説明

インスタント製品

本発明はインスタント組成物から製造されるインスタント食品またはインスタント医薬品、特にインスタント飲料の製造に適したインスタント成形個片、およびインスタント組成物からインスタント成形個片を製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
インスタント製品、特に、冷または温飲料(例えばコーヒー、ココア、チョコレート、茶、ジュース、ソフトドリンクまたはレモネード)の調製のためのインスタント製品は周知である。周知のインスタント製品は溶けやすい粉末状の、またはたいてい崩壊剤を含む錠剤形の食品製品である。粉末状のインスタント製品は気密および/または水密性の袋または缶に包装される。包装に詰めたこのインスタント製品は、粉末状であるため使用時にこぼれやすい欠点がある。さらに粉末状のインスタント製品は計量しにくい。最終消費者は計量に使用されるスプーンと併せて、適量を自分で決めなければならない。しかし錠剤形のインスタント製品により事前計量がなされる場合は、補助的処置によって錠剤化製品がおおむね適当な時間内に溶解することを保証しなければならない。周知の圧縮または錠剤化インスタント製品は液体、例えば水またはミルクに溶解するために少なくとも1つの崩壊剤が加えられる。崩壊剤はしばしば不都合な化学的、物理的または官能的性質を有する。従ってとりわけホットドリンクおよびミルク飲料の調製のための錠剤化インスタント製品の市場受容は少ない。また周知のインスタント製品はたいてい所望の量の砂糖または砂糖様甘味料が混合されていないから、使用の際に砂糖またはその他の甘味料を追加使用しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
先行技術に基づき本発明の根底にある課題は、ここでの改善策を提供し、上記の欠点なしで使用できるように上記のような種類のインスタント製品を開発することである。特に本発明の根底にある技術的課題は、簡単に計量される可溶性インスタント製品を提供することである。さらに本発明の根底にある技術的課題は、特にインスタント製品の溶解のための崩壊剤を必ずしも含む必要がない非粉末状インスタント製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、少なくとも以下の工程:
a)インスタント組成物を準備する工程であって、ここで該インスタント組成物が粉末状、顆粒状または粒状である、工程、
b)インスタント組成物を成形する工程であって、ここで該インスタント組成物が成形の際に0.01〜40重量%、とりわけ0.01〜30重量%(全重量に対して)の含水量を有する、工程、
c)成形したインスタント組成物を減圧下、即ち真空下、好ましくは高温にて乾燥させる工程、
を含む、少なくとも部分的に水溶性のインスタント組成物からインスタント成形個片を製造する方法によって、本発明の根底にある技術問題を本質的に解決する。
【0004】
工程a)においてインスタント組成物の混合、即ち配合、かき混ぜ、均質化が行われることが好ましい。この場合成形とは、圧縮、押出し等による成形、さらには容器、形枠または型に注入または充填し、続いて圧縮するまたは圧縮しない成形を意味する。
【0005】
また本発明は本発明に基づく方法により製造することができるまたは製造したインスタント成形個片によって、その根底にある技術問題を解決する。
【発明の効果】
【0006】
意外なことに、含水量0.01重量%以上40重量%以下(全重量に対して)のインスタント組成物を低下した大気圧下、即ち真空下で乾燥させれば、多孔質の構造または基質を有する貯蔵可能な乾燥インスタント成形個片を生じることが示される。インスタント製品を溶解させる液体は、この多孔質構造または基質に非常によく浸透し、このため液体はインスタント成形個片の中で崩壊剤のように作用する。インスタント成形個片の多孔質はとりわけその構造の毛管作用のために、溶解挙動を大幅に改善する。インスタント成形個片の崩壊時間は周知の錠剤化、圧縮または粉末状インスタント製品に比して著しく短縮される。
【0007】
さらに意外なことに、乾燥時間が短縮され、乾燥温度が引き下げられるように、湿ったインスタント組成物成形物を乾燥させることが可能であり、このため例えばその成分の香りや風味に関して品質上の利点が生じることが示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に関連して可溶性インスタント組成物とは、液体、特に水性液体に可溶の少なくとも1つの成分が含まれている組成物を意味する。インスタント組成物は迅速にほぼ残らず溶解するように、可溶成分だけを含むことが好ましい。インスタント組成物は即席使用、特に液体、とりわけ水性液体への即時溶解に適している。インスタント組成物は粉末状、顆粒状または粒状であることが好ましい。
【0009】
本発明に関連してインスタント成形個片とは、成形およびその後の乾燥によってインスタント組成物の個々の粒が互いに付着し、このためインスタント製品が個片の形状、特に三次元形状、例えば直方体、立方体、球、円柱、レンズ形、卵形、リング状、ロール状、円錐、四面体、八面体、トランプのスート形、または棒状の形状を有しているインスタント製品を意味する。またインスタント成形個片は任意の方法で成形されたブロック状の形状を有していてもよい。従ってインスタント成形個片は集塊をなしており、粉末状、顆粒状または粒状でない。これは、さらなる補助的手段なしで計量することができる。こぼれた製品による汚れの危険や誤った計量の危険がない。
【0010】
本発明に関連して真空乾燥とは、低下した大気圧、即ち標準大気圧を下回る圧力での乾燥、即ち液体の除去を意味する。好ましい実施形態では、真空乾燥は真空乾燥器で行われ、成形されたインスタント組成物はとりわけ栓を通じて真空乾燥器に送り込まれる。真空乾燥は周知のように行われる。例えば真空キャビネットまたは真空ベルト式乾燥機を使用することができる。乾燥のために例えば接触乾燥器、対流乾燥器またはマイクロ波乾燥器を使用することができる。好ましい変法では真空乾燥はとりわけ栓を用いて連続的に行われる。別の好ましい変法では真空乾燥が不連続的に行われ、とりわけ真空乾燥器に標準圧で装入され、続いて真空化する。
【0011】
乾燥は10mbar〜400mbar、とりわけ15mbar〜100mbarまたは20mbar〜90mbarの真空で行うことが好ましい。好ましい構成では、インスタント組成物から除去された水が凝縮しないような真空値で乾燥が行われる。
【0012】
インスタント組成物を工程c)において20℃〜110℃の温度で、とりわけ少なくとも40℃〜最高90℃の高温で乾燥させることが好ましい。
【0013】
