説明

エンコーダシステム

【課題】原点検出精度を向上させた信頼性の高いエンコーダシステムを提供する。
【解決手段】エンコーダシステム100は、複数のマークを備えた担持体11と、担持体11の移動方向に第1の距離だけ互いにずらして設けられ、複数のマークを読み取り可能なセンサ12、13と、センサ12、13の検出信号を演算処理する演算処理部14とを有し、演算処理部14は、担持体11がセンサ12、13に対して相対移動している際に、複数のマークのうち一つのマークが第1の距離だけ移動するのに要する第1の時間、および、複数のマークのうち隣接する二つのマークがセンサ12またはセンサ13による検出位置を通過するのに要する第2の時間を演算し、第1の時間および第2の時間から算出された第1の指標が原点位置を特徴付ける第2の指標に相当する場合、第1の指標の算出に用いられたマークパターンを原点マークパターンであると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原点位置の検出機能を備えたエンコーダシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
エンコーダシステムは、通常、電源投入後に特定の位置を決定するための初期化処理を実行する。特許文献1には、光源から射出した光が所定のスリット部を透過して受光素子で検出される位置を、エンコーダの基準位置として設定するエンコーダシステムが開示されている。特許文献2および特許文献3には、計測用(エンコーダ用)と原点位置検出用の担持体を共用し、その担持体の一部に原点マークパターンを形成することで、エンコーダ用のセンサを用いて原点位置の検出を行うエンコーダシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−296797号公報
【特許文献2】特開平10−318790号公報
【特許文献3】特開2008−076284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1および特許文献2に開示されている方法では、計測対象物のアライメント、表面のゴミや傷、汚れにより、原点マークと同様に振幅変化が生じ、原点位置の検出精度の低下や誤検出の影響により信頼性に欠ける。また、原点位置の検出のために新たなサブマーク付きの担持体を設け、またはマーク自体を加工するなどで信号強度を変化させる構成では、部品点数が増えてコスト高となる。また特許文献3に開示された構成では、メインマーク付きの担持体中に欠落格子を設けており、原点位置を検出するための新たな部品は必要としない。しかし、他の従来方法と同様に、表面のゴミや傷、汚れによる振幅変化により、原点位置の検出精度の低下や誤検出を招く。
【0005】
そこで本発明は、原点位置の検出精度を向上させた信頼性の高いエンコーダシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としてのエンコーダシステムは、複数のマークを備えた担持体と、前記担持体の移動方向に第1の距離だけ互いにずらして設けられ、前記複数のマークを読み取り可能な第1のセンサおよび第2のセンサと、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの検出信号を演算処理する演算処理部とを有し、前記演算処理部は、前記担持体が前記第1のセンサおよび前記第2のセンサに対して相対移動している際に、前記複数のマークのうち一つのマークが前記第1の距離だけ移動するのに要する第1の時間、および、前記複数のマークのうち隣接する二つのマークが前記第1のセンサまたは前記第2のセンサによる検出位置を通過するのに要する第2の時間を演算し、前記第1の時間および前記第2の時間から算出された第1の指標が原点位置を特徴付ける第2の指標に相当する場合、該第1の指標の算出に用いられたマークパターンを原点マークパターンであると判定する。
【0007】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、原点位置の検出精度を向上させた信頼性の高いエンコーダシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施例におけるエンコーダシステムの概観構成図である。
【図2】本実施例における2つのセンサの出力信号の波形図である。
【図3】実施例1におけるエンコーダシステムが適用される複写機の概略図である。
【図4】実施例1における原点マークパターンを備えたマークの例である。
【図5】実施例1におけるエンコーダシステムの原点検出プロセスを示すフローチャートである。
【図6】実施例1におけるマークピッチ誤差指標の原点位置近傍でのプロファイルである。
【図7】実施例1における減速時の原点位置検出の説明図である。
【図8】実施例1における減速時の速度プロット図である。
【図9】実施例1におけるエンコーダシステムの原点位置更新プロセスを示すフローチャートである。
【図10】実施例2におけるエンコーダシステムの原点特徴抽出プロセスを示すフローチャートである。
