イメージセンサ
【課題】 各波長において高感度の光検出をすることができるイメージセンサを提供する。
【解決手段】 イメージセンサ20Aは、フォトダイオードアレイ部21、信号処理部22、開閉指示部23Aおよび制御部24Aを含む。各スイッチSWnは、対応するフォトダイオードPDnと共通出力線Lとの間に設けられており、開閉指示部23Aにより指示されて開閉動作を行い、閉じることで、それまでにフォトダイオードPDnの接合容量部に蓄積されていた電荷を共通出力線Lへ出力する。開閉指示部23Aにより指示に基づいて、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれが互いに異なる期間に閉状態とされるとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間の整数倍となるように開閉動作を行う。このようにして、N個のフォトダイオードPD1〜PDNそれぞれの電荷蓄積時間は、基準時間の整数倍に設定される。
【解決手段】 イメージセンサ20Aは、フォトダイオードアレイ部21、信号処理部22、開閉指示部23Aおよび制御部24Aを含む。各スイッチSWnは、対応するフォトダイオードPDnと共通出力線Lとの間に設けられており、開閉指示部23Aにより指示されて開閉動作を行い、閉じることで、それまでにフォトダイオードPDnの接合容量部に蓄積されていた電荷を共通出力線Lへ出力する。開閉指示部23Aにより指示に基づいて、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれが互いに異なる期間に閉状態とされるとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間の整数倍となるように開閉動作を行う。このようにして、N個のフォトダイオードPD1〜PDNそれぞれの電荷蓄積時間は、基準時間の整数倍に設定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個のフォトダイオードを含むイメージセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数個のフォトダイオードを含むイメージセンサは例えば分光装置に用いられる。分光装置では、光源から出力された或る波長帯域の光が試料に入射され、その入射した光のうち試料を透過した光が分光器により分光され、その分光された各波長の光がイメージセンサにより受光される。このような分光装置において、光源から出力される光の強度スペクトルI(λ)や、イメージセンサに含まれる各フォトダイオードの受光感度スペクトルD(λ)は、分光測定に用いられる波長帯域において一般に平坦ではない。
【0003】
また、フォトダイオードは、受光量に応じた量の電荷を発生して、該電荷を接合容量部に蓄積し、他の回路と電気的に接続された際に、それまでに接合容量部に蓄積されていた電荷を該回路へ送出する。しかし、フォトダイオードの接合容量部に蓄積される電荷の量には限界があり、受光量が小さいうちは蓄積電荷量は受光量に比例するが、受光量が大きくなると蓄積電荷量は飽和する。
【0004】
以上のことから、分光装置は、光源から出力される光の強度スペクトルI(λ)とフォトダイオードの受光感度スペクトルD(λ)との積(I(λ)・D(λ))がピークとなる波長λで、フォトダイオードの接合容量部における蓄積電荷量が飽和しないように、電荷蓄積時間を設定する必要がある。特許文献1に開示された分光装置に含まれるイメージセンサは、積(I(λ)・D(λ))がピークとなる波長λで蓄積電荷量が飽和しない範囲で、できる限り電荷蓄積時間を長く設定することで、高感度の分光測定を行うことを意図している。
【特許文献1】特許第3572681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたようなイメージセンサを含む分光装置は、積(I(λ)・D(λ))が大きい波長範囲では高感度の分光測定が可能であるものの、積(I(λ)・D(λ))が小さい波長範囲では信号成分に対して雑音成分を無視することができず感度が低い。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、各波長において高感度の分光測定をすることができる分光装置、および、このような分光装置において用いられるのに好適なイメージセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るイメージセンサは、(1) 各々受光量に応じた量の電荷を発生するN個のフォトダイオードPD1〜PDNと、(2) N個のフォトダイオードPD1〜PDNに対して1対1に対応して設けられ、対応するフォトダイオードと共通出力線との間に設けられたN個のスイッチSW1〜SWNと、(3) N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示する開閉指示部と、を備えることを特徴とする。さらに、開閉指示部が、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれを互いに異なる期間に閉状態とするとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間の整数倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示することを特徴とする。ただし、Nは2以上の整数であり、nは1以上N以下の各整数である。
【0008】
このイメージセンサでは、N個のフォトダイオードPD1〜PDNのうちの第nのフォトダイオードPDnと、N個のスイッチSW1〜SWNのうちの第nのスイッチSWnとは、互いに対応して設けられている。各スイッチSWnは、対応するフォトダイオードPDnと共通出力線との間に設けられており、開閉指示部により指示されて開閉動作を行い、閉じることで、それまでにフォトダイオードPDnの接合容量部に蓄積されていた電荷を共通出力線へ出力する。そして、開閉指示部による指示に基づいて、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれが互いに異なる期間に閉状態とされるとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間の整数倍となるように開閉動作を行う。このようにして、N個のフォトダイオードPD1〜PDNそれぞれの電荷蓄積時間は、基準時間の整数倍に設定される。
【0009】
開閉指示部は、(a) N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜SNを、順次に閉状態を指示する値として出力するシフトレジスタと、(b) N個のスイッチSW1〜SWNに対して1対1に設けられたN個のゲート回路G1〜GNと、を含むのが好適である。このとき、各ゲート回路Gnは、シフトレジスタから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、制御信号Tnをも入力して、制御信号Tnが第1の値であるときに、開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、制御信号Tnが第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力するのが好適である。或いは、各ゲート回路Gnは、シフトレジスタから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、共通の制御信号T0をも入力して、制御信号T0が第1の値であるときに、開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、制御信号T0が第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力するのも好適である。なお、各ゲート回路Gnは、例えばAND回路等の論理回路で構成され、第1の値および第2の値は、一方がハイレベルであり、他方がローレベルである。
【0010】
このように開閉指示部が構成される場合には、スイッチSWnの開閉動作を指示するため各開閉指示信号Snは、シフトレジスタから出力されてゲート回路Gnに入力される。そして、各ゲート回路GnからスイッチSWnに与えられる開閉指示信号は、制御信号Tnまたは共通の制御信号T0が第1の値であるときには、開閉指示信号Snそのままとされ、制御信号Tnまたは共通の制御信号T0が第2の値であるときには、開状態を指示する値となる。すなわち、制御信号Tnまたは共通の制御信号T0に基づいて、フォトダイオードPDnの電荷蓄積時間は、基準時間の整数倍に設定される。
【0011】
本発明に係るイメージセンサは、各フォトダイオードPDnからスイッチSWnおよび共通出力線を経て入力した電荷を、容量値が可変である可変容量部に蓄積し、可変容量部に蓄積された電荷の量と可変容量部の容量値との比に応じた電圧値を出力する信号処理部を更に備えるのが好適である。この場合には、各フォトダイオードPDnからスイッチSWnを経て共通出力線へ出力された電荷は、信号処理部に入力されて、その信号処理部に含まれる可変容量部に蓄積され、その可変容量部に蓄積された電荷の量と可変容量部の容量値との比に応じた電圧値が信号処理部から出力される。
【0012】
本発明に係る分光装置は、光を出力する光源と、この光源から出力されて試料を透過した後の光を分光する分光器と、この分光器により分光された各波長の光を受光する上記の本発明に係るイメージセンサと、を備えることを特徴とする。この分光装置では、光源から出力された光のうち試料を透過した光は、分光器により分光されてイメージセンサにより受光される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、各波長において高感度の分光測定をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
(分光装置の実施形態)
【0016】
先ず、本発明に係る分光装置の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る分光装置1の概略構成図である。この図に示される分光装置1は、光源11、レンズ12、シャッタ13、試料セル14、スリット15、回折格子16およびイメージセンサ20を備える。
【0017】
光源11は、或る波長帯域の光を出力するものであり、例えば、重水素ランプおよびタングステンランプを含み、これら2つのランプを同時に点灯して広帯域の光を出力する。レンズ12は、光源11から出力された光を集光する。シャッタ13は、集光レンズ12の後段に設けられ、試料セル14へ光を入射させるか否かを設定する。試料セル14は、測定対象である試料を容れるセルであって、シャッタ13を通過した光を試料に入射させ、試料を透過した光を出射する。回折格子16は、凹面反射型の回折格子であって、試料セル14から出射されスリット15を通過した光を入力し、この入力した光を分光する分光器として作用する。
【0018】
イメージセンサ20は、フォトダイオードアレイ部21および信号処理部22を含む。フォトダイオードアレイ部21は、N個のフォトダイオードPD1〜PDNが配列されたものであって、回折格子16により分光された各波長λnの光をフォトダイオードPDnにより受光する。各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間は可変である。信号処理部22は、フォトダイオードアレイ部21に含まれる各フォトダイオードPDnから出力された電荷を入力し、その電荷量および電荷蓄積時間に応じた電圧値を出力する。ここで、Nは、2以上の整数であり、nは1以上N以下の任意の整数である。