成形したインスタント組成物を、生じたインスタント成形個片について所定の含水量が達成されるまで真空乾燥することが好ましい。1分以上2時間以下で乾燥させることが好ましい。特に少なくとも2分、最高30分で乾燥させることが好ましい。
【0014】
好ましい構成では、工程a)において混合の前、時または後にインスタント組成物を小分けにする。特にインスタント組成物を工程a)において混合の後に小分けすることが好ましい。
【0015】
本発明に基づく好ましい実施形態では、インスタント組成物を工程b)において型枠、いわゆる型に入れることによって成形する。この場合、型とは、粉末状、顆粒状または粒状のインスタント組成物を成形するための型枠を意味する。型は、その形状によって注入されるインスタント組成物の形状が決まる、少なくとも1個または多数の三次元中空容器が配列したものである。型は閉じられた容器壁を有していてもよい。あるいは型は、有孔の容器壁、例えば成形した織物またはスクリーンネットを有する。型は例えば直方体、立方体、円柱、レンズ形、ロール状、リング状、卵形、円錐、四面体、八面体、棒状またはトランプのスート形の形状を有しうる。型は複数の部分、特に2個の部分、特に下側の底部と上側の底部(これらの部分はインスタント組成物の型への充填の前または後に連結される)からなるものであってよい。例えば型は織物製の半球スクリーンからなるものであってよい。別の実施形態では、型は成形したインスタント製品を排出するための手段を備えたツール、例えば押出型の形状であるものとする。
【0016】
インスタント組成物を工程b)において直方体、立方体、球、円柱、レンズ形、卵形、リング状、ロール状、円錐、四面体、八面体、トランプのスート形または棒状に成形することが好ましい。インスタント組成物を工程b)において直方体として成形することが特に好ましい。別の特に好ましい構成では、インスタント組成物が工程b)において球として成形される。
【0017】
好ましい実施形態では、インスタント組成物は工程b)において成形するときに圧縮される。圧縮の際に、成形されるインスタント組成物に0.1〜20bar、とりわけ2〜6barの圧縮圧力をかけることが好ましい。別の好ましい変法ではインスタント組成物を工程b)において成形するときに圧縮しない。
【0018】
インスタント組成物を成形し、乾燥させるために、インスタント組成物は少なくとも0.01重量%、最大約40重量%、とりわけ最大30重量%まで(全重量に対して)の含水量を有しなければならない。
【0019】
意外なことに、成形したインスタント組成物の含水量が、本発明に基づく真空乾燥の際にインスタント個片の成形に対して決定的な影響を及ぼすことが示されている。好ましい構成では、成形したインスタント組成物は工程c)において本発明に基づき乾燥する際により大きな体積へと膨張し、それにより、膨張したインスタント成形個片が得られる。意外なことに、この効果はインスタント組成物が少なくとも5重量%、最大約40重量%、とりわけ8〜20重量%(全重量に対して)の含水量を有する場合に現れる。本発明によれば乾燥時の膨張挙動、即ち膨張の度合は、インスタント組成物の含水量だけでなく、とりわけさらに乾燥時の真空レベルによっても調節することができる。高い真空度はより強い、より大きな膨張を、低い真空度は弱い膨張をもたらす。適切な膨張のために適用される真空のレベルは、とりわけ乾燥させるインスタント組成物の組成に依存する。もちろん当業者は乾燥時の好ましい真空レベルを少数試験によって、組成および望ましい膨張度に応じて、自分で見つけ出すことができる。本発明によれば、膨張度はつねにとりわけ乾燥の前のインスタント組成物の含水量および乾燥時の真空レベルといった要因の協働から生じるものである。もちろん乾燥時間をさらに短縮または延長し、それにより真空の作用時間を短縮または延長することによって、膨張度をある程度調節することができる。当業者は少数の試験によってそれぞれ好ましいパラメータを見出すであろう。
【0020】
こうして得られる膨張した乾燥インスタント成形個片はより大きな体積と小さな密度を有する。こうして得たインスタント成形個片の密度は非常に小さいので、インスタント個片は液体、例えば水またはミルクに浮くことができる。浮遊するインスタント成形個片は意外なことに急速に崩壊し、崩壊過程または溶解は意外な視覚的および官能的に魅力的な効果をもたらす。崩壊の際に例えば若干の泡が形成される。インスタント成形個片を溶解させることによって調製される製品、例えばココアおよびコーヒーで、泡が生じる。例えばこのようなインスタント成形個片を熱湯に溶解することによって泡のフタ、いわゆる「クリーム」を有するインスタントコーヒー飲料を調製することができる。
【0021】
別の好ましい構成では、インスタント組成物は工程c)において乾燥させる際にその体積を保持する。工程c)において乾燥させる際にその体積を保持する成形したインスタント組成物は、とりわけ少なくとも0.01重量%〜最大約4.5重量%(全重量に対して)の含水量を有する。約3〜約5重量%の限界含水量でも乾燥時に相応の高い真空度によってインスタント組成物の膨張が得られることは、上記の説明から明白である。さらに低い含水量でも膨張がまったく不可能ではないが、好ましくなく、適切でもない。
【0022】
成形したインスタント組成物の真空乾燥の際に膨張が起こらなければ、生じるインスタント成形個片は高い密度を有し、そのため液体に浮かないが、1個の角砂糖のように液中に沈下し、底に沈む。
【0023】
工程b)において成形したインスタント組成物を、工程c)の前に、乾燥のために型から分離することが好ましい。好ましい代わりの方策では、工程b)において成形したインスタント組成物は、工程c)において乾燥させるために引き続き型の中にある。型はインスタント組成物の膨張を可能にする。これはとりわけ有孔の容器壁を有する密閉容器を備えた型をインスタント組成物で完全には満たさないことによって、またはその型が拡張可能であることによって、達成されうる。同じく好ましい代わりの方策では、乾燥の際に型がインスタント組成物を膨張させない。これは例えば閉じられた型をインスタント組成物で完全に満たし、その型が拡張不能であることによって達成される。
【0024】
好ましい構成では、工程a)において湿潤または含水成分、例えばシロップまたは懸濁液と混合することにより、および/または液体、とりわけ水を混合、吹きつけまたは蒸着することによって、インスタント組成物の総含水量を少なくとも0.01重量%、最大約40重量%、とりわけ最大約30重量%(全重量に対して)に調整する。水を吹きつけることによってインスタント組成物を所望の総含水量に調整することが好ましい。同じく好ましい代わりの方策では、水を蒸着することによってインスタント組成物を所望の総含水量に調整する。同じく好ましい代わりの方策では、少なくとも1つの含水成分と混合することによって、インスタント組成物を所望の総含水量に調整する。
【0025】
