エレベータセキュリティシステム
【課題】よりセキュリティの高いエレベータセキュリティシステムを提供すること。
【解決手段】エレベータセキュリティシステムは、昇降路内を昇降するかご1と、前記かごの行き先階を登録するために使用される3D表示のオブジェクトに対応する、3D情報を表示する3D情報表示手段2と、前記かご内に設置され、前記かご内の利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を、前記かごの行き先階として登録する行き先階登録手段3と、前記行き先階登録手段3に登録された前記操作が、予め登録された正規の操作である場合には、前記正規の操作に対応する行き先階に基づいて、前記かご1の運転を制御するエレベータ運転制御手段4とを具備する。
【解決手段】エレベータセキュリティシステムは、昇降路内を昇降するかご1と、前記かごの行き先階を登録するために使用される3D表示のオブジェクトに対応する、3D情報を表示する3D情報表示手段2と、前記かご内に設置され、前記かご内の利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を、前記かごの行き先階として登録する行き先階登録手段3と、前記行き先階登録手段3に登録された前記操作が、予め登録された正規の操作である場合には、前記正規の操作に対応する行き先階に基づいて、前記かご1の運転を制御するエレベータ運転制御手段4とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータの利用者を認証するエレベータセキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常のエレベータセキュリティシステムにおいては、エレベータの利用者を認証するために、例えば、番号入力型のセキュリティ方式が使用されている。番号入力型の場合、テンキーなどの入力デバイスから暗証番号を入力し、入力した暗証番号が正しいと正規の利用者であると認証される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−278993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、番号入力型の場合、テンキーがこすれたり、テンキーに指紋が付いたりしてどこを押せばいいのかが把握される可能性があり、セキュリティが突破されてしまう恐れがある。
【0005】
したがって、よりセキュリティの高いエレベータセキュリティシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のエレベータセキュリティシステムは、昇降路内を昇降するかごと、前記かごの行き先階を登録するために使用される3D表示のオブジェクトに対応する、3D情報を表示する3D情報表示手段と、前記かご内に設置され、前記かご内の利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を、前記かごの行き先階として登録する行き先階登録手段と、前記行き先階登録手段に登録された前記操作が、予め登録された正規の操作である場合には、前記正規の操作に対応する行き先階に基づいて、前記かごの運転を制御するエレベータ運転制御手段とを具備してなることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態の第1の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。
【図2】かご内の利用者の動作を読み取るためのセンサの一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態のエレベータセキュリティシステムによるセキュリティ動作を示すフローチャートである。
【図4】3D情報表示装置により表示された3D情報を、3D映像再生メガネで見た場合の3D映像の例を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。
【図6】かご内の利用者の影になってセンサで感知できない領域(死角)を示す図である。
【図7】かご内の利用者の影になってエレベータ内映像撮影装置に映らない領域(死角)を示す図である。
【図8】エレベータ内映像撮影装置に映らない領域(死角)から映る領域に移動した様子を示す図である。
【図9】かご内の利用者の影になってセンサで感知できない領域(死角)を示す図である。
【図10】実施形態のアクティブシャッター方式のメガネを使用した場合のシャッターの閉じ方を説明するための図である。
【図11】実施形態のアクティブシャッター方式のメガネを使用した場合に見える映像を説明するための図である。
【図12】第5の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。
【図13】第5の実施形態のエレベータセキュリティシステムによるセキュリティ動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。
【0010】
本実施形態のエレベータセキュリティシステムは、昇降路内を昇降するかご1と、かご1の行き先階を登録するために使用される3D表示のオブジェクト(以下、3D登録ボタンという)に対応する、3D情報を表示する3D情報表示装置2と、かご1内の利用者が3D登録ボタンに対して行った操作を、かご1の行き先階として登録する行き先階登録装置3と、行き先階登録装置3に登録された上記操作が、予め登録された正規の操作である場合には、上記正規の操作に対応する行き先階に基づいて、かご1の運転を制御するエレベータ運転制御装置4とを具備する。
【0011】
また、本実施形態のエレベータセキュリティシステムは、かご1内に利用者が入ったことを確認するためのエレベータ内映像撮影装置5と、利用者に様々な情報を音声で伝えるための音響装置6とを具備する。エレベータ内映像撮影装置5はカメラを備えている。エレベータ内映像撮影装置5は撮影した映像を記録するための記憶装置を内蔵していても構わない。あるいは、エレベータ内映像撮影装置5の外部に設けられた記憶装置に映像を記録しても構わない。
【0012】
3D情報表示装置2、行き先階登録装置3、エレベータ内映像記録装置5および音響装置6は、通信回線(通信手段)7を介して、エレベータ運転制御装置4に接続されている。すなわち、これらの装置2,3,5,6は、エレベータ運転制御装置4により制御されるようになっている。また、これらの装置2,3,5,6は、かご1内に設置されている。
【0013】
本実施形態では、3D情報表示装置2として、右目用の情報と左目用の情報とを含む3D情報(映像)を表示するタイプの装置を用いる。右目用の情報と左目用の情報とは異なっている。D情報表示装置2により表示された3D情報は、3D映像再生メガネ8を用いることで、3D登録ボタンとして見ることができる。本実施形態の場合、3D映像再生メガネ8は、右目用の情報を右目に届け、左目用の情報を左目に届けることにより、3D映像を再生するタイプのものである。
【0014】
3D映像再生メガネ8は、周知の方法により3D映像を再生するが、自己の存在を示す無線信号9を発信する点で、周知の3D映像再生メガネとは異なる。無線信号9は、例えば、エレベータの行き先階登録に使用される3D映像再生メガネ8であることを示す特定の情報を含む。
【0015】
エレベータ運転制御装置4は、無線信号9を受信することで、かご1内に3D映像再生メガネ8が存在することを確認する。かご1内に利用者がいることはエレベータ内映像記録装置5により確認する。
【0016】
エレベータ内映像記録装置5により利用者の存在が確認されたら、エレベータ運転制御装置4が所定の無線信号を発信し、この所定の無線信号を3D映像再生メガネ8が受信したら、3D映像再生メガネ8は、上記の通り、無線信号9を発信する。したがって、無線信号9の受信の有無と、エレベータ内映像記録装置5により撮影された映像とに基づいて、かご1内に3D映像再生メガネ8を所有する利用者が存在するか否かを判断できる。
【0017】
行き先階登録装置3は、かご1内の利用者の動作を読み取るためのセンサを備えており、このセンサにより読み取られた利用者の動作に基づいて、利用者が3D登録ボタンに対して行った操作を取得するようになっている。
