説明

ウエハ搬送容器の蓋体構造

【課題】自動開閉装置の規格寸法内に収まり、蓋体の変形を良好な材料効率で抑制出来るウエハ搬送容器の蓋体構造を提供する。
【解決手段】肉厚部の厚さd2が、蓋体14の他の平板部分の厚さd1よりも、1.25倍、厚くなるように、構成されると共に、この肉厚部20bの平面形状が、半導体ウエハ1…の並列方向で、この蓋体本体20の略全幅で、しかも、被係合部18,18間に渡り、一定の幅Wを有する長方形面状を呈して、構成されている。 肉厚部の裏面側20aには、これらの中央リブ201及び縦リブ202…と、直交して交差する横リブ部203とが、一体に設けられていて、格子状の補強部が、面状を呈して構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等のウエハ部材を複数収納するウエハ搬送容器に用いられて、特に内部に収納したウエハが破損しにくい構造を有するウエハ搬送容器の蓋体構造を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体シリコンウエハ搬送容器として、円盤状の半導体シリコンウエハを、内部に複数枚収納して保管或いは移送する容器が、知られている(例えば、特許文献1乃至3等参照)。
【0003】
このような従来のものでは、図19又は図20に示すように、前記複数枚のウエハとしての半導体ウエハ1…が、上部に開口部3が形成されて、有底箱状を呈している容器本体2内に収納される。
【0004】
この容器本体2の側面部及び底面部の内側壁面部には、断面略V字状を呈する収納溝部2a…が、複数本形成されていて、前記各半導体ウエハ1…を、収納する際、この収納溝部2a…内に、これらの半導体ウエハ1の下縁部1aを、各々介装するように構成されている。
【0005】
また、この容器本体2の開口部3には、上面視略方形形状の蓋体4が、この開口部3を開閉塞可能に装着されている。
【0006】
この蓋体4の内側には、前記容器本体2内に収納された半導体ウエハ1の上縁部1bに弾接して、保持する一対の保持部5a,5aが、前記各収納溝部2a…に対応させて、対向面側に形成されたウエハ押さえ部材5が設けられている。
【0007】
また、前記容器本体2の開口部3周縁には、四隅のコーナー部近傍に、合計4箇所の係止孔3a,3aが開口形成されている。
【0008】
そして、前記蓋体4には、この係止孔3a,3aに先端を突入させることにより、この蓋体4を開放不能にロックを行う開閉機構のロック部材6,6が、四隅近傍に設けられている。
【0009】
この開閉機構のロック部材6,6は、自動開閉装置7の図示省略のラッチキーが、差し込まれるキー溝が形成されて、蓋体4に回動可能に設けられている回転板と、これらのロック部材6,6及びこの回転板との間を連結する一対のリンクアーム部材等とを有するリンク機構若しくは、他のカム機構等によって、スライド摺動可能に構成されている。
【0010】
そして、図示省略のラッチキーを、前記回転板に形成されたキー溝に、係合させて回動させることにより、前記係止孔3a,3aに対して、挿抜可能とすることにより、前記蓋体4を前記容器本体2の開口部3周縁に開閉塞可能で、ロック状態で保持可能となるように構成されている。
【0011】
次に、この従来例の作用効果について説明する。
【0012】
このように構成された従来のウエハ搬送容器の蓋体構造では、図19に示すように、自動開閉装置7を用いて、前記蓋体4の開閉動作を行う際、前記ラッチキーを、回転板に形成されたキー溝に、係合させると共に、この自動開閉装置7に設けられた真空吸着装置8の吸盤8a,8aが、前記蓋体4の上面側4aに当接されて、吸着させることにより、更に安定させて、前記蓋体4を、この自動開閉装置7に確実に保持させて、挿脱着作業及び、搬送作業を行うことができる。
【0013】
また、図20に示すように、前記容器本体2内の各収納溝部2a…内に、下縁部1a…収納された前記半導体ウエハ1…は、前記蓋体4の閉塞により、上縁部1b,1bを、前記ウエハ押さえ部材5…の前記各保持部5a,5a内に介装させて、これらのウエハ押さえ部材5に弾接される。
【0014】
このため、この容器本体2内に収納された前記半導体ウエハ1…は、このウエハ押さえ部材5…によって弾性支持されて、搬送若しくは保管時に、前記半導体ウエハ1を破損させる虞を減少させることが出来る。
【特許文献1】特開2005−203768号公報(段落0060乃至0150、図1、図3)
【特許文献2】特開2005−294386号公報(段落0016乃至0143、図2、図3)
【特許文献3】国際公開WO01/006560号公報(発明を実施するための最良の実施の形態、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、このような従来のウエハ搬送容器の蓋体構造では、図19に示すように、上面視略方形形状を呈する蓋体4の四隅近傍で、前記開閉機構のロック部材6,6が、先端を前記係止孔3a,3aに突入させることにより、この蓋体4が、開放不能となるようにロックが行われる。
【0016】
このため、これらの四隅のロック部材6,6の位置は、動かないため、図20に示すように、蓋体4の略中央位置が、前記容器本体2内に収納された前記半導体ウエハ1…から受ける反力で、前記ウエハ押さえ部材5…を介して、上方に押圧されて、膨出方向に変形してしまう虞があった。
【0017】
従って、前記自動開閉装置7に設けられたラッチキーが、回転板に形成されたキー溝に、係合されないため、自動開閉を行なうことが出来なかったり、或いは、自動開閉時に、前記蓋体4の一部に干渉して、破損させてしまう虞もあった。
【0018】