【0019】
この分光装置1では、光源11から出力された光は、レンズ12により集光され、シャッタ13を通過して、試料セル14中の試料に入射される。この入射した光のうち試料セル14中の試料を透過した光は、スリット15を通過し、回折格子16により分光される。この分光された各波長λnの光は、フォトダイオードアレイ部21に含まれるフォトダイオードPDnにより受光される。そして、信号処理部22から、各フォトダイオードPDnから出力された電荷の量および電荷蓄積時間に応じた電圧値が出力される。
【0020】
以上のようにして、試料セル14中の試料を透過した光のスペクトルがイメージセンサ20により測定される。また、試料セル14中に試料が容れられていない状態でも光のスペクトルがイメージセンサ20により測定される。これら2つのスペクトルから、試料セル14中の試料の透過スペクトルが求められる。なお、光源11を消灯してシャッタ13を閉じた状態でイメージセンサ20により測定された結果に基づいて暗電流補正を行うのも好適であり、また、光源11を消灯してシャッタ13を開いた状態でイメージセンサ20により測定された結果に基づいてバックグラウンド補正を行うのも好適である。
【0021】
(イメージセンサの第1実施形態)
【0022】
次に、本発明に係るイメージセンサの第1実施形態について説明する。図2は、第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの構成図である。この図に示されるイメージセンサ20Aは、図1に示された分光装置1に含まれるイメージセンサ20として好適に用いられるものであって、フォトダイオードアレイ部21および信号処理部22に加えて、開閉指示部23Aおよび制御部24Aをも含む。
【0023】
フォトダイオードアレイ部21は、N個のフォトダイオードPD1〜PDNおよびN個のスイッチSW1〜SWNを含む。各フォトダイオードPDnは、アノード端子が接地され、カソード端子がスイッチSWnの一端に接続されていて、受光量に応じた量の電荷を発生する。各フォトダイオードPDnは、スイッチSWnが開いているときには電荷を自己の接合容量部に蓄積し、スイッチSWnが閉じると電荷を共通出力線Lへ出力する。各スイッチSWnは、対応するフォトダイオードPDnと共通出力線Lとの間に設けられている。
【0024】
信号処理部22は、アンプA,容量素子C1〜C3およびスイッチSW0〜SW3を含む。アンプAの入力端子は共通出力線Lに接続されている。容量素子C1およびスイッチSW1は、互いに直列接続されて、アンプAの入力端子と出力端子との間に設けられている。容量素子C2およびスイッチSW2は、互いに直列接続されて、アンプAの入力端子と出力端子との間に設けられている。容量素子C3およびスイッチSW3は、互いに直列接続されて、アンプAの入力端子と出力端子との間に設けられている。また、スイッチSW0も、アンプAの入力端子と出力端子との間に設けられている。
【0025】
容量素子C1〜C3およびスイッチSW1〜SW3は、容量値が可変である可変容量部を構成している。この可変容量部の容量値は、スイッチSW1〜SW3それぞれの開閉状態によって変更される。スイッチSW0〜SW3の全てが閉じることで、容量素子C1〜C3それぞれは放電される。また、スイッチSW0が開いているときには、入力した電荷は可変容量部に蓄積される。そして、この信号処理部22は、各フォトダイオードPDnからスイッチSWnおよび共通出力線Lを経て入力した電荷を可変容量部に蓄積し、可変容量部に蓄積された電荷量と可変容量部の容量値との比に応じた電圧値を出力することができる。
【0026】
開閉指示部23Aは、フォトダイオードアレイ部21に含まれるN個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するものである。特に、開閉指示部23Aは、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれを互いに異なる期間に閉状態とするとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間Tの整数倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示する。
【0027】
具体的には、開閉指示部23Aは、シフトレジスタSRおよびN個のゲート回路G1〜GNを含む。シフトレジスタSRは、制御部24Aから出力されるスタート信号およびクロック信号に基づいて、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜SNを、順次に閉状態を指示する値として出力する。各ゲート回路Gnは、スイッチSWnに対応して設けられており、シフトレジスタSRから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、制御部24Aから出力された制御信号Tnをも入力して、制御信号Tnが第1の値であるときに、開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、制御信号Tnが第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力する。
【0028】
各ゲート回路Gnは、スイッチSWnの開閉を指示する信号の極性、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snの極性、および、制御部24Aから出力される制御信号Tnの極性、に応じて、適切な論理回路(AND回路、OR回路、NAND回路、NOR回路、等)が選択される。例えば、スイッチSWnの開閉を指示する信号がハイレベルであるときに該スイッチSWnが閉じるものとし、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snがハイレベルであるときに該開閉指示信号SnがスイッチSWnの閉状態を指示するものとし、制御部24Aから出力される制御信号Tnがハイレベルであるときにゲート回路Gnが開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力するものとすると、このとき、ゲート回路GnはAND回路で構成され得る。なお、以下で動作例を説明する際にも、この条件であるとする。
【0029】
制御部24Aは、信号処理部22および開閉指示部23Aそれぞれの動作を制御するための信号を出力する。具体的には、制御部24Aは、信号処理部22に含まれるスイッチSW0〜SW3それぞれの開閉動作を制御する為の信号を出力し、開閉指示部23Aに含まれるシフトレジスタSRへスタート信号およびクロック信号を出力し、また、開閉指示部23Aに含まれる各ゲート回路Gnへ制御信号Tnを出力する。
【0030】
次に、第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの動作の一例を説明する。図3は、第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの動作を説明するタイミングチャートである。この図には、上から順に、制御部24AからシフトレジスタSRに与えられるスタート信号およびクロック信号、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1〜S6、制御部24Aからゲート回路G1〜G6へ与えられる制御信号T1〜T6、ならびに、共通出力線Lを経て信号処理部22に入力される電荷の量、が示されている。
【0031】
ここでは、Nの値を6としている。また、開閉指示部23Aは、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間Tの1〜4倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示するものとする。また、信号処理部22に含まれる容量素子C1〜C3それぞれの容量値はC,2C,4Cであって、可変容量部の容量値はC,2C,3C(=C+2C)および4Cの何れかに設定され得るものとする。以下の動作は、制御部24Aによる制御の下に行われる。
【0032】
制御部24AからシフトレジスタSRに与えられるスタート信号およびクロック信号それぞれは、一定周期でレベルが変化する周期的な信号である。スタート信号の周期はTであり、クロック信号の周期はTより短い。以下では、スタート信号の或る立上がり時刻から次の立上がり時刻までを「サイクル」と呼ぶ。各サイクルの時間はTである。また、スタート信号の或る立下がり時刻から次の立上がり時刻までの期間に、クロック信号は少なくともN(ここでは、N=6)個のパルスを含む。
【0033】
シフトレジスタSRは、スタート信号の立上がり時刻で初期化され、その後のクロック信号の各立上がり時刻で順次に、スイッチSW1〜SW6それぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜S6を、閉状態を指示する値として出力する。すなわち、各サイクルにおいて、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1〜S6は順次にハイレベルになる。
【0034】
制御部24Aからゲート回路G1〜G6へ与えられる制御信号T1〜T6は以下のとおりである。制御信号T1およびT6それぞれは、第1サイクルでハイレベルであり、第2および第3サイクルでローレベルであり、第4および第5サイクルでハイレベルである。制御信号T2およびT5それぞれは、第1サイクルでハイレベルであり、第2サイクルでローレベルであり、第3サイクルでハイレベルであり、第4サイクルでローレベルであり、第5サイクルでハイレベルである。制御信号T3は、第1および第2サイクルでハイレベルであり、第3および第4サイクルでローレベルであり、第5サイクルでハイレベルである。また、制御信号T4は、第1サイクルでハイレベルであり、第2〜第4サイクルでローレベルであり、第5サイクルでハイレベルである。
【0035】
各ゲート回路GnからスイッチSWnへ出力される開閉指示信号は、制御信号Tnがハイレベルであるサイクルには、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snそのままであり、制御信号Tnがローレベルであるサイクルには、開状態を指示する値のものとなる。すなわち、各ゲート回路GnからスイッチSWnへ与えられる開閉指示信号は、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snおよび制御信号Tnの双方がハイレベルであるときに、閉状態を指示する値となり、開閉指示信号Snおよび制御信号Tnの何れかがローレベルであるときに、開状態を指示する値となる。
【0036】
したがって、ゲート回路G1からスイッチSW1へ出力される開閉指示信号は、第1,第4および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G2からスイッチSW2へ出力される開閉指示信号は、第1,第3および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S2そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0037】