【0018】
図2に、かご内の利用者の動作を読み取るためのセンサの例を示す。これは赤外線センサの例である。
【0019】
図2において、3aは赤外線IRを発する光源、3bは赤外線IRを感知する感知器を示している。複数の光源3aと複数の感知器3bとは1対1の対応関係にある。
【0020】
図2(a)はかご1の上から見た場合のセンサ(光源3a、感知器3b)の配置、図2(b)は図2(a)の矢印方向から見た場合のセンサ(光源3a)の配置を示している。かご1内の一方の側面には、複数の光源3aがマトリクス状に配置され、他方の側面には、複数の感知器3bがマトリクス状に配置されている。
【0021】
かご1内に利用者がいない場合には、複数の光源3aから発せられた全ての赤外線IRは、複数の感知器3bにより感知される。かご1内に利用者がいる場合には、利用者の動きに合わせて、感知される赤外線IRは基本的には変わる。どの感知器3bで赤外線IRが感知されたかを時間を追って調べることにより、利用者の動作、つまり、利用者が3D登録ボタンに対して行った操作を取得することができる。
【0022】
利用者が3D登録ボタンに対して行った操作をより正確に取得するために、かご1内の入口側の面および入口と反対側の面にそれぞれ光源3aおよび感知器3bを設けても構わない。光源3aおよび感知器3bの配置箇所や個数は、3D情報表示装置2の配置箇所やサイズによって適宜決定される。
【0023】
図3は、本実施形態のエレベータセキュリティシステムによるセキュリティ動作を示すフローチャートである。
【0024】
エレベータ運転制御装置4は、エレベータ内映像撮影装置5により撮影された映像に基づいて、かご1内に利用者が入った否かを判断する(ステップS1)。エレベータ内映像撮影装置5にて撮影された映像は、通信回線7を介して、エレベータ運転制御装置4に送信される。エレベータ運転制御装置4は送信された映像に基づいて、かご1内に利用者が入った否かを判断する。エレベータ運転制御装置4は、例えば、送信された映像を人認識ソフト(または人認識装置)により解析することにより、利用者が入った否かを判断する。
【0025】
ステップS1において、かご1内に利用者が入らなかった判断された場合(No)、引き続き、ステップS1を行う。
【0026】
一方、ステップS1において、かご1内に利用者が入ったと判断された場合(Yes)、利用者が3D映像再生メガネ8を所持しているか否かを判断する(ステップS2)。この判断は、エレベータ運転制御装置4と3D映像再生メガネ8との間で行われる通信に基づいて行われる。具体的には、エレベータ運転制御装置4が3D映像再生メガネ8から発信された無線信号9を受信できた場合、利用者は3D映像再生メガネ8を所持していると判断し、一方、無線信号9を受信できなかった場合、利用者は3D映像再生メガネ8を所持していないと判断する。
【0027】
ステップS2において、利用者が3D映像再生メガネ8を所持していないと判断された場合(No)、上記利用者はエレベータの正規の利用者ではないと見なされる(認証失敗)。この場合、エレベータ運転制御装置4は、3D情報表示装置2に対して3D情報を表示させないように制御し、さらに、行き先階登録装置3に登録を受け付けないように制御するとともに、かご1から出ていくことを音響装置6によって促す(退出命令)(ステップS3)。
【0028】
一方、ステップS2において、利用者が3D映像再生メガネ8を所持していると判断された場合(Yes)、上記利用者はエレベータの正規の利用者であると見なされ(認証成功)、エレベータ運転制御装置4は3D情報表示装置2に対して3D情報を表示させるように制御する(3D情報表示装置の起動)(ステップS4)。
【0029】
このように本実施形態によれば、利用者が3D映像再生メガネ8を所持しているか否かに基づいて、エレベータの利用者の認証を行う。3D映像再生メガネ8を所持しているか否かの判断は、3D映像再生メガネ8から発信される無線信号9に基づいて行われる。一般の3D映像再生メガネは、無線信号9を発信する手段(通信手段)を備えていないので、一般の3D映像再生メガネを所有していても認証は取れない。しかも、無線信号9として、例えば、エレベータの行き先階登録に使用される3D映像再生メガネ8であることを示す、暗号化された特定の情報を含む無線信号を使用することにより、3D映像再生メガネ8の模倣品の製造を効果的に防止できる。
【0030】
次に、正規の利用者は、3D映像再生メガネ8を介して、3D情報表示装置2により表示された3D情報を見ることにより、行き先階を登録するために使用される3D登録ボタンを確認(認識)できる。
【0031】
行き先階登録装置3は、利用者が3D登録ボタンに対して行った操作(ボタン操作)をかご1の行き先階として登録する(ステップS5)。
【0032】
エレベータ運転制御装置4は、行き先階登録装置3に登録されたボタン操作が予め登録された正規の操作であるか否かを判断する(ステップS6)。
【0033】
この判断は、例えば、正規の操作が登録されているデータベースを参照することにより行われる。行き先階登録装置3に登録されたボタン操作がデータベースに登録されていれば、正規の操作であると判断され、登録されていなければ、正規の操作ではないと判断される(入力誤り)。
【0034】
ステップS6において、正規の操作ではないと判断された場合(No)、エレベータ運転制御装置4は、利用者が再入力できるように、3D情報表示装置2に対して3D情報を表示させるように(表示し続けるように)制御するとともに、利用者に対してボタン操作を再び行うことを音響装置6によって促す(ステップS5に戻る)。
【0035】
一方、ステップS6において、正規の操作であると判断された場合(Yes)、エレベータ運転制御装置4は、登録されたボタン操作に対応する行き先階(目的階)に基づいて、かご1の運転を制御し、かご1を目的階へ移動させる(ステップS7)。
【0036】
図4(a)〜4(f)は、3D情報表示装置2により表示された3D情報を、3D映像再生メガネ8で見た場合の3D登録ボタンの例を示す図である。
【0037】
図4(a)は、行き先階登録ボタンがそのまま3次元的に表示されたボタン(3Dボタン)31を示している。行き先階の登録は、壁にあるボタンと同様に、前から奥に(利用者側から奥側に)ボタン31を押すことにより行う。それ以外の操作ではエレベータ運転制御装置4は正しい登録と判断しない。なお、図4(a)には、11階に対応する3Dボタンしか示されていないが、他の階に対応する3Dボタンも実際には同時に示される(以下の例においても同様)。
【0038】
図4(b)は、行き先階登録ボタンがそのまま3次元的に表示されたボタン(3Dボタン)32を示している。図4(a)の場合と異なり、行き先階の登録は、上から下にボタン32を押すことにより行う。それ以外の入力ではエレベータ運転制御装置4は正しい入力と判断しない。
【0039】
図4(c)、行き先階登録ボタンがブロック型の3Dのボタン33を示している(3Dブロック)。行き先階の登録は、ボタン33の下面に指を触れてそこからボタン33の上面に向けて指を移動することにより行う。それ以外の操作ではエレベータ運転制御装置4は正しい入力と判断しない。
【0040】
なお、ボタン33の六つの面のいずれに指を触れても、行き先階を登録できるように設計しても構わないが、セキュリティの観点からは、触れる面や入力方向など正規の利用者しか知らない要素を追加したほうがよい。
【0041】
図4(d)は、行き先階登録ボタンが風船のように舞う3Dのボタン34を示している(風船型3Dボタン)。3D登録ボタンが移動するタイプである。行き先階の登録は、ボタン34を捕まえるかのごとくボタン34に触れることにより行う。それ以外の操作ではエレベータ運転制御装置4は正しい入力と判断しない。
【0042】
図4(e)は、横から端のものを倒すように入力を行う3Dのボタン35を示している。目的階の書かれたプレートが倒れるようなアニメーションを表示し、無事倒れたら、行き先階の登録が行われ(ドミノ型入力)、目的階へ移動できる。それ以外の操作ではエレベータ運転制御装置4は正しい入力と判断しない。
【0043】