【図11】実施例2において、第1周期目で抽出した特徴パターンと第2周期目の信号との波形相関を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
まず、図1を参照して、本実施例におけるエンコーダシステム(変位検出装置)について説明する。図1は、本実施例におけるエンコーダシステム100の概略構成図である。エンコーダシステム100は、複数のマーク11aを備えた担持体11、マーク11aを読み取るセンサ12、13、および、センサ12、13の出力信号(検出信号)の演算処理を行う演算処理部14を備えて構成されている。センサ12(第1のセンサ)およびセンサ13(第2のセンサ)は、担持体11の移動方向に第1の距離(センサ間距離D)だけ互いにずらして設けられ、複数のマーク11aを読み取り可能に構成されている。
【0012】
担持体11は、例えば50マイクロメートル(μm)の厚さを有するポリエステル樹脂からなる。担持体11の表層には、光を反射させるためのアルミ薄膜などが形成されている。マーク11aは、レーザアブレーションなどで表層のアルミ薄膜の一部を除去して形成されている。センサ12、13は、それぞれ、点光源LEDや半導体レーザなどの不図示の光源(発光素子)、および、担持体11からの反射光を受光するフォトダイオードアレイを有する受光素子を備えて構成される。
【0013】
本実施例は、レンズを用いることなく点光源LEDからの発散光束でマーク11aによる反射光強度の変化を光電変換して増幅し、パルスの立ち上がりエッジまたは立ち下りエッジを検出してマーク11aの通過時間を計測する。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、他の方法を用いてマーク11aの通過時間を計測してもよい。センサ12とセンサ13との間の第1の距離(センサ間距離Ds)は任意に設定可能である。また、同一マークのセンサ間移動時間と同一センサの隣接マーク間移動時間とを同時に計測することが好ましい。本実施例のエンコーダシステム100では、センサ間距離Dがマーク間距離Mに等しくなるように構成されている。
【0014】
本実施例におけるマーク間距離Mの計測方法は、センサ間距離Dを基準とするため、センサ12、13が高精度に配置されていることが好ましい。ただし、マーク間距離Mの相対変動を検出することが目的である場合にはその限りではない。また光源(発光素子)とセンサ12、13(受光素子)は、同一箇所(互いに近接した位置)に設ける必要はなく、光学的に許容される範囲であれば互いに離れた位置に設けてもよい。また本実施例は、結像光学系システムに適用しても同様の効果を得ることができるため、エンコーダシステム100における光学的な構成、配置、光源、移動対象物の材質などは限定されるものではない。
【0015】
本実施例において、マーク11aは、担持体11自体に直接加工して形成されるが、これに限定されるものではなく、予め加工した薄膜を担持体11に貼付してもよい。またマーク11aは、例えば、レーザアブレーションによる表面加工、エッチング処理、または、写真製版や印刷による塗布を行うことで形成されるが、マーク形成方法はこれらに限定されるものではない。
【0016】
図1に示されるように、本実施例のエンコーダシステム100は、センサ12、13が担持体11(マーク11a)からの反射光を計測するように構成されているが、これに限定されるものではない。担持体11(マーク11a)の透過光を計測するセンサを用いることもでき、この場合、担持体11は発光素子と受光素子との間に配置される。本実施例のエンコーダシステム100は光学式エンコーダであるが、これに限定されるものではない。本実施例は、超音波などの振動波式または磁気式のエンコーダにも適用可能である。また、移動対象物は、担持体11側またはセンサ搭載基板側のいずれに取り付けられていてもよく、少なくとも一方が他方に対して相対的に移動していればよい。
【0017】
続いて、図2を参照して、エンコーダシステム100の信号処理方法について説明する。図2は、センサ12、13の出力信号の波形図であり、縦軸は出力信号の電圧値(V)、横軸は時間(μs)である。図2において、先発信号(太線)はセンサ12の出力信号、後発信号(細線)はセンサ13の出力信号をそれぞれ示している。本実施例のセンサ12、13は、エンコーダ計測用のセンサ(センサ12a、13a)と、マーク間距離較正用のセンサ(センサ12b、13b)とを備えて構成されている。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、エンコーダ計測およびマーク間距離較正の両方を1セットのセンサ(センサ12、13)で行うように構成してもよい。
【0018】