また、図20中、拡大して示すように、真空吸着装置8の吸盤8a,8aが、前記蓋体4の上面側4aに当接される際にも、前記蓋体4の撓み変形量が大きいと、吸着させることが出来ない虞があり、安定した保持性能を発揮させることができないといった問題もあった。
【0019】
そこで、この発明は、自動開閉装置の規格寸法内に収まり、蓋体の変形を良好な材料効率で抑制出来るウエハ搬送容器の蓋体構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、上部に開口部を設けた有底箱状の容器本体の内部に、円板状のウエハを収納すると共に、該開口部を開閉塞可能に装着される上面視略方形形状の蓋体を設け該蓋体の内側には、前記容器本体内に収納されたウエハの上縁部に弾接して保持するウエハ押さえ部材を設けてなるウエハ搬送容器の蓋体構造であって、前記蓋体は、前記容器本体の開口周縁部に形成された係止孔に係止されて、該蓋体を開閉塞可能とするロック部材を四隅近傍に各々設けて、該蓋体略中央部に設けられた前記ウエハ押さえ部材に対向して、該蓋体の他の平板部分の肉厚よりも、大きな厚みを有する肉厚部が、該蓋体裏面側から、内側に凸となるように、一体に形成されているウエハ搬送容器の蓋体構造を特徴としている。
【0021】
また、請求項2に記載されたものは、前記蓋体上面側に、吸盤を吸着させる吸盤受け部を形成する請求項1記載のウエハ搬送容器の蓋体構造を特徴としている。
【0022】
更に、請求項3に記載されたものは、前記肉厚部の厚みは、前記蓋体の他の平板部分の厚みよりも、1.25倍〜2.0倍となるように構成されている請求項1又は2記載のウエハ搬送容器の蓋体構造を特徴としている。
【0023】
そして、請求項4に記載されたものは、前記ウエハ押さえ部材裏面の前記肉厚部上には、前記ウエハの並列方向に沿って延設される縦リブ部と、該縦リブ部と交差する横リブ部とが一体に設けられて、格子状の補強部を構成している請求項1乃至3のうち、何れか一項記載のウエハ搬送容器の蓋体構造を特徴としている。
【0024】
また、請求項5に記載されたものは、前記左,右一対設けられた前記縦リブ部間には、該両縦リブ部を連結する横リブ部が一体に形成されると共に、該横リブ部には、前記ウエハ押さえ部材を当接させる受け面部が設けられている請求項4記載のウエハ搬送容器の蓋体構造を特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
このように構成された本願発明の請求項1記載のものは、前記ウエハの上縁部が、弾接されるウエハ押さえ部材の設けられている部分に対向して、該蓋体の他の平板部分の肉厚よりも、大きな厚みを有する肉厚部が、該蓋体裏面側から、内側に凸となるように、一体に形成されている。
【0026】
このため、自動開閉装置の規格寸法内に収まり、収納されるウエハの反力を、該肉厚部が、効率よく受け止めて、膨出方向への撓み変形が抑制される。
【0027】
従って、自動開閉装置を用いて、前記蓋体の開閉動作を行う際、前記ラッチキーを、回転板に形成されたキー溝に、確実に係合させることが出来、安定させて、前記蓋体を、この自動開閉装置に保持させることができる。
【0028】
また、請求項2に記載されたものは、前記蓋体上面側に形成された吸盤受け部が、吸盤を吸着させる。
【0029】
該吸盤受け部は、前記肉厚部が凸となるように形成された前記蓋体裏面側と反対側の上面側に、平坦状に形成出来る。
【0030】
このため、前記自動開閉装置に設けられた真空吸着装置の吸盤が、前記蓋体の上面側に垂直に当接されて、確実に吸着させることが出来、更に、安定させて、前記蓋体を、この自動開閉装置に保持させることができる。
【0031】
更に、請求項3に記載されたものは、前記肉厚部の厚みが、前記蓋体の他の平板部分の厚みよりも、1.25倍〜2.0倍となるように構成されている。
【0032】
このため、該蓋体の厚み方向の寸法を、大きく増大させること無く、該蓋体の変形を抑制できるので、自動開閉装置を用いる際の規格寸法を変更する必要が無く、設計変更に伴う製造コストの増大や、材料費の増大を抑制できる。
【0033】
更に、請求項4に記載されたものは、前記肉厚部のウエハ押さえ部材側側面に一体に設けられる格子状の補強部が、前記ウエハ部材の並列方向に沿って、延設される縦リブ部と、該縦リブ部と交差する横リブ部とを有して、面状に補強する。
【0034】
従って、縦,横両方向に延設された各縦リブ部及び横リブ部によって、該蓋体の略中央部の面内,外方向の膨出変形を、効率よく抑制される。
【0035】
また、請求項5に記載されたものは、縦リブ部に一体に形成される横リブ部に、前記ウエハ押さえ部材を当接させる受け面部が設けられているので、該受け面部で受け止められた前記ウエハの反力が、該横リブ部の両側に形成される一対の両縦リブ部に分散されて、蓋体の側縁方向へ逃がされる。
【0036】
従って、効率よく、該蓋体の略中央部の面内,外方向の膨出変形を、抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
次に、図面に基づいて、この発明を実施するための最良の実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造について説明する。
【0038】
図1乃至図18は、この発明の実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造を示すものである。なお、前記従来と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0039】
まず、構成から説明すると、この実施の形態では、ウエハとしての薄板、例えば、半導体ウエハ1を、複数枚、収容して搬送するためのウエハ容器としての薄板搬送容器10に、本発明に係る開閉構造11を適用した実施例を示す。勿論、この開閉構造は、他の容器に適用可能である。
