説明

アーク炉における酸素または酸素含有ガスの吹き込み方法

【課題】溶融金属への酸素または酸素含有ガスの吹込みよる攪拌効果を維持しつつ、炉底の耐火物の損耗を抑制することが可能で、更には操業における整備を含めたランニングコストを抑えられる設備構成としたシンプルな酸素または酸素含有ガスの吹き込み方法を提供すると同時に、炉内を密閉化し炉内温度の低下を抑制し集塵効果を向上させる。
【解決手段】アーク炉の炉壁の外方に固定装着されたランスにより、ランス先端部の酸素または酸素含有ガスの吐出口の位置を溶融金属面から鉛直方向で700mm以上遠ざけ、かつ吐出口から吐出される酸素または酸素含有ガスの溶融金属面に突入する角度を鉛直方向の面において溶融金属面からの角度が30゜から60゜の範囲とし、酸素または酸素含有ガスの溶融金属表面上での突入速度を150m/秒から300m/秒の範囲となるようにランス先端部の吐出口からの吹込み速度を決定して吹き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材料の溶解、溶融金属の精錬に使用されるアーク炉の炉壁に設けられるランスから酸素または酸素含有ガスを吹き込む方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属材料(例えば金属スクラップなど)の溶解および溶融状態になった溶融金属の脱炭や加熱を目的としたアーク式電気炉においては、酸素または酸素含有ガスを吹き込む方法はしばしば用いられてきた。
【0003】
特に、最近のアーク炉は金属材料を溶解・溶融させた後に精錬が完了し溶融金属を炉外の取り鍋に排出する際に、出来るだけ炉内スラグを出さないために、出鋼口が偏芯している炉底偏芯出鋼方式アーク炉が多く設置されるようになった。
【0004】
このようなアーク炉において酸素または酸素含有ガスを吹き込む方法としては、従来、消耗式のパイプを溶融金属の中に浸漬させる方法が採用されてきたが、パイプコストの削減やパイプ消耗時の供給作業の廃止を目的に、特許文献1に示されるように、酸素または酸素含有ガスを水冷されたランスから吹き込む方法として、溶融金属の表面から水冷式ランスの吹き出し位置までの高さhが300mmから700mmの範囲で、かつ溶融金属の表面と水冷式ランスの吹き出し方向の成す角度θが30度以上で、かつ〔数1〕の計算式を用いて吹き込み点での吹き込みによる溶融金属のへこみ深さLと溶融金属の浴深さHとの比率を0.4から0.7の範囲となるように吹き込むことが提案されている。
【0005】
また、特許文献2に示されるように、アーク炉の作業口からランスを挿入し、溶融金属の浴面の上方から酸化性ガスを吹き込むことによって溶融金属に生ずる凹部の深さLと、溶融金属の静止浴の深さHが0.2≦L/H≦0.3を満足する範囲内で酸化性ガスを溶融金属の浴面の上方から吹込むことが提案されている。
【0006】
さらに、アーク炉の作業口を極力閉じた操業を行なうために、アーク炉の炉壁の外方に固定装着させて酸素または酸素含有ガスを吹き込む方法としては、特許文献3および特許文献4に示されるように、溶融金属浴の上方で高速主ガス(主に酸素)流れと同軸的に燃料および二次酸素を炉に注入し、燃料を二次酸素で燃焼させて高速主ガス流れの周囲に火炎エンベロープを形成し、そして高速主ガス流れを浴に送り、そこで火炎エンベロープが実質上炉内の高速主ガス流れの全長を浴まで延長させることを目的とした炉への供給方法が提案されている。
【特許文献1】特開平6−192718号公報
【特許文献2】特開2003−201509号公報
【特許文献3】特開平10−259413号公報
