる。別の方法としては、繊維への樹脂の浸透性を改善する目的で、樹脂の粘度を増減するために樹脂を調整することができる。
【0042】
種々の実施形態の場合には、複合コアは、複数の幾何学的形状のうちの任意の1つを含むことができる。種々の幾何学的形状の異なる実施形態のうちのいくつかについて以下に説明する。その上、複合コアは、さらに、種々の整合または向きの繊維を含むことができる。トウが連続している場合には、ケーブルに沿って縦方向に繊維を向けることができる。コアは、ケーブルの全長に沿って走る縦軸を有することができる。この業界においては、この縦軸を0度の方向と呼ぶ。大部分のコアの場合、縦軸はコアの中心に沿って走る。繊維はこの縦軸に平行になるように配置することができる。この向きは、多くの場合、0度配向または一定方向の配向と呼ばれる。しかし、例えば、このような変数を曲げ強さとして解決するために、他の向きを種々の最適な目的のために統合することができる。
【0043】
複合コア内の繊維は、コア内で種々の方法で配列することができる。0度の方向以外に、繊維は他の配置を有することもできる。実施形態のうちのいくつかは、軸からずれている幾何学的形状を有することができる。複合コアの一実施形態は、複合コアの縦軸の周囲に螺旋状に巻かれた繊維を含むことができる。繊維の巻方向は、0度の方向から約0度〜約90度の任意の角度をとることができる。この巻方向は、+方向および−方向であっても、あるいは+または−方向であってもよい。すなわち、繊維は、時計方向または反時計方向に巻くことができる。例示としての実施形態の場合には、繊維は、縦軸に対してある角度で縦軸の周囲に螺旋状に巻かれる。ある実施形態の場合には、コアを半径方向に形成することはできない。むしろ、コアは1つのコア内に一緒にまとめられる2つ以上の平らな層を有することができる。この構成の場合、繊維は0度配向の他に、他の繊維の配向を有することができる。繊維は任意の層内において0度配向に対してある角度に配置することができる。この場合も、この角度は約0度〜約90度からの+方向または−方向の任意の角度であってもよい。ある実施形態の場合には、1本の繊維または繊維のグループは、第1の方向を向くことができ、一方、他の繊維または繊維のグループは第2の方向を向くことができる。それ故、本発明は、すべての複数の方向を向いている幾何学的形状を含む。当業者であれば、他の可能な角度の向きを理解することができるだろう。
【0044】
種々の実施形態の場合には、繊維を織り交ぜることもできるし、または組み紐に織ることもできる。例えば、一組の繊維をある方向に螺旋状に巻き、一方、第2の組の繊維を反対方向に巻くこともできる。これらの繊維が巻かれる場合、一組の繊維の他方の組の繊維に対する位置を変えることができる。すなわち、繊維を織ることもできるし、十字の形に織ることもできる。螺旋状に巻かれた繊維のこれらの組は、また組み紐に織ることもできないし、織り交ぜることもできないが、コア内で同心の層を形成することができる。他の実施形態の場合には、組み紐に織ったスリーブをコアの上に置いたり、最終的なコア構成内に埋設することもできる。また、繊維をそれ自身の上でまたは繊維のグループ内で捩ることもできる。当業者であれば、繊維の向きが異なる他の実施形態を思い付くことができるだろう。これらの異なる実施形態は、本発明の範囲内に含まれる。
【0045】
繊維の上記の向き以外の他の幾何学的形状も使用することができる。複合コアは、異なる層および部分内で形成することができる。一実施形態の場合には、複合コアは、2つ以上の層を含む。例えば、第1の層は第1の繊維タイプおよび第1のタイプのマトリックスを有することができる。以降の層は、第1の層とは異なる繊維タイプおよび異なるマトリックスを含むことができる。異なる層は束ねて、最終的な複合コア内に詰め込むこともできる。一例を挙げて説明すると、複合コアは、炭素およびエポキシから作った層、ガラス繊維およびエポキシ層、および玄武岩繊維およびエポキシ層から構成することができる。他の例の場合には、コアは、4つの層、すなわち、玄武岩の内部層、炭素の次の層、ガラスの次の層、および玄武岩の外部層を含むことができる。これらすべての異なる配置は、複合コアに対する異なる物理特性を生成することができる。当業者であれば、可能な多数の他の層の構成を認識できるであろう。
【0046】
さらなるコア配置は、コア内に層の代わりに異なるセクションを含むことができる。図2は、複合コアの5つの可能な他の実施形態を示す。これらの断面は、複合コアがこれらのセクションを層状に形成しないで、2つ以上のセクション内に配置することができることを示す。それ故、所望の物理特性により、複合コアは、ある複合材料を含むコアの第1のセクション、および異なる複合材料を含む1つまたは複数の他のセクションを含むことができる。これらのセクションは、それぞれ1つまたは複数のタイプのマトリックス内に埋設されている1つまたは複数の繊維タイプからの複数の繊維から作ることができる。異なるセクションは、束ねて最終コア構成内に詰め込むこともできる。
【0047】
種々の実施形態の場合には、層またはセクションは、異なる繊維または異なるマトリックスを含むことができる。例えば、コアの1つのセクションは、熱硬化性セクション内に埋設されている炭素繊維であってもよい。他のセクションは、熱可塑性樹脂内に埋設されているガラス繊維であってもよい。各セクションを、マトリックス内および繊維タイプで均一にすることができる。しかし、セクションおよび層を混合して使用することもできる。すなわち、任意のセクションまたは層は、2つ以上の繊維タイプから作ることができる。それ故、セクションまたは層は、例えば、樹脂内に埋設されているガラス繊維および炭素繊維からなる複合材料であってもよい。それ故、本発明の複合コアは、1つの繊維タイプおよび1つのマトリックスしか含んでいない複合コア、2つ以上の繊維タイプおよび1つまたは複数のマトリックスを含む1つの層またはセクションしか含んでいない複合コア、またはそれぞれが1つまたは複数の繊維タイプおよび1つまたは複数のマトリックス・タイプを含む2つ以上の層またはセクションから形成されている複合コアを形成することができる。当業者であれば、複合コアの幾何学的形状の他の可能性を認識できるであろう。