【0040】
本発明に係る薄板搬送容器10は、図1に示すように、上部に設けられた開口部3を有する有底箱状の容器本体2と、この容器本体の開口部3を密封的に閉鎖するため、挿脱着により、開閉塞可能とする上面視略方形形状の蓋体14と、容器本体2の開口部3が密封的に閉鎖された状態で蓋体14を、容器本体2に係止するための一対のロック機構15とを備えている。
【0041】
これらの容器本体2及び蓋体14は、それぞれポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエーテルエーテルケトンのような樹脂材料で成形されている。
【0042】
また、容器本体2は、図1に示すように、平面が矩形状をなす底壁部16と、この底壁部16の周縁部から立ち上がる4つの側壁17a,17a及び17b,17b(図1には、4つの側壁17a…のうち、隣接する2つの側壁17a,17bが示されている)とが、開口部3を囲むように立設されている。
【0043】
このうち、前記底壁部16及び前記側壁17b,17bの下方の一部の内側壁面部には、断面略V字状を呈する収納溝部2a…が、複数本形成されている。
【0044】
これらの収納溝部2a…は、前記各半導体ウエハ1…を、収納する際、各収納溝部2a内に、前記各半導体ウエハ1の下縁部1aを、各々介装するように構成されている。
【0045】
また、前記4つの側壁17のうち、前記半導体ウエハ1が、並設される方向の両端部に位置して、互いに向かい合う一対の側壁部17a,17aには、開口部3周縁で、四隅のコーナー部近傍には、左,右一対づつ、合計4箇所の係止孔3a,3a及び3a,3aが、開口形成されている。
【0046】
そして、これらの各係止孔3a,3a…に、それぞれ各ロック機構15の各ロック部材28,28が、先端を挿抜可能に突入させることにより、前記蓋体14を開放不能にロックするように構成されている。
【0047】
また、各係止孔3aは、図示の例では、各ロック部材28の先端28aに形成された係止部31が、挿入可能な大きさを有すると共に、容器本体2の開口部3の周縁に設けられたフランジ部17cの下面側に連続して一体に成形されることによって、図10に示すように、内周面の上縁部18aの面積が、他の側縁部及び下縁部の面積よりも広くなるように、設定されている。
【0048】
蓋体14は、容器本体2の開口部3内に嵌合可能な平板状の蓋本体20を備える。
【0049】
蓋本体20の上面20aには、各ロック機構15,15を収容するための一対の凹所21,21が形成されている。
【0050】
このロック機構15は、主に、前記ロック部材28,28と、図19に示すように、自動開閉装置7を用いて、前記蓋体14の開閉塞動作を行う際、前記自動開閉装置7の図示省略のラッチキーが、差し込まれるキー溝30dが形成されて、前記凹所21の長手方向略中央に回動可能に設けられている回転板30と、これらのロック部材28,28及び回転板30との間を連結する一対のリンクアーム部材29,29とを有して、構成されている。
【0051】
これらの各凹所21,21は、図1及び図2に示すように、平面視で、略矩形状を呈していて、後述するウエハ押さえ部材5が、設けられている中央部分に比して、断面形状で、一段低い位置に形成されている。
【0052】
また、これらの各凹所21,21は、この蓋本体20の略中央部の厚肉部20bではない他の平板部分(例えば、図2中、網掛けが示されていない横方向補強大リブ部20e,20e及び20f…が形成されている平板部20g)と共に、他の平板部分を底面部に構成していて、この実施の形態では、約4mmの厚さ方向の寸法d1を有している。
【0053】
また、これらの一対の凹所21,21間には、この蓋本体20の内側面には、前記容器本体2内に収納された半導体ウエハ1…の上縁部1b…に弾接して、保持するウエハ押さえ部材5が、設けられている。
【0054】
このウエハ押さえ部材5は、この蓋本体20の内側面から凸設された左,右一対の断面略フック状の被係合部18,18内に、係合保持される角棒状の一対の支持枠部5b,5bが平行に配設されている。
【0055】
これらの支持枠部5b,5b間には、複数本の橋状体5c…が、一定間隔を置いて掛け渡されている。
【0056】
この橋状体5c…には、各々前記半導体ウエハ1に弾接される保持部5a,5aと、前記一対の支持枠部5b,5bとの間に、支持枠部5b,5bの下面a側と略面一に水平に延設されると共に、一定の幅で、しかも、弾性変形可能な長さを有して架設される水平部5d,5dが各々一体となるように設けられている。
【0057】
そして、前記容器本体2内に収納される前記複数の半導体ウエハ1…の最大収納枚数、この実施の形態では、25枚の半導体ウエハ1…が弾性支持可能とされるように、25本の前記橋状体5c…が、前記角棒状の支持枠部5b,5bと一体に形成されている。
【0058】
このうち、図1に示すように、前記保持部5aが、前記水平部5d,5dよりも下方に位置されていて、この水平部5d,5dと、保持部5aの外側端部との間が、立ち下がり部5e,5eによって各々上下方向で連結されている。
【0059】
また、この保持部5a,5aを支持する円弧部5f,5fは、左右一対形成されると共に、両円弧部5f,5f間が、上向きに凸状の中央連結部5gで一体に連結されている。
【0060】
更に、この保持部5a,5aが、前記容器本体2内に収納された半導体ウエハ1の上縁部1bに弾接して、保持するように、前記各収納溝部2a…に対応させて、前記円弧部5f,5fの対向面側に形成されている。
【0061】