【特許文献4】特開平10−263384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、たとえば特許文献1や特許文献2に示される方法では、電気炉の作業口をオープンにした状態で水冷式のランスを挿入して操業を行なうため、作業口からの空気の侵入量が多くなり炉内の温度低下となるとともに集塵効果が低下する。また1本の水冷式ランスを作業口から挿入しているため、溶融金属全体の攪拌効果を高めるために前後・上下・左右に駆動出来る為の装置が付随していることから整備頻度が増加することと、特に作業口と反対側の出鋼口側への熱伝達効率が低いため、特に炉底偏芯方式アーク炉においては、出鋼側に張り出した空間に存在する溶融金属の温度上昇が遅い欠点を有している。特に特許文献2に示される方法においては、ソフトブローにて酸化性ガスを吹込むため、出鋼側に張り出した空間に存在する溶融金属の温度上昇が悪い欠点が顕著に現われてくる。
【0008】
また、特許文献3および特許文献4に示される方法では、特に出鋼側に張り出した空間に存在する溶融金属の浴深さは、炉内に保有する溶融金属量が100ton級のアーク炉においても500mm〜600mm程度であるため、超音速状態を保ったままのガスを溶融金属中に吹き込むと、前述した特許文献1に示されるように、溶融金属のへこみ深さが大きくなり、炉底の耐火物の損耗が大きくなる。更に、燃料および二次酸素を注入するための注入孔がランス先端の炉内面に向いているため、炉内からのスプラッシュやスラグにより注入孔が詰まらないように、金属材料の溶解初期段階から常に燃料および二次酸素を吹き込むか、孔詰まり防止用のパージガスを吹き込む必要があるため、ガスの制御系が複雑となり、燃料費とともに整備費用がかかるためランニングコストの増となっている。
【0009】
本発明の目的は、溶融金属への酸素または酸素含有ガスの吹込みによる攪拌効果を維持しつつ、炉底の耐火物の損耗を抑制することが可能で、更には操業における整備を含めたランニングコストを抑えられる設備構成としたシンプルな酸素または酸素含有ガスの吹き込み方法を提供すると同時に、炉内を密閉化し炉内温度の低下を抑制し集塵効果を向上させるものである。更に、炉底偏芯出鋼方式アーク炉において、出鋼側に張り出した炉内空間内の溶融金属の攪拌効果を向上させるものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における酸素または酸素含有ガスの吹き込み方法は、金属材料を溶解及び精錬するアーク炉の炉壁の外方に固定装着されたランスにより、炉壁内の溶融金属表面上に上方より酸素または酸素含有ガスを吹き込む方法において、ランス先端部の酸素または酸素含有ガスの吐出口の位置を溶融金属面から鉛直方向で700mm以上遠ざけ、かつ吐出口から吐出される酸素または酸素含有ガスの溶融金属面に突入する角度を鉛直方向の面において溶融金属面からの角度が30゜から60゜の範囲とし、酸素または酸素含有ガスの溶融金属表面上での突入速度を150m/秒から300m/秒の範囲となるようにランス先端部の吐出口からの吹込み速度を決定して吹き込むことを特徴とするものである。
【0011】
また、平面取り付け位置をアーク炉の黒鉛電極において最も出鋼口側に配置された電極の最外端面から出鋼口側で、かつ炉体鉄皮の内側の範囲に配置し、酸素または酸素含有ガスの平面的な吹き出し方向をアーク炉の炉芯と出鋼口芯とを結ぶ軸線に対し90度±20度とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果は、次のとおりである。
【0013】
1.酸素または酸素含有ガスを吹き込むランスを炉体側壁に固定装着して取り付けるため、作業口を作業口扉によってほとんどの操業時間に閉じることが可能となり、炉内の密閉化によって炉内温度の低下を抑制し、更に集塵効果を向上させることが可能となる。
【0014】
2.ランス先端部の酸素または酸素含有ガスの吐出口の位置を溶融金属面から鉛直方向で700mm以上遠ざけ、かつ吐出口から吐出される酸素または酸素含有ガスの溶融金属面に突入する角度を鉛直方向の面において溶融金属面からの角度が30゜から60゜の範囲とし、酸素または酸素含有ガスの溶融金属表面上での突入速度を150m/秒から300m/秒の範囲となるようにランス先端部の吐出口からの吹込み速度を決定して吹き込むことにより、溶融金属の攪拌効果を充分に教授しつつ、ランスや対向面の水冷式パネルや耐火物への損傷を抑えることが可能となる。