ゲート回路G3からスイッチSW3へ出力される開閉指示信号は、第1,第2および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S3そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G4からスイッチSW4へ出力される開閉指示信号は、第1および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S4そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0038】
ゲート回路G5からスイッチSW5へ出力される開閉指示信号は、第1,第3および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S5そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G6からスイッチSW6へ出力される開閉指示信号は、第1,第4および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S6そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0039】
フォトダイオードアレイ部21に含まれる各スイッチSWnは、ゲート回路Gnから到達する開閉指示信号がハイレベルである期間に閉じ、その他の期間には開く。第1および第5サイクルそれぞれでは、スイッチSW1〜SW6は順次に閉じる。
【0040】
スイッチSW1は、第5サイクル中に開閉指示信号S1がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第4サイクル中に開閉指示信号S1がハイレベルとなったとき以降の時間Tの間にフォトダイオードPD1の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。スイッチSW2は、第5サイクル中に開閉指示信号S2がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第3サイクル中に開閉指示信号S2がハイレベルとなったとき以降の時間2Tの間にフォトダイオードPD2の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。
【0041】
スイッチSW3は、第5サイクル中に開閉指示信号S3がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第2サイクル中に開閉指示信号S3がハイレベルとなったとき以降の時間3Tの間にフォトダイオードPD3の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。スイッチSW4は、第5サイクル中に開閉指示信号S4がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第1サイクル中に開閉指示信号S4がハイレベルとなったとき以降の時間4Tの間にフォトダイオードPD4の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。
【0042】
スイッチSW5は、第5サイクル中に開閉指示信号S5がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第3サイクル中に開閉指示信号S5がハイレベルとなったとき以降の時間2Tの間にフォトダイオードPD5の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。スイッチSW6は、第5サイクル中に開閉指示信号S6がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第4サイクル中に開閉指示信号S6がハイレベルとなったとき以降の時間Tの間にフォトダイオードPD6の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。
【0043】
以上のように、第5サイクルにおいて共通出力線Lを経て信号処理部22に入力される電荷は、フォトダイオードPD1については時間Tの間に接合容量部に蓄積されたものであり、フォトダイオードPD2については時間2Tの間に接合容量部に蓄積されたものであり、フォトダイオードPD3については時間3Tの間に接合容量部に蓄積されたものであり、フォトダイオードPD4については時間4Tの間に接合容量部に蓄積されたものであり、フォトダイオードPD5については時間2Tの間に接合容量部に蓄積されたものであり、フォトダイオードPD6については時間Tの間に接合容量部に蓄積されたものである。このように、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間Tの整数倍となることで、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間も基準時間Tの整数倍となる。
【0044】
第5サイクルにおいて、各フォトダイオードPDnからスイッチSWnおよび共通出力線Lを経て信号処理部22に入力された電荷は、信号処理部22の可変容量部に蓄積され、この可変容量部に蓄積された電荷の量と可変容量部の容量値との比に応じた電圧値が信号処理部22から出力される。可変容量部の容量値は、蓄積する電荷を発生した各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間に比例して設定される。
【0045】
すなわち、フォトダイオードPD1から入力された電荷を可変容量部が蓄積するときには、可変容量部の容量値はCに設定される。フォトダイオードPD2から入力された電荷を可変容量部が蓄積するときには、可変容量部の容量値は2Cに設定される。フォトダイオードPD3から入力された電荷を可変容量部が蓄積するときには、可変容量部の容量値は3Cに設定される。フォトダイオードPD4から入力された電荷を可変容量部が蓄積するときには、可変容量部の容量値は4Cに設定される。フォトダイオードPD5から入力された電荷を可変容量部が蓄積するときには、可変容量部の容量値は2Cに設定される。フォトダイオードPD6から入力された電荷を可変容量部に蓄積するときには、可変容量部の容量値はCに設定される。
【0046】
以上のように、第1実施形態に係るイメージセンサ20Aでは、各スイッチSWnの閉状態となる間隔を基準時間Tの整数倍とすることで、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間も基準時間Tの整数倍とすることができ、これにより、各フォトダイオードPDnについて接合容量部における蓄積電荷量が飽和しない範囲で電荷蓄積時間を変更することができる。したがって、このようなイメージセンサ20Aを備える分光装置1は、各波長において高感度の分光測定をすることができる。
【0047】
また、各フォトダイオードPDnについて電荷蓄積時間に応じて信号処理部22の可変容量部の容量値を変更することにより、信号処理部22から出力される電圧値は、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間の相違の影響が除かれたものとなる。
【0048】
なお、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間の設定は、例えば以下のように行われる。初めに、フォトダイオードPD1〜PDNそれぞれにおける電荷蓄積時間が基準時間Tとされ、信号処理部22の可変容量部の容量値がCとされた状態で、各フォトダイオードPDnに過大な強度の光が入射されて、フォトダイオードPDnの接合容量部における蓄積電荷量が飽和したときに信号処理部22から出力される電圧値Vsatが求められる。また、この状態で、各フォトダイオードPDnに測定対象の光が入射されて、信号処理部22から出力される電圧値Vnが求められる。そして、電圧値Vsatと電圧値Vnとの比(Vsat/Vn)から、フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間を基準時間Tの何倍とすればよいかが求められる。
【0049】
(イメージセンサの第2実施形態)
【0050】
次に、本発明に係るイメージセンサの第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態に係るイメージセンサ20Bの構成図である。この図に示されるイメージセンサ20Bは、図1に示された分光装置1に含まれるイメージセンサ20として好適に用いられるものであって、フォトダイオードアレイ部21および信号処理部22に加えて、開閉指示部23Bおよび制御部24Bをも含む。
【0051】
図2に示された第1実施形態に係るイメージセンサ20Aと比較すると、この図4に示された第2実施形態に係るイメージセンサ20Bは、フォトダイオードアレイ部21および信号処理部22については同様の構成であるが、開閉指示部23Aに替えて開閉指示部23Bを含む点で相違し、また、制御部24Aに替えて制御部24Bを含む点で相違する。
【0052】
開閉指示部23Bは、フォトダイオードアレイ部21に含まれるN個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するものである。特に、開閉指示部23Bは、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれを互いに異なる期間に閉状態とするとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間Tの整数倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示する。
【0053】
具体的には、開閉指示部23Bは、シフトレジスタSRおよびN個のゲート回路G1〜GNを含む。シフトレジスタSRは、制御部24Bから出力されるスタート信号およびクロック信号に基づいて、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜SNを、順次に閉状態を指示する値として出力する。各ゲート回路Gnは、スイッチSWnに対応して設けられており、シフトレジスタSRから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、制御部24Bから出力された共通の制御信号T0をも入力して、制御信号T0が第1の値であるときに、開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、制御信号T0が第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力する。
【0054】
各ゲート回路Gnは、スイッチSWnの開閉を指示する信号の極性、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snの極性、および、制御部24Bから出力される制御信号T0の極性、に応じて、適切な論理回路(AND回路、OR回路、NAND回路、NOR回路、等)が選択される。例えば、スイッチSWnの開閉を指示する信号がハイレベルであるときに該スイッチSWnが閉じるものとし、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snがハイレベルであるときに該開閉指示信号SnがスイッチSWnの閉状態を指示するものとし、制御部24Bから出力される制御信号T0がハイレベルであるときにゲート回路Gnが開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力するものとすると、このとき、ゲート回路GnはAND回路で構成され得る。なお、以下で動作例を説明する際にも、この条件であるとする。
