説明

エネルギー残量報知システムおよびそのプログラム

【課題】利用者がエネルギー源を充電もしくは補給できる場所にたどり着くまで持たせること。
【解決手段】携帯端末110と認証端末100を携帯エネルギー源駆動とし、携帯端末110と携帯端末110と無線通信を行う認証端末100とで、お互いの距離に伴い携帯端末110に機能制限をかける認証通信システムにおいて、携帯端末110は携帯端末位置情報取得手段118により取得された位置情報と携帯端末エネルギー残量測定手段112にて測定されたエネルギー残量を基に携帯端末110と認証端末100との通信間隔を変更、または携帯端末110の機能制限をかける、または両方を行うとしたものである。これによって、利用者の位置情報とエネルギー残量を基に消費電力を減らしエネルギー源を供給するまでエネルギーが切れ通信が途切れることを防ぐ事が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電子機器など携帯用エネルギー源を用いる端末のエネルギー残量報知に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のエネルギー残量報知システムは携帯電子機器のエネルギー残量が低下したこととエネルギーを供給可能な供給装置の位置情報を表示している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、特許文献1に記載された従来のエネルギー残量報知システムを示すものである。図5に示すように、携帯電話503と携帯電話503の通信事業者であるキャリア501と、携帯電話503に燃料を供給する燃料供給装置502とからなる。
【0004】
キャリア501の基地局は携帯電話503から電気量に関する信号、例えばデータ通信の使用時間、メールのデータ量などを表す信号を受信し、前記信号に基づいて使用した電気量を推定し、前記電気量から燃料消費量を算出している。
【0005】
キャリア501の基地局は前記燃料消費量が一定の値に達すると携帯電話503の燃料残量が少なく、燃料供給が必要であると推定し、電子メールや音声メッセージにより燃料供給の必要性と供給すべき量を示す情報を報知する。
【0006】
携帯電話503はGPS機能を設けており、キャリア501の基地局へ位置情報を送信することができる。またキャリア501の基地局は燃料供給装置の位置データおよび前記記憶データに対応する地図データと、各燃料供給装置がどの機種の携帯電話機に適合するものであるかを示すデータを記憶したデータベースを備えている。
【0007】
そして携帯電話503の位置情報を受信すると、前記位置情報および前記携帯電話503の機種に基づいて、近辺の燃料供給装置の位置を示す地図データを携帯電話503へ送信する。
【0008】
また携帯端末に機能制限をかけるシステムとしては特許文献2の様なシステムが存在する。
【0009】
図6は、特許文献2に記載された機器の使用制限装置を示すものである。
【0010】
図6に示すように、使用制限装置は送信器と受信器とを備え識別コード信号を一定の強度で送信器から送り出す識別信号送信ユニット601と、受信器と送信器とを備え受信器で受信した識別コード信号に基づいて使用制限を解除する信号を対象機器へ送り出すと共に同じコード信号の確認コード信号を送信器から送信する使用制限解除ユニット602を対象機器、例えば携帯電話機603、に付設したものとから成る。
【0011】
上記両ユニット間の距離が一定以上となりそれぞれのユニットにおいて相手方ユニットからのコード信号の受信レベルが所定値以下になると、上記使用制限解除ユニット602は使用制限解除信号の送り出しを停止させ、識別信号送信ユニット601は警報信号を発する。
【特許文献1】特開2004−128827号公報
【特許文献2】特開平11−88499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、前記特許文献1の構成では、燃料の低下の報知や燃料供給可能な場所を表示するのみなので、供給手段にたどり着くまでエネルギー源を持たせるという課題を有していた。
【0013】
利用者が燃料供給可能な場所にたどり着くまでに通話やゲームなど消費電力の高い機能を利用してしまっては、燃料がたどり着くまでに切れてしまう可能性もある。
【0014】
また、前記特許文献2の構成では、携帯端末と前記携帯端末と無線通信を行う前記認証端末とで、お互いの距離に伴い前記携帯端末に機能制限をかける認証通信システムを導入している場合には、エネルギー源が切れてしまっては無線通信を行うことが不可能となりセキュリティを確保することができなくなる。
【0015】