そして、前記ウエハ押さえ部材5の設けられているこの蓋体本体20の略中央部には、このウエハ押さえ部材5に対向して、この蓋体14の蓋体本体20の裏面側20aから、この蓋体本体20の一般面である前記凹所21等、他の平板部分の肉厚よりも、大きな寸法d2の厚みを有する肉厚部20bが、内側に凸となるように、厚さd2=5mmを有して、一体に形成されている。
【0062】
このため、この実施の形態では、前記肉厚部20bの厚さd2が、前記蓋体14の他の平板部分の厚さd1よりも、1.25倍、厚くなるように、構成されると共に、この肉厚部20bの平面形状が、前記半導体ウエハ1…の並列方向で、この蓋体本体20の略全幅で、しかも、前記被係合部18,18間に渡り、一定の幅Wを有する長方形面状を呈して、構成されている。
【0063】
また、この蓋体本体20の上面側20cには、前記自動開閉装置7に設けられた真空吸着装置8の吸盤8a,8aを各々吸着させる吸盤受け部9,9が形成されている。
【0064】
この実施の形態の前記吸盤受け部9,9は、図3に示すように、前記蓋体本体20の上面側20cから各々高さ方向寸法d3=約1mmを有して、他の部分よりも肉厚となるように一体に凸設されている。
【0065】
しかも、この実施の形態では、これらの吸盤受け部9,9は、上面視で、対角上に一対設けられると共に、一部を前記肉厚部20bと重複させて形成されている。
【0066】
更に、この実施の形態では、前記肉厚部20bのウエハ押さえ部材側側面である裏面側20aには、前記ウエハ部材1…の並列方向に沿って、長手方向が延設される縦リブ部としての中央リブ201及びこの中央リブ201と平行となるように、一定間隔を置いて設けられる左,右二対の縦リブ202…とが一体に設けられている。
【0067】
また、この肉厚部20bの裏面側20aには、これらの中央リブ201及び縦リブ202…と、直交して交差する横リブ部203とが、一体に設けられていて、格子状の補強部200が、面状を呈して構成されている。
【0068】
これらの縦リブ202…のうち、前記内側に位置して、左,右一対設けられた前記縦リブ202,202間の横リブ203…には、図3に示すように、これらの縦リブ202,202よりも低く形成された前記中央リブ201を跨いで、受け面部203aが形成されている。
【0069】
これらの受け面部203aは、前記横リブ部203の傾斜した上面部203b,203bと、これらの上面部203b,203b間に位置する前記中央リブ201の上面部20aとが一体となり、形成されていて、前記ウエハ押さえ部材5の中央連結部5gが、当接されて、所望の変形量で、面内,外方向の変形が、抑制されるように形成されている。
【0070】
そして、開口部3への蓋本体20の嵌合状態で、容器本体2の一対の側壁17のうち一方の側壁17に対向する蓋本体20の縁部20bから他方の側壁17に対向する蓋本体20の縁部20cへ向けて延び、且つ、その伸長方向が両側壁17間で互いに対向する各係止孔3aを結ぶ線に沿うように、各々蓋本体20に形成されている。
【0071】
各凹所21の蓋本体20の内方側に位置する周壁21aには、図4に示すように、それぞれ後述するカバー部材25の各係止爪26が係止される一対の係止穴22がそれぞれ形成されている。
【0072】
また、各凹所21の容器本体2の各側壁17に対向する周壁21bのそれぞれには、容器本体2の側壁17に形成された各係止孔3aに対応する位置で、ロック機構15の後述する各ロック部材28を挿通するようにした挿通孔23が形成されている。
【0073】
更に、各凹所21の伸長方向の両端部21cにおける底面21dには、それぞれ後述する各ロック部材28の直線的な移動を案内する一対のガイドレール24が、各凹所21の伸長方向に沿って延び且つその伸長方向に直角な方向へ互いに間隔をおいて形成されている。
【0074】
蓋本体20の下面には、その周縁に沿って延びる溝20dが形成されており、この溝20d内には、蓋本体20と容器本体2の開口部3との間をシールするための環状のガスケット46が設けられている(図10参照)。
【0075】
このガスケット46は、溝20d内に、この溝20dの底面すなわち上面に間隔をおいて嵌合されるガスケット本体46aと、このガスケット本体46aから溝20dの上面及び容器本体2の内方へ向けてそれぞれ延びる弾性変形可能な一対のシール部46b,46bとを有する。
【0076】
蓋体14は、その蓋本体20が容器本体2の開口部3に、ガスケット46を介して嵌合されると共に、ロック機構による係止で、上下方向に押圧され、シール部46b,46bが弾性変形することにより、容器本体2の開口部3が密封的に閉鎖されるように構成されている。
【0077】
さらに、蓋体14は、蓋本体20に形成され各凹所21を覆う一対のカバー部材25を備える。各カバー部材25は、図1に示すように、各凹所21に沿って延びる板状部材からなり、各凹所の前記両端部21cを開放するように各凹所21を覆っている。
【0078】
各カバー部材25には、図5に示すように、各凹所21に形成された各係止穴22に係止される一対の弾性変形可能な係止爪26,26が形成されている。
【0079】
各カバー部材25は、各係止爪26,26が、各係止穴22,22に係止されることにより、蓋本体20に固定される。
【0080】
この実施の形態では、蓋本体20の各凹所21の開口縁部21eには、各係止穴22への各係止爪26の係止を解除するための複数の解除用凹部27が、形成されている(図4参照)。
【0081】
各解除用凹部27は、それぞれ各凹所21の開口縁部21eに、各係止穴22に対応する位置で、各凹所21の内方及び蓋本体20の上方へ向けて開放するように形成されている。
【0082】
また、この実施の形態では、各解除用凹部27は、その内面が球面を有するように形成されており、その内径の大きさは、図示しない操作する者の指の挿入を許す大きさを有する。
【0083】