【0055】
制御部24Bは、信号処理部22および開閉指示部23Bそれぞれの動作を制御するための信号を出力する。具体的には、制御部24Bは、信号処理部22に含まれるスイッチSW0〜SW3それぞれの開閉動作を制御する為の信号を出力し、開閉指示部23Bに含まれるシフトレジスタSRへスタート信号およびクロック信号を出力し、また、開閉指示部23Bに含まれる各ゲート回路Gnへ共通の制御信号T0を出力する。
【0056】
次に、第2実施形態に係るイメージセンサ20Bの動作の一例を説明する。図5は、第2実施形態に係るイメージセンサ20Bの動作を説明するタイミングチャートである。この図には、上から順に、制御部24BからシフトレジスタSRに与えられるスタート信号およびクロック信号、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1〜S6、制御部24Bからゲート回路G1〜G6へ与えられる共通の制御信号T0、ならびに、共通出力線Lを経て信号処理部22に入力される電荷の量、が示されている。
【0057】
ここでも、Nの値を6としている。また、開閉指示部23Bは、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間Tの1〜4倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示するものとする。また、信号処理部22に含まれる容量素子C1〜C3それぞれの容量値はC,2C,4Cであって、可変容量部の容量値はC,2C,3C(=C+2C)および4Cの何れかに設定され得るものとする。以下の動作は、制御部24Bによる制御の下に行われる。
【0058】
制御部24BからシフトレジスタSRに与えられるスタート信号およびクロック信号、ならびに、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1〜S6については、第1実施形態の場合と同様である。
【0059】
制御部24Bからゲート回路G1〜G6へ与えられる共通の制御信号T0は以下のとおりである。第1および第5サイクルにおいては、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1〜S6の何れかがハイレベルである期間では、制御信号T0はハイレベルであり、その他の期間では、制御信号T0はローレベルである。第2サイクルにおいては、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S3がハイレベルである期間では、制御信号T0はハイレベルであり、その他の期間では、制御信号T0はローレベルである。第3サイクルにおいては、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S2またはS5がハイレベルである期間では、制御信号T0はハイレベルであり、その他の期間では、制御信号T0はローレベルである。第4サイクルにおいては、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1またはS6がハイレベルである期間では、制御信号T0はハイレベルであり、その他の期間では、制御信号T0はローレベルである。
【0060】
各ゲート回路GnからスイッチSWnへ出力される開閉指示信号は、制御信号T0がハイレベルである期間では、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snそのままであり、制御信号T0がローレベルである期間では、開状態を指示する値のものとなる。すなわち、各ゲート回路GnからスイッチSWnへ与えられる開閉指示信号は、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snおよび制御信号T0の双方がハイレベルであるときに、閉状態を指示する値となり、開閉指示信号Snおよび制御信号T0の何れかがローレベルであるときに、開状態を指示する値となる。
【0061】
したがって、ゲート回路G1からスイッチSW1へ出力される開閉指示信号は、第1,第4および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G2からスイッチSW2へ出力される開閉指示信号は、第1,第3および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S2そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0062】
ゲート回路G3からスイッチSW3へ出力される開閉指示信号は、第1,第2および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S3そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G4からスイッチSW4へ出力される開閉指示信号は、第1および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S4そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0063】
ゲート回路G5からスイッチSW5へ出力される開閉指示信号は、第1,第3および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S5そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G6からスイッチSW6へ出力される開閉指示信号は、第1,第4および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S6そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0064】
フォトダイオードアレイ部21に含まれる各スイッチSWnは、ゲート回路Gnから到達する開閉指示信号がハイレベルである期間に閉じ、その他の期間には開く。結局、この第2実施形態の動作例でも、各スイッチSWnの開閉動作および信号処理部22の動作は、第1実施形態の動作例と同様である。
【0065】
以上のように、第2実施形態に係るイメージセンサ20Bでは、各スイッチSWnの閉状態となる間隔を基準時間Tの整数倍とすることで、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間も基準時間Tの整数倍とすることができ、これにより、各フォトダイオードPDnについて接合容量部における蓄積電荷量が飽和しない範囲で電荷蓄積時間を変更することができる。したがって、このようなイメージセンサ20Bを備える分光装置1は、各波長において高感度の分光測定をすることができる。
【0066】
また、各フォトダイオードPDnについて電荷蓄積時間に応じて信号処理部22の可変容量部の容量値を変更することにより、信号処理部22から出力される電圧値は、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間の相違の影響が除かれたものとなる。
【0067】
さらに、第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの構成と比較すると、この第2実施形態に係るイメージセンサ20Bでは、制御部24BからN個のゲート回路G1〜GNへ共通の制御信号T0が与えられるので、制御信号T0の為の配線が1本のみでよい。したがって、第2実施形態に係るイメージセンサ20Bは、小型のものとすることができ、また、安価なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態に係る分光装置1の概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの構成図である。
【図3】第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの動作を説明するタイミングチャートである。
【図4】第2実施形態に係るイメージセンサ20Bの構成図である。
【図5】第2実施形態に係るイメージセンサ20Bの動作を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1…分光装置、11…光源、12…レンズ、13…シャッタ、14…試料セル、15…スリット、16…回折格子、20,20A,20B…イメージセンサ、21…フォトダイオードアレイ部、22…信号処理部、23A,23B…開閉指示部、24A,24B…制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個のフォトダイオードを含むイメージセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数個のフォトダイオードを含むイメージセンサは例えば分光装置に用いられる。分光装置では、光源から出力された或る波長帯域の光が試料に入射され、その入射した光のうち試料を透過した光が分光器により分光され、その分光された各波長の光がイメージセンサにより受光される。このような分光装置において、光源から出力される光の強度スペクトルI(λ)や、イメージセンサに含まれる各フォトダイオードの受光感度スペクトルD(λ)は、分光測定に用いられる波長帯域において一般に平坦ではない。
【0003】
また、フォトダイオードは、受光量に応じた量の電荷を発生して、該電荷を接合容量部に蓄積し、他の回路と電気的に接続された際に、それまでに接合容量部に蓄積されていた電荷を該回路へ送出する。しかし、フォトダイオードの接合容量部に蓄積される電荷の量には限界があり、受光量が小さいうちは蓄積電荷量は受光量に比例するが、受光量が大きくなると蓄積電荷量は飽和する。
【0004】
以上のことから、分光装置は、光源から出力される光の強度スペクトルI(λ)とフォトダイオードの受光感度スペクトルD(λ)との積(I(λ)・D(λ))がピークとなる波長λで、フォトダイオードの接合容量部における蓄積電荷量が飽和しないように、電荷蓄積時間を設定する必要がある。特許文献1に開示された分光装置に含まれるイメージセンサは、積(I(λ)・D(λ))がピークとなる波長λで蓄積電荷量が飽和しない範囲で、できる限り電荷蓄積時間を長く設定することで、高感度の分光測定を行うことを意図している。