前記認証端末のエネルギー源がなくなり通信ができなくなった際に携帯端末が利用不可能になってしまったり、パスワードを入力しないと利用不可能になってしまったりでは携帯端末の利用者に大変な迷惑を及ぼす。
【0016】
同時にエネルギー源切れにより通信ができなくなったので前記携帯端末が自由に利用可能になってしまってはセキュリティを確保することができない。
【0017】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、エネルギー残量が減ってきた際に、エネルギーを供給可能な場所にたどり着くまでエネルギー切れを阻止する制御を行うこととしたエネルギー残量報知システムおよびそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記従来の課題を解決するために、本発明は、携帯端末と、前記携帯端末とで無線通信を行う認証端末とで、一定の通信間隔で検出されたお互いの距離に伴い前記携帯端末に機能制限をかけ、前記携帯端末は、携帯端末位置情報取得手段により取得された位置情報と、認証端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量または携帯端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量とを基に
(1)前記携帯端末と前記認証端末との通信間隔を携帯端末制御手段により広げる、
(2)前記携帯端末に前記携帯端末制御手段により機能制限をかける、
(3)前記認証端末に認証端末制御手段により機能制限をかける、
のうち少なくとも1つを行うこととするエネルギー残量報知システム。
【0019】
これによって、利用者の位置情報とエネルギー残量を基に消費電力を減らす動作を行うのでエネルギー源を供給するまでエネルギーが切れ通信が途切れることを防ぐ事が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のエネルギー残量報知システムおよびそのプログラムは、利用者がエネルギー源を充電もしくは補給できる場所にたどり着くまで持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
第1の発明は、携帯端末と、前記携帯端末とで無線通信を行う認証端末とで、一定の通信間隔で検出されたお互いの距離に伴い前記携帯端末に機能制限をかけ、前記携帯端末は、携帯端末位置情報取得手段により取得された位置情報と、認証端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量または携帯端末エネルギー残量測定手段にて測定され
たエネルギー残量とを基に
(1)前記携帯端末と前記認証端末との通信間隔を携帯端末制御手段により広げる、
(2)前記携帯端末に前記携帯端末制御手段により機能制限をかける、
(3)前記認証端末に認証端末制御手段により機能制限をかける、
のうち少なくとも1つを行っている。
【0022】
これにより、エネルギー源消費を抑えることが可能となりエネルギー源を供給するまでエネルギーが切れることを防ぐことができる。
【0023】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記携帯端末と前記認証端末とで認証通信を行い、位置情報提供機器から位置情報を取得している場合、前記携帯端末は前記携帯端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量が一定のレベルを下回る、または前記認証端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量が一定のレベルを下回ると、前記携帯端末位置情報取得手段により取得された最寄りのエネルギー供給可能な場所と現在地との距離を位置情報演算手段により演算し移動時間を算出して上記(1)〜(3)の少なくとも1つを行う。
【0024】
これにより、エネルギー源を充電もしくは代わりのエネルギー源を供給するまで、消費電力が多い機能に制限をかけることができ、エネルギー源を充電もしくは交換するまでエネルギーが切れることを防ぐことが可能となり認証通信を継続することができる。
【0025】
第3の発明は、前記移動時間の間前記認証通信が維持できる様前記携帯端末の機能に制限をかける際に、前記携帯端末の機能に消費電力、使用頻度、と利用者の意思のうち少なくとも1つ以上を基に優先順位を設け、前記優先順位の低い機能から制限をかけることとした。
【0026】
これにより利用者の意思を反映することとなりエネルギー源消費のみで機能制限を行うことを防ぐことができる。
【0027】