各ロック機構15は、図1に示すように、それぞれ容器本体2に係止される一対のロック部材28,28と、各ロック部材28,28に、一対のリンクアーム部材29,29を介して、それぞれ連結された回転板30とを備えている。それぞれ一対のリンクアーム部材29,29及びロック部材28,28は、回転板の回動中心を挟んで、対称となるように、設けられている。
【0084】
各ロック部材28は、図6に示すように、横断面が矩形状をなす棒状部材からなり、その先端28aに、容器本体2に形成された各係止孔3aに係止される係止部31を有し、他端28bに、リンクアーム部材29に接続される円柱状の接続部32を有する。
【0085】
各係止部31は、蓋本体20に形成された各挿通孔23及び容器本体2に形成された各係止孔3aを挿通し、係止孔3aに係止される。
【0086】
各ロック部材28,28は、その軸線が各凹所21の伸長方向に沿うように、各凹所の各ガイドレール24,24間に各々スライド摺動可能に配置されている。これにより、各ロック部材28,28は、それぞれ各ガイドレール24に沿ってすなわち各凹所21の伸長方向に沿って移動可能である。
【0087】
各ロック部材28,28は、各ガイドレール24に沿った直線状のスライド摺動により、その係止部31,31が、容器本体2の係止孔3a,3a内に挿入及び離脱されることにより、容器本体2に係止及び係止解除される。
【0088】
各リンクアーム部材29は、図7に示すように、横断面が矩形状をなす棒状部材からなり、その両端29a,29bには、各ロック部材28及び回転板30が接続される接続孔33,34が形成されている。
【0089】
各ロック部材28は、その接続部32をリンクアーム部材29の接続孔33に挿入することにより、各リンクアーム部材29に回動可能に接続される。
【0090】
また、前記各回転板30,30は、図1及び図8,9に示すように、それぞれほぼ円形を有する板部材からなり、各凹所21の中心部に回動可能に、回動中心となる軸孔30aを、凹所21から突設される回動軸部21fに軸支させて、配置されている。
【0091】
この軸孔30aは、係止部31,31が、容器本体2の係止孔3a,3a内に挿入されて、係止されている位置間を結ぶ直線上に位置するように、設けられている。
【0092】
各回転板30の裏面30eには、図8に示すように、各リンクアーム部材29の接続孔34に回動可能に挿入される円柱状の一対の接続部35が形成されている。
【0093】
各接続部35は、それぞれ回転板30の中心からその径方向外方へ互いに等間隔をおいて形成されている。各回転板30は、その回転力を容器本体2に係止される係止方向へ向けての係止力又は容器本体2への係止が解除される解除方向へ向けての解除力として各ロック部材28に各リンクアーム部材29を介して作用させるように操作される。
【0094】
これらの接続部35,35は、図15中右側に示すように、係止部31,31が、容器本体2の係止孔3a,3a内に挿入されて、係止されている位置間を結ぶ直線上に存在するように、係止回動位置における位置が、設定されている。
【0095】
図15中左側に示すように、回転板30の回転により、リンクアーム部材29,29に設けられた各接続孔34,34内で、これらの接続部35,35が回転しながら、ロック部材28,28を直線状に、スライド摺動させるように構成されている。
【0096】
すなわち、これらの各ロック部材28,28、各リンクアーム部材29,29及び回転板30で、従来よく知られたリンク機構が構成されている。
【0097】
また、各回転板30の裏面30eには、図8に示すように、各回転板30が回動した際、各ロック部材28が容器本体2に係止されたとき及び容器本体2への各ロック部材28の係止が解除されたときに、各リンクアーム部材29が当接する当接部36が形成されている。
【0098】
これにより、各ロック部材28が容器本体2に係止されたとき及び容器本体2への各ロック部材28の係止が解除されたときに回転板30の回動が規制される。
【0099】
この結果、各ロック部材28が容器本体2に係止される際の回転板30の回動位置である係止回動位置と、容器本体2への各ロック部材28の係止が解除される際の回転板30の回動位置である解除回動位置とが規定される。
【0100】
すなわち、各回転板30は、係止回動位置と解除回動位置との間に回動可能であり、図示の例では、両回動位置間の回動角度は、例えば、約90度に設定されている。
【0101】
各回転板30の表面30bには、図9に示すように、回転板30を回転操作するための図示しない把手部材のような工具、例えば、自動開閉装置7のラッチキーが挿入されるキー溝30dが形成されている。
【0102】
更に、本実施の形態では、各回転板30の表面30bに、各回転板30の回動操作を手動で行う際に操作する者の指を挿入するための一対の指挿入口37が形成されている。
【0103】
各凹所21を覆うカバー部材25には、図5に示すように、それぞれ回転板30の回転時に各指挿入口37が描く軌跡に沿って、円弧状の操作孔38がそれぞれ形成されている。これにより、各凹所21がカバー部材25で覆われた状態で、各回転板30の回転を操作する者の指で行うことができる。
【0104】
各回転板30が一方向へ回転すると、各ロック部材28は、各回転板30から受ける係止力により係止方向へ押されることによって各ガイドレール24に沿って移動され、各ロック部材28の係止部31が、容器本体2の各係止孔3aに係止される。
【0105】
各係止部31…が、各係止孔3aに係止されることにより、蓋本体20が開口部3に嵌合された状態で、容器本体2に対して、脱落不能にロックされる。
【0106】