特に好ましい変法では、とりわけ成形したインスタント組成物の真空乾燥時の体積膨張を望まない場合は、工程a)においてインスタント組成物を0.01重量%〜最大4.5重量%(全重量に対して)の総含水量に調整する。
【0026】
別の特に好ましい変法では、とりわけ、膨張したインスタント個片を得ようとするときは、工程a)においてインスタント組成物を少なくとも5〜最大40重量%、とりわけ最大30重量%(全重量に対して)の総含水量に調整する。
【0027】
別の好ましい構成では、工程a)で準備され、とりわけ混合されたインスタント組成物は水を別に加えないで本発明に基づく総含水量を有する。好ましい変法では、工程a)で混合されたインスタント組成物は、水をさらに加えずに0.01〜4.5重量%の総含水量を有する。別の好ましい変法では、工程a)で混合したインスタント組成物は水を別に加えずに5〜40重量%の全総水量を有する。
【0028】
好ましい構成では、インスタント組成物に崩壊剤を加えない。崩壊剤とは、液中で例えば錠剤の急速な崩壊を生じさせる崩壊製剤または崩壊助剤を意味する。これはとりわけ製品への吸水を増加する物質または例えば沸騰錠のためのガス発生基質である。
【0029】
本発明に基づく方法は、在来の製錠法では別の補助物質、例えば崩壊剤または結合剤なしでは直接錠剤化ができないようなインスタント組成物から、1個または複数個のインスタント個片に小分けすることもできる利点がある。また急速な溶解をさらに促進するために、本発明に基づき使用されるインスタント組成物に少なくとも1つの周知の崩壊剤を加えるのは自明のことである。さらに視覚的または官能的効果を改善することができるガス発生物質が好ましい。
【0030】
好ましい構成では、とりわけ形状、構造および溶解挙動を周知のように調節するために、インスタント組成物に少なくとも1つの結合剤が添加される。同じく好ましい代わりの方策では、インスタント組成物は結合剤を含まない。
【0031】
本発明に基づくインスタント製品は例えば次のように製造される。即ち糖類または糖様材料からなる担体物質の所定量の結晶を湿らせて、所定量のその他の添加物と適当な比率で混合する。次に混合物を型に入れ、軽く圧縮する。最後にインスタント製品を例えば型から押出し、適当な条件のもとで乾燥させる。担体物を湿らせるとその表面が粘着性になり、他の食品製品と結合する。所定の型の中で軽く圧縮するとインスタント製品の所望の形状が得られる。結晶表面の粘着性は、使用する担体物質だけでなく、その他の添加物の材料特性にも関係する。イソマルツロースの場合は粘着性がごく僅かであるが、それはイソマルツロースの低い溶解度に原因する。いずれにしても担体物質の結晶または集塊のうち溶解されるのは最上層であり、この最上層は互いに結合することができる。続く乾燥によって、次にこの境界面が結合される。乾燥過程の後にインスタント製品は、飲料を調製する時に初めて溶解する安定した形になる。利用者は例えば水またはミルクをカップまたはグラスに満たし、例えば錠剤に成形したインスタント製品をそのグラスに入れ、次に中味を混合しなければならない。その飲料は直ちに飲用できる状態である。そこで本発明に基づく方法は、例えば結晶糖(例えばスクロース、フルクトース、グルコース、イソマルツロース、マルトース等)を水または含水液、蒸気または水性エーロゾルで湿らせ、水0.01〜30%の含水量にすることを特徴とする。この着想は、インスタント立方体の製造のために例えばジュース等を使用することも考慮する。結晶糖の代わりに例えば非晶質または半結晶質の多糖、オリゴ糖および牛乳成分並びに麦芽抽出物も使用することができる。湿らせた結晶は例えばその他の添加物と適当な比率で混合することができる。場合によっては総混合物をそのまま湿らせることもできる。次に混合物を型に詰めて、軽く圧縮する。その場圧縮圧力はごく僅かでよい。続いて製品を例えば型から排出させて、適当な条件のもとで乾燥させる。
【0032】
好ましい構成ではインスタント組成物は食品組成物である。
【0033】
別の好ましい構成ではインスタント組成物は医薬品組成物である。
【0034】
別の好ましい構成ではインスタント組成物は植物性抽出物であり、または本質的に植物性組成物からなる。
【0035】
本発明に基づきインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの成分の下記の数量データは、製造されたインスタント成形個片の総乾燥物含量に関するものである。乾燥前の、水分を含む成形したインスタント組成物中の成分の重量割合は、そこから逸脱しうる。当業者は乾燥物含量の乾燥損失の簡単な計算または調整によって、工程a)において与えられ、または工程b)において場合によっては追加的湿潤化の後に得られるインスタント組成物の組成を推定することができる。
【0036】
インスタント組成物は薬剤、、茶抽出物、コーヒー抽出物、果実抽出物、麦芽抽出物、カカオ粉末、香り成分、とりわけスパイス粉末の形態のスパイスまたはスパイス混合物、スープ混合物およびこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの成分を、もしくは主として、とりわけ90%以上がこの成分からなることが好ましい。
【0037】
例えばインスタント組成物は食物繊維、デンプン、多糖、オリゴ糖、炭酸塩および/または牛乳成分を含む。
【0038】
好ましい構成では、インスタント組成物は糖類、糖代替物質、特に糖アルコールまたは糖誘導体、強度甘味料およびこれらの混合物からなる群から選ばれた少なくとも1つの成分を含み、もしくは主として、とりわけ90重量%、95重量%、99.5重量%、99.7重量%以上がこの成分からなる。特にインスタント組成物は唯一の甘味料としてこのような成分を含むことが好ましい。特にこの成分はイソマルツロース、イソマルトース、トレハロース、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、イヌリン、ロイクロース、タガトース、オリゴフルクトース、デンプン、マルトデキストリン、イソマルト、1,1-GPM(1-0-α-D-グルコピラノシル-D-マンニトール)、1,6-GPS(6-0-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール)、1,1-GPS(1-0-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール)、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトールシロップ、水素化および非水素化デンプン水解物並びにこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの成分を含み、もしくは主として、とりわけ90重量%、95重量%、98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上がこの成分からなる。
