説明

インピーダンス調整回路

【課題】 DIMMに実装されているSDRAMのOCDインピーダンス測定・調整が短時間で実行でき、設計が容易なインピーダンス調整回路を提供する。
【解決手段】 調整コードに対応してインピーダンスが可変の出力ドライバを有する、複数のメモリチップD0〜D7をランク選択信号とデータマスク信号の組合せにより選択して、インピーダンスの測定及び調整を行うインピーダンス調整回路において、異なるランクのメモリチップD0〜D7にランク選択信号をそれぞれ出力する複数のランク選択回路31,32と、ランクごとにメモリチップを選択するデータマスク信号をそれぞれ出力する複数のデータマスク選択回路41〜48とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OCD(Off-Chip Driver)インピーダンス調整機能を備えたDDR(Double Data Rate)2メモリ側の出力ドライバのインピーダンス調整を行うインピーダンス調整回路に関する。
【背景技術】
【0002】
DDR2メモリにおいては、外部からのコマンド入力により、OCDインピーダンス調整モードにエントリーすることで、DDR2メモリの出力ドライバ(出力バッファ)のインピーダンスを調整する機能(「OCDインピーダンス調整機能」という)を有している。例えばDDR2 SDRAM(Synchronous DRAM)において、OCDの各モードは、拡張モードレジスタ(1)(EMRS(1))にアドレス信号の所定ビット(例えばA7、A8、A9)を用いて設定される。
【0003】
ドライブ(1)モードでは、出力信号(DQ、DQS,/DQS)の出力レベルは既定の状態となり、メモリコントローラ等の外部デバイスは出力信号(DQ、DQS,/DQS)の電圧レベル(DQ、DQSはHigh、/DQSはLow)を測定しプルアップ抵抗の値が目標値となっているか調べる。
【0004】
ドライブ(0)モードでは、出力信号(DQ、DQS、/DQS)の出力レベルは既定の状態となり、メモリコントローラ等の外部デバイスは出力信号(DQ、DQS,/DQS)の電圧レベル(DQ、DQSはLow、/DQSはHigh)を測定しプルダウン抵抗の値が目標値となっているか調べる。
【0005】
調整モードでは、出力ドライバのインピーダンスが調整される。例えば出力ドライバのインピーダンスは、16段階に分けて調整可能とされ、出力信号(DQ、DQS、/DQS)のプルアップ抵抗とプルダウン抵抗が等しくなるように調整が行われる。OCDキャリブレーションモード解除では、モードの切り替え時にいったん現在のモードが解除される。OCDキャリブレーションデフォルトでは、出力ドライバのインピーダンスがデフォルト値に設定される。
【0006】
なお、インピーダンスの測定、比較は、DDR2 SDRAMにはなくメモリコントローラ等の外部デバイスで行われる。ドライブ(1)モードに設定してプルアップ抵抗の測定を行い、調整が必要な場合、OCDキャリブレーションモード解除を行い、調整モードを設定し、プルアップ抵抗値(ドライバのインピーダンス)の調整を行い、OCDキャリブレーションモード解除を行う。プルダウン抵抗についても同様に測定・調整が行われる(非特許文献1参照)。
【0007】
DDR2メモリ(DIMM)側のプルアップ出力ドライバとプルダウン出力ドライバのインピーダンスが異なる場合、出力信号の立ち上がり/立ち下がりのスルーレート(Slew rate)が違ってくる。
【0008】
この影響として、DDR2メモリの特徴である、データ制御用の差動ストローブ信号(DQS、/DQS)のクロスポイントの電圧が、リファレンス電圧VREFから、ずれてしまうという問題がある。
【0009】
メモリコントローラ内では、電源ノイズの影響を低減するため、一般に、DDR2メモリからの出力信号を、リファレンス電圧VREFを用いた差動アンプで信号増幅(差動増幅)が行われるしかし、前述のように、信号DQS、/DQSのクロスポイントの電圧が、リファレンス電圧VREFからずれると、このずれ(DQ−DQSスキュー)により、データ入出力時のデータをラッチできる時間(有効データ時間)が減少する。高速動作を必要とするDDR2メモリでは、有効データ時間の減少は深刻な問題となる。
【0010】
以上の理由から、DDR2メモリ(DIMM)側のプルアップ出力ドライバとプルダウン出力ドライバのインピーダンスが等しくなるように調整する必要がある。
【0011】
OCDインピーダンス調整機能を用いたDDR2メモリ(DIMM)側の出力ドライバのインピーダンス調整を行う場合、インピーダンス調整回路を、メモリコントローラ内に挿入する必要がある。
【0012】
図3は従来のインピーダンス調整回路で、メモリコントローラ内に設けられたものの一例を示す構成ブロック図である。DIMM(Dual Inline Memory Module)2は、2ランク、16bit幅のSDRAM D0〜D7からなるメモリチップ8個が基板上に実装されてDDR2メモリを構成する。データマスク信号DM0,DM1はSDRAM D0,D1の両方に(1対2で分岐)接続し、同様にDM2,DM3はSDRAM D2,D3の両方に、DM4,DM5はSDRAM D4,D5の両方に、DM6,DM7はSDRAM D6,D7の両方に分岐接続する。