センサ12、13は、以下の2つの計測(第1の計測、第2の計測)を同時に実行可能である。第1の計測では、担持体11がセンサ12、13に対して相対移動している際に、複数のマーク11aのうち一つのマーク(同一マーク)がセンサ12、13の間を通過する(第1の距離だけ移動するのに要する)第1の時間を計測する。第2の計測では、担持体11がセンサ12、13に対して相対的に移動している間、順次、複数のマーク11aのうち隣接する二つのマークがセンサ12、13のいずれか(同一センサ)による検出位置を通過するのに要する第2の時間を計測する。第1の時間および第2の時間は、センサ12、13の検出信号に基づいて演算処理部14により演算される。後述のように、演算処理部14は、第1の時間および第2の時間から第1の指標を算出する。そして演算処理部14は、第1の指標が原点位置を特徴付ける第2の指標に相当する場合、第1の指標の算出に用いられたマークパターンを原点マークパターンであると判定する。
【0019】
図2中のtは第1の計測方式にて計測された第1の時間、tは第2の計測方式にて計測された第2の時間をそれぞれ表している。図2に示される2つの出力信号は、同一マークを先行して検出するセンサ12の出力信号を先発信号として太線で示し、遅れて検出するセンサ13の出力信号を後発信号として細線で示している。これらの出力信号は、85マイクロメートル(μm)間隔で形成されたマーク11aを143マイクロ秒(μs)で通過する信号である。
【0020】
以下、本実施例では、第1の計測方式を区間検知方式、第2の計測方式をエンコーダ方式と定義する。区間検知方式は、複数のセンサを必要とし、各々のセンサが同一のマークを認識し、同一マークにおけるカウンタ値が各々のセンサで一致するようにマークカウンタをセンサ別に管理する必要がある。この方式は、マーク間距離Mがばらついてマーク間隔の精度がよくない場合でも、センサ間距離Dで規定される時間差が計測される。このため、マーク間距離Mのばらつきに依存する計測誤差を低減することができる。一方、エンコーダ方式は、単一のセンサでマークを順次読み取るため、マーク間距離Mのばらつきがそのまま時間差の計測誤差に反映される。このため、マークの製造加工時の精度は重要なファクタとなる。
【0021】
次に、本実施例における区間検出方式およびエンコーダ方式を用いてマーク間距離Mまたはマーク間距離Mの誤差値を演算し、原点位置を特定するエンコーダシステム100の原点位置検出方法について説明する。
【0022】
マーク間距離Mは、マークの製造方法や周囲環境(温度、湿度、担持体にかかるテンション)によって変化する。上述のように、本実施例のエンコーダシステム100は、区間検出方式とエンコーダ方式を併用することで、マーク間距離Mに依存する指標(第1の指標)を各々のマーク間で逐次演算することができる。このため、特定位置のマーク間距離Mを第1の指標に基づいて検出することが可能となる。本実施例において第1の指標とは、区間検知方式で演算された第1の時間tとエンコーダ方式で演算された第2の時間tとの比、すなわちマーク間距離M/センサ間距離Dである。第1の指標としては、これ以外にも、第1の距離(センサ間距離D)、および、第1の時間tと第2の時間tとの比、の積を採用することもできる。また、その誤差値Ds・(t/t−t)を採用してもよい。
【0023】
そして、第1の指標および時系列に列挙した第1の指標の配列がそれぞれ特定値(原点位置を特徴付ける第2の指標)および特定配列を示す場合、原点位置を検知したものとしてその原点位置を確定する。すなわち演算処理部14は、第1の指標が第2の指標に相当する場合、第1の指標の算出に用いられたマークパターンを原点マークパターンであると判定する。なお、パターンの一致が確定した時点を原点位置としてもよく、また、パターンの一致が確定した後にいくつかのマークが経過した時点を原点位置としてもよい。このように、原点位置を任意に選択することができる。
【0024】
原点(原点位置)を特徴付ける指標(第2の指標)となるパターンは、例えば演算処理部14の内部に設けられた記憶部に予め記憶しておく。エンコーダシステム100の担持体11は、原点位置のマークパターン(原点マークパターン)が第2の指標となるパターンに対応するように製造される。原点マークパターンは、通常マークパターンとは異なるパターンであり、本実施例では、それらのマーク間隔が互いに異なっている。また、原点マークパターンを予め記憶部に記憶する代わりに、任意の位置で特徴付けられたマーク間距離Mの配列(通常マークパターンとは異なるパターンを含む任意のパターン)を原点マークパターンとして記憶してもよい。この場合、担持体11は原点マークパターンを予め決定することなく製造され、原点マークパターン(第2の指標)の配列およびその位置は、実測により決定される。なお、マーク間距離Mをセンサ関距離Dで補正することが可能になるため、原点位置での検出値を補正することで、簡易に原点位置の検出精度を向上させることもできる。
【0025】
以下、実施例1において、原点位置検出のための配列パターンが予め決定されている場合について説明する。また実施例2において、任意配列を記憶し、記憶した配列を原点の特徴パターンとして設定する場合について説明する。
【実施例1】
【0026】
本発明の実施例1におけるエンコーダシステムについて説明する。図3は、本実施例におけるエンコーダシステムが適用される複写機の概略図である。本実施例では、センサ間距離Dが85マイクロメートル(μm)である2つのセンサ12、13を、それぞれ、担持体11から3mm離して配置する。担持体11は、85マイクロメートルのマーク間距離Mでレーザ加工によりマークを形成したフィルムである。