【特許文献1】特許第3572681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたようなイメージセンサを含む分光装置は、積(I(λ)・D(λ))が大きい波長範囲では高感度の分光測定が可能であるものの、積(I(λ)・D(λ))が小さい波長範囲では信号成分に対して雑音成分を無視することができず感度が低い。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、各波長において高感度の分光測定をすることができる分光装置、および、このような分光装置において用いられるのに好適なイメージセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るイメージセンサは、(1) 各々受光量に応じた量の電荷を発生するN個のフォトダイオードPD1〜PDNと、(2) N個のフォトダイオードPD1〜PDNに対して1対1に対応して設けられ、対応するフォトダイオードと共通出力線との間に設けられたN個のスイッチSW1〜SWNと、(3) N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示する開閉指示部と、を備えることを特徴とする。さらに、開閉指示部が、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれを互いに異なる期間に閉状態とするとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間の整数倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示することを特徴とする。ただし、Nは2以上の整数であり、nは1以上N以下の各整数である。
【0008】
このイメージセンサでは、N個のフォトダイオードPD1〜PDNのうちの第nのフォトダイオードPDnと、N個のスイッチSW1〜SWNのうちの第nのスイッチSWnとは、互いに対応して設けられている。各スイッチSWnは、対応するフォトダイオードPDnと共通出力線との間に設けられており、開閉指示部により指示されて開閉動作を行い、閉じることで、それまでにフォトダイオードPDnの接合容量部に蓄積されていた電荷を共通出力線へ出力する。そして、開閉指示部による指示に基づいて、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれが互いに異なる期間に閉状態とされるとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間の整数倍となるように開閉動作を行う。このようにして、N個のフォトダイオードPD1〜PDNそれぞれの電荷蓄積時間は、基準時間の整数倍に設定される。
【0009】
開閉指示部は、(a) N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜SNを、順次に閉状態を指示する値として出力するシフトレジスタと、(b) N個のスイッチSW1〜SWNに対して1対1に設けられたN個のゲート回路G1〜GNと、を含むのが好適である。このとき、各ゲート回路Gnは、シフトレジスタから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、制御信号Tnをも入力して、制御信号Tnが第1の値であるときに、開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、制御信号Tnが第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力するのが好適である。或いは、各ゲート回路Gnは、シフトレジスタから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、共通の制御信号T0をも入力して、制御信号T0が第1の値であるときに、開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、制御信号T0が第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力するのも好適である。なお、各ゲート回路Gnは、例えばAND回路等の論理回路で構成され、第1の値および第2の値は、一方がハイレベルであり、他方がローレベルである。
【0010】
このように開閉指示部が構成される場合には、スイッチSWnの開閉動作を指示するため各開閉指示信号Snは、シフトレジスタから出力されてゲート回路Gnに入力される。そして、各ゲート回路GnからスイッチSWnに与えられる開閉指示信号は、制御信号Tnまたは共通の制御信号T0が第1の値であるときには、開閉指示信号Snそのままとされ、制御信号Tnまたは共通の制御信号T0が第2の値であるときには、開状態を指示する値となる。すなわち、制御信号Tnまたは共通の制御信号T0に基づいて、フォトダイオードPDnの電荷蓄積時間は、基準時間の整数倍に設定される。
【0011】
本発明に係るイメージセンサは、各フォトダイオードPDnからスイッチSWnおよび共通出力線を経て入力した電荷を、容量値が可変である可変容量部に蓄積し、可変容量部に蓄積された電荷の量と可変容量部の容量値との比に応じた電圧値を出力する信号処理部を更に備えるのが好適である。この場合には、各フォトダイオードPDnからスイッチSWnを経て共通出力線へ出力された電荷は、信号処理部に入力されて、その信号処理部に含まれる可変容量部に蓄積され、その可変容量部に蓄積された電荷の量と可変容量部の容量値との比に応じた電圧値が信号処理部から出力される。
【0012】
本発明に係る分光装置は、光を出力する光源と、この光源から出力されて試料を透過した後の光を分光する分光器と、この分光器により分光された各波長の光を受光する上記の本発明に係るイメージセンサと、を備えることを特徴とする。この分光装置では、光源から出力された光のうち試料を透過した光は、分光器により分光されてイメージセンサにより受光される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、各波長において高感度の分光測定をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
(分光装置の実施形態)
【0016】
先ず、本発明に係る分光装置の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る分光装置1の概略構成図である。この図に示される分光装置1は、光源11、レンズ12、シャッタ13、試料セル14、スリット15、回折格子16およびイメージセンサ20を備える。
【0017】
光源11は、或る波長帯域の光を出力するものであり、例えば、重水素ランプおよびタングステンランプを含み、これら2つのランプを同時に点灯して広帯域の光を出力する。レンズ12は、光源11から出力された光を集光する。シャッタ13は、集光レンズ12の後段に設けられ、試料セル14へ光を入射させるか否かを設定する。試料セル14は、測定対象である試料を容れるセルであって、シャッタ13を通過した光を試料に入射させ、試料を透過した光を出射する。回折格子16は、凹面反射型の回折格子であって、試料セル14から出射されスリット15を通過した光を入力し、この入力した光を分光する分光器として作用する。
【0018】
イメージセンサ20は、フォトダイオードアレイ部21および信号処理部22を含む。フォトダイオードアレイ部21は、N個のフォトダイオードPD1〜PDNが配列されたものであって、回折格子16により分光された各波長λnの光をフォトダイオードPDnにより受光する。各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間は可変である。信号処理部22は、フォトダイオードアレイ部21に含まれる各フォトダイオードPDnから出力された電荷を入力し、その電荷量および電荷蓄積時間に応じた電圧値を出力する。ここで、Nは、2以上の整数であり、nは1以上N以下の任意の整数である。
【0019】
この分光装置1では、光源11から出力された光は、レンズ12により集光され、シャッタ13を通過して、試料セル14中の試料に入射される。この入射した光のうち試料セル14中の試料を透過した光は、スリット15を通過し、回折格子16により分光される。この分光された各波長λnの光は、フォトダイオードアレイ部21に含まれるフォトダイオードPDnにより受光される。そして、信号処理部22から、各フォトダイオードPDnから出力された電荷の量および電荷蓄積時間に応じた電圧値が出力される。
【0020】
以上のようにして、試料セル14中の試料を透過した光のスペクトルがイメージセンサ20により測定される。また、試料セル14中に試料が容れられていない状態でも光のスペクトルがイメージセンサ20により測定される。これら2つのスペクトルから、試料セル14中の試料の透過スペクトルが求められる。なお、光源11を消灯してシャッタ13を閉じた状態でイメージセンサ20により測定された結果に基づいて暗電流補正を行うのも好適であり、また、光源11を消灯してシャッタ13を開いた状態でイメージセンサ20により測定された結果に基づいてバックグラウンド補正を行うのも好適である。
【0021】
(イメージセンサの第1実施形態)
【0022】
次に、本発明に係るイメージセンサの第1実施形態について説明する。図2は、第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの構成図である。この図に示されるイメージセンサ20Aは、図1に示された分光装置1に含まれるイメージセンサ20として好適に用いられるものであって、フォトダイオードアレイ部21および信号処理部22に加えて、開閉指示部23Aおよび制御部24Aをも含む。
【0023】
フォトダイオードアレイ部21は、N個のフォトダイオードPD1〜PDNおよびN個のスイッチSW1〜SWNを含む。各フォトダイオードPDnは、アノード端子が接地され、カソード端子がスイッチSWnの一端に接続されていて、受光量に応じた量の電荷を発生する。各フォトダイオードPDnは、スイッチSWnが開いているときには電荷を自己の接合容量部に蓄積し、スイッチSWnが閉じると電荷を共通出力線Lへ出力する。各スイッチSWnは、対応するフォトダイオードPDnと共通出力線Lとの間に設けられている。
【0024】
信号処理部22は、アンプA,容量素子C1〜C3およびスイッチSW0〜SW3を含む。アンプAの入力端子は共通出力線Lに接続されている。容量素子C1およびスイッチSW1は、互いに直列接続されて、アンプAの入力端子と出力端子との間に設けられている。容量素子C2およびスイッチSW2は、互いに直列接続されて、アンプAの入力端子と出力端子との間に設けられている。容量素子C3およびスイッチSW3は、互いに直列接続されて、アンプAの入力端子と出力端子との間に設けられている。また、スイッチSW0も、アンプAの入力端子と出力端子との間に設けられている。
【0025】
容量素子C1〜C3およびスイッチSW1〜SW3は、容量値が可変である可変容量部を構成している。この可変容量部の容量値は、スイッチSW1〜SW3それぞれの開閉状態によって変更される。スイッチSW0〜SW3の全てが閉じることで、容量素子C1〜C3それぞれは放電される。また、スイッチSW0が開いているときには、入力した電荷は可変容量部に蓄積される。そして、この信号処理部22は、各フォトダイオードPDnからスイッチSWnおよび共通出力線Lを経て入力した電荷を可変容量部に蓄積し、可変容量部に蓄積された電荷量と可変容量部の容量値との比に応じた電圧値を出力することができる。
【0026】
開閉指示部23Aは、フォトダイオードアレイ部21に含まれるN個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するものである。特に、開閉指示部23Aは、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれを互いに異なる期間に閉状態とするとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間Tの整数倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示する。
【0027】