図4(f)は、球36を目的階と同じ高さまで移動させ(ドラッグ)、目的階のボタンに当たるように球36を横から叩くことにより(ドロップ)、行き先階の登録が行われ(ドラッグ&ドロップ型入力)、目的階へ移動できる。それ以外の操作ではエレベータ運転制御装置4は正しい入力と判断しない。
【0044】
以上述べたボタン31−36を表示する領域は特に限定はなく、例えば、かご内の通常の操作盤(COP)が設置されている領域に表示する。また、ボタン31−36は、通常の操作盤(COP)の設置箇所とは異なる領域に表示しても構わない。例えば、天井の方(かご1の上面側)に表示する。この場合、指を上の方にあげて操作することになるので、かご1内が混んでいても行き先階を登録できるようになる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態では、3D映像再生メガネ8を所有していないと3Dボタンの表示を見えないようにすることで、入力内容を悟らせないようにすることができる。また、入力は非接触で行われるので、暗証番号の場合とは異なり、テンキーがこすれたり、テンキーに指紋が付いたりしてどこを押せばいいのかが把握されるという心配はない。このように行き先階登録における入力を3次元の操作(3D登録ボタン)で行うことにより、2次元の操作(2次元的なボタン)とは一線を画く強固なセキュリティを実現することが可能となる。
【0046】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。なお、以下の図において、既出の図と対応する部分には既出の図と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
【0047】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態(図1)の行き先階登録装置3の役割(機能)をエレベータ内映像撮影装置5にて代用することにある。行き先階登録装置3の役割(機能)を取り込んだエレベータ内映像撮影装置5は、図5では参照符号53で示されている。
【0048】
本実施形態によれば、エレベータ内映像撮影装置53により撮影された映像に基づいて、入力の方向(指の動く方向)、入力の位置(指の位置)などの情報(入力情報)が取得され、この入力情報に基づいて、利用者が3D登録ボタンに対して行った操作が算出され、この算出された操作がかご1の行き先階として登録される。
【0049】
本実施形態の場合、エレベータ内映像撮影装置53は行き先階登録装置の役割(機能)を有するので、かご1内の利用者の動作を読み取るためのセンサは不要となる。センサを用いる場合、例えば、図2に示したように、多数の光源3aおよび感知器3b(多数の設置箇所)が必要となる。これはかご1内のデザインに影響を与え、意匠にも影響してくる可能性がある。本実施形態の場合、一つのエレベータ内映像撮影装置53(一つの設置箇所)で済むので、意匠も損なわず、設置してあっても不自然ではないようにすることが可能となる。
【0050】
また、かご1内の利用者の動作をセンサで読み取る場合、死角が生じる。図2に示した多数の光源3aおよび感知器3bを用いる場合、図6に示すように、かご1内の利用者U1の影になってセンサで感知できない領域(死角)R1が生じる。したがって、死角R1にいる利用者U2はセンサで感知できない。
【0051】
エレベータ内映像撮影装置53を用いた場合においても、図7に示すように、同様の死角R1は生じる。しかし、死角R1にいる利用者U2は、図8に示すように、利用者U1の前に移動することによって、死角R1の外に出られる。利用者U2は、エレベータ内映像撮影装置53の位置を容易に把握できるので、利用者U2は自分が死角の位置にいるか否かを容易に判断できる。利用者U2は自分が死角の位置にいると判断した場合、図7に示したように移動すればよい。
【0052】
また、かご1内の入口側の面および入口と反対側の面にそれぞれ光源および感知器を設ける場合、図9に示すように、死角R1の他に死角R2も生じる。なお、図9では、簡単のため、感知器3bは図示していない。しかし、本実施形態の場合、死角R2に相当する死角は生じにくい。
【0053】
(第3の実施形態)
平面の映像を3Dに表示するには右目と左目に違う映像を見せなければならないというのが一般的な考えである。光を左目用と右目用とに分ける方法として、偏光を利用する方法がある。円偏光を利用する場合、例えば、右円偏光の光を左目に送り、左円偏光の光を右目に送る。垂直偏光の場合、例えば、縦向き偏光の光を左目に送り、横向き偏光の光を右目に送る。
【0054】
本実施形態では、左目用および右目用の映像(正規3D情報)を表示するだけでなく、正規3D情報とは関係ない振幅の大きい光(不要情報)も表示する3D情報表示装置2を使用する。例えば、円偏光を利用する場合であれば、円偏光とまったく無関係の方向の偏光を有する、振幅の大きい光(まぶしい光)が混じった映像(正規3D情報+不要情報)を3D情報表示装置2は表示する。
【0055】
この場合、3D情報表示装置2により表示された映像(正規3D情報+不要情報)を3D映像再生メガネ8を介して見た場合、3D登録ボタンは見えるが、上記まぶしい光は見えない。一方、3D情報表示装置2により表示された映像(正規3D情報+不要情報)を裸眼で見た場合、上記まぶしい光が見えてしまい3D登録ボタンは認識できない。
【0056】
一般に、3D映像再生メガネを使用せずに3D情報を見た場合、3Dの映像は再生されないが、何らかの映像は見える。しかし、本実施形態の場合、まぶし光が邪魔になってなんら映像は見えない。したがって、本実施形態によれば、3D情報表示装置2からの映像を見ること、言い換えれば、3D情報表示装置2からの情報を読み取ることができるのは、3D映像再生メガネ8を所有する利用者のみとなるので、強固なセキュリティを確立できるようになる。
【0057】
また、まぶし光が邪魔になってなんら映像は見えないということは、意味のない表示(立体的に見えないので何の映像がわかないこと)を見せなくて済むので、セキュリティがあることを悟らせないという効果も期待できる。
【0058】
上記の例は、まぶしい光により本来の映像(情報)を隠す手法である。別の手法について以下に述べる。
【0059】
この例では、3D映像再生メガネ8として、アクティブシャッター方式のメガネを使用する。アクティブシャッター方式とは、左右にシャッターを取り付け、そのシャッターの動きに合わせてそれぞれの目にそれぞれの映像を届ける方式である。
【0060】
一般には、3D情報表示装置から左目用の映像が表示されている時には、左のシャッターは開いておき、右のシャッターは閉じておく。一方、右目用の映像が表示されている時には、逆に、右のシャッターは開いておき、左のシャッターは閉じておく。
【0061】
このように一般には左右どちらかのシャッターは開いているが、本実施形態では、左右両方のシャッターが同時に閉じている期間をあえて作成する。図10にその一例示す。期間T1は左シャッターが閉じ、期間T2は左および右シャッターが閉じ、期間T3は左シャッターが閉じ、期間T4は左シャッターが閉じ、期間T5は左および右シャッターが閉じ、期間T6は左シャッターが閉じる(以下、同様に続く)。
【0062】
そして、本実施形態では、左右両方のシャッターが閉じている期間には不要映像(かごの行き先階登録には関係ない無駄な映像)を表示し、左シャッターが閉じている時には右目用の映像を表示し、右シャッターが閉じている時には左目用の映像を表示する。図11にその一例示す。
【0063】
このようなアクティブシャッター方式の3D映像再生メガネ8を介して、3D情報表示装置2により表示された映像(正規3D情報+不要情報)を見ると、不要映像は見えないので、左目用の映像と右目用の映像とが交互に見える。したがって、3D登録ボタンは正常に見える。
【0064】
しかし、裸眼で3D情報表示装置2により表示された映像(正規3D情報+不要情報)を見ると、左目用の映像、不要映像、右目用の映像、左目用の映像、不要映像、右目用の映像・・・の順で見える。左目用の映像と右目用の映像との間に不要映像が挟まれているので、不要映像が邪魔して、左目用の映像および右目用の映像の認識を妨げる。したがって、この例においても、情報を読み取ることができるのは、3D映像再生メガネ8を所有する利用者のみとなるので、強固なセキュリティを確立できるようになる。