【0015】
3.ランスを黒鉛電極の最も出鋼口側に位置する黒鉛電極の最外端面よりも出鋼口側で、炉体鉄皮の内側までの範囲内に取り付け、かつ炉芯と出鋼口芯を結ぶ軸線に対して90度±20度となる方向にランス先端部の吐出口を配置することにより、溶融金属への攪拌効率が向上し、酸素効率が向上する。
【0016】
4.ランスが固定装着されているため、ランスを駆動させる機構を全く必要としないため、設備メンテナンス費用が削減される。
【0017】
5.ランス内には酸素または酸素含有ガスのみを流すため、二次燃焼用の燃料や燃料用酸素を必要としないため、ランニングコストを抑制することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明のアーク炉用酸素または酸素含有ガスを吹き込む方法について図1〜図4に示す一実施例に基づいて説明する。図1は、アーク炉、特に3相交流アーク炉で炉底偏芯出鋼方式のアーク炉の断面図、図2は本発明のアーク炉用酸素または酸素含有ガスを吹き込むためのランスの取り付けを断面して示す使用状態説明図、図3は図1のアーク炉の平面断面図、図4は横軸にランス先端部の吐出口の出口から溶融金属表面までの軸線距離Lを示し、縦軸にランス先端部の吐出口出口の吐出速度V0を示すグラフである。
【0019】
図1において、アーク炉は主に金属スクラップを装入するために上部が開放となっている炉体1、上部の開放部を覆うための炉蓋2、アークを発光させるための黒鉛電極3から構成され、3相交流アーク炉の場合は3本の黒鉛電極が使用される。また、炉底偏芯出鋼方式アーク炉においては、張り出し部4が出鋼側に吐出している。
【0020】
炉体1の炉体鉄皮11の内部は上方に水冷式パネル5が取り付けられ、下部はアークによって溶解したスクラップの溶融金属6を保有するために耐火物7によって構成されており、その耐火物7の張り出し部には鉛直方向に溶融金属を取り鍋(図示せず)に排出するための開口(出鋼口)8が設けられ、スクラップの溶解及び溶融金属の精錬中に溶融金属が外部に流出しないように出鋼口蓋9にて閉止している。
【0021】
一般的には、出鋼口側の張り出し側と対面側に内部の確認点検や溶融金属の温度測定、サンプリング作業のため作業口10が開口され、前述の作業を行なわない時は作業口扉14にて塞いでいる。炉底偏芯出鋼方式アーク炉における溶融金属の深さは、炉体中心部の溶融金属深さh0が最も深く、出鋼口に近づくにつれて浅くなり、100tonクラスのアーク炉においてはh0は約1000mmの深さに対し、h1は約500mm〜600mm程度となる。
【0022】
図2は、図1のアーク炉に本発明の酸素または酸素含有ガスを吹込むためのランス20の取り付け配置を示す断面図である。
【0023】
ランス20の先端部21が炉体1の外壁を構成する炉体鉄皮11の開口12と前述した水冷式パネル5の開口13を貫通し、炉体鉄皮11側の取付座32とランス20側の取付座23とで固定装着されている。
【0024】
ランス20は中央に酸素または酸素含有ガスが通過しうる中央管と、炉内の高温熱負荷から保護するための冷却水を給水、排水するための内管および外管との3重管にて構成される水冷式であることが望ましい。
【0025】
溶融金属6の表面からランス20の先端部21の酸素または酸素含有ガスの吐出口22までの鉛直方向の高さHを700mm以上の高さになるようにランス20は固定装着されており、その理由は吐出口22の位置を溶融金属面に近づけると酸素または酸素含有ガスによる攪拌効果は大きくなるが、溶融金属の飛散量が多くなることと、溶融金属内に未溶解の金属スクラップが存在し突然酸素と反応しボイリングしたり、炉壁に付着した溶融金属の固体化したものが溶融金属内に落下した場合に多量の溶融金属が跳ね上がるのが約300〜400mmであり、その溶融金属にてランス先端部が損傷せずに、かつ飛散した溶融金属にて吐出口が詰らないためには、高さが700mm以上であれば大丈夫であることを経験的に確証しているためである。