具体的には、開閉指示部23Aは、シフトレジスタSRおよびN個のゲート回路G1〜GNを含む。シフトレジスタSRは、制御部24Aから出力されるスタート信号およびクロック信号に基づいて、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜SNを、順次に閉状態を指示する値として出力する。各ゲート回路Gnは、スイッチSWnに対応して設けられており、シフトレジスタSRから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、制御部24Aから出力された制御信号Tnをも入力して、制御信号Tnが第1の値であるときに、開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、制御信号Tnが第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力する。
【0028】
各ゲート回路Gnは、スイッチSWnの開閉を指示する信号の極性、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snの極性、および、制御部24Aから出力される制御信号Tnの極性、に応じて、適切な論理回路(AND回路、OR回路、NAND回路、NOR回路、等)が選択される。例えば、スイッチSWnの開閉を指示する信号がハイレベルであるときに該スイッチSWnが閉じるものとし、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snがハイレベルであるときに該開閉指示信号SnがスイッチSWnの閉状態を指示するものとし、制御部24Aから出力される制御信号Tnがハイレベルであるときにゲート回路Gnが開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力するものとすると、このとき、ゲート回路GnはAND回路で構成され得る。なお、以下で動作例を説明する際にも、この条件であるとする。
【0029】
制御部24Aは、信号処理部22および開閉指示部23Aそれぞれの動作を制御するための信号を出力する。具体的には、制御部24Aは、信号処理部22に含まれるスイッチSW0〜SW3それぞれの開閉動作を制御する為の信号を出力し、開閉指示部23Aに含まれるシフトレジスタSRへスタート信号およびクロック信号を出力し、また、開閉指示部23Aに含まれる各ゲート回路Gnへ制御信号Tnを出力する。
【0030】
次に、第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの動作の一例を説明する。図3は、第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの動作を説明するタイミングチャートである。この図には、上から順に、制御部24AからシフトレジスタSRに与えられるスタート信号およびクロック信号、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1〜S6、制御部24Aからゲート回路G1〜G6へ与えられる制御信号T1〜T6、ならびに、共通出力線Lを経て信号処理部22に入力される電荷の量、が示されている。
【0031】
ここでは、Nの値を6としている。また、開閉指示部23Aは、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間Tの1〜4倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示するものとする。また、信号処理部22に含まれる容量素子C1〜C3それぞれの容量値はC,2C,4Cであって、可変容量部の容量値はC,2C,3C(=C+2C)および4Cの何れかに設定され得るものとする。以下の動作は、制御部24Aによる制御の下に行われる。
【0032】
制御部24AからシフトレジスタSRに与えられるスタート信号およびクロック信号それぞれは、一定周期でレベルが変化する周期的な信号である。スタート信号の周期はTであり、クロック信号の周期はTより短い。以下では、スタート信号の或る立上がり時刻から次の立上がり時刻までを「サイクル」と呼ぶ。各サイクルの時間はTである。また、スタート信号の或る立下がり時刻から次の立上がり時刻までの期間に、クロック信号は少なくともN(ここでは、N=6)個のパルスを含む。
【0033】
シフトレジスタSRは、スタート信号の立上がり時刻で初期化され、その後のクロック信号の各立上がり時刻で順次に、スイッチSW1〜SW6それぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜S6を、閉状態を指示する値として出力する。すなわち、各サイクルにおいて、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1〜S6は順次にハイレベルになる。
【0034】
制御部24Aからゲート回路G1〜G6へ与えられる制御信号T1〜T6は以下のとおりである。制御信号T1およびT6それぞれは、第1サイクルでハイレベルであり、第2および第3サイクルでローレベルであり、第4および第5サイクルでハイレベルである。制御信号T2およびT5それぞれは、第1サイクルでハイレベルであり、第2サイクルでローレベルであり、第3サイクルでハイレベルであり、第4サイクルでローレベルであり、第5サイクルでハイレベルである。制御信号T3は、第1および第2サイクルでハイレベルであり、第3および第4サイクルでローレベルであり、第5サイクルでハイレベルである。また、制御信号T4は、第1サイクルでハイレベルであり、第2〜第4サイクルでローレベルであり、第5サイクルでハイレベルである。
【0035】
各ゲート回路GnからスイッチSWnへ出力される開閉指示信号は、制御信号Tnがハイレベルであるサイクルには、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snそのままであり、制御信号Tnがローレベルであるサイクルには、開状態を指示する値のものとなる。すなわち、各ゲート回路GnからスイッチSWnへ与えられる開閉指示信号は、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snおよび制御信号Tnの双方がハイレベルであるときに、閉状態を指示する値となり、開閉指示信号Snおよび制御信号Tnの何れかがローレベルであるときに、開状態を指示する値となる。
【0036】
したがって、ゲート回路G1からスイッチSW1へ出力される開閉指示信号は、第1,第4および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G2からスイッチSW2へ出力される開閉指示信号は、第1,第3および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S2そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0037】
ゲート回路G3からスイッチSW3へ出力される開閉指示信号は、第1,第2および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S3そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G4からスイッチSW4へ出力される開閉指示信号は、第1および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S4そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0038】
ゲート回路G5からスイッチSW5へ出力される開閉指示信号は、第1,第3および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S5そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G6からスイッチSW6へ出力される開閉指示信号は、第1,第4および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S6そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0039】
フォトダイオードアレイ部21に含まれる各スイッチSWnは、ゲート回路Gnから到達する開閉指示信号がハイレベルである期間に閉じ、その他の期間には開く。第1および第5サイクルそれぞれでは、スイッチSW1〜SW6は順次に閉じる。
【0040】
スイッチSW1は、第5サイクル中に開閉指示信号S1がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第4サイクル中に開閉指示信号S1がハイレベルとなったとき以降の時間Tの間にフォトダイオードPD1の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。スイッチSW2は、第5サイクル中に開閉指示信号S2がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第3サイクル中に開閉指示信号S2がハイレベルとなったとき以降の時間2Tの間にフォトダイオードPD2の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。
【0041】
スイッチSW3は、第5サイクル中に開閉指示信号S3がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第2サイクル中に開閉指示信号S3がハイレベルとなったとき以降の時間3Tの間にフォトダイオードPD3の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。スイッチSW4は、第5サイクル中に開閉指示信号S4がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第1サイクル中に開閉指示信号S4がハイレベルとなったとき以降の時間4Tの間にフォトダイオードPD4の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。
【0042】
スイッチSW5は、第5サイクル中に開閉指示信号S5がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第3サイクル中に開閉指示信号S5がハイレベルとなったとき以降の時間2Tの間にフォトダイオードPD5の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。スイッチSW6は、第5サイクル中に開閉指示信号S6がハイレベルとなったときに閉じることで、その前の第4サイクル中に開閉指示信号S6がハイレベルとなったとき以降の時間Tの間にフォトダイオードPD6の接合容量部に蓄積された電荷を、共通出力線Lを介して信号処理部22へ出力する。
【0043】
以上のように、第5サイクルにおいて共通出力線Lを経て信号処理部22に入力される電荷は、フォトダイオードPD1については時間Tの間に接合容量部に蓄積されたものであり、フォトダイオードPD2については時間2Tの間に接合容量部に蓄積されたものであり、フォトダイオードPD3については時間3Tの間に接合容量部に蓄積されたものであり、フォトダイオードPD4については時間4Tの間に接合容量部に蓄積されたものであり、フォトダイオードPD5については時間2Tの間に接合容量部に蓄積されたものであり、フォトダイオードPD6については時間Tの間に接合容量部に蓄積されたものである。このように、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間Tの整数倍となることで、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間も基準時間Tの整数倍となる。