【0048】
複合コアの物理特性は、また複合コア部材内の各成分の面積百分率を調整することにより調整することができる。例えば、上記複合コア内の炭素の全面積を0.0634平方インチ(0.41平方cm)から低減し、ガラス層の面積を0.0469平方インチ(0.31平方cm)から増大することにより、複合コア部材製品の剛性を低減し、柔軟性を増大することができる。
【0049】
改良型複合繊維は、下記の特性、すなわち、少なくとも約250Ksi、好適には、約350Ksi〜約1000Ksiの範囲内の引張強度;少なくとも15Msi、好適には約22Msi〜約45Msiの範囲内の弾性率;少なくとも約−0.6×10−6/℃〜約1.0×10−5/℃の範囲内の熱膨張率;約2%〜4%の範囲内の降伏延長百分率;約0.31W/m・K〜約0.04W/m・Kの範囲内の誘電率;および約0.065ポンド/立方インチ(1.8g/立方cm)〜約0.13ポンド/立方インチ(3.6g/立方cm)の範囲内の密度を有するグループから選択することができる。
【0050】
低弾性率繊維は、下記の特性、すなわち約180Ksi〜800Ksiの範囲内の引張強度;約6〜約15、より好適には約9〜約15Msiの弾性率;約5×10−6/℃〜約10×10−6/℃の範囲内の熱膨張率;約3%〜約6%の範囲内の降伏延長百分率;約0.034W/m×K〜約0.04W/m×Kの範囲内の誘電率;および、0.060ポンド/立方インチ(1.66g/立方cm)以上、しかし、より好適には、約0.065ポンド/立方インチ(1.8g/立方cm)〜約0.13ポンド/立方インチ(3.6g/立方cm)の密度を有するグループから選択することができる。
【0051】
一実施形態の場合には、複合コアは、散在する高弾性率の繊維および低弾性率の繊維を含むことができる。歪み/破断率により、このタイプのコアは、ハイブリッド化した複合材料の1つのセクションまたは層であってもよいし、またはこのタイプのコアは1つの繊維複合材料のいくつかのセクション内に形成することもできる。
【0052】
本発明によれば、複合マトリックスからなる樹脂は、処理のためのいくつかの特性を達成し、最終製品で所望の物理特性を達成するために、カスタマイズすることができる。それ故、繊維およびカスタマイズした樹脂の歪み/破断率を決定することができる。
【0053】
複合コアは、また、複合コアへのまたは複合コアの周囲のフィルムへの他の表面適用または表面処理を含むことができる。図1Bについて説明すると、例えば、フィルム305またはコーティングが複合コア303を囲んでいる。フィルムは、コア303を環境要因から保護し、コア303を磨耗から保護し、またはコア303を他の処理のために準備するコアへの任意の化学薬品または材料塗布を含むことができる。これらのタイプの処理のうちのあるものとしては、ゲル・コート、保護塗装、または他の後仕上げまたは前仕上げ、またはカプトン、テフロン、Tefzel、Tedlar、マイラー、Melonex、Tednex、PET、PENまたはその他のようなフィルムがあるが、これらに限定されない。
【0054】
本発明によれば、保護フィルムは、少なくとも2つの効果を有する。第1の効果は、フィルムがコアに接着して、コアを環境要因から保護し、それにより潜在的に寿命を延ばすことである。第2の効果は、フィルムが、ダイと接触するコアの外部を潤滑にするので、製造が容易になり、処理速度が速くなることである。種々の実施形態の場合には、この材料は、多くの場合、接着剤類似の樹脂マトリックスがダイの内面と接触するのを防止し、それにより処理速度が劇的に改善されることである。効果は、本質的に、フィルムが実際に動的であるものの内部に静的処理環境を生成することである。種々の実施形態の場合には、フィルムは単層フィルムであってもよいし、または複数の層が複数の寸法および/または物理特性を有する多重層フィルムであってもよい。例えば、内部層の物理特性は、コア303への接着という点で互換性を有することができ、一方、外部層は、単に互換性を有さない処理の補助として使用することができる。
【0055】
材料の適用のいくつかは、コアに適用された表面ベール、コアに適用されたマット、またはコアの周囲に巻かれた保護または導電性テープを含むが、これらに限定されない。テープとしては、乾式テープまたは湿式テープ等がある。テープとしては、紙または紙製品のテープ、金属テープ(アルミニウム・テープ等)、ポリマー・テープ、ゴム・テープ等があるが、これらに限定されない。これらの製品のいずれも、コアを、湿気、熱、低温、紫外線または腐食要素のような環境の力から保護することができる。フィルムのいくつかの例としては、カプトン、Tefzel(テフロンとカプトンの混合物)、VB−3、テフロン、PENおよびPET(マイラー、ポリエステル等)を含むことができる。当業者であれば、コアへの他の適用および処理を認識しているであろうが、これらは本発明の範囲に含まれる。
【0056】
ある種の鋼鉄補強または金属補強ケーブルの場合には、ほかの問題が発生する。鋼鉄補強ケーブルの場合には、連続しているタワーまたはポール構造間のケーブルの撓みを測定しなければならない。ライン内の撓みにより、ケーブル内に振動または揺れが発生し、場合によっては、撓みは、高調波振動、Aeolian(風による)振動、またはケーブル内の過度の揺れを生じる恐れがある。風の速度または環境の力により、ケーブルは、高調波の周波数でまたはこのような力で、応力および歪みによりケーブルまたは支持構造を磨耗したり、弱くする振動を起こす場合がある。損傷を与える振動を生じる恐れがあるいくつか環境の力としては、風、雨、地震、潮の流れ、波動、河川の流れ、近くの自動車交通、近くの船舶または近くの航空機の航行等があるが、これらに限定されない。当業者であれば、他の力も破壊的な振動を発生する恐れがあることを理解することができるだろう。さらに、当業者であれば、高調波振動または損傷を与える振動は、ケーブルの材料、撓み、スパンの長さおよび振動を生じる力の関数であることを理解することができるだろう。