【0027】
図3に示されるように、担持体11は、複写機の中間転写ベルト17に固定され、ベルト駆動時(図3の左側から右側への移動時)の表面速度を計測するために備えられている。駆動ローラ15は、一定角速度で駆動し、周速度320mm/sを目標として中間転写ベルト17を駆動する。しかし実際には、中間転写ベルト17は、厚みむらや駆動ローラ15の偏心の影響などにより、その表面速度は安定しない。このため、複写機は、転写時に色ずれを引き起す。16は、中間転写ベルト17に従って駆動される従動ローラを示す。12、13は、先発信号を生成するセンサ(第1のセンサ)、後発信号を生成するセンサ(第2のセンサ)をそれぞれ示す。
【0028】
本実施例は、この色ずれを低減させるため、中間転写ベルト17の厚みむらのプロファイルを一周期分学習し、色ずれを低減させる制御を行うため、中間転写ベルト17のホームポジション(原点位置)での信号(原点信号)を出力する。本実施例によれば、原点位置検出のための部品やデバイスなどを新たに設けることなく再現性の高い原点信号を生成可能なエンコーダシステムを提供することができる。
【0029】
図4は、本実施例において、原点位置の識別指標となるパターン(原点マークパターン)を備えたマークの例である。図4(a)は担持体11の全体図、図4(b)〜(d)は原点マークパターン域の周辺拡大図(領域112の拡大図)である。図4(a)に示されるように、本実施例の原点マークパターンの位置は、全周1500mmのうち端辺から5mmの位置にあるが、これに限定されるものではない。原点は、担持体11上のいずれの箇所に設けてもよい。また、原点マークパターンの幅も任意に設定可能である。
【0030】
図4(b)〜(d)に示されるように、原点マークパターン域以外のマークパターンは、85マイクロメートルの幅(ピッチ)で形成されている。また、原点マークパターン域内に82マイクロメートルの幅のパターンおよび90マイクロメートルの幅のパターンを配置し、移動方向に従ってマーク間距離Mのセンサ間距離Dに対する比(M/D)が一定範囲内で変化するように設計されている。
【0031】
図4(b)の例では、原点マークパターンが、82、82、90、90、82、82、…マイクロメートルの幅で交互に変動し、比M/Dが、0.96〜1.06の間で変化する。図4(c)の例では、原点マークパターンが82から90マイクロメートルの幅に移行するのに連続6ピッチ周期で変動するように構成されている。6個のセンサを備えたアレイセンサの和信号により信号を増幅する場合には、図4(c)に示される原点マークパターンが理想的であり、比M/Dは0.96〜1.06の間でなだらかに変化する。図4(d)の例では、原点マークパターンを新たに埋め込むのではなく、通常の85マイクロメートルの幅のマークパターンを一部欠落させることで原点マークパターンを代替させる。比M/Dの変化率は、図4(b)、(c)の場合と比較して大きくなる。ただし、単一のセンサで検出すると信号自体が欠落するため、複数のセンサを備えたセンサアレイの平均値を用いて処理することが好ましい。
【0032】
図4(b)、(c)に示されるように、交互に規則的なピッチ変動を生じさせる原点マークパターンを採用することで、担持体11の汚れや傷に対する誤検知をさらに低減して、より正確な原点信号を得ることが可能となる。すなわち、欠落格子や透過率、反射率を変化させ、それに伴う信号振幅変化を検出する手法は、ゴミの付着や傷の生成により誤検知される場合がある。本実施例では、パターン間隔を変調したマークパターンを検出する。そして、エンコーダ方式での時間計測のみではなく区間検知方式での速度により規格化された結果を用いてマークパターンを検出することで、ベルトの厚みムラや駆動ローラの偏心に伴う速度変動があった場合でも、原点マークパターンを正確に検出することができる。さらに、ゴミや傷により、原点マークパターンのピッチに変化が生じても、その特徴を決定するマークピッチの配列を長く取ることにより、その影響を軽減することが可能である。また、原点マークの幅(ピッチ)が変化した場合、原点パターンの特徴パターンを更新して経時変化に適応することで、更に、ゴミや傷による読み取り精度低下の影響を低減することができる。その結果、複写機の中間転写ベルトの速度制御用エンコーダの場合、転写媒体であるトナー、駆動ローラによる削り傷やダスト、ドラムによる削り傷やダストによる原点位置検出の誤認識を回避することが可能となる。
【0033】
次に、図5を参照して、本実施例のエンコーダシステムにおける原点検出プロセスについて説明する。図5は、原点検出方法を示すフローチャートである。本実施例の原点検出方法は、2つのセンサ(第1のセンサ、第2のセンサ)を用いて各々パルスカウントし、マークの検出タイミングを記憶する方法である。図5の各ステップは、演算処理部14の指令に基づいて実行される。
【0034】