【0013】
メモリコントローラ1は、4つのインピーダンス測定・判定回路11〜14及び調整コード設定回路20を有する。
【0014】
インピーダンス測定・判定回路11〜14は、同じ制御信号を使用しているSDRAM2個に対して1個対応している。例えば、図3の(同じ制御信号DM0,DM1を使用する)D0,D1に対し1個のインピーダンス測定・判定回路11が対応する。すなわち、インピーダンス測定・判定回路11〜14は、SDRAMがランク毎に4個ずつ接続されており(上位ランク:D0〜D6、下位ランク:D1〜D7)、それぞれの出力ドライバのインピーダンスを比較対象データに基づいて測定し、測定結果を基準値と比較して判定する。
【0015】
調整コード設定回路20は、インピーダンス測定・判定回路11〜14の判定結果に対応してOCDインピーダンスを基準値に調整するための(メモリコントローラ1内で求められた)4桁の調整コードをSDRAM D0〜D7に出力する。例えば、出力ドライバのインピーダンスにおける16段階の調整は、プルアップ抵抗の増/減/変化なしとプルダウン抵抗の増/減/変化なしの組合せにより行われる。
【0016】
図3のインピーダンス調整回路の動作を以下に説明する。ランク選択信号及びデータマスク信号の組合せにより、DIMM2に実装されているSDRAMを1個だけ選択し、選択されたSDRAMに対してのみ、OCDインピーダンス調整を行う。
【0017】
SDRAM個体の選択方法を次に示す。メモリコントローラ1からDIMM2の上位か下位のランクを選択するため、ランク選択信号/S0、/S1(/は図3ではバーで表す。以下同様)のどちらか一方を有効(LOW)にする。次に、OCDインピーダンス測定・調整を行うSDRAMのデータマスク信号(DM0〜DM7)のみを有効(LOW)とし、それ以外を無効(HI)にする。
【0018】
なお、図3の各SDRAMは上位8ビットと下位8ビットのそれぞれに対応した2つのデータマスク信号を持つ。例えば、上位ランクSDRAMのD0は上位8ビットに対してデータマスク信号DM1を持ち、下位8ビットに対してデータマスク信号DM0を持つので、DOを選択するにはデータマスク信号DM1とデータマスク信号DM0を有効(LOW)にする。同様にデータマスク信号DM3及びDM2でSDRAMのD2を選択し、データマスク信号DM5及びDM4でSDRAMのD4を選択し、データマスク信号DM7及びDM6でSDRAMのD6を選択する。下位ランクSDRAMについてもD1,D3〜D7を同様にして選択する。
【0019】
上記でOCDインピーダンスを測定・調整するSDRAM個体が決定すると、そのSDRAMからの比較対象データに基づいてインピーダンス測定が行われ、対応するインピーダンス測定・判定回路にて判定結果が得られる。判定結果からインピーダンスの調整が必要な場合は、調整コード設定回路20の調整コード出力が変更され、インピーダンス調整が行われた後、再度インピーダンス測定が行われる。判定結果がNGであれば、さらにインピーダンス測定・調整を繰り返す。ここで、インピーダンス調整回数は、SDRAMの仕様で規定されている回数まで行うことが可能である。上記動作をDIMMに実装されている全てのSDRAMにたいして個別に調整を行う。
【0020】
なお、従来のインピーダンス調整回路と方法についての詳細は、例えば下記特許文献1を参照されたい。
【0021】
【特許文献1】特開平2007−36546号公報
【非特許文献1】テクニカルノート DDR2 SDRAMの新機能 Off-Chip Driver(OCD) April 2007 Document No. J0594E20(Ver.2.0) <インターネット:URL ”http://www.elpida.com">
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
ところで、上述したインピーダンス調整回路において、以下のような問題があった。
すなわち、DIMMに実装されているSDRAMを個別にOCDインピーダンス測定・調整を行う必要があるため、インピーダンスの測定及び調整に長時間を要する。
【0023】
また、OCDインピーダンスをデフォルト設定する際に個別に設定を行う必要があり、煩雑である。
【0024】
また、各SDRAMに対して制御信号を供給しなければならないため、メモリコントローラの設計が複雑になる。
【0025】
本発明はこのような課題を解決しようとするもので、DIMMに実装されているSDRAMのOCDインピーダンス測定・調整が短時間で実行でき、OCDインピーダンスのデフォルト設定が煩雑でなく、SDRAMコントローラ設計が容易なインピーダンス調整回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
調整コードに対応してインピーダンスが可変の出力ドライバを有する複数のメモリチップを、ランク選択信号とデータマスク信号の組合せにより選択して前記インピーダンスの測定を行い、その測定結果に対応した前記調整コードを指定して前記インピーダンスを調整するインピーダンス調整回路において、