【0039】
特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%、98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合のイソマルツロースを含むことが好ましい。特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%の割合のイソマルトースを含むことが好ましい。特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%、98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合のトレハロースを含むことが好ましい。特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%、98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合のスクロースを含むことが好ましい。特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%、98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合のグルコースを含むことが好ましい。特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%の割合のフルクトースを含むことが好ましい。特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%、98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合のマルトースを含むことが好ましい。特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%、98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合のラクトースを含むことが好ましい。特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%、98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合のイヌリンを含むことが好ましい。特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%、98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合のロイクロースを含むことが好ましい。特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%、98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合のタガトースを含むことが好ましい。特にインスタント組成物はとりわけ唯一の甘味料として特に10〜95重量%、98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合のオリゴフルクトースを含むことが好ましい。
【0040】
インスタント組成物は、担体物質または構造付与剤として機能する少なくとも1つの成分を含むことが好ましい。本発明に関連して担体物質は、おおむね含水インスタント組成物の乾燥の際に形成されるインスタント成形個片の構造、即ち多孔質構造または基質を支持または形成することを特に担う。構造を形成するために、担体物質は水溶性であることが好ましい。担体物質は非吸湿性物質であることが好ましい。好ましい代替変法では、担体物質は主としてまたは完全に結晶構造を有する。担体物質は主としてまたは完全に非晶質構造を有することが好ましい。さらに担体物質は純粋物質または混合物であり、半結晶質および半非晶質構造であるものとする。その場合、もともと結晶構造を有する成分が、製造されたインスタント個片で非晶質構造を形成しており、またはその逆であるものとする。
【0041】
好ましい実施形態では構造を付与する担体物質は糖類、特にイソマルツロース、イソマルトース、トレハロース、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、イヌリン、ロイクロース、タガトース、オリゴフルクトース、デンプン、マルトデキストリン、糖アルコールまたはポリオール、特にイソマルト、1,1-GPM(1-0-α-D-グルコピラノシル-D-マンニトール)、1,6-GPS(6-0-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール)、1,1-GPS(1-0-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール)、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトールシロップ、水素化および非水素化デンプン水解物およびその他の多糖、特にポリデキストロース、オリゴ糖、特にイヌリンおよびオリゴフルクトースおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる。好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がイソマルツロースであり、それは特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。別の好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がイソマルトースであり、それは特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。別の好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がトレハロースであり、それは特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。別の好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がスクロースであり、それは特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。別の好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がグルコースであり、それは特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。