第4の発明は、携帯端末と、前記携帯端末とで無線通信を行う認証端末とで、一定の通信間隔で検出されたお互いの距離に伴い前記携帯端末に機能制限をかけ、前記認証端末は、認証端末位置情報取得手段により取得された位置情報と、認証端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量または携帯端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量とを基に
(1)前記携帯端末と前記認証端末との通信間隔を前記認証端末制御手段により広げる、(2)前記携帯端末に前記携帯端末制御手段により機能制限をかける、
(3)前記認証端末に前記認証端末制御手段により機能制限をかける、
の内少なくとも1つを行うこととした。
【0028】
これにより前記認証端末にエネルギー残量報知システムに必要な手段を搭載し、前記携帯端末を軽量化することが可能である。
【0029】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれかひとつの発明の少なくとも一部をプログラム化することにより、電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させて本発明の通信システムの少なくとも一部を容易に実現することができる。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0031】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態におけるエネルギー残量報知システムの構成図を示し、図2は、本発明の第1の実施の形態におけるエネルギー残量報知のフローチャートを示すものである。
【0032】
また、図3は、本発明の第1の実施の形態における優先順位のデータ表を示すものである。
【0033】
さらに、図4は、本発明の第1の実施の形態におけるエネルギー残量報知システムの構成図2を示すものである。
【0034】
図1において、認証端末100と携帯端末110と位置情報提供機器120とからエネルギー残量報知システムを構成している。
【0035】
認証端末100は、認証端末エネルギー源101と、認証端末エネルギー源101の残量を測定する認証端末エネルギー残量測定手段102と、エネルギー残量が一定のレベルを下回ると報知する認証端末報知手段103と、エネルギー残量を表示する認証端末表示手段104と、携帯端末110と通信を行う認証端末送受信機105と、認証端末を制御する認証端末制御手段106とからなる。
【0036】
携帯端末110は携帯端末エネルギー源111と、携帯端末エネルギー源111の残量を測定する携帯端末エネルギー残量測定手段112と、エネルギー残量が一定のレベルを下回ると報知する携帯端末報知手段113と、携帯端末の位置情報を取得する携帯端末位置情報取得手段118とエネルギー残量と位置情報を基に演算を行う携帯端末演算手段117と携帯端末演算手段117の結果を基に携帯端末の制御を行う携帯端末制御手段116と認証端末100と通信を行う携帯端末送受信機115とエネルギー残量を表示する携帯端末表示手段114とからなる。
【0037】
認証端末100と携帯端末110へ位置情報を提供する位置情報提供機器120は認証端末100と携帯端末110と通信を行う通信機122と地図情報を保持する位置情報保持手段123とエネルギー源の充電もしくは交換もしくは新規購入が可能な供給所の情報を保持する供給所情報保持手段121と位置情報と供給所情報からそれらの間の距離を演算する位置情報演算手段124とからなる。
【0038】
以上のように構成されたエネルギー残量報知システムについて、図1から図3を用いて以下その動作、作用を説明する。
【0039】
ここではエネルギー源は2次電池とし認証端末100の電池残量が減ってきた場合の動作について説明をするが、携帯端末110の電池残量が減ってきた場合においても同様の動作となる。
【0040】
またここでは携帯端末110のみが位置情報を取得でき、通信間隔の変更を行えることとする。
【0041】
まず、認証端末100と携帯端末110は認証通信を行っている。ここで認証通信とはお互いの距離に伴い携帯端末110に機能制限をかけるために定期的に行う通信であり、受信時の信号の強さによりお互いの距離を把握している。
【0042】
距離が一定以上であると携帯端末110に機能制限がかかり、一定未満になると携帯端末110の機能制限が解除される。
【0043】
次にS1にて定期的に認証端末エネルギー残量測定手段102にて認証端末エネルギー源101のエネルギー残量を測定する。この測定結果を認証端末100から携帯端末110へ送信する。
【0044】
S2にて測定されたエネルギー残量がしきい値レベル以下かどうかを認証端末エネルギー残量測定手段102にて判断する。
【0045】