まずステップS101において、パルスカウンタを初期化し(n=0)、パルスのナンバリングができるように設定する。続いてS102において、パルスカウンタをカウントアップさせる(n++)。そしてS103において、第1のセンサがマークを検出したか否かを判定する。第1のセンサがマークを検出した場合、ステップS104にて現在のタイマ値Tを値T1(n)として記憶部に記憶する。一方、第1のセンサがマークを検出していない場合、ステップS105にて現在のタイマ値Tと記憶部に記憶された値T1(n)と差(T−T1(n))が1より大きいか否かを判定する。この差が1未満である場合にはステップS103に戻る。一方、この差が1以上である場合には図5のフローは終了する。すなわち、一定時間以上タイマ値の更新がない場合には、原点検出プロセスを終了する。
【0035】
ステップS106では、前回記憶した値T1(n−1)がある場合、隣接マーク通過時間(T1(n)−T1(n−1))を演算する。ステップS107、S108、S109、S110では、第2のセンサについて第1のセンサに対するステップS103、S104、S105、S106とそれぞれ同様の処理が行われる。
【0036】
ステップS110で隣接マーク通過時間(T2(n)−T2(n−1))を演算した後、ステップS111において、同一マーク通過時間T2(n)−T1(n)を演算する。そしてステップS112において、誤差指標である時間比率((T2(n)−T2(n−1))/(T2(n)−T1(n)))を演算し、演算結果(M/D)をIndex(n)として記憶部に記憶する。
【0037】
続いてステップS113において、原点の指標値(原点Index値)であり予め記憶されている値と値Index(n)とを比較する。これらの値が等しい場合、ステップS114において原点信号を出力し、パルスカウンタの初期化処理(ステップS101)に戻る。一方、これらの値が等しくない場合、パルスカウンタのカウントアップ処理(ステップS102)に戻る。なお本実施例の原点検出プロセスは、センサ12、13(第1のセンサ、第2のセンサ)が担持体11に対して光源と同じ側に配置された反射型エンコーダにて実行されているが、透過型エンコーダでも実行可能である。
【0038】
ここで、担持体11のマーク間隔が85μmである通常域と原点マークパターンであるマーク間隔が82μm、90μmである原点域とを順にベルトの移動とともに通過することを考える。原点パターンとしては、マーク間距離が85μmの通常域、および、マーク間距離が82、82、90、90、82、82、90、90、82、82、90、90の原点域を有する図4(b)のマークパターンを用いる。また、ベルト移動速度は320mm/sで等速移動しているものとする。通常域では、区間検知方式で計測されたマーク通過時間は265μs、エンコーダ方式で計測されたマーク通過時間は265μsであり、マーク間距離M/センサ間距離Dは1となる。一方、原点域では、区間検知方式で計測されたマーク通過時間は265μs、エンコーダ方式で計測されたマーク通過時間は、マーク間距離が82μmの場合には256μs、90μmの場合には281μsである。マーク間距離M/センサ間距離Dは、それぞれ0.96、1.06である。すなわち、通常域で1であるマーク間距離M/センサ間距離Dが、原点域では、0.96→1.06→0.96の値を取る。
【0039】
図6は、本実施例におけるマークピッチ誤差指標の原点位置近傍でのプロファイルであり、原点マークパターンを通過した場合のマーク間距離/センサ間距離(M/D)をモニタした結果を示す。実データでも、概ね、想定マーク間隔に対応する原点マークパターンを示しており、想定マークパターンとの相関が最良の格子カウンタを原点位置と特定することができる。実際のマークパターンのピッチ誤差については、図9を参照して後述する原点位置更新プロセスにより更新することも可能である。
【0040】
なお、上述の原点マークパターンの全長は、通常マークパターンのマーク間距離Mである85μmの整数倍ではない。このため、原点マークパターンの前後になる85μmの通常域において、位相がずれてしまう。このため、前後の通常域での位相ずれが発生しないような、すなわち、原点マークパターンの全長が通常マークパターンのマーク間距離Mの整数倍に設定されていることが好ましい。これにより、通常域では原点マークパターンの有無に関わらず、同じマーク状態/検出信号状態が保たれる。
【0041】
本実施例は、等速時における原点検出を想定しているが、図7を参照して、加速および減速時の原点検出にも本実施例を適用できることを説明する。図7は、減速時の原点検出の説明図である。図7に示されるように、マークピッチ間で加速および減速するベルトを想定する。時刻Taから時刻Tcまでが隣接マーク(マーク1、マーク2)の通過時間、時刻Tbから時刻Tcまでが同一マーク(マーク2)の通過時間である。時刻Tbにおいて、平均速度が325mm/sから320mm/sに減速した場合を考える。
【0042】
図8は、本実施例における減速時の速度プロット図である。図8は、その過程での区間速度変動を記録したものであり、グラフの実線部は実速度を、点線は区間平均速度をそれぞれ示している。センサ間距離Dとマーク間距離Mが等しい場合、1つのマークが2つのセンサ間を通過する時間と2つの隣接するマークが1つのセンサを通過する時間は等しい。この時間をt0とすると、マーク間距離Mが広い場合には時間δtだけマーク間の通過時間の方が大きくなる。これは、マーク間が距離δdだけ誤差として延びていることに起因する。時間t0はTc−Tb、時間δtはTb−Taとしてそれぞれ表される。