異なるランクの前記メモリチップに前記ランク選択信号をそれぞれ出力する複数のランク選択回路と、
該ランク選択回路により選択されたランクごとに前記メモリチップを選択する前記データマスク信号をそれぞれ出力する複数のデータマスク選択回路と
を備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項2記載の発明は、
請求項1記載のインピーダンス調整回路において、
選択された複数の前記メモリチップに対して同一の調整コードを出力することを特徴とする。
【0028】
請求項3記載の発明は、
請求項1記載のインピーダンス調整回路において、
選択された複数の前記メモリチップに対して調整コードを個別に指定する複数の調整コード設定手段を備えたことを特徴とする。
【0029】
請求項4記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインピーダンス調整回路において、
選択された複数のメモリチップについて前記インピーダンスの測定を同時に行うことを特徴とする。
【0030】
請求項5記載の発明は、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインピーダンス調整回路において、
前記ランク選択回路及び前記データマスク選択回路は、出力選択信号により出力が制御されることを特徴とする。
【0031】
請求項6記載の発明は、
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインピーダンス調整回路において、
前記メモリチップはOCD(Off-Chip Driver)インピーダンス調整機能を具備し、OCDインピーダンス調整モードを用いて前記インピーダンスの調整が行われることを特徴とする。
【0032】
請求項7記載の発明は、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインピーダンス調整回路において、
複数の前記メモリチップがDIMM(Dual Inline Memory Module)に搭載されたことを特徴とする。
【0033】
請求項8記載の発明は、
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のインピーダンス調整回路において、
前記インピーダンス調整回路はメモリコントローラ内に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、調整コードに対応してインピーダンスが可変の出力ドライバを有する複数のメモリチップを、ランク選択信号とデータマスク信号の組合せにより選択して前記インピーダンスの測定を行い、その測定結果に対応した前記調整コードを指定して前記インピーダンスを調整するインピーダンス調整回路において、異なるランクの前記メモリチップに前記ランク選択信号をそれぞれ出力する複数のランク選択回路と、該ランク選択回路により選択されたランクごとに前記メモリチップを選択する前記データマスク信号をそれぞれ出力する複数のデータマスク選択回路とを備えたことにより、DIMMに実装されているSDRAMのOCDインピーダンス測定・調整が短時間で実行でき、OCDインピーダンスのデフォルト設定が煩雑でなく、SDRAMコントローラ設計が容易なインピーダンス調整回路を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0036】
図1は本発明の実施の形態に係るインピーダンス調整回路の一実施例を示す構成ブロック図である。図3と同じ部分は同一の記号を付して重複する説明を省略する。
【0037】
メモリコントローラ101は、インピーダンス測定・判定回路11〜14、調整コード設定回路20、上位ランク選択回路31、下位ランク選択回路32及びデータマスク選択回路41〜48を有する。
【0038】
上位ランク選択回路31は/S0信号により上位ランクSDRAM D0,D2〜D6からなるメモリチップの選択を制御し、下位ランク選択回路32は/S1信号により下位ランクSDRAM D1,D3〜D7からなるメモリチップの選択を制御する。
【0039】
データマスク選択回路41〜48は、フリップフロップ回路などで構成され、データマスク信号DM0〜DM7の選択を制御することによりSDRAM D1〜D7の選択を制御する。上位ランク選択回路31、下位ランク選択回路32及びデータマスク選択回路41〜48はそれぞれの出力選択信号を”0”にすることによって、メモリコントローラ101内で与えられる入力信号/S0、/S1、DM0〜DM7(すべて”0”)を選択・出力し、出力選択信号を”1”にすることによって、固定値”1”を選択・出力する。上位ランク選択回路31、下位ランク選択回路32の出力が”0”のとき、そのランクのSDRAMが選択され、データマスク選択回路41〜48の出力が”1”のとき、該当するSDRAMがマスクされる。
【0040】
各SDRAMのマスクは、上位8ビットと下位8ビットのそれぞれに対応した2つのデータマスク信号を出力する2つのデータマスク選択回路の出力を”1”にすることにより行う。例えばSDRAMのD0をマスクする場合には、データマスク選択回路41,42の出力選択信号を”1”にする。