【0065】
以上述べたように本実施形態によれば、3D映像再生メガネ8を所持していなければ目視できず、正規3D情報と同時に振幅の大きい光(不要情報)を表示することで、セキュリティ効果をより高め、エレベータの安全を確保することができるようになる。
【0066】
(第4の実施形態)
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、3D情報表示装置2が、正規3D情報とは別の複数の3D情報(以下、ダミー3D情報という)をさらに表示し、これらの複数のダミー3D情報の各々は、3D映像再生メガネ8を用いることで、かご1の行き先階を登録するために使用される3D登録ボタンに見えることにある。
【0067】
想定した利用者以外が3D映像再生メガネ8を所持していた場合、エレベータ運転制御装置4は、3D映像再生メガネ8からの無線信号9を受信すると、想定した利用者と判断してしまう。そして、3D情報表示装置2からの情報に従って操作をすれば、エレベータ運転制御装置4は、入力が正しいと判断し、想定しない利用者であっても目的階まで運搬してしまう可能性がある。
【0068】
これを防ぐために、かご1の行き先階を登録するために使用される3D登録ボタン(正規の登録ボタン)とは別に、複数のダミー3D登録ボタンが見えるようにする。ダミー登録ボタンは、正規の登録ボタンよりも目立つようにする。例えば、図4(d)の風船型3Dボタンの場合、正規の風船型3Dボタンは地味な色にし、ダミーの風船型3Dボタンは目立つ色にようにし、そして、ダミーの風船型3Dボタンが正解であるかのように設置する。
【0069】
想定した利用者に予めダミー登録ボタン等の情報を周知しておけば、たとえ3D映像再生メガネ8を想定していない利用者がエレベータを利用しようとしても、呼び登録をできないようにすることが可能となる。
【0070】
以上述べたように本実施形態によれば、正規3D情報と同時にダミー3D情報(不要情報)を表示することで、セキュリティ効果をより高め、エレベータの安全を確保することができるようになる。
【0071】
(第5の実施形態)
図12は、第5の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。
【0072】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、エレベータ運転制御装置4がエレベータ監視センタ61に繋がれていることにある。
【0073】
エレベータ監視センタ61はエレベータの運転状態を管理および監視する。エレベータ運転制御装置4は、通信回線62(例えば公衆回線網)を介して、エレベータ監視センタ61に繋がれている。これにより、エレベータ運転制御装置4とエレベータ監視センタ61とは隔通信可能となっている。
【0074】
エレベータ運転制御装置4は、通信回線62を介して、エレベータ監視センタ61に対してセキュリティ上の異常があったことを発報する発報装置63を備えている。発報装置63は、正規の操作と異なる操作がかご1の行き先階とし所定の回数だけ連続して行き先階登録装置3に登録されたら、エレベータ監視センタ61に対してセキュリティ上の異常があったことを発報する。
【0075】
図13は、第1の実施形態のエレベータセキュリティシステムによるセキュリティ動作を示すフローチャートである。
【0076】
まず、第1の実施形態(図3)と同様に、ステップS1−S6が行われる。
【0077】
ステップS6において、正規の操作ではないと判断された場合(No)、連続する入力ミスの回数(i)が一つ追加され(i=i+1)、その後、i>Nであるかどうかが判断される(ステップS8)。N(所定の回数)は2以上の整数であればよく、例えば、3である。i>Nの代わりに、i≧Nを判断しても構わない。
【0078】
ステップS8において、i>Nでない場合(No)、ステップS5に戻る。
【0079】
一方、ステップS8において、i>Nである場合(Yes)、エレベータ運転制御装置4は、行き先階登録装置3に対して行き先階を登録しないように制御し(行き先呼び登録の禁止)、さらに、エレベータ監視センタ61に対してセキュリティ上の異常が発生したことを発報するように、発報装置63を制御する(ステップS9)。
【0080】
エレベータ監視センタ61は、エレベータ運転制御装置4から受信した情報(セキュリティ異常)をもとに、エレベータ保守員に対する行動指示や、ビル管理会社へ情報を提供する。これにより不審者対策に貢献することが可能となる。
【0081】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
1…かご、2…3D情報表示装置、3…行き先階登録装置、3a…光源、3b…感知器、4…エレベータ運転制御装置、5…エレベータ内映像撮影装置、6…音響装置、7…通信回線、8…3D映像再生メガネ、9…無線信号、31,32,33,34,35,36…3Dボタン、61…エレベータ監視センタ、62…通信回線、63…発報装置、IR…赤外線、U1,U2…利用者、R1,R2…死角。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータの利用者を認証するエレベータセキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常のエレベータセキュリティシステムにおいては、エレベータの利用者を認証するために、例えば、番号入力型のセキュリティ方式が使用されている。番号入力型の場合、テンキーなどの入力デバイスから暗証番号を入力し、入力した暗証番号が正しいと正規の利用者であると認証される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−278993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、番号入力型の場合、テンキーがこすれたり、テンキーに指紋が付いたりしてどこを押せばいいのかが把握される可能性があり、セキュリティが突破されてしまう恐れがある。
【0005】
したがって、よりセキュリティの高いエレベータセキュリティシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のエレベータセキュリティシステムは、昇降路内を昇降するかごと、前記かごの行き先階を登録するために使用される3D表示のオブジェクトに対応する、3D情報を表示する3D情報表示手段と、前記かご内に設置され、前記かご内の利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を、前記かごの行き先階として登録する行き先階登録手段と、前記行き先階登録手段に登録された前記操作が、予め登録された正規の操作である場合には、前記正規の操作に対応する行き先階に基づいて、前記かごの運転を制御するエレベータ運転制御手段とを具備してなることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態の第1の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。
【図2】かご内の利用者の動作を読み取るためのセンサの一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態のエレベータセキュリティシステムによるセキュリティ動作を示すフローチャートである。
【図4】3D情報表示装置により表示された3D情報を、3D映像再生メガネで見た場合の3D映像の例を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。
【図6】かご内の利用者の影になってセンサで感知できない領域(死角)を示す図である。
【図7】かご内の利用者の影になってエレベータ内映像撮影装置に映らない領域(死角)を示す図である。
【図8】エレベータ内映像撮影装置に映らない領域(死角)から映る領域に移動した様子を示す図である。
【図9】かご内の利用者の影になってセンサで感知できない領域(死角)を示す図である。
【図10】実施形態のアクティブシャッター方式のメガネを使用した場合のシャッターの閉じ方を説明するための図である。