【0057】
線路を横切るまたは線路の近くのケーブルの全長の場合には特殊な問題が起きる。線路に沿った列車の移動および強力なジーゼル・エンジンによる振動は、線路内および線路の周囲の地面内に振動を生じる。地面が振動すると、電気ケーブルを保持している電柱および支持構造が振動する。そうすると、支持構造の振動によりケーブルが振動する。場合によっては、ケーブル内の振動は、激しいまたは損傷を与える振動および揺れを生じる高調波で発生する。この高調波振動または損傷を与える振動は、ケーブルおよび支持構造内に応力を生じる。ACSRまたは類似のケーブル内の撓みは、振動の影響を増幅する。ある例の場合には、撓みが列車からの高調波振動を生じる場合がある。線路の近くのACCCケーブルは、同じ振動により影響を受けない。むしろ、線路に平行にまたは線路の近くを走るACCCケーブル、または線路を横切るACCCケーブルは、ラインの撓みが小さい場合がある。ラインの撓みが小さくなったり、または複合コアの特性が変わると、列車による振動の影響を低減したり、弱めたり、軽減したりする。
【0058】
本発明は、風または通過する列車のような他の力による、電気ケーブル内の高調波または損傷を与える揺れまたは振動を防止するのに役に立つ。第一に、ACCCケーブルは、強度が改善されているので、重量特性に対して異なる方法で設置することができる。ACCCケーブルは、より少ない撓みで距離を延ばすことができる。ACCCケーブルは、すでに説明したように内部コアの特性が改善されているので、鋼鉄補強ケーブルよりも軽く丈夫にすることができる。それ故、鋼鉄補強ケーブルと比較した場合、ACCCケーブルに問題を起こす周波数は異なる場合がある。場合によっては、損傷を与える振動または揺れを起こす恐れがあるケーブル内の周波数を調整するための撓みの大きさが異なる。ケーブルの撓みを小さくして、ケーブル内に生じる恐れがある高調波の周波数、または損傷を与える周波数を変えることができる。さらに、ケーブル・スパンを変えることもできる。ACCCケーブルの強度が増大しているので、電柱間の距離を変えて、損傷を与える周波数を調整することができる。当業者であれば、振動または揺れ、特に高調波振動または損傷を与える振動を低減したり、根絶したりするのに役に立つACCCケーブルが供給する他の設置の可能性を理解することができるだろう。
【0059】
第二に、複合コアで使用する材料を調整して、ケーブル内の振動を低減することができる。例えば、複合コアの層内で、セクション内でまたはマトリックス材料の一部としてエラストマまたは他の材料を使用することができる。エラストマまたは他の材料を使用すると、振動を吸収したり、振動を散逸させたりする振動低減構成要素としての働きをする場合がある。さらに、振動を低減するために繊維タイプを調整することができる。例えば、ポリマー繊維のようなより弾力のある繊維タイプを、振動を吸収し、または散逸するために使用することができる。それ故、複合コアの組成は、振動力を防止または緩和することができる。当業者であれば、振動または揺れ、特に高調波振動または損傷を与える振動を低減または根絶することができる、複合コアに対する他の変更を認識することができるであろう。
【0060】
第三に、1つのまたは複数のプロファイルとしてのコアの幾何学的形状は、その平滑な表面がそれら自身の間および/またはアルミニウム導体のストランドとの間で相互に作用するので、自己制動特性を与える働きをすることができる。この相互作用は、コア構成要素の幾何学的形状および/またはACCCケーブルの設置張力を変えることにより、さらに調整することができる広い範囲の周波数および振幅の範囲内の振幅を「吸収」する。
【0061】
本発明により製造した複合ケーブルは、いくつかの物理特性を有し、これらのいくつかの物理特性は、複合コアの形成プロセス中に、パラメータを変えることにより制御することができる。より詳細に説明すると、複合コア形成プロセスは、最終ACCCケーブルで所望の物理特性を達成するために調整することができる。
ACCC補強ケーブル用の複合コアの製造方法
複合コアの製造方法はいくつかあるが、以下に例示としてのプロセスを説明する。この例示としてのプロセスは、複合コア用の高速製造プロセスである。すでに説明したいくつかの異なるコア構造を含むいくつかの異なる複合コアを形成するために、例示としてのプロセスを含む多くのプロセスを使用することができる。しかし、下記の説明は、一方向の繊維および均一に積層した同心複合コアを備える、ガラス繊維外層を含む炭素繊維コアを生成するための高速処理について説明することにする。本発明は、1つの実施形態に限定されないで、上記複合コアを形成するために高速プロセスを使用するために必要なすべての変更を含む。当業者であれば、これらの変更を認識することができるだろう。
【0062】
本発明によれば、多相形成プロセスは、ほぼ連続している長さの適当な繊維トウおよび熱処理することができる樹脂から複合コア部材を製造する。適当なコアを製造した後で、複合コア部材を高導電性材料で包むことができる。
【0063】
本発明によるACCCケーブル用の複合コアの製造プロセスについて以下に説明する。図3について説明すると、この図は、全体を参照番号400で示す本発明の導体コア形成プロセスである。形成プロセス400は、適当な繊維トウまたはロービングおよび樹脂から、連続している長さの複合コア部材を製造するために使用される。結果として得られる複合コア部材は、均一に分布しているほぼ平行な繊維の内層および外層を含む混在同心コアを備える。