【0041】
図1のインピーダンス調整回路の動作を以下に説明する。
【0042】
OCDインピーダンス測定・調整を行う前に、メモリコントローラ101の制御信号/S0、/S1、DM0〜DM7をすべて有効(すなわち”0”)にする。
【0043】
上位ランクのSDRAMのOCDインピーダンス測定・調整を行うときは、上位ランク選択回路31の/S0出力選択信号を”0”、下位ランク選択回路32の/S1出力選択信号を”1”にし、データマスク選択回路41〜48の出力選択信号を”0”にする。その結果、上位ランク選択回路31の出力信号が”0”、下位ランク選択回路32の出力信号が”1”となり、データマスク選択回路41〜48の出力信号が”0”になるので上位ランクのSDRAM D0,D2,D4,D6が選択される。
【0044】
上位ランクの4個のSDRAM D0〜D6について、それぞれから出力される比較対象データに基づき、対応するインピーダンス測定・判定回路11〜14にてインピーダンス測定が行われ、判定結果が得られる。それぞれのSDRAMの判定結果に基づいて、出力選択信号を次の(1)(2)のように設定する。
【0045】
(1)データマスク信号DM0〜DM7のうち、インピーダンスを同じ方向に調整するSDRAMに対するものの出力選択信号は”0”のままとする。
(2)データマスク信号DM0〜DM7のうち、異なる方向にインピーダンスを調整するSDRAMに対するものについては、出力選択信号を”1”にする。
【0046】
(1)に該当するSDRAMのインピーダンス測定・調整が終了してから、(2)に該当するSDRAMについて、インピーダンス測定調整を同様に((1)(2)のようにグループ分けして)行う。
【0047】
なお、(1)に該当するSDRAMのインピーダンス測定・調整が終了してから、インピーダンスを同じ方向に調整するSDRAMを、(2)に該当するSDRAMも含めて再度グルーピングし、そのグループについてSDRAMのインピーダンス測定・調整を行うようにしてもよい。
【0048】
図1では、1つのランクに4個のSDRAMが接続されているため、4個全てのインピーダンス調整が終わるまで上記のインピーダンス調整を繰り返す。上記で「インピーダンスを同じ方向に調整」とは、プルアップ抵抗の増/減/変化なしとプルダウン抵抗の増/減/変化なしの組合せが同じであることをいい、例えばプルアップ抵抗の増とプルダウン抵抗の減をD2,D4のSDRAMについて同時に行うなどである。
【0049】
下位ランクのSDRAMのOCDインピーダンス測定・調整を行うときは、上位ランク選択回路31の/S0出力選択信号を”1”、下位ランク選択回路32の/S1出力選択信号を”0”にし、データマスク選択回路41〜48の出力選択信号を”0”にする。その後のインピーダンス測定・調整手順は、上位のランクのときと同様である。
【0050】
上記のような構成のインピーダンス調整回路によれば、同じ方向にインピーダンスを調整するSDRAM複数個を同時に測定・調整することができる。
【0051】
また、上位ランク選択回路31、下位ランク選択回路32、データマスク選択回路41〜48を設けることにより、メモリコントローラ101は、OCDインピーダンスを調整する際に制御信号/S0、/S1、DM0〜DM7を全て有効にした状態で(すなわち固定値で)出力すれば良いため、複雑な制御が不要となる。これは、/S0、/S1、DM0〜DM7の各選択回路の出力選択信号によって制御信号が容易にマスク可能なためである。
【0052】
また、OCDインピーダンスのデフォルト設定は、データマスク選択回路41〜48の出力選択信号を全て”0”にすることにより、(コマンド入力などにより)1度ですべてのSDRAMについて設定が可能である。
【0053】
すなわち、本発明によれば、DIMMに実装されているSDRAMのOCDインピーダンス測定・調整が短時間で実行でき、OCDインピーダンスのデフォルト設定が煩雑でなく、メモリコントローラの設計が容易なインピーダンス調整回路を提供することができる。
【0054】
なお、DIMMに実装されているSDRAMの構成に対して、各種選択回路、インピーダンス測定・調整回路の構成を変更することで、どのようなDIMMに対しても本発明を適用可能である。すなわち、DIMMでカードに搭載されるSDRAMの数が増えても基本的な考え方は変える必要がない。また、例えば設定値により構成を変更してもよい。
【0055】
また、ランク数は2に限らず、1を含め、任意の整数をとることができるが、一般には1,2,4,8,・・・となる。ランク数が1の場合はランク選択回路を省略できる。
【0056】