しきい値レベルを下回っていない場合は認証通信を繰り返し、しきい値レベル以下である場合は認証端末100と携帯端末110のいずれかもしくは両方の報知手段からしきい値レベルを下回ったことを報知する。この際、認証端末報知手段106と携帯端末報知手段113は音、光、振動のいずれかもしくは2つ以上の組み合わせを用いて報知することが可能である。
【0046】
S3にて利用者の位置情報を携帯端末位置情報取得手段118にて取得する。この際、携帯端末110をGPS機能搭載の端末とし位置情報提供機器をGPS衛星とすることやインターネットや携帯機器用通信ネットワークなどから位置情報を取得することも可能である。
【0047】
S4にて位置情報演算手段120にて演算を行う。位置情報提供機器120はエネルギー源を購入できるお店、充電できるお店、借りられるお店、交換できるお店を供給所情報保持手段121にデータベース化している。携帯端末110と通信機122にて通信を行うことにより携帯端末110の現在位置を取得でき、その地点から供給所情報保持手段121に保持されている供給所までの距離がどれぐらいあるかも位置情報演算手段124にて演算することが可能である。
【0048】
S5にて演算された距離を位置情報提供機器120から携帯端末110へ送信する。
【0049】
S6にて利用者の現在位置から供給所までかかる時間を携帯端末演算手段117にて演算する。例えば携帯端末110に加速度センサーを設けて進行速度を測定し、それと位置情報提供機器120から送られてきた距離を基に供給所までの時間を計算することや、歩き、自転車、自動車、などの項目の進行速度を予め設けておき、携帯端末表示手段114にていずれかを選択することにより設定速度で演算を行うことも可能である。
【0050】
この演算は位置情報提供機器120で行うことも可能である。
【0051】
次にS7にて通信間隔を変更するか否かを選択する。
【0052】
変更する場合はS8にて新しい通信間隔を決める演算を行う。例えば供給所までの時間を1時間、エネルギー残量を0.01mAh、そして認証通信時の消費電流を10mAとする。ここでエネルギー残量とは待機時に必要な電流を除いた量とする。
【0053】
この場合は下記の通り新しい通信間隔を演算する。
【0054】
(1)通信が可能な時間を演算する。
0.01mAh/10mA=0.001h⇒3.6秒。
【0055】
(2)通信間隔を演算する(1回の通信時間を10m秒とする)。
3.6秒/10m秒=360回
1h/360=10秒。
【0056】
以上のように通信間隔を10秒に1回に広げることにより1時間の間認証通信を継続することが可能となる。そしてこの間隔にS9にて携帯端末制御手段116にて変更する。
【0057】
次にS14にて新しい通信間隔情報を認証端末100へ送信する。そしてS15にて認証端末制御手段106が通信間隔を新しい通信間隔に変更し、認証端末100と携帯端末110とで新しい通信間隔で通信することが可能となる。
【0058】
S7にて通信間隔を変更しない場合にはS10にて携帯端末110に機能制限をかけることとする。
【0059】
S11にて通信間隔変更時と同様、供給所までの時間、エネルギー残量、通信時の消費電力を用いて削減する必要のある電力の演算を携帯端末演算手段117にて行う。
【0060】
例えば供給所までの時間を1時間、エネルギー残量を0.5mAh、そして認証通信時の消費電流を10mAとする。ここでエネルギー残量とは待機時に必要な電流を除いた量とする。
【0061】
この場合は下記の通り新しい通信間隔を演算する。
【0062】
(1)現在の通信間隔(4秒)で消費するエネルギーを演算する(1回の通信時間を10m秒とする)。
1h/4sec*10m秒=9秒⇒0.0025h
10mA*0.0025h=0.025mAh。
【0063】
(2)認証通信以外に使用可能なエネルギーを演算する。
0.5mAh−0.025mAh=0.475mAh。
【0064】
(3)上記エネルギー残量で各機能の使用可能時間を演算する。
カメラ:0.475mAh/80mA=21.375秒
通話:0.475mAh/100mA=17.1秒
メール:0.475mAh/50mA=34.2秒
ゲーム:0.475mAh/200mA=8.55秒
着信:0.475mAh/20mA=85.5秒。
【0065】
上記時間以上各機能を使用した場合、現在の通信間隔が維持できなくなる。
【0066】
そのためS12にて制限する機能を携帯端末制御手段116にて優先順位を基に選択する。
【0067】
優先順位は図3に示すように、ゲーム、メール、通話などの各機能に設けられ、優先順位の低い機能から制限される。
【0068】
ここで優先順位について詳細に説明をする。
【0069】
優先順位は携帯端末110の機能の消費電力、使用頻度、と利用者の意思のうち1つ以上を基に決められている。
【0070】