【0064】
米国一部継続出願第10/691,447号および米国一部継続出願第10/692,304号および国際特許出願PCT/US03/12520号に詳細に記載されているので、動作のスタートについてのみ簡単に説明する。これらの文献は参照により本明細書に組み込むものとする。動作のスタート時には、引張動作をスタートするために、引張および巻取りスプール機構が作動する。一実施形態の場合には、プロセスの出口端部から延びる複数の繊維を含む、含浸処理を行っていない初期の繊維トウが、繊維トウ・ガイドおよび複合コア処理システム400を通して、スプール(図示せず)から繊維トウ402(および401)を引き出すために動作のスタート時に先導者としての働きをする。図に示すように、繊維トウ402は、ガラス繊維402の外部繊維トウにより囲まれている炭素繊維401の中心部分を含む。
【0065】
図3について説明すると、繊維トウ401および402の複数のスプールは、分配ラック・システム内に収容されていて、繊維トウ・ガイド(図示せず)を通る。繊維はほどくことができ、コアの所望の特性に従って、プロセス中、繊維を平行に維持することもでき、または繊維を撚ることもできる。好適には、装置の端部の引出装置(図示せず)が、装置を通して繊維を引っ張ることが好ましい。各分配ラックは、各スプールの張力を調整するデバイスを備えることができる。例えば、各ラックは、各スプールの張力を個々に調整するために分配ラックに小さなブレーキを備えることができる。張力を調整することにより、移動中、繊維のカタナリーおよび交差が最小限度にまで低減され、加湿プロセスが容易になる。一実施形態の場合には、トウ401/402を、ガイド(図示せず)を通して引っ張り、湿気を除去する予熱オーブン内に導入することができる。好適には、予熱オーブンは、温度を一定に維持するために連続している円形の空気の流れおよび加熱素子を使用することが好ましい。好適には、予熱オーブンは、100℃以上であることが好ましい。
【0066】
一実施形態の場合には、トウ401/402は、ウェットアウト・システム内に導入される。ウェットアウト・システムは、繊維を湿らせることができるまたは繊維に樹脂を含浸させることができる任意のプロセスまたはデバイスであってもよい。ウェットアウト・システムは、後の加熱中に液化する固体の形態の樹脂の組み込みを含むことができる。例えば、熱可塑性樹脂を数本の繊維として形成することができる。これらの繊維は、例示としての実施形態の炭素繊維およびガラス繊維と一緒に散在させることができる。繊維の束を加熱した場合、熱可塑性繊維は、液化または溶融し、炭素繊維およびガラス繊維にしみ込むか、これらの繊維を濡らす。
【0067】
他の実施形態の場合には、炭素繊維およびガラス繊維は、繊維を囲んでいる皮またはスキンを含むことができ、皮は粉末の形で熱可塑性樹脂または他のタイプの樹脂を保持するか含んでいる。繊維が加熱されると、皮は溶融または蒸発し、粉末状の樹脂は溶融し、溶融した樹脂が繊維を濡らす。他の実施形態の場合には、樹脂は繊維に適用されたフィルムであり、溶融して繊維にしみ込む。さらに他の実施形態の場合には、樹脂がすでに繊維にしみ込んでいて、当技術分野ではこれらの繊維は予備含浸トウと呼ばれる。予備含浸トウを使用する場合には、ウェットアウト・タンクまたはデバイスは使用しない。ウェットアウト・システムのある実施形態は、ウェットアウト・タンクである。以後の説明中にはウェットアウト・タンクを使用するが、本発明はこの実施形態に限定されない。むしろ、ウェットアウト・システムは、繊維を濡らすための任意のデバイスであってもよい。ウェットアウト・タンクは、繊維トウ401/402にしみ込ませる樹脂で満たされている。ウェットアウト・タンクの出口のところで繊維トウ401/402から余分な樹脂が除去され、最終的には、材料として初期硬化ダイ内に導入される。
【0068】
繊維に樹脂を適用するためまたは含浸させるために、当技術分野で周知の種々の他の技術を使用することができる。このような技術としては、例えば、スプレー、浸漬、逆コーティング、ブラッシングおよび樹脂注入等がある。他の実施形態の場合には、超音波作動は、繊維の湿潤機能を改善するために振動を使用する。他の実施形態の場合には、繊維を湿潤するために浸漬タンクを使用することができる。浸漬タンクは、樹脂で満たされたタンク内への繊維ドロップを有する。繊維が樹脂で満たされたタンクから出た場合、繊維は湿潤状態にある。さらに他の実施形態は、注入ダイ組立体を含むことができる。この実施形態の場合には、繊維は樹脂で満たされている加圧タンクに入る。タンク内の圧力は、繊維を湿潤するのを助ける。繊維は、依然として加圧タンク内に位置している間に、複合材料を形成するためのダイに入る。当業者であれば、他のタイプのタンクおよびウェットアウト・システムも使用することができることを理解することができるだろう。
【0069】
通常、種々の周知の樹脂組成のいずれも本発明と一緒に使用することができる。ある例示としての実施形態の場合には、熱で硬化する熱硬化性ポリマーを使用することができる。樹脂は、例えば、PEAR(ポリエーテル・アミド樹脂)、ビスマレイミド、ポリイミド、液晶ポリマー(LCP)、ビニル・エステル、液晶技術をベースとする高温エポキシ、または類似の樹脂材料であってもよい。当業者であれば、本発明で他の樹脂も使用することができることを理解することができるだろう。樹脂は、プロセスおよび複合コアで必要な物理特性に基づいて選択される。
【0070】