別の好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がフルクトースであり、それは特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。別の好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がマルトースであり、特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。別の好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がラクトースであり、特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。別の好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がイヌリンであり、特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。別の好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がロイクロースであり、それは特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。別の好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がタガトースであり、それは特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。別の好ましい実施形態ではインスタント組成物に含まれる少なくとも1つの担体物質がオリゴフルクトースであり、それは特に10〜95重量%、とりわけ98重量%、99.5重量%、99.7重量%以上の割合で含まれる。
【0042】
好ましい実施形態ではインスタント組成物はさらに可溶性および/または不溶性の食物繊維を含む。
【0043】
好ましい実施形態ではインスタント組成物は食品適合酸、食品適合塩、強度甘味料、ミネラル、微量元素、食物繊維、酸化防止剤、安定化剤、増粘剤、風味物質、香料または匂い物質、ビタミン、着色料、甘味料およびカフェインからなる群から選ばれる少なくとも1つの成分を含む。
【0044】
また本発明は、本発明に基づく方法により製造することができ、即ち本質的に製造法により特徴づけられる、新規なインスタント成形個片に関する。本発明に基づくインスタント成形個片はとりわけ本発明に基づく方法により製造される。
【0045】
本発明に基づくインスタント個片は、上記で特徴づけたインスタント組成物からなり、またはそのインスタント組成物から製造される。初めに準備されたインスタント組成物は、本発明に基づく方法によって、含水量は別として、その他の組成が変更されないことはもちろんである。従って組成物の上記のデータは本発明に基づくインスタント個片にも関する。特にインスタント組成物およびそれから製造されたインスタント個片は少なくとも1つの担体物質を有し、その担体物質は構造付与効果を有し、特にインスタント成形個片の多孔質構造および基質を形成する。こうしてインスタント個片はとりわけイソマルツロース、イソマルトース、トレハロース、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、イヌリン、ロイクロース、タガトース、オリゴフルクトース、デンプン、マルトデキストリン、イソマルト、1,1-GPM(1-0-α-D-グルコピラノシル-D-マンニトール)、1,6-GPS(6-0-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール)、1,1-GPS(1-0-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール)、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトールシロップおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの担体物質を有する。
【0046】
本発明に基づくインスタント成形個片は冷液および/または温液に特によく溶解し、特に即座に溶解することが示される。好ましい実施形態では本発明に基づくインスタント成形個片は冷液に即座に溶解する。好ましい実施形態では本発明に基づくインスタント成形個片は温液に即座に溶解する。
【0047】
好ましい実施形態では、インスタント成形個片は、所定の分量、即ち1〜5個が1回分の冷または温飲料を生じるように、インスタント成形個片の大きさが選択されていることを特徴とする。
【0048】
本発明に基づくインスタント成形個片は液体に規定どおりに溶解する前は形状安定性かつ貯蔵安定性を有するという利点がある。
【0049】
好ましい実施形態ではインスタント成形個片は、溶解させる液体より小さな密度を有する。とりわけ本発明に基づくインスタント成形個片は溶解の際に液体に浮く。
【0050】
別の好ましい実施形態では、インスタント成形個片は溶解する液体よりも大きな密度を有する。とりわけ本発明に基づくインスタント成形個片は溶解の際に液体中に沈下し、容器の底に沈む。
【0051】
好ましい実施形態では、本発明に基づくインスタント成形個片を溶解させる液体は水性液体である。好ましい実施形態では、本発明に基づくインスタント成形個片を溶解させる液体は水、アルコール飲料、果汁、茶、コーヒーまたは牛乳である。インスタント成形個片を溶解した後にその液体をさらに甘味付けする必要がない利点がある。
【0052】
製品は例えば他の成分を混ぜ合わせた結晶質糖基質からなる。結晶質基質は、製品の形状を安定化する三次元網目構造を決定する。結晶質糖基質の代わりに、基質は例えば他の結晶質物質(糖代替物質)または非晶質凝固成分(糖類、糖代替物質、多糖、オリゴ糖、麦芽抽出物または牛乳成分等)からなるものであってよい。製品の組成および用量は、例えば所定の分量、即ち該製品の1〜5個が1回分の冷または温飲料をもたらすように選定されている。インスタント製品は例えば製品の形状が安定であるように成形されている。様々な形状が可能であり、これらの形状に共通するのは、任意の形の底面を有することである。底面は好ましくは平坦であるが、凹みまたは突起を有することも可能である。底部形状は次に上へ垂直にまたはある角度で立ち上がる。寸法は自由に選択することができ、分量の規模や安定性だけに制約される。製品は例えば優れた冷水または温水可溶性を有する。この可溶性は組成および溶解時の機械的作用に依存して数秒〜数分の範囲である。適当な形状、例えば直方体の形状を有するインスタント製品を次に例えば個別に包装することができる。