例えば図3(a)の優先順位は使用頻度を基に決められている。各機能の一日の使用頻度が携帯端末110にてカウントされ、使用頻度が高い機能ほど優先順位が高くなり、制限がかかりにくくなる。
【0071】
ここで通話とは電話をかける、もしくは受けて会話をすることであり、着信とは電話がかかってこられる状態に携帯電話があり、電話がかかってきた際には携帯端末から音、光、振動の1つ以上を用いて知らせ、受け取れない場合には伝言メッセージを預かることである。
【0072】
例えば通話機能を制限し着信の制限をしない場合には、利用者は電話があったことを知ることは可能であるが、電話を受ける、もしくは電話をかけることはできない。
【0073】
次に着信機能を制限し通話の制限をしない場合には、利用者から電話をかけることは可能であるがかかってきた電話に出ることはできない。
【0074】
またメールとはメールの送信、受信の両方を示している。なお送受信の機能を2つの別の機能として扱うことも可能である。
【0075】
複数の項目、例えば消費電力と使用頻度を基に優先順位を決める場合には、各機能がそれぞれの項目においての順位を決め、その合計により優先順位を決めることができる。
【0076】
例えば消費電力を基にする場合、図3(b)に示すように消費電力が高い機能ほど早めに制限をかけることとする。すなわち消費電力が高いほど優先順位が低くなる。
【0077】
使用頻度と消費電力を考慮した場合、カメラの優先順位は1と3の合計で4となる。通話は2と4の合計で6、メールは3と2の合計で5、ゲームは4と5の合計で9、着信は5と1の合計で6となる。
【0078】
すなわち優先順位はカメラ、メール、通話と着信、ゲームとなる。
【0079】
優先順位が同じ機能が2つ以上存在する場合、前記通話と着信のように、利用者がどちらを制限したいか選択することや項目の優先順位を設けておくこともできる。
【0080】
例えば消費電力と使用頻度であれば使用頻度の優先順位を高くすれば、通話と着信では通話の方が使用頻度の優先順位が高い為、通話の優先順位を高くする。
【0081】
例えば着信機能が制限された場合、青い色で携帯端末報知手段113から報知され、着信が起こらないようにできる。これにより着信時に消費される電流を削減することが可能となる。
【0082】
そしてS13にて選択された機能に携帯端末制御手段116にて制限をかける。
【0083】
以上のように、本実施の形態においては携帯端末110と認証端末100をエネルギー源駆動とし、携帯端末110と携帯端末110と無線通信を行う認証端末100とで、お互いの距離に伴い携帯端末110に機能制限をかける認証通信システムにおいて、認証端末100は認証端末位置情報取得手段108により取得された位置情報と認証端末エネルギー残量測定手段102にて測定されたエネルギー残量を基に携帯端末110と認証端末100との通信間隔を変更、または携帯端末110の機能制限をかける、または両方を行うとしたものである。
【0084】
これによって、利用者の位置情報とエネルギー残量を基に消費電力を減らす動作を行うのでエネルギー源を供給するまでエネルギーが切れることを防ぐ事が可能となる。
【0085】
また気温、季節なども考慮して演算を行うことも可能である。
【0086】
例えば気温が5℃以下、もしくは11月から2月(場所によって可変)はエネルギー残量が切れるのが気温の高い時期よりも早い為、認証通信間隔を広げたり認証通信間隔を変更する一定のレベルを上げたりすることができる。
【0087】
また位置情報により都心にいる場合は人の密集率が高い為、認証通信間隔を長くすると盗難にあった場合にすぐに気づかないことがあるので、認証通信間隔は変更せずに機能制限を優先的に行うこともできる。
【0088】
反対に人口密度の低い場所にいる場合は通信間隔を長くすることもできる。またエネルギー残量が一定のレベルを下回ると認証通信間隔の変更を行っているが、田舎ではエネルギー供給場所が離れている可能性が高いので、一定のレベルを都心よりも上げたりと、位置情報に伴い変更することも可能である。
【0089】
また本実施の形態では携帯端末110のみに携帯端末位置情報取得手段118、携帯端末演算手段117、携帯端末制御手段116を設けたが、図4に示すように認証端末100にも同様な手段を設けることや認証端末100のみに設けることも可能である。
【0090】
そして本実施の形態においては携帯端末110の機能制限について説明をしたが、認証端末の機能制限を行うことも可能である。
【0091】
例えばエネルギー残量が一定のレベルを下回ると認証表示手段104の電源を切ることができる。また認証端末報知手段103が光、音、振動を用いて報知する場合、3つのうち1つまたは2つを制限する、もしくはエネルギー残量が一定のレベルを下回ると1つを制限し、さらに低いレベルを下回るともう1つを制限することも可能である。