さらに、樹脂の粘度は、形成速度に影響を与える。複合コア部材の形成のための樹脂に対する繊維の所望の割合を達成するために、好適には、樹脂の粘度範囲は、20℃で約50センチポアズ〜約3000センチポアズの範囲内であることが好ましい。より好適には、粘度は、20℃で約800センチポアズ〜約1200センチポアズの範囲内にあることが好ましい。好適なポリマーは、広い範囲の攻撃的な化学薬品に耐性を有し、非常に安定した誘電特性および絶縁特性を有する。さらに好適には、ポリマーがASTME595ガス抜き要件、UL94可燃性試験に適合し、部材の強度を熱的にも機械的にも破壊しないで、180℃〜240℃の範囲の温度またはより高い温度で、間欠的に動作することができることが好ましい。
【0071】
所望の繊維対樹脂湿潤比を達成するために、ウェットアウト・タンクの上流側は、繊維から余分な樹脂を除去するためのデバイスを備えることができる。一実施形態の場合には、ウェットアウト・システムの終りの部分の後に、好適には鋼鉄クロームメッキのワイピング・バーでできていることが好ましい、一組のワイパーを設置することができる。ワイパーは、「ドクタ・ブレード」または余分な樹脂を除去するための他のデバイスであってもよい。
【0072】
ウェットアウト・プロセス中、繊維の各束は、最終製品にとって望ましい樹脂の3倍の量の樹脂を含む。複合コア部材の断面内部で正しい割合の繊維と樹脂を達成するために、純粋な繊維の量が計算される。1つのダイ、一連のダイまたはワイパーは、余分な樹脂を除去し、繊維/樹脂容積分率を制御するように設計される。別の方法としては、ダイおよびワイパーを、任意の繊維/樹脂容積分率が通過できるように設計することができる。他の実施形態の場合には、上記デバイスは、一組のバーまたは樹脂を除去する絞り出しブシュであってもよい。これらの樹脂除去デバイスは、また、他のウェットアウト・システムと一緒に使用することもできる。さらに、当業者であれば、余分な樹脂を除去するために、他のデバイスを使用することもできることを理解できるであろう。好適には、余分な樹脂を収集して、ウェットアウト・タンクに還流することが好ましい。
【0073】
好適には、リサイクル・トレーは、溢れた樹脂を捕捉するためにウェットアウト・タンクの下を縦方向に延びることが好ましい。より好適には、ウェットアウト・タンクは、流出機能を有する補助タンクを備えることが好ましい。流出樹脂は、パイプを通って重力により補助タンクに戻る。別の方法としては、タンクの流出を流出チャネルで捕捉し、重力によりタンクに戻すことができる。さらに別の方法としては、プロセスは、補助タンクからウェットアウト・タンク内に樹脂を再循環するためにドレン・ポンプ・システムを使用することができる。好適には、コンピュータ・システムが、タンク内の樹脂レベルを制御することが好ましい。センサが樹脂レベルの低下を検出し、樹脂を補助混合タンクから処理タンクにポンプで送るためにポンプを作動する。より好適には、ウェットアウト・タンクのエリア内に混合タンクを設置することが好ましい。樹脂は、混合タンク内で混合され、樹脂ウェットアウト・タンク内にポンプで送られる。
【0074】
繊維トウ401/402は、トウ401および402を詰め込み構成するためにダイ406内に送られる。複合材料を詰め込み、空気を押し出し、繊維を複合コアに成形するために、1つまたは複数のダイを使用することができる。例示としての実施形態の場合には、複合コアは、二組の繊維トウからできている。内部セグメントは、炭素からできていて、一方、外部セグメントはガラスからできている。第1のダイ406は、さらに繊維樹脂マトリックスから余分な樹脂を除去するように機能し、樹脂の触媒作用(または「B−ステージング」)を開始することができる。ダイの長さは、繊維および樹脂の必要な特性の関数である。本発明によれば、ダイ406の長さは、約1/2インチ(1.3cm)〜約6フィート(1.8m)である。好適には、ダイ406の長さは、所望のライン速度により、約3インチ(7.6cm)〜36インチ(91.4cm)であることが好ましい。ダイ406は、さらに、ダイ406の温度を変えることができる加熱素子を備える。例えば、種々の樹脂系においては、種々の硬化剤または促進剤を活性化するために、ダイ内に1つまたは複数の加熱ゾーンを有することが望ましい。
【0075】
本発明が使用する樹脂の場合には、プロセスの速度を約60フィート/分(18.3m/分)まで、またはそれ以上速くすることができる。本発明の一実施形態の場合には、コアが第1のダイ406から引き出され、保護テープ、コーティングまたはフィルムで包みこまれる。種々の実施形態を説明するために、テープ、コーティングおよびフィルムを使用することができるが、本明細書内においては、フィルムという用語は、説明を分かり易くするために使用するのであって、限定的な意味を持たない。
【0076】
図3の場合には、テープ408用の2つの大型のロールが、テープを第1のカーディング・プレート410内に導入する。カーディング・プレート410は、コアの周囲でテープを相互に平行に整合する。コア409は第2のカーディング・プレート412の方向に引っぱられる。カーディング・プレート412の機能は、中央のコア409の方向にテープを次第に曲げることである。コア409は、第3のカーディング・プレート414を通して引っぱられる。カーディング・プレート414の機能は、中央コア409の方向にテープを曲げることである。再度図3について説明すると、コア409は、コア409の周囲にさらにテープを巻きつける働きをする第4のカーディング・プレート416を通して引っぱられる。この例示として実施形態は、4つのカーディング・プレートを備えているが、本発明は、包み込みを行うために任意の複数のプレートを備えることができる。樹脂の触媒作用および処理を助けるために、各ダイの間のエリアの温度も制御することができる。
【0077】