図2は本発明の実施の形態に係るインピーダンス調整回路の第2の実施例を示す構成ブロック図である。図1と同じ部分は同一の記号を付して重複する説明を省略する。図1との相違点は、同一ランクの4つのSDRAMにそれぞれ対応する4つの調整コード設定回路21〜24を設けることにより、インピーダンス調整の方向がそれぞれ異なる場合でも、個々のSDRAMに対して異なる調整コードを同時に設定可能とした点である。例えば、図1の場合と同様にして上位ランクを選択した場合、インピーダンス測定・判定回路11〜14の判定結果に対応してOCDインピーダンスを基準値に調整するための4桁の調整コードを対応する4個のSDRAM D0〜D6に同時に出力する。先に調整が終了したSDRAMについては、該当するデータマスク信号(DM0〜DM7)のデータマスク選択回路41〜48の出力選択信号を”1”にして、調整動作からマスクする。上位ランクのSDRAMについてインピーダンス調整が完了したら、下位ランクのSDRAMについても同様に行う。
【0057】
上記のような構成の、インピーダンス調整回路によれば、図1の実施例と同様な効果を生じる外、同じランクのSDRAMはすべて同時にインピーダンス測定・調整が可能となるので、SDRAMのOCDインピーダンス測定・調整がさらに短時間で実行できる。
【0058】
なお、上記の各実施例では、各SDRAMは上位8ビットと下位8ビットのそれぞれに対応した2つのデータマスク信号を持つ場合を示したが、データマスク信号の数はこれに限られず、例えば1つのデータマスク信号を持つ8ビットのSDRAMを用いてもよい。対応した数のデータマスク選択回路を用いることにより、任意の数のデータマスク信号を持つSDRAMに対しても適用することができる。
【0059】
また、メモリチップはSDRAMに限定されず、同様な制御信号を用いる任意の同期型のメモリに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施の形態に係るインピーダンス調整回路の一実施例を示す構成ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るインピーダンス調整回路の第2の実施例を示す構成ブロック図である。
【図3】従来のインピーダンス調整回路の一例を示す構成ブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
2 DIMM
20〜24 調整コード設定手段
31,32 ランク選択回路
41〜48 データマスク選択回路
101,201 メモリコントローラ
D0〜D7 メモリチップ
DM0〜DM7 データマスク信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調整コードに対応してインピーダンスが可変の出力ドライバを有する複数のメモリチップを、ランク選択信号とデータマスク信号の組合せにより選択して前記インピーダンスの測定を行い、その測定結果に対応した前記調整コードを指定して前記インピーダンスを調整するインピーダンス調整回路において、
異なるランクの前記メモリチップに前記ランク選択信号をそれぞれ出力する複数のランク選択回路と、
該ランク選択回路により選択されたランクごとに前記メモリチップを選択する前記データマスク信号をそれぞれ出力する複数のデータマスク選択回路と
を備えたことを特徴とするインピーダンス調整回路。
【請求項2】
選択された複数の前記メモリチップに対して同一の調整コードを出力することを特徴とする請求項1記載のインピーダンス調整回路。
【請求項3】
選択された複数の前記メモリチップに対して調整コードを個別に指定する複数の調整コード設定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のインピーダンス調整回路。
【請求項4】
選択された複数のメモリチップについて前記インピーダンスの測定を同時に行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインピーダンス調整回路。
【請求項5】
前記ランク選択回路及び前記データマスク選択回路は、出力選択信号により出力が制御されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインピーダンス調整回路。
【請求項6】
前記メモリチップはOCD(Off-Chip Driver)インピーダンス調整機能を具備し、OCDインピーダンス調整モードを用いて前記インピーダンスの調整が行われることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインピーダンス調整回路。
【請求項7】
複数の前記メモリチップがDIMM(Dual Inline Memory Module)に搭載されたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインピーダンス調整回路。
【請求項8】
前記インピーダンス調整回路はメモリコントローラ内に設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のインピーダンス調整回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−26359(P2009−26359A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−186399(P2007−186399)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】