【図11】実施形態のアクティブシャッター方式のメガネを使用した場合に見える映像を説明するための図である。
【図12】第5の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。
【図13】第5の実施形態のエレベータセキュリティシステムによるセキュリティ動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。
【0010】
本実施形態のエレベータセキュリティシステムは、昇降路内を昇降するかご1と、かご1の行き先階を登録するために使用される3D表示のオブジェクト(以下、3D登録ボタンという)に対応する、3D情報を表示する3D情報表示装置2と、かご1内の利用者が3D登録ボタンに対して行った操作を、かご1の行き先階として登録する行き先階登録装置3と、行き先階登録装置3に登録された上記操作が、予め登録された正規の操作である場合には、上記正規の操作に対応する行き先階に基づいて、かご1の運転を制御するエレベータ運転制御装置4とを具備する。
【0011】
また、本実施形態のエレベータセキュリティシステムは、かご1内に利用者が入ったことを確認するためのエレベータ内映像撮影装置5と、利用者に様々な情報を音声で伝えるための音響装置6とを具備する。エレベータ内映像撮影装置5はカメラを備えている。エレベータ内映像撮影装置5は撮影した映像を記録するための記憶装置を内蔵していても構わない。あるいは、エレベータ内映像撮影装置5の外部に設けられた記憶装置に映像を記録しても構わない。
【0012】
3D情報表示装置2、行き先階登録装置3、エレベータ内映像記録装置5および音響装置6は、通信回線(通信手段)7を介して、エレベータ運転制御装置4に接続されている。すなわち、これらの装置2,3,5,6は、エレベータ運転制御装置4により制御されるようになっている。また、これらの装置2,3,5,6は、かご1内に設置されている。
【0013】
本実施形態では、3D情報表示装置2として、右目用の情報と左目用の情報とを含む3D情報(映像)を表示するタイプの装置を用いる。右目用の情報と左目用の情報とは異なっている。D情報表示装置2により表示された3D情報は、3D映像再生メガネ8を用いることで、3D登録ボタンとして見ることができる。本実施形態の場合、3D映像再生メガネ8は、右目用の情報を右目に届け、左目用の情報を左目に届けることにより、3D映像を再生するタイプのものである。
【0014】
3D映像再生メガネ8は、周知の方法により3D映像を再生するが、自己の存在を示す無線信号9を発信する点で、周知の3D映像再生メガネとは異なる。無線信号9は、例えば、エレベータの行き先階登録に使用される3D映像再生メガネ8であることを示す特定の情報を含む。
【0015】
エレベータ運転制御装置4は、無線信号9を受信することで、かご1内に3D映像再生メガネ8が存在することを確認する。かご1内に利用者がいることはエレベータ内映像記録装置5により確認する。
【0016】
エレベータ内映像記録装置5により利用者の存在が確認されたら、エレベータ運転制御装置4が所定の無線信号を発信し、この所定の無線信号を3D映像再生メガネ8が受信したら、3D映像再生メガネ8は、上記の通り、無線信号9を発信する。したがって、無線信号9の受信の有無と、エレベータ内映像記録装置5により撮影された映像とに基づいて、かご1内に3D映像再生メガネ8を所有する利用者が存在するか否かを判断できる。
【0017】
行き先階登録装置3は、かご1内の利用者の動作を読み取るためのセンサを備えており、このセンサにより読み取られた利用者の動作に基づいて、利用者が3D登録ボタンに対して行った操作を取得するようになっている。
【0018】
図2に、かご内の利用者の動作を読み取るためのセンサの例を示す。これは赤外線センサの例である。
【0019】
図2において、3aは赤外線IRを発する光源、3bは赤外線IRを感知する感知器を示している。複数の光源3aと複数の感知器3bとは1対1の対応関係にある。
【0020】
図2(a)はかご1の上から見た場合のセンサ(光源3a、感知器3b)の配置、図2(b)は図2(a)の矢印方向から見た場合のセンサ(光源3a)の配置を示している。かご1内の一方の側面には、複数の光源3aがマトリクス状に配置され、他方の側面には、複数の感知器3bがマトリクス状に配置されている。
【0021】
かご1内に利用者がいない場合には、複数の光源3aから発せられた全ての赤外線IRは、複数の感知器3bにより感知される。かご1内に利用者がいる場合には、利用者の動きに合わせて、感知される赤外線IRは基本的には変わる。どの感知器3bで赤外線IRが感知されたかを時間を追って調べることにより、利用者の動作、つまり、利用者が3D登録ボタンに対して行った操作を取得することができる。
【0022】
利用者が3D登録ボタンに対して行った操作をより正確に取得するために、かご1内の入口側の面および入口と反対側の面にそれぞれ光源3aおよび感知器3bを設けても構わない。光源3aおよび感知器3bの配置箇所や個数は、3D情報表示装置2の配置箇所やサイズによって適宜決定される。
【0023】
図3は、本実施形態のエレベータセキュリティシステムによるセキュリティ動作を示すフローチャートである。
【0024】
エレベータ運転制御装置4は、エレベータ内映像撮影装置5により撮影された映像に基づいて、かご1内に利用者が入った否かを判断する(ステップS1)。エレベータ内映像撮影装置5にて撮影された映像は、通信回線7を介して、エレベータ運転制御装置4に送信される。エレベータ運転制御装置4は送信された映像に基づいて、かご1内に利用者が入った否かを判断する。エレベータ運転制御装置4は、例えば、送信された映像を人認識ソフト(または人認識装置)により解析することにより、利用者が入った否かを判断する。
【0025】
ステップS1において、かご1内に利用者が入らなかった判断された場合(No)、引き続き、ステップS1を行う。
【0026】
一方、ステップS1において、かご1内に利用者が入ったと判断された場合(Yes)、利用者が3D映像再生メガネ8を所持しているか否かを判断する(ステップS2)。この判断は、エレベータ運転制御装置4と3D映像再生メガネ8との間で行われる通信に基づいて行われる。具体的には、エレベータ運転制御装置4が3D映像再生メガネ8から発信された無線信号9を受信できた場合、利用者は3D映像再生メガネ8を所持していると判断し、一方、無線信号9を受信できなかった場合、利用者は3D映像再生メガネ8を所持していないと判断する。
【0027】
ステップS2において、利用者が3D映像再生メガネ8を所持していないと判断された場合(No)、上記利用者はエレベータの正規の利用者ではないと見なされる(認証失敗)。この場合、エレベータ運転制御装置4は、3D情報表示装置2に対して3D情報を表示させないように制御し、さらに、行き先階登録装置3に登録を受け付けないように制御するとともに、かご1から出ていくことを音響装置6によって促す(退出命令)(ステップS3)。
【0028】
一方、ステップS2において、利用者が3D映像再生メガネ8を所持していると判断された場合(Yes)、上記利用者はエレベータの正規の利用者であると見なされ(認証成功)、エレベータ運転制御装置4は3D情報表示装置2に対して3D情報を表示させるように制御する(3D情報表示装置の起動)(ステップS4)。
【0029】
このように本実施形態によれば、利用者が3D映像再生メガネ8を所持しているか否かに基づいて、エレベータの利用者の認証を行う。3D映像再生メガネ8を所持しているか否かの判断は、3D映像再生メガネ8から発信される無線信号9に基づいて行われる。一般の3D映像再生メガネは、無線信号9を発信する手段(通信手段)を備えていないので、一般の3D映像再生メガネを所有していても認証は取れない。しかも、無線信号9として、例えば、エレベータの行き先階登録に使用される3D映像再生メガネ8であることを示す、暗号化された特定の情報を含む無線信号を使用することにより、3D映像再生メガネ8の模倣品の製造を効果的に防止できる。
【0030】
次に、正規の利用者は、3D映像再生メガネ8を介して、3D情報表示装置2により表示された3D情報を見ることにより、行き先階を登録するために使用される3D登録ボタンを確認(認識)できる。