また、各係止部31が各係止孔3aに係止された状態で、各回転板30が他方向へ回転すると、各ロック部材28は、各回転板30から受ける解除力により解除方向へ引っ張られることによって各ガイドレール24に沿って移動し、これにより、各係止孔3aへの各係止部31の係止が解除される。これにより、容器本体2への蓋体14の係止が解除されるので、容器本体2から蓋体14を取り外すことができ、容器本体2の開口部3を開放することができる。
【0107】
次に、この実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造の作用について説明する。
【0108】
この実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造では、図1に示すように、前記半導体ウエハ1の上縁部1bが、弾接されるウエハ押さえ部材5の設けられている部分に対向して、この蓋体14の他の平板部分である凹所21,21の肉厚寸法d1よりも、大きな厚み方向寸法d2を有する肉厚部20bが、この蓋体14の蓋体本体20の裏面側から、内側に凸となるように、一体に形成されている。
【0109】
特に、この実施の形態では、図3に示される様に、前記凹所21の一般面との段差を埋める方向である図中上方に向けて、厚みを増すように凸とされている。
【0110】
このため、収納される半導体ウエハ1…の反力が、この肉厚部20bで、効率よく受け止められて、膨出方向への撓み変形が抑制される。
【0111】
従って、前記自動開閉装置7を用いて、前記蓋体14の開閉動作を行う際、前記ラッチキーを、前記回転板30に形成されたキー溝30dに、確実に係合させることが出来る。
【0112】
しかも、前記肉厚部20bが、この蓋体14の蓋体本体20の裏面側から、内側に凸となるように、一体に形成されているので、自動開閉装置7による保持に必要とされる規格寸法内に収まり、規格変更の必要が無いため、製造コストの上昇を抑制できる。
【0113】
また、この自動開閉装置7に設けられた真空吸着装置8の吸盤8a,8aが、前記蓋体本体20の上面側20cに形成された吸盤受け部9,9に、垂直に当接されて、確実に吸着させることが出来る。
【0114】
すなわち、前記吸盤受け部9,9は、前記肉厚部20bが、凸となるように形成された前記蓋体本体20の裏面側20aと反対側の上面側20cに、この肉厚部20bの影響を受けることなく、平坦状に形成出来る。
【0115】
特に、この実施の形態の前記吸盤受け部9,9は、図3に示すように、前記蓋体本体20の上面側20cから各々高さ方向寸法d3=約1mmを有して、一体に凸設されていて、吸盤8a,8aが吸着される吸着面の平面性を、更に、向上させている。
【0116】
このため、更に、安定させて、前記蓋体14を、この自動開閉装置に保持させることができる。
【0117】
しかも、この実施の形態では、これらの吸盤受け部9,9が、上面視で、対角上に一対設けられると共に、一部を前記肉厚部20bと重複させて形成されているので、両吸盤吸着面9,9間の撓み変形量も小さく、この点においても、この蓋体本体20の略中央部の面内,外方向の膨出変形が、効率よく抑制され、前記ラッッチキーの係合不良や、吸盤8a,8aの吸着不良の虞が減少される。
【0118】
また、前記肉厚部20bの厚み方向寸法d2が、前記蓋体本体20の他の平板部分である凹所21等の厚み方向寸法d1=4mmよりも、1.25倍の厚みであるd2=5mmに設定されている。
【0119】
このため、蓋体本体20の厚み方向の寸法を、大きく増大させること無く、しかも、裏面側20aに厚みを増すように凸として、蓋体14の変形を、効率的に抑制できるので、自動開閉装置7を用いる際の規格寸法を変更する必要が無く、設計変更に伴う製造コストの増大や、材料費の増大を抑制できる。
【0120】
更に、前記肉厚部20bのウエハ押さえ部材側側面である裏面側20aに格子状の補強部200が、一体に設けられている。
【0121】
この補強リブ200は、前記ウエハ部材1…の並列方向に沿って、延設される前記中央リブ201及び縦リブ202…と、直交して交差する横リブ部203とが、一体に設けられて、縦横方向に所定の面積を有するように、面状を呈して、補強が行われるように構成されている。
【0122】
従って、縦,横両方向に延設された各中央リブ201及び縦リブ202…と、直交して交差する横リブ部203とによって、縦方向曲げ剛性のみだけでなく、横方向である半導体ウエハ1…の配列方向と直交する方向に加わる反力による歪みも、横方向曲げ剛性を向上させることにより、抑制されて、この蓋体本体20の略中央部の面内,外方向の膨出変形が、効率よく抑制される。
【0123】
また、この実施の形態では、前記中央リブ201及び縦リブ202…と、直交して交差する横リブ部203…が、一体に形成されていて、これらの横リブ部203…に、各々前記ウエハ押さえ部材5の中央連結部5gが当接される受け面部203a…が設けられている。
【0124】
このため、これらの受け面部203a…で、受け止められた前記半導体ウエハ1の反力が、この横リブ部203…の両側に形成される一対二組の両縦リブ部202,202…に分散されて伝達されることにより、蓋体本体20の両側縁方向へ逃がされる。
【0125】
従って、この実施の形態の蓋体本体20のように、左,右に前記ロック機構15,15を収納する凹所21,21が形成されていても、半導体ウエハ1…の並列方向と直交する曲げ応力も、効率良く、この蓋体本体20の略中央部から、両側縁方向へ分散させて受け止め、面内,外方向の膨出変形を、抑制することができる。
【0126】
更に、この実施の形態では、図3に示されるように、ウエハ押さえ部材5が、設けられている中央部分が、前記断面形状で、一段低い位置に形成されている凹所21,21の一般面よりも、一段高く構成されていて、前記補強部を構成する肉厚部20bの突出方向が、
内側から凸となるように、この段差を縮小する方向に向けて増厚されている。