【0044】
第5サイクルにおいて、各フォトダイオードPDnからスイッチSWnおよび共通出力線Lを経て信号処理部22に入力された電荷は、信号処理部22の可変容量部に蓄積され、この可変容量部に蓄積された電荷の量と可変容量部の容量値との比に応じた電圧値が信号処理部22から出力される。可変容量部の容量値は、蓄積する電荷を発生した各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間に比例して設定される。
【0045】
すなわち、フォトダイオードPD1から入力された電荷を可変容量部が蓄積するときには、可変容量部の容量値はCに設定される。フォトダイオードPD2から入力された電荷を可変容量部が蓄積するときには、可変容量部の容量値は2Cに設定される。フォトダイオードPD3から入力された電荷を可変容量部が蓄積するときには、可変容量部の容量値は3Cに設定される。フォトダイオードPD4から入力された電荷を可変容量部が蓄積するときには、可変容量部の容量値は4Cに設定される。フォトダイオードPD5から入力された電荷を可変容量部が蓄積するときには、可変容量部の容量値は2Cに設定される。フォトダイオードPD6から入力された電荷を可変容量部に蓄積するときには、可変容量部の容量値はCに設定される。
【0046】
以上のように、第1実施形態に係るイメージセンサ20Aでは、各スイッチSWnの閉状態となる間隔を基準時間Tの整数倍とすることで、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間も基準時間Tの整数倍とすることができ、これにより、各フォトダイオードPDnについて接合容量部における蓄積電荷量が飽和しない範囲で電荷蓄積時間を変更することができる。したがって、このようなイメージセンサ20Aを備える分光装置1は、各波長において高感度の分光測定をすることができる。
【0047】
また、各フォトダイオードPDnについて電荷蓄積時間に応じて信号処理部22の可変容量部の容量値を変更することにより、信号処理部22から出力される電圧値は、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間の相違の影響が除かれたものとなる。
【0048】
なお、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間の設定は、例えば以下のように行われる。初めに、フォトダイオードPD1〜PDNそれぞれにおける電荷蓄積時間が基準時間Tとされ、信号処理部22の可変容量部の容量値がCとされた状態で、各フォトダイオードPDnに過大な強度の光が入射されて、フォトダイオードPDnの接合容量部における蓄積電荷量が飽和したときに信号処理部22から出力される電圧値Vsatが求められる。また、この状態で、各フォトダイオードPDnに測定対象の光が入射されて、信号処理部22から出力される電圧値Vnが求められる。そして、電圧値Vsatと電圧値Vnとの比(Vsat/Vn)から、フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間を基準時間Tの何倍とすればよいかが求められる。
【0049】
(イメージセンサの第2実施形態)
【0050】
次に、本発明に係るイメージセンサの第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態に係るイメージセンサ20Bの構成図である。この図に示されるイメージセンサ20Bは、図1に示された分光装置1に含まれるイメージセンサ20として好適に用いられるものであって、フォトダイオードアレイ部21および信号処理部22に加えて、開閉指示部23Bおよび制御部24Bをも含む。
【0051】
図2に示された第1実施形態に係るイメージセンサ20Aと比較すると、この図4に示された第2実施形態に係るイメージセンサ20Bは、フォトダイオードアレイ部21および信号処理部22については同様の構成であるが、開閉指示部23Aに替えて開閉指示部23Bを含む点で相違し、また、制御部24Aに替えて制御部24Bを含む点で相違する。
【0052】
開閉指示部23Bは、フォトダイオードアレイ部21に含まれるN個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するものである。特に、開閉指示部23Bは、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれを互いに異なる期間に閉状態とするとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間Tの整数倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示する。
【0053】
具体的には、開閉指示部23Bは、シフトレジスタSRおよびN個のゲート回路G1〜GNを含む。シフトレジスタSRは、制御部24Bから出力されるスタート信号およびクロック信号に基づいて、N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜SNを、順次に閉状態を指示する値として出力する。各ゲート回路Gnは、スイッチSWnに対応して設けられており、シフトレジスタSRから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、制御部24Bから出力された共通の制御信号T0をも入力して、制御信号T0が第1の値であるときに、開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、制御信号T0が第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力する。
【0054】
各ゲート回路Gnは、スイッチSWnの開閉を指示する信号の極性、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snの極性、および、制御部24Bから出力される制御信号T0の極性、に応じて、適切な論理回路(AND回路、OR回路、NAND回路、NOR回路、等)が選択される。例えば、スイッチSWnの開閉を指示する信号がハイレベルであるときに該スイッチSWnが閉じるものとし、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snがハイレベルであるときに該開閉指示信号SnがスイッチSWnの閉状態を指示するものとし、制御部24Bから出力される制御信号T0がハイレベルであるときにゲート回路Gnが開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力するものとすると、このとき、ゲート回路GnはAND回路で構成され得る。なお、以下で動作例を説明する際にも、この条件であるとする。
【0055】
制御部24Bは、信号処理部22および開閉指示部23Bそれぞれの動作を制御するための信号を出力する。具体的には、制御部24Bは、信号処理部22に含まれるスイッチSW0〜SW3それぞれの開閉動作を制御する為の信号を出力し、開閉指示部23Bに含まれるシフトレジスタSRへスタート信号およびクロック信号を出力し、また、開閉指示部23Bに含まれる各ゲート回路Gnへ共通の制御信号T0を出力する。
【0056】
次に、第2実施形態に係るイメージセンサ20Bの動作の一例を説明する。図5は、第2実施形態に係るイメージセンサ20Bの動作を説明するタイミングチャートである。この図には、上から順に、制御部24BからシフトレジスタSRに与えられるスタート信号およびクロック信号、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1〜S6、制御部24Bからゲート回路G1〜G6へ与えられる共通の制御信号T0、ならびに、共通出力線Lを経て信号処理部22に入力される電荷の量、が示されている。
【0057】
ここでも、Nの値を6としている。また、開閉指示部23Bは、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間Tの1〜4倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示するものとする。また、信号処理部22に含まれる容量素子C1〜C3それぞれの容量値はC,2C,4Cであって、可変容量部の容量値はC,2C,3C(=C+2C)および4Cの何れかに設定され得るものとする。以下の動作は、制御部24Bによる制御の下に行われる。
【0058】
制御部24BからシフトレジスタSRに与えられるスタート信号およびクロック信号、ならびに、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1〜S6については、第1実施形態の場合と同様である。
【0059】
制御部24Bからゲート回路G1〜G6へ与えられる共通の制御信号T0は以下のとおりである。第1および第5サイクルにおいては、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1〜S6の何れかがハイレベルである期間では、制御信号T0はハイレベルであり、その他の期間では、制御信号T0はローレベルである。第2サイクルにおいては、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S3がハイレベルである期間では、制御信号T0はハイレベルであり、その他の期間では、制御信号T0はローレベルである。第3サイクルにおいては、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S2またはS5がハイレベルである期間では、制御信号T0はハイレベルであり、その他の期間では、制御信号T0はローレベルである。第4サイクルにおいては、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1またはS6がハイレベルである期間では、制御信号T0はハイレベルであり、その他の期間では、制御信号T0はローレベルである。
【0060】
各ゲート回路GnからスイッチSWnへ出力される開閉指示信号は、制御信号T0がハイレベルである期間では、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snそのままであり、制御信号T0がローレベルである期間では、開状態を指示する値のものとなる。すなわち、各ゲート回路GnからスイッチSWnへ与えられる開閉指示信号は、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号Snおよび制御信号T0の双方がハイレベルであるときに、閉状態を指示する値となり、開閉指示信号Snおよび制御信号T0の何れかがローレベルであるときに、開状態を指示する値となる。
【0061】
したがって、ゲート回路G1からスイッチSW1へ出力される開閉指示信号は、第1,第4および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S1そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G2からスイッチSW2へ出力される開閉指示信号は、第1,第3および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S2そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0062】