【0031】
行き先階登録装置3は、利用者が3D登録ボタンに対して行った操作(ボタン操作)をかご1の行き先階として登録する(ステップS5)。
【0032】
エレベータ運転制御装置4は、行き先階登録装置3に登録されたボタン操作が予め登録された正規の操作であるか否かを判断する(ステップS6)。
【0033】
この判断は、例えば、正規の操作が登録されているデータベースを参照することにより行われる。行き先階登録装置3に登録されたボタン操作がデータベースに登録されていれば、正規の操作であると判断され、登録されていなければ、正規の操作ではないと判断される(入力誤り)。
【0034】
ステップS6において、正規の操作ではないと判断された場合(No)、エレベータ運転制御装置4は、利用者が再入力できるように、3D情報表示装置2に対して3D情報を表示させるように(表示し続けるように)制御するとともに、利用者に対してボタン操作を再び行うことを音響装置6によって促す(ステップS5に戻る)。
【0035】
一方、ステップS6において、正規の操作であると判断された場合(Yes)、エレベータ運転制御装置4は、登録されたボタン操作に対応する行き先階(目的階)に基づいて、かご1の運転を制御し、かご1を目的階へ移動させる(ステップS7)。
【0036】
図4(a)〜4(f)は、3D情報表示装置2により表示された3D情報を、3D映像再生メガネ8で見た場合の3D登録ボタンの例を示す図である。
【0037】
図4(a)は、行き先階登録ボタンがそのまま3次元的に表示されたボタン(3Dボタン)31を示している。行き先階の登録は、壁にあるボタンと同様に、前から奥に(利用者側から奥側に)ボタン31を押すことにより行う。それ以外の操作ではエレベータ運転制御装置4は正しい登録と判断しない。なお、図4(a)には、11階に対応する3Dボタンしか示されていないが、他の階に対応する3Dボタンも実際には同時に示される(以下の例においても同様)。
【0038】
図4(b)は、行き先階登録ボタンがそのまま3次元的に表示されたボタン(3Dボタン)32を示している。図4(a)の場合と異なり、行き先階の登録は、上から下にボタン32を押すことにより行う。それ以外の入力ではエレベータ運転制御装置4は正しい入力と判断しない。
【0039】
図4(c)、行き先階登録ボタンがブロック型の3Dのボタン33を示している(3Dブロック)。行き先階の登録は、ボタン33の下面に指を触れてそこからボタン33の上面に向けて指を移動することにより行う。それ以外の操作ではエレベータ運転制御装置4は正しい入力と判断しない。
【0040】
なお、ボタン33の六つの面のいずれに指を触れても、行き先階を登録できるように設計しても構わないが、セキュリティの観点からは、触れる面や入力方向など正規の利用者しか知らない要素を追加したほうがよい。
【0041】
図4(d)は、行き先階登録ボタンが風船のように舞う3Dのボタン34を示している(風船型3Dボタン)。3D登録ボタンが移動するタイプである。行き先階の登録は、ボタン34を捕まえるかのごとくボタン34に触れることにより行う。それ以外の操作ではエレベータ運転制御装置4は正しい入力と判断しない。
【0042】
図4(e)は、横から端のものを倒すように入力を行う3Dのボタン35を示している。目的階の書かれたプレートが倒れるようなアニメーションを表示し、無事倒れたら、行き先階の登録が行われ(ドミノ型入力)、目的階へ移動できる。それ以外の操作ではエレベータ運転制御装置4は正しい入力と判断しない。
【0043】
図4(f)は、球36を目的階と同じ高さまで移動させ(ドラッグ)、目的階のボタンに当たるように球36を横から叩くことにより(ドロップ)、行き先階の登録が行われ(ドラッグ&ドロップ型入力)、目的階へ移動できる。それ以外の操作ではエレベータ運転制御装置4は正しい入力と判断しない。
【0044】
以上述べたボタン31−36を表示する領域は特に限定はなく、例えば、かご内の通常の操作盤(COP)が設置されている領域に表示する。また、ボタン31−36は、通常の操作盤(COP)の設置箇所とは異なる領域に表示しても構わない。例えば、天井の方(かご1の上面側)に表示する。この場合、指を上の方にあげて操作することになるので、かご1内が混んでいても行き先階を登録できるようになる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態では、3D映像再生メガネ8を所有していないと3Dボタンの表示を見えないようにすることで、入力内容を悟らせないようにすることができる。また、入力は非接触で行われるので、暗証番号の場合とは異なり、テンキーがこすれたり、テンキーに指紋が付いたりしてどこを押せばいいのかが把握されるという心配はない。このように行き先階登録における入力を3次元の操作(3D登録ボタン)で行うことにより、2次元の操作(2次元的なボタン)とは一線を画く強固なセキュリティを実現することが可能となる。
【0046】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。なお、以下の図において、既出の図と対応する部分には既出の図と同一符号を付してあり、詳細な説明は省略する。
【0047】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態(図1)の行き先階登録装置3の役割(機能)をエレベータ内映像撮影装置5にて代用することにある。行き先階登録装置3の役割(機能)を取り込んだエレベータ内映像撮影装置5は、図5では参照符号53で示されている。
【0048】
本実施形態によれば、エレベータ内映像撮影装置53により撮影された映像に基づいて、入力の方向(指の動く方向)、入力の位置(指の位置)などの情報(入力情報)が取得され、この入力情報に基づいて、利用者が3D登録ボタンに対して行った操作が算出され、この算出された操作がかご1の行き先階として登録される。
【0049】
本実施形態の場合、エレベータ内映像撮影装置53は行き先階登録装置の役割(機能)を有するので、かご1内の利用者の動作を読み取るためのセンサは不要となる。センサを用いる場合、例えば、図2に示したように、多数の光源3aおよび感知器3b(多数の設置箇所)が必要となる。これはかご1内のデザインに影響を与え、意匠にも影響してくる可能性がある。本実施形態の場合、一つのエレベータ内映像撮影装置53(一つの設置箇所)で済むので、意匠も損なわず、設置してあっても不自然ではないようにすることが可能となる。
【0050】
また、かご1内の利用者の動作をセンサで読み取る場合、死角が生じる。図2に示した多数の光源3aおよび感知器3bを用いる場合、図6に示すように、かご1内の利用者U1の影になってセンサで感知できない領域(死角)R1が生じる。したがって、死角R1にいる利用者U2はセンサで感知できない。
【0051】
エレベータ内映像撮影装置53を用いた場合においても、図7に示すように、同様の死角R1は生じる。しかし、死角R1にいる利用者U2は、図8に示すように、利用者U1の前に移動することによって、死角R1の外に出られる。利用者U2は、エレベータ内映像撮影装置53の位置を容易に把握できるので、利用者U2は自分が死角の位置にいるか否かを容易に判断できる。利用者U2は自分が死角の位置にいると判断した場合、図7に示したように移動すればよい。
【0052】
また、かご1内の入口側の面および入口と反対側の面にそれぞれ光源および感知器を設ける場合、図9に示すように、死角R1の他に死角R2も生じる。なお、図9では、簡単のため、感知器3bは図示していない。しかし、本実施形態の場合、死角R2に相当する死角は生じにくい。
【0053】
(第3の実施形態)
平面の映像を3Dに表示するには右目と左目に違う映像を見せなければならないというのが一般的な考えである。光を左目用と右目用とに分ける方法として、偏光を利用する方法がある。円偏光を利用する場合、例えば、右円偏光の光を左目に送り、左円偏光の光を右目に送る。垂直偏光の場合、例えば、縦向き偏光の光を左目に送り、横向き偏光の光を右目に送る。
【0054】