【0092】
なお、本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
以上のように、本発明にかかるエネルギー残量報知システムは、利用者がエネルギー源を充電もしくは補給できる場所にたどり着くまで持たせることが可能となるので、車載用キーレスエントリシステムや電子錠の電子キー等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施の形態1におけるエネルギー残量報知システムの構成図
【図2】本発明の実施の形態1におけるエネルギー残量報知のフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1における優先順位のデータを示す図
【図4】本発明の実施の形態1におけるエネルギー残量報知システムの構成図
【図5】従来の特許文献1のシステム構成図
【図6】従来の特許文献2のシステム構成図
【符号の説明】
【0095】
100 認証端末
102 認証端末エネルギー残量測定手段
106 認証端末制御手段
108 認証端末位置情報取得手段
110 携帯端末
112 携帯端末エネルギー残量測定手段
116 携帯端末制御手段
118 携帯端末位置情報取得手段
120 位置情報提供機器
124 位置情報演算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、前記携帯端末とで無線通信を行う認証端末とで、一定の通信間隔で検出されたお互いの距離に伴い前記携帯端末に機能制限をかけ、
前記携帯端末は、携帯端末位置情報取得手段により取得された位置情報と、認証端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量または携帯端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量とを基に
(1)前記携帯端末と前記認証端末との通信間隔を携帯端末制御手段により広げる、
(2)前記携帯端末に前記携帯端末制御手段により機能制限をかける、
(3)前記認証端末に認証端末制御手段により機能制限をかける、
のうち少なくとも1つを行うこととするエネルギー残量報知システム。
【請求項2】
前記携帯端末と前記認証端末とで認証通信を行い、位置情報提供機器から位置情報を取得している場合、
前記携帯端末は前記携帯端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量が一定のレベルを下回る、または前記認証端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量が一定のレベルを下回ると、
前記携帯端末位置情報取得手段により取得された最寄りのエネルギー供給可能な場所と現在地との距離を位置情報演算手段により演算し移動時間を算出して上記(1)〜(3)の少なくとも1つを行うこととする請求項1記載のエネルギー残量報知システム。
【請求項3】
前記移動時間の間前記認証通信が維持できる様前記携帯端末の機能に制限をかける際に、前記携帯端末の機能に消費電力、使用頻度、と利用者の意思のうち少なくとも1つ以上を基に優先順位を設け、前記優先順位の低い機能から制限をかけることとした請求項2に記載のエネルギー残量報知システム。
【請求項4】
携帯端末と、前記携帯端末とで無線通信を行う認証端末とで、一定の通信間隔で検出されたお互いの距離に伴い前記携帯端末に機能制限をかけ、
前記認証端末は、認証端末位置情報取得手段により取得された位置情報と、認証端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量または携帯端末エネルギー残量測定手段にて測定されたエネルギー残量とを基に
(1)前記携帯端末と前記認証端末との通信間隔を前記認証端末制御手段により広げる、(2)前記携帯端末に前記携帯端末制御手段により機能制限をかける、
(3)前記認証端末に前記認証端末制御手段により機能制限をかける、
の内少なくとも1つを行うこととするエネルギー残量報知システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載のエネルギー残量報知システムの少なくとも一部をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−135920(P2008−135920A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−319834(P2006−319834)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】