【0043】
1つのマークが2つのセンサ間距離dを通過する区間平均速度をv0とすると、以下の式(1−1)のように表される。
【0044】
t0=d/v0 … (1−1)
2つの隣接するマーク間距離d+δdを1つのセンサが通過する平均速度はセンサ間距離dの区間ではv0、距離δdの区間ではv1とすると、以下の式(1−2)のように表される。
【0045】
δt=δd/v1 … (1−2)
マーク間距離/センサ間距離は、マーク間時間/センサ間時間と比較して、以下の式(1−3)のように表される。
【0046】
t0+δt/t0=1+δd/d・v0/v1 … (1−3)
式(1−3)において、v0/v1の値が1の近傍である場合にはマークピッチを識別できることを表している。
【0047】
マーク間距離の成型誤差の最大値は、図6より0.01と読み取れる。このため上述の例のように、85μmピッチを想定した担持体11に原点マークパターンとして82μmピッチや90μmピッチのパターンを入れた場合、δd/dの絶対最小値は0.024になる。速度変動分が30%生じたとしても、δd/dの絶対最小値は、0.017であり、0.015を閾値とする原点検出を考えた場合に検出可能であることを意味する。複写機のベルトの制御は、主に等速域であることから、最大30%の突発変動を想定しても許容される範囲内である。このため、本実施例における原点検出精度は非常に高精度であり、信頼性も高い。通常、マーク区間平均の速度は区間検知方式であるために正確であり、正しい速度でマーク間距離に換算して原点パターンを検出しているため、速度変化の影響を抑制した原点パターン検出が可能である。また、上述のように、マーク通過周期に相当する速度変動が起きたとしても、マークピッチの誤差をセンサの区間平均時間で演算してそのプロファイルから原点検出を行う手法は、十分な原点検出性能を維持できる。
【0048】
次に、経時変化はゴミや傷の影響により原点パターンが変化することを想定した場合の処理手法について説明する。まず、駆動系装置の中では、環境変化により担持体のマーク間隔に変化が発生する。温度、湿度、担持体に掛かる張力、または、接触部材による損傷や汚れ、インクやトナーのような液体、固体粒子の蓄積による経時変化にも起因している。従来、担持体の環境変化における対策としては、ブラシやワイプ機能により、ゴミを除去することで機能を復活させる試みが行われていたが、部品の延命措置に過ぎなかった。
【0049】
以下、図9を参照して、ゴミや傷による原点パターンが変化した場合における本実施例の処理について説明する。図9は、本実施例におけるエンコーダシステムの原点位置更新プロセスを示すフローチャートである。ここでは、基準の原点パターンを更新し、次の原点検出で新規の原点パターンを検出するように自動チューニングする処理を採用している。図9の各ステップは、演算処理部14の指令に基づいて実行される。
【0050】
まずステップS201において、マークを検出し、前隣接マークから現マークまでの時間を演算する。続いてステップS202において、同一マークの通過時間を演算する。このとき、ステップS203で現マークが2つのセンサを通過する最新の時間に対する隣接マークの通過時間の比をとり、この比の値をピッチ誤差指標としてメモリ(記憶部)に記憶する。また、パルスカウンタをカウントアップさせる(n++)。
【0051】
続いてステップS204において、ステップS201からステップS203までの処理の繰り返し回数が所定の閾値より大きいか否か、すなわちパルスカウンタの値が所定値よりも大きいか否かを判定する。パルスカウンタの値が所定値以下の場合にはステップS201に戻る。一方、パルスカウンタの値が所定値よりも大きい場合、ステップS205において、ピッチ誤差指標をメモリ(記憶部)からレジスタにロードする。また、予め別のメモリ領域に記憶された原点指標をロードする。そしてステップS206において、ピッチ誤差指標と原点指標とを比較し、これらの相関係数を演算する。
【0052】
ステップS207において、ピッチ誤差指標と原点指標の相関係数最大値(相互相関度数)が所定値α(定数)より大きいか否かを判定する。相関係数最大値が所定値α以下の場合、ステップS201に戻る。一方、相関係数最大値が所定値αより大きい場合、ステップS208において、相関係数最大値が極値α+β(定数)よりも大きいか否かを判定する。相関係数最大値が極値α+βより大きい場合、この値を原点パターンと認識し、ステップS209において原点信号を出力する。一方、相関係数最大値が極値α+β以下である場合、ステップS210において、現在のピッチ誤差指標を新規の原点パターン(原点指標)として、メモリに記憶する。続いてステップS211において、パルスカウンタの初期かを行い、ステップS201に戻る。
【0053】