本実施形態では、左目用および右目用の映像(正規3D情報)を表示するだけでなく、正規3D情報とは関係ない振幅の大きい光(不要情報)も表示する3D情報表示装置2を使用する。例えば、円偏光を利用する場合であれば、円偏光とまったく無関係の方向の偏光を有する、振幅の大きい光(まぶしい光)が混じった映像(正規3D情報+不要情報)を3D情報表示装置2は表示する。
【0055】
この場合、3D情報表示装置2により表示された映像(正規3D情報+不要情報)を3D映像再生メガネ8を介して見た場合、3D登録ボタンは見えるが、上記まぶしい光は見えない。一方、3D情報表示装置2により表示された映像(正規3D情報+不要情報)を裸眼で見た場合、上記まぶしい光が見えてしまい3D登録ボタンは認識できない。
【0056】
一般に、3D映像再生メガネを使用せずに3D情報を見た場合、3Dの映像は再生されないが、何らかの映像は見える。しかし、本実施形態の場合、まぶし光が邪魔になってなんら映像は見えない。したがって、本実施形態によれば、3D情報表示装置2からの映像を見ること、言い換えれば、3D情報表示装置2からの情報を読み取ることができるのは、3D映像再生メガネ8を所有する利用者のみとなるので、強固なセキュリティを確立できるようになる。
【0057】
また、まぶし光が邪魔になってなんら映像は見えないということは、意味のない表示(立体的に見えないので何の映像がわかないこと)を見せなくて済むので、セキュリティがあることを悟らせないという効果も期待できる。
【0058】
上記の例は、まぶしい光により本来の映像(情報)を隠す手法である。別の手法について以下に述べる。
【0059】
この例では、3D映像再生メガネ8として、アクティブシャッター方式のメガネを使用する。アクティブシャッター方式とは、左右にシャッターを取り付け、そのシャッターの動きに合わせてそれぞれの目にそれぞれの映像を届ける方式である。
【0060】
一般には、3D情報表示装置から左目用の映像が表示されている時には、左のシャッターは開いておき、右のシャッターは閉じておく。一方、右目用の映像が表示されている時には、逆に、右のシャッターは開いておき、左のシャッターは閉じておく。
【0061】
このように一般には左右どちらかのシャッターは開いているが、本実施形態では、左右両方のシャッターが同時に閉じている期間をあえて作成する。図10にその一例示す。期間T1は左シャッターが閉じ、期間T2は左および右シャッターが閉じ、期間T3は左シャッターが閉じ、期間T4は左シャッターが閉じ、期間T5は左および右シャッターが閉じ、期間T6は左シャッターが閉じる(以下、同様に続く)。
【0062】
そして、本実施形態では、左右両方のシャッターが閉じている期間には不要映像(かごの行き先階登録には関係ない無駄な映像)を表示し、左シャッターが閉じている時には右目用の映像を表示し、右シャッターが閉じている時には左目用の映像を表示する。図11にその一例示す。
【0063】
このようなアクティブシャッター方式の3D映像再生メガネ8を介して、3D情報表示装置2により表示された映像(正規3D情報+不要情報)を見ると、不要映像は見えないので、左目用の映像と右目用の映像とが交互に見える。したがって、3D登録ボタンは正常に見える。
【0064】
しかし、裸眼で3D情報表示装置2により表示された映像(正規3D情報+不要情報)を見ると、左目用の映像、不要映像、右目用の映像、左目用の映像、不要映像、右目用の映像・・・の順で見える。左目用の映像と右目用の映像との間に不要映像が挟まれているので、不要映像が邪魔して、左目用の映像および右目用の映像の認識を妨げる。したがって、この例においても、情報を読み取ることができるのは、3D映像再生メガネ8を所有する利用者のみとなるので、強固なセキュリティを確立できるようになる。
【0065】
以上述べたように本実施形態によれば、3D映像再生メガネ8を所持していなければ目視できず、正規3D情報と同時に振幅の大きい光(不要情報)を表示することで、セキュリティ効果をより高め、エレベータの安全を確保することができるようになる。
【0066】
(第4の実施形態)
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、3D情報表示装置2が、正規3D情報とは別の複数の3D情報(以下、ダミー3D情報という)をさらに表示し、これらの複数のダミー3D情報の各々は、3D映像再生メガネ8を用いることで、かご1の行き先階を登録するために使用される3D登録ボタンに見えることにある。
【0067】
想定した利用者以外が3D映像再生メガネ8を所持していた場合、エレベータ運転制御装置4は、3D映像再生メガネ8からの無線信号9を受信すると、想定した利用者と判断してしまう。そして、3D情報表示装置2からの情報に従って操作をすれば、エレベータ運転制御装置4は、入力が正しいと判断し、想定しない利用者であっても目的階まで運搬してしまう可能性がある。
【0068】
これを防ぐために、かご1の行き先階を登録するために使用される3D登録ボタン(正規の登録ボタン)とは別に、複数のダミー3D登録ボタンが見えるようにする。ダミー登録ボタンは、正規の登録ボタンよりも目立つようにする。例えば、図4(d)の風船型3Dボタンの場合、正規の風船型3Dボタンは地味な色にし、ダミーの風船型3Dボタンは目立つ色にようにし、そして、ダミーの風船型3Dボタンが正解であるかのように設置する。
【0069】
想定した利用者に予めダミー登録ボタン等の情報を周知しておけば、たとえ3D映像再生メガネ8を想定していない利用者がエレベータを利用しようとしても、呼び登録をできないようにすることが可能となる。
【0070】
以上述べたように本実施形態によれば、正規3D情報と同時にダミー3D情報(不要情報)を表示することで、セキュリティ効果をより高め、エレベータの安全を確保することができるようになる。
【0071】
(第5の実施形態)
図12は、第5の実施形態に係るエレベータセキュリティシステムを示す概略構成図である。
【0072】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、エレベータ運転制御装置4がエレベータ監視センタ61に繋がれていることにある。
【0073】
エレベータ監視センタ61はエレベータの運転状態を管理および監視する。エレベータ運転制御装置4は、通信回線62(例えば公衆回線網)を介して、エレベータ監視センタ61に繋がれている。これにより、エレベータ運転制御装置4とエレベータ監視センタ61とは隔通信可能となっている。
【0074】
エレベータ運転制御装置4は、通信回線62を介して、エレベータ監視センタ61に対してセキュリティ上の異常があったことを発報する発報装置63を備えている。発報装置63は、正規の操作と異なる操作がかご1の行き先階とし所定の回数だけ連続して行き先階登録装置3に登録されたら、エレベータ監視センタ61に対してセキュリティ上の異常があったことを発報する。
【0075】
図13は、第1の実施形態のエレベータセキュリティシステムによるセキュリティ動作を示すフローチャートである。
【0076】
まず、第1の実施形態(図3)と同様に、ステップS1−S6が行われる。
【0077】
ステップS6において、正規の操作ではないと判断された場合(No)、連続する入力ミスの回数(i)が一つ追加され(i=i+1)、その後、i>Nであるかどうかが判断される(ステップS8)。N(所定の回数)は2以上の整数であればよく、例えば、3である。i>Nの代わりに、i≧Nを判断しても構わない。
【0078】
ステップS8において、i>Nでない場合(No)、ステップS5に戻る。
【0079】
一方、ステップS8において、i>Nである場合(Yes)、エレベータ運転制御装置4は、行き先階登録装置3に対して行き先階を登録しないように制御し(行き先呼び登録の禁止)、さらに、エレベータ監視センタ61に対してセキュリティ上の異常が発生したことを発報するように、発報装置63を制御する(ステップS9)。
【0080】
エレベータ監視センタ61は、エレベータ運転制御装置4から受信した情報(セキュリティ異常)をもとに、エレベータ保守員に対する行動指示や、ビル管理会社へ情報を提供する。これにより不審者対策に貢献することが可能となる。
【0081】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