【0026】
上記特許文献1に示されるランスによる吹込み方法においては、300〜700mmの高さの範囲に設定した場合、ボイリング発生時などには炉外に緊急退避可能であるが、炉体の外方に固定装着した場合は退避が不可能なため700mm以上遠ざけることが安全上も好ましい。
【0027】
また、溶融金属6の表面への吐出口22からの酸素または酸素含有ガスの吐出角度θは、30度から60度の範囲としており、この理由は30度未満になるとランスの対向面側の水冷式パネル5に溶融金属が多量に飛散し損傷させる危険度が高くなり、60度を超えるとランス先端部に溶融金属が飛散し損傷させる危険度が高くなるからである。
【0028】
図2において、ランス先端部の吐出口22からの吐出速度をV0とした場合、酸素または酸素含有ガスの吐出軸方向の距離をLとした時の溶融金属6の表面に突入する時の突入速度Vaは、乱流理論と誤差曲線理論から下記の(1)式から求めることが出来る。
Va/V0=A×D0/X・exp[−B/X] …(1)
上式において、
Va :ノズル出口からX距離離れた位置でのガス流速(m/秒)
V0 :ノズル出口におけるガス流速(m/秒)
D0 :ノズル径(cm)
X :ノズル出口からの距離(cm)
A :定数
B :定数
【0029】
上記の(1)式から求めたグラフを図4に示す。横軸にランス先端部の吐出口の出口から溶融金属表面までの軸線距離Lを示し、縦軸にランス先端部の吐出口出口の吐出速度V0を示す。
【0030】
従来の消耗式パイプにて酸素または酸素含有ガスを吹込む場合、溶融金属内の攪拌効果を教授出来るように酸素または酸素含有ガスのパイプ出口速度は、酸素または酸素含有ガスの圧力との関係からも約300m/秒程度の吐出速度にて操業が行なわれてきた。
【0031】
しかしながら、溶融金属の炉内における浴深さが1000mm前後ある場合は300m/秒程度の速度で吹込んでも溶融金属下部の耐火物を損傷させることはないが、特に炉底偏芯出鋼方式のアーク炉においては、前述のように500mmから600mmの浴深さとなるため300m/秒の吐出速度で吹込むと耐火物を損傷させることになる。そこで、本発明者らは、100tonクラスの炉底偏芯出鋼式アーク炉において、溶融金属の浴深さに応じて酸素または酸素含有ガスのパイプからの吐出速度を変化させ、耐火物に損傷を与えない吐出速度を調査した結果、浴深さに比例させて吐出速度を低下させることが望ましいことを確認した。
【0032】
従って、溶融金属の浴深さ500mm〜1000mmのアーク炉においては、浴深さに比例させ溶融金属表面における酸素または酸素含有ガスの突入速度を150m/秒から300m/秒の範囲となるようにランス先端部の吐出口出口速度を設定する必要がある。150m/秒未満になると出鋼側の溶融金属の攪拌効果が低下し、溶融金属の温度上昇速度が遅くなることを、実際の操業結果より見出したためである。
【0033】
図2において、H=700mm、θ=45度とした場合のLは約1000mmとなるため、図4からL=1000mmにおいて、Vaが150m/秒以上を確保するためのV0は約510m/秒以上の吐出速度を確保すれば良いことになり、マッハ数に換算すると約1.5以上となる。
【0034】
次に図3は、炉底偏芯出鋼方式における本吹き込み方法に関するランスの取り付け配置を示す平面断面図である。一般的に炉体が炉体中心に円形状の平面形状を有しているため溶融金属も炉体中心を芯として円形状を呈しており、出鋼口側に移動するにつれ細長い楕円形状となっている。
【0035】