【0127】
このため、増厚部分が、最も変形量が大きい部分に位置して、更に、有効に、この蓋体本体20の略中央部の面内,外方向の膨出変形を、抑制することができる。
【実施例1】
【0128】
図17及び図18は、この発明の実施の形態の実施例1のウエハ搬送容器の蓋体構造を示すものである。
【0129】
なお、前記実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0130】
この実施例1の蓋体214では、前記実施の形態の格子状の補強部200に代えて、補強部300が形成されている。
【0131】
この補強部300は、前記肉厚部20bのウエハ押さえ部材側側面である裏面側20aには、前記ウエハ部材1…の並列方向に沿って、長手方向が延設される縦リブ部としての左,右一対の幅広縦リブ301,301が一体に設けられている。
【0132】
また、この肉厚部20bの裏面側20aには、これらの幅広縦リブ301,301間を接続するように、これらの幅広縦リブ301,301と、直交して交差する横リブ部302…が、一定間隔を置いて、格子状に設けられて、これらの幅広縦リブ301,301と、横リブ部302とによって、前記補強部300が、面状を呈して、主に構成されている。
【0133】
これらの横リブ302…には、図17に示すように、谷状に傾斜した受け面部302a…が、各々形成されている。
【0134】
これらの受け面部302aには、前記ウエハ押さえ部材5の中央連結部5gが当接されて、所望の変形量で、面内,外方向の変形が、抑制されるように形成されている。
【0135】
前記蓋体214の上面部20cには、前記幅広縦リブ301,301に対応して、凹状の肉盗みを構成する凹部303…が、一列に複数個、凹設形成されている。
【0136】
次に、この実施例1のウエハ搬送容器の蓋体構造の作用効果について説明する。
【0137】
この実施例1では、前記実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造の作用効果に加えて、更に、前記幅広縦リブ301,301と、直交して交差する横リブ部302…が、一体に形成されていて、これらの横リブ部302…に、各々前記ウエハ押さえ部材5の中央連結部5gが当接される受け面部302a…が設けられている。
【0138】
このため、これらの受け面部302a…で、受け止められた前記半導体ウエハ1の反力が、この横リブ部302…の両側に形成される一対の幅広縦リブ部301,301に分散されて、蓋体本体320の両側縁方向へ逃がされる。
【0139】
従って、効率よく、この蓋体本体320の略中央部の面内,外方向の膨出変形が、抑制される。
【0140】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
【0141】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態及び実施例1を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0142】
即ち、前記実施の形態及び実施例1では、前記ウエハ押さえ部材5の設けられている部分に対向して、この蓋体14の蓋体本体20の裏面側20aには、この蓋体本体20の一般面である前記凹所21等、他の平板部分の肉厚よりも、大きな寸法d2の厚みを有する肉厚部20bが、この蓋体裏面側から、内側に凸となるように、厚さd2=5mmを有して、一体に形成されているが、特にこれに限らず蓋体の一般面よりも肉厚となるのであれば、1.01倍〜5倍、好ましくは、1.25倍〜2.0倍となるように構成されていてもよい。
【0143】
更に、前記肉厚部20bは、前記被係合部18,18間に渡り、一定の幅Wを有する長方形面状を呈して、構成されているが、特にこれに限らず、例えば、長円型若しくは、多角形形状等、前記ウエハ押さえ部材5の設けられている部分に対向して、前記蓋体本体20の他の平板部分の肉厚よりも、厚みを有し、蓋体本体20の裏面側20aから、内側に凸となるように、一体に形成するものであれば、特に平面視の形状、寸法及び材質が限定されるものではない。
【0144】
また、前記実施の形態及び実施例1では、ウエハ押さえ部材5が、ポリエステル系の熱可塑性エラストマーが用いられて構成されているが、オレフィン系、スチレン系等の他の各種熱可塑性エラストマー及びこれらの複合物等であっても良く、また、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等によって構成されていても、弾性変形可能な長さを有して架設される水平部を各々設けるものであれば良く、材質が特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】この発明の最良の実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、全体の構成を説明する分解斜視図である。
【図2】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体の裏面側の構成を説明する中央リブ部に沿った位置での一部断面斜視図である。
【図3】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体の裏面側の構成を説明する図2中A−A線に沿った位置での断面図である。
【図4】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体本体の構成を説明する斜視図である。
【図5】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、カバー部材の構成を説明する斜視図である。