1…かご、2…3D情報表示装置、3…行き先階登録装置、3a…光源、3b…感知器、4…エレベータ運転制御装置、5…エレベータ内映像撮影装置、6…音響装置、7…通信回線、8…3D映像再生メガネ、9…無線信号、31,32,33,34,35,36…3Dボタン、61…エレベータ監視センタ、62…通信回線、63…発報装置、IR…赤外線、U1,U2…利用者、R1,R2…死角。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路内を昇降するかごと、
前記かごの行き先階を登録するために使用される3D表示のオブジェクトに対応する、3D情報を表示する3D情報表示手段と、
前記かご内に設置され、前記かご内の利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を、前記かごの行き先階として登録する行き先階登録手段と、
前記行き先階登録手段に登録された前記操作が、予め登録された正規の操作である場合には、前記正規の操作に対応する行き先階に基づいて、前記かごの運転を制御するエレベータ運転制御手段と
を具備してなることを特徴とするエレベータセキュリティシステム。
【請求項2】
前記行き先階登録手段は、前記かご内の利用者の動作を読み取るためのセンサを備え、かつ、前記センサにより読み取られた前記利用者の動作に基づいて、前記利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を取得することを特徴とする請求項1に記載のエレベータセキュリティシステム。
【請求項3】
前記行き先階登録手段は、前記かご内を撮影する撮影手段を備え、かつ、前記撮影手段により撮影された映像に基づいて、前記利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を取得することを特徴とする請求項1に記載のエレベータセキュリティシステム。
【請求項4】
前記3D情報表示手段により表示された3D情報は、3D映像再生手段を用いることで3D表示のオブジェクとして見ることができ、
前記3D情報表示手段は、前記3D情報とは別の情報を不要情報として表示し、
前記3D情報および前記不要情報を前記3D映像再生手段を介して見た場合、前記3D表示のオブジェクトは見えるが、前記不要情報に対応する映像は見えず、かつ、前記3D情報および前記不要3D情報を裸眼で見た場合、前記3D表示のオブジェクトが認識できないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエレベータセキュリティシステム。
【請求項5】
前記3D情報表示手段により表示された3D情報は、3D映像再生手段を用いることで3D表示のオブジェクとして見ることができ、
前記3D情報表示手段は、前記3D情報とは別の複数の3D情報を複数のダミー3D情報として表示し、前記複数のダミー3D情報の各々は、前記3D映像再生手段を用いることで、前記3D表示のオブジェクトに見えることを特徴する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエレベータセキュリティシステム。
【請求項6】
前記3D映像再生手段は自己の存在を示す信号を発信し、前記エレベータ運転制御手段は前記信号を受信したら、前記かご内に前記3D映像再生手段が存在することを確認し、その後、前記行き先階登録手段に対して、前記かご内の利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を、前記かごの行き先階として登録するように指示することを特徴とする請求項4または5に記載のエレベータセキュリティシステム。
【請求項7】
前記エレベータ運転制御手段は、前記正規の操作と異なる操作が前記かごの行き先階とし所定の回数だけ連続して前記行き先階登録手段に登録されたら、エレベータを監視する監視センタに対してセキュリティ上の異常があったことを発報する発報手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のエレベータセキュリティシステム。
【請求項1】
昇降路内を昇降するかごと、
前記かごの行き先階を登録するために使用される3D表示のオブジェクトに対応する、3D情報を表示する3D情報表示手段と、
前記かご内に設置され、前記かご内の利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を、前記かごの行き先階として登録する行き先階登録手段と、
前記行き先階登録手段に登録された前記操作が、予め登録された正規の操作である場合には、前記正規の操作に対応する行き先階に基づいて、前記かごの運転を制御するエレベータ運転制御手段と
を具備してなることを特徴とするエレベータセキュリティシステム。
【請求項2】
前記行き先階登録手段は、前記かご内の利用者の動作を読み取るためのセンサを備え、かつ、前記センサにより読み取られた前記利用者の動作に基づいて、前記利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を取得することを特徴とする請求項1に記載のエレベータセキュリティシステム。
【請求項3】
前記行き先階登録手段は、前記かご内を撮影する撮影手段を備え、かつ、前記撮影手段により撮影された映像に基づいて、前記利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を取得することを特徴とする請求項1に記載のエレベータセキュリティシステム。
【請求項4】
前記3D情報表示手段により表示された3D情報は、3D映像再生手段を用いることで3D表示のオブジェクとして見ることができ、
前記3D情報表示手段は、前記3D情報とは別の情報を不要情報として表示し、
前記3D情報および前記不要情報を前記3D映像再生手段を介して見た場合、前記3D表示のオブジェクトは見えるが、前記不要情報に対応する映像は見えず、かつ、前記3D情報および前記不要3D情報を裸眼で見た場合、前記3D表示のオブジェクトが認識できないことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエレベータセキュリティシステム。
【請求項5】
前記3D情報表示手段により表示された3D情報は、3D映像再生手段を用いることで3D表示のオブジェクとして見ることができ、
前記3D情報表示手段は、前記3D情報とは別の複数の3D情報を複数のダミー3D情報として表示し、前記複数のダミー3D情報の各々は、前記3D映像再生手段を用いることで、前記3D表示のオブジェクトに見えることを特徴する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエレベータセキュリティシステム。
【請求項6】
前記3D映像再生手段は自己の存在を示す信号を発信し、前記エレベータ運転制御手段は前記信号を受信したら、前記かご内に前記3D映像再生手段が存在することを確認し、その後、前記行き先階登録手段に対して、前記かご内の利用者が前記3D表示のオブジェクトに対して行った操作を、前記かごの行き先階として登録するように指示することを特徴とする請求項4または5に記載のエレベータセキュリティシステム。
【請求項7】
前記エレベータ運転制御手段は、前記正規の操作と異なる操作が前記かごの行き先階とし所定の回数だけ連続して前記行き先階登録手段に登録されたら、エレベータを監視する監視センタに対してセキュリティ上の異常があったことを発報する発報手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のエレベータセキュリティシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−218939(P2012−218939A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90293(P2011−90293)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
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