他の実施形態の場合には、テープの代わりにコーティング機構を使用している。このような機構は、コア409を保護コーティングでコーティングする働きをする。種々の実施形態の場合には、コーティングは、複合コアに対して任意の複数の角度からコーティングを行うように調整した装置により、スプレーすることもでき、ローラで塗布することもできる。例えば、逆コーティングによりゲルコートをペンキのように塗布することもできる。好適には、コアおよびコーティングが、プロセスの終わりの巻取りホイールに達する時間までに乾燥するように、コーティングの硬化時間は短いことが好ましい。
【0078】
コア409がテープで巻かれると、コア409は、第2のダイ418を通して引っぱられる。第2のダイ418は、コア409をさらに圧縮し、成形するために機能する。すべての繊維トウ401/402が圧縮されると、分布が均一になり、積層され、必要な外径を有する同心の最終複合コアができる。第2のダイも、触媒作用プロセスを完了することができる。
【0079】
また、複合コア409を、第2のBステージオーブンを通して、複合コア部材が硬化される次のオーブン処理システムに送ることができる。このプロセスが硬化のための熱を決定する。硬化のための熱は、硬化プロセスを通して一定である。本発明の場合には、硬化のための好適な温度は、約350F(摂氏177度)〜約500F(摂氏260度)の範囲である。好適には、硬化プロセスの長さは、約3フィート(0.9m)〜約60フィート(18m)の範囲内であることが好ましい。より好適には、硬化プロセスの長さは、約10フィート(3m)の範囲内であることが好ましい。
【0080】
硬化後、複合コアは、冷却ステージを通過する。好適には、プロセスの終わりに位置する引張装置に達する前に、空気の対流により約8フィート(2.4m)〜約15フィート(4.6m)の距離の間で複合コア部材を冷却することが好ましい。別の方法としては、高温で後硬化するために、コアを次のオーブン処理システムへ送ることができる。後硬化プロセスは、樹脂内の架橋を促進し、そのため複合部材の物理特性が改善する。一般的に、このプロセスの場合、加熱プロセスと冷却プロセスとの間に置くことができ、プロセスの終わりの引張装置は、製品を把握し引っ張るために使用する引張デバイスが製品に損傷を与えないように、自然にまたは対流により製品を冷却することができる。引張装置は、正確に制御された速度で、プロセスを通して製品を引っ張る。
【0081】
コア409がプロセスを通過した後で、巻取システムによりコアを巻きとることができ、それにより繊維コアが保管または輸送のためにホイールの周囲に巻かれる。巻取りが、曲げによりコアに過度の応力を掛けないようにすることが、コア部材の強度にとって重要なことである。一実施形態の場合には、コアは全然捩れていないで、繊維は1つの方向に向いている。標準巻取ホイールは、3.0フィート(0.9m)の直径を有し、100,000フィート(30000m)までのコア材料を貯蔵することができる。ホイールは、コア部材をあまりに固く巻いた構成に強制的にしないで、複合コア部材の硬度を有するように設計される。巻取ホイールは、また輸送要件に適合しなければならない。それ故、ホイールの大きさは橋の下を通過でき、セミトレーラまたは列車により輸送できるものでなければならない。他の実施形態の場合には、巻取システムは、ホイールが巻取りから巻戻す方向に逆転するのを防止するための手段を備える。この手段は、例えば、クラッチまたはブレーキ・システムのようなホイールの逆転を防止する任意のデバイスであってもよい。
【0082】
他の実施形態の場合には、プロセスは、ライン検査システムを備える品質管理システムを含む。品質管理プロセスは、一定の製品を保証する。品質管理システムは、複合コア部材の超音波検査;最終製品内のトウの数の記録;樹脂の品質の監視;種々の段階におけるオーブンおよび製品の温度の監視;構造の測定;または引張プロセスの速度の測定を含むことができる。例えば、複合コア部材の各バッチは、プロセスの性能を最適状態に維持するためのサポート・データを含む。別の方法としては、品質管理システムは、またマーキング・システムを備えることができる。マーキング・システムは、複合コア部材に特定のロットの製品情報をマークするために、一意に埋設した繊維のようなシステムを含むことができる。さらに、複合コア部材は、例えば、Aクラス、BクラスおよびCクラスのように、特定の品質によりいくつかの分類に分けることができる。
【0083】
複合コア部材を処理するために使用する繊維は、最終複合コア部材製品が必要とする仕様に適合するように交換することができる。例えば、このプロセスの場合、高品質の炭素およびガラスを含む炭素コアおよびガラス繊維外部コアを含む、複合コア部材内で繊維を交換することができる。このプロセスを使用すれば、繊維と必要な小さなコア・サイズの組合せにより、より安価な繊維の代わりに、より高価で性能がより優れた繊維を使用することができる。一実施形態の場合には、繊維の組合せにより、低モジュラスの非導電性外部絶縁層で囲まれた、最少の導電性の強度の高い内部コアを形成することができる。他の実施形態の場合には、外部絶縁層は、複合コア部材を柔軟にし、コア部材を巻いたり、保管したり、輸送ホイールにより輸送できるようにする。外部非鉄コア材料も、従来の金属コアと(通常はアルミニウム合金である)異なる導体線との間に通常位置する電解質のタイプを緩和する。
【0084】
複合コアの設計を変更すると、内部コアの剛性および強度が影響を受ける場合がある。1つの利点を挙げると、最終ACCCケーブル内に所望の最適な物理特性を達成するようにコアの幾何学的形状を設計することができる。本発明の他の実施形態の場合には、種々に変化する物理特性に適合するように複合コアの断面を再設計することができ、複合コア部材の柔軟性を改善することができる。再度図2について説明すると、複合コアの形状を変えると、複合コア部材の柔軟性も変わる。繊維タイプおよびマトリックス材料の構成も柔軟性を変化させることがある。本発明は、巻取ホイール上に巻くことができる複合コアを含む。巻取ホイールまたは輸送ホイールは、市販の巻取ホイールまたは巻取ドラムであってもよい。これらのホイールは、通常、内径30〜48インチの木製または金属製である。