複数個の製品を積み重ねて、丸形または角形の棒としてパッケージングすることも可能である。製品は例えば密な担体成形材料が形成されるような組成を有する。材料は例えば次のおよその組成をもたらす。即ち担体物質割合:10〜99%、抽出物割合:0.01〜80%。本発明に基づくインスタント飲料は例えば以下の構成要件を満たす:a)担体、香料、抽出物およびその他の機能性または栄養生理学的添加物からなり、b)小分けにされ、必要ならば個々にパッケージングされ、形状は様々(例えば直方形、円形またはその他の形状)であり、c)熱湯および冷水に可溶である。本発明に基づくインスタント製品はもちろん他の製品、例えばプディング、デザートクリーム、僅かに甘味のあるスープまたはソースもしくはマッシュポテトにも適している。そのために甘味の少ない糖類かまたは塊状のデンプン/マルトデキストリンを使用することができる。われわれの製品にとって最も重要な条件は、水またはその他の液体(熱または冷)で調製されることである。調製された製品が後で飲まれ、食べられるかどうかは、インスタント製品の組成および用量または水による希釈に依存する。
【0053】
また本発明は、食品製品と混合および結合され、インスタント製品の所定の形状を可能にする少なくとも1つの糖様担体物質を特徴とする、可溶の、とりわけ粉末状の食品製品を少なくとも1つ有するインスタント製品に関する。好ましい実施形態では、食品製品として特に植物性抽出物が使用される。好ましい実施形態では、食品製品は茶抽出物、コーヒー抽出物、果実抽出物、麦芽抽出物、カカオ粉末等からなる。好ましい実施形態では、インスタント製品は下記の添加物、即ち香料、増粘剤、着色料、炭酸塩、強度甘味料、食物繊維、多糖、牛乳成分、ビタミン、ミネラル等のうち少なくとも1つも有する。好ましい実施形態では、担体物質として結晶質糖類、例えばスクロース、フルクトース、グルコース、イソマルツロース、マルトース、ラクトース等、結晶質糖代替物質、多糖、オリゴ糖を使用することができる。好ましい実施形態では、インスタント製品は結晶質糖基質、もしくは他の結晶質物質(糖代替物質)または非晶質凝固成分の集塊(糖類、糖代替物質、多糖、オリゴ糖、麦芽抽出物また波牛乳成分等)からなり、他の成分が混ぜ合わせた基質を特徴とする。好ましい実施形態では、インスタント製品は所定の分量即ち1〜5個の製品が、1回分の冷または熱飲料を生じるように、製品の組成と用量が選定されていることを特徴とする。好ましい実施形態では、インスタント製品は特定の利用の前は形状安定性を有することを特徴とする。好ましい実施形態ではインスタント製品は、インスタント製品の形状がとりわけ所定の幾何学的形状、例えば円柱、ペレット状、直方体、リング状等であることを特徴とする。好ましい実施形態ではインスタント製品は、組成および溶解時の機械的作用に依存して数秒〜数分の範囲の冷水または温水溶解性を特徴とする。好ましい実施形態では、インスタント製品は担体物質の割合が10〜99%であり、一方、抽出物分は0.01〜80%であることを特徴とする。また本発明はイソマルツロースからなる所定の本体を特徴とし、少なくとも1つの可溶の、とりわけ粉末状の食品製品を有するインスタント製品に関する。好ましい実施形態では、インスタント製品は立方体、直方体、球等の形状を有することを特徴とする。また本発明はインスタント製品(特に本発明に基づくインスタント製品)の製造方法であって、以下の工程、即ちa)所定量の担体物質結晶を湿らせ、所定量のその他の添加物と適当な比率で混合し、b)次にその混合物を型に入れて、軽く圧縮し、c)最後に型からインスタント製品を突き出し、適当な条件のもとで乾燥させることを特徴とする該方法に関する。
【0054】
本発明のその他の有利な実施態様は従属請求項で明らかである。
【0055】
下記の実施例に基づき発明を詳述するが本発明はこれら実施例に限定的と解すべきでない。
【実施例】
【0056】
実施例1:インスタントコーヒー個片(トランプのスート形に成形したもの)
成分:
イソマルツロース(結晶)
粉砕した凍結乾燥コーヒー抽出物
(イソマルツロースと抽出物の比=2:1)
方法:
40gのイソマルツロースを細かいふるいに入れて蒸気流の上に保持し、イソマルツロース結晶が約2.2〜4.5重量%の水を吸収するようにした。湿らせたイソマルツロース結晶を次に手で均質に広げた。次にすべての成分が均一に広がるまで、20gのコーヒー抽出物を混ぜ合わせた。
【0057】
次にトランプのスート形の凹みが穿設されており、2〜2.25cm2の底面積を有する型で、成形を行った。上記混合物を型に詰め、手で約0.5〜2.5barの圧縮圧力で押圧した。次に表面を平らにならした。次に型を逆にして、下側閉鎖面を形成する型でトランプのスート状に成形された個片を型から押し出した。トランプのスート状に成形された個片を次に真空キャビネットで80℃、絶対圧力134〜67mbarで1〜1.5時間かけて乾燥させ、冷却し、続いて包装した。
【0058】
加工パラメータ:
イソマルツロース結晶の湿潤化:2.2〜4.5%
圧縮圧力(手作業):0.5〜2.5bar
1個当りの表面積:約2〜2.25cm2
乾燥パラメータ:
80℃で90分
絶対圧力140〜60mbar
乾燥時の重量損失:1.5〜3.5重量%
【0059】
実施例2:インスタントティー個片(立方体;直角ではない;体積膨張あり)
成分:
スクロース(結晶)
茶抽出物、フェンネル−アニス−キャラウェー(イソマルツロースと抽出物の比率=8:1)
方法:
大きなシャーレの中で40gの砂糖に噴霧水(エーロゾル)をごく僅かに吹きつけ、結晶糖が約6.8〜11.0重量%の水を吸収するようにした。湿らせた糖結晶を次に手で均質に広げた。続いて5gの茶抽出物を混ぜ合わせて、すべての成分が均一に広がるまでその混合物をかき混ぜた。
【0060】
次に例えば角砂糖の製造に使われる型で立方体の製造を行った。生地を2〜2.25cm2の底面積を有する四角の凹みに詰め、手で0.2〜0.8barの圧力で押圧した。次にはみ出た残分を掻きとった。次に型を逆にして、下側閉鎖面を形成する金型で立方体を型から押し出した。次に立方体を真空キャビネットで90℃、絶対圧力140〜60mbarで0.7〜1.5時間かけて乾燥させた。乾燥の際に、立方体の体積は乾燥時の含水量および圧力に応じて増加し、形状が丸みを帯びた。次にその調製品を冷却し、続いて包装した。
【0061】
加工パラメータ:
スクロースの湿潤化:6.8〜11.0%
圧縮圧力(手作業):0.5〜0.8bar
1個当りの表面積:約2〜2.25cm2
乾燥パラメータ:
80〜90℃で40〜90分
絶対圧力140〜60mbar
乾燥時の重量損失:5.9〜9.0%
【0062】
実施例3:イソマルツロース・ベースのインスタントティー立方体
成分:
イソマルツロース−アニス−茶抽出物(イソマルツロースと茶の比=8:1)
加工パラメータ:
イソマルツロースの湿潤化:2.3%
圧縮圧力(圧縮機):5bar、
1個当たりの表面積:約2.5cm2
乾燥パラメータ:
90℃で10分
20mbar
崩壊時間(20℃):0.45分
【0063】
実施例4:スクロース・ベースのインスタントティー立方体
成分:
砂糖−アニス 茶抽出物(砂糖(スクロース)と茶の比=8:1)
加工パラメータ:
スクロースの湿潤化:2%
圧縮圧力(圧縮機):5bar
1個当たりの表面積:約2.5cm2
乾燥パラメータ:
90℃で10分
50mbar
崩壊時間(20℃):2.3分
【0064】
実施例5:イソマルツロース・ベースのココア・バー
成分:
10%イソマルツロース
90%ココア(市販の朝食用飲料粉末)
加工パラメータ:
イソマルツロースの湿潤化:6%
圧縮圧力(圧縮機):5bar
1個当りの表面積:約2.5cm2
乾燥パラメータ:
90℃で10分
20mbar
崩壊時間(20℃):1分
【0065】
実施例6:イソマルツロース/スクロース・ベースのインスタントコーヒー立方体
成分:
60%イソマルツロース/砂糖混合物
40%インスタントコーヒー
加工パラメータ:
イソマルツロース/砂糖の湿潤化:4.5%
圧縮圧力(圧縮機):5bar
1個当りの表面積:約2.5cm2
崩壊時間(20℃):0.40分
【0066】
実施例7:イソマルツロース立方体
100%イソマルツロース
加工パラメータ:
イソマルツロースの湿潤化:5%
圧縮圧力(圧縮機):5bar
1個当りの表面積:約2.5cm2
乾燥パラメータ:
90℃で10分
20mbar
崩壊時間(20℃):1.10分
【0067】
実施例8:スティック入り粉乳を加えたインスタント朝食用飲料
成分:
比率4:3:2の砂糖(スクロース)、ココア、粉乳
加工パラメータ:
砂糖の湿潤化:3%
圧縮圧力(手作業):1bar
1個当りの表面積:約2cm2
乾燥パラメータ:
80℃で10分
40mbar
崩壊時間(20℃):0.20分
【0068】
実施例9:レンズ形ココア
成分:
100%ココア(市販の朝食用飲料粉末)
加工パラメータ:
16%まで湿潤化(市販の朝食用飲料粉末)
乾燥パラメータ:
90℃で20分
50mbar
崩壊時間(20℃):4分
【0069】
実施例10:本発明のインスタント成形個片(立方体)および本発明のものではないインスタント成形個片(立方体)の分解時間の比較
異なるインスタント組成物から様々なインスタント成形個片を製造した。インスタント成形個片を真空下(本発明に基づく)または通常圧力(比較例)で乾燥させた。
【0070】
10.1 インスタント・イソマルツロース組成物(2.5% 水)
40gのイソマルツロース(パラチノース[Palatinose(登録商標)])を1.00gの水と混合した。3つのバッチでそれぞれ重量5g、圧力5barで立方体を成形した。表1(初めの3行)に示すようにして、立方体を乾燥させた。乾燥時間は立方体の最終含水量に応じたものであった。
【表1】

【0071】
10.2 インスタント・イソマルツロース組成物(5% 水)
40gのイソマルツロース(Palatinose(登録商標))を2.00gの水と混合した。3つのバッチでそれぞれ重量5g、圧力5barで立方体を成形した。表2(初めの3行)に示すようにして、立方体を乾燥させた。乾燥時間は立方体の最終含水量に応じたものであった。
【表2】

【0072】
10.3 イソマルツロース−オボマルチン[Ovomaltine(登録商標)]インスタント組成物(1.6% 水)
30gのイソマルツロース(Palatinose(登録商標))を20gのオボマルチン(Ovomaltine(登録商標))および0.80gの水と混合した。3つのバッチでそれぞれ重量3g、圧力3barで立方体を成形した。表3(初めの3行)に示すようにして、立方体を乾燥させた。乾燥時間は立方体の最終含水量に応じたものであった。
【表3】

【0073】
10.4 イソマルツロース−茶抽出物インスタント組成物(2.85% 水)
30gのイソマルツロース(Palatinose(登録商標))を5gの茶抽出物および0.70gの水と混合した。3つのバッチでそれぞれ重量5g、圧力5barで立方体を成形した。表4(初めの3行)に示すようにして、立方体を乾燥させた。乾燥時間は立方体の最終含水量に応じたものであった。
【表4】

【0074】
実施例11:液に浮いた本発明のインスタント成形個片の分解時間
本発明のインスタント成形個片を製造した。そのインスタント個片は真空乾燥時により大きな体積に膨張した。インスタント成形個片は小さな密度を有し、分解開始時に水に浮く(浮遊形態[Float Form])。以下の分解時間(20℃)が測定された。
【0075】
インスタントコーヒー成形個片:70秒
インスタントオボマルチン[Ovomaltine(登録商標)]成形個片:296秒
インスタントティー成形個片:250秒
【0076】
実施例12:本発明の球形のインスタント成形個片の成形のための型
その型は繊維製の2個の窪んだ半球状のふるいからなる。含水量0.01%〜40%(全重量に対して)のインスタント組成物をその半球に部分的または完全に充填することができる。充填の後に半球を向き合わせに載せて、型締めプレートで1つに連結する。インスタント組成物を入れた2個の半球からなる型を真空炉で乾燥させる。その型の2つの半球がインスタント組成物で完全に充填されていた場合は、高密度の球形のインスタント個片が得られる。その型の2つの半球がインスタント組成物で完全に充填されていなかった場合は、インスタント組成物は真空乾燥時に膨張することができる。このとき、非対称に成形された低密度の個片が生じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インスタント組成物からインスタント成形個片を製造する方法であって、以下の工程:
a)インスタント組成物を準備する工程であって、ここで該インスタント組成物が粉末状、顆粒状または粒状である、工程、
b)インスタント組成物を成形する工程であって、ここで該インスタント組成物が成形の際に0.01〜40重量%(全重量に対して)の含水量を有する、工程、
c)成形したインスタント組成物を真空乾燥させる工程、
を含む、方法。
【請求項2】
工程a)においてインスタント組成物を混合し、さらに場合によっては混合の前、混合時または混合の後に小分けにする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程b)において、インスタント組成物を型に入れることによって成形する、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