この原点位置更新プロセスによれば、原点パターンの近傍がゴミの付着や傷の生成によりピッチ誤差指標が変化しても、これを次回の比較規準で使用するため、担持体のマークに後天的にゴミや傷ができても、その影響を受けにくくすることが可能である。本実施例において、原点マークパターンのマーク間距離や周期は限定されるものではないただし、エンコーダとしての性質上、信号振幅を十分に保持するにはセンサ間距離とマーク間距離の差分が5%以内になるようにするのが好ましい。また、担持体の原点域以外のマークピッチばらつきよりも大きな誤差パターンをつけることが原点の識別精度を維持するために必要である。このため、搭載するシステムの汚れや傷の付き方の状況に応じて上記マージンの振分けを行うことが好ましい。
【実施例2】
【0054】
次に、本発明の実施例2におけるエンコーダシステムについて説明する。本実施例でも、実施例1と同様に、複写機の色ずれを防ぐためにベルトの厚みむらのプロファイルを一周期分学習し、その影響を低減する制御を行うためのベルトの原点信号を出力する。ただし本実施例は、図4に示されるような原点位置を特徴付けるパターンはなく、担持体の通常域にあるマークピッチの中から原点域を任意に決定することが可能である。このように本実施例では、原点域を任意に決定する構成について説明する。
【0055】
例えば、担持体の製造時に85±3ミクロン程度のマーク間距離のばらつきを含む場合、マーク間距離の誤差量配列としてマーク数を増やして定義すると、1周以内では唯一のパターンとして特徴付けることができる。例えば、ある特定領域で、6連続マーク間距離が、85、83、84、83、88、87として、他のいずれの連続6格子においてもこのようなピッチ配列が見られない場合、この特定領域を原点マークパターンと特徴付けることが可能である。原点マークパターンを予め定義する代わりに、初期動作時に原点マークパターンを選択および記憶する原点マークパターン判定部および原点マークパターン記憶部が設けられている。すなわち、本実施例が適用される複写機の場合、電源をオンにして立ち上げた後、ウォームアップ動作中に中間転写ベルトを回転させ、担持体のマーク部をセンサでスキャニングする。そして、マークピッチ誤差指標を1周分取り込み、唯一無二の箇所を特定して原点マークパターンの特徴の最適解を解析する。
【0056】
図10は、本実施例におけるエンコーダシステムの原点特徴抽出プロセスを示すフローチャートである。図10の各ステップは、演算処理部14の指令に基づいて実行される。
【0057】
まずステップS301において電源をオンすると、中間転写ベルトが駆動を開始する。そしてステップS302において、マークピッチ誤差指標をモニタして演算する。特徴抽出のための条件として、例えば、マーク間距離85μmからの誤差が3μmを超える箇所が、想定する原点パターンの範囲内に一定数以上存在することである。また、上値(88μm)と下値(82μm)が両者とも一定割合以上含有していることを条件としてもよい。このパターンの特徴を、中間転写ベルトの回転周期で探索し、最も顕著な特徴を有し、かつ、他の箇所に同等の原点パターンが見られないことを確認する。ステップS303では、格子カウンタをカウントアップする。
【0058】
続いてステップS304において、ピッチ誤差指標値変動が+3%以上であるか否かを判定する。ピッチ誤差指標値変動が+3%以上である場合、ステップS305において上値カウンタをカウントアップする。一方、ピッチ誤差指標値変動が+3%未満である場合、ステップS306に進む。ステップS306では、ピッチ誤差指標値変動が−3%以下であるか否か(変動の絶対値が3%以上であるか否か)を判定する。ピッチ誤差指標値変動が−3%以下である場合、ステップS307において下値カウンタをカウントアップする。一方、ピッチ誤差指標値変動が−3%より大きい(変動の絶対値が3%未満)である場合、ステップS308にて上値カウンタおよび下値カウンタの両方を0にリセットし、ステップS302に戻る。
【0059】
ステップS309では、上値カウンタおよび下値カウンタの両方が5よりも大きいか否かを判定する。ここでは、カウンタを参照することにより、特徴抽出がされているか否かを判定している。これらのカウンタの少なくとも一方が5以下である場合、ステップS302に戻る。一方、これらのカウンタの両方が5よりも大きい場合、すなわち特徴抽出がされた場合、ステップS310において、最適な位置の特徴抽出パターンを選択し、そのパターンを原点パターンの特徴としてメモリに記憶する。続いてステップS311において、ベルト1周期分のマークを検出したか否かを判定する。ベルト1周期分のマークを検出していない場合、ステップS302に戻る。一方、ベルト1周期分のマークを検出した場合、ステップS312において格子カウンタを0にリセットし、原点特徴抽出プロセスを終了する。
【0060】
特徴抽出パターンの選択方法は、ピッチ誤差の大きさ、ピッチの同一値のリピート回数、ピッチ誤差の差分値などのいずれを参照してもよい。原点パターンの初期値を決定するプロセス後、実施例1と同様に中間転写ベルトの駆動周期に1回原点パターンを検出し、その信号を外部出力する。
【0061】