【0085】
より硬度の高いコアは、市販されていないより大きなホイール直径を必要とする場合がある。さらに、より大きな巻取ホイールは、橋の下を通ることができ、セミトレーラにより輸送することができる輸送規格に適合しない場合がある。それ故、硬度の高いコアは実用的でない。複合コアの柔軟性を改善する目的で、受け入れることができる包装直径にするために、コアを捩ったりセグメントに分割することができる。一実施形態の場合には、コアは、ひび割れを防止するために、ホイールの周囲にコアを1回巻く度に繊維が360度回転される。捩った繊維は本発明の範囲内に含まれ、個々に捩った繊維またはグループとして捩った繊維を含む。すなわち、繊維はロービングとして、束として、または繊維のある部分として捩ることができる。別の方法としては、コアは、捩った繊維およびまっすぐな繊維の組合せであってもよい。捩りはホイール直径の制限により決まる。繊維上の張力応力および圧縮応力は、回転毎の1回の捩りによりバランスがとられる。
【0086】
巻取り応力は、セグメントに分割したコアを製造することにより低減される。図2は、図1のコアの実施形態以外のコアの実施形態のいくつかの例を、すなわち外部同心コアにより囲まれている内部同心コアを示す。処理中のセグメントに分割したコアは、セクションを別々の片が合体している別々の片として硬化することにより形成される。コアをセグメント分割することにより、部材製品上にさらなる応力を加えないで、必要な巻取直径にするために0.375インチ(0.95cm)より大きいコアを含む複合部材製品を作ることができる。
【0087】
複合コア部材の断面の可変幾何学的形状を複数のストリームとして処理することができる。各セグメントの構成を平行に収容するように、処理システムが設計される。好適には、各セグメントは、一連の連続しているブッシュまたはダイを、各通路に対して予め定めた構成を有するブッシュまたはダイと交換することにより形成することが好ましい。より詳細に説明すると、通路の大きさを、より多くのまたはより少ない繊維を収容するように変えることができ、最終製品で異なる構成の繊維を組み合わせることができるように通路の配置を変えることができ、複合コア部材内の変化した幾何学的断面の構成を容易にするために、複数の連続しているブッシュまたはダイ内に他のブッシュを追加することができる。処理システムの終わりで、一体の(ワンピースの)本体を形成する製品としての複合ケーブル・コアを形成するために、プロセスの終わりに種々のセクションが組み合わされる。別の方法としては、柔軟性を改善し、巻取りを容易にするためにセグメントを捩ることができる。
【0088】
最終複合コアは、複合ケーブルを形成している軽量で導電性の高いアルミニウムで包むことができる。本発明の名称および説明内においてはアルミニウムを使用したが、導体は任意の導電性の高い物質から形成することができる。より詳細に説明すると、導体は、電線に適している金属であっても、金属合金であってもよい。アルミニウムが最も一般的に使用されているが、銅も使用することができる。銀、金、またはプラチナのような貴金属も使用することができるが、これらの金属はこのような用途には非常に高価である。例示としての実施形態の場合には、複合コア・ケーブルは、外部絶縁ガラス繊維複合層およびアルミニウムの台形のストランドの2つの層を有する内部炭素コアを備える。
【0089】
一実施形態の場合には、アルミニウムの内部層は、複合コア部材の周囲に反時計方向に螺旋状に巻かれた、または巻き付けた複数の台形のアルミニウム・セグメントを備える。各台形セクションは、アルミニウムの量を最適にし、導電性を改善するように設計される。台形セグメントの幾何学的形状により、各セグメントは複合コア部材の周囲に一緒に強固に適合することができる。
【0090】
他の実施形態の場合には、アルミニウムの外部層は、複合コア部材の周囲に時計方向に螺旋状に巻かれた、または巻き付けた複数の台形のアルミニウム・セグメントを備える。巻き付け方向の反対になっているために、最終ケーブルのねじれが防止される。各台形のアルミニウム素子は、内部アルミニウム層の周囲を包んでいる台形のアルミニウム素子と強固に一緒に固定される。この強固な固定により、アルミニウムの量が最適になり、高い導電性を必要とするアルミニウムの量が少なくてすむ。
【0091】
複合コアを電気導体で囲むことにより最終ACCC補強ケーブルができる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は送電ケーブルに関する。本発明によるアルミニウム導体複合コア補強ケーブルを使用すれば、過度のラインの撓みを生じないで、電流容量を増大することができる固有の特性を有する材料により、送電ケーブルの許容荷重を改善することができる。さらに本発明によるケーブルは、依然として現在の送電構造およびラインを使用することができるので、現在のケーブル送電ラインを容易に交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明によるアルミニウム導体の2つの層により囲まれている内部複合コアおよび外部複合コアを示すアルミニウム導体複合コア(ACCC)補強ケーブルの一実施形態の略図。
【図1B】本発明によるアルミニウム導体の外部保護層および2つの層により囲まれている内部複合コアおよび外部複合コアを示すアルミニウム導体複合コア(ACCC)補強ケーブルの一実施形態の略図。
【図2】本発明による5つの可能な複合コアの断面の幾何学的形状の断面図。
【図3】本発明による複合コアを処理するための方法の一実施形態の断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気ケーブル用の複合コアであって、