また、3相交流アーク炉においては黒鉛電極は平面的に炉体中心を芯とした正三角形配置をしているため、黒鉛電極に酸素または酸素含有ガスがアタックし黒鉛電極の損耗を早めないためと、ランス対向面の水冷式パネル及び耐火物上面への酸素アタックによる損傷を与えないために、ランスは黒鉛電極の最も出鋼口側に位置する黒鉛電極の最外端面31よりも出鋼口側で、炉体鉄皮11の内側までの範囲となるLaの範囲内に取り付けることが望ましい。
【0036】
また、酸素または酸素含有ガスによる溶融金属に対する攪拌効果を充分に教授させるためには、溶融金属円形面の半径R軸線に対する接線方向に吹き込むことが最も有効である。従って、炉体中心と出鋼口中心を結ぶ軸線に対して概ね直角となる方向にランス先端部の吐出口を配置することが最も有効的な吹き込み方法となる。
【0037】
図3において、θの振れ角度を反時計方向(出鋼口側)に振りすぎると、ランス吐出口から対向面の水冷式パネルまたはその下部の耐火物までの距離が短くなり、酸素アタックによる損傷が大きくなり、逆に時計方向(黒鉛電極側)に振りすぎると、黒鉛電極への酸素アタックによる損耗が大きくなるため、酸素アタックによるこれらの影響を抑制しながら溶融金属の攪拌効果を維持するためにも、ランスからの酸素吐出方向の振れ角度θは±20度の範囲内に取り付けることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】アーク炉、特に3相交流アーク炉で炉底偏芯出鋼方式のアーク炉を模式的に示す部分断面図である。
【図2】本発明のアーク炉用酸素または酸素含有ガスを吹き込むためのランスの取り付けを断面して示す使用状態説明図である。
【図3】図1のアーク炉においての本発明のアーク炉用酸素または酸素含有ガスを吹き込むためのランスの取り付けを平面的に示す使用状態説明図である。
【図4】横軸にランス先端部の吐出口の出口から溶融金属表面までの軸線距離Lを示し、縦軸にランス先端部の吐出口出口の吐出速度V0を示すグラフである。
【符号の説明】
【0039】
1 炉体
2 炉蓋
3 黒鉛電極
4 張り出し部
5 水冷式パネル
6 溶融金属
7 耐火物
8 開口(出鋼口)
9 出鋼口蓋
10 作業口
11 炉体鉄皮
12 開口
13 開口
14 作業口扉
20 ランス
21 ランス先端部
22 吐出口
23 ランス側取付座
31 黒鉛電極の最外端面
32 炉体側取付座

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料を溶解及び精錬するアーク炉の炉壁の外方に固定装着されたランスにより、炉壁内の溶融金属表面上に上方より酸素または酸素含有ガスを吹き込む方法において、ランス先端部の酸素または酸素含有ガスの吐出口の位置を溶融金属面から鉛直方向で700mm以上遠ざけ、かつ吐出口から吐出される酸素または酸素含有ガスの溶融金属面に突入する角度を鉛直方向の面において溶融金属面からの角度が30゜から60゜の範囲とし、酸素または酸素含有ガスの溶融金属表面上での突入速度を150m/秒から300m/秒の範囲となるようにランス先端部の吐出口からの吹込み速度を決定して吹き込むことを特徴とする酸素または酸素含有ガスを吹き込む方法。
【請求項2】
平面取り付け位置をアーク炉の黒鉛電極において最も出鋼口側に配置された電極の最外端面から出鋼口側で、かつ炉体鉄皮の内側に配置し、酸素または酸素含有ガスの平面的な吹き出し方向をアーク炉の炉芯と出鋼口芯とを結ぶ軸線に対し90度±20度とすることを含む請求項1記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−249563(P2006−249563A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−71834(P2005−71834)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(595131374)大阪製鐵株式会社 (17)
【Fターム(参考)】