工程b)において、インスタント組成物を直方体、立方体、球、円柱、棒状、ロール状、レンズ形、卵形、リング状、円錐、四面体、八面体またはトランプのスート形として成形する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
工程b)において、インスタント組成物を成形の際に圧縮する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
工程b)において、インスタント組成物を成形の際に0.1〜20barの圧力で圧縮する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
工程b)において、インスタント組成物を成形の際に圧縮しない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
工程b)で成形したインスタント組成物を、工程c)の前に型から分離する、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
工程b)で成形したインスタント組成物が、工程c)において引き続き型の中にある、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
工程c)において、型がインスタント組成物の膨張を可能にする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
インスタント組成物が少なくとも1つの水溶性成分を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
工程b)の前に、インスタント組成物を水と混合することによってその含水量を0.01〜40重量%(全重量に対して)に調整する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程c)において、インスタント組成物を10〜400mbarの真空下で乾燥させる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程c)において、インスタント組成物を20〜110℃の温度で乾燥させる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
工程c)において、インスタント組成物が乾燥の際により大きな体積へと膨張する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
インスタント組成物が成形の際に5〜40重量%(全重量に対して)の含水量を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
工程c)において、インスタント組成物が乾燥の際にその体積を保持する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
インスタント組成物が成形の際に0.01〜4.5重量%(全重量に対して)の含水量を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
インスタント組成物が食品組成物である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
インスタント組成物が医薬組成物である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
インスタント組成物が、イソマルツロース、イソマルトース、トレハロース、スクロース、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、イヌリン、ロイクロース、タガトース、オリゴフルクトース、デンプン、マルトデキストリン、イソマルト、1,1-GPM(1-0-α-D-グルコピラノシル-D-マンニトール)、1,6-GPS(6-0-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール)、1,1-GPS(1-0-α-D-グルコピラノシル-D-ソルビトール)、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトールシロップおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの成分である担体物質を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記成分または成分混合物が、担体物質として含まれている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記成分または成分混合物が甘味料として含まれている、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
インスタント組成物が茶抽出物、コーヒー抽出物、果実抽出物、麦芽抽出物、カカオ粉末、スパイス粉末、スープ混合物およびこれらの混合物からなる群から選ばれる成分を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
インスタント組成物が食品適合酸、食品適合塩、強度甘味料、ミネラル、微量元素、食物繊維、酸化防止剤、安定化剤、増粘剤、香味料、芳香剤または匂い物質、ビタミン、着色料、甘味料およびカフェインからなる群から選ばれる少なくとも1つの成分を含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法により製造される、インスタント成形個片。
【請求項27】
冷液および/または温液中で直ちに溶解する、請求項26に記載のインスタント成形個片。
【請求項28】
溶解前は形状安定性および貯蔵安定性を有する、請求項26または27に記載のインスタント成形個片。
【請求項29】
前記液体よりも小さな密度を有し、溶解の際に液体上に浮く、請求項26〜28のいずれか1項に記載のインスタント成形個片。
【請求項30】
溶解の際に液体よりも大きな密度を有し、液体中に沈む、請求項26〜29のいずれか1項に記載のインスタント成形個片。

【公表番号】特表2008−535507(P2008−535507A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505791(P2008−505791)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003253
【国際公開番号】WO2006/108592
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(507340278)ケメ フード エンジニアリング アーゲー (1)
【出願人】(500175772)ズートツッカー アクチェンゲゼルシャフト マンハイム/オクセンフルト (47)
【Fターム(参考)】