図11は、マークピッチ誤差をモニタし、第1周期目の任意の位置での特徴パターンを抽出し、第2周期目の信号と波形相関をとり、その相関係数が最大となる2波形を重ね合わせたグラフである。第1周期目の波形は実線で描かれ、第2周期目の波形は点線で描かれている。誤差が3μmで変動している場合、図11に示されるように略一致する。すなわち、環境変化や経時的変化などにより、担持体に掛かるテンションやゴミ、傷などの状態が大きく変化しなければ、再現性よく原点マークを検出することが可能である。また、環境変化や経時変化などにより相関性が低下した場合、現状の状況に合せて再度原点マークパターンを設定することで、原点検出不良を防止することができる。本実施例の任意波形特徴抽出法は、原点パターンを予め担持体の内部に組み込む必要はなく、製造誤差のある一定のレベル以上のばらつきを含む一般的な担持体に適用可能である。
【0062】
本実施例は、安価に製造された担持体でピッチ誤差が大きい場合や、工作機械や搬送装置のように、多くの長尺の担持体を使用しその各々の担持体で原点検出が必要な場合に、原点の特徴抽出を自動化することができる。すなわち、予め原点パターンを組み込む必要がなく、任意の位置に原点を設けるため、原点位置を後で微調整することもできる。また、特徴パターンを複数設定することで複数の位置の特定が可能となる。さらに、使用領域全域に検出するパターンの重複がない状態、例えば、誤差パターンがM系列に対応するように作成することで、アブソリュートエンコーダを構成することも可能である。また、本実施例においても、ゴミや傷、汚れにも影響されにくい原点検出システムを構築することになることができる。
【0063】
上記各実施例によれば、計測対象物のアライメント、表面のゴミや傷、汚れにより信号振幅が変化する場合でも、区間検出方式による正確な速度情報とエンコーダ方式によるマークピッチに依存した速度情報から高精度のピッチ誤差を算出できる。このため、原点位置の検出精度を向上させた信頼性の高いエンコーダシステムを提供することができる。
【0064】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
11 担持体
12、13 センサ
14 演算処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマークを備えた担持体と、
前記担持体の移動方向に第1の距離だけ互いにずらして設けられ、前記複数のマークを読み取り可能な第1のセンサおよび第2のセンサと、
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの検出信号を演算処理する演算処理部と、を有し、
前記演算処理部は、
前記担持体が前記第1のセンサおよび前記第2のセンサに対して相対移動している際に、前記複数のマークのうち一つのマークが前記第1の距離だけ移動するのに要する第1の時間、および、前記複数のマークのうち隣接する二つのマークが前記第1のセンサまたは前記第2のセンサによる検出位置を通過するのに要する第2の時間を演算し、
前記第1の時間および前記第2の時間から算出された第1の指標が原点位置を特徴付ける第2の指標に相当する場合、該第1の指標の算出に用いられたマークパターンを原点マークパターンであると判定する、ことを特徴とするエンコーダシステム。
【請求項2】
前記原点マークパターンを記憶する記憶部を更に有し、
前記原点マークパターンは、通常マークパターンとは異なるパターンとして、予め前記記憶部に記憶されていることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダシステム。
【請求項3】
前記原点マークパターンを記憶する記憶部を更に有し、
前記演算処理部は、通常マークパターンとは異なるパターンを含む任意のパターンを前記原点マークパターンとして前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1に記載のエンコーダシステム。
【請求項4】
前記原点マークパターンのマーク間隔は、前記通常マークパターンのマーク間隔とは異なることを特徴とする請求項2または3に記載のエンコーダシステム。
【請求項5】
前記原点マークパターンの全長は、通常マークパターンのマーク間隔の整数倍であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエンコーダシステム。
【請求項6】
前記第1の指標は、前記第1の時間と前記第2の時間との比であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエンコーダシステム。
【請求項7】
前記第1の指標は、前記第1の距離、および、前記第1の時間と前記第2の時間との比、の積であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエンコーダシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−83590(P2013−83590A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224689(P2011−224689)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】