【図6】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、ロック部材の構成を説明する斜視図である。
【図7】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、リンクアーム部材の構成を説明する斜視図である。
【図8】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、回転板の裏面側の構成を説明する斜視図である。
【図9】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、回転板の上面側の構成を説明する斜視図である。
【図10】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体を装着する様子を説明する要部の断面図である。
【図11】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体を装着する際、ロック機構のロック部材のスライド移動を開始する様子を説明する要部の断面図である。
【図12】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体を装着する際、ロック機構でロックする様子を説明する要部の断面図である。
【図13】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体を装着する際、ロック機構でロックを開始する様子を説明する要部の断面図である。
【図14】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体を装着する際、ロック機構でロックした様子を説明する要部の断面図である。
【図15】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体を装着する様子を説明し、図中左側が、ロック解除状態、右側が、ロック状態を説明する蓋体の上面図である。
【図16】実施の形態のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体の構成を説明する分解側面図である。
【図17】実施の形態の実施例1のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体本体の裏面側の構成を説明する中央での一部断面斜視図である。
【図18】実施の形態の実施例1のウエハ搬送容器の蓋体構造で、蓋体本体の上面側の構成を、中央で切断した斜視図である。
【図19】従来例のウエハ搬送容器の蓋体構造で、自動開閉装置を用いた動作を説明する模式的な側面図である。
【図20】従来例のウエハ搬送容器の蓋体構造で、容器本体内部に、ウエハが収納された状態での自動開閉装置を用いた保持動作を説明する模式的な側面図である。
【符号の説明】
【0146】
1 半導体ウエハ(ウエハ)
1a 下縁部
1b 上縁部
2 容器本体
3 開口部
3a 係止孔
10 薄板搬送容器
14,214 蓋体
20 蓋体本体
20a 裏面側
20b 肉厚部
28 ロック部材
200,300 補強部
201 中央リブ(縦リブ部)
202 縦リブ(縦リブ部)
203 横リブ
203a,302a 受け面部
301 幅広縦リブ(縦リブ部)
302 横リブ(横リブ部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部を設けた有底箱状の容器本体の内部に、円板状のウエハを収納すると共に、該開口部を開閉塞可能に装着される上面視略方形形状の蓋体を設け該蓋体の内側には、前記容器本体内に収納されたウエハの上縁部に弾接して保持するウエハ押さえ部材を設けてなるウエハ搬送容器の蓋体構造であって、
前記蓋体は、前記容器本体の開口周縁部に形成された係止孔に係止されて、該蓋体を開閉塞可能とするロック部材を四隅近傍に各々設けて、該蓋体略中央部に設けられた前記ウエハ押さえ部材に対向して、該蓋体の他の平板部分の肉厚よりも、大きな厚みを有する肉厚部が、該蓋体裏面側から、内側に凸となるように、一体に形成されていることを特徴とするウエハ搬送容器の蓋体構造。
【請求項2】
前記蓋体上面側に、吸盤を吸着させる吸盤受け部を形成することを特徴とする請求項1記載のウエハ搬送容器の蓋体構造。
【請求項3】
前記肉厚部の厚みは、前記蓋体の他の平板部分の厚みよりも、1.25倍〜2.0倍となるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のウエハ搬送容器の蓋体構造。
【請求項4】
前記ウエハ押さえ部材裏面の前記肉厚部上には、前記ウエハの並列方向に沿って延設される縦リブ部と、該縦リブ部と交差する横リブ部とが一体に設けられて、格子状の補強部を構成していることを特徴とする請求項1乃至3のうち、何れか一項記載のウエハ搬送容器の蓋体構造。
【請求項5】
前記左,右一対設けられた前記縦リブ部間には、該両縦リブ部を連結する横リブ部が一体に形成されると共に、該横リブ部には、前記ウエハ押さえ部材を当接させる受け面部が設けられていることを特徴とする請求項4記載のウエハ搬送容器の蓋体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−112799(P2008−112799A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293889(P2006−293889)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(596163747)株式会社ヴァンテック (10)
【Fターム(参考)】