熱硬化性樹脂内に少なくとも1つの縦方向を向いた、ほぼ連続する補強繊維タイプを含む高度複合材料からなる内部コアと、
熱硬化性樹脂内に少なくとも1つの縦方向を向いた、ほぼ連続する補強繊維タイプを含む低弾性率複合材料からなる外部コアと、
前記複合コアを囲んでいる外部フィルムとを備え、
前記複合コアの引張強度が少なくとも160Ksiである複合コア。
【請求項2】
前記複合コアの補強繊維タイプが、炭素繊維、ケブラー繊維、玄武岩繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、液晶繊維、高性能ポリエチレン、鋼鉄ハードワイヤ・フィラメント、鋼線、鋼繊維、接着力を最適化したコーティングを含む高炭素鋼コード、接着力を最適化したコーティングを含まない高炭素鋼コードおよびカーボンナノファイバからなるグループから選択される請求項1に記載の複合コア。
【請求項3】
前記高度複合材料が、約15〜約45Msiの範囲内の弾性率、および少なくとも約350Ksi〜約1000Ksiの範囲の引張強度を有する少なくとも1本の繊維を含む請求項1に記載の複合コア。
【請求項4】
前記低弾性率複合材料が、少なくとも約6Msi〜約15Msiの範囲内の弾性率、および少なくとも約180Ksi〜約300Ksiの引張強度を有する少なくとも1本の繊維を含む請求項1に記載の複合コア。
【請求項5】
前記外部フィルムが、
カプトン、テフロン、Tefzel、Tedlar、マイラー、Melonix、Tednex、PENおよびPETからなるグループから選択される請求項1に記載の複合コア。
【請求項6】
前記ほぼ連続する補強繊維タイプが捩れている請求項1に記載の複合コア。
【請求項7】
前記複合コアが、導体の少なくとも1つの層により囲まれている請求項1に記載の複合コア。
【請求項8】
電気ケーブル用の複合コアであって、
樹脂マトリックス内に2つ以上のタイプの補強繊維タイプを含み、前記コアが、さらに、
少なくとも50%の繊維容積分率を含み、少なくとも1つの繊維が、少なくとも約−0.6×10−6/℃〜約1.0×10−5/℃の範囲内の熱膨張率および少なくとも約250Ksi(2413MPa)の引張強度とともに、少なくとも約15(151GPa)〜45Msi(255GPa)の弾性率を有し、少なくとも1つの繊維が、少なくとも約9Msiの弾性率、約5×10−6/℃〜約10×10−6/℃の範囲内の熱膨張率、および少なくとも約180Ksi(1241MPa)の引張強度を有し、
外部フィルムが前記複合コアを囲んでる電気ケーブル用複合コア。
【請求項9】
前記外部フィルムが、カプトン、テフロン、Tefzel、Tedlar、マイラー、Melonix、Tednex、PENおよびPETからなるグループから選択される請求項8に記載の複合コア。
【請求項10】
前記ほぼ連続する補強繊維タイプが捩れている請求項8に記載の複合コア。
【請求項11】
前記複合コアが、導体の少なくとも1つの層により囲まれている請求項8に記載の複合コア。
【請求項12】
電気ケーブル用の複合コアを処理するための方法であって、
繊維樹脂マトリックスを形成するために、1つまたは複数のタイプの縦方向を向いた、ほぼ連続する繊維タイプを樹脂を通して引っ張るステップと、
前記繊維樹脂マトリックスから過度の樹脂を除去するステップと、
前記繊維を少なくとも1つのダイにより決まる幾何学的形状に圧縮するために、少なくとも1つの第1のダイ・タイプを通して前記繊維樹脂マトリックスを処理するステップと、
外部フィルムを導入するステップと、
前記複合コアの回りに前記外部フィルムを巻き付けるステップと、
前記複合コアおよびコーティングを圧縮するために、少なくとも1つの第2のダイ・タイプを通して前記繊維樹脂マトリックスを処理するステップと、
前記複合コアおよびコーティングを硬化するステップとを含む方法。
【請求項13】
前記複合コアが、炭素繊維、ケブラー繊維、玄武岩繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、液晶繊維、高性能ポリエチレン、鋼鉄ハードワイヤ・フィラメント、鋼線、鋼繊維、接着力を最適化したコーティングを含む高炭素鋼コード、接着力を最適化したコーティングを含まない高炭素鋼コードおよびカーボンナノファイバからなるグループから選択される少なくとも1つの繊維を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記外部フィルムが、カプトン、テフロン、Tefzel、Tedlar、マイラー、Melonix、Tednex、PENおよびPETからなるグループから選択される請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記繊維樹脂マトリックスを巻く前記ステップが、前記コアの周囲で前記フィルムを成形し、圧縮するために、1つまたは複数のカーディング・プレートを使用するステップをさらに含む請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−527098(P2007−527098A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536862(P2006−536862)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/035201
【国際公開番号】WO2005/040017
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(506217391)シーティーシー ケーブル コーポレイション (2)
【氏名又は名称原語表記】CTC CABLE CORPORATION
【Fターム(参考)】