ゲート回路G3からスイッチSW3へ出力される開閉指示信号は、第1,第2および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S3そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G4からスイッチSW4へ出力される開閉指示信号は、第1および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S4そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0063】
ゲート回路G5からスイッチSW5へ出力される開閉指示信号は、第1,第3および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S5そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。ゲート回路G6からスイッチSW6へ出力される開閉指示信号は、第1,第4および第5サイクルでは、シフトレジスタSRから出力される開閉指示信号S6そのままであり、その他のサイクルでは、開状態を指示する値のものとなる。
【0064】
フォトダイオードアレイ部21に含まれる各スイッチSWnは、ゲート回路Gnから到達する開閉指示信号がハイレベルである期間に閉じ、その他の期間には開く。結局、この第2実施形態の動作例でも、各スイッチSWnの開閉動作および信号処理部22の動作は、第1実施形態の動作例と同様である。
【0065】
以上のように、第2実施形態に係るイメージセンサ20Bでは、各スイッチSWnの閉状態となる間隔を基準時間Tの整数倍とすることで、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間も基準時間Tの整数倍とすることができ、これにより、各フォトダイオードPDnについて接合容量部における蓄積電荷量が飽和しない範囲で電荷蓄積時間を変更することができる。したがって、このようなイメージセンサ20Bを備える分光装置1は、各波長において高感度の分光測定をすることができる。
【0066】
また、各フォトダイオードPDnについて電荷蓄積時間に応じて信号処理部22の可変容量部の容量値を変更することにより、信号処理部22から出力される電圧値は、各フォトダイオードPDnにおける電荷蓄積時間の相違の影響が除かれたものとなる。
【0067】
さらに、第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの構成と比較すると、この第2実施形態に係るイメージセンサ20Bでは、制御部24BからN個のゲート回路G1〜GNへ共通の制御信号T0が与えられるので、制御信号T0の為の配線が1本のみでよい。したがって、第2実施形態に係るイメージセンサ20Bは、小型のものとすることができ、また、安価なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態に係る分光装置1の概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの構成図である。
【図3】第1実施形態に係るイメージセンサ20Aの動作を説明するタイミングチャートである。
【図4】第2実施形態に係るイメージセンサ20Bの構成図である。
【図5】第2実施形態に係るイメージセンサ20Bの動作を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0069】
1…分光装置、11…光源、12…レンズ、13…シャッタ、14…試料セル、15…スリット、16…回折格子、20,20A,20B…イメージセンサ、21…フォトダイオードアレイ部、22…信号処理部、23A,23B…開閉指示部、24A,24B…制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々受光量に応じた量の電荷を発生するN個のフォトダイオードPD1〜PDNと、
前記N個のフォトダイオードPD1〜PDNに対して1対1に対応して設けられ、対応するフォトダイオードと共通出力線との間に設けられたN個のスイッチSW1〜SWNと、
前記N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示する開閉指示部と、
を備え、
前記開閉指示部が、前記N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれを互いに異なる期間に閉状態とするとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間の整数倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示する、
ことを特徴とするイメージセンサ(ただし、Nは2以上の整数、nは1以上N以下の各整数)。
【請求項2】
前記開閉指示部が、
前記N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜SNを、順次に閉状態を指示する値として出力するシフトレジスタと、
前記N個のスイッチSW1〜SWNに対して1対1に設けられたN個のゲート回路G1〜GNと、
を含み、
各ゲート回路Gnが、前記シフトレジスタから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、制御信号Tnをも入力して、前記制御信号Tnが第1の値であるときに、前記開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、前記制御信号Tnが第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力する、
ことを特徴とする請求項1記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記開閉指示部が、
前記N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜SNを、順次に閉状態を指示する値として出力するシフトレジスタと、
前記N個のスイッチSW1〜SWNに対して1対1に設けられたN個のゲート回路G1〜GNと、
を含み、
各ゲート回路Gnが、前記シフトレジスタから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、共通の制御信号T0をも入力して、前記制御信号T0が第1の値であるときに、前記開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、前記制御信号T0が第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力する、
ことを特徴とする請求項1記載のイメージセンサ。
【請求項4】
各フォトダイオードPDnからスイッチSWnおよび前記共通出力線を経て入力した電荷を、容量値が可変である可変容量部に蓄積し、前記可変容量部に蓄積された電荷の量と前記可変容量部の容量値との比に応じた電圧値を出力する信号処理部を更に備えることを特徴とする請求項1記載のイメージセンサ。
【請求項5】
光を出力する光源と、この光源から出力されて試料を透過した後の光を分光する分光器と、この分光器により分光された各波長の光を受光する請求項1〜4の何れか1項に記載のイメージセンサと、を備えることを特徴とする分光装置。
【請求項1】
各々受光量に応じた量の電荷を発生するN個のフォトダイオードPD1〜PDNと、
前記N個のフォトダイオードPD1〜PDNに対して1対1に対応して設けられ、対応するフォトダイオードと共通出力線との間に設けられたN個のスイッチSW1〜SWNと、
前記N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示する開閉指示部と、
を備え、
前記開閉指示部が、前記N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれを互いに異なる期間に閉状態とするとともに、各スイッチSWnの閉状態となる間隔が基準時間の整数倍となるように各スイッチSWnの開閉動作を指示する、
ことを特徴とするイメージセンサ(ただし、Nは2以上の整数、nは1以上N以下の各整数)。
【請求項2】
前記開閉指示部が、
前記N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜SNを、順次に閉状態を指示する値として出力するシフトレジスタと、
前記N個のスイッチSW1〜SWNに対して1対1に設けられたN個のゲート回路G1〜GNと、
を含み、
各ゲート回路Gnが、前記シフトレジスタから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、制御信号Tnをも入力して、前記制御信号Tnが第1の値であるときに、前記開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、前記制御信号Tnが第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力する、
ことを特徴とする請求項1記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記開閉指示部が、
前記N個のスイッチSW1〜SWNそれぞれの開閉動作を指示するための開閉指示信号S1〜SNを、順次に閉状態を指示する値として出力するシフトレジスタと、
前記N個のスイッチSW1〜SWNに対して1対1に設けられたN個のゲート回路G1〜GNと、
を含み、
各ゲート回路Gnが、前記シフトレジスタから出力された開閉指示信号Snを入力するとともに、共通の制御信号T0をも入力して、前記制御信号T0が第1の値であるときに、前記開閉指示信号SnをそのままスイッチSWnへ出力し、前記制御信号T0が第2の値であるときに、開状態を指示する値の開閉指示信号をスイッチSWnへ出力する、
ことを特徴とする請求項1記載のイメージセンサ。
【請求項4】
各フォトダイオードPDnからスイッチSWnおよび前記共通出力線を経て入力した電荷を、容量値が可変である可変容量部に蓄積し、前記可変容量部に蓄積された電荷の量と前記可変容量部の容量値との比に応じた電圧値を出力する信号処理部を更に備えることを特徴とする請求項1記載のイメージセンサ。
【請求項5】
光を出力する光源と、この光源から出力されて試料を透過した後の光を分光する分光器と、この分光器により分光された各波長の光を受光する請求項1〜4の何れか1項に記載のイメージセンサと、を備えることを特徴とする分光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2006−349623(P2006−349623A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179466(P2005−179466)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】
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